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1955/12/16 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号
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1955/12/16 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号

#1
第023回国会 科学技術振興対策特別委員会 第5号
昭和三十年十二月十六日(金曜日)
   午後二時四十二分開議
 出席委員
   委員長 有田 喜一君
   理事 小笠 公韶君 理事 椎名悦三郎君
   理事 長谷川四郎君 理事 前田 正男君
   理事 岡  良一君 理事 志村 茂治君
      小平 久雄君    須磨彌吉郎君
      中曽根康弘君    橋本 龍伍君
      山口 好一君    岡田 春夫君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       齋藤 憲三君
         工業技術院長 黒川 眞武君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房会計課長) 土屋  昇君
        総理府事務官
        (経済企画庁計
        画部原子力室
        長)      島村 武久君
        大蔵事務官
        (主計官)   鳩山威一郎君
        通商産業技官
        (工業技術院調
        整部原子力課
        長)      堀  純郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 科学技術の振興対策に関する件
    ―――――――――――――
#2
○有田委員長 これより会議を開きます。
 科学技術の振興対策に関し調査を進めます。中曽根康弘君。
#3
○中曽根委員 原子力基本法並びに原子力委員会法等の関係法案が、衆議院を通過いたしまして、目下参議院に付託されておりまするが、これらの法案の裏づけになるのは予算の問題であります。幸い、最近政府の説明員等において諸外国の研究所を回ってこられた方がございますが、まず、堀原子力課長から、諸外国の情勢並びにわが国としてどういう対策をとるべきかというアウトラインを聞かせていただきたいと思います。次いで、鳩山主計官から、同様のことをこの際聞かしていただきたいと思います。
#4
○堀説明員 私堀でございます。この日曜に、欧米各国を回って、帰って参りましたので、見ました原子力の開発状況につきまして、簡単に御説明いたします。
 まず、各国を見まして感じましたことは、各国の原子力開発状況が、すでに基礎研究の段階は過ぎて、原子力発電の実施の準備段階に入ったというような感じを抱きました。これは、もちろん、原子力についての開発の先進国と申しますか、そういう意味の米国、英国、カナダ、フランス、この四カ国についてでありますが、そういう感じを抱きました。
 これを具体的に各国別に申し上げますと、まず、米国におきましては、すでに御存じのように、動力試験炉として五つの形式の原子炉の開発を進めておりますが、このうちPWRと普通申しております――これは加圧水型と訳しておりますが、この原子炉と、それからEBWR型、実験沸騰水型という型でございますが、この原子炉、それからSRE型、これはナトリウム冷却型と訳しておりますが、この三つの型の原子炉が大体来年完成する予定でございまして、これが完成いたしますと、これらを操業、運転いたしますことによりまして、技術、経済両面から、原子力発電の将来というものの見通しが非常にはっきりしてくるというような見込みを、ただいま米国では持っております。
 それから、英国につきましては、御承知のように、すでに英国に石炭がない、そのコストが年々上っているというようなことから、原子力発電の将来に非常に期待を寄せておりまして、すでに、御承知のように、ことしの二月原子力白書というものを出しまして、これから十年間で約三億ポンドをつぎ込んで、十二の原子力発電所を作る、それによって百五十万キロないし二百万キロの原子力発電を行うという計画を立てておりますが、これがためにただいま動力試験炉を二カ所で作っております。その一つはコールダホールというところでございまして、ここで炭酸ガスによります冷却型式の動力試験炉を作っております。これが明年完成の予定でございます。それから、もう一つは、ことしの五月から手をつけたのでございますが、ドーンレイというところで、液体金属の冷却による増殖炉の研究を進めております これが完成はさらに先になりますが、これらのデータによりまして、近く本格的な原子力発電所の建設にかかる予定でおります。たしか明年から炭酸ガス冷却方式による実際の原子力発電所の建設にかかるというふうに聞いて参りました。
 それから、フランスでありますが、フランスは、御承知のように、終戦直後から原子力の開発に手をつけた国でございまして、まずウランの製練の技術の開発から始めましたが、一九五二年にガイヤール原子力開発五カ年計画というものを立てまして、これを促進して参りましたが、これでは、まだ、まだるっこいというような感じを最近抱きまして、ことしの五月二十日にハルスキー計画というのを立てました。これはガイヤール計画を非常に拡充促進したものでございまして、ここ四年間に約千億フランを原子力につぎ込んで、これによって原子力開発をやるという計画でございまして、そのおもなものは、マルクールというところに大型の原子力動力試験炉二つを建設中でございます。これが完成いたしますと、次に本格的な原子力発電に移るというような計画にしております。
 それから、カナダでございますが、カナダは、原子力の担当大臣はハウ通産大臣でございますが、ハウ大臣が中心になりまして、電力業者と原子力株式会社――これは国立の株式会社でございますが、この二つが、共同いたしまして、ただいま動力試験炉の建設を進めております。それとともに、原子力株式会社の中心地でありますチョークリバーに非常に大型の実験用原子炉を作りまして、それにはたしか四千八百万ドルを投じておりますが、それによりまして、出力二十万キロという、これまでにない非常に大きな実験用原子炉の開発を進めております。これができますと、世界で最もすぐれた実験用原子炉ということで、それから得られるデータによって将来の原子力発電のいろいろなデータも得られますとともに、この炉は四千八百万ドルを投じて作っても、それからの生産物で十分採算がとれるというようなことを言うておりました。
 以上が、大体、私がおもに四カ国を見て参りました結果の報告でございます。
#5
○中曽根委員 鳩山主計官には、特に予算の面、それからわが国において配慮すべき点等について報告を願いたいと思います。
#6
○有田委員長 鳩山主計官、今中曽根君の御希望はそうですから、その御趣旨でお話し願いたいと思います。
#7
○鳩山説明員 欧米諸国を堀原子力課長のお供をして回って参りました。私職掌柄あまり技術的な詳しい御説明はいたしかねるのでありまして、大体諸外国が原子力関係にどの程度の国費を使っておるかというような観点から見てきたいと思って出かけたんですが、出張計画そのものが若干無理がありまして、方々回りましたが、なお、いろいろな都合で、十分な資料はあとで在外事務所で調べて送ってもらうという形にしてありまして、ただいま詳しい御説明をいたしかねるのでありますが、大体の感じを申し上げて、御了承を得たいと思います。
 最初ヨーロッパに参ったわけでございますが、ヨーロッパにおきましては、やはり、フランスとイギリスその他の国におきましては、詳しい現地調査ができなかったのでございますが、大体フランス、イギリスが、相当な国費を使って大きな研究をやっているわけです。その他のたとえばイタリアとかオランダ、ベルギーといった国につきましては、日本とそう大差ない状況で、これからやろうという状況にあると考えられます。
 まず、イギリスにおきましては――これはすべて原子力調査団の報告にそれぞれ載っておりますので、私は省略しますが、五千万ポンド、邦貨にして五百億円くらいが、大体一年間のイギリスが使っておる原子力の経費である。そのほかに若干――それは国防上の見地でわからぬというのでありますが、兵器の発注費が軍需省の予算に載っております。そういった状況で、そのうちいろいろ部門が分れるわけでございますが、そこの研究所――研究所といいますか、原子力公社の予算が大体五百億円であります。それが、やはり、その公社自体の平和利用のみならず、武器の注文を含んでおりまして、この五百億のどれだけが平和、いわゆるインダストリアル・グループに属するかということのはっきりした数字をいただけなかったのであります。直接の武器の製造費というのは、軍需省の方に原則として載るべきものと考えられますが、五百億という金の相当部分が、平和的な利用あるいはその他の基礎研究の経費であるというふうに考えられます。
 それから、カナダの原子力開発は割合に説明が詳しく聞けたのでありますが、チョークリバーにおきます研究所が、過去においてどういうふうに予算がふえて、経費が年度ごとにふえて参っておるかというような事情を聞けたのであります。大体初年度におきまして三百万ドル程度の金を使っております。それが今までに四千八百万ドルを使っているわけでありますが、大体初年度として三百万ドル見当を使っておる。これは、邦貨にすれば、三百六十倍ですから、大体十何億というふうになります。これは一九四八年が三百万ドル、それからずっと使ってきまして、五四年が八百五十万ドル、五十六年が千五百万ドル、大体ことしあたりは千五百万ドルくらいを投じているわけであります。それで現在相当完備した研究所を持っておるわけであります。そこの初年度の額が大体この程度というのは、日本でこれから研究所を作って発足するに当りまして、非常な参考になるんじゃないかと私どもは考えたわけであります。
 その他、アメリカ関係のことは、武器生産の面が非常に大きいことは御承知の通りでありまして、アメリカへ行きました印象といたしましては、大体の金が武器に使われておる。アメリカ自体としては、平和利用というのはやはりサイド・ワークというような印象を受けました。その辺は日本と非常に事情が違うのであります。私どもとしてはカナダ辺のことを主として考えておくべきだと思います。それから、原子力開発の方式として、あそこが天然ウランを使ってやっております。そういった関係からも参考になるのではないかと思います。非常に雑駁なことでございますが、私が漠然と感じた点をさらに蛇足として補足しますれば、今、原子力の利用につきまして、私としては、通産省の予算を担当しておるので、通産の面からそういうふうに考えておるのでありますが、原子力の研究につきまして、やはり日本としては基礎研究を重視してやらなければいかぬのじゃないか、これは、ひとり原子力だけの問題にとどまらず、ほかの金属材料その他の問題に発展すると思うのでありますが、そういった基礎的な研究をまずやって、それと、人材の養成と申しますか、そういった面がだいぶ重要ではないか、諸外国を回ってみて、あらゆる面で日本のいわゆる科学技術がおくれをとっているという印象を受けるのでありまして、この特別委員会の御趣旨もそういうことをお考えかと思うのでありますが、まず基礎をじっくり固めて、しっかりした研究体制を作るということに、私どもは尽力いたしたいと考えております。
#8
○有田委員長 山口好一君。
#9
○山口(好)委員 原子力関係の予算についてお伺いをいたしたいと思います。おそらく、本日、参議院におきましても、原子力委員会法及び内閣に原子力局を設置する内閣設置法の改正法案、これが通過すると思いまするが、原子力局につきましては、さっそくこれが出発をいたすことになっておりますので、こういう予算についても、さっそく要求いたさなければならないことになると思います。原子力研究所の問題、原子力委員会の問題その他につきましても、それぞれ予算について御研究を願っておることと思いますが、その他、現在の機構といたしまして、通産省の関係、あるいは文部省の関係、または全然新たな、どの官庁にも所属しない部分の予算も出てくるわけでありますが、大体一月一日から要するであろう費用の点及び来年度の予算として政府で考えられておりまする要求額につきまして、概要をお示し賜わりたいと思います。
#10
○土屋説明員 私総理府の会計課長でございますが、原子力委員会の予算につきましては、ことに原子力局におきましてはすでに一月一日より発足するということになっておるわけでございます。昭和三十年度におきますところの予算につきましては、現在、通産省の工業技術院の原子力課及び経済企画庁の原子力調査室に、原子力の調査及び研究に関する予算が入っているわけでございます。従いまして、予算総則の規定に基きまして、行政の所管庁が変ったわけでございますから、その所管の変更に伴いまして、新しく総理府に原子力局ができることに伴いまして、当然この予算総額が総理府に移しかえられるわけでございます。従いまして、現在通産省及び経済企画庁との間に折衝いたしまして、その詳細なる数字を私たちの方で積算いたしまして、この一月一日からはその予算でもってスタートができるようにと、ただいま鋭意準備している次第でございます。
#11
○島村説明員 一月一日以降の分のほかに、昭和三十一年度分として各省からどの程度の原子力関係の予算要求が出されておるかというお尋ねでございますが、これは、先般の本委員会におきまして御説明申し上げておきました通り、大体、各省からそれぞれ要求が出ておりまして、その合計を企画庁の方で各省について尋ねてみましたところ、その合計が大よそ六十八億円程度に相なっております。ただし、原子力関係と申します範囲をどの程度にするかということによりまして、この数字は変るおけでございますし、また、各省におかれまして、要求をお出しになりましたあとで、それについて訂正をされた分等もあることと思いますので、今日現在の正確なる数字ではございません。先般お断り申し上げた通りでございまして、その内訳等についても、先日御報告申し上げましたけれども、大体、通産省関係が非常に大きくて、全部で五十二億程度になっております。その他は文部省関係あるいは農林省、厚生省、国会図書館、学術会議など、こまかく各省に分れております。概略でございますが、お答えいたします。
#12
○山口(好)委員 前会にも予算に関する御説明がございましたので、了承をいたしておるのでございますが、ただいま御報告になられました諸外国の予算関係などと比較いたしました場合、日本としては全く未知の世界といっていいくらいで、これから超スピードで追いかけていかなければ間に会わないという建前から申せば、そのおくれておるのを取り返すために、さらに一そう予算獲得についてわれわれは努力をいたさなければならないと思っておりますが、ともどもにこの点努力をいたしたいと念願いたしております。さらに、来年の四月からは科学技術庁ということで発足をいたす予定になっておりますが、この科学技術庁に関します予算は御検討になっておられましょうか、その機構とかそういうものについて御検討になっておられましょうか、お答えを願いたいと思います。
#13
○齋藤政府委員 ただいまの御質疑でございますが、日本の現状にかんがみまして、日本の再建を急速に実現いたしますためには、ぜひとも、諸外国におくれております科学技術の振興をはかります手段といたしまして、日本の科学技術の総合統一をはかりまして、重点的に施策を遂行していく必要上、ぜひとも政府といたしましては科学技術に関する行政機関の新設をはかりたいと考えておるのでございますが、まだその規模をどれだけのものにするか、どれだけの予算の要求をするかということに対しましては、目下慎重に研究中でございまして、お答えを申す段階に至っておらない次第でございます。
#14
○山口(好)委員 三十一年度の予算を要求いたしますにつきましては、直接の原子力関係の先ほどお答えになられましたような予算のほかに、当然、科学技術庁の問題を取り上げまして、さっそくに検討をして、予算関係も進めていかなければならないものだと考えます。この点も、われわれも研究いたしたいと思いますが、どうぞ促進するようにおはからいを願いたいと思います。これで私の質問を終ります。
#15
○前田(正)委員 ただいまの御質問に関連いたしましてお話ししたいと思うのですが、齋藤政務次官は科学技術庁は検討中というお話でありましたけれども、政府は、過日の閣議におきまして、原子力局を設置するに当っては、将来科学技術庁の中に吸収するということを方針としてきめておられるのでありますから、原子力局も四月一日からは科学技術庁の中の一部局としてやっていかなければならないので、三十一年度の予算をこれから作成されるについては、科学技術庁全体の構想と、それに伴う原子力局の予算というものについて早く御研究をしていただかなければならぬ、こう思うのでありますが、政務次官のお考えはどうでしょうか。
#16
○齋藤政府委員 前国会におきまして、第二次鳩山内閣の担当閣僚は、次の通常国会には科学技術庁を新設する約束をいたしておりますので、政府といたしましても、御承知の通り、通常国会には科学技術に関する新しい行政官庁の新設は必ず実行いたすつもりでおるのでございます。ただ、御承知の通り、この臨時国会で原子力に関する諸法案が急を要します関係上、その提出を見たので、非常に限られた短かい臨時国会の期間中これが通過に全力を傾注しておるありさまで、今日までには、その確たる構想とそれに伴う予算というものは、まだはっきりいたしておらないのであります。しかし、本日幸いにも原子力に関する諸法案が参議院を通過いたしますれば、お説の通り原子力局も設けられ、通常国会において科学技術庁の新設を見ますならば、これに当然吸収せられるのでございますから、ここにその構想とそれに伴う予算というものをはっきりいたしまして、予算の要求をいたさなければならぬ、かように考えておるのであります。いましばらく御猶予下さるようにお願いいたします。
#17
○前田(正)委員 ただいまのお話でよくわかりましたけれども、今度の国会で、現在審議しておりますところの総理府の原子力局については、十二月九日の閣議決定要項によれば、科学技術庁の中に吸収する、こう決定されて国会に提案になったわけであります。従って、当然、これは、急いで成案として予算を作られて、どうせ休会明けの通常国会の一月の末には政府として予算書を出されるわけでしょうから、その予算書の中にはそれを入れていただかなければならぬ、こう思うのであります。その他の行政機構の改革の問題は、御承知の通りの普通の予算が各省にありましたのを振りかえるということはできるわけでありますけれども、科学技術庁及びこの原子力局の問題は新設でありますから、行政機構の改革に伴って振りかえるということは全然できませんので、政府が一月の末に出される予算書の中に新しい項目として出していただかなければならないから、当然、それまでの間に、政府としての、大体の機構はどういうふうにするとか、人員はどういうふうにするとか、どういう予算をつけるとか、こういうことを考えておかなければならない。われわれの党としてもできるだけ御協力をするつもりでおりますけれども、御尽力を願いたい、こう思っているわけであります。
 それから、原子力の平和利用につきまして、われわれとしていろいろと研究しなければならぬ問題があるわけでありますけれども、問題は、一つ、原子力の研究所に対します出資金の中で、原子炉の築造計画というものがあって、それに伴ういろいろな案が出ておるわけでありますが、この築造計画は、一応今までの平和利用準備調査会で作られた案でありますけれども、これは、一月一日に原子力委員会というものが新発足いたしましてから、基本方針をきめることになっておるわけです。そしてそれを直ちにまた予算として請求しなければいかぬ。こういう段階であるので、一月一日にできましたときの新原子力委員会の考え方というものと、政府の考え方との間に、食い違いがなければけっこうですけれども、食い違いが出てきたときに非常に困ってきますので、これも一つ早急に御検討願わなければならぬのじゃないかと思うのであります。
 特に、私は、ここで工業技術院の方に一つ疑問点として聞きたいと思いますのは、われわれの聞くところによると、原子力研究所の方がこの年末に原子炉を買い付けるというような話を聞いておるのでありますが、ウォーター・ボイラーでなしに、CP5の方を先に買った方がいいんじゃないか、半額を補助してもらうなら、高い方を買ったらいいじゃないかというような意見を述べている人もあるのでありますが、この財団法人の研究所の人が買い付けに行くということと、原子力委員会が一月一日に発足して基本方針をきめるという問題との間の関連をどう処理されるつもりか。その買付に行っておる連中は、アメリカにおって、買い付けの交渉とか決定というものは、原子力委員会が方針をきめるまでは待っておるつもりであるのか。その辺のところはどういうお考えであるのか。現在のところ、監督官庁である工業技術院の方から伺いたいと思います。
#18
○黒川政府委員 ただいまの先生のお問いに対してお答えいたします。原子炉の築造計画につきましては、御承知のように、この委員会でもって一応決定いたしました。そうして、御承知のようなプランで、第一年はウォーター・ボイラー、第二年はCP5、第三年は国産第一号炉というような順序でやるというふうに決定いたしております。たまたまそういうようなことがあったかもしれませんが、私の方はそれを聞いておりませんで、その計画で実行するつもりでございます。ただし、その後そういう委員会において変更がございました場合には、あるいはそういうことになるかもしれません。現在まで承知しておる範囲内においては、この計画でいくつもりでございます。
#19
○前田(正)委員 そうしますと、とにかく委員会の決定を待たないでも買付の交渉に入るという方針でおられますか。
#20
○黒川政府委員 私の申し上げました委員会というのは原子力委員会のつもりでございまして、今度一月一日に発足いたします委員会が、この準備調査会の方針を認められましたならば、そういうことになると思います。
#21
○前田(正)委員 そうしますと、大体、委員会は、それを認めるという前提のもとに、買付の交渉に派遣されるという方針のようでありますが、買付に行かれるのはけっこうでありますけれども、そういう新委員会ができたときとの関連も考えられますので、一つ十分に気をつけてやっていただかなければならぬ問題であると思っております。
 それから、堀課長が帰ってこられておるようでありますので、ちょっとお聞きしたいと思うのであります。実は、堀さんの留守中に、われわれは聞いたのでありますけれども、このウォーター・ボイラーというのはどうも濃縮ウランとしては推薦しないというようなことを、日本でこれを取り扱っておられますところの各商社のところへ通知がずっとあったようです。堀さんが見学に行っておられる間にそういう話があったというのですが、これは、一つの商社でなしに、あっちこっちの商社からそういう話を聞いておるのであります。これはどういうふうにお考えになって帰ってこられましたか。この点は、別に公式の御意見でなくてけっこうですけれども、向うに行かれて受けた感じのお話を願いたいと思います。
#22
○堀説明員 お答えいたします。こちらの商社がどういうふうな情報をもたらしましたか、私も、まだ、帰って間もないので、詳細に存じていないのでございますが、私の向うに参りました使命の一つといたしまして、日本の原子力開発について向うの有識者にもいろいろ意見を求めたのでありますが、その結果、日本で一番最初に設ける原子炉としてウォーター・ボイラーがいいと言う人と、それからスイミング・プールがいいと言う人と、これは、いろいろの立場もございますので、いろいろの意見がございました。さらにCP5をいきなり設けた方がいいと言う人もございました。これは、こまかいことになりますと非常に専門的なことでもございますし、それぞれ特徴がございまして、どれとも判断しかねるのでございますが、最後に、米国の原子力委員でございますリビーという人、それからこの方面の権威でありますオークリッジ研究所長のウェンバーク・ワインベルグという人、こういう方の意見を求めたところ、結局、それは、日本でどういう研究を目ざしているか、それによっておのずから型がきまるのであるというような返答を得ております。この点につきましては、行きます前に、工業技術院の原子力予算打合会の中に濃縮ウラン原子炉小委員会というのを設けまして、ここで検討いたしました結果、日本でこれから行いたい研究に一番適した型はウォーター・ボイラーであるというような結論を得ましたが、今申しましたワインベルグその他リビ一等の意見等も合せまして、ウォーター・ボイラーがいいというような国内のこれまでの決定に対しまして、何ら異なる考えを持っておりません。以上であります。
#23
○前田(正)委員 まあ、技術的なことは私もよくわかりませんので、その辺でけっこうのように思いますけれども、特にウォーター・ボイラーでは工合が悪い、たとえばこういう方面には向かないとかなんとかいう意見があったでしょうか。
#24
○堀説明員 ウォーター・ボイラーが一番いかぬという意見の一つは、セーフティの問題に多少疑問があるということであったのであります。しかし、この点につきましては、ウォーター・ボイラーで一番詳しい知識を持っておりますノース・アメリカン・エーベーションその他のところで詳しく検討いたしました結果――実は、これは少し詳しくなりますが、アメリカにノース・キャロライナ大学というのがありまして、ここでウォーター・ボイラーを運転していましたところ、専門の言葉でコローションと申しますが、中のウランの溶液によりまして容器が腐蝕されるという現象が起きたのでございまして、この点に疑問があったのでありますが、これをよく検討いたしました結果、操作上あるエラーをやった、その結果そういうことが行われたのであって、そういうエラーさえやらなければ、そういう疑念はないということがはっきりいたしました。さらにこれを詳しく申しますと、フレオン・ガスというのを使いますが、フレオン・ガスの中に塩素が入っておりまして、これが誤まって原子炉のウォーター・ボイラーの中に入ったために腐蝕が行われた、そういうことでございまして、操作さえ誤まらなければ、安全性に何ら疑念がないということがはっきりいたしました。
#25
○前田(正)委員 それから、日本で一号炉を作らなければならぬわけですが、それについて、一部に、実験炉を同じ買うなら、材料の試験をする実験炉を買った方がいいのではないか、そうでないと一号炉を建設するのに困るのではないかという意見を述べている人もあるように聞いております。このウォーター・ボイラーとCP5で一号炉を建設するのに、材料試験その他について不十分ではないかということについてはどうでしょうか。
#26
○堀説明員 今前田先生がおっしゃった材料試験にはCP5が適当だと思います。しかし、これは、先ほど院長から説明いたしました通り、CP5を明後年ですか入れることになっておりまして、これで材料試験をすれば、十分日本も国産炉の基礎知識が得られるだろうと思います。それから、ウォーター・ボイラーは、そのCP5を使う前のもう少し基礎的な部分の技術の養成、そういう目的で入れるものと考えております。
#27
○前田(正)委員 それから、アイソトープの利用ということを進めなければならぬわけですが、このウォーター・ボイラー、CP5等で相当アイソトープを生産されて、現在日本が輸入している程度のものは、輸入しなくても済む可能性があるでしょうかどうでしょうか、その辺はどうですか。
#28
○堀説明員 ウォーター・ボイラーでは、ただいま日本が使っておりますような多量のアイソトープの製造ができません。CP5が入りますと、全部できますかどうか、私詳しく検討しておりませんが、相当量これで生産できるだろうと思っております。
#29
○前田(正)委員 われわれも、専門家でありませんから、築造計画自身についてはよくわかりませんけれども、いろいろな話を聞くものでありますから、十分御検討のほどをお願いしておきたい、こう思っておるような次第であります。
 それから、もう一つは、原子燃料公社のことでございますが、これについて私らの一番心配しておりますのは、製練とか廃棄物処理とか、こういった問題についてこれから研究を進めていかなければならぬわけですけれども、これは特殊の特許とかいったようなものが要るものであるかどうか、その辺はどうでしょうか。おわかりだったら教えていただきたい。
#30
○黒川政府委員 アイソトープの仕事につきましては、現在委託研究をやっておりまして、その仕事が進展いたしますと、もう少しわかったお答えができるかと思いますが、種類によりまして、非常に危険なものもございましょうし、また半減期が短かいようなものもございますので、こういうようなものこそ、今後、公社において研究いたしまして、実際の処理その他分離というようなことをやっていきたいと思っております。
#31
○前田(正)委員 その点はその通りだと思うのですが、要するに、製練だとか廃棄物等を回収するのに、特殊な特許の機械を買って来なければならぬから、そういうふうな外国の技術の導入をはからなければならぬかどうか、こういう点についてお聞かせ願いたい。
#32
○黒川政府委員 特許の方のことに関しまして、こまかい部分的なものにつきましては、あるいは多少買わなければならぬと思います。しかし、ただいま申しましたような研究が進展いたしますと、多分日本の力でもってある程度まではできるのではないかというふうに考えております。従って、特許はそう大きなものを買うということはないじゃないかと思います。
#33
○有田委員長 岡良一君。
#34
○岡委員 原子力予算について二、三お伺いいたしたいと思います。
 まず、初めに、昭和二十九年度の予算の修正案が三月三日に通過いたしました。これによって、工業技術院関係では約三億円予算増加となりましたが、その説明によれば、二億八千万円は原子炉築造に関する費用、ウラニウム、ゲルマニウム、チタニウム研究関係の費用ということになっております。この費用はどのような形で事実運用されましたか、どの程度の成果をあげましたか。
#35
○黒川政府委員 二十九年度におきましては、二億二千三百二十五万円でございます。すでに今年におきまして使用済額が六千二百八十五万円でございます。
 そこで、その使用済額の大体の内容を申し上げますと、構造関係といたしまして百五十五万七千円が学振に参っております。それから、材料関係は、放射線測定機の研究ということで百七十九万五千円というふうになっております。これも学振でございます。そのほか、重水の研究、これに百三十六万円、寒冷発生及び低温断熱の研究、これに三百九十八万二千円、それから交換反応の研究のうち触媒の基礎研究が百八十九万二千円、それから交換反応の基礎研究が六百三十五万四千円、それから質量分析計の試作がございますが、これが百二十万円、これらが大体委託試験であります。そのほか、石墨の製造に百九十六万五千円、放射能を持っております廃棄物を処理する研究に二十万円、そのほか、資源関係といたしまして、国内資源よりウランの選鉱の研究、原料入手について二十四万円、それから選鉱の方に関係しまして五十五万円、それから燐鉱石よりウランを抽出する研究に対して三百四十八万円、それから調査費、海外にいろいろ調査員を派遣いたします。これが千四百三十六万三千円、留学生派遣費が二百七十一万円、合計いたしまして六千二百万円ほどでございます。
#36
○岡委員 私は、こまかい数字はけっこうなのですが、その結果どの程度までわが国における原子力の研究の実績が高められるかという、そのめどについてお聞きしたいと思います。
#37
○黒川政府委員 二十九年度から始まりまして、二十九年度は、おもに調査を主体といたしまして、ごく予備的な研究をいたしました。三十年度に至りましてやや本格的な実験研究に入りました。三十一年度に至りまして、そのうちの約三割程度が中間イオンの試験に入る段階になりつつあるように進んで参りました。
#38
○岡委員 うかつですが、三十年度における原子炉関係の予算はどの程度でございましたか。
#39
○黒川政府委員 三十年度は三億六千万円でございます。
#40
○岡委員 今度は、それが、不確定ではあるが、七十億近い、六十八億ということで、飛躍的に要求予算額は増加したわけでございます。ただ、私どもいつも感じていることは、どうしても日本の明治から大正、昭和に至る資本主義の発達というものは非常におくれている。その日本の資本主義をできるだけ早く先進国に追いつかせたいということの必要から、国家の権力、国家の資金が日本の資本主義の発展の大きなささえになっておる。そのことが、不覚にも、日本における行政権力の科学技術に対する優位というような、近代国家のセンスからいえばきわめて矛盾した形を引き起してきておると思う。ところが、どうやら原子力時代におくればせながら日本も参画することになって、原子炉関係のいろいろな法律なり協定等も結ばれた。ここでこの科学技術の後進性を取り返さなければならぬ。特に、原子力の時代というのは、いつも申し上げることですが、単なるエネルギー源としての原子力をわが国に活用するなどという問題ではない。とにかく、相対性原理とか量子論とか、いわば科学者の頭の中で考えられていたものが、如実に、物質は生成発展するエネルギーそのものだという物質観に対する革命になってきた。これは、あらゆる政治原理、社会秩序の根本的な建の直しを意味しようとする、実に第二次――第一次産業革命にまさる根本的な大きな革命期に入った。ここで何とか日本がこの後進性を取り返そうとするならば、私は、まずしなければならないことは、どうしても、これまでの行政権力が科学技術に優先するという不当なる取り扱い方というものを大きく建て直していくという、根本的な政府の態度が私は必要ではないかと思います。この点について齋藤さんの御見解はいかがでございますか。
#41
○齋藤政府委員 岡委員のお説は、原子力に重点を置いて将来の人類社会のあり方を考えますと、まことに当然の御議論だと承知いたします。申すまでもなく、第一次産業革命は、人類が火を用いることから出発いたしました蒸気力の活用に端緒があったのであります。しかし、今日の原子力の理論は、化学反応によるエネルギーでなくして、物質の元素の核の分裂によるエネルギーの問題でありまして、これは、科学的に検討を加えますと、化学反応によるエネルギーと、核分裂の作用によって起るエネルギーとは、全く本質的に段階が違うものと私は考えるのでございます。お説の通り、その核分裂によってエネルギーが放出されるという現実の実験に成功いたしました現段階におきましては、ただいまお述べになりましたように、質量が即エネルギーである。過去のいわゆる唯物論に根底を置きました、物は精神に優先するという理論ははっきりとこれで打ち破られて、ここに、私は、今行われておるところのイデオロギーのすべてに関係のない新しいイデオロギーが生まれてくるのではないか、全く未知の世界であり、革命的な人類社会の原動力がこの原子力によって動きつつある、さように考えておるのであります。ただ、原子力の世界に現実の日本が急速に移行する手段といたしまして、どういう手段をとっていくのがいいかということが、今後の大きな政治問題でありまして、これに対しましては、おのおのの立場からいろいろな考え方があろうと思うのでございまするが、政府といたしましては、この原子力時代に、急速に日本を移行いたしまして、そうして真の平和、民生の安定を確立する手段として、あらゆる角度から検討いたしまして、万違算なきを期したいと考えておる次第であります。
#42
○岡委員 私は、精神病の医者でありますから、少し誇大妄想みたいなことを言うくせがありますが、しかし、齋藤次官のお説は、私も全くその意気込みでやっていただきたいと思います。重ねて申し上げれば、いわば、科学の世界では、あるいは相対性の原理であるとか、あるいは量子論、文化科学の世界では、デルタイの生命哲学からベルグソンの創造的進化の学説がある。しかし、物質がエネルギーそのものだということで、人文科学と社会科学が結びつこうとしている実に大きな時代が来たと私は思う。だから、もう、人類は、これまで地球の上で自然と格闘しておった、しかし、われわれは、原子力を人類の英知によってみずからの手におさめることができるということで、あるいは人工衛星が可能になってくる、あるいは反陽子が発見されるということになれば、人類は、地球における支配者というよりも、むしろ太陽系に対する大きな支配力を持とうという、いわばそういう意味で非常に大きな歴史的な意義を持っておる。そういうことで、先ほどの前田君のお尋ねでも、まだこれからどうにか科学技術の問題については予算あるいは機構等について取りかかるということでは、私どもも非常に残念に思うわけなので、ぜひとも、一つ、この際、できたら何も科学技術省というものを作らないで、原子力省を作るぐらいの構想で出かけてもらはなければ困る。またそうあるべきだと思うのです。そこで、具体的な問題として、経済六カ年計画はことしの春から政府の方でもいろいろ御発表になっており、これが内外の情勢の変化等によってまた今度立て直しをするということで、経済審議会の方で、五カ年計画というような作業を、たしか十二月の四月がに答申があった。目下、政府の方では、これとにらみ合せて、三十一年度の予算編成等をやっておられるというふうに私は想像しておるわけです。そこで、この五カ年計画の中には、日本の原子力行政と申しましょうか、原子力に関する年次計画というものは含まれておるのですか。含まれておるとすれば、どういう内容を持ったものでしょうか。
#43
○齋藤政府委員 経済審議会の答申によります長期経済計画の中にも、将来のエネルギー源として、原子力を十分考えて、これを伸長する必要があるということは、うたってあるのでございます。しかし、その原子力をどう具体的に開発利用していくかという点までは、この答申の中にはうたっておらぬのであります。そこで、政府といたしましては、この原子力を、どれだけ、三十一年度の長期計画、それから今後この五カ年間に具体化していくかということに対しましても、今せっかく党とも連繋をとりまして研究を続けておるのであります。ただ、私から申し上げるのはいかがかと思いまするけれども、あまりに、原子力問題は、先ほど申し上げました通り、大きな問題でございまして、その重要性から考えますると、直ちにお説の通り原子力省を作っていってさえ、まだなおかつ足りないような感じもするのでございますけれども、現実の国家態勢を基盤として考えますると、なかなかそう飛躍いたした構想を実現する一切の準備もまだ整っておらぬというような段階にもございまするので、私どもといたしましては、極力原子力の実態というものを考えまして、これを急速に日本の将来に有益化するように取り計らっていきたいと、せっかく努力をいたしておるのであります。おそらく、この五カ年計画が遂行せられまする途上において、原子力の進歩は政治面にも大きく反映いたしまして、原子力の面からも、この長期計画に対して構想の変化が行われるのではないか、さように考えておるのでございますが、まだ、そういう見通しにつきましては十分な検討を加えつつある状態でございまして、確たる御返事を申し上げる段階にいっておらぬことを、まことに遺憾に存ずるものでございます。
#44
○岡委員 これも伝え聞いておる数字ですが、大体六カ年計画ですか、五カ年計画ですか、総予算六兆三千億、その中で厚生、文教等をひっくるめて二兆四千億というふうな予算が配分されております。このような予算配分の中には、原子力関係の予算は考慮されていないのですか、それとも中に含まれておるのですか。
#45
○齋藤政府委員 大体私の承わっておりますところでは、長期計画の予算分類のその他という中に原子力予算も含めてあるのであります。御承知の通わ、六カ年計画では、六兆六千五百何十億と出ております。それから三十年度の九千九百億を引きますと、五兆何がしとなります。それを文教費とかいろいろなものに振り分けまして、私の記憶では、二兆何がしか一兆何がしかが、その他というところになっておるのでございますが、その中に、原子力とか、いろいろなものをそれにひっくるめて分類をいたしていると思います。
#46
○岡委員 先般、基本法の御提案のときに、来年度は一号炉を作り、再来年は二号炉を作り、その次には天然ウランをもってする実験的な動力炉というものにまで進みたいという御計画があった。これは、御計画ではありますが、この問題と真剣に取り組まれる以上、原子力問題を、大きく、国の計画の中で、国の予算をもってこれをまかなおうという方針であります以上、原子力に関する研究は、日進月歩で各国の研究も進んでおりますから、日本は、原子力に対する水準からして、画期的なものは作れないとは思いますが、来年度には、ある程度まで年次的な計画を、原子力委員会等の御審議を経て、われわれの委員会にお示しをいただくというくらいの御決意でお願いしたいと思います。
 それから、これは工業技術院の方にお聞きしたいのですが、何と申しましても、ウラン原鉱を日本国内において自給ができれば、それに越したことはないと思うのですが、こういう可能性はあるのですか。いろいろ、新聞などを見ると、鳥取や岡山で、飛行機でガイガー計数管ではかったら、相当の放射能を発見したということですが、これはどういうことか、専門的なお立場から伺いたい。
#47
○黒川政府委員 ウランの問題につきましては、私も専門家でありませんから、調べました結果を御報告申し上げます。工業技術院の傘下に地質調査所というものがありますが、ここで昨年度から調査しております。そうして、昨年度は、大体数カ所について調査いたしました中で、一応今後深く調べてみたらどうかというようなものがあります。たとえば、ペグマタイト鉱床としては、福島県の石川町、岐阜県の苗木、京都府の大呂、福島県の水晶山、この近所のものは将来もう少し調査してみる必要があるというような意見であります。それから、ただいまお話がございました脈石になって出ておりますものは、岡山県倉敷のもの、鳥取県倉吉市小鴨のものなどが非常に重い。また将来もっと探査すれば有望ではないかというような報告を受けております。しかしながら、ウラニウムの鉱石は非常にわずかしか入っておらぬ。日本のはよくて万分の一以下、場合によりますと、十万分の一というものでございまして、一応実用化になりますものは〇・二%と言われておる。その程度でございますので、もっと深く精査いたしまして、分析をいたしましてやらないと、今後これがほんとうに活用されるかどうかということがまだ判明いたしませんが、現在はその程度の段階になっております。さらに、飛行機で調査するというようなことをいたしますと、まだほかにそういうものに類するようなものが発見されるかどうかはわからないのでございますが、現在判明されておりますのは以上の通りでございます。
#48
○岡委員 いずれにしても、やはりできるだけ探鉱に努力をすべきじゃないかと思うのです。アメリカあたりでは、何でもウラニウム・ラッシュにあおられて、ハイキングに行く者がポータブルのガイガー計数管を持って歩いているというようなこともあるようですが、そこまで国民が目ざめてくれるくらいに、政府自身ができるだけ探鉱に努力してもらいたいと思うのです。
 それから、鳩山さん、カナダの基礎研究の予算は幾らでございましたか。
#49
○鳩山説明員 先ほど申し上げたと思うのですが、先ほど申し上げましたのは、総体の研究所の研究費でございまして、いわば基礎研究というものでございます。これは、総体で、五十五年度から五十六年度といたしまして、千六百万ドルというふうになっております。カナダでは、研究所を設けまして、四十五年から研究いたしておるのでございますが、私の資料では初年度となっておるのが四十八年となっておりまして、四十八年の経費が三百万ドルからスタートしております。それが四百五十万ドルから八百万ドルというふうに逐次ふえております。五十六年度は千五百万ドルというふうになっております。
#50
○岡委員 先ほど来の各委員の気持も十分大蔵省方面でおわかりいただけたと思うのですが、諸外国の実情も見てこられたのだから、この際できるだけ原子力関係の予算を豊富に取り扱っていただきたい、このことを心からお願いいたしまして、私の質問を終ります。
#51
○前田(正)委員 私も、一点だけ、鳩山主計官がおられるから、お聞きしたいと思うのです。
 先ほど来、原子力を見てこられて、その構想を述べられたので、われわれがこの際必要とするような予算の内容については十分に御理解があると思うので、われわれの期待するように大蔵省の中で推進してもらえるものと期待しているわけでありますが、そこで、一つお聞きしたいと思うのは、今度回ってこられて、アメリカでサイエンス・アタッシェの人にお会いになって世話になられたことと思うのでありますけれども、実は、われわれが回ったときには、いろいろな内容をよく知りませんでしたが、こちらでわれわれが得ておりました原子力関係の外務省の情報であるとか、その他のいろいろなものは、ほとんどこのサイエンス・アタッシェが中心になってやっている。しかも、その話をいろいろ聞いておりますと、政府の中におきましても、相当高度の資料とかあるいはいろいろな情報について、秘密なことではありませんけれども、普通にはなかなか手に入りにくいようなものも、どんどんと知らせて情勢判断に寄与してくれた。このサイエンス・アタッシェを作るのについては、私もその必要性を述べた一人でありますけれども、私の期待しておった以上の働きをしてくれておって、非常に効果があったと思ったわけです。そこで、今度われわれは帰りまして、この機会に、アメリカにも一人ふやすと同時に、イギリス、フランス、ドイツ、カナダ、北欧、インド、こういうような各地にサイエンス・アタッシェを置かなければいけないと思い、こういうふうに考えて、三十一年度の予算にこれを推進いたしたいと思っているわけであります。これは、原子力に限らず、各方面の科学技術の情報を流してもらっております。また、単に情報を流すだけでなく、各国の行政府とつき合って、日本のためにも非常に尽力しておると思ったのでありますが、鳩山主計官が向うでサイエンス・アタッシェに会われたときの印象と、そういうものをわれわれがふやそうとすることに対するお考え、これについてどう思っているか、一つ率直にお聞かせ願いたい。
#52
○鳩山説明員 ただいまの前田先生の御質問、私もその点は痛感いたしましたので、できるだけ努力いたしたいと思います。
#53
○有田委員長 ほかに御質疑はありませんか。――御質疑がなければ、きょうはこの程度で一応質疑を終ります。
    ―――――――――――――
#54
○有田委員長 この際お諮りいたします。科挙技術振興対策に関し、閉会中もなお調査をいたしたい旨議長に申し入れたいと存じますが、御異議はありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○有田委員長 御異議がなければ、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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