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1947/05/31 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第29号
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1947/05/31 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第29号

#1
第002回国会 財政及び金融委員会 第29号
昭和二十三年五月三十一日(月曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○政府職員の新給與実施に関する法律
 案(衆議院送付、内閣提出)
○昭和二十三年の所得税の予定申告書
 の提出及び納期の特例に関する法律
 の一部を改正する法律案(衆議院送
 付、内閣提出)
  ―――――――――――――
   午前十一時十一分開会
#2
○委員長(黒田英雄君) これより委員会を開会いたします。本日は政府職員の新給與実施に関する法律案について、審議を願います。質議をお願いしたいと思います。一昨日政府に四大臣の御出席を、揃つての御出席を要求したのでありますが、政府の都合で今苫米地國務大臣と西尾國務大臣が見えております。両大臣に対して御質問を願いたいと思います。
#3
○栗山良夫君 只今審議中でありまする政府職員の新給與実施に関する法律案に関しましては、すでにこの委員会においても、連合委員会、労働委員会との連合委員会、或いは單独委員会をもちまして、それぞれ関係政府筋と質議應答が交はされたのでありますけれども、その間に答弁側の内容におきまして、それぞれ食違いの箇所もございまして、私共として、了解に苦しむ点もありましたので、本日この前の爭議に直接関係されました、西尾國務相並びに加藤労働大臣、苫米地長官、大藏大臣の四大臣の御出席を願いまして、そうしてこの問題をはつきりさせまして、私共の態度を決定したい。こういう工合に考えたのでございますが、いろいろ御都合もございましたのか、加藤労働大臣がお見え願えませんのは、誠に残念だと思うのであります。今までこの委員会に一度も西尾國務相の御出席を願つておりませんので、私は主として西尾國務相に、今まで加藤労働大臣からお聽きしましたこと、その他審査に対しまして御答弁を頂きたいと思うのであります。
 先ず第一に、私は西尾國務相にお聽きを申上げたいことは、爭議の平和解決ということに対するお考えをどういう工合にお持ちになつておるかということが一つであります。それは爭議の平和解決と申しますか、今年の春、全官労の爭議におきましても、一應その結末として、協定書に当事者が調印いたしまして終つたわけでありますが、協定書に調印を終つたということによつて、爭議が解決したという工合にお考えになるのか、或いはその協定事項に基きまして、誠意と熱意を以てその協定事項を完全に、而も迅速に実施いたしまして、名実共に政府並びに全官労との間の問題となりました事件を完全に解決するまで、爭議解決、こういう工合にお考えになるのか、その辺の御見解を先ず最初に伺いたい。かように考えるのであります。
#4
○國務大臣(西尾末廣君) 形式的には、前に言われたように調印が行われたときが解決、実質的には、それがそのときに行われた協定が実現できるということが実質的解決になります。こういう工合になります。
#5
○栗山良夫君 そういたしますると、只今提示されております法律の性格について、やはり御質問を申上げたいと思うのであります。申すまでもなく、この法律は法第十二号の具体的な事項を決定されるところのものであることは申すまでもないと私は考えるのであります。そうしてこの法律によりますと、二千九百二十円の賃金ベースに対する給與が新らしく引き直されるわけでありますが、その場合に、過日の爭議において政府並びに全官労の間に取交されましたところの政府職員の給與実施に関する法律案要綱、四月二十三日附のものであります。尚西尾、加藤両大臣の了解事項、この二つのものが完全に裏附けされることが必要である。こういう工合に考えるのであります。この法第十二号の具体的な実施、それからこの爭議の過程において協定せられましたる二つの事柄、これが完全にこの法律の中に織込まれなければならない。而もこの二つを越えて如何なるものも織込むべきものでない、こういう工合に考えるのでありますが、この点の見解をどういう具合にお考えになつておるか、それを伺います。
#6
○國務大臣(西尾末廣君) 爭議解決ということと、それを実施するために法律を出すということとは、勿論密接な関連がありますけれども、それ以外のものを法律には謳つてはならないということにはならないと思います。その法律に、協定に矛盾するような法律を作つてはならんということになります。
#7
○栗山良夫君 そうしますと、この問題に関連して、次いで御質問申上げますが、この協定以外のことを入れても一向差支えない、こういうことを今おつしやつたのでありますが、それはこの法律案が過日の爭議の協定の実質的の解決、いわゆる爭議の実質的な解決を目途としております以上、その中に挿入されるところの如何なる内容も、組合とのいわゆる一應の團体交渉を得てからでなければ、この協定以外の事項を私は入れるべきではないと、こう考えるのでありますが、その場合に政府の方が、この法律案の中にお入れになつております。こういつた部類に属するものが、重要な部分があるのでありますが、これは聞くところによりますと、加藤、西尾両大臣の了解事項の中にあります給與委員会にも一度掛けられたことがないと聞いております。結局こういう工合に当事者の間に全然了解の付かないことが、突然として、この法律の中に入るということは、結局法律以外のことを入れても差支えないと、西尾大臣はこうおつしやいました。差支ないということは、結局当事者が了解したものでなければ、私は差支が大いにあると、こういう工合に考えるのでありますが、その辺の見解をもう少し明かにして頂きたいと思うのであります。
#8
○國務大臣(西尾末廣君) 私は爭議の……労働組合と政府との間に團体交渉が行われて、行われたことに基いて、政府のなすべき義務を、政府の責任において、國会に法律を出して御審議を願う、こういうのでありますから、その協定に反するようなことを出すことはいけないと思いますけれども、必ずしも協定の範囲内でなければならんと、そういう窮屈なものではないかと了解しております。
#9
○栗山良夫君 そうしますと、政府の方の見解によつて、協定に違反しなければ入れてもいいと、こういうふうなことをおつしやつたのでありますが、私は労働平和というような観点からいたしまして、もう少し突つ込んでお聽きをしたいのでありますが、それは爭議の解決は、当事者が納得をしなければ勿論ならないわけでありますけれども、納得しないところの内容が、政府の方から法律の中へ織込まれまして、そうして、それが國会に提出される、國民の名によつて決定されて、逆に全官労の労組の方へ押付けるような形で行われるということになりますると、結局爭議の平和解決は、当事者の信義に俟つところが非常に多いと思うのであります。然るにこの当事者が納得しない問題が一方的に、全然了解なしに入るということは、結局いかなる協定書を作りましても信義が破られて、そうしてその内容が法律になつて出るというようなことになりまするならば、この法律はそのままで済むかも知れませんが、將來に亘りまして政府と全官労の労組との間にいろいろな紛爭が起きるでありましようが、そういうものを解決するときに、全官労組の方ではこの苦い経驗を基にいたしまして、政府に対しての措置は、或いは交渉は更に疑心暗鬼を生みまして、そうして徒らに紛爭の種を捲き起して、即ち信義を高めておりますならば、今後の爭議もスムースに、平和裡に解決して行くと思うのでありますが、こういう重大な團体交渉におきまして、申合わされた事項が破られて行く、そういうことになりまするならば、今後この法律がたとえ國会を通過して、一應は解決をいたしましても、その尾は長く將來に引いて行くのではないか、こういうことを非常に心配するのでありますが、こういつたような基本的な、團体交渉における信義を尊重しなければならない、こういうような根本問題について、もう少しはつきりと伺いたいと思うのであります。
#10
○國務大臣(西尾末廣君) 政府は労働組合と團体交渉をしました。その交渉の結果につきましては今までも信義を守つて來ましたし、これからも信義を守つて行くつもりであります。
#11
○栗山良夫君 そうしますと、結局最後のポイントのところへ入つて來たわけでありますが、私の質問は、この法律案の内容において、政府が、政府と全官労の團体交渉の協定事項の枠を超えて、信義を破るような内容が入つておるということを、まだ具体的には申上げませんけれども、それの含みを持ちながら質問をいたしましたに対しまして、西尾大臣は、そういうことは絶対ないというような初めからの主張で、私の質問に答えられておるのであります。併し私は、具体的にこの法律案の中で伺いたいことは、まず第一にこの法律は一月から三月までの暫定措置である、こういうことが團体交渉の過程で労組側は納得をしておつたと、こういう工合に聞いております。ところが政府の方では、物價改訂が実施されるまでは当然これが効力を有するのだと、こういう見解を持つておられる。そうしてその拠るべき根拠はどこにあるかと尋ねますれば、この両大臣の了解事項、或いは先程申上げました新給與実施に関する法律案要綱、こういうものの中にあるのだ、こういうふうに考えておられます。成る程読みますると、はつきりした拠りどころを発見するのに苦しむのでありますけれども、恐らく物價改訂という問題は、この協力ができましたのは三月の終りでありましたので、政府としては四月に物價改訂ができるか、できないかということは当事者として最もよく御存じになつておることであると思うのであります。然るに組合の方は、そういう政治的な含みは分りませんので、一月から三月の團体交渉の過程において、一月から三月までの暫定措置であるということを相互に、その交渉の過程におけるいろいろな言質を以て信じておつたと思うのであります。で、ありますから、今ここで物價改訂が行われるまで延ばすのだ、こういうことを言われましても、これははつきりと、若しそういうことが政府が分つておいでになるならば、四月に物價改訂ができないということも当時お分りになつておつたと思うのであります。そうするならば、あの場合に言葉を濁さないで、この正式の文書の中になぜはつきりとお書きにならなかつたか。これは話の食違いのように見えますけれども、結局現在労組側が確認いたしていました線を超えておる問題でありまして、これはやはり私は一つの信義に反する問題である、こういう工合に考えるのであります。これを一つ御解明を願いたいと思います。
#12
○國務大臣(西尾末廣君) それは重大な間違いと誤解があるようであります。二千九百二十円というのが、一月――三月までの暫定的なものであるかどうかということにつきまして、むしろ組合側と政府との間の交渉の過程において、組合側が一月――三月までのこれは暫定的なものだ、そういうことにしたいと思いまして、組合はいろいろな交渉のいわゆる戰術を用いられたようにも見れるのであります。併し政府におきましては、これは一月――三月の暫定的のものでない、物價改訂という言葉を使つたわけではありませんが、例えば物價が改訂されるとか、その他賃金労働者の生活に與える生活費の高まるような、いろいろの事情が起つて來れば、当然に労働組合側としては賃金の値上要求をするであろうし、そこに又新らしい交渉が持たれるであろうしすることになるのであるが、そういうことを予見できるのであるが、政府の意図するところは、新しい賃金が決まるまで、この賃金はむしろ本格的なものである、そういう点を繰返し明らかにいたしたのであります。あなたの御質問の趣旨は、この二千九百二十円というものが、一月――三月の暫定的なものであるということを前提として、政府が不信義であるというふうにお説を述べられておるのでありますが、肝心要の大事な点は、一月――三月までの二千九百二十円は暫定的な給與ぢやない、新らしい賃金が決まるまでのものである、こういうふうに御了解を願いたいと思います。この点は爭議の交渉の中の一番大きな重点で、ただ二つの重点がありましたが、一つは職階制の問題について、職階制が永久的なものであるかどうかという問題、もう一つは今言つたような二千九百二十円というものが暫定的なものであるか、永久的なものであるか、どういう性質のものであるか、この二つが爭議中の交渉の最も重要な二つの点でありましたので、その点は組合側との間におきましては、組合代表者との間においては、少しの疑問も残さないように明瞭にいたしてあります。
#13
○栗山良夫君 明瞭にいたしてあるとおつしやつたのですが、どうも明瞭に組合の方はそう解釈していないようであります。又一昨日加藤労働大臣がここで述べたこととも、私は内容的に少し違うと思うのであります。新賃金が決まるまでの本格的なものである、こういう工合に政府は考えておるとおつしやつたのでありますが、私は新賃金が決まるまでの時期のことを申上げておるのでありまして、加藤大臣は、四月には物價改訂が行われると、そういうことを予定して、大体三月までというような交渉をやつて來たのであるけれども、物價改訂が遅れたので、常識的に一つの大きな物價の変動、結局生活費の変動が來る。物價改訂の時期までには、この二千九百二十円が引き延ばされるのである。こういう工合に言われたのであります。そうすると物の考え方が、そこに根本的に加藤労働大臣と今の西尾國務大臣との間に食違いが起きて來る点が第一点、これを私は確かめるものであります。これはやはり両大臣に御出席を願いたいという一つのポイントになるわけであります。これはあとで……加藤労働大臣は今日はお見えにならないのですか。
#14
○委員長(黒田英雄君) 加藤労働大臣はちよつと今出られないそうですが、西尾國務大臣が加藤労働大臣と話合をしておられたということであるのですが、そうなのでしよう。
#15
○國務大臣(西尾末廣君) ええ。
#16
○委員長(黒田英雄君) その点ちよつとはつきりして置いて下さい。
#17
○栗山良夫君 では加藤労働大臣に一昨日お聽きした点と、今西尾國務大臣のおつしやつた点と、本質的な違いがあるので……。
#18
○國務大臣(西尾末廣君) そういうような意見があるということを承わつておりましたので、今朝も加藤労働大臣とその点について話しておつたのですが、加藤労働大臣も、私の今申上げますことと少しも違つていない。言葉の表現上、ややその点がはつきりしないように、或いは誤解を招くようなこともあつたかも知れませんが、そのことは私には分りません。加藤労働大臣は、私が今申上げましたように同じように考えております。
#19
○山田佐一君 今の関連事項について、私一昨日もここで拜聽しておつたのでありますが、加藤労働大臣は、今の栗山君の言われたごとく、現在の二千九百二十円では食えないのだということを前提の下に言われまして、而して四月には物價改訂があるのだということを予想しておつたのです。この物價改訂と共に、労働賃金の二千九百二十円も改訂する意思であるということをはつきり言われておつたのであります。その物價改訂がズレて、今日もまだできないけれども、予算が三月までよりないのである。來年の予算のことであるから、それは明言はできないけれども、物價改訂と共に、今の賃金では食えない。食えない賃金であるから改正するのだということをはつきりと述べておられたのであります。只今西尾國務相の言つておられたことは、この決めたものは、新規の賃金の改訂のあるまで永続的のものである。ここに両大臣の意見が相違しておると思うのであります。労組の方で見れば、聞く方はよい方へ解釈されるということは、私はこれは出す方と貰う方だから当然だと思う。当局の局に立つた方は、すべて内閣と一致いたしまして、そうして労組の方に言質を取られんように、今後も御交渉がお願いいたしたいと思うのであります。ここで爭議が続きまして、ストライキに入るとか、山猫爭議をやるとかいうことになりますと、均しく迷惑する者は國民であるのであります。而も官公職員というごとき、國民を指導する立場の方がこういうことに入ることは、國民としても誠に遺憾に存じまするので、どうか両大臣共に、今後交渉のときには必ず意見の相違のないように、言葉に濁りのないように、是非そういうことを私は希望いたしたいと思うのであります。
#20
○栗山良夫君 先程西尾國務大臣も、この間の爭議の最もポイントになる点がここにあるのだということをおつしやつたのでありまして、私も同感であります。從つて今のこの問題の食違いが、西尾國務大臣と加藤労働大臣との御出席の下にはつきりいたしません以上は、私はこの問題を了解することは困難であります。こういう工合に申上げましてこの問題は保留をいたします。
 次に先程信義の問題云々ということが出ましたが、私共が信義を破つておると申上げる重大なポイントが二つあるわけであります。それは過日の爭議の交渉の過程におきまして、人事に関する問題は一言もなかつた筈であります。然るに今度の法律案を見ますると、第一條にはつきりと人事の問題が入つておる。この点は私は重大なる協定の枠を越えたところの事柄である、こういう工合に考えております。これをどうして取上けたかということが一つであります。
 それからもう一つは、職階制の恒久化の問題が第一條第三項にございますが、この恒久化の問題であります。これはやはり加藤、西尾両大臣がおいでにならないと、この問題もはつきりいたさないのであります。二十八日の衆議院の財政金融委員会におきまして、西尾國務大臣は、給與体系はこの法律によつて絶対に動かない、從つて新給與委員会は給與水準の策定のみになる、こういうことをいつておられるのであります。然るに五月二十九日、本院における財政金融委員会において加藤労働大臣は、新給與はこの法律に係わりなく新給與委員会で審議し、給與水準も、体系もそこで改めて決定さるべきものである、こういう工合に言われておるのであります。ここにも重大な言葉の違いがあります。私はこういうような根本的な問題で、私共が今わざわざ両大臣に御出席を求めて、問題を解明しなければならないような重大なこの二つのポイントに対して、この貴重な時間をそれぞれ費しておるわけには参らないのでありまして、私は責任ある両大臣の御出席を求めて、その上ではつきりとした意見の一致を見た答弁をお願いして、私共が了解するまで、これ以上の審議を続けることは無駄である、こう考えまして私の質問を保留いたします。
#21
○國務大臣(西尾末廣君) 只今山田さんの御注意有難うございます。成るべく組合側との交渉については、問題の性質を明確にして疑点の残らないように、後日問題にならないように、問題をすつきりさして交渉が決定するということは、私の年來最も希望しておるところでありまして、尚政府に対して交渉に來る場合に、もうしばしば数回に亘つて、それから人も代わつていろいろ話をすることでありますから、あなたの言われたように、聞く方の側にとつて自分の都合の好いように、言つた言葉以上に解釈するということもあつたりしまして、幾らか問題が残つておるわけでありまして、一層今後氣を附ける筈であります。ただ山田さんのお話の中に、私と加藤君との間に決して交渉の條件についての解釈につきましては何らの齟齬がありません。政府は一致しております。十分話し合つてしたのであります。ただ私お話を伺つておつて感じましたことは、四月から物價改訂が行われるだろうという認識は、加藤君或いは持つておつたかも知れません。それは加藤君の認識でありまして、併しその認識で何も條件が決まつたのではなくして、組合側との交渉については、はつきり新賃金が決まるまで、この賃金、二千九百二十円というものは引継ぐのだ、私の言葉を籍りて言えば、極端なことを言えば、三年でも、五年でも生活條件が変らんということであれば、これは引継ぐべき性質のものである。但し明日にでも何か非常なことが起つて、賃金を変えなければならんということになると、そのときには変えられるものだ、そういうふうに申しておつたわけであります。ただそのときの決まつたことだけをはつきりして置く、ただ加藤君が四月頃から物價が改訂になる、新しい賃金ができ上るようになると思つておつたとすれば、それは加藤労働大臣の認識であつて、政府の交渉に当つては何らの食違いもないということを申上げると共に、それから保留ということでありましたが、私から一言申上げますが、人事のことについて私が條文を入れたということについては、まだよく研究しておりませんが、或いは事務当局から御答弁があるかも知れませんが、体系のことについて加藤君と私の意見の違いは、根本の違いはありませんです。この点については爭議当時、組合側との交渉については、組合側は体系そのものを否定する。体系そのものをほんの臨時的なものにしようという、いろいろな戰略的な交渉の仕方があつたように見られるのでありますが、それはそうじやないのです。この体系というものは不完全である。だからこれを將來團体交渉をやつて、今度は委員会ができまして、その委員会の中で、それをこうしようじやないか、ああしようじやないかと、いわゆる補正するということについては、政府は決してこれを拒むものではない。相談によつてもつといいものにしよう、これは不完全でありますから、これをもつといいものにしようということについては、政府は決してこれを拒むものではない。併し賃金体系そのものを根本から覆えすということは、政府はこれを承認できないものである、こういうことを交渉当時も言つておりましたし、私がこの間衆議院において申上げたのも、そういう意味であります。で加藤君が申したということについても、加藤君自身からも伺つておりますが、それはですね、いろいろなことを組合側が、例えば最低賃金にしたらいいじやないかという議論が出ても、それは組合側が議論を出すのは自由じやないか、又そういうことについて意見を交わすということについても自由じやないか、政府の方針としては、体系というものを堅持したいものであるということを言われた。こういうように加藤君は言つたというふうに伺つておるのでありまして、この点についても私の承知する限りでは決して食違いはないと考えます。
#22
○委員長(黒田英雄君) ちよつと私一應お伺いしたいのですが、西尾國務大臣にお尋ねいたしますが、先程山田委員からも聽かれた点ですが、加藤労働大臣は先日、物價の改訂、即ち水準の改訂はいつ頃あるだろうかという質問に対して、大体物價の改訂若しくは補正ということがありましたら、六月十五日頃に行われる見込みであるからして、それによつて水準も改訂される。それは計算上十五日というのは非常に面倒であるから、六月の一日に遡つて改訂されるようになるだろうと思うというようなお言葉があつたのですが、その点は加藤労働大臣一個のお考えでありますか、或いは政府のお考えでありますか、その点ちよつとはつきりして置きませんと、委員長が報告するときに甚だ困るのであります。
#23
○國務大臣(西尾末廣君) 加藤君が申されましたことは政府の方針であります。即ち物價の改訂は六月十五日からそれから官公廳從業員の俸給は一日から、そういうふうに政府の方針を決めております。
#24
○栗山良夫君 今の職階制の問題、人事の問題について、一應西尾國務大臣の見解を今お伺いしたわけでありますが、ちよつと伺つておりますと、私の考えておることと違つたような考えを持つていらつしやるのじやないかと思うのであります、それは今度のこの法律で、一つの職階制が決つて、それを若しこの法律で何とか謳つて置かないと、新給與委員会で変更を非常にされてしもう。それが政府として工合が惡いので入れて置きたい。こういうような氣持が多分に内包して、そういうような形になつておると思いますが、私が申上げるのは、團体交渉の協定事項の枠を入れないで、この法律が作られなければならないと申上げる理論的な根拠は、どういうことであるかと申しますと、今度のこの法律で一つの職階制ができまして、その職階制が、新給與委員会でそのまま引継がれても、私はちつとも差支えないと思います。労組との間に円満な話合が付きさえすれば、そのまま引継がれても一向差支えないと思うのでありますが、問題はです、法十二号に、はつきりと臨時給與委員会の報告書に基き二千九百二十円の新給與水準及び職階制の精神に副う給與体系を一月一日に遡及して実施することとして、その具体的事項は、別に法律を以て定める。こういう工合に規定されておりまして、この法十二号の精神から申しますれば、人事の問題、更にこの法律の失効後に発生して來るところの職階制の問題、そういつたような恒久的な問題は、この法律で理論的にも私は謳うべきものでない、こう考えるのでありまして、変更されるからとか、変更されないからとか、そういうような考えでなくて、もう少しこの法律の理論というような考え方からして、はつきり一つ御答弁を伺つて置きたいと思います。そうしてそれを伺つて置きませんと、西尾國務大臣に御出席頂きましたのは本日が最初でありますが、加藤労働大臣には一昨日来て頂きまして、そうして話の食違いも根本的な点が明かになりましたので、一つ次の機会、或いは本日でも結構でありますが、両大臣おいでになつたところで、私共の了解の行くようにお話し願いたい。若了解できなければ、別途の考え方を私共いたさざるを得んのであります。
#25
○國務大臣(西尾末廣君) 一應時間的にも早く御通過を願つて、從業員諸君にも一日も早く支給できるようしたいと政府は考慮しておりますので、できるだけ早く御審議を煩わして通過を願いたいのでありますが、私と加藤労働大臣、言葉の綾で幾分行違いがあつたかも知れませんが、官房長官なり、大藏大臣もおりますところで、加藤労働大臣と私の考え方について、少くとも根本的に違つたものがないと、こういうことを申し上げたことから御信用頂、きまして、どうぞ審議して頂きたいと思います。
#26
○中西功君 栗山氏の質問は一應保留ということにして頂きまして、私から少し質問いたします。一つの問題は、今西尾國務相は、これに政府が組合側との協定を超えたものを入れたについて、協定に反していないということを申されたのでありますが、その協定に反していないというのは、具体的に一体どういうふうに反していないか、私達は明かに反しておると思つておるのでありますが、ですから政府がそもそもこういう協定を超えたものを挿入した、自分の責任で挿入した限界、如何なる必要に基いてこれを挿入したか、而もそれはどういうふうなわけで協定に反しないかということをはつきり説明して頂きたいと思います。
#27
○國務大臣(西尾末廣君) 私共の方は協定に反していないと、こう信じておるのであります。だからどうして反してないかということの説明の仕樣は、ちよつとないのですが。
#28
○中西功君 具体的にはつきり條文を挙げて言つたらいいでしよう。
#29
○國務大臣(西尾末廣君) だからこの点が協定に反していないかというお示しがありましたならば……。
#30
○中西功君 僕は西尾大臣が言われる答弁は、人を馬鹿にしておると思うのですが、協定に反しないと自分が言つておるのですから、どこが反してないかということを私は聽いておるのです。どういうふうに反してないかということを聽いておるのです。で、私の先にこういう点は反しておるじやないかと、何か言つて呉れというのは、そもそもこんな法案を出したのは政府でしよう、僕は出してないですよ、そういう説明ができなくてはおかしいのではありませんか、だから私は説明を求めます。
#31
○國務大臣(西尾末廣君) では更に中西君にお願いするのですけれども、私としましては、この法律案は協定に反してないと、こう信じておるのですから、ここが反しておるじやないかと指摘されて、初めてそれに対して私に弁解、説明の機会を與えられるということを私が求めておるので、決してあなたに対して敬意を失しておるというものでありませんから、御了解を願います。
#32
○中西功君 私も別に、私に敬意をどうかという意味では絶対ないのです、ただそれならばもう一度お聽きいたします。政府が、これを組合の協定を超えて挿入された理由を説明して頂きたいと思います。
#33
○委員長(黒田英雄君) ちよつと速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#34
○委員長(黒田英雄君) 速記を始めて……。政府委員。
#35
○政府委員(今井一男君) 少し行き掛りを申上げますと、この法案の要綱はこれは要綱の形におきまして、新給與整備委員会において團体交渉を遂げまして、最後の四月二十七日の日に、技術的な文字その他は一切政府に一任する。こういつた約束に相成つたものであります。從いまして法律技術上、全く同じでない結果になりますことは、これは御了解願えると思うのであります。ただ御指摘の点は一條の一項、二項、三項という点であろうと存じます。第一條の「人事及び給與に関する方針の統一をはかるため、」という、この人事の文句は、先程栗山委員からも御指摘がございましたが、併しながら政府の見解によりますれば、法律十三号というものが、すでに組合側と話ができておる。即ち臨時給與委員会の報告書というものは、すでに組合側と話合ができました上におきましては、職階制という建前がすでに妥結されておるのでありまして、職階制を採りますれば、おのずから人事の運用は統一せざるを得ないのでございます。人事の運用と申しますのは、職階制そのものの精神から出て参ります。即ち係長なら係長、課長なら課長というような仕事が、おのずから同じような給與を貰います関係から、同じような資格の人をそこに当てるのであるが、各省区々に行くわけには行かない。そこにおのずから人事運用の方針の統一が出て來るのは、これは当然でありまして、協定の文句そのものではございませんが、臨時給與委員会の報告にあります方法及び原則に從つて、二千九百二十円を分配することになりますと、そこに入つて來る意味におきましては、これは協定の趣旨に反するものとは考えられないのであります。
 それから第二項は、これに先だつて中西委員に申上げましたが、この法律の規定の中に、事の性質上、新水準になりましても、実質的に行わなければならないような機関、特に実施機関、新給與実施本部、或いは苦情処理委員会又は地域給審議会というような機関がございますので、こういつたものも事の性質上、遅くとも本年一ぱいには止めて貰うという意味合のことがここに謳われておるのであります。二項の前半は、すでに國家公務員法というものが施行されておりまして、法規としてあります関係から書きましたのでありまして、官吏に関する一般の規定は、給與のみならず、すべて國家公務員法の精神に従いまして、一切これから行われて行くということが、他のすべての関係法律に入つておる。これは例文でありまして、政府といたしまして國家公務員法ができました以上は、その公務員法の実現の線に副つて一切のものを考えて行くという建前は、これは從來から確立されておる方針でございます。その意味から二項の前半が入り、更に三項もその意味から、この職階制そのものの具体的な内容は、これは可なり臨時的な、又今後大いに修正を要する点でありますけれども、その意味そのものは公務員法に基く職階制である。要するに、その目標と現実とが引附けられておるという関係は、これ亦臨時給與委員会の報告書というものが、組合側との協定ができました上におきましては、協定の趣旨と反対であるということは相成らんと思います。
#36
○委員長(黒田英雄君) ちよつと、苫米地大臣は十二時に新聞記者に会う約束になつておるので、帰つてもいいかということですが、外の大臣がおられればよろしうございますか。
#37
○栗山良夫君 それじや中西君が発言しておりますが、ちよつと……。私はこの前の爭議に直接関係をなさつた苫米地長官、西尾國務大臣、加藤労働大臣、それから財政的に大藏大臣と、その御出席を求めて、今日一挙にこの法案の疑問になつておりますところを解明いたしまして進みたいと、こう考えておつたのであります。併しそういう工合に参らないようでありますので、私はお答え頂くのは……。
#38
○星一君 約束したら片方の約束を守らしてあげなければなりません。それは当然のことであります。又來て貰えばいいでしよう。
#39
○中西功君 又必要のとき來て貰えればいいですよ。
#40
○委員長(黒田英雄君) いいでしよう。
#41
○中西功君 西尾國務大臣にいろいろはつきりお聽きして置きたいと思うのであります。今提案されておるこの法律案は、二千九百二十円の支給の実施に関する法律案であると、こういうふうに我々が理解していいかどうか。即ち今まで私達はそういう答弁を受けておりますが、そういうふうに理解していいかどうか、そういう点をお伺いいたしたいと思います。
#42
○國務大臣(西尾末廣君) その通りであります。
#43
○中西功君 それではここにあります新給與実施本部、又は新給與苦情処理委員会は、この二千九百二十円の支給に関するのであつてその支給が終れば勿論廃止される。その他の問題に関しては、これは一切関與しないというふうに理解して、今まで答弁を受けておりますが、それでいいかどうか……。
#44
○國務大臣(西尾末廣君) 中西君のいう通りであります。
#45
○中西功君 それからもう一点は、この二十二條でありますが、実は今現実の手続としては、そういう実施方針の具体化が各分科委員会でなされていると思いますが、その分科委員会では、御存じのように團体交渉的な形で問題が進んでおります。ところでこの実施本部長の権限が問題でありますが、分科委員会で行なつたところの種々の具体的な決定を、本部長はこれを尊重するのか、それとも或る一定の本部長の見解に基いて、それを簡單に拒否できる権限があるのか、その点具体的にお聽きして置きたいと思います。
#46
○國務大臣(西尾末廣君) 局長からお答えいたさせます。
#47
○政府委員(今井一男君) 二十二條の規定は、お読みになれば御了解願えると思うのでありますが、すべて各人に対する、各職員個別的な級及び俸給額を決定することを定めたものでございます。從いまして、お示しの各省におきましての分科会の結論と実施本部との関係につきましては、そちらに法律案参考集というものをお配りしてございますが、十九ページにございます。四月二十七日第四回総会において、新給與整備委員会におきまして團体交渉の結果纏りました線、即ち各分科会における結論として、実施本部の了解を経て、直ちに実施をして、この線によつて解決されることに相成ります。
#48
○中西功君 それでは第二十二條の規定は、各個人が貰うところの給料、給與の個々の問題について適用されるもので、分科会の結論についてはこのままは適用しない。そうして分科会の結論は、ここに書いてあるように、実施本部の了解を得て直ちに実施することができる、こういうふうにはつきり理解してよろしうございますね。
#49
○政府委員(今井一男君) さようでございます。
#50
○中西功君 それから、この法案が二千九百二十円の実施に関する法律案であるという点では了解を得たわけでありますが、この法案は、法十二号とこの法案を合せますと、結局二千九百二十円の給與水準並びに二千九百二十円の実施に関する給與体系があると思われます。それでこの給與体系についての問題でありますが、先日も或いは今日も、西尾國務相は給與体系は恒久的であるということを言つておられます。勿論体系ということは恒久的でもありましようが、体系自体に二つある。即ち政府が思つておる、実施しようと考えておる体系と、組合側が実現したいと考えておる体系と二つあります。それでこの体系が、実は先に西尾國務相も指摘されましたように、このたびの爭議の極めて重大な問題であつたわけでありましてその点を私達としてもはつきり明瞭にして置かなければいけないと思います。それで体系の中にはそういうふうに二つあるわけであります。政府側は、政府の体系は、考え方として恒久的のものだと考えておるでしようが、併しそれは必ずしも現実にはそうはいかんと思います。更に又政府の持つておる見解ということと、現実に法律的な効力を持ち、それが持つておるか、持つていないかという点は又別だと思います。そういう点ははつきり区別して貰わなければいかんと思います。端的に申しますと、この二千九百二十円の実施を行うところの給與体系は、これを西尾國務相は恒久的のものだと、こう言われたのか、又新給與の決定と共に、給與体系として又新しくそれに應じて決定するのか、そういう点が結局大きな問題となると思うのであります。この点少し明白に答えて置いて貫いたいと思います。
#51
○國務大臣(西尾末廣君) 中西君が二つの体系について、政府の考えておることと、組合側の方の考えと二つあると仰せになりましたが、併し二つはあつたのでありますが、明確にこの際御理解願いたい点は、組合側の代表者は政府の物價体系、賃金体系というものを承認した。そうして調印が行われたという事実を御了解を願いたいと思うのであります。それから今後のことにつきましては、政府はこれが完全と思つておりませんから、つまりこの物價体系というものの重点は、從來多く生活給、つまり働く者にはどうしても生活を保障しなければならん。そのためには最低の生活を保障しなければならん。そのためには最低の生活を立つように保障しなければならんという考え方から來る、つまり最低賃金という考え方、これに対しまして、政府は勿論働く人々の最低の生活は保障しなければならんという点において異議があるわけではないのでありますが、同時に又それに能率を加味する、同じく官廳に勤めておるものであつても、六時間働いておる者と、八時間働いておる者とが、同一の仕事を同一程度にやつておつた場合には、長い時間働いておつた者にはそれだけ多くの給料を與える、それは一例でありますが、そういうふうに、つまり作業能率を考慮して行こう、つまり最低生活給という、生活給というものに加味するに能率給を以てしようというのが、政府の考えておりますところの賃金体系の基本であります。その基本は変えないと政府はこう考える。併しその基本に立ちまして、実際にこれはこうした方がいいじやないか、実際やつて見たら不便だからこうしようじやないか、いわゆる改良補正ということについては、決して政府は耳を傾けないものではない、こういうふうに將來のことは考えております。
#52
○中西功君 生活給に加味するに能率給を以てする。即ち別の言葉で言いますと、生活給の上に能率給を積んで行くというのが、政府の根本見解であるというように言われておりましたが、間違いございませんか。
#53
○國務大臣(西尾末廣君) 生活給と言いますのは、最低賃金制度と言うか、賃金体系というものに加うる生活給というものを積み重ねて行くのでなくして、それを考慮して賃金を決める、こういうのであります。
#54
○中西功君 そうすると、最低賃金制、即ち現在別の言葉で言えば、生活給を加味して能率給を決める、こういうふうなのですか。それとも生活給を中心にして、そうして尚その上に能率給を加味する、こういうものなのか。それはその二つが逆なんですがね、その点はつきりさして、西尾國務相の言うのと、組合の元々主張しておるのと同じように思える、政府はそんなものじやなかつたと思う、組合の最低賃金制の要求は、何も能率給を否定しておるのではないと思うのです。問題は最低生活を保障するという建前に立つて、能率給を考えて行こうというのが組合側の要求、基本的態度であると思う、政府のはそうじやなくて、最低生活給、最低賃金制というのでなく、何を措いても現在職階制的な能率給をここで作り上げよう、こういうのが政府の今までの態度です。そういう点では確か私は根本的の差があると思う、私が西尾國務相のお話しを聽いておると、何やらその点が曖昧で分らん点があると思う。
#55
○國務大臣(西尾末廣君) 働く者の生活を、成るべくこれを保障しなければならんということは、これは言うまでもなく明かでありまして、併しその能率を考えないでやるというのではないまでも、從來生活給、つまり賃金を考える場合に、能率給か、生活給かということを考える場合に、計算の仕方、賃金が何程になるかという計算の過程においては違つておるのであります。從來はむしろ能率ということを軽視して、極力生活をするだけのものを、まあ二千四百カロリーというものを基準にして、それが取れるようにしなければならんという計算で來ておつたのであります。それを是正いたしまして、能率給を加味する。即ち今急に從來の賃金体系というものを根本的に変えるわけに行かないのでありますが、我々は能率というものだけを考えて、そうして生活がどうなつてもいいということを、勿論考えるわけはないのでありまして、從來の生活給という考え方は、能率ということが割合に軽視されておる。それを我々は重視していると、こういう考え方であります。
#56
○委員長(黒田英雄君) ちよつと待つて下さい。ちよつとこの場合、この質疑を中止いたしまして、昭和二十三年の所得税の予定申告書の提出及び納期の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたしまして審議を願いたいと思います。これはすでに質疑終了に相成つておるのであります。直ちに討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありの方は、お述べを願いたいと思います。――別に御発言もないようでありますから、直ちに採決に入ります。昭和二十三年の所得税の予定申告書の提出及び納期の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたしまして、本案を可とせられる方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#58
○委員長(黒田英雄君) 全会一致と認めます。本案は全会一致を以て可決せられました。尚本会議におきまする委員長の口頭報告の内容は、多数意見者の承認を得なければならないことになつておりますが、これは委員長において便宜前例によつていたすことにいたして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないものと認めます。それでは本院規則によりまして、議院に提出いたします報告書について、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられました方は順次御署名を願います。
   〔多数意見者署名〕
#60
○委員長(黒田英雄君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#61
○委員長(黒田英雄君) それでは速記を始めて。それではこれより政府職員の新給與実施に関する法律案の質疑を続行いたします。
#62
○深川タマヱ君 さつき中西さんのお話を承わつておりまして氣が附いたのでありますが、生活給と能率給との問題でありますが、政府のおつしやる御言い分は、能率の挙らん人は、時に生活給を割つても仕方がないという意味なのでございましようか。それから組合側のおつしやる言葉で、能率給が挙らんでも、生活給だけはどうしても拂つて貰わなければいけないという意味なのでありましようか。そこを一つ。
#63
○國務大臣(西尾末廣君) 抽象的に申上げれば、いろいろ面倒でございますが、さて実際的になつて参りまして、さて生活給とはなんぼか、ということの算定についても、なかなか面倒でありまして、そう簡單に行かんのでありますが、政府といたしましては、生活の仕方ということについても、二千四百カロリーなければ生活できないという考え方もありましようし、或いはもつと下でも生活できるという考え方もありましよう。そういうので、その点は実際問題としては、そうはつきりしないのであります。從つて御質問に直接お答えいたしますと、政府におきましても、決して生活に足らないものはどうなつてもいい、そういう考えは毛頭ないのであります。ただ從來生活というと、生活給ということに重点を置いて、能率ということが余り多く顧みられなかつたということの弊害を、この際補うて行きたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#64
○中西功君 それで組合側の見解、政府側の見解、いわゆる給與体系については根本的な問題と思うのであります。私はさつき西尾國務相が、組合側が政府の考えていることを、即ち政府のいう給與体系をはつきりと承認したんだ、それをはつきりさして貰いたいというのでありますが、若しそれならば、余程問題はないと思うのであります。組合側は今でも最低賃金の案を、要求を放棄していないと思うのであります。そして問題は、この給與体系については、組合側と政府側とにおいて非常に激論をなされ、それは爭議の過程においても、更に整備委員会の中においてもなされ、そうして一つの妥協案として、この要綱ができ上つたと思うのであります。若し完全に組合側が政府の今まで言つておるところを全部承認したんだ、そんなふうに言われたならば、組合側は、いわば非常に憤慨するだろうと私思いますが、それで問題は、組合側としては何故どういう点で政府に妥協したかと言えば、一つは四百二十円の支給方法に或る種の修正を加えた。組合側として修正を加えた。そうして千八百円の膨らましに近いものにしたという点が一つと、それから二千九百二十円については、これは二千九百二十円の給與体系であるのであつて、次の新給與委員会や新給與においては、これは改めて團体交渉を行うのだという見解に立つて、この妥結ができておると思うのであります。何もかも政府の言うことを全部聽いて、ああそうでございますかと言つて、全部聽いたのでは絶対にございません。そんな簡單なものならば、あんな大きな爭議は起らない。そこで給與体系も、ここでいう、あの職階制と言われるかも知れませんが、そういう給與体系も、政府としては、或いはこの給與体系をもつと今後存続させようという意思かも知れませんが、それは政府の勝手であります。問題はこの法律が、即ち二千九百二十円の給與体系である。法的にはこれはその他の給與には必然的に適用されて行かない。政府も次の新給與の給與体系については、改めて政府の見解を披瀝する。そうして組合も組合の見解を披瀝する、そういうことによつて始めて團体交渉は成立します。組合側も承認して法律ができておるのだ。法律にできているのだから、それは多少のちよつとした問題はいじるかも知れないけれども、根本はいじらない、この通りで行け、これでは團体交渉は成立しない。法的に決つている。政府は法的にそういう意味では執行力があるわけであります、これをきかないものは、官吏服務規律に照らして首を切るのだということになる、それならば團体交渉にならない。それではつきりして置きたいことは、これが二千九百二十円の給與体系である。從つて又新給與委員会においては、政府も團体交渉を以て給與体系を考え、いわゆる討議するという、まだもう少しありますけれども、そういうふうに私は今まで加藤労働大臣からも、今井給與局長からも聽いておるわけであります。西尾國務大臣が、そういう理解でいいかどうか、はつきりして貰いたいと思います。
#65
○國務大臣(西尾末廣君) 私は物事は少し誇張して言うのと、そうでないのとでは大分違います。私は何もかも組合側が、政府の給與体系に関して肚から理解しておるというような表現は勿論していないのであります。ただ爭議の團体交渉の間において、爭議が從來生活給という観念であつたけれども、これに能率給を加味してやつて行く、そうして政府の考えておるのは、こういうものであるということを言つた。その大綱について組合側が賛成した、それは内心不満であつた点もあろうと思いますが、とにかくいろいろな情勢に鑑みて、組合側が賛成して調印したのであるという事実を申上げたのであります。勿論組合側において、その後においても、その問題がいろいろ論議されておるということは承知しております。ただ私これが政府との團体交渉の上において、政府の給與体系という大本、政府の考えておる大本及びそれがただ單に一時的なものでなく、政府は將來に亘つてもこれを堅持して行きたい、こういうことは明瞭にいたしておるのであります。但しこの法律は先きに申しますように、二千九百二十円の支給のための法律でありますから、この法律に関する限り、給與体系は二千九百二十円を支給するための体系だ、この法律に関する限りは言えると思います。併し政府が組合と團体交渉して決めたこと、又政府の考えというものは、これは永続的にこういう体系を段々組合側と交渉して、もつと良いものに補正して行くということは考えておりますが、根本を変えようというふうに考えておりません。
#66
○中西功君 組合側が政府の給與体系に関する根本的なものを認めたいという点は、私は非常に疑問があると思います。それは非常に独断だと思います。ただこの法案について言えば、これは二千九百二十円の法案である。そういたしますと、同時に政府としてはまあ一應給與体系についてもいろいろ見解があるでしようし、それならば新給與委員会は一体どんな範囲の問題を團体交渉によつて取扱おうと政府は考えておられるか、それをはつきり一つ……。
#67
○國務大臣(西尾末廣君) 政府は、私が先程から繰返えして申しますような考え方、方針を持つておりますが、その範囲内におきましては、必ずしもその範囲を少しでも逸脱したら、それは違うというような堅苦しい考えでなく、いろいろ組合側の方において意見があれば、そういうものについても政府は謙虚にこれを聽く、承わるそうして考うべきところがあれば、政府も亦考えるという彈力性を持つておると考えております。
#68
○委員長(黒田英雄君) もうどうですか。
#69
○中西功君 もうちよつと……。ここがもう一つ山なんです。謙虚とか何とかというのではない。私もつと法律的に問題を解明したいんです。それはですね、新らしい新給與委員会、或いは又新らしい給與については、政府はいろいろ政府独自の見解があるでしようがね。組合側にも独自の見解があるのです。それを水準や、或いは体系をも含めて、この團体交渉によつてですね。決定するのか、それとも、もうすでにこういうふうな政府の或る種の見解が、こういう法律的に一度成つておる、成つてるから、これを法律的に、その法律的な効力を持つものとして、大体押附けるつもりで行くのか。そうではなくして、もう一遍新給與について、改めて、團体交渉によつてやるのか。單に組合側の言うことを謙虚に聽くとか、聽かないとか、そんなことではない。問題は團体交渉によつてやるのか、やらないのかというのです。
#70
○國務大臣(西尾末廣君) 政府は政府の考えを言うので、押附けるのではない。政府は政府の考え方が、正しいということを主張するのであつて、團体交渉の席上で押附けるものではない。そうかと言つて、政府の今までの考え方を白紙にして、改めて團体交渉に臨むというものでもないのであります。繰返して申しますが、政府は政府の見解の正しいことを信じておる。そして組合側の方で、いろいろ意見があるとすれば、その意見を拜聽する、こういうのでありまして、ただこの機会に申上げて置きますが、例えば今後におきまして單にその委員会のみならず、組合は組合の自由があるのでありますから、組合が賃金体系について、こういうふうに変えたらいいじやないかという意向があるといたしますならば、新らしく政府に向つて、賃金体系をこういうふうに改めようじやないかということを、政府に申込んで、そこでやはりいろいろ交渉をする権限、自由を持つておるのであります。そういう自由を持つておるのであります。若しそこに何かの新らしい團体交渉の結果が現われますならば、それは又新らしく法律案として國会に提出するという、若し法律を必要とすれば、法律案として提出するということになろうかと思うのであります。そのことについては、元來が組合と政府との関係というものは、そういうものだろうと思います。
#71
○中西功君 それで何も私が政府、の白紙に還つてどうこうと言うわけではないのでありますが、この前の爭議の際においても、政府はこういうことを再三言つたのです。もう法律として通つてしまつた。法律でこうできているのだから、お前さん達が頑張つても仕樣がないじやないか、政府が國会を尊重し、法律を作る。そういう意味において、私は政府としては、これをどうしても執行せざるを得ない、こういうようなことを私は西尾國務大臣からも聽きました。法十二号に関しては、あの問題については、一つも事前に労働組合側との間において團体交渉はなかつた。法律を通してしまつてから、團体交渉というものをやり出した。そうして法律が通つておるから、君達はこういうことで行くより外に仕樣がないじやないかという、こういう態度であつたということを聞いておる。次に、どうせ團体交渉が直ぐ開始されるが、そのときに、この法律案が楯にとられて、どうだこうだということはないだろうと思うのです。そのことを聽いておるのです。
#72
○國務大臣(西尾末廣君) 先程も私が念のために申上げて置きましたように、どういう法律ができましようとも、新らしい問題を組合側は提起してそれについて團体交渉ができたら、又そのできたことに基いて、政府の責任において法律案というものを作らなければならないということになりますので、今中西君がそう言われましたけれども、私のそういう考え方をよく御了解願えると思うのであります。
#73
○中西功君 まだあるんですけれどもね。晝ですからね。一應打切つて保留して置きますから、午後からでも、或いは明日からでもやつて貰いたいと思います。
#74
○星一君 一体政府は、生活給という言葉を使うことが、私は大間違いだと思います。これは、政府職員に拂う給與だから、なぜ職員給と言わんか、生活給ということをなぜ言うか。そんなだから、余計こんがらがつてしまう。それで結局働く者に対する給與というものは、能率でやつてしまう。能率の平均から、こういうことを作つた給與である、その上に特別に能率で給與を與えるということは、これを言いおつたろう。政府は、だから言葉をよく注意して欲しい。生活給が給與だというから間違いだ、職員給と同じじやないか、そういうことを言つて、下らないことを言つて、こんがらがらしてしまう。だから言葉を注意すれば、極めて簡單に行くんだということだ。例えば統制ということは長期計画だ、その長期計画に倣うて今尚統制と言つている。長期計画は結局だ。結局でなくて統制だ。それでは日本は復興できますか。政府はもう少し文字のことに、言葉について注意されんことをお願いします。もうこの辺で、君、止めたらどうだい。
#75
○深川タマヱ君 一言だけ。午後に出られませんから、どうぞ。最近ソ連から引揚げてお出でになつた軍人さんの話によると、ソ連でもやはり能率給というものを採用している。これを嚴重に採用しているそうでありますが、ところで西尾國務大臣のお話しを承わりますと、西尾さんは、誠に今でも生活給を保障する、保障するとおつしやつているが、その内容について、西尾さんは、その生活給ではあるけれども、今まで二千四百カロリーというものを基礎にして考えたけれども、これにはいろいろデリケートな問題があるというふうに、意味深重な話であります。それについては私は深く考えて見ましたが、これは、カロリーと蛋白質の量の問題でない、質の問題であると思います。例えば今カロリー、カロリーとおつしやつているが、同じカロリーでも、薩摩藷で取る場合と、肉で取る場合とで非常に違う。蛋白質はカロリーにした場合には、一グラムは四・一、澱粉質の物は九・三、二倍のカロリーが取れます。だから同じ物でカロリーだけを計算することは間違いでありまして、同じ蛋白質であつても、動物質と植物性と蛋白質が非常に違う。そら豆、大豆で蛋白質を取る場合と、牛肉で蛋白質を取る場合とでは、價格において大違いであります。結局はこうだろうと思います。西尾先生のお話しは、如何なる場合でも、憲法で生活を保障しているから、生活給を保障するんだ、併しながら、その生活の質だろうと思う、カロリーの取り方、蛋白質の取り方の質だと思いますが、ロシアでもこの通りやつているそうですよ。よく働いた人は、同じ蛋白質を取るにしても、カロリーを取るにしても、良い蛋白質を取るということ、それからよく働かない人は、同じくカロリーや蛋白質の分量は合致しておつても、それが同じく澱粉でも、お米で取らないでお芋で取ると、同じ蛋白質であつても、肉で取らないで豆で取ると、こういう質の問題だと思います。
#76
○委員長(黒田英雄君) どうですか。ちよつと御懇談したいと思いますが、速記をちよつと止めて下さい。
   午後零時二十九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時五十八分速記開始
#77
○委員長(黒田英雄君) それではこれで委員会を休憩いたしまして、午後一時半から再開いたしますから、どうぞ御出席を願います。
   午後零時五十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三分開会
#78
○委員長(黒田英雄君) これより休憩前に引続きまして委員会を開きます。政府職員の新給與実施に関する法律案につきまして御質疑を続行願います。
#79
○栗山良夫君 私簡單に要点だけ西尾國務大臣と加藤労働大臣を中心にして申上げたいと思うのであります。まず第一点は、この法律案の性格というものが、法第十二号の具体化にあり、而もその具体化には、去る三月の政府と全官労組との間に、爭議解決のために結ばれたる法律案要綱、並びに西尾、加藤両大臣の了解事項、これの完全なる裏附の範囲内においてなされるべきである、こういう一應の見解の下に立ちまする場合に、この見解から出でたところの内容が法案にも盛られておる、こういう点を私共が指摘いたしまして、これに対する政府の所信を伺いたいわけであります。その第一点は、この法律が一月から三月までの官吏の給與に対する暫定措置である、こういう工合に爭議中の團体交渉の幾多の場面で言われておつたのでありますが、これに対して政府の方では、新らしく賃金が決定するまでこの効力があるんだというようなことを最近言われておるのであります。それでこの間に、西尾國務大臣と加藤労働大臣との間に、本質的な話の食違いがありまするので、その点を明らかにして頂きたいということであります。即ち西尾國務大臣は、先程もこの席でおつしやつたのでありますが、一月から三月までの暫定措置にして呉れというのが組合の方の考え方である。政府としては新賃金が決まるまでは本格的なものとして考えておる。こういう工合にはつきりと言われておるのであります。これに対して加藤労働大臣は、一昨日の本委員会の席上におきまして、二千九百二十円の賃金では官吏の諸君と雖も生活はできないであろう。從つて当初は四月の物價改訂が予定されておつたので、その時には新給與が決定せられる予定であつたけれども、物價改訂が現在遅れておるので、常識的に言つて新らしい物價の改訂がなされるまで、これが効力を有することになるのではないかと、こういう見解を述べられたと思うのであります。それで西尾大臣の場合には、新給與がいつ決まるか分りませんが、それまではとにかく物價の改訂とは直接関係なく、新給與が決まるまでは本格的にこれで行くのだと、こういう工合におつしやつたことであります。加藤労働大臣は全官労との交渉の過程で言われておりましたように、少くとも三月までの暫定措置であるということを表におつしやらないのでありますが、言葉の含みとしてそういうことを認めながら、四月の物價改訂が延期になつたので、政府の最初考えておつた考え方と違つて、暫らくこの二千九百二十円べースの改訂が延期されるのだ、こういう工合に言われたと思うのであります。ここに大きな食違いがあるということであります。それでなぜ私共が三月までの暫定給與であるかということを申上げますと、加藤、西尾両大臣の組合に対する了解事項の中には、そういう明文がありません。又法律案要綱の中にもそれがないのであります。これは若し政府が物價改訂を問題にして法律案を作る考え方がありましたならば、当事者として、物價改訂がどういう工合に行われようとしておるかは、よくお分りになつておつた筈でありますから、そのことをはつきりあの確認書の中に明記されるべきであると思うのであります。それがなかつたということは、政府も組合の方も暗黙のうちに、三月までの暫定措置であるということが確認されておつたと私共考えておるからであります。
 それから質問の第二点は、先程も申上げましたように、この法案の性格から言いまして、法十二号の具体的な実施を規定するものである。こういう考え方からいたしまするならば、この法案の中へ恒久的な職階制を拘束するような條文は避けるべきである、入れるべきでない、こう考えるのでありますが、第一條の主項には、はつきりそれが載つておるのであります。これに対して五月の二十八日に、西尾國務大臣が衆議院の財政金融委員会において給與体系はこの法律によつて絶対に動かないものである。從つて新給與委員会ができましても、それは給與水準の作成のみをやることになる、こういう工合にはつきり言われておるのであります。そうして加藤労働大臣は五月の二十五日に、参議院の本委員会におきまして、新給與はこの法律に拘わりなく新給與委員会で審議し、給與水準も体系もそこで新らしく決定されるべきものである、こういう工合に言われておるのであります。職階制の恒久化をあの法律に入れることの誤まりであること、それからこれに対しての両大臣の見解が、このように違つておるという点を明らかにして頂きたいということであります。念のために申上げておきますが、私はこの法律で暫定的に決められましたところの職階制の内容は、新らしくできる新給與委員会において変更されるか、されないか、そういうことを申上げるのではないのであります。変更されるのが至当であるとか、至当でないとか、そういうことを申上げておるのではないのでありまして、この法律の性格から言つて、この法律の有効期間内だけを拘束し得るものであつて、將來は又別な考え方である。それは別の團体交渉によつて決定されて行くべきものである、こういう見解を持ちますが故に、その点を明らかにして頂きたい、こういうことであります。その他いろいろ御質問申上げたいことがありますが、私が最も重点的に考えておりまするその二点について、政府側の食違いと申しますと語弊があるかも知れませんが、考え方の相違を、ここで本当に相違があるのか、或いは相違がないのか、その他この外にこれを入れなければならない何らかの事情があつたのか、そういう点を明らかにして頂きたいと、こう考えるわけであります。
#80
○國務大臣(西尾末廣君) お答えいたします。先にもちよつと申上げたのでありますが、物價改訂の時期が政府において分つている筈であるから、それならばそのことを法文に明記すべきではなかつたか、或いはそういうことを分つておりながら、その点を明らかにしなかつたのは、どうもおかしいというような意味の御質問と承わりましたが、これは政府の責任のある者の扱い方といたしましては、確実に予想できる場合の外は明確なことは答弁ができなかつたし、組合と交渉のときもできなかつたし、又できはしなかつたのであります。即ち先もちよつと申しましたが、加藤君は四月頃には物價の改訂があるだろう、こう認識しておつたようでありますが、私は必ずしもそう思つていなかつた。それはいつになるか、そう長くはないと思いますが、五月になるか、六月になるか、そのことは分らないという考え方であつたし、他の閣僚は又別個の考え方をしておつたかも知れません。そういう不確定なことでありましたから、その不確定な問題について、何月まで暫定であつて、何月からというのではなくして、新らしい賃金が決まるまで二千九百二十円のものは続いて行くのだ。こういうふうに当時組合側との交渉の時に申上げたのであります。第二に、この法律案で職階制の問題等を恒久的に規定することは間違いではないかというように御質問があつたようでありますが、政府の方針といたしましては、午前中にも申しましたように、職階制を含んだ今度の給與体系というものは、これを將來にも基本的な方針として続けて行きたい。但しいろいろな点において、組合側との今後の折衝においても、又或いは今後の情勢に應ずる國会における議決等がありましたならば、勿論それは修正せられて行くことと思いますが、政府の方針としましては、この職階制を、少くとも基本的なものは今後も続けて行きたい、こう考えておるのであります。併しながら第三項における法律の有効期間内のみ、これが適用されるのではないかという御意見につきましては同感でありまして、この法律に関する限り、この法律の有効期間だけ効力があるのであります。法律の有効期間が過ぎれば、この法律に盛られているものは法律的には有効でなくなるということについては同感であります。
#81
○國務大臣(加藤勘十君) 尚栗山委員の御質問でありますが、如何にも二千九百二十円の問題は、一昨日のこの委員会におきましてもお答えいたしました通り、一月の物價を基準として、一月から三月までの暫定的なものであるということは、一昨日も申上げましたが、年度が変つて、尚且つ年度を超えて問題が継続されるということは、財政措置として避けなければならん筈でありまするから、そういう点において私は一月から三月までの暫定的なものである。四月以降において物價改訂等、その他客観的な情勢の変化に基いて、この二千九百二十円の賃金水準の問題もおのずから改訂せらるべきであろう、こう言うたのでありまして、その点は言葉の言い現わし方において、西尾君の言うた言葉と、私の言葉とは、言葉の現わし方においては違つておりまするけれども、その本旨とするところにおいては変つてはいないのであります。それから第二の給與体系の問題でありますが、おつしやる通り、この法律は法十二号の事項を更に具体的に、詳細に規定したものでありまするから、從つて法十二号に盛られた賃金体系の問題も、この法律に関する限りは当然盛り込まれて差支えない。それ以後の新給與の問題については、私は依然として新らしい給與委員会において、政府側と組合側との代表者の間に、あらゆる角度から審議され、そうして決定されることが、一番妥当である、このように思つております。
#82
○栗山良夫君 そういたしますと、もう一度両大臣に確認をいたしたいのは、職階制の問題では、この提案になつております法律に関する限りにおいては、將來の職階制を何ら拘束していない。こういう工合にお考えになつておると了解して宜しうございましようか。
#83
○國務大臣(西尾末廣君) この法律に関する限り、法律有効期間だけ拘束するのであります。
#84
○國務大臣(加藤勘十君) その点は、私もそのようにこの法律に関する限りの問題であると考えております。
#85
○栗山良夫君 そういたしますと、第一條の第三項は私は要らないものである。こういう工合に言わざるを得ないのであります。その点に対しても見解をお伺いしたい。それからもう一つ、西尾大臣にもう一度念のためにお伺いいたしたいことは、先程午前中の委員会におきまして、組合側の考は、一月から三月までと是非ともして貰いたい。そういうような工合に考えておる。政府の方ではそうでないとおつしやいましたが、組合側が一月から三月までの暫定的にしたい、そういう工合に考えておつたことは、あの爭議中の團体交渉の過程において、政府側がそういうふうにお考えになつたのか、或いは最後の協定成立の時にも、尚且つ組合側がそういう主張をして、政府側と話合が着かんために、あの協定書が、この辺が明記されないで終つてしまつたのか、その辺のことをお伺いしたい。
#86
○國務大臣(西尾末廣君) 私は午前中に、組合側は一月から三月の暫定給にこれをして貰いたいという意向だつたし、極力そういうことの協定に持つて行きたいという努力をせられたのであります。併しながら全体的な交渉を纏める時におきましては、政府の職階制、能率給を含んだもの、それから二千九百二十円というものが、新らしい賃金が決まるまでそれは有効である、続くものであるという趣旨を了承せられて調印したと考えます。
#87
○國務大臣(加藤勘十君) その点はですね、一昨日も申上げました通り、簡明率直に協定された條項が、そのまま法文化されることが最も望ましいことでありますが、それにも拘わらず、こういういろいろ協定外の言葉が法文の上に記入されるに至つたということについての事情は、十分御了承のことと存じますが、今私共としてはこれを取除くという、そういう考えは持つておりません。
#88
○中西功君 午前の続きをちよつと……。新らしい給與に基く法律が近い將來に出されると思いますが、その新らしい給與に関する法律は、大体今後どういうふうな手続、或いは又準備があつて、大体どういう時期に出される予定でおられるのか、それをお聽きしたいと思います。
#89
○國務大臣(西尾末廣君) 新給與委員会でも、この問題が多分取上げられることと思いますが、政府におきましては、物價改訂をするにおきまして、物價改訂が確定いたしますると、それに基く賃金の改訂には組合側と相談をするということになろうかと思います。
#90
○栗山良夫君 さつき私第一條の第三項の職階制の、将来拘束をする條文は要らないのではないかと申上げたことに対しまして加藤労働大臣からは、そういう一應の御回答を得まして、西尾國務大臣は今朝午前中は、協定違反でも何でもないのだということをはつきりおつしやつたわけでありますが、今の加藤大臣の言われたことと大体同じ考を持つておいでになると、こう理解してよろしうございますか。
#91
○國務大臣(西尾末廣君) その通りです。
#92
○中西功君 そうすると、新らしい給與に関する法律案が大体出ますれば、この法律案は効力を失うということになるでしようか。
#93
○國務大臣(加藤勘十君) それは一昨日あなたの御質問にお答えした通りですね。この法律は二千九百二十円の支給に関する法律でありまするから、当然二千九百二十円に関するだけの規定でありまして、これが十二月まで効力を持つておるということは、二千九百二十円施行についての、個々の細かいいろいろな問題が起つたときには、この法律で処理されるのでありまするが、新らしい法律が出て、新らしい給與を規定する場合においては、当然その法律によつて処理されるわけであります。
#94
○中西功君 その点さつき西尾國務大臣は、実は法律の有効期間、これが有効だというのは当り前なことなんですね。これは無効になつては法律が有効な筈はないのです。有効期間有効だと答弁されたのと、二千九百二十円に関する法律で、新給與ができる場合は、又別の法律でやるというのでは大分開きがあると思うのです。その点今加藤労相が答弁されたような点で、西尾國務大臣がいいかどうか聽いておきたいと思います。
#95
○國務大臣(西尾末廣君) 加藤労働大臣の言う通りであります。
#96
○中西功君 それでさつき西尾國務大臣は、この二千九百二十円ベースの有効期間といいますか、期間の問題について、新らしい賃金が決定されるまでのベースであるという答弁をなされましたが、これも実に当然のことでありまして、一つのベ―スが次のベースになるまでの間有効だということは、これは当然のことで、一つも何事も答弁していないのと同じなのであります。それでこの問題については、一月から三月までの間なのか、それとも新らしい水準、或いはその他給與が決定されるまでの間であつたのか、これはまあ実に複雑な問題になつておると思いますが、これに関連して問題があると思います。それは西尾國務大臣と加藤労働大臣が了解されておるところの了解事項がありますが、その中には組合側は二千九百二十円の水準を、新給與が決定するまでの暫定措置として受理する。こういうのと、最後の整備委員会が終つたならば、速かに新らしい委員会を設置して協議する、新給與についてはこういうふうにする、こう言う項目が二つあります。この場合新給與というのを西尾國務大臣は一体どういうふうに考えられておるか、即ちこれを單なる物價改訂に伴つて起る措置と考えられるのか、それとも一般にですね、この新らしい給與であつて、必ずしも物價改訂だけの問題に限られるものでないというふうにお考えになるのか、その点自分がなされた協定なのでありますから、どういうふうに理解されてなされたのでありますか。
#97
○國務大臣(西尾末廣君) 当時物價改訂は閣内において問題になつておつたのでありまして、どの程度に改訂するか、いつから改訂するかということが未決定であつたのでありますから、物價改訂が行われれば、当然に賃金も改訂されるものというふうに当時理解しておつたのでありますから、その覚書に含まれておる新賃金という意味は、物價改訂と共に賃金改訂が行われるであろうということを予想しておつたのであります。
#98
○中西功君 併しですね。これは明かに新給與は物價改訂だけの問題じやない、又物價水準だけの問題でないと思う。これは、この中には当然今加藤労働大臣が答弁された範囲においても、新らとい給與については改めて給與体系も論議するのであります。だからここの新給與は、明かに水準の問題と、それから給與体系の問題が入つておるということは、今までの答弁でもはつきりしておる。更に加藤労働大臣は昨日、これには勿論單なる物價改訂の問題ではなくて、給與体系の問題も入つておると、こう答弁されておる。もう一度西尾國務大臣にはつきりして頂きたい。
#99
○國務大臣(西尾末廣君) 中西君から、私共が認めた覚書について御質問があつたから、そのときの私の心境を申上げたのであります。併し新賃金というものがその後決つた場合に、それは必ずしも物價改訂ということにこだわらずに、その他の條件において新賃金が決つて場合においても、その新賃金というものが変つたということによつて、この法律に触れておる、法律に現わしておる新賃金という、加藤君が説明したと同樣な意味において、新らしい賃金という意味は、必ずしもその物價改訂以外の條件で、新しい賃金が決つたことは含まないというような意味ではありません。言換えますと、その点に関しては加藤労働大臣の言う通りであります。
#100
○中西功君 そういたしますと、これが非常に問題になりますが、まあ非常に分けて七面倒臭く言いますと、從來政府側の考え方として、新らしい賃金改訂をするというのは物價改訂だけか、それともその他の條件も含んでやらなければならん場合にはやるというのかによつて、非常に違うと思うのでありますが、今の答弁ではその後者だと思うのであります。必ずしも物價改訂だけではないと思うのです。まあそういうふうに一應当時の政府の氣持、或いは態度を我々は理解するといたしまして……。
#101
○國務大臣(西尾末廣君) そう理解されては困るのです。その点は中西君は重要に取上げて言つておられると思いますから、私から言いますが、私先程明白に申しましたように、当時その覚書を作るときは明らかに物價改訂も近くあり、一ケ月後になるか、二ケ月後になるか分りませんが、ありということを予想してそれは書いたのであります。その時分は明らかに、その物價改訂のことを予想しておつたのであります。併し條文として新らしい賃金の決まるまではということを解釈いたしますると、それは必ずしも物價改訂に限らず、その他の條件によつて、こういうふうに解釈を申上げておるのであります。
#102
○中西功君 併しその解釈としても、若し西尾國務大臣がそういうふうに解釈されておるとすれば、一体この協定を全部踏みにじつておることになるのじやないかと思う。というのは今まで理解されておつた通り、この法律が二千九百二十円に関する法律であつて、新らしい新給與については勿論ベースも、又そういう給與体系も新らしく組合側と協議するんだと、こういうふうな態度をとつておられるわけです。新給與というものについては、そういう二つが明らかに含まれておるわけです。又そういう見地で調印をされたのであろうと思うのです。ただここで急にこの新給與は実に物價改訂だけだ、こういうのは私は明らかに言い逃れだと思う。それで加藤労働大臣は昨日確かそういうふうには、我々は説明されなかつたと思います。そうすると、まあ西尾國務大臣の意向では、協定したときの、この新給與というものは、これは物價改訂を我々は予想しておつたのだから、大体これが内容だ、こうされるわけです。そうすると、この了解事項の六の新給與に関し審議するために、新給與整備委員会の審議終了後、速かに委員会を設置、協議するということになると、新らしい給與委員会は、ただ物價改訂に伴うべースを一應協定するというふうに、西尾國務大臣はその考えられておつたわけですか。そこではただもう基本的な給與体系なんかは、もう協議しないのだ。そしてそういうものとして新給與委員会を提唱されておつたのですか。
#103
○國務大臣(西尾末廣君) 新給與委員会はできるだけ早く発足するようにして貰いたい、そういう組合側の要求に基いて、それをすることになつたのであります。それだけであります。但し、その時分の新らしい考え方といたしましては、これは私自身の考え方でありますから、何も表明したものでもなんでもありませんが、多分組合側の方においては、給與体系のことについてもいろいろ議論も言われるだろう。政府についていろいろ言いたいこともあるだろう。或いは給與の問題についてもいろいろ組合側にも言いたいところがあろう。そういうことは、いつでも組合側の方から政府の方に話かけたい、相談したいということがあれば、いつでも政府としてはこれに應じて、話合に應ずるというのが政府の立場でなければならんと考えておつたのでありますから、組合側にそういういろいろな話があれば、それは委員会で一つ十分に聞きましよう。如何なる御意見があるか知りませんけれども、それは聞きましよう。こういうつもりであつたのであります。
#104
○中西功君 もう一遍はつきり聽きますが、そういたしますと、西尾國務大臣は、調印をされるときには、この新給與とは、專ら物價改訂に伴う新らしいベースの変更であるということ。そして給與委員会をここに提唱してあるわけですが、これも專ら物價改訂に伴う新らしいベースをここでやる。その他の問題は組合側から特別な何か要求でもあれば考えてもいい、こういう考え方で調印をなされたと、こういうふうに了解してよろしうございますか。
#105
○國務大臣(西尾末廣君) 大体その通りでありますが、交渉の過程において、賃金の体系につきましても、賃金の水準につきましても組合側の方に不満がある。不満があるけれども、一應調印する、併しできるだけ早く、これはもつと変えたいという組合側の意向があつたことを私は看取しておつたのであります。それで恐らくは組合側はそういうことについて早く政府と話合をしたい、こういう意向だと付度して、さつきも申しまするように、委員会をできるだけ早く持つようにしたのでありますが、その中で審議せらるるものは政府としては、午前中からもしばしば申しておりまするように、給與体系の基本は変えない方針である。それから賃金水準は予想される物價改訂の時まで大体変えないつもりである、そういう大体考え方を持つておつたのでありますが、組合側が希望するならば賃金体系の問題、賃金水準の問題についても、それは御相談に應じようと、こういうつもりであつたのであります。
#106
○中西功君 そういたしますと、もし或る事故が起りまして、そういう物價改訂が可なり時期が長引くというときになつたとき、組合側が四月以降の給與について新給與委員会で協議したい、こういうふうに若し申出た場合には、政府の態度は一体どうであつたわけでありますか。
#107
○國務大臣(西尾末廣君) どうであつたわけであるかという過去のことをお問いになるんでございましようか。これからのことをお尋ねになつたのですか。
#108
○中西功君 これからのこともあり得るかも知れません。
#109
○國務大臣(西尾末廣君) 過去はそういうことはなかつたのです。
#110
○中西功君 もう一度言いますが、政府の肚としては、新物價改訂に伴うというふうに考えておつたでしようが、組合としては、勿論はつきり言えばそうは考えていなかつた。組合の意向としては、物價改訂があれば、勿論これは改訂すべきものであります。併し四月以降については、新給與委員会において物價改訂があるなしに拘わらず、新給與水準体系が協議されると、こう考えておつたわけであります。でありますから、ここで政府側は專ら物價改訂ばかりに営々としておるわけであります。だから新給與云々の問題の理解についても、それが物價改訂であつたというふうに言つておるわけなんであります。今後新給與委員会が開かれて行きますが、その場合に組合側が、新物價改訂に伴う問題は勿論だが、四月以降の給與につきましても、この新給與委員会の議題にしたいと、こういうふうに要求した場合には、これはどうなるのでありますか。
#111
○國務大臣(西尾末廣君) 中西君の只今の御質問で、過去のことでなく、今後のことであるということが明らかになりましたが、それで今後組合側から、四月からの賃金を、新賃金を決めたいということを、申し出がありましたならば、政府は反対であります。
#112
○中西功君 それで、ここでもうちよつと西尾國務大臣に聽きますが、政府がこの法十二号の法案においても、その賃金を決定する場合に、その方法及び原則というものは採用すると、こういうふうに書いておりますが、臨時給與委員会の報告書、この報告書には、この二千九百二十円のベースが、一月から三月のものであるという意味がはつきり入つております。これが一つです。先に加藤労働大臣が、この二千九百二十円は一應当時といたしまして、予算的措置から見ても一月から三月と考えるのが当然であると、こういうようなことを言われました。更にこれはもつと遡りまして、昨年から始つて、昨年の八月から問題になつておるこの問題は、一應これはくどくど言いませんが、一應これは誰でも実際は一月から三月、少くとも二十二年度の問題であると我々はこう理解しておりますし、労働組合も理解しておる。そうして労働組合では御存じの通りに、物價改訂があれば勿論のこと、改訂がない場合においても、四月以降には新賃金を政府ともう一遍再協定する、こういうふうに考えておつたから、これが了解事項の第六号に載つておるわけであります。だから私達として、これが一月から三月のものであると考えるのが当然だと思います。ただ私は西尾國務大臣に非常にはつきりお聽きしたいのは、この前の爭議の時でも、西尾國務大臣は非常に民主的に作られた臨時給與委員会の決定を、政府は極力尊重してやるのだ、だから非常に政府の立場は公正なんだ、民主的なんだ、こう言われましたが、臨時給與委員会の報告書は、一月から三月頃ということにはつきり取れるようになつておる次第であります。外の部面にはそういうふうに、これは民主的なんだ、公正なんだと言つて置きながら、自分の都合の惡いときには、そういうふうに臨時給與委員会の報告書に反しておる、こういう事情があると思うのであります。私は爭議の過程で西尾國務大臣から、これは政府が尊重しておつたのだということを私は聽いた。一体政府は何を尊重しておるのか、こういう都合の惡い問題になつて來ると、いつでも抜けてしまうのです。その点もう一遍はつきりお聽きしたいと思います。
#113
○國務大臣(西尾末廣君) これは報告書の全文を読んで頂きますと、中西君の言われたように、これは一月から三月までは暫定に決めたものであつて、四月からは新らしい賃金を決めるんだ、そういうふうにはないということが御理解頂けると思いますが、文章も重要でありますが、文章よりも、私午前中に申しましたように、一月から三月までの措置として、四月から新らしく又賃金の相談を始めて行くんだということにしたいと考えまして、非常にその点を繰返し繰返し折衝したのであります。で繰返し繰返し折衝した結果、そうじやないんだ、これは新らしい賃金が決まるまで、この二千九百二十円というものは続くのだ、若し極端な譬え話をすれば、これは一年経つても、三年経つても新らしい賃金が決まるまでは、改訂賃金が決まるまでは、これが有効なんだということを私が申上げたりしまして、その文章よりも、組合側といろいろ折衝したその協定の事実は明らかにあるのです。これは一月から三月までの暫定的のものでなくして、新らしい賃金が決まるまで、二千九百二十円の賃金が支拂われるんだということになつておることを御了解願いたいのであります。
#114
○委員長(黒田英雄君) 中西君まだ長いですか。成るべく簡單にして下さい。
#115
○中西功君 それでこの法律が二千九百二十円に関する法律であつて、この二千九百二十円の支給が終れば、又これが効力がなくなるし、又それ以外の問題にはこれは適用されないということになるわけでありますが、さつき栗山委員から説明になりましたように、第一條の一項における、特に三項でありますが、ここで十四條の規定が非常に恒久化されておるわけであります。それで又この法律の第一條の第二項において、この法律のすべての規定は、十二月三十一日まで効力があるということになつております。ところが実際今まで私達は政府側から聞いておる答弁では、ともかくもこれは二千九百二十円の法律なんだ、ところが実際にこういうふうにして、期日においても十二月三十一日まではすべての規定が有効である。こういうふうになつております。第三項においてはもつとこの十四條の規定が恒久化されておる。これが基本的に言えば、組合側と協定したものと、政府が今度確定になつたものとの食違いがあるのです。それで私は今まで政府側に質問しましたように、明かにこれは大きな食違いであつて、協定に反しておると思う。で実際のことを言つて、これは三千九百二十円の法律であつて、今までに答弁されたように、新給與法が出ればこれは無効になるのです。新給與の問題については、又新らしくやるんだということになつておれば、一つもこういうような恒久化す方法は要らないのであります。でさつき西尾國務大臣の有効期間というような言葉も出て來たわけであります。それでこういう点が私は具体的に言えば、反するということを言う意味なのです。而もこれは単なる多少の食違いとか、或いは政府が勝手に、余り趣旨に背かないように入れたというような言葉では済まされないので、これを西尾國務長官は反しないと今でもやはりお考えになるのか、反しないとなれば、一体これは実際のことを言つて、今まで答弁されたものが、この法律があるために、結局又引繰り返つて、この有効期間ということは有効だということになるのです。実際に今まで答弁されたように大体行けば、これは要らないのです。あつては困るのです。あるために又結局これは矛盾してしまうのです。だからですね、そういうことが、例えばすべての規定はこれは十二月三十一日まで有効だ、十四條のこの職務の分類はこれはもつと先まで有効だ、こういうことになれば今まで言つておつたことは皆覆えされてしまう。だからその点をもう一遍よくお聽きしたい。
#116
○國務大臣(西尾末廣君) これはこの法律の有効期間の最長を決めたのでありまして、十二月三十一日になれば、この法律の効力を失うのであります。最長を決めたのでありまして、最長を決めたということは、決して組合側と團体交渉して協定したことを行うのに邪魔にならん、有害にならん、かように考えるのであります。そうして私共の大体判断から申しましても、十二月三十一日までには二千九百二十円を支給するという事実は、もう終了してしまうのじやないか、終了してしまえば、その法律以外のことにはこれは適用しないということでありますから、こういう法律が仮に存在しても、それは死法のようなものであつて決して協定を阻害する、協定に反するようにはならない。かように考えますので、私はやはりこの法律は團体協定に反していない、こう考えるのであります。
#117
○中西功君 第三項を……。
#118
○國務大臣(西尾末廣君) 第三項も同じであります。
#119
○中西功君 いや、もう一遍さつきのように具体的に言つて下さい。如何に反してないか。
#120
○委員長(黒田英雄君) 今第三項も同じだという答弁です。
#121
○中西功君 いやいや、だから具体的にどういう時に反してないかということを……。
#122
○國務大臣(西尾末廣君) どういう時に反してないかということは、こういう点であなたが反しているのじやないかということを立証されれば、私はこういう点で反していないと言えるので……。
#123
○中西功君 それじや言います。第十四條は十五階級に分けた職務の分類なんですね。この職務の分類については、この度十五階級に分けましたが、この分類の仕方は、実際組合側との間に相当意見の相違がある。で、今度の新給與委員会においても、又私はやはり揉めると思う。ところが実際にこういうふうに書いてあれば、もう新給與委員会じややはり問題にならないじやないですか。新給與委員会でもう一遍十四條の職務の分類もやるということになると思うのですが、実際にこの法律がこうやつて有効なんです。それじや明かに、反しているじやないかと思う。
#124
○國務大臣(西尾末廣君) この第三項につきましては、これは七月一日から公務員法が実施されるのでありますが、そうなつて來まして、その公務員法に基く人事委員会によつて、職階制その他のことが立案せられて、國会の承認を経たならばこの法律は無効になる。つまり人事委員会において、新らしい職階制等についての法律案が立案せられて、そうしてこの國会に出されて、出された後に、それが決まつた場合においては、これが効力を失する、こういうのでありまして、問題はその時に公務員法に基く委員会が立案せられたものが、國会に提出せられた時に、それが協定に反するかどうかというようなことが、その時に問題に、或いはなることはあるにいたしましても、この法律としては、國家公務員法という一種の基本的な法律に席を讓るのであります。こういうものでありまして、決して協約の趣旨には反してないと思います。
#125
○中西功君 そこが問題だと思うのです。今まで我々が聞いて來ましたのは、二千九百二十円の法律であつて、新らしい新給與に関する法律が出れば、又これは無効になる性質のものだし、又今度の新給與委員会においても、政府は政府として勿論自分の主張を主張するでしようが、組合も組合の主張を、自分の主張を團体交渉的に主張することができるという話だつた。ところが十四條の規定に関しては、これはもうそういうことに無関係に、これはいわゆる國会の承認を経て、法律が実施せられるまでは有効であると、こういうふうになつておるのです。で、第三項の規定によつて、政府側が言つて來たことが、全く無意味だということになる。それから矛盾しておるということになります。もう一遍言いましようか、どうもお分りなさそうですね、この新法律は、二千九百二十円の法律なんです。新らしい給與が決まれば、又新らしい法律が出る。そうしてその場合には、組合側と、新らしい法律を作るについても、政府においても團体交渉的に決めるわけです。そうしてそれが國会に出されるわけです。でその場合に、第十四條の職務の分類を、十五階級に分けた、分類も、政府側は或いは十五分類を主張するでしよう。或いは組合側はそうじやなく、もつと違つた合類を要求するかも知れない。その場合は團体交渉として第一にやれるという性質のものだと、今まで答弁を受けておる、ところがここでは、法律的には十五分類は動かんということに決まつておる、團体交渉はこれに関する限りできないということになる、無意味だということになる、だからこの項目は今まで政府の答弁しておるものと矛盾しておると我々は見るのです。
#126
○國務大臣(西尾末廣君) 中西君の重ねて御説明でありますけれども、政府では矛盾しておらんと思います。
   〔発言を求める者多し〕
#127
○中西功君 ちよつと待つて下さい。まだ僕の質疑は残つておるんです。この法案を私達が最初説明を聽いたときには、政府側としても、この組合の協定を非常に相違する点、これをはつきり認めておつたのであります。ところが今日に至つて西尾國務大臣は、頭から協定に反してないと、こういうふうな態度で出て來た。ところが実際によく考えて見れば、常識ある人が考えて見れば、今まで政府が答弁して來ておるのと、この法律の三項や二項は明らかに矛盾しておるのです。矛盾しておるならば、矛盾しておると率直に認めればどうかと思う。これは私は加藤労働大臣は、この間も止むを得ざる事情があるということを言われた、政府委員の方からもいろいろ止むを得ざる事情があるということを聽いた。それならそれとして、そういうことを西尾國務大臣がそういうふうに認めるなら、又別でありますが、併し頭からこれを反してない、反していることを反してないと言い出した、それでもう一遍加藤労働大臣に、この問題について、これは組合側とこの食違いの性質について、もう一度答弁を要求したいと思います。
#128
○國務大臣(加藤勘十君) 中西君はちよつとどうも誤解があるんじやないかと思うんですね。それは、この法律は二千九百二十円支給に関する法律であるということは御理解の通りなんです。從つてこの法律の中に規定してあるすべての條項は、二千九百二十円支給に関する規定でありまするから、從つて今度別な形において新給與が決められまするとき、又別な支給規定が設けられることは当然でありまして、その場合にどういうことが、この規定の中に加えられるかということは、組合側と政府側との話合の結果纏まることでありまするし、それから又、今この法律がここで時間的な問題として審議されまする場合に、七月一日から実施せられる國家公務員法というものも、当然頭の中に置かれなければならん点でありまして、その國家公務員法に基いて只今西尾君の言うような事柄が定められて、國会の承認を経たならば、この法律は無効になる、こういうことでありまするから、この法律の規定によつて新らしい別個のものを拘束しよというのではないのであります。この点は、私は西尾君が簡單に矛盾しないと言いましたけれども、その趣旨においては矛盾はしてないのでありまして、ただ書かなくてもいいことが、書かないで済めば、そのままで済むわけでありますが、それをこういう、書かなくてもよいと思われる事柄を書かなければならなかつた事情においては、今井給與局長も釈明しまする通り、又私も先般申上げました通り、眞に止むを得ざる事情に基くものである。この点については御了承を願いたい。こういうことは私や今井給與局長からしばしば申上げておりまするので、西尾君もそういうことを了承しておりまするから、簡單に結論だけを申上げた次第であります。この点は誤解のないようにして頂きたい。
#129
○中西功君 じやもう一遍西尾國務大臣にお聽きしますが、加藤労働相の言うことを聽いておると分つた氣がするのですけれども……(「同じ事じやないか」と呼ぶ者あり)はつきりしないやありませんか。それでこの第一條第三項の法律的効果の問題でありますが、これだけを見ていますと、これは二千九百二十円の実施如何の問題に拘わわらず、これは十四條に関しては、これに関する規定ができるまでは有効だというふうな書き方がしてあるわけなんです。それでここではつきり西尾國務大臣にお聽きいたしますが、これは実質的な理解だと思うのです。この等三項も、これは二千九百二十円の問題に関する條項であるということ、そうして二千九百二十円の支給が済めばこれも勿論効力をなくするということ、更にこの條項はその他の今後起る新給與の一貫する交渉については、聊かもこの條項自身が影響を與えるものではない、こういうこと。序でに第二項について言いますれば、昭和二十三年十二月三十一日と言つておりますのも、これもただ今井給與局長が説明しておりますように、遅くともこういう期限であつて、これはやはり二千九百二十円の実施だけを問題にしておるので、それ以外のことには、この期日がたとえあつても一切関係がない、こういうふうに理解していいのでありますか。
#130
○國務大臣(西尾末廣君) 中西委員が極めて明快に問題を整理せられましたが、その通りであります。
#131
○小林米三郎君 この程度で質疑應答を終つて、進行を願いたいと思います。
   〔「賛成々々」と呼ぶ者あり〕
#132
○中西功君 もう一つ……
   〔「賛成々々」と呼ぶ者あり〕
#133
○中西功君 もう一つ簡單なんですが……。
#134
○委員長(黒田英雄君) 先程小林君から動議がありましたが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#135
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。然らば質疑は終了したものと認めます。
#136
○中西功君 私は異議があります。
#137
○委員長(黒田英雄君) まあいいよ。質疑が終了いたしましたから、これより討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#138
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは只今より討論に入ります。御発言のある方はお述べを願いたいと思います。
#139
○中西功君 ちよつと待つて下さい。さつき栗山さんから、その前に懇談会をして呉れと要望しておりましたが……ああそうか。
#140
○栗山良夫君 私はこの法律案に対しまして、修正案を提出いたしたいと思います。修正個所は簡單でございまして、第一條の第一項中に「人事及び」とあるのを削ります。第一條第二項中「この法律のすべての規定は、昭和二十三年十二月三十一日(法律をもつてそれ以前の期日を定めたときは、その期日)限り、その効力を失うものとする。」を削る。第一條第三項削除、これだけでございます。この修正案を提出いたしました理由は、すでに質疑応答の中で明らかに私も述べましたように、この法律案の基本的な性格は、法第十二号の具体的実施を規定すべき性格を持つものであります。それに政府と全官公労組との間の爭議の過程において取交わされましたところの、政府職員の新給與実施に関する法律案要綱並びに西尾、加藤両大臣の了解事項、こういうものの完全な裏附けがあつた。而もそれが性格の全部でありまして、それを超えた性格は、この法案には無用である、却つて有害である、こういう工合に考えたためであります。そうして只今修正をいたしました問題は、その中の極めて重要な部分だけに限定をいたしたわけであります。特に私が修正をせざるを得なかつたのは、この提案をせざるを得ませんのは、爭議の平和解決は、先程西尾國務大臣にも私は質疑をし、又答弁を頂いたのでありますが、形式的には爭議の協定、調印によつて一應解決をいたすのでありますけれども、実質的にはこの協定の内容に亘りまして、極めて具体的に、而も誠意を以て完全に実行に移すところまで行かなければ、爭議の平和解決ということは完璧でないと考えるのであります。そうしてその時に初めて、当事者におけるところの信義というものが如何に守られたか、どうかということが立証せられるわけであります。この法律案は、そういう意味におきまして今年の春の全官労と政府との間の爭議の実質的解決を図る最も重要な法案であるわけであります。而もその法案の中に、團体交渉の過程において論議をせられませんところの重要な問題が、全官労組との了解になく、政府から一方的の條項として、挿入せられております点は、私共がこれを認めるわけには行かないと思うのであります。若しこういうような團体交渉において信義が破られて行くということになりますれば、恐らく現在のインフレ下におきまして、労働不安は続くでありましようが、爭議も恐らく絶無を期するわけには行きません。そうしてそういうような爭議が起きました場合に、政府の信義が疑われるということになりますならば、全官労組の側といたしましても、政府の所信に対して疑心暗鬼たらざるを得ないのであります。その当然の結果として、爭議は勢い長引き、而も紛糾を極めて行く、こういうことにならざるを得ないと思います。以上のような將來の労働平和、こういうような観点からいたしましても、私は是非共この只今提出いたしましたところの修正案は、御採決を頂きたいと、こういう工合に考える提案をいたしたわけであります。極めて簡單でございますが、提案の内容並びに提案の理由を説明いたします。
#141
○木村禧八郎君 私は只今栗山委員が御提出になりました修正案に賛成するものであります。その理由は、只今加藤労働大臣も、いろいろ御説明がありましたように、この修正案の問題になつておる個所、これにつきましては、加藤労働大臣の御説明のように、この法律に書かなくても、この法律の効果には別に支障がないというようなお話であつたのです。然るにこういうことを書いたために、これまでの論議においても、各委員及び政府側との質疑應答においても、はつきりと分らない点がいろいろありまして、何だかそこに割切れないような点があると思うのです。こういう法律案は、政府及び全官公の組合員との協定内容を、はつきりと明確に示して、一点の疑のないように規定することが、栗山委員の言われるように、爭議の平和的解決に非常に貢献するのではないか。そういう意味において、今回のようなこういう法律案を承認するということは、今後に惡弊を残すのではないか。こういう意味合において、私は栗山委員の修正案に賛成するのであります。
#142
○中西功君 私も栗山氏の提出された修正案に賛成であります。ただ我々共産党といたしましては、この修正案に止まらずに、もう少し修正をしたいと思つておるのであります。その修正の諸点について、ちよつとここで申したいと思います。條文的に申しますれば、第一條第一項中に、「この法律は、」という次に「二九二〇円を一月にさかのぼつて支給するための法律案である、」ということをはつきり入れること、これは協定にそう書いてあるのであります。更に第一條第一項中にあります「政府職員の人事及び給與」の「人事及び」を削除します。これは栗山さんと同じ点であります。それから第二項中、これは栗山さんと同じであります。それから第三項は全部削除でこれも同じであります。
 もう二つありますが、第二十一條を我々は全文を削除して頂きたいと思つております。更に第二十二條中におきまして、「又はこれらの者に対しその決定を更正すべき旨を命ずることができる。」というのを「又は相互の協議によつて決定することができる」、こういうふうに改める。第二十九條の第一項中に「財務局及び税務署に在勤する政府職員に対する税務特別手当の支給に関する法律(昭和二十二年法律第百六十八号)による手当その他この法律による給與に相当する給與は、」とありますのを、これを削除したいこう思うのであります。栗山委員から出されました修正案に対しまして、私達は全面的に賛成しますと共に、尚我々党といたしましては、もう少し修正したい、こう考えて以上のような項目を並べたわけであります。その点少し私が新らしい提案をしておるわけでありますので、この提案の説明をいたします。
 政府が折角組合側と或る妥結点に達して、そうして法律案要綱、試案まで作つて置きながら、急にこれを法文化いたしますときに、別のものを加えたという点は我々の実に遺憾とするところでありまして、こういうふうなやり方では、折角解決して置きながら再び又この問題をこじらす、こういうふうなのであります。で、私はこの点だけではなくて、今まで政府が執つて来た官公廳の労働爭議に対する態度は、すベてこういうふうな状態であつたと思うのです。そういうことを伺つております。從つて又これを非常に重要視するわけでありますが、全く若しこういうふうにですね、折角約束したものまで簡單にこれを覆えして行くというふうな信頼の置けない政府の態度、これこそが最近のいわゆる労働紛爭、そうしたものを実際において起しておる原因だと思うのです。ですからこういう点はです、こういう法文が入つたために、私は今後非常に又労働爭議関係が紛糾すると思うのです。ですから是非ともこういう点は協定の範囲でやることが正しいし、それによることは全体の日本の立場、今後の情勢から言つても、こういう点を考えて貰わなければ困ると思うのです。これは栗山氏の提案の理由とこの点は同じであります。それが二十一條の全文削除は、これは社会党が出されました修正案におきましては、欠席した場合ということになつておりますが、これは今日そういう修正も決して無意味ではないと思いますが、私達はもう一歩進んで、この條項を削除して貰う。そうする方が今後の組合運動に対しても余りに紛糾が起らないのだ、そう思うのです。それから第二十二條、これはこういうふうに改めて貰いたい。即ち「更正すべき旨を命ずることができる。」というのを、これを「協議により決定することができる。」と、こういうふうに改めて貰つた方が万事好都合に行くと思うのです。それから第二十九條の第一項の、財務局特別手当の支給に関しては、これはこの前も私申しましたが、我々が大体國会で税務職員の給與委員会の小委員会を設けて、この問題を討議いたしましたときに、あの当時といたしまして、徴税をどうしてもやらなければいけない。そのためには税務職員に何か生活を改善するか、手当を出すか、いずれかしなければいけないというのでできた法律であつたのであります。そのときに調査手当或いは危險手当というものが出ましたが、この法文を正しく執行して行きますと、そういう危險手当もこれはなくなつてしまう。ですから我々といたしましては、そういう財務職員の危險手当は是非とも残して、徴税の公正な完璧を期して貰いたいと思うのです。そういう意味でこの二十九條のこれは削除する、即ちこの項は削除する。税務特別手当を残して頂きたい。これは恐らく私はこの予算関係や、財政金融関係で、徴税の実際を知つておられる人は、税務職員が如何に薄給の下にあつて、或る場合には極めて危險な状態にあつて危險手当を貰うくらいは当り前であるというふうな点は誰だつて賛成できると思う。そういう点は私達危險手当を残すという意味において、この二十九條のこれを削るわけであります。こういうふうな点が私の特別な修正案の諸点でありますが、私はこの政府職員に関する今度の法律案程矛盾に富んだ、矛盾撞着したものはないと思います。政府側の答弁を見ましても非常にその辺曖昧である。私といたしましては、結局最後的に政府のはつきりした意見を聽くことができなかつた。西尾國務大臣に至つては、これ程明白に協定と違つておるのに、協定に反しないというふうなぬけぬけした答弁をしておる、非常に怪しからんと思う。これは又実際におきまして日本の政府、現在の日本政府自身が非常に信頼の置けないものであるということを非常によく示しておると思う。実際嘘をついておる。苟くも國民の風上におつて、こんなぬけぬけした嘘をついておるということは怪しからん。これを我々國会としてそのまま見過しておつたのでは。苟くもこれは國民に対して済まないと思う。そういう点で私はこの財政委員の方が大局を考えられ、是非とも栗山氏の修正案に賛成して頂くようにお願いしたいと思つております。
#143
○木内四郎君 私は原案に賛成する者であります。尚栗山君から修正案が出ましたけれども、先程政府当局から縷縷御説明のありましたように、又その間に加わりました諸般の事情から止むを得ない点もありますので、私は栗山委員の修正案には賛成することはできません。又中西君からもいろいろ趣旨を明らかにするために、数ケ條の修正案が出ておりますけれども、そういう点につきましても、当局から十分説明がありましたので、皆さん御了解願つておるものと思つております。ああいう修正案を加えませんでも、この法律の目的を十分達することができると思います。そういう意味におきまして
   〔「危險手当がなくなつてしまうではないか」と呼ぶ者あり〕両君の修正案に反対する者であります。
#144
○委員長(黒田英雄君) 他に御発言もなければ、討論は終結したものと看做して、直ちに採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。政府職員の新給與実施に関する法律案につきまして採決に入ります。まず栗山良夫君から御提案になりました修正案を議題といたしまして、本修正案を当委員会の修正案といたすことに御賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者少数〕
#146
○委員長(黒田英雄君) 少数と認めます。(「修正案にならない」と呼ぶ者あり)よつて栗山委員提出の修正案は否決されました。
 次に中西君の修正案を議題といたしますが、この中の栗山委員から御提案になつて、先に否決されましたと同一の條項は除きまして、その他の條項につきまして採決をいたします。只今申し上げましたように、栗山君と重複する部分を除いた中西委員の修正案に御賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者少数〕
#147
○委員長(黒田英雄君) 少数と認めます。よつて中西君の修正案は否決されました。
 次に原案全部を議題といたします。本案に賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#148
○委員長(黒田英雄君) 多数と認めます。よつて本案は多数を以て原案通り可決されました。尚本会議におきまする委員長の口頭報告は、前例によることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それから委員長が議院に提出する報告書に、多数意見者の御署名を付することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
   〔多数意見者署名〕
#150
○委員長(黒田英雄君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事      伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           玉屋 喜章君
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
          尾形六郎兵衞君
           木内 四郎君
           田口政五郎君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           小林米三郎君
           高瀬荘太郎君
           高橋龍太郎君
           山内 卓郎君
           中西  功君
           栗山 良夫君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 北村徳太郎君
   労 働 大 臣 加藤 勘十君
   國 務 大 臣 西尾 末廣君
  政府委員
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
ソース: 国立国会図書館
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