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1955/12/09 第23回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第023回国会 運輸委員会 第4号
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1955/12/09 第23回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第023回国会 運輸委員会 第4号

#1
第023回国会 運輸委員会 第4号
昭和三十年十二月九日(金曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長代理理事 臼井 莊一君
   理事 今松 治郎君 理事 木村 俊夫君
   理事 畠山 鶴吉君 理事 青野 武一君
   理事 中居英太郎君
      伊藤 郷一君    中嶋 太郎君
      堀内 一雄君  早稻田柳石ェ門君
      井岡 大治君    池田 禎治君
      栗原 俊夫君    下平 正一君
      竹谷源太郎君    小山  亮君
 出席政府委員
        運輸政務次官  伊能繁次郎君
 委員外の出席者
        日本国有鉄道総
        裁       十河 信二君
        日本国有鉄道常
        務理事     藤井松太郎君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国鉄幹線の電化十ヶ年計画に関し説明聴取
    ―――――――――――――
#2
○臼井委員長代理 これより運輸委員会を開会いたします。
 本日は委員長が余儀ない御事情があって御不在で、私が委任を受けておりますので、委員長の職務を代行いたします。
 本日は陸運に関し調査を行いますが、特に国鉄の電化十カ年計画の説明を聴取いたします。最初に十河総裁より総括的な説明を聴取し、次いで藤井常務理事より詳細な説明を聴取いたします。十河総裁。
#3
○十河説明員 まずもって第一にお礼を申し上げたいと存じます。臨時国会で国務御多端の際にかかわらず、国鉄の電化の問題を特にお取り上げいただきまして、この委員会を設けていただきましたことに対しまして、国鉄を代表して厚くお礼を申し上げます。第二におわびを申し上げたいと存じます。私どもの至らぬところから、国鉄の経営その他につきまして世間でいろいろと批判をこうむりまして、国民の皆さん、ことに国会の皆さんにはいろいろ御心配をおかけし、御迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げます。
 国鉄の現状につきましては、かねて皆さんから多大の御配慮をいただいているのであります。私就任いたしましていろいろ検討をいたしてみましたが、何をさておいても一番根本的な問題を皆さんに御考慮をわずらわしたい、こういう考えであります。その根本的の点と申しまするのは、申すまでもなく鉄道は文化や経済の先駆をなすべき使命を持っているものであります。しかるに戦争中並びに戦後の種々の困難なる事情のために、鉄道が先駆をなさずして、むしろ取り残された形になっているような現状であります。本年は例年よりか豊作で、米がたくさん取れたと国民皆さん喜んでいるのであります。しかるに鉄道の輸送力が不足している、貨車が足りないということで、方々からもう少し貨車を回せ、早く運んでもらいたいという苦情あるいは御要求を、しばしば受けるような状態にあるのであります。こういうことでは、せっかく皆さんが増産を御計画なさっても、国民の増産の意欲を阻害することになりはしないか、鉄道の本来の使命である経済の発展の先駆をなさずして、かえってこれがブレーキになって経済の発展を阻害するネックになりはしないかということを、私どもは非常に遺憾に存じておるような次第であります。そこで国鉄におきましては、かねて輸送力増強の計画、あるいは従来の輸送力を維持する計画等を進めて参っておるのでありますが、いろいろな事情でこれが思うように参りません。私は種々なる点から検討いたしまして、鉄道経営を合理化し、輸送力を増加し、またサービスの向上をするといういろいろな点から見まして、電化をすることが一番近道である、一番有効適切な方法であるという結論に達しまして、先般部内に電化委員会を設けまして、部内と申しますか、部外の権威者にも御参加を願いましていろいろ検討をいたしておりましたが、数日前に結論が出て参りまして報告を受けましたので、とりあえず皆さんに御審議をお願いいたしたいと申し出たような次第であります。
 鉄道の電化につきましては、すでに昭和二十四年に政府におきまして国鉄審議会をお設けになりまして、そこでいろいろ御審議になりました結論が答申されております。また資源委員会の方でも、日本の乏しい資源をどういうふうに有効に使ったらよろしいかという見地から御研究になりまして、これも総理大臣に勧告が出されております。この勧告、答申によりますと、急速に国有鉄道のおもなる幹線三千四百キロを電化する必要がある、この電化には約千七百五十億の資金を必要とするが、電化完成の暁にはおよそ二百六、七十万トンの優良炭を節約することができて、これを他の用途に振り向けることができる、また鉄道の経費を約百億円浮かせることができる、こういう結論が出ております。それから年数も相当たっておりますし、いろいろな事情も違っておりますが、当時の委員会で御検討を下さいました委員の方々からも御参加を願いまして、部内に電化委員会というものを設けまして検討をいたしておったのであります。
 大体のところ約千八百億ぐらいの資本をかけて、三千三百キロのおもなる幹線を十カ年間で電化するという計画が適当なものである、これによって国鉄の経費が約九十五億円、節約される石炭が二百六十万トンという結論が出て参りました。そこでこの結論をただいま運輸大臣が設置されました国鉄経営調査会にも提出をいたしまして、御審議を願っております。遠からず他のいろいろな問題とともに、国鉄経営調査会の御意見も結論的に出てくるのではないかと考えておりますが、予算その他の関係で急いで皆さんの御審議をいただくことが適当であろうか、こう考えましてお願いをいたした次第であります。この千八百億の資金をいかにして捻出するか、政府資金を出していただければ政府資金でもけっこうであります。社債で募集することのできるように御援助をいただければ、それでもけっこうであります。また償却を適正にして自己資金でまかなえるようにして下されば、それでもけっこうであります。いかなる資金源によるかということは、むしろ第一義的の問題ではなかなろうか、まずもって鉄道を合理化し、鉄道が経済の発展をむしろ阻害しているという状態をすみやかにもとにもどして、経済発展の先駆たる使命を達成することのできるような状態に引き直していただきたいということが私の念願であります。
 鉄道はもはや時代おくれである、この時代おくれの鉄道に金をかけることは問題だというような意見が、世の中にないことはないのであります。しかしながら大量の旅客、大量の貨物を確実に、迅速に輸送するという点から見ますと、どうしても鉄道はまだまだ残された使命が十二分にあるのではないかというふうに考えます。少くとも幹線だけはすみやかに電化いたしたい、こう考えまして、実は電化の費用を償う、利息を払うことのできる線だけは全部電化したい、こう考えまして計算をいたしますと、約八千キロになるのであります。今国有鉄道は大体二万キロ営業いたしております。すでに電化している区間が約二千キロにあります。今後八千キロを電化いたしますと、大体日本の鉄道の半分は電化されることになるのであります。日本のごとき山国、勾配の多い、トンネルの多いところでは、何と申しましても電化することが、サービスの上からいっても、輸送力増強の上から申しましても、一番有利であると私は確信するものであります。スイスのごとき山国では、ほとんど全部が電化されております。イギリスのごとき非常に保守的な国といわれておる国でも、御案内の通り保守党が天下をとりますと、直ちに交通機関の整備に非常に力を入れまして、たとえば十二億ポンドという巨額の資金を投じて、イギリスの国有鉄道の近代化を計画して今進行しつつあるのであります。その中心がイギリスの鉄道を電化するというところに置かれておるようであります。ドイツ、フランス、スエーデン等、ヨーロッパの各国を見ましても、ほとんど電化で鉄道を近代化するということが大勢のように思われるのであります。アメリカは多少国情が違いまして、電化よりもディーゼル化という方向に向っておるように思う。日本でも大体年間石炭の消費量が一キロ二百トン以上のところは電化する方が有利でありますが、そこまで旅客、貨物の数量のないところは、電化よりもディーゼル化した方がよくないか。そこで私は電化するだけの旅客、貨物のないところはディーゼル化し、旅客、貨物の非常に多い、電化する方が有利であるというところは電化したい、そういうふうに考えまして、まず二万キロのうち一万キロを電化したい。従って今後八千キロ電化したい。そのうちで最も旅客、貨物の多い、今輸送力が詰まっておるというようなところをまず第一着に電化したいというので、このたび三千三百キロの電化を計画いたしたような次第であります。今日国鉄は約百億の借金の利息を払っております。もしこの電化が急速に実現いたしますると、百億の今までの借金の利息だけはそこから出てくるという勘定に相なりますので、ぜひともこれを急速に実現させていただきたい。今日まで大体年間五十億を電化に使っておりますが、きわめて大ざっぱに申しまして、この上に百億だけ加えていただきたい。複線とか、その他緊急施設のほかに、特に電化のために、どういう資金源からでもよろしゅうございますから、百億くらい出していただけるように御考慮をわずらわしたい。いずれ運輸省で、目下国鉄経営調査会で審議せられておりまする結論が、遠からず出て参ることと思います。その結論が出て参りましたならば具体的の事案といたしまして、皆さんの前に提出することにいたしたいと考えておりますが、その前提として電化について、いろいろな点から私どもの考えておるところをお聞き取りを願い、皆さんの御審議をわずらわしたいとお願い申し上げる次第であります。ありがとうございました。
#4
○臼井委員長代理 藤井常務理事。
#5
○藤井説明員 国鉄の考えておる電化計画につきましては、ただいまの総裁の御説明で尽きると思いますが、なお数字的なことを申し上げまして補足をいたしたいと思います。
 この電化計画につきましては、ただいま総裁の御説明になりましたように、私ども過去三、四カ月にわたりまして各権威者の御参集を願いまして、国鉄が現在財政の苦しい中におきまして、いかなる構想をもって電化を進めていくべきかということを御審議願ったのでありますが、その中間報告とも申すべきものが、お手元に配付いたしました横書きの幹線電化計画であります。これの要旨を抜粋いたしましたものが、お手元に配付いたしてございます国鉄幹線の電化計画についてという縦取りのプリントでございます。従いまして私の申し上げることは、この電化計画の詳細なことに入るよりも、この縦取りのプリントについて、これを読みながらその内容を御説明申し上げたいと思います。この縦取りのプリントの前段の四ページまでくらいは、ただいま総裁が御説明した通りでございますので、大体五ページの七のところから読みながら御説明いたしたいと思います。
 国鉄の電化という問題は、ひとり日本の国有鉄道だけではなくて、世界の鉄道が全部輸送手段を近代化する大きなテーマとして、着々取り上げているということでございまして、わが国の電化はしからばどの程度進んでいるかと申しますと、先ほどの説明にもありました通り二万キロのうち二千キロ、約一〇%である。西欧諸国においてはどうかと申しますと、スイスのごときものは九六%、ノルウェー、スエーデン、オランダといったような北欧諸国では三五ないし四〇、さらにオーストリアのごとき、ものですら二二%くらいの電化をすでに完了いたしております。ただいまわれわれが提出いたしました三千三百キロが完成いたしますと、回鉄の電化はただいまの既電化の二千キロに加えまして五千三百キロになります。そういたしますと大体二万キロの二五%である。従ってこれを完成いたしましても、ヨーロッパ諸国に比べますと、電化の比較的おくれているオーストリア並みになるということでございまして、この構想が飛躍的なものではないということをまずもって申し上げまして、七のところから御説明申し上げます。
 電化は先ほども申しましたように資源の温存と申しますか、燃料政策と申しますか、そういう立場からの御勧告もあり、鉄道審議会の御答申もあり、極力電化を進めようということであったのでございますが、戦争中の疲弊であるとか、老朽施設を取りかえるのにきゅうきゅうといたしまして、この御勧告の線に沿った電化は遺憾なが実現いたしておらないのであります。従ってこの七に書いてあるように、戦後現在までに完成いたしました電化のキロ程は、本年の七月完成を見ました東海道の米原までの電化を含めまして、ようやく六百四十一キロにすぎない。これに一体どれくらいの金を費したかと申しますと、二百五十九億円でございます。これの内訳を申しますと、電化設備費が百四十五億円で、電気機関車三百両を新造いたしました金が、百十四億円であるというようなことでございます。現在この電化によって年間石炭七十一万トン、動力費年間三十五億円くらいの節約に相なっておるということでございます。
 次に、今回特に国鉄内部に専門の委員会を先ほど御説明申し上げたように作りまして、現在のわが国の経済の諸情勢、技術の向上などのいろいろな条件を考えまして、新たに促進すべき電化の規模であるとか、進め方につきまして検討いたしました結果、現在の国鉄経営上の最も緊急な施策といたしまして、主要幹線の二千三百キロメートルの電化をすみやかに実現すべきであるということに達したのであります。従って三千三百キロはどこかということは、この電化委員会の答申書の横書きのプリントの四ページをごらん願いますと表が出ておるのでありますが、この三千三百キロを第一期計画と第二期計画おのおの五カ年でございますが、第一期と第二期に分けて十カ年間でこの三千三百キロをやるのだ、その第一期、すなわち昭和三十五年度までにやりたい区間はどこかと申しますと、この表の上に書いてございますように、東北線の上野・盛岡の五百五キロ、常盤線の上野・仙台の三百五キロ、北陸線の米原・冨山の二百四十三キロ、山陽線の大阪・下関の五百二キロ、鹿児島線の門司港・島栖の百八キロ、計千六百六十五・八キロということでございまして、これに要する資金はこの表の一番しまいに書いてありますように、九百八十三億四千四百万円である。これが三十五年度までの一期計画でございまして、これに引き続き昭和三十五年ないし四十年までに第二期計画といたしまして、東北線の盛岡・青森の二百四キロ、奥羽線の秋田・青森の百八十五キロ、羽越線の新津、秋田の二百七十一キロ、信越線の高崎・新潟の三百十四キロ、北陸線の富山・直江津の百二十キロ、篠ノ井線の塩尻・篠ノ井の六十七キロ、中央線の甲府・名古屋の二百七十八キロ、関西線の名古屋・湊町の百七十五キロ、計にいたしまして千六百十八・九キロでございまして、これに要する資金は七百六十九億三千七百万円であります。
 こう地名をペラペラ言いましてもおわかりでないと思いますので、さらに幹線電化計画参考資料、これの三枚目をめくっていただきますと、地図の上がかくのごとく表示してあるのでありますが、この地図でごらん願うように、細い線二本で書いてある区間はすでに電化を完了した二千二十五キロでございます。それからただいま申し上げました第一期計画、すなわち昭和三十年から三十五年の間にやる千六百六十六キロを黒い太い線で表わしている。さらに黒い線の太い点線で表わしているのが昭和三十五年から四十年までにやりたい区間であるということでございます。それで本文に返りまして、こういった三千三百キロの電化をすみやかに促進すべきであるという結論に到達いたしました。
 それからこの九に書いてあるように、この計画は大体ただいまも申し上げましたように、おおむね十年間の計画といたしまして、その所要資金は電化設備費、これは蒸気から電化に切りかえるために要する金、つまり蒸気運転を続けておれば要らぬ金、こういう金が七百八十億円要る。それから電気機関車を新しく作る金が、これは千二百六十九両でございますが、七百八十一億円要る。これに隧道等を改築したり、関連した施設を改修して電化ができるようなことにするために二百六十億円要る。そうしますとこれらを総計いたしまして三千三百キロの電化を実現するためには、金としては千八百二十一億円が要るのだ。こういうことでございまして、しからばその効果の方から申しますと、これによって節約されまする運転用の石炭は、この二千三百キロが完成いたしますと、年間二百六十万トンの節約ができる。その経費の節減は主として燃料費の節減が主体をなすのでありますが、年間大体九十五億円の経費節減に相なるというわけであります。
 それでこの計画の効果をさらに詳しく申しますと、先ほど二百六十万トンの石炭が節約できると申しましたが、この二百六十万トンといったような石炭は、いずれも列車にたく石炭は良質炭でございまして、わが国の現在の産出にすでに御承知のように四千二百万トン見当でありますが、経済総合六カ年計画によると、これが五千万トンぐらいに相なるということになっておりまするが、しからばその四十年になって電化をいたさずにただいまのような姿の蒸気運転をやるということになると、国鉄の消費いたします石炭が大体六百万トンくらいに相なるということでございまして、五千万トンに石炭の増産ができましても、列車に使えるような優良炭はおおむねその半分くらいでございますので、二千五百万トンくらいである。そのうち六百万トンが鉄道の煙になってしまうのだということでございまして、燃料政策上大きな比重を占めておる。これをただいま申し上げましたように電化いたしますと、貴重な石炭二百六十万トンの節約ができて、これをしかるべき工業の面に回すことができるのだ。つまり結果的に二百六十万トンの優良炭を増産したと同じ効果を現わすのであるということであります。一方、しからば石炭はやめたのだが、電気はどうかというようなことになりますが、これから電化いたそうとする区間は、都市と違いましてずっと日本の全土にわたった細長い区間でございまして、御承知のように夜昼汽車が走っておる。しかも列車の密度から申しますと、夜間の方がむしろ昼間よりも列車密度が高い。一方電力の面におきましては電力の消費は昼間に起りまして、夜間はほとんど遊んでおるのだということは御承知の通りであります。こういった遊んでおる電力を最も有効に利用できる。つまり昼夜平均して、夜の方がむしろ電気の消費が高いといったように、有効に利用することができる。そうしてこういうことによって鉄道の動力費を節減し、輸送を近代化する、サービスを改善する、かたがた第二次的には従事員の運転要員であるとか、保全要員といったような従事員の労働条件の改善をはかるといったふうに、経営を根本的に近代的化することに相なる。従ってその経営の近代化と申しましても、これは電化は唯一のものとは申しませんが、そのうちで最も大きな役割を占めるものは鉄道の動力を電化に切りかえることであるということでございます。なおこの計画が達成いたしますと、第二次か第三次か知りませんが、これによってわが国の車両工業であるとか、電機工業といったような面の技術工業が期待できますし、これによって輸出の振興をも期待できるといったような効果があるということでございます。
 十一に移りまして、しからばこの計画の実施をするのにはいかにするかということでございますが、これには何をおいても低廉確実な電力が確保できないと、国鉄の輸送というものに責任を持てないということでございますので、低廉確実な電力が確保できるような態勢をとらなければならぬということと、さらに根本的には所要資金の千八百億がいかにして調達されるかということが、最も重大な問題でございます。
 十二に移りまして、電力につきましては鉄道用の電力を有効に利用いたしまして、先ほども申すように広範な地域にわたって全国的に走っているということで、しからばこの三千三百キロを電化したら電力需要が重荷になりはせぬかということでございますが、先ほど申しました経済六カ年計画の目標が達成いたしますと、日本の電力供給力は水火力を合せましておよそ千二百五十万キロワットになるということでございますが、しからば鉄道でこの計画ができたときに消費する電力いかんと申しますと、この三千三百キロに対しましてはわずかに二十三万キロワットである。しかし現在すでに十三万キロワットを買電いたしておりますので、これを合せましても三十六万キロワットぐらい要る。供給力の千二百五十万キロワットに比べまして、わずか三%か何かのオーバーでございまして、これは電力の重荷には相ならぬということでございます。
 十三に移りまして、資金の調達、これは一番むずかしい問題でございますが、この総所要資金は千八百二十一億円でございますが、このうち蒸気を電気に切りかえるために新たに所要となるいわゆる電化設備費というものは七百八十億円であるということでございまして、この七百八十億円は、一応先ほど申しました一般の輸送力を高めるとか、燃料政策に寄与するとか、サービスを改善するとかいったようなことで、一つ外部資金のお世話を願いたい。残余の電気機関車及び隧道の改修というものは、実はまだ千億残っておりますが、これは過般来私どもが説明し、まだ皆さんの百パーセントの御納得は得ておりませんが、国鉄の機関車といったようなものは、大体千両程度はすでに老朽いたしまして、きょう、あすとは申せませんとしましても、きわめて近いうちに取りかえなければいかぬというものでありまして、こういった主要幹線を電化することによって、電気機関車を新たに購入するということは、そこの主要線についておりました老朽の機関車の使用を停止し、取りかえることに相なります。隧道及び関連施設につきましても非常に老朽化しておりますので、一応それらは取りかえの面で国鉄の財政が健全になりますれば、当然支出すべき金ではないかという考えでございます。これは政府はいろいろなことがございますが、一応筋としては自己資金でこれを充当いたしたいという考えでございます。
 最後の八ページに移りまして、しからばその外部資金の七百八十億円はどうするかという問題でありますが、先ほども御説明申し上げましたように、この計画が日本の動力の有効利用であるとか、国鉄の輸送力の強化であるとか、サービスの改善であるとか、国家経済に多大の貢献をするということを御考慮願いまして、電力開発資金の財政援助等とひとしく、財政資金でお世話願うとか、開発銀行の長期低金利の資金のお世話を願うといったようなことをお願いいたしたい、かように存ずる次第であります。
 十五は、先ほどもちょっと触れましたが、減価償却費が不足でありますので、その千億に関しましては、減価償却費が何らかの形でできるということに相なりませんと、この七百億だけでは電化は進みません。こういった車両、電気機関車も要り、老朽施設の取りかえ、隧道の改修費等が要る。これはわれわれの考えとしては減価償却費の取りかえでいきたい、かように考えておる次第でありますが、これとても非常な問題でございまして、いろいろ御援助、御支持によってしかるべく処理いたしたい、かように考えておる次第であります。
 大体の説明ははなはだお粗末でございますが、これくらいで終ります。
#6
○臼井委員長代理 何か補足説明を求める御希望がありましたら、簡単にこれを許します。なお十河総裁は十一時半からやむを得ない所用で出かけますので、総裁に何か御質問の点がありましたら許します。――ございませんか。
#7
○池田(禎)委員 総裁に対する質問は、電化ということだけでなく広範な問題について多々ありますので、日を改めてやるようにお願いしたい。
#8
○臼井委員長代理 それでは詳細な質疑は来週より行うことにいたします。
 次会は公報をもってお知らせすることにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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