くにさくロゴ
1947/10/10 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第10号
姉妹サイト
 
1947/10/10 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第10号

#1
第001回国会 予算委員会 第10号
昭和二十二年十月十日(金曜日)
    午後一時五十二分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君
   理事 小島 徹三君 理事 上林山榮吉君
   理事 庄司 一郎君 理事 川野 芳滿君
   理事 東井三代次君
      荒畑 勝三君    海野 三朗君
      加藤シヅエ君    河合 義一君
      島田 晋作君    竹谷源太郎君
      中崎  敏君    中原 健次君
      西村 榮一君    押川 定秋君
      川崎 秀二君    工藤 鐵男君
      古賀喜太郎君    五坪 茂雄君
      鈴木 強平君    鈴木 明良君
      寺島隆太郎君    山崎 岩男君
      青木 孝義君    淺利 三朗君
      磯崎 貞序君    角田 幸吉君
      世耕 弘一君    苫米地英俊君
      西村 久之君    今井  耕君
      船田 享二君    大神 善吉君
      中村 寅太君    野坂 參三君
 出席國務大臣
          大藏大臣  栗栖 赳夫君
          勞働大臣  米窪 滿亮君
 出席政府委員
    經濟安定本部物價局長  谷口  孟君
        大藏政務次官  小坂善太郎君
         大藏事務官  福田 赳夫君
         大藏事務官  今井 一男君
 委員外の出席者
         專門調査員  芹澤 彪衞君
         專門調査員  小竹 豊治君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 小委員會役員選任の件
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第四號)
 昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第一號)
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長 それではこれより開會いたします。
 今日は前に政府の御説明を聽きました昭和二十二年度一般會計豫算補正(第四號)、昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第一號)、すなわち千六百圓と千八百圓の差額二百圓の支拂に關する議題につきまして質疑を行いたいと存じます。質疑に入ります前に委員長と理事會にお任せ願つておつた豫算制度調査に關する小委員會と、豫算案の調査に關する小委員會の委員長、竝びに副委員長、理事などの指名をいたしたいと存じます。そのうち御了承得たいと存じますのは、西村榮一君が豫算、制度に關する小委員會の委員でありましたが、都合によりまして豫算制度に關する小委員會の委員をやめて、豫算案の調査に關する小委員會の委員にいたしたいと存じますが、その點御異議ございませんでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鈴木委員長 それではそういう御承認を得ましたから、小委員長、副委員長、理事の指名をいたします。
 豫算制度に關する小委員會につきましては、
      小委員長 小島 徹三君
      副委員長 稻村 順三君
  理事
   竹谷源太郎君  鈴木 強平君
   苫米地英俊君  船田 享二君
 豫算案調査に關する小委員會につきましては、
      小委員長 鈴木茂三郎君
      副委員長 西村 榮一君
      同    岩崎 岩男君
  理事
   中原 健次君  五坪 茂雄君
   上林山榮吉君  川野 芳滿君
以上でございますが、御承認を願いたいと存じます。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○鈴木委員長 それでは小委員はそれぞれ小委員會を開いて、それぞれの仕事についてお進め願いたいと存じます。
#5
○鈴木委員長 それでは議題の一般會計豫算補正(第四號)と(特第一號)に關しまする質疑に入りたいと思います。政府側の方は、大藏大臣は何分きよう、あす追加豫算に關する重要な決定の期日にはいつております關係上、ここにはあとしばらくしかおられないで、よそへ行かなければならない事情がございますので、主として今日は安本長官、勞働大臣の御出席を願つて御質疑をしていただきたい、こういう豫定でありましたが、安本長官はただいま參議院で議案の説明をして、濟みますとすぐこちらに來られますし、勞働大臣も間もなく來られることと思いますから、その前に大藏大臣がおられます間に、ひとつ大藏大臣に對する御質疑を先にいたしたいと思います。大藏大臣への御質疑はございませんか。
#6
○庄司(一)委員 議事の進行上必要に迫られ、かつ全國の都道府縣市町村長等が、分與税、分與金の交付を受ける必要上、追加予算等に多大なる關心をもつて、速やかに追加豫算の本國會において、特に本委員會においての決定を待望しておるのであります。いろいろ政府にも御事情がございましようけれども、全國一萬二千の市町村長は、市町村公務員に對する俸給の支拂も能わず、最近における都道府縣の府縣會等において、あるいは二千萬圓、あるいは五千萬圓の町村の起債の保證を決議をして、それぞれ市町村の、特に市町村吏員に對する俸給支拂に對する起債の保證等をやつておる。まことに古今未曽有の、わが國空前の町村財政のパニツクの時代が到來しておるこのときにおいて、昭和二十二年度追加豫算は、新聞報道等にはいろいろ報道されていますが、手つとり早く本委員會に追加豫算を付託される日時は、ただいまの見透しでは何月何日でありますか。これはひとり本委員會における審議上の都合上のみならず、審議運營上の必要に迫られておるわれわれの國會、特に豫算委員會の使命の上に立つての見地から、また實際問題としては全國市町村が吏員にさえも俸給を支拂い能わざるただいまの状態において、分與税分與金の交付を一日千秋の思をもつて鶴首しておるのであります。今までも二、三囘それぞれ追加豫算の提出の時日等についての大體のところは拜聽しておりますが、ただいまとなりましてお間違いのないところ、ひとつ大藏大臣の確信を拜聽したいと思うのであります。
#7
○栗栖國務大臣 お答えいたします。追加豫算につきまして、今日までいろいろ折衝の都合上、また算定の都合上、非常に遲れましてまことに相濟まぬ次第でございます。しかしもう二、三日のうちにその筋との話も妥結することと思われますので、二十日過ぎから二十五日の間には本委員會に提出いたしまして、御審議を願えることになると思うのであります。なおこれがかように遲れましたので、一應地方分與税の分與金等は地方に分與することが遲れておる關係もございますので、大藏省としましては既定豫算の中から、今後支拂う分與税の分與金を繰上げて支給するという手續も、ただいまいたしておるのでございます。それからなお俸給その他の支拂について、府縣あるいは市町村でいろいろお困りの事情もあるかと思いまして、來る十三日には地方銀行の會合がございますので、分與金の繰上支拂を説明いたしまして、必要があれば地方銀行からの融通もつくように手配をいたし、準備をいたしておる次第でございます。
#8
○庄司(一)委員 直接國税、特に所得税關係において、推定約百億以上の滯納になつております。すなわち本年度初めて新しく實施されたるところの申告豫算制度の所得税が、約百億を超えるところの滯納となつておる。しかるにさような状態のもとにおいても、ただいま大藏大臣が御言明なされたように、市町村等に對して分與税分與金のやりくりというか、繰上げというか、當然の措置ではありますけれども、さような手をお打ちなさることができるのでありましようか。念のためにお伺いいたします。
#9
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この四月以來新しい所得税制度、申告豫算課税をいたしましたので、種々慣れないところとか、あるいは申告漏れ等の關係から滯納があるということは、今のお話の通りであります。しかし政府としては極力そういう方面の支拂を督促いたしております。なおかつ先ほども申し上げました分與税分與金の既定豫算内の繰上支拂は、できる見込みが立つておりますので、その御心配なく私の方で支拂をいたしますから、御了承願いたいと思うのでございます。
#10
○上林山委員 私は追加豫算が近く提出されるその前提となる一、二の問題についてお尋ねしておきたいのでありますが、まず第一に、一昨日政府から示された連合軍最高司令部の指令に關しましてお尋ねいたしたいのであります。この指令書は九月十五日に受理されておるのでありますが、こういつたような指令、殊に追加豫算あるいは通常豫算にも重大なる關係のある指令が、非常に遲れて委員會に示されておるのであるが、これは何か特別な理由があつたのであるか。その點をまず承つておきたいのであります。
#11
○福田政府委員 御説の通り指令は九月何日でありましたか接受いたしたのでありますが、その指令を接受いたしまするや否や、大藏省といたしましては、この指令に關する責任官廳といたしまして、各省に對しましてそれぞれこの指令が出た以上、この指令の趣旨によつて今後の會計をやつてまいりたいということを指示しておるのであります。
 なおその指令を具體的に細かく、どういうふうな仕組でやつていくかという問題を、ただいま檢討しておるのでありまして、關係方面ともいろいろ話合つております。かような段階であります。
#12
○上林山委員 もちろんこの指令書は日本政府に指令されたのであつて、われわれ國會とは直接には關係がないと言えば關係がないのでありますが、審議する上においてはこれは重大なる示唆になるべきものであると、私どもは確信するのであります。そういう見地から委員會等にその内容の報告なりを政府がいたされないということは、委員會を尊重せざる、いわゆる元來の官僚的な思想というか、ないしはあまりにこういう問題を政府のみで、うちわで處置しようとするような意圖がうかがわれて、不愉快に考えておるのであります。こういうような指令に對して特別の條件を附してない限り、當然國會に今後とも連絡をすべきものであると考えるが、大藏大臣はどういうふうに考えておられるか、この點を伺いたいであります。
#13
○栗栖國務大臣 お答えいたします。これを接受いたしましてこちらにお諮りするまでにいろいろ時日を要したというお話でございますが、實はこれはいろいろその意味その他を先方と交渉をし、さらに對策等をも安本で研究しておりました關係等がありまして遲れたような次第でございます。
 こういうようなものはなるべく早く知らせて欲しいという御希望に對しては、私まつたく同感でございまして、今後もこの種のものが出ましたならば、能う限りもつと早くごらんにいれ、またお諮りもいたしたいと思う次第でございます。
#14
○上林山委員 この指令書の内容の檢討によつていろいろ政府で準備しておる事情があるということはよく了解するのでありますが、しからばこの指令書によつて現在提出されんとしておる追加豫算案に對して、根本的な修正をなさなければならない重大な事情が相當あつたのであるかどうか、この點を伺つておきたいのであります。
#15
○栗栖國務大臣 既定豫算につきましても相當の修正をする餘地があるのでございまして、これは今囘の追加豫算その他にもそのしりが現われてまいりまして、いずれ追加豫算をごらんに入れ、御審議を願うときに、さらに御説明を附けかえたいと思う次第でございます。
#16
○上林山委員 そうすると、司令部の方からこういうような指令が出なければならない事情が政府の最近のすべての事業に――いろいろ風聞を聞くということは、世耕君からも御意見があつたのでありまして、これに對して大藏大臣は緊急土木費のごときは、やみになりがちであるというような言葉もあつたようでありますが、そうすると政府としては、國内事請からいつて、マル公では、司令部ないしは國の事業も、十分にこれを遂行できないというようなことを、相當含んでの追加豫算案をすでに計畫になつておつた、こういうふうに承知しておつてよいかどうか、この點をはつきり承つておきたいのであります。
#17
○栗栖國務大臣 お答えいたします。去る七月七日に一應内閣で内定をみました六百九十四億という豫算の中には、かようなものは含まれておらぬのであります。しかしその筋その他とその後の折衝檢討の結果、いろいろ問題も生じましたので、さらにこの通達によつても再檢討を加えるようになつた次第でございます。
#18
○上林山委員 その點はもう少し追究してお尋ねしたいのでありますが、一應追加豫算の出た場合に讓ることにいたしまして、この際一言最後にお尋ねしておきたいのは、政府が現在豫定している追加豫算の額は、どれだけになるかよく承知しないのであるが現在豫定している追加豫算の額が決定した場合、本年度の末において、どれくらいの紙幣が市場に放出される結果になるのであるか。これは豫算審議上重要なことと思いますし、補正豫算案に關連し、千八百圓のベースとの關係も非常に重大だと考えますので、結論としてこの點を承つておきたいのであります。
#19
○栗栖國務大臣 お答えいたします。ただいまの問題は、追加豫算の金額というものが確定いたしませんと、はつきり申し上げ得られないのでございます。ただいま私どもがその筋、その他との折衝のもとに檢討を加えていますものは、一般の國家財政、一般會計、特別會計による追加豫算、さらに復興金融金庫その他の資金需要、さらに金融關係資金需要、國家の公債の發高その他について總支出を一應檢討して、その中において國家財政の追加豫算をどういうように割振るか、こういうような方針のもとに檢討したものでありまして、今度の追加豫算にあたりましては、そういう點をも御説明申し上げ、さらに追加豫算の御審議を願うことになろうと思うのでございます。
#20
○上林山委員 追加豫算を組んでいく政府の態度としては、そういう説明も一應了承できるのでありますけれども、大體においてわずか數日において決定せられる追加豫算案であつてみれば、大體の構想、豫定という程度のものは發表できるのではないか。またそれをいたすことによつて私どもも豫定せられている追加豫算の豫備的審議というものもできるのだ、こういうように考えて尋ねているのでありまして、何もそうかけ引しないで、率直に答えられる程度の豫想を發表せられてもよいのではないか、こういうように考えるので、重ねてお尋ねしておきます。
#21
○栗栖國務大臣 大體の豫想のところを申し上げてみたいと思いますが、十月、十一月は六十億あるいは若干その上を上まわる程度のものではあるまいかと考えております。十二月につきましては毎年の例によつて銀行券發行があると思われるのでありますが、これは追加豫算及び一般の財政金融等の事情によつてでないとわかりかねるのでございます。大體そういうような見込を立てております。
#22
○鈴木委員長 ほかに御質問ございませんか。苫米地君。
#23
○苫米地(英)委員 大藏大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、追加豫算がまだ提示されておらない。しかるに他の委員會においては豫算を伴う法律案が多數出ておる。そしてその法律案が次々と可決せられて來ている。そのことの善惡は別といたしまして、やむを得ない事情でそういうことになつたのでありましようが、私どもは豫算と各委員會の豫算を件う法律案とは、竝行してにらみ合つて研究をし、結び付けていかなければなならいものであると考えるのであります。この點についてまず大藏大臣の御所見を承りたいのですが、簡單でありますから、續けて申し上げます。こういうふうに豫算を伴う法律案が進んでしまつたときに、この豫算委員會の議で、これは法律できまつておるのであるから既定のものである。であるからこれは引けないというようなことになりますと、豫算委員會の機能というものはまつたく無視せられてしまうことになる。そして重要でない餘つた事柄についてのみ豫算の審議をするという結果になるのじやないかと思うのであります。この二つの點について御答辯を願いたい。
#24
○栗栖國務大臣 お答えします。追加豫算か延び延びになつたために、他の豫算を伴う法律との關係においてむずかしい事情も生じはしないか。こういうお尋ねでございました。私どももその點は非常に心配をいたしまして、法律案の提出につきましては、なるべく豫算の伴わない、また豫算を伴うものにつきましては、追加豫算等に影響するところの少いものを選んで御審議をお願いしておるような次第でございます。なおこの追加豫算が遲れたために、そういう法律案の豫算は執行がむずかしくなるというような、あるいは法律案ができておるために、この豫算についてこれは既定の方針であるというようなことになりはしないかというお尋ねでありますが、さようなことは私どもいたさず、十分御審議を願いたい。こういうように心得ている次第でございます。
#25
○苫米地(英)委員 そういたしますと、すでに確定されているものを豫算會議で必要に應じて變更しても差支えない。こういうふうに了承してよろしうございます。
#26
○栗栖國務大臣 お答えいたします。一般的に申しますと、それはもちろん差支えない關係でございます。
#27
○鈴木委員長 ほかにございませんか。
#28
○野坂委員 ただいまの最後の質問に關連しますから大藏大臣に一つだけお伺いいたしたい。今度の追加豫算は本年度の豫算で、來年の三月末までの問題ですが、その間にたとえば經濟的ないろいろな變動も豫想し得るし、言いかえれば物價の高騰ということも豫想し得るし、同時にまた給料方面では今、官公廳初めその他でも給與の値上げを要求し、また實際に團體交渉をやつています。こういうような問題で、もし千八百圓のわくというものが崩れて、もう少しこういうものが上るといつた場合における追加豫算の内容は當然變らなければならぬ。こういうことを豫想されているものですか。
#29
○栗栖國務大臣 お答えいたします。さようなことをただいま豫想して追加豫算を編んでいるものではございません。
#30
○野坂委員 そうしますと、物價というものは大體これで安定している、あるいは安本の統計のように、生計費の問題で十一月には黒字になる、こういうことを大體豫想されていると假定して差支えないものでしようか。これが一つ。もう一つは、千八百圓ではどうしても食つていけないので上げてもらいたいという要求はすべての勤勞者が抱いていると思うが、政府としてはあくまでもこの要求をしりぞける決意を固めておられるというふうに理解して差支えないものかどうか。
#31
○栗栖國務大臣 お答えいたします。安本の計數につきましては、なお私どもも檢討をいたしておりますけれども、今度の追加豫算の限りにおきましては、千八百圓のベースを維持する立場において、すべて豫算を盛つておるような次第でございます。
#32
○野坂委員 もう一つ私の質問に對する答えが抜けております。物價もこのままで安定しているというふうな建前で豫算をお立てになつているかどうか。
#33
○栗栖國務大臣 お答えいたします。大體この千八百圓の基準及びこの物價體系による物價を維持するという前提のもとに、追加豫算を組んでおるような次第であります。
#34
○野坂委員 そうしますと、たとえば新聞などで、最近うわさしておりますけれども、政府部内でもこの千八百圓の問題にはいろいろ意見がある。たとえば千八百圓に直接影響のある米價の問題にしても、もうすでに二囘の臨時閣議で討論されたということが新聞に報道されている。いかもまだ結論に達していないということ自體、政府自體米價の問題だけについても違つた意見がある。從つて千八百圓のわくの問題についても違つた意見がある、こういうふうにわれわれは推定し得ると思う。こういう事態が政府部内にあるのかどうか。今大藏大臣の答えられたように、あくまでこの千八百圓は守る、こういうことを政府は基本方針としてもつていると斷言されるかどうか。もう一度伺います。
#35
○栗栖國務大臣 お答えいたします。私どもの關係しております追加豫算の範圍におきましては、千八百圓の水準及び新物價體系による物價の基準というものを維持し、それを前提として追加豫算を盛つているような次第であります。
#36
○野坂委員 大藏大臣は私の質問を特に避けられているようですが、ざつくばらんに――私政府のはらは大體わかるのです。いろいろむずかしい點もありましようけれども、これは非常に重要な問題です。政府はこれをもう少しかえるような餘地があるのかどうか、こういう點をはらを割つて、政府部内におけるお考えについて、一端でもよいから言つてもらつたら非常に審議がすらすらいくと思うのです。
#37
○栗栖國務大臣 私豫算の關係において申しておるのでありまして、今安本長官も參りますから、その方でひとつお尋ね願います。
#38
○野坂委員 もう少し小さい問題ですが、今日私たちの方にまわつてきた資料に、北海道所在官廳在勤政府職員に對する石炭手當支給に關する法律案というのが出ております。これは名前はどうでもいいですけれども、一種の突破資金というふうに理解して差支えないものでしようか。
#39
○栗栖國務大臣 北海道に石炭資金を出すという問題は、ただいまその筋ともいろいろ交渉をいたしておりまして、まだ確定を見ておらぬものでございます。今までの私どもの考えといたしましては、危機突破資金というような性質をもたぬものと考えておりますので、さよう御了承願います。
#40
○野坂委員 名前は私はどうでもいいと思いますが、千八百圓の一つの基準というものがある。これが一つ。もう一つはこれに加えて、北海道のような特殊の事情のある場合にあいては、石炭に對する特別の資金を給與する、こういうふうに解釋して差支えないですか、
#41
○栗栖國務大臣 その點は今のところまだ決定を見ておらぬのでございます。いろいろ交渉をいたしておりますので、何とも申し上げかねるような次第でございます。
#42
○野坂委員 交渉の問題ではなくて、政府の意圖としてこういうものを出す意圖をもつておいでになる。だからこういうものを出されたのか。出さないつもりならこういうものは出さないはずだ。
#43
○栗栖國務大臣 千八百圓のベースて維持が困難だからそういう資金を出す意圖ではないか、こういうお尋ねのように解するのでございますが、さような意圖でございません。
#44
○野坂委員 どうも大藏大臣は私の質問にしいて逃げようとしている。何も私は追い詰めようとしているわけではない。問題をはつきりしたいのです。この點は政府の方でこういう法案を出されるという意圖をもつておられることははつきりしている。そうするとこれは千八百圓以外に特殊の事情のある場合には出すこれでいいのでしよう。
#45
○福田政府委員 北海道における石炭手當の問題につきましては、これを支給するやいなやにつきまして、目下政府部内において檢討しておるのでございます。さようなことに相なりますれば、法律案も必要と相なりますし、豫算も必要と相なつてくるのであります。私どもはまだ關係方面と打合せ中なのでありまして、その法律案がこの議會に提案される段階にはなつておらぬというふうに承知しておるのであります。何か間違いで參考資料が配付されたのではないかというふうに考えます。
#46
○野坂委員 參考資料ですか。
#47
○鈴木委員長 正式には委員會には提案になつておらぬと思います。受理しておりませんが……。
#48
○西村(久)委員 實は補正第二號議案というのがこの委員會に付託されておりまするが、この二號議案は委員長の方で付議にならないのであります。催促いたしましたら、内容を修正するからという理由で一向修正した模樣も今日まで現われてまいらぬのでありますが、これを委員會に付託された案件のようにして、いつまでも委員會でもつておりますることは、委員會で迷惑でありますから、修正なされるなら修正なされるように、撤囘なされるなら撤囘なされるように、政府の方に責任があることを明らかにしていただきたいと存ずるのでありますが、これはどういうふうな扱い方になりまするものか、お尋ねいたします。
#49
○栗栖國務大臣 お答えいたします。昨日の閣議でそれは内務省の處理がきまりましたものでございますから、本日撤囘の手續をとつた次第でございます。
#50
○西村(久)委員 補正二號の關係はわかりましたが、遲ればせながらようやく二十五日を經て撤囘をお悟りになつたということでありますから、了解いたします。
 次にお尋ね申し上げますのは、ただいま法律として財政金融委員會の方で審議をいたしておりまする、政府職員の給與關係の問題の率が、二割ないし十二割ということに相なつておるようでございますが、この率の關係は給與を受けまする方に對しまして、厚不厚を來すきらいが多分に含まれておる問題であります。この關係をおきめになりました根據はいずれにあるのでございますか、明細に御説明願いたいと思います。
#51
○福田政府委員 この率が違う理由といたしましては、物價の關係を主として考慮いたしまして、特地、それを二つにわけまして京阪神、その他の特地というふうにわけます。その他甲地、乙地、丙地、この五種類に分割いたしまして、最高は十二割、最低が二割というふうに相なつておるのであります。これが詳細なる内容につきましては、ただいま給與局長が見えますから、その方から詳細に責任ある説明をされた方がよくはないかと考えます。
#52
○西村(久)委員 ただいまの御説明によりますと、特地あるいは超特地、甲地、乙地というような、地區的な關係をお述べになられるようでございますが、あらゆる物價は、水準物價を標準とされて今後お進みになるものだと思うのでございます。田舍でありましようとも、都會でありましようとも、大體物價は大した關係はないように相なるのではなかろうかと思うのであります。二割ないし十二割という比率が、あまりにも差額がはなはだしい關係を伴うておりますから、政府のこの物價をおきめになりました關係を、どういう心持でつくつたのであるかということを、實は具體的に説明がほしいのであります。やはりこれだけの甲地、乙地の關係の率の差はないでもよろしいというお考えでありましようか。この問題は勞働組合關係に重大なる影響をもつてまいるのでございまして、中央をかばおうとすれば地方は紛糾するきらいが多分に含まれる重大な問題であります。この比率を誤らざるように私どもは考えなければならぬ關係にありますので、ここにお尋ねを申し上げたわけであります。
#53
○鈴木委員長 どうです、給與局長がじきに來られるそうでありますから……。
#54
○西村(久)委員 あとでよろしゆうございます。もう一點大藏大臣にお尋ね申し上げます。この特第一號の財源關係が、二十二年度の超過額を財源といたす、あるいは豫備費を財源としたりして、實は特別會計豫算の關係をおきめになつておるようでございますが、この二十二年度の超過額というものは、これは當然その超過したる部分は、決算の上において次年度の剩餘金となるべき性質になる筋合いの金ではないかということを私は考えるのであります。この點はいかようにお考えになられますか、お尋ねを申し上げます。
#55
○福田政府委員 お尋ねの點は學校特別會計の殘金のことかと考えるのでございますが、學校特別會計は昭和二十一年度をもちまして廢止となりまして、その法律の中に、廢止による殘金につきましてはこれを一般會計に繰入れる、さように規定しておるのであります。その規定によりましてこれを第一號豫算の財源と見たというふうに御了承願いたいのであります。しこうしてこれは決算をまつて計上すべきであるかどうかというお話に對しましては、これはさような金額が大體確定しておりまするから、これを本年度の收入として受け入れる、かような手續をとつたわけであります。御了承願います。
#56
○西村(久)委員 私の質問が惡かつたためでございますか、私の考えが足らないのでございますか、この昭和二十二年度豫算の歳入超過額をもつて支辯する計畫であるとして、歳入超過額を財源に充てて豫算を組まれておるのであります。この歳入超過額というものは、當然翌年度の決算においては剩餘金となるべき金額でないかということをお尋ね申し上げておるわけでございます。
#57
○福田政府委員 お説の通りでありまして、もし本年度におきまして歳入超過額を生じ、しこうして歳出におきまして追加がなければ、その金額は當然次年度の決算上の剩餘金となるというふうに考えておるのであります。しかしながら現實の問題といたしましては、本年度におきますところの歳出の要請があるわけであります。これをもちまして畫一な歳入の見透しを裏づけといたしまして歳出を計上する、かような處置をとつたわけであります。
#58
○西村(久)委員 お答えのようだといたしますならば、當然剩餘金として殘り、その剩餘金は國の債務を支拂うべき使途に充つべきが、財政法の建前から考えまして當然ではないかと實は考えるのであります。その剩餘金となるべきものをこういうふうな追加財源で食つてしまいますということは、その年度内の剩餘金がだんだん減つてまいります。つまり決算の曉においては剩餘金は皆無となり、財政法の六條に規定いたしました負債の償還財源はなくなつてくるということに相なるものではありませんか。この點をお尋ね申し上げます。
#59
○福田政府委員 お説の通りでありまして、もし當然本年度において決算上出てまいるべき剩餘金というものを、本年度において使用するならば、それは來年度において出てまいるべき本年度の決算上の剩餘金の使途というものが狹くなつてくる、かようなことになるのでございますが、しかしながら本年度において歳出の必要があります以上、確實なる見透しによりまして歳入超過があるならば、それを財源に充當するということが、まず順序であろうか、かように考えております。
#60
○西村(久)委員 次に鐵道會計、通信會計の不足財源を公債金に充てておるのでございますが、こういうふうな赤字を示す關係から考えますると、また近く鐵道の運賃、あるいは通信料金でも値上げしなければ、この會計の收支はもち得ないような關係に相なつておるのではなかろうかと思うのであります。當局としては赤字は繼續して出ましても、何らかの方法によつて料金の値上げはやらないということの御方針を立てておられるのであるかどうか、この點をこの機會にお尋ね申し上げます。
#61
○福田政府委員 鐵道、通信兩特別會計におきましては、追つて提案せらるべき一般會計の本格的な追加豫算と同時に、相當多額な追加豫算が計上される見込であります。その際におきまして赤字財源が増加するかどうかという問題につきましては、ただいま鋭意その赤字の金額の減少に努力しつつあるのでありますが、私ただいます見透しといたしましては、若干のこの赤字というものが財源として追加されるということは、やむを得ざる情勢ではなかろうかというふうに考えておるのであります。しこうしてこの赤字の克服の對策といたしましては、これまた兩特別會計にわたりまして根本的なる方策を、ただいま關係方面とも打合わしておる最中であります。追つて提出せらるべき追加豫算におきましては、若干の赤字が計上せられるとともに、將來の公債發行等の關係も含めまして、全面的に、計畫的に對策を考究するというふうなことが提案されるというふうに考えておるのであります。さような程度で御了承願います。
#62
○西村委員 この通信會計、鐵道會計の赤字の出來ます大體の原因はどういうところにあるのでございましようか、そう點一つ御説明願います。
#63
○福田政府委員 これはいろいろ原因があろうかと思うのでありますが、最大の原因といたしましては、諸物價が非常に高くなつたに比べまして、運賃收入、電信電話收入の基本となるべき運賃、それから電話料その他の手數料が、それまで高くなつておらぬ。これが一番大きな原因を構成しておる、かように考えております。
#64
○西村委員 これくらいな程度にして、私の質問は後日の機會にいたします。
#65
○野坂委員 補正第四號の三十五ページであります。ここにずつと款項目がありますが、家畜拂下代というのがあります。これの具體的な内容についてお聽きしたいのですが、たとえばどういうものを、どういう單價で、どういう方法で、どこに拂い下げるか、こういう問題についてお伺いします。
#66
○福田政府委員 家畜の増産奬勵對策といたしまして、昭和十九年ごろと覺えておりますが、十九年ごろ政府におきまして農家その他の家畜――主として牛馬でありますが、牛馬を使用する方面に政府で牛馬を貸付けたのであります。そしてこれを保有せしめる、かようなことによりまして家畜の増産奬勵を行つたのであります。その貸付の期限が、二年ないし四年となつておりまして、本年度におきましては貸付期限の滿了するものが、牛におきまして五萬頭、馬におきまして八千二十七頭のものが期限が滿了いたしまして、これを返すか、あるいは貨付を更新するかというようなことをしなければならぬ段階になつてきたのであります。政府といたしましては、その際におきましてさらに貨付を更新するというよりは、この際その牛馬を貸付先であるところの農家その他のものに買い取らせまして、そうしてこれをさらに一層有效に使つてもらいたいというふうな考え方をとることにいたしまして、これをこの期限滿了を機會にいたしまして、右の牛馬を貸付先に拂い下げるというふうに考えたのであります。單價といたしましては、これは現在の物價水準からまいりますと、相當多額の單價でできるのじやないかと思うのでありますが、この制度はもともと家畜の増産奬勵という見地から出發したことでありますから、當時買い上げて値段に大體準することを考えております。買い上げた値段は牛が三百圓、馬が五百三十二圓という、非常に安い値段になつておるのであります。これで拂い下げようかとも考えておるのでありますが、まだこれによりますか、あるいは若干現在の物價情勢を考えますか、今後なお研究したいと考えておるのでありますが、豫算に計上いたしました金額といたしましては、先ほど申し上げました牛馬の數に三百圓と五百三十二圓の單價をかけたものであります。これが豫算に計上されておる、かように御了承願いたいと思います。
#67
○野坂委員 もう一つ、拂下先、だれに拂い下げたか、だれが拂下手續をやつたか、こういうことであります。
#68
○福田政府委員 拂下げは現在貸付けを受けておる農家その他の者であります。それから拂下げをいたすものは政府、すなわちこの場合におきましては農林省であります。
#69
○野坂委員 その次に證券拂下代であります。この内容についてお伺いしたいのですが、どういう種類の證券であるか、たとえばどういう會社の證券で、だれがいくらもつておつたか。こういう點をお聽きしたい。
#70
○福田政府委員 政府が所有いたしておるところの證券でありまして、日本證券取引所の分が九十四萬七千六百株、これを單價三十七圓といたしまして、三千五百六萬一千二百圓、それから皇室財産として國に歸屬することになりました株式のうち、北海道炭礦汽船の株七萬九千八百八十八株、この拂下價格が二十五圓五十錢、收入金といたしまして二百三萬七千百四十四圓、東京瓦斯の株式が四千八百六十九株、その拂下價格は二十圓七十錢八厘、その收入金額は十萬八百三十一圓、合計いたしまして、皇室財産の關係が二百十三萬七千九百七十五圓、かような内譯になつております。
#71
○鈴木委員長 野坂君にちよつと御相談しますが、勞働大臣は三時を過ぎると、ほかにどうしても行かなければならぬことがあるそうです。それで一應これは皆さんにお諮りするのでありますが、和田安本總務長官は明日午前十時からずつと都合がよいそうであります。それから勞働大臣も明日十時からは都合がよいそうでありますから、御異議がなければ引續き明日十時から委員會を續行したいと思いますが、今日兩大臣は、そんなぐあいで、三時少し過ぎるとやむを得ない用事があるそうですから、時間が短うございますが、その間先に勞働大臣への質問をして、野坂君の今の質問をそのあとするようにしましようか、どういたしましようか。それでよろしゆございますか。
#72
○野坂委員 議事進行について――、今勞働大臣がおられますが、また明日の安本長官あるいは大藏大臣に對する質問の大體の範圍について、ここで打合せをやつた方が議事の進行上よくないかと思います。同じようなことを繰返し繰返し質問しないで、あるいは時間の節約にもなると思います。だから今勞働大臣がおられますが、これについてはどういう問題を特に質疑應答してもらう。安本長官に對してはどういうふうな性格のものというようなことを、委員長の方で大體言つてもらえば、質問がしやすくはないかと思います。
#73
○鈴木委員長 大體私の考えといたしましては、前にこれと同じ問題を審議いたします際に、あとからいわゆる千八百圓の基準を盛つた追加豫算が出てまいりますから、その際に千八百圓の問題に關しては十分な審議をするという條件で、前の議案を審議終了いたしております。それと同じような問題がここえ出て參りまして、千六百圓と千八百圓の差額の二百圓を支拂う問題でありまするから、從つて千八百圓に關する本質的な問題を明白にする問題については、あとの追加豫算の際に前の方針の通りに讓りまして、この際は千八百圓と千六百圓の差額の二百圓は、差額だけの問題でありまするから、これはできるだけ早く議了いたしまして、その手續を濟まして、支拂うべきものを支拂うように取運びたいと存じております。しかしそれにいたしましても、ここに出ておりまする差額の二百圓を支拂いまする財源などに關しては、かなりいろいろな御審議をしていただかなければならないような問題があるように存じますので、そういう問題について御審議を願つたならば都合がいいではないかと考えておりますが、この議案については私がただいま申し上げましたような心構えで審議を進めてよろしゆうございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○川野委員 これはやはり千八百圓ベースの問題につきましても少し聽くところもありますから、はつきり限定していただくと困ると思います。ある程度の融通はひとつつけておいていただきたいと思つております。
#75
○鈴木委員長 そういう點は、別に多少觸れられるところはあると思います。それでは時間が短うございますけれども、勞働大臣に對する御質疑を願います。
#76
○庄司(一)委員 ただいま議題となつておる官業及び官有財産收入の中に、刑務所收入において四千四百五十八萬六千圓の増收が見込まれております。これに關連して勞働大臣に伺いたいのは、約十萬人ほどの刑務所にただいまつながれておる受刑者に對する勞働時間を、勞働基準法によつて、やはり一定の法律の範圍内において律せんとするものであるかどうか。これは司法大臣ともどもお伺いしたいのでありまするが、ただいま便宜上勞働大臣はその點をどうごらんになつておるか。それから主計局長がおられるならば、四千四百五十八萬六千圓が刑務所關係の増收ということに相なつておりまするが、本員の調査するところによると、電力が一週間に二日程度のストツプになつておりますので、その刑務所の電氣ストツプによる收入減は、一刑務所約三十萬圓平均程度の減收と私は調査しておるのであります。刑務所の製作品、工藝品あるいは農作物等の値上りによつて、かような増收をお見込みになつておるのであるかどうか、本年度においてはただいま申し上げますように、監獄法という法律による免業日以外に、電力のストツプによるところの收入減は、全國の六十いくつの刑務所を通じておびただしい金額に相なつております。この點何を基準として四千四百五十八萬の増收を見込まれておるか。電力のストツプによる收入減等をも調査されての上のかようなもくろみであるかどうかということの説明を要求いたします。
#77
○米窪國務大臣 庄司さんの御質問ですが、勞働基準法の八條にこの法律を適用する業種別がこまかく規定してあります。それには刑務所のいわゆる囚人の勞働には適用しないようになつておりまするから、さよう御承知を願いたいと思います。
#78
○福田政府委員 刑務所收入の本年度の當初の豫算額は一億一千八百八十九萬七千五百圓というふうになつております。これは當時の物價基準において作成されたものでありますが、その後物價基準の改訂が行われまして、その物價基準の改訂によりまして、大體五割増の收入を見込むことにいたしましても十分餘裕があろうじやないか。こういうふうな觀點から四千四百五十八萬六千圓というものを計上いたしたわけであります。
#79
○庄司(一)委員 主計局長の答辯の中に、私の質問の免業日と電力のストツプによつて、四千萬圓も減收になつておる問題の調査ありや否やに對するところのお答えではありませんでした。その調査がありませんければ率直にないとお答えを願いたい。勞働大臣に對しては、もとより勞働基準法は了承しておるのであります。だが司法大臣とおそろいならなお結構であるということを申し上げたのは、現下における監獄法におけるところの受刑者の勞働時間というものは、御承知の通り夜業をも合わせて約十二時間、五燭の豆電燈のもとにおいて夜業までやらせている。實に極端なる勞働強化である。このために生理的にも、肉體的にも死亡率がきわめて多いことも御承知の通りであります。勞働基準法なる勞働者にとつての大憲章が、公權を剥奪されている刑務所に均霑しないということは、はなはだ本員の遺憾とするところでありますが、すでに立法化されているのでありますからそのことは申し上げません。ただ司法大臣ととくと勞働大臣においては御相談を願い、きわめて近き將來において、監獄法の改正等も行われるようでありますから、とにかくいかに公權が剥奪されている受刑者でありましても、夜業まで合わせて十二時間程度の勞働強化というものは、これはあまりにもひどいやり方であり、これでは決して改過遷善の教育刑ではありません。十分御考慮くだすつて司法大臣とその點は御研究をしてほしいと思います。
#80
○米窪國務大臣 先ほどの庄司さんの質問に對して、一應は勞働基準法第八條にはこれに該當しないと申し上げたのですが、さらに詳しく申し上げますと司法大臣と協議するまでもなく、この勞働基準法八條の第一號から第十七號にわたるいろいろの業種別がここにある。それに囚人が使われる場合においては、間接的であるけれども、勞働基準法の適用を受ける。こういうことになつてくるのでございまして、從つて勞働基準法に定められてあるところの勞働時間であるとか、あるいは休暇であるとかそういうことも當然これに適用される。こういうぐあいに解釋しておりますので、どうぞさよう御了承ください。
#81
○福田政府委員 ただいま庄司さんのお尋ねの電力休日の刑務所の收入は、どういうふうに考慮しておるかというお話でありますが、そのことは考慮をいたして、休日ということは別に檢討の對象としておりません。
#82
○鈴木委員長 勞働大臣への御質問はございませんか。もしなければさつき野坂君から主計局長への御質問がありましたが、そのほかに今安定本部から物價局長の谷口孟君が來られましたから……。
#83
○野坂委員 それではちよつと勞働大臣にお尋ねします。今官公勞と政府との給與問題について交渉が前から始まつていますが、現在どういう状態になつているか。この豫算とも直接關係がある問題ですからこれについてお聽きしたいと思います。
#84
○米窪國務大臣 お答えします。ただいま官公廳の職員からして、官公廳職員の協議會、それに屬しておる團體が一つ一つ地方勞働委員會、中央勞働委員會に提訴しております。そこで地方勞働委員會に提訴されたものは、その提訴の内容が數件にわたるという問題については、これを中央委員會に移讓をしております。かくして大體中央勞働委員會に集まつておりますが、ただ全遞にしても、國鐵にしても、提訴の時日が違うので、その間詮議する問題もある。こういうことで中央勞働委員會では今非常に多忙をきわめております。そこで一つ一つの提訴に對して、それぞれ勞働關係調整法の法規に從つて調停委員を指名して、すなわち勞資中立の三名づつの委員を指名して、そうして目下のところは兩方の言い分を聽いておるので、從つて論議が行われております。たとえば一つの例を全遞にとつて言いますならば、遞信省の方から大臣の代表者が呼ばれて、そうして全遞の方の代表者とそれぞれの立場からの意見を開陳して、調停委員がこれについて調査研究をしておるというような状態でございます。目下のところはいわゆる生活していくのに必要であるカロリーの問題について論議をしておる、こういう現状にあるのであります。
#85
○野坂委員 そうしますとその見透しはどういうふうな見透しになりますか。個々の組合によつて違いますけれども、大體いつごろこの問題が片づくだろう、片付け得るという見透しが立ちますか。
#86
○米窪國務大臣 勞働委員會としてはまちまちに、あるものは地方勞働委員會に出て、それが中央勞働委員會に移讓されておる。また全遞に一つの例をとりますれば、全遞全體として中央勞働委員會に提訴したものもあれば、全遞の地方の協議會がその地方の勞働委員會に出した、こういうことで非常にまちまちでおるので、今中央勞働委員會としては移讓される部分は提訴の時日が食い違つておつても、これを一括して全遞なら全遞、國鐵なら國鐵、こういうぐあいに一括をして、大體要求というものの内容が同じですから、大體一括して取扱つていきたい、こういう方針であるのでございまして、いずれ法規によつて定められた調停期間内において調査、斡旋、そういつたことを終つて裁定を下す、こういうぐあいに考えております。
#87
○野坂委員 たとえば今月中とか、來月とか、こういうふうな見當は立たないものでしようか。大體のところで結構ですが……。
#88
○米窪國務大臣 勞働委員會の自主性を尊重して、政府の方ではこれを早くしようとか、遲くしようとかいうことはちつとも言つてはおりません。ただ問題が、今申し上げた通りまちまちで提訴をしておりますから、調停期間がまさに切れようとしておるものもありますし、まだまだ調停期間があましておるものもありますから、それの調停に大分苦心しておるようでございますが、かりに調停期間が切れても、たとえば一つの例を申し上げますと、全遞の大阪地協からして大阪の地方委に行つて提訴したものが、中央に移讓されてきておる分については、すでに調停期間がまさに殘り少くなつておる。ところが全遞全體として、東京の中勞委に提訴したものについては、まだまだ調停期間がある。それが大阪の地協に提訴したものもその提訴の内容が同じであるから、これを中央で、全遞の中央部が中央勞働委員會に提訴したものと合流したらどうかというような考え方でおるのでございまして、從つていつごろこれに裁定が下されるかということについては、政府としてまだ中勞委について聽いておりません。
#89
○野坂委員 そうしますと、これの大體の見透しがつかないにしても、いずれは調停が破れるか、あるいは成立するかということになるでしようが、成立した場合においては、もちろん内容を具體的に見なければ何も言えませんが、大體政府としてはこの裁定を尊重するつもりであるかどうか。たとえば前の吉田内閣のように、これを無視する、これの權威をあまり尊重しない、こういう態度をとられるのか、大體においてこの裁決を認めて、これを政府は取上げるという態度をおとりになりますか。
#90
○米窪國務大臣 吉田内閣のときに電産の爭議で提訴をして、しかも裁定の結果は不滿足であるというので、これに服しなかつたというような態度は、この政府としてははなはだ遺憾である、そういうことはやりたくないと思つております。ただし今囘は官公廳の職員の方から提訴しておるので、まづ職員がそれに滿足するかどうかということが前提になると思います。勞働者側がこれに應じた場合は、政府もやはりこれに服する考えでおりまするが、ここではつきりと明言できない點は、その裁定は千八百圓ベースを崩す危險がある。崩さなければ裁定に應ずることができないという場合には、一應閣議でこれを決定した後でないと、ここではつきりと政府の態度を申し上げることはできない、こういうぐあいに考えております。もう一つ、それが豫算外支出である場合は、當然G・H・Qの命令もありまするし、G・H・Qの承認を得て國會へ出して、皆さんに公平なる議決をしていただく、こういうことになるだろうというぐあいに考えております。
#91
○野坂委員 今米窪さんの言われたように、もし職員側の要求が千八百圓のわくを破るといつたような場合においては、閣議でこれを承認するかしないかをきめる、こういうふうに言われました。そうすると、もし閣議でその當時の事情のもとで、職員側のこの要求をどうしても認めなければならないといつた場合に、認められるものだと解釋して差支えないものかどうか。それともあくまでやはり千八百圓は固持しなければならないというふうな性質のものであるか、この點をお伺いいたします。
#92
○米窪國務大臣 勞働者側がその裁定に服すことが前提でございまして、勞働者側がその裁定に服したにかかわらず、政府側から考えて千八百圓のベースを根本的に改訂しなければならぬ場合になつたときには、やはり閣議で周圍の情勢を考慮しましてこれに服するか、さらに先ほど申し上げたような手續をとつて國會へ出すかということは、おのずからその當時の閣議で決定すべきものだと考えるのでございます。そこで今日のところでは、その程度よりほかに私どもとして言明ができないのであります。
#93
○野坂委員 そうすると、これは新聞で報道するところで私はつきりしませんけれども、和田安本長官の方では、この千八百圓の基準はどうしても固持しなければならない性格のものである。すなわちもしこれが破れれば物價體系が全然崩れるから、あくまでこれを固持するということから、たとえば米價の問題でもこれが問題になつて、内閣内でもいろいろ問題があるということを新聞が報道しておりますが、和田安本長官のこうした立場や意見と、今米窪氏の言われた意見との間には多少の食い違いがある、こう解釋して差支えないものですか。つまり米窪氏の言われているところでは、閣議によつてはこれを破ることができる、こういうふうに解釋できると思うが、和田さんの方ではそうではなくて、絶對にできないと言われているように思う。
#94
○米窪國務大臣 中勞委の裁定が千八百圓を崩すというおそれがある場合においても、閣議においてそれは國會の裁定に任せる、あるいはGHQの考え方に任せるという説が多くなれば、それはやはり閣議で決定されるのでございまして、ここで千八百圓のベースをあくまで堅持する、それがためには裁定に服さないということは、和田安本長官といえどもよう言わないだろう、こういうぐあいに考えております。
#95
○鈴木委員長 ほかに勞働大臣への御質問はございませんか。――では資料の件で御承認を得ておきたいのでありますが、次のような資料を政府に要求いたしたいと思います。これは委員の方からの御要求であります。
國政調査に關する件
 終戰後新設又は増設の左記官廳名、その職員數、給與、その他の資料
 一、政府機關名(部局等を含む)その所要人員、給與(俸給及その他一切)
 二、政府地方出先機關名(宮内省よりの移管を含む)職員、給與(俸給その他一切)
 三、諸官廳人員及給與の増減
 四、廢止、移管、合併、整理による職員數及給與の増減、又その豫定につき
 五、公團設置による各公團の所要人員、給與増加額及將來の豫定
 六、徴税機構強化の爲の増員、給與及將來の豫定
  昭和十一年度に比し税收徴税費の増減及比率
以上のほか十月一日現在で、會計檢査院の受領した各省各廳送付の計算證明書の概況に關する資料の提出を要求いたしたいと思いますので、御承認願います。
 それでは今日はこれで散會いたします。
   午後三時十七分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト