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1947/05/29 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第28号
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1947/05/29 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第28号

#1
第002回国会 財政及び金融委員会 第28号
昭和二十三年五月二十九日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○政府職員の新給與実施に関する法律
 案(内閣送付)
○昭和二十三年の所得税の予定申告書
 の提出及び納期の特例に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣送
 付)
○食糧管理特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午前十時五十八分開会
#2
○委員長(黒田英雄君) これより委員会を開会いたします。本日は先ず政府職員の新給與実施に関する法律案につきまして質疑を続行いたしたいと思います。
#3
○中西功君 私は昨日大蔵大臣始め、西尾副総理、加藤労相の三人の大臣の出席を要求しておつたのであります。それは私としては三人の大臣に、はつきりと統一したものを聞きたいという見地から要求しておりました。特に私が西尾副総理の出席を要求いたしまするのは、私自身が以前の全官公の争議に多少関係いたしました。そうしてその交渉の過程で、加藤氏とそれから西尾氏との間に非常な意見の相違を私は発見し、法第十二号の理解の仕方においても非常に違つておつて、特に西尾氏がこういうことを言つた。議会で北村大臣や、或いは加藤労相がどういうふうに答弁したかは自分は知らんけれども、自分が今披瀝しておるのは、これが政府の見解である。こういうことを言つたのであります。恰も、もう議会における答弁なんかは問題にならないのだ、そんなことは問題にしていないのだ、自分が言うのはこれが閣議決定であり、政府の意向だというふうなことを、もう数回はつきりと言つておる。私たちが議会で誰々がこう言つた、こういうふうな答弁をしたということを言つても、それを取合わない。こういうふうな事情が現実にあつた。これでは私は非常に困る。今後或いはいろいろこういう問題が起こるだろうと思うのです。我々も或いはそういう中に関與して行くということもあると思うのです。そういうときに、又そういう手で、一方的にこれが政府の見解だというふうな、而もその意見が当時の全官公との交渉の過程では非常に支配的な意見であつたというふうなことを考えますと、私は是非ともそういう意味で西尾國務相の出席を仰いで、責任ある三大臣のはつきりした答弁を聞きたかつた。これは私の苦い経験から來ておる。ところがこの点では、実はこの前の予算委員会に私は西尾國務相に三、四回に亘つて出席を要求した。ところが彼は來なかつた。昨日要求してあるのに今日も來ない。私はそういう政府側の態度は、少くとも参議院というものに対して非常な軽視をしておるというふうにしか見られないのであります。非常に遺憾に思うのです。それで私は今日、北村大臣が答弁される場合に、責任を持つて答弁して頂きたいと思うのです。ここで発表する意見が政府の見解であるというふうに、はつきりして答弁して頂きたいと思うのです。
 第一は、この前も私質問いたしましたが、この法案にある新給與という意味なのであります。新給與というのは、政府の答弁のあちこちで出ております。でありますから、例えば現在新給與委員会というものがあります。それは少くとも二千九百二十円ベースではないのであります。その他、全官公の了解事項の中にもこういうのがあります。組合は二千九百二十円水準を、新給與が決定するまでの暫定措置として受理する、このときの新給與というのは、明らかに二千九百二十円ではないのであります。こういうことが結局、新給與という一般的な言葉で各地に使われております。それでこの前も、これは私が質問いたしましたが、この法案の新給與というのは、第一に二千九百二十円ということ、これはそういう答弁があつたと思いますが、それで間違いないかどうか。更にもう一つの点は、新給與という場合には、給與水準とそれから給與体系を含むと思うのであります。この統一物がいわゆる新船與だと思いますが、さよう我々は理解して良いかどうか。最初にその二点をお聞きしたいと思います。
#4
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今の御質問にお答えいたします。この法律にいう新給與は、当然二千九百二十円水準を指すものであることは明示しておる通りであります。それから只今お引きになりました西尾、加藤了解事項ですか、これにいう新給與というのは、二千九百二十円べースの外に、体系まで入るのかどうか、これはもともと個人的の了解事項であるというふうに、当時報告されておつたのでありますが、このことに関しては、当面の責任者である西尾、加藤両大臣でないと、私より解釈をするわけには参りません。法律にいうところの二千九百二十円、このいわゆる新給與は、二千九百二十円を指すものであることは誤りないと思います。
#5
○中西功君 大藏大臣の答弁は、ちよつと私の質問とは、外れておると思います。実は私の質問が前後しておつたと思います。それで、もう一遍改めて申しますが、第一は新給與ということ、これは一般的な問題であります。その一般的にいう意味の新給與、或いは新は除いていいのであります。給與というものは、給與水準と給與体系を含むものであるかどうか。これは組合側と政府が作られた法律案要綱評案の中に最初に書いてある、二千九百二十円の新給與水準並びに新給與体系を一月一日に遡及して実施するために必要な事項を規定するものである。ここでは非常に一般的に、いわば正しく書いてあるように思うのですが、この水準と体系を併せたものがいわゆる給與である、こういうふうに私は理解するのだが、それでいいかどうかという問題、それが第一です。これが一般的な意味です。それから更に、本法律案でいう新給與水準は、二千九百二十円の水準と、それにからまる体系を指して、おるのだと思うが、どうか。こういう意味なのであります。
#6
○國務大臣(北村徳太郎君) 抽象的に給與という言葉が、如何なる場合でも水準と体系を併せ含むかどうか。これはここで私から解釈することは困難でありますから、具体的にこの法律として出たものにおいての、二千九百二十円に関する政府職員の新給與実施に関する法律においては、水準のことはすでに決定いたしまして、そうして給與についての体系並びに支給方法を規定したものでございますから、この法律においては、さように御了解願つてよろしいと思います。
#7
○中西功君 一般的に見て、大藏大臣の答弁では、このべース、並びに体系を、必ずしも常にそれが含んでおるものではないと、まあこういうふうな御答弁のようでありますが、実際は、だから私は、こういう点をこの爭議の責任的な地位におられた両大臣に聞きたかつた。私達の知つてる範囲では、常に二つの問題は、これは不可分である、べースと体系は不可分であるというふうに、理解されて來ておると思うんです。で、そういう見地から見ましても、この法律案要綱にも、そういう意味で、水準と、支給体系ということが、はつきり書いてあるわけだと思います。それで、次に問題になりますのは、この西尾、加藤の、この了解事項に入るわけなんです。そこで、組合は、二千九百二十円水準を、新給與が決定するまでの暫定措置として受理すると、こういうふうに書いてあります。で、從つて今度は、この場合の新給與、この了解事項の、この新給與ということが、一体何を意味するか。で、私は、普通の常識を以て、或いは又こういう組合側との交渉に、相当関心を持ち、タッチしておる人々の常識を以てすれば、この了解事項の新給與というものは、明らかに、この單にベースの変更だけではないと思います。又、このいわゆる物價改訂が、一般的に行われたら、……だからこの賃金も、これに相應して改訂されるというだけの内容ではないと思います。で、その点でこれは、今井給與局長、或いは大藏大臣において、一体政府として、一應こういう了解事項を知られない筈はないと思うんです。それで、この了解事項の新給與というものを、一体どういうふうに理解されておるか。端的に申しますれば、これが、將來來る物價改訂の單なる、そういう意味の改訂に過ぎないと、理解しておるのか、そうではないのかという点をお聞きしたいと思つたんです。
#8
○國務大臣(北村徳太郎君) 私は、当時こういう了解のあることの、報告を受けたんですけれども、これは、西尾、加藤両個人において、さような了解を與えたという報告を聞いておつたのであります。それで、從つて、この内容については、私は余り触れることは、適当でないと思うんですが、ここに書いてある、組合側の二千九百二十円水準を、新給與が決定するまでの暫定措置とすると、この意味は、無論体系という文字を入れておりませんので、二千九百二十円を、新給與が決定するまでの暫定措置として文字通り解釈することが、素直じやないかと思います。若し、体系まで入れるならば、二千九百二十円水準を新給與及び体系までと、書くべきだと思いますが、從つて文章の上に現れたところでは、体系ということまで入つていないと、こう了解した方が素直な解釈だと、かように思います。
#9
○中西功君 ちよつとこの問題は、あとで聞きますが、ちよつとずらしまして、それならば、この法律第十二号と、それから今度の法案との関連でありますが、この両者の関連を、大藏大臣は、一体どういうふうに理解しておるか。こういうことをはつきり最初聞きたいと思います。
#10
○國務大臣(北村徳太郎君) 法律第十二号と、この政府職員新給與実施に関する法律の関係についての御質問でありますが、これは、この法律第十二号においては、「職員の総平均月収二千九百二十円の俸給を支給する」ということ、それから、それについて、「臨時給與委員会の第一報告書及び第二報告書に示された各職員の俸給等を決定する方法及び原則並びにその他の事項は、職員総平均の月収二千九百二十円の水準の下における各職員の俸給等を決定する場合に、これを採用するものとする。」という、この決定事項に從いまして、その次にございます「前二項の俸給等の額及びその支給に関する事項は、別に法律で、これを定める。」その法律が、政府職員の新給與実施に関する法律と、かような関係において、これは成立つているものと理解しております。
#11
○中西功君 この点ですね。今井給與局長に、もう少し答弁して貰いたいと思います。
#12
○政府委員(今井一男君) 只今大臣から申上げました以外に、私から補足する事項もないように思いますが。
#13
○中西功君 そうすると、法律第十二号と。二千九百二十円のべースと、それから臨時給與委員会の諸原則なんかに基いて、次に法律を別に作るというふうなことを決めた。更に実際的には、二千五百円の問題について、実施方法を決める。こういうふうな関係になるようでありますが、そういたしますと、この法第十二号は、このいわゆる政府が当時持つておりました職階制という原則については、一体この法第十二号においては、どんな見地を採つておつたか。例えばもうすでに職階制は大体決まつて、二千九百二十円においては、職階制というものは決まつたものと理解しておつたのか。それとも、それは新しい法律で決めるべきものであると、そういうふうに理解しておつたのか。その点、もうちよつとはつきりして頂きたいと思います。
#14
○政府委員(今井一男君) 申し上げます。臨時給與委員会の報告書云々ということが、法第十二号の第二項に書かれてございますが、これは主といたしまして、体系を指すものであります。水準に関しては、第一項にすでに規定してございますので、そういたしてまして、体系を指すものと了解いたします。第一報告書、第二報告書には、御承知の通り、職務に應ずる給與、今までの人を主とする給料にくつ付いておる給與から、職務本位の給與に切替える、かようなことが謳われておるのでありまして、その原則を政府といたしまして、採用し、國会の御承認を得ました建前といたしまして、いわゆる職階給的な方針は、すでにこの法律施行のときに確定する、かように御了承願いたいのです。ただ職階給という言葉、これは言葉の使い方でありますが、アメリカ式の各人別の調査票を残らず採りまして、それを分析し、引上げてでき上つたものでなければ職階制といわない、こういう建前を採りますれば、臨時給與委員会の報告書も、今回の法律の分も職階制とは申せないと思います。併しながらもう少しこれを廣く解しまして、そういつた手続は採らなくても、とにかく各人別の職務本位ということを中心にして給與を考えるのは職階制である、かような理解の上に立てば今回の案も、又臨時給與委員会の報告書もこれも職階制と申してよろしいかと考えるのでありまして、結局今回の法律は、臨時給與委員会の報告書を具体的に数字に嵌め込んだものであつて例えば電話交換手は幾らから幾らにする。或いはタイピストは幾らから幾らにする。こういつたことを要するに決めることが中心で、それだけに至るところのいろいろの手続きのために、こういう法律ができ上つたものと、こう御承知願いたいと思います。
#15
○中西功君 そういたしますと、今井給與局長の答弁では、法第十二号において、廣い意味の職階給というものは、すでに決定されておつた、それをこの新らしい法案で具体化した、こういうことになるんですが、そうすると結局第十二号においても、水準と、それから体系が、ここではつきりと、もう大体枠に決つておつた、こういうふうに理解されるわけですが、それでいいわけですね。
#16
○政府委員(今井一男君) 抽象的及び大枠というものは、すでに報告書で決つておると考えます。從いまして、法律第十二号によりまして、その程度のことはすでに決つておつた。それを更に、より具体化し、それを関連する実施的の手続きを含めたもの、これが今回の法律であります。かように御承知願います。
#17
○中西功君 そういたしますと、これは法第十二号の問題ですが、最後の第三項に「前二項の俸給等の額及びその支給に関する事項は、別に法律で、これを定める。」というのと、それからその前に二項というのは、これは、いわばこの俸給等の額というのは、個人当りの額、それから又支給に関する事項というのは、実際に実施する場合の事項、こういうふうに理解していいわけですか。
#18
○政府委員(今井一男君) この第三項は個人の分も入つておりますが、同時にそれより今少し前の、先程ちよつと申上げました各職別の俸給の幅、幾らから幾らまで、こういつた問題も、勿論含んでおります。そこまでは報告書の方では全然触れておりません。ただ、どういつた意味合で、どういつたことに重点を置いて俸給は配給すべし、家族給は幾らあるべし、こういつたことを指示しておるのに止まるのでありまして、從つて具体的な、系統的に各職種別に如何ように数字を盛り込むかということは、今回の法律で定まることに相成ります。
#19
○中西功君 それで何故私が法律十二号と今度の案との関連をややこしく言つたかといいますと、私としてはいわゆる給與という問題が、常識的に考えて、べースという体系を含むというふうに理解されるのが当然じやないかと思うのであります。法十二号も大体そういうふうに出来上つておると思います。單に最初大藏大臣が答弁したように、二千九百二十円のベースが殖えただけではないと思うのであります。ですから給與々々という場合には、そういうふうに水準と体系との同一物として我々が理解するのが当然じやないか、そう思うのであります。從つてこれと勿論直接加藤、西尾の了解事項とは関連するわけでありますが、この点もう一度大藏大臣にはつきり私はお聽きしたいと思います。
#20
○國務大臣(北村徳太郎君) これは給與という言葉が当然給與水準並びに給與体系を含むのであるかどうかというお尋ねであると思いますが、私はさようには理解いたしておりません。給與体系の場合には給與体系、給與水準の場合には給與水準、これは特に一般の用語例等から考えまして、そういうふうに考えます。ただ法律の具体的な問題では、これは勿論文章で明示されておることでありますから問題にはならんのでありますが、凡そ給與と書いておる場合には、これは当然水準と体系も含むものであるという、そういう概念はないものと考えます。
#21
○中西功君 実際の問題として、給與体系がなくて、給與は支拂い得ないじやないですか。若し給與水準だけ変化したという場合には、給與体系は変化しないということだと思うのであります。即ち以前の給與体系でそれを支給しておるということだと思うのであります。だから、これは縦と横のような関係だと思うのであります。実際問題として……。これは私は今まで、もう例えば、こういう問題は何故こういうふうにややこしくなつたかというのは、こういう事情があるのです。法第十二号で、政府は臨時給與委員会の決定を非常に尊重しておる。それをまあこういうふうに法律化したわけであります。ところがその臨時給與委員会が今年の初めですか、発足いたしました時に、政府は私が聞いておる範囲で、間違つたとすれば、最初水準だけを決めるという意味で、臨時給與委員会を発足させた。ところが途中になつて水準ばかりやつたつて無意味だというので、給與体系を捻じ込んだわけであります。最初労働組合側が臨時給與委員会に対してとつた態度は、單に水準だけではなくして、体系も論じて貰わなければ意味がない。ただ当時組合側として最低賃金制という、生活給という体系を持つておつた。だから、それも一緒に話をするのでなければ、單なる水準だけを論じても意味がないというので、臨時給與委員会には國鉄以外の組合は入らなかつたという歴史的な事情もあると思うので、政府自身としても、としても、最初申しましたように、最初は水準だけを決めると言つておつたけれども、やはり給與体系も持ち出した。そうしていつの間にか職階給的なものが組み入れられて、いよいよ組合側としては、臨時給與委員会の決定に不服である、違約のものができたというので、いよいよ不服であるという状態が出て來たと思うのです。こういう事情がはつきりあるわけです。ですから、政府自身としてもそう考えられており、組合側もそう考えて行動を取つて來ておると思うのです。ですから、私はそういう事実に立つて話をし、のみならず実際を考えても、体系を離れた水準なんというものは実際問題としてあり得ないと思うのです。これは本当の意味で縦と横の関係、そういう関係だと思うのです。だから殊更に事ここに至つて、なぜ大藏大臣がこの基本的な問題の理解を回避するのか、私には分らない。これは普通常識で考えても分るのではないかと思うのです。若し大藏大臣の答弁がそれ以上を出ないとするなら、私としては、この了解事項の責任者である西尾及び加藤両大臣に聞くより外にないのですが、その点もう一度そういう事情について、大藏大臣の答弁をお願いしたいと思います。
#22
○國務大臣(北村徳太郎君) 私といたしましては、先程から中西君にお答え申上げておる通りでありまして、これ以上言葉を重ねても、結局同じことを繰り返すことになると思います。
#23
○中西功君 私が今日一番最初に申上げたのは、こういうふうな事情が起るから、三大臣を呼ばなければいけないと思うのです。こういう点で、実に私はこの法案は稀に見る矛盾撞着した、或る場合には恥さらしの法案だと思うのです。これに対して、又こういうふうなものが実際おのおのまちまちの理解で通つて行つたならば、却つてこのことが今後労働運動を非常に紛糾ならしめると思うのです。私自身この渦中に或る程度介在してよく知つておるのです。銘々勝手なように理解して、そして問題を運んでおると思うのです。私はこの点の理解は、今度のこの法案に関して一番大切だと思うのです。單に給與という場合には、或る場合には水準を指し、或る場合には体系を指すというふうに理解されて行つたら、これは実に樂な得手勝手な理解の仕方になると思うのです。私は、これについてはまだ沢山実は問題があるのです。併し本当を言いますと、この理解についてはつきりして置かないと、その問題に関する限りは質問が進まないのです。
 併しその点ちよつと保留いたしまして、もう一点は、いわゆる本予算、それから暫定予算の問題でありますが、本予算におけるいわゆる人件費の負担、これは新らしく決定されておると思いますが、私自身まだ正式に政府当局から聞いておりませんので、この点簡單でよろしうございますから、大体どの水準だということを御説明して頂きたいと思います。
#24
○委員長(黒田英雄君) この審議も一時中止をしまして、昭和二十三年の所得税の予定申告書の提出及び納期の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたしまして、本案につきまして、政府提案の理由の説明を求めます。
#25
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今議題となりました昭和二十三年の所得税の予定申告書の提出及び納期の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げたいと思います。
 政府は、先に國会の御審議を経まして、本年に限り、所得税の予定申告書の提出及び納期に関しまして特例を設け、所得税法の改正案が國会で可決された後、改正規定に從つて所得税の四月予定申告書を提出し、第一期の納税をするようにいたしたのであります。目下政府は、最近における賃金、物價等経済諸情勢の推移等に照しまして、租税負担を軽減するため、所得税の基礎控除、扶養控除、勤労控除、税率等につきまして具体案を檢討いたしておるのであります。改正案は近く國会に提出いたす方針でございますが、その提案の時期が諸般の事情により少し遅れることと相成りますので、今回更に所得税の四月予定申告書の提出等に関する特例につきまして改正を加えますと共に、所得税の納期についても特例を設けることといたしたのであります。即ち、本年に限り、所得税の四月予定申告書は、本年七月一日の現況によつて記載し、七月一日から同月三十一日までに提出することといたしました。從つて所得税の第一期の納期も七月一日から同月三十一日限りとして、それぞれ三ヶ月繰り延べることといたしました。又右に伴いまして、本年に限り、所得税の納期はこれを三期とし、予定納税額の三分の一ずつを七月、十月及び一月に納付するようにいたしますことが、官民相互の手数の点から見ましても、この際適当であると考えられるのであります。何卒御審議の上、御賛成を賜わりたいと存じます。
#26
○委員長(黒田英雄君) 尚、続きまして、食糧管理特別会計の一部を改正する法律案、これにつきまして政府提案の御説明を求めたいと思います。
#27
○國務大臣(北村徳太郎君) 食糧管理特別会計の一部を改正する法律案につきまして、この提出の理由を申述べたいと存じます。改正の内容は次の三点でございます。
 第一点は、食糧管理特別会計におきまして、本年度の食糧賣買計画に基き、これが所要資金を推算いたしますると、供出の最盛期と目されます昭和二十四年一月におきましては約六百億円と予想され、供出数量の増加、供出期日の短縮及び賣拂代金の回収までの期間に要する資金等の需要増加を約八十億円、それに若干の余裕を見込みますると七百億円の資金を必要といたしますので、從來四百億円でありました食糧証券及び一時借入金の限度額を七百億円まで、引上げる必要があるのであります。
 第二点は、食糧買入代金は、從来、專ら農林中央金庫を通じ農業会系統によつてこれが支拂いを行なつて参つたのでございますが、今般供出者の利便を考慮いたしまして、農業協同組合系統の外、任意の市中銀行においても、これが支拂を受けることができることとし、これに必要な一條を改正案中に織込んだ次第でございます。
 更に第三点は、食糧配給公團の人件費、事務費の同公團に対する交付金と、同公團からの納付金は、從来一般会計からこれを行なつておりましたが、その性質に顧みまして、これをこの会計の所属とする必要があり、これに必要な改正措置を講じた次第でございます。
 以上の理由によりまして、この法律案を提出いたしました次第でございます。何卒御審議の上速かに御賛成あらんことを希望いたします。
#28
○委員長(黒田英雄君) 只今提案理由の説明がありました昭和二十三年の所得税の予定申告書の提出及び納期の特例に関する法律の一部を改正する法律案、これにつきまして御質問のおありの方は、この場合御質問願いたいと思います。この法律案は大体前に決つたのだろうと思いますが、こういうように差追つて出されると、甚だ当委員会としても困るのですが、これはどういうわけで遅れたのですか。
#29
○國務大臣(北村徳太郎君) これは、やはり予算が遅れることに伴いまして、いつからこの所得税の改正を実施するかという点が、予算の編成と絡みついておるものですから、予算の遅れるに從つて遅れたので、今回の措置も予算の時期とこの法律の改正を一つにするというようなことから遅れました。甚だ遅れて相済まないわけであります。
#30
○委員長(黒田英雄君) 御質問ございませんですか。御質問なければ、本案については質疑終了といたして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(黒田英雄君) 御異ないものと認めまして、本案は質疑終了いたします。食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案につきまして御質問ありませんか。
#32
○赤澤與仁君 この問題に関連いたしまして、新たに新物價の改訂を見ました場合に、政府が現在昭和二十二年産米を買入れまして、現在手持いたしておりますものが新たなる新物價によつで賣渡されます場合の差益金の問題について、御意見をお伺いいたしたいと思うわけでございます。いわゆる昭和二十二年差の國内産の現在の残存数量がどの程度あり、その新價格によりまして消費者に販賣せられます場合の差益金をどの程度見られておられますか、その点を一應お伺いいたしたいと思うのであります。
 第二点は、この問題につきまして農村の要望なり、或いは農業復興会議の決議に基きました要望といたしまして、昭和二十二年産米におきましても、御承知のように農業生産の特殊性からいたしまして、一年一期作であるというような関係からいたしまして、この收入を以ちまして次の再生産費を賄うことでもありましようし、又一年間の生活費をこれによつて処理して行く性質のものでありまするので、現在のようなインフレ下におきましては、俸給がやはり物價にスライドいたしまして、遡及して賃金が支給せられると同じような考え方からいたしまして、この年間の供出量を平均賣いたしまして、十二分いたしまして、販賣されたというような観点で以ちまして、この差益金というもの、或いは買上代金の追加ということは困難であろうと思いますわけでございますが、何らかの形で農村に還元するというような予算的措置が望ましいということが要望せられておるわけであります。先般も農村におきましては、一月に遡及して俸給のごとくスライドすることは、賣渡したものまで遡及するということについては困難であるけれども、新物價改訂後については考慮してもいいというような事柄を述べられておつたわけでありますが、それが先般の閣議その他におきまして、そうならないようなことも一應ラジオその他で承知いたしますわけであります。從いましてこの差益金の予算的な措置につきましての御方針をお伺いいたしたいと思います。
#33
○委員長(黒田英雄君) 只今山根食糧管理局総務部長が見えておられますが、政府委員でありませんので、説明員として説明を聽くことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは山根説明員。
#35
○説明員(山根東明君) 只今の御質問の点にお答えいたします。新物價体系が正確にいつから発足いたしますか、はつきりいたさないと思うのでありますが、その発足の時期によつて私共の手持米の数量も異るわけでありますが、六月一日を取つて見ますと、約七百万石あまりの手持米数量が政府手持としてあるわけであります。これを只今お話のように、新米價を基準にして消費者價格を設定いたして配給することになりますと、実は政府の手持米による差益収入というものが相当額予定されるわけでありますが、これは昨年も同じような考え方で來たのでありますが、実はこれは、やはり千七百五十円で私共買いました米でありますので、千七百五十円に所要の諸経費を加算いたしたものを以て、從來までの消費者價格といたしておるわけでありまして、仮りに六月一日に新物價体系が発足いたしましても、米につきましては、実はそういう意味での差益は生じない方針で、消費者價格を決めて参りたい、一口にいえば、米につきましては、これは中間諸経費が若干高まりますので、正確にそのままにはならんと思いますが、大体從來の消費者價格と殆んど同様な消費者價格で続けて行きたいという一つの考え方をとりたいと思つております。ところが一方におきまして、新麦、新馬鈴薯、が出廻つて参るのでありますが、これは新パリテイによつて算出されました新價格によつて、実は中間諸経費を加算した消費者價格を設定しなければならない、分り易く申しますと、米は大体從來の消費者價格に近いものでありますから、十キロ当り從來百四十八円五十銭ぐらいになつておりますが、新麦、新馬鈴薯は、麦について申しますと約三百円近い計算が出るのであります。同じ家庭に配給いたしまして、米は百四、五十円、麦が三百円近いということでは非常におかしな現象になるわけでありますが、実はその両者を、やはり麦は麦、米は米と、その價値に應じた從來の價格のまあ比率があるわけでありますが、その比率にプールいたしまして、これは正確な計算はまだできておりませんけれども、大体二百五、六十円に收めて行きたい。米を二百五、六十円で賣つて、その代り麦をそれの八割程度の二百円程度のところに收めて行く、こういう操作をすることによりまして、具体的には各家庭に持込まれます米の價格は、代金は上ることにはなりますけれども、その意味での政府の差益は、これは取らない考え方を実はしておるわけであります。さように御了承を願いたいと思います。
 それから第二の点の、農家が安い値段で供出いたしたものを、この際そのままにいたして置くのはどうか。平均賣りすれば、仮りに六月に新價格体系が発足いたしますとすると、十月まで実は五ケ月間の月数があるわけであります。この間の値上げは、これは見てやる必要があるじやないか、こういう御意見のように拝承したのでありますが、その点につきましては、実は大体御意見と同じような考え方を今日まで私共いたして参つておるわけであります。ただいろいろそのために、農村に支沸うことにいたしますと、相当多額の代價が農村へ流れ込むわけでありましてこれの扱いと申しますか、ただ單に初め支拂つたものの不足分だという形で、これを農村に還元して、そのためにインフレーションに拍車をかけるというようなことも考えなければならんし、そういう意味で、実は先程お話になりましたお考えには、私共全く同感の考えを持つておりますけれども、これが実施につきましては、只今関係方面といろいろ打合をいたしておるわけであります。これは、やらないことに決まつたという放送があつたというお話でありますけれども、やらないことに決まつたわけではないと私は承知しておるわけであります。さよう御了承願いたいと思います。
#36
○委員長(黒田英雄君) ちよつとこの御質問は続いてやつて頂くつもりですが、もう時間が來ましたので、休憩いたしまして午後一時から開きたいと思います。午後一時からは政府職員の給與の方を先きにやるつもりですから、そのおつもりで、どうぞ御迷惑でも皆様お帰りにならないで御出席下さるようお願いいたします。それではこれで休憩いたします。
   午前十一時五十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時四十三分開会
#37
○委員長(黒田英雄君) これより休憩前に引続きまして会議を開きます。政府職員の新給與実施に関する法律案につきまして御審議を願いたいと思います。
#38
○中西功君 実は昨日から私は西尾國務大臣の出席を要求しておるのでありますが、未だに見えないし、その出席できない理由も明瞭でないのでありますが、私はこの委員会方々にお諮りいたして、是非共、西尾國務大臣の出席を要求したいと思うのでありますが、まあ動議として、それを発議いたしたいと思います。
#39
○委員長(黒田英雄君) 西尾國務大臣の出席を要求いたしたいというのですか。
#40
○中西功君 委員会として……。
#41
○委員長(黒田英雄君) 今労働大臣が見えておりますが、労働大臣に対する御質問はありますか。
#42
○中西功君 それは後でやります。
#43
○委員長(黒田英雄君) 如何ですか皆さん、中西君の動議には……。
#44
○山田佐一君 中西君の動議に賛成いたします。
#45
○委員長(黒田英雄君) とにかく委員会として要求することに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(黒田英雄君) それでは要求いたします。労働大臣には中西さん御質問がありますか。
#47
○中西功君 あります。
#48
○栗山良夫君 私もこの前、労働委員として連合会に出ましたときに、そういつた意味で保留しておつたと思いますが、でき得べくんば、この前の爭議の実質的な解決を織込まれた法案の審議でございますので、あの当時直接に関係せられました苫米地長官並びに西尾國務大臣、それから加藤労働大臣、それに大藏大臣、そういうような方々が一緒にお揃いでこの委員会にお出でを願いまして、そうして一挙に言葉の食違い、或いは考え方の食ひ違い、そういうものが明かにされることが一番望ましいのではないか、こういう具合に私は考えるわけであります。いろいろ多端のときでありますから時間の御都合もございましようが、委員長の方でお取り成しをそういうふうに願えれば、私としては非常に幸いだと思います。
#49
○委員長(黒田英雄君) それでは栗山さんのは今度又三人揃つて出て貰いたいというのでありますが、大藏大臣と労働大臣と西尾國務大臣と苫米地官房長官ですね、それは要求します。
#50
○栗山良夫君 その理由を申上げますと、すでに大藏大臣或いは今井局長、それから加藤労働大臣も今日お見えになつております、そのお方々の意見は、それは個々については了解し得る点も出て來ると思いますけれども、今度西尾國務大臣なり苫米地長官においでを願つたときに、又その言葉で今まで私共がすでに了解しておつたことについての疑義が生じたり、いろいろなことが生じますと、徒らに時間を取るだけだと思いますので、できるならばお揃い願う方が一番よろしくはないか、こういうことを申上げたのは、そのためであります。そういうふうに御了解を願いたいと思います。
#51
○委員長(黒田英雄君) そうすると只今労働大臣が見えておりますが、御質問は御一緒のときがいいということになりますか。
#52
○中西功君 私も実は栗山委員の説に賛成であります。それで是非今日か或いは次の機会にそういうふうに取計つて貰いたいと思います。それで、ただ加藤労働大臣に今日出席して頂いておるので、まだ加藤労働大臣に対して質疑は済んでいない部分もあると思いますので、加藤労働大臣には私もここで質問したいと思つております。そういうふうに二つに分けてやつて貰うと都合よくないかと思います。
#53
○委員長(黒田英雄君) それでは中西君は今日は労働大臣だけでは御質問はありませんか。
#54
○中西功君 それはあります。
#55
○委員長(黒田英雄君) それでは今なすつたら如何ですか。
#56
○中西功君 ですが、栗山さんの提案ですね……。
#57
○委員長(黒田英雄君) 栗山さんはお揃いのときにしたいという……、今日は栗山さんの方は何も御質問はないわけですね。労働大臣だけでは……。
#58
○中西功君 栗山さんの提案はそういう提案ではないと思うのであります。是非とも、今日か或いは次の機会に、四大臣が並んで出席して貰つて、そこで、いわば最後的な質問をしたいと、こういう趣旨だと思うのです。栗山氏自身も勿論加藤労働大臣に、個別に質問しないという意味ではないと思うんです。で私も次の機会に、是非四大臣並んだ所で質問をしたいと思つております。ただ加藤労働大臣には個別に私まだ質問していない点もありますので、それを今日やりたいと思います。今やりたいと、そう言つておるわけです。
#59
○委員長(黒田英雄君) だから、あなたは労働大臣が今見えていますから、労働大臣に対する御質問はあるのですし、併し栗山さんはお揃いのときにしたいということですから、今中西君は御質問なすつたら如何です。
#60
○中西功君 今日午前中もこの問題で大藏大臣に質問したわけでありますが、加藤労働大臣にちよつと質問いたします。それは西尾及び加藤両大臣と組合側と了解事項になつておりますところの第一項、組合は二千九百二十円水準の新給與が決定するまでの暫定措置として受理するという、この新給與というのは、端的に申しますれば、これには新らしいべースと、それから、それに絡まる給與体系の二つを指しておるのかどうか。で、一体この新給與というのを我々はどういうふうに理解したらいいのかという点であります。
#61
○國務大臣(加藤勘十君) そうしますと、只今の御質問の御趣旨は、この前の会見の当時に、西尾君と私と二人で組合側に出した了解事項の点について、第一の、組合は二千九百二十円水準の新給與が決定するまでの暫定措置として受理すると、こういうことは水準が含まれておるかどうか、こういう御質問でございますか。
#62
○中西功君 いいえ。
#63
○國務大臣(加藤勘十君) ちよつとうつかりしておりまして、もう一遍済みませんが……。
#64
○中西功君 その新給與という言葉の意味は、水準と同時に、それに関連する体系というものが、二つ含まれておるのかどうかという点なんでありますが、実はもう少し附言いたしますと、この法案も「新給與実施に関する」と書いてあります。新給與と書いてあるのであります。又法十二号も「俸給等に関する」というふうな書き方で、概略的に書いてありますが、臨時給與委員会の報告書でも、明かに新給與というふうに二つのものが出されておる。体系と水準とが出されておる。今まで我々が見て來たものに、新給與といえば、大体において二つ含まれておるものとして理解されて來ておるわけなんです。そういう意味からいつて、新給與、ここでいう新給與が、やはり今まで通り我々の理解し、又法案にもそう載つておるような意味で我々がここで理解していいのかどうか、こういう意味なんであります。
#65
○國務大臣(加藤勘十君) 只今の御質問の御趣旨につきまして、この覚書は、了解事項として出してありまするものは、結局文字にありまする通り、労働組合側がこのように理解するということに対して西尾君と私達が了解することについて、組合がそのように解釈するということについて、了解を與えるという趣旨の覚書であるわけでありまして、それは御承知の通り給與委員会が出しました報告書の中に示しておりまするものは、水準と体系と両方のものであります。その体系に基き二千九百二十円という水準が生れて來たわけであります。そういう趣旨のことが最後決定案としてなされたのでありまするけれども、その間には、給與体系というても、職階制その他なかなか完全なものを見るということは容易なことでありませんし、できるだけ当時組合側の要求に近いようなものにしたいという希望がありましたので、そういう点いろいろが勘案されて、あの解決点を見たわけであります。この解決に当つて二千九百二十円水準というものは、新給與を決めるまでの暫定的のものとして認める、こういう意味でありまするが、この新給與ということは当然給與委員会の報告書が基礎になつておりまするから、この中には体系というものも含まれておるという、今おつしやつた概念が当嵌まるものと思いますが、併しながら組合の方としては必ずしもそうは理解しなかつた。こういう解釈上の疑義がありましたので、組合側がそのように解釈されるということについては、西尾君と私達は、それは組合が組合として解釈することは自由である。これをその解釈を拘束するという意思はない、こういう意味でこの覚書というものが提出されておるのであります。
#66
○中西功君 それで私組合側のこの問題に対する詳しい事情は十分聽いておりませんが、恐らく組合側としてはこの度の二千九百二十円はいわゆる内金として受取るというのが原則であつたと思います。その内金という意味は、私が今ここで問題にしておるのとは大分違うのでありまして、本格的な体系も、それから本格的な水準も、これは將來において決める、それに至る何といいますか、内金であり、從つて將來その不足額は十分考慮する、して貰わなければならんというふうな意味で、組合側はこれに臨んでおつたと思うんですから、組合側の意向は、私はここで問題にしておるより、もつと、いわば原則的なものであります。私が言つておるのは、それじやなくて、一應政府側が我々に説明して來ておる点に乗つて私問題にしておるのです。それで問題は組合側の意向云々じやなくて、政府側はどう考えておるかということが問題なんです。それで実は二千九百二十円の水準についても二つの法律があるわけであります。その中には、水準の決定と同時に給與体系が入つておる。更に又新らしい給與ということは、單にベースの快訂ということに止まらずに、これは政府自身としても又いわゆる体系の整備とか、或いはそうしたものを考えておるわけでありまして、この新給與の中には、ここでいわれておる新給與の中には二千九百二十円べースを上廻る或るもの、並びに新らしい体系ということに考えるのが至当であると思うのです。今の加藤労働大臣の答弁も、私が今理解しておるようなふうに聞えたのでありますが、その点もう一度一つお願いしたい。
#67
○國務大臣(加藤勘十君) 前段の二千九百二十円という問題が、組合側で内金という性質で理解されておるような御発議でありましたけれども、この点は、私はあの当時の解決の條項というものは内金という性質のものではない、このように理解しております。ただ二千九百二十円の水準が、將來どうなるかということについては、昨日も衆議院でもお答えいたしました通り、物價改訂その他の客観的情勢の変更に從つてこの水準は当然是正さるべきものである、こういうものでありまして、それが内金というような性質を意味したものでないということは、当時組合の代表者諸君も十分了承しておられる点でありまして、内金ということになれば、爭議は少しも解決していない、依然として闘爭は継続しているということであります。これは問題の解決の本旨とは違うと思うのであります。それは暫く別といたしまして、後の問題でありますが、新給與ということは、二千九百二十円の問題が片付いたならば、いずれにしてもその当時の情勢においては四月末頃には物價の改訂が行われるという予想がありましたので、四月以降において当然物價改訂の水準を生み出さなければならんとも思うのでありますからして、そういう点を檢討するために、急速に給與委員会を発足せしめる、こういうことになつておつたわけでありまして、そういう趣旨で給與委員会が作られようとして、昨日聞いて見ると、まだできておらんということで、非常にこの点は遺憾だと存じますが、ともかくもそういう趣旨でおるのでありまして、只今御質問の要旨であるこの新給與という中に、二千九百二十円の水準をそのまま膨らました形にするのか、或いは新体系が含まれておるか、こういう御趣旨のようでありましたけれども、この点は政府側においても、明確な最後的な断定は下されておらんと思います。組合側においても、この覚書に示されておるように解釈しておられる状態でありまして、こういうことを協議するのが給與委員会の大きな仕事になるのじやないか、大体において二千九百二十円というものの中には、新体系に基く体系も不十分ながら立つておるわけでありまして、その上に基いて、当時千八百円を膨らました形にという組合側の要求にできるだけ近いものにするように、例えば職階制などの考慮を沸う場合においても、そういうことが十分斟酌されて組み立てられたものでありまして、從つてその二千九百二十円のべースを生み出した新体系というものが、全部的に壊されてしまうものであるか、或いはそれがそのまま承認されて、その上に今度の新体系が二千九百二十円の水準を膨ましたような形になるのか、そういう点については技術上の問題でありまして、その委員会がそれらのことを審議するという建前になるのではないか、このように考えております。
#68
○中西功君 それで、私は一番最初の問題は、これは実は組合が最初採つていた建前を申したので、その点多少ずれて、お互いの理解が食い違うていると思うのです。併しそれはもう問題でないと思います。私は、やはり問題は政府自身の理解の問題だと思うのでありまして、今のお話では二千九百二十円の水準の給與は、新らしい水準と同時に暫定的な意味でやる体系である。新給與という場合には、水準の改訂もあるし、更に又それに並んで給與体系の改変といいますか、調整も、或いは又変化もある。こういうふうに私も理解するのであります。非常に簡単なのですが、恐らく大藏大臣の理解も同じだと思つておるのです。そうなりますと、一つ問題があると思います。それはこの新給與は單にいわゆるべース改訂だけではないわけだと思うのです。即ち若しベースだけの改訂でありましたならば、今発足しようとしている新給與委員会は、いわばベースだけを問題しか取扱えないことになると思うのです。併し実際はそういうことは、私、政府も考えていない、組合も考えていないと思うのです。それならば、ここで新給與が決定されると、この新給與は明かに二つの問題を含んでおるというのは当然だと思うのです。ところが今日の大藏大臣の説明では、その点は、当然常識的にそう考えなければならない筈なのに、そうは考えないというふうな答弁があつたのです。それはまあ將來の問題といたしまして、そういうふうな基礎に立つて一つ私が問題になると思いますのは、それならば、新給與改訂ということは決してべースの改訂ではない。改訂だけではないと思うのです。当然その他のものも含んで來ていると思います。又來なければならない。で、実は加藤労働大臣がこの前の予算委員会で発言されたことを、先日この連合委員会で説明し直されたわけであります。それは、当時、加藤労働大臣の説明では二千九百二十円は食えないと思つている。自分もよく分つている。併しこれは一月から三月までのものであるから了承して頂きたいというふうな意味、並びに四月以降においては物價体系とか、そうしたものとも関連させてというふうなことで、主として四月以降の問題が、即ち新給與の問題が、加藤労働大臣の新らしい説明では、ただ物價改訂に絡んでということだけに局限されて、いわば逃げておられると思うのです。ですから今の政府の見解では、四月以降においてなすべきことは恰も物價改訂に基くべース変更だけであるかのようにいわれておると思うのです。で、なぜ、それが全体の論理からしておかしいかといえば、政府としては、はつきりは書いておりませんが、新給與整備委員会の審議終了後、速かに委員会を設置して新給與に関して審議するということをいつております。これは了解事項の中に入つている。そうして、それは、先に申しましたように非常に全般的なものの筈であります。而もそういう新給與を、私は、加藤労働大臣が四月以降はそういうふうに審議する。或いは又考慮すると、こういうふうに言われておると考えるのは当然だと思うのです。それならば、單に物價改訂だけに関連させて、一般的な物價が六月十五日に改訂になるから、賃金も亦当然六月十五日に改訂さるべきものだというふうには考えられない。飽くまでもこれは四月以降のものである。四月以降に全体としての給與を改訂しようという意思であつたことは、はつきりしているのだと思う。その点で、やはりこの新給與ということを、加藤労働大臣が先程言われたように、二つのものを含むというふうにはつきり理解されたならば、当然の論理的帰結として私は加藤労働大臣のこの前の答弁の四月以降というものは、やはり四月以降のべースであり、又体系であるというふうにしか考えられないと思うのです。若し反対に新給與ということは、單なるべースの改変、そして又物價改訂に関連するものだけだつたら、或いは一昨日の加藤労働大臣の答弁も、或いはそれで逃がれ得るかも知れんけれども、併しそうでないとすれば、やはり四月以降に全般的に考慮するというふうに考えるのが、当然でないかと思うのです。それについて一つ答弁願いたいと思います。
#69
○國務大臣(加藤勘十君) 四月以降、物價改訂その他の客観情勢の変更が、賃金水準を変更せしむるであろうということについては、言うまでもないのでありまして、私の答弁は、一昨日の連合委員会における、その参議院の委員会においてのお答えも、予算委員会当時における私のお答えも、その趣旨において、少しも変つておるわけではないのであります。四月以降と申しますることは、今も申しまする通り、その当時の情勢においては、四月の末或いは五月の初めには、物價の改訂が行われるであろうという予想が立てられましたのでありまして、賃金改訂を要請する最大の趣旨は、なんと申しましても、物價の改訂であります。三月以來統計の示すところによりますれば、闇物價は僅かに〇・三しかし昇していない。殆んど釘附状態にあることは、その数字も若し違つているといえば別でありますけれども、数字の示す上においては変つていないのであります。四月から五月へも殆んど動いておらん、こういうふうな状態であまりして、賃金を改訂しなければならん客観的情勢というものは生れて來ていないと思う。今度物價の改訂が行われるということは、賃金改訂を要請する一番大きな事情となつているわけであります。従つて四月以降において賃金水準を変えなければならんという事態は、物價の改訂という大きな賃金水準を動かす原因の発生した時であるということは、これ又常識でなければならん。私の申上げたのもそういう意味においてお答え申上げたのでありまして、予算委員会のときと一昨日この委員会においてのお答とが違つているというものではなく、又私は單に言葉の先だけで逃げているというふうな、そんな卑劣な考えは微塵も持つてありません。ただ新給與という中に、それならば全体のものが包含されて全体のものを審議するかどうかということになりますれば、今申しました通り二千九百二十円という水準が生れて來たのは、給與委員会の報告に基いて、その給與委員会の報告の中に示された体系が基礎付けられて、二千九百二十円というものが生れて来たわけであります。その二千九百二十円が当然生活を十分に維持するものでなく、不満足極まるものであるということは言うまでもないのでありまして、ただ不満足であるが、今日の段階においては一應我慢して頂きたいと言うたのでありまして、それは私は恐らくこんなインフレーションの昂進する時においては結局いつまで経つても賃金だけで以て満足ということはあり得ないと思う。今日満足しても明日はいかんということになるかも知れませんし、そういうことは到底測ることができないのでありまして、多分の不満足はあつても、今日の日本の全体の経済情勢というものを見て頂いて、止むを得ずして我慢をして頂くということになるのでありまするから、從つてその二千九百二十円というものが我慢のし難いことを我慢されたわけであります。従つて物價の改訂というような、賃金をどうしても変えなければならん事情が起つたときに直ちにそれに手を着ける。こういうことは当然でありまして、そういう意味で四月以降ということを言うたのであまりして必ずしも四月からという意味でないことは中西君も十分御了承のことであると存じます。但し二千九百二十円の水準を然らば膨らますだけのものであるか、こういう点については、私は今申します通り、給與委員会で議論があれば、これはあらゆる角度から賃金という問題、給與という問題について議論してもちつとも差支ないと思います。議論を一定の限度に食い止めず、あらゆる角度から檢討してそしてできるだけ結論を得て両者の不満ながらも合点の行くところで妥結をして頂く、こういうふうにありたいと、こう思つております。
#70
○中西功君 それで、はつきり申上げますと、組合側はこう理解しております。二千九百二十円は一月から三月までの給與である。そして四月からは改めて新給與委員会を開いて決定する。その場合、物價の改訂或いは不改訂如何に拘らず、四月以降の新ベース或いは新体系はこれは協議する。そして尚物價の改訂があるならば、それはスライドする。これが今組合側が堅持しておる見解です。これは今私は多少新給與という問題に拘泥して問題を複雜にしましたが、これは実際に我々が常識的に考えて分るように、例えば今度の二千九百二十円の問題が起つたのは昨年の八月です。そして中労委の調停が行われたのは昨年の十一月です。そしてそれが新らしいべースとして決定されることになるのであります。起つたのは昨年の問題なのです。而も起つたのは八月の問題なのです。そして決定されたのが、三月末もできなくて非常にごたついたのです。こういう事情から考えて見て、これは二十三年度の問題でなくして二十二年度の問題である。而も二十二年も八月の問題である。これを考えただけでも、このべースが一体どういうところを指すかということは常識的に考えられる。もう一つの点は、これは臨時給與委員会の報告にはつきり述べられておる。政府はこの法律の第十二号において臨時給與委員会の報告の原則や方法やその他の事項を承認すると書いておる。その中の給與水準という問題で、昭和二十三年一月における官廰労働者の給與は二千九百二十円であるべきものと認めるということを書き、同時に他方において、この水準を改訂して來たいろいろの原則の中に、財政上特に一月から三月の政府の支拂能力の問題を十分考慮してこれを決定しておる。この点は加藤労働大臣も、この報告書の二千九百二十円は一月から三月のものであるということを、加藤労働大臣は認めておられると思う。而もそういうものは政府自身法律案にこれを認めると書いてある。それから、これは実際に私がいろいろ経験した中で皆そういうことを強調されたと思います。更に衆議院の議員達のいろいろの質問を見ましても、殆んどの人がそれは一月から三月までだと理解しておる。これは実際に昨年度の予算の追加予算に載つた、追加予算としてこれが一應決定されておるというふうなこと、本予算としては又新らしいベースが考えられておるということを見ても、予算的な常識から見ても、これが昨年度に大体属するものとして考えらるべきものだということも、私大体そう考えていいのじやないかと思うのです。で、恐らく政府としては、あの爭議の最中では、加藤労働大臣が曾て言つたような言い方で労働組合に納得させるべく非常に努力していたと思う。それが急に最近になつて來ますと、非常に見解が変つて來ておる。いや、それは物價改訂のときに変えると言つたに過ぎないということになつて來ておるわけなんです。こういう点から見ても、私は非常に大局的に、常識的に考えても、そういうふうになると思うです。それを政府が臨時給與委員会の報告書を非常に尊重するのだといつて組合側にこれを押附けておきながら、自分自身背いておるということが私には分らない。実際に、先程加藤労働大臣はちやらんぽらんのことを言つておるのじやない、確信を以て言つておるのだと言われたけれども、私には、それはやはり非常な便宜的な逃げ口上であるようにしか受取れない。で、これを非常に我々國民一般の常識的な問題だと考えた場合に、一体どちらが正しいかという点について、もう一度御答弁願いたいと思います。
#71
○國務大臣(加藤勘十君) 二千九百二十円の最終決定を見ましたことの発端が昨年の八月以来の問題であるということは、御説の通りでありまして、これが或いは組合側から政府への直接交渉となり、更に中労委に提訴されまして、中労委が裁定を下しました場合に、取敢えず二・八ケ月分の生活補給金を出すということ、それから一月の物價を基準として、新給與を中立委員を交えた政府、組合側代表者によつて委員会を作つて決定するということ、こういうことは中労委の裁定として現われたことは御承知の通りでありまして、この中労委の裁定を尊重して、政府は二・八ケ月分生活補給金を一方において支出すると同時に、他の一方におきましては、中労委のこの裁定に基いて、一月の物價を基準として新賃金給與を決定すべく組合側に働きかけたのでありまするが、御承知の通り当時は國鉄の組合が承認されただけで、他の組合は承認されなかつた。そしてそれが一月の末になつて最早一月の物價を基準として決めなければならんということで、いつまでも組合側の承認を得ることができないから、全部を待つておるというわけにもいかんので、そこで中立委員を交えた……組合側は國鉄だでありましたが、とにかくこの三者によつて、当時の制限された時間と、制限された資料の範囲内におきましては、ともかくも外部から見ましても最善を盡したと思われる十分な審議を盡しまして、決定して政府に報告を出されたものが、給與委員会の報告となつて現われたのであります。この一月の物價を基準としまして決定された二千九百二十円というものは、当然細かい報告書の内容を御覧下されば分る通り、これは一月から三月まで、三月は二十二年度の年度の末でありまして年度を跨がつて給與の問題を決めるということは、予算措置においても不可能なことであることは御承知の通りであります。從つて一應一月から三月までの暫定的なものとして定められたということも間違いない事実であります。このことによつて組合側は非常に不満足でありましたけれども、事情を了承されて一應妥結に到達したのであります。その妥結に到達いたしまするときに、今まで申上げた通り、私の見解としては、はつきりと四月以降において物價改訂等、その他重大なる客観的な変化があつた場合においては、当然賃金、給與というものは改訂されるべきものである、こういうことをずつと一貫して述べて來ておるわけでありまして、この間に私は微塵の食い違いもなければ、決して或るときに重く、或るときに軽くというように、自分の所信を二・三にして述べたことはありません。今も同じことであります。今述べることも三月において述べたこともちつとも変らないのであります。ただ問題は今のように、中西君もお示しになりましたように、新給與というものの中に何が含まれておるか、單なる水準の変更だけのものであるか、或いは体系そのものを同時に併せて審議すべき内容を持つたものであるかどうか、こういう点が極めて解釈が曖昧であります。この点は政府は政府の見解を採り、組合側は組合側の見解を採るというように、極めて曖昧な点があるということは、文字が新給與というようなことで示されておることから曖昧が生れて來ると思いますが、政府の見解として今まで西尾君などが述べて來たところによりますれば、これは新給與については二千九百二十円を生み出した体系が基礎になつておつて、その上に立つて二千九百二十円という水準が変更せらるべきものである、こういうことを述べたことを私は聞いております。但し私個人としての見解は今申しました通り、必らずしもそう断定的にこの文字から來る解釈はなし得ないのじやないか、從つて給與委員会においては、あらゆる角度から新給與の問題が論議されて、そうしてあらゆる論議をし盡した後において、その妥当と思われるところを両者が得心の行くというところを採つて早急に解決することが一番よいのではないか、このように私個人としては解釈し、理解をしておる、こういうように申上げておるわけであります。
#72
○中西功君 確かにその新給與、特に了解事項のあの新給與ということについては、大藏大臣も或る種の見解があり、西尾大臣にも或る種の見解があり、更に加藤労働大臣にも見解がある。で、まあ比較いたしますれば私は加藤労働大臣の意見が組合側の意見に近いと思うのですが、ただ加藤労働大臣がこの前四月以降の問題について言われましたときは、これは客観情勢の変化が起れば改訂すべきものだ、こういうふうな実に軽い氣持で言われたのではなく、二千九百二十円では食えないではないか、これで食えると思つてるか、そして又組合側にも非常な不満があるではないかというふうな質問に対して、いや、それは食えないということは分つているが、今の情勢で止むを得ない、併しともかくも、これは一月から三月までの間だから、そういうものとして了承願つて、四月からは何とかこれを改めて考えよう、こういうふうな私は氣持だつたと思うのです、内容を意味すると思うのです。それは当時の実際質疑の情勢から見れば、そういうのが当然であつたと思うのです。併しこれは実のことをいうと水掛論になりますので、そいつは余り追求いたしません。私はこの問題はここでは解釈できませんので、次に四大臣が來られたときに私は、はつきりお聞きしたいと思うのです。私の個人の意見では、当然物價改訂があれば当然改訂すべきだ。これは当り前なことなんです。併し新給與委員会を急速に発展させて審議しようというこの了解事項の意味は、仮りに物價改訂があつたときにこれはスライドさせる、そういうような軽い意味では絶対になかつたと思うのです。そんなことでは絶対になくて、物償改訂があれば政府が賃金ベースを変えるのだ、政府自身として当然やるべきなんです、当り前のことなんです。組合はそれを問題にいつているのではないと思うのです。同時にそれをそうとるのが当然だと思う。併しこれもなかなか直ぐ解決できないと思いますので、それも飛ばしまして、この法案について加藤労働大臣に一つはつきりお聞きしたいことは、この政府職員の新給與実施に関する法律案、これは了解事項にある新給與というものとは違つて、この場合は飽くまでも二千九百二十円の水準の給與を指すということは、これはもうすでに問題はないと思うのですが、一度加藤労働大臣の御見解を伺つておきたいと思うのです。
#73
○國務大臣(加藤勘十君) それは只今御説の通りであります。
#74
○中西功君 それで非常に率直な質問をいたしますと、今発足している新給與委員会は、先に加藤労働大臣の答弁にもありましたように、單にべースの決定を協議するというに止まらず、もつと根本的な問題から討議すべき筈だというように加藤労働大臣が言われたのでありますが、それならば、ここでこういう労働組合側と決めた以上に出るいろいろなことが、この法律案に挿入されている。特に第一條の二項、三項でありますが、ここで、これの関連が問題なのであります。この法律を私正直に理解いたしますならば、今発足しようとしている新給與委員会は、殆んど物價改訂に伴うベース以外を取扱うことはできない。もうそれは固定したものとして、この法律で固定してしまうというふうな法律になつていると思うのです。それで、もう少し具体的に聞きますと、この第一條第二項に、この法律のすべての規定は、昭和二十三年十二月三十一日まで効力を有すると書いてあります。このすべての規定というとになりますと、これは結局すべてなんです。この新給與実施本部も苦情処理委員会もその他のことも全部その中に入つて來るのです。ところが今井給與局長の今までの回答では、この新給與実施本部も新給與苦情処理委員会も、これらは、いずれも二千九百二十円の実施支給を掌るものであつて、それ以上では絶対にないし、それが終れば解消するこういうふうに説明されておる。それから今井局長の大体の説明では、これは二千九百二十円の法律なんだから、二千九百二十円が改訂されれば消滅すると、こういうふうに大体言われているように私は氣がしておつた。ところが実際には法律の第二項では、すべての規定はここまで効力がある。更に十四條に至つては、これは國家公務員法の二十九條に基いてこの法律が出るまではこの効力を持つ、こう書いてあります。この法律第十四條、これは職階制の骨子で、根本問題です。これが絶対動かないとなれば、一体職階制やそうした給與体系について新給與委員会で討議するというけれども、こうやつて決まつてしまつたことは討議しようがないと思う。法律として一應決まれば法律的な法的効果を持ち、政府はそれを行政的にも執行できるわけなんです。改めて何も労働組合側と團体交渉で以てやる必要はない。ただ説得するとか、納得させるというためには必要かも知れません。併し若しそういうものなれば團体交渉なんて無意味だ、官公廳の労働組合というものは完全になくなつたと同じです。それ程これは重大な関心を持つておるから、非常にこの点をはつきりさせて貰いたいと思うのです。具体的に言いましたならば、すべての規定が一体どういうふうな関係になり、もつと別の言葉で言いますれば、二千九百二十円を上廻る他のべース、それが三千七百円かどうか知りませんが、いずれにせよ新らしいべースが決定され、それに関する給與法案が出たならば、この法律は全部無効になるのかどうか。又無効にするような法律を政府は一体出す氣があるのかどうか。これはこの法律案でも大分この法律は取消して、こういう形でこの法律案並びに他の十二号を取消すのか、その点加藤労働大臣の御見解をお伺いして置きたいと思います。
#75
○國務大臣(加藤勘十君) この法律の條文を見てみますと、如何にも組合と政府側と妥結をした言葉以上に若干追加されておる。ですから、これは私は卒直に認めます。又そういう事実がどういう事情によつて、ここに法文として現われなければならなかつたか、こういう事情については、中西君十分御了承の点であると存じます。この法律が一体十二月まで効力を持つたと書いてあるが、更に新らしい給與が定められる場合に、やはりこの法律の精神が生きておるのかどうか、こういう御質問のようでありましたが、私はこの法律は飽くまでも二千九百二十円支給の事柄を規定した法律でありまして、十二月まで効力を持つという意味は、この法律の規定に基いていろいろ個々の具体的な問題が起つた場合に、それを例えば苦情処理というようなことによつて急に解決しない問題があるから、そういう問題を審議するために、十二月までという期間が定められたものでありまして、勿論それより早く問題が一切なくなつてしまえば、最早この法律は事実上失効するわけでありますが、形式として、この規定通り十二月まで残るわけでありますけれども、法律としては飽くまでも二千九百二十円支給に関する限りの法律でありまして、当然次の新給與が定まりますれば、又その新給與支給に関する法律が出なければならんことはいうまでもないわけであります。新給與が定められたときに支給に関する法律案が出れば、そのときに又どういう條項が附加えられるか、それは当然新らしい法律として立案されるわけでありまして、このものに直ちにそれが適用されるというわけの性質のものでない、このように理解しております。
#76
○中西功君 それで政府職員の新給與に関して組合側と政府側が妥結した要綱があるわけであります。それについては組合側は文句はないのであります。このように法案が作られますればこんな問題は起らなかつた。その中に、この法律は二千九百二十円の新給與水準並びに新給與体系を一月一日に遡及して実施するために必要な事項を規定するものである、こういうように目的を書いております。この法律の性質を特徴付けておるわけでありますが、この第一條はそういうふうに簡明に二千九百二十円の新給與水準並びに体系を一月一日に遡及して実施するために必要な事項を規定するものである、こう書いた方が、今加藤労働大臣の答弁の内容にも非常にしつくりしておるし、同時に政府が組合側に約束したことも果しておるわけだと思うのです。これは当然のことと思うのですが、それで加藤労働大臣にお聽きしたいのは、こういうふうな表現の方がそぐはしいとお思いになるかどうか、その点を一つお聽きしたいのであります。
#77
○國務大臣(加藤勘十君) お言葉の通り若し何らの支障なく表現できるならば、政府の代表者と組合側の代表者によつて協定されたことが、そのまま簡明に現われることが一番望ましい点であります。それにも拘わらず、こういう若干冗長と思われるような、法律の草案が出されなければないなかつたこの事情は、今日の情勢上眞に止むを得ざる原因によるものである、こういうことを一つ御了承願いたいと思います。
#78
○中西功君 もう一つでありますが、実は法第十二号の場合でも、そうであつたのでありますが、すでに國会がこれを承認した、法律として出されたということを建前に取つて、実は組合側に納得、いわゆる強圧的に納得といいますか、押しつけるというふうなことが事実なされたと思います。それは加藤労働大臣がなされたというよりも、私がはつきり知つておる、私自身も経験したところでは、西尾國務相がそういう態度をとりました。政府としては中労委の裁定、臨時給與委員会の報告書、國会の法律、これを実行して行くのが政府の役割であつて、國会で決めたものは政府が一切違反することはできない、だからこうするのだというふうな建前で、西尾國務相は一貫した態度をとつておりましたが、そのときも実は法第十二号に関する法律案の理解が、西尾氏と我々との間に食い違つておつた。西尾氏は、あの法第十二号に掲げられた職階制の体系、或いはそうしたものは、もう動かないものである、これはもう決まつたのだ、これを今更組合側が文句を言うというのは、大体できないことをやろうとしておるのだ、こういう建前であつたと思うのであります。恐らく今後、今新給與委員会が発足しつつありますが、若しこの法案がこのまま通れば同じことができると思うのであります。これは今、今井給與局長にいたしましても、加藤労働大臣にいたしましても、いろいろそういう回答はいたしますが、併し実際にこれが法律として國会を通つた場合には、今度は政府は、法律にこうなつておるじやないか、これを我々は独断では変えられないのだということで、組合側に対してこれを強制する、而もこれは組合側といたしましては、政府と協定したこと以上にこんなふうに規定されたわけであります。こういうふうにやられたのでは実にたまつたものではないと思うのであります。こういうふうにやられたのでは、日本のいわゆる労資の紛爭というものは決して絶えない、こういうふうに事ごとに協定しても破られて行くというようなことなら、紛爭を製造しておると同じことだと思うのであります。それで今井給與局長に序でにお聽きしたいのですが、この間も今井給與局長は、新給與実施本部や或いは苦情処理委員会は二千九百二十円の実施、特に四百二十円の支給の完了と共にこれがなくなる、こういうふうにはつきり言われたが、それと第一條の第二項の「すべての規定は、」云々というのと矛盾するのかしないのか、矛盾しないとすれば、どういう理由で矛盾しないのかという点をお聽きしたいと思うのであります。
#79
○國務大臣(加藤勘十君) 今井給與局長にお尋ねの点は今井給與局長からお答えを申上げまするが、私といたしましては、この法律案は只今申しまする通り、二千九百二十円支給に関する法律案でありまして今出発しようとしておる給與委員会は、二千九百二十円の給與の問題を論議するのではなくして、今度改められようとする給與に関する審議をする委員会でありまするからして、そこにおいては組合側の納得しないような結論が出て來るわけではないのでありまして、ここにこの法律で決まつたということは、二千九百二十円支給に関してはこの法律に從わなければならんのでございますけれども、そうでない新しい給與の問題は又新しい問題として、全然この法律案とは別に審議されるわけでありますから、この点は一つ誤解のないように御了解を願いたいと思います。
#80
○委員長(黒田英雄君) 労働大臣は衆議院に行われるそうでありますから……。
#81
○中西功君 もう一言、昨日の衆議院の財政金融委員会において西尾國務大臣は、全然別の答弁をしておる。それは給與体系というものは決まつておる、それは或いは多少整備する意味でいじることはあるかも知れないけれども、根本は一つも変らない。それは今日の毎日新聞にも載つていたと思うのであります。こういうふうに、ここが私は問題なんで、実は今朝からこれをやつておるわけであります。その点今度、加藤労働大臣と西尾國務大臣と一緒に出席されまして、もう一遍はつきりした回答を聽きたいと思つております。あとは今井局長に……。
#82
○政府委員(今井一男君) 中西委員の私へのお尋ねは、前にも申し上げたかと思うのでありますが、第一條の第二項の問題になります「十二月三十一日限り、その効力を失うものとする。」という一句は、遅くもという意味がちやんと入つておるのでありまして、十二月三十一日までは、どんなことがあつても、この法律を生かして置けという意味では勿論ございません。その意味が括弧の中にも現れておることは、御了承お願いできる点だと思うのであります。ただ形式的にはこの法律は、二千九百二十円関係だけに適用される、新しき水準になつた場合には、基本の親の法規との関係を失う関係から、改めて立法が必要となることは申すまでもありませんが、その際その時、新給與実施本部なり、或いは苦情処理委員会なり、地域給審議会なりが、まだ仕事を終つておらない。特に苦情処理の関係、地域給の関係においては、そういつたことが十分予想され得るのでありますが、そういつた場合には、恐らくその時の新らしい立法におきまして、これこれは当分存続されるとかというような規定になりますから、或いは又この問題が結局二千九百二十円、地域給の審議会の方は二千九百二十円以外にも扱うようになるプロバビリティーもあるかと思いますが、新給與実施本部なり苦情処理委員会の方は、この二千九百二十円以外は絶対にこの法律で考えておりませんし、のみならず、そういつたことは予想されませんから、これはこのまま置きましても結局二千九百二十円の仕事だけをやつて行く範囲内においては、立法技術的に申しますというと、そのまま活かしておいてもいいじやないか、ただ、それもこの十二月三十一日が最後の時になる、地域給の審議会の方が若しも実質的もつと上つたべースの水準をやることが必要と思いますならば、この規定の附則か何かで或いは持つて來るとか、そういつたような操作をしなければならんことに恐らく相成るであろうと考えます。
#83
○中西功君 第三項はどうなりますか。
#84
○政府委員(今井一男君) この第三項というものも、若しこの次に水準が上つて、その水準が上つたための法律案が規定されましたならば、その水準に適用すべき職務の分類ということは又改めて規定しなければならん建前に相成ります。その意味から、その際に又このままの形のものが行くか、或いは又多少筋の変つたものが入るかということの檢討をなされました上で、その規定がそれぞれの場所に入る。この規定そのものは形式的には二千九百二十円だけしか関係しておらないのでありまして、從つて一條以下あらゆる規定がすべて一度縁が切れる。そうして新らしく再檢討された上で、新らしい水準に適用すべきだ。こういうことで織込まれて行くと、かように御了承願いたいと思います。
#85
○中西功君 どうも、その説明はおかしくて分らんと思うのですが、これは國家公務員法の二十九條の條項に從つて、何か政府が別に法律案を出す、それまで効力を持つと書いてあるのですが、そういたしますと、それまでは、これは効力を持つので変更はないわけなんです。変更は法的変更がないわけなんです。そうしてこの十四條は、これは十五階級ですか、分つたやつだと思う。そうなりますと、これでこういう法律があつて、而も新給與委員会で又給與体系の問題、或いは職階制の問題を平等の白紙の立場で論ずるということが一体できると思うのですか、できないのですか。それは今後恐らく今井給與局長が主たる役者として当られると思うのですが、一体どういうわけですか。
#86
○政府委員(今井一男君) 法律論と実質論とは私は分けなければならんのではなかろうかと思うのでありますが、一應法律上から申しますと、少くともこの次に何月頃にどういつた水準の、どういつた法律を出すといつたようなことを予定いたしまして法律の規定は書かれるものではございません。一應は、少くともその法律は、その当時における立場におきまして書かなければならんことは申上げるまでもない次第でありますが、そういつた意味合で一條の三項はできておるのでありまして、從つて若しこの次の水準に関する法律が出ます際に、やはり、すでに國家公務員法ができており、すでに官公吏に対しては職階制を適用するという法律が成立しておるということに相成りますれば、この條文を改めて、その法律に書かなければならん、こういつたことに相成ると思います。尚、新給與委員会はまだ発足しておりませんが、政府はこれに対しまして少くとも給與体系の基本線はすでに確立されておると認める。併しながらその間のいろいろの補正その他については協議に應ずるようになると思うのですが、こういつた意味合の意思表示を協議会ではしておりまして、具体的にこの十五階級が或いは紙の数が殖えるとか、減るとか幅がどうなるとか、こういつたような問題につきましては、勿論政府として團体交渉の機会に十分組合側に檢討して貰う考えでおるわけであります。
#87
○委員長(黒田英雄君) それではこの政府職員の新給與実施に関する法律案については、政府に先程栗山君から御要求がありました四大臣の出席を要求いたします。そして他の質問はもうありませんようですから、本日はこの新給與実施に関する法律案はこの程度にすることにいたします。
 それからちよつとお諮りいたしますが、川上嘉君が本委員を辞任されましたために、請願、陳情に関する小委員と復興金融金庫の調査に関する小委員の補欠が必要であるのですが、これは無所属懇談会からは川上君がお一人であつたので、お辞めになつたので、その補欠として栗山君が今度その委員になられましたので、栗山君を御指名いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。栗山君にお願いいたします。ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#89
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後二時五十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事      伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           西川甚五郎君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
          尾形六郎兵衞君
           田口政五郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           小林米三郎君
           渡邊 甚吉君
           中西  功君
           栗山 良夫君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 北村徳太郎君
   労 働 大 臣 加藤 勘十君
  政府委員
   大蔵事務官
   (給與局長)  今井 一男君
  説明員
   農林事務官
   (食糧管理局総
   務部長)    山根 東明君
ソース: 国立国会図書館
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