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1947/06/10 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第34号
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1947/06/10 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 財政及び金融委員会 第34号

#1
第002回国会 財政及び金融委員会 第34号
昭和二十三年六月十日(木曜日)
   午後三時十三分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○内閣總理大臣等の俸給等に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○軍事公債の利子支拂の特例に關する
 法律案(内閣譲付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒田英雄君) これより委員會を開會いたします。本日は先ず内閣總理大臣等の俸給等に閲する法律案を議題にいたしまして御審議を願いたいと思います。先ず政府委員の提案理由の御説明を求めます。
#3
○政府委員(今井一男君) このたび本國會に提出いたしました内閣總理大臣等の俸給等に閲する法律案につきまして、提案の理由を御説明申上げ、各位の御審議をお願いいたしたいと存じます。
 内閣總理大臣、國務大臣その他日本國憲法第七條の規定による認證官の擢當する職務の内容と責任とは、特に重大なものがありますので、從いましてその給與は、その職責に眞に相應したものでなければならないことは申すまでもありません。尤もだだ單に職務に相應した給與という原則からだけでは、一般の公務員と選ぶところはないわけでありますが、これらの者は原則として管理者、監督者としての地位にあり、一般動勞者と同一に律することが必ずしも適當でない面がありますると同時に、これらの者の職務内容は、それぞれの官職に應じて明瞭でありますので、從來からこれらの者に封ずる給與は、一般官吏とは別にそれぞれ官職別に定額を定めると共に、給與の體系におきましても、一般官吏とは違つた獨自の制度を取つて参つたのであります。即ち、俸給の額は一般官吏よりも高い額にいたしますと共に、報酬は俸給一本で支拂い、家族手當や勤務地手當は支給しない建前といたしておつたのであります。ただその法制の形式といたしましては、今までは一般の官吏と同様に、官吏俸給令その他の規定によつておりまして、特別の法令は制定せられていなかつたのであります。
 今回政府職員の新給與實施に關する法律が制定せられ、一般官吏の給與制度に大きな改正が加えられるのに伴いまして、内閣總理大臣等の給與についても、その給與額その他の點につきまして、これを改正する必要が生じたのでありますが、前に申上げましたような、從來からの資情でありますのでこの際從來の方式を改めまして、これらの官吏につきましては、一般官吏とは別個の法律に規定することといたした次第であります。尚裁判官その他認證官等でありましても、從來から特別法に規定されておりまする者につきましては、それぞれの法律を改正し、又は新たな法律を別途制定いたし、その給與制度に所要の改正を加えることといたしました。
 今回の制度で從來と異なつております點は、總理大臣等の給與について、從來各種の法規と別々に規定されておりた事項を、統一的にこの法律に規定したこと、俸給額を相當増額したこと、從來の給與に新たに勤務地手當を加えたこと、及び俸給の支給方法に改正を加えたこと等であります。
 この法律案の内容を簡単に御説明申上げます。先ずこの法律の適用を受ける者は、第一條に規定してありますように、内閣總理大臣、國務大臣、會計検査院の検査官、人事委員會の人事委員長及び人事委員、特命全權大使、宮内府長官、侍從長及び特命全權公使であります。その俸給月額は別表に掲げてありまする通り、内閣總理大臣二萬五千圓、國務大臣、検査官、人事委員長、人事委員及び特命全權大使がいずれも二萬圓、宮内府長官一萬八千圓、待徒長及び特命全權公使がいずれも一萬五十圓であります。
 次に俸給の支給方法といたしましては、先ず支給期日は、從來は各省で多少異なつておりましたが、今回は内閣樹理大臣等には、いずれも毎月二十一日に支給することといたしました。又俸給支給の始期は、從前は發令の翌日からとなつていましたが、これを今回は發令の常日からに改めると共に、俸而支給の終期としましては、從前は退団又は死亡の場合、その月分の俸給全観を支給する建前でありましたのを、今回は退官又は死亡の當日まで日割により支給することに改めました。このような場合の日割計算の方法といたしましては、從來は月額をその月の現日賦で除して得た額を日額としておりましたのを、今回は月額の二十五分の一を以て日額とすることにいたしました。
 次に俸給以外の給與として、勤務地手當を新たに設けまして、俸給の補完的作用をなさしめることといたしました。その支給率等は一般官吏と同様であります。その他に退官又は死亡の場合には、從前同様退職手當及び死亡賜金を支給する旨、及び實費辨償として派費を支給することを規定いたしました。筒内閣總理大臣等には、扶養家族に封ずる手當は今まで通り支給いたさないことといたしております。最後に、この法律による給與は、本中一月一日に遡及してこれを支給すること、すでに支拂われた給與は、この法律による給與の内拂と看做すとと等は、一般政府職員に封ずる取扱と全く同様であります。
 以上、この法律案につきまして、立衆の趣旨及び法律案の内容につき御説明申上げた次第であります。何とぞ速かに原案通り御贊成下さいますよう希望いたします。
#4
○委員長(黒田英雄君) 次に軍事公債の利子支拂の特例に関する法律案につきまして、政府の提案理由の説明を求めたいと思います。
#5
○政府委員(森下政一君) 只今議題となりました軍事公債の利子支拂の特例に関する法律につきまして、その提案の理由を御説明いたします。
 現下のインフレーシヨンを克服するためには、その前提として、實質的健全財政を確立する必要があることは論を俟たないところであり、そのためにはあらゆる可能な財源を動員すべきことは勿論であります。從って軍事公債の利拂についても、政府は三葉政策協定に從いまして、本年七月一日から向う一ヶ年間に支拂期日の到來する利子に限り、これを元本の償還期日に、元本と共に支拂うこととし、以て當面急を要する均衡財政の確立に資すると共に、この措置によつて生じた財政的餘裕は、これを災害對策費、教育費及び生活困窮者救濟費等に充てることといたした次第であります。他方において、政府は本措置の軍民経済及び國際信用に及ぼす影響を最小限度に止めるため、今回の措置の対象を嚴に軍事公債に限り、且つ一年限りの特利措置といたしました。而して本措置により、銀行その他の金融機關等が受けることあるべき影響を調整するために、政府は萬全の措置を講ずる考えであります。
 又政府は英、米、佛等において發行いたしました外貨公債の利拂については、平和克服と共に速かにその支拂を實行する考えであることは勿論でありますが、丙國債に對する今回の特利措置につきましても、國際信用維持のたの、外國人の所有する軍事公債の利拂については法律を適用しないことといたした次第であります。
 次に本案の内容を説明いたします。先ず第一に、本措置の対象たる軍事公民の範囲でありますが、軍事公債の範囲は、支那事變國庫債券、支那事變特別國庫債券、大東亞戰争國庫債券、大東亞戰争特別國庫債券、これに限定することといたしました。その理由は、これらはすべて戦費調達のため發行した國債であり、且つその旨を名構に冠しているものでありまして、本措置を實施するについても、技術的に比較的容易であるからであります。尚支那事變及び大東亞職事の各構を冠している軍事公債であつても、割引國債はこれを除外いたしました。
 第二に、前述の軍事公債の利子で、昭和二十三年七月一日から昭和三十四年六月三十日までの一ケ年間に支拂期日の到來するものに限り、その支拂期日は、これを當該軍事公債の償還期日として定められている日に變更することといたしました。
 第三に、これに伴なつて國は、軍事公債の償還の日において、支拂期日を變更した利子を支拂うときは、その利子の金額に射して、従前の支拂期日から當該軍事公債の償還期日までの期間に應じ、年三分五厘の割合を乗じて得た金額を、當該利子の金額に加算して支拂うことといたしました。而してこの加算して支拂われる金額は、所得税法等他の法令の適用については、これを軍事公債の利子と看做すことといたしました次第であります。
 第四に、本措置によりまして、金融機關等法人が被むる影響をできるだけ緩和するための措置といたしまして、その法人が決算を行う場合においては、その所有に係る軍事公債の利子で、支拂期日を變更されたものの既経過分に相當する金額は、これを益金ととて計上することができることといたしました。
 第五に、前述いたしましたように、國際信用を維持するために、外國人の所有する軍事公債の利子については、今回の措置の適用から除外することといたしましたが、本措置の實效を確保するため、軍事公債の利拂の停止的庭理方策につき、政府聲明の發せられた昭和二十三年五月十五日において、外國人が現に所有し、且同日以後引続き所有する軍事公債の利子であつて、その支拂を外國人が請求する場合に限つて、これを除外することといたしました次第であります。
 第六に、この法律案に定めるものの外、この法律の施行に關し手續上必要な若干の事項については、大藏大臣が定めることといたしました。
 以上を以て本法律案の提案の理由の説明をいたしましたが、何とぞ御審議の上速かに協贊あらんことを切望いたします。
#6
○委員長(黒田英雄君) 先ず内閣總理大臣等の俸給等に關する法律案につきまして御質疑を願いたいと思います。御質問のおありの方は御質問をお願いいたしたいと思います。別に御質問もありませんでしようか。御質問なければ、この法案につきましては質疑終了といたして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは軍事公債の利子支拂の特例に關する法律案につきまして、何か今日は資料の方の御要求がありますればお願いいたしたいと思います。ございませんければ、それでは本日はこの程度にいたしまして、明日一時から、この内閣總理大臣等の俸給等に關する法律案と臨時通貨法の一部を改正する法律案につきまして、これはすでに衆議院を通過してこちらに付託されておりますので、明日御議決を願いたいと思いますから、どうぞ一時に御出席を願いたいと思います。それでは本日はこれにて散會いたします。
   午後三時二十九分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     黒田 英雄君
   理事      伊藤 保平君
   委員
           木村禧八郎君
           田口政五郎君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎岩
           松嶋 喜作君
           山田 佐一君
           石川 準吉君
           深川タマヱ君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           小林米三郎君
           高橋龍太郎君
           栗山 良夫君
  政府委員
   大藏政務次官  森下 政一君
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
ソース: 国立国会図書館
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