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1947/02/09 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 文化委員会 第3号
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1947/02/09 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 文化委員会 第3号

#1
第002回国会 文化委員会 第3号
昭和二十三年二月九日(月曜日)
   午後一時四十分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○祝祭日の改正に關する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(山本勇造君) それではこれから委員會を開きます。政變前なので非常に御多忙だと思いますが、併し政變は政變、それから委員會は委員會ですから、殊に參議院の委員會はもうちやんとやらんといけませんからして、前囘に引き續きまして祝祭日の件について續けて行きたいと思います。最初にこの祝祭日の問題を法制化するのにつきましていろいろ御意見を伺つておいた方がいいと存じますので、法制部長に一つお話を承りたいと思います。それではどうか。
#3
○參事(川上和吉君) 委員長の御命令で、私から祝祭日の法制化の場合の考え得る問題を申上げまして、御審議の御參考にいたしたいと思います。と申しましても別に研究しておるわけではありません。極く思い付きのことを申上げるので甚だ恐縮でありますが、一應いろいろの點につきまして感じたことを申上げて見たいと思います。
 祝祭日の決定が、舊來の形のような、何と申しますか、官憲的な色彩の強いものから、國民的な祝祭日ということにならなければならんということが、この委員會で取上げられておる問題だと思いますが、すべての法制化に當りましても、すべてさような観點から問題を考えて行かなければならんと思います。さような點から數点につきまして氣付いた點を申上げたいと思います。まず第一は、この法制化の場合に、祝祭日を一種の宣言的なものにするか、或いは何らか拘束的なものにするかという點があろうと存ぜられるのであります。これこれの日、これこれの名稱を以て祝祭日とするということを國内全般に宣言をしまして、これによつて効果を擧げるというような宣言的、政治的なものにするか、政治的というと語弊があるか知れませんが、國民的なものにするか、或いはもう少し法律的に何らかの拘束力を伴うものとするか。これは言い換えますれば、祝祭日に關する制度とするか、或いはその中に一種の休日に關する制度にするかという問題とも關連いたすかとも存じます。御承知のように從來の祝祭日の制度は勅令等でもむしろ休日に關する制度は定められておりましたので、表面は祝祭日になつておりません。これは恐らく冒頭に申しました今囘の考え方から申しますれば、祝祭日を取上げて行く、休日はそれに附帶したものにするという考え方からいたしまして、或いは宣言的な形の方がよろしいのじやないかという感じもいたすのでありますが、この宣言的なものにするか、何らかの拘束的なものにするかという點がまず第一の點であろうと思います。で、それに關連をいたしまして、祝祭日ということでここでも御論議になつておりますが、祝祭日という名稱自體が問題であろうと思います。それに附隨しまして法律の名稱が變つて參ると思うのでありますが、祝祭日が果して適當か、法律の名稱をどうするか、その大體の中味を宣言的なものにするか、拘束的なものにするか。恐らく今までの御審議の經過から考えますれば、私はこれは宣言的なものがよろしいのじやないかという感じがいたすのでありますが、この點は一つ根本問題として御協議、御審議を願いたいと思うのであります。
 それから第二番目は、さような前提が決まりまして、今度は内容的にどういうことが考えられるか。これは今まで御審議に與かつた點でありますが、まず名稱の問題、それから期日の問題、どういう名稱でどういう日にするか。これは今までからの御審議をそのまま活かして行けばいいのでありますが、扨てそれを法制化する場合にそうした名稱なり、期日をそのままぶち込んで行くか、或いはそこに從來のような一種の祝祭日と休日と申しますか、祝祭日という名稱が問題でありますが、何らかそこに區分をして規定をされるかどうか。一本にされるか、或いは何らか二種或いは三種に區分されるように規定されるか。二種或いは三種に區分するならば、さような規定の體裁になつて來ると思いますが、その邊のお決めを願うことが規定の體裁を定めて行く上に重要だろうと存ずるのであります。名稱と期日と今の區分の問題、更に進みまして從來の規定にありまするように、單に名稱と期日だけを掲げるに止めるか、或いは、ここでの御審議の結果を明確にする意味合におきまして、その精神と意味と申しまするか、意義をこの制度の中に書き込んで行く。これはむしろ意味を明確にされた方がよいのではないかというようなことも考えられるのであります。單に從來のように何々祭、何々祝祭日、何月何日ということよりも、そこに多少の意義を規定をされて行くということになるかどうかという點が問題であります。尚それに關連をしまして、この祝祭日を選び、或一定の日を選んだ際に、それに一つの意義だけを持たせるか、或いは一つの意義の外に一種或いは二種の意義を加え持たせるかどうかということも問題であろうと思います。若しさような企てがあるといたしますれば、さような點も書き込んで行くという點になろうと思います。これらが實體的な内容について問題になる點であろうかと思います。
 それから第三番は、第一に申し上げましたのと關連をいたすのでありますが、休日との關連をどうお考えになるかという點であります。從來は御承知のように勅令でむしろ休日として定められておつた。これをさつき申しましたように、祝祭日を表面に取上げて、むしろ休日ということを表面に出さない方がよいのではないかということが多分に考えられると思うのであります。併しながら休日の點に觸れた方がよいという御意見であれば、その點も問題になり得るのであります。併しながら休日と申しましても、今までのいわゆる官憲的な思想から申しますると、役所の休日であるかのような形を呈したのでありますが、國民一般に休日を強制するということもどうであろうかというような點或いは又必ずしも祝祭日に今までのように祝祭日即休日ということでなくして、その中に一部分が休日になるということであれば、これは多少規定の意味をなす問題になろうと思います。まあ私見を加えさせて頂きますれば、この種の祝祭日の決定はむしろ宣言的なものにして、休日はむしろ切り離した方がよいのではないかということも考えられるのであります。その點が問題であります。尚その休日の問題に關連しまして御參考に申し上げて置きたいと思いまするが、御承知のように勞働基準法によりまして、一般の休日の關係が可なり法律的な意味を持つようになつて參つたのであります。それは勞働基準法の第三十五條に、「使用者は、勞働者に對して、毎週少くとも一回の休日を與えなければならない。」という規定があります。これは常識的には日曜は休むということでありますが毎週少くとも一囘ということで、必ずしも日曜とは限定していないのであります。他の休日をもつてこれに代えることも差支ない。それから同じ勞働基準法の第三十七條に、今の休日の規定を受けまして、休日に勞働させた場合には、その日の勞働については通常の勞働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支拂わなければならないという規定に相成つております。これを假に祝祭日即休日だ、或いは少くともその一部分は休日だということが法律で許されますというと、この勞働基準法の規定によつての休日に相成つて、法律的にそうなつてしまうということにも解釋されるのであります。日曜の休日と普通の休日とをどう織り混ぜるかという點であります。尚勞勵基準法には今一つ八十九條に、休日に關しまして八十九條の規定がございまして基準法の八十九條に、常時十人以上の勞働者を使用する使用者は、左の事項について、就業規則を作成しなければならないという就業規則の規定があるのであります。就業規則の中には休日に関する事項を定めるということに相成つております。從つてこの規定と、先程讀みました三十五條なり、或いは三十七條と關連をいたしまして、この勞働者につきましての就業規則で休日を決める。その休日を受けて、尠くとも毎週一囘以上、それからその休日に働いた場合には割増賃金、こういうことに明確になつておるのであります。これが帝國憲法時代にさような制度のなかつた時分と相當趣きを異にして參るのでありまして、さような點から考へまして、むしろ休日は、官廳でありますれば官廳の内部の規則、又その他一般民間つきましては、この勞働基準法の就業規則で決めるという形を採ることの方が適切じやないだろうか。祝祭日につきましては、宣言的に祝祭日ということを決めるというに止めた方が宜しいのじやないかという感じもいたすのでありますが、併しこれは非常に重要な點であります。又一般にそう申さんで、祝祭日をお決めになる、一部分は國民的な休日にするという行き方も、これはあるだろうと思われるのでありまするが、その邊の實態を委員會で御檢討願いまして、その結果に基いてこれを法制化するということに相成ろうかと思うのであります。これが第三番目の點であります。
 それから第四番目の點は、祝祭日の内容としての一種の行事、その他の催しと申しますか、かような點につきまして法制化の場合に如何に考えられるか。先程申しましたような宣言的な規定ということに相成りますれば、むしろ固よりそういう點につきまして細かく立入るということは、法律としても適當じやないという點もあろうかと思われるのでありまするが、併しながら又お考へようによりましては、これも全部の祝祭日でなくても、或る特定の祝祭日につきましては、なんらか法制的に規定をするということも考へられると思われるのであります。そうした點は法律で拘束することは適當じやないので、この問題は飽くまでも、單に宣言的に祝祭日を決めるだけに止めようという御意見も尊重せらるべきだと思いまするが、この行事、その他の點につきましても、一應の御論議が願いたいと思うのであります。それが第四番目であります。
 それから第五番目に、かようなことを盛込みましての法律の形式の問題でありまするが、以上のことが決まつて參りますれば、自然に法律の形式が固まつて參るのであります。ただ併しながらこの事柄の性質上、この制度の法律化につきましては、多少從來の法律の形を離れた一種自由闊達な形式をお用いになるというような御意見もあろうかと思われるのでありまするし、又さようなことも望ましいことであろうとも思いまするし、さような點につきまして法律の形式を如何にするかという點につきましても、皆さん方の間に御研究が願いたいのであります。尠くとも從來の勅令に現われておりまするように、左の通りの祝祭日を決めるといふ素つ気ない言い方じやなくして、例へば法律の前文なり、或いは第一條に、祝祭日を決めるにつきましての氣持を規定をいたして行くというような樣式もあり得ると思われるのであります。併しこれもさような色彩をむしろ殘さん方が宜しいという意見もあり得るかと思いまするから、この法律の形式をどういうふうにするかという點についての御檢討を願いたい點が一つであります。
 それから最後に第六番目に、以上のような恰好で法律を纒めるといたしますれば、或いはその點におきまして、皆樣方の御審議の結果が、法律の法案の形で現われる上においては、非常に物足らん點があろうと思います。斯樣な意圖を以てやつたに拘わらず、法律の形式は比較的簡素な形式だつたというような場合に、左樣な點を補つて行く方法を考えて置く必要があるのではないかということを考えますと、何か法律を議決されます際に、一種の決議案と申しますか、これは性質上各議院別個の決議案では政治的の意味が薄いので、その兩院一致した決議案が宜しいと思います。その決議案の中に今申しましたような法律の形式に現わすには不十分であつたと思うところの皆樣方のお氣持を表現して頂いて、これによつて國民に愬えてゆくという行き方も一つあろうと思います。もつと内輪の形といたしますれば、例えば委員會における審査報告の中に、左樣な點を盛り込むというような内輪の行き方もあろうかと思います。これらの點を、こうした種類の法制化の性質上併せてお考え願いたいと思います。
 以上の點は極めて常識的なことでありまして恐縮でありますが、併し恐らく法制化の問題につきましては、それ以上の複雜なこともなかろうかと思いますし、又以上申上げました點だけでも、可なり幅のある問題であり、御檢討の次第によりましては、なかなか厄介な點も出て來るかと思いますから、以上の各事項につきまして御研究を願いまして、その結果を法律にしたいと、こういう恰好でお進になることがよくはないかと思います。委員長からのお話でありますので、御參考になるかどうか。一應以上の通りでございます。
#4
○委員長(山本勇造君) 只今法制部長から細かな御説明がございましたが、その中でも特に今度の問題を宣言の形で出すか、法律の形で出すか、これは非常に大きな問題であると存じます。又宣言の形ならばどういうふうになるか、法律ならばどういうことになるかということについて、いろいろ御質問があるのだと思いますが、御遠慮なく法制部長が見えておりますから御質問を願いたいと思います。
#5
○參事(川上和吉君) ちよつと今の委員長のお話で、或いは私の申上げたのが徹底しなかつたかと存じますが、私の申上げたのは、形はやはり法律であろうと思います。
#6
○委員長(山本勇造君) 宣言でも。
#7
○參事(川上和吉君) はい。中味は……。法律というのは、いわゆる以前の頭で言えば、何等かの權利を設定するか、或いは義務を課するということが法律であるに對して、この法律は別に權利義務を發生させるものではない。中味は宣言的のものである。法律的の形ではあるけれども、中味が宣言的のものであるか、或いは何等かの義務、勞働基準法において必ず休日にしなければならんというような拘束的のものにするかというような意味で、御檢討を願いたいという意味において申上げたのであります。
#8
○委員長(山本勇造君) 分りました。今のような次第でありますから、いろいろ疑問もあると思いますが、丁度法制部長がお出ででありますから、一つ御遠慮なく御質問を願いたいと思います。
 そうすると宣言の形とするとしても、やはり第一條何々、第二條何々となつて來るのですか。
#9
○參事(川上和吉君) その通りで結構でございます。ただこの法律が特別の義務を伴わぬということだけを申上げた意味であります。
#10
○三島通陽君 法制部辺に伺いたいのですけれども、拘束的な法律的な内容を持つたといたしましても、何かサゼスシヨンのようなものが含まれた法律というようなものが今までに例がありますでしようか。どうでしようか。
#11
○參事(川上和吉君) これは例えば教育基本法ですが、これも必ずしもそれ自體拘束と申しまするか、それ自體義務を發生していない。一般的にこれは廣い意味では義務と言えば義務かも知れませんが、或る意味においては宣言的なもので、ああいう恰好もあります。
 それから必ずしも法律はそうした權利義務を發生させるものというふうに窮屈に言う必要は、殊に新憲法の法律の思想から申しますれば、その必要はないので、宣言的なもの、いわゆる義務を發生させないもので一向差支えないと、私はかように考えます。
#12
○三島通陽君 お話よく分りましたのですが、私の申しました意味は、拘束的な義務を發生するものと、それから或る程度それに附隨してサゼスシヨンをしているというようなものをくつつけているような法律が今まであるでしようか。こういう意味なのです。例えば實際問題として、祝祭日の法律を取り上げた場合に、これは休日にすべきものである。何月何日を……。併しその休日にはこういうような行事というようなものをつけて欲しい。これは拘束もしていないし、これは義務づけてもいないのですが、何かそういつた、サゼスシヨンという言葉が當るかどうか知りませんけれども、そういうような心持をつけたような法律が今までございますでしようか。
#13
○參事(川上和吉君) ちよつと私共も今の御質問に適切な例は思い當りません。併しこれはそういう例がなくても、そんな氣にされる必要はない。御自由にお決めになつてよろしい。ただ非常にそのサゼスシヨン的なものならば、法律的に入れるのはよろしいのですが、今の國會でそのまま一致されたことが、そのまま後まで續いてよろしいかどうかというような内客的な問題があるので、皆さんの御意見さえ一致すれば、さようなものでも一向差支えないと思います。
#14
○委員長(山本勇造君) 尚御質問ありませんか。今のその宣言という場合のときには休日というような問題はその中には入れないでやる。法律の場合なら休日の問題にも觸れるという、こういうようなところも宣言というのと法律との違いですか。
#15
○參事(川上和吉君) 甚だなんですが、どつちも法律なんでございます。どつちも法律ですが、中味は宣言的なものというのとは、別に内容に休みということを義務としてやつていないということだけを申上げたわけなのです。
#16
○委員長(山本勇造君) どちらでもその問題を入れてもよろしいのですか。
#17
○參事(川上和吉君) 拘束ではありません。ただ休日を入れると、先程申しましたように勞働基準法との關係が直ぐ出て參ります。いわゆる法律的に意味を持つたことになつて參りますということになると思います。ですから、いずれにしても休日の點は餘程愼重にお考え願う必要があると思います。
#18
○委員長(山本勇造君) それから尚序でにお伺いしたいのですが、確か明治六年のときに祝祭日を定めて、その祝祭日は同時に休日にするということに、そのときに定めてあるのですが、尚その外にいわゆる官廳休日というのですか、年未年始の休日がありますね。あれはなんですか。勅令が何かで出ているものですか。
#19
○參事(川上和吉君) お話の通り昔出たのもありますが、年末年始はやはり今でも太政官布告がそのまま殘つておるようであります。太政官布告の「自今休暇左ノ通被定候事」というのがそのまま適用になつておるのでございます。尚その點が、例えば年末年始の今の役所の休暇も何か取り入れなければ工合が悪いという點があれば、それを入れるのも一つの方法でありますが、これは必しも法律の形式を用いなくても、何か官廳内部の、例えば總理大臣の告示か何かの恰好でやるのも一つの方法であります。今ここでお取り上げになる問題としては、むしろ大きく祝祭日を取り上げて、休日の問題は少し外された方がむしろ適切でないかというようなことも考えられるのでありますが、併しそれも一緒に入れて行くのも……。
#20
○委員長(山本勇造君) 勿論法律の中にそれを規定するかどうかは別問題ですがね。ただ我々が考えて行く上に、祝祭日が全部一日休みになるか、或いは半日になるか、休むということに規定するか、そこらのこともいろいろございますが、大體今までの考えだと、祝祭日は休みだということになつて、その外に今のように官廳休日みたいなものがありますと、そういうふうに澤山休みがあるとすると、この日本が今新しい國家を築き上げて行かなければならんというのに、そう無闇に休むということは考えなければなりませんから、その點との睨み合せも附けまして、この年末年始の休みみたいなものは、外國にこういう例が僕はあまりないのじやないかと思われるのですが、そういう上からもこの方をこつちの法律で廢めることの規定はできないかも知れませんけれども、それとの關係は考え合せして行かなければならんだろうと思うのであります。
#21
○岩本月洲君 今の法律の形の宣言的なものという意味は略々分りましたが、宣言的なものでないと、義務附けるわけでないですから、休日の問題はおのずから取扱われないようになるのじやありませんか。そうでありませんか。休みにするというようなこと……。
#22
○參事(川上和吉君) 私の申上げましたのは、多少今お話のような氣持で、ただこれも或いは規定の仕方があつて、何かそう休日の問題も觸れて行くが、非常に拘束した恰好でないというやり方もあり得るかと思いますが、大體先程申上げましたのは祝祭日ということを表面から取上げて行けば、休日問題には一應觸れんで、その方が拘束的な恰好じやなくなるのじやないか。こういう氣持で申上げましたので、大體今御指摘の通りの趣旨で申上げたのであります。
#23
○三島通陽君 外國のことはどうでもいいかも知れませんけれども、イギリスのバンク・ホリデー・アクトなんというのは、今法制部長の言われる後者の法律的なもので、アメリカなどではどういうように取扱つておるでしようか。これはまあ州によつて違うのじやないかと思いますが、多少そういう宣言的なものもあるでしようか、何かお調べがありましたら……。
#24
○參事(川上和吉君) ちよつと研究不十分で、その邊あまりはつきり分つていないようでございます。アメリカは御承知のように州で決めておるようでございますが、中味はちよつと承知いたしません。
#25
○專門調査員(岩村忍君) 具體的にどういう問題でございましようかしら。イギリスのバンク・ホリデーのようなことをやるかということですか。
#26
○三島通陽君 今法制部長からお話があつた丁度イギリスのバンク・ホリデース・アクトというような法律は、私はよくこの法律の内容は知りませんけれども、いわゆる法律的に拘束しているじやないかと察せられるのでありますが、それが間違いかどうかということが伺いたいのが一つ、第二は、アメリかでは州々で違うでありましようけれでも、アメリカの祝祭日というものが宣言的なものじやないかしらという氣がして來たのですが、伺つておる間に。相當自由に州内の、州で決めるにいたしましても、半日休んでいるところもあるし、一日休んでいるところもある、取扱い方が相當自由なような氣がするので、或いは宣言的という……今法制部長の説明を伺つていると、ういう疑問が起きたものですから、御承知なら伺いたいということを申したのであります。
#27
○專門調査員(岩村忍君) 私もこれを詳しく調べたことがございませんけれども、ただアメリカとイギリスで普通やつておりますホリデーというものは、イギリスのバンク・ホリデーに關する問題は法制的にはつきりなつております。それからアメリカでは、三島委員がおつしやいましたように、確かに各州で以て別になつております。ただこの點、これも文獸に當つて調べたことはございませんけれども、私がおりましたときの感じでは、休日というものは、これは度々申上げましたように、サンデースというのが休日でございまして、それ以外の例えば獨立記念祭というようなものは、休んではおりますけれども、恐らく休日として、州で以て、はつきりして州の法律として出しておるところはないのじやないかと思うのでございます。それからその他の祭日でございますね。むしろ日本で言いますと、お彼岸とか、お盆に當るような年中行事は、確かに休みに、リーガル、ホリデーになつていないと思います。ですから、大體は學校などでも、例えばメーデー、これは勞働祭の意味のメーデーでなく、お祭りのメーデー、そういうようなときには、みんな夕方とか、學校で申しますと午後の授業を休んでやる、それから夜やるとかいうようになつております。そういうふうになつているように思います。全體としてやはり宣言的なものじやないかと考えるのでありますが、なおこの點に關しましてはこの次の委員會までに調査して御報告申上げることにいたします。
#28
○久松定武君 今のお話をアメリカの例で言いますと、ナシヨナル・ホリデーでも全體休むということには限つていないように私思うのであります。例えばリンカーンの日でも南部は休まない、北部は休むとか、非常にそういう點は自由のように私は思います。それから學校は休んでも銀行は休まないということが多いように思います。それで私この際ちよつと私の知つております英國人に三、四囘會いまして、ホリデーのことについていろいろ聞いたのであります。その際に申しまするのには、どうも今まで新聞で見ておると、日本の今度の問題は、休日と祭日というのを混同していやしないかということを非常に言うのであります。それは、一般の外人がそう見ますか、それは分りませんですが、今後の、将來これを決めて行くという點については考慮すべきことだと私は考えるのであります。さつきのお話が出ましたように、日曜日というのが休日として徹底して休むというのが歐米の習慣であります。日本は多少その習慣が異つておるために、休日が必ずしも日曜でないというような例もありますが、非常に外人の見め目から見ると、日本の休日が全體に多いように思うということを非常に連つております。この點多少今後關係筋との交渉においても御參考になると思いまして申上げます。
#29
○委員長(山本勇造君) その點は、すでに今までやりました委員會におきまして、既存の考え方として、休日というものと祝祭日というものははつきり分けて考えて立てておりますから、大体その線で行つていると思います。外にどなたか……。なおちよつとお尋ねいたしますが、日曜は休みだと言いますが、土曜日はどうなつておりますか、むしろ日曜は休んで教會に行く日になつて、土曜日を休んでいるということはありませんか。
#30
○久松定武君 半ドンでございますね。商店街も半ドン、休むところが多いですね。
#31
○專門調査員(岩村忍君) 今のも、所によつて違うと思うのでございますけれども、學校は完全に土横、日曜は休みでございます。學校以外は、所によつて違うのでございますが、大體今仰しやいましたように、土曜日も休み、日曜日は全部休む。アメリカなどでも宗教の派によりまして非常に違つておりまするので、例えば割合に中部のバプチストなどの盛んなコーン・ベルトの地帶になりますと、日曜日は全然レストランも、劇場も全部しまつて、どうしてもその日は家にいて、或いはドライブ以外にすることがないような状態であります。イギリスなどでも、ロンドンでは日曜日には劇場は全部閉鎖いたします。レストランも開いておるのは少なうございますから、どうしてもその日は一日家にいてゆつくり休まなくちやならん。日本のように、日曜日には遊び廻るような仕組みになつていないて思います。その點で日本の日曜日の觀念とは、觀念が違うように思われます。日本では日曜日は遊んで精力を使うようになつておりますけれども、向うでは本當の安息日になつております。その點も考慮に入れて、休日と祝祭日の關係を考えて行かなければならんのじやないかと思つております。
#32
○久松定武君 それからさつき三島さんからお話のバンク・ホリデー、あれは英國で休む日は三日しかない。ウエルズとイングランドは大體習慣が同じ、スコツトランド、アイルランドは全然違つておるらしい。
#33
○赤松常子君 先程お話の中に、法律とはするけれども、その中の内容の形式をどういう形式にするかということを仰つしやつておりますのでございますけれども、なんでございましようか。こういう權利義務を含まない問題に對しては、法律という形をむしろ取らない方がいいのではないかと思うのでございます。その後の御説明でやはり法律は形式化する、勢い單純化されてその意味が十分に盛り込まれない虞れがあると仰つしやつておりますし、そういうようなところから、法律の形を取るということを私はむしろ避けた方がいいのではないかと思いますが、そういうふうなことは考えられるものでございましようか。
#34
○參事(川上和吉君) 只今お尋ねの點は、むろん必ずしも法律でやる必要はないわけであります。ただ先程も申しましたように、權利義務をつけないものでも法律でやつても差支はないということは申せると思いますが、法律でやらなければならんか、外の形式ではいかんかと仰せられると、これは法律でなくてもいいということは言えると思います。ただそれは法律以外にどういう形式が考えられるかということになりますと、國會の意思と申しますか、國民的な全體の意志を表示するのに、國會の意思を表示するには、決議の方法というのも一つの方法でありますが、併しどうもやはり國民の祝祭日を決めるというのに、決議ということだけではどうもやはり物足りんじやないか。やはり國會が決めて國民全體が義務は伴わんでも決めたという形をとる以上は、法律という形式によられる方が適當じやないか、國會で決められる場合には必ずしも法律じやなくても宜しいが、法律という形式が適當じやないか、こういう點が考えられるのであります。併し必ずしも法律じやなくても無論宜しいのでありますが、今その他には、決議じや工合が悪いし、ちよつと適當な方法が考えられないので、恐らく法律に落ち著くのじやないかと、こういう意味にお考えになつて頂きたいと思うのであります。
#35
○委員長(山本勇造君) なにかその他に御質問ございませんか。
#36
○赤松常子君 そうすると、この休日との關係や、或いは行事の問題、或いはその祝祭日の意義でございますね。そういうふうなものも同時的になにか盛り込むだけのものが必要なのでございますが、それはどう扱いますのですか。
#37
○參事(川上和吉君) 法律の内容には束縛はないのでありますから、又先程も申しましたように、從来の法律様式というのに必ずしもこだわらずに、相當自由潤達にお考え願つてもよいと思うのであります。そういう點から申しますと、若し必要なら行事等についても變えて行くということも考えられると思いますが、併し恐らく御檢討になりますれば、行事まで法律に書くことは非常にぎこちなくなつて適當じやないというような結論になりはせんだろうか、それはまあその祝祭日の意義についても同様でありますが、併し或いはこれは非常に獨斷でありますが、意義の程度であれば比較的簡單な形で書き表わせるのじやないか、從つてその邊はこの委員會でどうお決めになるかによつて如何ようにもなり得ることで、ただ結論を早く出しますれば、恐らく行事まで行くのは非常に複雜になるし、意味を簡單に書き表わす程度なら考えられるのじやないだろうか、併しこの委員會の御決定によつてもつと書けとおつしやるならば書かんこともありませんが、その邊或いはお答えは甚だ不徹底かも知れませんが、御參考までに申上げます。
#38
○委員長(山本勇造君) 高田さん、あなたは法科出身だから一つこういう問題を突つ込んで下さい。
#39
○高田寛君 大體今までの法制部長のお話で見當は付いておるように思うのですが、結局國會で決めるには赤松さんの御質問もありましたが、法律以外になんか作ることは考えられないか、この點をやはり考えるのですが、これは國民一般にこれを廣く知らせるということになると、やはり法律という形式を採るのが一番よいと結論としてはそう思いますが、それから休日という點と祝祭日という日、これは初めのお話がありましたように分けて考えるのが宜しいと思います。ちよつ私遲れて來て初めの御説明を伺わなかつたのですが、現在は休日という點は太政官布告が生きておるわけですね。
#40
○參事(川上和吉君) 現在は祝祭日を休日にするのは、昭和二年の勅令になつております。
#41
○高田寛君 その勅令というのはただ官吏に對して休日を與えるという勅令なんでしようね。一般國民に對してではないのでしよう。
#42
○參事(川上和吉君) その點はどういうふうに解釋して宜しいですか。この勅令の中味が非常に簡單で、「左の祭日及祝日を休日トス」これだけなんです。おそらく形式的に太政官布告を沿革的に見ると、今高田さんのお話のように官廳に對する訓令的の規定だと見られんこともないと思います。併し勅令でこの形式を採つて以上は、必ずしも官廳の休日だけとはいわないで、もう少し廣く休日であることを宣言したような形にも見えるのです。これもどういうふうに解釋していいか、ちよつとあまりはつきりいたしません。併し沿革的にいえばお話のように主として官廳に對する休日、この考えて宜しいと思います。しかし官廳の休日を全部そこで取上げるのでなく、年末、年始、日曜日に對しては、太政官布告がその儘殘つておるので、必ずしもそこのところは徹底しておりません。そういつたことに拘泥しないでお考えになつて宜しいのではないかと思います。
#43
○高田寛君 これは休日の點になると非常にむずかしいので、私の今までの解釋では休日というのは官廳だけと思つておりましたが、成る程今法制部長が太政官布告を讀まれたのでは、「休日トス」と言い放しになつておつて、勅令で一般に效果を及ぼすようにも解釋されるのですが、しかし現在一般に休まなければならんというように義務付けておるわけでもなく、これは各職場々々の會社なり、それから工場なり、そういう所で、その日に仕事をやつておるところも現にあるわけです。その點は休日とするしないの問題は、從來の日本のやり方はどうも一般國民に休日にしろとはつきり言つたようには徹底していないが、これは餘程これからの研究問題だろうと思います。殊に又さつき法制部長から御説明がありました勞働基準法の關係が、これから特に重大な影響を及ぼすことになるだろうと思います。結局法制部長のお話のように祝祭日というものを法律で決める。それから休日というようなものも結局法律で決めることがいいかどうか、はつきり方針を檢討した上で決めるならば、法律で決めた方が宜かろう、こういう御説明なのですが、その點をもう一度伺います。
#44
○參事(川上和吉君) これは今高田さんのお話のように御檢討を願う問題でありますが、私の意見をこの席で御參考に申しますけば、今の考えとしては、むしろ休日ということに觸れられぬ方がいいのではないか。單に祝祭日ということだけを決められる。で、休日の點は、官廳については内閣の委す。民間については勞働基準法の就業規則の方に委すということで、ここでは休日の問題には觸れない方が宜しいのではないかというふうに考えられる。ただ併しながら、祝祭日の中味によつて、特に何か或る日を選んで、丁度先程のバンク・ホリデーのお話みたいに、或る特定の日だけを休日にするということ、そういう方法も一應考えられるのではないかという氣がいたすのであります。併しこれは非常な獨斷でありますから、皆さん方の御審議によつてお決め願うことにいたしたいと思います。ただほんの氣づきだけを申上げましたので、私も定見を持つているわけでは無論ございません。御參考までに申上げたのでございます。
#45
○委員長(山本勇造君) 如何ですか、他の方は……。それではこの邊で、もう御質問がなければ散會いたします。
   午後二時三十一分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     山本 勇造君
   理事
           金子 洋文君
           久松 定武君
   委員
           赤松 常子君
           梅津 錦一君
           徳川 頼貞君
           大隈 信幸君
           藤森 眞治君
           岩本 月洲君
           高田  寛君
           服部 教一君
           三島 通陽君
  參議院事務局側
   參     事
   (法制部長)  川上 和吉君
   專門調査員   岩村  忍君
ソース: 国立国会図書館
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