くにさくロゴ
1947/11/08 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第18号
姉妹サイト
 
1947/11/08 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第18号

#1
第001回国会 予算委員会 第18号
昭和二十二年十一月八日(土曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君
   理事 小島 徹三君 理事 苫米地英俊君
   理事 庄司 一郎君 理事 川野 芳滿君
   理事 東井三代次君
      荒畑 勝三君    海野 三朗君
      加藤シヅエ君    河合 義一君
      黒田 寿男君    竹谷源太郎君
      中崎  敏君    中原 健次君
      西村 榮一君    安平 鹿一君
      山花 秀雄君    押川 定秋君
      川崎 秀二君    古賀喜太郎君
      五坪 茂雄君    鈴木 明良君
      佃  良一君   長野重右ヱ門君
      原 健三郎君    淺利 三朗君
      磯崎 貞序君    植原悦二郎君
      角田 幸吉君    小峯 柳多君
      西村 久之君    今井  耕君
      船田 享二君    野坂 參三君
 出席國務大臣
       内閣總理大臣   片山  哲君
         内務大臣   木村小左衞門君
         大藏大臣   栗栖 赳夫君
         文部大臣   森戸 辰男君
         運輸大臣   苫米地義三君
         國務大臣   和田 博雄君
 出席政府委員
        大藏事務官   福田 赳夫君
        大藏事務官   前尾繁三郎君
        大藏事務官   今井 一男君
        農林事務官   井上 良次君
 委員外の出席者
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
    ―――――――――――――
十一月八日
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)
 昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)
 昭和二十二年度一般會計豫算補正第八號
 昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長 それでは會議を開きます。
 前會に引續いて補正(第七號)に對する質疑を續けます。小峯柳多君。
#3
○小峯委員 昨日の大藏大臣の御答辯その他主税局長からの御答辯によりまして、租税の徴收の成績がどうやら私どもが懸念したものよりは、いくらかよくなるような見當がつきました。しかし何と言いましても實際に擔税力をもつておる人たちは、やみ營業する人たちが多く、眞面目に仕事をしている人たちには、ほとんど擔税力がない現在であります。しかもいわゆる健全金融という名前で、産業金融などが非常に梗塞されておるのであります。そういう状態を考えますと、どうも御答辯を額面通りに受取ることに、承服しかねる點があるのであります。しかしかりに御答辯そのままに受取るといたしましても、私はどうしてもそういう環境の中でありますから、歳入と歳出における大きなずれが、出てきやしないかと考えております。そのずれは結局大藏省證券なり、あるいは一時的な借入れなどによつて、賄うことになると思いますが、こういうことはだんだんお話の復金債券の募集の問題、あるいは貿易資金の繰入金の問題などとも關連いたしまして、實は大藏大臣のいわゆる健全財政、健全金融というものが竝行しなくて、一應健全財政というものが通るのであれば、金融が不健全になるような感じがするのでありますが、この點に對する大藏大臣のお見透しを伺いたいと思います。
#4
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この健全財政を徹底してまいると同時に、健全金融ということをしなければいかぬという點は、昨日來私も申しておるのであります。その點においてこの豫算が破れて、金融が不健全になりはしないかというお尋ねでございますが、私はそういうことは極力避けたいと思うのであります。
 復金については昨日來からいろいろ申し上げた通りであります。また貿易資金につきましては今囘繰入れをしまして、今後につきましては十分にこの運用について改善を加え、大藏省もその間にもつと深入りをいたしまして、あるいは必要があれば機構等をも考えまして、この通貨増發を誘致するような點を、極力排除したいと思うのであります。
 それから歳出と收入がこの年度内にうまく行えない場合には、藏券が増發され日銀券が市場へ出る。そのためにインフレを激化する、こういう點であります。御懸念はごもつともでありますけれども、この點につきましても税收入の取立その他につきましては、質と量との機構強化、税務官吏の優遇、第一、國民に財政と税、納税ということのきわめて必要なことを國民運動によつて徹底いたしまして、その點をなくしたいと思います。萬一藏券の増發が若干必要になれば、それは最小限度に止めることといたし、その消化等についても、日銀資金にのみ依存するというようなことも、萬一の場合も考えて改善を加えたいと思うのであります。さようにして健全財政の裏が金融の面に不健全に流れるということを、極力抑えていきたいと思うのであります。しかしながら、抑えると同時に緊要の産業に對する供給ということは、これはやはり左手で抑えるとともに、右手ではこれを抱えるということをいたしまして、左右兩面をよく使い、實情に即してやつていきたいと思います。金融梗塞というような點はそういう面において十分考慮もいたし、緩和、圓滑ということも考えたいのであります。
#5
○小峯委員 健全財政と健全金融と竝行したいという御希望は承つたのでありますが、やはり心配は殘るような氣がいたします。大臣のお考えから行きますと、貯蓄の増強が大きな問題になるのでありますが、この貯蓄増強に關しまして何か特段の方策をお考えになつておられますか。これは前の大藏大臣のときも、また今度になりましても、いろいろ趣向をかえてやつているようでありますが、これはなかなか大きな問題だと思います。效果のありそうな特別な方法をお考えになつておられるか。關連して、年末には通貨の發行高がどのくらいになるお見透しでおられるか承りたいと思います。
#6
○栗栖國務大臣 貯蓄の増強が必要なことは申すまでもないことであります。納税の運動と貯蓄の運動、殊に十二月を控えましては、貯蓄の運動をなお一層展開いたしたいと思います。貯蓄の運動についての方法でありますが、これは根本問題が横たわつていると思つたのであります。そこで今度の健全財政、豫算編成というようなことも、實はこの通貨の信用、國家の信用を十分に考えての上でいたしておるような次第であります。なおまた預金の安全性を阻害するようなこともないように、集中排除その他の面からいつても十分考えていたしたいと思うのであります。それから具體的な問題としては、この貯蓄をさせるのにどういう方法があるか、こういうお尋ねであります。貯蓄運動を展開することと、貯蓄勸誘についてもいろいろ小手先の問題は相當出ているのであります。あるいは預金者の十分な保護、あるいは利囘りの點、なお調整その他も考えまして、十二月の貯蓄運動には、そういうような新しい點などもぜひ加えたいと思つて、今研究さしておるような次第でございます。それから通貨増發でございます。通貨増發は大體年末に際しても年來金融を梗塞しないようにするということはもちろん必要でございますが、それかといつてのほうずに通貨を増發するということに誘致しても、これまたきわめて好ましからざる影響を與えるものでありますから、その邊をよく調整してやりたいと思います。そういうような關係で、年末の金融なども大體二千億を下まわる、あるいは千九百二十億圓くらいにおちつきはせぬかという計數も出ております。これは極力少い範圖において打止めたい、かように考えております。
#7
○小峯委員 今の御答辯の中に、通貨の信用の保持の問題がございましたが、なるほど通貨の信用保持をいたしますために、この均衡豫算をお考えになつておられるのでありましようが、しかし通貨の信用というものは根本的にやはり物の裏づけが要りますから、あまり均衡々々といいまして、生産を刺戟するような點に手ぬかりがありますと、かえつてねらつたことが事志と違うようなことにもなりかねないと存じます。
 なお通貨の問題に關連いたしまして、大臣が豫算の演説あるいはその答辯のうちに「いわゆる平價切下げをしない」ということを申しておられますが、私はこの「いわゆる平價切下げ」という「いわゆる」とおつしやつたことを、非常に意味深長に解釋しているのであります。正しい意味の平價切下げというと金本位平價の切下げ、爲替平價の切下げでありますが、正式にいえばこのいずれも今日本にはないのでありますから、新平價の設定ということになりましようが、こういうことは私はどうしても不可避だと考えているのであります。從つてただ平價切下げをしないといいますと、なるほど今通用している新圓に對する特別の手を打たないという意味に解釋すればわかるのでありますが、その先の金本位平價あるいは爲替平價の問題まで含めて言つているとすると、私どもはどうも大臣もいい加減なことを言うものだという感じがするのであります。おそらく「いわゆる」と言われましたのは、この平價切下げを、今の新圓に對して特別の手を打たぬという平價切下げの意味と思いますが、その邊の御見解を伺いたいと思います。
#8
○栗栖國務大臣 根本的の平價切下げの問題などは、これは爲替の問題、つまり日本の經濟が、國際經濟の一部としてはいりまして、相當自由な經濟活動ができるという情勢になりましたときに、本極りになる問題であります。これも國内及び國外の諸情勢とにらみ合わすという必要があるのでありまして、この際今どうなるということを申し上げるわけには行かないのであります。私が想像をいたしますれば、あるいは國内の經濟活動が非常に敏活になり、なおかつ信用の設定その他等に成功いたしますならば、相當の爲替相場平價というようなものの新しい設定が、有利にできるということも考えられるのであります。この際はそれには全然觸れないのであります。ただ世間では俗に平價切下げということを言つておりますが、これはほんとうの意味の平價切下げではありません。現在平價というものはないのであります。しかし俗に言われる平價切下げという意味で「いわゆる」という言葉を使つたのでありまして、今の小峯委員の御説とまつたく同じなのであります。これはあるいは新圓の百圓に對して新々圓を出して五十圓とかえるとかいうようなことを言つております。これは一種の税のような意味にもとれますが、世間で言われているところは種々雜多であると申さなければならぬと思います。そういうようなことはこの際何もいたすような趣意でないということを、はつきり申し上げたのであります。
#9
○小峯委員 大藏大臣に對する質問は大體これで終りたいと思いますが、だんだん御答辯を承りまして非常に希望的な御答辯が多かつたように思います。今言われましたように非常にむずかしい環境でありますので、私どもも、自然希望的な御意見になることもあるいは無理はないとも思いますが、どうかそういう意味で私が申し上げましたことを十分參酌していただきまして、大藏行政の上に十全に活用していただきたいことを希望いたしたいと思います。
 次に安定本部長官に伺いたいのですが、私は今度の豫算を見まして、最初に申し上げましたように健全財政という名前だけで、中身を分析してみると、どうも健全財政ということよりも完全な均衡豫算のような氣がすると同時に、飢餓豫算のような氣がする。そういう感じが非常に強いということを申し上げたのです。その飢餓豫算という意味は、國民に耐乏を盛かんに求めておるようですが、耐乏を通り越して實は飢餓の状態にまで追いこんでおるような氣がするのであります。大體この豫算が千八百圓ベースを中心に組み上げられておるということもよくわかりましたが、この千八百圓につきましても非常に論議があつて、議員の連中がどんな考えをしておるかは、長官も大體御見當がつきましようし、私は千八百圓は政府が努力なさる目標としては意味があるだろうと思います。一つの目標をおいて計畫經濟を推進するためには、どうしても手掛りが必要で、その手掛りということに意味があるように思うのですが、實際問題としてはなかなかこの手掛と實情とは違うのであります。その具體的の例を申しますと――こんな例を申すことはちよつとお氣の毒のような氣がいたしますが、先般の朝日新聞に山口判事が榮養失調症で死んだという記事が出ておりました。これについては荒畑委員からもお話がありましたが、私はこういうことが何よりも生きた實例であると思うのであります。そこで飢餓豫算になるような面を何かくふうはできないものであるか。根本的には生産を刺戟し、食糧の増産をするということにならなくてはならないと思う。私はこの均衡豫算の中でも、安定本部總務長官の頭の働かせ方で、少し違つた面が出るのではないかと思うのであります。その點についての具體的な私どもの意見を申し上げますれば、實はもう少し今安定本部で考えておる行政のやり方の中に、自由經濟を生かさなければならないということなのであります。自由經濟といいますと、またあの自由經濟かというように思われるかも知れません。長官はどうも自由經濟がお嫌いのようですから、そんな感じを先にもたれるかとも思いますが、私どもが自由經濟と言つておるのは、何から何まではずしてしまえというような、そんなことを申し上げておるのではありません。自由經濟というのはものにより、ところによつては生産をかえつて阻害したり、流通をかえつて邪魔したりするようなことになつて、統制をする本來の目的に逆行するような場合もあるかとも思います。その自由經濟の精神を今やつておられる中にちよつぴりでも生かしていただけば、これはなるべくたくさん生かしたいのですが、あなた方の御考えではそうはまいりますまいと思います。生かすような點をもう少しお考えになつていただけば、同じ均衡豫算でも、生活の上に何とかゆとりが出てくるのではないか。たとえば米の供出の問題にしても、私どもは供出を完了すれば自由にした方がよかろうと言つております。しかし夏の豫算總會でありましたか、長官はその自由にする分はたれが買うのだというふうに、半ば攻撃的な御答辯をなさつたことを私は承知しております。この自由と言いますのは、自由經濟をやりたいために言うのではなく、それを自由にすることによつて實際上は隱れておる米を出させ、また實際に生産を刺戟させようというのであります。今主食を統制しておる目的に、ある程度の自由を附加せることの方か役立つだろうと思うのであります。自由にすると金持が買つてしまうだろうという御懸念でありますれば、それに對しては一定の購入券というようなものを、縁故米などの智慧を搾られたのでありますから、何か手が打てそうに思うのであります。そういう精神をもう少し行政面に生かしていただくつもりはないか、その點をお伺いしたいと思います。
#10
○和田國務大臣 小峯さんの御質問にお答えいたします。行政面に今少し自由な要素を汲み入れる考えはないかということでございますが、私どもも何もかも統制ということで、ただ統制のためにやつていこうとは毛頭考えておりません。結局今の經濟はこれは特別の國を除きましては、やはり自由と統制との混淆であろうと思うのであります。この限度がどつちの方にはかりが傾くかということは、思想的の問題を別にしますれば、私は國の經濟の生産階級の度合が一番大きな決定的要素であろうと思うのであります。それと同時に世界の經濟の相互の關係が囘復してくるということが、一つの大きな要件として働く、私はかように考えております。從つてわれわれが今やつております事柄も、例を米の供出におとりになりましたが、今度供出制度を改正して、生産調整法というものを出しましたのも、實は農業の生産にむしろ自由を――供出という制度は今の食糧事情としてはどうしても續けなければならない。その供出の制度が生産に非常に大きな影響をもつておる。むしろ場合によつては生産を阻害するような影響も今までなかつたとは言えない。この點を囘復するにはどうしても供出制度そのものを合理化して、生産面における農民の自由というものを囘復していつて、供出のもつそういう面と生産の面との調和をはかる必要がある。そこで生産調整法を實は今度の議會に出したわけであります。これは農民を束縛するのではなくして、あらかじめ供出を早期に割當ることによつて農民の經營自體の自主性というものをもつと囘復していく。言いかえれば、農民は自主的の生産というものをもつとたやすくできるようにしていこうというのがわれわれのねらいであつたのであります。そこで生産調整法をつくりますときに、ああいう責任供出の制度をとりました以上は、その殘つたところのものについてはこれをどう取扱うか、供出後のものはどう取扱うかということは、やはり一番問題になつてくるのであります。そこでほんとうに理論的に考えれば、もう責任供出をしました以上は、あとはそれをどう處分をしてもよい。自由であるということが理論的には一番妥當であろうと思うのであります。しかし今の段階においては、それを完全に自由にするということは一面に問題がありますので、ただ要綱の上においては、これは特別の措置を講ずるということにしまして、一面の社會的の關係については政府としてはこれを別途に考えていこうということで、要綱をきめておるのであります。われわれとしては農業は殊に生産階級の他の工業に比べて問題にならぬほど大きい。しかし農業がもつておる階級度が高ければ高いほど、日本の經濟においてはそれがもつ比重、役割というものが非常に大きいものでありますので、その點についてはわれわれは非常に苦勞して、統制と自由というものがお互いに矛盾しないように、一つの矛盾する概念ではあるが、現實においては矛盾しないように苦心しておるわけでありますから、さよう御了解を願いたい。
#11
○小峯委員 計畫經濟と統制經濟の本家本元のように考えられておる長官から、今の御答辯をお伺いして非常に私どもわれわれに近いような感じもするのであります。
 なお先ほどの判事の例を出すのは非常にお氣の毒でありますが、そのことを參議院の佐佐弘雄氏が新聞紙上で批評いたしております。こういうことを言つておるのであります。「死の日記のなかに食糧統制法は惡法だと書いてあり、この惡法が結局山口氏を死へ追いやつたようなものだが、私もこの法の出た必然性は否定出來ないが、數十萬もの品目に公定價格制度をとるということ自體に非常な無理があると思う。米麥などの主食、鐡、石炭のような重要物資は、徹底的な管理統制が必要だが、生鮮食糧品のような事實上統制が不可能なものや、統制を加えるとかえて減産、流通の不圓滿をきたすようなものは、統制を段段に解いていくべきだと思う。山口氏にしても、主食だけの統制だつたら、生鮮食糧品の野菜や魚を主食の代替にして、十分榮養はとり得たろうと思う、この神のような死をむだに終らせたくない」こういう批評をしております。私はなぜこの批判を取上げたかといいますと、やはり私どももこういう考えをもつているからでありまして、この山口判事の榮養失調死というものは、流通秩序はお題目はいろいろ言つておりまするが、それが確立されていないということと、もう一つは非常に末端まで統制法規がくもの巣のようにはりめぐらされておつて、この二つがこの判事を死にいたらしめたと思うのであります。そこで私ども生鮮食料品のような問題、殊に季節あるいはまた一瞬々々に鮮度の違うようなものにつきましては、どうしてもこれは統制をはずすように仕向けていくべきだと考えます。もちろんこの統制、自由というような主義で凝り固まつてやるべきでなく、その状況などに應じてやるべきだと思いますが、大體こういう性格のものは自由にする方に仕向けていくべきであり、また主としてその重さで自由經濟の方におくべきだと考えますが、長官のお考えはいかがでしようか。
#12
○和田國務大臣 生鮮食料品の問題及び物價統制の問題でありますが、政府といたしましては、今囘物價の統制からはずしたものが相當あるわけであります。これはやはり全體の今の經濟とにらみ合わせてでないと、その限界はつきにくいだろうと思います。生鮮食料品の問題も流通過程だけをおとらえになると、いろいろと私は御議論がでるだろうと思いますが、しかし根本は何としても、蔬菜にしても、實は戰前と農業生産構造がまつたく變つてしまつて、そこが破壞されたというのが根本であります。何としてもこの事實だけは否定できないのであります。從つてこれがもつと囘復してこない限り、これを自由にすれば、たくさんの物が家庭にはいるかといえば、その保障というものは今はできない段階だと思います。農産物については、殊に生鮮食料品につきましては、私は初めからその統制はむつかしいということの立場に立つておるのであります。戰爭の初めにおいて生鮮食料品が價格統制の中へはいろうとしたときに、ちようど私は農林省の物價のことをやつておりまして、最後までこれはむつかしい。その生産關係をよほどうまくしないとむつかしい問題だということを、最後まで主張して、これは後れたのであります。そしてあれは一番最後の統制になつたと思います。從つて戰爭中の六年間で主食が非常に窮屈になつてきて、今まで大都會へ集つてきたものは、その制度が根本的に破壊されております。そういう状態で、大都市においては、やはり近郊と遠い所から集まつてくるという供給圈をつくつておつたのであります。そこの關係を政府といたしましては、できる限り何とかしてそれを立て直していくという努力をやつている次第でありまして、ただいま統制をはずすか、はずさないかということの限界の品物だと思つております。今それをすぐはずすよりもむしろ今の段階においては、この流通秩序の確立に弊害のあるものをつきとめて、それを強化していくことが妥當ではないかと、現段階においては考えております。
#13
○小峯委員 この問題は私どもの同僚委員から續いて質問があるだろうと思いますから、一應これでやめます。
 ただ本豫算は、私が先ほどから申し上げますように、非常に形式的であり、あるいはまた積極性のない豫算であるというように、性格的に考えておるのであります。ただ一つ、先般來連合軍の御好意によつてきまつた貿易囘轉基金制度なるものが上手に活用されますと、この豫算面にも思わぬ積極面が出てくるようになるだろうと思います。あの囘轉基金制度は、私どもの非常な待望のうちに發表されましたが、その後どういうふうに活用されておるをという現在の状況、及びあの貿易囘轉基金制度は、日本經濟の再建にどういうつながりがもち得られるかという見透しを、長官から、なるべく詳細に承りたいと思います。
#14
○和田國務大臣 お答えいたします。この囘轉基金に關する數字はまだ發表する段階に至つていないのであります。ただわれわれの方としましては、今その數字をつくりまして、また以後の情勢の變化に應じまして、再三檢討しておりまして、これは近く發表する時期になりましたならば、詳しくお話できる限度においてお話していきたいと思います。ただ、その後政府といたしましては、向う側と連絡をとつて、大いに努力はいたしておりますが、具體的にはあまり大した發表はまだないのであります。しかし棉花であるとか、羊毛というものは大體決定になるだろうと思います。ただ金利の面等で多少問題はありますけれども、近く決定になるのではないかと考えております。それからたとえば一般國内經濟用として、一五%の基準でいろいろなものが買えるようになつておりますが、これはわれわれの意見としては、そういう基金をこの部分に今使うということはどうか。たとえば綿の輸出による加工賃なんかも十分にわかつていない時期でありますので、どうかという考えをまだもつておるのでありまして、この點につきましては、最終的なものを、われわれの方としては近く向うへ出す段階になつておりますので、こちらからも早く確定的なことをきめてもらうように努力いたしまして、それがきまりますれば、ある段階においては、向うの了解を得まして、その内容等は、これだけのものはこういう形で今度やるということが發表できるように取計らいたい思つて、やつておる次第であります。
#15
○小峯委員 先ほど申し上げました通り、これは私ども希望の種になつておるのでありまして、せつかく連合軍にも懇請の上、一日も早くその姿がはつきりいたすように努力していただきたいと思います。なお本日の新聞に、對日輸出數百萬ドル、米國民間銀行で計畫化そうというような記事がありますが、これと囘轉基金制度とは全然關係ありませんか、伺います。
#16
○和田國務大臣 きようの新聞は、確かにはわからないのでありますが、囘轉基金とは別であります。これは外國資本の投資の問題だろうと思います。
#17
○小峯委員 外國の民間からの投資というふうなお答えでありますが、その問題はなお發展する可能性ありとお考えになつておりますか。
#18
○和田國務大臣 これは發展する可能性ありと考えます。
#19
○小峯委員 和田長官に對する質問は一應これで濟みました。
 次は内務大臣と、農林政務次官がお見えのようでありますから、災害復舊に關する質問を申し上げたいと思います。東北地方と關東地方を襲いました今度の未曾有の水害でありますが、これに對して内務省、農林省が、實際お調査になつたり、あるいはまた係官の御報告なども詳細に聽取しておると思いますが、一體内務省ではこの災害復舊に對しまして、直接内務省でやられる事業費及び府縣の補助の事業費、それをどのくらいお考えになつておられるか。これだけはどうしても内務省の責任としてやるぞというようなお考えがあるだろうと思いますが、まず内務大臣からその點をお伺いいたします。
#20
○木村國務大臣 小峯委員にお答えいたします。本年四月に北海道、東北、北陸地方に融雪の被害がありまして、六、七、八、九の水害が連續いたしまして、その地域は四十五都道府縣に及びまして、復舊額はその後調査を進めますに從いまして、次第に増額する傾向がありますが、現在までのところ直轄改修河川關係において約二十億圓、都道府縣復舊額におきまして、約百五十億圓、なかんずく關東及び東北地方が最も被害が甚大でありまして、降雨量もこの邊は從來の記録を破つたくらいのものでございまして、民生の安定、食糧の増産等に甚大な影響を來しますことはもとよりで、まことに遺憾にたえない次第であります。政府はこれら被害の復舊を、二年ないし三年の間に完成いたします方針を立てまして、復舊工事の促進に努力いたしておるのでございます。復舊工事費の關係におきましては、直轄河川復舊に對して、本年度において約六億圓の支出を決定いたしました。また都道府縣の助成關係におきましては、先ほど申し上げました融雪の災害に對しまして一億四千餘萬圓、その他の水害關係に對しまして八億七千餘萬圓の補助金を支出いたしました。そのほか御承知のように四億圓ばかりは復舊費に對して資金の融通の途を講じたりなどいたしまして、地方財政の援助にいささか力を盡しておるのでございます。
 以上の通りそれぞれ緊急豫算の措置は講じてまいつたのでありますが、來年春の出水期までに一應の安心を得ますためには、今後なお直轄河川において約三億四千萬圓、府縣補助費において約二十一億圓、合計約二十五億圓の支出をこの三月までにしなければならぬという要求をいたしておるのであります。これに對しまして、今囘上程いたしました追加豫算では、豫算面でごらんの通り、この災害復舊費に充當いたします額は、十五億二千餘萬圓に過ぎぬのであります。しかもその中の十二億九千餘萬圓は、先刻御説明申し上げました通り、すでに緊急支出濟みのものでありまして、今後の支出に充てます額は、わずかに二億七千餘萬圓に過ぎぬのであります。差引約二十二億圓の不足を來しておる状態であります。この不足額はしからばいかにしてこれを充當するかということは、私の考えでは、近く災害の實地の調査の結果がまとまります。いつも災害期を經過いたしました後において、約十一月から十二月にかけまして、もうこれ以上災害が當分ないという時期に災害の調査をいたしまして、災害の程度の確定的な見定めをいたすことになつております。この調査の結果に基きましてあらためて別途の増額の途を講じてもらいたい。また講じてもらわなければならぬ。それはどういう方法であるかと言えば、第二次の追加豫算で認めてもらうか、あるいは、ただいま豫備金が二十億圓ばかり餘つておりますから、その二十億圓ばかりの豫備金の中から支出してもらうか、何かそういう方法によつて、この三月までの善處をいたしたい。こう考えております。大體簡單でございますが、お答え申し上げます。
#21
○小峯委員 今内務大臣から力強い御説明を承りましたが、私ども實はその通り、あるいはもつと強く、實際に被害を受けた地域選出でありますだけに痛感いたしておるのであります。特に今御説明にありましたように、非常に少い豫算でありまして、直轄河川の方はどうやら繼續ができましても府縣の補助というものは、第三・四半期に六億圓程度あつたものが、第四・四半期ではまるきり零になつてしまうのであります。一體この内務省あるいは府縣の河川の仕事は、すぐに食糧の増産に關係があるのでありまして、植付のための用水の取入地などの問題も、この内務省關係の仕事と竝行いたしませんと、まつたく手がつかない状態なのであります。そこで私は昨日來申し上げておるのでありますが、ただ均衡だけ豫算の上で考えてはだめだ、健全豫算というのは均衡じやなくて、その豫算が國民經濟の安定、あるいは國民生活の安定というものを指向して、初めて健全豫算ではないかということを、強く申し上げましたのもこの點にあるのであります。内務大臣の御説明に便乘して強く申すわけではありませんが、そういうような關係にありますので、私はこういうものだけはぜひ大藏大臣としても腹をくくつて考え直していただかなければなるまいと思うのであります。同じ關係がやはり農林省にもあるだろうと思うのでありますが、大藏大臣は、今内務大臣のお話になつたような、このあとの追加支出につきましてどういう御見解をもつておられますか、伺いたいと思います。
#22
○栗栖國務大臣 災害復舊につきましては大藏省も、内務省、農林省その他の關係省に劣らぬくらい力を入れておるのであります。ただしかし、豫算面に金を盛つただけということでは、ぐあいが惡いのでありまして、資材というふうなものを見合わなければいかぬような次第でございます。そこでこのたび公共事業費の中に盛りましたものも、資材の見合いにおいて、一應ああいうような金額をいたしたような次第でございます。しかしながらさらに資材その他の捻出等をも、われわれは案本と一緒に考えておるのでありまして、そういうようなものも實行可能ということでありますならば、あるいは追加豫算とか、あるいは豫備金の使用というようなことによつて、この目的を果すようなことにいたしたい。こうはつきり申し上げたいと思います。
#23
○小峯委員 大藏大臣の明確なる御答辯、非常に私ども滿定でありますが、ただ、大藏大臣が資材とおつしやれらるのは、おそらくセメントや鋼材を指すのだろうと考えます。しかしセメントや鋼材がなければ來年の植付はできなくてもいいのだ、米は減つてもいいのだというふうにはお考えにならないだろうと思います。そこで私はこの内務省關係の豫算に對して重ねて申し上げる點があるのでありますが、セメントがなければセメントがないように、鋼材がなければ鋼材がないように、來年の植付に間に合うようにやる手があると思うのであります。そういう原始的な方法で今やるべきじやないとおつしやられるかもしれませんが、實は、シヤベルと鶴嘴があればやれる仕事が相當あるのであります。來年の植付にすぐ關係がありますので、どうかセメント、鋼材だけにこだわらず、これはもう一遍しつかりとその點を腹に入れてお考え直し願いたいと思うのであります。なお、これに關連いたしまして、農林政務次官が見えておられますが、農林省の災害復舊に關しても同じような點があると思うのであります。どういうふうに災害復舊の費用を見積つておられるか。政務次官の説明を願いたいと思います。
#24
○井上政府委員 農林省所管の本年の災害復舊所要經費竝びに内定いたしております經費について一應御説明申し上げたいと存じます。復舊工事の總額は、農林省所管におきましては七十一億八千八百萬圓を總額として計上いたしております。このうち開拓關係の水害復舊のために、五十二億七百三十四萬一千餘圓、それから旱害對策に四億二千七百十四萬三千餘圓、それから林野關係におきまして十四億三百十四萬三千餘圓、水産關係、漁港船舶等を含めまして一億五千百五十萬二千餘圓、こういう總額を見積つております。これで本年度の所要經費として要望いたしておりますのは、開拓關係の水害で十八億三千九百餘萬圓、旱害で三億四千六百餘萬圓、林野關係で三億六十三萬七千餘圓、水産關係で二千九百六十三萬餘圓、合計二十五億千五百餘萬圓。この本年度所要經費のうちで現在内定いたしておりますものは、開拓關係において、水害復舊費といたしまして四億九千百五十五萬五千餘圓、旱害對策費といたしまして五千萬圓、林野關係において五千七百七十六萬圓、水産關係で一千百八十六萬圓、合計六億九百萬圓が内定いたしております。そうしますと本年度所要經費と内定額との間に相當開きがございますが、これら不足經費につきましては目下大藏省、經濟安定本部の兩省と協議をいたしまして、何とかこの不足分をできるだけ滿たしていただくように、農林省といたしましては全力をあげて交渉いたしておる次第でありますから、どうぞ御了承いただきたいと思います。
#25
○小峯委員 ただいま御説明の中に、旱害對策費が五千萬圓という數字がありましたが、この旱害關係の陳情その他から勘案いたしまして、いかにもこれが申譯的な感じがいたしますが、政務次官はどうお考えになつておられますか。
#26
○井上政府委員 旱害對策費はまことに水害と同樣に、きわめて復舊には重大な關係をもつておりますので、政府といたしましては五千萬圓くらいの金では、とうてい現場を復舊するわけにまいりません。そこでどういたしましても不足分は何としてもこの際出してくれということを、強硬に大藏省及び經濟安定本部の方に要求いたしまして、何とかこの問題を解決したいというつもりでおります。
#27
○小峯委員 御答辯で非常に熱心なところを伺いましたが、政務次官は野にある時代から非常に農林行政を熱心にやつておられたのでありますから、どうかこの上ともますます熱心に所信を貫かれるように御努力願いたいと思います。なお内務大臣あるいは農林政務次官の御説明と併せまして、私が先ほど申し上げました資材の點もお含み願いまして、大藏大臣はもう一遍、この問題に對して追加豫算を出される御決心であるかどうかお伺いいたしたいと思います。
#28
○栗栖國務大臣 お答えいたします。まず資材の問題について先にちよつと申し上げておきたいと思います。私ども必ずしも鐡綱とセメントというものだけで工事量をはかるということには考えておらないのであります。殊に關東地方の水害地をまわりましても、そういうものなしにも相當の復舊ができておるということを見てまいつたのであります。またできるということも認めてまいつたのであります。そういうような點をも十分關係筋とも説明をし、打合わせをしまして、そうしてこの追加豫算というような面でこれを現わすか、あるいは豫備金の中から賄うか、あるいは兩方においてこれをやるかということは、なおいろいろ交渉の都合に讓りたいと思います。とにかく目的は何か達したい、かようにも考えておる次第であります。なお旱害につきましても、五千萬圓ということはまことに少いのでありまして、ただいま農林政務次官からの説明通り、われわれもこれを何とか殖やしたい、こういうふうに努力をしておる次第であります。
#29
○小峯委員 大藏大臣の御答辯で大體今のところは了承できるのでありますから、どうかそれだけはぜひ實行していただきたい。そういたしますれば、私は昨日來多少惡口に聞えたかもしれませんけれども、形式豫算々々々々と言つたことに對して多少これを修正する用意がございます。どうか豫算というのは均衡だけを見られるものではなくて、こういうように生きたものはぜひ實行していただきたいと考えます。財政法にも事業公債は認めておるのでありますから、私ども野黨といたしましてそれに對して異論を言うつもりはございません。なお總理大臣に對する質問は保留いたしまして、これで一應打切ります。
#30
○鈴木委員長 總理大臣はただいま參議院に出席されておりますから、後ほど來られる豫定になつております。それでは次に川島金次君。
#31
○川島委員 大藏大臣にお伺いいたしたいと思います。大臣は先ほど小峯君からの御質問に對しまして、通貨の増發高が年内に千九百二、三十億くらいにはなるであろうと言われました。通貨の發行量と自由價格との關係というものは、言うまでもなくきわめて不可分の關係であるのであります。今年のただいまの通貨増發高が千六百數十億であり、年末には千九百二、三十億、あるいは場合によつては二千億にも迫ろうとわれわれは想像しておるのであります。さらにまた本追加豫算との關連を通じまして、この追加豫算と當初豫算との實施が終ります明年の年度末ころには、さらに通貨の發行量というものが相當巨額に上つてくるのではないかというわれわれは見解をもつておるのであります。そのことを考えにおきますと、通貨の巨額な發行量の増大に伴つて、同時に一般物價を相當に刺激いたしますために、通貨發行量に伴うところの自由價格の相當な高騰を招來するであろうということは、想像に難くないのであります。政府はこのたび安定本部を中心といたしまして、物價の安定帶を設けて賃金水準を設定いたしまして、賃金、物價の新體系を確立いたしたのでありますが、一方においては通貨の量が逐次増大を豫想されておる。通貨の増大が豫想されることは、必然的に自由價格の高騰が豫想されることになります。物價安定帶をせつかく設定いたしましたが、一方においてこの物價安定帶というものは、從來の公定と從來のやみ價格との間を接近せしめる一つの方途をもつて安定帶というものをつくつたのだが、今申し上げましたように通貨の増發が自由價格を刺激し、從つてその折角の安定帶がさらに一般の自由價格の高騰に從つて、またしてもそのやみ價格と今日の安定價格を、どこかの線において近づけなければならないような事態が、やがては來るのではないかというような心配を私どもいたしておるのでありますが、これに對しまして大藏大臣は通貨の増發が、年末には千九百二、三十億、しからば年度末には一體どのくらいになるか。その年度末にはどのぐらいになるかという見透しに基いて、一體自由價格の高騰率というものが、どのくらいになつていくべきかというようなことについても、これが豫算を編成するに際しまして織りこまれてあつたかどうかということを、まずお伺い申し上げておきたいのであります。
#32
○栗栖國務大臣 お答え申し上げます。この御心配の點は私もまつたく同感でございます。それがためにこの財政豫算においても、極力健全性を貫きたいと、かように努めている次第でございます。年末の通貨が千九百二十億の計算も出ているくらいでありまして、そのくらいのものにならうということは、われわれも見込んでいるわけでございます。しかし年度末でございますが、それまでの間には税を非常な大幅に取立てるということが一つあるわけでございます。これは日本の税制が上期よりも下期に重點がおかれて取立てになるという傾向をもつております。なおすでに申し上げましたように税の取立てを極力いたしたい。こういうようにいたしております。
 いまひとつは貯蓄の増強運動でございます。これもぜひいたしまして、通貨の收縮ということを努めたいと思うのであります。それと同時に浮動購買力に放出された通貨が向うことは、正常なるルートの上に立つておらぬ。ルートを通つて資金が流れないということが根本の問題でありますので、正常なるルートを流れるように努めたい。これには先ほど來申しましたように通貨の信用、預金の安全性ということも極力努めまして、この増發を防ぐようにいたしたい。かように考えておる次第でございます。
 なおまた通貨と物との關係がございますので、物については極力、先ほども安本長官から説明がありましたが、資材の輸入等についても考えたいと思つております。そして單にインベストの形で日本にはいるのみならず、さらに囘轉基金その他の運用によつてもこれがはいり、それがさらに輸出品として一部は内地に止まり、一部は外に出るような方法をとるように懇請を續けておるような次第であります。そういうようにして極力通貨の増發を防ぎますと同時に、物と通貨とのアンバランスを少くし、さらにまた通貨が流れても正常のルートを確立しまして、やみその他の好ましからざる方面に流れないように努めたいと思う次第であります。
#33
○川島委員 言うまでもなく健全財政確立が、ひいて通貨の増發をある程度食いとめるということは、われわれも言い得ると思うのでありますが、實際の面におきましては、一方において健全財政を確立して收支の均衡をはかりましても、その間に必ず通貨の増發をする面が絶對にないとは保證できない關係に立つておることも言うまでもないのであります。そういうことをわれわれは考えた場合に、この昭和二十二年度の豫算というものが執行されております間に、逐次通貨の増大が進行してまいるとともに、先ほど申し上げましたような物價高騰の因をなし、それに伴いまして、豫算の執行の上にも大きな影響がある場合が來るのではないか。實はこういうような心配をもつておりますので、そのことを聽いたのでありますが、しからば大藏大臣は通貨と物價との關係は、不可分の問題であるという御認識のもとに立たれておるのでありましようが、日本の今の經濟の内外の事情の上に立つて、日本の國内における發券高というものは、今日の經濟事情から云えば一體どの程度が最も望ましい程度であるかということについて、當局は考えられたことがあるかどうか、もし考えられたことがあるとすれば、その御所見をお聽かせ願いたいと思います。
#34
○栗栖國務大臣 ただいまの尋ねは、こういう混亂期においてはたいへんむずかしい問題でありますが、われわれが今いろいろ調査もいたしておりますので、その方法等を申し上げてみたいと思います。この一年におきましては日銀券が市場に出てまいりますけれども、この日銀券という通貨は、全部が通貨としての役をしておるか、あるいは退藏され、死藏されておるかという點を檢討をしてみつつあるのであります。この點は一年前と今日とでは非常に變つておるのであります。今は物價が相當高騰しておりますので、農村漁村その他の地方にあつた資金は、都市その他のやみ資金の方へ相當流れておるのであります。それと同時に預貯金その他の面においても相當の吸い上げをしておりまして、退藏死藏されておるものは、昨年よりは少くなつたと推定されるのでございます。しかしそのほかに預金通貨はどうかという問題があるわけでございます。戰前は預金通貨が非常に大きな働きをしておつたのでございまして、單に日銀の兌換券發行高だけによつて、いろいろなことを考えることはいかなかつたのであります。今日ではやみ取締りの徹底的實行がまだ十分でないために、やみの取引などが相當ある。そういうものは預金通貨によらないで日銀券によるというような形が自然とられておるために、預金通貨の利用も非常に、われわれも平素から話しておりますけれども、きわめて少くなつておるのであります。しかしただいまの千六百何十億という日銀券の發行高でありますが、その中で生産部面にまわつておる資金は比較的割合が少くて、相當の部分はやみ資金にまわつておるのではないかと考えておる次第でございます。
 なお日本の今の生産状況は、昭和十年ころに比べて三〇%あるいは三二・三%というような状態であります。これは設備よりも資材の不足が多いのでありますが、資材の輸入その他によつて生産が上つてきますと、それによつてほんとうに生産に向ける資金がそこに集中されてくるのであります。そうしたならば今後われわれは生産の率をどのくらいに日本の經濟として見るかという問題があるわけであります。その問題もまだはつきりきまつておりませんが、それからしてみて日本の通貨量をどれくらい、こういうように算定をしなければならぬと思つて、實はこれも調査研究をいたしておりますけれども、今のような混亂状態では、このくらいの通貨があれば足りる、それが眞に動けば足りるということを、はつきり申し上げるわけにいきかねておるような状態であります。それでただいままで研究さしておりますところの方向だけを申し上げ、研究がわかればまたここで發表もいたしたい、かように考えております。
#35
○川島委員 續いてお尋ねしますが、今大藏大臣は通貨の所在の點についてちよつと觸れたようでありますが、その點について具體的にこの際お伺いしておきたいと思います。實は本年の六月末の通貨安定對策本部の調査によりますと、いわゆる新圓の所在についての調査でありますが、農漁村に三百八十八億、販賣業者が五百五億、生産部面に二百四十八億、一般消費及び金融に百三十八億、こういう調査が出ておるのでありますが、大藏當局は最近にこの種の御調査をされたことがありますかどうか。御調査になつているといたしますれば、きわめて最近の調査の計數をこの際お尋ねしておきたいのであります。
#36
○栗栖國務大臣 お答えいたします。そういう調査はほんとうに實態的な、あるいは實質的な調査を――これは詳しい換算率とか、その他の點においても、將來の爲替レートの問題においても必要だと思いまして、實は企圖いたしておるのであります。今までのところまだ成案を得ないのでありまして、もう少し時間をかしていただきたいと思います。
#37
○川島委員 そういう調査がないといたしますと、豫算面のいわゆる租税徴收の場合における對象所得というものは、どういう形においてアウト・ラインをまずきめていくのか。それからそのアウト・ラインについてさらに細分をいたしますときに、どういう課税對象所得を探し出して、その出したものから今度の税總額というものが生れてくるのであるか。こういうことについてちよつとお尋ねいたしたいと思います。
#38
○栗栖國務大臣 これは國民所得が大體九千億で、その内譯分野等がはつきりつかめるということになれば、非常に樂な問題であります。しかしそれも外形的な點で、その數字を推算している次第であります。そこでわれわれとしては、税の徴收にあたりましては、財務局を通じて各税務署にもいろいろ指圖をいたし、外形的に現われたもの、たとえば預金あるいはその他の財産の殖え方とかいうことはもちろんのこと、あるいは生活ぶり、その他においても推算をし、さらに徹底的に査定をしまして、それからやみ所得者にもはいり込む、こういうような方法をとつている次第でございます。
#39
○川島委員 從來當局では、たとえば所得税なら所得税を豫算に計上いたします場合に、その所得税を、たとえば勤勞所得税を對象とする勤勞所得の總額はいくら、あるいは乙種事業所得の課税をいたします場合に、その乙種事業所得の總額はいくら、こういつたことを大體において調査をされました上で、租税の豫算額というものが現われてきていると私は承知をいたしておるのであります。そういう事柄について、もちろん今度の追加豫算はきわめて重大なる追加豫算であり、その租税高も非常に巨額な徴收高になつておりますので、その點について具體的な計數的基礎に立つているのだと私は信じておるのであります。それについての基礎計數が當然なければならないのでありますが、ありましたならば、お知らせを願いたいと思います。
#40
○福田政府委員 お答えいたします。税を取立てる見地からいたしまして、國民所得を研究することが至當なやり方であろうと思います。しかしながら國民所得の計算のやり方といたしましては、生産の面からとらえる方法と、それから所得の生じたその所得の實態からとらえる方法と、二つあるわけであります。この二つの點につきまして檢討いたしますと、生産の量からはいるということは、現在の状況におきましてはある程度可能でありますが、所得の流れる實態からはいつていくということは、なかなか實はむつかしいのであります。やみ所得というような面がありまして、その方法というものは非常にむつかしいのでありまして、いまだ確たる計算もなし得ないのであります。しかしながら、生産の面からいたしまする國民所得の方法といたしましては、先般來申し上げております通り、八千五百億というのが、過般の數字でありますが、その後米價の改訂を考慮いたしますと、九千億になるという計算が出てまいるのであります。所得の流れる方面といたしまして、大體の傾向というものはつかみ得るのでありますが、どうも數字が出てこない。もちろん主税局におきまして税の總額を決定するという際には、まず第一に、税務署長においてこの税率ならばどのくらいの額になるだろうかということを調べ、財務局長がそれを精査して、それを大藏省に報告してくる。そのトータルを見、かつただいま申し上げました所得の全體のにらみ合わせということもやるのであります。ある程度のそういう全體的な見當というものはできておるのではなかろうかと思いますが、生産から見た所得實態、九千億に應ずる見方の違つたわけ方、というような意味におきまするものは、まだ實は遺憾ながらできておらない。しかしながらただいま申し上げました通り、勤勞所得がいくらあるかというような計算につきましては、主税局においても檢討いたしているはずでありますから、後刻報告いたします。
#41
○川島委員 私はそういう基礎的な年數をもたないで租税の徴收をするということは、きわめて危險千萬であり、國民にとつては重大な事柄でありますので、お尋ねをいたしておるわけであります。後刻報告があるそうでありますから、その御報告に基いて一應またお尋ねいたしたい點が當然出てまいると思うのであります。それを保留いたしまして、次に進んでいきたいと思います。
 大藏大臣は先般來から勤勞所得の問題について、今度の基礎控除の問題と、扶養家族控除額の引上げ等を考えられておりまして、大體その二つができたらしいのであります。私どもは昨年來から實は主張しておるのでありますが、全國の勞働者の平均賃金水準以下の者に、ある程度の輕少な税金でもかけるということは、今の日本の經濟事情、物價事情等から勘案いたしまして、きわめて私は合理的でないとり方だという考え方をもつておるのであります。從いまして、平均水準以下の勞働者に對しては、これを免税をいたしまして、その財源は要するに相當な黒字階級が國内にあるのでありますから、そういうインフレやみ所得黒字階級から徹底的に税をとりまして、一方生産に直接間接に携つているところの勞働勤勞大衆に對しましては、財政面の措置といたしましても、そういう最低限の生活の保障をするという、積極的な熱意を政府が示すことが、私は生産増強の上にきわめて必要なりという考え方を、昨年以來もつておるのでありますが、大藏大臣といたしましては、その考え方についてどのような所見をもつておりまするか。財政問題を離れた觀點に立つての御所見を伺いたいと思うのであります。
#42
○栗栖國務大臣 お答えいたします。片山内閣としては勤勞勞働者階級に對する税の負擔の輕減、あるいはある程度の免除というようなことは、大きな題目としてもぜひ取上げなければならぬ點であります。私どもこの窮迫した追加豫算の面におきまして、窮迫した資金需要のある豫算におきまして、種種關係筋とも折衝に折衝を重ねまして、そうして先ほど來お話のような基礎控除、親族控除の點を、ようやく成功した次第であります。これでも財政面に現われる數字は、五十一億というような相當の數字に上つてまいるのであります。しかし將來において日本が國民經濟の健全、安定というようなことを考え、また日本の經濟の發展というようなことを考えますならば、ぜひ高額利得者に對しての税を考え、そうして勤勞あるいは少額の利得者に對しては税の減免をするという方針は、私も考えておる次第であります。これをただ窮迫せる財政の面に現わしていくにつきましては、今囘の追加豫算におきましては、五十一億の收入減をして控除をいたした點と、なお所得税の引上げにつきまして、七萬圓以上のものには率を引上げる。さらに高額のものには高率を課しましたけれども、それ以下には増税しなかつたという二點だけに止まつたのであります。しかし二十三年度の豫算その他につきましても十分――財政需要の窮迫したものもあろうと思いますけれども、この主義は一歩々々を踏んで、ぜひ貫きたいと考えておる次第でございます。
#43
○川島委員 この問題については先ほどの私の質問に對して、後刻御報告が計數的に出てまいるはずでありますから、そのときにさらに大藏大臣にお尋ねをいたしたいと思うのでありまして、この程度にいたしておきます。
 次にお尋ねをいたしたいことは、當初の豫算が千百四十五億である。さらに今囘の一千億に達せんとする巨額な追加豫算を實施いたしまする事柄は。大藏大臣の説明をまつまでもなく、日本の生産復興と國民の生活の安定を確保するというところに、大きなねらいがあるということは、言うまでもありません。しかしながら財政的な健全財政を打立てまして、いわゆる國民生活の安定を確保いたしたいというねらいがありましても、この豫算を執行いたしまする過程においての一般國民の食糧生活という問題は、斷じて切り離すことのできない事柄であろうと思います。いかに財政が健全化の上に立ちまして。それが執行されましても、同時にこれと相竝行するところの國民の食生活ということが不安定であり、確保できないという事情に立ち至りますならば、この健全財政も一朝にして瓦解するというおそれがないとは、言い切れないもののがあろうと思うのであります。そこで私は農林政務次官がおいでのようでありますから、この國民生活の問題について、殊に主食糧の確保の問題について、一、二お伺いをしておきたいと思うのあります。
 まず第一に日本の食糧は絶對量が不足であるという事實の上に立つて、國際的な食糧増産の關連のもとに、われわれ國民は當分の間生活していかなければならぬという條件の上に立つておるわけでありますが、まずそこでお伺いいたしたいのは、最近の新聞紙上に傳えられるところによりますと、司令部方面では今後日本に對して放出されるところの食糧は、月間にして十万トン内外であろう。ところが一方前平野農林大臣は、三千五十五萬石の供出確保ができましても、さらに二合五勺の配給基準を確保するためには、二百萬トン程度の輸入食糧を得なければ、日本の國民生活の確保は非常にむずかしいというような事柄も言われておるでありますが、そこでお尋ねいたしたいのは、司令部の發表されておりまするがごとく、月間十萬トン内外の放出が許されないという事情のもとに立ちまする場合と、かりに三千五十五萬石の米の供出が確保されるといたしました場合において、どういうようなことになるのか。はたしてそれによつて二合五勺の基準配給量というものが、今後とも昨年度にかけて確保ができていく状態にあるのかどうか。それをまずお伺いをいたしたいと思うのであります。
#44
○井上政府委員 來年度の食糧の見透し、すなわち二十三年度の食糧の需給状況について御説明を申し上げたいと存じます。御存じの通り現在わが國の人口は大體七千九百萬と押えております。この七千九百萬のうちで、農家人口が五千五百萬であります。消費國民としては四千四百萬人ほどであります。この四千四百萬の人々に、現行の配給基準を基礎にして、年間の所要量は三千九百十七萬四千石と押えております。このほかに農家に配給する米が大體五百六十一萬石、勞務加配米として配給するものが四百二十三萬九千石、みそ醤油等の工業用原料に九十四萬五千石、その他用に三十九萬二千石、來年度へ持越分が八十八萬石、合計して五千百二十四萬五千石、こういう數字になつております。しからばこれを賄うところの供給の方はどうなつておるかと申しますと、二十二年度産米の供出を一〇〇%まいりますと押えて、三千五十五萬石でございます。そのうちですでに二十二年度に食べ込んでおるものがございますから、そこで二十三年度の食い込みもまたこの際約百二十萬石ほど見積つておかねばなりません。それから本年度の麥で、二十二年から二十三年に持越される分が八萬石ほどございます。それから二十三年度の麥を大體四百萬石、一般消費用にまわしたいと思つております。それから二十二年度の甘藷、それから二十三年度の甘藷、この二つを加えまして大體二百四十萬石くらいに押えております。それから同じく馬鈴薯が兩方合わせまして大體百萬石ほど押えております。これを全部合計いたしますと三千九百二十三萬三千石という供給量でございます。そこで差引不足いたしますのは、千二百一萬二千石という數字になります。これを玄米換算でトンに直しますと、百八十萬二千トンというものが不足する。こういう勘定になつております、そこで問題は本年度産米の一〇〇%供出と、なお明年度の麥、馬鈴薯の完全收穫による供出が完成いたしませんと、その數字に狂いが生じますとともに、なおこの不足食糧百八十萬トンがはいるか、はいらぬかという問題がございます。これは世界の食糧事情の上において考えなければなりません、大體世界の食糧事情は今日いろいろ論議されておりますが、われわれ見ますところにおいては、大體千八百萬トンないし千五百萬トン世界において食糧が不足しておる。こういう見透しであります。そこでこの不足の實情の中において、日本が要求するだけの百八十萬トンが確保できるか、できぬかという問題でございます。この點につきましては、われわれといたしましては實に重大な關心をもつております。ただありがたいことには、日本といたしましては、大體産米及び甘藷の收穫が、秋から冬にかけて續きますので、これによつて大體來年の三、四月までの國内の食糧は、どうにか賄われる見透しがつくのであります。そういたしますと、五月、六月というこの二箇月が實は大きな端境期になつてまいります。御承知の通り、七月になりますれば麥、馬鈴薯が收穫されますし、なおヨーロツパ、アメリカ合衆國、カナダ等の麥、馬鈴薯等の收穫が豫想されますので、大體國際の食糧關係から輸入の前途を考えます場合、四月、五月、六月とこの三箇月の食糧がどうなるかということが、われわれにとつては非常な重大な關心をもつているわけであります。そこで政府といたしましては、大體一つは主要食糧でできるだけ配給を現行通り、加配米を加えまして進めてまいりたいつもりでありますが、萬が一主要食糧の米麥、甘藷等において補いがつかない場合は、砂糖でありますとか、あるいは油脂類、こういうものの輸入を懇請いたしまして、これによつて一時の危機を抑える。なおこの際申し上げておきますが、昨年度の米の供出割當と、今年度の供出割當は、多少數字の上で本年は多くなつております。多くなつておるというだけではなしに、早場米の供出が非常によろしうございまして、このために二十一年度は約二百萬石からの米をこの年度に食い込んだのでありますが、今年度においてはわずかに百萬石しか早場米を食い込んでおりません。そうしますと、去年の順からしますれば、百萬石が二十三年度に繰越されることに數字の上ではなつてきております。さらに麥の二十二年度の配給は、ズレが約三、四十萬石二十三年度へはいつておりますし、また輸入食糧が約二十八萬石ほどズレております。さらにこの際政府は一般消費者の配給の現状、及び勞務加配米の重要性を考えまして、この際思い切つて、供出をしない一部農家の保有米を一定量引下げまして、これによつて大體百萬石の米が浮いてまいります。さらにまた酒造米、これは相當司令部の方でも關心をもつておる問題でございますが、この酒造米は本年はできるだけ使わずに、甘藷でお酒をつくる考え方にかえましてやりたいつもりでおるわけであります。そういうようなことからいたしまして、大體私の概數の計算でありますけれども、それらのいろいろな按配によつて約四百萬石の米が浮いてまいります。だからこの調子でいきますならば、來年の三、四月ごろまでは斷じて遲配なしに、計畫的に配給ができる見透しがついております。ただ問題は生産縣の供出米を、消費地にどう合理的に輸送するか、そのためにまた外國食糧を順調に輸入いたしまして、生産縣に見返りとして送つて、つまり國内の消費者が一方では米を食べ一方では外國食糧を食べておるという不均衡を是正する必要上、そういう措置をとらなやればならぬと考える次第でありまして、大體の見透しは來年の三、四月ごろまでは、現状のままで押し進めることができると思います。ただ三、四月ごろになつた場合に、世界食糧のいわゆる麥、馬鈴薯の收穫の状況がどうなつていくかという見透しに立つて、今度は新しい大端境期に對するわが國の食糧需給計畫を立ててまいつたならばいいというつもりで、われわれは計畫を立てておるつもりであります。さよう御了承願います。
#45
○川島委員 大體事情はわかりましたが、この際もう一點お尋ねしておきたいのであります。政府は御承知の通り千八百圓ベースを徹底いたしたのでありますが、この千八百圓ベースによりますと、四・二の標準家族に對しては、從來の二千六百圓が二千九百二十圓になると安定本部では發表いたしております。その二千九百二十圓の標準家族の生計では、今の食糧事情から言いまして、大體において月間七百五十圓の赤字を見ております。その七百五十八圓の赤字の中の大部分は、もちろん食糧を中心とした支出でございます。その支出の七百五十八圓の問題に對しましては、その中に主食糧その他を中心といたしました鮮魚介等もはいつておりますが、正現の配給量を殖やすことによつて、まづ第一に三百五十圓の負擔の輕減をはかるのだということを安定本部では發表いたしております。それからまた所得税方面においては二百二十圓の實收になる。さらに扶養家族の控除額について百五十圓の浮き上りがある。これで總計七百二十圓、差引三十八圓の赤字がある。その三十八圓の赤字に對しては、一般消費材のマル公の設定の際の手加減によつて埋め合わせをするというのが、安定本部の構想であります。そこで問題となるのは、その三百五十圓の負擔輕減を、主食糧の正現の配給量を殖やすことによつて埋め合わせをするのだということになつておるのでありますが、その決定をいたしました本月までに、約三箇月間を經過しておるのであります。その主食を中心とした正現の配給量の増加が今日實現されておるかどうか、これをひとつお伺いいたしたい。
#46
○井上政府委員 主要食糧の面におきましては、御存じの通り片山内閣ができました當時は非常な食糧危機に當面しておりまして、大體一箇月四百萬石の米がございませんと、全國の消費者に現行の配給を續けることができぬにかかわらず、當時政府の手持米は百五十萬石、しかもそのうち大部分は農村の倉庫に、農村に配給しなければならぬ米としてくぎづけされておるのであつて、政府が動かし得る米というものは、凍結米とわずか生産縣の協力になつて搬出できる數量でありまして、他の大部分は外國食糧によつてこれを賄わなければならぬ。しかも外國食糧の輸入が非常に惡くて、いろいろな惡條件のために、當月に配給するものが實際上不可能な實情にあつたのであります。そこで政府といたしましては、この現状を打開をしなければ、國民生活の確保及びわが國の當面しておる危機突破ができないということから、政府では經濟緊急對策の第一に食糧危機突破を考えまして、それぞれ對策を立ててまいつたことは御承知の通りであります。この關係におきまして、大體二十二年度、この間に約二百二十萬石ほどの遲配を生じております。これは日に直しますと大體十六日分ということになつております。ところがここでお考え願いたいのは、昨年度すなわち二十一年度において、政府の責任において配給いたしました米は三千八百三十萬石ほどであります。ところが本年度、昭和二十二年度に配給いたしました米は四千五百三十萬石で、約七百萬石増配をいたしております。二十一年度に比べますと、これは御存じの通り配給基準量を二合三勺から二合五勺に引上げましたし、また二十一年度は御存じの通り二合三勺の配給ができず、二合一勺に引下げ、さらに一割減をいたしまして、實際は一合九勺しか配給してなかつたというような實情であります。こういうことになつておるのであります。從つてかりに二合三勺、すなわち前内閣と同じような配給基準量によつていたしますならば、七百萬石という米がここに浮いてまいりまして、これを計算いたしますと、大體遲配なしに、完全にその配給ができることになつておるのでありますが、御存じの通り二合五勺でさへ足らめ現状において、それを二合三勺に引下げて、帳面ずらだけ遲配のないというような姑息な食糧對策というものは、現在わが國の實情としては許されませんことは御存じの通りであります。しからば何故にこの遲配がかくのごとく生じたかというと、一つは六月以前の遲配が大體百五十萬石ほどございます。六月以後の遲配が六、七十萬石ございます。この六月以後の遲配――七月以降の遲配は製粉、精麥能力の非常な悪化のために、政府といたしましては、八月、九月、十月は、大消費地等においては滿配の計畫を立てたのでありますけれども、製粉能力が非常に惡く、電力事情、輸送の惡化のために、完全に配給ができ得ない状態にあつたということを御了承願いたいのであります。ただこの十六日の間遲配の穴埋めといたしまして、政府は食糧緊急對策の中にもうたつてありますように、それぞれ救援米その他の運動を展開するとともに、麥、馬鈴薯の完全供出、さらにまた加工水産物約五百萬貫を、六大消費地の、特に遲配の深刻な地帶に、これを配給する計畫を立てたのであります。その後これら六大消費都市は九月、十月と滿配されておるのでありますが、しかしこの加工水産物約五百萬貫は、過去の遲配の穴埋めといたしまして、これを六大消費地の特に遲配のきつい地域に對して配給をいたしまして今日に及んでおる次第であります。さよう御了承願いたい。
#47
○川島委員 もうひとつ、今までの話によると、結論といたしましては安本で設定をいたしました千八百圓ベースのただいま申しました負擔輕減の分三百五十圓、しかもその三百五十圓というものの大半は、いわゆる農産物を中心とした生鮮魚介類も含めまして、その正規の配給量の増加ということをねらつて、三百五十圓の負擔輕減を勞働者の上にはかるということになつておるが、ただいまのお話の結論といたしますと、それが事實上は不可能であると、われわれは理解いたしてよろしゆうございますか。
#48
○井上政府委員 主要食糧におきましては、九月以降完全に配給をいたしております。また十一月、十二月と政府は完全に遲配なしに配給する計畫を立てております。ただ生鮮食糧品あるいはまた燃料等において多少事情が異りますために、これをいかに完全に配給するかということで、今政府といたしましては全力をあげておるのであります。從つて主要食糧のほかに生鮮食糧品及び燃料等が、どういうぐあいにうまく流通秩序の中に乘つてくるかということによつて、勤勞大衆の家計というものは明るくなつてまいると思いますので、現在政府はその方面に全力をあげて、いわゆる勤勞大衆の千八百圓ベースが守られる裏づけ對策を立てておるということを御了承いただきたいと思います。
#49
○川島委員 そうすると主要食糧の遲給は今日のところ絶對やらない。しかしなから野菜、生鮮魚介、薪炭等、あるいはみそ、醤油、こういつた方面の配給量の確保は、七月以來、この千八百圓ベースをきめて以來今日まで、確保されておらないという事實であるということのお話でありましようか。その點重ねてお伺いします。
#50
○井上政府委員 主要食糧以外の生鮮食料品及び燃料等におきましては、千八百圓ベースの裏づけの物資といたして、完全に政府が計畫した通りには行つておりません。これはいろいろな惡條件がございまして、水害その他やむを得ない事情も巻き起り、かつまた資材その他いろいろな惡條件のためにできぬ事情にあつたのでありますから、政府は最近鮮魚及び蔬菜に對して、その集荷及び出荷、配給等に對する根本的な改革をいま加えております。なおまた、みそ、醤油、油等については、政府一手買上げ、一手販賣の公團を設定いたしまして、完全にやりたいというつもりでありますから、さよう御了承いただきたい。
#51
○川島委員 そこで大藏大臣にひとつお伺いいたします。ただいまの話によりますと、千八百圓ベースの標準家族二千九百二十圓、そのうちの三百五十圓の赤字、七百五十圓のうちの三百五十圓は、ただいまお話し申上げたごとく、主食竝びにそれを中心とした生鮮魚介類、野菜類、調味料、薪炭、こういうものを加えて、正規の配給量を確保して、三百五十圓を勞働者の上に負擔の輕減をはかるというのが、千八百圓ベースの基本計畫であります。ところがただいまのお話によると、主食は確保いたしておりますけれども、それ以外については未だにその實現が達成されておらない。こういうことになつてまいりますと、七月に設定されました千八百圓ベースというものが、今日までの三箇月間において、すでに三百五十圓という負擔輕減が絶對に不可能な事情になつておるということが、明らかになつてきたわけであります。そこでお尋ねをいたすのでありますが、米窪勞働相その他經濟閣僚の人たちの間におきましては、一般官公職員の千八百圓ベースに對する生活の急迫を實際の面において察知しまして、何とかこの際において適當の應急措置を講じたいという考え方から、いわゆる越冬資金と申しますか、應急資金と申しますか、そういつた名稱のもとに何らかの措置を講じて、この計畫の齟齬をいたしておる穴埋めをいたしたいという考え方をもつておるやに承つております。大體ねらいといたすところは、十億圓もしくは二十億圓という開きもありましようが、とにかく應急措置を講ずべきだという考え方をもつておられるように、具體的になつてきたようであります。その場合に大藏大臣は、その應急的な措置に對してどのようなお考えをもたれておりますか、それをお聽かせ願いたいと思います。
#52
○栗栖國務大臣 官公吏その他すべて國民が遲配缺配等に惱んでおるのであります。また官公吏においては千八圓ベースということで、非常に忍苦な、つらい生活をしておるということについては、私も十分理解と同情とをもつておるのであります。そしてこれの始末をどうつけるかという問題でありますが、これは一方においては財政上の措置を必要といたしますので、財政上の急迫したる事情、あるいは財源その他等、きわめてむずかしい問題もありますので、ただいまのところはいろいろ考慮研究をいたしておる次第でございます。
#53
○川島委員 考慮研究というお話でありますが、實際においてすでに安本で設定いたした千八百圓ベースの最も重大なる食糧の面において、その計畫が達成しておらぬ。食糧のみならず調味料に至るまでの話でありますが、達成しておらぬ。そういうことになりますと標準家族においてすらも――三百五十圓の負擔輕減をはかるのだと言われておりますが、その負擔輕減が實際にはできない。私の概數によりますと、三百五十圓の負擔輕減をはかるうちの、大體において二百圓見當においては、もはやその實現が達成しておらないという現状である。そうすると自然的に七月から十一月に至るまでの間、もうすでに三箇月の間、一箇月二百圓といたしましても、六百圓の赤字というものは穴埋めされずに今日まできておるというのが、千八百圓ベースにおいての實情であると私は思います。そういうことのみならず、一般の生活の實情から言いますれば、きわめて急迫な状態にあるということも言えるのであります。その問題に對して政府は、今から然るべき用意をもつてこの一般勞務省の希望と言いますか、熱望と言いますか、それにこたえるところの具體的な用意をもつことが、私はこの勞働攻勢に對する政府の建前でなければならぬという考え方をもつております。この問題について、大藏當局にまだ具體的な財政的な措置がないとすれば別でありますが、當然私は考えてやらなければならぬ事柄に到達しておるという結論をもつております。どうぞその點において大藏大臣におかれましても、閣議の席上等において十分な御檢討をされまして、最善の措置を講ずべきであるということを、強く希望してやまないものであります。
#54
○井上政府委員 ただいまの點誤解があると思いますのでちよつと申し上げます。ただいま川島さんの御意見の中に生鮮食料品、調味料等がこれからも完全にいかないような御意見の上に立つて千八百圓ベースは守れない。だから赤字をどうしてくれるのだというような御意見でございますが、少くとも政府は主要食糧はもちろんのこと今御指摘の生鮮食料品、調味料等についても、この問題が解決されない限りには日本の産業は再興できませんので、われわれは、どんなことをしてもこれを解決しようとしていま全力をあげております。すでにその效果は現われてまいりまして、みそ、醤油等のごときは、今日大體配給の豫定量を配給しております。なお蔬菜類にいたしましても、最近大消費地に對して相當量まわつてまいつておりますし、また鮮魚等におきましても、この水害前後の事情から比べてみますと非常に好轉してまいつておりますから、いま政府は内閣の中に生鮮食料品、調味料を中心にする各省の參謀本部を設けまして、どうしたならばいわゆるマル公で、確實に、勤勞者の家庭に配給できるかということの計畫を進めておりまして、これに對しては政府は完全に責任をもつてやつてまいりたい。そうして千八百圓ベースはあくまで守る、こういうつもりでやつておるのでありまして、またその裏づけはどんどん進んでありますから、誤解のないようにさよう御了承をいただきたいと思います。
#55
○川島委員 運輸大臣に二、三點お尋ねしたい事柄があつたのですが、時間がありませんから、簡單に一點だけお伺いいたします。今度の追加豫算によりまして國鐵の赤字分に對しましては、一般會計から繰入れて一應の切抜けをすることになりましたが、運輸省の現在の經理面からいきますれば、當然獨立採算制をもつて貫かなければならぬ條件のもとに立つております。そこでこの獨立採算制を明年度から實施していかなければならぬことになりますれば、當然運賃値上の問題に逢著してくるのではないか。それでお尋ねいたしますことは、明年度において運賃の値上げをやるのか。やるとすればどの程度の運賃値上げの計畫を運輸大臣はもたれておるか、その點を簡單にお伺いいたしたい。
#56
○苫米地國務大臣 お答えいたします。今囘鐵道經理に對する赤字五十億圓を一設會計から繰入れてもらうことになりました。このことは實はこの七月に運賃の政正をいたしました際には、當初豫算すなわち二十二年度の豫算につきまして、前内閣がとりました計數によりますと、大體八十三億の缺損になるわけであります。その缺損を補填するために運賃の値上げをしよう、こういう時期に到達しておつたわけであります。ところがたまたま新物價體系がとり上げられまして、その一環としての運賃をきめる、こういうことに關しまして安本で計畫を立てたわけであります。御承知のように大體貨物旅客を加えまして、ほぼ三倍半くらいの値上げをいたしたのでありますが、これは他の物價との比例上まだ實は足りなかつたのであります。すなわち運賃は三倍半上りましたが、一番重要な石炭が七倍上つた。これは從來補給金もありまして、特に安かつたのでありますけれども、一トン百八十五圓で使つておつたところを、それが石炭の物價均衡によりまして千二百四十圓くらいになりました。そういう大きな物價の變動によりまして八十三億の缺損がかえつて倍になりまして、百六十億以上に達するという状態になつたのであります。しかしながら物價體系の一環としてきめたのでありますから、さらに運賃を改正いたしますれば、いきおい他の物價に影響いたしまして、全面的に物價體系が崩れるというような心配もあり、かたがたこの赤字につきましては、でき得る限り經營の合理化によつて、ある程度の填補をするということに全力をあげて努力いたしておるわけであります。しかしながらその數が非常に多いのでありまして、なかなか經營合理化の面のみでは填補ができないのでありまするから、いつかこの運賃によつてこれを是正するか、あるいは他の物價を安定させるための意味から、國民負擔においてこれをやつていくか、こういう二つの面があるのでございまするが、政府が前に政策の上に掲げました通り、特別會計に屬する分は獨立採算制をとるという基本的な考えに戻りまして、そうして適當な機會に運賃を是正しなければならぬ、こう考えておる次第であります。從いまして今囘一般會計から繰入れてもらいました五十億の金は、他日鐵道會計の經理の面からこれを填補していくというふうに考える次第であります。ただしその年限があまり短かいと、非常に無理な運賃の是正になりまするから、できるだけこれを長期にいたしまして、ただいまのところでは七箇年計畫でこれを繰戻していくというふうな方針をとつて、現在この七箇年計畫を研究中でございます。そんなわけで鐵道運賃を是正するということはどうしてもやらなくちやならぬと思います。ただしその運賃をどの方面で上げなければならぬかというようなことにつきましては、愼重にこれは研究しなければならぬ。たとえば新聞に傳わりましたが、旅客運賃だけを上げるというようなことは考えなければならぬと思いますが、現在鐵道輸送の運賃で一番均衡を失つておりますのは貨物運賃であります。貨物と輸送實費に對して、いま運賃はわずかに三分の一くらいしかもらつておらぬ。從いましてその意味からいたしましても、貨物運賃に考えを及ぼしていかなければならぬという點が一つ。それから陸送の賃金と海運の賃金とのアンバランスがあります。それゆえに今では荷物が陸送に重課がかかりまして、海運の方はむしろ荷物が集まらぬというような状態でございまするから、この海陸の輸送料金を是正するという點から申しましても、貨物運賃を考えるということが適當であろうかと思うのであります。しかしながらこれもほんとうに生活必需物資との他の點から言いまして、個々の調整も必要だと思いますが、とにもかくにも運賃を是正する時機が當然參ると思います。それは來年度の豫想をつくります際に考えてやつていきたい、こう思つておりますから御了承を願います。
#57
○鈴木委員長 それでは保留されている點は後にいたします。なおこの際一言私から申し上げたいことがございます。この豫算委員會において議案に添附いたしましたいわゆる附帶決議につきましては、新しい憲法のもとにおける國會の權威のためにも、委員會において添附されました附帶決議は、委員會の集中的な意見の表現でございまするから、この決議が政府によつていかように取扱われておるかということに對しましては、委員會といたしまして重大な關心をもつてこれを監視いたしたいと考えております。そういう觀點の上に立つて、委員長より政府に對して、さきに補正第一號につけました附帶決議の、いわゆるタバコ、酒類等の値上に關しましては、國會の愼重な審議を經た後これを行うことという附帶決議が無視されて、國會に諮ることなく十一月一日からタバコの値上げが行われましたことに對して、先般政府の注意を喚起しておきましたので、これに對してはいずれ後で最近の機會に、政府より御答辯があることと存じます。またただいま千八百圓の問題も出ましたので申し上げておきますが、補正第四號にもこの委員會において附帶決議をいたしました。第四號はいわゆる給與の問題でありまするが、それにつきまして附帶決議として、地域差が非常にはなはだしいから、そういう點については、あらためて官公職員待遇改善委員會準備委員會と協議の上、適切な措置を講ずべきことということと、それに關連いたしまして、國家公務員給與法案の起草に際しては、給與體系の整備及び確立を期し、地域差については適切な考慮をなすことという附帶決議がつけてございましたが、その點に關しまして政府においてはどういう取扱いをされたか、官公職員待遇改善準備委員會も協議の上、どういう措置をとられたか、給與法案の起草にあたつて、これらの點について考えられつつあると存じまするが、この地域差についてどういうお考えをもつて起草されておるか、この點につきまして今井給與局長が來ておられまするから、簡單にこの決議をどう取扱われておるかということについての御答辯を得たいと思います。
#58
○今井政府委員 ただいま豫算委員長からお言葉をいただくまでもなく、私どもも適當な機會にこの問題に關しましては御報告申し上ぐべき筋のものであることは、よく承知いたしておつたのでありますが、その三箇條の全部につきましての御説明がまとまります段階に至らず、延び延びになつておりまして、ただいま委員長から報告を求められて恐縮に存じます。ただ一つの問題だけは御趣旨に從いまして、官公職員待遇改善委員會準備委員會と再折衝をいたしました結果、御趣旨の線に沿いまして、最高の原案でありました十二割を八割にひつこめまして、最低の二割を三割に引上げました。詳しく申せば京阪神の十二割を八割に、特地の八割が六割五分に、甲地の六割が五割に、それから乙地の三割は四割に引上げ、丙地の二割を三割に引上げることと了承を得まして、そのまま實施いたしました。第二點の給與法案に關しましては、目下關係方面とも折衝中でございまするし、かつまた國内的に法文の整理を急いでおりまするが、この内容になるべき地域差の認定等の手續の整備につきましては、未だ具體的に成案を得るところまで至つておりません。適當な機會にまとまり次第、この委員會に御報告申し上げたいと思いますが、取あえず現在までの段階のところを御報告いたしておきます。
#59
○鈴木委員長 午後は一時半に總理大臣、大藏大臣、安本長官が來られますから、午後一時半に開會いたします。
 それではこれで休憩いたします。
    午後零時四十九分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後二時一分開議
#60
○鈴木委員長 午前に引續いて開會いたします。ただいま總理大臣が御出席になつておりますから、總理大臣だけに對して、まず五坪君の御質問を願いまして、續いてやはり總理大臣だけについて苫米地君の御質問を願いたいと思います。
#61
○五坪委員 片山總理大臣に二、三率直に、簡單にお尋ねいたしたいと思います。總理大臣は働く人のためにはかるとか、大衆生活を向上するためにはかると、たびたびおつしやつているのでありますが、まことにその通りであり、結構と思うのでありますけれども、しかし主食の價格を大幅に引上げたということは、はたしてその言葉のごとくいくでありましようか。その言を裏切つているような感じがするのであります。この主食の價格を引上げたということは、大衆生活を、どんなに壓迫するものであるかわからん、かように考えるのでありますが、總理大臣いかがにお考えになりますか。
#62
○片山國務大臣 米價の引上げは消費者大衆特に勤勞大衆諸君の負擔を加重するということになつたことは事實と思いますが、しかし一面米價を引上げないことには、農民の生活状態、生産状態に非常に支障を來すのであります。農民諸君が一生懸命食糧増産に精勵されまして、殊に供出という大きな任務を擔當されております際に、米價を相當引上げて、生産費を十分ににらみ合わせて考えていかなければならぬし、ほかの物價との振合いも考えていかなければならない。そろそろそういうふうに檢討しなければならない事情になつているのであります。政府といたしましては、消費者諸君の立場も考えるし、農業生産に從事せられる農民諸君の立場も考える。兩方にらみ合わして、かつ今日の物價態勢を十分檢討いたし、殊に千八百圓で辛抱されておりますところの勸勞大衆諸君に對しましての立場も考慮し、全般を考慮して物價の均衡を得たい。生活の安定を、できるだけはかる政府の心持を十分に現わしていきたい。かように考えまして米價を引上げたのであります。これは農民の要求通りの價格とはいきませんでした。中には相當大きな請求をされ、もつと價格を引上げてもらいたいとこういう要求がありましたけれども、それは均衡を失することになるというわけで、農民諸君にも辛拘を願つているような次第であります。そういうわけで全體をにらみ合わせ、全體の均衡を得て、わが國のインフレを防止する方法を十分に檢討いたしました結果、さきに決定いたしましたような米價となつたのでありまして、これは決して一方に遍しているものではないということを御考慮願いたいと存じます。
#63
○五坪委員 生産者億格を引上げられたことは、これは今御説明もありましたし、よく了承いたします。しかしながら消費者價格を同じく生産者價格以上に大幅に引上げられている。それは消費者大衆の生活を壓迫するということは明らかな事實であると思いますが、いかがでありましようか。
#64
○片山國務大臣 以前は生産者價格と、消費者價格とに非常に差を置きまして、その差額を國家財府で負擔いたしまして、なるべく消費者諸君の生活費賃擔を輕減するという努力をしたのでありますが、今日の國家財政はそれを許すことができないのであります。國家財政がはなはだ窮屈でありまして、各方面に壓追を加える、辛抱を願う、こういう状態になつているのでありますから、國家負擔というものを考慮せずに、千八百圓の米價をやはり消費者諸君も擔當してもらわなければならぬ。そこへ俵代でありますとか、あるいは運送に關するいろいろの費用でありますとか、いろいろこまかい費用が加わりまして、かつまた二月末までに供出を完納された諸君に對しましては、奬勵金を出さなければならない。こういうような建前でありますから、これらも加味した價格が千八百圓に加わりまして、生産者價格よりいくらか上まわることになつたのでありますが、これも現下の財政上やむを得ないことであると御了承願いたいと思います。
#65
○五坪委員 昨年は生産者價格月百五十圓、そして政府はそれに百圓を補給して消費者價格四百五十圓、この百圓の差額というものは、これは租税によつて國が三十億圓餘り支出しておられたと思うのであります。そこで資産家は税金の形でそれを負擔する。一般大衆がそれを百圓補給されて購入する、こういう形になるのですから、そこには多分に社會政策的な部面が含まれていると思いましたが、今年の消費者價格は二千百八圓くらいになります。少くともこの中には三百八十圓くらいな生産者價格と消費者價格との差がありますが、それには差額の補給というものもないばかりでなしに、あるいは供出奬勵金とか、また當然政府が負擔しなければならぬ集荷配給に關する費用、具體的に申しますと地方の食糧事務所などの俸給、事務所費なども、消費者が負擔しなければならぬということになつておるのであります。そうすると金持も貧乏人も同樣に奬勵金を出し、同樣に事務所の俸給、事務所費を負擔するというようなわけで、どうも社會政策的な意味が少しも主食の配給については含まれていないと考えられるのであります。社會黨首班の片山内閣としましてふさわしくないと思われますが、いかがでございましようか。
#66
○片山國務大臣 この問題につきまして、當初奬勵金等を主として國家負擔にしようというような考えも、もちろん出ました。そうしてなるべく消費者諸君の負擔を輕くしたいと考えたのでありまするが、豫算全體をごらんになればよくわかりまする通り、非常に財政が苦しい状態でありまして、それらの費用を國家財政が負擔するということになりますると、赤字を出さなければならない。赤字でこをを埋めるというようなことになると、結局またまわつてこれが大衆負擔にもなつてくるし、インフレの進行にも拍車をかけるというようなことになる。こういう問題を考えまして、大藏大臣が先ほども強く主張されております通り、健全財政の建前を保つて、赤字でそういうものを負擔するという弊害をどうしても取除きたい。この原則に立つたものでありますから、これまた國家負擔は避けたのであります。やむを得ずこの問題をやはり消費者負擔に願わなければならぬということになつたわけであります。一面供出問題を考えてみますると、農民生産者諸君に供出の負擔を願うということは、なかなかの大きな問題でありまして、供出が完遂されないことには食糧問題は非常に困難を感ずる。食糧問題にひびがはいりますならば、いろいろの點においてわが國の經濟の運行上支障を來す、思想も惡化するというような状態に影響いたしまするから、供出にはできるだけ全力を傾倒いたしまして、供出の完全を期したい、かように考えておるやさきでありますから、この供出問題に對しましては相當政府も力を入れておるような次第であります。何分にもこの窮乏財政でありまして、敗戰後の建直しの財政でありますから、生産者も消費者もみんな努力して國家財政を建直し、國家建設の費用を、それぞれ分に應じて擔當してもらうという建前でなければならぬという見地から、かような方策をとつた次第であります。
#67
○五坪委員 健全財政の立場からの御答辯ごもつともであります、しかし消費者の負擔をできるだけ輕くしてやつて、そうして生産のために努力させていく政策の方がいいのではないかと思いますが、いかがでございましようか。
#68
○片山國務大臣 そういう方法をとるのには一應財政を健全にして、財政がゆとりができました際にはむだの面にまわさず、できるだけ社會政策方面にその費用をまわしたいと考えております。いろいろ費目數字を照らしてくださいますならばよくわかりますが、社會政策のために出す土臺を今日つくつていきたいと思つておるのであります。しばらくの間は國民に耐乏を願つて、その耐乏の結果正式のルートに乘り、正常の状態に早く築き上げて、それからどんどん社會政策のために、消費者の負擔の輕減のために努力したい。いましばらくの間はこういう状態を續けていかなければならない特殊の状態であるということを見ていただきたいと思います。
#69
○五坪委員 わが國は御承知のごとくだんだん人口が増加するのであります。しかしながらそれに伴つて食糧が増産できれば結構でありますけれども、御承知のような状態で、とうてい國民の食糧を生産することができない。そこで自給自足はできないし、輸入にまつよりほかにないと思いますが、世界の食糧事情は御承知の通りで、なかなか思うように輸入ができません。また平和が囘復された後には、自由に輸入はできるものと考えましても、そういう場合になると世界的な豐凶によつて、消費者も生産者も非常に脅かされる形になるのです。從つて國民は一體こんなことでどうするのだ、將來の食糧問題はどうだというようなことで、非常に迷い惱んでおると思うのであります。現にただいまの食糧問題さえもう少しうまく解決がつくならば、日本再建はもつと活溌に行われるだろうと思うのでありますが、それができないのは御承知の通りであります。そこで何とかしてその國民の迷い、惱みを解消して、國民に希望をもたせなければならぬのですが、一體政府はこの食糧不足の状態を、開拓によつて補充しようとされるのか、あるいは何か海外移民でもお考えになつて、連合國へ懇請でもしておやりになりますか、またな最後の手段で、産兒制限でもしようとされるのか、何とかしなければならぬと思いますが、どういう點に主力をおいて國民を指導していくか、その點が明らかにして國民の前途に對する希望をもたせていただきたいと思いますが、總理のお考えはいかがですか。
#70
○片山國務大臣 お説の通り主食問題の解決が基本になつているのでありまして、この問題につきましては、まずできるだけのことを日本國民がみずからやらなくてはならない、こういうふうに考えているのであります。開墾すべき所を開墾してできるだけ多くの食糧をつくつて、そのつくつた食糧によつて國民を養つていく態勢をつくりたいと考えております。從つて食糧増産に關して一段と科學的な研究をなし、有畜農業でありますとか、多角形生産でありますとか、肥料の改善でありますとか、農機具の改革でありますとか、各方面に手を差延べまして増産計畫を十分にしなければならないと思いますし、また關墾事業にもできるだけ手を差し延べまして、不毛地を耕地にいたしますとか、そういう面にも力を入れて、多くつくることと、さらにつくつたもので國民を養い得るように、供出の問題をも圓滑にかつまた配給機構も十分にしまして、やみで食糧、特に主食が流れる今日のまことに間違つたやり方を根絶いたしまして、眞に家庭配給が基本となつて、配給で生活ができるような状態をつくりたいと、極力努力しておるような次第であります。つきましてはそれでも足らないのではないか、そういう場合はどうかと言いますならば、諸君の御理解もたいへんあることでありますが、さらに連合軍司令部に懇請いたしまして、輸入にその足らないところを仰がなければならないと思います。足らないところを輸入に仰ぐにつきましても、國民はみずからなすべきことをしておる。正しい道で食糧増産に邁進しておるということを、事實の上に現わさなければならないのであります。なおそのほかに日本を民主國とし、平和國としまして、日本國の信用を十分に高めて、民主化のために、平和のために精進しておる日本國民に對する同情と理解を、世界各國に深めてもらうような進み方をして、できるだけの懸命な働きをしなければならないと存じております。なおそのほかに今申されました海外移民問題でありますとかいう問題が出てまいるような御意見でありましたが、これは現下の情勢においては、まだそこまで言い得る状態でもありませず、その點は差控えたいと存じます。産兒制限の問題についても、これによつて全體の問題を、今ただちにに救うという域にも達しませず、産兒制限の問題も十分に檢討されて、人口問題とにらんで、重要な事項として、科學的に取上げられると思いまするが、それらの問題は今後の研究にまちたいと存じます。目下の状態においては國民がやるべきことを必ずやつて、なすべき道を立てて進んで行くということが、最大の仕事であらうと存じます。
#71
○五坪委員 總理大臣の御答辯よくわかりました。しかし開墾をやるとか、増産をするとかいうことについては、幾多お尋ねしたいことがあります。特に百五十五萬町歩の開墾はどうなつておるのか。成功したのか失敗したのか、詳しいことをお尋ねいたしたいのでありますが、それは後に讓りまして、もう一點總理大臣にお聽きしたい。大事な主食が――さつまいもですが、毎年數億萬貫腐つておる。これを何か主食にうまいぐあいに利用する方法をお考えになりませんと、自分の食糧をも節約してくれておるアメリカ國民に對して相濟まぬと思う。せつかく百姓が一生縣命につくつたさつまいも數億萬貫が、輸送と貯藏との關係で年々腐つておる。これは八割以上は水分なんです。これを何か壓縮して、もつと運搬貯藏に便利なようにして、主食として國民が利用する方法をお考えになりませんと、こういうものを腐敗させておいて、アメリカへ食糧をくれということは、向うだつて食糧を節約してくれておるという話でありますから、相濟まぬと思う。ぜひこれは強力にお考えになつてほしいと思いますが、いかがでありますか。
#72
○片山國務大臣 五坪君のその點に關する御意見はもつともであります。腐らしておるということはまことに不經濟な話でもありまするし、かつまた恥でもありますから、この點は將來十分に注意をいたしまして、さようなことのないようにいたしたいと思います。なお芋類を主食代用に考慮を拂わなければならないという點についても同感でありまして、米麥にのみ頼るという今までのやり方は、はなはだまずいと思いますので、十分當局をしてこの問題を檢討せしめ、將來の主食補給の途を十分に立てたいと存じております。なお必要でございますれば政務次官からお答えいたしたいと思います。
#73
○五坪委員 それはあとで政務次官から伺います。もう一つお尋ねしたいことは水害の問題です。これは必ずしも濫伐だけがその原因ではなく、堤防の修築とかいろいろな方面もありましようけれども、しかし濫伐が大きな原因であることは事實です。從つて國家としては何をおいても植林を急がなければならぬと思う。ところが今日山主はあまり植林しておらぬ。なぜかというと、御承知でもありましようが、山林も農地改革のようにあるいは國有だとか、あるいは公有だとか、細分化されるとか、そういうおそれがあるだろうということを見透して、山主は植林しない。植林というものはなかなかつらい仕事で、山に趣味をもつた人だけがこつこつとやるのであつて、三年や五年後に利益を上げようというような考えでできるものではありません。廣い山を孫子のためにと思つて、こつこつとそれを非常な樂しみにしてやるのであつて、今日のようなうわさが傳わつておるとやらない。現にやつていないのです。これは國家としては實に大きな問題だと思います。それで何とか山主に植林をさせるような方法を國家的に講じていただきたい。そうでないと、關東の水害で御承知の通り、莫大な被害がある。おそらく年々こうした被害は各所に起りはしないかということが考えられる。從つて今年、來年の間には合いませんけれども、一年遲れれば一年だけ遲れるわけですから、できるだけ早く植林計畫を立てて、國家の最大事業としておやり願いたいと思いますが、總理大臣のお考えはいかがでありますか。
#74
○片山國務大臣 ただいまの植林問題もまつたく同感であります。その弊害が今度の水害に現われまして、痛切にこの對策を早く立てなければならないことを考えまして、ただちに處置すべく前農林大臣は通牒を發しまして、植林對策に對する用意とその著手を促しておるような次第であります。また今囘の追加豫算にも、十分とは言えないかも知れませんが、植林補助奬勵の費用を計上いたしまして、植林の必要と、一日も早くこれに著手しなければならないという意思を現わしておるような次第であります。何分にも戰爭の間そういう問題は輕んぜられまして、その弊害が現われましたことに鑑みまして、できるだけの問題は重要に考えまして努力いたしたいと存じております。詳細な點は追つて御説明いたしたいと思います。
#75
○鈴木委員長 それでは審議の都合上總理大臣に對する質疑を、苫米地英俊君。
#76
○苫米地(英)委員 社會黨の在野當時いろいろ公約された政策がありますが、そのうちたつた一つ取上げられたものが石炭の國管であります。きわめて重要なものと思いますが、これに對する經費が計上されておらないようですが、その理由はどういうところにありますか。
#77
○栗栖國務大臣 便宜私からお答えいたします。國管の實施に伴う經費につきましては、情勢に應じて別途で追加豫算として御審議を願うように相なると思います。
#78
○苫米地(英)委員 その理由をお伺いしたのであります。
#79
○片山國務大臣 追加豫算にこれを計上いたしましても十分に間に合う、必要に應じて立て得る、こういう建前から追加豫算にさらに計上しよう、こういうことでありますから、決して國管案の實施に支障を來さないと考えております。
#80
○苫米地(英)委員 それではお伺いいたしますが、農業生産調整費はこの追加豫算に計上せられておるのです。そうするとこの方はこれとの關係におきまして一方は落し一方は載せたというのはどこにありますか。
#81
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この農業調整の方は大體内容その他細目がわかつておりましたので計上いたしたのでございますが、炭鑛の國管につきましては、まだ細目その他が判明しない點がございますので、その判明まで、今囘の追加豫算には計上しないで、別途で計上することにいたした次第でございます。
#82
○苫米地(英)委員 國管案を提出せられるときに、これだけの經費がかかるという目安もなくて、そうして明細がはつきりしないからこれを計上しなかつたというのは、この案の提出に對して非常に杜撰であつたということを表明するものと思いますが、いかがですか。
#83
○片山國務大臣 ただいまも大藏大臣がお答えいたしました通り、細目についてはまだ十分檢討を要すべき點もあるので、これを後に讓つたということは決して粗漏なやり方でもなく、堅實に實際的によくわかつた場合にこれを計上して諸君にお示しをする、こういう建前でありますから、實施上においては少しも支障はないと考えております。
#84
○苫米地(英)委員 政府はこの問題について、國管にすれば資金が現在のようでなく、豐富に、圓滑にまわると言つておりますが、今度の追加豫算を見ると、たとい國管になつても財政が豐かになるという見透しはどこにも見えておらないのです。そこで資金面から見て、國管をすれば資金が豐富になつて、圓滑に行くという建前はどこから出ておるのか、具體的に承りたいのであります。
#85
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この國管實施の經緯については、先ほど來申し上げた通りでありますが、國家管理のもとに採炭をいたしますその資金、その他についての問題のお尋ねだと思うのでありますが、そういうお尋ねでございますれば、大體のところを申し上げたいと思います。從來の掘り續きの山に對する資金でありますが、これにつきましては、これはやはり直接その炭鑛を管理に移しまして、内容をよく把握しまして、そうしてそれに必要なる資金は、市場資金が賄えるものは市中の金融機關で、それが賄えざるものにつきましては復興金融金庫によりましてこれを賄うつもりであります。なお新しい山を開發するとか、あるいは新坑を掘進をしていくというために、炭鑛みずからができないような場合がある場合には、これは産業復興公團によつて行わすことにしたのでありますが、公團の資金はやはり復興金融金庫を通じて出ることになりますから、所要資金はそこに重點的に集中して供給したい。かように思うわけであります。現場及び本社、そういうものの實體を十分政府は把握し得て、それに必要なる資金を即應的にこれに供給する、こういう建前で資金の供給を圓滑にする、かように考えているような次第でございます。
#86
○苫米地(英)委員 ただいまの御説明はお伺いするまでもなく今までたびたび伺つておるのであります。私がお伺いしておりのは、資金が現在よりよくまわる理由です。今度の追加豫算を見ましても産業資金というものに非常に行き詰つておる。後に大藏大臣にお伺いいたしたいと思つておりますが、その方面にちつとも餘裕がない、ゆとりがない。しかるに國管にすれば、そういう餘裕ができてくるという理由を伺つておるのであります。ついでですからなお關連しまして、現在よりも國管にすれば輸送がどれだけ改善されるか。資材が現在よりも増加する見込みがないが、どうして國管にすれば資材が増加するか。こういう點を併せて承りたいのであります。
#87
○片山國務大臣 御承知のように國管案は本議會に出しまして目下御審議中であります。國管案の效果、こういう重要なる産業を増産のために管理して、資材、資金、勞働力等に力を入れまして、一路増産に努力したいということは、これから現われてくることだと思います。また現わすように努力しなければならないのでありまして、この追加豫算に國管案提出と同時に國管に伴うその效果を現わしたる増産資金の潤澤さということは、ちよつとむりかと思います。これは將來の問題とお考え願いたいと存じます。
#88
○苫米地(英)委員 石炭三千萬トン増産ということは、將來の話でなくて本年度の話であります。これを將來と考えてくれと言われるのは、三千萬トン産出ということを、すでに放棄せられておるのであるかどうかということをお伺いしたいのであります。併せてこれに關連いたしますが、社會黨在野當時にいろいろの政策を發表せられましたが、これが現在一つも具體化してこない。それは四黨の政策協定の結果であるというようなことを言うておられる方もあるようでありますが、正直に言つてこの政策協定のために實現できないのか。もしくは現實がこれを許さないのか。その點も併せてお伺いいたしたいと思います。
#89
○片山國務大臣 國管案は増産を目當てとするものであることは言うまでもありません。國管案が實現できれば増産が實現できて、大いに増産の役に立つと、私どもはかように信じて努力しておるのであります。しかしこれを出しておる今日におきましても、今日の状態で石炭はぜひとも増産しなければならないというわけで、各關係者は大わらわになりまして、あるいは勞働組合に呼びかけたり、事業家諸君にも呼びかけたり、また資金の融通をするために當局を激勵いたしまして、あらゆる方面から努力して竝べてやつておる次第であります。國管案が今の問題であるということは、だんだんと次の計畫に現われてくるのでありまして、この追加豫算に國管案の效果をなぜ現わさなかつたかとかいうようなことは、少しく御無理ではないかと思うのであります。社會黨は國管案を中心といたしまして、眞にわが國の今日の産業を再建しようと努力しておるのであります。何しろ荒廢しておりまする今日の状態でありまするから、あらゆる方面で再建、インフレ防止ということに努力しなければならないのであります。何をさておいても、先ほど問題となりました食糧の問題、増産計畫、インフレ防止、國民生活の向上、こういう方面に努力するために、豫算面を考慮していかなければなりませんので、財政の餘裕がほとんどないのを、はなはだ遺憾といたしております。殊に敗戰國であり、敗戰のあと始末をしなければならない負擔を背負つておりまするわが財政におきましては、いろいろの點において思う政策が今日においては十分ではないのであります。財政の建直し、健全財政によりまして産業を發展せしめてインフレを防止し、かつまた社會政策方面に最大のの努力を拂つていきたいと考えております。約束いたしましたる政策を放棄いたしておるのではありません。順序を正していきたいと思いまするので、いくらかその順序上考慮を拂つておるだけであります點をお考え願いたいと思います。
#90
○苫米地(英)委員 總理のお話を承りますと、現在も石炭の増産のために努力していることは、それは認めておるのであります。しかしほとんど國管に近いいろいろの統制をやつておる。それで増産をしておるのでありますが、マツカーサー元帥の總理に宛てられた手紙にあるあの増産樣式は、一體國管を實行してからおやりになるつもりでありますか、國管をやらなくともあれをやつていくおつもりでありますか。マツカーサー元帥の手紙によれば、ああいうふうにすれば石炭が出るのだ、こう言うておられるのであります。この點はどうお考えになります。
#91
○片山國務大臣 マ元帥の書簡の趣旨は、われわれ非常に贊意を表しておりまして、ただちにこれをやろうと考えております。國管案實施をまつまでもなく、現在の状態においても増産計畫のために、あの書簡による趣旨を實際面に適用していきたいと考えております。
#92
○苫米地(英)委員 マツカーサー元帥は、この方法によれば石炭が出ると言われているのであつて、所期の石炭は産出できると言うておるのであります。この點について總理は、それではだめだからなお國管もやらなくてはならぬ、こうお考えになつているのか、あの通りにやつていけば大丈夫目的を達せられると信じておられるのか、言いかえれば、手紙の内容を信用しておられるのか、信用しておられないのか、こういう問題に歸著すると思いますが、いかがでありますか。
#93
○片山國務大臣 私どもは苫米地君のようにきめつけて解釋いたしていないのでありまして、増産のために書簡による趣旨を實施することが必要であり、これは國管前においても國管後においても、増産のためにはやつていかなければならない御趣旨である、かように思いまして、その書簡による線に沿いまして、増産のために今日ただちに努力しているのであります。また國管が實施されます場合においては、國管の方策と相竝んで、増産のために書簡による趣旨を實際面に適用して、兩兩相竝んで増産の目的を達成するということが必要と思つております。
#94
○苫米地(英)委員 私はこの問題についてはまだ了承いたしかねます。マ元帥の手紙は、もし國管をやるならば現在の豫定よりももつと増さなくてはならぬということが言つてある。現在の目標であるならば、あのまま行つた方がただちに石炭が増産できて、この石炭増産の遲れるがために起つてくる打撃はさらに少いと信じておりますので、この點については十分了解はできませんが、時間がありませんので、次に移りたいと思います。
 今度の追加豫算を見ますと、非常にゆとりのないものであります。それにはいくつかの前提がついておる。新物價體系が確立され、流通秩序が確立され、生産が上昇し、國民が耐乏生活をする、こういういろいろの前提のもとに健全財政をねらわれたのであります。しかるに顧みると、いろいろの人からすでに質問があり、應答がありましたから、これは時間の關係上省略しますが、物價體系もはなはだ怪しくなつてきている。いわんや新公定物價がやみ値を上まわつたものがたくさんある。もしほんとうに千八百圓ベースを堅持しようというならば、あの通り多くのやみ値を上まわる公定をきめるという理由は、どこにも私は見出されないのであります。また現在の状態を見ましても、實際社會において政府の發行する切符をもつていつたのでは物が買えない。買えても最も惡い品物を高い値段で買うという結果になる。あの切符なしで相談をすれば、もつと安い値段でいい品物が得られるという實情が、今世の中に氾濫しているのであります。これらから考えまして、あの物價の改訂というものが正しかつたとは思われない。從いまして、この物價體系というものは成功したものとは考えません。流通秩序の確立と申しましても、從來の例を見ますと、やみは決して民間だけにあつたのではない。戰時中に一番大きなやみをやつたのは軍である。その次は官である。ところがこの官公署のやみというものは、その後も引續いてきている。であるがゆえに、九月十二日に司令部からああいうデイレクテイヴが出たというわけでありますが、これらから見ましても、流通秩序の確立ということは容易にできない。生産は現實の問題として上昇しておらない。國民の耐乏生活はすでに限界を越えておるという状態でありますので、追加豫算をつくるときには、私はむしろ支出面を減らすということがきわめて大事であると思う。ところが豫算査定の行き方は、今までと同じようなぐあいに、大藏省で見積つてたたき大工のようにたたいて減らしていくというやり方で、はたして必要であるか必要でないかということを見極めていかない。そこに健全財政であり得ない點があるのであります。六・三制のごときもそれであり、總理大臣も文部大臣も必要である。實行したいというが、豫算に載るべきものが豫算に載つていない、そこのところに無理が相當あるものと考えるのであります。この豫算の査定方法が依然としてある限り、常に無理があるから、そのはね返しでまた追加豫算の要求ということが出てくる、そこには健全性は何もないと思うのであります。そこで豫算面を減らしていくとするならば、どうしてもこの行政の合理化、これが第一に必要になつてくると思うのであります。この點についても他の同僚議員から質問がありまして、時期を考えておるのだというような御答辯でありましたけれども、この追加豫算を健全ならしむるためには、まず行政の合理化に手をつけなければならない。すなわち官廳の權限を縮小するとか、機構を總合廢止するとか、もしくは組織の改革をする。そうして調達廳で今やつておるようなぐあいに、お互いにチエツクしていつて、やみや濫費ができないような機構にかえるとかいうような方法を、まず第一に講じていかなければならないと思うのであります。しかるに前々から要求いたしておりますが、政府はいくら待つても資料を出してくれないのであります。近ごろ非常に官廳が出先官廳をつくるとか、いろいろなものを政令によつてつくつて、規定經費をつくつて豫算をとる、昔からある手を今もやつておるのであります。これらの出先機關が國民のためになるものならばよいけれども、それがむしろ障害となり、地方行政の妨害となり、國民に煩瑣なる手數をかけるというようなことになつておるのでありますが、これらのものをすつかり整理してしまえば、支出方面はよほど減ると思うのであります。殊にこれは新聞の數字ですからよくわかりませんが、定員等も概算定員と實員との間に、非常な開きがある。實員は八〇%しかはいつておらない。これが人口七千五百萬人で勘定してみると、人口一人當りに二十六圓二十錢に該當しておるという話であります。こういうようなぐあいに、豫算定員と實員との間に二割の開きがあるといたしますならば、もちろんその中には至急補充しなければならないものもあるでありましようが、これらを補充しないというような方法をとつても、經費の節約はできることと思うのであります。私は追加豫算をつくる前にこの行政の合理化をやつて、そして追加豫算をつくる。これが順序であつたと思うのでありますが、現在は逆になつております。そこで總理大臣にお伺いしたいことは、行政の合理化ということをいつごろ實現せられるか、またどういう構想をもつてやられるか、それによつて一般企業の合理化の手本になるようにやつていただきたいと思うのですが、これについて具體的の御説明を承りたいと思うのであります。
#95
○片山國務大臣 この問題につきましては本會議においてもお答えをいたしましたし、かつまた昨日でありましたか、齋藤國務相からもお答えいたしたと思いますが、政府におきましても御意見の問題は十分に考えて、實際上にこれをあてはめていきたいと存じておるのであります。何分行政整理の前提といたしましては、行政機構の改革、機構に手をつけまして、機構をいかに改革するか、こういう點に主點をおかなければいけないと思うのであります。在來の國家はいわゆる官僚的に、權力服從の關係で進んだのでありましようが、少くとも新憲法下におきましては、國家は國民のために、國民の福利をはかるために、いろいろの面において働いていかなければならない。こういう動き方をすべく努力いたしておるのであります。先ほどお話の石炭問題につきましても、産業發展のために國家が石炭に參畫いたしまして、その増産に努力しようというような次第でありまして、今日の鐡道事業につきましても、あるいは遞信事業につきましても、在來の國家事業は名前だけの國家事業でありますが、眞にこれを國民の福利増進のために、便益のために、幸福のために、だんだんと改革していきたいと考えて、目下檢討中であります。その見地から行政機構にいろいろの變革を加えていかなければならないのでありまして、その機構改革に伴いまして行政組織の、あるいは整理をやるとか、人員の入れかえをやるとか、人員の淘汰をやりますとか、いろいろの結果が生れてくるのであります。單にここで餘つているからこれだけくびを切るということで經費は節減されたという問題ではなくして、まず能率の増進、さらにまた經費の節減、他の機構とのにらみ合わせというような問題を考えて、眞に國家の行政事務は國民 幸福のために動いておるのである、これだけの働きをしておるのであるということを、實際機構の上に強く現わしたいと考えて檢討中であります、齋藤國務大臣が主となつて、行政機構の改革に手をつけまして、いろいろなことを檢討し、すでに發表いたし、諸君の御審議を願つておる面もあれば、さらにまたこれから手をつけて檢討しなければならない點もたくさんあるのであります。こういう見地を十分に取あげまして、能率増進、さらにまた眞の行政上の科學的と申しまするか、機構にも、何ら遺漏のないような方法を立てていきたいという建前で進んだものでありまするから、今度の追加豫算にはそれは間に合いませんでした。しかし次の豫算においては、全部とは申されませんけれども、その方向に向いまして具體的に現わしたく考えて、目下努力中であります。どうかしばらくお待ち願いたいと存じます。やたらに人を殖すということは、われわれの意思でもありませず、官吏たけ殖して能率が上るはずはありません。餘つたところは整理をいたします。そうして眞に國費を節減いたしまして、能率を上げるようにしたいと思つておるのでありまして、今申しましたように、根本問題にさかのぼつて檢討しておるのでありますから、時期が遲れたという點をお考え願いたいと存じます。
#96
○苫米地(英)委員 御説明によりまして遲れましたことは了承いたしましたが、この間にむやみにいろんな部局や出先の部局をこしらえたということについては、私はこういう機構の大改革をやつて、合理化していこうというのならば、そういうことは當然差控えるべきものであつたと考えるのであります。この點については總理大臣はどういう御所見でありますか、お伺いいたします。
#97
○片山國務大臣 急を要しまする仕事は、やはり著々と著手しなければなりませんので、非常に急ぎまするものについては、部局を殖しましたり、さらに新設しましたり、いろいろの處置をとりました點は萬やむを得ないことでありまして、一刻もゆるがせにすることのできない仕事についての處置であつたのであります。
#98
○苫米地(英)委員 それでは時間もありませんからこの邊で切り上げますが、それらのものもどうかよく御檢討くださいまして、國民の怨嗟の的となつておる地方出先官廳は、十分御整理なさるようにお願いいたしておきます。
#99
○鈴木委員長 總理への質問、議事の便宜上、海野君。どうか簡單に。
#100
○海野委員 片山總理大臣にお伺いいたします。産業の再建を力強く言つておられるようでありますが、産業の再建は科學技術の裏づけがなければできないと私は考えるのであります。今日世界各國の試驗研究費豫算を見ますと、いずれの國家でも四%ないし五%になつておるのであります。日本は敗戰したからと申しましても、總豫算の何パーセントを占めておるかと申しますと、まことに蚊の涙に等しい〇・三七%にしかなつておりません。これでは敗戰國わが日本の現状におきましては、ただつじつまを合わせたたけであつて、その組み方において未來性がないと思うのであります。この天産に惠まれず、物が足りないときにあたりまして、科學技術の裏づけがなければ、どうしても産業の躍進は不可能であると考えるのであります。この點につきまして前議會において、科學技術振興に關する建議案が通過しました。しかしながら前吉田内閣はこの具體的方法を實施するに至らずして幕を閉じました。その幕を引き繼がれました片山内閣は、いかなる所信をもつて豫算を組み立てられたのでありましようか。そのお考えをお伺いいたしたいと存じます。
#101
○片山國務大臣 ただいます海野君の御趣旨につきましてはごもつともと存じます。敗戰國といえども萎縮せずして眞に科學の振興のために、産業振興の基礎としての科學を尊重いたしたいという心持においては同樣であります。また國會において科學振興のための決議がなされておることも了承いたしております。できるだけこれを現實化して、豫算面に現わしたいと努力いたしておるのでありまするが、何分ただいま海野君の言われましたような乏しい財政でありますから、いかんともすべからずであつたのであります。將來はこの問題については最大の考慮を拂い、努力いたしまして、科學振興のために、具體的にこれを豫算面に現わすことに努めたいと存じております。
#102
○海野委員 たとえば例をとつて申し上げますならば、ミシンであります。ハツピー・ミシン、蛇の目ミシン、今日本の國内にはいろいろなミシンがつくられておりますが、どうも品物の上から申しますと、アメリカの中古品にも及ばさること遠いのであります。それはなぜであるかというと、部分品についても多々改良すべき點がございます。專門の學者は街頭にあふれておるのであります。しかしながら工業方面におきましては經費がないためにその救いができない。そういう状態でありますので、貿易再開のいよいよ進んでまいりました曉においては、日本の産業はぺちやんこになるのではないか、ミシンなどは一つも賣れないのではないか。すでに絹絲についても賣れていない。それは何ゆえであるかというと、絹絲そのものではいけない。これを加工して何らかここに科學的技術をとり入れて、安價な最も優秀な品物をつくり出さなければ、日本の貿易は行詰まるのではないか、これは絹絲ばかりではありません。他の陶器においてもあるいは漆器においても、とにかく國内の産業方面につきましては、全面的に科學技術の振興、どうしてもこれを實際面に取入れなければならない。それにつきましては各研究所を動員する必要がある。そのときにあたりまして經費が足らない。まことに豫算面を見ますと窮屈ではありますが、今日本が生きんとするがために、この方面に注がれるだけのこの科學技術振興だけは、何とか進めていきたいという御決意が首相にあられますか、その用意があられます點をお伺いいたしたいと思うのであります。
#103
○片山國務大臣 熱心なる海野君の御意見には贊成でありまして、政府も誠意をもつて熱心にこの問題の具體化に努力したいと思つております。
#104
○鈴木委員長 先ほど五坪君の御質疑の中、なお農林省の政務次官に對する御質疑が殘つておるようでありますから、どうぞ。
#105
○五坪委員 農林政務次官は先ほど私が總理大臣にお尋ねした點をお聽きになつておることと思います。開拓事業を大いにやるという御答辯でありましたが、百五十五萬町歩の開拓計畫は現在どうなつておるのか、成功したのか、失敗したのか。あまり長い御答辯は要りません。簡單に要領よく御答辯願いたい。
#106
○井上政府委員 五坪さんからの、緊急開拓計畫は成功しておるか、失敗しておるかという御質問でありますが、大體成功いたしております。そこで具體的に申し上げますと、これは終戰直後に失業對策と食糧自給強化を目的にして、昭和二十年十一月に發足しまして、二十年十一月から二十一年度までの一箇年半の實績を見ますと、開墾面積は二十二萬一千五百餘町歩。これを内譯いたしますと、内地が十八萬七千九百町歩、北海道が三萬三千三百町歩。これを開墾助成事業だけの一年平均の約一萬町歩に比較いたしますと相當の進度を見せておることがわかります。入植状況は移住入植した戸数は十萬七千八百戸、内地が九萬五千戸、北海道が一萬二千二百戸、ほか地元の増段戸数を合計いたしますと、總計して四十一萬四千戸の實績を示しております。當初の百萬戸入植計畫の、すでに四割一分にあたつておるような状況でございます。また土地改良事業は二十年、二十一年の兩年度に實施された第四次改良事業、この面積は八十九萬町歩に達しておつて、これは百パーセントの實績をあげております。すでに目下第五次の改良事業も豫定通り完遂する見込みであります。そこでこの實績を各年度の豫算に比較をいたしまして、開墾面積においては昭和二十一年度に九五%であり、これで悲観をするというのではありませんが、それでも實際一〇〇%いつておりませんから滿足すべきことでもありません。特に最近御承知の通り、資材が非常に値上りいたしまして工事施行上の困難が起り、また入植者の資金等が行詰りを生じまして、ここで政府といたしましては開拓資金の融通法を制定いたしたり、あるいは從來開拓營團でやらしておりましたのを、今度全部政府において引繼ぎまして、積極的に開拓事業を展開したいと考えております。
#107
○五坪委員 私の見るところでは、必ずしも開墾事業、緊急開拓事業は成功しておるとは思いませんけれども、ただいまの政府次官のお話では、大體において成功しておるということで、それはそれで結構でありますが、さらに今日それをより強化される御意思がありますか。
#108
○井上政府委員 御承知の通り目下國會に提案しております開拓營團の解散に伴う開拓事業を國家に引繼ぐという法案を出しておるようなわけでありまして、政府といたしましては國内の食糧需給の見地から、また將來豫想されます失業救濟の見地から、開拓事業は積極的に強化してやるつもりであります。
#109
○五坪委員 先ほど總理大臣にもお尋ねをしたのですが、さつまいも數億萬貫に近いものを腐らしておるということについて、それを主食に利用しなければならぬが、何か具體的に研究しておられますか、どうですか。
#110
○井上政府委員 さつまいも腐敗の問題は、毎年議會でもたびたび問題になりますし、政府といたしましても生産者の勞苦の結晶によるこの甘藷を、輸送途中で腐敗をさせるということは、まつたく生産者に對しても、また國の食糧情勢の上から考えても、この問題は重大な問題でありますから、特に昨年のように豐作の場合は、やかましく集荷機關に命令をいたしまして、國會でもたびたびこの問題は議論になるところであるから、腐敗及びその他のことのないように、最善の注意を拂えということを申しまして、昨年の輸送状況は案外好成績を示したために、あまり腐敗を見てこれが使用に供せられないということはなかつたのであります。ところがさつまいもが腐る腐らぬという意見の起りますのは、御存じの通り甘藷を總合配給用に繰込んでおる。すなわちなまのままで米麥代用に使おうというところで、そういう總合食糧の配給の緊急性からやつておる途中に起る問題でありますから、政府はそういう方法において全力をあげますが、かりに腐りました場合におきましても、また腐る見込みがつき、殊に輸送上に非常に支障ができて、それが消費地まで緊急に送れないという見透しがついたものは、地元の澱粉工場なりアルコール工場に拂下げをいたしまして、ただちに他の製品に轉化をいたしますから、實際上はほとんど役に立たないようなことにはしない、こういうつもりで對策を講じてまいりたいと思いますから、さよう御了承願いたいと思います。
#111
○五坪委員 腐らせぬために、供出後農家に加工させるような方法を講じたらどうですか。そういう意思はありませんか。
#112
○井上政府委員 供出後の芋については、いろいろ御意見がありまして、政府としては農家に自由に加工さす、自由に處分さすというわけにはまいりません。ただ腐敗を防止する見地から、これを乾燥して製粉として貯藏するとか、あるいは乾燥のままでおきまして、端境期にこれを食べるとかいうようなことは、大いに奬勵してまいりたいと思います。なおまた最近發明されております白米代用と申しますか、そういう方面にも盛んに研究が進められておりますから、できるだけ貯藏のきく新しい對策を考えて、端境期に備えたいと考えております。ただ百パーセント供出後のものは自由にさしたらいいというような意見が出ておりますけれども、これは最近司令部の方からも話がありまして、百パーセント供出後の芋といえども自由にさすことはならぬ、もつと制限を強化して完全に政府に買上げろという指示もまいつておる次第でありますから、近く食糧管理法の施行規則を改正しなければならぬことになりはしないかと考えております。大體以上の通りであります。
#113
○五坪委員 米の生産者價格を千八百圓としたわけですが、農家はもつと高きを希望しておつた。しかし農林大臣はその裏づけとして肥料、農機具、衣料を配給すると言つておられるにかかわらず、最近まるで配給になつておりません。肥料の生産状況を見ましても七月一ぱいまでは石灰窒素が七四%、硫安八一%、過燐酸石灰七四%の生産實績です。ところが電氣、石炭あるいは硫化鑛の不足で、農林省が商工省へ依頼しておられるような、うまいぐあいに肥料は生産されぬのではないかと思うのです。これは農家は非常に不安がつております。それから農機具ですが、早くもみすりをして供出したいと思つても、そのもみすり機が手にはいらぬ、殊にローラーです。せつかく手にはいつたローラーも、やわらかいために、百石すれるやつが六、七十石しかすれぬというようなことがあつたり、そういう點が非常にあるのですが、それらに對して農林省では責任をもつて農民に對しますか、その自信がありますかどうか、あまり時間をとらぬように、簡單に、要領よく説明していただきたい。
#114
○井上政府委員 三千五十五萬石の割當を完全供出してもらうためには、今お話のように農家が再生産に必要なる資材及び生活必需物資を裏づけなければだめでありますので、この點に關しましては、前の大臣が閣議においてやかましく主張いたし、かつ農林當局といたしましても、商工省あるいは大藏省その他關係各省にお願いをいたしまして、政府が發表した數字がうそだと言われないように、物資の裏づけを完全に確保しなければならぬから、いつまでにどれだけ品物ができ、いつどこにそれが輸送され、配給濟になる計畫であるかという、非常にこまかい點まで推し進めまして、さらに近く商工省と農林省と安本との間で、この農村リンク物資及び報奬物資の對策、推進をいたします局、課と申しますか、一局一課を設けましてこれを完全にやりたい、こういうつもりで今やつております。なお話のもみすり機に使いますゴム・ローラーの問題でございますが、これなんかも商工省に話をいたしまして、電力とローラー等につきましては、優先的に確保できるようにいたしたい、どうしても確保できぬ場合は、他のもみすり機を利用するよりしようがないのでありますけれども、やみでいろいろ品が流れておるにかかわらず、正規のルートでこれが配給できないというようなことは許されませんから、もしやみで流れておる事實がわかりますれば、どこから流れておるかということを正確にこちらに注意をいたしまして、そうしてこれを完全に、しかも迅速に農家に渡るようにしなければならぬということで、いま商工省に嚴重に交渉をいたしておる次第であります。
#115
○五坪委員 今の話で、切符をもつてゴム・ローラーをもらいに行つても製造元でくれない。ある手をやるとくれる。それは御承知の通りなんで、硫安もやみの硫安が出ていますよ。それは私はちやんと事實を握つておる。だからその點を商工省か農林省かどちらかしらぬが、しつかりしてやつてもらわないと困るのです。配給する、配給すると言われて、口ばかり言つて實際には配給されてない。だからその點大いに注意を願いたい。
 それから時間がないですがもう一つお聽きしたいことは、米の生産者價格を千八百圓と手取をきめて、そうして勞働基準給千八百圓ですが、どうです。ここには大藏大臣もおいでになるし、私は和田安本長官に聽きたいと思つたが、時間がないからやめますが、これは崩れる情勢にあります。なぜそういうことを申し上げるかというと、私は農民の立場から言うのですが、もし崩れたときには、米の生産者價格千八百圓を上げてくれますかどうかということです。そこなんです。去年もそうなんだ。去年は石五百五十圓で買い上げた。そうして七月六日に千三百圓につり上げてしまつて、その差額というものは農民にくれない。聞くところによると、麥や馬鈴薯の價格でどうかしたというお話でありますが、米の生産者と麥の生産者と違う。また米の作付面積と麥の作付面積は違う。だから米を五百五十圓で供出したものが、それに相當したところの値上りの利益を受けるわけには去年はいかなかつた。また今年もそんなことをやられたんでは農民はどういう氣持をするかということなんです。だから私は千八百圓のベースはこわしてはいかぬ、絶對にこわしてしまつてはいかぬ。今の内閣の責任において、もしこれがこわれるようなことだつたら、内閣は總辞職をしてもらわなければならぬ。話はそれで盡きるのですが、もしいろいろな關係でどうしてもこわさなければならぬというようなことがあつたならば、そのときには米の生産者價格千八百圓も考えて、つり上げるかどうかということです。つり上げた場合には必ず供出したものにつり上げた金額の支拂をしてもらわなければならぬ。そういう點に農林大臣は努力をしてもらわなければならぬ。また政府としてもそういうように農民に對してお考えを願いたい。いかがですか。
#116
○井上政府委員 今度の米價が新物價體系の中心となつてきめられておることは御存じの通りでありまして、この物價體系が破れるか破れぬかということを今から豫想いたしまして、破れた場合はどうするかというようなことでは、それははなはだ自信のないやり方でありまして、われわれとしてはあくまで新物價體系は堅持していく、あらゆる努力を講じて新物價體系を堅持し、千八百圓ベースを堅持していく。そうしなければ日本の農民も、日本の産業も振興しない、こういう確信に立つてやつておりますから、從つて今から崩れる場合はどうするかというようなことをこの席上で申し上げるわけにはまいりません。
    ―――――――――――――
#117
○鈴木委員長 質疑の途中でございますが、本日政府から昭和二十二年度の一般會計豫算補正(第八號)、すなわち節約に關するものと、昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)が提出せられました。ついてはこの際この兩案を議題といたしまして、政府の説明を聽取いたしたいと存じます。大藏大臣。
#118
○栗栖國務大臣 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)及び昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)について御説明申し上げます。
 まず一般會計豫算補正について申し上げます。この補正豫算(第八號)は、先般昭和二十二年度豫算補正の全體について御説明申し上げました歳入歳出豫算補正額九百二十一億圓のうち、すでに補正豫算(第一號)及び第三號ないし第七號として提出いたしました殘りの節約に關するものを、補正豫算(第八號)として編成をいたしまして今囘提出いたしました次第であります。この補正豫算の歳出は修正減少額十五億千四百餘萬圓、追加額十三億千餘萬圓、差引減少額二億四百餘萬圓と相なつております。その内譯について申し上げますと、修正減少額は既定豫算の人件費、物件費等につきまして、原則として一割程度の節約を行うことといたしましたのに伴うものでありまして、その内容は人件費の減少九億七千七百餘萬圓、物件費の減少一億五千百餘萬圓、補助費の減少三億五千餘萬圓、その他經費の減少三千四百餘萬圓と相なつております。
 次に追加額の内譯を申し上げますと、一、大藏省預金部特別會計の經理の状況に鑑み、同會計の歳入不足を補うため十億圓、二、物價改訂等に伴う刑務所收容費の増加二億四千五百餘萬圓、三、今次の關東、東北地方の水害に對し應急防疫措置を講するため千萬圓、四、税法改正等による國税徴收事務取扱費の財源を、通信事業特別會計へ繰入れるため四千八百餘萬圓、五、恩給及び年金の支給事務に必要な經費の財源を、通信事業特別會計へ繰入れるため六百餘萬圓、合計十三億千餘萬圓と相なつております。
 次に歳入豫算の修正減少額二億四百餘萬圓の内譯は、一、歳出豫算の節約に伴う歳入の減少見込額一億五千七百餘萬圓、二、歳出豫算の節約に伴い、すでに計上した前年度剩餘金受入の豫算額の減少四千七百餘萬圓であります。
 次に昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)について御説明申し上げます。特別會計豫意補正に關しましては、すでにさしあたり必要といたします經費につきまして、補正(特第一號)及び(特第二號)として提出いたしまして、御審議を經て成立いたしましたのでありますが、職員の待遇改善費、物價騰貴による經費の増加等の追加、及び既定經費の節約等による修正減少等、豫算の全體にわたる補正豫算(特第三號)を編成いたしまして提出いたしました次第であります。
 本年度當初豫算において二十四の特別會計を合計して歳入二千五百八十八億五千八百餘萬圓、歳出二千三百四十四億二千二百餘萬圓を計上いたしましたのでありますが、右のうち、國有鐵道事業、通信事業ほか二十の特別會計と、今囘新たに設置することとなりました失業保險特別會計及び從來の厚生保險特別會計の船員勘定を切り離しまして、獨立の會計といたしました船員保險特別會計とについて、前に申し上げました事由によりまして、補正豫算(特第三號)として歳入千八百六十九億二千三百餘萬圓、歳出千六百三十三億七千七百餘萬圓を計上いたしました次第であります。この補正によりまして、本年度特別會計豫算は、當初豫算とすでに成立いたしました補正豫算(特第一號)及び(特第二號)と今囘の補正豫算(特第三號)とを通算いたしまして、歳入四千四百八十六億四千七百餘萬圓、歳出四千七億八百餘萬圓と相なる次第であります。各特別會計のうち、主要なる國有鐵道事業及び通信事業につきまして、その大略の御説明を申し上げます。
 まず國有鐵道事業特別會計におきましては、當初豫算においてその損益勘定の赤字は八十三億五千九百餘萬圓でありまして、これを借入金をもつて補填いたしておりましたが、その後職員の待遇改善費及び新物價體系による事業用品の値上り等により、相當多額の經費の追加を必要といたすことと相なりましたが、人件費、物件費につき大幅の節減をいたすこととして極力經營の合理化に努めましたが、なお當初の赤字はさらに二十八億三千百餘萬圓を増加して、年間を通じますれば百十一億九千百餘萬圓の赤字と相なることとなりましたが、今囘限り國有鐵道事業再建のため、一般會計から五十億圓を繰入れることといたしました結果、補正豫算としては二十一億六千八百餘萬圓の黒字、年間を通じますれば六十一億九千百餘萬圓の赤字と相なつた次第であります。また鐵道建設改良工事も、物價賃金の高騰の影響を受け、主要資材の供給減に伴い、當初事業計畫に對し相當大幅の節減繰延を行つたにもかかわらず、支出増加を餘儀なくされ、三十二億八千七百餘萬圓を追加いたすことと相なりました結果、國有鐵道事業が本年度中に發行する公債の豫定額は、當初豫算の五十三億七百餘萬圓に、三十二億八千七百餘萬圓を加えて八十五億九千四百餘萬圓と相なつたのであります。
 次に通信事業特別會計におきましては、當初豫算において、その損益勘定の赤字は五十二億九千四百餘萬圓でありまして、これを借入金をもつて充當いたしておりましたが、本會計におきましても、國有鐵道事業と同一の理由によりまして、相當多額の經費の追加を必要といたしますが、一方收入の面においても、四月一日通信料金を約四倍値上いたしました結果、補正豫算のみについて見ますれば、九億三千百餘萬圓の黒字と相なりました。しかしなお當初豫算と通計いたしまして四十三億六千二百餘萬圓の赤字と相なりますので、今囘限り通信事業再建のため、一般會計より二十五億圓の繰入を行いまして、その結果當初豫算のの借入金豫定額を三十四億三千百餘萬圓減少いたしまして、本年度の借入金豫定額は十八億六千二百餘萬圓と相なつた次第であります。
 次に通信事業諸施設の建設改良工事につきましても、鐵道事業と同一の理由によりまして、相當の支出増加を餘儀なくされ、事業計畫を相當大幅に縮減いたしましたが、なお三十七億七千二百餘萬圓の追加を計上いたすことと相なり、これに對する財源としての公債發行額も、三十六億五千三百萬圓を追加いたしました結果、本會計の本年度における公債發行豫定額は、當初豫算を合せて五十八億千九百餘萬圓と相なる次第であります。
 以上をもちまして昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)及び昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)の説明を終ります。何とぞ御審議をお願いいたします。
    ―――――――――――――
#119
○鈴木委員長 それでは質疑を續行いたします。苫米地英俊君。
#120
○苫米地(英)委員 先だつての財政演説におきまして、大藏大臣はこういうことを申されております。「今後國民所得を増加し、納税成績を向上し、貯蓄を増強することに、從來に比し格段の努力を傾けなければ、インフレーシヨンの怒濤を乘り切ることが困難となるのであります。」以下省略いたします。ここで大藏大臣は國民所得が殖えればインフレーシヨンが乘り切れる、こういう意味のことを申されておりますが、私はいささかこの點に疑問をもちますのでお尋ねいたしたいと思う次第であります。
 第一に、國民所得が九十億と申され、また豫算總額はその二三%で、あまり重いものではないということを印象づける言葉があつたのであります。ところでこの國民所得を生産面から見ました場合と、課税の基準となる所得の分布面、すなわち實體から見た場合とに問題はわかれるのでありますが、この國民所得は藏相の演説の中にもあります通り、生産は停頓しておつて三二・三%くらいのところであるのに、インフレーシヨンによるところの水増しで國民所得というものが殖えておる。そこで産業面から見た國民所得というものは、名目所得は九千億圓に増加いたしておりますけれども、これに反比例して實質所得は減つておるわけであります。そこで現在のように生産が伸びないで、インフレーシヨンの結果、物價高のために國民所得が増加していくということは、國民の擔税能力がますます減少していくということになると私は信ずるわけであります。殊にこの國民所得のうち至上命令によつて莫大な物資がその方に流れて、國民の手もとに殘されておるところの實質的の生産というものは、言いかえれば金の裏づけとなるところのものは、國民所得のうちからさらに引かれるのでありますから、國民所得は二重の狹窄を受けておるのであります。一方においては價格の騰貴による名目的の國民所得の増加、實質的の所得の減少、さらに生産面におけるところの莫大の物資が國民の手から離れていく。言いかえれば金に對する裏づけが薄くなつていく。この二つの面から見まして、どうも國民所得の増加ということは租税の基準にもならないし、また大臣のお話のようなぐあいに健全財政をつくる要素にはならない。つまり納税を向上するとか、貯蓄を増強するというような方面に寄與するところはすこぶる乏しい。乏しいというより全然ないと言つた方がよくないかと思うのでありますが、この點誤りがありますならば正していただきたいと存ずる次第であります。
#121
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この國民所得を増強して、その上に税制を立てるということが最も必要なことでありまして、私が増加と言いますのは單なる今御指摘のような名目的の増加という意味ではないのでありまして、これはやはり生産増強という裏に、そういう裏づけがなければいかぬのであります。やはりインフレーシヨンを克服するには通貨面に強力な規制を加えるとともに、一面におきましては生産増強をして、兩方の面を、相ともに車の兩輪のごとく作用し、進めていくということでなければ、これは乘り切り得ないと思うのであります。そこで私が國民所得と言いますのは、これは國民がすべて生産活動にはいり、それによつての増加ということを意味するのであります。なおしからばこの生産は大體三二・三%じやないか、こういうお話があるのであります。これは先般の演説においても詳しく申しました通り、この物資の裏づけ、これもやはり生産増強ということによつて物資の裏づけができるわけであります。これは必要であります。なおこの物資の裏づけたる生産増強をするには、日本では設備という面、資材面、原料資材に非常に不足いたしておりますので、さいわいに貿易再開、囘轉基金等もできましたので、これを極力利用いたしまして、この原料資材を輸入いたし、これによつて生産増強をやらせ、これを呼び水として全體的に生産増強をいたしたい。かように考え、一連の構想のもとにさように申し上げた次第でございます。
#122
○苫米地(英)委員 そういたしますと、政府が從來使つておられました國民所得がこの春は八千億、この夏頃からは八千五百億、今度は九千億、そうしてその九千億に對して豫算總額の比率を二三%とおとりになつた場合の國民所得と、今後國民所得を増加していく場合の國民所得とは、別の意味にお使いになつたものであるということが判明いたしたのであります。どうもお話を承るところではこの比率に用いられた國民所得と、今後國民所得が増加するというその國民所得とは、同じように使われておるがごとき印象を私は受けたのであります。さて今後の追加豫算を見ますと、どうもあらゆる方面に脆弱性がみられるのであります。その第一の脆弱性は、四百六十億の自然増收というものを見込んで豫算に組入れてある。これによつて豫算の彈力性というものがいかに失われておるか、こういう點にあるように思われるのであります。從來豫算編成にあたつて、自然増收というものがその豫算の中に織りこまれて、それが豫算としての要素を結成しておつたということはなかつたと思うのであります。この點につきまして御説明をいただきたいと思います。
#123
○栗栖國務大臣 ちよつと初めに國民所得の點について誤解がありますとぐあいが惡いと思いますから、いま一度説明を補足さしていただきたい。この九千億というものは國民所得の推算であります。これを私は生産増強によつて充實して、そうして充實した九千億の國民所得にしたい。なおさらにそれを増していきたいという意味で申しておるのでございますから、その點を御丁承願いたいと思います。
 それから自然増收でありますが、私がここで申し上げるまでもなく、普通の状態において豫算編成に當りましては、自然増收などを大幅に見込んで豫算を立てることが脆弱であるという點においては、私了承いたすのであります。しかしながら現時のような特別な經濟危機に直面しております現状において、そうしてインフレーシヨンがかように進んてきておりましたところにおきましては、普通における自然増收と違つた、相當大きな自然増收というものが計上され、豫定されるのであります。そこでそういうものを適度なところに壓縮しまして、そうして追加豫算の面に盛るということは、實情に即するという意味において妥當ではないか、かように考えておる次第でございます。
#124
○苫米地(英)委員 大臣の御説明は一應丁承いたしますが、インフレーシヨンの時代であるからして、ここに見積つてある自然増收よりも、より大きい自然増收が出てくるというお考えのようであります。しかしこの世の中に起つてくる突發事項というものも、同じ實態はインフレーシヨンで見積られますので、その方に起る豫算の不足というものも、同時に今考えられているものよりも多いと見なければならないと思うのであります。これらの突發事項に對する準備として、本豫算に三百億の豫備金が見積られておりますけれども、現にこの夏から秋にかけての水害のごときものも、これの對策に對しては厖大な豫算を要するというようなことでありますしいたしますので、私はやはりこの自然増收を見積るということは、收入の方面においてしかるがごとく、支出の方面においてもそういう性質をもつてきますので、やはりここに彈力性が失われ、脆弱性をもつということについては、變りがないものと考える次第でございます。この點いかがでございましようか。
#125
○栗栖國務大臣 お答えいたします。豫算の面において、殊にこういうような急激な變動もあるかもしれないというような場合の歳出に備えて、歳入にゆとりを置く、こういう建て方の豫算は、私まつたく平常の場合においてかようにしなければならぬと思うのであります。しかしながら現在におきましては、なお豫算の緊要性というものもありますし、財政の資金の緊要というような關係の必要もありますし、また相當の自然増收の出るものを固く見積つて、そうしてそれだけを計上するということは、豫算の脆弱性、つまり屈伸する彈力性をなくしてしまうというまでには至らぬと考えるのでございまして、そこは程度の問題だと思うのでございます。
#126
○苫米地(英)委員 そこで今後徴税せられる額が一千三百三十億圓というこということになつておるようでありますが、これの全部を徴收し得るということは、不可能であると存じますが、ここではどのくらい減收を見積られておるのでありますか。
#127
○前尾政府委員 千三百三十二億のうち、すでに九月までに二百六十數億がはいつておりまして、そのあとの千億以上でありますが、これはもちろんわれわれが努力をすれば十分はいり得るという確信をもつて出しておる數字でありまして、本年の所得に對しまして申告納税をさせております分を、相當更正決定をやむなくちやなりません。しかしその更正決定の事務が、三月までにすべて片づいて微收し終るとは、もちろん考えておりませんので、そのうちの二割五分ないし三割は、來年度に繰越されるというふうな考え方をいたしておるのであります。それ以外の税につきましては、大部分が源泉課税のもの、主として間接消費税でありますので、すべてその翌月にはいつてまいるわけでありますから、今囘の豫算は十分努力してとり得るという確認をもつた數字でございます。
#128
○苫米地(英)委員 昨日の御説明で税務機構の擴充強化とか、税務職員の待遇改善とかいうようなお話を承つたのでありますが、まことに結構なことで、ぜひやつていただかなければならぬと思いますが、税務官吏は特別の訓練と長い經驗とをもたなければ、能率を上げることができないのでありまして、これから待遇を改善して、新たに募集するというようなことでは、ちよつと間に會いかねるかと思うのでありますが、この更正査定ということをいたしますにあたりまして、今まで私どもが地方を見ておりますと、大體やつておることは、いわゆる腹と勘で決定しておる。こういうような關係でありますので、きのうも指摘されたように、いろいろな不正な行動が起つてくる。こういうふうな習慣に慣れた人が、單に待遇致善だけでうまくいくかというようなことについて、私は深い疑問をもつおるのであります。産業界では税關官吏が辨當をもつてくるかもつて來ないかで、その日の吉凶を占つて、二食分の辨當をもつていくと顔が青くなる。辨當をもつてこないと喜ぶというような話も聞いておるのであります。こういう點についてはどういうふうに御處置になるお考えでありましようか、お伺いいたしたいと思うのであります。
#129
○栗栖國務大臣 お答えいたします。税務機構の質と量の擴大強化でありますが、これを實際に行うにあたつては、きわめて困難でありますけれども、大藏省といたしましてはこれを斷行する。すでに實行に移しておる次第でございます。それで一方において税務官吏の特殊性その他を考えまして、優遇の途を講じますと同時に、他面においては業務行政の刷新、そうして不都合の者については處罰をする。こういう肅正ということもいたすわけでございます。兩々相まつていたしたいと思うのであります。なお人事につきましても、年齢その他等にもあまり拘泥しなくても、有能な者があるならば税務署長とか、あるいは地方の財務局長等にも抜擢をいたしまして、適材適所を忠實に實行いたしまして、引締めてこの實行を全うしたい、かように考える次第でございます。
#130
○苫米地(英)委員 そういう場合に組合運動等のために、抵抗力が強くて思うように罰則を適用したりすることができないというようなことも想像されますが、この問題はそれでおしまいにいたしまして、次に源泉課税が勞働攻勢のために、賃金の値上げの方に流用されて、納付できないというようなところもあるやに聞いておるのでありますが、そういう事實はあるのでございましようか。
#131
○前尾政府委員 源泉課税につきましては、滯納と申しますか、自己資金に流用いたしまして、滯納いたしておるものがごくわずかございます。と申しますより最近かなり殖えてまいつたのでありますが、まあ數億はあるというふうに考えられております。本年の八月ごろからその調査竝びに督促というような手を使つて相當調査いたしておりますので、今後においてはそれが相當整理されると思つておりますが、その反面におきまして、從來源泉徴收義務者につきましては、罰則の適用がなかつた次第であります。今囘の税法におきまして、それらに對しまする罰則あるいは加算税というような規定を設けた税法の收正を、今囘出したいというふうに考えております。
#132
○苫米地(英)委員 御説明了承いたしますが、こういうすでに收税の限界點に達してきておるということを考えるときに、私どもはやはりここに追加豫算の脆弱性というものを感ぜずにはおられないのであります。殊に勤勞所得税を五十一億減少しなければならない。他方においては非常に税率を上げて、しかも源泉課税についてはこういうような値上が生じてきておるということは、すでは限界線に到達しておる。もしくは近よつておることと思うのであります。そこでそういう窮極に立つて、罰則として運營刷新の上に三つの事項があげられております。その第三に、第三者の通報制ということがあるのでありますが、これはアメリカあたりでもやつておることでありますが、國民性の違う日本において、こういう制度を採用することがはたして正當であるかどうか。殊に現在内閣においてすら陰謀があつたとか言つて、互いに陷れ合つておるような印象を與えておる。こういう場合は今まで各方面にあるのでありますが、日本國民は日本國民のためにお互いにかばうべきところを、互いに陷しに穴を拵えて、他人を突き落そうとしておる。こういう國民性をもつておる。またこういうふうに行詰つておるときに、こういう制度を採用されることがはたして國民の道義を引上げ、また文化的に平和の國家をこしらえるいき方と矛盾しておるところがないかどうかということを、大藏大臣にお伺いいたしたいのであります。
#133
○栗栖國務大臣 お答えいたします。この徴税が限界點に達しておる。あるいはその近くではないかというお話が、源泉所得その他についての問題から出ておるのであります。この點を先にお答えしたいと思います。私は先ほど來申しますように、税務行政の刷新と機構の強化という面においてこれをいたしますと同時に、やはりこの經濟危機を切り抜けるためには、國民全體がこの納税の必要と大事なことを十分認識するということが私は必要だと思うのであります。この税として納むべきものを、ほかへ流用したというような點なども、確かにその認識の足らぬところにあると思うのであります。そこで先般御説明もいたしましたように、その税制、納税ということがこの健全財政、この危機を貫く上において非常に必要だということを、十分國民に徹底させる。さらに税制その他をも普及さす。そうして國民をして容易に、とにかく納税の義務を果さす。こういう方面にも運動をいたしまして、兩々相まつて實をあげたいと思うのであります。そうすれば相當の徴税はなお現下の情勢とにらみ合わせて、國民の心に訴えて可能だと思うのであります。それから第三者の通報制でありますが、これは前内閣のときにきまつておりまして、私は税制委員で出ておつたのでありますから、その意味でお答えいたします。これは實は運用が日本人は非常にまずいのでございますが、所得の申告制、第三者通報制というようなものも、上手に運用しなければいかぬと思います。運用がまずいということになりますと、害があつて益がないということは仰せの通りのことであります。そこで納税の普及運動については、この點を十分に徹底いたしたいと思う次第であります。
#134
○苫米地(英)委員 今私の申しましたのは、國民が納税の重要さを認識しないというよりは、もし賃金の値上げをやらなけばストライキになる。それでは自分の會社が成立たない。生か死かの關頭に立つてこの源泉課税を使いこんでおるというような現實の問題は、この納税が限界に達しておることを示しておるのではないかということ申し上げたのでございます。
 その次には大藏大臣も認めておられます通り、資本の蓄積ということが非常に大事である。ところが近ごろは資本を輕視するようないき方が社會運動の上においても現われておりますが、この税法におきましても、減價償却の場合、火災保險の場合、また寄附金の場合等に帳簿價格とにらみ合わせて課税をするということになつておるのであります。ところがこの帳簿價格というものは物價の騰貴に比例しないで、資本金の方が常に小さく、物價の方が常に小さく、物價の方が大きくあがつていくので、これは非常に資本の蓄積の障害になつておると考える次第であります。殊に減價償却の場合には、この減價償却をし終つたならば、機械なり、工場なり、何なりをこれに戻して新しくできるということが目標である。しかる帳簿價格とのにらみ合わせにおいて、利益金として取られてしもうということになれば、健全なる企業というものは成立しないのであります。また寄附金の問題においても、現在六・三制實施という場合に、地方財政が困つておるので、寄附金というものはほとんど強要に近いほどの程度に募集いたしておるのであります。しかるにこの寄附金をすると税金がかかるというので金をもつておる人は躊躇する。またわれわれは苦しい中を出すのであるからよいけれども、會社あたりの大きな資本金のところは、大きな金がもらえるものがもらえないということになるのでありますが、この點についてはどういうような御所感でありますか、お伺いしたいと思います。
#135
○栗栖國務大臣 最初に資本の蓄積の點についてお答えいたしたいと思います。資本と企業主とは、觀念上も實際上も、區別して考えなければならぬと思うのであります。それを區別して考えた場合の資本の必要ということについて、私申し上げてみたいと思うのであります。すべて日本の産業は、企業再建整備とかその他の線に沿うて、一應再建整備される。そうして新しく出直すことになるのでありますが、それに要しておつた資本というものは、ほとんど補償打切りその他によつて、多くはすつとんでしまつておるのであります。そこで新しい資本を蓄積してこれにかえなければならぬ。こういうことが緊要なことだと思うのであります。そのかえるについては、それにでき得るような政策をとる必要があるというお尋ねの趣意だと思うのでありますが、私もさように考えておる次第であります。しかしながら企業再建整備その他が相當進みますについては、さらに新勘定に増資をするとか、新勘定から第二會社をつくるというまでにいくには、どうしても追加豫算の終ります三月までには、そうたくさんは進まないと思うのであります。一方財政資金の緊要度が非常に高いのでございますし、そういうような點につきまして、かたがた見合わせまして、今囘の追加豫算については、勤勞所得者その他商業所得者の五十一億の減税をようやく達成いたしまして、あとは二十三年度の豫算を盛る場合に、併せて考えたいと思うのであります。なお資本蓄積については、單に課税上の問題のみならず、資金上その他金融上の問題も多々あると思いますが、それはここで略することにいたしたいと思います。
#136
○苫米地(英)委員 財政の脆弱性については、通貨の増發ということがどうしても避けられないと、私には考えられるのであります。それは萬やむを得ないときの御準備でありましようけれども、一方におきましては、財政法七條によるところの大藏省證券の借入額を、四百億に増加せられておる。これはやはり支出の早い速力と、徴税の手遲れになるそのずれの間に、支出が先になつて物價をあおる。そうして税金の取立が遲れていく。その間に物價が非常にあおられてまいりますので、この邊から四百億ではたして足りるかどうかということも伺いますが、とにかく四百億増さなければならないということは、やはり脆弱性を示す一つの證左になりはしないかという感じがいたすのであります。また赤字公債は絶對に募集しないようにする。しかし萬やむを得ないときには市場消化をするようにしたい。こういう御説明でございましたが、ただ萬やむを得ず赤字公債を云々という、そこにも一つのやはり脆弱性が現われているのじやないか。こういうふうな感じがいたすのでございます。大藏大臣はこの點はどうお考えになりますか。
#137
○栗栖國務大臣 藏券の限度を擴大したという問題でありますが、實はこれはこの豫算が幸いに御協贊を得まして通過成立いたしましても、支出の面でどんどん支拂つていき、歳入の面でそれが遲れていくというようなちぐはぐなことをいたしますと、いかなる國家であつても困るわけでございますので、歳入すなわち税その他の收入を見合わせまして、この支出も追加豫算が成立しても拂うようにしようということを、つい先だつても閣議で申し合わせたような次第であります。それから何ぶんにも追加豫算の成立が非常に遲れることになりますので、この税は短い期間にごく集約的に徴收しなければならぬような關係になつております。そうしますといろいろこの收入と歳出の一時のずれなどが、かりに出ました場合のつなぎ合せなどの點もございますので、藏券を萬一に備えて増加したようなことであります。なおその限度その他については、後ほど詳しく主計局長から説明を補足さしていただくことにいたします。それから赤字公債でありますが、私が萬やむを得ずと申したのも、本豫算に赤字公債が載つておりますから、これは特別會計だけでございますが、これをいたしますにはすでに第一囘が十億、第二囘が十三億というものを全部市場消化にいたしまして、日銀には百圓の公債をも引受けてもらわなかつたのであります。そういう趣意を徹底していこうという趣意で、申し上げた次第であります。
#138
○福田政府委員 大藏證券の發行限度は、現在まで百五十億でありましたものを二百五十億増加しまして、四百億圓といたすのであります。この四百億圓増加いたすゆえんのものは、從來の租税收入に比べまして、今囘は約倍額になります關係が一つであります。それからもう一つはその税額を徴收いたしますにつきまして、いろいろ時期的な計畫を立てておるのでありますが、第三・四半期にすなわち十、十一、十二月のこの時期におきまして相當とりますれば大分樂なのでありますが、實は税法の施行等も相當遲れてまいりました關係上、この第三・四半期におきまして相當額の税を納めるということは、なかなかむつかしい状況であります。ただいまの状況といたしましては財政資金の支拂超過額が、第三・四半期におきましては、どうしても三百億を超えるという状況でありまして、この間の萬一の事態に對處する意味において、四百億圓を出しておる。かようなことでありまして、四百億の大藏省證券の増加をいたしておりますれば、まず大體支障はないと考えております。
#139
○苫米地(英)委員 その次は物價騰貴の問題でありますが、今度の追加豫算が通りますと、今までの未拂分が一擧に支拂われるという結果になるだろうと思うのであります。御承知でもございましようが、今までは貿易廳の貿易手形が、銀行で割引きされないというような状態にまで、信用を失つておるのでありますから、政府としては遲滯なく急いで未拂分をお拂いになると思うのであります。これが金融市場に殺倒するときに、どうしても物價は高騰せざるを得ない。しかも現在インフレーシヨンはすでにブレーキング・ポイントを越えて、通貨の膨張よりも物價の騰貴の方がよほど先走つておる。そこへもつてきて新米價の支拂いが出てくるのでありまして、ここのところインフレーシヨンは飛躍していくものと、見なければならぬと思うのであります。安本では年度末までに四六%の値上りがある。こういうふうに計算しておるようでありますが、これは年末までに四六%であつても、年度末までにはどこまで行くか。また災害復舊等が本格的に始まつてきて、例の三十五億とかいうような――今二十二億不足になつているそうでありますが、これらのものが動き出してくると、物價は非常に高騰してくるだろうと思われるのであります。しかるに政府は公定物價でやつていかなければならない。これは法的措置も講ずると言われておりますが、なかなか法的措置を講じただけでやみが止まるものでないとするならば、この追加豫算というものはまた不足を生ずるのではないか。ここにも飛躍性があるのではないかと考えるのでありますが、この物價騰貴と追加豫算との關係について、どれだけの自信をおもちになつておるか、お伺いいたしたいのであります。
#140
○栗栖國務大臣 お答えいたします。先ほどちよつと申し上げましたが、追加豫算が通つたので、その滯つているものをどんどん拂つていく、こういうような案はここで考えておらないのであります。時たまたま年末にもかかると思うのでありますが、この金融の逼迫状態、あるいは拂うべき先の金繰り等十分に討究をして、一方において貯蓄運動と納税の實績等とにらみ合わせて拂つていきたいと思うのであります。追加豫算の支拂いが金融市場に好ましからざる影響を與え、浮動購買力の培養素になつては困るわけでありますから、十分御指摘のように注意いたしたいと思います。なおこの物價の高騰についてでありますが、大體上期におきましては三四%ぐらいの値上りを示したのでありますが、それが三、四十パーセントの値上りに若干なるかとも考えられるのであります。しかしながら一方においては流通秩序の確立、やみの撲滅、こういう國民運動を展開して、不當にやみ値がはね上ることを十分に抑え、さらに政府のいたしますものについては法的措置も講じて、マル公でやりたいと思うのであります。そうして各方面でこれを抑えて切り抜けたいと思うのであります。なお二十三年度の豫算編成にあたりましては、今囘は追加豫算でありまして、本豫算というものがあるのでございますが、二十三年度は初めからでございますので、十分その點をも注意して、やみ値はね上りの要約などを抑え、さらに先ほど總理も申し上げましたが、この企業再建整備と行政機構の改革その他とにらみ合わせて、十分經費の節減等も考え、この場を切り抜け得るように進めていきたいと思うのであります。
#141
○苫米地(英)委員 政府の未拂分はどのくらいの金額に達しておりますか。
#142
○福田政府委員 政府の未拂分は九月において百二十億内外になつておるようであります。そのうち鐵道會計の分は四十億、また終戰處理費會計のものが五十億近いのであります。その他の分は各省の雜多な經費に屬するわけであります。これが處置につきましては未拂金がさように百二十億もあるということが、金融を非常に壓迫しているという問題がありまして、その後鐵道會計におきましても、終戰處理費會計におきましても、相當支拂を促進いたしているのであります。なお制度といたしましても支拂を促進する、その代り支拂う先におきまして契約を濫りにしないというふうな措置を、政府としては確立いたしたいということで、著著進行しております。
#143
○苫米地(英)委員 次に私が豫算の脆弱性をもつていると見るのは、復金の出資金を削減いたしまして、四十億圓にいたしたことでございます。復金の債券の消化については大臣がしばしば御説明になつておりますが、ただこの問題については、はたしてその通り民間消化ができるかという疑いをもつているのであります。その疑いの出發點はどこにあるかといえば、經濟安定本部でしきりにやつております自由預金の吸收というものが、現在のところではよく見て一箇月百五十億圓平均といたしますと、復金の必要な經費を市場で消化するということが、はたして可能であろうかと考えるのであります。復金の保證貸出制度も七月から實施されているようでありますが、これにつきましても前期において二十億のうちわずかに六億しか消化されておらない。今期は三十五億の豫定でありますが、このうちはたしてどれだけが消化されるかというようなことが疑問になつてくるのであります。貿易資金につきましてもこれはほとんど海外の物價調整資金というようなものでありますが、これも五十五億に壓縮されている。そのために民間においてはこの貿易手形というようなものにちつとも信用がなくなつておつて、先ほど申しましたように銀行では容易に割引に應じないというようなことになつているのであります。それから産業資金につきましても、もし四百億の藏券で賄われないということになつてくると、赤字公債が出てこなければならないというような心配もある。それは今起つているところの越冬資金の問題であるとか、また安本では特殊金融であるとか、交通費の補助であるとかいうようなことを考えておられる。そういうような點から見ましてもこの豫算は非常な脆弱性をもつているような感じがいたしますが、脆弱性はないということについて御説明を願えれば仕合せだと思います。
#144
○栗栖國務大臣 復興金融金庫の出資及び債券でありますが、これも實は本豫算で六十億がまだ餘つております。今度の四十億を加えまして百億は殘つているわけであります。現在は二百八十億弱ぐらいの殘がありますので、つまり百八十億くらいを保證と債券發行で行こうということになるわけでございます。それから貿易資金でございますが、貿易資金も五十五億は赤字を埋めるために繰入れたのでございまして、貿易のために必要なる資金ということであるならば、借入その他の方法によつてもこれを賄う途があるのでありまして、實は貿易スタンプ手形が、あまりうまく運用されておらぬというのは御説の通りであります。これも私は實情をよく知つておりますけれども、そういう點にあらずして、いろいろな信用のない點その他圓滑にいかないスタンプを押したということであつて、實質的には日銀の裏を抑えたということかもしれませんけれども、手形上から言うならば、裏を抑えたという意味にもならぬのであります。この點ももつと早く圓滑にすると同時に、改善もしてやりたいと思つております。結局貿易資金につきましても、大きな赤字を包藏しないように努めたい。そして貿易會計の運營の方法についても改善をしたいと考えておる次第であります。さようにしまして、こういうようなもの、その他の出費等より考えて、なおこの赤字、あるいは産業資金への繰込みがあるのではないか、ここに脆弱性があるのではないかというお話でございますが、これは先ほど來申し上げましたように、やはり貯蓄の増強という面において、一般の努力が必要であることは申すまでもないと思うのであります。實は貯蓄の増強につきましては、衆議院におかれましても共同決議までもしていただきまして、非常な御援助を得たわけでありますが、この數字を申し上げますと、昨年の十二月末までの自由預金の總高は五百十五億であります。ところがこの九月末までの現在高は千五百二十六億であります。そうしますと、差引きしまして千五百一億の増であります。そこでこの預金増強ということに、國民の了解とともに、これをなお一段と進めてまいりまして、十二月のごときは非常に馬力をかけてやるつもりであります。そうして集まつた資金の大體半分くらいは、今まで産業資金へ、半分くらいは財政資金へ――財政資金はこの特別會計の公債とか、あるいは復金方面へまわす計畫であります。これを實は努めておつたような次第であります。なお最近の増加でありますが、これは先般も申し上げましたように、六、七、八、九とだんだん著増をいたしたのであります。九月では百七十九億というような數字であります。この十一、十二月、殊に十二月については、もつともつと大きな數字を獲得して、この點において豫算の裏づけもしたいと考えておるような次第であります。
#145
○苫米地(英)委員 ただいま九月の預金が百七十九億あるというようなお話でありましたが、その後の經過をみると、ほんのウインドー・ドレツシングが多くて、早速引出されておるらしくみえるのであります。月に百五十億平均とみまして、五箇月で七百五十億圓、それの半分が三百億何がしになりますが、これで公債と産業資金が賄えるかというところに、ちよつと疑問をもつておるわけであります。
#146
○栗栖國務大臣 申し上げます。これは新規自由預金の増を申したのでありまして、金融の面におきましては、一面において囘收をいたし、短期の運轉資金は早くて年に三囘くらい囘轉をいたしておりますので、そういうものを見込みますと、相當量に相なるのであります。それで賄う見込みが立つておるような次第であります。
#147
○苫米地(英)委員 私の質問はこれで終ります。
#148
○鈴木委員長 あとごく簡單なのが一、二ございますが、午前中の川島金次君の質問に對しまして、政府において資料の關係上、保留されておりましたものの御答辯がございます。その前に海野君の御質疑に對して、文部大臣が先ほどからお待ちでございまして、文部大臣は先をお急ぎになる事情がございますので、川島君の答辯の前に海野君の文部大臣への御質問を、簡單にお願いいたします。
#149
○海野委員 産業再建と申しましても、科學技術の裏づけがなければとうてい不可能なことであります。文部省はその科學教育、各研究所、大學の研究費、學術振興會というような方面に對しては、いかなる考えをもつておられるのでありましようか。私は學術振興會の百三の小委員會の費用を最近聞いたのですが、わずか三萬四千圓だということであります。この百三の小委員會の委員には、民間の權威者、技術者を約三十二名集めておるのですが、三萬四千圓の研究費では研究も指導もできません。そんなことならむしろ學術振興會をやめてしまつたらいいじやないかと私は考える。もしやるならもう少し經費を殖やして、文部當局もこれにもつと力を入れていかなければならない。今の片山内閣は乏しきをわかて、乏しきをわかてと言うけれども、乏しきをわかつのでなくして、乏しきを補うようにしなければならないと考えるのであります。この見地よりして文部當局におかれましては、いかなる御所見をもつておられるか、それをお伺いいたしたいと思います。
#150
○森戸國務大臣 ただいま海野委員から、今日の産業再建のために科學技術の振興が必要である。それがためにはできるだけ多くの國庫補助が必要であるということについて、文部大臣の所見を質されたのでありますが、その點についてはすでに總理からも窮乏の財政のうちであるけれども、産業再開のための科學技術のためには、あらゆる努力をするとお答えになつたのであります。私としても同樣に存じておるのであります。實はこれがためにはできるだけ學術の研究を進め、これを應用し、生産技術の水準を高め、ひいてはこれを高度に利用するようにしなければならないと存じておるのでありまして、文部省といたしましても産業科學研究の振興について極力力を注いでおるのであります。本豫算におきましては、まず基礎科學研究のために、本年度自然科學研究費交付金を三千二百萬圓計上いたしまして、各重要研究機關に交付いたしておりますし、さらに國家の要望する問題であつて、研究がある程度まで完成し、いま少し研究すれば應用できるというような研究に對しましては、約千五百萬圓の科學試驗研究費補助金を交付してこれを助成しております。またただいまお話になつた民間の自然科學研究に關する研究機關に對しましても、優秀な研究業績を有しながら、經營上困窮しておりますものに對しては、補助金二百七十萬圓を交付しております。このように各方面から科學技術の研究に對して研究費を支給しておりますし、また若干の研究用の資材の割當を得て、その進行をはかつているような次第であります。しかし重要研究課題の提案と、その研究費の要求額からみますと、實はただいまも御指摘になりましたように、本年度の豫算はそれらの約一割以下にすぎないのでありまして、この點きわめて少額でありまして、いろいろな點で研究に支障が起つているということはお説の通りであります。それでありますから、來年度におきましては、財政の状況を見合わせながら最善の努力をいたしまして、これらの點において豫算の増額を得、さらに研究用の資材の入手等についても、一層の努力をいたしまして、科學技術の振興に努力したいと考えている次第であります。
#151
○海野委員 ただいま文部大臣よりるる御説明がありました。ありがとうございました。産業の再建と申しましても、いかに大藏省が豫算をやりくりまわしたところで、根本の物を生み出すということ、科學技術者の頭をしぼつて物を生み出すという方面に力を注がなければ、さらに未來性がないのでありまして、このよつて來るところのその根本を忘れておつて、そうして豫算において豫算をあつちにまわし、こつちにまわししたところで、決して私は日本が立上れるものではないと考えるのであります。この點におきまして、どうぞ文部當局におかれましては、この科學教育、科學技術の進歩、その根本を握つておられるところの文部當局におかれましては、なお一段の御努力をお願いいたしまして、私の文部當局に對する質問を終ります。
#152
○前尾政府委員 午前中御質問のありました川島委員の、課税所得の數字についての御質問にお答えいたしたいと思います。數字的に大きなものは、配當利子所得の四十一億七千六百萬圓、それから給與所得が千九百四億九千五百萬圓、それから讓渡所得が十六億、不動産所得が十九億四千二百萬圓、營業所得が千二百二十二億八千萬圓、農業所得が八百四十六億二千四百萬圓、商業所得が百二十二億八千八百萬圓、但しこの數字は給與所得につきましては基礎控除以下のものを含んでおりますが、それ以外の所得は基礎控除以上のものについての數字であります。
#153
○川島委員 今の數字の中で、最もわれわれが直感的にも重大視しなければならぬことは、勤勞所得等の給與所得については大體正確なものが得られて、この通りに近いものだと思いますが、問題は物の流通を營んでおります方面の所得、すなわち今の商業所得の百二十二億八千八百萬圓、まことにこれは奇怪な數字だと常識的に判斷いたすのであります。われわれが年來主張しておりますところのやみ所得の徹底的な撲滅、これは流通秩序の確立の上から申しましても當然であり、同時に日本經濟再建の上においても、これらの所得を逃しておつたんでは、健全な財政も確立ができない、同時に國民の適切にして公正な負擔という面からいきましても、非常に問題になる事柄であろうと思うのであります。ただいまの商業所得百二十二億八千八百萬圓というのは、一體大口のやみ所得、あるいは物を主體として常に流通をやつておりまする關係において所得するところの方面の所得というものをみているのか、それともほんとうに眞面目に、正直に店舗を構えております商業者の所得だけをねらつているのか、その點について一應お伺いしておく次第でございます。
#154
○前尾政府委員 ただいまの、營業所得は千二百二十二億です。先ほど申し上げましたように、給與所得につきましては基礎控除以下のものも入れております。從つておそらく大體給與所得と營業所得は同額くらいになるのではないかというふうな氣がいたしております。それからその對象となります人員がまるつきり違つております。營業につきましては百九十萬人程度であると思います。勤勞所得者につきましては約八百萬人でありますからその一人の所得というものは非常に違つたものであります。
#155
○川島委員 この課税所得問題については、いずれ分科會で詳しく私の意見を述べながら質問を申し上げてみたいと思いますので、最後に説明を拔きにして、簡單直入的に大藏大臣にお伺いしておきますが、過般來大藏大臣におかれましては、日本の經濟再建の中軸となる中小企業の復興の問題について、かなりの同情と理解とをもつて研究をされておるようであります。今日の日本經濟界の基盤となるべき中小企業が、いろいろな面はありまするけれども、殊に金融の面において非常な困難を告げております。そのために中小企業の倒産の問題が非常に深刻な事象として現われてきておりますことも、大藏大臣とくにお認めのことと存じ上げます。われわれ過般來大藏大臣にもいろいろと御忠告を申し上げてまいつてきたのでありますが、この際中小企業の金融金庫とも稱すべき持殊の金融金庫をつくつて、そうして中小企業のこの危機に瀕した復興に備えるという御意思があると思うが、それに對する昨今の大藏大臣の御所信を伺つておきたい。さらに具體的に腹案ができておりますれば、この際私は最後に大藏大臣に對する質問としてお伺いをしておきたいと思います。
#156
○栗栖國務大臣 川島議員の御質問に對して申し上げます。この中小商工企業の振興ということは、私年來銀行におりましたときから力こぶを入れて、また研究も實際にも當つてきたのでありました。今後企業再建整備とかその他の線に副うて、日本の商業が新しい分野のもとに配列されるということになりますると、多く中小商工企業というものを、相當に育成しこれによつて育て上げていくということでなければいかぬのだと思うのであります。そういう面に沿いましてもぜひこの振興策は考えてみたい、かように考えておるのでありまして、この振興の面におきましては、いろいろの方面から申し上げなければならぬと思います。あるいは技術經營の指導とか、あるいは資材その他の配給を圓滑にするという面、それから金融の面が非常に大きな作用をするということは、私もよく存じておるのであります。中小商工金融ということが、多く市中銀行その他でやられないということでありますが、これは手數が非常にかかります。そうしてさらに一口で濟むところを十口もあるいは二十口も説明をして、金融その他をしなくちやならぬというのが普通でございます。しかしながら市中銀行その他で損になるからやらぬということはこれは斷じてありません。多くを見ますと、損になる部分もありますし、また非常な大きなものに發展して、長いいい取引になつておるものも多々あるのでありまして、その右と左とをバランスしますと、結局は損ということは毛頭ないのであります。ただ手數がかかり、人件費がかかるというような點などで、市中銀行は非常にいやがつておるのであります。そこで先年來商工組合中央金庫というものができて、今日に至つて、これが當つておるわけでありますが、これには非常な弱點があるのであります。私も五、六年證券部長を兼ねてやつたことがありまして、つぶさに苦勞をなめたのでありますが、資金が集まりません。農業方面におきましては農業會その他から資金が集まつてまいりますけれども、どうしても資金が集まらないのであります。そこでこの制度を何か活用し、さらに擴大強化して、中小商工業金融というものを守り立てていきたいということを考えたのでありまして、さしあたりの方法としましては、暫定的でありますけれども、資金の足らぬのを補うために、復興金融金庫の代理者という立場で貸し借りをやらすということを、まずやつてみたのであります。これは相當程度やつてはおりますけれども、しかし商工組合中央金庫の貸出先が組合であるという關係で、組合を相手として貸出をしておりますから進んでおりません。そこで復興金融金庫は組合のみならず、廣く個人會社等にも貸出ができるものでありますから、その點をもつと擴大して、單に組合だけでなしに、廣く一般の中小商工業者に貸出をするようにというような、大體の方針をきめておるのであります。ところで日本の金融機關は、再建整備の線に沿いまして、一般金融機關、特別の金融機關等、それぞれみな再建整備の手續を越えなければならぬ立場になるのであります。この商工組合中央金庫のごときももちろんその一つであるのであります。そにで私はごく近い將來に、こういう特殊の金融機關というものを見直し、再建整備の線に沿うてこれを改めていくという必要に迫られておるのであります。その機會に商工組合中央金庫の機構あるいは性格、その他を擴大いたしまして、中小工業金融に全面的に力を伸ばし得るように、さらに從來商工組合その他の相手方は借りる方であつて、預金をする方でなかつたのでありますが、この面あたりも復興金融金庫等との連繋を圓滿につけて考えたい、かように考えておる次第でございます。ただ金融機關の再建整備は、經濟力の集中排除とか、そういう線に沿うてこれが併せ考えられる關係上、若干日數はかかると思いますが、ぜひこれを實現して、そうしてほんとうに中小工業を守り立てるということにいたしたいと思うのであります。企業再建整備の結果、將來いろいろ人も餘つてくると思うのでありますが、この受入れをする大きな場所は、私は、やはり中小工業者だと考えておるのでありまして、そこへそういう受入態勢をつくる意味においても、ぜひ實現をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#157
○鈴木委員長 たいへん遲くまでお疲れのことだろうと存じますので、今日はこの程度で散會したいと思います。日程の豫定によりますと十日は分科會の豫定になつておりますが、御承知のように質問がだんだんと繰延べられてまいりました關係上、十日の月曜日はやはり午前十時より質疑を續けることにいたします。十一日、十二日は公聽會の豫定になつて、すでに公告もいたしてございますから、十一日、十二日は公聽會を開いて、十三日殘つておる質問を續行するという順序で取運びたいと思います。公聽會の公述人のことについてあとで御相談をしたいと思いますから、理事の方だけちよつとお殘りを願いたいと存じます。
 本日はこれをもつて散會いたします。
   午後五時六分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト