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1947/03/30 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第14号
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1947/03/30 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第14号

#1
第002回国会 財政及び金融委員会 第14号
昭和二十三年三月三十日(火曜日)
   午前十一時十五分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議にに付した事件
○證券取引法を改正する法律案(内閣
 送付)
○大藏省預金部特別會計の昭和二十三
 年度における歳入不足補填のための
 一般會計からする繰入金に關する法
 律案(内閣送付)
○煙草專賣法の一部を改正する等の法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○臨時資金調整法を廢止する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) これより委員會を開會いたします。本日はまず證券取引法を改正する法律案につきまして、前囘に引續き御質疑を願います。これは如何でしよう。なにか一般的の御質問はまだ残つておると思いまするが、この各章で一つ順次御質問願うようにいたした方がよろしいでしようか。
#3
○松嶋喜作君 大體重要なところは極く範圍が狭いのですが、そう各條的に……、重要なところだけでいいのではありませんか。
#4
○委員長(黒田英雄君) 一般的にはあとにするとして、重要なものはそれでいいのですが、一應ずつと各章から皆さんに聞いて見ましようか。早いから……。
#5
○高橋龍太郎君 進行するには都合がいいね。
#6
○委員長(黒田英雄君) そうするとまず第一章について御質問がありますれば……。尤もあとから御質問願つても差支ないのですから……。一應第一章は御質問はないものといたしまして、第二章について如何でしようか。有價證券の募集又は賣出に関する届出。これについて別に御質問がないようでありますから、第三章證券業者、第三章について御質問があれば願います。
#7
○波多野鼎君 證券業者ですね、いろいろな條件が第二十八條に掲げてありますが、こういう條件を整えて登録を要求する、證券取引委員會で審査して登録することになると思いまするけれども、その場合、財産状態とかいつたようなことはどういうことになつておりますか。どんな標準で認可……、認可というか、登録することになるわけなんですか。
#8
○政府委員(岡村峻君) 證券業者の資産状態につきましては、この改正法律におきましてはその純財産額の最低額を定めておりません。從つて理論的には資本金の非常に小さいものでも證券業者になり得るということに一應なるのでございますが、ただ證券業者の負債總額のその營業用純貸本額に對しまする比率は、第三十四條に規定がございますように二十倍を超えない範圍内におきまして證券取引委員會がその規則で定める率を超えてはならない、こういうことになつておりまして、つまり言葉を換えて申しますると、證券者の負債總額は營業用純財産額に對しまして一定の限度がございますのでと小さい純財産額のものは小さいなりに商賣ができる。大きいものはそれに比例して商賣ができる、こういうことに相成つておるわけでございます。從つてこの委員會規則で定めます倍率を超えます場合においては、そういう申請に對しまして、登録を拒否するとこういうことに相成つております。それから尚間接的ではございますが、證券業者がこの登録を受けました場合においては、第四十一條の規定によりまして、證券業者の本店につきましては十萬圓、それから支店その他の營業所につきましては、營業所毎に五萬圓の營業保證金を供託しなければならない、こういうことになつております。從いまして資本金が小さくてもよろしいと申しましても、營業保證金でもこの程度の大きなものを納めなければなりませんので、おのずから證券業を營み得る者の最低の資本金というものは制約されまして、まず私共の考え方では最少五十萬圓ないし百萬圓程度なければ商賣ができない、こういうことになろうかと思います。殊にこの法律によりまして證券業者はいろいろの帳簿を備えつけたり、その他の計算書を整備することを要求されておりますので、そういうものはいわゆる魚屋、八百屋といつたようなたぐいのものでは整備ができません。從つて相當近代的な整備組織を整備し得るような規模の業者におのずから限定されて來る、かように考えております。
#9
○小宮山常吉君 この二十倍というのは資本の二十倍というわけでございますか、どういうのでございましよう。
#10
○政府委員(岡村峻君) この二十倍と申しますのは、三十四條にございますように資本の二十倍ではございませんので、その營業用純資本額の二十倍ということでございますが、その營業用純資本額と申しますのは、簡單に申しますと流動性の資産から負債總額を除いたものでございます。細かい計算は第三十四條に書いてございますが、言葉を換えて申しますと、大體において自己資本即ち拂込資本と積立金その他の自己資本からその固定資産を除いたもの、こういうことになります。つまり自己資本の中で流動性の資産という計算になるわけでございます。
#11
○小宮山常吉君 もう一度お尋ねしますが、この二十倍を超えない範圍になれば證券取引の金融は業者が自由にやれるわけでございますね。
#12
○政府委員(岡村峻君) この純資本額の負債總額に對しますこの率の關係と證券金融との關係は、全然別問題でざいまして、この範圍を超えてつまり負債を背負うことは、證券業者として法律上いけないことになるわけでございますが、金融をするかどうかということはその當時の金融の状態、それから只今でございますれば融資準則等の規制がございますので、そういう角度から別途各業者々々について行われる問題になると考えます。
#13
○委員長(黒田英雄君) 第三章はよろしうございますか。
 それでは次に第四章の證券業協會の章について御質問願います。これは新たに設けられたのですか、この證券業會というのは。
#14
○政府委員(岡村峻君) この證券業協會の章は全然あらたに設けられるものでございます。只今でも任意團體といたまして、實際におきまして各府縣に證券業協會がございますし、又その各府縣の證券業協會を會員といたしまする全國證券業協會連合會がございます。そういうものを今度はこの法律によりまして登録し得るという制度を設けまして、登録した者についてだけ證券業協會という名稱が使用できる。そうしてそれにはいろいろの義務を課しておるわけですが、これが半公認の團體ということになりまして、政府と緊密な連絡の中に證券業者の發展に寄與して行く、こういう仕組になつておるわけでございます。
#15
○小宮山常吉君 お尋ねいたします。この證券業者がこれから新規に取引所に加入するのには、協會をどうしても通じなければやはりいけないのですか。
#16
○政府委員(岡村峻君) その點は、證券取引所の會員になります場合は、會員組織の取引所でございますので、この證券業協會とは全然別でございまして、別に證券業協會を通ずる必要はないと考えております。
#17
○小宮山常吉君 私いろいろそれについて知人から聞かれたのですが、どうも取引所だけならばですけれども、協會を通ずるということが非常に手數だ、證券業協會というものが非常に昔型のものであつて、封建的のものであつて、あそこでどうも、三、四の幹部が首を振ると協會に加入ができないということのなると、これから民主化する證券業者が支店だとかいろいろ設置するのに非常にむづかしいんじやないかというので、これを聞いて貰いたいというので昨日頼まれたのです。そういう點がどういうものでございますか、取引所だけのことで済むのですか、どうしてもやはり新規に支店を設けるとか出張所を設けるとか新規に証券業を、始めるというときには、やはり協會の承諾が必要でございますか。
#18
○政府委員(岡村峻君) その點は今後は新法の下におきましては、協會を通ずる必要が全然ないものというように御承知願つて差支えないと思います。証券業者は従來の統制團體のように統制をいたすことを目的といたしておるものではございませんので、飽くまで取引の公正と當事者の保護ということを眼目にいたまして、相互に連絡を取る機關というこになつております。
#19
○小宮山常吉君 それから今度は新しく取引所に加入するにしても、協會を別に通じなくて取引所だけでよろしいわけでありますか。
#20
○政府委員(岡村峻君) そういう考え方で大體やつて行けばよいと思います。
#21
○小宮山常吉君 もう一囘ちよつと伺いたいと思います。役員なんかは、今の證券業協會の古い役員というようなものはどういうふうなことになりますか。今後新しくでままする取引所の委員として役員の選擧とかなんというよなことは、今までのままでやはり役員を置くのでありますか、やはり新しく……。
#22
○政府委員(岡村峻君) これは御承知のように証券業協會の役員は、証券業協會のメンバーによりまして選擧されております。それは将來と雖も變りないわけでございます。それから會員組織の取引所ができました場合の役員につきましては、その取引所の會員となりました者がこれを選擧するということになつておりまして、本法におきましても、證券取引所の章の管理という節が置いてございますが、その節におきまして、役員の選擧のことも大綱が決めてございます。
#23
○波多野鼎君 證券業協會の問題ですが、証券業者が、これはこの協會があるとすれば必ずそこへ加入しなければならん性質のものなんでございますか。
#24
○政府委員(岡村峻君) これは証券業者を證券業協會に加入せしめることについて強制をするものではございませんが、証券業者でありまして証券業協會に入りたいという者につきましては、特別な理由のない限りはその入會を拒めないというような組織にいたしております。不當に拒んだ場合におきましては、それについて監督機關によるところの再審査がなし得る、こういうふうな仕組にいたしております。
#25
○波多野鼎君 もう一つ、第七十三條に今の點がちよつと書いてあると思うのですが、こういうような手續的なことが書いてありますけれども、証券業協會というものが、こういう相當權能の強いものに大體この法律はできておるのですが、そうしますと、新しく証券業をやろうという人が、事實上はこの證券業協會に左右されるというようなこのとなりはしなかと思うのですが、外の事業界におきましても、従來かたの組合であるとか、いろいろなものが相當強い權力を揮つておりまして、或る仕事をやろうという場合は、組合に入らなければやらせんぞ、入るためには何萬圓持つて來いといつたようなことが随分あるのですが、証券業協會においてもそういうようなことがないように、一つ政府の方で、或いは證券取引委員會の方で十分注意して貰わないと、この協會があるが故に証券業を或る一部の者が獨占するということになります。
#26
○政府委員(岡村峻君) 只今お尋ねの點につきましては、從來の證券業協會、現在ありまする證券業協會、そういつたものに關しましても、私共稀に風評を聞くことがあります。政府としましても、その點につきましては、十分注意をしなければならない、こういうふうに考えております。新法の下におきましては、只今申上げましたように、證券業協會におきましては、新たなる者の加入を拒否することができないことが建前になつております。そういつた場合におきましてこれを調べ直す、そうして證券業協會のやりましたことが不當でありますならば、これに變更或いは取消を命ずる、こういう建前になつております。建前はそういうふうになつておりますが、問題は、政府自身といたしまして、それを實際において十分にやるかどうか、こういう問題にかかつておる次第でありまするが、御指摘のような點が、從來におきましてたまたま聞く場合がありますので、從來におきましても、これはそういつた點の取扱につきまして、證券業協會に注意をした問題もございまするが、新法の下におきましては、法律の建前は今申上げたようになつております。政府におきましても、十分注意をいたしまして、この法律の精神が損なわれないように施行するつもりであります。
#27
○小宮山常吉君 證券業協會の從來のような制度を、協會幹部の選擧に當りまして、あれは長い因習でいたし方ないとは考えますが、今日の民主化によつて、一般選擧というような方法は採れないでしようか。
#28
○政府委員(岡村峻君) 今の一般的の選擧と申しますのは、協會員によらないところの……。
#29
○小宮山常吉君 協會員が八十名おりますか九十名おりますか知りませんが、その人の一般の無記名なら無記名の投票というような規定は作れないものでございましようか。
#30
○政府委員(岡村峻君) 證券業協會の役員は、證券業協會で定めます定款がございますが、その定款の定めるところによりまして協會員が自主的に選擧すると、こういうことに現在でもやつておりますし、この新法の下におきましても、恐らくそういうような定款が定められると、かように考えております。
#31
○小宮山常吉君 その選擧の方法を、今までのような舊習に因われないような、政府として何か法律というようなものでもできないものでございましょうか。
#32
○政府委員(岡村峻君) その證券業協會の定款の内容につきましては、登録をいたします際に、やはり委員會によつて十分審査されますので、そういうときに、若し役員の選擧方法等につきまして民主的でないような方法が定めてございまするならば、それを修正して頂くと、こういうことに實際問題としてなろうかと思います。
#33
○委員長(黒田英雄君) それでは第四章を終つて次に第五章に移りまする前に、こっこで政府委員の出席の都合がありますので、ちよつとこの質問はこの場合中止を願いまして、大藏省預金部特別會計の昭和二十三年度における歳入不足補填のための一般會計からする繰入金に關する法律案、この法案を議題にいたしまして、この場合政府の提案理由の説明を伺います。
#34
○政府委員(河野一之君) それでは大藏省預金部特別會計の昭和二十三年度における歳入不足補填のための一般會計からする繰入金に關する法律案につきまして、提出の理由を簡單に御説明申上げます。
 大藏省預金部特別會計の昭和二十三年度暫定豫算における歳入歳出は、別途提案いたしました昭和二十三年度特別會計暫定豫算に計上してありまするごとく、その歳出は、事務費、豫金利子、他會計への繰入金、給與特別措置費等合計一億五千八百三十六萬五千圓を要するのでありまするが、その固有の歳入といたしては、預金部資金の運用による利子、有價證券の償還による益金等二千六百二十五萬一千圓でありまして、差引一億三千二百十一萬四千圓の歳入不足を生じておるのでございます。
 本會計における歳入不足につきましては、借入金を以てこれを補填する方法も考えられるのでございますが、これは本會計の性質に鑑みまして適當でないばかりでなく、健全財政の趣旨にも副わないと考えられますので、この歳入不足額一億三千二百十一萬四千圓につきましては、これを一般會計から繰入れることといたしたいと考える次第でございます。これがためには、法律を以てその旨を規定する必要がありまするので、この法律案を提出いたしました次第でございます。
 尚今囘の措置は、本會計の収支が改善せられるに至りまするまでの臨時の措置でありまするので、後日本會計の財政状況が健全な状態と相成りました曉には、その繰入額に相當する金額は、本會計から一般會計へ繰入れるということにいたしまするため、これに關する規定も設けた次第であります。何率御審議の上速かに御賛成あらんことをお願い申上げる次第であります。
#35
○波多野鼎君 ちよつと伺いますが、この一億三千萬圓見當の歳入缺陷は四月分だけですか、一年を通じてのものですか。
#36
○政府委員(河野一之君) 四月分だけとしてでございます。
#37
○山田佐一君 この特別會計はどういう理由で一億三千萬圓不足を來したわけですか。
#38
○政府委員(河野一之君) これはいろいろな理由があるわけでございます。預金部の資金、これは郵便貯金でありますが、これが相當増加いたしておリまするが、その増加状況が収支の状況を改善するまでにはなかなか行かない。それから從來持つておりました資金が國際その他閉鎖機關、閉鎖機關と申しまするか、外地關係のいろいろな資金に運用いたしておりまして、その資金の利子が入つて來ない、或いは元本そのものが償却を要するようなものもございます。そういつた状況で収入が思わしくないことにおきまして、この預金部資金の取扱いにつきましては通信事業、即ち郵便局がそれを取扱つております。その經費を預余部特別會計から繰入れておるわけでございますが、御承知の通り給與の改善その他におきまして、相當な支出を要する、この會計から通信事業に繰入れなければならないということで、相當の赤字が出て参ります。これをそのままにいたして置きますと、預金部としては非常に金詰りというようなことになりますので、将來の預金部の再建の問題は別途考えておるのでありますが、差當りといたしましてその不足額を一般會計から繰入れて収支の辻褄を合せる、こういう建前になつております。
#39
○山田佐一君 そうしますと預金部で融資先から回収不能なものと、それから經費でどれだけの赤字が出るか、そういうものの明細はどこかに提出してありますか。
#40
○政府委員(河野一之君) これは昨年の八月十一日までの分につきまして、奮勘定として整理されるわけでありますが、今後のものはまあ新勘定ということに相成りますが、その明細につきましては目下その再建整備が行われておるわけでありますが、前年度の豫算を提出いたします際にも、預金部の積立金の状況その他につきまして國會に御報告申しておる次第であります。
#41
○山田佐一君 そうしますと、一億三千萬圓は新勘定においての缺損ですか。
#42
○政府委員(河野一之君) 大體さようでございます。
#43
○山田佐一君 奮勘定では餘程損がありますか。
#44
○政府委員(河野一之君) この問題につきましては、例の金融機關再建整備法の中に例の補償の百億という金額が入つておりますが、その問題が解決される問題になるわけであります。
#45
○山田佐一君 金融機關に補償するのは一般會計から……預金部からですか、百億の補償というのは。
#46
○政府委員(河野一之君) これは一般會計からです。簡易生命保険も郵便年金も同様であります。
#47
○木村禧八郎君 これは技術的な御質問で、よくわからないのですが、大藏省預金部特別會計における法律案というものが特に必要なんですか。鐵道とか外の繰入れの場合に特別會計の法律案が出ておりますか。
#48
○政府委員(河野一之君) 木村委員のおつしやいます通り、二十二年度におきましては通信、鐵道の分も一緒に繰入れる法律が出ておつたのでありますが、この分は明年度の暫定豫算に關する分でありまして、鐵道、通信につきましては、勿論四月分の暫定豫算におきまして相當な赤字が出ておりますが、それは運賃の改正、通信料金の値上の問題が絡んでおりまして、それの改正如何によつてそのバランスを取つて行きたい、こういうふうに考えておるのでありますが、差當り四月分といたしましては一時借入金でこれを泳ぐというふうに暫定豫算が相成つておりまして、法律を出さなかつた次第であります。
#49
○波多野鼎君 今の話を聽いておると、この法律案は四月分だけというが、法律案の文句には出ておりませんね。二十三年度における歳入不足を補填するためということになつてしまつて……
#50
○政府委員(河野一之君) これは明年度の豫算が未だ決定いたしませんので、差當り四月分だけの豫算の御審議を煩わしておるものでありますので、その分として切離しまして提出いたした次第であります。勿論明年度全體といたしましては相當な……これを十二倍いたしてもお分りの通りでありますが、相當な缺陷が出て参ります。これは本豫算が提出になりますと同時にその全體に關する法律案を提出いたしまして御審議を煩わす豫定にいたしております。
#51
○波多野鼎君 僕の言うのは、それは分るが、法律の文句に四月分云々ということが一つも出ていないのかというのです。
#52
○政府委員(河野一之君) 御指摘の通りでございます。暫定豫算といたしましては一應一般的には四月分としてというふうにいわれておるのであります。これは一應の計畫でありまして、この金額が五月において繰入れられる分も、場合によつては、収支状況の如何によつては出て來るものでありますから、四月分としてということを特に字句の上に現わさなかつた次第でります。趣旨としてはおつしやつた通りでございます。
#53
○波多野鼎君 先程御説明の中に言うところの再建の問題は別途に考えるというようなお話がありましたが、今四月分だけで一億三千萬圓赤字が出るというようなことでありますと、再建問題についての大體の構想でも話して貰わないとちよつと審議しにくいと思います。
#54
○政府委員(河野一之君) これは波田野委員の御指摘の通りだと私も存ずるのであります。實は明年度の概算を組みます上においていろいろと檢討いたしておる次第でございます。いろいろの案がございまして、五ケ年で再建をする、或いは七ケ年で或いは十ケ年でといろいろな案が立つのではありますが、今囘給與ベースが二千九百二十圓に變りましたために、根本的にこれを再檢討する餘地が出て参りました。
 それから通信の會計は通信事業に繰入れる會計になつておりますので、通信事業の再建の問題と睨み合つておる點がありますので、現在すぐその案が實は立ちかねる次第であります。本豫算を出します際には……。と申しましても差當り預金部の資金に困る次第でありますので、差當りの金額を繰入れることにいたしたのでありまして、本豫算を提出いたします際には、他の會計即ち通信事業、國有鐵道もそうであります、簡易生命保險、郵便年金の會計も同様な状況になつておりまして、この點と併せまして再検計畫というものを御説明申上げなければならんというふうに考える次第でございますが、差當りといたしましてその案がまだ御説明申上げる段階に至つておりませんので、御了承願いたいと思います。
#55
○木村禧八郎君 健全財政の建前から言いますと、一般會計については大體バランスが取れるようになつて來ておりますが、結局赤字は特別會計が主なるものであります。そこで、今後においても四月の暫定豫算については、一應先程もお話のように、或いは日銀の借入金とかその他金融で泳いで行くというようなお話もありましたが、今後二十三年度豫算全體については、いわゆる特別會計の獨立採算制ですが、というようなものが問題になるようでありますが、これを預金部と關連する通信事業、これについては獨立採算制を貫徹するために通信料金、或いは電話とか、そういうものの引上を豫定されておるのでありましようか。
#56
○政府委員(河野一之君) これは一般物價改訂の問題も絡むわけでございますが、明年度の本豫算の編成に當りましては、物價の問題も去ることながら、健全財政の趣旨かちいたしまして、企業の獨立採算制を確立して行きたい。勿論一年でこれができるわけではないのでありまして、相當な期間を要すると思うのでありますが、從來ともすれば、企業會計の赤字から健全財政が破れるというような點もございましたので、この點について、いろいろ檢討いたしておるのでありますが、只今のところ、どういうふうにいたしまするか、まだ結論が出ておらないような状況であります。
#57
○委員長(黒田英雄君) それではこの法案の御質疑は、この程度に今日は止めまして、又お願いすることにいたします。――ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#58
○委員長(黒田英雄君) それじや速記を始めて下さい。
 「煙草專賣法の一部を改正する等の法律案」を議題といたしまして御審議を願いたいと思います。この法案につきましては過日既に御質問がありまして、質疑終了の御豫定になつておるのでありますから、直ちに討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。別に御發言がなければ直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(黒田英雄君) それでは「煙草專賣法の一部を改正する等の法律案」を可とせられまする方の御擧手を願います。
   〔總員擧手〕
#61
○委員長(黒田英雄君) 總員御賛成のようでありますから、本案は全會一致を以つて可決することに決定されました。尚本會議におきまする委員長の口頭報告につきましては、先例によりまして委員長において然るべくいたしますことに御承認を願いたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出します報告書につき、多數意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
   〔多數意見者署名〕
#63
○委員長(黒田英雄君) それでは午前はこの程度で休憩いたしまして、午後一時半から開會いたしたいと思いますから、どうぞ御出席をお願いいたします。
   午後零時四分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時七分開會
#64
○委員長(黒田英雄君) それではこれより午前に引續きまして委員會を開會いたします。
#65
○波多野鼎君 今日の午前中に一應濟んだことになつておるのですが、第六十五條、この前も大分質疑があつた第六十五條ですが、これに關して信託業界の方から何か陳情書のようなものが出ておりますね。もう一ぺんこの點についての當局側の意向をはつきりさせて頂きたいと思う點は、信託業法の第四條に信託會社の營業範圍の規定がありますが、この規定の中に有價證券の賣買の代理ということがあるのです。ところで證券取引所法の改正法律案の第六十五條によりますと、大體有價證券の賣買の代理というようなことは實はできなくて、信託業務に附隨する賣買だけしかできないというような當局側の説明であつたと思うのですが、そうだとすると信託業法の方は、今度改正、になることになるのですか。その點を先ずお伺いしたいと思います。
#66
○政府委員(岡村峻君) お答申上げます。改正法律の第六十五條によりまして、只今お話のように信託會社が有價證券の代理事務を行うということはできなくなるわけでございまして、その他、尚現在信託會社がやつております社債又は株式の募集事務の取扱いというようなことも、これは本來證券業者が營むべき業務であるという見地から、できないことにいたしたわけでございまして、只今お話のございましたように、信託契約そのものの効果といたしまして、有價證券を賣買するということのみが殘された信託會社の業務になる、こうういう關係になります。
#67
○波多野鼎君 そうしますと、信託會社の營業の範圍をそういうふうにだんだん狭めて行くという根據は、ただ證券業者との分業の見地というだけのことですか。
#68
○政府委員(岡村峻君) これは證券業者とそれから銀行信託會社その他の金融機關との職能を分離する、各ヾその主たる業務を專心行わしめるという、根本思想から出ておるわけでございます。
#69
○波多野鼎君 一昨日だつたと思うのですが、衆議院の方で、この改正法律案についての公聽會とまでは行きませんが、何か参考人の意見を聞いたらしいのですが、そのときには、この信託會社をして或る種の有價證券の賣買の代理、有價證券の引受けというようなことも從來通りやらした方がいいというような意見が隨分出たというお話なんですが、當局の方では、こういう第六十五條のような法律を作られる場合に、業界の意向というようなものは多少参酌なさつたわけですか、どうですか。
#70
○政府委員(岡村峻君) 私共といたしましては、業界の御意向を正式に承るまでもなく、十分御意向は前々から、信託會社が證券業に更に進出したい、場合によつては取引所の會員にもなりたいということを申されておりまして、そのお考えは十分分つておつたわけでございます。又銀行といたしましても、例えば興業銀行の如きものにおいては、御承知のように、從來社債の引受けを大々的にやつておりますので、これを止めました場合においては、相當大きな影響を與えるということは十分承知いたしておつたのでございますが、本法全體が、何と申しますか、アメリカの證券法なり、證券取引法というものに範を取りまして、又その體糸もアメリカの制度を十分採入れまして作られておりますので、ここに書かれておりますような、體系になつた次第でございます。
#71
○波多野鼎君 第六十五條の但し書のところに、銀行だけをここに入れて、銀行については證券業者と大體同じような仕事をやらせるということになつておるが、今の職能の分化といいますか、その範囲を明確にするという見地からいうと、多少おかしい氣がするが、どうでしようか。
#72
○政府委員(岡村峻君) この點は、御指摘の點御尤もでございますが、ただ銀行と信託會社が違いますことは、銀行におきましては、當座預金その他短期性の預金を持つておりまして、その預金との關係におきまして、お客から、有價證券を買つて貰いたいというような注文がよくあるわけでございます。そういう場合に、この仕事を認めておきませんと、非常に不便であるということになりますので、この銀行のお客からの注文を受けて有價證券を賣買するという業務をここに掲げたわけでございますが、信託會社につきましては、先日も申上げましたように、金錢信託以外の金錢の信託、或いは有價證券信託という、信託業本来の形におきまして、同じような作用を營むことができるという意味におきまして、ここに掲げる必要がないという見解の下に、信託會社につきましては、但書きから除外してあるわけでございます。
#73
○波多野鼎君 銀行が短期性の預金で以て株式の賣買を頼まれる、預金を引き當てにして株式の賣買を頼まれるというようなことがどの程度あるか、よく私にはわかりませんが、それは別として、信託會社の方で資産の管理というようなことをやる場合があるのじやないですか。そういう場合に、株式の賣買というようなことを信託會社の仕事としてやることの方が、財産管理上便利だということはないですか。
#74
○政府委員(岡村峻君) 信託契約そのものの効果といたしまして、例えば金錢を有價證券に代えるとか、或いは有價證券を賣りまして金錢その他の財産に代えるということは、これは當然できることでございまして、單にお客から、證券業者としてやるべき有價證券の賣買を頼まれました場合においては、信託會社はできないいうことを、ここで明らかにしただけでございます。
#75
○波多野鼎君 もう一つお伺いしますが、そうしますと、信託契約の内容として、有價證券の賣買をやるということは、信託業法に言う有價證券の賣買の代理ということとは違いますか。
#76
○政府委員(岡村峻君) その點は、この信託業法に言います代理事務ということと、それから信託契約の効果に基きまして、有價證券を賣買するというのとは、違うものと考えます。代理事務の方は信託そのものではございませんで、いわゆる民法或いは商法に言います代理事務でございまして、飽くまでも信託契約そのものの効果として仕事をする部面とは違つて來るのではないかと、そういうふうに考えております。
#77
○波多野鼎君 そうしますと、第六十五條但書に「銀行」が云々の所に、信託會社が信託契約の當然の効果として賣買をやるということはいいという意味のことを入れておく必要がないのですか。そうでないと、解釋がいろいろ問違つて來るのではないかと思うのですが。
#78
○政府委員(岡村峻君) これを明示した方がいいという解釋も、或いはできるかとも存じますが、書かなくても信託契約の結果としまして、有價證券を賣買するということは證券業そのものではございませんので、明示するまでもなく、當然できるというふうに解釋願えないだろうか、こう考えます。
#79
○波多野鼎君 そういう點について信託會社の相當いろいろ、なんと言いますかね、今の立法者の意嚮はそうであるけれども、こういう法律ができてしまつたあとでは、なかなかその立法者の意嚮通りに運用されない場合があるのじやないかというようなことを心配しておるようですが、この第六十五條に入れることは成る程不適當でしようが、どこかでそういつた意味のことを公式の聲明なり、解釋なりとして出してやる必要があるのではないかと思うのですが……。
#80
○政府委員(岡村峻君) これはまだ證券取引委員會が本法によりましてできておりませんので、私から申上げることは僭越と存じますが、本法に關します施行については、細則につきまして證券取引委員會が規則を定めるということもできますし、又規則という形でなくても、解釋なり、或いは運用方針というものを隨時發表されることになると思いますので、そういう方法において、只今御指摘がありましたような點を明らかにして頂くように私共としては努力いたしたいと、かように考えます。
#81
○高瀬荘太郎君 私も今波多野さんの御質問になつたような點で少し聞きたいと思いますが、やはりこの但書のところが銀行だけになつておるという點ですが、只今政府委員のお答では、こうしたのは銀行には當座預金があつて、從つてそれを利用して株の賣買を頼むという機會が非常に多い、そういう意味でこれをお書きになつた。こういうことでありますけれども、當座預金を持つていさえすれば當座預金で買うならば、その銀行を通さなくても、信託で買うのだつて小切手を書きさへすればできるので、大した違いはないと私は思うのです。その點で銀行だけをここで取上げるというのには餘り理由がなさそうに思いますが、その點と、それから有價證券の賣買ということについては、銀行よりもむしろ信託會社がエキスパートなんで、銀行としては有價證券、殊に株券投資ということは銀行としては餘り正規の仕事ではないと思います。併し信託會社の方はその點、銀行よりも餘程エキスパートでなければならんと仕事の性質上私は思いますが、そういう點から言うと、むしろ銀行よりは信託會社の方が利用されていいのじやないかというふうに思いますが、その點如何でございますか。
#82
○政府委員(岡村峻君) この但書は原則といたしまして、銀行、信託會社、その他の金融機關すべてに對して證券業者としての作用を……作用と申しますか、仕事をさせないという趣旨、それが根本精神でございます。ただ先程申上げましたように、銀行はこういう明文を置きませすと、全然お客から受動的に注文を受けました場合において、注文が受けられないという不便がございますので、銀行のみについて規定をいたし、それから信託會社につきましては、ほかに信託契約の形を取りますならば、實質的に全く同一の行為ができるということでここに現わさなかつたということになるわけでございます。尤も但書の後段にございますように、すべての金融機關が投資の目的を以ちまして有價證券の賣買をするというのは全面的に認められておりますので、例えば信託會社でも、或いは銀行でも、有價證券を總額引受けられる、資産運用として總額引受けられるということをいたしまして後に、又資産の運用上必要な場合にその一部なり、或いは全部なりを處分せられるとこういう途を拓かれておるわけでございまして、飽くまでも證券業なり、その他の金融機關、金融機關の中」においても銀行なり、信託會社なりは、その性質に從いまして、おのおの自分の專業とするところに向つて仕事をして頂きたい、こういう趣旨であるわけでございます。
#83
○高瀬荘太郎君 只今の御説明よく分りますが「信託會社自身が賣買するのでなくて、但書の方はお客のための賣買なんですね。それで今のような御趣旨でしたら、銀行もここから除いてしまつた方がはつきりするのではないか。併しそれじややはり不便もありましようから、それを緩和するという意味なら、信託會社も入れる方がいいのではないかというふうに私には思われます。それからやはり波多野さんからお話がありましたが、株式の募集の世話をするというようなことが今度できなくなるわけですね。別に信託會社を擁護しなければならんという出意味には私は思いませんが、ただ日本で株の募集をやりまして資本を集めたり何かするというような仕事が圓滑に日本の現状かち言つてうまく行くということが必要だと思います。その點から考えまして、現在の日本の證券業者だけで實際うまく行くかどうか。その點についで疑問を持つておる。從つて現駅からいえば、やはり信託會社にもそういうことをやらせた方が日本の現朕状から考えまして、資本の調達等でいいのではないかというふうに思うのですが、その點如何ですか。
#84
○政府委員(岡村峻君) その點お話御尤もと存じますが、本法におきましては、この法律が實施になりまして、六ケ月間は銀行、信託會社も從來通り社債或いは株式の募集の取扱いというふうな仕事ができることになつております。ただその六ケ月の期間が只今の證券業者の状況或いは銀行、信託會社の状況から判斷いたしまして、短か過ぎはしないかという點が考えられるわけでございますが、これにつきましてはむしろ法律をこういうふうに改正いたしますことによつて、有力な證券業者が急速に出て來るということを期待しておるわけでございます。昨日も實は衆議院の懇談會で話が出たのでありますが、株式の方の募集の取扱いは、現在におきましても大證券會祉が殆んど全部やつておりまして、問題は社債の募集の取扱いの點でございますが、これは只今の起債市場におきます實情といたしましては、戰時中のように、起債市場の状況如何に拘らず、大銀行が先ず前貸しをし、そうして後から總額を引受けてしまうというような形でなく、市場の消化状況を十分サウンドいたしまして、その消化の可能な範圍において社債を發行するというふうな改正を止むを得ず現在においても取つておるそうでありまして、そういう觀點からいたしますならば、勿論そういう状態が長く續いてはいけないとは存じますが、現状におきましては、證券會社に社債の募集を專斷せしめても大なる支障がないと、こういうふうな專門家の御意見が出たような次第でございます。勿論先程申上げましたように、本法が實施になりました曉には有力な證券會社が出まして、引受業務を大規模にもるという必要があるわけでございまして、只今におきましてもぽつぽつそういう機運が見受けられるように私共考えております。
#85
○高瀬荘太郎君 私はアメリカの制度を知らないのですけれども、アメリカはやはりこの立法の趣旨のように信託會社についてはそういうようなことを一切やらせないで、證券會社とはつきり仕事をそういうふうに分けるという制度になつておるのですか。
#86
○政府委員(岡村峻君) この點私も最近のこのアメリカの状況等につきまして信託會社の方にも伺つてみたのですが、あまり最近の情勢はよく分らないということでございますが、いろいろ伺いますところによまりすと、大體この信託會社の業務というのは信託業に限るという態勢になつておるようでございます。ただ向うにおきます信託そのものの内容が日本において代理事務と稱されておりますものもやはり信託という形をとつていろいろ行われておるというふうに考えられるのでございます。この點はいささか明確でございませんが、いろいろ話を總合いたしますと、そういうことになるようでございまして、將來信託業その他の金融業の業法が改正になります際には、そういう點も考慮されて然るべきじやないかと、これは私見でございますが、そういうふうに考えております。
#87
○高瀬荘太郎君 私も先程お話のようにぼんやりアメリカの制度も考えておりますのですが、從つて今お話がありましたように、信託業法の改正のときにはその點やはりよくお考えになる必要があるのじやないかと思います。
#88
○委員長(黒田英雄君) それでは一應次に進んで行きまして、第五章の證券取引所、第一節設立及び組織、この第一節につきまして一つお願いしたいと思います。八十九條までです。
#89
○波多野鼎君 證券取引所は政府の方でこれをいくつぐらい全國に作るか、或いはできると見込んでおられますか。
#90
○政府委員(岡村峻君) これは御承知のように日本證券取引所は全國に本支所合せまして八ヶ所ございます。そういう場所においては新法施行後當然取引所が設立されるような態勢に現在でもあると存じます。併しながらその他の土地におきましても現在のところ相當希望する者がございますので、或いはこれはほんの臆測に過ぎませんが、日本證券取引所の本支所がありました時代の二、三倍ぐらいはできるのではないかというふうにも考えられます。ただ非常に濫設されるかというような見通しにつきましては、先日もお話が出ましたが取引所を作りましてもその業務の運營の方法等については相當やかましい制限が設けられますので、まあ實益のない所には取引所を設けないと、こういうことに自然相成る、その結果、數においても相當制限されて來るというふうに考えております。
#91
○波多野鼎君 第八十八條の十一というところに、上場有價證券に關する事項などをまあ證券取引所は決めて行くわけなんですが、こういうような問題は證券委員會の承認を受けるというようなことになるのですか。それとも勝手に決めていいわけですか。どういう關係になるのですか。
#92
○政府委員(岡村峻君) この上場有價證券に關しまする事項は第四節にも規定がございますが、非常に根本的な問題でございますので一應定款に掲げるように第八十八條でなつておるわけでございますが、この定款なり業務規程なり或いは受託契約準則というような取引所の設立、或いは運營について根本的に重要な規則は、すべて證券取引所の設立の登録の際に委員會に提出されまして、十分なる審議を受けるということに相成りますし、又その後變更をいたしました場合においては、やはり委員會の審査を受けるという關係になります。そうして委員會が適當でないと認めます場合においては、本法の百五十六條によりまして變更その他の處分を命ずることもできることに相成つております。
#93
○山田佐一君 先般波多野さんからもお話があつたのですが、この取引所は會員組織とする、而して大體は先に現物實買で行くのか、或いは清算取引ということは全然許さぬ御方針ですか。
#94
○政府委員(阪田純雄君) 本改正法律案の全體は、御承知の通り大體米國法に範をとついている次第であります。從いまして本法律案を實施して参るその場合におきまする取引所の業務規程において定めます取引の大要、こういつた問題につきましてもやはり米國の取引所において現在行われておりまする取引の態様を相當参酌して定める、こういうことに相成ると思います。米國の取引所において、現在主として行われておりまする取引の態様は、一つは即日取引、キャッシュの取引、こういうことであります。これは純然たる實物の賣買であります。一つは翌々日取引、レギュラー・ウエイこういうのでありまして、これはいわば實物取引的な清算取引であります。反對賣買を認めますと同時に翌々日におきまして、賣りの方は現物を提供する。買いの方は代金を提供する。こういうことに相成ります。しかしいわば實物取引的な清算取引でありまするレギュラー・ウェイをやるにつきましては、いわゆる貸株の制度、こういうことが相當程度できておりませんければなりませんし、同時に金融につきましても、それに相應する金融市場が必要であるのであります。日本の現在におきましては、そういつた點は固よりアメリカ程十分ではありません。これを實施しまする場合におきましても、適當な銘柄を先ず選びまして、順次これを擴張して行く。こういつたような方策が適當ではないか。こういうふうに考えでおる次第であります。
#95
○山田佐一君 そうしますと、今の見當では翌々日でなしに幾らか短期式に猶豫を認めて行くか。限月の取引ということは、今までの清算取引の何ヶ月先ということは全然いかんというわけですか。
#96
○政府委員(阪田純雄君) 本問題につきましては、從來の日本のいわゆる限月制度による取引、これは先刻御承知の通り、米の取引から發達しました、いわば商品取引におきまする一つの清算取引的な制度であります。御承知のように、正常な經濟の時代にありましたならば、日本はおのずから日本的な取引があるわけであります。そういう制度も考え得らるると存じますが、御承知のようなインフレ下でもございますし、同時に只今申上げましたように、この制度全體がアメリカの一九三三年の證券法、一九三四年の證券取引所法、これを相當参酌しまして、それに範を取つてできておりまするその取引の態様につきましては、只今申し上げましたような具合で行くべきではないか。こういうことに考えておる次第であります。
#97
○波多野鼎君 今の點に關連して、レギュラー・ウエイの方法で取引するについても、銘柄を選擇してやつて行くというような説明があつたと思いますが、それはどういうのですか。銘柄を選擇しておいて、若干の銘柄について、そういう方法をやつて行くという御趣旨だつたと思いますが。
#98
○政府委員(阪田純雄君) その點につきましては、これはレギユラー・ウエイを行うにつきましてはいわゆる貸株制度が存在しなければなりませんし、そういつたことになりました場合については、總ての銘柄についてそういうことができておる。こういうふうな具合に日本の現状はありません。先ずそれを可能ならしめるような銘柄について、これを行なつて参りまして、そうして、これを順次擴張して参つたら、こういう考え方でございます。
#99
○波多野鼎君 そうすると、全國的に市場性のある特殊の銘柄についてレギュラー・ウエイの取引方法をやる。それについては貸株の制度を設けるということが前提なのですか。その點一つ……。
#100
○政府委員(阪田純雄君) これは取引所は先程お話のありましたように、全國に相當數できると存ずるのでありますが、全國的な銘柄につきましては、現在におきましても、或る程度これを貸株している。こういうような事情になつておりますので、おのずからそこに、そういう市場が形成されるのではないかと、かう考えておるのであります。
#101
○波多野鼎君 今のところは第四節に入つておるわけですが、質問はそこまで行つていいのですか。よければ、そちらの質問を少ししたいのですが…。今の問題は第四節の問題で、山田さんが質問されたので、關連して質問したのですが、そこへ行きますか。それとも……。
#102
○委員長(黒田英雄君) 後でまだ大臣に何かあるのじやないのですか。
#103
○波多野鼎君 今の質問で、第三節がまだ濟んでおらんようですが。
#104
○委員長(黒田英雄君) 又後へ戻つてもいいのですから、一應先へ進みましよう。第二節の會員はいかがですか。これは九十九條までです、次に第三節の管理であります。百條から百六條まで。ございませんければ、第四節の有價證券市場における賣買取引、百十條から百二十七條まで。
#105
○波多野鼎君 今の問題に關連しまして、貸株の制度がおのずから形成されつつあるようなお話だつたが、もう少し具體的にその點説明して頂けませんか。特殊の銘柄についてそういうものが作られつつあるような形勢だという話ですが。
#106
○政府委員(岡村峻君) 先程レギュラー・ウエイに關連いたしまして、貸株制度、或いは金融市場というものが、これに隨伴しておらなければ、その方法は行われがたいというお話があつたわけでございますが、現在この貸株市場というはつきりしたものは餘りないわけでございますが、事實におきまして東京證券その他のいわゆる代行會社が中心になりまして、受渡しのために特に株が不足したような場合、他から借りまして、それによつて決濟をつけるというふうなことが一部分において行われた事例はございます、それで今度レギュラー・ウエイをやります場合においては、會員相互間におきましては、賣買の殘高につきまして翌々日に決濟が必ずキャッシュと現株とによつて行われるわけでありますから、會員はどうしても現株を調達しなければならないわけでありますが、その現株は必ずしも手許にない場合もございますので、これを適當な機關から借入れなければならないという關係が起きます。その貸株の世話をいたす機關としては、今後その發達が望まれるわけでございますが、例えば東京について申しますれば、東京證券、大阪について申しますならば大阪代行というような、いわゆる代行會社が恐らく當分の間は中心になりまして、そういう斡旋をするのではないかということが考えられるわけであります。レギュラー・ウエイにおいては、會員と委託者との間は御承知のように仕切る場合もありますが、仕切らないで繰延べまして、後日において反對賣買をして決濟をつけるというようなことがアメリカの制度において認められておるわけでありまして、そういう關係から貸株及び金融が相當圓滑でないと、この制度がうまく動かない、そういうふうに私共考えております。
#107
○波多野鼎君 私も同じように思うもので、貸株の制度がだんだん形成されつつあるという事實について知りたかつたわけなんであります。
 それからもう一つ翌々日の決濟ということを考えておられるようですが、日本ではそれはちよつと行われにくいのではないかと思います。というのは、今の貸株制度がまだ不完全だということ以外に、いろいろな社會的な理由もあり交通の問題もあり、いろいろなことで甚だむづかしのではないかと思うのですが、その邊はどうですか。
#108
○政府委員(岡村峻君) その點、御指摘のように確かに日本の現状といたしましては、相當困難な點が多いわけでございまして、從いまして先程もお話が出ましたように、この方法を實施いたしますについても全銘柄についてやるというようなことでなしに、株の比較的容易に手當のつくようなもの、そういうものを數種選んで、それについてまずこの方法を實施する、漸次銘柄を擴張して参るというような方法によりまして、漸進的に採用して行かざるを得ないことと考えておるわけでございます。
#109
○波多野鼎君 そうすると最初選擇される銘柄から漏れているものなどはキャッシュの取引しか許さんのですか。
#110
○政府委員(岡村峻君) この點もまだ將來の問題で、甚だ漠然たることを申上げて恐縮なんでございますが、このキャッシュだけを認めますと、即日現株丸代金ということで非常に窮屈な取引方法でございます。そこで同じ現物取引でございましても、例えば受渡し期日を五日先きにするとか或いは一週間先きにするというような現物取引、これは勿論清算取引でないものにしなければならないと思いますが、そういうふうな現物取引につきましても、只今その實施が可能であるかどうかということについて研究をいたしておるところでございます。
#111
○高瀬荘太郎君 百十一條の賣買される株式の申請についての場合なんですが、それの第八のところの終りの方に貸借對照表、損益計算書を出せということになつておりますが、これについて前にちよつと聞いたところでは、強制監査をさして、そうして公認監査士といいますか、計理士というかの證明が必要だというふうにするのじやないかというような話も聞いたことがありましたが、そういう點はどうなりましたのですか。
#112
○政府委員(岡村峻君) お話の點につきましては、本法の第百九十三條、終りの方でございますが、第百九十三條におきまして「證券取引委員會は、この法律の規定により提出される貸借對照表、損益計算書その他の財務計算に關する書類が計理士の監査證明を受けたものでなければならない旨を證券取引委員會規則で定めることができる。」こういうふうに規定してございまして、この點は委員會規則でこれこれの書面については監査を受ける、受けて出さなければいけないということを規定する含みになつておるわけでございます。それで只今の考え方といたしましては、この規定を直ちに發動するという段階までには至つておらないのではないか、この規定を設けました當時の經緯といたしましては、計理士法等につきましても、近い將來整備強化が圖られるということになりました場合において、権威ある證明ができるというような段階においてこの規定を活用いたしまして、只今お話のありました第百十一條の規定によりまして届出られるものにつきましても、申請されるものにつきましても、證明を受けさすというようなことが考えられておるわけでございます。
#113
○高瀬荘太郎君 この證券取引委員會規則で決めることができるということになつておりますが、この證券取引委員會規則というのは、もうできておるのですか、これから作られるのですか
#114
○政府委員(岡村峻君) 證券取引委員會規則は、これから作られるわけでございます。
#115
○委員長(黒田英雄君) 如何でしようか。またここには御質問もあると思ひますが、いろいろな關係からちよつとこの證券取引法安案につきましては、この程度にいたしておきまして、臨時資金調整法を廢止する法立案についての説明を求めた方がよくはないかと思いますので、そういうふうにいたしたいと思います。
 それではこの場合、臨時資金調整法を廢止する法律案を議題にいたしまして、政府から提案理由の説明を求めます。
#116
○政府委員(伊原隆君) 只今豫備審査に付託されました臨時資金調整法を廢止する法律案につきましてその提案の理由を御説明申上げます。臨時資金調整法は、御承知の通り、昭和十二年九月公布施行せられまして以來、物資と資金の需給の適合を圖りまして、經濟秩序を確立することを目的として運用せられて參つたのでございまするが、最近の經濟情勢は同法が制定せられました當時とは、その様相を異にするに至りましたので、同法の内容につきましても種々檢討を加える必要を生じて參つたのでございます。そこで政府はこの際一應臨時資金調整法を廢止いたしますことが適當であると認めましてここに臨時資金調整法を廢止する法律案を提出いたしました次第でございます。尚臨時資金調整法廢止後の處置につきましては、政府におきまして目下愼重研究中でございます。何率御審議の上御賛成を下さいますようにお願を申上げたいと存じます。
#117
○委員長(黒田英雄君) それでは速記をちよつと止めて下さい。
  (速記中止)
#118
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……それではこの法案につきましては、御質疑は又別の機會にお願いすることにいたしたいと思います。
#119
○波多野鼎君 質問じやありませんが、提案理由の説明で、「物資と資金の需要の適合を圖り經濟秩序を確立することを目的として」とあつて、あとの方で、「最近の經濟情勢は同法が制定せられました當時とはその様相を異にするに至りましたので、」ということになつておりますが、物資と資金の需給の適合を圖るということは、今日だつて必要なことなんですね、こいつを、必要はなくなつたというようなふうの説明の仕方なんですが、これじやちよつと工合が惡いのじやないかと思うのですがね、何とか違つた言葉で現わした方がよくはないか……。
#120
○政府委員(伊原隆君) どうも御説明がなかなか……これはこういうふうに實はお讀み取り願いたいのでございます。さつき申上げました上うに、日本經濟として外資の導入ということは非常に必要な、緊急な國策と相成つております。物資と資金の需給の適合を圖らなければならない經濟事情でありますことは變りございませんのありますが、最近のいろいろな情勢から考えますと、やり方について、適合のやり上についてはいろいろ考えなければならないということに相成りましたので、これを一應廢止をいたすという考え方になりましたわけでございます、
#121
○波多野鼎君 速記を止めて下さい。
#122
○委員長(黒田英雄君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#123
○委員長(黒田英雄君) それでは速記を始めて。本日はこの程度で延會しまして、明日午前七時から開きたいと思います。本日はこれにて散會いたします。
   午後三時二十九分散會
 出席者は左の通り
   委員長     黒田 英雄君
   理事
           岩木 哲夫君
           伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           下條 恭兵君
           波多野 鼎君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           木内 四郎君
           星   一君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           渡邊 甚吉君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局次長) 河野 一之君
   大藏蔵事務官
   (理財局長)  伊原  隆君
   大藏事務官
   (證券局設立準
   備委員長)   阪田 純雄君
   大藏事務官
   (證券局設立準
   備委員)    岡村  峻君
ソース: 国立国会図書館
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