くにさくロゴ
1954/12/03 第20回国会 参議院 参議院会議録情報 第020回国会 郵政委員会 第1号
姉妹サイト
 
1954/12/03 第20回国会 参議院

参議院会議録情報 第020回国会 郵政委員会 第1号

#1
第020回国会 郵政委員会 第1号
昭和二十九年十二月三日(金曜日)
   午後一時二十五分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     上原 正吉君
   理事      瀧井治三郎君
          池田宇右衞門君
           中川 以良君
           柏木 庫治君
           廣瀬 久忠君
           永岡 光治君
           三木 治朗君
           最上 英子君
           八木 幸吉君
  ―――――――――――――
  委員の異動
十二月一日委員中川以良君辞任につ
き、その補欠として岡崎真一君を議長
において指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     上原 正吉君
   理事
           柏木 庫治君
   委員
          池田宇右衞門君
           廣瀬 久忠君
           永岡 光治君
           三木 治朗君
           最上 英子君
           八木 幸吉君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  説明員
   郵政大臣官房人
   事部長     宮本 武夫君
   郵政省郵務局長 松井 一郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○郵政事業の運営実情に関する調査の
 件
 (報告書に関する件)
 (郵政省職員の給与改訂等に関する
 件)
 (韓国発行の所謂竹島郵便切手の問
 題に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(上原正吉君) 只今より委員会を開会いたします。
 先ずお諮りいたします。理事が一名欠員になつておりますので、この補欠互選を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(上原正吉君) 御異議ないと認めます。つきましてこの理事の補欠互選の方法は成規の手続を省略いたしまして、委員長指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#4
○委員長(上原正吉君) 御異議ないと認め、私より理事に柏木庫治君を指名いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(上原正吉君) 次に郵政事業の運営実情に関する調査についてお諮りいたします。
 本件につきましては閉会中調査いたしましたが、完了するに至りませんでしたので、本院規則第五十五条により調査未了報告書を提出いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(上原正吉君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。この報告書の案文の作成及び提出の手続等は、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(上原正吉君) 御異議ないと認め、さよう取計らうことにいたします。
 なお、この報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますので、順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    柏木 庫治  池田宇右衞門
    廣瀬 久忠   永岡 光治
    三木 治朗   最上 英子
    八木 幸吉
  ―――――――――――――
#8
○委員長(上原正吉君) 次に郵政職員の給与改訂等に関する件を議題に供します。
 只今政府側から郵政省松井郵務局長、八藤経理局長、宮本人事部長、土生給与課長、この四人が見えております。御質疑のあるかたは順次御発言をお願いいたします。
#9
○池田宇右衞門君 従業員の賃金について、同じ関係を持つておりました電信電話公社方面の給与と睨み合せてどの程度の差がついているか、平衡であるかどうかこの一点と、新聞紙上伝うるところによれば、年末を控えてすでに百万の滞貨物がある、そしてこの滞貨物が順次増加する傾向にありと、かように報道されておるのであるが、若しそういうことがありとしたならば、賃金問題とこれが関連を持つ上において、甚だそこに国民から離れるとし、国民の信頼を裏切るというような見解から鑑みまして、当を得ないというようなことも生じやすいのであります。どこまでも公共の福祉を原則として立つ郵政省職員とし、公務員としてはそうありたいのでありますが、この点について先ず二つの問題を尋ねしたいと思います。
#10
○説明員(宮本武夫君) 第一点のお尋ねの点でございますが、電信電話公社の職員の給与と郵政の職員の給与がどういうふうになつているかというお尋ねでございますが、大体現存におきましては同じ程度であると、こう申上げて差支えないと思います。
 それから第二の点でございますが、御承知の通りこの問題をめぐつて賃金の問題、或いは年末年当の問題をめぐりまして、先般から組合が実力行使を再三に亙つて行なつた次第でございます。最も最近にやりましたのが先月の二十五日から二十七日までのことでございます。その前に二回ほどございました。郵政業務に対する影響の点につきましては、私から申上げるのも如何かと思いますが、二十五日から二十七日までの最後のものを除きまして、その前の二回のものにつきましては、極く若干の局におきまして、或いは郵便物の持戻り或いは郵便配達の欠便と申しますか、これが極く少数の域においてあつたようでありますが、全体的にはさしたる支障がなかつたものと私どもは見ております。二十五日から二十七日の実力行使は、これと若干趣を異にいたしまして、二割休暇戦術に定時限庁を併せまして実力行使が行われました。尤も二割休暇と申しましても、私どもの現在わかつておる程度におきましては、大体全国を平均いたしまして一二%乃至一四%程度の休暇者があつたようであります。この休暇率の状況はその前の二回の実力行使に比べまして、特に多いということにはなつておりません。ただ、只今申上げました通りに定時退庁がこれに加わつて行われました関係上、前の二回の実力行使よりは物の停滞と申しますか、そういう業務上の支障が若干あつたように私どもは観察いたしております。併しながら二十七日以後今日までにおきまして、地方の状況はまだ報告に接しておりませんが、恐らく地方も同様かと思いますが、これを東京都内の、殊に東京の最も代表的な中央郵便局等について調べてみますれば、二十七日以後今日までにおきまして、その滞貨されたものも逐次減少をいたしておりまして、決して二十七日以後滞貨が漸次増大しておるということにはなつておりません。速かにいろいろな非常勤の雇い上げ、その他の方法を以ちまして、この若干たまつておりますものを、速かにこれを回送すべく大いに努力をいたしておる次第でございます。又それに関連してのお尋ねでありますが、勿論我々は郵政事業の公共性をよく認識いたしまして、一般社会の利用者のかたに御迷惑にならんように、極力あらゆる方策を講じまして、万遺憾なきを期して行きたいと考える次第であります。又一方組合との関係におきましても、御承知の通り調停案は組合側の拒絶によりまして不成立になりましたが、調停案の内容をなしておりますところの八項目につきましては、すでに両者間の団体交渉に入つておる事項もございます。これらの調停案の趣旨をできるだけ尊重いたしまして、今後両者間の団交を進めましてその間できるだけ善処いたしたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
#11
○永岡光治君 只今調停案の問題が議題とされておりますが、これについて当局のほうの最近の情勢をお尋ねしたいわけですが、取りわけこの調停案に示されました主文の三項目、三項目に亙つてなされておりますが、これは恐らく調停案を示される際に郵政当局もその内容を質されたと考えるのであります。でなければ余り意味がないであろうと思うのでありますが、この一項から三項目に亙つての調停委員会の審議といいますか、そういうものを質して、それに対して郵政当局はどのようなことを具体的にこの項目に従つて実施しようとしているのか、その点の最近の経過を一つ御報告願いたいと思います。
#12
○説明員(宮本武夫君) 調停案についてでございますが、まず調停案の審議の途中におきまして、調停委員会は私どものほうのいろいろ事情の聴取或いは意見というものを徴せられまして、それぞれ申上げたのでございます。調停案は主文が三項目にわかれております。
 第一項目は、現在の賃金体系を事業の実態に応ずるがごとく、これを改訂すべしという項目でございます。この点につきましては、先ほどお答え申上げました通りに、すでに組合からの要求に基きまして、現在の給与体系を郵政事業の特殊性に応じたごとく、これを改正しようという話が出まして、私どもも勿論これに異論がある筈はないのでありまして、先般から実はこの団交が始められて、目下継続中でございます。その実情は、大体省側のこれはまだ極く具体的な細目的なところまで確定いたしたものではありませんが、大体省側の考えているところを案に盛りましてこれを組合側に示しまして、一応その趣旨なり或いは内容を説明いたしまして、これに対してまだ組合からの正式な回答には接しておりません。いろいろ又組合側の意見があるだろうと思いまして、今後専門委員会におきまして、これを具体的に且つ細目的にいろいろ両者が話合い、検討して行きたい、こういうふうな状態でございます。従いまして調停案の審議の途中におきましても、調停委員会に対してその諸般の事情のことを申上げまして御了解を求めておいた筈でございます。
 第二項はあとにいたしまして、第三項の問題につきましても第一項と同様でございまして、私どもは新らしく賃金体系を考える場合に、当然昇格、昇級の制度を考えなければならんのでありまして、これと併せ考えて行くつもりであつたのでありまして、従いまして調停委員会に対しても昇級、昇号の問題につきましても、今後団交によつて話をきめて行きたいということを申上げたのでございます。
 第二項は、職員給与の不均衡を是正すべしという項目でございます。この点につきましては、確かに調停委員からそういうふうな点のお尋ねもありました。併し職員の給与の不均衡といいましても、これは非常に、何と申しますか、失礼な言分かも知れませんが、非常に漠然とした表現でございまして、一応抽象的には給与の不均衡を是正しなければならんということは当然であります。併しながら私どもとして勿論それにやぶさかではないのでありますが、この問題をとり上げるにつきまして、やはり今までのいろいろな経過なり事情がございまして、従来まで何回となく団交その他によりまして不均衡は是正したものもあるのでございます。で、そういうふうな点を考えまして、すでにそういうふうに解決されておりますものにつきましては、勿論これは問題とすべきでなく、それ以後においていろいろな事情の下に若し不均衡を来たしてあるものがあるとすれば、我々としてこれが是正は十分やるつもりであるということを申上げまして、実は調停案の第二項に謳われております、殊にその理由に述べられてありまするごとき広範囲なものは、我々としてこれを考えることは非常に面倒であり、又考えることが妥当でないというふうに、これはよく念を押して申上げておいたのでございます。
 併し実際の調停案は私どもの考えと若干へだたりを見せました結果になつたようなことでございます。従いましてこの調停案につきまして、先ほど申上げました通りに、組合は全面的にこの調停案を拒否したのでございます。私どもといたしましては調停案の三項に亙りまして掲げられましてありますことは、以上申上げましたような我々の考えと申しますか、これを留保いたしますれば、我々として別に異論を挿む余地はないと考えている次第でございまして、従いましてその点に関する省側の見解と申しますか、考えを明らかにいたしましてこれを受諾したと、こういうことに相成つている次第であります。
 以上でございます。
#13
○永岡光治君 そうすると、まあ当局のほうはこれを調停案通り受諾したということではなくて、一つの条件を付して受諾したと、こういうことになると思うのですが、そういうことでよろしいのでございますか。
#14
○説明員(宮本武夫君) 只今の御質問でございますが、組合のほうがこれを拒絶せず、仮にこれを全面的に受諾と、こういうことになりますと、その点が省側のそういう態度と申しますか、調停案に対する回答が非常に、まあ何と申しますか、デリケートなことに相成ろうかと思うのでございます。事実におきましては、一方が拒絶いたしましたから不成立になりました。従いまして省側の見解そのものによつて調停案をどうこうするということには相成らんと思います。
 お尋ねの点でありますが、私どもは殊に第一項と第三項につきましては、調停案自体におきましても、その理由において目下これは継続中なことでもあるから、大いにこれをやれ、こういうふうにとりましたし、又第二項につきましては、只今申上げました通りに、我々と調停案の狙いは必ずしも一致していないようでありますが、併しこれは全面的に私どもがこれを拒否するつもりもございませんし、そういうふうな見解を付して実は御回答申上げたのであります。これを条件付きと見まするか、或いは又省側のただ見解の表明、考えを明らかにしたということはまあ取り方によつて違うかと思います。
#15
○永岡光治君 それで実はこの第二項目について今朝ほど私或る手紙を頂きまして、いろいろこの給与の不均衡に対して悲観をして、実にみじめな生活にある三十二歳になる職員の書面を今日拝見して、実に私も意外に思つたわけですが、元水路部の職員でして、三年半ばかり在職したのが、途中戦争で応召になり、その後帰つて来てから郵政省に勤めるようになり、今日まで相当勤めているわけですが、家族とも四名あるそうで、僅かに四級職の何号か、五号でしたか、八千八百円程度の給料しかもらえない、家内の内職の収入を含めて九千円で非常に困るのだ、こういう不合理は何故是正してくれないのだろうか、私たち戦地に行つたのは、自分の私利私欲のためではなくして、たまたま健康であつたからということの理由で、而も国の要請に応じて働いていろいろな苦労をされて帰つたそうですが、一方職業軍人という方々は今日非常に有難い特典を御案内の通り受けているわけです。そういうにもかかわらず、これを放置しているということは余りにもひどいではないか。内容は非常に、読めば涙が出るような文章でございますが、そういうものを頂いておりますが、そういう不均衡はこれをこの際是正することにならないのですか。そういうものはやはり個々のケースとして、と言うよりは、やるという方針ならばそういうことのケースは出て来ると思うが、そういうことを是正するお考えであるかどうかという点が第一点。それから第二点は、三項を一応受諾するということになりますと、調停委員会での、たしか調停委員長の説明の中には、これはゼロだ、ベース・アツプしないけれども、これを団体交渉をやつたならば全然ゼロではないのだ、何か出るのだ、まあ端的表現すれば、そういう意味のことを言つておるのですが、そうしますと、これを受諾するということは或る程度の年度内において実質上、名目はどうにいたしましても、或る程度給与を是正して財源が要るということには私はやはりなると思いますが、その財源は政府として了承するという態度をとつているのか。而もそれは三十年度以降においてそれに伴う経費の増額については政府としては組むのだ、こういうことになろうかと思いますが、その点はどうなるかということが第二点。それから、そうした場合に一体その総額は何億くらいになるのか、その三点をこの際明確にお聞きしておきたい。
#16
○説明員(宮本武夫君) 第一点のお尋ねの件でございますが、私どもの考えといたしましては、調停案の回答の中にもその見解として説明しておいたのでありますが、或る一定の時期を画しまして、その以後におきましても勿論何回かの措置によりまして是正されたものもあるはずでございます。それは別といたしましてその一定の時期以後のものにつきまして不均衡なものがあれば、これを是正したいというふうな考えでございます。お尋ねのような点が果して該当するかどうかあれでありますが、併しながらそういう個々のケースにつきまして、実際に例えばその局に同じく勤務しておりながら非常に不均衡を来たしておる、或いは学歴と申しますか、勤続年数と申しますか、そういう点からいたしまして、同じ局に勤めておりながら非常に不均衡を来たしておる、そういう具体的な個々のケースについてこれを見たい、こういう大体の考えでございます。
 それから第二の御質問でございますが、その点につきましては私どもといたしましては、調停案に対する回答の中に実はそのつもりで書いたつもりでありますが、第一項と第三項につきましては、実は調停案が出ます前から、先ほど申上げました通りに、話合いが進められておる問題でございまして、私どもは回答にもそれを謳つてあります通りに、目下継続中の団交を意味するんだと、こういうふうに了解しておるのでございます。で、目下やつておりますところの新らしい賃金体系或いは昇給制度の確立というようなことにつきましては、私どもはいろいろまあ見方もあるかと思いますが、現在の給与の水準なり或いは又更に現在の、又近く予想される郵政事業の財政状態からいたしまして、特にこの賃金体系のために経費を新たに要する、そういう程度のものは実は考えていないのでございます。事情が変りまして、収入等が非常によくなれば又考える余地があるかとも思うのでありますが、現在のところではまだ遺憾ながらそういう余裕がないようでありまして、とにかく現在の給与体系なり或いは昇格昇給のことがもつとこれを合理的と申しますか、直す余地が多分にあるという考え方の下に実は先般から組合と話を進めておる次第でございます。従いまして第一項、第二項につきましては、このために特に経費をと申しますか、人件費を増額してこれをやるということは考えておりません。第三項につきましては先ほど申上げましたような線に沿うて若し是正すべきものがあれば是正して行きたいと考えておる次第でございます。これは勿論是正いたしますとすれば、当然に若干の経費と申しますか、金が要るのが当然であろうと思います。これも先に申上げましたような線で私どもが考えてみますれば、これは又具体的にどの程度のものが全国に亙りまして個々のケースにおいてこういうものがあるか、これはなかなかすぐにはつかめないものでございます。残念ながら数字的な根拠はございません。ただ私どもの考えによるいわゆる不均衡是正というものは只今永岡委員からお示しになつたような具体的な例も或いはあるかも知れません。或いはすぐに私どもが考えつきますように外地からの引揚者というようなもので該当するものがあるだろうと思います。その他いろいろな事情によりまして、現在特に不均衡を来たしておるものにつきましては是正をいたしたい、この程度の、これはどのくらい要るかわかりませんから、はつきり申上げられませんが、この程度のものでありましたならば、本年度内におきましては現在の給与総額の中で何とかこれを処置いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#17
○永岡光治君 それでは私は本件については最後の質問と要望を申上げて終りたいと思いますが、そういたしますと、第三項のみが若干の経費の増額が必要になつて来るし、第二項についてはどの程度であるかは言えないけれどもこれは若干は程度の差はありますけれども、若干これは増額するということが考えられると思います。
 それから第一項につきましては、若し一つの給与の総額でこれをきめるということになれば、現在の適用されておる中には将来に亙つては低い、現存よりは悪くなつて来るということになるというふうに考えられるのですが、そういう点が若しあるとすれば、給与の改悪ということになるのですが、改悪の方向になるという建前で考えなければ、この予算を増額しなければなりませんから、現在よりよくしようという体系になれば、現在の体系をいじつた結果、現在より悪くしないということになれば、やはり私は増加しなければならないと思うのですが、その点の見解はどうかということを一先ず明確にして頂きたいと思います。
 それからそもそもこの調停全部についてでございますが、この調停そのものの制度が、調停委員会にも私たちはしばしば要望しておるわけですが、調停委員会は賃金委員会じやないのであつて、争議の円満なる解決を要望して、特にこの公企労法等の制度を確立したわけですから、そういう精神に従つてやはり郵政当局も争議の円満なる解決を図るという方面で、この調停案の処理にも一つ当つてもらいたいということを特に要望して私はこの質問のほうを終りたいと思つております。一項について一つそれが特に伺いたいと思います。
#18
○説明員(宮本武夫君) 先ほど私の申上げました説明が或いは不備であつたかとも思いますが、只今永岡委員のお尋ねでありますが、私が申げしましたのは、第二項につきましてこれを是正するとすれば、若干の経費というものが要るであろう。第一項と第三項につきましては現在の給与総額の枠内においていわゆる体系の合理化、是正或いは昇給昇格制度の確立ということをやつて行きたい、こういうことを申上げたはずであります。
 第二項の点につきまして、それでは高いものを削つて低いものに埋める、そうすればこれが却つて改悪になるものがあるのじやないかというお尋ねであります。不均衡の是正と申しますと、そういうことも不均衡の是正に考えらるべきだと思います。併しながら実際問題といたしまして、そういうことは非常に最も具体的な例の場合におきましてそういうことを是非やらなくちやならんということも絶無ではないと思いますが、考え方といたしましては、技術問題としてそういうことは私どもは考えておりません。やはり不均衡を来してほかのものよりも低い、著るしく低いものを救済するというふうに考えておる次第でございます。それが一体どのくらいの金を用意しておるかというお尋ねかと思うのでございますが、先ほど申上げました通り、私どもといたしましては、そうそれが数が多いというふうにも考えておりませんし、かたがた郵政のいわゆる予算の事情と申しますか、財政の状態からいたしまして、特にこれを増加してやるという余裕もございません。現在の給与総額の中で、その程度のものならば何とかこれを処置できると、そういうふうな見込みで実はやつて行きたいと思う次第でございます。
#19
○永岡光治君 終るつもりでありましたが、私ちよつと今説明ではどうも納得行かないのですが、第一項と第三項は経費を要しない、こういうことになりますと、予算の総額で給与体系で是正して現在の定期昇給の原資がかなり響くのだということを私たちは聞いておるわけですが、さすれば、確立するとすれば、それだけ昇給原資のほうに本俸その他の手当のものが食われるということになれば、少くとも本俸の例をとれば本俸から原資に食われるということになれば、私は改悪以外の何ものでもないと思うのですが、現在の俸給体系で、それは改悪にならないという理由はどういうことになりまするか。
#20
○説明員(宮本武夫君) 昇給の問題でございますが、この点につきましては今後組合との団交によりまして、昇給制度というものを新らしい見地からこれを検討をいたしまして、これでやつて行きたい。団交の結果どういうふうなものが出て来るかわかりませんが、少くとも今年度内におきましては、その団交の結果、若し必要な経費というものが要しますれば、これを確保すべく努力いたしたい、こういうふうに考えているのでございます。
#21
○永岡光治君 どうもよくわからないのですけれども、総枠の中でやろうという先ほどの説明で、それでは改悪になるじやないかという質問をしたところが、いや、その経費を、若しこれによつて経費が要る場合はこれを確保したい、それが総枠の中で確保するということになれば改悪になると思うのですが、その別枠を持つて来てその総枠を殖やすということでなければ確保したことにならんと思うのですが、その点はどうなんですか。そういうふうに解釈してよろしいのですか。給与の総枠がありますが、それ以外の財源から何とか努力をして確保すると、こういうことですか。
#22
○説明員(宮本武夫君) その点は給与総枠の枠内の中であくまでも私どもはとめたいと、こういうふうに考えています。
#23
○永岡光治君 それでは給与の改善にならない。ただ配分のほうだけを、お互いにこちに廻せばこつちは減るわけです、枠を殖やさない限り。決して私は給与の改善にならないと思うのですが、そういう意味では、給与の均衡をとるということになれば、現在もらつているより比較的高いということになるわけでしよう、是正するということになれば……。その分が加えられて行くということに、どうしても理論として、又実際にそう起きて来なければならんと思うのですが、改悪になりませんか。或る個人については改悪になる人が必ず出て来ると思うのですが、出ませんか。現状を維持するということになれば、経費の総枠以外に決してないと思うのですが、現状を維持して給与の改善ができるというその根拠をお伺いしたいのですが、どういう理由で総枠の範囲内で現在の給与体系をいじつてそれが成る個人が現在よりは悪くなるという者は一人も出ないと、こういうことが言えるならば、その根拠を一つ示してもらいたいと思います。
#24
○説明員(宮本武夫君) 只今の御質問でございますが、私どもの考えといたしまして、第一項と第三項につきまして先ほど申上げましたような考えで実は組合と話を進めた、口火を切つた次第でございます。
 繰返すようでありますが、現在の郵政の状態からいたしまして、現在の給与総額を殖やしましてこれを措置するということは到底至難なことと私どもは考えております。ただ給与総額、これも相当な巨額なものになつておりますが、その給与総額というものをどういうふうに使うか、どういうふうに配分するかということにつきましては、私はそのやり方によりまして、給与総額の枠を越さなくても、やはり給与体系の合理化なり、或いは体系としての従来のものよりもよくなるというふうなことは私はこれはあり得ると、こういうふうに考えておる次第でございます。
#25
○永岡光治君 現在よくなる人はやはり財源が必要だと思うのです、その分現在もらつている額よりも殖えるから。その殖えるのがよそから持つて来ないとなれば、総枠の中から誰か低くして持つて来るということになるのです。そうならんから、あなたは改悪にならんと言うけれども、実際総枠で実施するということになれば、相当不利になつて来る人があるじやないか。何名になるか知らんけれども、かなりあろうということになりやせんか。そういう意味では給与を改善しても、こういう調停案は給与改悪ではないか、現在の体系から比べれば、そういう人が出て来るということを認めるか認めないか、私は認められると思う。それが認められないという根拠はどういうわけなのか、こういうことなんです。
#26
○説明員(宮本武夫君) お答えいたします。現在の基本給そのものにおいて改悪されるということは私どもはやらんつもりであります。昇給昇格の問題につきましては、新らしい方法によつてやりますれば、従来の昇給に比べまして或いは昇給の点で悪くなるものもありましようし、又よくなるものもありましようし、従来のような一律平等の昇給の方法をとるのではないのでありまするからして、そういうふうな結果が出て来る。それは昇給の問題等についてはその通りであります。
#27
○永岡光治君 そうすると、基本給においては現在より悪くならない。こういうことですから、よくなるものがある、悪くなるものは一人もない、よくなるものがかなりあるから相当原資が要ると先ずこう見なければならん。そこで昇給昇格制度に関連して来るわけですが、そうなると、現在の定期昇給制度ですね、いろいろやつておられるのでありますが、現在の定期昇給制度より悪くなる、こういうことを前提にしなければ、財源は浮いて来ないと思うのですが、そういうふうに解釈してよろしいですか。
#28
○説明員(宮本武夫君) その点につきましては、現在の給与総額の中でこれを処理いたすということにいたしますと、どうしても現在の昇給というものを若干規制しなければならん。こういうことはやむを得ないことかと思います。
#29
○永岡光治君 ですから私はそれは給与の改悪だ、こういう結論を言つている。この調停案は給与の改善にならんじやないか、そういう意味で昇給昇格制度の確立をせよということは、恐らく私は定期昇給の期限が来るたびに何か争議を起さなければ解決しないという、そういう制度は不合理じやないか。一般公務員については、何らそういう特別に争議を起さなくても、六カ月なり九カ月来れば定期的に昇給できるのじやないか、たまたま公企体職員なるが故にできないという、そういう制度はおかしいじやないか。従つて第三項を私は期限が来れば必ず昇給できる。そういう一つ制度を確立しなさい。こういう意味だろうと思うのですが、そういうように解釈するのですが、私の解釈が間違つているかどうか、念のために一つ聞いておきたいと思うのですが、どうですか、その点は。
#30
○説明員(宮本武夫君) 只今のお尋ねの通り昇給期ごとに、従来のように紛争と申しますか、いざこざを起さずに、昇給期ごとにはつきりした昇給をちやんちやんとやつて行きたい。そういうことは勿論私どものほうの望みでございます。
#31
○永岡光治君 そうすると、私は従来のように定期昇給をやるとすれば、一方では体系をいじつて現在より悪くならない、よくなる人がかなり出る、昇給制度も定期的にやるということになれば、私は財源がやつぱり要ると思うのですが、要らないという理由はどういうところから出て来るのでしようか。何か総枠があるから、例えば超勤だとか他の手当の原資をこつちに廻す。そういう意味でこれができるというのであれば、それは説明の内容はわかるのですが、それでは超勤の原資を削るということは、働いた人に対して不当に支払いしていないという政府の義務を、履行しないということになるので、私はやつぱりこの分については特別な、郵政当局が受諾したのですから、これに必要な原資はやはり別途持つて来なければ、真の解決にならんのじやないかというのが、私の質さんとする論点なんですが、その点はどうなんですか。そういうふうに財源を持つて来ずに、どこの財源から具体的にやろうとされているんですか。財源の穴埋ですね。
#32
○説明員(宮本武夫君) お答えいたします。只今の御質問の点で第一項につきまして私の説明が不十分だつたと思いますが、体系の是正ということにつきましては、基本給につきましては従来よりもこれがよくなる、こういうことは考えておりません。現在の中で以て、或いは職別の俸給表なり、その他のことをやりまして新らしい体系を作るのでありますが、現実の基本給につきましては、これを上げるということは毛頭考えておりません。
#33
○永岡光治君 これはどうも私にはよくわからないのです。俸給体系を合理的にするということになつてそういう方針で進みたい、併しそれは現在もらつている給料よりも悪くするつもりはないのだ、こういう御説明を聞いたのですが、それが又再転いたしまして、中には悪くなるものもあるのだ、こういうことの結論になつて来ると思うのですが、いいですか、現在もらつている俸給表がありますね。その俸給制度は何年経てば何号に上るというのが、これが現状の俸給体系ですよ。それを合理化しようというのですから、現在よりも悪くしないとなれば、やはりいいものを積み重ねなければ体系は変らないじやないですか。若し体系を変えて合理的なものにする結果、若干の人が悪くなる、こういう体系の改正もやはりあるわけですよ、考え方としては……。併しそれをやりたくないというのだから、やりたくないとすれば、私はよくなる人の財源をどこから持つておいでになりますか、こういうことをお尋ねしているわけなんです。だから念のために申上げますが、従来通り昇給をやつて俸給体系もいじつて現在よりは悪くしない。少くとも或る人は現在の俸給よりも悪くしないようにして俸給体系を是正するというのだから、財源が要るじやありませんか。こういうことを言つているのです。それは財源が要らないという理由が私にはわからないので、それは財源は要らんでできるとおつしやるから、そういうことはないのじやないですかということをお尋ねしているわけです。
#34
○説明員(宮本武夫君) 再三お答え申上げるのでありますが、基本給につきましては仮に新らしい体系に移ります場合に、従来の給料を下げるというものはないようにいたしたいと思います。又現在の給料を上げるというものもないようにする、こういう考えであります。飽くまでも体系の是正でありまして、決してベース、給料そのものの増額ではない、こういうふうに私どもは考えております。昇給の点につきましては従来通り昇給をやるのだというような永岡委員のお尋ねでありますが、その点は我々はそうは考えていないのであります。昇給の制度を変えまして、従いまして従来の昇給よりも職種等によりまして、その職種にふさわしい昇給期間或いは昇給金額というものをきめたいと思つておりますから、従来の昇給に比べますれば、よいものもあるし、悪いものも出て来る、こういうことであります。
#35
○永岡光治君 最後に一点だけ、どうもこれはじつくり話してみなければわからんと思いますので、私はあとでゆつくり個人的に会つて内容をお尋ねしたいと思うのですが、第三項の趣旨は、これも明確にしてありますように、従つてこれに関する制度を確立すると共に、これが裏付となる原資の確保については省側において格段の努力を重ねられるべきである、こういうことを調停案で言つているのです。これはあなたがたが受諾するというのだから、給与の総額において賄い得るものを、何も私はこう余分なことを言う必要はない。それで賄い得ないものであるための、昇給なり、昇格制度の確立なり、費用の体系の是正なり、不均衡の是正なりをやつてほしいというところから、私はこういう項目が明確に調停案として一本謳われていると思う。そういう意味でこれを実施されるときには、現在の給与、基本給は勿論でありますが、その他の手当についても現在より給与の改悪になるような、そういうことは一切とつて頂きたくない。そのためにこそ私は財源が必要であると思うのです。改善になる人もあれば改悪になる人もある、そのために給与総額においては増額をしないというなら、これは何をやつたかわけがわからんと思う。だからそういうことのないように是非ともこの調停案に示されておる、省側においてこの財源の原資の確保については格段の努力を重ねらるべきであるというこの趣旨を活かして、本当に本争議の円満なる解決を図つて頂くようにお願いして、この質問を終ります。
 次いで私はここへ実は千葉県下に百四局の郵便局を対象にいたしまして調査いたしましたところが、労働基準法違反の例が非常にたくさん出て参りました。その例を申上げますと、基準法の第三十二条の違反です。これはとりわけこの郵便電信電話の担当者に多いようでありますが、週六十時間以上の勤務をしておるものですと、これが百四局のうち五十九局です。それから同じくこの法律、基準法ですが、基準法の第三十四条違反のものが四十五局、三十五条違反のものが四十九局、そのうちで特に女子年少者に対する違反のものが十九局、それから基準法三十六条違反のものが三十三局、同じく三十七条違反のものが五十四局、特にこの命令なしで超過勤務をせざるを得ない状態に追込まれておるもので一日平均約二時間半だけ余計働いておる、これは平均です。それから基準法違反、第三十九条が七十九局、六十条が四局、六十二条のほうは三局、六十七条の女子年少者労働基準規則第十一条違反のものが八十六局、衛生規則等の二百七条、二百十九条違反のものが六十一局、こういう法律違反の実態が出ておるわけですが、断続勤務の問題は只今資料も頂きましたけれども、今日争議の焦点の一つになつておりまして仲裁委員会にかけられておりますが郵政当局のほうから労働基準監督者に対してこの基準法に示された六十時間以上のものを勤務しましてもよろしいと、こういう許可をすればそれはやれることになつておりますが、ところが千葉県下においては殆んどこれが許可になつておりません。そういう実態にあるにもかかわらず、このまま放置しておるというのはどういう理由か、それが一つ。そして又この対策を郵政当局はどういうふうに考えておるか。これは今日始まつた事態では私はないと思うのです。百四局の中で今申しましたような大半です。約半数に及ぶ局になつておりますが、全国一万四千の局を大体例にとりましても莫大な数字に及ぶと思うのですが、この辺の当局の一つ態度を、まあ今までやつて参りました措置ですね。それから今後、こういう著しい違反事項が出ておりますが、どのようにこれを解決善処されようとしておるのか、その具体的な、私は抽象論を今日承わりたくはないのであります。非常に長い批難事項でありますので、恐らくこれは具体的にどうしようということを考えておられると思いますので、その辺の具体的な善処の方法を一つお示しを願いたいと、こう考えております。
#36
○説明員(松井一郎君) 勤務時間の問題については、永岡委員御承知の通り、今仲裁委員会にいろいろ問題が討議されておるわけであります。又その問題はそれといたしまして、他の勤務時間の問題については、公労法の施行以後いろいろと問題がありまして、御承知のごとくその特に典型的なものは断続勤務というものです。これについてはやはり断続勤務というものを認めるか認めないかといういろいろな議論もあつたのでありますが、労働省なり、或いは又当国会の各委員の方々も親しく現地を御覧になられまして、いろいろ関係者が集まつた結果、その総合的な意見として、労働省から実働時間――これは細かいいろいろな方式があるのですが、大ざつぱに申上げますれば、実働時間が三〇%以下といつたようなところについては、断続の要素ありという形において、これを認めようという基本的な一つの許可基準を、私ども受けたのであります。これによつて断続労働の許可を仮に得たとしましても、その当時の従業員の数のみでは所詮やつて行けない。そこで御承知のごとく、今年の当初から千数百人の人を殖やして、これによつてともかく断続労働の分子のあるところは必要な許可を受けるし、且つ又そうでないところは、そのように従つて増員、その他の措置をやつて行くというようなことで、大体我々としてはこの基準によつて断続労働の許可を受けられるとするならば、これで以て一応労働基準法に定められておる程度のことはやつて行けるというので、今のところそれを各地に実情によつて人員の配算その他をいたして来たわけであります。末端において、その前提として必要な向きは関係の労働基準署の許可を受けています。ただ全国的に見ますると、この運営方法が必ずしも一本で進んでおりません。或る地区においては殆んど全部一〇〇%完全な許可を得て、何ら問題なく進んでおる地区もあります。ところが若干の地区においては、労働基準署その他との間の考え方が必ずしも一致しないような部面もあつて、許可が若干遅れておるという部面も認められるようであります。私どもそうした部面については、具体的に個々の局における服務指導というものを徹底せしめて、少くとも労働基準法違反というような事態が起きないように措置したい、又措置し得るだけの人間は今日すでに配算したと、かように考えております。ただまあ御承知のごとく、特定局の極く末端のほうに至りますと、小さな局では、或いは複雑な労働基準法の運営といつたようなものについては、地区的にも必ずしもそれを十分理解してないと言つたような部面もありまして、或いはつい労働基準法上いけないというようなことも、悪意でなくしてやつておつたというような部面も、たまには認められるということは、これは大きな世帯を運営している関係上、止むを得ないことだろうと思いますが、極力関係官を現地に、そういう問題のあるところには戸別的に派遣しても、徹底的指導をして行きたい、かように考えております。
#37
○永岡光治君 服務の指導を適当にやりたいというのですが、どうもそれではやれないから、先般も調停委員会のほうで出た調停案というものは、やはり七十二時間勤務はいけない、最高六十時間にお下げなさいと、こういう調停案だつたと私は思うのです。それにもかかわらず、なお執拗に、いや七十二時間でなきや困るのだというので、今仲裁にかかつておるわけですが、そこでその服務指導をやつておるというのは、恐らくそういうところから来たのではないかと思うのですが、断続勤務の申請を郵便局長からしたところが、それが断続勤務の要素がないということで、そのまま許可されずにおる。ところがいわゆるこつちの見方とすれば、不許可と、職員側の見方からはなるわけですが、その局は定員を引上げて行く、こういう事例が現われているというのですが、これはどういうことなんですか。どういうところから来ているんですか。
#38
○説明員(松井一郎君) ちよつと今おつしやる意味がよくわかりませんが、具体的にその局を言つて頂ければ、具体的な事例として解決して行きたいと思います。
#39
○永岡光治君 ああ、そうですか。これはそれでは具体的な局は後ほど申上げますが、今その局名はここに私持つておりません。ですからこの問題は実は千葉県下に、ここでも数々の労働基準法違反ということで、人権を蹂躙しておるじやないか。この前の近江絹糸でなくて、ここにもたくさんあるということで、告発騒ぎまで起したような事件があるのですが、これは余り私たちとしては好ましいケースじやないと思うので、できるだけ円満に解決をして、真に措置すべきは措置する態度でなくちや困ると思うのですが、とにもかくにもその百四局を調べただけでも、先ほど私発表いたしましたように、数カ条に亙る違反事項が非常にたくさんあるわけですから、この点については、私非常に増員なくしては解決できないのじやないかと思うのですが、この昭和三十年度の予算の編成に当つて、これらの問題が解決願えるような意思があるのかないのかですね。その点を一つお尋ねしたいと思うのです。
#40
○説明員(松井一郎君) 仲裁裁定の結果、これはまあどんな結果になるかわかりませんが、これが現状に対して著しい変更ということになる。その結果どうしても増員が必要であるというようなことになれば、これは措置しなきやならんと思つておりますが、併し現在までのところ、我々自身としては、現在行われている程度の服務状況というものを前提とするならば、特別な場合を除けば、別に特に増員をしなくとも、労働基準法違反というような事態は惹き起さなくとも済むのじやないか、かように考えております。
#41
○永岡光治君 これは勿論今の方針で行けば、そういうふうになると思うのですが、私は郵政当局は、やはりその現状、実際の状況を余り把握されておらないのではないかと思うのです。例えば小さい局では宿直の定員が配置されておりませんけれども、併しやはり宿直をせざるを得ない。局を空けて、そのまま帰るというわけには行かんし、自然局員同士でお互いに自発的に宿直する、こういうことで、非常に勤務も過重になつておる例もたくさんあるわけでして、そういう宿直要員の配置だとか、この勤務時間が七十二時間、或いは今仲裁にかかつておるが、その結果を見なければわからんとおつしやつておるようですが、私は明らかにこれは七十二時間は不当であると思うし、調停委員会の結論は、恐らくそのまま仲裁委員会においても支持されるものと考えておりますが、そういう支持のあるなしにかかわらず、やはりこの実際の状況をお調べになつたあなたがたの立場から見ましても、今日でいいというその立場から見ても、なお且つまだ措置しなきやならん、そういうごときものがたくさんあると、現場を見てそう感ずるわけです。ただ単に私のほうはやれるのだ、そういう無理強いでなく、本当に実際にそういう職務をせざるを得ないような、例えば宿直を先ほど例に取りましたが、そういう問題について、やはり適切な手を打つて頂かないと非常に困ると思うのです。結核患者にいたしましても、これは後ほど又問題になるかも知れませんが、職場の非常に狭隘、不衛生なことも関連いたしまして、随分無理な、他の官庁の職員に比べれば、非常に無理な服務をされておるようでありますから、この点については、私取りわけ一つ考慮して頂きたいと思うのと、今申しましたこの労働基準法違反で問題が起きておるのですから、この問題がやはり円満に解決されるように、善処を要望しておきたいと思います。
 それから先ほど池田委員の質問に対して、人事部長さんのほうからお答えになつておりましたが、最近私地方に参りまして、これは基準法第三十八条との関係もあるようでありますが、現在郵政大臣はこの委員会で発表いたしておりまするように、四十五日くらい平均して年次休暇が残つている。毎年二十日くらいくれるのが、皆取れずに、現に四十五日も、全国平均して残つておる。非常に因つたものと思いまして、今年はどうなんですかと追求しても、今のところありませんと言うし、非常に困つたものと思うのですが、その休暇を余しておる人が、休みたいというて郵便局長さんに休暇願いを出す。ところがその休暇届書なるものが、願書という字になつていたから、それはもう欠勤なんだ、給料をやらない、こういうことを言つているのですが、これはやはり少し筋が違うと思うのです。実際まあその届がありましても、職務に支障があるというような、郵便局の運営に因るから出て来てくれというなら、これはまあ筋がわかりますが、そうでなくて、願という字であつたから、それはよろしい、届という字であつたからそれはけしからんと、こういうような非常に形式張つた処理をされておるような局があるやに見受けておるのですが、そういうようなことは郵政当局は指導なさつておるのでしようか。それは届であつてもやはり支障のないというものであれば、当然これは休ましていいのじやないかと思うのですが、そういうような導はなさつておりませんでしようか、どうでしようか。その点は郵政当局の見解を一つ私は承わりたいと思います。
#42
○説明員(宮本武夫君) 休暇の問題でありまして、御指摘の点は、休暇が、何と申しますか、届出制であるか、或いは私のほうで現在やつておりますところの承認制というような問題に関連してのことだろうと考える次第でございます。その点につきましては、現在の公務員法の規則にも、休暇というものは所属の機関の長のあらかじめ承認を得なければならないという明文がございます。その規定を暫定協定で以てそれを受継いでおると、こういうふうな法規的な根拠と申しますか、そういう点からいたしまして、又一般の公務員につきましては、これは前の休暇に関する閣令の規定からいたしましても、これはやはり届出によつて当然休暇がとれるのだという考えは私どもは賛成いたしません。これは飽くまでもその局長なら局長の承認を待つて、これが許されるんである、その承認というのは基準法の規定にありまする通りに、業務に支障がなかつた場合にはこれを与えなければならんというのは当然でございます。で、お尋ねの単に届出であつたから、それを欠勤扱いにして給料を差引く、そういうようなお尋ねかと思うのでありますが、そういうような公務員法なり或いはそれを受継いでおりますところの暫定協定からしまして、郵政省としましては休暇というものは承認制であるということにしまして、本人から願い出て、それに対して管理者が先ほど申しましたような判断によつてこれを付与するか付与しないか、こういうふうにきめておりまして、従いまして就業規則なり或いは又それに基くものによりまして様式というものをきめておりまして、いわゆる承認制というものをやつておる次第でございます。お尋ねの単に届出して休暇を申出る、これをそのまま欠勤扱いにして給料を差引く、これは私どもとしてはさようには指導いたしておりません。仮にそれが届出でありましても、若しそれが現場管理者といたしまして、仕事の都合上どうしても休暇を付与することができないという場合には、明らかにその休暇が与えられないということを相手に伝えます。ただこれは今回のような闘争のような際には、又ちよつと事情が変つて参ります。退庁間際にその届出書を出してそのまま帰つて行く、従つて管理者として休暇が承認にならないということをはつきりと相手に伝える余裕がない場合もあります。そういう場合には、若し翌日本人が出局して参りません場合には休暇が承認にならんから出局して就労せよという、いわゆる職務命令と申しますか、業務命令を出しております。そういうように相手方に休暇が不承認になつたからということを明瞭に伝えるなり、或いは更に業務命令によつて出局を促し、職務につくように命令をいたしまして、なお且つそれによつて就労しなかつた者につきましては、これは給与法の法規の命ずるところによりまして給料を差引く、こういうように私どもは指導いたしております。
#43
○永岡光治君 私はやはり今の人事部長のほうから答弁がありましたように、願いという字を使つておつたからこれは許可する、届出という字を使つたから許可しない、そういうような機械的なものでないと思うんです。そのお説の通りだと思うんです。ところで毎回問題になるんですが、いよいよ三十年度の予算の編成期にも達しておるんですが、四十日から五十日に亙つての年次休暇を残しておつて、それに対する何らの措置も講じられていないということは非常に遺憾だと思います。今日始まつた問題ならいいけれども、郵政委員会が昨年始まつてから非常にくどく政府のほうに善処方を要望しておるんですが、四十日も五十日も平均して残しておるような勤務の状態を放置して、而もその休暇を思うように出してやらん、こういうことでは誠に疲れておる職員にとつては困つたものだと言わざるを得ないと思うんですが、又基準法に示しておる精神からしても、これはやはり与えなければならん。若しそれでどうしても与えられないような状態なら、やはりどつかに無理があるんですから、定員の増員も必要になつて来るかと思うんですが、これらの長い間こういう制度が守られていないということについて、解決策を具体的に三十年度予算の編成の際に当つて、郵政当局がどのような方策で解決策を以て臨んでおられるのか、その点この際私は明確にして頂きたいと思います。
#44
○説明員(宮本武夫君) お答え申上げます。休暇の問題につきましては御指摘の通りに前々からの問題でございます。我々といたしましても非常に因つた問題である、何とかしてこの事態をなくしたいと勿論常々考えておる次第でございます。実はこの点につきまして、我々のほうといたしまして休暇に関する組合側との協定、協約を結びたい、こういうふうに考えまして一応の草案式のものもできております。これによつて組合側と話を今後進めて行きたいと考える次第でございます。ただその際に従来たまりました休暇を一時に買上げるというようなことは到底――勿論それは一つの方法でありますが、我々としてなかなかそれは目下の現状からいたしまして困難ではないか、こういうふうに考えられるんでありまして、さて然らば、どういう方法がいいか、一時に買上げることができないとしますれば、例えば一つの方法といたしまして、職員の退職の際にこれを見てやるというふうなことも考えられるのでありまして、私どもの大体の構想と申しますか、考えといたしましては、やはり年次休暇につきましては管理者のほうにおきまして年二十日を全部とまでは行かなくとも、或いはその半分なり或いは三分の一というようなものを計画的にこちらから付与いたしまして、できるだけ年次休暇がたまつて行くのを一方において防ぎますが、併しながら実際は又休暇がたまつて行つております。それを、今一応の考えとしますれば、そういう退職当時の処置というようなことで考えております。又それ以上の何かいいことはないものかといろいろ研究いたしておりますが、大体そういうふうな考えをもちまして今後できるだけ速かにこれを何とか処理いたしたい、こういうふうに考えております。
#45
○永岡光治君 大変私一人で時間を頂いて、これで終りたいと思うのですが、この問題はもう前からの重要な問題でありまして、完全な労働条件を確保する意味からも、是非、只今の答弁をみましても、せめてそのうちの半分くらいでもという、そういうことでなしに、せめて完全にと、こういうことであれば話はわかりますが、十日、半分くらいでもという、そういうことだから依然として休暇の制度は解決しないということになるのですから、どうか一つ抜本的な解決策をお考えになつて頂きたい。今日は郵政大臣がおいでになりませんので、非常に残念ですが、最高責任者の郵政大臣がここにみえていないというのは私ども残念に思うのですが、いよいよ政府もこれであとやめるのだから出てもしようがないというのなら話がわかりますけれども、どうも国民の立場から考えて不誠意極まりないと思いますが、抜本的な対策を是非ともこの際考えて頂いて、やはり当局としては三十年度解決する、そういう意気込みで参りましてもなかなか実現できないのが今までの慣例ですから、どうか一つ何とかしてこれを抜本的に解決するという具体策をお立てになつて、早急にこの問題を解決して頂きたい。そういうことを私のほうからお願いしておきます。一応質疑を終ります。
#46
○委員長(上原正吉君) ほかに御質疑ございませんか。
#47
○三木治朗君 最近官公労の年末闘争で大分第三波、第四波、まだ第五波もあるというような空気があるのでありますが、新聞なんぞでみるところによると、郵便物の停滞しているものが一千万通近いものがあるというようなことも報道せられておるのでありますが、これは国民にとつて非常な迷惑至極な話で、迷惑どころでなく、非常な損失或いはものによつては大事な機を逸するとか、いろいろな問題があるのであります。こういう問題に対しまして、当局としてどういう応急処置と言いますか、対策と言いますか、とつておられるか、又実際にどういう遅配が、配達の不可能になつたものがどのくらいに最初からなつているか。そういうような点の御報告を一つ伺いたいと思います。
#48
○説明員(松井一郎君) それでは大体の今度の闘争中におけるいろいろな郵便物の滞留状況、そういう問題について私からお答えいたします。
 先ほどすでに人事部長からもこの問題について一部お答えがあつたと思いますが、今度の闘争期間中に或る程度の休暇者というものが平常よりも殖えておる。これは勿論超過勤務というものは出されておらない。この結果、若干の郵便物の滞留というものがあつたということは認めざるを得ないと思います。ただ一体郵便物が幾ら滞留しているかということは、実は相当の玄人でも非常に掴みがたいむずかしい問題でございまして、郵便局で御覧になるとおわかりになると思いますが、或る時間によりますと、そこには厖大な郵便物がたまつている。併しそのものをすぐ滞留とは言わない。おのずからはける時間がきまつておる。それまでにはければいいといつたような問題。殊に先月は季節的にも丁度新年号とか、いろいろ暮の問題が重なりまして、東京あたりの大きなところは、そうした意味の郵便物が平生よりも遥かにたくさん出ておる。それで私たちもいろいろ各局からのそういう報告を総合してみておりますが、これも本当に何部が一体滞留しているかということについてはなかなか言い切れないものがあるのでありますが、併し新聞紙等に報道されておるほどの滞留物はなかつたということははつきり申上げていいと思います。例えば一例を申上げれば新聞紙ではクリスマス・メイルは二十万通が東京の中央に滞留しておるというような報道がありますが、東京中央で聞いてみますと、今年クリスマス・メイルが始まつてからずつと全部合計してもせいぜい十九万通くらいしか引受けてないというような事実もございまして、その一定の所に部数が出ておりますと、とかく人間は大きく評価しがちなものであります。そこで私ども然らば一千万通は滞留していないが、何百万通あつたというところまで細かな数字は持つておりませんが、若干の滞留があつたということは認めております。併しそのために一種、二種といつたような緊急を要する高等信が著しく遅れたというような現象は起きておりません。ただ二、三の局においてはいろいろ服務上の問題の交渉のために、配達便が出発が遅れたり或いは二号便の配達がうまく行かなかつたりという点は例外的な局においては出ております。これが先日の闘争中の概略のお話であります。これに対する対策については人事部長のほうから……。
#49
○説明員(宮本武夫君) こういうふうな業務上の状況に照しまして如何なる対策を講じたかというお尋ねかと思いますが、この点につきましては今回の闘争、殊に二十五日から二十七日という三日間に亙りますものは一番影響が大きかつたと思いますが、これは二割休暇戦術にプラスしまして定時退庁というものを合せました関係上、五時なら五時になりますれば定時退庁する、こういう点からいたしまして滞貨するものも出て参る、こういうことに相成るのであります。これに対しましては、一方におきまして、先ほど休暇の点について問題になつておりました通り、職員側より休暇の申請がありました場合に、現業局長は飽くまでも業務の運行を確保しなければならん責務があります。従いましてその仕事の運行に支障がありと認めましたものに対しましては、休暇を承認いたしません。できるだけ就労人員を確保するということに努めさしたのでございます。ただ先ほども申上げました通りに、若干の局におきまして休暇を承認せず或いは出局しないものに対しまして業務命令を出しましても、若干出局せず或いは出局しましても就労しないというものができた次第でございます。これに対しましては、先ほど申上げました通りに或いは給料の差引或いはその具体的な事情によりましてはこれに対して適当な措置を講じなければならん、こういうふうに考えております。併し全般的に見ますれば、先ほども申上げました通りに、大部分のものが業務命令というものによつて出て来た。勿論部局的に局によりましては違いがありますが、全般的にはそう申上げて差支えない、こう思います。なお定時退庁の分につきましては、これは現在三六協定というものが結ばれておりません。従いまして私どもがこれに対しまして超勤を命令することはできません。従いましてこれに対しましては極力非常勤というものの臨時者を雇い上げまして、そしてこの事態に対処する、大体以上の二つの対策と申しますか、現在措置をやつて来た次第でございます。
#50
○三木治朗君 運輸省のほうの関係では業務命令に従わないために検挙された者もあるようでありますが、郵政関係ではそういうことはありませんか。
#51
○説明員(宮本武夫君) 国鉄のほうにつきましては新聞等で報ぜられてあります通りに、現場におきまして若干のフラクと申しますか、いろいろそういうふうなことがあつたようであります。郵政につきましては警察によつて検挙されたというものは、ございません。
#52
○三木治朗君 今の郵務局長のお話で見ますと、業務の上に大した影響はないのだというような印象を受けたのですが、一時は困るけれども、いずれ又出て行つてしまうので、大したことはないのだというふうに聞えるのですが、そう解釈していいのですか。
#53
○説明員(松井一郎君) 大したことがあるかないか、これは若干見方だろうと思いますが、私どもといたしましては全般的に見まして、一種、二種あたりには大した影響はなかつたものと見ております。併し季節的に出て来た部数の三種以下のものにつきましては、ところによつて若干の滞留が認められるという点と、配達面において、若干の局において配達がスムーズに行かなかつた。それは結局こういうことが末端においていろいろ団体交渉の問題なんかもありまして、そういうことの煽りのために起きたということはあります。
#54
○三木治朗君 今度の官公労の闘争はなかなか面倒なように私ども見ているのです。というのは労働大臣がなかなか強気で以て出ておりますし、これが昔の力弱い労働組合ならば力で押切つても押切れると思いますけれども、今日の労働組合は大きな力を持つていますし、而も横の連絡が十分について全官公労が一致して戦いを続けているのであります。郵政のほうで余り大したこともないと言われて甘く見ていても、これは簡単にはなかなか片付く問題でないように考えるのです。これは全官公労の問題となると、郵政だけで以てどう片付くというわけではありませんけれども、とにかくいずれにしても迷惑をこうむるのは国民なのでありますから、国の労働政策をここで非難しても仕様がありませんが、郵政当局としてもできるだけ国民の迷惑の少いように、又将来の郵政従業員の安心して働けるような方針の下に解決を一日も早くして頂きたいと思う。最前からのお話を聞いていますと、年次休暇の問題にいたしましても、これはまあ毎度言うことでありますが、これが普通の町工場と言いますか、官庁でないところの会社等の場合においては、年次休暇を与えると言えば、それは若しとらなければ日給を貰うというのがまあ大体通り相場なんです。全逓が非常に現実的な政策をとつているために、大変おとなしい態度だと思うのです。くれなければストライキをやつても取るぞというのが近頃の労働組合のあり方なんですが、これはいい悪いは別ですが、その中にあつて、どうもしようがないという諦めもあるのかも知れませんが、又官庁のほうでは予算の枠で以てどうにもならないという態度で甚だ冷い考えしか持つていないように私ども思うのです。この全逓は元は大分マル共張りのところもあつて困つたものだと思つた。ところがこの頃は私どもがみても少しおとなし過ぎるのではないかと思うほどおとなしい。大変結構なことだと思うのですが、併しだからといつてますます力を以て組合運動を抑圧しようというような国の労働政策であつたとすると、これは大変な問題じやないかと私ども考えるのです。そういう際でありますから、当局においても最も温い心持を以て、そうしてこの問題の処理に当つて頂きたいことを希望いたしまして私の質問を終ります。
#55
○説明員(宮本武夫君) ちよつと私から今の御意見に対しまして申上げたいと思います。
 先ほど松井郵務局長からも申上げましたし、あの程度の事態になつた次第でございます。只今委員のお話の中に、全逓が思いのほかおとなしいというようなお話もありました。私どもも決して全逓組合そのものが非常にいけない方向に走つているというふうには決して考えておりません。ただこれに加うるに、私どもとしまして非常に、何と申しますか、嬉しいと申しますか、例えば定時退庁というものがありまして、これは組合の指令によりまして五時なら五時にきちんと帰ります。又休暇をとるものもありますし、又休暇が不承認になり、或いは業務命令によりまして出局して就労した職員につきましては、これは非常にまじめに事業のために働いて協力して頂いております。この点は私どもとして非常に嬉しいことでございます。こういうふうな点も考えまして、今後我々管理者としてできるだけのことをやりまして、只今の御意見の趣旨を実現して行きたいと、こういうふうに考えております。
#56
○八木幸吉君 ちよつと伺いますが、二十八年度末までで当然とるべき休暇をとらないのを、全般として金に換算すると幾らくらいになるのですか。
#57
○説明員(宮本武夫君) はつきりした数字は持合せございませんが、我々今まで調べたところによりますと、大体五十億程度の金が要るのではないかというふうに思います。
#58
○八木幸吉君 もう一つ伺いたいのですが、この郵政職員の官給の住宅は一体どれくらいありますですか。無論家賃はとつているとして、国がいわゆる社宅的に持つて、或いは郵便配達とかいう人たちに提供している家ですね。
#59
○説明員(宮本武夫君) あいにく今その官舎の資料を持つて参りませんで、的確な数字を申上げられませんけれども、後ほどそれでは資料を差上げることにしまして……。
#60
○八木幸吉君 下級の郵政職員に対して国が家をどんどん建てて提供するといつたようなお考えはおありになりますか、ありませんですか。
#61
○説明員(宮本武夫君) 只今官舎につきましては、勿論現在住宅を必要とする職員の数がまだ相当多いのでございます。従いまして私どもとしまして、できるだけこの方面に力を注ぎましてそういう状態をなくしたい、これはかねがね考えておるところでございます。現在といたしまして国の予算として官舎を建てますものが勿論ございます。これは予算その他の事情から制約されまして、なかなかそうたくさんの数というわけにも参らんのでございます。これに加えまして例の郵政職員の共済組合というものがございまして、この共済組合の積立金をやはりこの職員の官舎の建設というほうにも向けております。この共済組合で毎年建てますところの官舎も相当の数でございます。国の予算の方法によるものと共済組合の方法によるものと、こういうふうに両方合せまして、我々としてその年度内でできるだけの財源を見出しまして官舎にやつておると、こういうふうな状態でございます。
#62
○八木幸吉君 今住宅を必要とする数が相当あるというお話でございましたが、その住宅を必要とするという意味はどういう意味でございますか。例えば、親類の家に雑居していて、その部屋が非常に狭いとか、その必要とするという具体的な標準はどういうところにお立てになつておるのですか。
#63
○説明員(宮本武夫君) 只今のお話の通りに、できたならば、すでに官舎をもらつております職員の方と同じように、そういうような官舎に是非入りたい。その事情といたしましては、或いは非常に家族が多くて間借をしているとか、或いは親類とか知合いの家に寄寓している、いろいろあると思いますが、少くとも現在郵政職員に与えておりますような官舎に入舎を希望する、こういうことであります。
#64
○八木幸吉君 現在郵政職員に対して国が与えている住宅の数、それから、それの会計別の資料ができましたら、一つ成るべく詳細のものをお作りを頂いてここに提出されるように委員長からお願いしたいと思います。
#65
○説明員(宮本武夫君) かしこまりました。
#66
○委員長(上原正吉君) 何か御質問ございませんか。
#67
○永岡光治君 これは質問かたがた要望になると思うのですが、毎度のことでございますけれども、決算委員会で問題になつた例の局舎の問題、これは郵政委員会としても非常に関心の深い問題の一つでありますが、実は最近、地方から、普通局、特定局を問わず、局舎の改善をして欲しいということをしきりに言つて来ておりますが、宇都宮の郵便局が今日も又出て来ておりましたが、これについて一つ要望かたがた最近の御所見を承わりたいと思いますが、あすこは御案内の通り間借をしているという状況で、局舎も非常に古いのです。早急にこれは解決しなければならんと思うのですが、どうですか。郵政当局は、先般も六カ月計画を出して頂きましたが、この中で相当誠意を以て解決されるという決意でありますか。承わつておきたいと思います。
#68
○説明員(松井一郎君) 宇都宮の局舎についてはよく承知しております。相当緊急を要する問題だと思つております。我々の計画が順当に参りまするならば、まあ来年かどうかというところまで具体的な問題はここで申上げかねますが、非常に優先的な考慮を払わるべき状態にあると、かように考えております。
#69
○永岡光治君 是非お願いいたします。
 速記をとめて一つ私は……。速記をとめる前にお願いしたいのですが、今、千葉の例の問題がありまして、実は私は非常に憂慮しているのです。告発までやるというような態度が出ておるので、あまりそこまで行つては面白くないのではないかと思つておりますし、実際の職場の状況も、私どもが気が付かない随分ひどいものがあるや承わつておりますので、適当な機会に、明日午後でも結構ですが、新聞に大きく出ておりますから、その中の一、二局を見て、将来の私たちの取扱いの参考にしたいと思うのですが、これを一つ提案したいと思うのです。
#70
○委員長(上原正吉君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#71
○委員長(上原正吉君) 速記を始めて。只今永岡委員のお申出がございましたが、これは委員長にお任せ願つて、適当な日時に適当な方に御足労願うということで如何でございますか。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(上原正吉君) それではさように決定いたします。それから委員長から一つ、幸い松井局長が見えておりますのでお尋ねしたいことがあるのですが、最近町村合併が盛んに行われまして、一つの村に、一つの町に郵便局が三つ四つもあるというような所ができて、而も集配を皆やつておるというような所がありますために、町や村だけの名前で着いた電報や郵便が順調に配達されないで、大変郵便局も国民も迷惑しておるという事実があるようなんですが、これはどういうふうに御解決なさるおつもりか、どんな御準備が進行中か、伺つて置きたいと思います。
#73
○説明員(松井一郎君) 御指摘のごとく、最近各地における町村合併が進行しまして、場所によりますと、集配郵便局が五つも六つも中にあるといつたようなために、郵便物の区分上相当混乱をしておるという点も見られるのであります。申すまでもなく、私どもとしては、理想から申せば、一つの行政区画に一つの集配局というものがある、これは理想でございます。併し郵便局の事務の面から申しますると、やはりその一つの集配局がありまして、そこから配達の末端まで行く距離が余り長過ぎるということになりますと、これは又サービス上必ずしもよくないといつた現象が起きて来る。ですから、その集配局にはその周辺を受持つべき一つの適正規模というものがある。その適正規模の範囲内にあるならば、一つの集配局にまとめるということはこれは理想でございます。併しその規模を越えるといつた場合には、これはやむを得ずやはり集配局を二局、或いは場合によれば三局というようなものを認めざるを得ないというようなことに相なるのでありまして、私どもは、その合併された市町村の状況から見て、一体ここの区域内には一局でいいのか、或いは二局要るかということを先ず技術的に検討いたします。一局にしていいということになれば、なるべくその中心局へまとめたい。併しまとめるにいたしましても、やはり局舎問題というものがまだ引つかかつて来るわけでありまして、それだけのものを全部収容するだけの局舎の余力があるかないかという問題が入つて来る。そこで局舎の余力さえあるならば、そういう場合においてはなるべく一局にまとめたい。併し局舎の余力がなければ、局舎を改築して、必要な設備を作つた上で統合して行きたい、かように考えておるわけであります。最近も円満に行きましてそこを統合したところもございますが、何さま局舎の問題になりますと、従来地方には相当古い昔からの局舎が多いので、更に他の局の分まで収容するということになると、そのままではどうにも行きにくいし、最小限度は増築する、或いは根本的にこの際改築するといつた問題が相当あるわけでありまして、先般も当委員会のほうで私どものほうから差出した例の局舎の改築の全般的な予算の中には、そういう意味合いにおいて、どうしても増改築を至急必要とするといつた部面も入つて参ります。来年度この建築関係の予算がとれますれば、そういうものをも老朽局舎と合せてやはり進めて行きたい。それと合せてやはり郵便局と地方の行政区との円満な解決をはかりたい。かように考えております。
#74
○永岡光治君 これは郵政当局から御説明があるものと思つておりますが、例の竹島の切手の問題がありましたが、どういう取扱になつておりますか。あれは外務省の問題となりますか。或いは郵政省の問題となりますか。まあこれは外務省の所管になりましようけれども、郵政当局として何かございますか。
#75
○説明員(松井一郎君) 朝鮮が、九月の末でしたか、丁度竹島を図案にとつた郵便切手を三種類発行しております。これは朝鮮の名前ではこれを独島と、こういう字で書いております。この郵便切手は、最近こちらで調べてみますと、朝鮮方面から入つて来る外国郵便物の殆んど全部に貼られておるという事態が起つております。万国郵便条約の上においてはどんな切手は出していけないという規定は明文としてはございません。併し郵便物というものはお互いの国の政策と政治体制というものを越えて円満にこれを流通しなければならない。その意味において、郵便物の持つていなければならん最も大切な中立性というものを考えてみるときに、朝鮮は日本と目下係争中になつておる。日本としては明らかに島根県の中に編入しておるといつたようなものを、殊更政府の名前を入れて、そうしてそれを切手としてプロパガンダをするということは、少くとも我々日本国民に対する一つの侮辱であるのみならず、これは万国郵便連合の基本的精神に反するものではないかということは、勿論我々も当然これについて考えたわけであります。併しこれについて然らば具体的に如何ような措置をとるべきであつたかということになりますと、ここにやはり法律論としていろいろ細かな問題が起きて来るわけであります。勿論こういうものはけしからんという意味において、すでに外務省からは、新聞紙等で御承知の通り、朝鮮のほうの東京の事務所ですか、ミツシヨンに対して厳重なる抗議を発せられております。併しこれを貼られた郵便物自身をどうするかということになりますと、これは万国郵便条約の上におきましては、特にこういう切手が禁制品という形にならない限り、やはり日本は配達の義務を負うということに相成るのであります。然らば禁制品にするにはどうすればいいかということになりますと、これは条約上は、名宛国において輸入又は頒布を禁止せられたる物品ということで、各国の国内立法に任してあるわけであります。国内立法においてこれの輸入又は頒布を禁止するということができますれば、当然これは外国郵便法上、禁制品になる。禁制品になつたものはその国の法律に従つて切手を没収しようと、或いは場合によつては郵便物を返戻しようという、そういう権限は合法的に認められるものと思つております。ところでこの日本国内で輸入を禁止するという立法根拠は何であるかと申上げますと、これは関税定率法の二十一条に、公安を害す虞れがあるものは輸入を禁止するという言葉があるわけであります。そこで、この切手が一体日本の公安を害するという言葉に該当するか否かということが法律論としてのこれの基本的なものの考え方になるわけでございます。これは郵政当局だけでは問題が解決できない問題で、そこでいろいろな意見がございます。当然こんなものは公安を害すると解釈していいじやないかという考え方もあるし、又、一方において公安を害するというような非常に広い言葉というものは、適用においてこれはできるだけしぼつて行かないと、そのために悪例を残すじやないかという消極論がございますが、この二つの論を如何ように調整するかということは、まあ本日の閣議においてもいろいろ問題が出されたと思つておりますが、なおまだ今朝の閣議終了後、大臣に会つておりませんので、最後の話はよく知りませんが、要するに公安を害するというこの関税定率法の公安を害するという認定がなされるならば、当然郵便禁制品としての処置がなされるでしよう。併し若しも公安を害するという認定ができないならば、郵便法上、合法的にこれをどうこうするという権限は我々にはない。そこで公安を仮に害しないとしても何とかしなきやならんということならば、必要な新らしい立法をするかどうかという面があるわけであります。その辺についてのやり方については、恐らく今日の閣議で方針がきまつたろうと私は確信しておりますが、まだその内容は私は承知しておりません。
#76
○永岡光治君 今日は私、要望があるのですが、大臣が見えておりませんが、この委員会に大臣が顔を出さぬという癖をつけるということはよくないと思うので、郵政委員会の権威に関しまして、最後の御奉公の意味で、是非一つ郵政大臣にこの次には出て来てもらうように、郵政委員長からの要請があつたとも思うのですが、どうか一つ、この次と言わず、委員会のときには必ず郵政大臣は出るものと、こういう原則を作つて確立して頂きたいと思います。
#77
○八木幸吉君 今の竹島の切手の問題ですね。今日閣議で話がきまつているならば、ちよつと郵政大臣に来てもらつて、五分か十分待つて話を聞いたらどうですか。来られるならば。
#78
○委員長(上原正吉君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#79
○委員長(上原正吉君) 速記を始めて下さい。
#80
○八木幸吉君 竹島の切手の問題について、今日閣議で何かそれに対する処置をお話合いが出たということを先ほど郵務局長から伺いましたので、その結果を承われれば、非常に幸いだと思います。
#81
○国務大臣(塚田十一郎君) それでは簡単に只今までの経過を御報告申上げます。
 韓国が、竹島が自国の領土であるということを国民に周知させるのだという意味で、竹島の図案を表現しました切手を三種類作つて、現実に今使用いたしておるわけであります。そういうものがどんどんと国内にも入つて参りますので、先般来、これはとても放つて置けない問題であるというのでいろいろ検討いたしたのであります。検討の経過は、いろいろありますのでありますが、その結論だけを申上げますと、御承知のように、郵便物をどういう工合に扱うかということは、万国郵便条約に加盟しておる国々の間では、郵便条約の拘束を受けるわけであります。日本も韓国も郵便条約に加盟をいたしておりますので、私どもの立場としても韓国の立場としても、やはり、郵便条約に基礎を置いてやらなければならない。そこで、郵便条約にはどうなつておるかと申しますと、第五十九条に、どういうものならば入つて来るのを禁止できるかということがいろいろ書いてあるのでありまして、その中の一項に、名宛国において輸入又は流布を禁止する物品、こういうことになつておる。それで、この切手の場合には、これに大体該当すると考えられるわけであります。従つて、日本でああいうものを輸入又は流布を禁止するという何らかの根拠規定が必要になると、こういう解釈になる。そこで、いろいろ現行の日本のいろんな法律を調べてみますと、なかなかこれに該当するものがありませんのでありまして、ただ一つ考えられますのは、関税定率法の二十一条第一項第三号に「公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」、こういうものは「輸入してはならない。」と書いてあります。そこで、この「公安」の意味をどういう工合に一体今まで解釈しておるのかということを、いろいろ各省、殊に担当の大蔵省、それから更に法律解釈の担当の法制局、それから法務省などの意見を聞いてみますと、どうもこの「公安」という字では今の場合を取締るというわけには行かないのじやないだろうか。そこで、大蔵省側が「公安」という字をどういう工合に解釈しておるかということの裏になる規定が、輸出貿易管理令というものにあるのでありまして、この関税定率法は、輸入の面から規定をしておりますが、この輸出貿易管理令は、自分の国が輸出する場合に、こういうものを輸出してはならないという規定をしております。別表第一、第二十六項を見ますと、「いずれかの政府に対するむほん又ははん乱を主張し、又はせん動する内容を有する書籍、パンフレツト、新聞、文書、広告、回状、写真、映写用フイルム又は絵画」と、こういうふうに書いてあるのであります。従つて、大蔵省がこの関税定率法の「公安」を害するという考え方は、その裏は、この輸出貿易管理令の今読みましたこういう内容のものだというように大蔵省側は解しておるわけであります。そうすると、実はこの条項にはなかなか当嵌まらない。今問題になつておりますものは、日本政府に対する非常な侮辱という形になるわけであります。そこで、いろいろ、閣議には丁度三回かかつておるのでありますが、閣議の空気というものは、結論としては、これはどうしてもこういうものを許しておくべきでないというので、どういう形でこれを拒否するか。結局、入つて来たのを送り返す。だからして、貨物その他の形で入つて来たのを輸入を禁止するということになると思うのですが、結論においては誰にも異論がないのでありますが、ただ、万国郵便条約と国内法の規定上、今の規定のままではちよつと取締り措置がしにくいのではないかという結論になりまして、本日の閣議で、それでは早急に法的措置をしよう。それで、法的措置が最終的にどういう形式になるかはまだ今日は決定いたしておりませんが、私どもが考えております考え方といたしましては、今の関税定率法の「公安」の字句を、これを噛み砕いて、もう少し詳細な表現にして、この関税定率法の改正という形で本国会に是非両院の御賛成が得られるように運びたい。なお、この法案の立案準備その他は法制局において早急にやつて頂くということで、本日の閣議は了解ができておるわけであります。
#82
○八木幸吉君 大変詳しく御報告頂いて有難うございましたが、さて、現在の取扱いとして、送り返しておられるのですか、或いは送り返しておられませんか。
#83
○国務大臣(塚田十一郎君) 現在とつております措置は、取りあえず、先般、外務省からして韓国宛に申入れをしてもらつております。で、この問題に対して、どういう処置をするかは今後留保しておくという申入れをしているわけであります。
 国内で郵政省がとつております措置は、今申上げますように、すぐに送り返すという措置までは、郵便条約に加盟している国の立場で、できません。さればといつて、ああいうものをそのまま国内で配達をしておくということも好ましくないと考えますので、まあ余り画面が鮮明にならないような何らか措置をとつたらどうかというようなことで、消印などの際に若干考慮したらどうかというように措置をいたしております。
#84
○八木幸吉君 万国郵便切手の取扱いは私は存じませんが、例えば、その切手を抹消して、切手を貼つていないものと認めて、不足料をとつて配達するというようなことは、今の条例で可能でございますか。
#85
○国務大臣(塚田十一郎君) それはどうもできないようであります。郵便条約に従つて、やはり、国内法に規定がありませんと、この切手を無効であるという措置をするわけにはいかないというような解釈であります。
#86
○委員長(上原正吉君) ちよつと申上げますが、予算委員会から郵政大臣の出席を要求されております。各党の申合せのようでありますから、この程度でお帰りになられます。
 では本日はこれで散会いたします。
   午後三時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト