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1947/06/14 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 運輸及び交通委員会 第4号
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1947/06/14 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 運輸及び交通委員会 第4号

#1
第002回国会 運輸及び交通委員会 第4号
昭和二十三年六月十四日(月曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國有鉄道運賃法案(内閣送付)
   午前十一時二十二分開会
#2
○委員長(板谷順助君) それではこれより会議を開きます。運輸大臣もお出になつておりますからどうぞこの國有鉄道運賃法案に対する質疑がありましたら、継続して行いたいと思います。
#3
○小林勝馬君 運輸大臣の只今の本会議におきまする左藤義詮君に対する答弁にありましたのでございますが、私共考えますのに逓信その他官業從業員は何ら特典がないのにも拘わらず、鉄道に対しましては家族パスという無料パス制度があるのでありまして、この問題に対しましてはできるだけ節約をするという大臣の御答弁であつたように思います。併しこの運賃問題の難関に逢着しておりまする節に、この家族パスに限り撤廃するという御意向はございませんかどうかをお伺いしたいと思うのでございます。
 それから私共一般に承知しておりまするところでは、例えば会社、工場におきましても、鉄道の指定工場となりました会社、工場は殆んど隆昌に趨くような現状でございまして、特に指定工場とされた会社、工場はそれだけ恩典があるのか、乃至は購入に当りましてどういうふうな方途を以て臨まれておるのか、一般会社、工場が鉄道の指定工場というような関係を持ちますれば、あらゆる点において工場が優先になつておる現状から見まして、鉄道の方の購入状況その他において節約することができ得ないのか、その点をお伺いしたいと思います。
#4
○國務大臣(岡田勢一君) 小林さんにお答え申上げます。家族パスに限つてのみ節約するということになりますわけではございませんが、無賃乘車制度に対しまして、今日以上に原則といたしましては拡張すべきでない。尚今日の列車数の不足、旅客の輻輳などから考えまして、從業員の家族の旅行も最大必要限度に止めて貰うことにしまして、これを節約して貰うということは、これから要請をいたして行きたい。尚一般の無賃乘車証の問題につきましても、いろいろと世間からの疑惑もございますし、多数不合理だと思われる点なきにしも非ずだとも考えられますので、これ亦大変にむずかしい問題でございまして、複雑でありますので、やはりこれも國有鉄道の審議会ができましたので、その檢討にも載せまして今後十分に檢討いたしたいと思つております。
 それから第二の鉄道の指定工場が隆昌に趨いて行つておるというお話でございました。私も就任尚日が淺いので、その方の檢討を、大変恐縮ですが、まだ十分にいたしておりませんですが、噂にはやはりそういうふうに拜聽いたしております。これは聞いて見まするのに余程前々から鉄道が仕事をして貰い、又は資材、部品などを納入して貰いますような工場は、原則として蹉跌を起さないように健全経営でやつて貰うという方針で、今日まで來られましたように聞いておりまするが、今日のことでございますから、勿論法外の利益を得せしめるということは、これは適当でございません。経済の困難なときでございますから、やつて行ける範囲における健全経済ということにやつて貰わなくちやならんと考えております。若し請負工事或いは納入物品の代金等で非常に不適当に價格が高い、或いは利益が多過ぎるといいますものは、勿論適正な修正が加えられなければならんと思いますので、今後におきまして実施に当りまして注意を喚起いたし、又品物の檢收、檢査或いは請負價格の査定などに十分注意をさせることにいたしたいと存じます。
#5
○小林勝馬君 無料パスの問題は、そういう意味ではなくて、この際各官廰の官僚にいたしたところで、特にそういうような恩典はないのだから、特に家族パスのごとく從業員に関係のないものは廃止する意向なきやという点でございます。
 それから今の指定工場の問題につきまして私共がこれは全部が全部と申すわけじやありませんが、例えば危險でない個所の問題、いわゆる先般からちよつと耳にしておりますものにつきましては、貨車の冷房裝置に対しましてコルクその他を内張りをするというような問題がありましたのでございますが、公定價格が一枚につき幾らであるからこの公定價格で抑えさえすればいいというようなお話を承わりました。併し実際の價格にして計算してある業者のお話によりますと、約三分の二くらいの價格を以てそれができ得る。併し從來ございました官房研究所その他の檢査がやかましくて、特にこれだけをやれというような御指定だそうでございまして、無理に、私共から申上げますと、この赤字財政のときにああいう程度のものを左程嚴重に檢査を実行して高價な金を拂わなくちやいけないのは、片方を申しますれば三分の二程度のものででき得ないのか、こういう問題を今後如何ようにお取扱いになるか、尚又こういう鉄道の一般購入品につきましての査察員というようなものをお作りになる意思があるかどうか、そういう点を承つて置きたいのでございます。先程申しましたように、鉄道の指定工場になつておれば、一遍嚴重な檢査があれば、大体その規格で收めさしておるような状態ではなかろうかと私共思うのでございまして、こういう赤字財政の折に或る程度の規格の変更、そういうことができ得ないのか、危險な場所に関係する以外のもので、そういう関係をおやりになる意思がないかということをお伺いいたします。
#6
○國務大臣(岡田勢一君) 家族に対するパスを廃止する意思はないかという御質問でございますが、私の先程の答弁は少しポイントが外れておりました。実はそういう議論も前々から起りまして、各省とその点におきましては不公平であるような感じもいたします。今後に折角研究をいたしたいと存じます。
 それから指定工場等の鉄道から出ます発注の施設或いは設計等の面につきまして、メーカーの方から見ますと、今言われましたようにそんなに、贅沢にしないでもいい、実際的に考えてもつと簡單な構造で行けるものを、不必要に立派な構造にしておる分もあるという話もありまして、勿論今日の場合でございますが、いつの場合におきましても企業のことでございますので、最少限度の現実に間に合う、或いは贅沢な無暗と施設をやらなくとも、耐久的の点においても何においても用に足り得るという限度でよろしいことは勿論であります。多少專門的又技術的の問題に亘ることとも存じますが、若しかような点が事実としてございますのでございましようから、お差支えなければ別の機会に御指摘を頂きまして、運輸省も考慮いたしたいと存じますが、今後におきまして運輸当局の発注の人達或いはこの設計の人達等が放漫に流れていわしないか、或いは机上プラン式になつては困るというような御意見だと存ぜられますので、大変御尤もな御意見だと思いますので、それを檢討さすことにいたしまして、又指定工場に対しましては、それぞれ現実の施設でありますとか、能率でありますとか、或いは財産の模樣、経営の実体というようなものをできる限り係官を流遣いたしまして査察するようにいたしたいと存じます。
#7
○委員長(板谷順助君) 今回新たに委員に御就任になりました仲子隆君を御紹介申上げます。
#8
○仲子隆君 仲子であります。(拍子)
#9
○丹羽五郎君 大臣は只今の本会議におきまして、石炭問題について現在の石炭は五千四百カロリーのものを使つておる。併しこれを五千八百カロリーにすれば約七十万トンの節約になるというお話でありましたが、僅か四百カロリーのカロリー差によつて七十万トンの節約のできるこの石炭が、今回の運賃値上げにおきましては、この石炭が恐らく私はキャスチングボートを握る、石炭の消費ということは、こと程重大なものじやなかろうかと、かように考えております。その石炭の檢收について運輸省は一体どういうような檢收の方法を取つておられるか、私はカロリーの増減も必要であれば、この檢收が一番大きな問題だと、かように考えております。今日私共聞くところによりますと、非常に運輸省はルーズであつて、民間会社であつたらかようなルーズな檢收によつてこれを受取るものはない。ただ運輸省に行けば少し面倒であるが、いろいろの藥を持つて行くならば非常に檢收が樂であるということを坊間よく傳え聞いておるのでありますが、私はこのカロリーの増減、これも炭質の改善、これも必要なことであるが、私はこの檢收が、運輸省は本当にどういうように檢收しておるか、私はそれをお尋ねいたしたいと思います。
#10
○國務大臣(岡田勢一君) お答え申上げます。実際取扱の問題につきましては、私の答弁いたしました後で鉄道総局長官からもお答えさせたいと思います。檢收は丹羽君の仰せられまするように誠に重要なことでございます。檢收はこれは品質の問題、即ちカロリーの問題、同時にもう一つは数量の問題でございます。只今の場合、先程本会議でお答え申上げましたように、石炭の生産現状から見まして、実際的には五千四百カロリー以上を求めることは困難であると存じます。が、それと別の問題といたしまして、檢收を嚴格にやらなければなりませんのは御指摘の通りであります。それで大体私の聞いておりますところによりますと、それぞれ山元にもときどき監督官を派遣いたしまして、貨車積の際における品質、即ちカロリーの見分け方、それから貨車へ積まれました場合の貫々の仕方等については、相当嚴重にやつておるという報告を受けておりますが、世間の一部に丹羽君の仰せられましたように、何か鼻藥を持つて行つたならば、樂に通るんだというような噂もないことはないと存じますが、そういうことが若し行われておるといたしましたならば、その事実を発見いたしました場合は、即時適当なる措置を取りたいと存じますが、併し事前におきましてさようなことが起らない努力はしなければならんと存じます。この質並びに量の檢收の問題につきましては、十分に今後とも注意せねばならん問題でございまして、そういうふうにいたしたいと存じます。
#11
○政府委員(加賀山之雄君) 御指摘を受けました点は誠に我々といたしまして、非常に苦心をいたしておるところでございますが、御承知のように七百数十万トンの石炭を獲得いたしますのに、從來はもうこの数量を集めるだけで大童でございまして、実は言うと質を言つておられなかつたのが最近までの実情でございます。何とかとにかく石炭と名の付くものであれば何でも一つ貰いたいというのが我々の氣持であつたわけであります。それと、まあ量が非常に多うございますので、どうしても檢査をいたします場合には拔き檢査、任意のものを調べて、それで証明をして行くという以外に方法がないわけであります。それで山元には熱量を計るような施設もございませんし、結局集つて参りますところの、九州で申しますれば戸畑でございますとか、北海道でございますれば室蘭、小樽のような地点、常磐であれば綴といつたようなところで熱量を檢査をいたしているのであります。その他各局には用品試驗所というものを持ちまして、そこで先程申しました拔き檢査と申しますか、檢査をいたしまして、カロリーの測定をいたすということにいたしております。これはカロリーの方のことでございますが、それからそれと同時に数量がどうしても表記のトン数だけないという虞れが出て参りますので、どうしても量をはつきりと計算しなければならないということでございますが、これも実は計量台が方々に、山元の駅にあれば非常に仕合なんでございますが、戰時中こういうところにどうしても手が廻りませんので、現在も計量台は非常に少うございます。從いましてこれも拔き檢査的に、貨車共掛けて、数量を檢出するということをやつておるわけでございます。それから最後には実際の消費に当る機関庫に入ります場合に、ここは自衞的にもそういつた簡易な方法を以ちましてカロリーなり数量の檢定をいたすというふうにいたしております。方々に関門を持つてはおりまするが、從來、一番最初に申上げますように、何としても量を何とかして獲得するということに狂奔をいたして参りましたのが從來の状況でございますので、仰せのごとくカロリーについて鉄道は甘いというような状況があつたろうと考えるのでございまして、数量さへ、我々の要る石炭の数量さへ確保して頂きますならば、このカロリーの問題は数量以上に実は重要な問題でございますので、本年度といたしましては特にこの問題について、先程大臣から申上げましたように、極力人員とか施設を伴うものもあるのでございますけれども、そういうことは言つておられないのでございます。体制を整理いたして行きたいと考えておる次第でございます。
#12
○丹羽五郎君 今政府委員の御答弁で、その量を獲得するために檢收の方を疎かにしておつたというような意味合に考えておりますが、これは私非常な重大なることでありますから、國民に今回ある程度の値上げが実行されるとすると、大きな負担を持たす以上は、運輸当局としてもこれには一つ重大な力を入れて、そうして私は即時に檢收ということに力を入れて頂きたい。在來どうもこの運輸省のお役人の末端檢收の方の人は、胃の袋が非常に丈夫であつて、よく石炭を食べたりして消化をしているというような問題がいろいろ起つておるのでありますから、私はこの場合、是非この檢收制度を一つ強化するということの希望を申上げたいと思います。
#13
○委員長(板谷順助君) 尚丹羽君の御質問に対して補足的に私もお尋ねしたいのですが、先程大臣が本会議で、石炭のカロリーを増すことは殆んど不可能だというような意味の御答弁がありました。それは私余り独断的じやないかと思う。ということは、今丹羽君のお話のように、先ず第一に檢收制度というものがある程度確定をすれば、恐らくは五千四百カロリーが、これが仮に一割向上しましても、まあ石炭の予算が二百八十億である、これを一割ということであれば、二十八億はここに浮くわけである、だからしてこれは一つ大臣うんと努力なさいまして、一面においては石炭のカロリーの向上と、それから一面においてはその取扱につきましてできるだけ上手に焚くというか、或いは細心の注意を拂つて行つたならば私は一割ぐらいはそう費用は嵩まなくつても節約はできるんじやないか、こういうふうに私は見通しております。從つて運賃値上げにこれは重大な関係がありますので、國民がこの点も考え、恐らくは公聽会においても、石炭の問題が各方面の意見に出たわけなんであります。だから大臣は一つよくお考えになつて、どの程度までカロリーの向上と、それから又石炭の節約によつて、どれだれの金額が浮くかということは、この委員会に対しまして御報告を願おうじやありませんか、これはそう簡單な問題でありませんよ。
#14
○國務大臣(岡田勢一君) 御意見の点は謹んで傾聽いたします。石炭の受渡は、丹羽さんも実際家として御承知のように、原則としましてはその定められました受渡場所におきまして、質と量の問題を……量を立会の下に檢收をするということが原則でございます。実際問題といたしまして、その点がどこまでなつておりますかは、事詳細には私もまだ遺憾ながら突止めておりませんけれども、只今までの報告によりますると、それが実行されておるように聞いております。先程鉄道総局長官が申しましたように、その間機関車に或いは貯炭場に入りますまでのあいだは、相当に幾つかのそういう問題がございます。拔き檢査もいたすことも必要でございます。又最終の貯炭場、機関庫に入ります場合に、台秤で貨車ぐるみ掛けて、それからカロリーも更に檢査をいたすということに嚴格に檢收の励行をいたしたいと存じますが、それはここの答弁だけでなく、これは私は今後におきまして嚴かに実行いたしたいと存じます。それから委員長からもお叱りを被りましたが、五千四百カロリーを求めることは困難だという考えは、独断的ではないかというお話でございまするが、実は只今配炭公團なり、商工省の石炭廳の方とも数字に渡りまして交渉いたしました結果でございまして、そのわけは、政府は今二十三年度三千六百万トン生産の実現ということに一生懸命になつております関係上、山元で選炭が若干粗雜に流れて参りまして、そういたしまして数量を確保せんければならんということに熱中するために、今日の生産の実情がどうしても嚴密な選炭ということが十分に励行されない嫌いがございます。そういうような現在の実情から考えて、平均五千四百カロリー以上のものを要求いたしまして、仮に配炭公團なり石炭廳が納得いたしてくれましても、それが実行の点につきましては十分な確信が持てんのじやないかとそういうふうに考えております。尚その他御注意を頂きました点については、今後共十分な実行上に注意を與えます。殊に実際機関車並びに工場で消費の面につきましては、これまでも能率的の研究を、運轉の実際に記録を取りまして、その担当の機関士がどれくらいの成績で運轉をしたかという記録を取つておりますわけでございますが、今後もそれを励行いたしまして、石炭の節約に努力をいたしたいと存じます。
#15
○淺岡信夫君 今石炭の問題が出ておりますが、簡單にお尋ねいたしたいと思いますが、夏期はそういうこともないと思いますが、寒くなつて來ますと、これは各駅とか、或いは各事務所とか、そういう方面に使われるストーブなんというものは、もうとにかく冬でありながらも上着を脱いでやらなければならんくらい焚いておるところをよく見掛けるのであります。一方私鉄関係のそういう溜り場なんかを見たり何かいたします場合に、これは又非常にもう寒々としておる状況を見るのでございます。國鉄のみがそういう事務所なり、そういうふうな保温する場合に、これは特に石炭を配給せられるのかどうか。或いは石炭を輸送の途上において、各駅でちよいちよいとやつて、そこに蓄積されるのかどうか、こうした面も相当大きな数量、かさなり合えば上るのじやないかという、そういう点に対して御所見なり、或いはこういうふな方針だということを簡單でよろしゆうございますから飼いたいと思います。
#16
○國務大臣(岡田勢一君) 浅岡さんのおつしやられることは、私も運輸省に参ります前、冬の寒い時分にそういう現場を見たことがあるのであります。鉄道はふんだんに石炭を持つておるから暑くてシヤツ一枚になるくらいストーブを焚いておるということによりまして、非常に國民の反感を持たれます点も極く一部にはあると思います。それは誠に不謹慎な極みでございまして、併し操車場におきまして深夜業をいたします場合は、これは相当に保温の必要も認めてやらなければならんと思いますが、普通の駅の屋内等の使用につきましては、今日までも事務当局、運輸省が相当に規制をしておることとは思うのでございます。秋から冬になります時期までに、更に規制をいたして檢討を加えて、規制をいたしたいと思います。
#17
○小泉秀吉君 石炭の問題で少し私具体的に飼いたい。これは事務当局にお伺いしたいのですが、赤字の金融と運賃値上げの必要性というものをお出しになつて、その十七、八頁には非常に、今大臣のお話になつたようなことが詳細書いてあるので、政府御当局はこういう意図でおやりになつておる。又こういうことをお考えになつておるということは十分に了承いたしまするけれども、例えば石炭のことは、一番しまいに、我々はこの機会に是非共良質炭を配当されんことを強く要求せざるを得ないということを言うておられるので、只今の政府委員の御答弁もこれに相應するのだろうと思うのです。これはもうこうして書いてもおるし、こういうことを守つておられるのだから、それ以上伺つてもどうもならんかも知らんが、一つ具体的に、これ程思つておられながら、事実は、曾ては石炭の量だけが欲しかつたから、質までに思い及ばす、こういうようなことで、過去のことは私は了承いたしますけれども、これから先具体的にその三千六百万トンですか、石炭を取るのだ、それで石炭でさえあれば、ボタが入つておつても何でも構わない、三千六百万トンだというふうなわけで、石炭はそれを輸送する時分は言うまでもなく輸送力が減退するし、非常なロスが多いと思うんですけれども、先達つて誰かに聞きましたら、北海道では実際に選炭機械が壞われておつて、そういうふうに選炭もできないのだ。又戰後そういうような施設が十二分に行かないから仕方がなしに、その掘つたままそのまま出す外はないのだというようなことを伺つたんですけれども、果してそうであれば、それを何か至急に改正と言いますか、改善するとかいうようなことは、石炭に関して運輸省の方からも協力して、そういうことをすることができるのか、又できないのか、そういうふうな点を、檢量や何かと照應して具体的に、今年はどういうふうにするかという御計画があれば、それをはつきり伺いたいと思うのです。
 それからもう一つは、例えば尼ケ崎で、來る石炭を、鉄道用炭をやはり陸上からずつと持つて來て、又積下ろして貯炭するということがあるらいしのですが、そういうものを海陸の運輸ルートを十二分に檢討して、船で持つて行けるものは成るたけ船を利用するというようなことに対して、一体どういう方策をお考えになつておるか。或いは計画をお立てになつておられるか。そういうようなことを、私具体的にお伺いしたいと思うのです。
#18
○政府委員(加賀山之雄君) 私が先程昨年度あたりまでは質を言つておられなかつたと申しましたのは、質を構わず、こちらは構わずにおいたというのではありませんので、勿論昨年度におきましても先程丹羽さんに御答え申上げましたように、非常に完全とは申せませんまでも、拔き檢査的に関門を作りまして檢査をいたしておりました特定カロリーが、昨年の実績が出ておるわけであります。從いましてカロリーについて決して軽視をして來たという事実はちつとも考えておらないのでありますが、ただ昨年度は例えば昨年の十一月に入りまして、こちらとして六十五万トンの月の割当が要るのに、必要ということに対しまして、五十三万トン程度の割当より受けられない。こういうことになりますと、我々は勿論質を言わなければならないのでございますが、汽車を止めないためにとにかく石炭と名のつくものをかき集めるということが必要なわけでございまして、昨年度は何とかいたしまして列車の削減を局部的に止めることができたわけでありますが、一昨年は御承知のように大幅な急行列車の削減までしなければならなかつたという状態でございます。全般的に申しますと我々は單にトン数でなくて、トン・カロリーのまだ配当を決めて貰う方がよかろうというふうに考えておるわけでございますが、現在のところといたしましては、いわゆる三千六百万トン体制で安定本部等におきましてはカロリーを上げるということに非常に重点を置いて來ておるようでありますが、そうなりますと、勢いトン数が減らざるを得ない。今回の三千六百万トンも関係方面の御意向もあつて、今の日本が贅沢を言うのは間違いである。とにかく悪いものも何とかして使うということが肝要であるということのために、三千六百万トンという数字が義務付けられたというふうに聞いております。國鉄といたしましてもカロリーは勿論やなかしくいつておるのでございまして、本年度の三千六百万トンに対しまするところの配当といたしましては、年度計画といたしまして七百六十万トン計画があるわけでございますが、その中第一四半期の分は、すでにカロリー別の配当計画を立てておる次第でございます。その中で我々はカロリー上昇を常に主張いたしておりますが、例えばコークスでございますとか、或いは製鉄用その他ガス、電氣発電用等に可なり高カロリーのものを必要といたしますので、この大量消費者である國鉄が高カロリーのものばかりを集めることは、現状といたしましてできかねるという実情でございます。
 第二の問題といたしまして、船腹を極力活用して、陸上から又貯炭場へ持つて來て、貯炭換えをするようなものは初めから船によるべきである、これは誠に御趣旨御尤もすでございまして、我々といたしましても、九州炭に関しましては、絶えず機会を見て海送炭の増加に努めております。かくすることが輸送の合理化で、石炭の取扱として合理的になるばかりでなく、九州から出て参りますところの一般貨物の運送につきましても、石炭が海へ移ることによりまして、他の物資が関門隧道を越して運び得るということになるのでございまして、逐次減少して参つております。一時は四百輛近い石炭車を直通さしておりましたが、現在はほぼ二百輛程度のものであります。このものは尚船の力さえあればできるだけ船に移して参りたいというふうに考えております。ただ昨冬、一昨冬の体驗を考えますと、実は一旦船に移したのをもう一度陸に上げなければならない必要が出て参つたわけであります。石炭の配当自体が少いのも非常に運轉用炭が窮地に陷つた一つの主たる原因でございますが、それに附加えまして、船が実は九州においても円滑に動かなかつたという実例がございまして、そのために新潟、東京方面まで関門隧道を越して貨車輸送をしたという実績があるわけであります。鉄道が一ケ月もの貯炭を持てる時代ならばあわてないのでございますが、何しろ十日とかそのくらいの貯炭より有しておりませんと、これは全部の機関区に割当てれば可なり多いところもあり、少いところも出て來る。極端には一日分以下のところがあるわけであります。そういうところはどうしてもコンスタントに石炭が廻りませんと当にならないもので、待つておるわけに行かない、自衞上自分のところの輸送機関を以て運ぶというようなことをやらなければならなかつたのでありまして、我々といたしましては、根本的方策としては、この所要炭のごときものは極力船に持つて行く、これは根本原則としてやつておる次第であります。
#19
○國務大臣(岡田勢一君) 小泉さんの御質問の中石炭等に対する海上轉移につきましてお答え申上げます。これは主として民間が使用いたします石炭の輸送の件であろうと存じますが、主として阪神或いは尼ケ崎等に送られます石炭は大体小泉さんが御承知の通りに若松、戸畑等の方面から多く積まれますのでございます。只今若松における船繰りの状態が段々滯船が多くなりまして誠に苦しんでおりまして、そのために船舶の稼行率が低下しております。これは戰時中の施設の損傷等が十分に囘復しておりません。從つて汽船においても稼行率が下ると同時に、西日本汽船がやつております機帆船のコストの問題にも相当響いて参ります。又曳かれ船の荷役日数も長引いて参りますことによりまして、これ亦コストが高くつくという現状でありまして、これらも早くこれを是正いたしたいと考えております。それで今年は戸畑、若松等のホイスト、荷役設備等にできるだけの補修、復旧を加えまして、それによつて海上へ石炭が余計轉移できる。そうして船の稼行率が上昇することに大体の方を針立てております。今後具体的に実行して行くつもりであります。尚小樽、室蘭もその例に洩れないで、今日では船を配船いたしましても、積込日数時間が相当延長される状態にございます。これにつきましても施設の復旧に努力いたしまして、そうしてそれによる石炭等の海上輸送轉移に具体的に努力をいたしたいと考えております。
#20
○委員長(板谷順助君) 私石炭問題を先程ちよつとお尋ねしたのですが、只今の政府委員の御答弁では承服はできないということは、先般院議を以て輸送力増強に関する決議案を満場一致可決したようなわけでありますが、御承知のように石炭三千六百万トンに対して鉄道の用炭が七百六十万トンとすれば五分の一である。だから何としてもカロリーの向上と、それから檢察制度を嚴重にする。一面においてできるだけこれを有効に使うということになつたならば、恐らく私は一割の節約はできると見ておる。であるからこれは運賃審議の上において重大な関係のあることでありますから、大臣がいろいろ石炭廳或いは安本と交渉の結果五千四百カロリー以上は不可能のような話があつたが、これは一つこの決議に基いて十分檢討して貰つて、そうして苟くも石炭の節約はどの程度できるか、私の見るところでは一割は必らずできると見ておる。だからこれはよく御研究になつて運賃問題が本委員会に審議中に一つその結果を御提出を願いたい。こう思う。如何ですか。私は委員長としてそう考えております。これは國民が納得しないと、別に公聽会でも石炭問題は必ず講ぜられることがあると思う。
#21
○國務大臣(岡田勢一君) 承知いたしました。具体的に研究いたしまして、一両日中にカロリー上昇の問題は申上げます。
#22
○委員長(板谷順助君) 外に御質問は……。この際海運局の長官に伺いますが、御承知のように、船舶の運営、いわゆる船舶の戰時特例が七月に廃止されるということになつておりますが、これに対して海運総局といたしましては、これに対するどんな用意があるか、この点を一つはつきり御答弁願いたいと思います。
#23
○政府委員(秋山龍君) お答えいたします。この前戰時海運管理令を延長いたしまするときに、六ケ月というような考え方と、これを四ケ月にするという二つの考え方があつたのでありまするが、当時たまたま関係方面におきましても、これが改善と申しまするか、政変と申しまするか、そういうふうなことにつきましていろいろ案が進行中であつたのでございます。そういつたようなことも睨み合せまして、一應四ケ月ということで、これをいたしましたところが、幸いは御承認を得た次第であります。併しその後の情勢を見まするのに、関係方面の進行模様、その他も七月の末日を以て失効いたします。今回の延長に対しまして、直ちに別の形においてこれが現はれるということには想像のできないような情勢になつておりまするので、万止むを得ません場合には、機宜の措置を講じなければならないのではないかというような考え方を持つております。
#24
○早川愼一君 次回はいつになりますか。
#25
○委員長(板谷順助君) 明日請願委員会に、つまり戰時中に強制買收されましたる鉄道の拂上げの請願に対する審議がありますから、明日午前十時から……これは運賃審議の上におきましても、拂下げました方がいいか、悪いかということは、いわゆる財源の関係がありまするので、明日午前十時から開きたいと思います。そのつもりで御出席を願います。
#26
○早川愼一君 今回の運賃の値上げの審議は独り運輸省の御意見だけを聽いて納得の行かない点が多々あるわけであります。この次に、時間的に独立採算制とか、そういう点については、尚大藏大臣、安本長官の考え方も合わせて聽かなければならんと思うのですが、然るべく一つ……。
#27
○委員長(板谷順助君) 実は一昨日の委員会に、安本長官と大藏大臣を呼んでおつたのです。ところが都合ができないというので遂に止むを得ず流会になつたのです。それから明日は請願委員会がありますが、併し明後日は公聽会でありますから、本委員会は十七日ですな、十七日の何時にやりますか。
#28
○中野重治君 十七日となれば政府の方の顏も揃えて置いて頂いて勉強して……。
#29
○委員長(板谷順助君) 午前十時としても、午後に亘つてやつてもいいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(板谷順助君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           丹羽 五郎君
          橋本萬右衞門君
           小野  哲君
   委員
           内村 清次君
           小泉 秀吉君
           鈴木 清一君
           淺岡 信夫君
           仲子  隆君
           小林 勝馬君
           飯田精太郎君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           早川 愼一君
           中野 重治君
  國務大臣
   運 輸 大 臣 岡田 勢一君
   運輸政務次官  植竹 春彦君
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      加賀山之雄君
   運輸事務官
   (海運総局長
   官)      秋山  龍君
ソース: 国立国会図書館
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