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1955/12/07 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 議院運営委員会 第8号
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1955/12/07 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 議院運営委員会 第8号

#1
第023回国会 議院運営委員会 第8号
昭和三十年十二月七日(水曜日)
    午後二時四十三分開議
 出席委員
   委員長 椎熊 三郎君
   理事 荒舩清十郎君 理事 長谷川四郎君
   理事 松岡 松平君 理事 井上 良二君
   理事 山本 幸一君
      内田 常雄君    鹿野 彦吉君
      薩摩 雄次君    田村  元君
      坊  秀男君    松澤 雄藏君
      山中 貞則君    山本 正一君
      池田 禎治君    中村 英男君
      野原  覺君    矢尾喜三郎君
      渡辺 惣蔵君    岡田 春夫君
 委員外の出席者
        議     長 益谷 秀次君
        副  議  長 杉山元治郎君
        専 務 総 長 鈴木 隆夫君
    ―――――――――――――
十二月七日
 委員石野久男君辞任につき、その補欠として岡
 田春夫君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月六日
 農林水産委員会の分割に関する陳情書(東京都
 区芝新橋四丁目一番地水産政治連盟理事長鍋島
 熊道)(第六九号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 去る五日の本会議における中原健次君の発言に
 関する件
    ―――――――――――――
#2
○椎熊委員長 これより会議を開きます。
 本日の運営委員会は、自由民主党からの要請によりまして、急遽御相談申し上げたいということで、予定はございませんでしたが、緊急に開催することになりました。よって先刻理事会を開きまして、自由民主党の申し出の内容について承わりました。自由民主党では、去る五日の本会議場における国務大臣に対する質疑、その際の小会派の中原君の演説の内容に不穏当な個所があるので、この問題について処置をしたい、よって議運によってこれを相談したい、そういう説明でございました。理事会では、不穏当と主張せられる自由民主党の方からそれぞれ説明があり、それに対して社会党から二、三の質問がありましたが、処置の問題等は、理事会ではお諮りしておりません。あげて議運のこの会合にゆだねる、そういうことで理事会は一応閉じました。そこで、もう一度繰り返していただきまして、自由民主党の方からこの会議を要請した趣旨について弁明していただきます。
#3
○山中委員 社会党の皆さんには、突然私どもの党からの要請によりましてお集まりをいただいたわけでございます。その理由は、委員長がただいま報告をされました通りでございますが、具体的に申し上げますと、ただいまお手元にプリントを差し上げてございます。これは去る五日の衆議院本会議場におきまする小会派代表としての労農
党中原健次君の発言の内容の速記録の写しで、これから申し上げようと思います問題と思われる個所を含んでおります抜粋のプリントでございます。まず、私ども皆様方に緊急にお集まりを願ってまで問題にしなければならないと考えました基本的な考え方でございますが、念のために最初これを読んでみることにいたします。
 最後に、政府並びに与党一部、その他の日ソ交渉に消極的な人々によって行われております、―――――――――――――――――よって行われております、――――十年前に終りましたあのいわゆる大東亜戦争について総理初め諸公は、そもそもあの戦争を、正義の戦いであったと考えておいでになるのかどうか。それとも、東条軍閥によって仕組まれた反国民的な侵略戦争であったと考えておいでになられるのかどうか。この際あらためて事新しくお尋ねをいたしておきたいと思うのであります。国民にとってこのような設問はあまりにも明らかなる答えの出る質問であるのでありますが、――――――――――――――――。
 終戦のとき、皆さん、阿南陸軍大臣の秘書官林三郎という人が、戦後の著書でこのようなことを発表いたしております。「日本は昭和十六年四月十三日、日ソ中立条約を締結した。それから三月とたたない七月二日の御前会議後、大本営は対ソ新国策に基き、関東軍に対する大規模な兵力増強を開始した。企図秘匿のため関東軍特別大演習と呼ばれたものがこれであり、四十万の関東軍はここに一躍七十数万に増強された。このいわゆる関特演こそは、独ソ戦が独軍側に有利かつ迅速に進展するとの見透しに基づく対ソ武力行使の準備であった。ところが、あてにした独ソ戦は、ヒトラーの言明通りには進展しなかった。」このように書いておるのであります。
 議長より時間の注意がありまして、―――――――――――――――――――――このため、その国の危急にもかかわらず、ソ同盟軍の多数が極東にくぎづけされたというのが事実のようであります。鳩山さん、重光さんのこれらの点に関するお考えを承わっておきたい。
これが問題になる点を含みました抜粋した点の全文でございます。そこで、まず私どもが基本的にどういうわけでこれを問題にいたしましたかと申しますと、私どもとして、この文章を一読して考えますことは、前文にございますように、「――――――――――――――――――――――これが問題になる点を含みました抜粋した点の全文でございます。そこで、まず私どもが基本的にどういうわけでこれを問題にいたしましたかと申しますと、私どもとして、この文章を一読して考えますことは、前文にございますように、「―――――――――しております。そうすると、中原君並びにその立場の考え方の主張といたしましては、ソ連が大東亜戦争末期に参戦を行なったその事実が、中立条約というものを侵犯したのであるという、明らかなる国際法じゅうりんの事実というものについて、それを承認する、宣伝であるということを前置きいたしておるのであります。そういう考え方を基礎にして次に述べておるのであります。これは二通りに分れておりますけれども、前段は、ソ連が参戦しなかったとしたら一体どうなるのかということが中心になっておりまして、それについては「――――――――――――――――これが問題になる点を含みました抜粋した点の全文でございます。そこで、まず私どもが基本的にどういうわけでこれを問題にいたしましたかと申しますと、私どもとして、この文章を一読して考えますことは、前文にございますように、「―――――――――しております。そうすると、中原君並びにその立場の考え方の主張といたしましては、ソ連が大東亜戦争末期に参戦を行なったその事実が、中立条約というものを侵犯したのであるという、明らかなる国際法じゅうりんの事実というものについて、それを承認する、宣伝であるということを前置きいたしておるのであります。そういう考え方を基礎にして次に述べておるのであります。これは二通りに分れておりますけれども、前段は、ソ連が参戦しなかったとしたら一体どうなるのかということが中心になっておりまして、それについては「―――――――――――いたしまして、実際には、ソ同盟の参戦が国民の希望にこたえて終戦を実現させてくれたものであるという断定を、中原君はいたしております。そうしてその次に、この参戦が早かったならば、あるいはおそかったならばという仮定の論議をいたした後に、中原君自体の断定として、「―――――――
―――――――――――――を、中原君はいたしております。そうしてその次に、この参戦が早かったならば、あるいはおそかったならばという仮定の論議をいたした後に、中原君自体の断定として、「―――――――原君としての断定をされております。この第一段の次に第二段として、林三郎という人の著書を引用されました内容を受けまして、結局この著書の内容から受けるところは、「―――――――――――――――――――を、中原君はいたしております。そうしてその次に、この参戦が早かったならば、あるいはおそかったならばという仮定の論議をいたした後に、中原君自体の断定として、「―――――――原君としての断定をされております。この第一段の次に第二段として、林三郎という人の著書を引用されました内容を受けまして、結局この著書の内容から受けるところは、「――――――う、これも中原君としての断定が行われておるということになっておるわけであります。私どもそこで、こういう考え方というものは、少くとも日本国民大多数の意向ではない、むしろ現実には、日本とソ連のどちらにも関係のない国々から見ましても、あるいは私どもから見ましても、ソ連の対日参戦は国際法上不法なものであったということは、もう結論が出ておると思います。ソ連自体も、先般ソ連を訪問いたしました西独のアデナウアーに対しまして、まずまつ先に言いましたことは、君たちは中立条約をじゅうりんして侵入してきたではないかということを言うておりますし、ソ連としても、自分の方が破れたならば、そのことを当然主張するであろうことが具体的に立証されておるのであります。そうすると、この問題はすでに結論が出ておる問題だと私どもは国際常識上思うのですが、そういうものをあらためてここで取り出しまして、先ほどお話したような内容を開陳することによって、具体的にソ同盟は中立条約を侵犯していないという断定こそないのでありますが、実際には、こういう国際条約じゅうりんの明らかになっておる外国、すなわちソ連を、あらためて日本国民の世論の表現という形において有利にしよう、すなわちソ連の参戦は日本の終戦のためによかったのだという表現を用いておる。しかも後段において、実際はそんなことを言うならば、日本の関東軍というものは、実際において中立条約をじゅうりんするような行為をしておるのであるということを述べて、日本のために、いわば直接的ではありませんが、不利になるような証言がされておると私ども考えるのであります。そういたしますと、国会においてはそれぞれ思想、立場の異なる人の代表が出ておるのでありまして、その行動並びに言論は基本的に自由でございます。しかし大局的には、やはりわれわれの措置が日本の利益を進展し、あるいは日本の立場というものを少くとも有利にする言論であるということが究極の目的でなければなりません。そういたしますと、この言論は明らかにこれに反するものでございまして、日本を不利にいたし、ソ連を有利にせんとする意図があると私ども受け取ったのでございます。そこでわが党といたしましては、一昨日来この問題を具体的に検討いたしまして、これはとうていこのまま無視することはできない問題である、しかしながら、これはわが党だけが自分の党の立場からだけの議論をやってもいけないから、やはり正式な機関たる議運で各党の立場、言いかえるならば、私ども以外の社会党さんの考えというものを十分承わり、そうしてわれわれの目標である、国会はこれを無視しない、こういうことがあるべきでないという結論を得るための御相談を申し上げたい、こういうことが私どもの本日お集まりを願った理由でございます。きょうわざわざ特別集まっていただきました理由は、具体的な処置につきましてはお話し合いをいたすことでございますが、もしその話し合いがまとまらないといたしますれば、私どもといたしましては、国会法に基く懲罰等の手続も考えております。そうすると、本日がきめられております期限の最終の三日目に当りますから、御無理ではございますが、本日おいでを願ったわけでございます。以上のような理由でございますので、社会党の方々の御意見を承われればけっこうだと思います。
#4
○池田(禎)委員 社会党としても、先ほど来自由民主党の方の提示された理由、読み上げられた理由というものを承わって、実はさらにもっとお伺いしたいと思っておりました。この際われわれとしては、深くもっと聞きたいと思っておるような次第でございますから、この際むしろ小会派の方の岡田君にそういう御意見を出していただきたいと思います。
#5
○岡田委員 ちょっと発言を……。
#6
○椎熊委員長 小会派としては、この事案に対する被告的立場にあるわけでございまして、あなた方の主張するところを主張し、あなたが聞かんとするところを聞いて、その上で十分に発言をされたらどうですか。
#7
○岡田委員 そういう懲罰的な意味では被告的という問題になりましょうけれども、そういう問題が提起された理由といいますか、そういう点については、われわれの方はまだ正式に伺っておらないわけです。
#8
○椎熊委員長 今ここで正式に始めております。
#9
○岡田委員 先ほどあなた方の方から個人的にお話があったので、それについてわれわれの方では代議士会を開いていろいろ検討しておりますが、もう少しそういう事実関係について、今山中君の御説明の中途で入って参ったものでございますから、詳細を聞いておりませんので、そういう点についても、もう少し伺いたいと思っております。
#10
○椎熊委員長 あなたの聞きたいとおっしゃる点を申し述べて下さい。
#11
○岡田委員 それでは伺いますが、自由民主党としては、この文書も実はまだ私いただいておりませんが、その文書について、場合によっては懲罰としての手続をされるというお話を今伺ったわけですけれども、この点が、どういう事実に反するという理由に基いて懲罰に付せられるというのか、あるいは不穏当である、きわめて日本の立場に立って不穏当であるという意味で懲罰事犯にされるというのか、こういう点を一応私は伺っておきませんと、小会派クラブに帰って報告ができないわけです。ですから、こういう点を伺っておきたい。
#12
○椎熊委員長 委員長から申し上げます。ただこの案件を懲罰委員会に付するとかなんとかいうことは論議になっておりません。
#13
○岡田委員 先ほどから御説明があったのは、それではどういう点の御説明があったのですか。
#14
○椎熊委員長 不穏当であるということです。
#15
○岡田委員 わかりました。そうして不穏当であるということで、これについては社会党ともいろいろ話し合った上で、これに対する適当な取り消しなり、あるいは適当な方法をとろうというお考えで今提案をされておる、こういうわけですか。
#16
○椎熊委員長 もちろん不穏当であって、しかも緊急に運営委員会を開くというのでありますから、本件に対する処理をしなければならぬことは当然であります。その処理の方法、形等についてはまだ論議になっておりません。それから社会党と自民党との間に何らの話し合いもしておるわけではないのです。今この会議を開いて理由を説明し、そうしてこちらから主張をせられておるだけであります。それに対する質疑があれば、していただきたいと思います。
#17
○野原委員 これは提案をされました自由民主党に対して御質問いたしますが、先ほど山中君から、この案件の処理に関して話し合いがまとまらぬ場合には、つまり社会党側の意見を聞きたいが、話し合いがどうしてもまとまらぬならば、自由民主党側としては、あるいは懲罰ということも成規の手続で要請するかもしれないという御発言があったのであります。そこで、事は重大でありますのでお尋ねしたいのでありますが、話し合いがまとまらぬ……。か、まとまるということは、どういうことを具体的にさしておられるのか。つまりこの案件の第一次の処理の方法としては、話し合いをまずまとめる、それがまとまらぬならば懲罰というような手も考えなければならぬ、こういう二段がまえの提案をされたように呼け取ったものでございますからお尋ねするのですが、まとめられようという話し合いとは、具体的に何をさしておるか、お示しを願いたい。
#18
○山中委員 受け取り方に少し誤解があるかもしれないと思いますから申し上げます。私どもが最悪の場合には懲罰も考えておると申しましたのは、きょう緊急にお集まりをなぜ願ったか、あすでいいじゃないかという反論があるといけないので申しあげたのですが、それは国会法によって、懲罰事犯が起ってから処理するのは三日以内でなければならぬということがあるのです。本日はその三日目に当っておる。そこでその手続も一応考慮の中に入れて、本日お集まりを願ったということでございます。君らが承知しなければ、賛成しなければ、おれらはおれらでやるというのではないのであります。そこは誤解のないようにお願いしたい。それからいま一つ、話し合い云々でございますが、この話し合いという言葉の表現がおかしいと思うのです。そういう意味ではないのです。私どもは、これをかように考えておる。すなわち、国会としてこういう言論はこのまままで無視して黙殺すべきものではないだろう、こういう考えを持っておる。ついては、それについて御意見を伺って、話し合いが各党において行われるならば、しからばそれをどういうように措置するかという話し合いをいたしたい、こういうことがねらいであり、われわれの目的でありまして、お互いの話し合いがまとまればとか、そういう意味の提案の仕方をしておるわけではないということを、御了承願いたいと思います。
#19
○井上委員 ただいま自由民主党から、去る五日の本会議における中原君の発言がきわめて不穏当だという前提に立って、これを何とか問題にならぬものかというような、一つの提案みたようなことに実はなっております。そこで私は、ちょっと国会運営の最高の責任者たる議長に伺いますが、議長は当日中原君の本会議の発言を聞いておって、この発言が不穏当だと認めます場合は、これは前例にもありますが、議長職権をもってその発言の取り消しを命ず、あるいは訂正を命ずるということができる権限が与えられておるのに、議長が当日議長席にいなければ仕方がありませんが、現においでになって中原君の発言を終りまで聞いて、そのまま本会議は散会されておる。そうなりますというと、議長としては、中原君の発露は何ら不穏当であったとは別に考えなかったのかどうか。もし不穏当と認める場合があり得るならば、直ちに速記録を調べた上で不穏当の個所は取り消しを命じますということを宣言する必要がある。もし当日さようなことができない場合は、直ちに翌日の議院運営委員会にこれを議題として諮って、そうして議院運営委員会の承認のもとに取り消しをすることのできる権限が議長に与えられておるのであります。そういう関係から、議長といたしましては、これに対してどうお考えになったか。今日議長は全然横の方に寄ってしもうて、与党の方からこれを問題にしてきておるわけでありますが、本会議運営の最高の責任者は議長であります。議長が議員の発言を聞き、かつ議院の秩序を保ち、国会の品位を高めていくという見地から、議長には非常に重要な権限が与えられております。そういう見地から議長はどういうお考であったか、この点を伺いたい。
#20
○山中委員 それは国会運営のベテランたる井上さんの御発言とは受け取りがたい。なぜかと申しますと、お互いに承知しておりますことは、一個人の議長として、個人の考え方でこれを判断して、取り消しとか、そういう御発言があるものとはお互いに了承していない。もしそういうものを与えておれば、これはお互いが承知しないはずです。今日まで現実においてわれわれが知っております通り、そういう問題があったならば、議場内交渉係というものによって、各党を代表する立場で話し合いをする、そうしてそういうことについての結論を、議運にかわる意見として議長に具申をして、それによって議長が採決していかれるのであって、そういう何らの進言もないのに、議長が単独でそういうことを行い得る余地は、今日の国会運営においてはまかされていないと思う。ことに私は、当日直ちにその場においておっしゃるような手続を各派交渉においてとろうと思いましたが、実は、私交渉係でなかったものでありますから、ほかの人を探したのでありますが、そのときその場にいなくて、そのまま短かい時間でございましたから時間が経過して、政府の答弁に移ってしまったということになりまして、実際自分のとろうと思う措置がその場において不可能でございました。私は、議長の意見というものは、そういう意味におきまして井上さんのおっしゃるような立場からの考え方はどうであるか、こういうことをお伺いいたしたいと思います。
#21
○益谷議長 井上さんの御質問にお答えを申し上げます。むろん法規の上から、ただいま井上君の言われた通り、議長は権限がございます。しかしながら慣例によりまして、よほどの場合何人が見てもはっきりしたというような、よくよくの場合でない限りは、議長は言論を尊重するという意味から取り消しをいたしておりません。取り消しをいたすとか、あるいは速記録を調査の上適当な措置をとるとかいう場合は、議場の各党の交渉係から申し出がありました場合に、議長はさような取扱いをいたしておるのであります。先日の中原君の演説に対しては、各党の交渉係から何ら申し出がないので、また実際を申し上げますると、議長席で私は居眠りをいたしたわけではありませんが、うしろから聞いておりますると、はっきりわからない場合が多いのです。特に議場が幾らか騒然といたして参りますと、どうも議員の発言というものを明確に把握することが議長席からはできません。従って議長は、議長の職権を行使するのによほど慎重にやっていかなければならぬ。すなわち、慣例をどこまでも尊重してやらなければならぬという立場をとって、先日は速記録を調査の上適当な措置をとりますということも申さなかったのであります。本日議運が開かれまして、皆様方が慎重審議せられ、おきめになった場合は、議長はそれに従って処置いたして参りたいと思います。
#22
○井上委員 わかわました。私は、ただいま山中君から提案されて参りました中原君の発言の内容でございますが、この内容につきましては、それが中原君の個人、または中原君が所属しております労農党としての見解かも存じませんけれども、社会党としては、この見解に同調するものではありません。かような見解を社会党はとっておると考えられたら大へんな誤解を招くのでありますから、この点はっきり明確にしておきます。社会党はかような見解に同調するものでもなければ、またこれを援助する何らの立場を持つものでもありません。この点は明確にしておきます。ただ、さようでございますが、おのおのの考え方なり、またいろいろの見方を論戦いたします場合、それが非常な不穏当な事態にわたり、また各人の私的行為にわたって、国会の議論としてはどうかと思われるような不穏当な言辞を吐いた場合は、これはわれわれとしても大いに議論をしなければならぬし、問題にもしなければならぬこともあり得ると思います。しかし、おのおののものの見方に関する見解を披瀝することにおいて、それが非常に不穏当だという見方の上に立って一々問題を取り上げていっておりますと、これはなかなかお互いの立場がございまして、事実上困難な事態が起ってきやせぬかということを憂えるのです。ですから、そういう前提でものを考えて、ほんとうにこれはけしからぬことを言うたと思うならば、おそらく自民党の議員各位、また社会党及びその他の議員各位も、これはこのままほうっておけぬ、直ちに議長に即時取り消しを求めるなり、速記録の訂正を求める申し入れをすべきであったはずであります。それがそのときは何らされておらず、また何らさような注意が議長にも喚起されずに、その場はそれで済んで、そうして二日たち、三日たっておる間に、いろいろ考えてみると、こういうことになってきて、そうしてこれは何とか一つした方がいい、こういうことでは、もう一つどうも、これは問題にすること自身がちょっと筋道がだいぶずれておると考えます。またこの点は、労農党の方においても、小会派の方においても、かようなことが正しいという立場に立って発言されておるけれども、非常な誤解を生ずるという半面がなきにしもあらずだと思います。そういうような点で、私は、自民党があまり問題にしないうちに率直に不行き届きな言葉であったということで取り消しをされるなり、訂正をされて、あまりもめぬようにしてもらいたい、こう私は思うのですが、岡田さん、どうですか。
#23
○岡田委員 先ほども私申し上げましたように、この問題は、正直のところ小会派クラブが話を伺ったのは、つい三十分ばかり前のことでありますので、われわれとしては、これをいかに処理すべきかという態度がまだきまっておりません。しかしながら、先ほど井上さんの非常に御親切な御忠告等も伺いましたので、できるだけ国会の円滑なる運営のために、われわれとしても善処するという気持は十分に持っておるつもりです。しかし、この善処するということにつきましても、いろいろな善処する方法もありましょうと思いますので、そういう点について、小会派クラブの議員の中においても態度をきめなければなりませんし、また議長並びに運営委員長の皆さんともお話し合いの上で円滑なる運営の処理ができるように、私自身としても努力していきたいと考えております。従いまして、今井上さんの御意見もありました関係上、他の皆さんからの御意見を承わったあとに暫時休憩をしていただいて、そのあとでわれわれの方としても極力何とか解決するように努めたいと考えております。
#24
○山中委員 岡田君の御意見には異議ありません。賛成ですが、井上先生のおっしゃった、私どもの取り上げ方の問題でございます。本会議場において、私どもがその場で即決しなかったことについては、先ほど御弁明申し上げた。その後議長に、わが党だけででもこの意思を言わずに、三日もたってからといっても一日置いて今日ですが、そういう御意見でございましたが、実は私ども、その当日直ちに会合を開きまして、国会対策を中心にして昨日、本日とこれを論議いたしまして、御承知の通り自由民主党全部の関係者にはかりまして、具体的な文章の内容あるいはその表現の方法等についても、各自の立場から討論をいたしまして、わが党としては、やはり結論として、院としてこれを無視できない言辞であったということに落ちつきましたので、本日御無理をお願いしたのであります。ただ、井上さんがおっしゃいました、こういうものをむやみやたらとやっても各自の思想なり立場があるので、一々けしからぬということで持っていくと、あとあとややこしい大へんな問題が起ってくるということですが、私どもはその点も十分考えまして、その論議をいたしてから、言論の自由も認めており、思想の自由も認めており、その政治行動も認められておる現状から考えて、いやしくも言論の自由の弾圧とか制限ということに陥ってはならない。こういうことが基本的な立場でございますが、先ほど申し上げましたように、しかし遺憾ながら国会として論議すべき言辞には、自由でありながら、おのずから限度がある。それは日本の国としての利益をそこない、あるいは日本に重要な利害関係のある、しかもまたソ連の今回の問題について言うならば、中立条約じゅうりんということは、当事者のみならず、世界各国が論ぜずして結論にすでに達しておる。ソ連側の一方的な責任を、この際またあいまいにするような言辞は、日本の国会において論議さるべき限界を逸脱しておる。こういう見地から取り上げたわけでございますから、誤解のないようにお受け取り願いたい。
#25
○山本(幸)委員 わが党の態度については、先ほど井上理事から表明いたしました通りですが、今山中君からも発言があり、岡田さんからも発言があって、特に岡田君から、自分として運営に万全を期するように努力したいという発言もあったのでありますから、この際、内容はよくわかっておるし、皆さんの御意見も承知しておりますから、しばらくこの問題で休憩して、その間に岡田君と私ども皆さんと一緒に相談して、何かいい方法があればぜひお互い努力する、こういうふうに一つお願いしたい。
#26
○椎熊委員長 よくお話はわかります。この際念のために申し上げておきますが、御承知のように、懲罰の動議には期限の制限があります。しかし、取り消しの申し込みには制限がないのでございます。本会議場において交渉係が申し出るといなとにかかわらず、その後といえども期限なしにできるのでございます。その点は御了解願います。なお、小会派の本会議における発言の単位は、これまで申し合せで二十名以上ということが単位になっておる。現在の小会派は発言の単位に達していないのでありますけれども、特に重要な問題、たとえば施政方針演説であるとか、予算の審議であるとかいうものには、慣例もありますし、特に認めて発言を願っておるのでありますが、そういう機会を利用してかくのごとき問題が起ったことは、私は将来の小会派の発言の権利留保のためからもはなはだ遺憾に存じますので、どうかその辺将来円滑に運営していけますよう、休憩中とくと御相談を願いまして、運営委員会ではスムーズに結論が出ますようにお願いいたします。
 暫時休憩いたします。
    午後三時十九分休憩
    ―――――――――――――
    午後四時二分開議
#27
○椎熊委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 休憩中、各党理事その他の方々にお集まりを願いまして懇談を重ねました。その間社会党の諸君のあっせん等もありまして、自由民主党から強硬な主張もありましたが、国会将来の運営の円滑をはかるために、今回はなるべくきれいな姿でこの問題を解決したいという趣旨のもとに交渉がありました。交渉の結果、中原君自身から案が出まして、本会議の適当な機会に壇上に上ってこういう発言をしたい、それで一切を解決してもらいたいというのであります。ただいまそれを朗読いたします。
  十二月五日の本会議における私の発言中、不穏当と認められるところは自発的に取り消しします。そういうことを発言したいということです。不穏当と認められる個所は、先ほど来指摘した個所でございます。御本人みずからこれを了承したわけでございますから、こういうことで本問題を解決したいと存じます。いかがでございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○椎熊委員長 それでは、本日特に運営委員会を開きまして、十二月五日の中原君の発言に対する問題が取り上げられ、御承知のような経過をたどって、ただいま朗読した文書その通りの発言を、中原君は明日の本会議の適当な場所――おそらく劈頭でございましょう、壇上に上って朗読せられることになりまして、この問題はこれをもって一切解決いたしました。議長はただいま他用あって外出せられましたが、この中原君の発言に基きまして、先刻来指摘されたる不穏当と見られる場所は、事務局に命じて取り消しすることに相なります。それでよろしゅうございますか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○椎熊委員長 それでは本問題は解決いたしました。
    ―――――――――――――
#30
○椎熊委員長 先刻、理事会等でもちょっとお話申し上げましたが、社会党から申し出の本会議で趣旨説明を聞くの件であります。明日の議運で相談しようと申し上げておきましたが、特に本日はこういう会議をやって時間もあることだから、本日この問題を相談してもらいたいという社会党の申し出がございます。もう一度念のため読んでみます。
  昭和三十年度の地方財政に関する特別措置法案、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案、原子力委員会設置法案、原子燃料資源探鉱促進臨時措置法案、以
 上四件は重要案件だと思われるから、本会議において趣旨説明を聞き、質疑をしたい。
 こういう申し出がございます。いかがでございますか。
#31
○山中委員 私は、原子力平和利用の承認について、本会議場でこれをやりたいという御意見を社会党からされまして御賛成を申し上げます際に、本国会においては、これ以外に重要法案といえば地方財政関係の法案である。ただいま委員長の言われた四つのうち、一、二に該当するわけでありますが、これについては、すでにもう予算委員会において審議が開始される段階にきておるので、本会議場で再度やるということはやらないだろうということを念を押したが、そのときには、それはもうやらないからというような話があった。われわれもそういうことを前提にして、原子力平和利用を本会議に上程することについて賛成をしたのでありますが、これは公的な発言にはなっておりません。そういうつもりでおったが、ただいまあらためてお出しになったわけで、それについては、私どもとしてはそういうつもりでおりましたから、ちょっとここで即答はいたしかねるような次第であります。
 いま一つの原子力関係の問題は、先般の条約の問題とは根本的に違うわけでありますから、これについては、またあらためて検討いたします。きょう返答しろということは、委員長のお取扱いでございましたが、ちょっと無理じゃないかと思います。
#32
○井上委員 実は、本日特に議題に供してもらいましたのは、明日の議事日程がどういうことになりますか、私の見通すところによると、そう多くの議題はない。そうしますと、特に今度の国会を召集した目的が、地方財政に関係する問題ですから、そこで先般もこの委員会で、特にその関係で大蔵大臣の本会議における説明を求めるという発言を私どもいたしましたけれども、時間的にどうにもならぬということになりまして、やむを得ないということで実は了承したわけです。しかし、いよいよこういうふうにして正式に地方財政関係の法案が出て参りますと、一応これに関連して、この裏づけの財政的処置なり、予算的処置なりはどうなるかというようなことを、当然これは国民も知りたがっておれば、各党議員も、その専門の委員会に入っておる者はわかりますけれども、ほとんど関係委員会以外の者はわからぬという状態にあるわけであります。そういう意味から、ぜひこの際両案を、明日できればやらしていただきたい。一人十分か十五分くらいですから、それだけの時間を、あなた方の方でもこの重大案件を理解してもらうという意味で、本会議でやらしていただく方がいいじゃないか。原子力の問題につきましては、まだ私ども案を見ておりませんから、いずれまた御相談をいたしたいが、特に明日やらしていただきたい。
#33
○荒舩委員 井上さんにちょっとお尋ねしますが、地方財政に関する特別措置と交付税及び譲与税、それと原子力委員会の設置と原子燃料資源、この四つに分けて、個々に議題にしてやるのですか。
#34
○井上委員 これは一括されると思う。当然二つの案は、大蔵大臣なり大蔵次官なりが本会議で説明されるでありましょう。あとの二つも一括されるのじゃないかと思います。
#35
○山本(幸)委員 説明は二件、質問も二件で済みます。
#36
○井上委員 質問も、そういう提案の仕方をしてくれば、一人ということになりやしないか。
#37
○長谷川(四)委員 すでに初めの二つの問題については、予算委員会でこれと関連しておるのをやっておるから、おかしいじゃないかという考え方もあるわけです。私、結論を出すわけではないが、今ごろになってこんなものをやってもしようがないという意見等もあります。それから原子力委員会の設置法案は別に大した問題でもないし、各党一致の考え方で進んでおるのですから、これも大したことがないじゃないか。要は、原子燃料の資源探鉱というこれですが、新しくできる法案ですから、これは幾分かは考えてみる必要があるかもしれません。しかし、これらに対しても大した法案でないから、重要法案と見るわけにいかないと思う。
#38
○井上委員 御存じの通り、予算委員会に予算案はかかっておるというものの、外交問題を主として論議が行われておって、財政措置に対する質問は一ぺんも出ておりません。ただ私の方も、あすは実は例の決議案を出すことになっておるので、それらの関係とにらみ合せまして、もう一ぺん党に帰ってよく相談します。
#39
○荒舩委員 われわれも、あすこれをやるやらないということは、まだ初めて聞くので、党に持ち帰って相談して、あした御審議を願う、こういうことでどうでしょうか。
#40
○池田(禎)委員 荒舩さんの言う通りで賛成ですが、重要法案であるかないかということの論議をすれば、それぞれお互い問題があると思う。ただ私は、非常に議事が輻湊しておってどうにもならぬというときならともかく、比較的本会議が閑散である。できるだけ本会議でみんなが聞くということにすることは、本来ならば、委員会制度というものでわからなくなっておるから、その点は与党の方でなるたけそういうときには便宜をはかっていただきたい。
#41
○椎熊委員長 社会党から本日突然こういう要求が出たのでございまして、自民党の考え方がどうなっておるか、まだわからぬそうですから、明日の議運の理事会までには、党の意見をまとめてきていただきたい。
 明日は午前十時半理事会を開き、十一時議運を開きます。本会議は定刻に開きたいと考えております。
 それでは本日はこれをもって散会いたします。
    午後四時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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