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1947/06/18 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 運輸及び交通委員会 第7号
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1947/06/18 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 運輸及び交通委員会 第7号

#1
第002回国会 運輸及び交通委員会 第7号
昭和二十三年六月十八日(金曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○港則法案(内閣送付)
○港域法案(内閣送付)
○水先法の一部を改正する法律案(内
 閣送付)
○木船保險組合の解散に関する法律案
 (内閣送付)
○國有鉄道運賃法律(内閣送付)
  ―――――――――――――
   午前十時四十四分開会
#2
○委員長(板谷順助君) これより会議を開きます。
 運賃法案の質疑につきましては、大臣が今閣議中で遅れるそうでありますから、この際海上保安廰法案に関連いたしまする港則法案、港域法案、水先法の一部を改正する法律案、これを議題といたします。先ず政府委員の説明を伺います。
#3
○政府委員(大久保武雄君) 只今御提案になりました港則法、港域法並びに水先法の一部を改正する法律案に関しまして、提案の理由を御説明申上げます。右三件の中、港則法並びに港域法は一体的関係を持ちます法律でございます。この法律は、先般本國会において御審議を頂きました海上保安廰法と不可分の関係にある次第であります。即ち海上保安廰法におきまして、港の区域は別に法律によつて定めるということになつておりまするし、又港長は法則に関する法律を執行するということに相成つておりまして、これらの法規を整備する必要があつた次第でございます。
 第一の港則法に関して申上げますと、港則法は現行の開港港則及び同施行規則に代るものとして制定されたものであります。即ち開港港則は開港におきまする船舶交通の安全を図ることを目的といたしまして、併せて衞生上の安全をも図らんとするものであります。この開港港則は人の自由を制限し、或いは義務を課し又その義務違反に対して罰則を定める等法律を以て規定すべき事項を、勅令を以て規定していたのでございまして、これは新らしい憲法の施行に伴いまして、それと共にその効力を失うべき筋合のものであつたのでありまするが、昭和二十二年法律第七十二号によりまして、経過的措置として同年十二月三十一日まで効力の延長を認められまして、更に又同年の十二月二十九日法律第二百四十四号の定めるところによりまして、昭和二十三年の五月二日までに必要な改廃の措置を取ることを條件といたしまして、國会の議決により法律に改められたものとされておつたのでありますが、更にそれが昭和二十三年の七月十五日までその効力を延長するということに法律改正の措置が取られておるのであります。七月十五日までに開港港則に関する必要な手続をいたしませんと、一つの法律上の眞空状態ができるような次第でございます。
 次に、この港則法は直接には現行の開港港則に代るべきものとして制定されたのでありまするが、この法律の内容を極く概括的に速べますと、次のようなことに相成ります。即ち第一に、この法律の目的は、港内における船舶交通の安全と港内の整頓とを図ることを目的といたしております。この目的を達成いたしますために、先ず船舶の出入停泊に関し必要な準則を定め、或いは海上衝突予防法の特例でありますところの港内特殊の航法を規定いたし、或いは港内における爆発物その他の危險物の取扱に関する規定を設け、或いは漂流物、沈沒物の除去、その他水路保全に関する規定を置いておりまする外、船燈信号に関し船舶交通の安全のため必要な事項を規定いたしました。その他特に港内において起るべき事項につきまして、交通安全上必要な規定を設けておるのであります。
 次に、この法律の特色はどういう点にあるかと申しますと、大体四つの点に要約されると存じます。第一点は、この法律は警察法規でございまして、その執行機関を港湾の管理経営者と別個の警察的取扱の立場にありますところの港長としておることであります。第二は、本法は警察法規の中でも港内交通取扱に関する行政警察法規でございまして、衞生上、漁業上、関税上など種々の見地からするところの規定を含んでおるのではないということであります。第三の点は、港則法は港内交通規則に関する從來の不統一を排除いたしまして、港内交通取扱に関する統一的規則といたしておるのであります。第四は、港則法は特定港のように船舶の輻輳するところにおきましては、靜的に義務を課しておるだけでは十分ではないのでありますから、具体的の場合には港長が機宜迅速な処置を取ることにより、港内交通の安全を完うせんとしていることであります。
 次に、この法律が從來の開港港則とどういう点が違つておるかということを申上げますると、次の四つの点に歸着するわけであります。第一は、本法の適用範囲を開港のみに限定いたしませんで、我が國の港一般といたしまして、それらを特定港とその他の港とに分けまして、特定港にはすべて港長を置くということにいたしました点であります。第二点は、税関及び檢疫事務に関し干渉するような規定を排除いたしまして、港内における船舶交通の安全と整頓とを專ら規整する法律としてその性格を明らかにいたしました点であります。第三点は、港長が特定の船舶に便宜を供與するような管理経営者的規定を除き、警察取締者といたしまして、港長の職務上の性格を明瞭にいたしました点であります。第四は、港則法は警察取締法規としての性格を從來の開港港則より一層判然としたものでありますが、その根本的趣旨の点においては、開港法と変つておらないという点であります。
 以上で港則法の内容と特色を極く簡單に御説明したのでありますが、何とぞ御審議をお願いしたいと思います。
 次に、これらと一体関係にありまする港域法の提案理由の御説明を申上げます。
 從來港の区域を定める法令といたしましては、いろいろございまして、開港につきましては、開港港則第一條関税法の別表及び横須賀港等を開港に指定する法律の別表があり、又港湾工事の監督等のため全國の港の中、重要なものにつきましては、内務省告示による港湾区域決定の件がございまして、総計四百余りの港についてその区域を定めておるのでございますが、今回制定されました海上保安廰法第一條第二項におきましては、河川の口にある港と河川との境界は別にこれを法律で定めるということになつておりまするし、又只今提案理由の御説明申上げました、港則法案の第二條におきましても、港の区域は別にこれを法律で定めるというふうになつておるのでございます。ここに今回本法を制定する必要があるのでございます。この法律案におきましては、港の区域を規定いたしました港は、総計四百十八港でございます。その中開港は五十六港でございます。
 次に、港域の決定につきましては、開港の区域は先程申上げました開港港則等の定めるところを踏襲いたしまして、それ以外の港は大体において内務省告示の定めるところによつたのでございますが、新たに規定いたしました港は、勿論これらの港につきましても、全面的に海図或いは、陸地測量部発行の地図によりまして詳細檢討すると共に、地方現地海運局その他関係機関に照会をいたしまして、又は係官を現地に派遣いたしまして調査決定いたしましたような次第でございます。本法につきましても、何とぞ御審議あらんことを希望いたします次第でございます。
 次に、水先法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に関しまして、提案理由の御説明をいたします。現行の水先法第三條は、水先人たることを得ない絶対的條件を規定しております。その第一号におきまして、水先人の年齡を二十三年以上六十歳末滿に制限いたしておるのでございますが、この年齡制限を廃止するのがこの法律案の目的でございます。元來水先人はその業務の性質上相当強靱な肉体的並びに精神的條件を必要とするのでございまするが、これは必ずしも年齡によつて一律に限定さるべきものではないのでございまして、戰時中水先人拂底に備えまして、特例として平時の六十歳を六十五歳まで延長されておりました当時の実績及び特に最近の実情に鑑みまして、老練優秀で、且つ身体強健な人達に水先人として活躍の途を開くため、この際停年制を廃止しようとするものであります。停年制と共に最低年齡の制限をも廃止いたしますのは、最低年齡の方は水先人試驗の受驗資格といたしまして一定の実歴を必要といたしますので、その面からおのずから制限されるのでありまして、從來とも法律面におけるこの制限は殆んど有名無実であつたばかりでなく、他面たとえ二十三歳未滿の者でありましても、実力のある者に対しましては水先人としての途を開くのが当然でございますので、実情に適合するように改正しようとするものでございます。
 以上、年齡制限、特に停年制の廃止に関連いたしまして、常に心身共に健全なる水先人を確保するため、少くとも毎年一回水先人の体格檢査を執行することとし、第三條ノ二の規定を設けようとするのでありますが、この措置は是非共必要であると存ずる次第であります。
 尚最後に現行水先法は相当古い法律でございまして、政府といたしましてはその全面的改正の必要を認めまして愼重に研究いたしました結果、一案を得ておるのでありますが、諸般の事情によりまして今期國会には提出が間に合いませんので、その中で特に急を要すると考えられまする年齡制限の廃止、並びにこれに関連する措置につきまして、取り敢えず所要の改正を加えることとしたのであります。
 以上、簡單に提案理由の御説明を申上げたのでありまするが、何とぞ御審議の程をお願い申上げる次第であります。
#4
○委員長(板谷順助君) 次に、木船保險組合の解散に関する法律案の提案の理由を説明願ひます。
#5
○政府委員(植竹春彦君) 木船保險組合の廃止に関しまする法律案を御説明申上げます。
 本組合は昭和十八年に制定せられました木船保險法に基きまして、政府の命令で設立されました特殊の法人でございます。木船の所有者が組合員となりまして、それで木船に関しまして保險をすることを目的とした相互組織の保險組合でございまして、全國單一の組合になつております。この組合法は、この組合の組織、その保護とか、監督規定、木船組合の業務に関しまする事項を定めてございまするが、この組合は元來は、木船保險法による強制加入とか、國家再保險とか、組合事務費を政府から補助を貰うといつたようなことをその支柱といたしまして始まつたものでございます。そうしてその事業をこれまで行なつて來たのでございまするけれども、終戰後、事務費の補助とか、強制加入の、この二つの制度が全く廃止されてしまいまして、その経営の基礎が今日としては弱化しつつあつたのでございます。次いで國家保險制度も廃止いたされましたし、その財政的基礎が今日となつては、極めて薄弱化したような次第でございます。併しながら木船が今日海上輸送部門に占めておりまする地位の重要性ということを勘案して見まして、この木船業界の本当に存続させて行きたいという眞劍な希望と、政府の強力な要請の下に、この事業はやはり継続することといたしまして、そうして去年の四月から以後はその再保險なしに経営を移行して來たのでございます、然るに去年の十月以降は、組合の保險成績がどんどんと惡くなつて参りまして、もう年末におきましては保險金が経過保險料をずつと超過してしまいましたし、又去年の一年間の保險料を超えてしまうような破局的な段階になつて参りましたので、現在といたしましては、解散、整理以外にもう途はないような状況に立ち至りました。そういうようなわけで、組合の解散はもう今日としては不可避な状態になつて参りましたのでございまするが、この木船保險法によれば、組合について解散を必要とする理由が発生した場合には、その措置は又別途の法律を以てこれを定めるとすでに規定がございますものでありますから、この法律を制定して、そうして解散してしまおうと、こういうわけで提案をいたしました次第でございまして、どうぞ何分御審議をお願いいたします。
#6
○委員長(板谷順助君) 只今説明をされましたる法案は、いずれも予備審査でありまするので、質疑は後廻しにいたします。
 この際諸君にお諮りいたしますが、運賃法案の審議につきまして、只今物價局の次長が出ておりますし、安本長官を間もなく出席されることと思うのでありますが、御承知の通り、本日は公聽会が二つもあつて、速記が附かないというのでありまするが、まあ提案理由だけは何としても速記を附けて貰いたいというので今速記を附けておるのでありますが、速記がなくてもこの質疑を継続しますか。それについて皆さんの御意見を承わりたいと思います。
#7
○中野重治君 速記者が足りなくてどうしても廻して貰えないのですか。
#8
○委員長(板谷順助君) 昨日実は約束をしたのですが、公聽会の方が二組あつてどうしても附かんというので、そこで提案理由だけは向うの公聽会を十分ばかり遅らしてここへ來たわけであります。重要な問題でありまするけれども、速記を拔きにしましても一應質疑應答を行なつて、そうして重要問題の部分は速記を附けることに御承知願つて、どうも止むを得んかと思つておりまするが、よろしうございますか。
#9
○小泉秀吉君 今委員長がおやりになるというのは、今の提案のものでなしに、前の運賃法案の審議ですね。
#10
○委員長(板谷順助君) 運賃法案です。
#11
○丹羽五郎君 議事進行について、今日港則法案、港域法案その他三法案ございますが、議員としては、一應配付された法案は事前によく見て置かなければならんのが当然なのでありますが、何せ浩瀚な書類を我々は絶えず見ておるので、できましたら、今度の委員会にはこういう法案を掛けるということを予め事前にちよつとお知らせを願つて置きますと、非常にスムースに行くだろうと思いますので、次回からは、法案がありましたならば、法案だけでもおつしやつて貰つたら、事前に調べて置くことができますので、一應お願い申上げて置きます。
#12
○委員長(板谷順助君) 承知いたしました。政府委員に注意して置きます。ちよつと速記を止めて。
   午前十一時七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時九分速記開始
#13
○委員長(板谷順助君) それではこれで、二時まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時十分開会
#14
○委員長(板谷順助君) 午前に引続き会議を開きます。速記を止めて。
   午後二時十分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時二十四分速記開始
#15
○委員長(板谷順助君) それでは速記を始めて。本日はこの程度で散会いたします。
   午後四時二十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     板谷 順助君
   理事
           丹羽 五郎君
          橋本萬右衞門君
           小野  哲君
   委員
           内村 清次君
           カニエ邦彦君
           小泉 秀吉君
           中村 正雄君
           淺岡 信夫君
           加藤常太郎君
           水久保甚作君
           小林 勝馬君
           飯田精太郎君
           尾崎 行輝君
           新谷寅三郎君
           早川 愼一君
           中野 重治君
  國務大臣
   國 務 大 臣 栗栖 赳夫君
  政府委員
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   物價局長)   谷口  孟君
   物價廳次長   野田 信夫君
   運輸政務次官  植竹 春彦君
   運輸事務官
   (鉄道総局長
   官)      加賀山之雄君
   運輸事務官
   (鉄道総局総務
   局長)     三木  正君
   運輸事務官
   (鉄道総局資材
   局長)     吉次 利二君
   運輸事務官
   (海上保安廳長
   官)      大久保武雄君
   運輸事務官
   (海上保安廳保
   安局長)    山崎小五郎君
ソース: 国立国会図書館
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