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1947/11/06 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第16号
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1947/11/06 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第16号

#1
第001回国会 予算委員会 第16号
昭和二十二年十一月六日(木曜日)
    午前十時五十八分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 川島 金次君 理事 稻村 順三君
   理事 小島 徹三君 理事 苫米地英俊君
   理事 庄司 一郎君 理事 川野 芳滿君
   理事 東井三代次君
      荒畑 勝三君    黒田 寿男君
      海野 三朗君    加藤シヅエ君
      河合 義一君    島田 晋作君
      竹谷源太郎君    中崎  敏君
      中原 健次君    西村 榮一君
      安平 鹿一君    押川 定秋君
      川崎 秀二君    古賀喜太郎君
      五坪 茂雄君    鈴木 明良君
     長野重右ヱ門君    淺利 三朗君
      磯崎 貞序君    植原悦二郎君
      角田 幸吉君    西村 久之君
      小峯 柳多君    鈴木 正文君
      世耕 弘一君    上林山榮吉君
      樋貝 詮三君    船田 享二君
      野坂 參三君
 出席國務大臣
       内閣總理大臣   片山  哲君
         内務大臣  木村小左衞門君
         大藏大臣   栗栖 赳夫君
         文部大臣   森戸 辰男君
         國務大臣   和田 博雄君
 出席政府委員
       大藏政務次官   小坂善太郎君
        大藏事務官   福田 赳夫君
        大藏事務官   前尾繁三郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豐治君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長 それではこれから會議を開きます。
 昨日から議題にいたしております豫算補正(第七號)につきまして質疑にはいる順序でございますが、その前に安定本部の總務長官から終戰處理費を裏づける物的基礎となります物動計畫に關し、あるいはその他につきまして御説明を一應伺いまして、次いで質問に入りたいと思います。
#3
○和田國務大臣 私から昭和二十二年度の進駐軍用向けのいろいろの物資の配當につきまして、重立つたものについてだけ御説明申し上げます。それから資金計畫についてのお話があつたわけでありますが、その點はまだ一般の資金計畫がきまつておりませんので、それがはつきりきまりましてから、御説明申し上げた方がよろしいと思いますので、そのときに讓らしていただきたいと思いまして、その點御了承をお願いいたしたいと思います。
 第一・四半期から第三・四半期までの進駐軍向けの、物資配當でありますが、これは各四半期ごとに進駐軍の方と連絡いたしまして決定をいたしておる次第であります。重立つたもので、普通鋼の鋼材から申し上げますが、普通鋼の鋼材は、第一・四半期の供給量が十三萬五千トンであります。そのうち進駐軍向けが三萬トンということになつておりまして、比率は約二二%ということに相なつております。それから第二・四半期が供給量が十四萬二千二百トンでありますが、配當量が二萬九千六百トン、二一%ということに相なつております。第三・四半期が十六萬三千九百トン、配當量が二萬九千四百五十トン、一八%ということに相なつております。それから銑鐵でありますが、供給量が第一・四半期が三萬七千六百トン、配當量が一萬三千トンで三五%ということになつております。第二・四半期が四萬トン、配當量が一萬二千トンで、やはり三〇%ということになつております。第三・四半期が供給量が五萬三百トン、配當量が一萬二千トン、比率は二四%となつております。それから鑄鐵管でありますが、鑄鐵管は供給量が第一・四半期が四萬九百五十、配當が四千二百七十、約八六%というものが、第一・四半期では進駐軍にいつております。第二・四半期も五千七百のうち四千六百というものが進駐軍にいつておりまして、八一%となつております。第三・四半期六千三百六十五、配當量四千八百トン、パーセンテージにしまして七五%ということになつております。
 それからその次におもなものとしましてはセメントでありますが、セメントは第一・四半期が三十九萬八千七百トン、そのうち配當が二十八萬三千六百十一トン、パーセンテージにしまして七一%、第二・四半期が三十五萬九千トン配當が二十三萬一千二百九十九トン、パーセンテージにいたしまして六四%、第三・四半期が三十一萬三千五百トン、これは供給量でありますが、この配當量が十一萬五千トン、パーセンテージにしまして三七%であります。
 その次におもなものは電線であります。電線は第一・四半期が供給量が八千五百、配當量が三千五百トン、パーセンテージが四一%、第二・四半期が供給量九千二百、配當量が二千八百、比率は三〇%、第三・四半期が一萬、配當量二千、比率が二〇%であります。
 その次のおもなものは板ガラスであります。板ガラスは供給量二十六萬、それに對して配當量が四萬五千、一七%、それから第二・四半期が三十三萬七千、配當が四萬九千五百で一四%、第三・四半期が三十六萬、配當が五萬トン、一四%であります。
 以上はおもなものを取り立てて申し上げたのでありますが、その次にくぎでありますとか、針金でありますとか、あるいは工作金網、あるいはドラム管、またカーバイドとか、新聞用紙、ガソリン、板紙、和紙、いろいろなものがあるわけでありますが、大體進駐軍向けの物資につきましては、初めに申し上げましたように、各四半期ごとに向うと交渉して決定しておる次第でありまして、今度の追加豫算の場合におきましても、第三・四半期分はこれでいいという、大體の向うの了解は十分に得ておる次第でありまして、ただいま申し述べましたような數字になつておる次第でございます。
#4
○鈴木委員長 なお終戰處理費の支出の状況につきまして、福田主計局長からの御説明があります。
#5
○福田政府委員 今年度の終戰處理費の支出状況について申し上げます。
 今年度の本豫算の額は昨日御説明した通り二百七十億でありました。それに對しまして前年度から繰越しになりました額が十億一千八百圓でございます。合計二百八十億一千八百萬圓となるのであります。これに對しまして支出の状況を申し上げますると、四月に二十四億四千六百萬圓を支出しております。五月に三十八億六百萬圓、六月に三十七億七千九百萬圓、七月に五十四億九千四百萬圓、八月に四十八億三千六百萬圓、九月に二十九億五千四百萬圓、十月に、これは概數でありまするが、約五十億圓を支出いたしました。十月末の殘額は四億餘萬圓に相なつておるのであります。今後追加いたしまする三百九十億圓は、大體におきまして十一月分からの支拂いに充當されるものであります。從いまして十一月以降五箇月間に三百九十五億圓ほどの支出と相なりますので、月平均いたしますると、八十億、上半期における平均支拂額四十億圓に對しまする大體倍額の金額に上ることに相なります。
#6
○鈴木委員長 それではこれより質疑に入ります。質疑は理事會での申合せの通りに、通告順によつてこれを許可いたします。荒畑勝三君。
#7
○荒畑委員 私は本追加豫算に關してまず第一に片山總理大臣にお尋ねをいたしたいのであります。
 この昭和二十二年度本豫算は前吉田内閣の編成にかかるものでありまして、當時の石橋財政の基本的な政策は、インフレの促進によつて勤勞大衆、中産階級の犠牲に基くところの經濟の再建を行わんとするものであつたことは、今さら申し上げるまでもありません。吉田内閣は倒れましたが、しかしこの當時の惡政の結果は、今や片山内閣の時代にはいりまして表面に現われてまいつております。そうして日本の經濟危機をしてほとんど破局の段階に追いこんでいると言えるのであります。從つて今日上程されておりまする追加豫算編成の方針というものは、前内閣の財政政策とその惡結果を克服することを根本方針としなければならない。そうでなければ社會黨が中心となつております片山内閣の存在理由はないと存ずるのであります。ところが本追加豫算の編成方針を見ますると、なるほど健全財政の建前は一應とられておりまするが、しかし單にその名にとらわれまして、收支のバランスをとることに汲々としておつて、社會黨を中心とする内閣が、勤勞大衆の絶對的支持と期待とによつてでき上つたその大衆の支持期待を、ややもすれば裏切る。そういう感を深くせざるを得ないのである。これを本豫算に現われておりまする歳出の面について見まするに、終戰處理費の節減、これに政府が多大の努力を拂われたことは大いに多とするものでありまするが、しかし官公吏の給與改善、あるいは失業手當、または失業保險、生活保護費、災害費關係費、引揚費等のごとき、勤勞者階級によるところの支出というものは、約九十億で追加豫算の一割にも足りない状態であるのに反しまして、價格調整費であるとか、船舶運營會の補助であるとか、貿易關係金融機關等、そういうような資本關係の支出は二百八十億になんなんといたして、全體の二割八分に上つておる。しかも特殊の支出であるところの終戰處理費を除きました場合には、この割合は實に七割近くの多きを占めておるのであります。政府のいわゆる健全財政が、もつぱら資本家的な經濟再建の見地から構想されたものであるという疑いを深くせざるを得ない次第であります。從つて畢竟この追加豫算の編成方針というものは、前の石橋財政の延長にすぎざるやの感を私は深くせざるを得ない。この點につきまして現片山内閣成立當初のいわゆる四黨政策協定というものは、非常に大きな影響をもつておる。大きな拘束力をもつておる結果であると私には考えられる。しかし自由黨はすでに片山内閣支持を放棄いたしまして、純野黨の立場を聲明いたしておるのでありまするから、政府はもはやこの上四黨政策協定に拘束せらるる理由はないのであります。片山内閣といたしましては、政府の公約いたしました經濟緊急對策としての八大政策を、強力に遂行すべきであると思うのであります。從つて内閣は追加豫算において從來の編成方針を捨てまして、新しい見地に立つて編成替する意思はないのであるか、もし追加豫算においてこれを行うことが不可能だといたしますならば、二十三年度の本豫算において、こういう見地に立つて獨自の方針に從つて編成する意思があるかないか、これを片山首相にお伺いいたしたいと思うのであります。
#8
○片山國務大臣 荒畑君の御質問はまことにごもつともと存じますが、現下のわが國の經濟状況を見ますと、荒畑君も御指摘されました通り、まことに深刻な状態でありまして、一歩誤れば破局のどん底に突き落されてしまうというような状態であります。何とかこのインフレーシヨンをせき止めまして破局を救濟し、祖國再建のための財政、經濟、産業の再建を確立していかなければならないという點につきまして、最大の考慮を拂つたのであります。組閣當時四黨政策協定がありましたが、お示しの通り自由黨はすでに去りまして、今日はそれに非常な拘束をされる必要はないのであります。從いましてそれにとらわれてはおりません。しかしどうしても産業を再建していかなければならない、經濟を建直していかなければならないということを中心として豫算を編成し、財政計畫を立てていかなければならないのであります。御承知の通り私どもは、多年勤勞階級の生活向上に努力してまいつたのでありまして、今日においてもその心持は捨ててはおりません。どうかして働く人々の生活をよくしたい、個人の生活を向上し、國民の職業を安定せしめたいということに、現在最大の努力を拂つておるのでありまするが、何しろ今日の國家經濟、國家産業を見ますと、あまりに荒れ果てておるのであります。この個人經濟と國家經濟のつなぎをよくし、關連をよくすることが、まず前提であると考えるのであります。全力を産業再建に、全力を國家經濟の建直しにもつていかないことには、すべては御破算、すべては破局に瀕して、個人經濟をよくしようと思う多年の努力も水泡に歸するのではないかということを非常に憂えておるのであります。そこでいろいろ苦心をいたしました結果、資本家本位の豫算を編成するという考えは毫末もありません。個人經濟をよくする前提といたしまして、産業再建のために經濟をよくする方法といたしまして考慮を拂いました結果、お示しのような財政計畫、豫算編成ということに結論が到達いたした次第であります。産業を發展せしむるためには、資本家を擁護するのではなくして、産業を成り立たしむる方法としての豫算編成であります。その方法を講じないことには産業が成り立たないのであります。決して資本家擁護の立場に立つてはいないのであります。そういう見地からしばらくの間は勤勞階級も忍んでいただかなければならないし、また事業に從事する事業家も、多大の犠牲を拂つていかなければならない。國民全體が國家産業再建のためにみんな犠牲を拂つて、ここで國家經濟を守り立てていつてもらう、こういう意味の財政計畫を立て、豫算編成をいたしたような次第でありまして、現下特殊なるわが國の經濟情勢上、やむを得ざる結論に到達いたした次第でありまして、決して勤勞大衆の犠牲によつてインフレを防止しようというような考えは、毫末もないというところを十分に御了承仰ぎたいと存ずる次第であります。
#9
○荒畑委員 私は紳士である片山首相の主觀的な意圖はよくわかるのでありますが、しかしながら單に主觀的な意圖だけで物は決定されるのではないのでありまして、たとい首相の主觀的な意圖がどうであろうとも、この豫算に現われた客觀的な事實から申しますならば、大衆の負擔によつてインフレを防止する、經濟の危機を突破するというその痕跡は、私はこれを疑わないわけにいかないと思うわけであります。たとえばただいまのお言葉ではありますが、しかし公共事業その他が直接、間接に生産増強になるのであります。失業者の救濟事業を生産的な方面に振り向けてまいることによつて、生産の建直しもできるのであります。從つてこの追加豫算に現われておりますような資本家に輕くして、大衆の負擔を重くするというような方針ではなくして、かえつて大衆の負擔を輕減する、失業救濟その他公共事業に、勤勞者のための費用に多くを割くということによつて、初めて日本のこのどん底に陷らんとしておる經濟の危機が克服されるのであります。そうしてそれこそ社會黨首班の片山内閣としてとるべき態度ではないか、かように考えるのでありますが、なお一應首相の御見解を伺いたいのであります。
#10
○片山國務大臣 荒畑君重ねての御發言でありまして、御趣旨は十分了解できるのであります。また私どもといたしましても、國家財政のうちより大衆生活向上、安定のために、相當の金額を支出いたしまして、その發展をはかることが必要であると考えて非常に努力いたしたのであります。何分にも財源が荒れ果てておりまして、この乏しき財源では、今日の状態においてはいかんともすべからざる状態でありまして、たとえば五十二億の公共事業費の中におきましても、できるだけ大衆生活向上のためにその費用を出したいと思つておる矢先に、突如として不慮の水害が起りまして、莫大なる費用をその方面に向けなければならないというようなことになりまして、他を壓迫するようなことにもなつたのであります。また失業者手當のために、失業保險費のために、相當思い切つた費用を出したいと考えて、當初はいろいろ檢討いたしたのでありまするけれども、これも制約されたる財源の中から支出することは、はなはだ困難となつてまいつたのであります。もとが枯渇いたしておりまして、荒野のような状態であるのをならして、そうしてその上にいろいろの施策を施さなくてはならないという状態ですから、いましばらく御辛抱をお願いいたしまして、次年度の豫算におきましては、相當これらの點を考慮いたしたいと思つておるような次第であります。
 なおあとで財政當局から御説明があるかと思いますけれども、大衆負擔にかかりまするところのタバコの問題でありまするとか、酒の問題でありまするとか、いろいろ財源のためにこれを充てておる點があります。これも非常に考慮を拂い、最後までこの問題について檢討いたした次第でありまするが國民全體に日本の今日の状態を十分に認識していただいて、國民全體の協力で日本財政を背負つてもらう。こういう意味に十分了解を努めたいと政府として考えておるのであります。日本の今日の現状はまことになまやさしい状態では決してないのである。乏しきをわけ合つていかなければならない状態である。こういう状態を十分國民全部に考えていただいて、そうしてタバコが配給の面において減りまして、まことに相濟まないと思つておるのでありまするけれども、しかし國家再建のためにしばらくは忍んでもらう。こういうふうにお願いいたしたいと思つておるような次第であります。國家財政が大體見當をつけ得るような状態になりました際におきましては、必ずその面において、生活方面に勤勞者の地位の向上のために、できるだけの努力をいたしたいということは、かねての念願であり、その目的達成のためには最大の努力を拂いたいと考えておる次第でありまするから、いましばらくの間、再建途上にある非常に苦しい財政の面におけるやりくり状態を、十分に御考慮を煩わしたいと存ずる次第であります。
#11
○荒畑委員 豫算の内容につきましては後に大藏大臣に質問いたしますが、ただいまの首相の御答辯に對して、私は最後にだめを押しておきたいと思います。この追加豫算においては、ただいまの首相の御説明で一應諒といたしますが、ただいま首相は二十三年度の本豫算においては、十分に私の申し上げたことを考慮するというお言葉でありました。二十三年度の本豫算の編成に際しましては、私は社會黨を中心とする内閣としては、その財源は事業中心に求めることがほんとうである。財源によつて政策が制約さるべきではない。もしほんとうにそうなれば社會黨を中心とする内閣の面目というものはまるつぶれである。かように考えておるのでありまして、この點について、首相は次年度の本豫算の際には、あくまでも大衆の負擔を輕減して、資本家階級に對する負擔を増強して、強力なる方針をもつて政府が公約されました――あえて社會黨が公約したとは申しません。政府が公約されました八大政策の緊急經濟危機突破を目指して、強力なる政策を遂行する御所信がおありになるか、そのお覺悟がおありになるか、一應だめを押しておきたいと思う。
#12
○片山國務大臣 御承知のように、インフレ防止のために最大の努力を拂つて、經濟秩序の確立、流通秩序の確立、物價體制の確立、從つて働く諸君に對しましてかたきを強いて、耐乏を求めておるというゆえんは、一にインフレの破局を防止したい。かように最大の努力を拂つておるのでありまして、この追加豫算もその精神に從いまして編成したのであり、同時にそれが成功さるることを心より念願いたしておるのであつて、國民の協力を求めておるのも、一に破局を防止したいという一點に集中いたしておるのであります。來年度の本豫算において、それが國民の深き心からなる理解によつて確立せらるるということになり、新物價體制その他やみの撲滅等においても、萬遺憾なきを期してまいりまするならば、財政状態は順調に進んでまいると思います。しかしわが國は敗戰のために財政上の負擔、經濟上の負擔が非常に大きいのでありまして、これらとにらみ合わせまして、この苦しい經濟、苦しい財政の中で、何とかしてわれわれは國民生活の向上をはかつていきたいということを、最大の念願として努力するのであります。今この苦しいさ中におきまして、來年度においては國民負擔を今日よりも輕減していくという、數字的な問題をお約束することは、非常に困難であると思いますが、最大の努力を拂つて、できるだけの勇氣を奮いまして、そうして國民生活の向上のために、大衆負擔のできるだけの經減をはかるために努力いたしたいという、固き意思をもつておりますることを、本日申し上げることかできると思います。
#13
○荒畑委員 質問の途中なのですが、森戸文部大臣がおいでのようでありますから、六・三制の問題について簡單にお尋ねいたしたいと思います。六・三制による新教育體制を整備しますことは、現在のような事情のもとでは非常に困難である。それは私どもにもよくわかるのであります。當初の三十一億餘萬圓という經費でもなお不十分だと考えられておつたのであります。しかし追加豫算の中ではさらにこれが減額されている。第一にお伺いしたいのは、この減らされた分はそれではこれは地方に負擔させることになるのか。またそれでなくても足りないと言われておりました經費がさらに減らされて、それではたして六・三制による新教育體制が整備されると文相はお考えであるかどうか。傳え聞くところによりますと、この豫算では各新制中學にわずかに便所を一つ建設するにしか足りない。こういうようなことさえも聞いておるのであります。はたしてこれで目的が貫徹できるものかどうか。具體的な御説明を伺いたのであります。
#14
○森戸國務大臣 ただいま荒畑委員の御質問でありますが、このたびの追加豫算では、六・三制に對する費用が七億圓となつたのであります。私ども文部當局の考えでは、六・三制を最小限度實行していくのに、國費で少くとも十四億支出していただきたい。こういうように考えておりまして、去る七月十五日の閣議でそういうことが大體話合いがついたのであります。ところがその後御承知のような關東の水災が起りまして、殊に資材を非常に必要とするという事件がはからずも起りまして、しかもそういう資材の限られた間で公共事業費を支辨していかなければならぬという、まことにむずかしい問題に當面いたしたのであります。私どもはこの最小限度をできるだけ貫徹いたしていきたいと存じまするし、他面では殊に水災あるいは旱魃等の緊急の災害の復舊を、どうしてもやつていかなければならぬという、二つの大きな問題を中心としてこの問題を苦慮いたしました。ついに總理に問題をお考えいただいて、結局全體を勘案のもとに、さしあたります七億ということが六・三制に割當てられることになつたのであります。そういう事態で、この七億ということにきまつたことを御了承願いたいと思うのであります。ただいまの御質問で、こう減額されたのでは一體六・三制ができるかできぬかという問題であります。私どもはいろいろ世の中には、こういう苦しい經濟の状態だから六・三制は中止したらいいではないか。あるいは延期したらよいではないかという議論も、一部世上にはございましたけれども、政府といたしましては、この苦しい事情のもとにも、何とかして新しい日本建設の基本的政策の一つである、教育刷新の重要なポイントでありまする六・三制を、實行していかなければならぬという決意をもつておるのであります。そこで實は七億という事態は私ども最小限度と考え、今より状況が惡くならないという點で考えたのでありまして、そういう問題は今後とも資材等の關係を考えて、できるだけその線に沿うように努力していきたいという考えをもつておるのであります。そして窮乏日本の現状を考え、ある點では不十分なこともありますけれども、それを忍びつつも政府、地方竝びに、父兄、教育關係者、生徒たちを含めた者の協力と犠牲においても、六・三制は貫徹いたさなければならぬと存じております。なおその足らぬところは地方の負擔に歸するのかというお話でありましたが、さようには考えておりません。
#15
○荒畑委員 私は大藏大臣に質問をいたしたいと思います。本追加豫算の編成の方針というものは、前内閣の石橋財政によつて起されました惡結果の克服ということが建前でなければならないと思うのであります。しかし本追加豫算の内容を見ますと、依然として石橋財政のひそみにならつて、大衆課税をもつて主たる財源としてすなわち大衆の負擔においてインフレを克服しようという形跡がみられるのであります。この點は私どものはなはだ遺憾とせざるを得ないところであります。そこでまず大藏大臣にお伺いいたしたいのは、國民所得について九千億圓その中で勤勞所得及び個人業種別所得の占める割合は、どれほどかということを大臣にお伺いしたいのであります。
#16
○栗栖國務大臣 お答えいたします。目下特別會計の分と合わせまして、今數字を集計しております。數日中には集計ができますので、集計の上でお答えいたしたいと存じます。
#17
○荒畑委員 大體の割合でもわかりませんか。こまかい數字でなくてもよろしいのです。
#18
○栗栖國務大臣 大體の割合ということも大事なことでございますし、勘で申すこともできないと思いますので、もう數日お待ち願いたいと思います。
#19
○荒畑委員 石橋前藏相が本年度豫算を組みましたときにあたりまして、大藏省の主計局は個人業種別所得を三千數億圓と見積つておる。ところが同じ大藏省の理財局では、これを五千五百餘億、かように推定いたしまして、その間に二千五百億の差があつたのです。この差額というものは主税局の課税對象とならなかつた。言いかえれば脱税が放任されておつたのであります。そしてこの脱税が認められていたからこそ、豫算の半分が間接税、すなわち大衆課税によつて占められていたのであります。ただいままだそのこまかい數字がわからないということでありまするが、おそらくはこういうような弊が現われてくるのではないかという氣がいたすのであります。もし追加豫算の面におきましても、個人業種所得が前と同じようにその割合が多きを占めまするならば、これはやみ利得、インフレの存在を示すものでありまして、これを十分に捕捉いたさなければ、タバコを中心とするような大衆課税をもつて財源とせざるを得なくなることは、當然であります。もしこのようなことになるならば、これは石橋財政の依然たる上塗りである、延長であると申さざるを得ないのであります。タバコの値上りによる收入が、本豫算を入れると四百億以上の厖大な大衆課税であることはもちろんでありますが、大藏大臣はさきに參議院における質問に答えて、大衆課税は避ける方針だということを言明されておる。ところがタバコ、酒、入場税というような間接税が、全體の四割五、六歩も占めているこの追加豫算の内容というものは、はたしてこれは大衆課税ではないかどうか、この點をお伺いいたしたいと思います。
#20
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この補正豫算を組みますにつきましては、極力大衆課税は避けることに努めたのでございます。たとえば勤勞所得者、小額所得者に對する課税負擔輕減、七萬圓以上のインフレ利得者に對する高率課税の重課、こういうようなことにも努めましたし、タバコあるいは間接税の引上げ等につきましても、極力避けたいと努めたのでありますけれども、財政上の不均衡、財政需要上の不均衡ということから來ますインフレの激化ということを防ぎませんと、この危機はとうてい突破し得ざるのであります。そのためには、大衆の課税は極力避けるのに努めましたけれども、眞にやむを得ない範圍においては、やむなくこれを認めざるを得なかつた次第であります。その邊はひとつ御了承を願いたいと思うのであります。
#21
○荒畑委員 やむを得ないとおつしやる。なるほどある點まではやむを得ないことも了承できると思います。現在の危局を突破いたしまするためには、もちろん國民全體が窮乏忍苦の生活を送らなければならないことは當然でありまして、私どもも常にそれを説いておるのであります。そのために努力しておるのであります。しかしこの現在の危局を克服しまするために、國民が耐乏生活を送るためには、あくまで民主的な方法によらなければならぬ。すなわち公正なる國民全體の耐乏によらなければならないはずであります。言いかえますならば、所得及び財産の程度に應じて耐乏しなければならないことはもちろんであります。從つて租税負擔の民主化ということが、現在の危機を乘り切る要諦でなければならないと思うのであります。しかるに、かようなやむを得ないという一言をもつて、大衆の負擔偏重の態度をとるというのでは、これは石橋財政と異るところがない。この點については藏相はどうお考えになりまするか、伺いたいのであります。
#22
○栗栖國務大臣 この直接税と間接税の割合から見ましても、從來とは變化はない次第でございます。それから課税その他につきましては、ほんとに高額所得者を捕捉することが一番大事な點でございます。これがためには、政府は非常な決意をもちまして、この利得者に對して税源を捕捉し追求する。そのためには刑罰をもつても臨む。もし税收をあげないならば、財政は破局化にいくのでございますから、この點に十分注意をしまして、非常な決意のもとにこれをいたしまして、高額所得者あるいはやみ所得者に對しても、課税の追求をいたします。これによつて、高額所得者が免れ、ただ大衆が課税を受けて、その衡平を失するということは極力是正いたす、こういうように考えたいと思うのであります。
#23
○荒畑委員 なお一言お尋ねしておきますが、石橋財政における個人所得の過小見積りを、そのまま修正しないで、追加豫算で課税したのであるかどうか。
#24
○福田政府委員 本豫算當時の税收の見積りをそのまま踏襲しておるかというお話でありますが、今囘の補正豫算の編成にあたりまして、當時のベースの税收入を再檢討いたしまして、これに對しまして相當の増加を豫定しておるのであります。すなわち今囘租税の増加合計六百三十七億圓のうちにおきまして、當時のベースによりまするところの増加は四百六十億である。すなわち大部分が當時のベースのものの増收に屬するというような状況であります。さらに六百三十七億圓のうち四百六十億圓を差引きました殘額の六十七億圓は、非戰災者特別税、それから税率の改定によるものが、百十一億圓あまり出たのでありまして、それでもおわかりになるように、自然増收四百六十億、これは今囘の租税收入の大部分を占めておる。こういうふうに御了解を願いたいと思います。
#25
○荒畑委員 次に歳出の點に關しまして藏相にお伺いしたいと思います。歳出の面におきまして、最も大きな割合を占めております終戰處理費、これは賠償撤去費を含んで四百十二億を算しておりますが、この使途に關しましては、從來いろいろな弊害が存していたことは周知の事實であります。大藏省の特殊財務部で調査した結果を見ましても、二十一年度は三百九十億の處理費中の約三割は餘分に支拂われているというが、この餘分の支拂いを政府はどうするお考えであるか。これを税でとるといたしますれば、三百九十億の三割としても百十七億という財源が浮ぶわけであります。これをどうするかを第一にお伺いしたい。終戰處理費は現在どういう方法で使われておるか、土木費の支拂いにつきましては、司令部から公定價格を嚴守しろということが指令されております。はたして資材はみな公定價か、やみの部分があるかないか。今後公定でやられるかどうか。やれないといたしますれば、國内の經濟にそれだけ食い込むわけでありまして、公共事業などは犠牲に供せざるを得ない。從つてこの使途はまだまだ節約の餘地が大きにあろうと思うのであります。これに對する政府の具體策はどうであるかをお伺いしたいのであります。
#26
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この補正豫算において四百十二億と、賠償撤去費等を含めまして後戰處理費が大きな數字であるということはお説の通りであります。これにつきましては從來監査制度その他が適當でなくて、餘分に拂うたというような事實がある場合において、いかにするかということであります。これにつきましては、餘分に拂つた場合においては、返納せしむることにしておるのであります。なお今後につきましては、その契約その他につきましては、嚴重なる監査制度を布いております。そうして地方廳あるいは戰災復興院等を通じ、こまかに當らしまして、さらに大藏省におきまして檢査をいたしまして、支拂いをいたしておるような次第でございます。なお不正な、あるいは不當な業者等を避けるために、嚴重なる入札制度をも採用いたしておるのであります。それからこの資材その他につきましては、この九月十二日付で司令部から公定價格をもつてせよという覺書も寄せられておりますので、この線に副うて連合國側の協力をも求めまして、公定價格でもつて資材及び賃金をやつていくということにいたしておる次第であります。公定價格にしましては、資材につきまして、一定の業者をして直接に資材を入手させるということは、うまくいかないという點もありますので、倉出しを保有さしたものを、こちらから資材を渡すというような點をも考慮して行うようにいたしたいと思つております。なおこれにつきましては法的處理をも講じたいというようにも考えておる次第でございます。なおこの制度につきましては、政府においても餘分な費用の節約ということも十分考えます。徹底的に公定によつて處理するということをいたしますと同時に、司令部にも十分懇請をいたしまして、御協力を求めておるような次第でございます。
#27
○荒畑委員 大衆の負擔を輕減するということは、現在の状態が國にとつて非常に苦しいものであればあるほど必要なものであります。官公廳職員の給與の改善、あるいは六・三制を實行する、社會政策を徹底する。大衆の負擔を輕減する。これらすべてが今日日本のこの危局を脱却克服するために最も必要なことでありまして、これなくしては私は生産の増強も行われない。復興もその根底の原動力を失うことになると思うのであります。さような緊急の政策は非常に多いのでありますが、乏しいのは財源である。でその財源の一端としまして、政府は漸次公債の利拂を打切るという意思があるかないか、それを伺いたいのであります。これによつて特別會計の赤字を埋めるためにタバコ値上をやるといたしましても、おそらくはもつと少くてすんだのであります。從つて國民の負擔がそれだけ輕くなつたでありましよう。その國民の心理に與える影響というものは、私は決して輕いものではないと思う。またこれをやることによつて、戰時利得を解消するという方針にも副い得ると思うのでありますが、政府は一體いつまで戰時公債を維持していくおつもりであるか、こういう巨大な擬制資本を整理しないで、講和條約成立後の世界經濟に加わることが、はたしてできるかどうか、この點について政府のお考えを伺いたい。
#28
○栗栖國務大臣 この戰時公債が大體一千億存するのでございます。この利拂は三十數億に相なつておるのであります。今日の豫算の比重から言うならば、あまり大きなことでもないのであります。この日本における戰時公債がいかに分布されておるかというようなことを檢討いたしてみますと、金融機關、さらに預金部、あるいは簡易保險局その他、多くは國民の零細なる預金、貯金その他から集積されたものによつて投下されておるのであります。そこでこれを今打切るというようなことをいたしますと、その穴うめとしまして、別途にまたその何かの補給、あるいは補償というようなことをいたさなければならぬことに相なると思うのであります。金融機關の再建整備法においても、この補償その他の打切によつて、打切を一方でいたすと同時に、一方においては國家補償もいたさなければならぬような現状であります。國債においても同樣な結果を生ずるのであります。そこで財政上から言いますならば、この際ただちにそういうことをいたしましても、財政上の負擔は一方において減じて、一方において出るから、決して輕くならないのみならず、そういうことによつて國民に與える政府の信用、國家の信用というものが、非常に大きいと思われるのであります。この際はそういうような政策は政府はとらぬということを、ここで言明申し上げたいと思うのではります。
#29
○荒畑委員 次に歳入の面について伺います。政府のとつておられる健全財政の建前から申せば、税收入が必要なことは言うまでもありません。追加豫算、本豫算を合わせて二千億圓のうち、租税は一千四百億を算しておりますが、それは第一にいわゆる自然増收、第二に増税または新税によつて賄われることになつておる。自然増收は一般的な物價騰貴に伴つて生じたものでありまして、大體これと同じ割合で歳出も増大せざるを得ないのでありますから、本格的には本豫算に伴う自然的な膨脹にすぎない。何ら追加豫算の特質に關係ないものと解すべきだと思うのであります。從つて新しい財源は増税又は新税によることが當然であります。國民負擔が限度に近づくにつれまして、徴税の困難から、新税または増税が最も捕捉しやすい財源に集中してくることも明らかであります。そうしてこれの税源は、直接税においては勤勞所得である。また間接税においては大衆消費品であります。これは單に捕捉しやすいばかりでなくて、徴税に對する抵抗が最も弱いからであります。この追加豫算に現われた新規財源ほど、その特徴を明瞭に暴露したものは、私は未だかつて例を見ないと言つてもよいと思うのであります。なるほど勤勞所得税については小額所得に多少の低減が行われまして、一應の社會政策的な意味は認められるのでありますが、しかし酒税は約倍加しておる。物品税は二倍ないし三倍の値上になつておる。一方で五十億圓の負擔輕減を唱えながら、半面に二百億近くの大衆課税をとつておるのでは、これは朝三暮四のそしりを免れないと思うのであります。合計一千四百億の租税負擔は、國民一人當りにすれば千八百圓である。その上にタバコの値上による益金増加は合計四百八十五億圓で、一人當り千六百二十圓、以上の間接税が附課されることになつておる。現下の緊急状態におきましては、庶民階級も經濟再建のためにこういう苦痛を忍び、耐乏生活に甘んずる覺悟をもつておるものと思うのでありますが、しかしそのためには、先ほども申したように、少くとも負擔の衡平ということが嚴守されなければならぬと思います。政府は初め甘味料の專賣によつて二十億の財源を得る豫定である。それが業者の反對によつてさた止みになつた。これはうわさでありますが、そういううわさをわれわれは耳にしておるが、その眞僞のいかんを第一にお伺いしたいのであります。資本家に對する負擔は、ややもすると常に全力によつて反對や妨害が行われ、そうして從來はそれが多く成功している例を見るのであります。しかるに酒であるとか、タバコであるとか、そういうものを値上げされましても、勤勞大衆はこれに抵抗する手段をもたない。片山内閣は私はこういう場合にこそ、ほんとうに大衆の利益を擁護する牧民官たる性格をもたなければならぬはずであると思うのでありますが、依然としてこういう風聞を耳にすることは、實ににがにがしく思うのでありまして、この眞僞を私はお伺いしておきたいのであります。
#30
○栗栖國務大臣 政府は七月十七日に第一次の豫算案を一應取りまとめたのであります。この案によりますと、この甘味料の專賣を企圖いたしたのであります。しかしこれは今荒畑委員からのお尋ねのごとき事實とは實は違うのであります。ズルチン、サツカリンを甘味料として製造することは、數量その他の關係でむずかしいような事實に立ち至つたのであります。それの多くは燃料その他にまわさなければならぬというような事實が判明いたしまして、そうしてズルチン、サツカリンにまわす量はごく少くなる、こういうことに相なつたのであります。そこで政府といたしましては、いろいろの費用をかけて專賣をいたすことを止めて、その代りに物品税を引上げて課することにいたしたような次第でございます。
#31
○荒畑委員 私は政府が租税體系をもう一度つくりなおす御意思がないかどうか、それをお伺いしたいのであります。タバコが四百八十億圓にもなつておる。こういう體制は私は實に不合理なものではないかと思う。あくまでも所得税、財産税を課税の中心としなければならぬと思うのであります。そうして大衆課税を少くすることが私は本筋であると思うのであります。政府としましては二十三年度の本豫算編成に當つて、根本的に租税體系を改訂する意思はないかということをお伺いしたい。
#32
○栗栖國務大臣 お答えいたします。租税體系が所得に對する課税を對象とするということは御説の通りであります。この前まではこの分類所得税の制度がありまして――複雑な制度でありまして、前年度の收入を基礎として、その次の年にそれを算定して課税をする。こういうことに相なつておつたのであります。しかし前年度の收入を基礎として今年度に納めるという制度は、このインフレーシヨンの進む過程においては適當でないということになりまして、本年の三月に豫算申告制をとつた次第であります。ところで豫算申告制をとりました實績を見ますと、日本人はこういう制度に馴れないのでありまして、そこで申告高などがなかなか思うような實際を申告しない點なども多々あるのであります。結局は税務官吏が行つて、さらに突きつめて査定をするというような實情にあるのであります。そこで手數も非常にかかつておるのであります。これにつきましては、豫算申告制をもう少し徹底するよう普及をし、そうして納税運動もしたいということを目下のところ考えておる次第でございます。そうして二十三年度の豫算編成につきましては、税の根本的な制度をかえようということは、日數の點もございますので、考えておりません。しかしなお將來の問題としては、日本人にふさわしい税制については、いろいろ調査を怠らぬように進めておる次第でございます。
#33
○荒畑委員 申告制が非常に實績が惡い。豫定の一割六分にしか達しないで、實際の所得税はさらにその中の二割六分にすぎないというようなことも聞いておりますが、そういうことが所得財産の捕捉査定ができないという理由ばかりではなく、税務吏の待遇が非常に惡いということも、私は大きな原因をなしておるのではないかと思う。ある税務吏の話では、月收が九百圓あまり、千圓に足りないという状態であつて、そのために税務吏が皆役得で生活している。業者と結託をする。また高級の税務吏はどんどん仕事をやめて、會社へはいつて、脱税係になつておるといううわさもしばしば聞いておるのであります。もつと政府は、この税務吏の待遇を改善する。そうして仕事の能率を上げると同時に、監督の制度を強化する。あるいは脱税行爲に對して嚴罰を課するというような方法をとるお考えがないかどうかをお伺いしたいのであります。
#34
○栗栖國務大臣 お答えいたします。税務官吏の優遇につきましては、すでに昨日本會議において御説明申し上げましたように、まことに必要と思うのであります。大きな徴税をするために、それに要する費用をかけるということはまことにもつともなことであります。すでに大藏省としましては、閣議を經まして税務官吏の優遇について決定をいたしておるのであります。これは遠からずきわめて近い將來において實行に移したいと思つております。とりあえずの方法は、この税務官吏が他の官吏に比して非常に低いところが多いのでございます。それをまず第一に引上げるということをいたします。そのほかいろいろ出張その他を見まして、殊に實際につきまして――私税務官吏と直接に會い、また税務署へ直接行きましてみましても、まことにもつともな點が多々ありますので、その費用、交通費、あるいは出張の手當、あるいは督促の手當とか、あるいは出納の手當というような諸手當をも給することにいたしております。なお全體の問題としては全部の官吏についての俸給も近くいろいろ變ることとも思います。その際には税務官吏の重要性、特殊性ということも十分考えまして、さらに優遇の點をも考えたい。かように思つておる次第であります。
#35
○鈴木委員長 荒畑君にちよつとお諮りいたしますが、安定本部の總務長官は參議院の方でまだ答辯中であります。しばらくお見えになりませんで、あなたの御質問は長官に對する御質問が殘つておりますが、あなたの質問時間はそうたくさんもございませんので、そういう状況ですからどうぞ………。
#36
○荒畑委員 安本長官に對する質問は保留しておきます。もう一點大藏大臣にお伺いいたします。特別會計の赤字七十五億というものは、運賃、通信料を値上げしないで、タバコの値上げで賄うということになつているようでありますが、政府は赤字處理問題をどう考えておられるか、二十三年度の本豫算では、はたして運賃、通信料の値上げを行わないで、一般豫算で赤字が消えましても、特別會計で赤字が出たら、私は健全財政は維持できないものと思うのでありますが、政府はいつになつたら、またいかなる程度まで赤字をなくして獨立採算制を確立し得るお見込であるか、それをお伺いしたい。
#37
○栗栖國務大臣 今度の補正豫算につきましては、鐵道會計に五十億、通信會計に二十五億、こういうものを臨時例外的の措置として繰入をいたしたのでございます。これは特別會計の獨立採算制、こういう立場から申しましても、一時例外的に繰入をしたのであります。二十三年度からは改善合理化という線に沿つて赤字をなくする。この體系を立てるようにいたしまして、そうして過去に集積しておる赤字はこれは徐々に填補し、さらに五十億、二十五億、すなわち合計七十五億を繰入れた赤字をも、年次を追うて一般會計に返戻してもらいまして、獨立採算制の建前を崩さぬようにしてもらいたい、こういうことといたしておる次第であります。
#38
○荒畑委員 あとは經濟安定本部總務長官に對する質問でありますから、これは保留いたします。
#39
○鈴木委員長 次は鈴木明良君の順番ですが、きようの午後は本會議において豫算に關する質問がございますから、豫算委員會は取りやめまして、あす午前十時から開會することにいたしまして、政府側の出席につきましては委員長において遺憾のないように取計らうことにいたします。
 本日はこれで散會いたします。
   午後零時二十二分散會
ソース: 国立国会図書館
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