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1947/06/03 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 電気委員会 第5号
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1947/06/03 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 電気委員会 第5号

#1
第002回国会 電気委員会 第5号
昭和二十三年六月三日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電氣事業再編成に関する調査の件
  ―――――――――――――
   午後一時二十五分開会
#2
○委君長(佐々木良作君) それでは第七回の電氣委員会を開会いたします。本日の委員会の議題といたしましては、五月二十六日にやりました第五回の電氣委員会におきますところの電氣事業の再編成に関する説明を聽取するのが一番中心点であります。第五回の電氣委員会におきましては、御存じのように、この電氣事業の再編成問題に関しまして、主なる再編成案の主張者であるところの日本発送電株式会社、それから九つの配電会社、それから自治体、それから電産労働組合の四者の代表者の方に説明をお願いしまして、それに対して各議員から質疑され、そうしてその應答がされたわけであります。第五回の電氣委員会はこの問題に関する説明聽取の会の第一回でありまして、その第二回目を今日これから開会するわけであります。ただその間に、五月三十一日に第六回の電氣委員会を開きましたが、第六回の電氣委員会におきましては、再編成問題の間接の問題であるところの電氣事業の経理の問題につきまして、特に電力料金の問題と資金融通の問題につきまして、関係官から説明を聽き、それに対して質疑應答がされたわけであります。從いまして第六回の委員会の内容は、今日の第七回の委員会とは直接関係ないわけでありまして、第七回の本日の委員会は、第五回の委員会にじかに引続くわけであります。尚本日のこのためにおいでを願いました説明員としましては、配電会社関係が、中部配電の副社長の井上五郎君、それから九州配電の佐藤篤二郎君、関東配電の工務部長の吉田確太君、日発関係としましては、理事の齋藤三郎君、同じく森壽五郎君、それから電産の労働組合からは友永信夫君、酒井友市君、それから自治体関係は、関係が多いので大分多数見えておりますが、主として発言される説明員としましては、福島縣の渡邊信任君、同じく齋藤清雄君、それから東京都の山元誠安君、その他オブザーバーとして多数見えております。質疑に入る前に、これは非常に非公式でありましたけれども、議員の出席されなかつた方の便宜のために、第五回の電氣委員会審議要録というのを、專門調査員の方で非公式に作つておりましたから、配付してあります。これは非公式でありまして、内容もじかに速記録から取つたのじやないだろうと思いますので、或いは齟齬する点もあるかも知れませんが、そういう意味で軽く御参考にして頂けば結構だと思います。
 尚今日のこの本格的議題の外に、最近又電氣事業が少々惡くなつておる事情がありますので、関係官廳に対して簡單な説明をこの機会にするように言つてありますから、いずれ関係局から見えて説明されることでありますが、これは直接の問題ではありませんが、参考のために聽いて置いた方がよいと思つて予定してあるわけであります。前回は、綜合的な問題から具体的な問題に入り掛けたわけなんでありますけれども、おのおの具体的な問題が相当関連しますために、一つ一つはつきりと区別して、区分けして質疑應答に入ることが非常に困難なような事情にあつたわけであります。今日も或いはそういうことになるかとも思いますけれども、一應引続きまして、具体的な問題から入つて行つて質疑應答をして頂きたいと思いますが、その一般の質疑應答の前に、自治体関係の主張が、今非常にメンバーが多くてはつきりとしにくい点もありましたので、その関係で、電氣事業の都道府縣営の期成同盟会ができておつて、その副会長をされておる渡辺君が見えておりますから、質問の前に渡辺君から、都道府縣営関係のこれまで並びに現在の状況を簡單に御説明を願つた方が便宜かと思います。その説明から入りたいと思います。よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐々木良作君) それでは渡辺君一つ、
#4
○説明員(渡邊信任君) 我が國の電氣事業再編成は、正に産業革命とも申すべく極めて重大な問題であります。これについて各方面いろいろの意見もありますが、私共は事業の民主化を主眼とし、大衆の意向を基礎に置き、事業の公益性を最高度に発揮し、産業の興隆と、地方自治の振興を念願といたしまして、配電事業の都道府縣営実現を期するものであります。私共の立案は地方自治体、地方民、業者、從業員が共に手を携えて、お互いにその幸福のために事業を運営して行こうとするものであります。独善的な考えや、自己の擁護的な主張は毛ほどもこの問題については考えていないのであります。全國各縣がこの問題が期成同盟会を結成したのも、全國民の要望の結集と見て然るべきものであると思うのであります。
 大綱につきまして二三の点を私上げたいと存じます。先ず第一に、発送電と配電は、何故に編成の必要が起つて來たかということを申上げたいと存じます。戰爭完遂のため、全体主義により編成せられましたところの現在の電氣事業は、終戰後その独善的経営の積弊は、電源の不足、工作物の劣下、サービスの極端なる邪悪化等の現実から、大衆に嫌われて参つた次第であります。如何なる編成替をいたしましても、恐らくは今日よりは、必ずやよりよき結果を收めるだろうという輿論は、全國に捲き起つておる次第であります。かかる情勢下に、今次日発と配電会社が、共に過度経済力集中排除法の指定を受けたのは、現状の企業形態が、経済力を不当に集中することにより、國民に対して経済的の不利益を被らしむることを指摘されたものであると思うのであります。電氣事業の独占的公益性を高度に発揮せしむるために外ならないのであります。今や民主的経営に再編成するため、議会も、政府も、民間も眞劍に檢討を重ねております。私共自治体が、配電事業の都道府縣営を主張しておるのもそのためであります。
 第二には、発送電と配電との分離の問題であります。申すまでもなく、発送電事業は電力の製造事業であります。需用地に送る輸送業でもあります。又配電事業の要請により、所要電力を卸賣りをするのがその使命でもあるのであります。一方配電事業は一般消費者と直結して、電力供給の需用家サービスを担当する小賣業でありまして、発送電事業とは全然その性格を異にいたしておる次第であります。右のような事業の本質から、発送電と配電とは区分することがよいのであつて、この二分経営の長所は、発送電一元経営によつて生ずる長所を助長し、短所を補い得て余りあるものと思うのであります。
 次に経営形態及び規模について申上げたいと存じます。発送電事業は、全國一元的に経営することを望ましく考えております。配電事業は都道府縣営とすることは御承知のごとくでありまして、現在の配電会社は経営形態が尨大に過ぎまして、中央の仮に指令がありましても、末端に滲透せず、動脈硬化症となつて能率が低下したのであります。これを是正するには、府縣單位の経営影態が最適であるというのは、天下の正論が輿論化したことが、雄弁にこのことを物語つていると思うのであります。発送電、配電の一社化又はブロック制の提案は、経営是正を指摘する集中排除法の精神を無視するものと言い得ると思うのであります。
 次に料金の問題でありまするが、卸賣料金は現状に大きな変化を加えず、事情の許す限り差等を少くせぜる数種の料金とすること、小賣料金は全國に一定の枠を設けて、その範囲内で各縣の実情に即して決定することにいたしたいと思うのであります。
 又、現業員の待遇について一言申上げたいと存じます。これも現状のまま引継ぐものであつて、他の官公吏との間に差額の起るのも多少は止むを得ないと思います。その差額の調整も必要とされるでしようが、物價及び給與の推移と睨み合せまして、適時に高い者は少く、低い者には多く増給いたしまして、その均衡を得るように落着かせることもできるでありましよう、又電氣從業員として特殊的立場も考慮すべき理由もありますので、時の推移は自然的にこれを解決するもので、この際都道府縣の立場から各案の批判を申上げたいと存じますから、一應お聽き取りを願いたいと存ずる次第でございます。
 日発案につきましては、発送電の全國一元経営は、趣旨におきましてはうなずかれる点があるのでありますが、又この点は外資導入にも便宜があると思うのでありますが、現状におきましても形態が厖大に過ぎて、事業の使命達成にも疑問を抱かれておるのに、更にこれに配電事業を加えるということは、その運営を尚更半身不随のものにするであろうということは、実行を待たなくとも極めて判然としたる事実であるのであります。この度の編成替に際しましては、日発が現に所有いたしておるところの発電所及び送電線と雖も、地方的のものは都道府縣営にこれを引直すということを考えておる次第でございます。
 配電案に対しましては、発送電事業と各配電会社ごとに分割経営することは、先にも申上げました発送電の本質から見まして不可であつて、賛成できないのであります。第一に、全國的に電力の綜合流通の各社間の発電原價に極端なる差があるため、社会政策的の料金のごときも、地域的に大幅な差違が生じて來る次第でございます。元日発の責任者新井総裁は、地域別な原價によつて料金を決定することになれば、九州や四國の産業は高い料金のために潰れてしまうであろうとさえ言われた次第でございます。正に私共はその通りであると思うのであります。配電会社は現在でも規模が厖大に過ぎてサービスが低下し、非難囂々たるものがあるのは、今日の経営の現状ではいけないということを雄弁に物語つておるからであります。現在の経営体に発送電も加えて、一層厖大を期しておることは、非難を増大する結果となると同時に、集中排除法の趣旨を全然沒却するものではないかと考えられる次第でございます。
 電産案に対しましては、発送電と配電の全國一元経営は、厖大に過ぎることは前申上げる通りであります。又株式会社の形態を取りながら、株主の決議権を認めないということはおかしい、仮称民主委員会は諮問機関で、決議機関ではないから、実質上何らの力を持たないのであります。以上のごとくにして、経営の責任はその帰趨するところが甚だ不明確となる次第でございます。簡單ではありまするが一言申上げた次第であります。
#5
○委員長(佐々木良作君) ちよつとお諮りいたしますが、一般的な説明は前回で一應済みまして、終つたわけですが、この自治体関係の方の一般的説明は、補足的な意味で今して頂いたのですが、これに対する質問から始めましようか。この前のに引続いて、具体的の問題から始めましようか。どういたしましようか……。特に御発言がなければ、この前の続きで、具体的の問題で話して行つたらどうかと思いますが、如何でございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(佐々木良作君) それでは具体的な項目の続きとして入りたいと思いますが、前回におきましては、最初に企業規模と性格、形態の問題が論ぜられ、それと引続いて電力配分及び融通、電力料金及びプール計算という順序でやり掛けておつたわけですが、殆んど全般に関連しますために、第一の企業規模と性格の問題を繞つて、一般的な質疑應答がされた形であります。この中心が大体におきまして電力の配分融通の問題と、それから電力の料金及び資金のプール計算が中心となつておつたのであります。從つて一つ具体的な料金の問題と、それからプール計算の問題から入つて、次に電源の開発問題、或いは経営のサービスの問題という各項に一應進んで行つて、必要があれば又戻つて來るというようにいたしたら如何かと思いますが、そういう意味において進めてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(佐々木良作君) よろしうございますか。
   〔よろしうございます」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(佐々木良作君) それでは一つ電力料金問題と、それから経営計算の一つの方法であるところのプール計算の問題につきまして、四つの主張者から、先ず最初におのおのの主張の御立場から行くと、大体電力料金はどういうふうになるか。從つて又現在のプール計算的なものが、どういうふうに変つて行くのかという説明を、一つ各團体で五分間程度の間にして頂きまして、それからそれに対して質疑應答をして頂くという方法で始めたいと思います。先ず日発から。
#9
○説明員(齋藤三郎君) 私共のは全國一社という單位でありますから、料金の立て方は、プール計算は全然いたしません。ただ適当な或る程度の地域差というものは、極度に平均化いたしますと、一料金を單一的に破壞するということもないわけではありませんので、或る程度の地域差は認めなければならんではないかという、料金の差については極く軽く考えております。一社のことでございますから、すべてのものが如何ようにも按分できますので、その操作はないわけであります。ただこれに関連しまして、二三分時間を頂きまして、現状、どういうプール計算をやつておるかということを簡單に御説明申上げたいと存じますが、よろしうございますか。
#10
○委員長(佐々木良作君) どうぞ。
#11
○説明員(齋藤三郎君) 現状は発送電の原價と旧配電会社の九社の配電自体の原價と、こういうものを中心にいたしまして、大体地域差としては北陸、東北が約二割安くて、九州、四國、中國辺が二割高いといつた程度のところに最後の目標を置きまして、そうして各社が大体同じ業績ができるという建前で、発送電の卸賣料金を通じて調節をいたしておるのであります。ところが料金を決定いたしました時の條件が、そのまま守れない。例えば電力の割当というようなことによつて、一方的に営業收入が左右されるといつたような條件もありまして、どうしてもその間料金の調整をしなくてはならない。こういうことがプール計算を余儀なくさせる理由になつておるのであります。ところがそれが度が過ぎまして、いろいろと各社の意見も出て参りまして、結局プールを通して、業績の平均化をやろうということが謳われまして、そこに各社の経営責任が非常に不明確になるという欠陷が現在現われておるのであります。これを一社にすれば、無論解消される筈なんでありますが、配電会社側の、ブロック側の主張によりますと、これに対しては適当な金融、電力金庫、或いは水力から公納金を取つて、火力の補給金を與えるとかいうような方法で、バランスを取るのだと、こういうように主張をなすつていらつしやるのでありますが、結果的に見まして、プール計算の内容そのものには、殆んどブロックにしましても、現状と変りがない。從つて予算なり、その他の面においての分取や依存の考えというものは、私は主張されないが、結局責任体制をとるというても、非常にそこに不明確なものが残るのであります。のみならず、さような計算を行うこと自体が、これは一種のカクテル組織化を予想しての考え方であつて、この点は独禁法自体の精神とも、如何に電力事業が独占的性格を許されたとしましても、でき上つた九社の間で、新たにそういうものを考えるということにおいて、根本的に相容れないものがあるだろうと考えるのであります。
#12
○委員長(佐々木良作君) 次に配電会社関係を一つお願いいたします。
#13
○説明員(井上五郎君) 配電会社側の只今の問題に関する考え方を申上げます。
 この料金の全國帶に跨る調整という問題が、ブロック間の一つの弱点であるかのごとく印象されておるのであります。これは私共の主張といたしましては、むしろかくあることが、將來の電氣事業として選ぶべき道である。但し今日の段階におきましては、これはひとり電氣料金のみならず、國家的にすべての物價というものを統制しなければならない段階にあるのであります。一遍に統制の枠を外すということは、ひとり電氣料金に限らず、今日の経済状態におきましては許されないのが当然であります。
 尚電氣事業というものが、公共事業でありますから、仮に他の物價の統制が外される時期があつても、電力料金というものに対しまして、何らかの社会公共的な見地から、統制というものが必然であるということは当然なんであります。これは諸外國の例を考えましても、電力料金が全く自由主義的に野放しであるということはあり得ないのであります。この点につきましては議論をする余地がないと考えるのであります。ブロックにいたしました場合に、何がしかの地域差ができる、これはむしろ当然なんであります。全國一社にすれば、プールがなくなるということは、確かに表面下プールがなくなるのでありますが、言葉を換えて言いますれば、全國的なプールを作る。ただ一社の中でやるから、外部的にプールとしてのやりとりがないということでありまして、全國的に電力料金が均一されるということは、全國帶のプールがそこに行われておるということを同一の結果になると考えるのであります。我々は今申しましたように、何らかの意味において電力料金に調節を行わなければならないのであります。これを調節をするということは、取りも直さずプールではないかというお説があつたのであります。今日日本に残された水力資源、而もこの水力資源が、幸いにして殆んど大部分の水力発電所が戰災から免れた。この恩惠は日本のすべての人に均等に均霑せらるべき恩典なんであります。これを一部の地域の人が襲断するということは許されない。一方におきまして、火力発電が非常に價格の騰貴をしております。これは石炭價格というものが、他の物價の騰貴率に比べて、非常に格段な騰貴をしておるという、或る歪んだ、過渡的な事象に基く不均衡であります。日本においても、全然火力発電と水力発電とが、非常に格段な相違というものはなくなる。アメリカにおきましても、水力の豊富な地域、或いは火力の豊富な地域、必ずしも日本のように、水火併用しているのではないのでありますが、本質的に電力料金が非常に開きがあるというものではないと考えられます。而もノルマルな状態におきましては、水火の差というものは、そう大きくないのが本質、本來の姿と考えます。今日石炭價が非常に騰貴しておる一方におきまして、只今申しましたように、水力資源というものが、幸いに昔の形、昔の帳簿價格によつて運轉できるので、この間の調節をするということは、今日の歪められた経済上においては、必要止むを得ない点であります。これは、何も全國の料金を均一にするために、逆な形の上においてプールすることでなく、國家社会的な見地に立つて、或る水力料金から税金的な一つの賦課金を取る。そうして火力の石炭費を何がしか調節をする。併しそれ以外は、すべてそれぞれの会社の責任において責任経営をする。こういう方針をとるということの方が、むしろ本質的には、プール計算を排除するゆえんであると考えておるのであります。ただ方法論といたしまして、それじやどのくらい差があるかということになりますと、これはいろいろ議論のあるところだと思います。例えば現在三燈以下の電燈需用家というものは、一應定額が供給をしております。こうした零細な需用家、比較的負担力のない需用家に対しては、全國的な均一料金が取られるといつたような方針は、一つの社会政策的見地に立つて必要だと考えます。それが工業において、電力を主たる材料の一つとするような工業においては、当然電力が安い所に電力を必要とする、石炭が安い所に石炭を必要とする工業が起るというこの方が、我が國の経済発展に、むしろあるべき姿であると、こういうように我々は考えております。
#14
○委員長(佐々木良作君) 次に電産……。
#15
○説明員(友永信夫君) 電産の料金に対する考え方を述べます。電産は、全國発送電、配電一元化でありますが、これは経理は一元化にする。だから如何なるときでも、料金は均一を取ろう。それから業種別、或いは地域差を設けよう、これは適当な処置ができる。こういうように考えております。そうして建前としては、小口産業、特に中小工業、こういうものについては、動力では、立地條件にこだわらないように電力経営をする。大口産業については、立地條件が、從來の経営に対して考えられるから、それには、不適当な所へ誘引されないように、適当な差を設けて行くということを考えております。只今井上さんの方から、この一元化にしても、結局内部的なプールがあるのではないか。それでブロックにしても、これはただ外でプールでやるだけの差異であると、非常に軽くおつしやつたが、これは決定的な違いなんでありまして、これが一つの企業内のプールであると外部であるとの違いであるということなら、現在企業内のプールがやられておるわけで、プールの問題というのは決して問題にならなかつた。決してこれは表現だけで軽く済ませる問題ではなくて、ここに決定的な電氣事業の昏迷を來たす原因があると、そういうことについて、今の御説明に対して私は承服できないわけであります。
 それからもう一つ、この世界的な傾向から見て水力、火力、日本は現在非常に不安定な時期なんで、この差が非常にあるから、何か水力地帶から火力地帶へ税金というような恰好で金を、結局プールなんですが、プールで移して補給するということ、これは併し極く過渡的であるから、そのうち消滅するであろうと、そういうふうにおつしやいましたが、我々は今の段階がどれだけ過渡的であるかということは、どのくらい続くかということは、誰にも分らない。そうした当面電力問題は現実の問題であるから、ただ過渡的であるから、いずれは安定期に入つて來たら正常ルートになるから、その時を見越して余り問題とする必要はないという感覺に対しては、我々は絶対に反対するのであります。我々は今の電氣事業の再編成の問題は、今日から編成されるならば、直ぐにそれが國民経済的に根本的な影響を及ぼすという感覺を以て、この問題を扱つております。以上でございます。
#16
○委員長(佐々木良作君) 次に自治体の方に……。
#17
○説明員(山元誠安君) 自治体の電氣料金の狙いといたしましては、先程も会長から申しました通りに、地方産業の振興と民生の安定ということと、それから各地方別の、この配電事業の運営の改善進歩ということを狙うことが目標でございまして、從いまして卸料金と小賣料金とを別個の立場で考えておるのでございます。卸料金の問題は大体日発さんの御案、或いは電産さんの御案とほぼ同じでありますが、都道府縣の希望といたしましては、將來は均一的の余り差異のない料金を望みますのでございますが、現在の段階におきましては多少の差等があることは止むを得ない。從いまして或る基準を設けて頂きまして、その基準の卸料金におきまして賄えませんところ、経済の持ちませんところは、そこだけ特別の考慮を拂つて、そうして全國的な考慮を拂つて頂くためには、やはり発送電の経営は國家或いは國家の経営に類する形態を望むということも一つの原因になるのでございます。
 それから小賣の方は、これは外國では「バリー」あたりにさような例がございますが、或る枠を決めまして、これは一つの政府の方針といたしまして、最低と勿論最高の枠と申しますか、さような枠を決めて頂きまして、その以内におきましては、各府縣の特徴に應じまして、料金の差等を設けても止むを得ない。そうしまして事業の振興を図り得ますと共に、できれば料金の低下というものを図つて行きたいということが、料金制度の狙いでございます。ただ遺憾なことに、府縣は何も現在資料を持つておりません。又資料を要求いたしましても、配電会社なり、日発関係から、私共の欲しい資料を頂くことができないのでありまして、遺憾ながら数字的なことを申上げられませんけれども、理想といたしましては、さような構想によりましてやりたいという希望を持つております。
#18
○委員長(佐々木良作君) これで四者の電力料金及びプール計算の問題についての、概括的な説明が一應終つたわけでありますけれども、これに対しまして御質問をお願いいたします。
#19
○飯田精太郎君 九つのブロツクにお分けになつた際に、大体料金というものの差が、断片的にはいろいろ伺つたことがあるのですが、非常に大きな差があるようにも聞きましたし、大して違わないような話も聞くのでありますが、これは発送電の分け方にもよるのかと思いますけれども、大体今の御構想の分割法で、九つのブロックの電力料金の割合というものは、何か具体的の数字でお示しが願えますか。
#20
○説明員(吉田確太君) 販賣原價のことでございますか。
#21
○飯田精太郎君 そう。
#22
○説明員(吉田確太君) 只今の御質問が、先だつてお配りしたような、各地区に発電所送出線をあのように附属させまして、各地区が自主性を持つて経営して行き、尚一般に自家用からの幾分の受電もありますし、地区間の融通もありますが、さようにしました場合の支出から見ました販賣の原價を、各地区でパーセンテージで大体当つて見ますと、仮に関東が六〇%に対しまして、原價の比率としますと、九州が二〇〇くらいになります。これが一番あれでございまして、四國、北海道というようなものは一〇〇%以下でございます。從つて関西、中國、関西が一一〇%ぐらい、中國が一五〇%、関西の一一〇%、中國の一五〇%、九州の二〇〇%、その三つが一〇〇%を超過したものでありまして、あとは皆六〇とか、五〇とかいう数字になつておりまして、パーセンテージの……それは今年度、二十三年度の石炭の三百七十万トンを焚くと仮定しまして、今日の発電力量から推定しました需給の予想に基いたパーセンテージであります。
#23
○飯田精太郎君 北陸が一番低いのだろうと思いますが、これはどのくらいになりますか。
#24
○説明員(吉田確太君) 五〇でございます。
#25
○委員長(佐々木良作君) 北陸は一番低いのでございますか。
#26
○説明員(吉田確太君) そうでございます。
#27
○委員長(佐々木良作君) そうすると、北陸の一番低いのが五〇%で九州の一番高いのが二〇〇%……。
#28
○説明員(吉田確太君) 原價的にそういうふうになります。
#29
○委員長(佐々木良作君) これについては外の主張者関係も大体こういうことになりますか。
#30
○説明員(齋藤三郎君) 北陸の一に対して九州の四という数字は大体首肯できます。併し関西の一一〇というのは、これは非常に融通をやつた結果を眺めているのであつて、関西の火力発電の状況、又設備の状況から見ますと、それをどういう條件で調節なすつたのか、この数字には非常な疑問が出て参るのであります。こういうことは、実体上電源の配分分割は不可能なのであつて、このためには相当大幅な火力補給ということを行なつた結果なんだろうと思いますけれども、どうもこういう数字は私共には了解しかねる数字であります。大体平常時と申しますか、昭和十五、六年までぐらいの補給の割合を從來見て参りますと、つまり全体の供給の中の火力で賄つた割合を申しますと、九州が四四%、中國が四〇%、それから関西は四〇%をちよつと切るという程度に炭は実際に使つております。大体電源を分割して行けば、そんな状態で火力を焚いて行かなければならんということになりますので、この地帶間の融通問題が非常に大きく絡んで來て、この比率は相当むずかしい調整をやつた後、お示しになつているのだ、こう私共には考えられる。実体ではないと思います。
#31
○飯田精太郎君 日発からお出しになつたのだと思いますが、九州と北陸との割合が一対十になつているようですね。
#32
○説明員(齋藤三郎君) 融通を或る程度計算の仕方を変えるというか、いろいろな過程がありますから、最も融通を旺盛にして補い合えばこうなるのだという補正された数字だと思う。我々の方では現在程度のもので、裸の数字で計算するとこうなる、こういうことを申上げている。ですからそこに非常に内容的に相違がありまして、一々の電源の配属融通方法はどうするかということについて、御檢討をした資料を頂かんと直ちには判断しかねるのであります。
#33
○説明員(吉田確太君) 只今の齋藤さんの御質問、関西が少いじやないか、これは我々の方は中國の方の受電を考慮した上で、関西地区に水力設備を相当附属さした結果、こういうふうな数字が出るのであります。
#34
○説明員(齋藤三郎君) 今の考え方で行きますと、大阪の火力設備というものの補給がどこへ向つて行くか、こういう問題が解決せん間は、依然として私の述べました疑問が残るのであります。と申しますのは、水力の電源を相当多分に関西地区に分割した、こういう御説明なんでありますが、併し関西にあります火力発電の補給というものは、大同、日電、宇治電といつた各社の大きな電源は対象として、あれだけ生れたものである。それの持つておつた水力を全面的に向うに廻わすという考え方で、全面的にあちらの補給を、又述に火力を流すという計算をしなければ出て來ない。ちよつと融通の問題で、この前説明し残したのですが、簡單な資料が出ておりますから、どんなものか御説明申上げてよろしうございますか。
#35
○委員長(佐々木良作君) 今の電力供給の問題と絡むのですか。
#36
○説明員(齋藤三郎君) ええ、絡みます。向うの壁に貼つてありますのは、関東と関西で五、六十サイクルで、どういうふうに電力の融通が行われるか、この電力の融通が円滑に行われるか行われないかということは、結局水のすたりができて、現在の計算上ではかような料金になる。そこに利用する水が減れば、それだけ料金は全面的に高くなります。右の端が昭和二十二年度のものであります。各年度にどんなふうに変つておるかということがはつきり分ると思う。赤い方は関東向け、青い方は関西向けであります。大体標準的のものが、左から三枚目のものであります。水の状態は年と共にこういうふうに変化します。こういうことが分れておつて円滑に行くか、而もこの最大と最小の幅と申しますのは、これは毎日の状態で、時間的の相異を相殺勘定いたしましたカーブでございます。これが毎日、毎時間の状態になりますと、この幅はもつとカーブの波の頭が高くなります。この赤い面と青い婦のカーブの調節は現在社内でやつておるわけであります。こんなに乱れたものが、各社の間で円滑に行くか、これは少くとも九ブロツクにしますと、三社間の融通或いは電源の分け方によつては、東北も関係して四社間の融通ということになるのであります。もう少し規則的なものであるならば、そこにいろいろ契約も、約束もできると思いますけれども、これはなかなかそういうことは不可能に近い、而もその上に一時間々々々のものはもつと大幅に変化する。これはこの計算ではつきり分ると思います。これが完全に行かなければ、結局それだけロスが殖えて供給力が殖える。勢い原價主義の料金でありますから料金が上る。こういう結論になるだろうと思います。
#37
○委員長(佐々木良作君) ちよつと今の図の見方を簡單に御説明願います。
#38
○説明員(齋藤三郎君) この辺が水として標準に近い流れ方で、四月から三月までであります。こちらが東西融通の線で、こちらはキロワツト・アワーを示した線であります。これは六十サイクル系統で関西から関東に流れた電氣、この赤い方は関東から関西の方に流れた電氣が曲線で書いてあります。從いまして赤い面積に相当する電力量が関西から関東に流れた。青いものが関東から関西に流れた。こういうことであります。昭和十八年は全面的に関東は関西から融通を受けておつた。昭和十九年は大体関東から関西に融通が多かつた。二十年になりますと、殆んど関東から関西の方に融通した。二十一年も同様であります。それから二十二年は、これは八月、九月、十月、十一月、十二月と、大体ならば冬に起る状態がここに固まつてしまつた。これは秋の異常渇水のためであります。面積から見ますと、関東から関西に行きましたものは余り多くない、こういうように年ごとに非常に変化のあるものを、ただ契約書だけで円滑に融通できるかということは、もうよく御判断が付くだろうと私共は考えております。それで例えば二十二年度の九月十五日でありますが、これは三百万関東から関西に廻しております。ところが一週間も経たない中に、逆に二百五十万関西から関東へ廻しておる。こういう変化があります。而もこの高さは一日中にやり取りをしたものの相殺したものでありまして、これを時間的に見ますというと、この高さはもつと割合が殖えて來る。そのくらい融通を頻繁と行なつて、やつて現在の程度になつておる。こういうことを御承知置きを願いたいと思います。
#39
○説明員(吉田確太君) 只今も御説明がございましたが、私もうすうす承知し、少しは理解しておるつもりでございます。十七、八年頃、これは全体六枚を通じて、日本が戰爭の苛烈であつた、産業を重工業に向けなければならなかつたときから、終戰直後の電氣の要らなかつたときから、その後の削減という甚だしい経済の過渡期と申しますか、日本でたつた一度味わつた電氣の東へやり、西へやつたときでありまして、丁度御承知のように、戰爭に勝たんがために相当に関東地方の電氣が來ておりました。それが昭和十七年頃でありました。それが十九年頃になりますと、爆撃によりまして電氣が逆轉して、火力がやられたり、京浜の工場の方が要らないというので、赤が青になつたのであります。昭和二十年が電氣の要らなかつた年であります。そして次第に、これは齋藤さんのお話のように、勿論関東側の水系、関西側の水系、これは発電所の設計も違つておりますので、渇水の度合も違い、又渇水が季節的にも違います。これは全体としては、産業が今後本州の関東なり、名古屋、大阪の方が、どこが急激に出るということでなくて、勿論賠償もございましようが、大体安定して來ることになるのじやないか。そうすると、あと残る問題は、所属さした水力設備が地理的に渇水の度合が違うということが現われるので、今度所属の仕方如何にもよりますので、我々としては愼重に、所属は今の渇水の度合をよく見て所属させ、そうして産業的に見た需要から言つて、この割合はここに掲げた六つのような激変はないので、次第に安定して來て、そうして地元の需要も殖えて行くだろう、こういう見透しをしております。勿論豊水期を言えば、関西系は設計が大きいので電氣が大きい。それに反して関東系は古い設計であるために、一年を通して渇水と豊水の少いような設計の発電所でありますので、そういう融通としては、これはお互いに融通するのがよい。丁度この六枚の図面は、日本の終戰を前後にしました激変から見て、上下になつたので極端になつたのだろうと思います。
#40
○説明員(齋藤三郎君) 只今のは、これは異常の曲線だという御説明でありましたが、私の申しますのは、その面に対しての問題は、別な曲線で又はつきり申上げたいと思います。ここにございますのは、これは二十二年の年の赤いのが関東の六十サイクルの水の状態であります。そこでこの青いのは関西の六十サイクル系の水の状態であります。水の谷のでき方がやや似た性格を持つておりますけれども、こういう青で赤をカヴァーできる部分が相当にある。こういうものの使い方はどうなるか、関東と関西を離したならば、この谷は必ずや猪苗代の水だけで、関東だけを補うのに相違ありません。併し我我の場合は、この赤の谷は当然関西の青で以つてこれを埋めます。そうしてここまで來たときに関東、関西を平均して使うということで、これだけの島が、如実に、赤と青の、こういう三角の谷だけの水が効果的にキヤンセルできるのです。そういうような変化が二十二年のあの図面で、秋の異常渇水のときに如実にあそこに出ております。その変化が非常に年と共に違うということをはつきり申上げるためにあの図面を用意したのであります。それから戰爭によつていろいろな條件が違つたとか、いろいろなことを申しますが、あの勾配の配列状態は、現状において三年や五年で以て工場の配置轉換ができるというものでは私はないと考えられますので、大体において水の影響による操作が一番大きく出ておる。いくら戰爭中と雖も、動力を使うのに、そうめつたやたらに工場を建てたということはない筈なんであります。それは恐らく設備轉換を伴わない限りは、やはり水による影響があの曲線の上に一番余計出ておるということは、はつきり申上げて差支えないと思います。
#41
○説明員(友永信夫君) 今この図面の融通の形を、異常な時期に属する年であつたからとか、何とかいう御発言がありましたが、私は絶対に賛成できません。この間の委員会で私申上げましたように、電氣企業の経済を基本的に左右する條件は、自然的の條件、即ち水の出方によつて左右されるのです。天候條件が最も支配的な條件になるということです。これを適当にできるだけ融通をしてやればよいというお話なんですが、これは危險でありまして、これが一つの会社であれば、その間に料金の操作を伴わないで、そこに経済の関係を伴わないでやつていてさえ、例えば日発の場合において具体的な例で申しますと、関西の給電指令所は大阪にあります。北陸と中部は関西の給電指令所の管轄下にある。これは日発の人事機構の中にあるわけです。併しながらそこに関西給電指令所、名古屋の指令所、北陸の指令所の給電マンの人事権はそれぞれ支店が握つている。直接の人事権は同じ経営機構において違う。関西給電指令に從う。関西の支店長にこれらの給電マンの人事権があるならば、それが絶対的に動くわけです。ただ同じ企業内においても人事権の所属如何でどこかにチェックされるところがある。例えば中部が非常に渇水のときには、どうしても中部の給電マンは中部に引きたくなるというような、そういう心理的なものが働くので、これが全然別の会社に属してしまつて、その間に融通があるならば、人事以外に経済が伴う。得ならやるが、損ならやらん。そういうことがあるので、この融通は非常に妨げられると私は思います。そういうものを考えて融通をしないように分割するということならば、これは理論的にやつてやれんことはない。併しこれは誰が一番損かというと、需用家です。これは何故かと言いますと、先程申しましたように、水の出方は年によつて違うと共に、地帶によつても違う。例えば九州は今年は年通算して、例年に比して二割の渇水である。地帶間の融通がなければ、その地帶の渇水の影響は、その地帶の需用家が全面的に受けるということです。ですから需要の面から眞劍に考えるならば、これは必ず一本でなくちやならんと考えております。先程吉田さんが、図面の例は異常な時期の場合であるからというお話がありましたので、ちよつと私から申上げておきます。
#42
○栗山良夫君 大体日発、配電、電産の主張を聽きますと、先程の電力原價の操作の問題について、電力配分化も兼ねて檢討しなければいけないというような主張が明らかになつたと思いますが、私が御質問申上げたいのは、発送電の主張で行きますと、現状の発送電が一社化案になつておつて、電氣を流しておるときにおいても、これだけの大体原價の比率がブロック別にある。併しこれは発送電が一社でやつておるところでこういうことができる、それでブロックになればできないというような説があつたのでありますが、そうするならば、私は大体二つ伺いたいのは、若しこれがブロック案になつて電力配分がうまく行かなかつたときには、この原價というものは一体どれくらいに比率が変るか。そのことが分りたい。それから配電会社の方で、現在の電力配分についてお考えになつておるような工合にうまく行くと仮定した場合に、果してこの比率はどの程度に落着くのであるか。その両者の御意見を伺いたいと思います。
#43
○委員長(佐々木良作君) それはあれではないのですか。今の配電関係では、先程の説明が出ておりますが、それでいいわけなんでしよう。
#44
○説明員(吉田確太君) 今のは各九社に設備と人を分轄しまして、それによつて出て來る今年度の予想から見て、販賣の原價がそういう比率になるというわけのものであります。
#45
○栗山良夫君 そうすると配電のお考えは、現在の状況、電力配分が非常に理想的に行つてこのくらいの率になる、そういうことなんですね。
#46
○説明員(吉田確太君) 電力配分でございますか。電力配分というものは、これは需要は御承知のように、各業種別に安本の割当によつて需要量というものは決定するのでありまして、これに基いて、それ以外の方法は現在のこういう状態では取上げないのであります。
#47
○栗山良夫君 販賣電力の想定を基礎にするというのですね。
#48
○説明員(吉田確太君) はあ。
#49
○説明員(井上五郎君) ちよつと、私問題が二つに別れておるのが、一つになつておるために混乱しておると思うのでありますが、つまり先程からのお話で、料金問題を議題に載せておる途中に、電力配分問題が入つたわけでありますので、先程齋藤さんからの御説明その他につきましても、配分問題につきまして、我々としましても若干意見もございますが、料金問題に問題を戻しまして考えて、只今栗山さんからお話がございましたが、料金問題に電力配分問題が不可分に考えられなければならないということは一應御尤もなのであります。それはたまたま本州の中央地帶の問題、これを今問題にすれば、そういう問題が起るのであります。北海道でこの問題を考えて見るとすれば、何も電力配分問題は、電力料金問題と不可分の問題ではないと思うのであります。ですから問題を電力料金の問題に限定して頂きますれば、先程配電の方の吉田君からお答えいたしましたように、確かに或る料金差というものが必然的にできるのであります。それをどう調節するかということにつきましても、我々の考えは又そこにあるわけであります、本州中央地域における、なかんずく五〇、六〇という一番代表的なところだけを取上げまして、それと料金問題とを混同して議事をお進め願うと、むしろ問題が混乱するのじやないかと思います。そういう意味で、若し本州中部地帶の料金問題ということに限定されれば、或いはそういうふうに考えてお答え申上げてもいいのであります。その点を決めて頂きませんと、むしろ問題は混乱するのじやないかと思います。
#50
○説明員(齋藤三郎君) これは私は本州の中央部を引出しましたのは、先程関西が一一〇程度と、こういう御説明がありましたが、関今が一一〇程度、仮に北陸を一〇〇とすれば関今が二二〇%だ、こう説明が納得行き兼ねるので、ああいう状態で、全面的に完全にやれたならばという仮定を入れてお出しになつたのかどうか、非常に重要な関連性がありますので、私はこういう融通が行われなければ、関西の電力料金はもつとずつと高くなる、こういうことを申上げるのが主眼で、今あの融通問題を、前回余りはつきり御説明を私上げる機会がなかつたので織込んだのであります。そういう関連性があるということだけをはつきりさせて頂いて、問題を分離さして頂いて結構であります。
#51
○栗山良夫君 ちよつと配分の方でお伺いしたいのですが、中部の、いわゆる中部本州と申しますか、ここの発生電力量と日本全体の電氣量との比率はどれくらいのものですか。
#52
○説明員(吉田確太君) 約六〇%か、七〇%だと思いますが、電力量の問題についてはちよつとはつきりいたしません。
#53
○説明員(齋藤三郎君) 私の方に資料がありましよう、ちよつとお待ち下さい。
#54
○説明員(井上五郎君) 今の栗山さんの御質問ですが、発送電から出されましたこの資料、つまり地域別に需要電力量が全國で占める百分率、それから地域別にある水力の百分比、これが或る程度それを示めすのじやないかと思います。そうして発送電のこの資料で言いますと、中部地区が、日本における需要の百分率で言いまして、一二・二、それに対して既設水力の発電の配分率が二五・二になつております。
#55
○委員長(佐々木良作君) 只今の議事の問題につきまして、料金問題及びプール計算問題と電力の融通問題と分けて呉れという説明者からの御希望がありましたわけでありますが、これは当然分けて檢討をお願いしたいと思つておるわけですが、実はこの料金問題、プール計算問題を特にここで御説明を願つておるのは、一般経済的な関係から、電力料金政策を如何にするかという問題ではなくて、おのおのブロックに分けるという立場の主張者と、全國一環にするという立場の主張者と両方あられるわけです。その両方の立場からすると、料金差が大体どれくらい変つて行くのか、或いはその料金差が変るのを、どういうふうにして平均化しようとするのか、或いは平均化せんでもいいのか、そういうところをお伺いしたわけなんです。從つて電力の融通のない北海道の問題を例にしましても、電力の融通のあるないに拘われず、北海道地区が独立した場合には、全國的な平均の料金に対して、これは高くなるのか、安くなるのか、或いは高過ぎた場合にはどういう調整が行われるのかということでありますから、これはやはり分離ができるような、できぬような、関連はすると思うのです。從つてその場合には、先程の日発関係と言いますか、一元化主張者と、ブロック論主張者との相違と、從つて栗山委員、その題から出されておる質問の答え方の違いが出て來ておるのは、今の一元化論者からの説明は、現在の九つの地区でくね、これをそのままに割つた場合の料金差というのが大体標準になつて説明されておるらしいし、それからブロック論者の方は、現在の九ブロックが電源地帶としてそのままでなくて、九つのブロックごとに、例えば地区としては中央地区に所属する発電系統であつても、これは近幾の今度できる九つのブロックに所属せしめるということを前提として説明されるというわけで、同じ九ブロックと言つてもブロックが違うので、從つて電源的にも違うから、料金差も違つて來ておるのだろうと思います。違つておれば違つておるままでいいのですが、又逆に言いますと、栗山議員から質問なされたように、恐らくブロック論者の建前からしましても、電源地帶の適正な配分がなされるということは、同時に全國的な融通が、恐らく最もスムースに行く方法が考えられている配分だろうと思うのであります。そうすると、現在の段階におきまする電力融通の一番うまくいつた場合、或る程度一致して來るのではないかという氣もするのです。ですから栗山議員の質問をもう一遍要約しますと、どちらの立場でもいいわけですから、現在の九つの地区における需要者の立場に立つて、九つの地区に割当てられる料金が、全國的にうまく融通された場合を前提として、どれくらいの差があるかということだろうかと思います。或いはそれがもう一つは理想的な融通をされずに、現在の九ブロックのままを、ずばつと縦に割つた電源そのままの場合であつたらどのくらいの差があるか、この場合は先程の日発の御説明のように、非常に差が出て來るのではないか、前者の場合は、先程吉田説明員から申されましたような差になつて來るのではないかと思います。ここのところをもう一遍説明されたら、はつきりするのではないかと思います。
#56
○説明員(井上五郎君) 只今委員長から述べられました……。
#57
○栗山良夫君 委員長、その前にもう少し補足したいと思います。何故私がそういう質問を申上げたかと申しますと、この前ここで委員会を持ちましたときに、ブロック論者の一本松委員から、こういうことを、十七頁に速記の概略が載つておりますが、言われたのです。「配電内の歩調の問題は微妙であるが、料金調整、配電融通も行いうると云う前堤のもとに現在は一つの歩調で進んでいる。」これは今ブロック論者九社がそういうような歩調で進んでおるというのであります。「水力よりの供出金を何らかの手段で火力に廻すと云う操作が不可能であれば致命的欠陥となり、本質的な問題となつてくるが、之も解決しうる確信があり、ブロック別分割の根本方針は一致している、」このようにお述べになりましたので、非常に致命的な欠陥をここに持つておる。けれども確信がある。こういうふうにおつしやつたので、その確信をお聽きしているわけなんです。それで私は水力用の供出金を何らかの手段で火力に廻すということは、例えて申しますならば、関東なり、中部のブロック会社から、「ナマ」で一旦政府へ公納されたものが、九州の会社に交付金として與えられて、そして需用家の方は中部、九州とも同じ料金でいいのか、そのような形が取られれば、今の電力の單價というものは五十の二百パーセントあつても大した問題ではないと思うのですが、その辺の考え方をお伺いしたいと思います。
#58
○説明員(井上五郎君) 只今委員長から言われました通りなのでありまして、つまり配電会社側が重要と電源とを分けて考えておるということは、必ずしも今日の地域的な発電と申しますか。日本発送電の支店別における水力乃至は火力というものに拘泥せず、一應合理的な配分ということを考えたらそういう数字がでるのであります。只今申しますように、発送電さんから提示になりました需要は、中部は一二・二、水力は二五・二であるというのが、仮に関西地区でとつて見ますれば、需要が一七・八であるに拘わらず、水力電源は僅かに三・五%しかない、これをそのままブロックと考えますれば、これはもう飛んでもない差ができるわけです。これを合理化に調整しても尚且つ一一〇%としますか、どうかということにつきまして、先刻來齋藤さんからも御意見が出たのであります。これはまあ数字的の問題でありますから、仮に將來檢討するといたしまして、一應そういうふうに合理的な配分というものを考えましても、尚且つ先程吉田君から御説明申しましたように、北陸地域が五十である、関東が六十であるというのに対しまして、九州が二百であるといつたような、相当四、五倍に亘るような地域差ができます。これをそのまま放置をするということは、到底今日の状態において許されないわけであります。これを何らかの形において補正することが不可能なんである。補正してはいけないのであるということができますれば、前回一本松君からお答え申しましたように、これらブロックに対しては致命的であるということが言えると思います。併しながらそれは先程申しましたように、我々といたしましては或る供出金制度を取りまして調節することによつて、これは決して表面上はプールに送るか知れませんが、そうした一つの水力というものに対して、社会的と申しますか、國家的と申しますか、そうした見地に立つて、一つの全國民が均霑し得る特典であるという、観点を取り、石炭に対しては先程申しましたような過度的な措置としての或る補償をする、石炭に対する補償金制度を取つておるということは、御承知のように、これは肥料その他の重要工業において、或る補償金制度というものが取られる、これは決して電氣事業が初めて取るべき政策ではない。今日のような経済状態において、國家は或る補償金制度を取るというようなことは、必ずしも電氣事業としておかしい形ではない。こういう観点において当然そうした調整はできると思う、こういう前堤の下に我々は案を考えておる。その結果どの程度の地域差ができるか、これが問題になつておるのだと思う、これは先程申しましたように、一つの政策でありまして、電燈は例えば全國一地区にしなければいけない、動力はどの程度地域差があつて、日本全体としての物價政策以上許さるべきであるかというような一つの料金政策の関連において、おのずから適当なるところが決まり得る、こう考える。
#59
○委員長(佐々木良作君) 私からもお願いしたいのですが、特にブロック論の立場の方にお願いしたいのですが、この前飯田委員から、ですね、今の電源分割の部分等が余りよく分らんわけです。それででき得れば、ここに数字の分割でなくてですね、この地点、この河川の電源は今度できるブロックのどこに属させるのだという資料を、一つありましたら是非お願いしたいと思いますが、それでありませんと、今のように非常に架空なお話になりまして……。
#60
○説明員(吉田確太君) 図面だけ持つて來ております、けれども……。
#61
○委員長(佐々木良作君) あとで結構です。お願いしたいと思います。外に御質問なり、御意見なりございませんですか。
#62
○飯田精太郎君 今の御説明の供出金と言いますか、あの制度というのは、水力に供出金を出させて、そうしてそれを火力発電に補給しようというのですが、火力に補給するというのは、石炭の價格の補償をすると、そういうふうなお考えなんですか、水力の発電量に対して何か課税をして、その金を火力の方の石炭の補給金にするという考えなんですか。
#63
○説明員(井上五郎君) これは方法論でありまして、私共といたしましてはいろいろの方法を実は持つております。どれが一番よいかということになると、細かい議論になりますが、大体の考えとしては、只今飯田委員からお話がございましたように、水力一キロワツト・アワーについて幾らという、税金と言つては言葉が惡いのでありますが、供出を賦課する。その賦課して一應國家なり或いは何らかの機関が收納した金額のうちで、火力の石炭費を補償して行くということが、一番他の事業或いは國家に御迷惑を掛けずに、電氣事業として自立して行ける途であると、かように考えております。その細かい賦課金の方法は、先程齋藤さんからお話がありました電力金庫といつたような、具体的な方法論に行きますと、いろいろ方法があると実は考えております。
#64
○委員長(佐々木良作君) 料金問題、プール計算問題は、要するに煎じ詰めますと、先程から御説明を伺つておりましても分りますように、今の独今の九つの会社ができた場合に、料金差を成るべく少くするために、例えば考えられておる供出金制度とかいうようなものが、何とかなるかならんかという問題が、一番中心じやないかと思います。この問題につしましては、尚詳しく別な機会に具体的にもう少し御説明を聽いた方がいいのではないか。おのおのブロック的な立場からも、一元化的な立場からも、或いは配電分割的な立場からも、一番よい点と一番悪い点とが、このような会合から段々明らかになつて來ると思います。その一番よい点、悪い点と申しますか、問題になる点がセレクトされて、今度はこいういう全部の主張者の立場でなくて、一つ一つの主張者の方にお願いいたしまして、この問題をもつと具体化するような機会を設けたいと思いますが、今の料金問題は、プール計算問題は、大体問題の所在点がはつきりしたのじやないかと思いますので、次の問題に移つていいと思いますが……。
#65
○飯田精太郎君 その前に配分のことで一つ伺つて置きたい。いろいろ融通のことで御説明を伺つたのでありますが、結局九ブロックに分けても給電指令というか、あの方の機構というものは殆んど今の通りでやつて行く外ないのじやないかと思いますが、この方はどういうことになりますか。全國を一括して給電指令といものはやはり要るんだろうし、そうして今と大体同じコースでやつて行く、先程からもいろいろ御議論があつたのでありますが、九ブロックに分けても、理想的にそれが動いて行けば、殆んど一社と同じ結果になるのじやないかというふうに私感じておるのですが、給電指令の機構を変えるお考えはあるのですか。
#66
○説明員(吉田確太君) この点は本州中央参の接攘点、或いは関東、中部北陸、関西、こういうところが主体になればいいと思います。ほかの方の前の関西から中國、中國から九州というふうなものは受電の会社でありますから、それは関西が中國へ送電することを考えて、それを自分が含んでの受電として、本州中央部のあれは実際の計画をしたものを運営して行くことにした方がいいと思つております。
#67
○飯田精太郎君 もう一つ伺いたい。今の給電指令に、中央の給電指令というものは残るとしますと、それの指揮というか、監督というものは、どこがやることになるのですか。
#68
○説明員(井上五郎君) これは四人の会社でその契約をおのおのが持つておりますから、その契約を実行させるような組織で、契約に基いたその運行を円滑にさせるという組織体にしてやつて行きたいと思つております。
#69
○西川昌夫君 供出金制度の考え方は、発電の原價は考えたが、小賣する方の小賣原價の差は考えないのですか。原價に二通りある。製造原價と小賣原價と……配電会社の方の差が会社ごとにあると思うのですが……。
#70
○説明員(井上五郎君) 大体結果的には御質問の通りであります。つまり発電原價の方を調節して、小賣原價は調節しないのであります。ただ大変くどいようでありますが、発電原價を調節するということは、結局水力と火力との不均衡を石炭費と水力との原價に差將來例えば石炭費と水力との原價に差がない、或いは將來の水力を閉発いたしますれば、現在のような安い單價では出ないのでありますから、そういう点につきましては、おのずから別個の方法が採られると思つております。小賣原價について調節をしないということは御質問の通りであります。
#71
○委員長(佐々木良作君) 先程の飯田委員の質問はよろしいのですが……それでは次の問題に入りたいと思いますが、現在までのところでは、一番大きな問題は電力融通がうまくできるかできないかという問題と、それから料金差が余りひどくならんような、供出金制度か、或いは何かそういうものでカバーできるかできないかという問題、これが恐らく中心だということが今までのところで出て來ておるわけだと思います。それに附随して、やり方の問題だの或いは分割の問題が出て來ておるのでないかと思います。
 次にこれは直接に関係あるかどうか分りませんが、最近需用者の立場から非常に心配するのは、どうせ現在のやつを全部動員しても電氣は足らんのでないか。從つてどうしても電源は作らなくちやいかんが、これができるかどうかという問題が心配をされておる。おのおのの立場で電源開発はどういう方法でやられるか、從つてこれがうまく行くか行かんか、ちよつと先程のように簡單に御説明願つて、御質問したいと思います員が……。
#72
○説明員(齋藤三郎君) 電源開発の問題は非常に大きな問題なんでありますが、これは電氣事業を営利的に経営するという建前から考えますと、一番不適当な時期であるということがはつきり申上げられるだろうと思う。
#73
○委員長(佐々木良作君) ちよつと説明の途中ですが、國家政策的と言いますか、國家経済の段階で、この電源開発ができるかできないかという問題でなくて、おのおのの今の一元化社、或いは株式会社論、或いは公團の立場、或いは完全なブロックに切られた立場、それで一番合理的な電源開発が、合理的というか、最も経済的にして最もよい、急速の解決ができるかどうかという点に集中して一つ……その資金がうまく出て來るか出て來ないかとか、或いは資材がどうなつておる、特にそれが國家経済との関連において、電氣事業にどれだけ廻されるか廻されないかというような点は、非常に間接的だと思いますから、今のような点を中心として、この立場からはつきり御説明して頂きたいと思います。
#74
○説明員(齋藤三郎君) それでは問題を端的に申上げますると、実は安本五ケ年計画というものが、先般一應試案として発表せられておりまするが、あの案の実施に対しまする点でありますが、我々の方と地点の上での相違は、実施の着工準備その他において数ケ地点相違いたしておるというだけでありまして、一應今年度五、六十ケ地点着工するいうだけの準備資料は、すでに手許に全部整えてあります。で現在は、その実施の枠がどう決まるか、その枠の決まりの次第に着工したいという準備をいたしておりますわけでありますから、結局ああいう方針が決まりさえすれば、いつでも電源開発に着手する用意を持つておるということをはつきり申上げて、お答えといたしたいと思います。
#75
○委員長(佐々木良作君) どうも私の質問がおかしいのかも知れませんけれども、そうすると、一元化論者であるがために電源開発がうまく行くとか、行かないとかいう、その点を伺いたいのですけれども、今の安本計画はどちらにしましても、一本であつた方が電源開発がいいのか、悪いのかということを一番聽きたいのです。
#76
○説明員(齋藤三郎君) それでは重ねてお答えいたしますが、先程來問題になつておりますように、水力の六百万キロの既設設備というものの負担の均衡化という観点が一番大きな問題になつて來るのでありまして、仮に分割いたしますというと、地域的にやはり開発の率が違いますので、非常な負担のアンバランスが起つて参ります。我々の立場から申上げますれば、新らしく作る高いやつも一様な季節の恩惠に浴するという形になつて参りますので、会社の経理内容の実態に著しい変化が起らずにやつて行けるという点が、一番大きな点だと思います。極端な例を挙げますると、二千キロ建設いたしますれば、一億円の資金では到底やつて行けないとしますると、或る程度以上の相当大きな規模を持たなければ、会社の経営の健全性というものが立どころに失われ、而もそのブロック所属の既設の発電能力と、それから今後の開発の比率というものが、現在の計画面でも相当の相違を來たしておりますので、現状において或る経理的にバランスの取れた会社を仮に作つたとしても、数年後においては、経理内容的に非常に相違した性格の会社が生まれて來るのであろう。今の現状では大体よろしいが、数ケ年後すると、各配電会社の内容的には大きな変化を來たしてします。こういう結果になるのではないか。そういう面は我々の方法で行けば絶対的に避けられるのだ、こういうことが申上げられると思います。
#77
○説明員(井上五郎君) この問題は幾らか理窟を離れた問題になり勝ちなのでありまして、この電源の開発ということにつきましては、只今佐々木委員長からお話がありましたように、二つの問題があるわけでありまして、一つは資材の問題、一つは資金の問題であります。資材の問題は、國家経済の全般から睨み合わすべき問題でありますから、ブロックであるか、一社であるかは問題にならんと思いますので保留いたしますが、資金の問題につきましては、我々はブロックの方ができ易いと、こう考えております。こう考えておりますが、これは一社化の方から言わせれば、いや大きい程資金的にも信用があるのだと、こういう一應御意見も出ることと思います。これ亦いわば水掛論になる虞れがあるのでありますが、少くとも相当信用ある單位であれば、資金的には、何と言いますか、國内的にも信用をかち得るし、或いは外債という問題においても信用をかち得るわけでありまして、曾て電力に米債或いは英債が相当多額にできたときの状態を考えて見まして、あの程度の、決してブロックとは申しませんが、或る單位であれば、外債に対しても或る信用をかち得るということは言い得るのだと思います。併しこれは、発送電の案も、我々の案も、いずれも株式会社による民有を考えておるのです。資金を、國営乃至はそうした強度の國営的の立場において、いずれができ易いかということになれば、これは又議論が別になりますが、一應株式組織においてやる場合に、或る相当の單位があれば十分その点においての信用はかち得ると、こういうふうに考えております。
 次に、それでは一應今の安本の五ケ年計画といつた程度のものを考えて見まして、あれは御承知のように、五ケ年間で九十七万キロ、百ケ地点ばかりのものを造るのであります。平均すれば一万キロ内外のものを五ケ年間に亘つて造つて行くということであります。こうした程度のものが、一社ならばとたんにできるが、或る数單位に分れたならば、それはできないのであるということは、絶対にあり得ないのであります。過去の事例に徴しましても、地方の実情に即した、地方の事情を反映した、企業責任を持つた、企業意欲に燃えた人間が責任を持つてやるというところに、むしろ電力開発の積極性が期待し得られるというのが、これが我々の確信なのであります。併しこれは議論の問題でありますから、我我はその点において確信を持つておるということを申上げるに止めます。ただ、然らば電氣事業がそれだけで満足しておるかということになりますれば、これ亦國家の問題になりますが、例えば琵琶湖の湖面を低下して大きな計画をやる、或いは大勢の失業者の対策として、大きな國家的な見地に立つて、つまりアメリカのT・V・A的な政策を採るということになれば、これは別個の問題になります。ブロック化でやるか、一社化かということになると、これは又別の問題になります。これについて皆樣のお考えを願うことは結構でありますが、一社化であるから、とたんにできるかということになりますれば、我々といたしましては、ブロックに分け、その地域の事情を直接反映する責任体制において、このことが積極的に推進し得るのであるという我々の心構えを申上げます。
#78
○説明員(酒井友市君) 電産の考えとしては、大体日本の資源の分布状態と、需要の在り方を先ず念頭に置いて頂かないと惡いと思います。その議論は別といたしまして、要するに需要の要求するところによつて電源の開発をすると、而も営利を目的としないためには、採算をその必要度に應じて重点的にやる。地域的に需要の在り方を睨んで、只今も日発さんがおつしやつたように、開発費は非常にかかります。尚且つ配電設備まで考えるときには、非常にかかるために、地域の電力の最高能率を得られるような開発をして行きたい。かといつて、公社である建前上、いわゆる無制限な資金の濫費を避けるために、そのためにこそ需用家の公正なる批判を以て、そういう弊を避けて行きたいと考えておるわけであります。尚資金とか、資材とかいう問題については、大体皆さんのお考えになつておることと同じように考えてよいのではないかと思つております。説明が少し乱雜であつたかも知れませんが、以上であります。
#79
○説明員(山元誠安君) お答えいたします。自治体の主張しておりますのは、自分の府縣内にある小発電所の開発は、自治体の開発に任して頂きたいというのでありまして、これは國家大の構想に入りませんものでありまして、而も地方的には水利その他水道との関係を持つものでありまして、発電所一個と考えますれば、非常に原價の高いものもありますか分りませんが、その外の水道その他水利関係と共にいたしますれば、綜合しまする原價は安くなる、そういうような見解によるものを府縣に開発さして頂く。尚それよりも小さいものは地元の組合等を組織せしめまして、府縣の指導で小さなものまで開発させまして、國家の資源を有効に使いたいというような構想でございます。それでありますから、でき上りましたものの運用は、この間も申上げました通りに、日発系統に入るものがありましても結構であります。その地元で消費さして頂いても結構であります。それ以外の國家大で考えまする発電計画は、やはり日本発送電さんの御主張にほぼ類する主張を持つておるのでありまして、一縣或いはブロックを超越しまして考えなければならん問題が多いのでございますから、さような問題は一貫した一つの國家計画で指導を受けて開発するのがよかろう、さような見解を持つておるわけでございます。
#80
○委員長(佐々木良作君) 御質問はありませんか。
#81
○栗山良夫君 私ちよつと御質問したいのは、電源開発の問題に関しまして、大体配電案によりますと、プール計算が各ブロック間の経営意欲を阻害している、それでこのプール計算を止めるためには配電案の方がいいのだというような論拠から、いろいろな施策が行われておりまするが、これを中心にして電源開発の場合に、これが一つ出て來るのではないかと心配しておりますので、ちよつとお伺いいたします。それは先程配電の方の井上さんから、工場立地を將來やる場合には、電源の豊富な地帶はどんどんできるであろう、こういうことを言われたと思いますが、併し九州だとか、北海道だとか、ああいう火力を主にしている所でも、私は將來日本の自由主義経済がまだ伸びて行けば、どんどん工場はできて行くというように考えざるを得ないのであります。そうすれば、そこには当然九州において火力発電所の増設が問題になつて來ることは当り前の話であります。そうした場合に、現在のこの再編成が近く行われる瞬間においては、水力地帶と火力地帶との間における供出金の操作による一應の経営の安定ということが期待できると思いますけれども、若し火力地帶に火力をどんどん増設して行こうというようなことになりますと、結局水力地帶の方からこの供出金がどんどん取られて行く、こういうような形になつて、現在のブロック形態と同じ形が、電源開発の場合に起きて來るのじやないか、そういうことを考えるのでありますが、この問題はどういうふうにお考えになつておりますか。結局電源開発は資金、資材の考え方ではなくて、更に大きな問題が隠れておるのじやないか、こう考えるのであります。これは発送電の方と両方御意見を伺いたい。
#82
○説明員(井上五郎君) 誠に御尤もな御意見でありまして、これは日本の將來の電力政策上の一つの大きな問題だと思います。つまり今後努力をし、努めて行けば行く程物が高くなる、そういう時期なのであります。それは冒頭に申しましたように、幸いにして昔開発した水力が戰災を免れて、旧帳簿價格で一應運轉ができておるということなのであります。今後電源が開発される所が、当然高い料金を負担して行くということに必然的にならざるを得ないのであります。一方におきまして、我々が需用家と接して一番苦情を食う点は、電力料金が高いという不平ではなくして、電力料金はもつと高くてもいいから、停電しないも、もつと質のいい電氣を送つて呉れというのが、殆んど決まつた需用家の声なんであります。從つて或る地域別に、その地域の要望を反映した電氣を作るという場合には、当然高い電氣であるが、併し將來の経済的発展に應じ得るということが前提になることは止むを得ないと思います。その場合の負担の公平の問題が、御質問の要点かと思うのであります。九州で恐らく火力を増設しなければならないかも知れないのであります。併しそのときに、火力で行くべきか、或いは宮崎縣、熊本縣等における水力を開発して行くべきかということは、そのときの水力の開発原價と石炭の炭價の問題で、おのずから経済的な一つの帰結を見るべきものであると考えております。それがどうなるかということは、これはどうも、今日先程実はこの点につきまして友永さんからも御意見がありましたが、結局急に石炭が安くなると私は申し兼ねます。九州の電力が、そうかと言つて、この辺の水力地点よりは比較的不利な地点であるということも認めざるを得ない。この点はそのときの物價情勢に應じた、おのずから一つの経済的解決があり得ると考えます。
#83
○栗山良夫君 具体的な個々の問題に対するところのいろいろな考え方はあるでしようけれども、皆、戰爭前の状態から言つても、火力の方が單價は高かつたというのが常識的なんで、安くなることは將來ともあり得ないと思います。そうすると、火力発電所をどんどん造つて行けば、結局このような再編成でやつて行けば、水力地帶から火力地帶へ、言葉は悪いですけれども、持出すことになるということは不可避だ、額の多寡は別として、不可避であろうと思います。そのときに九州の水力、中國の水力、或いは北海道の水力というものは、あそこの工場立地がどの程度進むかは別問題としまして、私共聞いておる限りでも、將來相当大きな産業計画があるようでありますから、そういうものが充たされて行くようになるとすれば、やはり今私が申しましたように、電源開発の場合に、日本全体の電氣事業としては好ましくない影響が相当出て來るのではないか、こういうことを心配した点が一つ。それから今井上さんから火力の増設を若し九州でやつて行くとすれば、当然に高くなるであろう、こういうことを言われましたが、この辺も高くなるであろうことは、ブロックをやればそういうことになるかも知れませんが、その程度の問題、これなんかも相当に將來考えなければならない問題である、こういう工合に私は考えるのであります。
#84
○説明員(齋藤三郎君) この問題に対する日発側の立場を申上げますと、大体本州中央部の水力の今日の状態での発電のキロワツト・アワー当りの見透しは、建設費約三万五千円くらいであります。これは平均であります。先程井上さんは、九州の地点の悪いのは認めると申されましたが、我々が計算すると、九州ではどうしても五万二千円以下では水力が上りません。その問題が一つ。それから栗山さんが御指摘なすつた火力の問題、それから現実に夜でも石炭を焚いておるような実態、そういう実情、そういうようなものから考え合せまして、成るたけこれは本州中央部の現在余つておる余剩の方力で、九州の運轉時間を少しでも減らしたい。これは非常にロスの多い送電線を持ち運ぶようにお考えになるかも知れませんが、実はこのものは今でも使えずに流しておる本当の余剩というものが、豊水期になりますと、一日に二百万、三百万出て参ります。これが石炭に代るということはロスの問題ではないのでありまして、数億キロワツト・アワーは九州へ送り込むことは可能なのであります。そういうようなことと併せて考えますときには、やはり相当大きな動脈を本州の中央部から通して、そうして成るたけ安い電源の、本州中央部の開発を成るたけ盛んにしまして、そうして既設の六百万キロという安い水力をコンバインしたもので操作をするということが非常に、何と申しますか、そのブロックに比べて健全な形をとれると、こういうことがはつきり申上げられるのだろうと存じます。その上先程井上さんの御説明にありました責任体制をとつて、建設的に大いにやるんだという御議論でありましたが、前々からの問題になつておりますプール計算がついて廻る間は、責任体制は取り得ない。若しもそれが簡單にやれるのならば、現在でも水力と火力の料金を平衡した程度で、プールなしでやつて行けるのだ。料金の幅は大した相違は起らないのだというのならば、我々の方で平均したもので各社に差上げますから、その程度で立派におできになるのじやないかと、こう申上げたいのであります。そうすれば今の状態でも、あんなにやかましいプール計算はしなくても済む筈であります。それがどうしてもできないと申しますのは、他に事情があつてなかなかやれない、こういうことなんであります。ですから外へ持ち出そうと、何をしようと、そういうものがある間は責任体制は取れない。だから責任体制でやられるということは、ちよつとどうも私は納得できません。それは第二の問題は、電源を如何に上手に配分いたしましても、そこに融通が不可避だということはお認めになつておる。融通が不可避だとしますと、或る地域は電源に惠まれた地域ができ、或る地域は電源に惠まれない地域ができる。私共が如何に技術的に檢討を加えましても、関東、中部、北陸という所は相当余裕のある分割が成り立ち、中國、九州、関西という所は非常に電源が足りない側に來る。まあ非常にというわけでなくて、五%ずつ違つたというと、差は一〇%になる。そうしますと、勢いこの形に対して、積極的に奔走しなければならないゾーンと、そうでないゾーンができて來る。そうしますると、又会社の内容にアンバランスが非常に起つて來る。ですから結局そういう状態で以て、旺盛な建設が続けられるかどうか。安本程度の計画ならばやれる自信があるとおつしやいますけれども、私は先程は資金に触れないという前提だから、何も触れておりませんが、安本の計画を実施いたそうというと、只今の相場で年約百六十億、これはどうしても平均いたしまして、五年で年約百六十億の資金はつぎ込まなければならんのであります。今日の状態は、これはおのずから別の問題となつて参りますけれども、單に一企業者というような單位だけで、これだけの建設資金が円滑に行くかどうか。國家の問題と相当深い関連を持たなければ解決できないだろうということも一面あると思います。又尾瀬沼のようなものの開発体系というようなことを考えますと、いよいよ現在の発送電に似たようなものを、又でつち上げるんだということにもなりますので、どうもその辺が建設面から見ますと非常にブロック案に矛盾が多いと、こう申上げざるを得ないのであろと私は存じます。
#85
○委員長(佐々木良作君) 電源開発の問題につきましては、大体承わりますと、電力配分の問題及び資金の問題及び能率経営の問題ということに又戻つて行くようなことになるんじやないかと思います。丁度電源の開発が迅速にうまく行くかどうかの問題は資金であり、能率経営ができるかどうかという問題であり、これがうまく分配できるかどうかということは、從來の電力配分問題と同じように問題があるように考えます。從いましてこの電源開発の問題は一應これくらいにしまして、あと時間も余りありませんが、資金の問題、経営能率の問題及びサービスの問題が残つておるわけですが、これらの点につきましては、おのおのこれまでの段階にも大分触れられておりますから、簡單に一つ一括しまして、資金の問題と経営能率の問題、サービスの問題を最後にお伺いしたいというふうに考えますが、よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(佐々木良作君) それでは今の三つの問題につきまして、極めて簡單な概括的な御説明を承わりたいと思います。
#87
○説明員(齋藤清雄君) 自治体の齋藤と申します。自治体の提案しておりまする配電事業の都道府縣営の面から考えますときには、只今の日発、配電、從業員組合の提案に比しまして、著しくそこに差異のある点はサービスの問題だろうと思つております。これは先程からいろいろと御説明もありましたようでありますけれども、現在の電氣事業の経営面において、いろいろよつて來るところの原因はありましても、消費者、即ち需用家の面から考えまして最も不満、不平と考えられておる点は、電氣事業のサービス面にあるのであろうと思います。從つてこの電氣事業の、こういうふうな我々の消費者の意に満たないところの不便なり、不満なり、それから支障なりのあるところを、どうにかして事業形態の改廃によつて救われるならば、逸早くこれは何とかして始末をして貰いたいというのが、これがどの層にも共通的な問題であろうと思います。それらの問題はここに取上げるまでもなく、原因はございましようが、その一つの原因としましては、経営形態が、現状の経営形態においては、いずれにいたしましても厖大に過ぎる結果、その経営機能を十二分に発揮する際に当りまして、理念的には一貫したそこに筋道が立つておりましても、実際的にこれを運営する場合におきまして厖大に過ぎる結果、それがサービスの惡い点になつておる。こういうことは、これは殆んどどなたもお考え付きになる定論だろうと思います。而も電氣事業のそのサービス面の不平、不満を持つております者は消費者側の方でありまして、その消費者と直結しておりますものは、これは電氣事業を三つに区分にしまして発電、送電、配電と区分して、その性格から見まして発送電を一つの生産と卸賣と考え、それから配電を小賣側と考える場合に、性格上から考えることができますが、そのサービス面に直結する配電事業というものは、これは今のサービスの低下する不平、不満を十二分に、そこで事業機能を、経営機能を発揮すれば改廃できる、需用家と直結している面だろうと思うのであります。從つて都道府縣営を提唱する、この配電事業を都道府縣單位に区分いたしまして、配電事業を中心にして、それにいわゆる地方的の小発電或いは送電線を差加えまして経営します場合には、この厖大に過ぎる経営組織から來ますサービスの低下という問題が、完全に一掃せられる経営形態に改編せられることができるのである、こう確信する者であります。
 それから事業経営上の問題でございまするが、事業経営上の問題も、只今のサービスと同樣の問題でありまして、只今の俎上に載つておりまする発送電の、或いはブロック別の、或いは全國一元一社というようなふうに提案がございますが、これらも只今の状態ですら経営の、理念的にはいろいろと筋の通つたことを考えておりまするけれども、実際に運行した実績は、今日の消費者面並びに関係者を二十分に納得せめることができない実績を現わしまして、その経営上の弊害を、この度は企業形態の改編によつてその弊害を除去して、眞に基礎産業たる電氣事業の経営の使命を全からしめんとするのが、今回の編成替えの目的なのでありますから、その目的に際しまして、我我の都道府縣営期成同盟会の提案するものは、その経営の弊害の起きるところの、單なる理念的に走り過ぎまして、事の厖大なることのみ結果に招來するような経営形態を採上げませんで、むしろ事業の経営上、性格が完全に区分し得ることのできる発送電を一経営形態にし、それから配電の事業を中心にした、それに現在の発送電の地方的発送電を加えました事業形態にいたしましたならば、厖大過ぎる経営面の欠点なり、それから弊害はここに十二分に排除することができると信ずる者であります。
 資金面に至りましては、この提案の小册子にも書いておりまする通り、これは全國的一齊に行われる改編でございますから、相当金融方面の惡情勢も考えなければなりませんので、事情許すならば、交付公債を以て改編の資金に当てたいということを提案しておりますし、それから今後の資金問題については、地方民の、事業に関心を持ち且つ公営本來の姿たる消費者が生産までを経営して行くという理念とも合致せしめるために、交付公債によつてそれらを賄つて行くというようなことは、一應ここに採上げて御檢討願うというような建前になつております。いずれにいたしましても、若し又この交付公債なり或いは公募公債なり、その他の方法を以て、又これに代うることが日本の財政状態なり、現在の金融情勢なりの惡情勢に対しても、さまで障害がないという途が、仮に地方の金融状態で許すというようなことができる途がないかと考えます場合に、成る程全國的に考えますれば、相当厖大な資金にはなりますが、地方々々において考えます場合には、只今の東京都或いは大阪等の厖大なる地域の問題は、先ず別にいたしまして、その他の各地方区に至りますると、一縣の建設資金のごときものは、大抵の場合五千万円内外の金額で投下資本ができておるのでありますから、これらの評價方法を如何ようにいたしますか、先ず別問題にいたしましても、公益事業の本來の姿から申しまして、この記帳價格を目度に置いて金融問題を考えるならば、今の貨幣價値を以ちまして、この五千万円内外程度の問題のごときものは、これは地方金融面から見まして、大した問題でなく取扱うことができると思うのであります。一應概略だけ申上げまして、尚お分りにくい点は御質問についてお答えする次第であります。
#88
○委員長(佐々木良作君) 組合の方……。
#89
○説明員(酒井友市君) 先ずサービスの問題から御説明申上げますが、とかくサービスということを口にするが、小乘的な窓口サービスと本質サービスを混同する虞れがあるのであります。特に戰時中國家の政策からして、開発や何かは勿論のこと、人の面においても相当減員、窮屈な状態にあつたために、いわゆる窓口のサービスは、とかく消費者に御不自由をお掛けして、その面でのサービスの悪評と申しますか、欠点は確かにあつたと思います。又本質的な面から見てのサービスは、確かに電力重点主義でなかつたために、さらぬだに少かつた電力が、好ましい形で皆さんのお手許に行くようなことがなし得られなかつたために、サービスが惡かつたということも言われると思います。そこで今後のサービスの問題でありますが、組合の考えておりますところの電氣の今後のサービスは、先ず消費者に十分納得のできるような形で、この企業はあつて行きたい。消費者を中心に物を考えて行けるようなサービスを考えるということから、常に消費者の意図が企業の上に現われて、企業の中にそれが盛り込まれて、消費者の納得の行けるところでこれをやつて行くというところに、大きなサービスの本質があると思うのであります。具体的に細かいことは拔かして頂きまして、要するに消費者がこの企業の基本的な運営とまでは行きませんでも、消費者の意図が端的に、重点的に、企業に反映するというところから、そのサービスの改善がなされるであろうと思うのであります。從つて電源開発、先程の電源開発の問題にいたしましても、地方的にこの要求がありまするときには、全國的な檢討において、重点的に全國民が納得の行ける形において開発されるという考え方であります。能率の点におきまして、先程自治体の方は電氣事業は公益一本で行くと大き過ぎる、頻りと大き過ぎる、厖大であるという御非難がありましたが、我々は決して大き過ぎるとは考えておりません。日本という國を政治の面から見ても、行政の面から見ても非常にうまく行つております。今これを大きいと言つて、小さく考えること自体に矛盾があるのじやないか、むしろ電氣の本質から見て、先程のサービスも同樣に電氣自体の特性から見て、これはやはり一つであることが能率を向上するゆえんである。こういう考えであります。尚企業を運営する上において大き過ぎるために、中央から末端に至るまでの指令とか、又は事務的な面において非常に困難、澁滯があるじやないかとお叱りがあるかも知れませんが、そういう点においても、これは企業の中の個々の問題であつて、これは十分改善し得られるものを持つております。殊に現在のような昏迷期にある事態において比較するということは甚だ当を得ていないのじやないかと思いますが、將來この点において、組合自身においても十分なる自覚と責任を以て、こういうことをやり遂げるというつもりで、能率等という問題についても左程御心配のような欠陷はない、むしろ一つあるためにその能率の向上ができる、こう考えております。ましてやこれを先程お話の発送電と配電が本質的に違うと、つまり卸賣と、小賣配給とは違うと、こうおつしやいましたが、これもやはり電氣の本質から見て、他の物品と全然違つておる点に考えが至りまするならば、決してこれは分離する何物も持たない、これは分離することがおかしいということに思いが致されるので、これは別に観念論でも抽象論でもなく、現実に電氣の本質を掴んでおる者から見れば言えると思うのであります。
 それから資金の問題でありますが、我々の考えておりますところのものは、一應民間資本を主に考えて、それからそれに國家資本を入れて行きたいという考え方で、資本の入れ方におきましても、民間資本は株式形態でなくて、これは飽くまで出資証券という発言権と申しますか、決議権のない株式であります。然らば株主の権利はどうなるかと申しますと、この点は株式と殆んど同樣な保証がなされておるわけであります。所有権もございまするし、それから配当にいたしても、これの最低の保証をすることによつて、十分その最低の保証と申す最低も、その時代々々の社会一般の線の最低を十分に保証するという意味でありますから、これ亦非常に堅実なる資金の待遇と申しますか、優待と申しますか、考えておるわけであります。勿論我々は電氣事業は公共事業である建前上、飽くまで私営と申しますか、営利を目的とすることを認めておりません。かといつて、決して犠牲産業であれという意味でもありません。この点については十分最高の制限を附しますが、十分に利益を認めております。外資導入その他のことについては、これはまだ結論的なことを軽々に申上げらるべきものでもないと思います。要は電氣事業は厖大な資金が必要とされているといとことは、皆さんもすでに御承知だと思いますが、國民が一人々々が十分に納得の行ける、而もそれが経理の面において健全であるというような運営さえ成し得られるならば、又なし得なければならないのでありますが、そうなれれば資金の面においては当然集まるべきものでもあり、又國家が当然なすべきものであると、こう考えておるわけであります。以上で終ります。
#90
○委員長(佐々木良作君) 配電関係の方。
#91
○説明員(井上五郎君) 資金問題につきましては先程ちよつと触れましたので、繰返す程の必要はないと思うのであります。とにかく厖大な資金を要する事業といたしまして、或る信用ある大きさが要るということは必然だと思います。これは府縣或いは市町村のごとき小さい事業体であつては、厖大な資金を集めるということは困難かと思います。從つて発送電のような一社か、或いは或るブロック別になるかという問題になるが、これは金融界の実勢と申しますか、これは内地債であろうとも、外債であろうとも、事実金融方面の意向というものが、全國一つしかないといつたようなものに投資するということと、或る直接の競爭ではなくても、或る事業に幾つかに分散されているものの方が、資金の一つの分散による安全という点から、いずれを選ぶということは、むしろ金融業者の御意見を徴して頂いた方がよいのではないかと思います。一面から見まして、全國一社というのは多少の無理があるのじやないかというのが我々の考え方であります。
 サービスの問題につきましては、これ亦実は議論の問題になるのであります。只今酒井さんからもお話があつたので、必ずしも我々はサービスというこれを窓口サービスだけに考えておりません。公共事業である電氣事業としての完全なるサービスというものは、当然豊富低廉なる電氣が供給できているということが、サービスの究極の目的であるということは言うまでもないのであります。そうしたことを込めてのサービスであるべきである。その間に需用家に納得が行くということも一つの問題であります。結局において少い電氣で納得して貰うということはサービスの究極でないのであります。そういう意味におきまして、事業が健全なる発達をするということに一つのサービスの究極の狙いがあるわけであります。同時に窓口のサービスというものが、今日の状態において極めて満足すべきものでない。反対に非常に非難を被むつているわけであります。この点も我々が緊褌一番、改善に努力すべき点は多々あると考えます。併し今日のサービスの低下の原因の中には、こうしたいろいろな電力不足その他の面から來る点もありますが、一つは機構的な欠陷があるのかと思います。例えば数日前から電力の不足による緊急停電といいう事態が起りました。これはサービスの面から言いますと、非常に我々も遺憾とする点でありまして、こうしたことは是非ともなくしたいと思うのでありますが、どうも若干の渇水が起ると緊急停電、ところが緊急停電が配給会社の怠慢によつて起つたのか、日発の石炭の焚き方が惡いので起つたのか、乃至政府の電力整備制度が、法令が惡かつたから起つたのか、どうも責任の帰属がはつきりしないというのが現在の電氣事業の大きな欠陷と考える。この点におきましては結局手前味噌のようになりますが、我々は責任体制がとれ、而も適正規模によつて、眼の届く事業單位であるということが、この問題を解決する最捷径と考えるわけであります。
 経営能率の問題につきましては、これ亦強いて言えば、他人樣に頭にある蠅を追うより、自分の頭の蠅を追えとおつしやられると、我々は決して経営能率が満点であるということは申上げ兼ねるのであります。口幅つたいことを申上げたくないのでありますが、非常に大きな組織における経営が、言うべくしてなかなか行われ得ないということは、むしろ公平なる事業家達の御判断に待つたがいいと考えております。
#92
○委員長(佐々木良作君) 日発の方……。
#93
○説明員(齋藤三郎君) 非常に廣い問題なんですが、逆に経営能率の問題から申上げます。どうも経営能率というと、何か知らん非常に不明確なんですが、私は経営能率そのものは何かと申しますると、やはりこれは配電会社と雖も配給だけじやないのでありまして、新らしくできる会社を想像しました場合には、結局生産し、配給品を殖やす、この殖える方向へ行くことが、やはり能率を一番上げる方法だと思います。事務的に紙が少し余計要つたとか、多少能率が落ちたということより、如実に幾ら余計できるかという現実の問題がより大事じやないかと思います。分割いたしますと生産は必ず落ちる。分割はどういうふうに分けるという案をお示しになれば、私共は数字でこういうふうな差異が起りますというお答えを出す用意を持つております。こう申上げてよろしいかと存じます。で能率の問題は、最も重要なものは生産能率であるということを申上げて置く次第であります。
 それから次はサービスの問題でありますが、サービスということは、これは一貫したサービスでなければならない。誠に御尤もな御議論なんですが、長い間見て会社の一番よい條件で保てるということが、結局一番サービスをよくする基だと思います。そのことは何を意味するかというと、一面において旺盛な生産、これはもう必然的に必要だと思います。現状において一番大事なのは、電氣の発生量を如何にして殖やすかということで、足らないから非常に不親切な面が起るのでありまして、これさえやれば私は一應解決する問題が多々あるのだと考えております。そういう面において分割し、或いはその他の方法がどうなるかというと、消極的ではありますが、生産を減らす方の方向へということにおいて、私共がどうしても納得行き兼ねて、我我としては一社の方が余計生産が挙げられる。これは委員の皆さんに毎々申上げましたように、送電線のロス、設備單位当りの從業員の数、発電力量、発電所の効率、水力の利用率など、いろいろな面から技術的にお話し申上げた通りであります。この点では十分現状に即したものがやつて行ける。駁論を申上げるようでありますが、分割を仮にいたしますると、会社に良い会社と悪い会社があり、これは現実の資源の配分で、内容の確実なものと不確実なものとある、そうして不確実性を持つた会社程、新規電源を開発して行かなければならなくなるというので分割いたしますと、全國的に非常なアンバランスが起つて來る、会社の内容に非常なアンバランスが起つて來ることは予想に難くないのであります。その結果が局部的に或いは良い会社ができるかも知れないが、國民全般としては非常に不幸な結果に陷る。例えば九州の産業が麻痺したならば、日本の産業が全面的な麻痺を起すということが考えられるだろうと思います。そういうことで、私共にはどうしても同調できない。又分割々々と簡單に申しておられますが、これを資金に関連しまして考えた場合に、例えば配電会社の方々に簡單に解体と申しましても、今日の電氣事業の実体價値ということをお考え下さらんと、解決できない問題ではないか。発送電の場合でも同じであります。発送電の資産を簡單に分割すると言つても、各社の生れて來る会社の内容が、大体似たような業績が長い間の、長い眼で見て挙げ得るんだということがはつきり分れば、或いは株式だけで肩替りが簡單に行われるかも知れませんけれども、どう見てもそこに大きな会社の内容的相違が起ることなんで、なかなか帳簿價格でそんなに株式で引取れと言うても、これは恐らく株主は納得せんと思う。現在もいろいろな事業の経営上の区別が、帳簿價格一点張りで計算するところに起つておることは、事業界全部の人が認めておる。急激な影響を與えんように、逐次何とかして、再評價をして、そうして或る均衡を得たものに持つて行かなくちやならんということは、頻りに最近も経営者の仲間では問題になつておるところである。そのやさきに、簡單に公債だとか、或いはもう補給金を貰えなければ立つて行けない、発送電が好い例です。補給金はもう僅かに一方的な処置で取消される、そういう目に遭つておる実例まで持つておる。何か補給して貰わなければ立つて行けない。言葉を換えて言えば、独立できない。そういうものと同格に扱つて、簡單に処置できるか。私は簡單にはこれは処置できない。法律を拵えて一方的に支出させればよいじやないかという、そういうのでは、もうこれはちよつと通用しないのであります。そういう面も合せてお考えを願う必要があるんじやないか、こう考えます。
 その他の一般の資金問題に対しては、先程も申上げた通りでありますから、省略さして頂きます。
#94
○委員長(佐々木良作君) 概括的な説明を伺いましたわけでありますが、特に重要な点の御質問がなければ、時間ももう殆んど來ておりますから、今日の委員会を打切りたいと思いますけれども、如何でしようか。委員側に特にお質問はありませんか。
#95
○飯田精太郎君 次はどうなさるのですか。それによつては今質問したいのですが……。
#96
○委員長(佐々木良作君) 次のやつは、終了しまして、どういう方法で委員会なり、この説明会を聽くかということを、あとで御相談したいと思いますが、ただこの形で行うかどうかは別にしましても、おのおの又お伺いする機会はたびたびあるということであります。よろしうございますか……。
 それでは説明員の方に申訳ありませんが、説明の聽きつ放しでありますけれども、時間が参りましたので、一應今日の委員会はこれで閉会したいと思います。
 最後に委員会を代表しまして、説明員の方にお礼を申上げたいと思いますが、私共はこの問題につきましても、先だつての委員会の最後に申上げましたような、今非常に眞劍に考えておるわけです。併しながらこれは今の説明者の方々が十分に御承知になつておるように、現在まで電氣事業の実体的な内容、或いはこの問題の本質的な内容につきまして、從來國会議員としての認識と申しますか、或いはもつと拡めまして國民的な認識は、必ずしも皆さんが考えておられる程進んでいないんじやないか。私共はそれを心配しまして、從つて又私共自身の力の不足も十分に承知しまして、その方でもつと皆さんの御説明を伺い、そうしてこの問題の解決に最も公正にして、國民のためになる方向の解決をしたいと心掛けておる次第であります。從いまして質問の仕方といい、或いは御説明を求めるための出頭の方法といい、非常にぎごちない点があり、又皆さんから考えられました場合には、問題の取上げ方につきまして、專門的にはナンセンスと考えられる点もあるかも知れませんけれども、その点を十分にお考えなされまして、今後とも十分な御協力をお願いいたしたいと思います。お忙しいところを特に長時間お引き留めいたしまして、いろといろと承わりましたことを、委員に代りまして厚くお礼を申上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     佐々木良作君
   理事      石川 一衞君
   委員
           飯田精太郎君
           水橋 藤作君
           西川 昌夫君
           木檜三四郎君
           赤澤 與仁君
           岡本 愛祐君
           加賀  操君
           栗山 良夫君
  説明員
   日本発送電株式
   会社総務理事  齋藤 三郎君
   日本発送電株式
   会社理事    森 壽五郎君
   中部配電株式会
   社副社長    井上 五郎君
   九州配電株式会
   社社長     佐藤篤二部君
   関東配電株式会
   社取締役工務部
   長       吉田 確太君
   電産中央本部專
   門委員     友永 信夫君
   電産中央本部專
   門委員     酒井 友市君
   福島縣議会議長
   全國配電事業都
   道府縣営期成同
   盟会副会長   渡邊 信任君
   福島縣配電事業
   縣営認査会特別
   委員      齋藤 清雄君
   東京都交通局電
   氣課長     山元 誠安君
ソース: 国立国会図書館
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