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1947/05/26 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 電気委員会 第4号
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1947/05/26 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 電気委員会 第4号

#1
第002回国会 電気委員会 第4号
昭和二十三年五月二十六日(水曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電氣事業の再編成に関する件
  ―――――――――――――
   午前十時四十五分開会
#2
○委員長(佐々木良作君) それでは第五回の電氣委員会を開会いたします。今日の委員会は先だつての二十二日の電氣委員打合会の決定に從いまして、電氣事業の再編成に関する件について、おのおの強力な主張を持つておられるところの日発、配電、それから自治体、電産の各團体から説明の方をお願いしまして、その説明を聽き、質疑應答を中心として行いたいと思います。尚念のために申上げますが、今日の委員会におきますこの課題の檢討は、こういう試みの最初の段階でありまして、從つて関係者から説明を聽くのが今日が最初でありますから、決して今日で終るんでなくつて、或いは四社一時に、或いは一社ずつでも、いろいろな方法を噛み合せて今後も今日の成果に鑑みて行いたいと思います。そういう意味におきまして、今日はこの再建整備の最初の説明聽取会というふうに御了解願いたいと思います。尚今日の委員会の運用に関してでありますが、打合会におきまして檢討しましたところ、大体各主張者のアウトラインは、各議員とも了解されておりますので、先ず最初に、極めて簡單に自己紹介を兼ねて各説明者から、まあ十分間程度で、おのおのの主張の眼目、一番中心になります点と、特に他の主張者との相違点というようなことについて、極めて簡單に、十分間程度で以て概略の御説明をして頂く、それに基きまして、その後に案内状を差上げてあります通りの項目に從いまして、簡單に説明と質疑應答とを行なつて行きたいと考えます。
 今日予定しております項目につきましては、案内状に出して置きましたように、第一は、企業規模及び形態或いは性格、それをすべて含めた恰好で、企業規模と形、性格というようなものを先ず最初に、それから二番目には、新力の配分融通、これは地帶間の配分融通から、各地域内における配分に至りまするまで、すべて引括めた問題であります。それから三番目には、電力料金の問題とプール計算の問題、從つてこの問題は事業体の経理の問題が中心になるわけであります。四番目に若し時間がありましたら、四番目にも入りたいと思いますが、電源の開発に関して考えて頂きたいと思います。大体協議の項目としましては以上のような四つの項目を中心として、各主張者の立場から、こういうものがこういうふうになるというような御説明を頂き、そうして議員側からも活溌な御質疑を頂きたいと思います。更に今日の問題には恐らく時間の関係上含まれないと思いますけれども、こういう大きな項目で残つております問題、例えば資源の問題、経営の能率の問題、サービスの問題、更に大きい統制管理、國家統制の範囲の問題、そういう四、五点の問題が同じように残つております。この問題につきましては次回に同じような恰好でできるだけやりたいというふうに考えております。從いまして、先程申上げましたように、今日はその前段としての四つの項目を中心に御説明と質疑應答をお願いしたいと考えるわけです。それから尚ちよつとお諮りしたいと思いますが、或いは午前中の説明に引続きまして、ずつと午後質疑應答になると思いますが、今日特に、議員、電氣委員でなくて関心を持たれる方はどんどん御出席願いたいというふうにしてありますから、或いは委員外の出席もあるかと思います。その場合特に質問その他につきましては、予め質問その他の発言はお許ししたいというふうに考えますから、特に議員の皆さんの方の発言と噛み合わない限り、委員外の発言もお許ししたいと思いますが、御了解願いたいと思います。尚今日説明員としてお見えになつております方を簡單に御紹介いたしますが、これはこの間の打合せ会の決定に從いまして、日発、配電、自治体、電産労働組合に対しまして、この説明会の趣旨を御連絡して適当な説明員を出して頂きたいというふうにしましたところ、見えましたのが、日発から副総裁の進藤武左衞門氏、総務理事の齋藤三郎氏であります。進藤氏はちよつと遅れられるというお話であります。それから配電から関西配電の常務の一本松たまき氏、関東配電の工務部長吉田確太氏、自治体側としてはまだはつきりとした連絡がございませんので、東京都関係に御連絡申上げたのですが、東京都の都議の交通委員長の野口辰五郎氏、東京都の交通局長の大須賀兵吉氏、次に電産労働組合からは鈴木篤義氏、友永信夫氏の二名であります。尚政府委員としては電力局長玉置敬三君、それから三ツ井技官が見えることになつておりますが、今朝ちよつと遅れていずれ見えるということであります。それから次に説明会に入りたいと思いますが、委員側の方から何か御注文か何か御意見がありますならば……。直ぐ始めてよろしうございますか。
#3
○門屋盛一君 一應その概略をですね、説明者から聽いた方がいいでしよう。
#4
○委員長(佐々木良作君) よろしうございますね。では、先程申上げましたように、大体の内容が分つておりますから、極く簡單に、十分程度に、自己紹介を兼ねて次々におのおのの主張者と、その主張の要点と、他の主張者との相違点につきまして、概略の御説明を頂きたいと思います。最初日発の方からお述べを願います。
#5
○説明員(齋藤三郎君) 日発の齋藤であります。私共の方も、この再編問題につきましては、印刷物その他でお手許に差上げてありますので、大体お分りのことと存じますが、尚どうしてそういう案を出したかという点について、簡單に御説明をいたしたいと存じます。
 私共が一社化を唱えましたのは、漫然と或いは観念的に一社化を持出したのではありません。先ず集排法関係で、一体集排法が適用されたから必ず分割しなければならんのかという面についても考慮を拂つて、いろいろと調べました結果、要するに分割が分割のためであつてはならない、生産能力を低下せしめ、或いは企業自体が経理的に見て不健全なものになつてはならない、この根本原則に牴触しないような分割案ありやなしやということを先ず第一に考えたのでありますが、そういう問題は、根本の命題に牴触しないような、そういう一つの條件を充すような場合には、どうしても分割は不可能であるということと、もう一つは、從來のいきさつから見まして、事業の再編成は必ずしも集排法のみによつて考えられている問題ではありません。事業の運営の根本にいろいろの支障が出て参つております。この最も甚だしいものは、経営責任の所在が非常に不明確になつておる。これは管理の面及び料金のプール計算の面、いろいろの面から料金が不明である。さようなことを一掃する上にはどうしたらよろしいかという面につきまして、実質的の事業の運営の在り方、或いは経営の能率乃至生産効率の問題、それから殊に電力の逼迫いたしております現在事情における公平な配分、効率的な運用、各方面十数項目に亘る実情等を勘案いたしまして、どうしても分割することはできない。こういう結論を引出しましたので、おのおのの事項に対する説明につきましては、これは後程の御質疑に相当各項目がありますので、そのときにお答えいたしたいと存じます。
 ただ我々の一社化案と、それから組合が主張しておりまする一社化案、この内容の相違について申上げますると、私共の方は比較的平凡な民有民営、分り易い民有民営を採つておる。而も会社の作り方も、從來の事業者が全責任を持つて、この危機を乘切るために全部解散して、新たに別な一つの、仲よくやつて行ける組織体を持ちたい。そういういわゆる簡易なことを考えておりまして、主たる電産案との相違点と申せば、民有民営であるが、電産案の仮想しております公社というものとの相違でありまして、この相違点は端的に申上げますれば、観念的なイデオロギーの相違があるとでもいうたらよろしいではないか。どちらかと申しますと、非常に新らしい構想で、分りにくくもあり、ともすればイデオロギー的な誤解を招き易いようなものは我々としては提唱したくない。私共は最も平凡な旧来の線に沿うた民有民営でも立派な民主化はできるのだ、こういうことでありまして、一社化の結論を端的に申上げれば、現状において一キロでも余分に、將來とも一キロでも余分に、電氣を少しでも経済的に供給して頂きたい、こういう趣旨に盡きると存じます。簡單でありますが……。
#6
○委員長(佐々木良作君) 次に配電の方でどうぞ。
#7
○説明員(一本松たまき君) 私関西配電の一本松でございます。このブロツク案というものの主張されました起りとしては、やはり集中排除法の適用が指定されたからであります。この集中排除法の解釈であります、これは今日発の齋藤さんの御解釈に勿論同感するところが非常に多いのであますが、これは過度の経済力の集中を排除し、國民経済を合理的に再編成する、このことをはつきりもつと詳しく考えますならば、これは企業が段々大きくなつて來ると、経営責任というものが段々ぼやけて來る。非常に分り易い言葉で申しますとそういうことになる。だから非常に大きなスケールでいいますと、企業責任というものが非常に曖昧なものになつて來る、これが原則をなしておるのじやないか、こういうふうに思うのであります。アメリカで御承知のように経済力集中排除というようなものが問題になつた場合に、これは戰爭を基準にしたアメリカの経済を再編成するという眞摯な声から起つて來たのであります。日本の集中排除法は、これは戰爭に対する懲罰であるというふうにまあ考えられ易いのでありますが、私はそうじやないと考えます。この日本の事業というものは、どうも少し経済原則を離れて大きくなり過ぎておる。これは昭和六年の日本の満洲事変以來の傾向でありまして、この日本の経済原則から離れた企業全体を再編成するというアメリカのこれは眞面目な議論から起つて來たものだと、そういうふうに考えるのであります。
 が、併し、ここで問題になるのは、電氣事業というものを、ただ一般の産業と同じようにスケールが大きくなつた、なるのがいかんと、それだけで片付け得るかという問題があるのであります。それはこの日発なり、電産でいわれている電氣事業というものの特殊性であります。これは数字を挙げて齋藤さんの方からお話がしばしば今までにもあつたことであり、我々もこれに同感する節が非常に多い、と申しますのは、日本は水力が中央部にあり、石炭が九州、北海道にある。北海道には水力も相当あります。そういう事実からいつて、全國が一つであるということが非常に能率がいい、電氣の能率がいいという面である。これは後で問題になります配分の問題或いは融通の問題、そういう面に非常に大きくなることの長所がある。その二つのポイントを考え合せまして配電会社のブロック案というものができ上つたのであります。非常な大きなもので全國を一社的なものにするということは、経営責任上これはいけない。これは配電会社の基本的な考え方であります。
 そうすると、あとで申上げました欠陷、電氣事業の特異性、それに対してどう考えるか。それは現在配電会社の主張しております九つ程度のブロックに分けることにおいては、それ程大きな欠陷、つまり欠陷は欠陷でありましようが、致命的な欠陷ではない、そういうふうに考えまして、このブロック案というものができておるのであります。これは基本的な考え方であります。そういうことから、企業形態を民有民営とか、発送配電を一貫経営とか、又適正規模によるブロック案とする、こういうことは今申上げたことを端的に現わすのでありますが、こういうことが起る。電源の開発は地区別会社で行う、その他いろいろ申上げた問題が起つて來るわけであります。これは基本的な問題で、あとで齋藤さんもおつしやいましたが、個々の問題についてはそのときに申上げるといたします。
 ただもう一つ電氣事業再編成の背景と申しますが、基本的な問題が一二あると思います。それはこの再編成を今の経済情勢、社会情勢によつて考えるか、或いはもう少し先になつて來ると日本の経済状態はいろいろなものが落ち着いて來る、その姿において、これを考えて見るか、この二つの問題があると思う。今は非常なインフレの高進過程であり、又電力の不足ということが非常に激しいのであります。この不足が激しいということは若干一社化的なことに有利であるという面も現わすのであります。併しこれがいつまでも今日のごとき不足の状態である、こういう見通しなんである。こういう見通し、或いは水力、火力の均衡の問題でありますが、今のような水力が非常に安く、火力が非常に高い、こういう現象がいつまでも続くものであるかどうか、そういう過渡的な現象と、少し將來のことを考えて、電氣事業というものがどんな形でなくちやならんかという問題を考えなければならん、そういうふうになつております。これは一つの例であります。
 それから技術面と経営面、これがとにかく或る主張をなされる場合には、技術面の長所と経営面とのバランスをよく考えなければならん。この点が又大事な問題だと思う。技術的に如何によくとも、経営という面で、つまり人が非常に動かないという形になるならば、これはその技術面の長所すらも失う場合が非常に多い。そういうふうに考えられることがあるのであります。
 それからもう一つ申上げたいのは、まあ何にしたところで、相当の欠陷はあるのでありまして、ただ眼の前の欠陷というものを非常に重く見まして、その欠陷をなくりるにはこの方がよい、こういうような一つの考えから、例えば一社ということを考えましても、一社というものに対する経驗なんか全然ないのでありますから、一社の欠陷というものは欠陷として数え立てることを、それはそうでないというふうに考えますれば水掛論になる。そういうような面がありますので、これは我々がただ物を理論的にだけ言えないという重大な点があるのじやないか。例えば中庸という言葉があります。これは理論でいうと大体どつちかに行くのが筋合いのものであります。併し実際問題としては中庸というものは相当大きく評價されてよいものである、そういうことも考えなくちやならんと思います。そういうような背景の下に、先程申上げたような根本的な面からブロック案というものが組立てられておる。我々はこれはよいものであると、そういうふうに考えております。
 個々の問題につきましては又。
#8
○委員長(佐々木良作君) 次に自治体の関係について……。
#9
○説明員(大須賀兵吉君) 東京都の大須加でございます。自治体の主張する点を極く簡單に、根本的な問題だけ御説明申上げます。
 我々の主張は、要約しますれば、発送電事業と配電事業とを分離経営するという点であります。そうして発送電事業は全國一元的にこれを運営する、配電事業は都道府縣でやつて頂きたい、こういう主張であります。
 発送電事業を全國一元的に運営するところの形体でありますが、これは國営若しくは國営に準ずる公共会社の経営とするものが適当であるというふうに考えられます。その理由を端的に申上げますと、第一は大規模の発送電の計画は全國大の視野に立つて施策することが必要であるということが一点であります。第二点は電氣料金の調節は國家的に大きな見地に基きまする強力なる施策が必要であるという点であります。第三点は発送電事業は石炭その他の燃料対策と関連することが必要であるということであります。第四点は現在政府の承継しておる外債処理の上に非常に便利であるという点であります。
 それから配電事業を都道府縣営にすることが適当であるという理由について御説明申上げますと、配電事業は御承知の通り電氣の小賣の事業でありまして、一種のサービス事業でありますので、むしろその規模は小さければ小さいほどよいというような意見さえ立つと思うのでありますが、余り小規模でありますれば、配電のコストが高まり且つ地域的ないろいろの不均衡が多くなりますので、やはり適正規模が必要であると考えます。このような理由によりまして、現在の都道府縣ぐらいの大きさが供給の区域としては適当ではないかというように考えるのでありまして、而も現在の都道府県というものは大体河川、山脈等の自然の境界によりまして区画されておりまして、配電線も大体この自然的の條件によつて配線をせられておりますから、これを区分することは比較的容易であるという点であります。第二点は配電事業のような典型的な公共事業は、飽くまでその経営は民主的であるということが望ましい点であります。この意味から見ますれば、地方議会による指導と監督の下にあるところの都道府縣営というものは、最も民主的な経営形体であると言い得ると思います。電氣は國の基本的産業でありますと共に、水や主食と同じように最も一般的な消費物でありまするので、これを消費者たる住民みずからの手で手入れするということが最も望ましい形体であるというように考えております。
 極く基本的な説明でありますが大体以上であります。
#10
○委員長(佐々木良作君) 最後に電産の方の御説明を願います。
#11
○説明員(友永信夫君) 電産の友永であります。電産の案の骨子は、現在の電氣事業は完全な独占事業の性格を持つておる。もう自由競爭の時代は二十年前に過ぎておる。そのときにおいても電力会社の合併併合ということをやつて独占時代を経て競爭をやつておつて、たまらなくなつて電力連盟という一つのカルテルを作つた。併しながらここで自由競爭の時代に戻しても、いずれそういう運命にあつた、而も自由競爭がいけないということが決定的になつて、カルテルを作ろうと思つても、今では独占禁止法でそれができない。だからそういうことは絶対に逆行できない。だから今の電氣事業はどんな恰好であろうとも完全な独占事業であるという性格、それから事業本來の性格として公共事業であるということ、それから基本産業であるということ、この三点を電氣事業の現在の性格として、これを今後どういうふうに結び着けるのが一番よいのかということを前提に考えて、我々の再編計画の骨子と考えたのであります。
 そうして具体的には、電氣事業の技術的な、生産力の現在発達して來たこの段階というものをはつきり認識し、現在の技術的な程度だけでなく、更に技術の方向がどういう方向に向つておるかということもはつきり見通しをして、それと逆行しないようにという考慮を拂つたわけであります。それから我が國の電力事業の分布状況、それから電氣事業の技術的、それから労働、それから経営、こういう特性を、技術面、経営面、労働面、消費者の面という各方面から檢討して、そうして先程申しましたように、我國がの電氣事業の発達の歴史を再檢討し、少くとも電氣事業に関する限りは、企業経営として全國発送配電の一連環でなければならない、こういうふうに考えたのであります。でありますから、我々の企業規模、企業形態はこの現実から出発しておるのでありまして、決してイデオロギーから出発したものでないことをお含み願いたいと思います。
 次に、こういうふうな規模ではどういうふうに運営するかという観点に立ちまして、我々はこの企業の性格は國営或いは國家管理の一つの樣式でなければならん。而もこの國営或いは國家管理が官僚國営或いは官僚的國家管理に墮しないように、而もそのでき上つた一元化された企業の機構自体が官僚化しないように十分に考慮を拂つてこの案を提出したわけであります。
 具体的に申しますと、國営或いは國家管理の一樣式と申しますのは、國家は物價、物動等の総合國策、こういうような面と電氣事業との関連を決定しなければならん大きな面がありますから、そういうふうな関連面における大綱は強力に國家が決定権を持つ。そうして細部に関してはその一元化された企業の経営者に一任する。そうして而もその國家意思がこの企業に働く場合において独善的に行かないために、適当な指導機関、民主的に構成された指導機関として電力委員会というものを設け、その國家意思の決定に参画するという形式を考えたわけであります。これは参画でありまして、これが最終決定権を持つということになりますと、二重政権を予想せざる限りはできませんので参画する。でありますから、この性格は諮問機関、或いは建議機関、或いは審議機関、或いは調査機関……調査権能を持つ、こういうふうな性格の機関を想定したわけであります。この指導機関は最終決定権は政府が持つ。そうして政府はこの企業の最高責任者である。技術者達の任免権をはつきり握る。ですから、この人事権の面において、この最高責任者と國家というものは表裏一体となるということを考えておるわけであります。これで責任の限界が現状よりぐつとはつきりするということになつたわけであります。先程も申しましたように電氣事業はどういう形態であれ、或いは國家の、或いは公共の統制管理というものが必至でありますから、経営者の性格がはつきりしておらないとそこに混淆を來す。責任を明確にするためにはこの最高人事権を國家が持つておるということが一番責任をはつきりさせるゆえんだと考えております。
 次に企業の経営がルーズになり、或いは資本を濫費したり、独占企業としての独占的な性格を招來しないように、経理公開をしろ。経理公開を原則としております。且つ業務監査、経理監査をする民主的な監査機関を設けて、大体最下位は縣單位ぐらいまでの監査機構を設ける、こういうように考えております。
 次に指導機関と監査機関と、普通考えられますのは大抵一本になつておりますが、これを分けましたゆえんは、指導機関が余り多面的に分散しますると、経営の混乱を招來するというので、指導機関は中央的な性格を濃くして、監督機関は企業の公共的な運営を監視するために、地方からピラミツド型に中央え積み上げるというような形式を採つております。指導監督権を一つにしますると、権力が集中し過ぎて、経営に対する不当な介入が発生し易いというので、別個に二本建にしておるわけであります。この企業体は、電産の方では公共会社という名目でやつております。どこが普通の企業と違うかと申しますと、資本と経営というものをはつきり分離した、そうして而も現在の資本に対する保護として、このでき上りました公共会社に対しては、現在の株主に対して出資証券を與える、そうしてこれには、公共事業でありますから、最高配当を制限すると共に、最低配当を國家が保障するということにしてあります。それからこの出資証券を交付する場合に、強制的なものを伴いますから、資本の自由を保護するために、一定期間を限つて、國家に対して買上請求を認めるという過渡的措置を考慮してあります。それから出資証券を國債交付にしますと國有になるわけでありますが、國有を採らなかつたのは、今のような不安定の経済段階においては、例えば事業財産の再評價というような時期が参りますると、國有にして置けば現在の株主というものは額面通りのものしか受取れない、資産の再評價というような事態があるならば、この出資証券を持つておる者は最終の所有権を持つておるわけでありますから、この評價益の利益を享受することができる、こういうことを考えておるわけであります。
 次に消費者の声を経営に反映させるために、公共事業というものはどうしても大衆的な監視を受けなければならん。ただ併しながら、大衆の監視の声が散発的に不平不満としてぶすぶす言つておるのでは仕方がないので、これを組織化する必要がある。それで先に申しました指導監督機構を通じて、消費者のが組織的に反映する。而もこれは決して観念的に考えられたものでなくして、当分続くであろうところの電力の危機、ここに自然のうちに、國民の間から自制会とか電力協議会というものが起つて参ります。これは当然起るものが起つておるのでありまして、これを組織的に纏め上げて行つて、これが適正な権限を付與され、適正な限度において企業の監査監督に当るという方向を明示しておるわけであります。
 要するに私共の案は、今日の電氣事業の現状をよくその内部から見ておりまして、その弊害、欠陷、そういうものを徹底的に檢討して、これを積極的に解決する。こういうのはどうかという建前で、最も現実的な案であるわけです。この点御了承願いたいと思います。
 尚補足としまして、電産は、発送電を全國一元化するという場合に、現在の配電会社、日発以外の電氣事業をこの際一括統合するのではないかという質問があるわけでありますが、この点についてその問題の一番影響するところは、自家用の問題でありますが、自家用の問題は、その自家用発電設備を持つている工場、それが運轉を左右するものでありますから、その特性において自家用で置いて、おいてよいと思うものはそのまま残して置く。それから例えば今の生産能力が落ちて、少し自家用発電設備が大き過ぎて経済的に使えないから、却つてこういうふうなものに合せた方がいいのではないかというような実情にあるものについては、実情に即して一元化の枠の中に入れる。こういうふうな彈力性を持つて考えたのであります。一應これだけ申上げて置きます。
#12
○委員長(佐々木良作君) 一應極めて概括的な御説明を伺つたわけでありますが、個々の問題に入ります前に、只今の概括的な説明に関しまして御質問がありましたらお願いいたします。尚今日の説明会は、恐らく説明員同士のいろいろな意見と、非常に鋭い主張と主張の対立でありますから、説明員おのおのの中での主張もあろうかと思います。その場合も議員方の質問が済みましたならば、御自由に発言を求められて、そうして他の説明者に対する質問なり或いは主張をなさることが、議員側にも問題の焦点を分り易くするためによいと思いますから、そういう発言も、発言を求められてされることを希望いたします。一般的な説明に関しましての御質問はありませんですか。
#13
○門屋盛一君 質問を一つ始めますと、それに関連して、ずつといろいろな事項が出て來ますから……。
#14
○委員長(佐々木良作君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#15
○委員長(佐々木良作君) 速記を始めて。
#16
○栗山良夫君 私は今の四つの意見を拜聽しておつたのでありますが、最近私は或る新聞に次のようなことが書かれておりまして、非常に尤もだと思つておつたのでありますが、その点に関連して二、三質問したいと思うのであります。その新聞に出ておつたと申しますことは、今この重要な電氣事業の再編問題を繞りまして、或いは全國一元化、或いは地方ブロツク化、或いは縣の公営、こういうような各種の案が必然性を強調されて現在國民の前に発表せられている。そうしてどの案を見ても、説明を聽くと極めて御尤も次第のような理由が附けられている。併し自分達はそういうような意見を聽くのでなくて、その結論が極めて自分達に結得できないような状態にある。即ちそういうような主張者の最後の結論のところにはつきり書いて貰いたいことは、一体電氣を豊富に生産して、それを國民の手にどのように安價に、而も簡單に渡すのか、そういうような具体的な問題を明らかにせられたい。これが欠けているので了解に苦しむ。而もそういうような状態にありますから、結局結論を言うならば、どの案もそれぞれの立場に立つて勝手に主張うているのではないかというようなことを結調せざるを得ないのであります。勿論まだ問題になりましてから時間的にもそんなに経つているわけでありませんし、各主張者の側においても、それ程國民の中に十分に滲透せられていないと思いますので、そういうような議論の起るのも又止むを得ないと思いますが、ただ問題は今四つの意見がそれぞれ、こう申上げると言葉がどうかと思いますけれども、とにかく側面的に批評いたしますならば、それぞれの立場を守つて、その立場の枠において相当強く主張されているということがいえるのじやないか、こういう工合に考えるのであります。そこで私が申上げました需要の立場、いわゆる需要家にサービスする、この立場を発電所から末端の配電まで一貫した考え方におきまして、どういう工合にお考えになつているかということを伺いたいのでありますが、先ず発送電と配電会社の方に伺いたいことは、先程集排法の適用指定によつてこういう案が生れたということをおつしやいましたが、集排の方はただ一つしかないわけであります。その一つに対して二つの見解が出たというところをもう少し明確にして頂きたいということが一つであります。これは発送電と配電の両所からお聽きをしたいのであります。
 それから配電の方へもう一つお聽きしたいことは、全國一社では経営責任上よくない、こういうことをおつしやつたのでありますが、配電事業はブロツクにいたしましようとも、縣営にいたしましようとも、全國一つにいたしましようとも、とにかく需要家の立場から考えますれば、これは完全なる独占事業であります。そういう点からいえば、外の産業と違いまして自由競爭のような形には出て來ないのでありまして、経営責任というのは結局私はブロツクで運営される問題でなく、経営技術にすべてが懸けられる問題でありまして、経営責任の明確化ということは、現在の電氣事業に加えられておる官僚統制、これの弊害と申しますか、電氣事業の発展を阻害して來た、こういつた根本の問題を掘り下げたならば経営責任の実体ということは明らかにならない、こういう工合に考えるのでありまして、配電会社の方では、その経営責任がぼやけるとかというような言葉で表現になりましたが、今申上げましたような経営規模の問題でなくして、本質的な、電氣事業が今まで非常に伸び伸びと発展し得なかつた問題、経営責任を明確にできなかつた基本的の問題をもう少し明確にして頂きたい。
 それから自治体の方に伺いたいことは。発送電事業を全國一元化するということを一つの方針にしておられるようであります。これは発送電の全國一社化案と大体共通な考え方に出ておるようであります。その具体的理由を伺いましても、そういう工合になつておると思います。問題は、配電事業はサービス的にも適正規模の区域にしなければならん、こういう工合に御説明になつておりますが、その理由として公共事業である、そして民主的に運営しなければならん、こういうことを言われましたが、縣営ブロツクにおける民主的運営というものの性格をもう少し伺いたい。と申しますことは、現在一つの例を申上げますと、全國に亘つて電氣税の反対運動が國民の中から起つておりますにも拘わらず、各縣においては殆んどどにも電氣税の徴收が今なされつつあります。こういうことは結局、地方議会を中心とした民主的の電氣事業の運営ということについての一つの限界のあることを認めざるを得ないのであります。國民が要求しておる電氣事業の民主化の運営と地方議会が考えておる民主的電氣事業運営の間に相当の隔たりがあるのではないかというふうに考えるのであります。その点を伺います。
#17
○委員長(佐々木良作君) 質問は三点あつたと思います。三点について説明員の御意見を伺います。
#18
○説明員(齋藤三郎君) 今の第一の御質問は、集排法を繞つての再編案として二つの意見が出て來た。その点に対しての説明をもつと詳しくしろというお話でございました。その点に対して日発側の考え方を申上げます。私共は必ずしも自分の立場ということを考えてこういう結論を導き出したのではないことをはつきりお断わり申上げて置くと同時に、今日のこの電力事情のこの状態は一体いつまで続くであろうか、現在の資材の生産高、或いは最近発表されました安本の五ケ年計画などから推察いたしましても、相当長期に亘り、この案が達成されました後でも、尚且つ全面的に統制撤廃というまでには行かない案だということは、はつきり了承できるのではないかと思います。又インフレが收まつて、そうしていろいろな面から世界との貿易が開かれるというような状態になつたときに、果して物價の水準とか資材の在り方というものが、從來の昭和六年以前のような、ああいうように自由に発展して來た状態に還元されるかどうかということの見通しは、これは端的に申上げますと、平價を切下げても物價水準が元の通りになるというようなことは俄かには結論付けられないと思います。元の状態にそのまま還るということは予想できないことと存じます。さような現実に立脚いたしまして、少しでも電氣を余計起すにはどうしたらいいか、つまり生産効率を極度に上げなければならない。それには到底地域的に分割などをしたのではその目的が達せられない。これは電力配分の問題で詳しく御説明申上げたいと思いまするが、そういう点が一つ。それから物價水準の在り方によつて、電力料金の地域的のアンバランスがどういうふうに落ち着くか。この見通しについても、從來のような水火力が殆んど競爭のできる値段にあつたところには落ち着き得ない。これは資産の再評價が許されるとしても、水力の値段が遥かに火力の値段よりは安くなるという見通しから、料金の相違点というものは依然として解消されないものがあるであろうというような点が考えられる。從つて國民に少しでも余計に電氣を供給し、そうして又公平な配分を行い、電力料金に対しても、均一とは決して申上げません、或る程度の地域による差ということも相当考慮する必要のあることは改めて申上げる必要もないと存じます。そういう面を考慮しても尚且つ料金の調整が必要であろう、こういうような点を考え合せますると、如何ように形態を考えても、そこに一つのカルテル組織、或いはカルテル組織の精神を採入れる調整を行わなければ、実際問題として分割ができない。從つてこういうカルテル組織化が残るという考えがある限りは、決して集排法に対する適当なお答えでない、こういうことから私共は分割ができない、こういう御返事を申上げたのであります。
#19
○説明員(一本松たまき君) 栗山さんの御質問の集排法に対する配電会社と日発との解釈が違うというようなお話でありましたが、これは私は解釈が違うといえば違うのでありますが、解釈そのものはそう違つていないというふうに考えております。本当に能率がいいなら一社化でも……集排法は大体一社化は異議ないと思うのでありますが、ただ日本の電氣事業にアップライした場合には、一社化でなければいけないという結論が仮に出たとすれば、この一社化にすることは集排法の精神に反対ではない。つまりどつちの形もあり得るというふうに、個人的な考えになるかと思いますが、私は考えております。併しその精神から電氣事業を運営して行くいろいろな面を総合して考えたときに、答えが違つて來る。だから或いは答えが違うのは精神解釈が違うのじやないかといえば、それは在いは違うのかも知れません。少くとも言葉で言い現わされたところでは一致しております。それはつまり能率を上げるというようなところに、まあ齋藤さんの説明されたことは、初めに集排法の御説明をされたことは私達もそういうふうに考えるのでありますが、場合が違う。つまり日発の方の御意見としては、一社化の方が能率がいいのだという結論。配電会社ではそうではない、ブロックにした方が能率がいいのだ。ただここに私先程申上げたのは、事業が非常に大きくなつた場合、責任の所在が段々ぼやけて來る、こういう事実は必ず存在して來ることだと思います。その程度の差でございます。
 それからその次の御質問の配電案の責任体制、これは規模の問題ではないという御見解でありますが、私はこれはそうでないというふうに考えております。規模が非常に大きくなつた場合に、責任体制というものはどうしてもぼやけざるを得ないということは動かすことができないと考えております。ただその場合に非常に大きなものを幾つかに割りまして、その割つたものに責任体制を、権限を沢山與えて責任体制を取らせればいいじやないか、こういう御議論、これは私はここに見解の相違がはつきり出て來るのでありまして、権限を如何に委讓しましても、そのものが実権者であるということと、権限が委讓された形における責任体制というものは根本的に差がある、そういうふうに考えますから、この経営責任という問題は、私のさつき申上げましたブロックに数を割つた方がはつきりするものである、そういうふうに考えております。
#20
○説明員(大須賀兵吉君) 自治体でやつた場合の民主的運営の御質問につきまして、自治体で経営します場合には、先程申上げましたように、各地方議会というものが事業の指導機関であり、且つ監督機関に相成つて來るのであります。この地方議会というものは御承知の通り住民によつて選び出されました代表によつて作られている最も民主的な機関であります。併しながら、現在の自治体でやつている仕事が必ずしも全部民主的に行つていないということでありますが、それも亦事実であります。そこでこの事実を運営いたします場合には、最も高度の公共性を持つているということを考えまして、執行機関の協議機関としまして電氣事業の運営協議会というものを設置したい。そうしてその協議会の機構は、当局者、従業員の代表、消費者の代表及び学識経驗者というような各層を盛つた電氣事業運営委員会というものを設置しまして、執行機関の協議機関といたしたい。尚又議決機関たる地方機関内には、配電事業のために特に專門の委員会を設けまして、議決機関に対する輿論の反映というものを、強力にこれに基いて指示したいというふうに考えております。即ち特に本事業の高度の公共性に鑑みまして、從來やつてない、かような組織を以ちまして民主化に遺漏なきを期したいと思います。
 尚又電氣税の御質問がありましたが、この問題に関しましては、目下都会の側と愼重に專門委員会によつて研究中でありまして、事柄が大衆課税になるというような点なども相当に考慮しまして、目下研究中でありますが、近いうち結論を得ると思いますが、これをやるかやらんかという結論には到つておりません。
#21
○委員長(佐々木良作君) ちよつと私から御質問いたしますが、先程の栗山君からの質問の中の集排法の問題につきまして、これは極めて重大な問題だと思います。その他の経理独立の問題、電力融通配分の問題につきましては、いずれあとの具体的の項目で出ると思いますけれども、集排法の問題につきましては、ちよつと私も伺いたいと思うのですが、今のところ齋藤、一本松両氏からのお答えでは、集排法自身の解釈は、日本の電力事情からして、一つなら一つ、数個なら数個に分けた方がより能率的でいいという結論が出た場合には、それでそういう形態になし得るというような御解釈だつたと思いますが、今の御発言は……。それでその場合に最初一本松説明員から説明された場合にも、それと同時に集排法が施行されておる現実から一つにすることはちよつと困るという話もありましたし、それから電産その他の説明書なんかを見ましても、必ずしも今のような御解釈を集排法は規定していない面もある。例えば日発案の株式会社案は集排法にはむしろ牴触するものと考えられるのじやないかというふうな見方もされておる。やはりその辺にぼやつとした問題があるように考えるのでありますが、第一は、日発の立場から言われたのには先程のように私は解したわけです。結論がよくなれば集排法の方の技術的な理由から、こうだと通しても牴触しないと解釈してよいと日発側では言つておられるように解せられる。それから配電側はそういう考え方と同時に、一方にはやはりこの一つにするということは牴触するんだというふうに考えられておる面がありそうな氣がする。その場合に尚、更に言いたいことは、現実に今指定されておるのは日発会社も配電会社も同じように指定されておるということを前提にして御答え願いたいのですが……。それから電産の方からの説明書を見ますと、これはやはり株式会社論的な考え方は明らかに今の集排法の精神に牴触するのじやないかというふうに考えられておると思うのですが、その辺をもう少し簡潔でよいのですが、御説明を聞きたい。
#22
○説明員(齋藤三郎君) 今のお話で、電産の批判の方は第二といたしまして、生産効率さえ上げれば集排法は適用しないということだけでないので、これは私さつきの説明で最後に申上げましたように、仮に分ける案が成り立つか成り立たんかというと、成り立つた場合の形はどうなるのか。これは仮に分けたとすれば、必ず電力配分調整の問題、或いは電力料金の調整の問題、そういう面で何らかの第三機関、或いは官廳を通ずるとか何かの組織を以て、そこに調整機構を作り上げなければならない。この現実がこれははつきり事業のカルテル組織的な機構を除いては成り立ち得ないんだということを立証しておるのであります。そうであるならば私は必ずしも一社そのものが集排法に牴触するのだと直ちにはいえない。一面において独占禁止からは除外されておるという事実から見ても、どうしてもこの事業は如何ようなことをやつてもそういうふうになるんだということが立証できれば、相当はつきりした理由になるのじやないか。こういうことを御説明申上げて置きます。
#23
○説明員(一本松たまき君) 集排法の根本精神というものをそのままに解釈するならば、私は一社はいけない、こういうふうに考えますが、併しながら、この集排法というものは電氣事業だけのためのできた法令じやありません。あらゆる産業全体に向つてその巨大なものを経済原則に合うように分割しようというものがこの精神であると思います。これは産業全般に対する……。併し電氣事業を眺めた場合に、これはどうしても一つでなければならんという現実が若し出るならば、私は集排法のもう一つ根本的な精神は、もう一つ奥には、やはり企業というものを経済原則に合うように編成をするという精神の方から出て來て、巨大というものがいけないというふうになるのでありますが、そのもう一つ大きな基本的な問題に触れますから、私は集中排除法というものの文字が表わしておる分割とか、そういうものとは無関係に、どの案でも成り立ち得る、そういうふうに考えます。そこでその考え方から一つでなければいかんというふうにお考えになつたのは私は日発案だと思います。配電会社の方の案は、それはブロックに分けてもよい。一つでなければいかんというようなことはない。ブロックに分けた方が企業責任なんかもはつきりしておる。企業全体としての能率もよくなるんだ、こういう精神もそこに入れたならば、これは明らかに一社でないという結論が出る。集中排除法の精神から……。私はそういうふうに御説明申上げて置きます。
#24
○委員長(佐々木良作君) ちよつと組合の方……。
#25
○説明員(友永信夫君) 電産から御説明申上げます。集排法が出まして、電氣事業は現在配電会社と日発と十ありますが、これが全部適用を受ける。それであの配分案をそのまま読む限りにおいては、現在十あるやつを一つにしようと九つにしようと、どちらにしろ、現在の企業形態、株式形態といいますか、この形態がある限りは、これはどちらも牴触すると考えております。ただ集排法では、國営事業、公営事業、それから労働組合、こういうものは適用しないとはつきりあります。ですから電産案のような性格、或いは自治体からの御提案の資本と経営とはつきり分離した案、この案では牴触しないだろうと考えます。特に日発案も配電案も、あの條文をそのまま読む限りにおいては私は牴触すると思いますが、配電案においてはひよつとしたら独占禁止法にも引掛かるんじやないか、こういうふうに考えております。これは地区に分けても各地区における独占会社でありますから、その間においては電力融通、その他の融通に対することを自治的に調整するのは文句があるように考えますが、こういうふうな大きな問題を自治的にお互いに独占禁止法によつて適用するということをやられたら、これは両方の地区にそのまま響く問題だと思います。ひよつとしたら地区間においては独占禁止法にも引掛かるようなものがあるのじやないか、こういうふうに考えております。
#26
○栗山良夫君 もう一点……。
#27
○委員長(佐々木良作君) ちよつともう時間があれですから、新らしい問題でしたら、この辺で切つたら如何かと思うのですけれども、どうしますか。
#28
○栗山良夫君 今の問題の再質問なんですが……。
#29
○委員長(佐々木良作君) じや、どうぞ。
#30
○栗山良夫君 これは配電会社の方或いは電産の方に関係があると思つてお伺いするのですが、今の集排法を繞つてのいろいろな御意見は大体分りましたが、その場合に結局集排法そのものから、考え方というものが多少の食い違いが起つておるのじやなくして、能率運営という面から二つの結論が出た、こういうふうにおつしやつておる。そうすれば、私共過日電産の方からも御説明を伺つたわけでありますが、もう一昨年以來電氣産業團として、いわゆる全國一社化なるものが協定されて、そうしてもうすでに昨年の暮頃までその一社化案の内容の構想に当りまして、株式会社の性格の問題というような極めて具体的な問題で討議が進められつつあるやに聞いておるわけでありますが、そういうような能率経営論を中心にして具体論が進められて來たにも拘わらず、その問題が一変いたしまして、集排法の指定と同時に、この問題に轉移して來たという点がどうも私共印刷物や或いは説明をお聞きしても了解し得ない。それで集排法が指定された、そうしてこれは必ず分割しなければならない、こういう理念の下にそういう体制が布かれるならば、私共は了解が或る程度できるのですが、今一本松さんが言われた理論というものは必ずしもそうでなく、経営ということを考えられる結果、こういう結論が出て來たということは……経営の問題というのは又電産との間で言われて、もうここまで來ておるわけで、一遍にそういうふうに変化するとは考えられないわけでありますが、その点を明らかにして頂きたい。
 それから電産の方が今の発送電或いは配電の御説明を聞かされたわけですが、直接今までこの電氣事業の再編成、民主化の問題を繞つて、熱心な努力の一員に入つておられたわけでございますが、そちらの今の討議を中心にしての見解を発表して頂きたい。こういうこと、それだけであります。
#31
○説明員(一本松たまき君) 只今の栗山さんの御質問は大変これは微妙な関係がありまして、私社会化案なるものが成立された当時の事情に若干加える点もありますので、或いは又後でお叱りを受けるかも知れませんが、まあ私の考えておることを申上げます。第一の問題ですが、集中排除法が出ましてこのブロック案になつたということであります。これは例えば集中排除法が今の能率論だけのものならば、集中排除法の如何に拘わらず、一社化案で進むべきではないか、こういう点もあります。さように申上げましたが、集中排除法が掛けられて、現実にこの一社化案、一つにするということは相当飛躍的な考え方になると、私がここで先程から申上げたことと若干違つた印象をお受けになるかも知れません。私は依然としてその氣持を持つております。全國を一つにするというようなことは、これは集中排除法の精神ではないということは、相当強いと考えております。これは勿論能率がよければそんなことは全然無視したらいいじやないかとおつしやればその通りに違いありません。併し、全國を一つにするという形は、これは集中排除法の指定を受けた状態においては、これは相当大きな飛躍である。これが一つの考え、それから第二の点は、私この社会情勢の変轉ということがどうしてもあると思う。一昨年この社会化法案で解釈が一致して進んでおつた当時と現在の状態は、事情の変更がある、変更が存在しておる。そういうふうに考えます。それはまあもう少しその点を御説明いたしますと、その当時の社会情勢並びに経済上の諸情勢が、日本の國における諸情勢が、社会化的な線に向つて相当大きく歩んでおつた。又歩まんとしておつたということは、これは言い得ると思う。銀行の國営とかいうようなことが相当眞面目に議論され、アメリカが日本の國を民主化しようというような線も相当強く出ておる。労働組合法或いは労働基準法、そういう一連の社会化的雰囲氣というものは、これは見逃すことはできない。が併し、その後の情勢の変更によりまして、まあアメリカの日本援助とかいうような、具体的に申しますとそういういろいろ問題があるわけですが、そういうものから日本の経済の考え方が少し変つて來た。率直に申しますならば、資本主義的な色彩が相当強く兆した。これはたしかに事情変更である。こういうふうに一つ考えるとこういうことであります。そういうことから、今の二点から、大体集中排除法の指定が起つたという瞬間に、そういうことが一遍に表面に出た。そのことは直ちに瞬間に変つたようにお思いになるかも知れませんが、社会情勢の変更というものはそう簡單に一遍に、長い相当何ケ月か経て、或いは何年か経て出て來るものでありますから、まあ非常に奇異の感じをお持ちになるかも知れませんが、我々の感じを率直に申上げたらそういうことであります。
#32
○栗山良夫君 もう一点だけお願いいたします。どうもはつきりしないのです。今の集中排除法によつて若し社会化すれば牴触するというような非常な強い印象を持つて、こういう結論になつたと、こうおつしやるのですが、私は電氣経営者の最も大きな責任は、集排法が出たのですから、これは当然拘束されるのですが、これを先程あなたが一番最初におつしやつたように、能率経営論でこれはなくちやならんと、そういう結論が出るならば、この集中排除法の指定の解除とか、或いはその運用を緩めるとか、そういうことに信念的に努力さるべきではないかと思います。そこで、それまで行かないで、集排法によつて非常に強い印象を受けたからこういう結論が出たとおつしやるのでありますが、その結論として、事情の変更ということをお述べになつたのでありますが、若しその事情の変更が社会化の方向に歩まんとしておつたのが少し違つて來た。或いはアメリカの日本経済援助というような新らしいことが起つて來た。こういうことを理由とされるならば、私は発送電を二つにしなければならんと思う。これは同じ理由でなければならんと、こう考えるのでありますが、なぜそういうふうに感ぜられたかということを、私は追及のようになりますけれども、実際は私はなぜそういうことを申上げるかというと、現在國民がやはり最も大きく案として期待しておるのは、最も責任を強く負わなければならない電氣事業の経営者の方々の意見が二つに割れておる。これは日本の電氣事業にとつて極めて不幸であると思う。これは何といつても最も大きな專門家である。電氣事業の経営者の方々が、同じ集排法の問題を繞つて、而も能率経営論から來たのですね、そうして二つの議論が出された。そうして國民を全く昏迷のうちに陷れた。私はこう言つても過言でないと思う。そういう点から、どうも今のお話を伺つておつてもはつきりしない。この点をもう少しお聞きしたいと思います。
#33
○説明員(一本松たまき君) 今のその叱りは自分の骨身に徹するぐらいに思います。併しそのポイントを申上げますと、この経営ということに関する日発と配電会社の意見の相違ということが、相当取上げらるべきであると思います。つまり日発は責任経営という点において、その経営の点から能率を上げる、一社の方が能率を上げる、そういうふうに考えられる。併し配電会社はそうでなしに、ブロックに分れた方が責任経営で能率を上げる、電氣事業全体の能率を上げるゆえんだと、そういうふうに結論が出たわけです。そこに或いは私の申上げます責任経営という、これは一番初めに申上げたのですが、その点から二つの案になつた。これは誠に申訳ないことで、我々非常に深く反省はいたしておつたのでありますが、現状においては致し方がございません。
#34
○栗山良夫君 どうも私の質問に対しまして、はつきりしませんので、又次の機会にもう少し明らかにして置きたいと思います。
#35
○委員長(佐々木良作君) では時間が來ておりますから、一時まで休憩したいと思います。一時から再開したいと思います。一時まで休憩いたします。
   午後零時九分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時二十七分開会
#36
○委員長(佐々木良作君) それでは休憩前に引続きまして、開会いたします。具体的な個別の問題に入ります前に、まだ質問が残つておりましたらやつて頂きたいと思います。
#37
○門屋盛一君 この電氣事業の再編成というものが、午前中の御説明を承わりますと、集中排除の指定を受けたからスタートしたというふうになつておる案と、集中排除の指定のあるなしに拘わらず、我が國の電氣事業としては現在のままではいけないのだから、何とかこれはやり替えなければならん、具体的にいうならば、官僚統制を脱してしまわなければならないという考え方と二つあるようなのですが、それで総括的に四つの考え方についてお伺いしたいのは、今日やはり集中排除の指定を受けたから、これにのみ重きを置いて立案なさつたか、又は集中排除の指定ということは、これは重要なことで動かせんことではあるが、それと同時に、指定のあるなしに拘わらずこの行き方が一番いいのであるというのか。どういうふうな根拠を以て立案されたか、それを一應伺つて見たい。
#38
○説明員(齋藤三郎君) 日発の立場を御説明申上げますが、私共はただ集中排除法だけを対象として考えておるのではなく、全体的に少しでもよくする方に行きたい、少しでもよくするということは少しでも一キロワットアワーでも余計に供給するということが、今一番大事なことだと思いますので、そういう方向へ行きたい、こういう氣持であるのであります。
#39
○門屋盛一君 配電関係の方はどうですか。
#40
○説明員(一本松たまき君) 集中排除法の指定を受けたからこうであるとか、或いは能率を考えればこうであるとか、見方もあるわけでありますが、いずれにしましても、現在我々考えておりますのは、ブロック案というのは能率がいいのだ、こういうことも事実なんであります。だからこれが集中排除法の指定を受けたということと、この方が企業能率がいいのだという二つの事実がはつきりあるのでありまして、だから仮に集中排除法が指定を解かれましても、やはり現在の状態では我々もこの形がよいのだ、そういうふうに考えております。
#41
○門屋盛一君 そうすると、そういうお考えは、集中排除の指定のない凡そどれくらい前からお考えになつておるか。
#42
○説明員(一本松たまき君) それは先程から栗山さんの御質問の中にもあつたのでありますが、まあ時代の移り変りというものがそう時間的にはつきりしない、徐々に起りまして、それが或る一つの段階に達しておつたのでありますが、この集中排除法の指定を受けた。或いは受けたか受けないかというときに、我々はずつと一社化という案で來ておつたのが、それがすでにブロックの方に移つておつたのが非常にはつきりと明瞭に出て來たと、こういうふうな考え方でございます。
#43
○説明員(鈴木篤義君) 電産の鈴木であります。電産といたしましては、集中排除の指定を受ける受けないに拘わらず、すでに二三年前から電氣事業はかくあるべきであるというような結論に達しまして、これに対しましては、会社の日発も配電もこれに同調いたしまして、この集中排除が指定になるまで、この線に副いましていろいろの会議を持ちまして、この実現を期したわけであります。只今配電会社の方がそれに関係しないというようなことをおつしやいますが、これは一本松さんの多分個人的なお考えであろうと思いますが、我々が会社の経営者と交渉に当りまして、会社は明らかに集中排除法によつた、客観情勢の変化によつて組合と協定をやつたことを実行することはできないということを理由に申しておつたのでありますが、それで我々といたしましても、午前中にお話申上げましたが、この集中排除の精神という点から見ましても、却つて牴触するのではないかということを嚴重に会社の方に申渡してありますし、今回会社がとつた態度につきましても、我々といたしましても非常に不満な意を表しまして、会社に対しましても嚴重に抗議を申込んでおります。我々がこの案を作るに当りましても、経営者の方からも專門家が出て、電産からも專門家が出て、すべてのことを、組合とか会社側とか抜きにして、本当の專門家の人人が集つて御主建議会なるものを作りまして、ずつとこの線に副つて行くということをつい先日までやつて來たのであります。その点どうぞ一つ御了承願いたいと思います。
#44
○門屋盛一君 公営案、いわゆる配電事業の公営案というのは御同様な意味で、今度の集中排除の指定があつたのでこの機会に、というようなことで起つたのか、それとも戰時中だからどうしてもこれではいかんからこの通りやらなければならんからというそのスタート……。
#45
○説明員(山元誠安君) お答えいたします。公営論が起りましたのは、終戰直後昭和二十一年の初めから起きておりますのでありまして、特に東京都におきましては配電統制の扱われましたその当時から出て、たまたま集中排除法が出まして一層力を加えたということにはなりますけれども、この論はずつと以前からありますわけであります。
#46
○飯田精太郎君 この配電会社と自治体の……配電会社が九つに分れておりますし、自治体の方は随分数が多いのでありますが、いろいろこれから御質問が出ると思いますが、お答えが全部纒まつたお答えでない、一部の御意見も細かい点になると出るだろうと思いますが、その点一つはつきり区分けしてお答え願いたいと思います。序でにお願いして置きます。
#47
○説明員(鈴木篤義君) ちよつとお伺いしたいことがあります。今日のこの会合は電産を代表して來ておるのであります。日発、配電、こういつた方も個人的な立場でなくて勿論代表としておいでになつておるのでありますか、それ点ちよつとお伺いしたいと思います。先程の一本松さんのお話が経営者と我々との話と随分食い違つた点もありますので、その点を一つ確認して頂きたいと思います。
#48
○委員長(佐々木良作君) それでは私からちよつと申上げますが、委員会の始まる前に申上げましたように、各團体に対して代表的な方をおよこし願うように申上げたのであります。それで恐らく各説明員ともその團体を代表してお見えになつておると思います。但し具体的な細かい問題に入りますと、又團体が廣ければ廣いだけに十分な結論がついていない場合もあると思いますし、その点は個人的な意見を加味されて、そのことを断わられて説明されることが適当ではないかと思います。
#49
○説明員(一本松たまき君) 只今の説明ですが、私の訂正と申しますか、個人的な意見という問題でありますが、集中排除法の指定を受けたからこういうふうになつた。今度のブロック案が出た。これはさつきお話申上げたことで、その通りであります。ただ集中排除法の指定が解除されたならばどういうことになるか、こういうことに関しましての私の先程の発言の中に、私が集中排除法の指定を取消されてもこの形で行くということをちよつと申上げました。これは経営者内部の、多少私の個人的な意見に亘りまして、経営者内部の確認したところによりましても、これはまだその点についてははつきりしたことは言えない、そういうふうになつております。先に申上げたことは私の個人的な意見であります。
#50
○説明員(鈴木篤義君) 只今の一本松さんのお話でありますが、配電の経営者は、例えば集中排除法が解除されるとか、そういつた場合が起つた場合には、今後電産と協定してあの線に還るか、或いはどういつた線に持つて行くかということがはつきりしないということを申上げたのでありますが、今の一本松さんの言われた、そういうことを言われると我々としても参るのだから、できるだけそういつた点は個人的な意見を混えないように説明することを希望いたします。
#51
○委員長(佐々木良作君) 如何でしよう。問題が大分最初の集中排除法に関する問題は明らかになつたと思うのでありますが、焦点は相当はつきりしたと思います。従つてそろそろ具体的な問題を論議したら如何かと思いますけれども、よろしうございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(佐々木良作君) それでは一般的な問題、或いは原則的の問題がありましたならば、又具体的の問題をやつてから入るといたしまして、一應具体的な問題についての討議を行いたいと思います。
 最初に企業の規模とその性格、これには当然形態も入ると思いますが、規模、性格、形の問題に議論を集中して審議を行いたいと思います。先ず例によつて簡單に規模、性格についての説明を四、五分間かでおのおのやつて頂きまして、それに対する質問或いは討議という恰好でやつたら如何かと思います。順序に從つて日発の齋藤説明員から願います。
#53
○説明員(齋藤三郎君) 企業の規模の問題でありまするが、これは私の方としましても生産効率の問題、事務能率の問題、サービスというものを勿論考慮いたしまして、一社化で差支えない、こういう考え方を固めたのであります。
 この命題の中で、何が一番大きな命題かと申しますると、今日の情勢では生産効率、この問題が一番大きいのじやないか。その次の問題は恐らくサービスが非常に低下しておる、これをどう改善するか、この問題であると思います。それから事務能率の問題も決して軽視しておるわけではありません。これを勿論改善すべきものは改善し、能率をよくするものはしなければならんということははつきり分つておると思いますが、この点に対しまして、先程も能率々々というふうに配電会社側からの説明がありましたが、ただ單に能率という言葉で表示したのでは、これは少し漠然とし過ぎると思いますので、生産効率がどういうふうに大規模になればいいのか、分割した場合はどういう無理があるかという点を説明すれば早いのじやないか。
 第一番は送電線その他の利用等の問題であります。これは私共の方の資料をお手許に差上げてありますが、その中にも曲線が入つておりまして、会社ができまして以來、送電線の利用率は一キロ当りの送電量がぐんぐん上つてくる。而もロスはどんどん減るということがはつきり出ております。又火力の総合発電能率がどういうふうに変つたかという曲線も実際的にお示しいたしております。水力の水の利用効率がどういうふうに変つたかという曲線もその中に差し加えてあります。これらのものを端的に結論を申上げますと、今年の配給の予定といたしておりますのは、発電側は三百十六万キロ、それに必要な火力補給の石炭は三百七十万トンということになつておるのでありますが、これは全設備を総合運営するから出た結論であります。これをブロック別などに分けてこれをやつたならば、恐らく補給石炭は五百万トン注ぎ込んでも、五百万トンと申しますのは、更に百三十万トン追加しても尚且つ三百六十万キロの発電は維持できない、こういうことがはつきり計算の方でお目に掛けられることを私は確言申上げる。この点は今日の供給量の足りない状態において、最も重く足るべき点ではなかろうかと思います。
 又サービスの改善という問題は、何を措いても量を殖やすという考え方が先に行かなければ、足らない足らないでサービスの改善が行われるなんということは、私共には到底考えられないのであります。
 最後の事務能率の問題でありまするが、大きくなりますと、ともすると、どつかに、何と申しますか、たるみができるといつたようなことは避け難いことだということは、私共もよく、何と申しますか、自分でも承知して、そういうことが起らないように努力は続けて來ております。併し得てして、そういうことの起り勝ちであることを強く否定は決して申しません。が、その事務能率の限界を單なる個人の指導能力とか何だとかいうようなところに限界を置くことは間違いではないか。個人の能力というものは非常に範囲の廣い人もあれは狹い人もある、さようなことで限界は生れて來るものではない。殊に面積などを考えるということは、新らしい設備、例えば通信にしろ、その他のものにしろ、最も我々の方で重要なものは通信でありますが、そういうようなものを全然無視してお考えになつて、直接顏と顏とつき合せなければ話が付かないといつたような考え方での、非常に見解の狹い考え方でお考えになるから、地理的の廣さとかいうようなことを問題になさるのじやないか。
 我々は現状に決して満足いたしておりません。この方面はもつともつと科学的に改善を加えて、もつともつとよい設備がそうむずかしい技術を施さずともできるということは、もう皆さんよくお分りだろうと存じます。さような観点から、現状におきまして、現状の規模、発電力、從業員数、その他の点から見ましても、決して一社ででか過ぎるというような感じは持つておりません。
 それから企業形態の性格でありまするが、先程民有民営ということにつきまして、簡單に申上げましたので、お分りにくい点があつたかも知れませんが、無論公共事業のことでありまするから、これに対して適当な國家統制と申しますか、國家の管理というものは免れん、これは当然あるべきである。ただ我々はその細部に亘つて意見を申述べておりませんのは、法律とか何とかいうものに対してはただ構想だけを申上げて、その方の專門の方に練つて頂けばよいんじやないかという建前で、詳しいものを申上げておらんだけであります。ただ公社と民有民営というものの考え方の隔たりでありまするが、公社という考え方そのものが非常に難解でありまして、一般の人にも分りにくい。わざわざそこえ一足跳びに跳んで行く必要はない、こういう見解を以て、旧來の分り易い平凡な形を選んだ、こういう次第であります。
 尚この序でに附加えて置きますが、先程配電側の一本松さんからの御説明に、集中排除法に対する見解は両方が一致しておるということを頻りに強調なすつておられたのでありますが、それは必ずしもそうでない。集中排除法の精神解釈だけは一致しておる。併し配電会社側の考え方には、先程來から私が指摘いたしましたように、割つた後に起つて來るその結果の詳細に対しまして、製品である電力をどうしても相互融通をする話合いをする機関か操作をする機関を設けねばならんこと、料金の協定とか何らかの措置をする機関を作らねばならんこと、このことは畢竟するにカルテル的の形態がそこへ形を変えて残つておる。このことはどうしても否定できないのであります。それを敢てやつてまで集中排除法とは無関係でござると、我々の主張は通るんだという考え方には、私共の方は絶対的に違つた立場であるということを申上げて置きたいと思います。
#54
○委員長(佐々木良作君) 次に配電会社側からどうぞ……。
#55
○説明員(吉田確太君) この企業の規模、企業の性格につきましては、先程我々の根本原則を御説明した際に述べて置きましてが、我々としては民有民営の株式会社の形態を採りたい。御承知のように、民有民営という形態が企業の形態としては最も能率の上るものであるということは、ここで御説明申上げるまでもないことだと思います。この電氣事業は御承知のように発電と配電とが同時に行われる事業でありまして、只今のように企業体を二つに分けて、同時に行われる事業を縦の関連け二分することによつて、從來の供給上の責任が不明確になつておりますが、この点は我々として発電と配電を結び着けて電氣の質の向上を図りたいという意図から、発電と配電を一貫経営したいというのが、我々の第二の考え方でありますが、ただこの民有民営でやり、発電と配電を一貫経営して、供給の質を改善して行くというにいたしましても、我々はこの電氣事業を人が運営するのである。從つて企業が全國大に拡がるようなものでは、我々としては採りたくない。つまり規模が適正なものでなければいけない。電氣事業と雖も人の経営である以上、企業形態としては、やはり適正な規模が一般の企業と同じように必要であるということを考えております。同時に電氣事業としては、事業本來の特質としての適当な大きさというものが必要なのであります。つまり発電と配電とを結び着けて一貫経営をして行く上においては、或る大きさの規模を持ちませんと、電氣事業としての特質が失われると思います。先程齋藤さんのお話のように、配電側のブロック案では、主体間融通で困るではないか、又料金で困るというようなお話がございましたが、この再編成に当つて我々がブロックを考えましたにつきましては、人がやつておる以上は小さい方がいい、電氣事業の本質から行けば、相当程度の大きさを持たなければ、発電と配電の一貫経営はできない、その二つの一方は大であり、一方は小がよい。この二つを結び着けて我々として幾つかのブロックにして、今の欠陷を、電氣事業の主体間融通、電氣料金の地域差というものを極く小さくすることによつて、人の運営する事業としての企業の能率を上げようというのが、我々の根本の考え方から來たブロックの分け方であります。さように考えまして、企業規模を我々は考えて、ここに九つというものを出しておりますが、どこまでも電氣事業の特質を失わない程度において、而も企業は小さい程度が、人のやる事業である以上は能率がよいということを御承知置き願いたいと思います。
#56
○委員長(佐々木良作君) 自治体の方。
#57
○説明員(山元誠安君) 自治体の一般の考え方を申上げます。午前中に御説明申上げてありますが、大体この府縣営の目的は、配電事業だけを府縣営でやりたいというのが目標でございまして、発送電はいわゆる電氣の生産でありますから、これは國家大の構想によりまして、石炭その他の対策と睨み合せまして運営さるべきものである。尚料金問題などのことのお話が後であると思いますが、特にこの発送電の方は國営か若しくはそれに類する企業形態ということを希望しておりますことの一つの理由は、府縣営の構想といたしましては、將來この電氣の卸はできるだけ均一にやつて貰いたい。それから小賣の方は、これは或る枠を設けまして、そして各自治体の地方の需要に應じまして、多少のそこに差がありましてもいいのではあるまいか。そうしまして、各自治体が相当能率を向上させるという意味におきまして努力するというような行き方がよいのではないかというような考え方から、発送電は現在におきましても株式会社ではありませんけれども、やはり政府の意向というものを相当反映しておられるようでありますので、いつそそれは國営或いはそれに類する経営にする方がよかろう、そういう見解でございます。尚併し、府縣では発言権がございまして、現状におきましては、そのまま発送電を経営する國家機構に移されますが、今後の開発におきまして、地方の水利とか水道というような事業に関係のありまする開発は、やはり府縣でもやらして貰いたい。尚且つ極く小さな容量の水利の開発も、府縣の指導によりまして、水利利用組合その他を設けまして、やはり府縣の息の掛かつた小発電の開発もやらして貰いたい。尚できました電氣は、國家の方針によりまして、発送電によるものもありましようし、或いは各自治團体の配電の方に送るというようなことも認めて貰いたい。さような構想がございます。
 そこで運営の機構といたしましては、これも今朝程お話が出ましたが、現在におきましても、府縣議会というものは、いわゆる民主的な府縣議会でありまするので、予算或いは供給條件の変更とかいうようなことは、必ず府縣議会の決議を経なければならないことにし、現状においても相当民主的なものでありますけれども、尚配電の方におきましては、事業運営協議会というようなものを設けまして、そうして民衆の声を常時反映させるような経営をして行きたい。尚第一線の業務機構といたしましては、できるだけ各府縣の市とか、町とか、或いは区とかいうような行政機構とマッチするように、とにかくそういう機構と経営の機構とが歩調を合せまして行われるように、さようなことを構想しておるようであります。
 それから尚経営面におきまして、最も当面の問題として各府縣が唱えておりまするのは、未だに府縣によりましては、無電燈の町村が相当あるそうでございまして、かような所は採算を無視してでも、やはり第一手段としまして、さような無電燈の地象の開発等を考慮する。尚府縣によりましては、事業の当初におきましては相当赤字を予想される所もありますけれども、さような縣におきましても、やはり府縣営にするのが理想であるというような見解によりまして、最初赤字でありましても経営して行くというような強い主張もあります。
#58
○委員長(佐々木良作君) 電産の方、友永君。
#59
○説明員(友永信夫君) 電産の方の、この企業の規模、性格、形態につきましては、先程私述べましたから、ここで繰返す必要はないと思いますから改めて申上げません。ただ申上げたいことは、考え方の順序として、電氣事業の現在を基礎にして展開しなければならんということであつて、その場合に企業の規模が全國発送電、配電でなければならんという必然性が、あらゆる面から今後檢討されて出て來ると思いますが、それを基礎にして、それにふさわしい企業の性格を考え、それから何と言いますか、それをマネージして行く形態を考えて行く、それが基本の線であります。逆にマネージを中心にして考えて行くという行き方は、これは非常な矛盾を生じ、或いは歴史を逆まに廻すようなことになる。而してこれは電氣経済の関係を阻害して、それから大きくは日本経済の関係を阻害する。そういう基本観念に立つております。例えば卑近な例でいえば、從業員が二万人、三万人くらいが一番マネージしよいと、経営者の感覚からすればそういうことを一應主張する。日本の全官公のように、労働者二百五十万は大きいから、これを適当に減らすには、日本の國を適当に小さくして五十万位に分けた方がいいだろうというように、逆まに持つて行くような感じが非常に強い主張がブロックだと私は考えております。本質はどこにあるかということを衝かれて、それにふさわしい企業の性格、形態を決定するということを申上げて置きたいと思います。
#60
○説明員(齋藤三郎君) 先程の配電会社の説明に関連して補足させて頂きますが、配電会社さんは、ブロック別に行くと、非常に経営責任体制がはつきりするということを重ね重ね申されておるのでありますけれども、この点はブロックに割りますると、電源の分け方、その他に必ず不同ができまして、依然として電力の融通はやらなければならないという面からいつて、相当ここに融通組織の面で相互依存の形が強く現われて來る、決して現状が一掃されないのだ。料金の面でも同樣のことが出て來るということをもう少しはつきりした面からの御説明がないというと、どうしてもそういうふうにしか考えられない。
 又もう一つ一貫性のことを先程申されましたが、発送配電一貫ということの観念であります。これも非常に配電会社側の考え方に間違いがあるのではないかと私はこう考えます。それは何故かと申しますと、発送配電の一貫等という言葉を発明したのは、この前の電力國家管理の反対のときに突如として生れた言葉だということが、前の関東配電の社長さんであり、我々の総裁であつた新井さんがはつきりおつしやつている言葉で、正にその通りであります。当時の関東配電は約半分は……東信とか信越というところは純然たる発電会社でありまして、日電、大同発電、これは殆んど発電が主体の会社であるといつて差支えない。むしろ小賣りはやつておらない。やつていても大口を取る。東邦に至つてはもつて性格が複雑だ。そういうことで一貫性自体が不可分にどこまでも貫ぬかれなければならんと張かどうかということも見方の相違じやあないかと思いますが、私共が一貫性が是非必要だと申しますのは、爾余の配分、その他に対して要るところに順次水を余さず送り込むという面から一貫を主張するのでありまして、單に一貫せんがための一貫という考え方で主張しているのではないということをはつきり申上げて見たいと思います。
#61
○加藤常太郎君 我々素人から見まして、今四團体の御説明を伺つたのでありますが、一團体を除けた配電、電産、日発、この方々の御意見では、今日発の齋藤さんの御話では多少意味が違つておりますが、根本的には発電部門と配電部分を一貫的に経営するのが、電氣は性質上発生と分配と消費が瞬間的に行われるということから、どうしても生産輸送する発送電部門と消費に繋がる配電部門とを一元的経営とすることは絶対必要であるということを專門家は認めておるのでありますが、自治團体の御意見を聞きますと、全國を一元的に発電だけは別にする、そうして配電を縣ブロック別に行う、こういう御意見だつたのでありますが、併し自治團体の方々もその原則はいいと思つておられるのか。又は原則も自治体の方はそれではいけない、発電と配電とは別でいいのだという御意見か。その点がもう少し……。後の御説明では、発電の方もときによつたら水利の関係上やつて貰いたいというような御意見もあつたらしいので、この点について、自治体の方では発電をやりたいのだけれども、縣ブロック別にすると余り小さくなり過ぎるから、発電だけは全國一元的に、國営か又は別の團体でおやりになつて頂きたいという意味か。その点をちよつと……。
#62
○説明員(山元誠安君) その点お答えいたします。発電を國家的の一貫経営ということを申上げますのは、縣に分けることが小さくなるという意味ではないのでございまして、現在におきましても五千キロ未満の発電所で発電会社になつておるものもございますから、それはやはりそのまま配電会社の状態に置きまして府縣に分けて貰いたい、こういうことでございます。尚発送電を國家的の規模の形態にされたいという主張は先程も申上げましたが、大きな電源の今後の開発ということは、これは配電ブロック或いは縣のブロックというものを超越しておりますし、これはどうしても國家の経営というものでなければ今後の開発は困難であるのではあるまいか。同じ送電におきましても、その点はやはり國家的見地におきまして運用さるべきものであというような見地によりまして、発送電関係は一本で國営的の運営をして貰いたいというのでありまして、尚併し府縣の特異性によりまして、その地元における小さな水利、水道とか水利とかいうような関係の発電は、やはり府縣でも開発はできることにして、できましたものの運用は國家的の発送電の運用に委せるものもできますし、現在通り各ブロックごとの配電会社の経営しておられる発電所と同じように、そういうものはやはり縣でも開発し、運用もしたい、こういう構想でございます。
#63
○加藤常太郎君 原則的にやはり発電と配電とは別の方がいいという御意見ですか。
#64
○説明員(山元誠安君) さようでございます。
#65
○加藤常太郎君 それから外の三團体の方は、発電と配電とは一貫性を持つて行く方がいいというのですか。
#66
○説明員(齋藤三郎君) 原則的にそうあるべきだと思います。
#67
○飯田精太郎君 配電の方にお伺いしたいのですが、ブロック別にお分けになるについて、今の九つの配電会社の……細かい点になると、いろいろまだ発電の方の関係から、一部関東配電が猪苗代湖の発電系統を附けたとか、或いは関西の配電には中部方面の発電系統を附けたというような話を伺うのですが、交際の九つの分け方の詳細ななにができておりますのですか、ありましたら一應説明願いたいと思います。
#68
○説明員(吉田確太君) その点は、配電会社を煩わしまして、すでに案を作りまして、お手許に今日配付してあります終りの数字がそれなんであります。
#69
○飯田精太郎君 今お話のは今日頂いた表のことだと思いますが、それはただ……地域はどういうことになるのでありますか。発電力だけこれで分りますか。
#70
○説明員(吉田確太君) 地域と申しますか、もう少し詳しく御説明申上げますならば、供給区域は、現在の配電会社が持つております供給区域を新会社の供給区域とするわけでございます。それから発電力は先程御説明申上げませんでしたが、この供給区域内の需要に合うように発電力を分割しております。そしてこの発電力の分割につきましては、やはり我々の考え方は需要と均衡をとらせると同時に、又一つの発電水系は一業者に原則的に收めさせようということを考えております。又太平洋岸の水系と日本海岸側の水系との季節的な電氣の出方の違いを考慮しておりまして、そういうふうな観点に立ちまして、本州中央部の設備の分割をして、それぞれの地区の会社に発電力を消費させようという考え方で、火力設備はこれは言うまでもありませんが、機械的にその地区にブロックの地区に属するものは新会社の火力ととて收めさせよう、そういうふうに考えております。從つてそれら発電力と水力設備を需要に結び着けるべき主要幹線はおのずとその分割によつて決まりますので、かような考え方から分割をしておるわけであります。
#71
○飯田精太郎君 どうもまだ私はつきりしないのですが、配電事業は個々の配電会社の地区で分ける。それから発送電はどこにあつても適当にその需要にマッチするようにそれを分けようというようなお考えのようですが、どこの発電所はどう分けるかというような案はできておらんのでありますか。
#72
○説明員(吉田確太君) できております。ここには数字だけを持つて参りましたが、仮に関東にしますれば、猪苗代湖とか、信濃川の系統とか、梓川の系統、高瀬川の系統、田代川の系統、それから本州中央部の今の天龍川の水系は、これは中部配電から受電する形をとります。大体現在日本発送電の関東支店が関東配電の供給区域内に送つておるもの、並びにその直配、日本発送電の直配地域に供給しておるもの、そういうものを所属させるというのが大体の方針でございますが、ただ日本発送電の東北の支店に属するものも猪苗代湖の系統は関東に所属さしております。それから関西の系統で申しますと、やはり木曾川の水系は三浦の貯水地を含めた御嶽から下は兼山、今渡までの水系は全部関西配電に所属すると同時に、北陸の庄川、常願寺川水系、あの辺の主要発電所を含んで、北陸の福井を通り、北陸幹線、飛騨の新旧幹線、そういうものを関西配電に所属して、木曾川水系の電力を北陸の発電力を関西に一手に日本発送電で供給しておりますが、それと同じような形において、その発電力と主要幹線を関西地区の会社に所属させることを考えておるのでございます。
#73
○飯田精太郎君 大体分りましたが、できますれば一つ発送電の分割の何か表のようなものを頂けたら結構だと思います。
#74
○説明員(齋藤三郎君) 只今配電会社の御説明ですが、そう簡單には参つておりません。はつきり申上げますと、現在木曾川は三分割で中部に一部、関東の上流部分に一部、それから十五万キロの主力は大阪という状態になつております。黒部の電氣も西と東に殆んど時間的にまで切換えをやつております。更にそういう川の組合せをやつたとしますと、調整能力を持つておるところと持つていないところと出て参りまして、おつしやるような分割をやつたら地帶間融通を恐らく三十万キロという数字になるのじやないか。我々は休電操作をやりまして、極度に少し操作をやつて参つても、十四五万キロになるのであります。よその会合で聞きましたので、はつきりしたことは私も責任が持てませんが、どうも配電会社さんの方は、最六十万キロ程度の融通を予想なさるんでというお話を承つたことがあるのですが、どうもその辺は非常に開きがある。今年の実績はどんなだつたと申しますと、多分普通の水ならば関東から関西に約二十万近く応援が参ります状態で、十五万から十六万、多い日は十八万程度も送ります。ところが、今年は関東から北が水が涸れておりまして、中部以西が水が豊富であつたがために、逆に六十サイクル、中部以西から関東に約十四万ばかり送られて來ております。さような状態で、流れ方は水の状態でしよつちう変りますし、今申すような分割が実際に可能であるかどうかということを私共大きな疑問と思つております。
#75
○松嶋喜作君 配電会社、日発又電産の方の御主張、私素人ながら拜見しますと、一利一短あつて非常にどちらにもいいところがあるし、又一つの疑問もあるという感じがいたします。差当り先ず技術的のお尋ねをする前に、私は大きな観点から電産の方にお伺いいたしたいのは、この経営形態について國有か又は國家管理と書いてありまするが、國営と國家管理は限界において似たような点もありまするが、非常に決意によつて違う。この経営形態について國家経営か、國家管理によるか、その点はどちらに目標をおいて進まれるかはつきり一つ伺つて置きたい。
#76
○説明員(友永信夫君) これはこういう表現をとると非常に紛わしいと思うのでありますが、將來は、基礎産業である電氣産業に関する限りは國営形態で行くべきであろう、こういうふうに私思つております。併しながら現在の段階においては、いきなり國営にしますと、官僚國営による虞れがある。ですから今の段階においては我々の案が至当であろう。そういう政治的な感覚で以てこの段階に止めて置くわけであります。國営か國家管理の形態と申しますのは、大綱は國家が決定する。その面から見れば、國営とも國家管理とも言える。普通の常識で申しますと、國営といつても、國家管理といいましても殆んど変りがない。それで常識的に分るように、國家管理或いは國営の一形態というふうに取つたわけであります。
#77
○松嶋喜作君 私がそれを前提として伺つたのは、電産の方でも、配電会社の方でも、乃至は日発の方でも、將來事業というものについて收支の尻、経営企業の結果というものを國家の負担に負わしむるのか。自立によつて行かんとするのかというところで、非常に痩せ細つた日本の財政経済、在いは再建について非常な影響があります。それから又責任の点について非常な差異がある。それから又民主的々々々と言わるる点について非常な差異がある。そこで電産の方は、國家管理で行く、更に將來進んで國営に行くという御説明については、これは恐らくどんどん仕事はやる、併しながらその企業の收支、若し完全に國家管理になれば、收支というものは余りに氣にならんでしようけれども、それでも企業の結果と赤字というものを國家に負担させるというお考えだろうと思いまするが、日発その他の方は、その收支の尻というものについて、完全な自立を目的としておられるのか、足りない場合には國家の補助を仰ぎたいというお考えか、この点一つ御説明願いたいと思います。
#78
○説明員(齋藤三郎君) 自力で行くか、尻を拭わせるかというお尋ねでありますが、私は民有民営というものを建前として申上げてありますので、これはどこまでも自力で行くべきである、こう考えております。そこで現在の状態じや自立じや危ないじやないかということが疑問になるだろうと思うのでありますが、端的に申上げますと、現在の電力料金そのものが決して私は適正なものだとは考えておりません。非常に料金引上げが、國民生活乃至その他に影響があるから上げないんだといつたようなお説も沢山伺つたのでありまするけれども、それならば税金を取る余地があるような安い料金に何故して置かれるのか、私には了解ができないのであります。事業が立つか立たんかという境にあるにも拘わらず、料金を何割取れ、そういう幅のものがあるならば、先ず事業を立たせて頂くというように御配慮願えれば十分にやつて行けるのである。その事自体が料金で以て自立ができるのだという証拠じやないかと考えるのであります。又更に別の面から見まして、水力六百万キロというこの事業の持つている無傷資産、これは日本でも一番いい資産の状態なのであります。これが立ち行かないような料金を決めて頂くということはこれは非常に矛盾じやないかと思うのであります。さような面からいうて、我々が力が弱くしてそういうような圧縮を受けておつたということが、今日の結果の判断を間違わせるというようなことになる虞れがあるのでありますが、私は十分正しい主張として、そういう資産を持つて立派に、稼働力も殆んど九十何%という稼働率を示しておるところの仕事が成り立つだけのお世話を燒いて貰つても差支ないのじやないか。それだけやつておるものは自力でやつていつておるのだと、こう見て差支ないと思うのであります。
#79
○説明員(一本松たまき君) 料金はまあもう少し上げて頂くことが、これは観点を変えまして電力の供給秩序を変える上から申しましても、料金はその割合が非常に少いですから、今度上げましても三十ワット足らず上ると、石炭に今度上ると何ぼになるか分りませんが、それの十倍程度上るということになつたんでは、熱エネルギーのバランスということは到底考え得られないから、もう少し料金の上げる面に……この点は齋藤さんも申されますが、是非お願いしたいと、こう思つております。
#80
○松嶋喜作君 それじや電産の方にお伺いしたいのですが、企業形態の方ですが、これは國民によつて構成する指導及び監督機関として電氣委員会というものをお作りになつて、そうしてそれが非常な権力を持つて進まれると、こういう機構らしいのですが、この電氣指導の機関の構成員として挙げられておるものは、政府及び経営者、電氣生産者、電氣消費者、学識経驗者というようなものでありますが、私の心配するのは、いつもこの委員会というようなものが責任の主体になつた場合に、責任の帰結が分らん、現在においても電力燃料対策なるものを研究して、そうしてその責任はどこにあるかということを追及して行くと、結局いたちごつこになつて分らん。私はこの委員会になるものが責任を負うて行くということは、非常に不安であるという点が一つと、それから民主的にやるというようなことを頻りにおつしやるが、この代表者の中に、株主……資産を非常に負担して構成しているところの株主なるものが入つていない。中小商工業者は入つているが、株主が入つていない。委員会が責任の所在を全うし得るかという点と、株主を何故お入れにならんかという点であります。この委員会なるものを追及して行くと、結局行政官廳の首脳者が責任者である。もつと具体的に質問すれば、大臣であるというようなことを、いつも聽くのでありますが、大臣は始終送る、結局送れば責任の追及の仕方がない、という点があるのでありまして、これからの事業は強力な責任を持つて進まなければ仕事は完全にできないと思いまするが、この委員会というものが果して完全に責任を負い得るや否やという点と、この株主の点を伺いたいと思います。
#81
○説明員(友永信夫君) お答えします。電氣委員会、こういうふうなものが設けられて、果してうまく責任を負つて行けるかどうかという点については、我々は公益機関でできると、そういうように考えております。ただそこが最終決定権を持ち得ない、これは問題によつては、相当委員の構成において到害対立するものがあると思うのです。理論的に対立するのでなくて、利害対立するものがあるときは論議が盡されるわけで、最終決定権は政府が持つわけでありますから、政府がその審議過程を通じて、適当のときに議事を打切り、そうして政府の責任において決定する、その委員会の意見を勘酌して決定する。そういうふうにして運営して行くならば、この委員会としての職能を十分盡して行ける、そういうふうに考えておるわけです。それから株主をなぜここへ加えておかないかということは、これは電産は全体に出ている通りに――この事業に対する出資者、これは議決権がない、要するに資本と経営の分離をはつきり謳つて、その代りそれを保護するために、最低の配当保証をして、事業を保証をするという一定の裏打ちがあるわけです。で、この資本と経営分離をはつきりさした建前からして、この委員会に加えなくても、いいであろうと、そういう建前で加えなかつたわけです。
#82
○松嶋喜作君 前にも伺つたんですが、儲つたときには、非常に利潤を取らせないかということの観念は分ります。損した場合には……。何かお答はありますか。
#83
○説明員(友永信夫君) これは電産は、損した場合においては、國家がその出資者に対する最低保証をするということにしてあるわけです。その率をどうするかということは、これはその情勢において、法文にして謳うか、或いはこういう電氣委員会に諮問して適当に決定するか、これはそのときの議会なんかにこれが掛かれば、決定して頂けばいいと思います。細かくは規定しておりません。
#84
○栗山良夫君 私は主として配電会社の方と自治体の方に聞きたいと思いますが、先ず最初に配電会社の方にお聞きいたします。先程來御説明になられましたところによりますと、分割論の出ました根拠は、経営能率並びに経営責任の点が重点になりまして、適正規模のブロックにするということが結論が出て、それによつて九ブロック案ができたと思うのでありますが、ただ九ブロック案が果して適正であるかどうかという問題について私共何ら説明を伺つていない。この点は今度の分割論の主たる理由が経営能率論、経営責任論であるならば、それから結論付けられた適正の規模の区域である、こういうふうに言われるならば、もう少しそこのところをはつきり伺いたい。例えて申しますならば、細分の問題、その営業区域の問題、或いは電力、或いは水系の問題、更に産業立國としての電源の立場、その他いろいろな面から考察されると思いますが、そういつた面が謳われていない。私共がざつと考えますならば、現在のブロックでもですね、例えば中部における、中部と北陸との関係、中部におきましても、中には長野縣の関係とか、その他現在のブロックの中に包容されておる各縣の産業、或いは農業とか商業のようないろいろな特徴を考えて見るときに、現在のままで電力がうまく國民に奉仕して行けるかどうかというようなことは多分に疑問を持つておるのでありまして、又行政官廳等の関係から見ましてもそういうことが言える。いろいろな廣汎な問題を考えて見ますときに、適正規模というものを考えた場合には、それを明確にもう少し説明して頂かないと納得できない。あの九ブロックが一番よいという結論になるならば、あの九ブロックができるまでに、会社を作るときには相当紆余曲折があつた筈である。そのように現在主張されておる方の中にも恐らく反対された方があつた筈であります。そういつた人が九配電会社の中に收まつてしまつて、あのブロックがよい、こういうふうに結論付けられるならば、もう少し理論付けられないと分らない。それからもう一つは配電会社の中で九ブロックの経営の方が同じウエートを置いて、この案を支持されておるのか、そこを伺いたい。と申しますことは、私共はこれは素人目に見てもどうもそういう工合に了解できないのですが、例えて申しますれば、九州のごときあれを分割して九州だけの会社にした場合には、それは料金の問題でも、発電水力の方から幾らか施設に公納金制度のような工合で取上げて廻す、こう言われておりますけれども、現在のこの強度な官僚統制下にあつて料金のプール計算が行われてすら各会社間ではこの利益を繞つて相互に暗中模索が行われる、そうして事業形態の活動がうまくできない、こういうような状態にあるときに、完全に独立して解放される会社ができてしまつた場合には、恐らく九州のようなああいう炭を主として燃料として焚かなければならんような、結局発電單價が非常に割高になるというように考えられるところを救済するために、他の関東とか、中部とか大阪の方面の有力な、有利な会社から沢山な金を流すというようなことは、私は想像できないと思います。算盤に高い方々だから、現在でもそういうことがありますから、独立会社になつてしまえば、明文は幾らでもできるでしようけれども、そう勝手なやり繰りではどうにもならない。結局迷惑するのは國民であろう。こういうふうに考えられますが、そういう観点からして、配電会社の九会社が揃つてこの分割論に同じウエートで主張されておるとは考えられない。その点の事情を一つ伺いたい。こういうことであります。
#85
○説明員(一本松たまき君) 第一の問題の九つの問題でありますが、この問題につきましては、率直に申しますならば、或いはこれは絶対のものであるかということは、今多少の疑問があるというふうに申上げるのが本当だろうと思います。私も亦そういう氣持でおります。では九つという数字はなぜ出したかということになるのでありますが、これは相当私根拠のある数字である、そういうふうに考えます。まあ歴史的に考えましても、日本の國土を割ります場合に、大体こういうふうに地方別に分けております。北海道とか、関東地方とか、それぞれ地方別に分けまして、大体こういう形が今まで歴史的に見ましても、一つの何か知らん、ブロックとしての作用をしておつた。経済的に申しましても、或いは社会的に申しましても、鉄道とかいろいろなものを考えて見ましても、大体九つというのは大分けとしてこれは首肯できる分け方でありますと、私は考えます。そこで過去において電氣事業の発達の過程を考えて見ました場合に、やはりこのブロックというものに或る程度の掣肘を受けておるというか、順應しておるとでも申しますか、例えば関東地方で申しますと、大体関東地方を中心にしたような電氣の或るブロック的な……これは又私達は電力経済圈というような言葉も使つておるのであります。この経済圈的な色彩を帶びております。関西におきましても沢山の会社はありますけれども、大体大阪を中心にして神戸、京都それぞれの地方、大体近畿地方というものが一つのブロック的な色彩を帶びておる会社は別でありましても、その外の地区においても大体そういうことは言える。まあ若干そういうことの色彩のややはつきりしていない地方などもありますが、過去において大体そういう電氣事業の発達をして來ております。それが昭和十四年に発送電と一つに統制され、昭和十七年に配電統制令によりまして、今の九つの配電会社ができたわけです、それから六年余り一つの会社としての繋がりを逐次密接にして参りまして、つまり一会社としての系統的な繋がりが段々できて参りまして、今日では先ずこれが一つの電力経済圈と主張し得る態勢になつております。で、まあこれを九つを主張しておるのでありまして、仮にこれを更に非常に細分すると、例えば縣などの境でこれを分割する、そういうことになりますと、いわゆる電力系統的な繋がりを破壞されます。從つてそこに大きな経済上の損失が起つて來る。そういうようなことから考えまして、大体九つが主張し得るのでありますが、併しそれではその九つが絶対のものかといいますと、これはまあいささか私の私見に亘るかも知れませんが、東北地方とかまあそういうふうな所には、若干その点が十分に又電力系統的に最高の余地があるのじやないかとは思いますが、大体においては九つというのは現在のところにおきまして相当よい形であると、そういうふうに考えて九つを申上げておるわけであります。
 第二の問題は、配電会社内の歩調が同一であるかどうか。これはまあ非常にデリケートな問題でありまして、それぞれの社長さんなり、或いはそこの会社の人で皆の氣持が完全に同一であるとかないとかいうことを、甚だはつきり申上げにくいのでありますが、ただ御指摘になつた水力と火力のアンバランス、これはたしかに一つの重要なるポイントであります。これにつきましては後から御説明申上げますような操作を施すわけでありまして、若しこの操作が不可能であるというふうに断定されますならば、このブロック案は重大な欠陷と申しますか、ちよつと料金が二倍にもなり、そういうことになつちや、むしろこれは駄目なのじやないかと思います。併し私の現在の感覚では、料金の調整は賄い得るものと、そういう前提の下にやつておるわけであります。これは後で三番目のところで詳細な議論をされることと思います。
#86
○栗山良夫君 今のところ、配電会社の間で歩調が同一であるかどうかは、ちよつと微妙だから言えないと、こういうお話でありましたが、これだけ重要な問題で、而もこれの貫徹を期そうと思えば、九配電会社の経営者の方は一塊まりになつて猛運動をされなければならない立場にあると私は思うのであります。その場合にはつきりしておれば、完全に固まつておるということを、ここで堂々とおつしやつていいはずなのが、それをおつしやらないということは、この中におのずとウエートの差がある、このように了解してよろしいのでございますか。
#87
○説明員(一本松たまき君) 只今の御質問は、私少し取過ぎまして申上げたと思います。現在におきましては、さつき申上げましたような水力、火力の調整はできると信じておりますから、一つの調子で行つております。が併し、そこから先の更に人の心の中に入りましてどうだということになりますと、分らない、そういうふうな意味で申上げたのであります。現在は皆一つの歩調で行つております。
#88
○栗山良夫君 そうすると、これだけ重要な問題で、而もこれは社会問題にも政治問題にも発展する問題なんですが、はつきりした肚が決まつて固まつて押せるという將來の見通しを以ての自信がなくして、こういう案を若し出されるということになれば、私はこれは極端な言葉で申上げれば、長年電氣事業を経営された経営者團としては、責任の回避というよりは、私はその曖昧な態度によつて、却つて國民大衆にこの重要な問題の帰趨を決定する判断を誤らせる一つの因を作るのじやないかと思います。そういう工合に、極言すれば言えると思うのであります。先程、配電会社の間にウエートの差がないというのに、將來の電力料金の問題が言われましたけれども、電力配分の問題でもはつきり言えると思うのであります。例えば関西の場合などは、中部地方の水系から全部電力が行つておるわけであります。それを断ち切つてしまえば、恐らく関西と中部との電力のやり取りについては、営利会社として相当の私は暗礁が出て來る、將來の運営に出て來る。例えば昨年の十一月の電力危機のときに私共九州、中國へ出張して参つたのであります。九州はあれ程電力が足りなくて困つておる。そうして本州からの電力融通を制限して、そうして三万キロばかりの電氣が中國を素通りして九州に行つておる。そのときに中國の方の方々は、中國地方が非常に強度な電力危機を受けておるために、恰かも自分の所で起しておる電氣が九州へ行くというような錯覚の下に、九州へ行く電氣に対して、留涎措くあたわずというような形で、相当強く主張されたことがある。これと同じことが、更に極端なる形となつて出て來ると思うのであります。それで、先程あなたがブロック案をやられるときに、地方官廳の形でも、その他歴史的に考えてみても、そういうことが言えるとおつしやつたのですが、電氣がそういう工合になつておるならば問題ないと思うのです。だけれども、水系と需要地点は完全に一体でなければならない。こういうような特異な現象、或いは電力配分というような現象から考えてみますと、あながちそういうような工合に結論付けるわけには行かない。こういう工合に私は考えます。その点まだちよつと私は結得しかねる点があるし思います。
#89
○委員長(佐々木良作君) 如何でしようか。これは殆んど問題がすべてに関連しますから、一つをやつておつても、ぐるぐる行きますから、次の問題に移りながら進展して行つたら如何かと思います。今殆んど配分の問題が出ておるのじやないですか。
#90
○説明員(一本松たまき君) 只今の案で、非常に経営者は確信がないというふうにお取りになるような意味で、私は申上げたのではありません。確信は十分持つております。ただそれは何から何まですつかり割り切つてしまえとおつしやつても、これは御無理であろうと私は思います。
#91
○加藤常太郎君 今の配電会社の御説明ですが、栗山さんの御質問に対して、各九配電会社が意見が一致しておらない、又成案がないというふうにお尋ねがあつたのに対して、少し配電会社の方の御説明が足らんと思うのですが、我々素人が考えたところでは、何か九配電会社の方の案が、内部においてウエートが違う、又は意見が違うというような点があるらしく、はたから見たところでは窺えるのでありまするが、九配電会社でも、ブロック別にやるということについて、意見が大綱は一致しておるのですか、もう一つは大綱は一致しておるけれども、その電源の配分とか又は配電の区域の関係、そういう小さい部分において、今後もう少し突つ込んで行つた場合には、意見が多少あるらしいという意味ですか。根本が多少そこに意見が違うのですか、どうですか。
#92
○説明員(一本松たまき君) 細かい問題は今水力、水源をどういうふうに分けるかというようなことも、お手許に資料を配付しましたが、こういう数字は、これはまだなかなかおつしやる通りに意見が対立すると思います。併しこれは細かい問題だと思います。何とか解決し得ると思います。どうしてもこの電源は良いのだから俺が欲しいというような主張は必ずある。併しそれでは纏まらないかと申しますと、私は纏まると思います。水力電源の分配はできないというふうには私たちは考えておりません。
#93
○加藤常太郎君 ブロック別にやるという根本方針は、これは変らないのですね。
#94
○説明員(一本松たまき君) それは一致しております。
#95
○加藤常太郎君 発電の関係その他において、今後進んだ場合には、多少原案に変更があるかも知れんという意味ですね。
#96
○説明員(一本松たまき君) ただそこに、何と申しますか、水力から或る程度の金を出しまして火力に補給するという、この形だけであります。これはもう駄目なんだ、こういうことがはつきりいたしましたら、改善案は大体それを根拠にしてできておる案でありますから、これは本質的な問題に触れると思います。併しその他の問題は、それは意見は対立すると思います、対立というか、やることはこれはもう当然、如何なる形をとつてもやるのでありますが、併しまあこれは解決し得ると、そういうふうに考えております。
#97
○加藤常太郎君 根本の意見は一致しておるのですね。
#98
○委員長(佐々木良作君) ちよつと問題が飛ぶようでもありますが、調整ができるかできないとということがポイントらしいのですが、そこのところを、少し説明を聽いたらどうでしようか。
#99
○門屋盛一君 配電会社の方の御説明で、細かい点とおつしやるのですけれども、私は、分割することがいいか悪いかということは、発電がなくては配分ができないのですから、発電と配分との大きな面から考えまして、栗山委員の質問は、現在の九つの配電会社の地区が適正規模であるかないかということが質問の要点であると思います。それから考えますと、ブロック制ということが氣分的には一致しておるのですが、技術的な根拠を持つたところの理論的には一致し得ないのじやないかというように考えられる。先程御説明の中に、將來これを料金面において調整をとるというようなことも言われておるようですけれども、料金だけで解決すべき問題ではなくして、電源の位置とかいろいろなことを考えますと、非常にこれはまだ調査が足りないというふうに考えられることが一つと、それからこれはブロック案だけでないのですが、大体の大綱の御説明を聽きましても、單に現在の電氣の経営に関係しておられる人だけの考えでおやりになつても、電氣の需用家というものの受けるところの福利とかということが閑却されておるのじやないか、需要家の受ける福利ということが閑却されていないとすれば、恐らくこのブロック案というものは、四つか五つの地域は合同できるとしても、四つか五つの地域はこれに大反対が起つて來なければならない。需用家という立場を考えて立案なされば、そこに大きな案があるのではないか、その大きなことを忘れて技葉の方だけが纏まつておるのではないか、空氣だけが、氣分だけがブロック案に纏まつておるのであつて、実際に行おうとして重要な点の研究が足りないのじやないか、こういうふうに思うのであります。まあ後で御説明願いたいと思います。
#100
○説明員(山元誠安君) 先程この自治体の問題がありましたが……。
#101
○栗山良夫君 私自治体のことを御質問いたしたのでありませんが、又別個の問題でお尋ねいたします。
#102
○委員長(佐々木良作君) 今の問題どうでありましようか。これは一つ一つ追つて行つてもよいのですけれども、追つて行つても結局同じことになると思いますが、調整したことがポイントらしいと思うが、少し行つて又戻つてもよいのじやないでしようか。一本松さん、どうでしようか、九州の水力と火力との調整ができないかということがポイントだとおつしやいましたが、そこのところをもう少し御説明願つたらどうかと思います。
#103
○説明員(齋藤三郎君) 電力料金及び福利というのは相当複雜になるのですが、これだけを概括的に御説明願つてから調整問題を申上げた方が分り易いのじやないでしようか。
#104
○委員長(佐々木良作君) どうでしようか、今の具体的な問題から入つて行つた方が分り易いのじやないかと思いますが、と僕は思いますが、簡單な端的な御質問は、今のままで、九州ブロックのままで放つて置けば七、八倍に電力料金を高くしなければならないという栗山君の御質問なんですけれども、それに対してその調整方法を考えておるのだ、それができなければそういうふうになるだろうというお話ですね、その考えておる内容を今御説明願つたらどうかと思います。
#105
○説明員(一本松たまき君) 只今お話の中で、需要家というものを対象にした大きなポイントをまだ忘れておるじやないかという御質問は、私達それは結局要約するに料金に問題になるというふうに大体考えます。その外に配分の問題もございますが、料金の問題をどうなつてもよいというふうに考えておるというと極端な言葉でありますが、料金面に対しての非常な御不安だと思います。それにつきましてはおつしやる通りでありまして、非常にこのままの姿でありますと、火力を余計焚くところが高くなる。あの料金で電氣を供給するということは、これは私達も需要家さんに対しても申訳ないことで、そういうことは考えておりません。
#106
○委員長(佐々木良作君) ちよつと御説明の途中ですが、恐らくこういうことと思います。一つの例を取れば、九州をこのままにして置くというと、九州は一体に電氣が非常に少ないので、需要家の電氣が少くなるだろう、從つて料金も非常に高くなるだろう、このままにして置けば、九州の電氣は少いし、從つて料金が高くなるだろうから、これをこういう方法ですれば料金が安くなるという今のポイントをお話して下さい。
#107
○説明員(一本松たまき君) そこで、料金はどうしたつて、これは水力発電から若干金を出して貰いまして、これを火力の方に廻す。これは普通の会社同士の話合いでは困難であります。恐らく不可能だと思います。それでこれにはどうしても特別法の必要がある。必要な法律を作りまして、その法律によつて決められた調整を行う。例えば電力金庫的なものを御想像になればお分りですが、それに水力から発電キロワット・アワーについて三十銭とか四十銭とか、そういうようなものを出しまして、これに相当百億何ぼとかいうような金額を出ます。それを火力発電をいたしましたところに配給いたすわけであります。そうすることによりまして、電力料金は、需要家の所へ行く電力料金というものは余り大きな差が起らない。そういうことになる。そういうふうにするのであります。それがポイントなんです。そういうことにいたしますと、大体そう大きな差は起りません。又そのやり方によるわけでありますが、石炭費の全額を補償するとか、或いはその六割を補償するとか、そのやり方については問題はございますけれども、とにかくその方法は大体そういうことですが、一言にして申しますと……。
#108
○説明員(齋藤三郎君) 今のブロック案者の説明をお聽きいたしておりますると、方力部門から國庫へ公納金額似のものを取つて、それを原資にして火力部門に補給金をやる。これを法律で決めて呉れという非常に何かカモフラージした御説明だと私は思いますが、私はそれ自体が新らしく生まれるであろう配電会社は成り立たないのだ、或る地区の配電会社は儲け過ぎるような形が必ず出るのだ、その結果を調整するのに何かやるのだ、こういうことだろうと思う。それを一皮むくというと、先程來から私が申上げておるように、これは事業のカルテル案をやらなければ事業は成り立たないのだ、こういうことを端的におつしやつておるのだと思います。それはそれ自体が私共の立場から考えまして、どうしてもそういう観念が残されておると思う。独占禁止法或いは今度の集中排除法の根本精神と牴触するものがある、こういう点が出て参る。それは法律でやるのだからよいのだ、これは法律で除外例を設けろ、こういうことを需要しておる。そうしていろいろやらなければできないのだという非常に無理なお考えであつて、決してこの問題は細かい問題ではなくて非常に大きな問題だと思います。一面においてそういうものができると同時に、電力の配分でも同じような何か強力な措置を講じなければできない。これはいずれも生産物を量の面での調整をやるというような精神がここに起つて來る。これは我々の考えと非常に相違をいたしておりますので、特に申上げて置きます。
#109
○説明員(一本松たまき君) 料金の問題でありますが、料金はこれを全國一社にいたしましても、その料金の差というものは今後の料金政策には加味されることと思うのです。加味されるかされんか分りませんが、電力料金の決定の大体の方針といたしましては、地区別に若干の差があつてもよいという方向に向きつつあります。その場合に一社であつても、或る一つの基準を決められて、恐らく九州の電氣は北陸よりも若干高いという形をおとりになるのだろうと思う。これは一社の方でも恐らく全國一律の料金ということはおつしやらないと思うのでありますが、これは少し自分の見解を申上げるようなことになるかも知れませんが、そうなるべきだと私は考えますが故に、この地区別の料金差はどういう形でその差をお付けになるか。一社化の場合にそれはやつぱり発電原價を調整するとかいろいろなことをお考えになつて、地区別の料金の差が決定されると思うのです。ブロック会社にいたしました場合に、大体それと同じような精神でこれはやるので、やる結果について少しも差はないと私は信じております。ただその特別法を以てやらなければならんということに大きな問題がある。その特別法というものができない、そういうようなものはもうやらないのだというふうに頭からおつしやいますと、もうこれは法ができるか、できんかということに係る。ただその操作で以てできないんだ、そうおつしやることは、若しそうであるならば、ブロックでできないことは一社でもできない。ただ手続だけの問題となる。実質的には何ら変りのない料金政策が、今日の日本の電力料金として恐らくあるに違いない。そういうふうに私達は確信いたしておるんです。
#110
○門屋盛一君 只今の一本松説明員の話は、ちよつと我々としまして非常に不満過ぎるわけであります。この料金に差が付くという問題は、それは例えば、その料金を全面的に差を付けるのではなくして、家庭用電力と工業用電力を差を付けるということは考えられるかも知れませんが、この前の御説明のような、発電原價による料金の差は、一社でやる場合にも付くということは我々は考えられない。その料金の差の付くということを、そういう内部的のことを隱しておいて、そうして表面で一社でやつても料金の差が付くのであるということを、エキスパートのあなた方が言われるということは、先程の栗山委員の言葉を藉りていえば、やはりごまかしてしまうということが一つと、それから火力に水力からカバーするといいましても、八割までが水力であつて、二割が火力であるというような地点はいいのでありますが、殆んど半々、ときによると火力の方が六〇%に上るということがある。それから現在においては特段の制限を受けておる。関東その他の電源地帶では制限がない現在においてさえも、発電條件が悪いため電氣に対して非常に苦しんでおる。同じ國民でも九州の國民だけは電氣に対しては非常に苦痛を嘗めておる。それでおいおいその苦痛の差がひどくなつておる。これは料金でとても補える問題ではないし、それから法律を以てと言われるけれども、法律を以てこのコントロールがうまく行かなかつたということは、あなた方が現在電力料金の値上げ問題一つについてもうまく行かないということは、過去四五年間にがい経驗を持つておる筈なんであります。だから、この点は今日は十分な御説明を恐らくこれはできないんじやないかと思うんですが、私が先程申上げましたように、まだ根本の一番大事な点の御研究がブロック案には足りないのではないか。こういうふうに思うんですけれども、率直にその点を申上げます。
#111
○説明員(一本松たまき君) 私のさつき申上げましたことに若干足りなかつた点があるかと思いますが、地域別に料金の差があるということを申上げましたが、これは今お考えになつておるように、大きな差とか、そういうようなことは全然考えておりません。併し北陸の電氣と関西の電氣といいますと、これは送電線とかいろいろなものの関係がありまして、地域的に若干の差があるということは、これは経済原則から見て止むを得ない。或いはそれがむしろ將來の日本のいろいろな國土計画、というと語弊がありますが、経済原則に乘つた産業の配置とか、いろいろ各方面に私むしろ必要であるというふうに考えるので、これが産業の邪魔になるというような大きな差が考えられるということは、それは私の言葉が足りませんで、そういうふうにお感じになつたとしたら、それは一割とか二割とか差を考えておるのでありまして、決して九州の電氣が五割高いというのではないのであります。
#112
○門屋盛一君 生産原價からいえば五倍高くなるわけです。
#113
○説明員(一本松たまき君) ですから、それはそのままその差かあつていいというようなことは決して申上げておるのじやないのであります。せいぜい二割とか三割とか、三割が最高じやないかということを、我々は考えておるのであります。
#114
○委員長(佐々木良作君) ちよつとブロック論に質問を集中するようでなんですが、私からちよつと質問したいのは、一番基本がブロック論者の場合でも、現在の事業の場合でも、経営者から一番中心に言われておるのは、プール計算の不明朗性、これが一番いけないので、これをやめなければならんという主張が強い。プール的な計算をやめなければいかんということが前提になつておつて、そうして今度ブロックにする場合にもやはり、言葉は違つても内容は似たようなもので、これが残らなければならんということは、私は何遍聽いても分らないのですが、どのような救済が一番可能かというようなことを御説明願いたいと思います。
#115
○説明員(吉田確太君) 只今一本松氏からお話し申上げましたが、私はやはり地区会社を作つた場合に、その会社は独立採算制を採られておるのでありますが、これが我々の根本原則であります。但し今のような現在の過渡期においてこそ已むを得ずこの原價の高い所は、これは私の個人意見でありますが、端的に申上げますならば、刻下は石炭が三千何百万円にならんとするようなふうに承つておりますが、そういうようなものは國が助成すべきじやないかという私個人の意見であります。そういうふうにして、おのおの地区会社をしてその企業者の意欲によつて独立採算でどんどんやつて行けばいいじやないかというのが地区会社案の根本精神であります。たびたび繰返しますように、こういうインフレの時代においては、水力発電原價というのは非常に安いのであります。一般に火力の固定は安いようでありますが、経費となるべき石炭代が一トンについてべらぼうに高い。こういうアンバランスの経済過渡期だけは何とかこれを救済する途を作らなければならんじやないか。ところが、一方今まで採られておりますプール計算が悪いというのは、これは十の会社があつて、收支の面において、端的に申上げますれば、底は筒抜けであります。最初は一つで勘定しておるといつて私はいいと思います。こういうわけで、九つに分けて、そういう所に與えられておる水力と火力、これは機械的に地理的に自然に與えられたものである。人爲で我々がそれをどうこうしようというのじやなくて、機械的に而もブロックに地勢的に分れておるものの大半は、これは過渡期だけは何とか救済しなければならんじやないか。我々は外の面においては、人が働く面においては、おのおのの企業努力をして、おのおの九人がお互いに競爭しようと思つて、他を顧みて、が互いに独占なるが比にその地域内ではできませんが、競つていい所を見習つて、お互いの企業の努力に努めようじやないか、そういうのが我々の精神であります。從つて先程からプール計算はいかんじやないかと申されますが、我々の考えておりますのは、動いておるもので、人の如何ともし難いものは、これは將來においては、経済過渡期が過ぎ去れば、既設発電と雖も今後修理を相当にやる以上は発電原價は上つて來ると思います。石炭も世界経済に通じれば、下らんまでも、新設水力発電といいますと、各地区とも原價は割合に均衡になつて來るだろうというのが我我の考え方であります。その過渡期だけを調整しよう、それをお互いの間でやるとやはり自主性を失うので、その点だけを矯正してそれを助成するような方向に行こう、そういう考え方をしております。
#116
○説明員(齋藤三郎君) 今のお話は過渡期、過渡期という言葉で御説明がありましたが、私はこれはもう概括説明の一番初めにも申上げて置いたのでありますが、見通しの問題も実はあるので、議論はいろいろとなされるだろうと思います。第一に水力火力の値段が、戰前の状態のような大体バランスした値段になるだろうかという問題でありますが、これは五年七年では絶対にそういう時代は來ないということをはつきり申上げられるじやないか。なぜかと申しますと、水力の方は補修から金が掛かるであろうという吉田さんの御意見でありました。水力の補修費そのものの在り方は、現在の料金態度が悪いために起つたものなのであります。それでなぜ起つたかと申しますと、帳簿價格百分の一に近いものでしか償却金を認められておらない。このために補修費をいやでも建設費に織込まなければならないという不健全な経理を強いられておるために起つた問題であります。この点は、さようなことでは事業の健全性は保てないので、私共は機会あるごとにこれが料金化ということを主張しており、又是非実現して頂かなければならん問題だと思います。從いまして、残された六百万キロの水力の原價が上るであろうということは、経営者としても自治的に自立できるものを作るのだという根本観念があつたならば、料金に対する態度自体に非常に大きな間違つた考え方を持つていたのではないか、こう申上げるより外にしようがないのであります。そうしますと、六百万キロは上るかも知れませんが、私のように考えておれば、例えばこれは六百万キロは立派にそのままで保持できる。帳簿價格を勘案しましても恐らく百倍の價格の助成が認められるということも想像できません。必ずや現在の物價のバランスよりも低いところにしか落ち着かないと考えるのが妥当ではないか。更に石炭の値段はどういうふうに下るか、こういう問題でありますが、從來の戰前、或いは満洲事変前の石炭というものは、自然的な自由競爭の結果生れてきて落ち着くところに落ち着いた値段であります。今日は増産々々、或いは外の使途に追われて、無理やりにそれだけ持たなければならんというところから出た値段で、今後共に物のバランスの面から見て、その石炭を掘る状況が從前のような自由に発達して來た状態として來られるとは思われません。而も石炭の分布状態が外國の分布状態に比べて非常に立派な妙味があるというのならば、機械力によつて、或いはその他によつて、又能率を上げて安くする工夫はありましようが、御承知の通り九州にしろ、北海道にしろ、日本の炭鉱を経済的に見れば非常に價値の低い山が多いですから、労銀が戰前のように他の物價に比して非常に低くなるのだという見通しを立てれば安い石炭という見通しがつくかも知れませんが、私は恐らくそんなことは不可能であろうと、こう考えざるを得ないのであります。而も石炭に対しては、いろいろな見通しからして、或る量は強制的に出さなければならない。これを現実的に考えますというと、單價は現在の跛行した状態よりは助成はされるでありましようが、戰前のようなバランスまで落ち着くものではない、どうしても高いところにレベルが上るであろう、これが一つであります。又火力発電の運轉費を平常状態で水力発電の運轉経費に比較して見ますると、個々の設備の大小とか、新らしさ、そういうものによつて違いまするが、大体水力の総平均一キロワット当りの一年の運轉経費が、四円というものに対應して十円、こういうのが大体昔の状態であります。十四五年まではそういう状態でありました。そうすると、この四円五円という二倍の運轉経費の開きがありますが、これは労銀とのバランス面ということを考えまするというと、この開きは將來は落ち着く先はもつと大きな開きができる、こう考えざるを得ない。設備の方はどうであろうかというと、水力は六百万キロという大きな安い設備を残しておる。火力の方も現在は安い、併し火力の壽命と水力の壽命との間には非常に差異がありますから、更新するのが急速に行われなければならんだけ新設備を必要としますので、どうしても設備費も高くつく、あらゆる條件から考えまして、火力発電が現在のような一対十何倍というようなことではないにしても、一対二或いは三ということになれば、これは今から私はほぼ推察がつくのではないか。若し配電会社側のおつしやるように、大体バランスの採れる時期が來るならば、十年或いは十五年、もつと先に來ればどうなるか、その見通しまてははつきり申上げられない。こう申上げるより外にないと思います。こう考えるのであります。
#117
○説明員(友永信夫君) ブロックの問題に対して電産としてちよつと反駁して申しますが、この水力地帶から火力地帶へ補給金をやるということは、先糧一本松氏は九ブロックは現在の段階において一つの電氣経済圈だと言つていることを引繰り返して、要するに、労銀調節面において電氣経済面は全國が一つの経済圈に入つているということを証明しているのであります。それからこの現在の企業形態でこのプール計算、これは何故そう大きく考えるかと申しますと、今の電氣事業に企業の危險というのがないかというと、できた電氣は全部賣れてしまう、販路に困ることはない。それではどういうものが企業の危險かというと、自然の條件ではいけなくて、何か企業形態を変へなければならないというようなことの一つの大きな縣案としてプール計算が挙げられておりますが、決定的に経理を左右するファクターになつている。これは例えば今年度は三百万キロワットくらい出るだろうという予算で以て、各社が俺のところは五十万キロワット賣れるという予算を組んでいる。ところが、渇水がひどかつたために二割電氣が出なかつた、だから收入が二割減つた、そういうのが今の配電会社、日発において事業に変更ができてくる。又それで渇水において二百万トンのところを二百五十万トン出て來た、この調節をどこに轉嫁しようというのが、電力料金をどれだけに決めたらいいかというところに落ち着いて來るわけです。だから九ブロックに分けまして、これを水力地帶から火力地帶にやるというときに、その算定は一番企業危險のフラクチュエーシヨンが多い水の状態、それから火力地帶、石炭量これを同時にすベきかということの、プール計算の一番むづかしいところだけを裸にして決定しようということになつて、このむづかしさというものをそのまま再現して今の機構よりむづかしい機構でやらなければならん。而も問題は堂々廻りして解決しつこない。こんなところへ頭を突込んでおるのは経営者としてはできない。だから一つにしたらいいじやないかというのが我々の結論なんです。
#118
○栗山良夫君 私は先程自治体の方に御質問したと思いますが、この機会に御了承を得たいと思います。大分項目が幾つかありますので、話の連関として一緒に申上げますからさようにどうぞ。先ず第一に現在の縣公営の主張、これは先程配体会社の方へも伺いましたが、日本の全都道府県の主張のウエイトはどうなつておるかということを伺いたいと思います。これは去る十二日、東京においてですか開かれましたが、期成同盟の大会において決定されて、來る二十七日に全國の都道府県が一應肚を決めて、そうしてその結論を二十八日に開かれる電氣事業御主化委員会に持ち出すと、こういうようなことが報道されておりますが、このことは結局上から指導されておる面が非常に多くて、必らずしも全國の都道府縣が澎湃として意見を一致して、そういう工合に盛上つておるのでというふうには見えない節があるのどございます。最も強く指導されておるのはどことどこか。そうしてまだ態度が決定していないのはどういうところが、そういつたことと伺いたいというのが一つであります。
 それから二番目に企業目論見と申うますか、そういうものはすでに完成しておるかどうかということであります。これは何故そういうことをわざわざお聽きするかと申しますと、縣営、公営に移管いたしました場合に、私共が非常に心配しておりますることは、現在の電氣事業をただ各縣に分割したというだけで企業目論見ができないということであります。即ち現在の官僚機構の在り方、或いは公営機構の在り方を考えて見ますると、物件費人件費を合せまして、諸掛り費は相当厖大なものになるであろうということを先ず予想することが一つであります。過日経営者の方から伺いますと、從業員は全國で十三万人だと、こういう工合に申されております。併し恐らく縣公営に移管されますならば、縣公営が一つの独立会社と同じような形がとられる。そうしていわゆる管理者、理事者から始まりまして厖大な人事機構が恐らく作られる。そうして諸掛り費は相当大きなものになるのではないか、こういうようなことを縣念することが一つであります。従つてこの企業自論見というものが余程完成して、これを公表されない限りは、我々としても縣公営の内容というものがよく了解されないのじやないかということが考えられるのであります。
 それからその次に経理関係でありますが、御承知のように、申すまでもなく電氣事業は非常に資金の廻轉率の悪いものであります。殆んど全部が個定資産に釘付けされるものでありますが、その場合に縣公営になつたときに電氣設備の拡充というようなことはうまくなされるかどうかというような問題でありますが、特に資金資材の関係を見ますと、現在私の手許にある数字によりますと、電氣事業の全部の固定資産は約八十億であります。その中で配電部門、今縣公営に移管を企図されてあるところの部門の建設費はその中の六〇%、非常に大きな部面を占めておるわけであります。この設備の維持補修、拡充をやつて行きますためには、固定化されるところの資材というものは非常に多種多様で厖大なものであります。こういうものが私共の経驗によりますると、應急資材などを含めまして、いわゆる相互に釘付けせられる部面が非常に多いわけであります。こういうものは現在の状況ですと、全國の会社が少くなればなる程プールし得る余地があります。そんなに沢山貯藏をしなくても金國にうまく円滑に廻すことができるわけであります。ところが、丁度五十件にも余るところの沢山な独立企業体にそれぞれの資料を補修用或いは拡充用、應急用を含めてストックするということになれば、現在の日本の経済力を以てしては、到底僕は賄い切れないのじやないかというふうに考えております。そういつたような点を関連して聞きたい。
 それからその次に労務の問題、主として人の問題でありますが、経営責任の問題、先程から経営責任のことが盛んに言われておりますが、今官営事業に対して、最も戰前でも優秀な営業を続けておつたという國鉄ですら相当國民的な批判が加えられております。このことは結局官営事業、公営事業というものの経営責任の所在が明らかでない、こういうようなことが最も大きなポイントとなつておると思うのでありますが、そういう点が果して國民が期待するような形態に持ちこたえられるかということが一つ。
 それからもう一つは従業員の給與の問題であります。これは申す迄もなく公益事業であります。そうして公益事業の從業員はこの事業に專念してサービスに当るということは当然でありまして、そのためには給與の裏付けがなければならん。そうしてこの給與の裏付けを取るために、今電産の組合は活溌な動きをしておるわけでありますが、若しこれが自治体の中に入りまして、そうして外の事務公吏と同じような待遇にせられ、官吏と同じような待遇にされるということになれば、これは到底忍び得ないことであろうと思いますが、そういつた部面はどういう工合に具体的にお考えになるか。これは先程言つた企業目論見の中にこういうものは当然重要な因子として織込まなければならない問題なのであります。その他お伺いしたいことはまだ沢山ありますが、大体この四点につきまして内容を幾らか小分けしてございますが、お答を願います。
#119
○説明員(山元誠安君) お答え申上げます。先ず第一の各府縣の熱意の程度と申しますか、各府縣ごとに多少そこに熱意の程度が違うのじやないかという仰せでございますが、現在のところは事実その通りでございまして、最もこの主張の熱心なところは、從前配電事業、電氣事業を営んでおりました府縣、これは第一に熱心でございます。それから電源を持つております発電縣と申しますか、さような地方におきましても非常にこの問題は熱心に論ぜられております。去る十二日の大会のときには不参加縣が事実七縣か八縣ございました。その他は全縣出まして、これは後で必要でありますれば不参加縣のことは記録がありますから申上げますが、その他の縣は相当最近になりまして一様に熱心になつて参りました。東京都におきましては、この主張は相当古いものでございまして、企業の目論見というものも実は拵えてございます。その他福島縣等におかれましてもすでにおできになつております。尚この問題は近く各縣の資料を集めますことになつておりまして、恐らく來月の初旬あたりまでには各縣の目論見というものができますかと思つております。今のところ発電縣でありました縣、それから福島縣とか長野縣とか富山縣というようなところは相当具体的の目論見を持つておられます。
 それから公営にします場合の総掛り費が相当厖大になるのじやないかという仰せでございますが、このことは仮に府縣営が決定いたしましても、この事業面におきましてはやはり独立採算制を採ります関係上、一つの独立廳みたいなものができまして、経理の方法におきましては会社の経営とそう大した相違はないような経営ができますことと思います。これは東京都がおきましては曾て配電事業を営んでおりました経驗もございますので、十分独立採算制で経営できる自信を持つております。
 尚人員の引継ぎの問題でございますが、これは仮に経営が決定いたしましても、この配電事業は相当エキスパートの関係しなければならません仕事でございますから、やはり人員というものは現状におきまして第一線の機構その他人員はそのまま引継ぎまして、尚待遇等におきまして、府縣営になりましたために待遇の低下するということはこれは考えられませんのでありまして、待遇を低下させないで、そうして人員、経営機構を引継ぐというような構想でございます。尚現在におきましては自治團体の労務者の賃金と配電会社その他日発等の労務者の賃金との差が多少ございますけれども、これはいずれ先に進むか遅れておるかという問題でありまして、この問題は將來は調整されるものと我々は考えております。現在におきましては多少の差がありますが、むしろこれは公共團体の方の賃金の水準というものが、会社の水準に段々近付いて行くのではあるまいか、結局引継ぎましても、賃金の面におきましては、從前の労務者と新らしく引継ぐ労務者とのバランスはとれて行くというような考えを持つております。
 それから経営の責任の問題でございますが、これは先程申上げました通りに、やはり独立採算制の一つの独立廳としての形態を採られることになりますと思いますが、その責任の問題は、これは経営機構におきまして明らかに責任は取れると思います。尚その上に都議会なり縣会なりがありまして、監査機関、決議機関その他があります。責任の点においてはむしろ会社経営の場合よりも公営の場合の方が責任が明瞭になるというような見解を持つております。
 それから資材の面でございますが、これは現状におきましても資材は相当困難なものでございまして、府縣営になりましても決して資材は楽にはなりませんかと思いますけれども、併し現在府縣では交通事業その他を経営しておるところもございまして、それらの面におきましても、やはり監督官廳の手を経まして、一つの配給のルートというものができておりますから、まあそういうようなルートによりまして、不足ながらも資材の面におきましては、そう現在よりも悪くなるということは考えられませんのでありまして、或る縣におきましてはむしろ縣営にした方が資材の方面は却つて有利に運営ができるのではないかということを言うておる縣もごいます。まだ足りませんかも分りませんが、大体さような構想で縣営は考えておるわけでございます。
#120
○栗山良夫君 私の御質問申上げたその要点に対して今御答えになつたところは、極めて抽象的で、どの点も私がお聞きしたいと思つた点に触れていないのでありますが、將來に亘りまして更に御研究されて、適当な機会に一つお聞かせ願いたいと思います。
#121
○説明員(山元誠安君) それにつきましての資料は今日持つて來ておりませんが、一般論と具体的問題を取纒めました資料が今できつつありますから、今暫くしたら御配付申上げます。
#122
○飯田精太郎君 今の説明でもう少しお聞きしたいと思うのですが、日本全國から見まして、配電事業というものを都府縣別に全部お分けになるつもりであるか、市というものを別にお認めになるのですか。
#123
○説明員(山元誠安君) 配電の面だけを府縣のブロックに分けて経営したいというのでありまして、府縣側の見解といたしましては、先程來いろいろ御意見が出ましたが、結局発電を考えましてのブロックということは、府縣側の見解から行きましても勿論困難であります。それから將來の開発という面から考えましても、発電を含めた小さなブロックということはこれは成り立たないのではないか。これはむしろ先程から申上げました通り、やはり國家的な、一般的な経営形態に移しまして、勿論電氣は発電から配給まで有機的に繋がつておりますけれども、併し一方は生産に主として重点を置いて行かなければなりませんし、配電の方は民衆と共にあるのでありまして、民衆の中において栄えておるものでありますから、これはサービスという面に重点を置きましてやらなければならんという見地から、配電機構だけ取りまして縣別に分けることが適当であると、而も現在の府縣は配電施設におきましては、大体山とか川とかいうことが地域の境界になつておりますが、大体配電施設においては都府縣別に分け得るもではないか。多少そこに配電線に入り込みがありましても、それは地区別に調整ができるのではないかということ。それから現在の配電会社のブロックというのは、配電統制のときに私も多少関係いたしましたが、あのときは主として地方逓信局の管轄というものが一つの主体になりまして多少の調整が行われましたごとく私共は考えられます。でありますから、現在におきましては、サービス面におきましては非改に区域が廣い。まあ関東地区におきましては、関東配電の地域に山梨縣があるとか、或いは靜岡縣の一部があるとかいうことは、相当これはサービス面におきましては廣過ぎるという見解の下におきまして、縣地区程度が適当であるというような結論を出されたのであります。
#124
○飯田精太郎君 大きな都市は市が自分でやりたいという希望を持つておるのが大分あるようですが、それは縣の中で又別に認めるのですか。
#125
○説明員(山元誠安君) そのことをお断わりして置けばよろしうございましたけれども、実は以前市で配電事業を営んでおりましたところ、主として京都とか、神戸、大阪、その他静岡、仙台、酒田とかいうようなところ、小さいところでは都城あたり、以前配電事業を営んでおりましたので、この大中都市は配電事業の復元ということを盛んに主張しておられます。この問題と府縣営との関係の調節は、大体は府縣営の構想の下におきまして、特別な地区、纒りました大都市、こういうようなところは、府縣営の構想におきまして経営を委託するとか委任するとか、大きな都市でありまして、都市だけ切離すと、群部の方が非常に微弱になるというようなところは、逆に府縣が市に経営を委託するとか、市そのものの経営に委かせまして、地域を縣地域にするというような構想を考えておられるところもあるわけであります。
#126
○飯田精太郎君 もう一つ飼いたいのでありますが、発委電等の限界はどういうところで分けるのですか。
#127
○説明員(山元誠安君) これは現状に即してと、こういうことを言つておりますから、現在配電会社に附いておる配電線、二次発電線の限界によります。
#128
○委員長(佐々木良作君) 議事の進行についてちよつと御相談申上げますが、懇談会その他におきましても、原則として、特別の場合でありません限りは、終いは四時に切ることになつておりまして、時間も大分迫つておるわけであります。同時に問題が一つ一つに入つたわけでありますけれども、非常に関連性があるために、ここに出ておる問題、電源開発の問題は除いて、殆んど一應触れたような格好になつております。從いまして先ず今日のこの委員会をまだ継続して行くかどうかということ。継続して行くとすれば、今のような一般的な、一般的といいますか、「イ、ロ、ハ」三つに亘つての問題をまだ暫くやつて行くか。或いはこの辺で切つて、例えば懇談なら懇談みたいな形式で今日やつて行くか。その辺一つ皆さんの御意見を承わりないと思います。
#129
○松嶋喜作君 成るべく委員の意見は差控えて、もう少し次回、御迷惑でしようけれども、質問ということに重点を置いて、もう一回ぐらいして頂いて、意見は成るべく差控えて、質問に重点を置くというような意味で、もう一回ぐらいこの書類によつてやつて行つたらどうかと思います。
#130
○委員長(佐々木良作君) 今日はどういたしますか。
#131
○松嶋喜作君 今日はこの程度で一つ……。
#132
○委員長(佐々木良作君) 如何ですか。
   〔「打切り賛成」と呼ぶ者あり〕
#133
○委員長(佐々木良作君) よろしうございますか。今日は一應委員会をこの程度で切るという、終了するということに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○委員長(佐々木良作君) 尚次のことにつきましては、委員会終了後でも御相談いたしまして、次の委員会の運営方法として御相談いたしたいと思います。それでは一應今日の委員会はこれで閉じたいと思います。
 最後に私から各説明員の方に一言お礼申上げたいと思います。私共参議院の電氣委員会の委員といたしまして、電力問題が最近日本経済における立場を十分に考えまして一番大きな問題であり、そして影響するところ又極めて重大であるという観点に立ちまして、昨年來実はいろんな問題に発展はしつつも、この再編成の問題を最近における最も中心的な問題として考究し、檢討を重ねておるわけであります。それが最近又急に具体化しなければならない状況になつておりますので、私共委員としましては、委員の内部だけで檢討をするのでは足りないという観点から、あらゆる各方面のお方に御援助願つて、御説明を聞いたり、御意見を聞いたりして、この問題の考え方に万遺憾ないようにしたいと考えておる次第であります。こういうわけでありますから、今日の会合は、この説明を承わる第一回でありますけれども、先程松嶋委員からもお話がありましたように、今後こういう会合が、例えば同じ方式で、或いは又個人々々、一人々々の御説明をお願いするというような方式、いろいろな方法で又推進されると考えます。更に今日は再編成に関する主たる主張者をお招きしたわけでありますけれども、この外にも一般的な学識経驗者の方、或いは需要者の方、そういう方も次々にお呼びして御意見を承わりたいと考えております。そういうわけでありまして、我々としましては、あらゆる立場を離れまして、日本る経済のために最良の再編成を考えたいと思つておるわけでありますから、今後ともどうぞ御協力を願いたいと考えます。本日は非常にお忙しいときでありますのに、長時間に亘りましていろいろ御説明を頂きましたことを、委員に代りまして厚くお礼を申上げます。
 それでは今日はこれで閉会いたします。
   午後三時四十一分閉会
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事
           石川 一衞君
           飯田精太郎君
   委員
           原口忠次郎君
           加藤常太郎君
           重宗 雄三君
           西川 昌夫君
           松嶋 喜作君
           門屋 盛一君
           加賀  操君
           宿谷 榮一君
           栗山 良夫君
  説明員
   日本発送電総務
   理事      齋藤 三郎君
   東京都議会議員
   交通委員長   野口辰五郎君
   東京都交通局長 大須賀兵吉君
   東京都交通局電
   氣課長     山元 誠安君
   東京都交通局総
   務課      大迫 彦一君
   関東配電株式会
   社取締役工務部
   長       吉田 確太君
   関西配電株式会
  社常務取締役  一本松たまき君
   電氣産業労働組
   合專門委員   友永 信夫君
   電氣産業労働組
  合中央鬪爭委員  鈴木 篤義君
ソース: 国立国会図書館
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