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1947/11/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第15号
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1947/11/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第15号

#1
第001回国会 予算委員会 第15号
昭和二十二年十一月五日(水曜日)
    午前十一時十三分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 川島 金次君 理事 稻村 順三君
   理事 小島 徹三君 理事 苫米地英俊君
   理事 庄司 一郎君 理事 川野 芳滿君
   理事 東井三代次君
      荒畑 勝三君    黒田 寿男君
      海野 三朗君    加藤シヅエ君
      河合 義一君    島田 晋作君
      竹谷源太郎君    中崎  敏君
      中原 健次君    西村 榮一君
      安平 鹿一君    山花 秀雄君
      押川 定秋君    川崎 秀二君
      古賀喜太郎君    五坪 茂雄君
      鈴木 明良君    青木 孝義君
      淺利 三朗君    磯崎 貞序君
      角田 幸吉君    西村 久之君
      小峯 柳多君    世耕 弘一君
      今井  耕君    野坂 參三君
 出席政府委員
       大藏政務次官   小坂善太郎君
        大藏事務官   福田 赳夫君
        大藏事務官   河野 通一君
        大藏事務官   前尾繁三郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第六號)
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長 會議を開きます。
 昭和二十二年度一般會計豫算補正第六號と第七號を一括議題といたします。
 政府の説明にはいります前に委員長より一言政府に御注意を喚起しておきたい問題が一つございます。それはタバコの値上げでございますが、これは財政法の第三條によりますると、「租税を除く外、國が國權に基いて收納する課徴金及び法律上又は事實上國の獨占に屬する事業における專賣價格若しくは事業料金については、すべて法律又は國會の議決に基いて定めなければならない。」と規定されておるのであります。但し附則の第一條に、この第三條についてはおつて施行の日は政令でこれをきめると但書がついております。その施行の日を決定する政令がまだ發令されておらないのでありまするが、しかしこの財政法の精神によつてまみしても、またさきにこの豫算委員會において追加豫算の補正第一號、すなわち勞働省に關する豫算を審議いたしました際に、委員會の決議といたしまして、國會において決定されました附帶決議の三つの條項のうち、その一つに酒類タバコ類等、勤勞者の生活に重大な關係をもつものの値上げについては、國會の愼重な審議を經た後これを行うことという附帶決議が附されておるのでありまするが、とりわけタバコの問題に關しましては、ただいまこれより審議いたしまする追加豫算案に織りこまれている問題でございまして、これから審議されようといたしておりまするやさきに、新聞によりますると、政府はこの十一月一日からタバコの配給を減らし、また値上げ等を斷行せられたように聞及んでおりますが、もしそうでありますれば、この財政法の精神または豫算委員會の附帶決議に對しまして、政府のとられた措置は、はなはだ穩當を缺くものとも考えられる節がございますので、これらの問題に關しましては、適當な機會に政府より明快かつ責任ある御答辯を、委員長よりお願いしておきたいと存じます。
 それでは議題の審議にはいりますが、きのう委員の庄司君よりの提案がございまして、議事の進行上 大藏大臣の本豫算に關する説明は本會議において行われることになつておりますから、從つて重複を避けるために、これは本豫算委員會の議事録の速記には留めますが、大藏大臣がここで説明をされる煩を避けたいという御提案ございましたので、それはそういうふうに取計らいまして、本日は大藏大臣の説明を除きまして、あと安本長官竝びに主計局長、主税局長等より、昭和二十二年度一般會計豫算の補正(第七號)に關する詳細な、終戰處理費に關するものをも含む詳細な御説明を聽くことにいたしたい。こう存じますが、その前に第六號、すなわち臨時人事委員會に關する豫算が付託されておりますから、これを先に取上げて本日決定をいたしておきたいと思います。御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鈴木委員長 それではそういうふうに取計らいます。小坂政府委員より第六號の説明を願います。
#4
○小坂政府委員 昭和二十一年度の一般會計豫算補正(第六號)について御説明を申し上げます。
 この補正豫算は今次國會において成立いたしました國家公務員法の施行に伴いまして、早急に内閣に臨時人事委員會を設置することとなりましたために、必要な經費につきまして、他の部分と切離しまして、昭和二十二年度一般會計豫算補正(第六號)として提出いたしました次第であります。
 國家公務員法の施行に伴いまして、臨時人事委員會を設置いたしまするために必要な經費は、百八十餘萬圓でありまするが、臨時人事委員會の設置に伴いまして、行政調査部の既定經費の一部は不用となりまするので、二十萬圓を修正減少いたしまして差引き百六十餘萬圓の豫算を増額いたすわけであります。この歳出豫算増額の財源は、昭和二十年度決算上の剩餘金の使用殘額のうちで、百六十餘萬圓を充當することといたしました。何とぞ御審議をお願いいたします。
#5
○鈴木委員長 ただいまの第六號に對する小坂政府委員の説明に對して、御質疑あるいは御意見はございませんか。
 御質疑あるいは御意見がありませんから、ただちに採決いたします。本豫算補正(第六號)は原案の通り決定いたしまして御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○鈴木委員長 それでは昭和二十二年度一般會計豫算補正(第六號)は、政府提案の原案の通り決定いたしました。
    ―――――――――――――
#7
○鈴木委員長 次に昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)を議題といたします。本豫算に關する大藏大臣の説明に關しましては、先ほど申し上げたような取計らいをいたしまして、安本長官が臨時閣議のためまだお見えになりませんから、議事の進行上主計局長より、その所管に關する詳細なる御説明をまず承ることにいたしたいと思います。
     ━━━━◇━━━━━
(参照)
 〔十一月五日本會議において行つた栗栖國務大臣の財政に關する演説〕
#8
○栗栖國務大臣 わが國の經濟状況はまさに空前の危機に直面しているのであります。終戰以來二箇年餘を經過いたしたにもかかわらず、生産は依然として沈滯し、特に鑛工業生産のごときは戰前の生産額に比し未だ三〇%前後にすぎないのであります。食糧の不足は絶えず國民生活を壓迫し、生産活動を阻害しております。他方かかる生産の不振に反し、通貨は毎月膨脹の一途をたどり、日本銀行券は本年一月末の一千億圓から、十月末には千六百七十六億圓に達しておる次第であります。この生産の沈滯と通貨の膨脹との、結果、物價は高騰を續けて、本年九月における消費財のやみ價格は、昭和十二年七月に比して二百數十倍に達し、また東京の生計費はすでに昭和十二年の六、七十倍に増嵩し、國民はいよいよ深刻な困窮状態にあえいでいる次第であります。物價の高騰はまた企業の採算を困難ならしめ、これを救濟するために、補助金、赤字金融、製品の價格改訂等の方法をとろうといたしますれば、それ自體がインフレーシヨンを擴大する結果となるのであります。さらに中央及び地方の財政についても、その歳出が膨脹を續ける一方、これを賄う新財源はまことに乏しく、しかも現在租税の滯納は相當巨額に上り財政の建直しについては、今日まさに重大な岐路に立つものと申さなければならない次第であります。
 かかる空前の經濟危機を克服するには、もとより通貨面の對策のみをもつてしてはとうてい成功を望み得ないのでありまして、生産、輸送、勞務等、物資面その他の諸施策が總合一體となつて強力に實施されなければならぬのでありまして、これにより生産面の好轉することが、危機突破にきわめて重要な意義をもつと申さなければならない次第であります。しかしてかかる經濟總合對策の一環たる財政金融施策は、通貨面におきましてはインフレーシヨン促進の要因を根絶するために、中央及び地方にわたる健全財政と健全金融との方針を堅持し、その基盤をなす國民資本の蓄積に全力を盡しますとともに、さらにその限りある資金を、國民生活の安定、重要生産の振興等、經濟再建のため效率的に投下すること以外にはないのでありまして、今次補正豫算の編成も、またこの線に沿つて行つた次第であります。
 すなわち歳入の不足を市場の消化能力を超えた赤字公債で賄いますならば、この面から生ずる通貨の増發がインフレーシヨンを激化することは必至であります。しかも財政の赤字が引き起しましたインフレーシヨンは、企業と家計との赤字の原因となり、さらに企業と家計との赤字が反對して財政の赤字を擴大するというように、赤字の循環が通貨の膨脹と物價の高騰との原因となり結果となつて、遂には最惡の事態に立至るものと申さなければなりません。從つてこの危機の突破は斷固として財政の赤字をなくすることから始めねばならぬのであります。(拍手)殊にさきに貿易の再開をみたわが國にとりましては、今後講和會議を控え國際的な援助を期待するためには、健全財政を確立し、國際信用を囘復することが缺くべからざる前提條件であります。從つて收支の均衡を得た赤字なしの豫算が第一の目標でありまして、この方針こそインフレーシヨンの破局化を囘避するために必要な最小限度の、しかして最大の目標としてわれわれが最も努力を傾倒いたしたところであります。次に第二の點といたしまして、單に豫算面で赤字を消すというだけに止まらず、財政、企業、家計を通じ、國民經濟全體を總合的に把握して、その再生産に寄與し、經濟再建に資するとともに、國民生活の安定確保を期する豫算たらしめねばならぬのであります。もつとも一般會計と特別會計、中央の財政と地方の財政とは密接不可分の關係にあるのでありまして、一般會計において豫算の均衡をはかり得ましても、特別會計あるいは地方財政において收支の均衡を失うことになりますならば、その面からインフレーシヨンが促進せられますので、政府といたしましては、これら各財政を通じ、全體として實質的に健全財政を確立するよう最善の努力を拂わねばならないのであります。これがため特別會計におきましては、鐵道、通信等の企業會計につきまして、獨立採算制の原則を建前といたしますとともに、今後一層經營の合理化に努めたいと考えます。また地方財政につきましても、經費の節減に格別の努力を拂うとともに、歳入増徴の途を講ずることを要請し、萬やむを得ず財源を公債にまつ場合にも、市場消化が可能な額に止めることといたし、なお將來は地方財政が獨立し得るよう根本的に制度その他を檢討するつもりであります。
 昭和二十二年度本豫算は昨秋から本年初頭にかけまして編成されたものでありますが、その當時と現在とでは財政の基盤をなす經濟的、社會的條件に相當著しい變化を見るに至りましたので、この間の調整をはかることが補正豫算提出のおもな理由であります。すなわち昨年二月金融緊急措置令の實施に伴い、物價、賃金の安定をはかるため物價體系が定められましたが、その後インフレーシヨンの進行により、從來の公定價格が實情に即せぬこととなりましたので、本年七月、政府は經濟緊急對策の一環といたしまして、物價と賃金との惡循環を切斷し、國際貿易の再開に備え、できる限り價格系列を整えるため、新物價體系を制定いたしましたような次第であります。その結果昨年十月ごろに比べますと物價は二倍半ないし三倍、賃金は千二百圓水準から千八百圓水準へと増嵩したのでありまして、かかる物價水準の改訂に伴い、相當巨額の歳出追加が必要となつたのであります。さらに經濟緊急對策の實施による流通秩序の確立及び企業經營の健全化に伴う失業對策、貿易再開による經濟體系の整備、東北地方、關東地方等の水害對策、その他本豫算編成當時豫測しなかつた事情の變化に對處いたしまして、施策の萬全を期するためにも、また新たな豫算上の措置を必要といたすに至つたのであります。從つてこの際當初豫算とも併せ、全面的かつ徹底的に檢討を加えまして、ここに昭和二十二年度一般會計補正豫算を作成いたしましたような次第であります。
 以上の理由により編成いたしました昭和二十二年度一般會計豫算補正におきましては、第一號から近く提出いたしまする第八號までを通じ、歳入歳出ともに九百二十一億六百餘萬圓でありまして、本豫算と通計して、歳入歳出ともに二千六十六億千餘萬圓と相なるのであります。しかして右の補正において當初豫算に計上した公債金收入をも普通歳入により賄うことといたしましたので、年間を通じて形式的にも、實質的にも歳入不足のない豫算の編成を見るに至つたのでありまして、これは多年臨時軍事費との純計において歳入の五〇%以上を、公債財源に依存し來つた我が國の財政にとつて、まさに畫期的のものと言わねばなりません。なお今次補正豫算の編成に際しましては、財政法が公債財源で賄うことを認めておりますところの公共事業費及び政府出資金につきましても、その財源を普通歳入によつて確保し、さらに當初豫算についても再檢討の結果、人件費、物件費、補助費等の全般にわたり、眞にやむを得ぬものを除いて、おおむね豫算額の一割程度を豫算上減少するため、別途豫算補正第八號を提出することといたしたのでありまして、健全財政の確保に全力を傾けた次第であります。
 歳出のおもなる項目について御説明いたしますと、まず終戰處理費であります。これは本豫算に賠償施設處理費を含めて二百七十億圓を計上したのでありますが、當時は住宅新築計畫その他について未確定な事項が多く、正確な積算が困難でありましたところ、その後當初の見込み以上に計畫量が増加し、また公定價格の引上げに伴い積算單價に相當著しい改計を生じた等の事情に基きまして、巨額の豫算追加を必要とするに至りましたので、あらゆる角度から愼重に檢討を加えるとともに、關係方面とも再三再四折衝を重ねました結果、ここに三百九十億圓の追加を計上することといたしたような次第であります。もつとも本經費の當初豫算中に含まれました賠償施設の管理、保全に要する經費十七億二千七百萬圓を、賠償施設處理費の一部として整理するため修正減少いたしましたので、今次追加を加えて本年度の終戰處理費は合計六百四十二億七千三百萬圓と相なるのであります。政府は終戰處理費の支出の適正を期するため監査制度の確立、入札制度の採用等に努力してまいつておるのでありますが、關係方面におきましても不要不急の調達要求を極力抑制するとともに、本年九月十二日附をもつて政府支出の節減に關する覺書を寄せ、政府の行う調達は必ず公定價格を嚴守するよう要求されておりますので、この趣旨に副つて公價調達の嚴守を確保し得るよう法的措置を講ずる等、さらに格段の注意と努力とを傾注するつもりであります。なお賠償施設處理費はさきに述べました通り、本豫算における終戰處理費中賠償施設處理費十七億二千七百萬圓を修正減少し、同額を本費に計上するとともに、本年度中に實施を豫想される撤去施設の解體、梱包、輸送等に要する經費と管理費用の物價、勞値の賃上り等による増加額とを合わせて二十二億七千三百萬圓を追加計上いたしましたので、總額四十億圓と相なるのであります。
 次に公共事業費の當初豫算額は九十五億圓でありましたが、今次補正により五十二億四千六百餘萬圓を追加計上いたしましたので、本豫算と通計して百四十七億四千六百餘萬圓に上ることと相なりました。既定費の追加を極力壓縮したため、事業量は當初の計畫に對して相當の減少を示し、かかる建設的な費目を十分計上できぬことは遺憾でありますが、所要資材の供給力との關係もあり、この程度の増額に止めるのやむなきに至つた次第であります。
 價格調整費は、當初豫算におきましては食糧管理特別會計への繰入れを含めまして、百六億二千八百餘萬圓を計上しておりましたが、今次補正において百五十八億圓を追加し、當初豫算より通計して二百六十四億二千八百餘萬圓と相なるのであります。この追加は新物價體系の制定に伴い、基礎物資の價格を價格安定帶の限界まで引上げることといたしましたので、石炭、鐵鋼、銅、鉛、肥料等の物資について、價格調整補給金の増加を要する結果となつた次第であります。
 次に失業手當及び失業保險制度の創設、失業對策關係事務機構の整備等について所要の經費を追加いたしましたのは、經濟緊急對策の實施による流通秩序の確立及び企業經營の健全化に伴う失業對策について、新たな構想のもとに萬全の措置を講ずることにいたしたためにほかならぬのであります。
 政府事業につきましては、極力經營の合理化をはかり、獨算採算制の原則を建前とすることは、さきに一言したところでありますが、國有鐵道及び通信事業の兩特別會計におきましては、すでに相當の歳入缺陷を生じており、今ただちに事業料金の引上げによりこれを補填することが困難でありますので、一般會計の普通財源をもつて兩會計の損益勘定に、十一月以降生ずる歳入缺陷を補給するため、鐵道事業に對しては五十億圓、通信事業に對しては二十五億圓の繰入れを計上いたしたような次第であります。もとより今囘の措置はきわめて臨時例外的の措置でありまして、今後兩會計とも收支の改善をまつて、右の金額を一般會計へ返濟する豫定であります。なお特別會計への繰入れは、このほか大藏省預金部特別會計への繰入れ十億圓を含めて、合計八十五億圓を政府事業再建費に計上いたしたような次第であります。
 次に政府職員の給與が本年一月にさかのぼつて、平均千二百圓水準から千六百圓水準に引上げられ、さらに七月以降千八百圓水準に改訂されましたこと等によりまして、政府職員の待遇改善費として五十四億七千九百餘萬圓を追加計上いたしました。
 なお七月以降における東北地方、關東地方等の水害による災害救助費として、四億一千餘萬圓を追加いたしております。
 次にこの緊急やむを得ない經費の増加を、いかにして賄うかにつきましては、健全財政の大原則から極力財源を普通歳入によることといたし、増税と專賣收入の増加に訴えたような次第であります。
 まず租税におきましては、財政需要の飛躍的な増大に對處いたしまして増收をはかるとともに、經濟諸情勢の推移に應じ國民租税負擔の公正を期することを目標といたしたような次第であります。
 すなわち今次の税制改正にあたりましては、直接税のうち、租税の中樞たる所得税については、國民所得分布状況の變化、國民生活の實情等に鑑み、勤勞大衆その他少額所得者の負擔を輕減するため、五十一億圓の減收にもかかわりませず、勤勞所得及び扶養親族に對する控除を相當程度引上げました反面、いわゆるインフレ利得者等、一定額を超える所得者に對し負擔を重課するため、七萬圓を超える所得に對する税率を引上げることといたしました次第であります。間接税につきましては、酒税については十三割程度、清涼飲料税については二十割程度、サツカリン、あめ等に對する物品税については、十割ないし四十割程度の増徴を行い、また入場税についてはその消費の性質、財政需要等に鑑み、五割程度引上げることといたしております。また戰災者と非戰災者との間における犠牲の不均衡を是正するとともに、臨時緊急な財政需要に應ずるため、非戰災者特別税を創設して、戰災を免れた家屋及び動産について一囘限り、それぞれ家屋の賃貸價格の三倍程度の特別課税を行うことといたしました。
 今次の補正豫算に計上した租税收入及び印紙收入の總額は、六百三十七億二千六百餘萬圓、當初豫算と通計して千三百三十二億四千餘萬圓に上りますが、その内譯は直接税八百九十五億圓、間接税四百二十一億圓、その他十七億圓でありまして、直接税と間接税との比率は、今次豫算と當初豫算とを通算して七對三となつております。すなわち直接税が七、間接税が三であります。間接税の割合は必ずしも大きくなく、しかも間接税の増徴については、極力必需品を避ける等、できる限り大衆課税を避けるように努力いたしました次第であります。しかしながら、すでに國民生活が一般に著しく窮迫を告げている實情に顧みまするならば、大衆の租税負擔も決して輕くないのであります。
 他方總歳入中租税の占める地位は追加豫算のみで六九%、當初豫算より通算して六五%というように、決定的に重要となつているのでありまして、租税完納の成否が、まさに財政收支の運命を決定するかぎとなつておるのでありますから、もし現在の納税状況が改善されぬ場合には、わが國の財政は甚大な脅威にさらされることを覺悟しなければならぬと思うのであります。しかも國民所得の分布状況は時々著しい變化を示しておりますので、新たな税源を捕捉し、インフレ利得者に對する課税を徹底して、租税負擔の公正と租税收入の確保とを同時にはかるためには、税務機構を擴充強化し、税務職員の待遇改善をはかるとともに、税務の運營方法を刷新し、脱税の摘發、處罰の強化、第三者通報制の活用、滯納處分の促進等により税收の充實に努めることが最も肝要と考えられ、この點につきましては十一月を期し全國的に活溌な一大納税運動を展開し、國民の納税に關する認識の普及徹底に努める所存でありまして、全國民の財政及び租税に關する深き御理解と御協力とを期待いたしておる次第であります。
 次に官業及び官有財産收入は、當初豫算におきましては二百五十八億六千七百餘萬圓を計上しておりましたが、補正により二百六十一億七百餘萬圓を追加し、通計して五百十九億七千三百餘萬圓になるのであります。しかして補正額のうち、專賣益金は二百五十九億六千二百萬圓であります。專賣益金については、タバコ專賣において畫期的な増收の方途を講ずるため、自由販賣品の値上と自由販賣品の供給數量の増加とを實施することと致しました。すなわちタバコの値上につきましては、これを自由販賣品たるピース及コロナのみに止め、配給タバコの價格はすえおくこととし、大衆の負擔を増加させないように努めた次第でありますが、他面自由販賣品の供給數量を増加するため、「ひかり」及「きんし」の製造を今後一時中止して、ピースの増製をはかるとともに、新たに「新生」を製造し、これを自由販賣するの餘儀なきに至りましたので、これから自由販賣品の供給數量の増加のため、やむなく家庭配給量を削減しなければならなくなつた次第であります。
 なほ雜收入等につきましては、今次補正により七十一億四千六百餘圓を追加し、當初豫算より通計すれば、二百十三億九千六百餘萬圓となるのでありまして、このうち價格差益納付金は、新物價體系實施に伴い、六十億六千六百餘萬圓を追加し、通計七十一億四千八百餘萬圓となるのであります。
 さて以上補正豫算の内容について概略御説明いたしたのでありますが、さきに述べました豫算編成方針が、今次の補正豫算にいかに具現されたか、また今次の補正豫算がわが國民經濟に對していかなる影響を與えるかについて、次に少しく檢討してみたいと存じます。
 今次の補正豫算に、收支の均衡において成功を見たのでありますが、もちろんそのためには相當の無理も忍ばねばならなかつたのであります。すなわち多數の企業と家計とがすでに赤字になやんでおる今日、新たに九百二十一億六百餘萬圓の財源を追加調達して、企業と家計とに何らの苦痛を與えずに濟ませるということは、はなはだ困難であります。また現在の政治的、經濟的難局のもとにおいては、豫算に國民經濟の再建や、國民生活の安定を期待することも容易でありません、さりとて、企業を育成し家計を保護するため、健全財政主義を放棄して通貨の増發に訴えるならば、端的にインフレーシヨンを破局に導き、結局企業及び家計をも破壊するものであることが明瞭であります。現在與えられた條件のもとにおいては、いかなる施策をとろうとも、所詮何らかの無理を生じ、いずれかの部門へ壓迫が加わることは避けがたいのでありますが、われわれといたしましては、特に勤勞者の立場を愼重に考慮した今次の豫算が、比較的に無理の少い、壓迫の輕い最善の方策であると信じているのであります。各位におかれましてもこの邊の事情を御了解願います。
 まず本年度國民所得總額を、概算九千億圓と推定いたしますれば、本年度豫算總額二千六十六億千餘萬圓はその約二三%に當り、國民所得の内容が著しく惡化しておる上、財政資金として、このほかに特別會計分が加算される事情をも考慮に入れますと、財政の比重がとみに重加してまいつたことは否定できません。財政資金のほか、さらに生産を増強し、國民經濟を復興するために、産業資金として必要な額も相當に上るでありましようし、國民の最低生活を維持するためにも、相當の資金が必要と考えられますので、本年度第二・四半期までの資金需給計畫の實績を見ても、相當額の通貨増發を見ている状況に顧みますれば、今次の補正豫算によつて財政需要が一段と増大される結果、今後國民所得を増加し、納税成績を向上し、貯蓄を増強することに、從來に比し格段の努力を傾けねば、インフレーシヨンの怒濤を乘り切ることが困難となるのであります。
 今次の補正において均衡豫算の編成に成功したため、直接通貨の増發によつて赤字を補う必要はないのでありますから、通貨増發と物價騰貴とは、直接には財政面から生じないものと豫想されます。元來この補正豫算は、新物價體系による本豫算の修正を中心としておりますが、右に述べた理由によつて明らかなごとく、この補正豫算は直接に新物價體系を動搖せしめるようなものではなく、賃金について千八百圓ベースを崩壊せしめるものでもないと信ずるのであります。すなわち本補正豫算においては、租税の増收についても、能う限り大衆課税を避け、專賣益金の増收についても同樣の考慮を拂うほか、政府事業の料金引上げを囘避する等、物價騰貴に波及する要素を極力排除することに努めるとともに、勤勞所得者及び扶養家族を有する者の負擔輕減を斷行する等の措置をとつたのでありまして、今後配給物資の増加による實質所得の充實を確保いたしますならば、追加豫算の施行によつて賃金水準の維持を危殆ならしめるごときことは起らないと存じます。もちろんこのためには、政府竝びに國民が最善の努力を拂うことを前提としているのでありまして、勤勞によつて國民所得を増大し、忍苦耐乏の生活によつて納税と貯蓄に邁進する以外には、この空前の危局を突破し、再建の礎石を確立することはできないのであります。現下の世界經濟は、あげて物資の缺乏と物價の高騰になやんでいるのでありまして、戰勝國においてすら乏しきに耐えてその打開に敢闘しており、合衆國をはじめ、連合國がみずからの食糧を節約して、わが國を含む窮迫した諸國を救うていることを考えますならば、われわれはこの決意を一層固くせねばなりません。
 さてわれわれは健全財政を目標として豫算の編成に苦心を拂つたのでありますが、刻下のインフレーシヨンを克服するためには、金融政策もまた健全金融の方針を堅持することが必須の要件であります。財政を引締めた結果が金融面に轉嫁されることになれば、健全財政は單なる計數の遊戲にすぎないのでありまして、健全財政と健全金融とが、車の兩輪のごとく相伴うことにより、初めて通貨増發の克服は可能となるのであります。從つて現下の金融政策としては、この健全金融の方針に則り、財政資金と産業資金とを、蓄積資金の範囲内で賄うことが必要であります。しかしてさらに産業面における重點主義に呼應して、限られた蓄積資金を緊要産業に對し重點的に集中し、重要産業の生産力を増強して、經濟再建への途を開くことを要締とすべきでありまして、決して不要不急の消費的部面に投じ、あるいは積極的な生産も、合理的な經營も行つていない企業に對し、赤字補填のための金融を行うごときことがあつてはならないのであります。去る三月重點金融を目標に金融機關資金融通準則を制定し、さらに七月からこれを強化する等の措置を講じて、最重點産業に對しては優先的に資金を供給し、貿易金融についても貿易スタンプ手形制度、その他によつてその圓滑化をはかりますとともに、他面中小企業につきましても、その特殊性に鑑み、これに對する金融、その他緊要なる金融の適正圓滑化に努めたいと考えておる次第であります。
 復興金融金庫の融資が、現下の産業金融上占める地位は、日を遂うて重要性を増加し、基礎産業等に對する必要資金の供給に遺憾なきを期しておるのありますが、今囘の補正豫算において、復興金融金庫の財源として四十億圓の政府出資金を計上するとともに、復金債券の發行にあたつては、これが消化につき從來の不成績を改善するよう、できるだけ努力いたし、各種金融機關の共同引受等の方法によりまして、金融面から生ずる通貨増發によつて、健全財政を無意味ならしめることのないよう注意したいと考えるのであります。中央、地方の財政を通じ、極力赤字の發生を抑止するに努めておりますが、やむを得ず公債を發行する場合におきましても、全額市場消化をはかることが必要でありますので、公債の發行は原則として公募による方針を堅持いたしますとともに、さきに一言いたしました融資規制により、一定割合の融資基準限度を超える額は、公債の消化等財政資金に振り向けることといたした次第であります。これに伴い最近における金利高騰の傾向に鑑みまして、さきに國債利廻りを金融機關における採算點におくことを目途といたしまして、一般的に金利水準を改訂いたしました。この新利廻りによる最初の國債は、去る九月二十五日金融機關の直接引受及び有價證券業者を通ずる公衆消化の方法で發行し、十億圓全額の消化を見た次第であります。ここに市場消化による國債發行の第一歩を踏み出したのでありますが、さらに引續き第二囘の國債發行が去る十月二十五日行われ、これまた各方面の協力により、消化總額十三億圓に達する好成績を收めた次第であります。
 今囘提案にかかりますところの補正豫算の施行により、財政資金の需要額を一層増大するとともに、産業資金もまた最近著しく需要の増嵩を見まして、これら總體の資金需要額は巨額に上ることが豫想されますので、健全財政、健全金融の大原則を堅持するためには、資金の蓄積が絶對に必要と相なるのであります。政府はさきに民間貿易の再開を契機とし、九月に一大國民貯蓄運動を展開したのでありまして、最近の自由預金の増加は、七月は百十九億圓、八月は百四十七億圓、九月には百七十九億圓の増加という好成績が見込まれておるのでありますが、この資金需要の増嵩と封鎖預金の引出しとを考えますならば、すでに日本銀行券の膨脹に明らかに見えます通り未だこれで十分とは言えないのでありまして、今後さらに努力を要する次第であります。先般本院におかれましては、通貨安定に關する共同決議をもつて、この點に關する絶大なる理解と協力とを示されたのでありますが、これに對し衷心感謝いたしすまとともに、國民各位の一層の協力をここに切望いたす次第であります。
 しかして貯蓄増強について最大の前提となるものは、國民各位の通貨に對する信用であります。今囘の追加豫算の編成にあたり、健全財政主義を堅持したことも、ひつきよう通貨に對する信用を維持増進せんがためにほかならないのであります。一時巷間に流布された新圓再封鎖や、いわゆる平價切下げのごとき措置は、通貨に對する信用を根抵から動搖させるものとして、絶對にこれを行わないことをここに再確認いたしますとともに、預金の安全性を確保することに格段の努力をいたす決意であります。
 私は國民が最惡の條件のもとにおいても、奮然起ち上ろうと渾身の力を惜しまないならば、おのずから希望の途も開けてくることと信じます。去る八月十四日連合軍司令部から發表されました民間貿易の再開と、占領下日本輸出入囘轉基金の創設とは、われわれの苦鬪二箇年餘の努力に對する最大の贈り物でありまして、これは過般の連合軍による食糧放出が、わが國民生活に大きな安定感を與えたこととともに、眞に適時適切な救濟として深甚なる感謝をささげるものであります。
 狹小な國土と、貧弱な資源の上に育たねばならぬわが國民經濟は、對外依存度がきわめて濃厚であり、世界貿易から孤立するがごときことは元來とうてい考えられないのであります。終戰後わが鑛工業の生産力の囘復が、遲々として進まなかつた一つの大きな原因が、設備の不足よりも、原料等の不足によるものであることを考えますならば、綿花その他の重要原料の輸入が、わが國の麻痺した生産力の覺醒に役立つところは、けだしはかり知れぬものがあると言えましよう。しかしこのためには、その輸入資金を調達することがまず必要で、從つて輸出産業の振興が喫緊の要務でありますが、囘轉基金の創設は、この意味において貿易の促進に大きな力を與えるものでありまして、われわれはこれを呼び水としてどうしても日本産業の建直し、ひいては日本經濟の再建を達成しなければならないのであります。
 現下の經濟状況は、しばしば申し上げました通り、未曾有の難局であります。しがし國際經濟への連繋によつて新しい經濟を再建する明るい希望の途もまた開かれているのでありまして、無限に暗黒の世界に閉じ込められているわけではないのであります。この新日本經濟の再建こそは、平和的な新日本を子孫に殘すために、われわれ國民のなしとげねばならぬ忍苦に滿ちた、しかし光榮ある大事業であると申さなければならぬと思うのであります(拍手)われわれは日本民族傳統の勤勉と忍耐とによつて、必ずやこの事業を成就することを信じて疑わないものであります。
 補正豫算の提出にあたりまして、現下の財政經濟問題につき所信を述べた次第でありますが、各位におかれましては、何とぞ政府の意の存するところを御了察の上、速やかに本案に御贊成あらんことを希望する次第であります。(拍手)
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#9
○福田政府委員 それでは私から補正豫算に關しまして、編成の經過竝びに豫算の概要を御説明いたします。
 本年度の當初の豫算は、御承知の通り歳入歳出千百四十五億圓でありまして、この豫算は當時におきましては、追加豫算を必要としないという建前であつたのであります。すなわちこの豫算におきまして、一般會計におきましては歳計收支の均衡を得るとともに、特別會計におきましては未だに一時に均衡を得る段階になりませんで、三百數十億圓の赤字を計上するのやむを得ざる状況であつたわけであります。この一般會計竝びに特別會計を通じました豫算につきましては、ただいま申し上げました通り特別會計の赤字だけでありまするが、なお地方財政におきまして、約六十億圓の赤字が見込まれておつたのでございます。さようなことで資金計畫全體といたしましては、昨年以來御協力を得まして、推進いたしてまいりました貯蓄増強運動によりまして、貯蓄が本年度は通計しまして百億圓ぐらいは集まるであろう。そこでその百億圓のうち五十億圓は一般融資にまわして、二十億圓は財政資金として留保し、二十億圓は封鎖預金の拂出の財源とし、十億圓は復興金融金庫の債券の償還に充てるということにいたします。財政資金二十億圓と申しますれば、年間二百四十億圓でございまして、當時におきましては特別會計は、年度中途におきまして料金の改訂をいたしまして、そうして赤字を減らすという措置をとりまして、年間二百四十億圓でもつて財政資金は全部充足できる。かような考えをもつておつたわけであります。從いまして當時の豫想といたしましては、財政金融を通じまして、通貨の増發ということは、年間を通じてはないというような建前で、出ておつたのであります。しかしながら二十一年度の財政が一般會計、特別會計を通じまして、七百三十餘億の赤字でありまして、これが二十二年度の初頭、すなわち本年の四月、五月、六月に影響をもつておるわけであります。從いまして當時の豫想といたしましても、二十二年度の四月、五月、六月の候におきしまては、相當の通貨増發が時期的にはある。かように考えられたのであります。御承知の通り四月、五月、六月というものは、相當の通貨増發を見ておつたわけであります。かような情勢でやつてまいりましたところ、七月になりまして公價の全面的改訂をいたすということに相なりまして、その影響を財政が大きく受けるというふうになつたのであります。さらに豫算改訂のみならず、その後終戰處理費、夏の災害あるいは六・三制の問題等、新規な支出も要するという事情が出てまいりまして、今囘相當巨額の追加豫算を計上することに相なつた次第であります。さような状況で今囘追加豫算の提出ということに相なつたのでありますが、關係方面とも相當連絡の必要がありまして、去る十一月一日に提出になつたわけであります。さような状況で非常に豫算の提出が延びたのでありまして、當初の考えといたしましては、本議會には大體一括した追加豫算というふうに、考えておつたのでありますが、ただいままでのところ取急ぐものにつきましては、これを分割して提出することに相なつておるのであります。すなわちすでにその御協贊を經ました補正第一號、これは勞働省關係の豫算であります。補正第二號は内務省の解體に關する豫算でありますが、これはその後の内務省解體方針の變更によりまして撤囘しております。補正第三號は皇室費の關係豫算でありまして、すでに御協贊を經ております。補正第四號は政府職員に對しまして、一時手當を支給することに關する豫算であります。これは御協贊を經ております。第五號は十一月分の政府職員の給與、竝びに終戰處理費の十一月分に相當する額に關するものでありまして、これまれ御協贊を經ております。それから第六號は本日御審議をお願いした分であります。第七號は追加補正豫算の大部分をなすものに關するものであります。第八號といたしまして、厖大なる追加豫算に對處いたしまして、政府自身におきましても相當自粛し、また行政運營を能率化するという見地におきまして、相當額の節約を計上することを考えたのであります。これは第七號豫算と同時に提出いたすことを考えたのでありますが、技術的に間に合いかねる點がありまして、數日遲れまして提案される見透しとなつておるのであります。
 以上第一號ないし八號が今日まで政府が提案せんとして確定しておるところの豫算であります。なおそのほかにおきまして、これは確定はしないのでありますが、今後におきまして、法務廳の設置に關する關係の豫算、また内務省の解體に關する豫算、あるいは石炭國管の歸趨によりまして、これに要する經費等が豫算として豫定されておるのでありますが、今日未だ確定はしておりません。一號ないし八號につきまして、お手もとに差し上げました一覽表がありますが、便宜全部を通計いたしたものであります。この表によりまして御説明いたします。
 まず第一に歳出でありますが、終戰處理費は本年度の當初豫算におきましては總額二百七十億であります。この表では二百五十二億七千三百萬となつておるのでありますが、それはその二百七十億の中にありますところの賠償施設管理費十七億二千七百萬圓を、今囘終戰處理費と獨立に掲示いたすことにいたしました關係上、これを別示いたした關係で二つにわけてあります。從いまして終戰處理費固有のものは二百五十二億七千三百萬圓と相なるわけであります。これに對しまして追加が三百九十億圓であります。この三百九十億圓のうち、大體約半分が物價騰貴の關係の經費であります。殘りの半分が新規施設に關するものであります。新規施設の大體といたしましては、この豫算の中において重要な部分を占めますところの住宅でありますが、本年度當初豫算におきましては、住宅は前年度において著手いたしました施設を本年度において完成するに必要なる經費を計上しておつたわけでありますが、本年におきまして約三千戸の住宅を建築するという問題が新たに起つてきたのであります。これに要する經費がその重要なる部分を占めておるのであります。まずこの内譯を大體申し上げますと、第一は常傭者の給與に關する經費であります。これは進駐軍關係におきましてあるいはコツクでありますとか、あるいは掃除人夫でありますとか、さような人夫を使つておるのであります。その常傭者の給與でありまして、これは當初豫算におきましては十七億八千百萬圓を計上せるところ、今囘三十八億七千九百萬圓を追加いたしまして五十六億六千百萬圓にいたすものであります。この追加を要したる理由は、給與の單價の引上げによるものであります。次は日傭者の給與、これが當初豫算におきましては十一億八千七百萬圓のものを、今囘十三億一千七百萬圓を追加いたしまして、二十五億五百萬圓といたすものであります。これまた給與單價の引上げに伴うものであります。次に物件購入費、これは住宅用の家具等を購入するに必要なる經費でありますが、當初豫算におきましては五十一億一千八百萬圓を計上したのを、さらに三十八億五千二百萬圓を追加し、八十九億七千百萬圓といたすものであります。この物件購入費は、後で申し述べます住宅の新築等に關連して必要となるものであります。次は一般物品購入費、當初豫算におきましては三十六億三千四百萬圓、今囘二十億七千六百萬圓を追加し、五十七億一千百萬圓とせんとするものであります。これは物件購入費におきまして家具等を買入れますが、その他家具等におきましても冷藏庫でありますとか、ラジオでありますとか、特殊な物品を買入れるというために必要な經費であります。次に物件借上費、當初豫算が六億六千百萬圓のものを、十九億九千九百萬圓を追加いたしまして、二十六億六千百萬圓といたすものであります。これは家屋でありますとか、その他の物件を借上げるために必要な經費でありまして、借上料の値上りによるものであります。次は住宅新設及び宿舎工事費、當初豫算におきましては五十四億八千五百萬圓のものを、今囘四十七億六千四百萬圓を追加し、百二億五千萬圓とせんとするものであります。これは新規計畫による新築戸數三千二百十二戸増加に應ずるものと、それから新築單價でありますが、一戸大體四十坪でありますが、一戸當り當初豫算におきましては百三十四萬圓と見積つたものを、二百萬圓というふうに改訂するに必要な經費であります。次に朝鮮向資材費であります。これは當初豫算におきましては十七億三千百萬圓を計上したものでありますが、今囘二十九億八千百萬圓を追加し、四十七億一千二百萬圓とせんとするものであります。これは朝鮮におきまして住宅、兵舎その他の一般工事をいたすにつきまして、資材を本邦より提供するというために必要のものであります。次に兵舎の工事費でありますが、當初豫算が三十五億二千五百萬圓、今囘三十億八千九百萬圓を追加し、六十六億一千四百萬圓とするものであります。これは物價値上りによる増加であります。次に一般工事費、これは飛行場でありますとか、そういうものもこの中にはいつておるわけでありますが、當初豫算が二十七億四千四百萬圓、それに對しまして四十四億八千九百萬圓を追加いたしまして、七十二億三千三百萬圓とするものであります。これは物價騰貴の關係であります。次に維持管理費、これは住宅ができ、また兵舎ができますと、この維持のために必要な經費が出てまいるわけでありますが、そのための經費が本豫算におきましては八億二千五百萬圓、今囘四十九億三千四百萬圓、合計いたしまして五十七億六千萬圓となるのであります。これは物價騰貴竝びに住宅の警備費、あるいは日本人從業員の身體檢査を施行する。そういうような新たな事項を含んでおります。それから次に諸費と申しまして、いろんな雜多な經費がはいつておるわけであります。たとえば自動車の修理場の經費でありますとか、あるいは印刷工場の經費であるとか、さような進駐軍で使つておる施設の經費でありますが、當初豫算におきましては六億八千百萬圓、今囘二十五億二千四百萬圓を追加いたして、三十二億六百萬圓とするものであります。次に補償費、これは當初豫算には計上してありませんが、今囘一億九千萬圓の追加をいたすものであります。接收建物の移轉でありますとか、あるいは立退料でありますとか、あるいは勞務者の災害補助料でありますとか、さようなものの經費を最近の實績によりまして計上するものであります。次に交通費、これはどういうことかというと、鐵道、通信兩特別會計におきまして進駐軍のためにサーヴイスの提供をしておるのでありますが、その經費本豫算におきましては十億圓、今囘二十二億八千百萬圓を追加いたしまして三十二億八千百萬圓といたすものであります。次は道路費、當初豫算におきましては計上しておりませんが、今囘二十二億五千萬圓を計上しております。これは東京都内等でも、非常に廣範にやつておるのでありますが、道路の新築あるいは改良に要する經費でありまして、從來豫算にはなかつたのでありまするが、實際は相當やつておつたものであります。次が雜設營作業費、これはたとえば北海道におきまする除雪作業でありますとか、地方鐵道や軌道、電氣、ガス、水道等に關しまして、P・Dのない工事等であります。これは當初豫算におきましては一億一千四百萬圓、今囘四千萬圓を追加いたしまして一億五千五百萬圓とするものであります。次は連合國財産返還費、これは連合國の財産を戰時中日本側におきまして收容しておるのでありまするが、それを連合國に返還するために要する經費でありまして、當初豫算におきましては八千四百萬圓、今囘六千七百萬圓を追加いたしまして一億五千二百萬圓とするものであります。物價騰貴の關係で追加を必要といたしております。次は雜費であります。雜費は當初豫算におきましては三億三千百萬圓を計上せるに對し、三億三千百萬圓増額を追加するものでありまして、大體これは物價騰貴の關係であります。次に接待費、當初豫算におきましては百八十萬圓で追加豫算はありません。次に支出監査費、當初豫算は三十六萬圓で追加はありません。以上合計いたしますると當初豫算が二百五十二億七千三百萬圓、追加額が三百九十億、合計六百四十二億七千三百萬圓と相なるわけであります。
 次に賠償施設處理費でありますが、賠償施設處理費は先ほど申しました通り、當初豫算におきましては終戰處理費の中にはいつておつたわけでありますが、その金額が十七億二千七百萬圓となつておるのであります。これを今囘別上することにいたしたわけであります。この十七億二千七百萬圓は、もつぱら賠償指定工場の維持管理に必要なる經費であります。今囘これに對しまして二十二億七千三百萬圓を追加するのでありますが、このうち十二億七千萬圓は維持管理費の追加であります。從いまして殘額は十億圓でありますが、十億圓はこれは撤去に必要なる經費を計上したものであります。賠償につきましては軍の工廠等につきまして、年内に若干の撤去が行われるという豫定のもとに十億圓の計上をいたしたというふうに御了承願いたいのであります。
 次に地方分與税分與金、當初豫算におきましては百十億六千三百萬圓であります。これに對しまして追加額は八十一億七千六百萬圓でありまして、百九十二億三千九百萬圓となるのでありますが、これは所得税の増税、所得税、法人税、入場税の自然増收、これを合せまして八十億三百萬圓となるのであります。それに還付税の分與額が一億七千二百萬圓、合計いたしまして八十一億七千六百萬圓の追加が要するわけであります。
 次に金融機關の補償金、當初豫算は百億圓でありますが、今囘これを全額減額いたしたわけであります。金融機關の補償金は、昨年御協贊を經ました金融機關再建整備法によりまして、金融機關の金勘定におきまして金勘定に移されますところの零細な預金を支拂うことができない場合におきましては、その差額を國庫においてこれを補償するということに相なつておるのでありまして、その金額が總計、各金融機關全體を合わせまして百億圓だというふうに考えられたのであります。その百億圓の交付は本年中に行われるであろうという見透しのもとに百億圓を計上いたしたのでありますが、再建整備の事務が豫定のごとく進捗せず、今年中におきまして、交付金を支給するを要するものは皆無の見込であります。從いましてこれを全部削減いたしたわけであります。
 次に價格調整費は當初豫算が百六億二千八百萬圓、これに對しまして百五十八億圓を追加するのでありますが、これは去る七月の公價改訂によりまして、公價の基準を基準年度の六十五倍というふうに決定いたしたのであります。しかしながら重要物資にはこの六十五倍の限界を上囘るものが相當あるのであります。さようなものにつきましてはこれが消費者價格を六十五倍の限度まで引下げるということにいたしたのであります。これに必要なる經費を追加するものであります。特定の重要産業用の石炭でありますとか、あるいは鑛材、銑鐵、電氣銅、鋼、硫安、石灰窒素、過燐酸石灰、また十月分までの主食がその對象となつておるわけであります。
 次に公共事業費當初豫算九十五億圓に對し、五十二億四千六百萬圓を追加せんとするものでありまして、合計百四十七億四千六百萬圓となります。九十五億圓の當初豫算をもつていたしましては物價騰貴の關係上、事業量といたしましては大體半分くらいのところに相なるのであります。この關係上經費の増加を要することが一つ。もう一つは六・三制の關係であります。もう一つは夏の災害の關係でありまするが、さようなものはすべてを織りこみまして五十二億四千六百萬圓というふうになるのであります。ただいま内譯につきましては檢討中に屬しまして正確なことは申し上げられないのでありまするが、六・三制豫算はこのうち七億圓、それから災害の關係は二十二億ないし二十三億圓というふうに相なる見透しであります。
 次に災害救助費、これは災害救助法によりまして災害があつた場合に應急の炊出しをいたしますとか、あるいは小學校に收容いたしますとか、あるいは衣料を給付いたしますとか、さような應急的な支出に要するものであります。これはもともと縣が負擔をいたすのでありまするが、これに對しまして國庫においてこれを補給をする形をとるのでありまして、その補給に要する經費が四億一千萬圓であります。
 次は物資及び物價調整事務取扱費、當初豫算が二十二億圓、追加が四億六千萬圓、合計二十六億六千萬圓となるのであります。この四億六千萬圓の追加は公團職員の待遇改善に要する經費が三億圓、それから公團固定設備の買入れに必要な經費が一億六千萬圓であります。
 次は給與改善費、當初豫算はゼロでありまするが、補正豫算におきまして五十四億七千九百萬圓を追加いたします。これは當初豫算は御承知の通り千二百圓ベースで人件費を計上いたしておるのでありまするが、その後政府におきましては千八百圓基準にこれを改めんとするために必要なる經費であります。
 次は生活保護費三十六億圓の當初豫算に對しまして、十八億圓を追加し五十四億圓と相なるのであります。これは生活保護法によりまして困窮者を救濟によりまして困窮者を救濟するに必要なる經費が主たるものであります。今囘追加を必要とするのはこの困窮者の從來の單價が一世帶六百三十圓であつたものを、物價の状況に鑑みまして千三百二十六圓に改訂するのがおもなものであります。
 次は義務教育費、當初豫算におきましては二十四億三千三百萬圓でありまするが、これに對しまして五千七百萬圓追加し、合計二十四億九千萬圓と相なるのであります。この當初豫算の二十四億三千三百萬圓は、そのうち十九億七千六百圓が、從來小學悛の系統の職員の給與のために國庫において、補給するに必要なる經費でありまするが、殘りの四億五千七百萬圓は今囘六・三制の施行に伴いまして必要な經費だつたのでありまするが、その給與の關係の經費の増加は、先ほど申し上げました給與改善費五十四億七千九百萬圓の中にはいつておるのであります。今囘追加せんとする五千七百萬圓は公共事業費五十二億四千六百萬圓の中において施行せんとする七億圓に相應ずるものであります。七億圓の方におきましては、これは營繕をやるのでありまするが、五千七百萬圓をもつて椅子等の調辨を行うという關係に相なるものであります。
 次は引揚民の關係經費、これが當初豫算二十億三千九百萬圓に對しまして三億五千四百萬圓を増加し、二十三億九千三百萬圓となるのでありまするが、これは歸還輸送費等、物價の關係上追加を要するものであります。
 次が船舶運營會補助、當初豫算が十二億一千萬圓に對しまして今囘七億二千二百萬圓を追加し、十九億三千二百萬圓とするものであります。これは運營會職員の給與改善等に關し必要と相なる經費であります。
 次が警察消防費、當初豫算が十三億二千三百萬圓でありまするが、これは當初の十三億二千三百萬圓というのは人件費の國庫二分の一補助が大部分を占めておるのでありまして、その關係の人件費の増加は先ほど申し上げました給與改善費五十四億七千九百萬圓の中にはいつておるのであります。從いましてこの欄におきましては追加額は形式上はゼロとなつております。
 次は貿易資金の繰入、貿易資金の繰入は當初九億五千萬圓と見ておつたのでありまするが、今囘五十五億圓を追加し、總額六十四億五千萬圓となるものであります。今囘貿易資金の繰入を必要とするに至つたのは、最近の貿易資金需給計畫からいたしますると、年度末までにおきまして五十五億の損失を生ずる見込みが明らかとなつたのでありまして、その額を一般會計から繰入れるということにいたしたわけであります。
 次に住宅復興資材費六億八千六百萬圓、追加額ゼロであります。これは事業量が相當減少しておる關係上、物價騰貴の關係の經費を追加計上する必要を認めなかつたのであります。
 次に農地改革費三億七千七百萬圓の本豫算に對しまして六億二千二百萬圓を追加し、九億九千九百萬圓といたすのでありまするが、これは農地改革委員會關係の人件費の單價の引上によるものであります。
 次は農業生産調整費一億九千萬圓でありますが、これは農業生産調整法によりまするところの委員會の補助に要する經費がおもなるものであります。
 次に外國貿易業者來朝費六億三千九百萬圓、これは先般各國からバイヤーが參つたのでありまするが、それに對しまして帝都ホテルでありまするとか、その他ホテル等の施設をつくる關係上、その建物及び調度に必要なる經費であります。
 次は失業手當及び失業保險十億圓でありまするが、この十億圓は失業手當に必要なる經費であります。
 次は刑務費、それからその次が病院等物件費、試驗研究所物件費、この三者は物價騰貴に伴いまして必要なる經費であります。
 次は年金及び恩給、これは追加額はありません。
 次は鐵道通信及び預金部繰入八十五億圓、このうち鐵道會計に繰入をいたすものが五十億圓であります。それから通信事業特別會計に繰入れるものが二十五億圓、預金部に繰入れるものが十億圓であります。これは各特別會計における獨立採算制の見地から、後年度においていずれもこれを一般會計に囘收いたす豫定のものでありますが、この繰入れをいたす結果、鐵道、通信兩會計におきましては、年間を通じまして、大體鐵道會計において十億圓、通信會計において五億圓ずつ毎月赤字が出るのを、十一月以降においてはこれを解消し得ることになるわけであります。預金部におきましては、これは多額の國債を保有しておりまする反面におきまして、人件費等の増加によりまして十億圓以上の赤字を出すのでありますので、さしあたり十億圓の國庫繰入れをいたすことにいたしたのであります。
 次は、出資金七十一億圓の當初豫算に對しまして四十億圓の追加をするのでありますが、この四十億圓の追加は、復興金融金庫に對するものであります。復興金庫におきましては、先般御協贊を經まして、二百五十億圓の從來の資本金を三百億圓さらに増加いたしまして五百五十億圓といたしたのであります。その三百億圓の増資に對應いたしまして、政府から四十億圓を出資し、他は復興金融債券の發行によつて支辧せんとするものであります。
 次は、國債費については、追加豫算の計上を必要といたしません。
 その他當初豫算におきましては、百十二億七千七百萬圓に對しまして、二十五億八千三百萬圓の追加をいたすのであります。
 豫備費は追加を必要としておりません。
 既定經費の節約、これは十五億一千四百萬圓でありまするが、このおおむね九億圓は人件費であります。殘りは物件費が主でありますが、その他のものも若干はいつております。これは先般政府におきましては、今囘この厖大なる追加豫算を必要とするに對しまして、その行政運營の合理化をはかり、極力その經費を節約する必要を認めたものによりまして、將來政府職員の定員の増加はもういたすまい。原則としてやらぬ。それと同時に、新規に政府職員を採用するということも原則としてこれをやめようということにいたしたのであります。この措置をいたしますると、相當多額の人件費の節約となるのでありますが、これが豫算の計上は技術的に非常に困難な點がありますので、本豫算におきましては、さしあたり各省を通じまして一割の人件費の節約を行つているのであります。なお物件費につきましても、同樣の關係から一割の節約をやつております。
 以上によりまして本豫算の歳出の合計額は千百四十五億圓、これに九百二十一億六百萬圓を追加いたしまして、二千六十六億一千萬圓と相なるのであります。
 次に歳入におきましては、租税が當初豫算六百八十七億九千九百萬圓、これに對して六百三十五億五千三百萬圓を追加し、千三百二十三億五千二百萬圓となるのであります。これは主税局長が參つておりますから、主税局長から詳細に御説明申し上げたいと思います。
 それからタバコの益金當初二百二十六億五千八百萬圓に二百五十九億六千二百萬圓を追加して四百八十六億二千萬圓となるのであります。これはただいま委員長からもお話のありましたように、先般ピース五十圓、新生四十圓という價格の改計を行つたことに基く本年度の増收見込額を計上したものであります。なお詳細につきましては、煙草部長が見えておりますから、必要に應じましてその方から御説明いたします。
 次に價格差納付金當初十億八千二百萬圓を計上せるに對しまして、今囘これに六十億六千六百萬を追加いたしまして七十一億四千八百萬圓とするものであります。これは七月の公價改訂によりまして、生産業者竝びに販賣業者の手持ちの資材が相當値上りをしたわけでありまして、生産業者につきましてはその値上りの差益より三分の一を徴收し、販賣業者よりは五分の四を徴收するのでありまして、この徴收額はおおむね九十七億圓となるのでありますが、そのうち本年度におきましては、徴收可能なる見込金額六十億六千六百萬圓を計上いたしたわけであります。
 次にその他雜件におきましては百七十億九千百萬圓、これに對しまして十三億九千八百萬圓を追加し、百八十四億八千九百萬圓と相なるのであります。この十三億圓の追加の中には、日本銀行より納付金七億圓を含んでおります。その他の雜件につきましては、別の資料をもつて御説明いたしたいと存じます。
 以上によりまして、本議會に提出いたしまする本年度の補正追加豫算の歳入歳出の概略を御説明申し上げたわけであります。
 なお特別會計につきましては、實は計數が昨日やつとまとまつたばかりなのでありまして、提出までにはさらに二、三日を要する見込であります。また節約豫算につきましても、特別會計と同じ時期に相なるように見透されるのであります。
 それからお手もとに豫算書が配付してあるのでありますが、附屬資料が未だに間に合いませんで、まことに恐縮の次第でありますが、取急いでいるのであります。これは各目の附屬資料が出ないのでありますが、しかしながら、大藏當局といたしましては、極力御審議に御便宜なようにという趣旨から、本日午後一般會計に關する數字上の資料を提出いたしたいと考えております。なおただいま取急ぎ準備中でありまするが、一般會計竝びに特別會計を通じました豫算全體の説明書を作成中であります。これまた今週中にはお手もとに提出できるのではないかと存じております。まことに簡單でありますが、以上御説明申し上げました。
#10
○鈴木委員長 それでは次いで歳入に關しまして主税局長からの説明を伺いたいと思います。
#11
○前尾政府委員 なるべく簡單に租税收入につきまして、御説明申し上げたいと思います。
 先ほどお手もとに配つてあります租税收入につきましては、六百三十五億となつておると思いますが、そのほか印紙收入のうちに、印紙税、登録税、骨牌税などにおいて増税をいたしておりまして、それが一億七千三百萬圓であります。租税收入といたしましては、今度の追加豫算におきます收入は、六百三十七億二千六百萬圓ということに相なつておる次第でございます。そのうち所得税が今囘二百五十六億を出しておるのでございまするが、その租税收入のうちには自然増收が二百六十八億でございます。また増税いたしております分が三十八億、減税いたしております分が五十一億でございます。所得税につきましては、自然増收を出しておりますので、差引き先ほど申し上げました二百五十六億の増收に相なるわけでございまするが、税制自體といたしましては、ただいま申し上げましたように、むしろ減税ということに相なつております。まず増税の分でありますが、これは大體におきまして事業所得について言い得ることでございます。その税率をただいま七萬圓を越ゆる金額につきましては五五%、なお九萬圓、十二萬圓、十五萬圓というような階級區分も設けまして、九萬圓を越ゆる金額が百分の六十四、十二萬圓を越える金額が百分の六十八、十五萬圓を越ゆる金額が百分の七十二というふうな税率を盛りまして、百萬圓を越える金額につきましては、從來百分の七十五でありましたものを、百分の八十五とこういう税率にいたしております。しかしこの税額といたしましては、その課税所得に對しまする割合が、百分八十以上になりました場合は、百分の八十に止める。大體その限界は、百四十八萬圓、大體において百五十萬圓程度になりますと、所得税引の殘りが二割ということに相なるわけでございまして、その反面におきまして給與所得竝びに扶養家族をもつておりますものの税負擔を、輕減いたしておるわけでございます。給與所得につきましては、從來勤勞所得に對する特別控除といたしまして、二割の控除をいたしておつた次第でありまするが、その控除を二割五分に引上げたのでございます。但し本年につきましては、七月分の給與よりこれを適用いたしますので、一年を通じて最後の確定申告の場合におきましては、二割二分五厘の控除を適用するということに相なります。またその控除の限度を從來二萬圓までの金額に適用しておりましたものを、五萬圓までに引上げました。從つて控除の最高限が、從來の六千圓から最高一萬二千五百圓まで引上げらるることに相なるわけであります。但し本年につきましては、一萬千二百五十圓ということに相なるのでございます。それから扶養親族に對します控除は、從來月額二十圓、年額にしまして二百四十圓でありましたものを、倍額の月額四十圓、年額四百八十圓ということに引上げたのでございます。但し本年は先ほど申しましたように、半年分適用いたしますので、年を通算しました場合には三百六十圓ということに相なるわけでございます。この先ほど申し上げました税率引上げの分と、給與所得竝びに扶養親族の控除の引上げということによりまして、扶養親族が三人あるという場合を假定しますと、事業所得におきましては年所得が九萬八千三百圓というところまでは、すべて減税になつてくるわけでございます。但し本年につきましては九萬二千八百圓ということに相なります。それから給與所得につきましては、この控除と扶養親族の控除と兩方によりまして、平年でありますと十六萬八千圓までが減税になります。それから本年につきましては十六萬四千圓まで減税になりますので、大體において勤勞所得につきましては、すべて減税に相なるという結果になるのでございます。なお千八百圓基準の場合におきまして、扶養親族が三人という家族標準給與の月額二千九百二十圓の場合におきましては、從來の税金は月四百五十二圓でありましたものが、三百十三圓に減じますので、結局において百三十九圓の減ということに相なるのでございます。それ以外につきましてはいろいろ課税の便宜をはかりますために、たとえば簡易税表によつて、從來五萬圓までの所得者につきましては、簡單に適用しておつたのでありますが、それを八萬圓に上げるというようなこと、あるいは確定申告、豫定申告を出す場合をなるべく簡便にするという趣旨のもとに、いろいろ改正をいたしておりますが、それは税收入に關係はございません。所得税につきましてはただいま申し上げたようなことによりまして、二百五十六億という増收でございます。
 自然増收につきましては、これは從來當初豫算におきましては、千二百圓ベースで考えておりました。それが千八百圓のベースに變り、また米價も最近の米價に引上げられておるわけであります。また事業所得等の所得につきましても、最近の物價の改訂によりまして、見積り之をいたしておるのであります。
 次に法人税でありますが、法人税につきましては同族會社に對する加算税の税率を、百分の五程度引上げておるのであります。法人に對する超過所得の税率を引上げるというような意見もあるのでありますが、現在の超過所得に對します税率は相當高いのであります。外資の導入あるいは株式の民主化というような點から考えますと、むしろ現在の税率は高きに過ぎるという懸念もございます。また結局におきまして法人の所得は、それが配當されますと當然個人所得として今度の改正税率の適用を受ける。また留保いたしております場合は、ただいま申し上げましたように、同族會社の留保の分に對しまして、加算税を引上げる、個人の税率に相對應せしめているわけであります。ただ法人につきましても、自然増收は相當出てまいるわけであります。大體におきまして四十二億の増收を今囘見込んでいるわけであります。
 次に登録税につきましては、大體三倍程度というふうに考えております。もつともこれは定率の場合と定額の場合とあるわけでございます。定率の場合につきましては、課税標準自體が上つてまいりますので、今囘は据置でございます。定額の場合につきましては、大體物價の改訂とにらみ合わせまして三倍程度にいたしているわけでございます。その増收としては二千八百萬圓でございます。
 次に酒税につきましては、すでに御承知のように、一級酒を從來百三十二圓のものを二百五十圓に引上げる。二級酒につきましては百二圓のものを二百圓に引上げる。ビールにつきましては二十三圓のものを四十圓程度に引上げるという程度の税率の引上げを行うのでございます。税金で申しますと、一級酒が二百五十圓になりました場合には大體百九十八圓、二級酒につきましては二百圓のうち百五十三圓が税金でございます。ビールの四十圓のうち大體三十圓が税金でございます。次に從來業務用酒に對しまして二百圓の加算をいたしておりましたが、業務用酒については、料理店の營業停止に伴いまして、當然減收を生ずるわけでありますが、大體におきまして三百圓をそれに加算をいたしまして、特價で販賣する、すなわち一級酒につきましては、五百五十圓程度に賣るわけでございまして、ビールにつきましては百圓で賣ることにいたしております。この税率の引上げによりまして、酒税につきましては百三億圓程度の増税になるわけでありますが、當初見込みましたほどに酒の數量が出てまいりませんので、一方に自然減收として六億程度の減收がございます。從いまして今囘の豫算につきましては、九十七億の増收が見込まれておる次第でございます。
 次に清涼飲料税につきましては、大體酒税と同樣の歩調によりまして、三倍程度に引上げておるのでございます。從來サイダーが一本十圓程度の價格でありまして、その中の四圓六十錢が税でございますが、それが大體二十圓程度に相なりまして、十三圓八十錢というのが税金に相なるわけでございます。それによりまして清涼飲料税につきましては、二億三千九百萬圓という收入を見込んでいる次第でございます。
 次に物品税でございますが、物品税におきましては税率は大體そのままでございます。大體定率税につきましては据置でございますが、最近の物價の改訂によりまして、三十八億程度の自然増收が出てまいるわけでございます。なお物品税の中で定額になつておりますマツチにつきましては倍額に引上げをいたしております。從來マツチの小箱の一箇の税金といたしましては十三錢五厘でございますが、それが二十七錢になり、公定價格といたしましては一圓十錢程度になつておりますので、十錢程度の引上げはやむを得ないというように考えている次第であります。
 それから飴、蜂蜜につきましては大體三倍程度にいたしております。またサツカリン、ズルチン等につきましては大體五倍の引上げをいたしているのでございます。それらによりまして増税としては大體六億程度の増税が出てまいるわけであります。從いまして物品税といたしましては、追加豫算においては四十五億の増收を見込んでいる次第であります。
 次に入場税でございますが、最近の入場料金あるいはその消費も相當強度に需要があります點、それらを考え合わせまして、またほかのいろんな消費物件が減つておりますこの際、耐乏生活という意味合からいたしまして定率、つまり率によつている分ではありますが、五割の引上げをいたしまして、十五割の税金がかかるということにいたしているのであります。税率引上げによりまして大體十億程度の増收でありますが、最近の入場料金の引上げによりまして三十億程度の自然増收がありますために、今囘の豫算におきましては四十一億を見込んでいる次第であります。
 次に骨牌税、印紙税、狩獵免許税、これらにつきましては、殊に印紙税につきましても定額で表示いたしております分は、當然物價の改訂に伴いまして引上げをいたさなければならぬということに相なりますので、大體におきまして三倍程度の引上げをいたしております。委任状が從來二十錢のが一圓になり、受取紙の三十錢が一圓二十錢という程度の引上げをいたしているわけでございまして、印紙税につきましては八千九百萬圓、骨牌税につきましては二千百萬圓という程度の増收を見込んでいる次第でございます。
 それ以外につきましても、税制におきましては從來災害減免法は、法律に基く委任命令によりましてその時々に出しておりましたのを、今度は一般的にいかなる場合にも適用あるようなふうにいたしまして、すべて法律によつて適用するというような意味合からいたしまして法律案を提出いたしております。またボス排除というような思想からいたしまして、從來の團體諮問權あるいは徴收補助團體等につきましても改正をいたしております。また納税組合というものもいわゆる官製の納税組合ではいけないという意味合から、納税施設を廢止するというような改正をいたしております。また罰則につきましては最近の事情から考えまして、相當強化する必要がある、また源泉徴收の場合の徴收義務者につきましても罰則をつくる必要があるというような意味合からいたしまして、罰則の強化をいたしております。
 次に非戰災者特別税でありますが、非戰災者特別税につきましては、大體本年の見込といたしまして六十五億を計上いたしておるのであります。非戰災者特別税の構想――と申すより思想的に考えますと、いろいろ議論のあるところでありまするが、何と申しましても最近戰災者と非戰災者との縣隔はますますはなはだしくなつております。また國民感情からいたしましても、非戰災者に對して何らかの手を打つ必要があるというふうな根強い意見があるのであります。また昨年戰災者の受けました保險金等は、戰時補償特別税法によりまして打切りになるというような措置をとられたのでありまして、それらの反面におきまして、非戰災者に對して一囘限りの課税を行うということもやむを得ないというふうに考えた次第でございます。非戰災者特別税は家屋を對象といたしております非戰災者家屋税と、非戰災者のもつております動産を對象といたしました非戰災者税の二本建にいたしております。非戰災家屋税につきましては、終戰時すなわち昭和二十年の八月十六日現在におきまして家屋を所有しておりました個人竝びに法人に對して課税するのでございます。課税物件は住宅、店鋪すべての建物について課税をするのでございます。しかし公共團體のもつております家屋、あるいは國寶または史蹟名勝として指定された家屋、あるいは學校、宗教法人の神社、寺院、教會等の家屋、公益法人の事務所、あるいは賃貸價格が三十圓未滿の場合におきましては、非課税といたしておるのでございます。課税標準は終戰時におきます家屋の賃貸價格をとりまして、税率はその三倍といたしておるのでございます。
 次に非戰災者税につきましては、非戰災者の動産を對象といたしておるわけではありまするが、結局戰災を蒙つた人につきましては課税をしない。非戰災家屋税の場合におきましては、戰災を蒙つておりましても、家屋が殘つたという場合には課税するのでありますが、非戰災者税の方につきましては、戰災者につきましては課税をしない。その戰災者と申しますのは、家屋と動産につきまして、その三割以上が損害を受けたという場合には戰災者でございます。その以外のものが本年の七月一日にちようどこの非戰災者特別税を發表いたします直前でございますが、その當時におきまして家屋を使用しておりました世帶主、あるいは法人に對して課税するのでございます。それに對しましては國、都道府縣、市町村のもつております家屋、あるいは引揚者がその世帶の生計を主として維持しておつた場合、あるいは戰死者等の遺家族でありまして、その戰死者がその世帶の生計を主として維持しておつたというような場合、もつともこの戰死者の場合につきましては賃貸價格が百圓未滿の場合につきまして、それを課税しないということにいたしております。また賃貸價格が三十圓未滿の場合も非課税といたしておるのでございます。また先ほど申しました國寶、史蹟名勝として指定された家屋、あるいは學校の教育の用に供しておる家屋、宗教法人の宗教に供しておる家屋、公益法人の公益の用に供しております家屋というものも、課税標準から外すのでございます。價税標準につきましては一々動産を調査するということはとうてい不可能でございます。大體その家屋の賃貸價格に相應した動産があるのでありますから、課税の便宜上、賃貸價格をとつておるのでございます。税率は百分の三百、すなわち三億でございます。實際に一々調べましたところによりますと、賃貸價格に對する家屋の價格の割合と、その中にあります動産と賃貸價格の割合は、普通の勤勞者につきましても動産の割合の方が多いのでございますが、一應同率の百分の三百という税率にいたしたのでございます。この非戰災家屋税、非戰災者税、いずれも申告納税でございまして、來年の一月末日までに申告していただく。そうしてそれと同時に税金を納めていただくということにいたしております。またやむを得ず納められないという人につきましては延納を認めております。原則として六箇月でありますが、なおそれ以上に延納を認めなくちやならぬという場合につきましては、一年を限りまして擔保を提供させて延納を認めるというふうにいたしておるのでございます。
 なおまた終戰後におきまして、いろいろな震災あるいは水害というようなことで、家屋なり動産が減失したという場合につきましては、輕減または免除するという途を開いておるのでございます。總額といたしましては七十二億の税額でありますが、本年度の收入といたしましては、六十五億と見込んでおる次第でございます。
 ただいままで申しました今囘の改正なり自然増收の内譯につきましては、増收といたしましては百六十二億でございまするが、減税として先ほど申しました五十一億がございますので、差引き百十一億で、新税の非戰災者特別税が六十五億ございますので、合計すれば百七十六億であります。それ以外にも先ほど申しましたように物價の改訂、それから賃金の引上げというようなことによりまして、四百六十億の自然増收が出てまいるわけでございます。それが總計六百三十五億という收入になるのでございまするが、當初の租税收入全體が六百八十七億圓でございます。また六百三十五億を合計いたしますと千三百二十三億という巨額に達するわけでございます。なお直接税、間接税その他というので、その比率を見てみますと、大體におきまして當初豫算と追加豫算を入れました合計は、當初、豫算の割合とほとんど變つておりません。間接税に專賣益金を入れない場合を申し上げますと、當初豫算につきましては、直接税が六割七分二厘、間接税が三割九厘、その他が一分九厘ということになつておりますが、今囘の追加豫算におきましては、直接税が六割七分二厘、間接税が三割二分三厘、その他が五厘、合計いたしまして、直接税が六割七分二厘、間接税が三割七分六厘その他が一分二厘というようなことで、ほとんどその比重は變つておりません。また專賣益金を入れましても、直接税が當初豫算におきましては、五割五厘、間接税が四割八分一厘、その他が一分四厘ということになつておりましたのが、今囘のすべての追加豫算を入れまして、直接税が四割九分一厘、間接税が五割、その他が九厘というようなことでありまして、ほとんど直接税、間接税の比重は變つていないのでございます。
 所得税につきましては、先ほど申し上げましたように、ある程度の減税はいたしておりますが、なお租税收入の五割二厘というような比重をもつている次第でございます。この所得税につきましては、御承知のように本年は申告納税という制度をとつたのでありますが、その成績は必ずしも成功とはまいつておりません。從いまして相當更正決定をやらなくちやならぬというところにわれわれも追込められておる次第でございます。それにつきましては、今月適當の時期からいたしまして、一大納税運動を展開いたしたい。そして皆さんの御協力を得まして、國民全體として、この租税に對する認識を新たにしていただきまして、納税をしていただくという方法をとる一面におきまして、税務署員の官紀の肅正、あるいは待遇の改善、あるいは機構の改善というような點も併せて何とかこの豫算に盛りました税收入を確保いたしたいというふうに考えておる次第でございます。どうぞ皆さんの絶大の御援助を願いたいというふうに考えておる次第であります。
#12
○鈴木委員長 それでは今日はもう時間も十二時半過ぎたようでございますから、明日午前正十時に開きまして、安本長官の主としてこの豫算を裏づける物の面に關する説明を求めてございますから、安本長官に、明日午前説明を聽きまして、續いて質疑にはいるようにいたしたいと思います。
#13
○野坂委員 終戰處理費及び賠償物品小委員、あれについての審議及び質問はどの程度までいつておりますか。ここの委員會及び本會議において……。
#14
○鈴木委員長 終戰處理費については先般お諮りして決定しましたように、委員會としてもいろいろな資料を政府に要求しておりまして、政府はいろいろな事情を考慮して、できるだけの資料を續いて提出されるはずでありますから、あまりこまかい、たとえばどこに何をつくるとかいうようなことには觸れないで、なるべく私としてはこの終戰處理費の豫算に盛られた計畫が、物の面から滿足に遂行されるかどうかというような點を、できるだけ物の面から檢討を加えてみたらどうかと考えております。ただいま申しましたようなあまりこまかい、どこに何をするかというようなことに觸れない限り、できるだけ終戰處理費による事業が圓滑に遂行されるような觀點から、御質疑を願つてはどうかと存じております。なお政府の關係方面とたとえば審議の範圍などについて折衝もされておるようでありますから、追つてまたそういう點についてはお諮りをしたいと存じます。
 今日はこれで散會をいたします。
   午後零時四十六分散會
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ソース: 国立国会図書館
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