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1955/12/15 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 外務委員会 第11号
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1955/12/15 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 外務委員会 第11号

#1
第023回国会 外務委員会 第11号
昭和三十年十二月十五日(木曜日)
   午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 前尾繁三郎君
   理事 石坂  繁君 理事 北澤 直吉君
   理事 須磨彌吉郎君 理事 山本 利壽君
   理事 穗積 七郎君 理事 松本 七郎君
      大橋 忠一君    菊池 義郎君
      高岡 大輔君    並木 芳雄君
      戸叶 里子君    西尾 末廣君
      細迫 兼光君    森島 守人君
      岡田 春夫君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 重光  葵君
 出席政府委員
        調達庁次長   安田  清君
        外務事務官
        (アジア局長) 中川  融君
        外務事務官
        (国際協力局
        長)      河崎 一郎君
        外務事務官
        (移住局長)  矢口 麓藏君
 委員外の出席者
        外務事務官
        (欧米局第六課
        長)      法眼 晋作君
        専  門  員 佐藤 敏人君
    ―――――――――――――
十二月十四日
 委員犬養健君辞任につき、その補欠として松本
 俊一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月十四日
 千島歯舞諸島返還等に関する請願(町村金五君
 紹介)(第三三三号)
 鳥島附近の米軍爆撃演習中止に関する請願(床
 次徳二君紹介)(第三三四号)
 同(赤路友藏君紹介)(第三八八号)
 韓国抑留漁船乗組員の帰還促進に関する請願(
 田中龍夫君紹介)(第四一九号)
の審査を本委員会に付託された。
同日
 沖繩の日本復帰促進に関する陳情書(東京都議
 会議長四宮久吉)(第二一七号)
 韓国抑留漁船乗組員の帰還促進に関する陳情書
 (東京都議会議長四宮久吉)(第二一八号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 国際情勢等に関する件
 請 願
  一 日ソ交渉促進に関する請願(中村三之丞
   君紹介)(第二七八号)
  二 千島歯舞諸島返還等に関する請願(町村
   金五君紹介)(第三三三号)
  三 鳥島附近の米軍爆撃演習中止に関する請
   願(上林山榮吉君紹介)(第六号)
  四 鳥島附近の米軍爆撃演習中止に関する請
   願(床次徳二君紹介)(第三三四号)
  五 同(赤路友藏君紹介)(第三八八号)
  六 韓国抑留漁船乗組員の帰還促進に関する
   請願(田中龍夫君紹介)(第四一九号)
    ―――――――――――――
#2
○前尾委員長 これより会議を開きます。
 国際情勢等に関する件について質疑を許します。
 高岡大輔君。
#3
○高岡委員 移住局長がお見えになっておりますからちょっとお伺いしたいのでありますが、最近の新聞には、カンボジアに対して一年一万人、五カ年計画五万人という移民の話し合いが、過日のカンボジア首相の来日に際して話があったそうでありますが、これの具体的な案がございましたら承わりたいと思います。
#4
○矢口政府委員 お答え申し上げます。先日の御存じ通りシアヌーク殿下を首班とするミッションが参りまして、そのときの一項目の中に移民問題がございました。今回の打ち合せでは大綱だけ話し合いがございましたので、詳細の点は今後の細目協定に待つわけでございますが、その数は一年間に一万人でございます。そうしまして、そのとき結びました友好条約は五カ年で、これは五年の間有効であるということでございますから、毎年一万人ずつ五年間で五万という数が出てくるわけであります。その一万人の内訳は、主として農民でございまして、そのほかに漁業関係等も含んでおりますが、主として農民でございまして、農民のうちでも、二千人だけは女性でよろしい。女性は結局既婚者を意味しているのでありますから、二千人の結婚した婦人、従って二千人の夫、残りの六千人は独身者、こういうことになっております。子供の取扱いをどうするかということにつきましては、細目協定のときにきめる、こういう話でございます。でありますから、四千人だけは既婚者、残りの六千人は独身者、こう御了解願ってけっこうでございます。その他の細目につきましては、来年早々に現地に参りまして調査すると同時に細目協定をやる、こういう工合になっております。
#5
○高岡委員 そうすると、今のお話では既婚者がそのうちに含まれるのでありますが、その既婚者のうちには、小学校に入る子供があり得るとお考えになっていらっしゃいますか。もしもそういうことが将来ともに考えられるとしますと、この際小学校の先生並びに小学校の建設、同時に年々一万人という数でありますから、相当の日本人が向うへ行くのでありますから、その日本人の衛生方面を考えて、総合病院を作る、しかもその総合病院はさらに向う側のカンボジアの人たちの診療にも当るという規模をもってしませんければ、その移民といいましょうか、この問題は成就しないと私は思うのでありますが、そういう計画について今御腹案がございましたら伺いたい。
#6
○矢口政府委員 まことにお説の通りでございまして、先ほど申し上げました細目というのは、そういうことなのでございます。まず私たちの考えでは、子供はおそらく向うはあまり歓迎しないと思うのです。労力がほしいのでございますし、もう一つのねらいは、正式の会合では申しておりませんでしたけれども、人種の混合をやりたいというのがねらいでございますから、独身者がほしいということになるのでございます。でありまして、選考の場合は、どうしても子供の少いような、ことに小学校に行くような大きな子供のないような家庭を選ぶことになるのじゃないかと思われます。それで本件がどういう工合に運行していくかにつきましては、今種々検討中でございまして、腹案もまだできていませんが、いずれにしても最大のボットル・ネックに当りますのは、受け入れ施設の費用であります。すなわちただいま御指摘のございました学校をどうするとか、あるいは病院をどうするとか、医者をどうするとかいうような受け入れ施設の問題でございますが、これにつきましての予算はどこから出るか。せんだっての会合ではもちろんそこまで触れておりませんけれども、大体の空気から察知いたしますと、これはブラジルやドミニカの例のように先方が受け持つ範囲が非常に狭いのじゃないかということを、印象でございますが、想像されるのであります。ことに建国早々でございまして、人口もわずかに四百万しかございませんし、財源も豊かじゃないし、国の予算は円にしまして二百億くらいの予算でございますから、そこからそういったふうの金を出させるということは、非常に好意に甘え過ぎるし、また非常にむずかしい問題じゃないかとわれわれは考えておるのであります。でありまして、結局これは日本政府が負担しなければならないのじゃないか。そうしなければ本件カンボジア移民というものは、実行しにくくなるのじゃないかと考えております。いずれ逐次――最初の年は一万なんてとても送り切れないと思いますので、漸増の方式をとりますが、その場合には必ずや小学校や病院の問題も起って参りますが、とりあえずは医者の方をどうするかという問題が起ってくると思います。その費用は国庫の方から今度出していただけるかどうかということが、本件成否のかぎを握っているのではないかと考えております。
#7
○高岡委員 今お医者さんの話が出ましたが、従来とも海外では日本の医術というものは高く評価されておりますが、いざ向うで開業しますには、英領の土地でありました場合には、英語で開業医試験を受けなければならぬ。ところが、日本のお医者さんは大体ドイツ語でやってきたものだから、開業医試験を受けるのに非常に困難であるということで、ただ歯医者があっただけで、普通の内科、外科というものはなかったのであります。今度のカンボジアは御承知のようにフランス語とカンボジア語と両方でありますが、土語は向うへ行ってから覚えるにしても、フランス語を相当しゃべらなければいけないのでありますが、日本のお医者さんを向うにやるにしましても、フランス語を話す、そういう語学の方までお考えになっていらっしゃるかどうか。これはただ単に日本の医術だけ持っていきましても、それを表現するというか、診察するための言葉というものも相当重要問題であります。これらの問題も十分にお考えを願わなくちゃいけないかと思うのであります。
 もう一つは、これは土地柄といたしましてメコン河の三角州で、土地は肥沃ではございますけれども、大体においてジャングル地帯が非常に多いのであります。もちろん、カンボジア住民がすでに耕作しております土地を日本の移民にくれるということは考えられないのでありまして、どうせジャングルを焼き払って、そうしてその焼け跡に抜根機を持って行って根を全部取り、そのあとにいろいろな機械で耕地を作っていくというのでありますから、どうせ一年くらいはものになりません。そうしますと、その移民の方の一年間の生活費というものも一応考えなくちゃいけない、こう私は思うのであります。さらに一万人を向うへ送りますには、とうていこれは飛行機にはよれないのであって、結局は移民船といいますか、旅客船を回さなくちゃいけない。そういう船の用意がもうすでにできているかどうか、そういう点も一つお聞かせ願いたい。
#8
○矢口政府委員 先ほど申し上げました通り、まだほんの腹案程度にもいっておりませんので、ただいまおっしゃられましたことは、逐次われわれが検討しなければならぬことでございまして、十分慎重に検討していきます。まず語学の点につきましてはお説の通りでございまして、医者を派遣するとなれば、そういう方面の知識をある程度まで持ったものでないと、用を足しにくいだろうと考えられます。それからジャングルだけではございませんで、現在までわかっておりますところでは、山腹地帯があるようでございます。それからその一年間の生活費なのであります。その受け入れ施設――施設という言葉の中に入りますかどうか知りませんけれども、一番必要なのは一年間の生活費の問題でございまして、たとえばドミニカあたりは向うで若干の間支弁してくれるのです。ブラジルも若干の期間は支弁してくれるのでありますが、果してどの程度まで先方が見てくれますか、これは今後の細目協定に譲ることになっておりますが、そう楽観といいますか、向うにおんぶすることはむずかしい状態にあるのではないかと私は想像しております。船のことにつきましては、お説の通りでございまして、そういったふうのものを、今一応の予算を作りまして、予算折衝をこれから始めるところでございます。何とぞこの重要性にかんがみられまして、議員の方々におかれましても、本件が必ず実行できますように、こちらからお願いいたしたいと思います。
#9
○高岡委員 ついでに一つ希望を申し上げておきますが、御承知のように、タイには四百人以上の旧軍人が私はおられると思うのです。ビルマにも相当数の方がおられまして、話に聞きますと、アキャブの近くの島には相当数の日本人がおられるという話も聞いております。さらにインドネシアには、例のスカルノ大統領が独立戦争をします場合に、従軍者と申しますか、参加した日本の旧軍人もいます。合せて東南アジアには約四千人の旧日本軍人がいると推定するのでありますが、この問題について局長はどういうお考えを持っていらっしゃいますか。これは、正式に日本人ということが名乗れるように、外交交渉によってこれをやって参りますれば、これらの人たちは、自分の兄弟とか親戚とか、いろいろな者を今後は向うへ呼び寄せて、結局、局長が非常に心配していらっしゃいます移民問題は、そういうところから大幅に開けてくると私は想像さぜるを得ないのであります。ただ旧軍人が正式に向うに居住権を持つようにしますには、相当外交上の問題もありましょう。あるいは賠償問題でありますとか、その他幾多の懸案を解決しなければ、そこまでいかないかとも思いますけれども、私は、タイ国に関する限りは、その点がこっちの努力いかんによっては、開けるのじゃないかという気がするのであります。そういう問題について、外務当局としてどういうお考えで今日対処していらっしゃいますか、移民局長に伺います。
#10
○矢口政府委員 移住の関係からだけ申し上げさしていただきますと、実は東南アジアの移住問題は中南米とは非常に違いまして、一言で申し上げますと、東南アジアの方は非常に労働力が豊富なのであります。過去の歴史を見ましても、ゴムの採取のために、日本の労働者がかつては相当流れ出たのでありますけれども、結局は向うの安い労働に負けて追い帰されたという過去の苦い経験がございますので、今度のカンボジアについても、そういうことを考えての立案をしなければならないのであります。それから一つは、今度の戦争で満州移民がリュックサック一つ持って帰ってきたというようなことをまざまざ見ておりますので、東南アジア方面の移住者に対する何がしの懸念をみな持っているようであります。ただし、今おっしゃられましたような旧軍人の人たちが、一種の郷愁に近い観念を東南アジア地域に持っておりまして、これが一つの動因となって、向うにおもむきたいという希望を持っているのも一つはあるようでございます。ただいまお話がありましたタイとか、ビルマとか、インドネシアにおる日本人の方が、おそらくはこういったものを吸収する一つの中心にはなるのじゃなかろうか。参りますにしても、そういう人たちをたどって、あるいは、そういう人たちの情報を信じて向うに行く者が多いのじゃないかと思われますが、できるだけの便益をそういう人たちに与え、優先するようにしてはいかがかというような考えを、かつて討論したことがございます。それ以上のことは、現段階においては、私の事務当局では考えておりませんが、お説のことはよく頭に含みまして、立案してみたいと思っております。
#11
○高岡委員 今のお話の、東南アジアに対して危惧の念を持っている。かつての満州からリュックサック一つで帰ってきたその記憶を、まざまざと感じておるから、東南アジアに対しても、そういう危惧の念を持っているというお話でありますけれども、それは主観といいましょうか、考え方の相違でありまして、私はそうは考えないのであります。といいますことば、満州と違って東南アジアにおいては、そう日本人を排斥するという気分は、私には見当らないと思う。現に向うではある個所においては、日本の旧軍人のうちには大学を出て、しかも単身でやったような人もおりますために、俗にいう頭があるといいましょうか、現在では村長級の格で、社会的に地位もあり、相当に活動もしていらっしゃる。ただし、これが旧軍人であったために、名乗れないでいるというのであります。しからば、日本人だということを知らずにおるかといいますと、日本人ということを知りながら、その近所の人、その部落の人は相当に親しみを持ってつき合っている。しかも、それらの人は、すでに気候にもなれ、言葉も知っているというようなことで、今おっしゃったような危惧の念はないと私は思います。だからそういうことはもう一度外務省の外交機関を通して十分お調べになって、そういう危惧の念を外務省自身がお持ちになっていたのでは、今後日本が海外に経済発展をすることはとうてい不可能でありますから、まずそういう気分を一掃していただきたいというのが私の希望であります。
 それはそれまでにしまして、今のカンボジアの移民に戻って参りますけれども、農業移民をやりますときに、今労働力云々とおっしゃいますけれども、御承知のように東南アジアはどこでも日本の農法を今学びつつあります。すなわち今までは洪水の泥の上にばらまきをして収穫を取ったのでありますけれども、現在は苗しろを作り、田植えをやり、肥料をやり、農薬まで使っております。そういうところまで非常な飛躍をしてはおりますものの、何といってもここ二、三年の間の勉強でしかありませんので、ほんとうに地についた日本の多収穫を目的とした農業をやっておらないのであります。しかし東南アジアの諸国は、何としても食糧だけは自給自足しなければいけないという考え方で、どこでも米作農業には非常に力を入れておりますので、私はこの際一万人の中の何がしかは、少くとも日本の農業専門学校を出た程度の、農業指導者級の人を相当数送らなくちゃいけないと思いますが、それはただ単なる農業をやるだけでなく、日本農法の粋を向うの農民の方に教えてあげるといったような、農業指導者級の人を相当に入れていかないと、せっかくの移民はなかなか向うに歓迎されないと思います。一万人の中にはそういう人を局長としてお考えになっていらっしゃるか、くどいようですけれども、お伺いします。
#12
○矢口政府委員 まず最初に満州移民のような危惧云々のことは、外務省がそう考えていると申し上げたわけじゃございませんので、私の言葉が足りなかったと思いますが、そういうふうに見ている空気もあるということを御参考までに申し上げたのでありまして、外務省がそう考えておるわけではありません。
 次にどういう形式で今の移民をカンボジアに送り出すかということは、今後慎重な検討を要するわけでありますが、向うのねらっておりますのも、日本の農法を学びたい、日本の技術指導者をほしいということが含まれておりますので、当然相当数の農業指導者を中心としての農民を送り出すことになると思います。これをどういう形で、一つの企業体として送り出すか、あるいは散発的に送り出すかということが考えられますが、散発的でなくて、今考えておりますのは、一応の考え方でございますけれども、立体的に、できれば集団をもって、技術者ももちろん入って、その足に農民をつけての移住ということに相なるのじゃないか。一応の腹案ができておるようなわけであります。
#13
○高岡委員 それからもう一点お伺いしたいのであります。今のカンボジアに話をしぼって参りますと、そういう一万人のうちには日常必需品の問題からくる商人といいますか、そういう日常必需品を扱うような人も含まれるのであります。もう一つは、東南アジアの一帯の希望なのでありますけれども、これらの諸国は近代科学による工業がやりたいということで、発電計画等をやっておりますけれども、そうした大規模な工業だけでは、大ぜいの人の生活水準を上げるわけにはいかないということで、振り返って自分の足元を見て、さらに明治御維新以来の日本の発展ぶりを勘案して、各地の首脳者が日本に来て、家内工業を盛んに研究するというか、注目しております。私は驚いたのでありますけれども、ネパールの王様の弟であるヒマラヤ殿下は、日本に家内工業を視察に来ておられます。あのネパールのヒマラヤ殿下までが日本の家内工業を視察せられるという一点から見ましても――その他大ぜいの方が来ておりますが、そういう面から見て、日本の家内工業関係者も相当送り出す必要があるのではないか、またそういう人は向うから歓迎されるのではないかという気がするのでありますが、その面のお考えはありませんか、お聞かせ願いたいと思います。
#14
○矢口政府委員 お答え申し上げます。最初の日常必需品等を取り扱う商人は、一万人のワクに入ってございません。
 それから家内工業云々は、やがてはその段階に達するでありましょうが、先方がとりあえず欲しておりますのは、農業開発関係でございます。やがてはいわゆる中小企業者の移住もございましょうけれども、現段階におきましては、すなわち、向うの要望するところにおきましては、家内工業という言葉は使っておりません。しかし、これは私の方の直接の所管ではございませんけれど、新聞等で御承知でありましょうが、あそこに夏の臨時首府にしかるべき都市を作るために相当の技術者等が行くのでありますが、あれは技術者でございまして、家庭工業の範疇には入らぬと思います。しかしカンボジアの日本に対する好意と日本に学びたいという点は相当根強いものがございますから、あえて工業とか、都市の建設とかいうことに限定されず、やがてはこういう方面にも来るのではないかと想像されます。またそういう工合に努力していきたいと思います。
#15
○高岡委員 もう一点。今の家内工業の問題でありますが、これについては、真剣といいましょうか、相当深く考えておるのであります。局長ほお会いになったでありましょうが、過般インドの難民救済省の副大臣をしておりますボンスレー君が日本に来た際に、日本からのそういうようなことを非常に要求して行ったはずであります。御承知のように、ボンスレーという人は、かつてスバス・チャンドラ・ボース氏の参謀長を勤めた人である。こう申し上げれば局長は御記憶がおありだろうと思う。そういう面から考えまして、将来家内工業が海外に発展できますように、一つ機会をつかまえて特段の御配慮を願いたいと思います。これで私の質問を終ります。
#16
○菊池委員 関連して。カンボジアは北海道ぐらいしか面積がないということでありますが、そういうところですらも一カ年に一万人、五年間に五万人という日本の移民を歓迎しているのです。大南方、東南アジア諸国は日本の何十倍もの面積に当っているのでありますが、これらの地域でも、日本人のような特に農業あるいは医療その他にひいでた技術を持っている国民は必ず歓迎すると思うのであります。ところが外務省の方では、これまでほとんど積極的に日本の移民について交渉せられた形跡がないのであります。それで、われわれは移民局を設置するときも絶対反対、そういう無用の長物を作る必要はないと言ったくらいでありますが、どうしてこれまで東南アジア方面に呼びかけなかったのでありますか、これまでどういうような交渉をやってこられたか、ちょっとお伺いしてみたいと思います。
#17
○矢口政府委員 まず第一に、カンボジアは北海道と同じではございません、二倍何がしございまして、しかも、きょうは数字を持って参りませんけれども、そのうち耕作面積が相当多いのであります。
 次に、外務省は移住外交のために特に東南アジア方面に何もしないというおしかりでございますけれども、これは、過去一年何がしかの間及ばずながら相当に努力したつもりであります。ただ、微力のいたすために所期の目的を達し得なかったという点はございますけれども、今度のカンボジア問題などもその成功した一つの例でございます。
#18
○前尾委員長 それでは外務大臣がお見えになりましたから、外務大臣に対する質疑を許したいと思います。なお、外務大臣の出席時間が限られておりますので、先ほどの理事会の申し合せによりまして、一人十分以内を厳守していただきたいと思います。なおまた、質問はできるだけ重複せぬようにお願いしたいと思います。
 山本利壽君。
#19
○山本(利)委員 国連加盟ということはわが国民あげての希望でございまして、これは単に国際的なそういう連合に加盟するという名目上のことだけでなしに、現在わが国に山積している重要な外交問題――それらについては重光外相も日夜御苦心のところでございますが、それらの外交問題を解決するのにも非常に楽になるのではないかという期待から、国をあげてそれを望んでおったのでございます。今回の安保理事会におきましては、ソ連及び国民政府の拒否権発動によって、十八カ国そろっての加入ということが、ひとまず不可能な様子になったのでありますけれども、その後伝えられるところによると、外蒙古を除いての十七カ国についてさらに審議が行われるということであります。なお外蒙古及び日本を除く十六カ国の審議というようなことも聞き及ぶのでありますが、その後の国連問題につきましての外相の御説明を承わりたいと存じます。
#20
○重光国務大臣 国連加入がわが国及び国民の非常な要望であることは申すまでもございません。その要望を結集したものが衆参両院の決議となって現われておると私は心得ております。さようなわけでございますから、この問題についてはこれまた御報告申し上げた通りに、外交機関をあげて努力いたして参りました。そこで、今回初めて日本を含む十八カ国案が出て、これが通れば日本も加盟ができるわけでありますから、十八カ国案を通すことに全力を尽したのであります。不幸にして、これは外蒙の問題で国民政府が拒否権を用いて、安保理事会を通過いたしませんでした。さらに外蒙以外の国については、ソ連が一々拒否権を使ってとうとう十八カ国一括上程案は成立をいたしませんでした。そのところまでは大体お耳に入れておいたかと思います。
 さて、その後であります。安保理事会が続けて行われました。そこでまだ私の入手しておる公けの報告はそろっておりません。今非常にたくさんの報告が入りつつありますが、まだそろっておりません。しかしそれのそろうのを待つことができませんので、私はとりあえずニューヨークに電話をもって状況を聞き合せてみました。その結果を今申し上げるのでございます。
 十八カ国案がだめになったので、その後の事態を救済する方法を安保理事会で非常に審議を続けたのでございます。その際にソ連が十六カ国案を提出したのでございます。十六カ国案というのは、主として問題になっておる日本及び外蒙を除いた十六カ国案をソ連が提出いたしました。これに対して米国は直ちに十七カ国案を提出いたしました。十七カ国案というのは日本を加えた十七カ国案でございます。米国は日本の加入の要請をつぶさに承知をいたして、これに対しては全力を尽して援助するという関係におりますので、十七カ国案をすぐ提出いたしました。これを表決に付しましたところが、ソ連の拒否権にあって十七カ国案は葬られました。そこで直ちに安保理事会はソ連提出の十六カ国案を審議することになったのでございます。この十六カ国案を審議する際に、ソ連はこれには日本は入っていない。入っていないけれども、次期総会において日本を加盟せしめることには反対はしない、こういう発言をして十六カ国案が上程されたのでございます。これはソボレフの説でございます。そこでこれを表決に付しましたところが、これが通過いたしたのでございます。
 そこでなぜそれならば十七カ国案はソ連の拒否権のために通過しなかったが、十六カ国案が通過したかというと、御承知のように、ソ連以外の特に米英その他は、こういう国連加入の問題については拒否権を使わないという方針を初めからとっております。また約束をいたしております。そこでその方針のもとに拒否権を使わなかったがために、十六カ国案が成立いたしたそうでございます。しかしそれにはソ連は次期総会に日本を加盟せしめることには反対をしないという発言をいたしたものでありますから、この発言に対してはイランその他の日本支持の国の発言がございまして、ことにイランは自分らはこれはソ連の約束と認めるから、必ずこの約束は実行してもらいたいという発言をして、この案が通ったのでございます。そこで日本及び外蒙古を除く十六カ国の連合加入ということについては、安保理事会はこれを総会に勧告をすることになりました。これは日本が取り残されたわけでありますから、日本としてはまことに残念なことでございます。日本国民の要請がいれられなかった結果に相なります。
 そこでその善後処置を今講じつつあるわけであります。善後処置としては、この理事会は続けられておるのでありますから、日本の希望を少しでも達し得るような方法があれば、あらゆる方法でもってこれを救済してもらいたいのが日本の要請であります。これに対して米国はさらに日本大使に対して、国務長官の直接の代理としてロバートソン氏が、米国としてはなおもあらゆる努力をする、日本の国連加入の要請はよくわかっておるから、あらゆる努力をするといって今奔走をしておるわけでございます。その努力の結果がどういう形において現われますか、これは今わかりません。米国としてはまた日本の加入を保証するような決議案を出そうという案もあるようでございます。これを今しきりに出先で関係国と折衝をし、また列国はそういう方面について努力を進めておるわけでございます。日本の国連加入についてはソ連側としてはまだ国交を開いていないにもかかわらず、十八カ国案が成立するならばこれに異存がないという態度をとってくれたことは、私は非常に多としておることを申し上げておきました。そこでソ連も次期総会に日本を加盟せしめることには反対はしないというソボレフの言明がございました。そういうような状態で十七カ国案が成立いたさなかったことはまことに残念でございます。しかしソ連も主義として日本の加入に異存のないということをさようなわけで承知をいたしておるわけでありますから、将来この問題が好転することを熱望して努力をいたしておる次第でございます。
#21
○山本(利)委員 重ねてお尋ねいたしますが、鳩山首相も今回の国連加入に関する問題については、外務省の見解は少し甘かったのではないかというようなことを言っておられるようであります。われわれ国民といたしましても、ロンドン会議が開かれて、あれほどソ連と友好的にいろいろな問題を交渉しておる際でありますから、ソ連は他の十六カ国を認めながら日本を特にこの際除外するというような態度については、私どもはある意味でいうと非常に期待にはずれるわけであります。来年の次期国連総会においては日本の加盟を認めるということも、来年認めるならばなぜ今年特に日本だけを除外するかというそのソ連に対するところの外交上の見通しを承わりたいと思うのであります。その点はわれわれが今まであまりに甘かったということで、今後の見通しにおいてもさらに甘くて、この次においてさえも失望するようなことがあってはならないと考えますので、先ほどはソ連のソボレフ代表は次期には入れるということを言明したとおっしゃいますけれども、英米あるいはイランその他が非常に日本を推薦してくれた。それに対して、ソ連の言う次期というのはこの次のという意味でなしに、また将来においてという程度のことではないかというふうにわれわれは懸念するものでありますが、この点についての外相の見通しをもう一度承わりたいと考えるのであります。
#22
○重光国務大臣 形勢がどうなるかという見通しが甘かったか辛かったか、実は私には一切判断ができませんでした。ただ今日までの経過は、総理はむろんのこと国会に対しても、私はありのままに今日まで報告して参ったのでございまして、私は将来の見通しがどうであるとかこうであるとかいうことは申す自信はございませんでした。しかしこの問題についていろいろないきさつがあり、いきさつがこうなっておるということは、ありのままに申しておいたのであります。今日もありのままを申し上げる。私はありのままを申し上げたが、国際連合加入の強い希望は捨てないで今日まできた、こういうことは申し上げて差しつかえありません。
 そこでソ連がどういう意向で今後どうなるかということは、私は推測することはできませんが、とにかく日本の入っておる十八カ国案についてソ連が異議がなかったということは、日本としてこれを非常に多として差しつかえないものだ、こう思いましたから、そう申し上げました。ソ連のソボレフ氏の今回言ったことは、次期総会に日本を加盟せしめることには反対しない、こう言っておるという報告を受けております。それでありますから私はそれを正面からその通りに受け取っておりますが、しかし必ずしもそうじゃないのだという非常に辛い見通しをつける観察もあり得るかと思います。これは将来に待つよりほかに道がございません。私は願わくば甘い方に事態が発展することを希望しておる、こういう状態でございます。
#23
○前尾委員長 戸叶里子君。
#24
○戸叶委員 日本の国民がだれも期待しておりました国連加盟が今回実現できなかったということは、まことに残念なことだと思います。今回十八カ国一括加盟が否決されたということの大きな原因は、何と申しましても国府が反対をしたということにあると思うのでございますが、ただいまの外務大臣のお話によりまして、その十八カ国のうち十六カ国は今おっしゃったような手続によって加盟が認められた、そしてあとの二国に対しまして、結果から見ますとソ連の拒否権によって日本が加入できなかったように思われますけれども、しかしそれまでのいきさつということも私どもは無視できないと思います。そこで一方の陣営の外モンゴールを米英陣営が除いておりましたために、世界の二つの勢力の今日の関係から見ましても、自由陣営を除くということになりますと、どうしてもそこに日本というものが現われてきたと思うのですが、これは何と申しましても日本とソ連との間の国交が調整されておらないというところにも、大きな原因があるのじゃないかと思うのです。
 こういう点から考えましても、これを機にやはりこの日ソの国交調整を早く重光大臣がお考えにならなければならないと思いますけれども、これに対してどういうふうにお考えになるかを承わりたいと思います。おそらく重光外務大臣は、そう申し上げれば、前から私は国交調整は早期妥結を望んでおりましたと、こういうふうにおっしゃると思いますけれども、そう言いながらそうでない面が現われておりますので、この際もう一度はっきりとこの日ソ国交調整について国連加盟に関連して意思表示をしていただきたいと思います。
#25
○岡田委員 議事進行について。きょうの委員会は委員長も招集されたのですから十分おわかりの通りに、問題が重要であるだけに九時半から招集をいたしております。それにもかかわらず、重光外務大臣が御出席になりましたのは、いろいろな事情があったとは思いますけれども、約一時間半おくれて出席されているわけであります。その後参議院の方でいろいろな関係があるというので、途中でこの審議を打ち切って、そして明日に延ばすというようなことでは、きわめて外務大臣は外務委員会の審議を軽視しているものといわなければならない。しかも外務委員長がいかに与党であるとはいいながら、そういう態度に対して従属するというようなことは、国会の審議権を無視することもはなはだしいと私は思う。そういうような態度はやめてもらいたいと思います。私はもしそのような態度をおとりになり、また理事の諸君の間で話が進んでいるというようにも私は聞いておりますけれども、そういうことならば、この議事の運営について私は新たな動議を提出したいと思いますから、採決によってこの委員会の運営について御決定を願いたいと思います。
#26
○前尾委員長 いずれにしましても、いろいろ事情があってのことですから、理事の諸君の話し合いをしていただいて、その運営の方法に従っていただくより仕方がないと思います。
#27
○岡田委員 ですから理事会がどのようにおきめになろうとも、それなら私はこの運営について委員の一人として発議権を持っているわけで、動議を提出しますから、どのような御決定をされるにしても御決定下さい。私はそれに対して正式に委員会で諮って決定をしていただきたいと思う。理事会の申し合せややみ取引のような形をもってやるのは、私は絶対に反対します。
#28
○前尾委員長 もちろん理事会の決定によって、そしてそれは委員会に諮ってやります。
 それでは先ほどの答弁を願います。
#29
○重光国務大臣 その点は御趣旨において私も御同感でございます。日ソ交渉はあくまで交渉を促進していかなければならぬという、今ちょうど予期されておった答弁になります。これは促進していきたいと思います。
#30
○戸叶委員 今重光さんのお話を伺っておりますと、ソ連も来年の総会で日本が入ることを望むということをはっきり言われていたようでございますが、来年の総会で日本の加盟を認めるというような決議案が出されるような見込みがおありであるかどうか、そしてまたそれが出された場合にはどういうふうな見通しを持っておられるか、この点を伺いたいと思います。
#31
○重光国務大臣 その点は私が東京において何ともわからない点でございます。審議の推移をしばらく待たなければ、どう発展するかわかりませんが、日本の加盟を支持しておる国は非常に努力をいたしておることは先ほど申し上げた通りでございます。
#32
○戸叶委員 今目前の問題として、日本の政府としてはこの国連加盟の問題にどういうふうな手を打とうとされているか、具体的にどういうふうなことをしようとされているかを伺いたい。
#33
○重光国務大臣 それは直接国連に働きかけることが第一でございます。
 それから間接には国連に加入いたしておる各国に対して働きかけることが第二でございます。これはいずれも私としてはまた出先としてはあらゆる機会をつかまえて努力をいたしておる、こう申し上げて少しも差しつかえないと思います。
#34
○戸叶委員 ただいまの御答弁で、もうすでにきょうの新しい情報に即しての新しい運動として各国連の加盟国へ働きかけをしている、こういうふうに私了承してよろしゅうございましょうか。
 それからもう一点は、国府が拒否権を使ったということに対しましては、私どもも非常に遺憾だと思います。国内の国民の中にも非常にそれに対して批判をしている人たちが多いと思います。さらにそれが進んで、アメリカが日本の国連加盟を望んでおりながら、なぜ積極的にこの国府の態度というものをやめさせるべく、たしなめるようにしてもらえなかったかということに対しても、私どもは疑問の念を持っておるものでございます。そこで今度の日本が加盟できなかったという責任の一端はアメリカにもあると思いますが、今問題になっております次の日本の国連加盟ということに対して、アメリカの日本に対しての支持はどういうふうな形で現われているかを承わりたいと思います。
#35
○重光国務大臣 アメリカの日本国連加入に対する支持は、アメリカとしてはでき得る限りの努力をする、こういうことで進んでおり、またしておるようでございます。
 それから国府に対しては、私はこれも報告いたしたと思いますが、日本の加盟ということは国連強化のために非常に重大なことであるのみならず、さらに東亜方面の平和の確保ということについてもいい影響を持つと思うのでございますから、そういう見地に立って国府にはたびたび拒否権を使わないように要請をいたしたのであります。その点についてはアメリカ側も全然同感であって、大統領は三回の親電をショウ国府主席に送って、そして思いとどまるよう勧誘したのでございますけれども、その結果はいれられるところとならなかったのでございます。
#36
○前尾委員長 戸叶さん時間が来ました。あしたまたやりますから……。もう一人、岡田君が、本会議が始まっておりますからちょっと……。岡田春夫君。
#37
○岡田委員 理事諸君の特にお許しをいただきまして、ごく短時間だけ質問を許されたわけでありますから、私は一問だけを伺いたいと思います。
 外務大臣も急いでおられると思いますので重複を避けます。まず第一点としては、先ほど外務大臣の御説明のような経過を通じて、今度の国連の安保理事会において日本が国連に加盟できないということが事実においてきまったわけであります。この経過については、先ほどお話のようにソ同盟の拒否権の問題もありました。しかしながらソ同盟と日本との関係というのは、御承知の通りにいまだに国交の回復が行われておらない。根本の原因をついていくならば、これは明らかに台湾政府において日本の加盟というものが阻止されたというような経過になっているわけであります。この点はだれが見ても厳然たる事実である。しかもこの台湾政府が拒否権を発動したことについて、昨日の夕刊等を見ると、アメリカが陰になって拒否権を台湾政府が発動することについて、盛んに策動したというようないきさつさえあるのであります。ロッヂ代表が台湾の政府のとった態度に対して、むしろ賞揚すべき態度であるかのごときことを言って、アメリカ自身は直接に拒否権を実行しなかったけれども、台湾に拒否権を実行させることによって、結果においては日本の加盟ということを、ついに拒否させたという経過がある。こういう点から見て、先ほどからの御答弁を聞いていると、重光さんはアメリカにばかり依存して、アメリカ一辺倒の外交によって日本の加盟をきめようという、こういうような考え方の悲劇である。重光外交はアメリカ一辺倒の外交であり、その悲劇や破産がこのような格好で現われたのであるということを、あなた自身がはっきりお認めにならなければいけないと思う。今度の国連に加盟ができなかったということについて、加瀬国連大使だけに責任を負わして、あなたが便々としているようなことは断じて国民の許すところではない。あなたは今度の加盟が不成功であった問題について、外務大臣としていかなる責任をおとりになりますか、この一点だけを伺っておきたいと思います。
#38
○重光国務大臣 私は日本の外務大臣でありますから、日本の外交についてはむろん私は責任を負うわけであります。そしてそれは議会の御判断によってどうぞ十分御批判を願いたいと思います。しかし私は事実は事実として今まできわめて率直明快にお話しておることは事実でございます。それによって十分御判断を願いたいと思います。
 それからアメリカの態度についていろいろ言われましたが、アメリカの態度は私が今説明した通りであります。アメリカが国民政府を使って拒否権を使用させたのだという判断は私は事実に反すると思います。もしそうであるならば、大統領がみずから三回の親電を発するというようなこともないはずでございます。ですからそういう点は事実に基いて十分御判断を願いたいと考えるのでございます。私は決してアメリカの意向をうかがってこれまで外交はやっておりません。その点は誤解はないと思いましたが、今そういうふうに言われるならば、一言私は日本の外交をやっておるということをお答えいたします。
#39
○岡田委員 あなたは事実を報告されて責任を感じないとお話になるのですか。責任というのは、その事実に立ってあなた自身の良心がどういうように感じておるか。国会の決定するところによるといって、あなた自身の態度については責任を感じないで、国会の多数決の力によってあなた自身はその上にあぐらをかいて便々としていこうというのですか。あなた自身がみずから責任を明らかになさい。あなた自身の良心に問うて明らかになさいと言っているのです。あなた自身は、事実を報告しただけでいいということで、責任を感じないとおっしゃるのか、責任を感じないなら感じない、感じるなら感じるとおっしゃい。どういうようにあなた自身の態度をするか、明らかにしなさい、私はそれを言っているのです。国会の決定にまかせるのではない、あなた自身の態度を明らかにしてもらいたい。
  〔「責任なんぞありはしない。」と呼ぶ者あり〕
#40
○重光国務大臣 今申し上げた通りです。私は最善を尽してきたということは申し上げ得ると思いますけれども、しかし最善を尽したから責任がないというようなことは決して申し上げておるわけではございません。(「能力が足りないからだ、努力したって能力がなかったら資格はないのだ。」と呼ぶ者あり)そういう議論は正しいでしょう。しかしそれは、私は国会に対して十分の責任を……。
#41
○前尾委員長 これにて暫時休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ――――◇―――――
   午前十一時五十二分開議
#42
○前尾委員長 それでは再開いたします。質疑を継続いたします。山本利壽君。
#43
○山本(利)委員 日本におけるアメリカ駐留軍の数が漸次減るに従って、その駐留軍によって接収されておったところの建物が漸次日本側に返還されるわけでありますが、大体順調にそれが進んでおるかどうかという点について、調達庁の御答弁をいただきたいと思います。
#44
○安田(清)政府委員 お答えを申し上げます。今お話のございました通り、駐留軍が減りますに従いまして、施設に不用なものが生じて参ります。これの返還に関しましては御承知の通り行政協定に基きまして合同委員会で協議をいたしまして、返還を求めることになっております。日本政府といたしましても、常にこの駐留軍の施設の使用状況その他をよく見ておりまして、不用になりましたものの返還については、機を失せずこれを返していただくように努力をいたしております。現在まで非常に多くの施設が返還になって参っておる状態であります。
#45
○山本(利)委員 それでは一つ名古屋の状況について承わりたいのでございますが、御承知のように名古屋は、観光都市といたしましても、あるいはまた貿易都市といたしましても、相当数の外人が入り込みます。しかしながらその外人のためのホテルに非常に困っておるというような事実もございます。この点に関しましては、愛知県議会も名古屋の市議会、名古屋商工会議所あるいは名古屋の貿易会等いろいろな関係業者が集まりまして、米国第五空軍の司令官に対して建物の接収方を申し込んでおるような事実もございますが、それもまだ順調に運んでおらぬような様子であります。なおホテルだけでなしに、その他の建物の名古屋市内におけるところの数は、おびただしいと聞いておるのでありますけれども、このアメリカ軍が要請通りの設備を整えて、すでに守山であるとか小牧両地区等に建設済みになっておるような建物もある。そこへ移動すべきであるのにまだ移動していない。ことに極東空軍司令部から日米合同委員会に対して、本年七月の十七日付をもって、名古屋地区施設は十月三十一日より移動を開始すると約束したはずでございますけれども、これは実行に移されておるかどうか。私は地元から聞き及ぶところによりますと、まだ実行に移されていないということであるが、これに対して調達庁の御報告を承わりたいと考えます。
#46
○安田(清)政府委員 お答えを申し上げます。ただいま御質問のございました名古屋市内の建物の返還の件でございますが、これは先ほどの御質疑のございました駐留軍の引き揚げに伴いまして、あいた建物の返還ということとは部類が実は違っておる問題でございます。御承知のように占領期間が過ぎまして、安全保障条約が発動いたしまして、これに基いて駐留軍という形で米国が日本におるということになりましたときに、この駐留軍が使います施設をいかにするかということが問題になったわけでございます。このときにおきまして、さしあたりの措置といたしましては、占領期間中の施設をそのまま使うということになりますが、しかしそういうことでは、せっかく独立をいたしました国民感情から申しましても、適切でないと考えられるものがあるわけでございます。そこで日本政府といたしましては、米軍と話し合いました結果、大きな方針を立てたわけでございます。それは少くとも大都市の中心部にありますアメリカの施設は、郊外の方に移す、こういう大方針を立て、日米で話し合いをいたしました結果、これを具体化いたしますために、合同委員会の中に専門の部会を作りまして、いわゆる移転計画を立てたわけでございます。名古屋の中には、現在約二十くらいの大きな施設がまだございます。これは返還を受けるためには、かわりの施設を郊外に作って、これに移転をしてもらって都心から離れてもらおう、こういうことで、経緯はいろいろございましたが、計画が成り立ちまして、政府といたしましても重大な関心を持ちまして、御指摘のございました小牧並びに守山地区を選定をいたしまして、ここへかわりの建物を建てたわけでございます。この工事につきましても、途中で相当設計変更があり何なりいたしまして、予定の完成期日がおくれたような事情があったかと思いますけれども、いずれにいたしましても、この工事の促進をはかりました結果、ことしの春から夏にかけまして、これらのかわりの建物の大部分がほぼ完成するに至ったわけでございます。その結果すでにことしの五月から九月までの間におきまして、市内の六つほどの建物が移転を完了いたしまして、返還になっております。しかしながらこのかわりの建物を建てます計画の中におきまして、守山に建てております空軍司令部の庁舎、これの建設工事の完成が本年の末になるという予定でありましたので、米軍側におきましては、現在市内の大和ビルにおります司令部のかわりの建物が守山に完成しないうちに、それ以外の隸下に属します諸施設を守山、小牧に移すということには、いろいろな不便がある。また能率が下るということを理由といたしまして、できました建物へ部隊の一部が移動することを渋ったわけであります。政府といたしましては、せっかく計画に基いて建物が建ちましたわけでありますから、至急に一部分でも越してほしいということで、建物の完成のめどがつきましたときから、絶えず話し合いをしました。再三再四、現地におきましても、また東京の空軍司令部においても折衝を行なって参って、極力お話のございましたホテルその他を含めました民間の建物の解除についての促進方の交渉を続けておるわけでございます。軍側におきましても、目下移転の具体的な計画を立てておる状態でございますので、この移転に関しましては、近いうちに実現される見込みである、こういう見通しを持っております。政府といたしましては、なお軍側との折衝を続けまして、この移転が一日も早く完了いたすようにせっかく努力をいたすつもりであります。
#47
○山本(利)委員 それでは矢口移住局長にちょっとお尋ねいたします。カンボジアの移民問題については、先ほど高岡委員から詳しく御質問がございましたから重複を避けますが、あの友好条約の結ばれた直後において、朝日新聞であったと思いますが、移民問題だけがどうもうまく解決しなかったということをカンボジアの首相は最後に言って帰ったと出ておったようでございますが、この点は一体どうであるか。われわれは、常にわが国の外交問題解決の一助としても、この移民ということを奨励しなければならぬと考えておったのであるが、今回はっきりとした見通しを立て得ないで帰ったという記事の中に、日本があまり南方に向ってたくさんの人間を送ったならば、他の国々から猜疑心をもって見られて、外交上非常に不利になることをおそれてということが書いてあったが、果してそういうようなことから日本は南方に対する移民問題を遠慮しておるのかどうか、おそらくさようなことはないと考えるし、もしお尋ねするとすれば、これは外務大臣か総理大臣に対してお尋ねする方が適当であると考えましたけれども、本日は外務大臣が多忙のために時間がなかったので、この点について局長の御見解を承わっておきたいと存じます。
#48
○矢口政府委員 お答え申し上げます。カンボジアの移民問題がうまく解決しなかった、見通しがつかなかったということは、全然誤まりでございます。そういうことは全然ございません。私この会議にずっと出席しておりまして、その後も向うの担当の国務大臣と再三再四会談いたしておりますが、最も順調に行ったものと私は信じております。ただ、先ほどから累次申し上げましたように、細目の点はこれからになっております。それは両方で、特に今回は時間もないし、細目のことについては向うも方針がきまっておらないからというので後に譲ったものでございまして、外国から猜疑心云々ということは全然ございませんと申し上げられることを欣快といたします。
#49
○山本(利)委員 それではちょうどアジア局長がお見えになっておりますから、この問題についてお尋ねいたします。移住局長から、年一万人の移民をカンボジアに出すことについては、費用の点が非常に心配であるから協力してほしいという発言があったわけでありますが、幸いカンボジアは日本からの賠償ということを棄権してくれておる。さらにまた、カンボジアが受け取るべき金を日本の赤十字社に寄付したというようなことがありますから、日本はある程度カンボジアからも賠償を要求されたものとして、あるいは今の赤十字社にもあの寄付がなかったものとして、赤十字社関係のことは先ほど高岡委員からも話がありました医者を派遣するといったような費用に、あるいはまたその他向うにおける移民受け入れの費用であるとか輸送補助金は、カンボジアに対してある程度賠償金を払ったものとして、これをできるだけ多額に認めた方が日本の国家のためにもよいと思うのであります。これは無理かもしれませんが、相当額そういう意味において回し得るとアジア局長は考えられるかどうか、その点についての御意見を承わっておきたい。
#50
○中川(融)政府委員 カンボジアが日本に対して条約上持っておる賠償請求権を放棄いたしましたことについては、日本として非常に感謝しておるのであります。これは約一年前になりますが、その際日本は、この好意に報いるために経済協力によってできるだけカンボジア・日本相互の利益になるような方法を講じようという約束をしておるのであります。従って、カンボジアの経済を興隆、進歩せしめるという目的のために、日本はできるだけこれに協力するという一つの義務があるわけでございます。この方法については、具体案のでき次第これを相談しようということになっておりまして、先般カンボジア総理大臣が来られました際にもある程度の話はあったのであります。もちろんこれにつきましては、さらに詳細な実地調査その他をしなければ具体的にはならないわけでありますが、政府としてそういう考えを持っているわけであります。しかし具体的に、日本から金額に直しましてどの程度の経済協力をなし得るかということにつきましては、まだ別にきまった案はございません。これは先方の計画等十分研究いたしましてその上できめたいと考えております。なお平和条約十六条に基きましてカンボジアが取得し得べかりし金額につきまして、カンボジアが一応日本の赤十字社に寄付するという表明がありました。この点も非常に感謝しておりますが、これは金額的に申しますれば千ポンドで、あまり大きな金額ではございません。しかし、ほかの国がみなこれを取っておる際に、カンボジアだけ日本に返してきてくれたのでありまして、その意味において非常に感謝しております。それにつきまして、日本赤十社としてその好意に報いるために、主として薬、その他医療品をカンボジアに送りたいということをすでに総理大臣の来ております際に申し入れております。こういう方法でこれに対します好意の謝意は日本赤十社がすでに表明しておりまして、これに基く措置もとることになっております。いずれにせよ、カンボジアの好意に対しましては、われわれといたしましてもできるだけ努力いたしましてこれに報いる措置をいたしたいと考えております。
#51
○山本(利)委員 ただいまのお言葉によりますと、日本はカンボジアに対して経済援助をしてやるということになっておる。そういたしますと、今の移民の問題も、広い意味においては経済援助に含めることが非常にいいと私は考えるのであります。日本の移民を、ただ日本が人口的に困っておるから向うへ送り込むというのでなしに、向うの経済開発をしてあげるにはこれこれのことが必要である。農業であろうとあるいはその他であろうと、そのためには相当数の人間も要るのであるから、これを送るという意味で、経済開発の援助費の中にこの移民に対する設備及び輸送費も込めた方が、金額がかさむという点からいっても、あるいは今の移民問題を容易にするという点からいっても、一挙両得ではないかというふうに考えるのでありますが、これに対する中川局長の御意見を承わりたい。
#52
○中川(融)政府委員 まことにお説の通りであると考えます。移民と申しましても、もとよりカンボジアの経済開発に資する目的でする移民であるべきでありまして、従ってその移民の方に日本が金を使えば、結局はこれがカンボジアの経済開発に資するゆえんになると思います。移民の計画が実行段階に入りました際には、そのただいま御指摘のような御趣旨も体しまして、これについてできるだけの日本政府としての援助も考えていきたいというふうに考えております。
    ―――――――――――――
#53
○前尾委員長 次に閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会としましては、国際情勢等に関する件、国交回復に関する件、国際経済に関する件、賠償に関する件の以上四項目につきまして閉会中審査を議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○前尾委員長 御異議がなければさように決定いたします。
    ―――――――――――――
#55
○前尾委員長 次に質疑の申し出がありますからこれを許します。菊池義郎君。
#56
○菊池委員 アジア局長にお伺いいたしますが、フィリピンから、日本の軍人、軍属その他の当時の官吏諸君が終戦のどさくさまぎれにダイヤモンドその他貴金属あるいは貴重品をたくさん日本に持ち込んだ、それが憤慨の種となって対日賠償の向うの要求が高くなっているというようなことがしきりにいわれ、ある新聞にもちょいちょいそういうことが見えておるのでありますが、そういう事実の情報が外務省に入っておりますかどうか、お伺いいたします。
#57
○中川(融)政府委員 私もフィリピンに一年間在勤いたしたのでありますが、その間いろいろの戦争中の問題についての苦情その他が参りましたが、日本の軍がフィリピン人から貴金属を取って日本に持っていったという趣旨の苦情は一ぺんも聞いたことがございません。その後外務省に参りましてからもそういうことを一ぺんも聞いたことはございません。
#58
○菊池委員 移住局長にお伺いいたしますが、カンボジアで日本の独身者をよけいに希望しておるというのは、結局向うの人を嫁にとってもらいたいという希望が含まれておるわけですか。
#59
○矢口政府委員 公式の会議の席上ではそういうことは出ませんでしたけれども、非公式の会合ではしばしばそういうことを耳にしております。先ほどもちょっと申し上げました通り、人種の混合をはかりたいというのが強い念願であるやに察知せられます。
#60
○菊池委員 それから外務省の方どなたでもけっこうです。外務省から米国に対して、小笠原の内地への引揚者七千人のうち二千五百人だけをとりあえず向うへ帰すようにというてアメリカに要請しているということを聞きましたが、その二千五百人というのは、アメリカの方の何か示唆によって申し入れたのでございますか、どうでしなうか。
#61
○中川(融)政府委員 小笠原に住んでおられた方で内地へ引き揚げられた方を、ぜひ早く小笠原島に帰れるようにしてもらいたいというのが日本側の従来からの強い要望でありますが、米側は軍事上の理由ということからなかなかこれに承認を与えてくれないのであります。先般小笠原島民の代表の方々がワシントンに行かれた際にも強く要望したのでございますが、先方はとにかく研究はするという態度であることは御承知の通りと思います。わが方が先方にさらに要請する一つの方法として、七千人全部を一度に帰すということがあるいは向うとしていろいろの事情から心配であるというならば、たとえばその中で、どうころんでも間違いなく自活できる、こういう仕事をする、ああいう仕事をするということの具体的な資料をつけて納得し得る人たちだけを選んで、これをまず向うの軍事上支障ないと思われる島にとにかく帰すことを考えてもらいたいという交渉をしてみたらどうかという議が日本内部で起りまして、従ってただいま御指摘の二千五百名というのは、おそらくその考えに基く日本側の計画であろうと思います。私どもそういう計画があるということは聞いておりますが、まだわれわれのところを通じてアメリカ側に正式に申し入れてはいないのでございます。
#62
○菊池委員 それをどうか外務省を通じて向うに申し入れていただきたいと思うのでございます。いかがでございましょうか。
#63
○中川(融)政府委員 旧島民の方々がそういう案を作っておられるということは承知しておりますので、その案が具体的にできましたならば、その御要望によってわれわれのところを通じましてアメリカ政府にこれを提出して考慮を求めたいと考えております。
#64
○菊池委員 それから韓国にあるいわゆる日本の財産等は大体どのくらいの見つもりでございましょうか。
#65
○中川(融)政府委員 韓国にある日本の財産は、大蔵省が終戦の際引き揚げた方々からいろいろ資料を取りまして、その資料がいわば唯一の基礎でありますが、これの計算がなかなかむずかしい。と申しますのは、韓国が南北二つに分れまして、従って全朝鮮にあるものを韓国側に資料として出すのも適当でないということになりまして、仕訳がなかなかむずかしい。それ以外に朝鮮事変によりまして、あそこが戦場になりまして、日本が残してきました財産も相当の部分が焼け、あるいはその他なくなっております。こういうこと等も考えますと、なかなか集計がむずかしいのでありますが、現在私の聞いておりますところでは、南朝鮮の部分に残っておると予想されておりますのが、終戦時の価額にいたしまして百六十億円ぐらいではないかと思います。終戦時の価額でありますから、現在の価額に直しますと、さらに膨大な金額になると思います。
    ―――――――――――――
#66
○前尾委員長 請願の審査についてお諮りいたします。ただいま当委員会には六件の請願が付託されておりますが、この際にこれらの請願について審査いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○前尾委員長 御異議がなければさように決定いたしました。
 鳥島付近の米軍爆撃演習中止に関する請願、文書表第六号、同じく第三三四号及び第三八八号を議題といたします。紹介議員が出席しておられませんので、かわって専門員よりその趣旨の説明を求めます。佐藤専門員。
#68
○佐藤専門員 請願者鹿児島県議会議長田中茂穂、紹介議員上林山榮吉君。
 本請願の趣旨は、朝鮮海峡と対馬海峡を北上し、あるいは南下する魚族が、米軍演習水域、特に鳥島海域の爆撃によって魚道を遮断され、鹿児島県下西、南薩海岸一帯の優秀漁場が枯渇の窮状に追い込まれ、零細なる同県沿岸漁民死活の問題として重大化している。ついてはこれが打開策として魚群の回遊に重大な影響を与える米軍の爆撃演習地域の変更または取り消し、二月より四月まで三カ月間の爆撃演習の中止について折衝されたいというのであります。
 ほか二件は同じであります。
#69
○前尾委員長 ただいまの請願について政府側に御意見はありませんか。――御質疑がありませんか。――御質疑がなければ次に移ります。
    ―――――――――――――
#70
○前尾委員長 次に日ソ交渉促進に関する請願、文書表第二七八号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。中村三之丞君。――佐藤専門員。
#71
○佐藤専門員 請願者在外同胞救出京都府留守家族同盟守山久次郎外四十一名、紹介議員中村三之丞君。
 その要旨は、第一、日ソ交渉をすみやかに再開されたい。第二、名簿外の者を含む全生存同胞を講和成立前に帰還せしめられたい。第三、終戦後入ソ資料のある状況不明者の調査究明に対する具体的取りきめを、講和調印前に行われたいという趣旨であります。
#72
○前尾委員長 ただいまの請願について政府側に御意見はありませんか。――御質疑はありませんか。――御質疑がなければ次に移ります。
    ―――――――――――――
#73
○前尾委員長 次に千島歯舞諸島返還等に関する請願、文書表第三三三号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。町村金五君。――佐藤専門員。
#74
○佐藤専門員 請願者北海道市議会議長会会長福島利雄、紹介議員は町村金五君。
 この要旨は千島、歯舞諸島の返還と北方漁業の拡大とは、ただに北海道民の関心事であるばかりでなく、今や全国民の願望となっている。すなわち、伝統的にもまた条理的にもわが領土たるべき千島、歯舞諸島の返還と北方漁業の拡大の実現を期せられるよう要望するという趣旨であります。
#75
○前尾委員長 政府側に御意見はありませんか。――御質疑はありませんか。――御質疑がなければ次に移ります。
    ―――――――――――――
#76
○前尾委員長 次に韓国抑留漁船乗組員の帰還促進に関する請願、文書表第四一九号を議題といたします。紹介議員の説明を求めます。田中龍夫君。――佐藤専門員。
#77
○佐藤専門員 請願者山口県萩市江向村田正雄、紹介議員は田中龍夫君。
 その要旨は、すみやかに漁船及び抑留乗組員全員の釈放送還を要求して、これが貫徹をはかられ、その損害に対しては、国家補償の制度を確立し、季ライン問題の本質に対する適切なる解決をはかって、将来の漁獲と漁場の安全を確保せられる等、すみやかなる手段を講ぜられたいという趣旨であります。
#78
○前尾委員長 政府側に御意見はありませんか。――御質疑はありませんか。――御質疑がなければ、お諮りいたします。
 ただいま審査いたしました六件の各請願は、ともにその趣旨が妥当と考えられますので、これを採択の上内閣に送付いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○前尾委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
 なお、ただいまの各請願に関する報告書の作成は委員長に御一任を願います。
 次会は公報をもってお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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