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1947/04/02 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 治安及び地方制度委員会 第8号
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1947/04/02 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 治安及び地方制度委員会 第8号

#1
第002回国会 治安及び地方制度委員会 第8号
昭和二十三年四月二日(金曜日)
   午前十時四十四分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○國家消防廳の運營竝びに新消防團令
 に關する件
○第三國人の犯罪に關する件
  ―――――――――――――
#2
○理事(中井光次君) それではこれから本日の會議を開きます。本日は第三國人の犯罪に關する件、國家消防廳の運營に關する件、新消防團令に關する件、消防法に關する件、竝びに地方財政委員會の委員選任に關する事柄につきましての御發言があるのでありますが、先ず國家消防廳の運營竝びに新消防團令に關しまして、政府委員の御説明を求めます。
#3
○政府委員(荒井茂司君) 私、消防組織法の制定に伴いまして、國家公安委員會から任命を受けました荒井と申します。今後いろいろと御指導、御援助を受けなければなりませんので特別によろしくお願いいたします。
 只今までにおける國家消防廳の設置状況の概況を申上げます。
 去る三月七日に、國家消防廳は消防組織法の施行と共に開設されまして、そしてその人的構成は、お手許に差上げました國家消防廳規程第一號にありまするように、長官、研究所長及び監理局長の外、二級事務官九人三級事務官十五人、二級技官十一人、專任三級の技官十二名、教官は二級が二人、三級が三人、合計五十五名の官吏であります。この外に雇傭人、嘱託等を合せまして全部で百三十名の定員と相成つているのであります。これらの要員の充足でありますが、これは從來の警保局の消防課に勤務いたしておりました者が三十名程ありまするので、その外の者の新規採用をいたしました。新らしい國家消防廳の任務に鑑みまして、できるだけ優秀な人材を採用するという方針の下に整備をいたしております。そうして三月中は、年度變りの關係もありまするので、これらの人員を整えると共に、新らしき出發に備えて仕事の準備を整えて行く、そういう方針の下にやつて參つたのであります。
 從いまして只今のところ、これというて目星しい仕事をまだやるまでの段取に至つて參りませんが、今月以降の會計年度の移りますると共に、積極的な仕事を取進めまして、法律に規定されておりまする使命を果すべく努力いたしたいと考えております。現在特に力を入れておりまするものは、この消防關係者の被服その他の消防資材の不足が相當に甚だしい現状に鑑みまして、これが斡旋をいたしております。特に消防團員の被服等は極めて不足しておりまするので、これを斡旋すべく努めましたところ、十四萬人分のものが本年度の第一・四半期において配給され得る見込がつきました。その他消防用のガソリン、ホース等の斡旋をいたしまして、この器材の整備をいたしたいと考えております。
 更に消防職員に對する教養の問題を努めておるのでありますが、これは東京に消防講習所を開きまして、一囘百名ずつ、二ヶ月の期間を以ちまして、消防指導員の職員を眞つ先に始めたいと考えております。勿論二ヶ月の期間でやるというのは相當貧窮で、内容において缺くるところがあるのではないかという懸念もございまするので、それは今後の運用によりまして逐次内容を充實いたしまして、そうして中央の消防職員の養成機關として恥かしくないものをやつて參りたいと考えておる次第であります。尚研究所につきましては、消防に關する技術的な研究をこれからやるところでありますが、これには設備等を相當準備いたして掛らなければなりませんので、その準備をいたしております。本年度の本格的な豫算がまだ決定しておりません關係上、その準備も十分に進捗をいたしておりませんが、技術的な研究の準備を進めておる次第でございます。
 尚國家消防廳の外に、消防制度の改革に當つての概況を申添えて置きたいと存じます。消防組織法が前の國會において成立いたしましてから、内事局におきましては、それが移管の準備に著手いたして、先ず官設消防につきましては、これを市町村に移管し、且つ道府縣ではその主管部を警察から引離しまして、總務部に主管替えをいたしまして、即ち警察から分離獨立する態勢を、逐次消防組織法の施行前におきましても整えて參つたのであります。内事局におきましては、二月の十日に國家消防廳設立準備事務局というものを設置いたしまして、定員、豫算等融通のつく限り、法實施に當つて混亂の起らないように措置して參つた次第であります。從來官設消防署の數は全國で百三十七ヶ所、常備消防署の數は二百三十七ヶ所でありました。制度の改正の際に、消防署の新設整備せられたものも相當ありまするので、現在消防署の數は四百を超えるものと考えております。ただ現在は消防組織法の施行後の過渡的現象といたしまして、地方財政が確立いたしておりません關係上、消防に要する經費負擔が從來通りに相成つておりまするので、地方では相當困難をいたしておると存じます。かようにいたしまして順序を進めましたので、三月七日の法實施に當りましても、その移管は割合圓滑に進めることができた次第であります。
 次に消防團令の改正について申上げます。消防組織法の實施と共に、消防團令の改正の必要が當然に認められたのでありまして、從いまして法實施の日を以て消防團令の改正を行うべきであつたのでありますが、諸種の關係からいたしまして、それが遅れまして三月二十四日附を以て価防に關する改正政令が公布になりました。
   〔理事中井光次君退席、委員長著席〕
 改正政令の要點を申上げますと、消防團の目的及び消防團の任務は、從來の通りでありまするが、次のごとき點において變つておるのであります。
 第一に、消防團に對する指揮監督の權限は、從來警察部長若くは警察署長にありましたのを、今囘警察からこれを分離いたしまして、市町村長又は消防長、消防署長に移すことになりました。
 第二に、消防團の設置及びその組織内容というものは、從來團令におきまして定めて一定しておつたのであります。特に市町村は必ず消防團を設置しなければならんことに規定せられておりました。それを今囘の改正によりまして、消防團の設置竝びにその組織というものは、市町村が十分にその消防責任を果し得る以上は、自己の判斷によつてこれを適當に決定する、さように改められたのであります。即ち消防團令の新らしい第二條におきまして、市町村は、消防團を設置することができるというふうに定めまして、他の消防組織、消防施設等が十分である場合には、必ずしもこれを強制しない、さようなことに相成りました。勿論これは他の消防組織が完備しておる場合だけのことであるのは申上げるまでもない次第でありまして、かように消防團令が改正になりましたからというて、市町村が漫然と消防團を廢止するがごときことは、消防組織法の規定から申しましても、改正の趣旨ではございません。このことにつきましては、十分にその趣旨の徹底を期しまして、そうして運營上遺憾のないようにいたしておる次第であります。又消防團の組織内容につきましては、從來消防委員會の設置或いは消防團の役職員の名稱とか、その職務權限を相當細かく規定いたしておりましたが、今囘はこれらの規定を廃止いたしまして、原則として市町村が實情に即した條例を定むることによつて、適當に且つ自主的に運營のできるように相成つたのであります。即ち全國盡一的な組織の態勢を廢しまして、實情に即した實際的な、自主的な活動力を期待いたした次第であります。
 第三の改正の要點といたしましては、監督規定を廢止いたしまして、市町村の責任のある措置に委せたのであります。即ち、從來ありました條例に對する、府縣知事の認可權というものを止めまする外、知事の消防團事務を監察する權限を廢止いたしました。
 大體以上の通りであります。そして、消防の責任が市町村の責任に相成つたのに鑑みまして、市町村はできるだけ自由にその責任を果すことができるように相成つた次第であります。
 以上極めて簡單でありますが、御説明申上げました。
#4
○委員長(吉川末次郎君) 只今までの説明に對しまして、御質疑のある方はお述べを願いたいと存じます。
#5
○岡本愛祐君 只今御説明のありました消防團令について、ちよつと一、二質疑をいたしたいと思います。
 第一は、この第一條に、「消防團は」云々とありまして、「水火災の豫防、警戒及び防遏、水火災の際の救護、竝びにその他の非常災害等の場合における警戒」、この「その他の非常災害等の場合における警戒」と、こうあるんですが、「その他の非常災害」というのは、地震とか何とかいうことで分つておりますが、「災害等の」というと、尚災害より範囲が廣いように思うが、これは消防組織法の第一條と照して見ますと、消防組織法の一條は、「消防は」云々とありまして、「水火災、又は地震等の災害に因る被害」とこういうふうに水火災又は地震等の災害に限定してあります。ところが、この消防團令の第一條では、「その他の非常災害等の」とありまして、非常災害が範圍が廣い、このように見えるのであります。これはどういう意味であるかという點を伺つて置きます。
 それから第二は、只今御説明のありましたところによりますと、市町村は必ずしも消防團を設置する必要はない。但しこの必要を要しない場合は、他の消防機關が完全な場合のみであつて、その他の消防機關が完全でない場合には、必ず消防團を設置しなければならないというふうに精神解釋して、そういうふうに指導しておるというお話のように承わりました。併しこの第二條では、そうは讀めないのでありまして、「市町村は、その消防の責任を十分果すために必要があるときは、消防團を設置することができる。」、それで殆んど村によりますと、火災は十年に一遍くらいしかない村があります。十年も二十年もないという村があるのであつて、そういう村が認定をして、消防なんか要らないというときには、消防團を設置しなくてもいいような規定に、この二條が讀めるように思うのであります。それは「消防の責任を十分に果すために必要があるときは」ということでは、今おつしやいましたような意味が表現できないように思うのでありますが、それはどうでありましようか。又それでは、その市町村が消防團を設置することが必要だ、必要でないと、こういうふうに認定するのは、誰が認定するのであるか。市町村長が認定するのであるか、或いは市町村の普通の意思決定に基いて、議會の議決を經るものか。その點がさつぱり明確でありませんが、それはどういうようにお考えになつておりますか。
 それから第六條でありますが、第六條に「消防團に市町村條例の定めるところにより、所要の役職員をおくことができる」、こうありますが、この役職員を任命するのは誰でありか。又免ずるのは誰であるか。その條文が缺けておるように思います。そういう點を伺つて置きます。
#6
○政府委員(荒井茂司君) お答えいたします。第一の「その他の非常災害等の場合における警戒及び救護」というものが、消防組織法の第一條に規定する消防よりも、消防の任務とするところも廣いではないか、という御質問でありますが、これは大體の目的なり任務とするところは同樣であると考えるのですが、消防團がその義勇消防という觀點もありまして、多少のズレがあると私共も考えます。そうしてそのズレがあるのがよろしくないかどうかということは、只今御指摘を受けまして、今後再檢討を加えたいと思うのでありますが、これは暫く研究さして頂きたいと思います。
 第二點の、第二條の、市町村は消防團を設置することができるというのは、私が先程申上げました他の設備、組織等が、市町村に課せられた消防責任を十分に果すことのできないような場合には、やはり設置することが必要だという解釋であるのに對するものでありますが、私はこの規定は、消防組織法の第六條及び第九條と相關連して解釋すべきものでありまして、そうして消防組織法の第六條に「市町村は、當該市町村の區域における消防を十分に果すべき責任を有する」というふうに規定せられ、又第九條に、市町村の消防事務を處理するため、市町村に、消防團の外、これこれのものを設けることができるというふうに規定せられておりまする以上は、第二條の實現方法がかようになつておりましても、やはり責任を持たせられておる以上は、消防團の設置の外、何か十分に機能を果すべき機關のない場合には、設置するのが當然であると、さような解釋になつて來ると存ずるのであります。尚誰れが市町村において消防團を設置するかしないかを判定するかという問題は、これは市町村條例によつて定むるべきものかと存じます。又消防團の役職員の任命は條例に定むるところによつて、市町村長が任命するものという解釋であります。
#7
○岡本愛祐君 私は從來の消防團というものが、その市町村の義勇團體といたしまして、市町村内に起りました水火災又は地震等の災害は勿論、その他の非常事件に際しまして、義勇奉公の精神を以て防備に當る、警戒に當るということは、當然であり又非常に結構なことだと思うのであります。併しこの消防組織法というものができまして、その法律を土臺として消防團というものが性格を新たにしたと申しますか、新たに規定をされまして、第九條に「市町村に消防團の外、その必要に應じ、左に掲げる機關の全部又は一部を設けることができる。」と、こういうふうに規定せられてあります。そこで今後の消防團というものは、飽くまでこの消防組織法による消防をやる團體である。今までの團體とは性格が少し違つて來た。こういうふうに言えるのであります。それで若し消防團に、從來通り災害以外のことをも持たせようとするならば、これはやはり法律によるより仕方がない。それでこの消防團の規則を、これを政令にしないで、消防團法というものの設置が必要ではないかということを私は考えまして、そしてその場合、消防組織法ができましたときに、消防團法というものを速かに作らなければいけない。若し政府で作らなければ國會で立案をする用意を持つておる。こういうことを申上げたのであります。ところで過般官報で消防團令という政令ができたことを知りまして、拜見しますと、やはりそういう食い違いが出ておる。それのみならず、この第十條に「消防團に要する費用は、市町村の負擔とする。」、この市町村の負擔というようなことを、一片の政令で決められるかどうか。私はやはりこれも法律事項にされたいと思うのであります。こういうような破綻を私は來しておるのじやないかと思うので、尚私の方でも研究いたしますが、政府の方でも、その點を研究されたのかも知れませんが、もう一度研究をして頂きたい。こういうふうに思つております。
#8
○委員長(吉川末次郎君) 岡本君は答辯は要りませんね。
#9
○岡本愛祐君 よろしうございます。
#10
○委員長(吉川末次郎君) それでは次の議題に入ります。
#11
○中井光次君 委員長、ちよつと待つて……。私は少し變つた、水火災の豫防、警戒及び防遏、その水災の問題についての消防團令の決め方では困りはしないか。いわゆる現在大きな川の沿岸の水災防備に任じておりまする水防組合等でありまするが、これは從來は消防團とは別に組織されて、例えば江戸川沿岸とかというものにあるのであります。水災の防遏のためには、提防の防護ということの日頃の訓練、設備ということが必要で、これは普通の消防とは違うと思うのであります。今後におきましては、この消防團がそれを取扱うということになるといたしまするというと、區域を市町村に限るということは適當でない。何となれば、川は蜿蜒として數市町村を縫うておるのでありまして、その連絡統制ということが必要でありまするし、又その技術といたしましても火災とは違うので、又設備資材にしましても違う、訓練の方法も違うのであります。現實の状態は水防組合の大多數は消防團員でありまするけれども、これとは違つた性格を持つた組織とやり方によつて、この水災の防護に當つておるのであります。或いは起つた際における警戒、いろいろなことに當つておるようなわけであります。その點につきましては消防團令との關係は全く別個のものである。この條文を見まするというと、消防團によつてこれを處理せしめるというようなことになつておるようでありますが、どういう御見解を持つておられますか、一應伺つて置きたいと思います。
#12
○政府委員(荒井茂司君) お答えをいたします。これは消防團は勿論水災のありました場合においても活動のできますることは、第一條によつて明らかな通りでありますが、尚市町村だけの場合を原則として考えておる。消防團の活動が水災等の滋常事態に足らざることもありまするので、私共は次のようなふうに解繹をいたしておるのであります。消防組織法の第二十四條に「消防及び警察は、國民の生命、身體及び財産の保護のために相互に協力をしなければならない。國家消防廳、国家地方警察、都道府縣知事及び市町村長は、相互間において、地震、颱風、水火災等の非常事態の場合における災害防禦の措置に關し豫め協定することができる。」、かような法律の趣旨から申しまして、相當の災害の豫見せらるる場合におきましては、關係の市町村長等におきまして、適當なる協定を結ぶことによつて消防團の水火災の場合にも活用することができる。かように考えておるのでございます。
#13
○中井光次君 現實の事實は、例えば淀川の實例に基きますると、右岸全體の組合、左岸全體の組合ができておるのであつて、それが一人の指揮によつてやられないというと、時々の協定などではできない状態であると思うのであります。それを消防團の水災の防遏ということの責任を負うのであるならば、もつと明確なることにいたさないと、むしろ現在よりも最悪の状態になりはしないかということを私は虞れるので、この點を明確にして頂きたいと思うのであります。
#14
○草葉隆圓君 二、三の點について只今の説明に基きまして御質問申上げます。只今中井委員からも質問がありましたが、この災害救助法との關係において、消防團令の第一條の救護というのとどういうふうに關係しておりますか。災害救助法では、府縣知事が或る組織を平素から持つてない。そうして災害の起つた場合救護に當る。この消防團の指揮監督は七條に、消防本部を置きまする市町村では、消防團は消防長なり或いは消防署長が行動をする、その管下に置くことができて指揮をする。その他の消防本部を置かない市町村はどういうふうになるのか。先の災害救助法の場合においては、府縣知事がそれらの組織の中に入つた者を指揮監督することができまするが、消防團はそういう場合においては、消防團に對して府縣知事は指揮監督をすることがどこにもできない状態である。そうすると只今のお話は、平素からの警戒の場合のお話でございますが、救護の場合においても同様なことが起つて來ますので、この點も伺つて置きます。
 それから第十條に費用は市町村の負擔となつておりまするが、從來もそうであつたのでありまするけれども、昨今も相當寄附は始めておるようでございますが、消防團の費用に對する寄附については、どういうお考えをお持ちになつておりますか。その點を一つ……。
#15
○政府委員(荒井茂司君) お答えいたします。この水害その他の場合におきまして、消防團を如何に活用させるかというのは、消防團令及び消防組織法によつて規定せられたものと私共考えておるのであります。それでありますので、消防の任務というものを火災から保護すると共に、水火災、又は地震の災害による被害を輕減することを以てその任務とするという、その言い廻し方で感ぜられるように、先す第一義には火災、それに併せて、この水災、地震等の非常火害の被害輕減という建前を消防が取つておりまするので、御指摘になりましたような、水災の場合の積極的な豫防措置が消防團令においては十分でないということは私も全く同感であります。水災等の非常災害に備えて積極的な力強い豫防法を講ずるということは、今後の問題として眞劍に考えなければならんと考えておりまするが、只今までのところ消防というものは火災を第一、そうしてそれに併せて非常災害の時におけるその豫防その他の活動というふうに相成つておるわけであります。
 それから救護の點につきましては、救助法に定められておりまするような救護事務を、消防團においても實際は擔當することができるのでありまして、その場合におきましては府縣ごとに設置せられる救護組織の一方面を消防團が擔當する。そういう状態に相成るのであります。
 それから消防團に要する費用は、市町村がこれを負擔するというのは、消防組織法の第八條の「市町村の消防に要する費用は、當該市町村がこれを負擔しなければならない。」、これに應じた規定であるのでありまして、市町村に新らしい義務を負わせたものではないというのが、私共の今までの考え方であつたのですが、先程御指摘になりましたように、消防團の任務というものと消防組織法の任務の範圍というものが、嚴格に果して一致するかどうかということは、再檢討しなければならん關係がありまするので、これは後刻研究を要するものと存じます。
 それから市町村の消防に要する費用を寄附金等によつて賄うことについて、どういう考えを持つておるかというのでありますが、消防組織法の趣旨とするところを推測いたしますと、市町村費を以て市町村の消防に充てるのを原則とするというのが趣旨でないかというふうに私共は考えております。ただ現在の市町村の財政状況等に鑑みまして、必ず市町村費を以てこれを賄わなければならんということは、實情に適するかどうかということについては問題でありますけれども、原則としては市町村が市町村費を以て負擔する。そうして例外的には、現在の實情からして寄附金を取るのも又止むを得ないのじやないかというふうに考えておる次第であります。
 それから消防本部を置かない所の消防に關する指揮の權限でありますが、これは全部市町村長が持つことに相成ります。
#16
○中井光次君 もう一遍くどいですが、端的に申上げて見ますと、つまり消防團が責任を以て水災の豫防、防遏に當るのであるか、それができない、或いは今おつしやるように第二義的で、依然として他の水防組合のごときものを以てその責任に當らしむるつもりでありまするか、この點が端的に申上げますれば、伺いたい點なのであります。消防團をして、消防によつてこれを行わしむるというのであれば、從來の水防組合の組織、設備、技術その他いろいろの點について餘程考慮を要すべき點があると思われるのであります。
#17
○委員長(吉川末次郎君) 答辯御要求になつておるのですね。
#18
○政府委員(荒井茂司君) お答えいたします。消防團は、水災等の組織といたしました私は唯一のものではないと考えます。言葉を換えていいますと、水火災の組織として排他的に消防團のみを以て當てるというのが趣旨ではないと考えます。從いまして他に適當なる水火災に對する措置といたしまして、別のものを作ることは差支えないものだと考えております。
#19
○委員長(吉川末次郎君) それでは次の議事に入ります。先の委員會におきまして、第三國人の犯罪に關する件につきまして、政府説明員の答辯を求めましたところ、答辯が不十分でありましたので、辻國家公安委員長より右についての答辯を求めることになりました。右についての質問をお出しになつた方は、中井委員、岡田委員等でありますが、右委員の方々の御質問の要旨を、文書を以て要領を書きました、國家公安委員會の方へ提示いたしてある筈であります。それでその質問の要綱として、文書を以て提示いたしましたものを、專門調査員より一度朗讀して貰いたして思います。
#20
○専門調査員(上原六郎君) 先般の委員會におきまして、中井委員、岡田委員から質問せられました要旨を、文書を以て國家公安委員會の方へ提出いたして置きましたので朗讀いたします。
 第一は、第三國入の經濟違反に關する取締は、内地人との間において一般的に差別がないものと認むるがどうかという點でございます。
 第二は、第三國人に對する經濟違反取締が甚だくし徹底を缺きつつあることは、(例えば統制衣料品、食料品等の販賣等において)これは殆んど公知の事實であるが、當局はこれが事實の調査をしたことがあるか、若しこれらの事實ありとせば、その取締が緩漫であつて、殆んど放任の状態にあるごとく認められる原因はどこにあるかということであります。
 第三は、東京、大阪、神戸、横濱等における第三國人經濟違反檢擧件数及びその内容。
 第四は、若し實際問題として第三國人の經濟違反取締が特に困難な事情があらば、その事情竝びに今後の對策につき説明を求める。
 以上であります。
#21
○委員長(吉川末次郎君) 辻國家公安委員長。
#22
○政府委員(辻二郎君) 私からお答え申上げます。
 第三國人の問題につきましては、中國人と朝鮮人とを別個に考えなければならない。中國人は連合國人でありますからして、これに對しては、現在取締の權限がないことになつております。朝鮮人に徊しましては、内地人と全く同樣な取締をいたすことができるわけであります。御質問の詳細な點につきましては防犯課長からお答え申上げます。
#23
○委員長(吉川末次郎君) 防犯課長の答辯はこの間あつたのですが、それで滿足が行かないというので、國家公安委員長及び齋藤國家公安警察本部長官の御出席を求めたのですが……。
#24
○政府委員(斎藤昇君) 先般防犯課長がお答えをいたしましたことにつきましていろいろ御不滿の點があつたようであります。この點は遺憾に思ひますが、當日準備をいたしておりませんでした關係上御不滿の點が多かつたのであろうと思うのであります。細かい點は、若し御質問がありますれば、取締の實際の状況につきまして防犯課長から説明をいたさせます。
 大綱は只今辻公安委員長から御説明をいたしましたように、中國人に對しましてはジユリスデイクシヨンがございせんので、專ら連合軍のM・Pの取締の權限になつておるのであります。ただ日本の警察官はその補助として行うということに相成つております。從いまして日本の警察官が捜査をいたしますにいたしましても、殊に逮捕というようなことになりますれば勿論のことでありますが、M・Pの指揮を受けなやらなければならんということに相成つておるのであります。逮捕の場合は、M・Bの方で逮捕状を貰つて、それによつて逮捕をするということになるのであります。こちら側だけの捜査では何とも致し方がないのであります。勿論M・Pの方との連絡は密にいたしまして、むしろ積極的に日本側の警察官からM・Pの方に働きかけるという實情でありまするが、併しながら何といいましても、只今のような法規關係になつておりまするので、實際の取締には困難が多いのであります。ちよつと速記を止めて。
#25
○委員長(吉川末次郎君) 速記を暫く止めて下さい。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(吉川末次郎君) 速記を始めて。
#27
○政府委員(斎藤昇君) 朝鮮人につきましては、これは日本人と同樣の取締に服することに相成つておりまするので、日本人と何らの區別なしに取締をいたしております。ただ朝鮮人……。
#28
○委員長(吉川末次郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#29
○委員長(吉川末次郎君) 速記を始めて。
#30
○政府委員(斎藤昇君) 具體的にいろいろ御質問に應じまして、私なり、又細かい點は課長からいろいろ數字その他を調べて持つて來ておりますから、御答辯を申上げてよろしいと思います。
#31
○委員長(吉川末次郎君) 中井さん、岡田さん今の答辯に對して御質問ありますか。
#32
○岡田喜久治君 ちよつと速記を止めて下さい。
#33
○委員長(吉川末次郎君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#34
○委員長(吉川末次郎君) 速記を始めて。本日はこれにて散會いたします。
   午前十一時四十五分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     吉川末次郎君
   理事      中井 光次君
   委員
           羽生 三七君
           大隅 憲二君
           草葉 隆圓君
           岡田喜久治君
           岡本 愛祐君
           柏木 庫治君
           駒井 藤平君
           阿竹齋次郎君
  政府委員
   國家公安委員長 辻  二郎君
   國家地方警察本
   部長官     斎藤  昇君
  説明員
   國家消防本部長
   官       荒井 茂司君
ソース: 国立国会図書館
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