くにさくロゴ
1947/04/07 第2回国会 参議院 参議院会議録情報 第002回国会 治安及び地方制度委員会 第9号
姉妹サイト
 
1947/04/07 第2回国会 参議院

参議院会議録情報 第002回国会 治安及び地方制度委員会 第9号

#1
第002回国会 治安及び地方制度委員会 第9号
昭和二十三年四月七日(水曜日)
   午前十時五十八分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○警察法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(吉川末次郎君) これより委員會を開會いたします。
 本日は、警察法の一部を改正する法律案の審議にこれより入りたいと存じます。まず國家公安委員會の警察本部長官である齋藤政府委員より提案理由の説明をして貰うことにいたします。
#3
○政府委員(斎藤昇君) 只今御審議に上程せられました警察法の一部を改正する法律案につきまして、便宜私から御説明を申上げますれば、警察法は施行になりましてから一ケ月にしかならないのでございまするが、その後の施行の状況等に鑑みまして、この度國家公安委員會の地位を高めますると共に、市町村の公安委員の職務の一部につきまして、その範圍を明確にいたす必要が生じましたので、本案の提案をいたしたような次第でございます。その第一點は、警察法の第九條におきまして、「委員は檢事總長の俸給に準ずる報酬を受ける。」ということに現行法は相成つておるのでありまするが、本法制定後法務總裁の職務が設けられました關係からいたしまして、國家公安委員は法務關係の最も上位にある國家機構の構成者と同樣の報酬を拂う必要があるという見地からいたしまして、これを「法務總長の俸給に準ずる」云々というように改正をいたしたいと思うのであります。第二點は、同じく第四十八條におきまして、市町村の警察長は、市町村公安委員會に定める基準によりまして、市町村の警察職員を任免することになつておるのでありまするが、この公安委員會の定める基準と申しまするものは實際漠然といたしておりまするので、これを市町村公安委員會の承認を得て、市町村の警察職員を任免をするというように改正いたしたいと存ずるのであります。これによりまして市町村公安委員の職務の範圍が明確になりまするのみならず、警察の民主化の根底でありまする人事につきましては公安委員の承認を得るということは、民主化の根本に更に副う所以であると、かように考えた次第でございます。
 どうぞ十分御審議を頂きまして、適當なる御決議を願いたいと思う次第であります。
#4
○委員長(吉川末次郎君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(吉川末次郎君) 速記を始めて下さい。苫米地内閣官房長官がお見えになりましたが御多忙ですので、只今の齋藤長官の提案理由の説明に關連いたしまして、先ず内閣官房長官に對する御質疑がありましたならば、先に官房長官に對して御質疑願いたいと思います。官房長官に對して御質問ありませんか。
#6
○岡本愛祐君 私は國家公安委員が極めて重要な國務に當つておられるということはよく了承しております。併し法務總裁は、現在の制度におきまして、國務大臣を以て充てることになつております。而も法務總裁の方はこの國家公安委員よりも範圍の廣い重要な事務を澤山お持ちになつておる。國務大臣として國會に出ていろいろ御答辯なさる。まあ一つずつの職務の重要性を取上げて見れば、それは國家公安委員でやつておられる仕事も法務總裁でやつておられる仕事も、重要性においては甲乙はないと言えますが、その職務のバライエテイ、範圍におきましては、非常に法務總裁の方が廣く、又その負擔については非常に御苦勞であろうと思うのであります。それがこの國家公安委員がそれと同じ俸給であります。待遇じやありませんけれども、俸給を受けられるということは少し行き過ぎしやないかという氣もするのであります。殊に公安委員は五人おつて、責任もそれだけ……、五分の一というわけではありませんけれども、法務總裁より輕い。法務總裁は今申しましたように國務大臣で兩院に出られ、その他非常に職務負擔が重い。準ずるのではありますけれども、その俸給を準ずるということは少し行き過ぎである。それで私は國家公安委員長であればまだ納得ができるのでありますが、他の委員長外の四人も同じ俸給を受けるということは少し行き過ぎじやないかと考えます。これについて官房長官からお答を願います。
#7
○國務大臣(苫米地義三君) 只今のお説は一應御尤もでございます。政府でもその點を最初考えて立案したのでありますが、やはりこの國家公安委員の性格が、非常に重く又重くしなければならないという點からいたしまして、他の國の例も參酌いたしまして、それで非常に重要な性格に鑑みて、報酬もそれに準じてやる方がよろしかろう、こういうことで、比較問題なんですけれども、この場合、この方が妥當であろう、こう考えて提案したのでありまして、別に非常に大きな根據があるわけではありませんが、苟くも法治の最高機能でありますので十分にやろうというので、こういうことになつたに外ならないのでありまして、どうぞ御了承願いたいと思います。
#8
○委員長(吉川末次郎君) 他に御質問ございませんか。
#9
○鈴木直人君 私の質問は官房長官に對する質問としては少し細か過ぎるかも知れないと思いますが、お耳に達して置きまして、事によりましては政府委員から御説明を伺つてもよろしいと思つております。今度の改正案の第二の點でありますが、この要點は市町村警察長が市町村警察に勤務するところの職員を任命し又は罷免する場合に、市町村公安委員會の承認を得てこれを行わなければならないということに關連するわけであります。市町村警察の職員でありますから、市町村の警察吏員だけではない。刑事、警部、警部補、巡査部長、巡査というような警察吏員だけでなく、更にその他の技術官或いはタイピスト或いは給仕、雇、そういうところまで包含されるのが職員であります。そうしますと、そういうところの職員を任免する場合に一々市町村公安委員會の承認を得るということは相當煩雜であつて、無駄なことに考えられる場合もありはしないか。こう考えているのであります。そうしてそれよりはむしろ豫め市町村公安委員會において、市町村警察長が警察職員を任免する場合におけるところの基準を作つて置いて、例えば警察署長がその都度公安委員の承認を得るとか、或いは警部補以上はその都度承認を得るとか、或いは書記とかタイピストとかいうような者は警察長だけで專決できるとか、そういうような相當詳細なところの任命、罷免の基準を公安委員會が決める。警察長が決めるのではなくて、公安委員會が豫め標準を決めて置く。そうしてその決めて置いた標準によつて、その都度市町村公安委員會の承認を受けるか或いは專決するかというようなことを決めて置くことが却つて妥當ではないかというように考えまして、實は參議院といたしましては「市町村公安委員會の定める基準により」というような修正をお願いいたしたわけであります。現實に即應するという意味において修正をいたしたのであつて、これをいわゆる官僚化するという意味において、又市町村公安委員會というものの機能を輕んずる、或いは有名無實的なものにするというような意向は毛頭ないという、我々修正する場合の考え方をはつきりここに申上げて置きたいと思います。ただ零細なる職員までも一々承認を得るということは非常に事實不便の點がら多いであろうといような觀點から、事務的にこれを修正いたしたのであります。この承認を得るという場合に、どの點まで公安委員會が承認をするか。或いはタイピスト等の任免まで一々全部市町村公安委員會が承認するという意味におけるところの「承認を得て」ということであるかどうか。この點をお尋ねいたしたいと思います。
#10
○政府委員(斎藤昇君) 鈴木委員の御意見は誠に御尤と思います。公安委員會の承認を得ると申しますことは、只今御意見の通りでありますが、併しながら給仕でありますとか或いは書記でありますとかいうような職員等につきましては、これは公安委員會の見るところによりまして、警察長に事前に包括承認を與えて置く。それで弊害がない。よろしいという公安委員會の意見であれば、さように包括承認を與えるということは違法ではないと考えております。恐らく市町村警察長が公正に職務を行うということを信任して公安委員會が任命をするのでありまするから、さような些末な點に至りましては、そういうような包括承認ということは事實行い得ることだと考えます。
#11
○黒川武雄君 この第九條の改正は、私は非常に政府として大出來だと讃辨を呈します。官房長官は大した理由はないとか、根據がないとおつしやつたけれども、それに非常に残念な答辯なんで、非常に根據があると思います。と申しますのは、民間人からいきなり大臣待遇の公安委員を任命する、こういうことは私は官尊民卑の思想の打破に非常に有益だと思います。こういうことはどんどんなさる方がいい、こう思いますが、多分お言葉の足りなかつたところだろうと思います。官房長官のお氣持をもう一遍伺います。
#12
○國務大臣(苫米地義三君) 私の申上げましたのは、何も法律的は根據を持つて言つたわけではないのです。ただ公安委員の性格の重要性を考えまして、そうしてこの待遇をそれに副うようにいたしたい。もとより非常に重要な仕事を扱つておる、こういうことには間違いないのであります。その點を申上げて置きます。尚只今鈴木委員のお話にありました點は、これは公安委員の非常な重要な役目、職責によりまして、運用上の關係で調整ができるだろうと思います。要は民主的にこの法を運營するというところが眼目でございまして、その點どうぞ御了承願いたいと思います。
#13
○委員長(吉川末次郎君) ちよつと私から苫米地さんにお尋ねいたしたいと思いますが、先程の岡本委員の質問に對する御答辯の中に、第九條の改正については外國の例等によつてこのように直したいというようなお話があつたのでありますが、その外國の例というのが、これを審議いたしますのに非常に參考になるだろうと思いますので、それを一つ御説明を願いたいと思うのですが、私寡聞にしてよく存じませんが、アメリカでアトーネー・ゼネラルというのが日本で檢事總長と譯したり、又法務總裁なんかとも譯しておるわけでありますが、アトーネー・ゼネラルというのは非常に地位が高いものだということは承知いたしておるのでありまするが、公安委員は何といいますか、ポリス・コンミツシヨナーとなると思いますが、そういう高い待遇をアメリカにおいても受けておるものであるか、又ヨーロツパ大陸の諸國においてもポリス・コンミツシヨナーというものがそういう高い待遇を受けておるかということについての御事例を御教示願いたいと思います。
#14
○國務大臣(苫米地義三君) 私の申上げたのは、アメリカの國にあるということを申したのでなくて、何か州にあるように聞いております。そうしてそのことがこの法案に採入れられた參考資料になつておるわけであります。それからそれと別個に公安委員の重要性に鑑みまして、報酬の點はその方の意味からこれを重く見る、こういうふうに申したつもりなんです。
#15
○中井光次君 私はちよつと警察法改正のこの二ヶ條以外に警察法を改正せられるにあるならば、昨日衆議院を海上保安廳法案が通過いたしたのでありますが、海上保安廳法案というものはかねがね研究されておるのであつて、從前に我々が警察法を審議した際に、水上警察の問題についても、當委員會といたしましては非常に詳細な研究をいたして、或る意見を述べたのでありまするが、その際に、海上保安廳法案が審議せられるのと併行して水上警察の問題については解決をするので、そのときまで延期をするというように伺つておつたと思うのであります。今囘はこの二ヶ條だけの修正であつて、水上警察に關する問題は何ら觸れておらないということにつきましては、殘されたる一つの問題を放擲したように思うのでありまするが、この點は如何なものでありまするか、どういう御見解を持つておいでになりますか、伺いたいと思うのであります。昨日の海上保安廳法案によりましては、成る程海上沿岸に對する日本の法制の統一をいたすということについては、十分に了解ができたのでありまするけれども、その部分につきましても多少の意見はありますが、水上警察と海上保安廳との間において、極く近海においてはダブつてお互いにやるということによりまして了解をいたしましたけれども、その他の部分、例えば宍道湖であるとか、琵琶湖であるとか、八郎潟、霞ヶ浦とか、こういう水面につきましては、これは全然海上保安廳が關係しないことに明瞭になつておるのであります。それらの部分につきましての水上警察の取締につきましては、やはりこういう機會において、適正なる處置を取つて置くことが適當ではないかと考えております。然るに本法案には單に二ヶ條で、殘されたる一つの問題を取扱われておらないということにつきましては甚だ遺憾に思うのでありまするが、どういうお考えでありますか、伺いたい。
#16
○政府委員(斎藤昇君) 水上警察のことにつきましては、先日の海上保安廳の御審議の際に御答辯をいたしたような次第であります。海上保安廳ができまして、海上における警察は原則として海上保安廳が行うということになつておりますから、勿論陸の勢力範圍と認められる範圍内において、陸の警察の必要とする限度においては從前の水上署も存置をいたしたいと考えておるのでありまするが、これは只今といたしましては現行法の運用でやつて參りたいと、こういうふうに政府としては考えておるのであります。御指摘の淡水、湖水面における警察につきましては、尚考える餘地があると思うのでありますが、只今といたしましては、現行法の運用によつてやつて參りたいと考えております。
#17
○委員長(吉川末次郎君) 苫米地長官は非常に御多用のようでありますから、先す長官に對する御質問がありましたら、先に一つして頂きたいと思います。
#18
○阿竹齋次郎君 この第九條ですが、くどくなるようですが、官房長官は他との比較において重大なる職務であると言われましたが、そうなると法務總裁よりも公安委員の方が重大なる職務であるというように御解釋になるのでありましようか。それよりも他に根據があるのじやないでしようか。公安委員が法務總裁と同じにせんならんということは、法務總裁よりも重大なる職務であるということに解釋されるのでありますか。
#19
○國務大臣(苫米地義三君) そのことは、先刻申上げましたように、まあ根據といいましても、先程こちらから言われましたけれども、別に法的な根據を持つというわけではありませんが、その特殊な重要性に鑑みて、比較上こういう待遇をするのが妥當だと、こういうふうに考えるから出したのであります。その點何か別に御疑問でもございましようか。
#20
○阿竹齋次郎君 特殊なと言われますと、それは特殊でございましようけれども、そんなことを言い掛けたら切りはないので、とにかく職務の重大性ということから比較なされたとしましたならば、法務總裁よりも公安委員の方が重いから上げたということなのでしようか、即ち俸給で職務の重大さを表現しておるというような御説明のように解釋するのですが……。
#21
○國務大臣(苫米地義三君) これは職務の釣合いからいつて、最高の地位にあるということを考えまして、それで法務總裁というのと先ず同じ待遇をするのが妥當だと、こういうふうに思うのでありまして、その外には別にないと思うのですが……。
#22
○阿竹齋次郎君 職務の重大さ、その職務そのものがものを言うておるのであつて、敢えて俸給なんかでそう裏付けせんならん必要もないと思うのです。俸給で裏付けすることもありますが、要するに俸給だけが全部じやないと思うのです。とにかくその地位そのものが問題なんです。私は岡本さんの御質問と同じように、法務總裁よりも上げんならんというようには理解はできない。
#23
○鈴木直人君 この改正の條文に直接關連はないのでありますが、警察法の改正でありますから、この際官房長官の御意見を承つて置きたいと思うのであります。それは同法の第五條に、國家公安委員會は、衆議院、参議院の同意を經て内閣總理大臣がこれを任命するということになつておるのであります。私の御質問申上げんとするところのものは、この兩議院の同意を經るところの手續についてであります。先般國家公安委員會の第一囘の任命があり、それに先んじて兩議院の同意を經たのでありまするが、その同意を經る際におけるところの政府の手續は施行されんとする極めて直前でありまして、兩議院といたしまして、十分にその履歴その他重要なる、只今御吟味になりました檢事總長よりも重大であり、法務總裁と同樣に重大である、同じような重大さを持つものであるという、この國家公安委員會の審議に當つて、その履歴、或いは本當に國家公安委員會の委員として適任であるかどうかというようなことを十分に審議する餘裕がなかつたわけであります。從つてこの委員會におきましても何ら審議することなく、直ちに本會議において議決せざるを得ないような状態になりまして、本委員會としましては相當不滿を實は持つておるわけであります。今後同意を經る際におけるところのやり方につきまして一つ御意見を承わりたいと思います。
#24
○國務大臣(苫米地義三君) 只今のお説は至極尤もです。できるだけ餘裕を以て提案をするようにいたしたいと思う次第であります。
#25
○岡本愛祐君 官房長官にもう一つ警察法につきまして伺いたいことがあります。それはこの警察法施行に當りまして附則第九條であります。「この法律施行の際又はこの法律施行後新たに市町村が警察の責に任ずることとなつた場合」、つまり自治體警察の發足に當つては、「現に警察の用に供する國有財産及び都道府縣財産又は國及び都道府縣の所有に屬する物品で國家地方警察に不必要なものは、市町村警察に必要な場合は、無償でこれを當該市町村に讓與するものとする。」、こういう規定があるのであります。これは例で申しますと、廣島市なら廣島市、松山市なら松山市の今までの警察署、これは國家警察に必要といえば必要かも知れませんけれども、松山市の中央にあります。そういう警察署は、自治體警察についてこそ非常に必要なものでありまして、國家地方警察におきましては松山市の中央はもう管轄しないので、その周圍の村落方面を管轄するのでありますから、その廳舎は必要であるといえば必要かも知らんけれども、不必要の方が近いと私は願う。ところが、そういうところを視察して見ますと、それは必要だからというので、國家地方警察において取つてしまつて、それで自治體警察は新たにどこかに敷地を見付け、新たに廳舎を建ててやらなければならない。施設も一切やらなければならない。當分の間は國家地方警察が從來通り使つておる二階などを改造してそこに同居したりする。こういう状況であります。これはこの九條の趣旨からいうと字句だけ見ますと、確かに國家警察が必要だといえば必要なのでありますけれども、精神からいうと、そういう都市の中央にありますような警察廳舎は、これは自治體警察に本當に必要なのでありまして、國家地方警察は脇に建てればいいと思います。殊に現在の地方財政の非常に涸渇をしておる状況、そういうところから見まして、この自治體警察が新たにそういう廳舎を仕方がないから建てるという場合は、國家が全額補助するという方針をお採りになるようでありますし、又それは是非採つて頂きたいと思うのでありますが、そういうことをするならば潔く自治體警察に從來の廳舎はやつてしまつて、國家警察の方で新たに適當な外の場所に廳舎を建てられればいいと思うのであります。そういう方針が各縣で採られておりませんから、非常なそこに自治體警察の方では不平があるのであります。又市當局の方では非常にその點が不平なんです。そんなことでは蟠りが當初においてできておりますから、自治體警察と國家地方警察との心からの外繋というものはできにくいと思うのでありますが、この點について御見解を承わりたいと思います。
#26
○委員長(吉川末次郎君) ちよつと今日の法律案とそれるようですが……。
#27
○岡本愛祐君 折角おいでになつておりますから一應……。
#28
○國務大臣(苫米地義三君) 私は常識の上から御返事申上げたいのですが、國家警察ができて、その都市の警察というものが又別にできます。從つて都市には國家警察というものが必要でない。併しながらその地方の中心的な警察というものは要るだろうと思います。そうすると、その市の中に二つとか三つとかある警察署は、一つだけは國家で保有する。他のものは委讓するというようなことは、實際の話合いでその邊の調整がとれるというふうな感じを持ちますが、尚御説のようなことは運用についてよく一つ適切に行くように注意するようにいたします。
#29
○委員長(吉川末次郎君) 尚本法案について苫米地官房長官に御質問がありましたらこの際願います。なければ政府委員にその他のことにつきまして御質問の御開陳を願います。
#30
○中井光次君 先程齋藤本部長のお答がありましたが、現行法の運用において水上の警察については適切にやるというお話でありますが、當時審議の結果、現行法即ちその時の原案におきましては缺陷があるから水上警察についてはお互いに協力をし、或いは水上警察に關する船とか、いろいろ設備を持つておるところに主力を注いでやるという工合に、法律を變えてはどうかという意見でありましたのでありますが、現行法でさような點は果してどこの點で調整されますか、一應御説明願つい置きたいと思います。
#31
○府政委員(斎藤昇君) 恐らく前に政府委員の答辯をいたしましたときには、海上保安廳法案がまだ固まつていなかつたのであろうと思います。その當時といたしましては海上保安廳にどの程度職務が吸收されるか不明瞭でありまして、むしろ現在と多少變つた形で考えられておつたので、先般提案になりましたような海上保安廳の制度になりますると、こちらの法律にその關係を書きますることが、左程必要ではないじやないかというような感じを持つのであります。今後の運用によりまして更に考えなければならん點が生じて來るかも分りませんが、若しさようなことになりますれば、その際に我々といたしましては善處いたしたいと思います。
#32
○中井光次君 只今のお答の部分、即ち沿岸水域の問題につきましてはその御説明で私は了得いたします。今後の推移を見て然る後處すべきであると思います。先程私が擧げましたる湖面の問題につきましてはどのようにお考えになつておりますか。
#33
○政府委員(斎藤昇君) 湖面につきましては端的に申しますると、自治體警察と國家警察と兩方に跨つておる湖面がありまする關係からして、これは規定ができればその方が望ましいと考えております。從いまして今後或いは他の部分につきましても、警察法の改正を御審議願う機會があるのじやないか、さような際に考えたいと、かように考えております。
#34
○鈴木直人君 只今中井委員からの御質問の水上警察に關する點でありますが、これは例えば山口縣のごときは、下關のような自治體警察を布かれておるような都市の水面におきましても、國家警察でやつておるわけです。縣内におけるところの水上を二つに分けて、そうして根據を下關と柳井、その二ヶ所に置きまして、そうして國家警察が全部自治體警察の布かれておるところの地先水面も、國家警察の地先水面も、全部二つの水上警察においてやつておるのであります。實情を見ますというと、そこには非常に密航も多く、或いは密輸も多いというようなことでありまして、やはりそういうような組織を持つた方が實情に即したように視察して來ております。又その他の地方におきましては、自治體警察の地先は、自治體警察の水上署がやつておるところもあるわけであります。從いまして全國を通じまして、水上警察は臨機應變的に現存國家警察が受持つたり、或いは自治體警察が受持つたりいたしておりまして、いずれ何らかの法制的な措置が海上保安廳法案と同時にあるであろうというようなことを期待しつつ、現在仕事をしておるという實情のように私は承つておるのでありますが、從いまして法的措置が必要であるならば、その措置をするというような形をなるたけ早くするか、或いは法的措置を必要としなければ、やはり一定の方針を確立するというようなことが、今度の海上保安廳の發足と同時にやつて置く必要があると思いまするので、中井委員の御意見に私の意見も加えて申上げて置きたいと思います。
#35
○政府委員(斎藤昇君) 海上の警察の今後のやり方でありますが、これは海上保安廳の際に私から御質問にお答をしたのでありますが、今後海上保安廳ができました場合には、國家警察としましては水上警察を持たない、こういう方針で參りたい。さように方針を決めておる次第であります。
 從いまして水上警察を持ちまするのは自治體警察、かようにいたしたいと思つております。水上警察署という別個の組織を持ちますのは、自治體警察だけにいたしたい。國家警察は水上署という特別の署を設けない。こういう形であります。
#36
○委員長(吉川末次郎君) 他に御質問がなければ討論採決に入りたいと思つておりますが、御質問は別にございませんか。……それではちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#37
○委員長(吉川末次郎君) 速記を始めて。御質疑がなければ討論に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(吉川末次郎君) 御異議がないものと認めまして、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、贊否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。……御意見がなければ直ちに採決に入ります。それでは警察法の一部を改正する法律案を可とされる方は御起立を願います。
   〔總員起立〕
#39
○委員長(吉川末次郎君) 總員起立と認めます。從つて本案は可決することに決定いたしました。
 尚本會議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、豫め多數意見者の承認を得なければならんことになつておりますが、これは委員長におきまして、本法案の内容、本委員會における質疑應答の要旨、表決の結果を報告いたすことといたしまして、御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(吉川末次郎君) 御異議がないものと認めます。尚本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出いたします報告書については、多數意見者の署名を附することになつておりますから、どうぞ可とせられました方は、順次御署名をお願いすることにいたします。
   〔多數意見者署名〕
#41
○委員長(吉川末次郎君) それでは御署名を願いつつ散會いたします。
   午前十一時四十八分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     吉川末次郎君
   理事
           中井 光次君
           鈴木 直人君
   委員
           羽生 三七君
           村尾 重雄君
           奧 主一郎君
           大隅 憲二君
           黒川 武雄君
           岡本 愛祐君
           柏木 庫治君
           駒井 藤平君
           阿竹齋次郎君
  國務大臣
   國 務 大 臣 苫米地義三君
  政府委員
   國家地方警察本
   部長官     斎藤  昇君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト