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1947/05/04 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 国土計画委員会 第4号
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1947/05/04 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 国土計画委員会 第4号

#1
第002回国会 国土計画委員会 第4号
昭和二十三年五月四日(火曜日)
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  本日の会議に付した事件
○道路橋梁の通水構造に関する法律案
 (大山安君発議)
  ―――――――――――――
   午前十時二十八分開会
#2
○委員長(赤木正雄君) ではこれから委員会を開きます。本日は道路橋梁の通水構造に関する法律案、これを議題に供します。発案者大山委員から御説明願います。
#3
○大山安君 それでは、本法の内容は大体に皆さんのところへ配付になつておると思いますから説明を申上げます。
 本法を提出しました理由を綜合的に簡單に申しまするが、本法は異常増水の場合に、上流より自然に下流に水が移行する場合において、即存の道路によつてその水量は遮断停滯せしむるとてあようなことがないように、そのために道路に通水路を設けなければならないというような理由なのであります。故に通水路が必要かどうかという点を御説明申しますれば、現在の道路は、道路法によつて設けられたところの道路でありまするが、その道路はいずれもその地方の綜合的計画の上において道路を設置するという点は、道路法にも加味しておりませんし、又実際の道路にも構造されていないのであります。然らば河川上に道路を連絡する橋が架設してあつて、その橋梁が河川の水量を流通せしめるに適当な構造であれば、何ら異常はないではないかというような御意見があるかも知れません。併しこれらは前回の委員会におかれましても、決議案があるから本案の必要はないというような政府の御意見もありましたが、以前はとにかく、今日の場合となりましては、この限られた國土におかれましても、最も有効に國土計画上図られなければならんという見地から、どうしても道路には通水路を設けなければならんということで、この道路法案を提出したいのであります。そうしますと、ここに有効に河川上に橋を架けられて、その河川によつて通水させれば何ら異常はないと申すかも知れませんが、これは河川は平時の場合には最も有効なのであります。というのは、その水系川におかれまして、上流から川口に至るまで排水の方を見ますとその他いろいろの用途に充当せられておるでありましようが、一朝増水の場合は、河川は或る地域、まあ私はやや上流ぐらいは河川によつては解決がつく。とにかく上流地域に以外は殆んど平素の河川の効用をすることができないので、つまり警戒構造である。繁戒付きである。つまり危險性を多く含んでおるところの河川上流の水のために、中流、下流以下は殆んど危險……河川のためにその地方を予防するでなく、河島のためにその地方の者が水を予防せなくてはならないというような有樣になつておるのであります。その証左といたしましては、中流以下の堤防の存在、又堤防を存在しなくてはならんということによつて明らかなものだと思います。然る場合に、中流下流以下はどうして自然の水を下に送るかという場合に、何らその方策がないのであります。却つて道路によつて、河川以外の地域は殆んどその自然の水を停滯せしめておる。そうして道路に通水路がないために、上流の水が停滯して、從つて水の圧力によつて堤防が壞されておる。であるから道路にはそれに対する通水路をつけなければらならん。通水路をつけて道路の破堤を防禦することができれば、それに從つてその地方の水害というものも止めることができるであろうという法案であります。そうして水が自然の地形によつて下流に流れるという場合には、やや平穏と言うて然るべきだと思うのであります。それを何らかの外力の作用を與える場合には、そこにいろいろな破壞力を持つ、いわゆる道路を破壞してしもう。自然に流れるように、通水路を設けて下流に送る場合には、道路も又家屋も破ることがないということは、停滯したものを一時に解放する、つまり放水、放射するという作用を起しますと、同じ水量でも、溜めたものを一時に放す場合は相当の威力を持つことになるという水の働きがあるのであります。御参考までに申しますと、皆さんの御記憶に新たな、先年の彼の時良瀬川の堤防なども、あれが下流に水を集中させていなかつたとしたならば、あの被害は受けなたかつのであります。あれはいずれも停滯をされた水が、つまり破れると同時に圧力で以て一時に放射されたというのが原因で、その附近もあれだけの被害を受けた。併し水が或る程度下流に行きますれば、自然という性質の働きの上からいつて、たとえ軒下まで水がついても家は流されない。簡單に申しますれば、例えばここに一丁の豆腐を、これに特別の働きを起させないで、この豆腐に水を注いだとしても、周囲から自然に注ぐ場合は豆腐は決して壞れるものではない。仮に注水してもとにかく結論としてそういうことがあるのであります。そうして今後の、現在までの法案及び施工の実施に当つても、そういうところが毛頭見受けられない。從つて昨年のごとき災害を被る。ここに何らかの対策を講ぜなければ、明日にもそれを繰返するとこになる。この法案の趣旨に從つて完全なる施工をした場合には、この水害も最小限度に喰い止めることができるという、最も國家的に有益を図り、又建設上支障を来たさないというような法案なのであります。大体の辺にしておきましよう。
#4
○委員長(赤木正雄君) この法案に対する政府の御意見を一應お伺いいたします。
#5
○政府委員(岩沢忠恭君) この法案は、今大山さんからお述べになりました通りに、水害防止上の見地から御提出に相成つたものと存じておりますが、この点につきましても、すでに政府におきましては昭和九年の大水害に鑑みまして、昭和十年に水害防止の方策について土木会議にこれを諮問しまして、その答申の趣旨によりまして、内務、鉄道、農林、商工、営内のこの六省によつて、水害防止協議会が設けられて、その協議会は道路、橋梁の通水構造に対して、先般配付いたしましたような決議をいたしたのであります。この決議に則りまして、建設院は内務省時代から今日まで、この水害防止上、道路、橋梁の通水構造に遺憾なきを期して工事の施行並びに指導を行なつておるのであります。そこでこの法案につきましては、我々といたしましては先に申しました通りに、具体的にすでにこの答申がありますから、これに則つてやつておりまして、この法案が出ても、やはりこの道路の管理者とか、或いは河川の管理者に対しては、具体的にこれを指示するということが必要になつて來ると思います。然るにこの法案では、ただ抽象的に最小限度というようなことが書いてありまして、実際指示監督する場合においては非常に困りやしないかと、こういうように考えております。又第三條に規定されておるようなことにつきましては、これはすでに技術上、当然こういうような水圧を受けるというような場合においては陸橋を設けて、そうして道路に対する水圧を成るべく軽減して、道路の破壞を防ぐように現在でも構造をやつておるような状態でありまして、今ここにこの規定をせられることは適当だと思いますけれども、注意を喚起する上から適當であるかも知れませんけれども、これは技術上の常識になつておるので、その場所、又地域、特定な地域に対しては、そういつたような陸橋というような、或いは跨橋というようなものを設けて、成るべく水害を軽減するというような方法を採つておる次第であります。以上申上げましたように、政府といたしましては、六省の水害防止協議会の決議事項に則つてやつておりまするから、何ら支障なく今後も運用して行けるのではないかと考えております。
#6
○兼岩傳一君 大山委員の御提出の、この單行法による道路橋梁の通水構造に関する法律案の説明をよく聽きました。又岩澤政府委員から、十六ヶ條からできておりますところの刷り物を頂いて、よく拜見して分りましたが、これは極めて技術的に詳細に、この橋梁のために惹起される水害を如何に防止すべきかという点について、極めて詳細に技術的に規定いたしております。ただそれが次官会議の申合せという形になつております。それから同時に政府委員から先程來提出されております資料によりますと、道路構造令、街路構造令、道路維持修繕令、道路法などを見ましても、殆んどこの橋梁の通水構造に関する洪水防禦という規定は殆んどないのであります。それでこれから先は意見になるのですが、私はこういう内容は非常に結構であるが、この内容を果して大山委員の考えられるような單行法にするがいいか、或いは政府が從來採つておるような次官会議における申合せという恰好がいいのか、それから第三に、政令による構造令、道路構造令、街路構造令、そういうようの構造令という恰好がいいのか、それとも第四に、河川法或いは道路法の改正で行くがいいか、こういう点に、法律の形式論として、そういうふうになつて來るのでありますが、これはこの前の委員会のときに、特に岩澤政府委員にお願いしておきましたので、これらの四つの形においてどれがいいか、古い憲法下でなくて、新憲法下において、かくのごとき技術的内容に如何に法律的な形に現わすがいいか、法律がいいか、政令がいいか、法律とすれば單行法がいいか、道路法或いは河川法の改正がいいか、一つ法理論的な御説明を拜聽して、それによつて又我我は審議の方針を決めて行きたいと思います。
#7
○政府委員(岩沢忠恭君) 第一点でありますが、この道路構造令とか或いは街路構造令、その他道路維持修繕令というものにつきましては、これは純然たる道路の構造とか、橋梁の構造ということを指示しておるので、ただ河川に架ける橋梁が、河川に及ぼす影響ということは全然考慮いたしていないのでありますから、從つて道路法に水害防止の云々ということを当嵌めることは、ちよつと無理じやないかと考えております。從つてこの水害防止という観点から参りますと、やはりこの河川法に何からよなければならないということに考えておるので、現在における河川法におきましては、この水害防水ということは当然組入れてるべき筈でありますけれども、その拠り所に対しましては、ただ訓令というような、昔の河川法は非常に占いものですから、それに準拠して云々ということは、先ず從來の例から申しますと、訓令というような形式になつておるのでありますが、併しこの申合せ事項が、ただ單に道路とか或いは河川の管理者に対してのみ知らしておるような状態で、今日のような一般國民にこの水害防止を十分徹底する意味から言つても、周知さすというような意味から言えば、やはりこれを何かの方法によつて告示するということが、最も策の得たものじやないかとも考えております。それにつきましては、先程申上げました通りに、道路法でこれは取扱うべきものではないということと、それから河川法においてこれを取扱うということが最も妥当だと考えておりまするが、現在における河川法におきましては、これを直ぐ政令で出すということもできないこともありませんけれども、我々といたしましては、でき得れば將來河川法を改正する際において、こういつたような技術上のものを、政令によつてこれを一般國民大衆に知らせるようにした方が最もいいのじやないかと思います。これを單行法というようなことは、これは特定の者に対する指示のように考えまするから、一般國民大衆にこれを指示しても何ら意味がなくて、いわゆる橋梁とか、或いは又道路とかいうようなものが、水害防止上河川にどういうような影響を及ぼすかというようなことは、管理者自身が十分これを知つておればいいと考えておりますから、法律よりもやはり一歩下つた、政令というような方式でこれを定めて行きたいと考えております。
#8
○兼岩傳一君 私この前政府委員にお願いすると同時に、参議院の法制部に新らしい憲法の立場から、こういつた技術的な内容を法律に移すべきか、單行法にすべきか、或いは政令にすべきかという点の調査をお願いいたして置きました、尚武井專門調査員にも、諸外國において一体これはどういうふうにしておるか、つまり諸外國の実例の調査、それから法制部に対しては新憲法下における法律上の取扱い方は、どちらがいいかということをそれぞれお願いいたして置きましたので、一つ簡明にその点の御報告が願えれば願いたいと思います。
#9
○参事(川上和吉君) 只今の兼岩委員の御質問に対して私よりお答えをいたします。そのお答えをいたしまするのに、大山委員から、実はこの法案を提出されるに当りまして御相談を受けましたので、それに関連をいたしまして申上げるのが便宜であろうと思います。実はこの法案に提出につきまして、大山委員は昨年の秋の水害の状況を観察されまして、その実地についての御感想からいたしまして、こうした法律案に提出について御相談があつたのであります。私は当時から意見として申上げたのでありますが、私は法律抜術的な御援助だけいたすので、大山委員の御着想の内容について、かれこれ批評いたすべき立場にありませんが、まあ強いて言わして頂けば内容については非常に同感であります。併しながら問題の取上げ方としては今少しく廣い見地からおやりになることもどうか。例えば水害の防止についても、もう少し全般的な範囲において問題を取上げるというような行き方はどうか、或いは又道路なり、橋梁の構造全般についての問題として、問題を取上げるというような恰好もどうだろうかということも申上げたのであります。それに対して大山委員から、そういつた全体的な考えもできるのだろうが、とにかく自分の考えとして、この範囲においてだけでも実現をしたいからということで纏めて呉れと、こういう実は御注文であつたのであります。それに対して只今も兼岩委員からも御質問があつたのでありますが、私共は、殊に新憲法下の制度といたしましては、こうした技術的な内容を持つこと、今岩澤技監から道路管理者のみを制限をして行く制度だという御批評がありましたが、仮にさようなものでありましても、これを法律の形でやつて行くということは一向差支えないことである。新憲法におきましては、政令なり、命令に讓るべき範囲はできるだけ局限をすると申しますか、成るべき法律の制度にして取入れて行くということは一向差支えない。併しながらこれは差支えないというだけの話でありまして、法律技術的に差支えないというだけて話でありまして、実際問題としてこれを政令でやつて悪いかというと、これは別に悪いというわけのものではありません。併しながら法律の中に取入れるということは一向差支えないことであり、新憲法が政令なり、命令の範囲を成るべく局限しようという趣旨から申しますれば、法律であることは一向差支えないのじやないか。ただこの大山委員の御着想が非常に限られた範囲の問題を取上げておるという点につきまして、私共としては感想を申上げましたので只今も兼岩委員からの四つの方法があり得るというお話があつたのでありますが、四つの方法が確かにあろうと思いますし、むしろ四つをお挙げになつたもう一つ外に、私は方法があるのじやないかと思います。先程も申しましたように、問題をもう少し廣い範囲において取上げて、水害の防止全体に対する政策の法制にするか、或いは道路、橋梁の構造全体の法制にするか、こういう行き方があり得るのじやないか。これは先程兼岩委員のお述べになつたのと少し範囲が違つて参ると思いますが、そうした形において、こうした技術的な内容を持つものにおいても、法律にするということは一向差支えがないというように考するのであります。無論これは岩澤技監の御意見を否定するものではありませんので、法律に差支えないということで、この程度のものを政令でやつて差支えないというものとは別問題であります。それも差支えないと思いますが、法律でやることも差支えない。かように考える次第であります。少し余計なことを申上げたかも知れませんが、この機会に大山委員から御相談を受けました経過等も申上げて、何か御参考になればと思つて申上げた次第であります。
#10
○專門調査員(武井篤君) 時間も少くなりましたので、実は廣くこれを知らせることができなかつたのでありますが、一言御参考になるかと思いますので、申上げておきます。イギリスのような、國会が非常な権限を持つたところでは、こういう問題は当然法律にならしうございます。と申しますのは、この種の法案と申しますのは、御存じの通りにパブリツク・ビルとプライヴェイト・ビルの二つに分れまして、パブリツク・ビルというのは一般の法律を変更するもの、プライヴェイト・ビルというのは、或る特定のもの、特定の地方に関する法律を警更し、特定の個人、法人などに権限を付與し、又は義務を免除するにありという大体の定義になつております。そのプライヴェイト・ビルの中が二つに分れておりまして、第二類と申しますのは、次の諸事項の建設、変更、拡大、拡張等は、これは大体法律案で出て参ります。その諸事項なるものを見ますと、相当細かに書いてございますが、例えば水路、自動車道、坑道、船舶、橋梁、港湾のピアー、沿岸諸港及び港湾、カッテイング、公用運搬路、ドック、海水(幅十呎以下のカットのものを除く)地下道、平面軌道、軌道、隧道等に関する法律案をプライヴェイト・ビルでやるのだということを見ますと、相当細かく國会がこういう問題を取上げておるように思われます。外の方で今盛んに調べておりますが、なかなか具体的な例が出ておりませんので、残念に思つております。大体英國あたりでは、こういうことは民民主的にこういうふうに取上げておるということが言われておると思います。
 尚御参考のために問題を外れますが、一言言わせて貰います。この問題につきましては國家補償の問題に関連するところがあると思うのであります。憲法の第十七條「何人も、公務員の不法行爲により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、國又は公共團体に、その賠償を求めることができる。」これを受けまして、國家賠償法の第二條「道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、國又は公共團体は、これを賠償する責に任ずる。」、この瑕疵という意味の内容を規定する法律がまだ現われていないのでありますが、この瑕疵というものの内容が、申合せ的形式でできるか、それで足りるか。今上程されております法案が、この問題に関連しているように考えますので、一つ附加えておきます。
#11
○平沼彌太郎君 大山委員の出された案につきまして、政府委員の御説明を伺つたのですが、今のお話によりますと、水害の全般に対しての災害防止というお話も、これは非常に理論上結構でありますけれども、実際問題として非常に廣汎になり過ぎて、山林の砂防から始まつて、あらゆる方面に随分これは廣汎になつて、なかなか一朝には法案化できるかどうか。又いろいろな部面に抵触し過ぎるのじやないか。私の考えとしては、この道路橋梁などを取上げた一つの法律を希望しておるのでございます。今度も水害視察をして見まするに、道路が堤防になつて、河の層ができている。数町の間の堤防のために上流の河川が氾濫して、その堤防につかえて、その上の田畑が大きな湖水になつて、いつまでも水が引けないという所が二三ヶ所見受けられたのであります。それから下流は無論そのために却つて水を防いだかも知れませんけれども……その道路に幾つかの水をくぐるような設備をしますれば、早く水が抜けて損害を軽少にしたのじやないか、いま東村の災害に見ましても、最高水位といいまするのが橋に届いているのであります。それは二つの、あそこに大きな國道と鉄橋がありますので、その水が却つて上流に逆流する。そのために兩方の堤防は鉄橋よりも、下よりも却つて上流の方が一米ぐらい高くてもいいんじやないかというふうな感じを持つことから考えましても、橋と堤防というようなことについても非常な研究を要する問題じやないか。又一般の小さな橋にしましても、最高水位などを考えないで、皆地方では橋を架けています。そのために一つの橋が拂われますと、その橋の材料が流れて、幾つもの橋が皆流れてしまうということから考えても、橋の統制というものが非常に待たれているのではないか。折角こういうふうな、昭和十年に申合せをされましても、実行されているかも知れませんけれども、昨年のような大水には甚だこれでは心許ないという点が多々あるのじやないかというふうな、いろいろな、それだけを考えましても、これは相当に災害防止の大きな役の立てるのであります。今まで政府から出された法案でも、随分狹小な一部面の法律がよく出るのであります。もう少し全般的にやつたらいいじやないかと思うのに、ただ一つだけをその省の都合によつて出されるというようなことがありまするのに、大山委員から出されたこれが狹小であるというような考えによつて、これを云爲せられるということは甚だ遺憾であると思うのです。そういう意味から言つて、幾つでも拵えて、そうして最後にそれが纏まつたら綜合的な法律にしてもいいんじやないかという考えを一言申して置きます。
#12
○委員長(赤木正雄君) 他に御意見はありませんか……それでは質疑は大分進んだようですから討論に入ります。
#13
○門屋盛一君 私はこの法案の提出に対する動機と理由は、非常に結構なものであると思うのでありますが、併し次の諸点を考えまして、今直ちにこれをこのまま通すということについては、賛成できない。それは先程からも話がありましたように、この法案が非常に抽象的に失しておる。無論道路橋梁等に対して單行法を出すということは差支えないと思うのでありますが、單行法にしましても、問題は道路の構造とか、橋梁の構造に関することになつておるのでありますから、いわゆる技術的のことでありますから、今少し具体的な数字を以て指示すべき点が多いと思うのであります。同時に又法律として出ました場合に、この具体的の数字が、ただこれだけの正文から行きますと、何ら意味をなさないというのが多いし、又この解釈によりますと、現在の國の経済上から考え、非常に困る問題も起つて來る。尚第一條の工事の施行者というような曖昧の点もあります。実際にこの法律で行くとすれば、施工上に施行細則的なものを、つまり政令のようなものを附けなければ、これではいけない、單行法として出すならば、もう少し具体的に出さなければならない。非常に提案の趣旨には賛成でありますが、そういう意味において、一應御撤回願つて、今少し具体的な法案として再提出して頂いたらどうか。こういうふうに考えます。
#14
○大山安君 只今門屋委員が抽象的であるから、もう少し具体的にと、こういうような話、抽象的、具体的というその意味が分らないのです。この法案につきましては、すべての具体的なことは道路法によつて道路を施工する。又決議案を運用してこれに当篏めているという政府の意見なんです。然らばそのでき上り、包藏すべき法律は認めておる。更にそれを認めないというじやない。法律そのものなり、そのものはいずれも、仮に決議案でも、これは法律じやないです。ないが正しいものは法律である。正しいものは法律、善意り通る。これの立法に趣旨から……併し橋梁に対する保護ということについては、仮に決議案でも、これも必要である。それから道路法案もいずれも必要である。ただ現在の場合は、終戰前の法律をそのままにしてあるから、多分に軍事行動を主としたものがある。そういう所は認めはせんが、大体に今日政府が水害に対しても、御心配はないというだけの法律は全部認めておるが、それでは足りない。それを認める場合にはここに具体的必要がないのです。全部これを否認するという場合にはここに認めて書きます。これは道路に通水を設けなければならんという法律なんですよ。そうして災害を防止しなければならん。くどいことは一つもない。然らばその地方の状況によつて、適当に拵えなければならんというのが本法の趣旨なんです。ここに具体的なものを作るとしたならば、全部の法律を、つまりなくするという氣持でなければ現わせない。僕のこの法案に対する立法趣旨は全部認めておる。決議案も認めます。これは河川に架ける橋は完全に非常によく出來ている。併しながらこの法律は、河川というものは平素は有効なものではあるが、一朝増水があつた場合には危險物である。一触即発。現に昨年渡良瀬川はどういう関係によつて、ああいう被害を受けたのでありますか、あの被害は河川のためです。おの河川がなければ被害もあれ程でなかつたろうと思います。殊に私の考えでは、天から落ちたものを自然に散らす場合には、あれだれの被害はなかつたものと思う。そして上流以外は殆んど危險に接していない。危險に接しなければ堤防を築く必要がないではないか。河川はあつても、増水の場合は危險物であるから、その保護をするのは堤防がよかろう。そのためにはこの決議案もよかろう。併し他の部分をどうするか。その解決方法が現在までの道路法にあるか。ないところをここで立法する法案なんだ。これを故障したり、一日々々と延ばし、相成るベくは……これは実は昨年の茨城を視察して後に直ぐかかつたのてあります。それを緑風会にかけて、緑風会の決議によつて委員会と相談させようと思つて赤木委員長に委託した。こういう話になつたおる。併し今日こうだ、そうだの爭いより、すでに六ヶ月にもなる。委員会は、赤木委員長は何をしていたか。正しく緑風会の小野、岡部、その他二三人の者が赤木委員長に願つて、我々は法律家ではあるが技術も多少入るのだから、これは赤木先生は專門家である、僕は否認した。それは駄目だ、あの人は、今日までの周囲の事情を察して必ず眞面目にやつた呉れないぞということを申したら、いやそういうことはないだろう。よし信じて見ようといつた結果が……今日そうではないですか。これはこの委員会の四ヶ月も前に相談にかかる法案が、その結果今日のようになるのは当り前なんだ。君これは一日もこれも故障する者は明日にもこれは危險が生ずるんだよ。そんなヘボなことをいうんじやない、分つたか。
#15
○兼岩傳一君 私は先程からの政府委員、それから法制部長、專門調査員の報告に基いて、私はやはりこれは法律として行くのがいいというように考えます。その場合に二つやり方がある。水害防止法というような廣汎な水害防止の法案の内容に更にこれを高めるか、それとももう一つは、まだ幾つかあるでしようが、私は二つの提案をして、他の委員の御意見を拜聽したいと思いのです。一つは水害防止法という廣汎な水害防止法を作り、その際の幸い先程できた水害防止の小委員の方でもこれを纏められて、一つのもにの大きく、つまり川上部長の向われたところの廣汎なものに纏めて、そうして法律で出して行く。これが一つ。もう一つは、大山委員の出していられるのは、如何にも私が見ても抽象的だと思います。ところが、一方政府委員の方で提出されたのは、非常に具体的であり、且つ技術的であるから、私はこの水害防止のたるの橋梁に関する法律案というような形で、大山委員の出されました法律に対する内容は、昭和十年九月に土木会議に諮問して決められました水害防止協議会の案を内容として一つの法律案に纏め上げて出す、どちらがいいか、私はその二つの形で出した方がいいという、その出した方がいいという意見については、私は平沼委員の説に賛成いたします。
#16
○門屋盛一君 私もこの法律で扱かうということに対しては、平沼委員、兼岩委員の説に賛成いたします。それから大山委員の發意と提案理由に全幅的に賛成する者でありまして、先程大山委員の説明を聽くと、橋梁でなしに、道路の通水構造に対して重きを置かれておりますが、成る程道路の工事を見ましても通水構造がない、それがために大きな被害を受けるということが考えられるのでありまして、これを法律案として出される意思に非常に賛成する者でありますか、どう考えて見ましても、このままで通過させるということは、その及ぼす影響なり、又実際の運用上に抽象過ぎて困る。今、兼岩委員の言われましたように、道路橋梁の通水構造に関する決議事項、政府から出されました決議事項として、又今までの道路構造令というようなものに、更に大山委員の意見等を附加えまして、これが一つの政令や申合せでなく、法律として決めるべきものであるということは賛成でありますけれども、この法律案の取扱上、まだ今後に相当のひ日を置きまして、本委員会で修正案として扱うかどうかということを考えますと、非常に修正の方が大きくなり過ぎますので、これは大山委員に大乘的見地で一度御撤回願つて、完全な案にして御提出願つた方がいいのじやないかと思つて撤回説を述べたわけであります。要約して言いますと、法律案で出すということは賛成です。ただ内容をもう少し具備したい、こういうことであります。
#17
○平沼彌太郎君 私が先程申上げましたのは、要するに今度水害に対しまして、道路橋梁が非常に害をしておるという、そういうふうな具体論から申上げたので、大山議員の出された法律案の内容については全然別問題の感じを持つております。只今いろいろ各委員からもお話がありましたように抽象的であり、殊になかなか法律とすれば他の法律との関連性もありますししますから、なかなか議員一人ぐらい幾ら考えても、專門家でありませんから、眞に纏まつたいいものはできつこはないのでありますから、今おつしやつたように、大山議員に案を一度撤回して頂いて、十分いろいろな方面を勘案した、いいものにして出して頂くような工合に私も希望します。
#18
○大山安君 この法案は、皆さんにまだお傳えしない方があつたかと思いますから、ちよつと申述べて見ます。これはGHQの方へ出しまして、相当檢討をして呉れましての結果、○Kということになりまして提出いたしたものでありますがね。その点を御了承願いたいと思います。撤回ということは、勿論これを撤回する場合には、私のみならず國民としましても、今後の防衞上一日も早く確立すべき完全な法律を適用して、完全な防衞をしたいということはここで申すまでもなく望むところだと思います。そうしてこれはどうしても撤回という意思がないということと、それから抽象的とよく申しますが、先程の私の話で大体お分りになつたと思います。明細については全部道路法によつて規定いたしてある。通水構場に関する法律案である。これは道路法をよく調べればよく分るのでありますが、これに具体的に水を入れる、何寸何尺というようなことを入れるとしますれば、その土地によつて道路は流水面、つまり水面より一尺高くとか、以上とか、或いは実際においては一、二尺の所もあるだろうし、又六尺以上も地盤より高い所もあるでしよう。これは水を入れた場合には、何寸何尺ということを入れたならば、又入れるといても、やや今日すでに十年も二十年も先の道路を作る個所の設計をしなければ分らない。どういう道路ができるか。で文字を入れずに、その点はこの法で縛らない。法は大きく範囲を、つまり内容とすべきが法律である。而してこれを設計する場合には、土地の状況によつて、その設計に多少自由裁量をするというような範囲を置かなければ極めた不円滑になる。結局前の道路法を訂正するとか、本法案を訂正するとか、いずれかどつちかの法律を、例えば政令としてどつちも規則であるから、どつちを無視することもできず、又どつちを双方綜合して当篏めるという場合には、一つものもがその地方の事情によつて成立たないという事情の下に、具体的ということにしないのです。すべての具体的、或いは道路法にある穴を開けるなんということが、通水路に完全な穴を開けるという法律があれば、それに通水をさせる適当な穴や柱はその土地の状況によつて、そこで設計もし、計画も立て、実行もするこういうことになるわけであります。法律はですね、とにかく法律は範囲を廣く、有益なものは成るべくどこまでもそれに出して、有益に、國家のためにすべきで、これが法律の趣旨である。でありますから、今日の道路法案もこれは全部認めております。ただ足りないのは、本法に立法すべき内容が足りないから、ここにおいて立法する。又綜合的という場合には、先程平沼委員が申されました通水だけでは話になるものでないです。我々が委員会でそれを皆纏めるということはとても困難だろうと思います。それをできないことを理由として、最も有効なるこの法律案を撤回とか、或いは必要がないというのは、今日何のために口に出して、この被害を叫んでいるか、國民に何で苦しみをかけているか。これらは僕が出すより早く、ああいいものであると言うて、國民を救つて呉れる、國家を救うというのが、これは皆さんが常に口で言うこの災害を何とがしなければなちん、何とか対策をしなくちやならんという、口に副うところの氣持であるが、これこそ撤回するときは、口は南無阿彌陀佛、心は何じや……。よく昔は言いました。職人は「破れろ、壊われろ、旦那は繁昌、壊わさなければ仕事がなくなる。」と待つておる者も、現在のこの新らしい國家の中にあるかも知れない。併しそれはこの新らしい國家を建設しようとして、國民の代表となつて來られた方の氣持じやないだろうと思います。從つてこれは通して頂きます。
#19
○北條秀一君 大山委員の提出された法律案について種々討議されておるのでありますが、この法律案を提出されんとした趣旨については、各委員ともすでに異論のないことは分つておるところであります。ただ法律案の内容について可なり不備な点があるというところに、各委員の賛成し難い理由があると私は考えるのであります。併し水害対策につきましては、すでに第一回國会におきまして、我々委員会が水害対策に関する決議案を出した程でありまして、現状の水害対策に関するあらゆる問題が極めて不備である。勿論昭和十年に土木会議が道路通水構造に関する決議案を作りまして、水害対策を今日まで実施して來たのでありますが、而も十ヶ年間の実績において尚不案な点が多々あるというところに、大山委員のこの法律案を提出された趣旨があることは、我々はよく了解するのであります。從いまして先程門屋委員及び平沼委員から提案されましたように、この法律案を撤回するかどうかということになりますと、大山委員にも非常に異論がありまして、先程來熱弁を振われておるところであります。從つて提出された法律案を、これは單に大山委員の考える法律案でなしに、國土計画委員会としてこの問題を取上げて、どうしてもこういう法律案を作る必要があるという現状は、すでに各委員が承認されておるのでありますから、この法律案をより早く完備するということが最も必要であると考えるのであります。從つて撤回するのではなしに、この法案を本委員会において最も合理的、且つ積極的な水害対策に必要なる法律案を作り上げて行くというのが、我々の取るべき態度でないかというふうに考えます。從つて先程兼岩委員からも若干これについて敷衍があつたのでありますが、水害対策の小委員会を我々は作つておるのでありますから、改めて大山委員の提出の法律案を、以上の研究の成果をつけまして小委員会に付託して、この法律案を、内容を現状に即するように整備するというふうに扱うことがよいのではないかというふうに考えております。大変時間をとれますので、可なり今日まで長い間研究して参りましたが、今日は最後の委員会と考えますので、私は以上の意見を申述べまして、この法律案の処置を最後的に決定されんことを希望いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#20
○委員長(赤木正雄君) お諮りいたしますが、今の北條委員、又先程は兼岩、門屋、平沼、各委員からのお話がありますので、この法律案にもう少し敷衍して檢討したらいいじやないか、こういう御意見がありますから、この際審議未了にしておきまして、一應研究する、こういうふうにしたらどうでしようか。
#21
○兼岩傳一君 今の北條委員の提出の方を諮つて貰いたいのですが……。
#22
○門屋盛一君 今北條委員のお話のように、我々としてもこれはちよつと修正に相当時間を要するから、撤回ということを言い出したのです。この前できました水害対策の小委員会、あの方に廻して正修案を練つて見るという意味で審議未了にする。
#23
○北條秀一君 それは審議未了でなしに、本委員において十分研究した結果、改めて、これは先程水害対策の小委員会を作つたわけですから、その小員会において專門的に研究して、早急にこれの成果を挙げるという取扱いをすべきだというのが私の意見なのです。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(赤木正雄君) 水害対策の小委員会に、これを付議して研究して貰うということに御異議ございまんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(赤木正雄君) ではさように取計らいます。
#26
○大山安君 ちよつと政府の方に、前回に道路法及で決議案によつて執行し、監督しておるものであるから、水害に対する心配がないというようなことを申されたのですが、政府としては、実際にそういう意見を持つておるかどうか、その点……。
#27
○政府委員(伊藤大三君) 政府といたしましては、実は河川法によりまして、いろいろ工作物を設ける場合につきましては、必ず河川管理者の許可を受けることになりまして、その許可には、重要なものは更に建設院総裁の認可を受ける。こういう恰好になつておりまして、それでその標準を、大体今作つておりますような基準によりまして、そうして特に監督いたしております関係上、ただ表には出てはおりませんけれども、実際の施行には支障ないように解されます。
#28
○委員長(赤木正雄君) では本日の委員会はこれで終ります。
   午前十一時三十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     赤木 正雄君
   理事
           原口忠次郎君
   委員
           島田 千壽君
           石坂 豊一君
           平沼彌太郎君
           門屋 盛一君
           田中 信儀君
           大山  安君
           北條 秀一君
           兼岩 傳一君
  政府委員
   建設院技監   岩沢 忠恭君
   総理廳技官
   (建設院水政局
   次長)     伊藤 大三君
ソース: 国立国会図書館
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