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1954/12/16 第21回国会 参議院 参議院会議録情報 第021回国会 水産委員会 第2号
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1954/12/16 第21回国会 参議院

参議院会議録情報 第021回国会 水産委員会 第2号

#1
第021回国会 水産委員会 第2号
昭和二十九年十二月十六日(木曜日)
   午前十時五十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月十五日委員片岡文重君及び野田
俊作君辞任につき、その補欠として東
隆君及び河井彌八君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 孝平君
   理事
           千田  正君
   委員
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           森崎  隆君
           東   隆君
           有馬 英二君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       林  達麿君
  説明員
   外務省参事官  寺岡 洪平君
   水産庁長官   清井  正君
   通商産業政務次
   官       山本 勝市君
   通商産業省通商
   局次長     大堀  弘君
   通商産業省鉱山
   局長      川上 為治君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産政策に関する調査の件
 (漁業用石油外貨割当に関する件)
 (英国旗下における出漁に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林孝平君) 只今より水産委員会を開会いたします。
 最初に漁業用石油外貨割当に関する件を議題に供します。只今出席の政府委員は川上鉱山局長、それから山本政務次官でございます。御質疑のあるかたは御発言を願います。
#3
○千田正君 これは鉱山局長よく御存じのことと思いますが、昨年もこの問題については当委員会としまして通産省当局の意向を十分質したのでありますが、その際においても通産省の一つの方針として従来の石油その他の油類の取扱の方法については増加する意思はないのだと、こういうことだつたわけであります。ただ問題はこの油を使う、石油の相当量を水産業者が水産の必需品として特に要求して来ているということは、中間において業者と需要者の間に或る程度の価格の差があるということであります。そうしてそれが外貨の割当等が狭められれば狭められるほど価格差がひどくなつて来る、この点については当時川上局長に対しましても十分こういう問題が起らないようにということを特に要望したのでありますが、そのときの御答弁といたしましては、今後そういう価格の値上がりというようなことは絶対させないという、とにかくこれで或る程度の需要者の便宜を図るつもりだからということであつたのであります。併しその後漁民の立場から言うと、実際市場価格が上がつて来ておるばかりでなく、本当の必要な時期においてそれを買取るということは非常に至難であつたのであります。その実例としましては、昨年あたりの、漁民が沿岸に魚が見えたけれども油がなくてとれない、わざわざ現金を背負つて東京に出て来て、そうして油屋を探す、油屋を探しても当然値上りということを予想してなかなか出さない、ますます価格の、値において闇の油でも買わなければ生業が成立たないという現状を繰返しておるのであります。そこで通産省としての考え方は、勿論従来の取扱業者というものに重点を置いているであろうけれども、需要者の大宗がそういう取扱業者の意向如何によつて常に価格が正常でない、或る場合においては闇値でこれが売算されるという傾向にあるということは、実際油を使つて生産に従事する者にとつては堪えられないことであります。そういう意味からしばしば当委員会に対しましては、この漁民からの陳情、請願が来ておるのであります。最近も当委員会に陳情して来ておるところの事情というものは誠に切実なものであります。そこでこの漁民の協同組合であるところの全国漁業協同組合が何とかして需要者の立場から十分にこうした水産業者の窮状を酌み取つてその取扱方をやつて頂きたい、全部というわけではありませんが、外貨の割当を要望して、そうして生産の、いわゆる高くなりつつあるところのコストを何とかしてこういう燃料の面からして切下げて行かなければ今後の食料政策に重大なる影響を及ぼすという要望で陳情を受けておるのでありますが、通産省の立場からいつて一体これは恐らく今後も今までの吉田内閣の性格からいろいろと行くというとこの貿易のバランスの立場からいつて成るべく輸入というものは差控えて行きたいと、こういう方針をとつて来たようであります。内閣が代つて鳩山内閣となつて或いは前内閣の方針を踏襲するかどうか知らんけれども、実際の生産業者が中間のいわゆる取扱業者によつて当然安く入るべきものを、この中間業者のために高いものを買わされて、それが生産に及ぼす影響というものは大きいということになるというと、我々水産委員会としましても、この水産の食糧対策の立場からいつてもこれは何とかして考えて上げなければならないと思うのですが、通産当局のお考えを、一応承わつて更に質疑をして行きたいと思います。この点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
 先ず第一に一体この油の配給というものは安くならないのか。それから需要者の立場から考えてこういうふうなことをいつまでも続けられ行くのであるか。これは当然外貨割当を需要者の立場に立つておるところの方面に対しても割当てるべきであるということが我々の考えなんですが、その点に対して通産省の考えを聞きたいと思います。
#4
○説明員(川上為治君) 現在重油の価格が或る程度高いということにつきましては仰せの通りでありまして、大体漁村関係のものとしまして、まあ元売業者の販売価格は全国大体平均いたしまして一万三千円から一万四千円となつておる。それから小売価格につきましては大体一万五千円でということになつておるかと思うのですが、この価格につきましては四月、五月頃の価格とそう非常に高くなつておるということは言えないのじやないだろうかというふうに考えます。ただ問題は地方によりまして、所によりまして非常に高い価格が出ておる、例えば北海道の一部においてはそういう価格が出る、或いは最近におきましては島根、鳥取方面におきまして相当高い値段が出る、そのために漁業者に対しまして非常に迷惑をかけておるという点につきましては我々としましてもこれは非常に何とかしなきやならんというふうに考えております。たださつきも申上げましたように、そういう、所によりまして非常に高い値段が出ておるわけなんですが、大体におきましては一万三千円から一万五千円という程度の、これはB重油でありますが、そういうことになつておるのじやないかと考えております。私どものほうとしましては値段が極力上らないようにということでこの委員会でありましたかにおきましても丁度三月頃お話申上げたのですが、その方法としましては地方にその苦情処理機関というのを設ける、それは地方の特約店の協同組合、この組合が事務所になつておるわけなんですが、その苦情処理機関に対しまして若し値段が非常に高いと、どこかの特約店の販売価格が非常に高いということでありますればその機関にお話を願えれぱその機関からどういうわけでその特約店の価格が高いかということをよく調べまして不当に高い場合におきましてはその特約店に対しましてもつと安く販売すべきだと、若しそれがなかなか販売価格が依然として高いという場合におきましては、別の特約店のほうから販売させる、或いは又そういうべらぼうな値段を出すものに対しましては、その系統を手繰りまして、元売業者における外貨の割当で調整して行くというような措置で極力値段を上げないようにということで、私どものほうとしましては今日までやつておるわけでございます。そこで私のほうとしまして、今までいろいろなケースがあつたと思うのですが、それほど全国的に非常に高く売つているというようなふうには実は聞いていなかつたのでありまして、これは或いは私のほうの調査が不十分であつたせいかもわかりませんが、それほどひどいことではない。又そういうひどいことも時たまあつたけれども、それは部分的な問題であつたと、そういうものに対しましては極力今の苦情処理機関なり、或いは地方の通産局なりそうした方面で措置をとるというふうに考えておりまして、今これを何か特別な機構によつて値段を相当抑えつけるということにつきましては、相当これは研究しなけりやならんのじやないかというふうに考えております。この重油の問題は、現在行政指導ですべてやつたのですが、別に法的な規制というものはありませんし、公定価格制度というものもありませんので、我々の行政力といいますか、行政指導によつてやつておるわけでありまして、問題は漁村関係、船舶関係がどうしてもこれは何とかして確保してやらなきやいかん、それから又一面地上の、陸上用のものにつきましては、これは或る程度制限して行かなければならん、それはまあ両方一つの枠内においてやつておりますので、なかなか価格の問題につきましてはむずかしい点も私はあるかと思うのですけれども、今申上げましたように、もつと安くできないか、そういうべらぼうな価格を出さないように一つできないかという問題につきましては、私のほうとしましては今申上げましたように、苦情処理機関というような、或いは通産局、そういうところへ若しそういう事態が出て参りますれば、そつちのほうで一つ解決して行きたい、若し油のほうが非常に高くて或いは手に入らんということがありますれば、漁村関係は優先的にやるということになつておりますので、そつちのほうから常にこれは元売業者が、特約店も或る程度のストックを持つておりますし、持たしておるものですから、そつちのほうからいつでも出せるように私どもとしましてはやつて行きたい。需給関係から申しましても、今本当に重油がそれほど逼迫しておるかというと、必ずしもそうではないというふうに我々のほうは考えておりまして、石炭企業方面からはとても今行政指導というのは非常に甘いのじやないか、計画数量というのは非常に甘いのじやないか、もつと大きく切るべきだという意見もあるほどでありまして、大体それほど需給関係にいて逼迫しておるというようなことではないのじやないかというふうにも考えますし、又ストックにつきましても先ほど申しましたように、いつでも或る程度のものは、出せるようにしておりますので、何とかそつちのほうで一つ解決して行きたいというふうに考えております。
 それから需要者団体に外貨を割当てるという問題につきましては、これは私のほうとしましては、若し漁業関係にそういうような措置をとりますというと、或いは鉄鋼でありますとか、或いはその他のものがすべてそういう共同行為によつて而も直接外貨を割当ててくれというようなことになりますと、これは全体の配給系統と申しますか、そういうものが全般的に崩れて参りまして、特に中小商業者との関係が非常に政治的にうるさい問題も私は出て来ると考えますので、やはり私どもとしましては従来の通り、従来の系統において配給さして行きたいというふうに考えております。従つて従来の系統でなかなか高い値段が出るというような場合におきましては、さつきも申上げましたような措置で何とか一つ解決して行きたいというふうに考えております。
#5
○千田正君 これはこの前の、去年のお答えと同じようなお答えを頂いているんですが、実情はあなたのおつしやるような実情ではないということは、一々反証を挙げるまでもない。しぼつて言えば例えば十分に、最高機関であるあなたがたのほうでは需要者に対しては、殊に漁業面においては優先的に与えるという御指示をやつておる。ところが優先的には来ない。これが実情である。もう一つ、それから苦情機関を設けておるから苦情機関に訴えて、それによつて何らかの緩和の方針をとつたらいいじやないかと、特にそういうために置いてあるんだからと言うけれども、実際苦情機関に持つて行くということになるというと、結局苦情機関に持出したが故に、逆に油を欲しいときには、お前のほうは苦情言つて来たんだからやらない、逆に言えばそういうような方向にまで持つて行かれるというようなケースがこれは末端においてあるのでありまして、それは通産省そのものにはそういうことは言つて行かないかも知れないけれども、我々のほうにはそういうことが聞えて来る。で、非常に理想的な方向をとつておるようであるけれども、これはそうでもないと私は思う。それから重油が大分余つて来ておるようだから、仄聞するところによるというと、来年度あたりからは重油の輸入を或る程度削減する、こういうように、少くとも吉田内閣の施政方針の中にあつたようでありますが、これはどうも我々としては、当然そういう問題が起るとすれば、削減されたことによつてますます窮屈になる。もう一つこれは通産行政の一つとして私は今重大な問題をあなたから示唆を受けた。これは次官もいるから今日はつきり聞いておきたいと思うが、いわゆる生産、実際の現在における国際収支のバランスの上において貿易が伸長しないという一面、或いは生産コストが割高だということは私が申上げるまでもなく、割高の原因はどこかということを追求して行くというと、やはりこういうところにネックがあると私は思うのであります。あなたがたの言うことは、やはり通産省の立場からやはり従来の中小企業なり油業者を助けて行きたい、これは御尤もな理論であります。併し生産ということを考えて来るというと、そういう人たちによつて中間搾取が行われるが故に実際の生産面の需要に対しては十分ではないだけに、又高いものを買うから当然生産コストも割高になつて来ておる。でも需要者団体には割当てない、こういうことで中小企業を育てて行く、これは育てて行くのは結構でありますけれども、法外な育て方をするが故に私はむしろ生産コストのほうにおいて非常に高いものについて対外輸出というものはこの点で阻害されて行くという結果になつていると思う。私は鳩山内閣がどういう施政方針を今後とるか知らんけれども、こういう根本的な、日本の食糧対策の重点であるところの農業とか漁業というものに対しては、当然それは或る場合においては調整価格をつけてまでも安いものを与えて、そうして生産コストの上らない方向をとつて行くのが当然だろろと思う。そういう意味からいつても私は需要者団体に対して或る程度真剣に、日本の食糧対策なり或いは国際貿易というものを考えた場合には、そういうところに重点を置いて油の配給なり調整というところまでは行かなくても、或る程度の通産行政というものはやるべきであると私は思うが、その点に対しては私は次官から一応、あなたがた今後内閣を背負つて立つて行くんであるから、今後の生産と、それから今の企業との関係の考え方、これによつてやる油の輸入と、配給の方法なり運営の方法に対するところの根本方針を承わつておきたいと思います。
#6
○説明員(山本勝市君) いろいろ私の考えもありますけれども、実は正直のところ二、三日前に政務次官になつたばかりでうつかりしたことを言つてあちこちと食い違いが生ずると却つて御迷惑をかけると思いますので、御勘弁を願いたいのでありますが、まあ私は問題は自分の考えでは外貨を割当てておる、割当制をとつておるというところに一つのやはりむずかしい問題を起しておるのではないだろうか。そういう重大なところに重点的にウエイトを置かなくてはならんということは全く同感であります。ただ恐らくその外貨の割当制というものも一つの止むを得ざる政策としてとつた措置で、やはりここにいろいろのアンバランスが生じている。ですから安く買えるのに高いというようなやはり感じといいますか、そういう実際の事実も起つて来ているわけであります。只今鉱山局長に聞いたのですけれども、どこの店でも買えるのだ、買うほうは……。だからこちらが高けれぱもつと安いところで買えるのだというような話であります。そうすると非常に複雑な個々のケースにおいては支払がうまく行つているとか行かんというようなこともやはり値段の上に影響して来ておるのじやないか。これは非常に複雑な問題だと思うので、暫らく私の私見は別としまして政府として考え方は研究さして頂きたいと思います。
#7
○千田正君 ほかの委員の質問もあるようですから……。
#8
○委員長(小林孝平君) 政務次官はちよつと衆議院のほうの委員会が開かれますので、そちらにちよつと御挨拶に行かれるのですが、政務次官に何か御質問ありませんか……。政務次官が今率直に何も知らないとおつしやつたのですが、御答弁を聞いてもおつしやつた通りどうも千田委員の御質問に対する答弁がちよつとちぐはぐなんです。それで研究などといつておられる段階じやないのですよ。もう時期的に急速にこの問題をどうするかということをやつて頂かなければなりませんから、一つ早急にはつきりした案を立ててここでこの次の機会に御発表願いたいと、こう思います。
#9
○説明員(山本勝市君) 承知いたしました。
#10
○森崎隆君 委員長に聞くのですが、今の内閣は初めからはつきりしておるのです。選挙管理内閣です。政策問題を一切出すなと言つておいて政策はどうだと聞くことは、これは政務次官の立場としても困ると思う。ですから政府に対してまあこれまでの状況を聞くとか、現状の報告を聞くとかというならいいけれども、今の政府に対してどうするのかということは、これは聞くことが失礼だと思つております。
#11
○委員長(小林孝平君) 森崎委員に申上げます。私は委員長としてでなく、社会党所属の識員といたし、ましてあなたと同意見でございます。今の内閣がいろいろの政策を発表されることに私は非常に不満でございます。併し今千田委員は我が党の所属の議員でなく独自の立場で御質問になつた。私はその質問が適切であるかどうかということに非常に疑問を持ちましたけれども、委員長として阻止する権利はありません。更に政務次官に申上げたいのは私はそういう研究などをやつている段階でなくて、今一両日を争う問題であるから行政的措置を、これは政府としても当面の行政的措置をやる必要がありますからそれをやつてくれと、その御答弁は政務次官が謙遜して申された通り極めてちぐはぐであつて答弁になつておらんと、こういうふうに思つて政務次官に……。
#12
○千田正君 今の委員長のお言葉はあなたがたは社会党の立場からそういうふうに今の内閣は選挙管理内閣として認容しておる。これがあなたがたの御方針であろうと思う。私は今の内閣を担当して少くとも選挙内閣であつてもいわゆる内閣の座に坐つているということは一日も国政をゆるがせにすべからざる問題であると思う。単に選挙だけで内閣を組織していると私は思わない。少くとも担当している以上は次の解散後においても自分らの党は大多数を以て政権を握ろうという意欲においては私は変りないと思う。これは私の観点から質問しているのであつて、あなたがたが仮に途中で、あと三十日で内閣を投げ出すにしても、少くとも国民の前においては、担当している間においてはこれまでの国民に対しての信託に寄与する方針を持たなければならんと思う。単に選挙だけの内閣という意味においては、私は立場が違いますから、そういう意味において質問しておりません。三十日でも、十日でも、あなたがたが内閣の座に坐つている以上は、あなたがたの方針はたとえ一日であつてもやはりあるべきだと思いますから質問しました。その点誤解のないように……。
#13
○説明員(山本勝市君) 今の御質問御尤もで、委員長のお話も御尤もと存じますが、併し従来のその消費者団体に直接外貨を割当てるという方針をとつて来ていなかつた。従来のそれを直ちにここで根本的に、そういう非常に根本的な変革をするかしないかということは、これは相当慎重な態度をとつて臨まないといかん問題だろうと思うのです。ですから只今の質問が根本の政府の方針をという御質問でありましたから、そういう従来政府がやつておつたことを軽々に根本的変革をなすべきじやなかろうと、だから研究さしてもらいたいと、こういうわけであります。ただ当面の問題に対しての委員長の早急に行政的な措置でも考える必要があるという御意見御尤もで、その点は十分相談しまして、委員長の御意見のように副いたいと思いますから、御了承願いたいと思います。
#14
○東隆君 ちよつと関連して……。私は今の質疑の中で、大きな疑問を持つていることは、鉱山局長が言われた言葉で、配給の系統を乱すと、こういうようなことが言われているわけです。それで在来のこの石油類関係の配給は、これは今の一元化されたやり方によつて非常に問題を起しているわけです。それは農村の関係、それに漁村の関係もこれは同一なんです。それで農村にしても、漁村にしても協同組合ができて、そうして当然必要な物資の配給をするための組織ができているわけです。その組織に当然乗せてやるときに、闇に流れたり、横流しをしなくても済むわけです、それに乗せないで、一つの商業的機構の中に乗つけて行くことに問題があるわけです。だから農村と漁村に関する限り、生産面に使うものは当然協同組合の系統機関に割当てる、こういう体系を整えれば、石油類の割当なんかは、これは非常に正しくできると思う。これはもうずつと昔から争つて来た問題なんで、特に政務次官は研究されると、こういうお話ですが、その点をはつきり一つお考えになつて、研究を進めて頂かなければならん問題だと、こう思うのです。これはもう今の問題でなくて、農村のほうじやずつと昔から、これはもう争つて来た問題です。
#15
○千田正君 今の東委員のに関連して、やはり追加して私は政務次官に一つ研究して頂きたいと思うのです。先ほど絋山局長が言つておられるように、需要者に割当てられていないというのですが、実際は資本漁業のほうには外貨は割当てておる、外地買付という理由の下に実際やつております。そういう実際の経過を十分研究して頂きたい。それは或いはいろいろな理由の措置でやつていると思います。例えば資本漁業においては、外国へ例えば魚なら魚を売つて、その代りに外貨輸入という範囲の中にとりつけて実際は買付けておると思う。買付けていないというならば、私は実際に不思議であつて、その点は私のほうもちやんと資料を揃えています。ですからそういう意味からいろいろ十分考えて頂きたい。それから、外貨の買付をしておらないと言うならば、それならば、おらないという十分なる説明をして頂きたい。それから今東委員が言つた通り、漁業協同組合の全国団体なり或いは農業協同組合の全国団体なりというものは、いわゆる配給機構である。需要者の便宜、農民なり漁民の生産団体に対する、需要者の上に立つて、配給をスムーズにやつて、漁業の生産或いは食糧増産という対策の根本方針の指導機関であり、又配給機構である。でありますから、そういうところに真剣になつて、こういうものを割当てない限りにおいては、日本の食糧の生産コストも高くなるし、外国に向つて日本の生産物を売るにしても、コストが高くなつて行く、こういう意味においては十分研究して頂いて、それはあなたがたが仮に選挙管理内閣で、途中でやめると言われるかも知らんが、そうでなく、将来ともあなたがたは更に内閣をとるかも知れない。仮に自分らが将来内閣を組織するという前提に立つて、少くとも今日の段階においてはお考えになつて然るべきだと思いますので、十分御研究を願いたいと思います。
#16
○委員長(小林孝平君) 他に御質疑はございませんですか。
#17
○千田正君 それで鉱山局長にお尋ねしますが、資本漁業がそれならば大きな会社を組織して、外貨の買付に対する割当は、油という名前じやなくともとつておりますか。とつておらないと断言できますか。
#18
○説明員(川上為治君) 石油類につきましては、国内配給のために、今お話がありました資本漁業といいますか、そういうかたがたに外貨は私の記憶しておるところでは割当はしていない。ただ遠洋漁業といいますか、そういうような関係で、これは国内の配給とはもう全然別でありますので、そういう関係のものは或いは油その他におきまして割当をしておるのじやないかというふうに考えます。これはもつとよく調べて見ないとわかりません。
#19
○千田正君 実際に漁業に携わつておるものは国内と国外にかかわらず、油の、いわゆる燃料の補給ということは非常に重点問題であつて、それを国内に取つておるか外国に取つておるか、こういうこともあなたがたが考えなければならん問題だと思う。私は取つていないということは断言できないと思います。外国の寄港地においても買付けております。そういう点においての外貨の操作はどうなつておるかということをお聞きしたいのです。
#20
○説明員(川上為治君) 私の記憶するところでは、油についてはないと思うのであります。
#21
○千田正君 それは、外国において漁業をやる大資本家に対する油の配給は国内において受けておりますか。
#22
○説明員(川上為治君) これは例えば出光とか、そういう油の専門会社のほうから、例えば大洋漁業とかそういうところでは買付をしておりまして、それは必ずしも、内地に持つて来て、国内に特つて来てそうして渡しておるというところもありましよう、或いは向うで渡しておるというところもあるのじやないかと考えます。我々のほうももう少し調べて見ないとはつきりしたことは申上げられませんが。
#23
○千田正君 少くとも私は資本漁業の燃料は一万円以下の価格において購入外貨をちやんと取つておられるのだ、私はそういう意味においては、実はあなたがたは資料を提出しないというならば我々としても考えますが、あなたがたのほうにはそういう資料は入つておると思いますが……。
#24
○説明員(大堀弘君) 私のほうにしても細かい点はわかりませんが、只今の捕鯨事業等の場合については、国内で調達します場合は、やはり普通の外貨割当によつて参るわけでありますが、海外に参ります場合は、これは海外事業活動のための一般のインビジブルの外貨送金の手続によりまして計可は与えておる。併しこれはいわゆる海外におけるあらゆる費用を含んだ意味の送金として許可を与えております。
#25
○千田正君 さつき局長のお話は全然割当てないという、次長の只今そういう意味から割当てておるという食い違いがあるのですが、その点はどうですか。
#26
○説明員(大堀弘君) 食い違いと申しますか、これは油の購入費が外国における活動の一部として考えられておるわけでありまして、油の、つまり輸入のための外貨割当という意味ではない。これは外国における商社の活動の場合のあらゆる経費が外貨送金を認めておりますと同様な意味におきまして割当をしておる。
#27
○千田正君 いずれにしても油を使うことについてはちつとも変りがないのであつて、ただそれは取扱方法において或る面においては外国において活動するという恩恵を与えておる、国内の産業は国内の産業として一つの枠があるのだから、その意味においてやつておるというだけの話であつて、油を使うということについては何ら変りはないじやありませんか。
#28
○委員長(小林孝平君) 川上鉱山局長は捕鯨事業における油の入手事情をよく御存じなくて御答弁になつておると思います。従つて今千田委員その他のかたから当委員会としていろいろ要求しておることに対して、あなたの御答弁は十分の研究なくして御答弁になつておると思うのです。従つて至急そういうことを十分研究になり、そしてその上で今の千田委員の要求に応じられるのか、応じられないのか、応じられないなら、じや具体的にどういうことで満足の行くような配給をやるのかということを至急に案を示してこの委員会で又御報告を願うということにいたしたいと思いますが、如何でございますか。
#29
○説明員(川上為治君) 今委員長がおつしやいましたように、私のほうといたしましても今の海外活動の関係のものにつきましては、十分私も調べました上で、それとの関連もいろいろ研究した上で、この次の機会に御答弁申上げたいと思いますが、私のほうはやはり海外活動の場合と、国内の配給即ち輸入して配給するものとは、性質が違つておるかというふうに考えておりますし、又国内の配給につきましては先ほど来申上げましたように、私には系統を乱すという意味を申上げたのではないのですが、やはり従来の配給機構で成るべく配給さすべきではないか。勿論それと外貨の割当ということは若干これは違つておるのではないだろうか、即ち地方の漁業組合或いはその元売業者の特約店ということになつて現実に配給をしておるものもたくさんあるわけなんでありますが、そういう配給を私のほうでよくないということを言つているわけではないのであります。私は全国漁業組合連合会というその一番上の機構が外貨を直接受けてそうして配給するということがこれがいいかどうかという点について私のほうは十分これは研究しなければならんということを申上げておるわけでありまして、現在やつております地方の漁業組合が元売業者等から配給してもらつてそうして漁民に対しまして配給しておるということをそれをやめさせるというようなことは毛頭私のほうは考えていないわけであります。まあいずれにしましても私はやはり従来の配給機構というものを一応尊重いたしまして、どうしてもそれでいろいろな手段を尽しましてもどうしてもうまく行かないという場合においてはそれは私は先生方のおつしやつたことも十分考えなければならないと思いますが、今直ちにこれをそこまで持つて行くということがいいかどうかという点については十分研究した上でなければいけないではないかというふうに考えております。
#30
○千田正君 どうしてこう油の値段は高くなるのですか一体、これは我々は重油の輸入価格も知つております、それから原油の輸入価格も知つております、それとの問に余り格差があるのじやないでしようか、重要者との間に。ということはあなたがたが温存しようという機構が余りに儲け過ぎていると思う。我々としてはどういうわけでこういう高い値段で一体割当を買わなければならないのですか、生産業者が……、原油の値段が上つておる……。
#31
○説明員(川上為治君) これは先ほど申上げましたように地方によりましては非常に高い値段もあるということも聞いておりますが、全体的に申しますというと、今一万三千円から一万五千円程度が、これが私はB重油の価格で、事実この価格が最近におきまして全体的に急激に上つておるというふうには私は実は聞いておりません。それから原油の輸入価格、或いはその製品の輸入価路が非常に安いのにどうしてそんなに高い値段になつておるかという点につきましては、これは私は水産業界のほうからの資料をもらつておりますが、この資料について我々のほうも価格についていろいろ当つておりますので、例えばB重油につきましてもいろいろな価格があるわけであります。例えば或る商社におきましては七千八百円程度の値段で入れておるもの、或いは八千円に近い価格で入れておるものもありますし、或る商社におきましては六千五百円程度で入れているものもある。原油におきましても同様でありまして、或る商社におきましては八千円程度で入れておるものもある、それから又或る商社におきましては六千二百円程度で入れておるものもある。而もその原油の質によりましてもいろいろこれは変つておりますので、高いものもあれば非常に安いものもある。それから重油におきましても品質のいいも一のもあれば悪いものもありますので、そういう関係から非常に高いものもあり、安いものもある。そういう関係がありますので水産業界のほうから実は頂いているのですが、この資料のB重油についても六千六百円だというそういう価格につきましてはこれは相当研究しなければならないのじやないかといろふうに考えております。そういう非常に高いものもあれば安いものもある、そういうものもあるのですが、じや不当に儲けておるかという点につきましては、私は現在の重油の価格はこれは決して適正なといいますか、そういう適正利潤と申しますか、それをとつた場合の価格では必ずしもないのでありまして、或る程度高いということはこれは十分我々はその点考えておりますが、ただ現在におきましては、まあそれも公定価格制なりそういうことで抑えるということもできませんし、我々のほうでは行政的に何とか一つそう高くしないで販売しようということも言つておるわけなんですが、これが非常に二万円とか或いは二万円以上ということになりますれば、これは私はどうしてもそういうものに対しては特別な措置を講じなければならんと思つておりますが、実は各地方から我々のほうに、じやどこどこの店が非常に高いので売つているというようなことを言つて参りますれば我々のほうはそれに対しまして処置はとりたいと考えておりますが、今まで直接そういうことについて言つて来ないものでありますから、又地方の通産局長に対してもそういうような話が余りありませんので、実は我々のほうといたしましては今日まで先はど申上げましたやり方で来ておるわけなんですけれども、若し本当に非常に高い値段で売つておるというようなことであればこれは我々のほうとしては何とか一つ措置を講じたいと思つております。ただいろいろ聞きますというと、どうも漁村関係のほうでは金払いが非常に悪いとか、まあ貸倒れが非常にあるとか、そういうこともいろいろ聞いておりますので、そういう方面に対しましては……或いはなかなかそういう方面では売らんぞとか、そういう紛争は私はあるのじやないかというふうに考えております。
#32
○委員長(小林孝平君) ちよつと速記をとめて。
#33
○委員長(小林孝平君) 速記を始めて。
#34
○千田正君 今の外貨割当の問題についてはそれは相当研究する必要があると思いますが、今おつしやつたように或る商社は八千円ぐらいで輸入している、或る商社は六千円だと、これはまあ質において差があつてそういう価格で輸入するということはこれは当然あり得ることと思うが、同一質においてそういう価格の差が相当ひどいということはこれは外貨割当に際しての方針が立つておらんという証拠じやないですか。
#35
○説明員(川上為治君) これは単に品質だけではないのでありまして、アメリカの油とか、或いはインドネシアから油が来るとか、或いはアラビアのほうから来るとか、そういう地域的にも又違つておりますので、一応FOB価格におきましてはこれはまあ或る程度国際的にどこどこの油はどのくらいということは大体きまつておりますけれども、併し運賃の差が非常になるとか、或いは又そういう一応の協定はあつてもそれぞれ油の価格はFOBにおきましても或る程度違う、いろいろな問題がありますので、単に品質だけならばこの値段の差というものはないわけでありまして、そういう輸送賃金或いはFOBの価格が或る程度違う、こういういろいろな事情が織混じつてこういう非常に高いものもあれば安いものもあるということになつて来ると考えております。私のほうは一応外貨割当におきましては基準の価格というものを出しておるわけでありまして、大体アラビアの原油を買う場合にはどのくらい、それからアメリカのやつを買う場合には大体どのくらいという平均といいますか、一応平均価格みたいなことで外貨割当はやつておるわけでございます。
#36
○秋山俊一君 今日はここで一応この問題をとめるそうですが、資料の提出をお願いしたいのですが、先ず全国的に重油、まあ軽油、ガソリンは別といたしまして、重油を配給している配給業者の数がどのくらいあるか、数の問題。それから価格の問題につきまして農業用の価格、或いは工業用の価格、或いは漁業用の価格、文厨房用に用いられる重油の価格、これだけのものの価格が如何ようになつているかという点をA、Bに分けまして、地区的に違えば地区的に分けた資料を次の機会に提出することを委員長におお願いたしたい。
#37
○委員長(小林孝平君) 今の秋山委員から要求されました資料、次の機会に提出願います。
#38
○説明員(川上為治君) 非常に正確な、とにかく価格を出すということは、なかなかこれは困難であるかと考えます。ただ私のほうとしましても、今それほどの権限を持つておりませんので、まあ物価庁なんかありました時分はその調査の権限とか、或いはいろいろな権限を持つていたのですが、現在におきましてはそういう権限を特つておりませんので、まあ我々のほうは行政指導によりまして極力調査はいたしますけれども、非常に正確な調査というのは期せられないということだけは、一つ御了承願いたいと思います。
#39
○秋山俊一郎君 私は只今こういう資料の御提出を願うということは、先ほど鉱山局長からおお話ございましたが、これを需要者団体である業者に外貨を割当てて、業者の配給機関が直接これを配給することになるということについての難点として、中小企業というものの問題を考えねばならん、こういうことを言われた。従つて中小企業に属するところの配給業者はどれぐらいあるか、需要者の数はどれぐらいあるか、この数を一つ考えたいということが一つの問題。それからもう一つは、価格の問題につきましては、先ほど来政務次官も言われておつたのですが、漁業者は払いが悪いから高いのじやないかという懸念もあつたようです。これは私も必ずしも否定いたしません。ということは、今日非常に漁業経済は困難であるという、その一因は油が高いということも因をなしておる。殊に又油が非常に配給が少いということも因をなしておる。従つて特に漁業者の払いが悪いから、油が高いのか、又ほかのほうの油は安く行つているか、その辺も考えたいから、この資料をお願いしたわけであります。その意味で資料の御提出をお願いいたしたいと思います。
#40
○説明員(川上為治君) できるだけ資料は出したいと思つております。
#41
○委員長(小林孝平君) この議題はこれで打切ります。
  ―――――――――――――
#42
○委員長(小林孝平君) 次は英国旗の下における出漁に対する件を議題に供します。出席の政府委員は水産庁長官、寺岡欧州参事官であります。
 委員の各位にお諮りいたします。本件に関しましては、先ず農林、外務両当局の御説明を聞きましてから質疑に移りたいと思います。御異議ございませんか。
#43
○委員長(小林孝平君) 御異議ないと認めます。
 政府委員のかたに申上げます。我が水産業の一部では、英国系資本と提携いたしまして、英国旗の下に出漁することにより、日本政府の出漁許可を受げずに直接北洋に出漁を強行せんとしている計画があります。これは日本政府の遠洋出漁監督権や、日英ソ三国間の漁業問題に大きい影響を与えるものでありますので、当委員会としても深甚なる注目をいたし、この成行きを注視いたしておるわけであります。従つて本問題に関する計画の概要、或いは英国その他と折衝いたしておりますれば、その折衝の経過、或いはこれに関する当局の見解等について、詳細の御説明を伺いたいと思います。水産庁長官。
#44
○説明員(清井正君) 只今お話のありました英国旗と申しますか、英国の業界と提携して、日本の業者が北洋漁業に出漁したいというようなことにつきましては、私どもといたしましては正確な情報は得ていないのであります。ただ新聞記事、或いはその他一般の業界からときどき何と申しますか、個別的な事項についてこういう話があるということを聞いておるのでございますが、未だその全貎についてどういうような計画になつておるか、これが又どういうようなところまで具体的に進行しているかということについては、只今私のほうでは、詳しく聞いておりません。従いましてその計画の詳細がどういうような形になつているか、或いはそれがどういうようなふうに業界に話かけられており、それが又どういうようなことで具体的に現在進みつつあるかということにつきましても、残念ながらここではつきりこういう状況であるということをお話できるようなはつきりしたものはつかんでいないのであります。ただ私どもとして考えますことは、如何にそれが進行しておるかどうかということについての問題といたしましても、とにかくこういうような計画が仮に若しありといたしますれば、又噂によれば進行いたしておるということであります。そういうようなことありといたしますならば、私どもといたしましては極めて重大なる関心を持たざるを得ないのであります。
 御承知の通り北洋漁業は、戦前におきましては、特に日本の業界は非常なこれに対する深い関係を持つておつたのであります。戦後におきましては、当初は試験操業ということをやりまして、すでに三回北洋漁業の鮭鱒漁業に出漁いたしておるのでありまして、来年は四回目の出漁になるのであります。御承知のように、北洋漁業は現在の日ソ間の特殊状態に鑑み、又拿捕等の問題等もときどき起つておるような状態であります。私どもといたしましては北洋漁業に出漁する業者のかたには、この北洋漁業は極めて注意をして規律ある統制をして行かなければならない、而もこれ又漸進的にこれを進行して行かなければならないというような考え方を持つて進んで行つております。業界のかたもその我々の方針に賛成をせられまして、今まで無事極めて順調に、年々その規模を拡張して今日に至つておるようなわけであります。従いまして北洋漁業は昔からの日本人の関係、或いは戦後も日本人がずつと出漁して政府の許可の下に操業をしておられるのであります。而も我が国一般水産業界の観点から申しますれば、北洋漁業というものの今日の日本の漁業界における使命は極めて重要であり、その水産物の金額或いは輸出の観点から見た数量、金額、漁業及び輸出業というような観点から見まして非常に重要な問題であります。そういうようなところであり、そういうような歴史を持つており、又そういうような水産業界における重要性があるというようなところに、仮に外国の関係業者と日本の業者とが提携して出漁するというようなことがここに起るといたしますならば、これ又極めて重要な影響があるものと私どもは考えております。噂によりますれば、政府の許可を受けずして出たいと、こういうようなことであるのであります。若し仮にそういうことであるといたしますならば、私どもが折角努力をいたしまして秩序を保ちつつやつて参りました北洋漁業というものを全くその秩序が混乱される結果となり、将来又外国の資本が北洋漁業に入る兆をなすものと私は考えております。延いてはそれが将来に重要なる影響を及ぼすものであると考えますので、この問題につきましては是非かかることが噂であることを望み、又仮に進行しておるとしますならば、是非こういう問題をやめて頂いて、正常なる政府の許可の下に北洋漁業に円満に山漁されるようにありたいものだと望んでおる次第でございます。ただ具体的な内容につきましては残念ながら御説明する資料を持ちませんので、抽象的に申しましたが、方針といたしましてそういうふうに私ども只今考えておる次第でございます。
#45
○説明員(寺岡洪平君) 実は外務省といたしましても、本件はロンドンから新聞情報として伝えられたものでありまして、その際水産庁長官から主義上の問題としてどういうふうに取扱わるべきか、対英折衝の面からどういうふうに取扱わるべきかというお問合せがございました。外務省といたしまして、英国の船舶が北洋という公海で漁業をするということにつきましては、これは現在漁業協定も何もないわけでございますから、少くとも日英間には漁業協定がないわけでございますから、かたがた英国の船舶が漁業するということにつきましては抗議を申込む余地もございませんので、本件は外交問題にはならないということでお答えを申上げます。但し、これは今水産庁長官から御説明がございましたように、具体的な問題として取上げられたのではなくて、一つの主義上の問題として外務省の見解を申上げた次第でございますので、それ以上につきましてはまだ何ら具体的な発展はございません。
#46
○千田正君 寺岡参事官にお尋ねしたいのですが、これは公海での漁業であるから、国際法上の問題になると相当研究しなければならんと思いますけれども、実際は或る程度も一国の旗の下に操業しておるというと、その国の実績というものは将来の外交上に大きなものを言つて来るのじやないかというような危惧を我々は持つのでありますが、それはしばしば日本の水産問題などにつきましても、日・米・カナダの条約等におきましても、日本の漁業の実績というものが強くものを言つておる。同じように、他国がそこに入り込んで来るというと、実質的には日本の漁区であろろとも、国籍が別の立場においてそういう実績を積まれるというと、そこに一つのその国の力というものが生じて来ると、我々はそういうふうに考えられるので、その点の御見解はどういうふうに考えられるか。
#47
○説明員(寺岡洪平君) 申すまでもなく日本の漁業は現在世界的に発展いたしておりまして、従つて各国といろいろな意味で漁業協定や紛争を生じておることは、御承知の通りでございます。従つて、北洋漁業につきましても、英国と話をするという余地は十分あると考えますが、併しながら私どもの考えによりますと、英国は今まで全然漁業に従事しておらなかつたのでありますので、この際日本側から漁業協定乃至は話合いをするということは、却つて先方の立場を認めることにもなるかと考えております。従いまして、本件がもつとも具体的になりましたときにはそういう可能性も考えられて参りますが、ただ、今千田委員からおつしやいましたように、日本側が北洋漁業につきまして実績を持つておるということは、併しながらほかの国の出漁に対して排他的な態度をとるということにはならないのでございまして、実はほかの国に対しまして日本側が常に主張しておりますことは、公海における漁業は自由であるという原則に立つて主張をしておりますので、北洋漁業についてだけ或る程度の排他的な立場をとるということは、却つて主義上にも日本の立場に悪い影響を与えるのではないかという私見を附加えさして頂きます。
#48
○千田正君 そうすると、日本としましては、いわゆる領海以外は公海自由の原則であるから、堂々とこれは操業できるのである。我々もそういう立揚から、支那海の問題、或いは日本海の問題等についても主張して来ておるのでありますから、そういう問題が起きた場合においても、排他的にほかの国をどうということは言えないのだが、併し問題はそれに従事する日本の漁民の自粛なり良識に待つよりほかはないのだと、こういう結論になるわけでありますか。
#49
○説明員(寺岡洪平君) 日本の漁業政策につきましては水産庁の御意見によりたいと思つておりますが、外務省といたしましては、飽くまでも公海における漁業は自由であるということについてお説の通りに考えております。
#50
○秋山俊一郎君 先ほどからのお話によりますというと、これは新聞その他の噂程度のものであるということでありまして、具体的の何ものもないそうでありますが、私どももかなり以前からこういう話は噂としてちらちら聞いておりましたけれども、いやしくも日本人としてかような計画を立てるはずはないというふうに、単なる一つのデマとして我々は受取つておつたのでありますが、最近だんだんそれが事実らしくなつて参りまして、昨日か私のところに手紙が参つております。千葉県のかたからの手紙が参つておるのでありますが、今聞きますと森崎さんのところにも来ており、千田さんのところにも来ておるかも知れませんが、そういうふうに国民のこれに対する関心はだんだんと新聞等によつて高められて来ておりますし、関心ということは、賛意を表する意味ではなしに、非常な反対の意味の関心が強まつておるように思いますが、これは私は当然のことだと思います。先ほど水産庁長官から説明がございましたように、日本が東に向つても、西に向つても、或いは南に、北に、すべて日本の漁業というものは海外に発展しつつあるが、これは日本政府の深甚の考慮の下に、外国の権益を侵さない、又公海における自由にやれる範囲においてその資源を枯渇せしめないというような配慮の下に、いろいろ規制をして漁業経営を進めて参つておるのでありまして、これをこの規制の範疇に入つてそれ以上にできないからと言つて他の外国の旗印の下にこういうことをやるということになりますと、先ほどのお話のように、根本的にこれは崩れて来る、日本の漁業政策、水産政策というものが根本から覆えされて来ることになるわけでありますが、今のお話によりますと、どういう方法でこれを進めておるか知りませんけれども、外務省当局の話、或いは水産庁長官の話によりましても、日本の法律において抑えることができ、ないようなことであるとするならば、日本政府に何ら申請する必要も何もないわけでありまして、具体的にはわからないことです。若しそうであつたとした場合に、ただ手を拱いて見ておつていいものかどうか、この問題であります。若し日本政府に何らかの引つかかりができて来れば、そこで抑えるという手はあるかも知れませんが、若しそうでなかつたとするならば、ただ具体的にはわからんわからんと言つているうちにでき上つてしまうかも知れない。そういうことに対して水産庁としてはどういう考えを持つておられるか、これは仮定の問題じやなくして、現在この噂が相当深刻に伝えられておるのでありますから、これが法規上の手続を要せずに、日本国政府の手続を要せずに進行した場合に、水産庁の今までの水産行政に対する影響から考えて如何なることをなされるつもりであるか、もう何もぜずに止むを得ないということになるか、この点を一つ伺いたいと思います。長官は今度お代りになりましたが、今までこの問題については随分苦労をされておると思いますので、そのお考えをいずれ後任のかたにお引継ぎになると思いますが、この点を一つ伺いたいと思います。
#51
○説明員(清井正君) これは全く噂で根も葉もないということを申上げたわけではございませんので、そういうふうな計画のあることを事実話を聞いておりますけれども、ただ役所として正式に説明を聞いておる機会もありませんし、又具体的にどういうふうに進行しておるかということを知りませんということを実は申上げたわけであります。ただ私どもといたしましては、根本的な考え方は先ほど申上げた通りの考え方であります。併しこれを法律的に検討いたしまする場合において、仮にこういうような出漁が計画されるといたしましたならば、日本の現在の漁業関係の法律上でどういう関連を持つかということについていろいろ検討をいたしております。これがどういう形態で進行しておるかということによつて、それぞれ適用の法律が違つて参ります。考えられる法律といたしましては、漁業法が先ず第一に考えられる。それから船の関係で海上運送法の問題、或いは為替その他の外貨の関係で外国為替の管埋法、或いはそれに関する法令等、或いはその他にもいろいろあるかと思いますが、ちよつと考えただけでもそういう問題があるわけであります。そういつたような問題につきまして、私どもといたしましては根本的にいろいろ検討を加えておりまして、私は何ら日本の法律によらずしてこの出漁ができるものとは思つておりません。これは出漁するといたしますれば、必ず日本の法律による許可、認可、或いはその他のことに引つかかるだろうと私は思つております。そういう観点で検討を実は進めておるのであります。併しそれと同時に、根本的な考え方は先ほど私が申上げた通りであります。そういうことで、私ども今水産庁といたしましては、事務的にいろいろ考究し、又同時にいろいろなことにつきまして関係方面といろいろ相談をいたしておるような事態でございますので、御了承をお願いいたします。
#52
○千田正君 先ほど寺岡参事官からお答えもありましたが、そういうふうに考えて来ると、どうもこれを計画されている人たちの考え方は、やはり北洋という誠にいい漁場が見つかつて、それが一つの許可制に基いて相当の漁獲高を挙げている、その許可から外れておる人たちがやりたいのだけれども、食つて行けないのだ、漁業経営の立場から、とにかく自分らの生活のためにも或る程度そういうふうな方法をとらなければやつて行けないのではないかというようなことで、一つの生活方式として外国船に頼つて、外国の国籍の下に漁撈をやつて自分らの漁業経営というものを立てて行くのだという考えからスタートしておるとするならば、今の北洋漁業に対する許可制という問題に対しては、相当これは慎重に考えなくちやならない問題ではないかと思いますが、その点については水産庁長官はどういうふうに考えられますか。
#53
○説明員(清井正君) この北洋の許可の問題につきましては、先ほども申上げました通り、第一年日は本当の試験操業ということで、これはむしろ業界のかたは進んで行くことを欲せられなかつたのでありますが、特に慫慂して行つて頂いたのであります。試験操業の時代が二年続きまして、第三年目は本格的な操業を始めたのであります。引続いて今度は第四回目になるのでありますが、先ほど来お話のありました通り、八方塞がりと申しては語弊がありますが、相当障害の多い遠洋漁業の中で、北洋漁業は堅実に発展をしておりますので、非常に業界の北洋漁業の鮭鱒に対する出漁希望は多いわけでございます。只今私のところに参つておりますものも相当ございます。東のべーリング海はもとより、カムチヤッカ方面につきましても今度出漁したいという希望があるのでございます。カムチヤッカ方面につきましては、対ソ関係等がございまして、昨年も実は非常な希望があつたのでありますが、これはもう少しということで実は私どもは許可をいたさなかつたのであります。本年はもういいだろうということで、相当の船団で出漁いたしたいという希望が出て参つております。相当数両方合せて出ておるのであります。そこでこれに対して如何なる措置をとるかということでありますが、これは私どもといたしましても、たびたび御説明申上げる機会があり、又皆様御承知の通りでありますが、まあ漁区は或る程度ございましても、実際の魚道というものが或る程度きまつておりますから、そこに流綱操業をいたしまするわけでありますから、相当の漁場の混乱が起きることも考えなければなりませんので、やはりそういつた面からの統制と申しますか、秩序維持という観点から、そう何でもかんでも無制限に殖やすということにはならないのでございます。併し、これは相当数の独航船を殖やし得るという確信は持つております。昨年は百六十隻の独航船と四十ぱい程度の調査船が出たのであります。総計二百隻程度の船が操業いたしたのでありますが、本年は更にこれに、相当数と申しますか、とにかく相当数の独航船の増加を見るという考え方を持つております。
 但し、これがどの程度殖やし得るかということにつきましては、目下実は検討いたしておるところであります。そこで、そういつた場合に、それでは母船側のほうの希望者をどうするかということであります。御承知の通り、母船と独航船とは共同出願、共同許可という関係になつておりまして、本当に魚をとるのは独航船であります。従つて、漁獲量をうんと殖やすためには、独航船が殖えればいいわけであります。併し、そこにも母船とマッチしなければならん経営上の問題がございます。母船の量と申しますか、母船の経営規模と申しますか、大きさですね、それとそれに附属する独航船の数というものが、その母船が或いは缶詰め罐詰ラインを持つておるとか、或いは冷凍の施設しかないというようなことによりましても違いますし、まあいろいろな観点からいたしまして、非常にその辺にむずかしい問題があるわけであります。そういうように相当数殖やし得る独航船というものに対して、非常に多数の希望がある母船の出漁希望というものが、どういうふうにこれがマッチするものであるかということについて、相当そこに考えなければならん点があるのであります。殊に昨年の許可につきましては、御承知の通り、実は競争形式をとりまして、最低十四ぱいの独航船をつけて出漁した母船が二つあつたわけでございます。まあ多少無理であつたかも知れませんが、とにかく出漁をいたしたようなわけでありますが、そういうようなことがありますので、そういつたような或る程度の手直しを実際上見なけれぱならんという点も考えられます。いろいろな点を十分考えますが、特に実績船団はパイオニヤ的なことから出ておるのであるから、これは是非とも実績者としては大いに優先的に考えてもらいたいということを熱望しておられますし、新らしく入られるかたは、とにかく北洋海面というものは非常によい漁場だし、而も又これが少数の者に独占されるということになつては困るから、とにかく希望者をどんどん認めてもらいたいということを熱望いたしております。又私どもといたしましては、やはりこれは独航船との契約の問題であります。御承知の通り、これは舷側による売魚契約をやつておりますから、そういうような形で、やはり母船側を認める場合にも、独航船に対して或る程度迷惑をかけないような経當規模でなけれぱならんし、その他の条件も揃つていなければならんということでございます。そういうような条件を睨み合せて、即ち或る程度殖やし得る独航船と、母船の多数の希望者の中のいろいろな御主張と、それから今のような母船希望者の中の本当の能力があるかどうかという問題、今お話のありました英国と提携して漁をするというようなことも、水産庁と申しますか、政府が非常に許可母船をしめておるからその落ちこぼれが損をするというようなことを一部の者が出すのでありますが、果してどうかわかりませんけれども、そういつたような事情も我々といたしましては虚心坦懐に考えなければならないのでございます。いずれにいたしましても、これを殖やすとか殖やさんとかいうことは、ちよつと今私が申上げるのはいささか早過ぎるわけでございまして、私が申したことによつて影響が及ぼしても如何かと思いますので、この点は私としては、どうするかということについては決して今はつきり申上げる段階ではございませんのでありますが、とにかくそういつたようないろいうな条件を勘案いたしまして、この問題につきましては十分いろいろな角度から検討を重ねまして、これは成るべく早くきめませんというと、業界のかたもお困りになるのでありますから、そういうようなことで検討を進めておる撮中であります。
#54
○千田正君 最後に一点だけ、この英国旗の旗の下にやるというような問題は、これは非常に日本の漁業にとつて大きな問題ではないかと思います。単に北洋に限られた問題ではなく、然らば現在インドなり、或いはインドネシアなり、或いは朝鮮、場合によつては今度日本の漁業のかたがたが中国に行かれていろいろ話を進めて行くというようなときに、漁業経営の実態の面からいつて、外国のいわゆる旗印の下に日本の漁民がそこに行つて自分らの稼ぎ場を見つけて行くというような問題というものは、相当これはからみ合つて来ると思いますので、よほど水産庁としてはこの問題に対しては慎重にして、日本の将来の漁業の発展という意味からいつても、又国内の漁業の統制と言わなくても、少くとも水産行政の売全を期する上からいつても重大な問題だと思いますので、この点については或いは明言は避けられるかも知れませんが、長官は今日はやめられて別ないいほうへ行かれるらしいのですけれども、この問題だけは非常に我々としては頭が痛いのですから、十分あとに来られる長官に対してもこの問題についてのあなたのお考えも十分述べて行つて頂きたいと思います。私は質問はしませんが、この点は非常に重大だと思いますので、一言栄転されるに際しまして要望しておきます。
#55
○説明員(清井正君) 只今御要望として承わつたのでありますが、これはお話の通り単に北洋だけの問題にはとどまらないと私は考えます。これはたまたま問題が北洋について起つたのでありますが、こういうような考え方は北洋以外のほかの漁業にも同時に、いろいろこのような考え方が行われる端緒となるということも私は心配いたしております。それが一つと、もう一つこれが仮に行われました場合に、いわゆる輸出品としての罐詰の問題があります。これが仮に関税がとられないで無税で行くというようなことになりますというと、そこに非常な問題がある。それは申すまでもないことでありますが、併しそこまで行くかどうかが問題でありまして、その問題も考えなけれぱなりませんが、そういうふうにこの問題はとにかく我が国の水産行政の上から非常に重要な問題であるということを十分認識いたしておりますので、この点は私どもといたしましても十分考えて行きたいと存じております。
#56
○委員長(小林孝平君) ちよつと寺岡参事官にお尋ねいたしますが、本問題について英国側と具体的な、具体的じやなくても何らかの交渉をおやりになつたか、ならないか。
#57
○説明員(寺岡洪平君) 先ほど申しましたように、ロンドンからの情報がございましたので、私はイギリスの大使館と情報についてお話をしたことがございます。その際向う側は、若しこういうようなことがあつたとすれば、日本側はどう思うかという質問がございましたので、私といたしましては、日本の水産行政の立場並びに北洋漁業というふうな観点から説明をいたしまして、英国旗による操業ということは甚だ迷惑であるという点は十分説明をしておきました。但しその際英国大使館としては、本件のごとき契約が若しあるとしても、これは英国政府として差しとめるという立場には全然ないし、殊に公海における漁業であるからこれをとめるということはできないというふうな説明がございました。但しこれは非公式の段階においていたしました会談であることを附加えておきます。
#58
○委員長(小林孝平君) そういう具体的なお話合いがあつたのですが、これは今この委員会の各委員からの発言をお聞きになるまでもなく、非常に重大な問題でありますので、一応そういうお話がありましたけれども、更に今後強力にこの阻止方をイギリス側に交渉される意思があるのかどうか、この点をお伺いいたします。
#59
○説明員(寺岡洪平君) 私事務当局だけの見解として申上げますが、先ほど千田委員からも御指摘がございましたように、本件は国際法上の問題にはまだならない。それから北洋漁業につきまして英国が今まで全然実績がないのでございますので、これと漁業協定をするごときことはまだその時期でないと思うし、従つて日本といたしましても、できるだけ国内的の手続といたしましてこういう契約が成立しないようにするのが一番の得策でございまして、これを国際問題として取上げますのは材料といたしましても甚だ不利な問題であると考えます。
#60
○委員長(小林孝平君) それならばお尋ねいたしますが、先ほど水産庁長官からこれは外国為替管理法、或いは海上運送法、或いは漁業法等の諸国内法に何らかの形で引つかかる、こういうようなお話でありましたけれども、それは引つかかるかも知れないけれども、引つかかつた結果、これらの法律によつてこの計画を阻止できる見込があるのかないのか。引つかかることは引つかかるけれども、それが完全に阻止できる見込があるのかないのかということを水産庁長官にお尋ねすると同時に、今寺岡参事官は国内法で以て処理するのがいい、こういうふうに考えておられるというのですが、その考えた結果、これらの法律によつて阻止できると考えてそういうことを御答弁になつたのかどうか、お二人からそれぞれ御答弁を願います。
#61
○説明員(清井正君) 日本の法律と無関係にやれるかという御質問でございましたので、私は先ほどお答え申上げたのでございますが、これは検討中でございます。これはどの法律、どの法律ということをはつきり実は申上げられないのでありますが、先ほどちよつと考えただけでも、漁業法、或いは海上運送法、或いは外国為替管理法等に関係があると思われる、従つてそういうような法律における許可或いは認可等の措置と無関係に、仮にこの問題が実現されるとしても、行けるというふうには考えておらんということを申上げたのでありまして、そういうような観点から只今私どもといたしましては事務的に検討いたしておるのであります。そこで全般のこの問題に対する処置と申しますか、方針といたしましては、先ほど私が考えた通りの方針で行きますので、その方針に副うて私どもは今後善処いたしたいと、こう考えております。
#62
○説明員(寺岡洪平君) これは飽くまでも事務的のお話として申上げますが、私の答弁いたしましたのは英国旗による漁業ということでございまして、つまり英国旗であるということは英国の船舶であるということなのでございます。その限りにおきまして日本政府としては只今操業を阻止することは公海の漁業は自由であるという日本の根本的立場から考えまして不利であると考えておつたわけであります。但し具体的な問題といたしまして、日本の漁船がどういう形において英国旗を掲げるかどうかということにつきましては、これはいろいろな問題がございまして、果してどういうふうな具体的な方法によつてそれを実現しようとしているかということにつきましては、まだはつきりしたことがわかつておりません。それで最も簡単な方法は日本の漁船を先方に売渡す、一時的にでも売渡す方法でありますが、こういうふうな場合であれば、直ちに英国国旗を掲げることができる、但しその場合は水産庁長官も言われましたように、これは外貨割当とか或いは契約の問題ということで日本政府の許可事項であるというふうなことで処理し得る。ただそのほかの方法といたしまして、どういうふうにして英国旗の下に日本船が行動できるか、実際上の日本船が英国旗の下で漁撈できるかということにつきましては、私どもも今まだ智恵がないのでありまして、関係の業者のほうでどういうふうに考えておるかということも具体的にわかりませんと、私どもの対策はないわけでございます。先ほど御答弁申しましたのは主義上の問題といたしまして、英国旗を掲げた船舶が公海において漁業を行うということにつきましては、干渉の余地がないというのが外務省の見解であると申しましたので、具体的のケースは具体的の契約或いはその他について考えませんと、私どもの対英交渉の余地があるかどうかということはまだはつきり申上げるわけには行かないかと思います。この点御了承願いたいと存じます。
#63
○森崎隆君 ちよつと速記をとめて頂きたい。
#64
○委員長(小林孝平君) 速記をとめて。
#65
○委員長(小林孝平君) 速記を始めて。
 もう一点お尋ねいたします。これはソ連との関係が極めて密接だと思うのです。それで将来の日ソの漁業問題にどういうふうな影響があるということをお考えになつておられるか、外務、農林両当局のお考えを伺いたい。
#66
○説明員(清井正君) これは外務省と相談をいたしておるわけではございませんが、私だけの今の咄嗟の考えでございますからお許し願いますが、ちよつとこの点申上げておきますか、先ほども噂があるということで不満だとおつしやいましたが、全然事実がないということを私は言つているのではない、政府として正式に調べたことでない、ですから具体的にどういうふうになつておるかということを具体性をつかんでおらない、併しこういう話が進行しておるということは知つておる、こういうことでございますからこの点は御了承願います。仮に計画案によりますと、いわゆるソ連の十二浬まで操業できるのだ、こういうようなことを言つているというふうに聞いておりますが、そうなりまして仮に十二一浬自体に問題がある。日本政府としては十二浬を認めておるわけではございませんが、ただソ連が十二浬と言つておるということであります。その十二浬まで出て操業するということでありますが、仮に十二浬きちつとやると申しましても、漁業の問題でありますし、流網のことでありまするからうつかりすると十二浬の中へ入つてつかまるようなことがあるかもわからない。仮にソ連が自分の領海に入つて来たということで拿捕したということが仮に起つたといたします。そうした場合にこれが英国の操業であるのか、日本人の操業であるのかよくわからない、顔を見ると日本人だというようなことになつたりいたしますというと、日本というのはどういうような考えで一体漁業をやつておるのだろうかというような感じを相手国に持たせることになりはしないか、というような実は感じを持つておるわけです。そういたしますと、そこに非常な正式な許可でちやんと統制を守つて出ておるのですが、そういうようなことが起つたことによつて全体に対する非常な不信用と申しますか、非常なソ連に対して悪影響を与えるのじやなかろうか、こういうような考え方を実は持つておるわけでございます。それかどういうようなことになるかということはこれは全く想像のことでありまして、仮にという話でありますからそういうようなことも心配いたしますので、とにかくこれは北洋漁業というものは政府の許可の下に統制ある操業をやつて行きたいという一願で私のほうは今努力しておるということでございます。
#67
○説明員(寺岡洪平君) これも先ほど申しましたようにロンドンの新聞情報でございましたが、要するにイギリス側は今年の初めから英ソ漁業協定というものを結びたいと努力して、それは要するに英国も三浬というものを領海と認めておる、然るにソヴイエトは十二浬を認めておる、そこで十二浬と三浬の間の地域について英国船が漁業ができるということについてソ連側と協定をしていたようであります。併しそれが実は駄目になりまして、ソヴイエト側がそれを容認しなかつたということから本件の漁業も実は当初は三浬、十二浬の間をやるはずのものが十二浬から外、そして日本が制限しているところの三十浬の問をやりたいというふうに変つて来たと伝えられます。従いましてこれはソ連側といたしましては、要するに十二浬の外の問題であるとすれば何も文句を言う筋合いのものではないと考えておりますが、併しながら間接に聞くところによりますと、現在までソ連側は日本の北洋における漁業については別に文句を言つておらんということから見ましてかなり満足しておるように思えます。このたび英国国旗下で日本船が出漁するということにつきましては、正式なものではございませんが、今水産庁長官が言われましたように、これは好まないのではないかというような印象を受けております。併し法的には少くとも十二浬の外でやつておる限りにおいてソ連側は何も文句を言う筋合はないという日本側の解釈であります。
#68
○千田正君 非常にこれは重大な問題ですから……。
#69
○委員長(小林孝平君) もう一点水産庁長官にお尋ねします。仮にこういう出漁計画があつた場合に阻止できればいいです、阻止できないでだんだん計画が進み、その際に資金が要る、そこで政府資金が必要である、こういう要求があつたときに、そういう資金を農林漁業金融公庫等から融資をされますか、阻止されますか。
#70
○説明員(清井正君) これもまあ先ほどお答え申上げた中に含まれると考えますが、これはとにかく法律問題に入る前に私どもといたしましてはこういう計画は如何なる観点からいつても容認できない、是非こういう計画はやめてもらうということで今折角努力をしておるということを申上げておるのでありまして、従つてそれに関連して北洋漁業の漁区についての只今御批判を受けたようなわけでありますが、只今の北洋漁業の問題につきましてはいろいろ諸般の事情を勘案して近々に決定の運びにいたしたいと相談をいたしておる状況でありますが、今言つたような根本方針に基いて私ども行動いたしておるのでありまするから、今後これに関連いたしまして政府でとらなければならん措置が仮に起つて参るといたしましても今私が申上げたような観点でこの問題には対処して行くのであります。従つて融資等の問題が起りますような段階になりますれば、なるかどうかわかりませんが、仮に融資の問題が起る段階になり、或いは法律上の問題が起る段階になるといたしましても私の今の考えはちつとも変つておりませんので、その考えの下に行動いたしたいと思います。
#71
○委員長(小林孝平君) もう一点お尋ねいたしますが、先ほどは非常にこれは具体的に水産庁、農林省としてはこの計画を調査したことはないと、こうおつしやつているのです。こんなに具体的になつておるのをなぜその計画立案者を呼んで積極的にその調査をされなかつたのですか。外務当局でもロンドンの電報で以て英国大使館とまあ公式のものでないけれども或る程度やつていられる。こういうようないろいろの問題で各地から投書が水産委員に来ておる。それで非常に重要な問題なのになぜこれを進んで調査をされなかつたのですか。これは何か調査をやると差支えがある、或いは非常に圧力が来るというようなことを考えて遠慮されたのですか。
#72
○説明員(清井正君) いえ、別に遠慮したわけではありませんし、圧力があるわけでも何でもございませんが、私どもといたしましては、この問題に対処いたしますのには、いろいろな方法があると思います。これを実は詳しく申上げるあれもないのでありますが……。
#73
○委員長(小林孝平君) 詳しく話して下さい。
#74
○説明員(清井正君) こういうようなお話を聞きまして、それに対してどういうふうに事務的に措置することがこの問題を阻止するために一番いいかということを我々は事務的に実は検討いたしておるのでありまして、いきなり関係者を呼んでどうなつているかということを聞くのも一つの方法でありますが、併しそうではなくて、いろいろ周囲の事情を聞いたり、或いはいろいろな関係省との打合せをしたりして相当な準備をして、然る後にいろいろの措置をとることも必要かと思いますが、いずれにしろ、私どもといたしましては、この問題につきましては、先はど申上げた通りのような方針に副つて、その方針に副うのにどういうふうにしたら一番いいかということをいろいろの観点から考えて行動をいたしておるような次第であります。
#75
○秋山俊一郎君 もう私言うまいと思つたが、長官恐ろしく警戒しておられるのですが、あなたはその契約書御覧になつたことありませんか、イギリスとの……。
#76
○説明員(清井正君) 見ておりません。
#77
○秋山俊一郎君 あなたの水産庁の中ではそれを示して法律にこれが触れるかどうか調べてくれということまで言われたということを私は聞いておりますが、そんな事実はありませんか。
#78
○説明員(清井正君) ちよつと御質問があれですが……。
#79
○秋山俊一郎君 イギリス商社との契約を持つて来て、こういう契約で行く場合に日本の法律に何も触れるところがないのか、どこが触れるかと言われたというような話を聞いておりますのですが、そういうことは耳にしておりませんか。
#80
○説明員(清井正君) 契約書については事実私存じておりません。
#81
○委員長(小林孝平君) ほかに御質疑ありませんか。
 それならば本件に関しては質疑をこれで打切りまして、次回の委員会は適宜皆様の御都合を考慮いたしまして招集いたしたいと思いますがよろしうございますか……。さよう取計らいます。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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