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1954/12/04 第20回国会 参議院 参議院会議録情報 第020回国会 農林委員会 第4号
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1954/12/04 第20回国会 参議院

参議院会議録情報 第020回国会 農林委員会 第4号

#1
第020回国会 農林委員会 第4号
昭和二十九年十二月四日(土曜日)
   午前十時四十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     森 八三一君
   理事
           重政 庸徳君
           宮本 邦彦君
           江田 三郎君
           戸叶  武君
   委員
           大矢半次郎君
           佐藤清一郎君
           岸  良一君
           溝口 三郎君
           河合 義一君
           清澤 俊英君
           三橋八次郎君
           松永 義雄君
           菊田 七平君
           鈴木 強平君
           松浦 定義君
  衆議院議員
           吉川 久衛君
           佐藤洋之助君
           福田 喜東君
  政府委員
   大蔵省主計局次
   長       原  純夫君
   林野庁林政部長 奥原日出男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       倉田 吉雄君
  説明員
   農林省農業改良
   局長      塩見友之助君
   林野庁業務部長 石谷 憲男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
一、北海道における国有林野の風害木
 等の売払代金の納付に関する特別措
 置法案(内閣提出、衆議院送付)
一、水稲健苗育成施設普及促進法案
 (衆議院提出)
一、農林水産業施設災害復旧事業費国
 庫補助の暫定措置に関する法律の一
 部を改正する法律案(衆議院送付、
 予備審査)
一、昭和一十九年七月の大雨、同年八
 月及び九月の台風並びに同年の冷害
 による被害農家に対する米麦の売渡
 の特例に関する法律案(衆議院送
 付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(森八三一君) 只今から委員会を開会いたします。
 最初に、前回に引続いて北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案を議題にいたします。
 本法律案については、前回の委員会で提案理由の説明を聞いたのでありますが、なお農林当局において法律案の内容その他参考事項について補足説明の必要がありますれば、それらの説明を承わり、続いて審議に入ることにいたしたいと存じます。なお、本法律案は昨三日衆議院において第一項第二号中「政令で定める農林漁業用施設」を「住宅又は政令で定める農林漁業用施設」のように修正して本会議を通過、本院に送付、即目当委員会に本付託になり、又衆議院農林委員会において、「北海道以外における国有林野の風害木等を売り払う場合においても、その売払が本法に規定する場合に該当するときは、担保の提供を免除し、且つ利息を附さないで代金の延納の特約をすること。」という附帯決議が行われております。
 別段農林当局のほうから補足的に御説明はないようでありますので、直ちに質疑をお願いいたします。
 最初に私から一、二お伺いをいたしたいと思いますが、この法律は北海道に発生した異常な風害木を緊急に処理することを主な目的としておるのでありますが、その風害木の売払を受けられる被災市町村を北海道内における市町村のみに限定したということはどういうような理由に基くものでございますか、その点をお伺いをいたしたいと思います。売払を受けられる市町村を内地にも拡大して、その機会を与えてもよろしいのではないかというように考えられまするし、延納特約のできる昭和三十一年三月三十一日までに或いは起るかも知れませんすべての場合に備えるというようにいたしますることのほうが、むしろ妥当ではないかというようにも考えられまするので、先ずその点を一つお伺いをすることと、その次に第二点としてお伺いをいたしたいことは、この法律案の第一項第二号の「政令で定める農林漁業用施設」とは一体どういうものを大体想定されておるのか、更にその対象の施設を農林漁業施設のみに限つたということは、どういうような構想に基くものであるのか。広く考えますれば、中小企業等の施設につきましても農林漁業施設と同様な立場におるものがあるのではないかというように考えられまするのであります。最近における経済状況から考えまして、中小企業等の経営の困難は極めて緊迫したものがあるようにも思われます。そういうような場合にも同様に措置してやりますることが妥当ではないかというように考えられまするが、農林漁業用施設というだけに限定されました理由についてお伺いをしたいと思います。
 以上二点につきまして最初に御説明を願います。
#3
○政府委員(奥原日出男君) 先ず第一点、北海道の市町村にこの延納措置の特例についての対象を限りました理由につきましては、この法案の立案につきましては二つの動機がございます次第であります。即ち先ず第一は、北海道におきまして内地の他の県に比較いたしますれば、広大な範囲に亘り、且つ極めて著しい被害があつたという事情でございます。併しそれのみでなく、それに併せてこの法案を提出するに至りました事情は、北海道におきまして、御承知のごとく国有林のみについて十五号台風の関係だけで四千九百万石、五月の風害を入れますれば国有林のみで約一五千五百石になんなんといたしまする大きな風害が発生いたしたのでありまして従つてこの風害の被害木を迅速に処理をいたしまするためには、これについての需要を喚起して参るというふうなことも非常に必要な次第であるのでありまして、そういう意味におきまして被害の顕著でありました市町村に対しましてこういうふうな売払の特例を開いて行くというふうなことを考慮いたしました次第であるのであります。従いまして、これを北海道以外の府県に拡げるという点につきましては、実は北海道以外の地帯におきましては、国有林に対しまする風害は極めて局部的で、その被害数量も限られておりまする結果、内地の市町村に対しましては風害木を以てこういう要請に応ずるというふうなことはなかなか困難である、まあそういうふうな事情も併せ考えまして、北海道に限つてこれを実施するということにいたしました次第であります。
 それから第二点のお尋ねでありまする政令で定める施設の範囲はどういうふうなものを考えておるか、こういう点に関しましては、畜舎、納屋等の農業用施設、又網その他の漁具置場等の漁業用施設、そういうふうな程度の範囲に考慮をいたしておる次第でありますが、農林漁業の範囲に限定して、その他の中小企業までどうして取上げなかつたかという点につきましては、まあ農林業と申しまするものが土地を基盤といたしまするような劣位の産業でありまして、従つてこれを今度の災害に際しまして格別に保護する必要があるのではないか、こういうふうな観点から、そういうふうな範囲の程度に限定をいたしました次第であります。
#4
○委員長(森八三一君) 只今の第一点でありますが、北海道というような限られた地域に、お話のありましたように五千数百万石の厖大な風害木が発生をしておる、内地の各都府県におきましては、そういうような異常な風害木というものは発生しておらんということはお話の通りでありますが、その限られた地域に厖大に発生しておる風害木を適切有効に、而も迅速に処理をし、そのことが又非常に困難にあえいでおる全国の対策に用いられるというようなことでありますれば、非常に趣旨にも合致すると思われるので、内地府県には発生しておりませんでも、内地府県でこの法律の示すような用途のために市町村等が利用する場合には、これを同様の立場において供給をしてやるということが必要のように思うので、内地に発生しておらんからというのではなくて北海道に発生しておるそのものを内地に利用せしめるというようなことを考えるべきではないかと、こう思うのですが、その辺はどうお考えになるのか。
#5
○説明員(石谷憲男君) 合同北海道に発生いたしました風倒被害は、先ほど御説明申上げましたように、この五月に発生いたしましたものを含めますると、国有林だけで約五千五百万石に上つておるわけであります。その被災いたしました面積は約二十一万二千町歩と広大な地域に亘りまして、五千五百万石の風倒木が現に発生しておる、かような現状であるわけでありますが、この風倒木の処理に関連いたしましては、極力これを有効に利用するということのためには、早期にこれを処理するという必要が当然出て参るわけであります。特に北海道は御承知の通り非常に春季の乾燥期に規模の大きい山火が多発いたしまして、従来この火災予防のために内地と違いまして非常に苦心を要しておる次第であるのでありますが、そういつたところに非常に燃えやすい状態になつたたくさんのものが転倒しておるということになりますると、格段の火災予防の措置を考慮しなければならんということが一つあるわけでありまして、このほかに、北海道におきまするところのこれらの天然資、源はいずれも過熟な森林ばかりでありまして、いわば現に立つておるまま次第に枯死するというような状態の天然成林が始んど全部であります。そこで今回のこの風倒木が発生したのでありますが、これがいわば餌木の作用をいたしまして、この風害木の発生とからみまして今後非常に大規模な虫害の発生の虞れがここにあるわけでございます。従いまして、火災予防の問題或いは引続いて起る虫害発生の問題等を顧慮し、更に現在転倒しておりますものの有効需要を考えますれば、それを極力短期間に完全処理をするということがこの問題を扱う上に一番重要なことなのじやないかと、私どもかように考えておるわけでありまして、従いまして二十九年度の残されましたこの冬の期間、それから三十年度、三十一年度の両年度、いわば満三カ年の問にほぼ大体のものを搬出し終りたいと、かように考えておるわけであります。従いまして、そのような措置を強力進めて参りますというと、道内におきますところの木材の生産というものは急速に厖大化しまして、そのためにいわゆる需給の混乱、価格の大変動という問題が相次いで起り得る可能性が当然予想されるわけであります。従いまして、この処理の問題は、極力道内の需給安定を図り、更に合理的な価格の維持を考えて参る、こういうことの線に沿いましてやつて参る必要があろうかと、かように考えまして、実は二十九年度から計画的にこの処理の問題に取組んでおる現状であります。大体三十年度を例にとつて申上げまするというと、平常年度の生産に対しまして約八荊の増加伐採をいたさなけれ、はならない、こういうふうなことに相成るわけでありますが、北海道は御承知のように、従来の生産の形態は殆んど冬の雪の上で処理をするというふうな形のものが多いのでございまして、今回八割増のものを追加いたして処理しますということになりますと、当然曾つて経験のない夏山の生産というものを相当大規模に拡大して参らなければならないということが当然必要になつて参りまして、これらに相関連いたしましてこの処理の仕事というものは相当複雑な形において厖大なものに相成つて来る、かようなふうに考えざるを得ないのでございます。そこで極力これらの仕事を計画的に運んで参る必要があるというふうに考えられるわけでございまして、まあ私どもといたしましては、この法律によりまして或いは立木のまま或いは素材の形で地元の住宅或いは施設等の復旧用材に供給して参るものが出て参、るということは、道内の有効需要をそれだけ安定したものとするという上から参りますと、非常に有効な手段だというふうに考えまして、このような法案の審議を頂いておるわけでございまするが、何といたしましても当初申上げますように、需給の混乱を防ぐということとが非常に重要な問題になつて参る、そこで一応北海道内に過剰いたしますものの部分につきましては、これを内地の要望のある筋に計画的輸送をいたしまして販売を行いたい、かようなふうなことを考えておるわけでございます。非常に混乱いたします北海道の市内に、内地のそういつた希望の向きのあるものをそのまま差入れましたのでは、なかなか異常な規模の処理は非常にそういう面から困難になつて参るということで、従いまして、私どもといたしましては当然北海道内で過剰になつて参るということが出て参りまするので、これは三十年度におきまして約二百万石程度、素材に換算いたしまして二百万石程度と考えておるわけでありまするが、それらのものが私どもの手によりまして内地のそれぞれこれを使用する市場に向けて供給をいたしたいと、かように考えておるわけでございます。その場合におきましては、当然一般の売払という形をとつて供給するということになりまするので、格別にそういうふうな措置の対象を内地まで延長するという考え方はとつておらんのでございますが、間接には内地のそういつた需要のある向きには、必要の材が北海道から供給されると、かようなふうに考えておるわけでありましてむしろそのような扱いのほうが全体の処理を円滑に進めて参りまする上からいたしまするならば一層適切であろうと、かような考え方の下に、この法律による取扱いの対象は一先ず北海道に限定した、かようなことであります。
#6
○委員長(森八三一君) 今の御説明で、計画的に早期に風倒木の処理をしなければならんということは、これはもうお話の通りでよく理解できますが、北海道という限られた地域に非常に厖大な風倒木が発生をした、それをこの法律に示すような目的、範囲に処分するだけでは、需給の関係から言つて非常な問題を捲き起す危険もあり、お話のありましたように相当量は内地に当然搬入されるであろうというようなことが予測されるとすれば、内地におけると申しますか、本州、四国、九州における各市町村が、この法律に示すような公共のために、或いは公共の施設の復旧のために使用するという場合には、北海道内における市町村と内地の市町村とは同様の待遇を受けるというように考えてやらなければ、非常に不公平があるのじやないかという感じを私は強くする、北海道だけで処理されて十分だというのであれば、或いは北海道の本年の非常な災害ということを考えましてさような措置も或いは妥当かも知れませんが、当然内地に搬入される相当量の余剰があるということであるならば、その余剰は内地における北海道同様の災害市町村が、この法律に示すような災害復旧等のために使う場合には同様の措置が講ぜられて然るべきではないか、それを阻止するという理由はどうも了解に苦しむのですが、その点もう少し一つはつきりして頂きたいと思うのでございます。
#7
○説明員(石谷憲男君) この北海道地内で風倒木を売払いまする場合の売払の仕方は、これは状況によつていろいろと変つて来ると思うのでありまするが、相手方に対しまして立木のままで売払うという場合と、或いはそうでなくて最寄りの地点で製品の姿において売払う、こういうようなものに分かれると考えております。風倒木処分と申しますのは、非常に異常な姿において林地一面に転倒しているというものを危険なく処理して参るということになりますと、相当特殊な労務を必要とする。従いまして、市町村によりましては立木のままもらつて自分たちの労力でそれを伐採し、搬出して行く、こういうことも可能の所もありましようけれども、又他の場合におきましては、とてもそういうことはやり通せない、成る最寄りの地域で製品化したものを欲しいという御要望がある所も非常に多くなつて来る、かように考えております。何と申しましても、できるだけ最寄りの地帯でそれを取扱うということがやはり売払の要諦になつて参るのじやなかろうか、かように考えております。道内だけの輸送力を考えましても、或いはそれに引次ぎます海上輸送力の点を考えましても、厖大な数量でありますだけにその取扱が非常に複雑になつて参りますというと、その面からもこの処理、というものが円滑性を欠いて参ります。そこで私どもといたしましては、極力最寄りの地帯におきまして有効需要を喚起いたしまして適切な方法による適切な売払をやつて参るということが一番肝要なことになつて参ります。そこでできるだけ道内においてこれを搬出して行くということがこの処理の要諦だというふうに考えて道内の需給安定を第一にして参るという考え方をとつておるわけでありますが、それにもかかわりませず、やはり依然としてそこに残るものが出るということになりますると、それは道内の市場を圧迫いたしまして、そういう面からの需給の安定なり価格の維持ということが大きく崩れて参ります。これは絶対防がなければならない。併しそれを計画的に処理いたしますためには、どこまでも直営生産の方式によりまして、国自身の手で製品化したものを計画的に輸送し、計画的に販売して行く必要がある。計画的に輸送し、販売をするということのためには、やはりそれを計画的に受入れてくれる対象というものをはつきりととらえまして、それに対してそのような処理を進めて参ることが一番肝要じやないか。一にも二にもこの緊急処理というものを円滑にやつて行くということのために、このような措置を考えたということに相成るわけでございまして単にこれを内地各地域からの市町村の要望によりまして北海道材を供給するのだということになりますると、その結果現われますところの効果よりも、むしろ困難のほうが大きくなつて参りまして、そういう町からこの処理の点においていろいろな困難が兆して参る、かようなことを考えまして結局内地の問題は一応この際は考えないようにという取扱で行くつもりでございます。
#8
○重政庸徳君 私は救農土木の問題でもこういう議論がありますが、どうも北海道たけに限定される意味がわからないので、救農土木の例をとつてみても、初めは政府は北海道だけに限定しておつた。これを内地の災害に及ぼしたのであります。ほかの資金問題にしても、食糧の払下げにしても、全部これは二十九年度の災害の激甚地にも及ぼす。而もこの問題は北海道だけで非常に多量な木材が出て来るのでありまして、急速に混乱を来たすのを防ぐとか、何とかいう意味で北海道のみに限定した法律でありますが、どうも考え方が違うのではないか。あなた方の特別会計自体のことだけを考えてこういうようになつておるのじやないと思う。或いは非常に遠隔の距離になつて来る場合もありますが、少々犠牲を払つても災害激甚の内地の地帯にそういう要求があれば、私はそういう措置をとるのが至当じやないかというように考えておるのでありますが、この法案から言えば、特別会計自体が簡単に、できるだけ煩雑をなくし、そしてできるだけ犠牲を払わんような処理をするというだけの趣旨にとどまつておるのじやないかと思います。その点どういうふうにお考えになつておりますか。
#9
○説明員(石谷憲男君) 風倒木の場合でございますと、これを伐採し、これを搬出するといういわゆる生産費の面につきましても、一般の生立木を伐来する場合と違いまして非常に掛り増をいたすわけでございます。大きな転倒でありますので非常に危険を伴い、処理工程が非常に落ちます。恐らく三割ぐらいの生産費が掛り増になるわけであります。それからこれを利用します場合の歩留りにつきましても、生立木でありますると、北海道の場合大体七割五分乃至八割ぐらいは利用の歩留りがあると思いますが、風倒木になりますと恐らく五割或いは五割五分ということで非常に非経済的の仕事をしておるということに相成るわけでございますが、そのようなふうにいたしまして生産いたしましたものにつきましても、決して私どもの特別会計だけの立場で問題を考えておるというふうなことでは毫もございません。併しながら、これだけの大処理をいたしますと、道内の各方面に与えます影響は非常に大きいものがありますので、極力合理的な価格というものを維持するというようなことの可能な方策をとりませんというと、相当多額に上ります民間の生産資金に対しましても、金融関係方面からの非常な難色があるといつたような現状でもありますし、極力私どもといたしましては道内の需給の安定を価格維持ということを可能ならしめるような方法をとつて参る必要が、そういう点からも出て来るわけであります。仮にこれを計画的に内地の需要先に供給いたすにしても、これはいずれも大規模の輸送でありますので、青函の輸送方法に期待する面が非常に少いということになりますと、船積で輸送して参りまして港湾都市にこれを陸揚げするということになります。それから仮に相当な被害がありまする山地帯のそれぞれの地方にこれを搬入いたしまして売払をするということに仮にいたすといたしましても、実際問題としてお受けになる利益というようなものは殆んど少いのではないかというふうに考えられますので、北海道地内に発生しました風倒木を内地まで持つて来て、而もその需要されるそれぞれの地方に搬入して処理するということは、実際問題といたしましても非常に至難でもあるし、それの場合に考えられる市町村のほうからいたしましても、決して得策な、有利な処置じやないのではないかというふうに考えまして、北海道地内の面もできるだけ最寄りの地方で御利用して頂くという運営方法がよかろうと考えております。
#10
○重政庸徳君 今の御説明を聞いておると、何か材木屋というような感じが私はするのです。少々は損失しても私はいいじやないかと考える。価格の点を御心配になつておるが、一般の民間の需要に持つて行くのではないのですから、そういうことは御心配になる必要はないと思う。被災地の公共事業に持つて行くとか、或いは家屋が全壊したという所にその材木を持つて行くというのですから、価格の点は安くなつても私は影響はないと思う。今の御説明を聞いておると、まるつきり材木屋のような感じをいたすわけであります。理論が合わない。もう少しはつきり何かその近くで処分すると非常に円滑に行くとか何とかいうことでなしに、本当に国家的に考えて一つの理論が承わりたいのです。
#11
○説明員(石谷憲男君) 近くで売払いますことが決して私どもだけの利益のためというような考え方ではないわけでございまして、やはり遠距離輸送をすることになりますれば非常に輸送が輻輳をするということも考えて参らたければなりませんし、北海道の場合ついては他の農産物等の季節的な輸出等もあるというふうなことを考えますと、輸送時期等につきまして、できるだけ他の時期的な輸送と競合しないような時期を選んで集注的に輸送計画を実施して参るという配慮をして、やはりできるだけ輸送力のかからないような所に売払い、これを利用して頂くということが、いずれの場合におきましても双方ともに好都合だという考え方に立つているわけであります。
#12
○委員長(森八三一君) 今の説明では非常に了解に苦しむのですが、国が施策をする場合に、全国各市町村が平等の立場に立つてその恩恵に浴するというふうに先ず考えなければならんと思う。お話のように、内地各市町村は、この風倒木のこの法律に基く条件において払下を受けるという場合に、それが経済的に成立たないということであれはそういうような申請は町村がしないので、そういう判定は政府がやらなくても受ける市町村に任しておいていいと思う。お話のように相当壁のものが当然これは北海道の需給関係から、更に北海道の内部における価格の安定等からして、本州、四国、九州に搬入されるということが、これは明確にお話があるのですから、そういうものについては当然これは北海道内における災害者と同じように、本土における被災者もこの法律による庇護が、受けられるというような立場をとらなければ法律としては非常に不備なものであり、そういうようなことは実態的に或いは経済的に考えられるかも知れませんが、法律としてはそういうように平等の措置をするということにならなければならんと思いますが、その措置をすることについては弊害があるのか、その点はどうなんですか。
#13
○政府委員(奥原日出男君) 只今北海道からの輸送販売の問題を業務部長から御説明申上げたのでありますが、併しこれは実際問題としましては、南のほうでは恐らく名古屋以東、北のほうでは伏木以東の湾岸に持つて来るということに相成り、且つ又北海道の道内の需給事情というふうなものを睨合せながら、できればそういう不経済な措置をしないで、北海道の中で処理をして行くということも考慮して行かなければならないというふうな、非常にあいまいな前提の下に輸送販売が企画されつつある、こういうふうな状況にある次第でございます。そこで内地の町村に対しまして北海道の町村と同じように措置をするというふうなことをお引受をいたしました場合に、その辺の事情は恐らくこれはなかなか理解はしにくいかと思うのでありますが、従つてそういうふうなものをお引受した場合に、相当小品な荷物として内地の町村にお引取を願わなければならないというふうな結果になるかと思うのであります。恐らく必ずその輸送販売と結付けてそれが実行できるというふうなことは、今の段階においてそういう保証はなかなか困難である、かように存ずるのであります。そういたしますれば、折角そういうことをお約束しても、経済的にはその地方におきまする木材の価格に比べまして、町村が北海道材を引取つたために非常な負担を負わなければならない、そういうふうな結果になるというのが恐らく相当多くの場合であろうかと、かように存ずるのでありまして、従つて風害木の処置というこの前提においてこの特別措置を講ずる限りにおいては、北海道以外の、北海道から距離の遠いその他の府県にこれを拡げるということは、これはその前提に立つ限りにおいては困難ではないか、こういうふうな考え方をいたしておる次第であります。
#14
○重政庸徳君 そうすると、ちよつとお尋ねしますが、従来北海道太材は内地にはどのくらい入つているか、今まで全然入つておらんというのですか、どういう工合いですか。
#15
○説明員(石谷憲男君) 大体五、六十万石程度でございます。五、六十万石程度のものが内地に入り、殆んどそれくらいのものが又内地から北海道に来ているという事情であります。
#16
○重政庸徳君 そういうことになると、内地との輸送の関係は常博もこの際もちつとも変らない、常時においても今のような木材が入つているのだから、だからこういうときには内地に及ぼすということが私は当り前だろうと思うのです。それがために輸送の問題は生じて来ない、常時にそれだけ内地が北海道木材を利用している。だからどうもおつしやることがわからん、理論的に筋が通らんよ、我々は素人だが、併し御説明だとどうもあらゆる点が納得できんですね。
#17
○説明員(石谷憲男君) 常時入つておりますのは、大体北海道特産の闘葉樹のたぐいでありまして、今回の風倒木で処理いたしますものは、殆んど大部分のものはいわゆる「えぞまつ」、「とどまつ」といういわゆる北海道特産の針葉樹であります。こういうものは殆んど内地に出ての要求は過去におきまして殆んどないわけでありまして、道内において大体その需給が均衡するということで来たわけであります。それから逆に北海道から入つているものでございますが、これは特に北海道内の市場がいわゆる札樽地区の市場並びに函館市場ということになりますので、函館方面はあの附近は大体木材が少いという関係から、それから比較的近まの青森、秋田方面に大量の用材を出しますので、青森、秋田方面から函館方面に参つているのが五、六十万石あるという関係になつております。
#18
○委員長(森八三一君) 今の北海道からこの風倒木の二百万石前後のものが需給の関係からいつても当然内地に搬入されなければならない、内地においてもこの法律に示している開拓地なんかは、十五号台風でなくて或いはその他の台風かも知れませんが、開拓者諸君が住宅が全壊して住むに所がないというような極めて気の毒な人もあり、堤防決壊等のために北海道と同じように漁業者が綱の干し場を失つてしまつて、今その復旧をしなければならないという窮境に迫られているものは至る所に御承知の通りあるわけであります。そういうものの復旧のために経済的に引合わないということであれば、これは市町村が当然要求しないでしよう。だから経済的に引合うかどうかということは受けるほうが判定することで、この風倒木処理に関する特別措置法に基いて取進めることが、そういういうな非常に気の毒な開拓者なり、漁業家なりというような諸君のために裨益するというようなことがある場合には、そういう同様の措置を講じてやるということが法律としては当然な措置ではないかと思いますが、そういう措置を講ずることが何か弊害があるのかないのか、弊害があるということであれば、これは発動はしない。よく認否研究の結果要求されるという、その要談されることは何か弊害かあるのかなおのか、その辺どうなんですか。
#19
○説明員(石谷憲男君) 基本的な弊害が明らかに発生するというふうな見通しを私どもは決して持つておるわけではないのでございますが、ただ一応そういう途を開きますならば、これはまあ当然先ほどもお話がありましたように、価格は相当切つて供給してもよろしいじやないかというふうな御主張も確かにあると思うのでございますけれども、やはり何といたしましても、これだけの大規模なものを処理いたします相手は、やはりこれを取扱つておる木材関係の業界であるわけでありまして、これらの業界はそれに加工いたしまして、やはり最終の需要者にこれを売るということになりますので、そういつた取引の価格というものの体系を大きく阻害をするというようなことは、やはり私どもとしてはとるべき措置ではないじやないか、こういうふうに考えておることが一点と、それからもう一つは、必ずさまざまな御要望で、価格問題を度外視いたしますならば、たくさんな数壁の要請が出て参るということになりました場合、当然これは私どもといたしましては、それを可能ならしめるごとく取扱つて参るということになるわけでありましてさようなふうにいたしますというと、これらの輸送というものと計画というものの輸送、道内の輸送はこの輸送のために非常な混乱をして来るというようなことで、成るたけ計画的な輸送をするということが、道内問題の安定を考えるほかにも、やはり短期に大量のものを処理して参りたいという関係から、そういうふうなところからやはり計画的な処理というものが困難になつて来る、かようなふうに考えるわけでございます。
#20
○岸良一君 私のほうも今皆さん御質問があつたような、感じがするのですが、一体大体道内で今度の復旧資材としている量は、総量どのくらいになるお見込みですか。
#21
○政府委員(奥原日出男君) 総量といたしまして、衆議院で御修正に相成りました住宅の復旧用材というふうなものを併せて考慮いたしますれば、本年度におきまして先ず百四、て十万石程度のものではないか、明年度におきましては、住宅関係以外の分といたしまして二、三十万石考慮いたしておりましたが、それに対して住宅の復旧用材がどの程度殖えますか、ちよつと我々も見当が立つておりません。
#22
○岸良一君 そうすると、非常に多数の量が処分されなければならんということになるわけですが、従つてそれを内地のほうで希望すれば内地のほうに均霑させてやるということは、私は少しも不都合じやないと思う。ただ北海道の友材のほうが針葉、樹が非常に多いということであれば、恐らくお考えになつておるのはパルプ材としても処理がつくのじやないかというようなことでお考えになつておるのですが、パルプ材等ついてはどのくらい御利用されるお積りですか。
#23
○説明員(石谷憲男君) 従来北海道におき、ましては、先ほど御説明申上げましたように、殆んど全部が天然林でございまして、而もその伐採の方式は、い上ゆる皆伐をいたしまして、すぐあとに植林をするというようなやり方ではなくて成る一定の大きさ以上のものにつきまして、これを抜き切つて生産をするという、こういうやり方でやつて参つたわけであります。そこで勿論これらの仕事に関連いたしまして、余りよくない木というふうなものは同時に除去せられますので、比較的小径、低質、なものも併せては出ておりますけれども、大きな筋といたしましては、そういつたような形で生産をいたして来たわけでございます。そこでいわば樹種或いは形状と申しまするか、形の上から言いましても、ほほきまつた卸囲のものが出ておつたのでありまするけれども、今回の風倒の場合におきましては、大、中、小さまざまのものが一せいに転倒の状態をしておるという現状でありまするので、いわゆる中怪材以下のものが非常に大量に道内市場に出廻るということになりますので、従来道内のパルプ材の需要量というものは四百五十万石程度のものであつたのでありまするが、それに対しましては相当過剰な供給状態ということに和成る点を私どもとしては一応心配したわけであります。従つてそういつたものの解消策といたしましては、これを内地市場にそのまま持つて来るということについてはいろいろ問題もありますので、できるだけ道内にあります天然湖沼等を利用いたしまして、短期の大量貯材をいたしまして、そうして道内の需給安定に資したい、こういう考え方を持つております。
#24
○岸良一君 私は今度の風倒木の今御説明がありました理由からら言えば残るものが多いと思う。それを御処分なさるということで、恐らくあそこでは国策パルプなり、十条パルプなりあるのですから、そこに振向けるための。パルプ材として用いられるものがあるかどうか。それは針闊相当あると思うが、その量はどのくらいあるでしようか。
#25
○説明員(石谷憲男君) 大体三十年度の全体の需給関係を見通してみまするというと、これは一応針葉樹と広葉樹に分かれるわけでありますが、広葉樹につきましては大体六百万石程度で需給が相均衡する。従つて勿論風倒木の伐採によりまして既定計画の変更をやつて、生立木の伐採を規制するということで振替措置はやりますけれども、とにかく六百万石程度の規模で需給が相均衡するというふうに考えておりまして大体広葉樹には問題はないと思うのでありますが、針葉樹につきましては、三十年度の需給に関係いたしますところの道内の供給力は、素材で約千一百万石と、かようなふうに私どもは推定をしております。従つてこれに見合うべき道内各市場の有効需要は大体一千万石というような見当を立てておるわけでございまして、恐らくこの中で四百五十万石ぐらいのものがパルプ材として認められる、かように思つております。
#26
○委員長(森八三一君) この際お諮りいたします。只今議題になつております北海道における国有林野の風得木等の売払代金の納付に関する特別措置法案につきましては、なお幾多の質疑があろうと思いまするし、只今までの質疑の経過に鑑みまして十分懇談を願うようなことも必要かと考えますので、本件につきしましては一応質疑をここで中断いたしまして策議院において議員提案を見ております法律案について提案者の御出席を求めて提案理由の説明等聴取いたしまするために、衆議院議員の提案者の御出席を得ましたので、その説明をここで伺いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(森八三一君) 御異議ないようでありますから、さよう取計らいます。
  ―――――――――――――
#28
○委員長(森八三一君) 次に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたします。
 本法律案は、去る十二月二日、衆議院議員吉川久衛君ほか百二十一名によつて衆議院提出、昨三日予備審査のため当院に送付、当委員会に予備付託となつたものであります。
 先ず提案理由の説明を聞くことにいたします。
#29
○衆議院議員(吉川久衛君) 只今議題となりました農林水産業施設災害復旧事業君国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案者を代表して提案の理由を御説明申上げます。
 本年七月以降、全国各地に大雨又は台風により農地、農業用施設その他に対して随所に相当の被害を生じましたことは、すでに御承知の通りであります。従いまして、これらを急速に復旧いたしますことは、現在の被害農家の負担能力を以てしては、現行の既定補助率では不可能な状態にあるのであります。それ故に本年度災害に対しましても、二十八年度災害の特別の措置にならい、その復旧工事に対する補助率を高めまして、復旧の可及的円滑な促進を図るため今回この改正案を提出いたした次第であります。
 即ち、本案の骨子を申上げますれば、今次の大雨と台風によつて被害を受けた農地及び農林水産業施設に対する復旧事業については、次の二点がその改正の要点となつております。先ずその第一点は、農地、農業用施設、林業用施設、漁港施設の復旧事業費に対する国庫補助の比率を、現行法の補助率にかかわらず、政令で指定する地域においては、事業費の十分の九とすることであります。次にその改正の第二点は、昭和二十八年災害の特例の措置を適用して、開拓地における農舎、畜舎、共同の利用施設その他農業協同組合、同連合会、森林組合、同連合会並びに水産動植物の養殖施設等のほか、新たに北海道における未開発魚田開発施設で政令で定めるものはこれを農業用施設とみなし、これも国庫補助の対象として十分の九を適用することであります。
 以上説明いたしました二点が本改年案の主たる内容であります。何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申上げる次第であります。
#30
○委員長(森八三一君) 只今提案理由の説明を承わりました。本法律案の審査はあと廻しにいたしたいと存じます。
#31
○委員長(森八三一君) 次に、水稲健苗育成施設普及促進法案を議題にいたします。
 本法律案は、去る十二月二日、衆議院議員佐藤洋之助君ほか二十四名によつて衆議院に提出、昨三日衆議院を通過して本院に送付、当委員会に本付知となつたものであります。なお衆議院農林委員会において「一、普及促進に関する五カ年計画に基き、毎年度、年次計画達成に必要な苗代面積二千万坪以上につき一助成措置を講ずること。二、昭和三十年度の本施設の実施に必要な経費はできるだけ二十九年度中にこれを措置すること。」というような付帯決議が行われております。
 先ず提案理由の説明を聞くことにいたします。
#32
○衆議院議員(佐藤洋之助君) 私佐藤でございます。只今議題となりました水稲健苗育成施設普及促進法案につきまして、提案の理由を御説明申上げます。
 米の生産を増加いたしますことは、我が国における国内食糧自給度の向上及び国際収支の改善等、経済自立上、喫緊の要件でありますと共に、農家経済の安定上からも極めて重要な施策であることは今更申上げるまでもないところであります。我が国における米の主要生産地帯であります北海道、東北等寒高冷地域の稲作は、その生育期閥の気温が低く、且つ又積雪多量などのため、稲の生育期間が短かい上に、夏季の低温及び冷水灌漑等により、授精障害並びに生育遅延による登熟の障害を起しやすく、冷害を受ける危険が多分にあり、水田の生産力は不安定でありますと共に、又甚だ低位であります。又これらの気象的条件により水田の利用率は低く、経済的にも甚だ立ち遅れの状況を来たしているのであります。これらの地域の水稲作を安定し、その増産を図りますための耕種法改善策としては、第一に、早掻、早植により健苗の育成を図ることが極めて必要であることは周知の通りであります。幸い、建前の育成につき一ましては、農家のたゆままざる努力と、これに対する農業技術者の協力によりまして温床苗代、保温折衷苗代のごとき画期的な育苗方法の研究完成を見、これに対する牧年間の熱心な奨励と国の助成とにより、著しい普及を見るに至つたのであります。特に昭和二八、二九年度冷害に際し、この苗代によつたものはその効果を一段と発揮し、米の生産増加と減産防止に著しい効果を収めて参つた次第であります。併しながら、これが普及状況を仔細に検討いたしますと、水稲の健苗育成施設の実施を最も必要とする寒高冷地域に対する普及度は未だ不十分であり、且つこの地域の農家の経済力は一般に低位にありまするので、この地域に対しましては、今後重点的且つ計画的に一層の普及の促進を図りますことが刻下の急務であると考えられるのであります。かような事情に鑑み、今後一貫した計画の下に、これらの適応地域に対し、健苗育成施設の普及促進を図らんとするのが本法律案を提出するに至つた理由でございます。
 以下、この法律案の内容について概略御説明申上げます。第一は、水稲健苗育成施設の普及を必要とする地域及び地区の指定でありまして、農林大臣は、積雪甚だしく、又は水稲の生育期間における気温若しくは水温が著しく低いために、その区域内の水稲作が不安定又は低位である都道府県の区域の全部又は一部を寒高冷地域として指定し、この指定に基き、都道府県知事は管内市町村の区域の全部又は一部を寒高冷地区として指定することにより、水稲健苗育成施設の普及を重点的且つ計画的に実施し、事業を効果的に遂行しようとするものであります。第二は、水稲健苗育成施設普及計画の樹立であります。寒高冷地区の指定を受けた市町村長は、農業委員会の意見を聞いて、水稲健苗育成施設の普及計画を定め、都道府県知事に提出しますと共に、都道府県知事は市町村の普及計画を参酌して都道府県の普及計画を樹立し、農林大臣に提出し、農林大臣は都道府県知事の計画を参酌して国の計画を定めることとしようとするものであります。而して、水稲健苗育成施設の普及促進は、この計画に準拠して行われることになるのであります。第三は、国の普及計画実施のため必要な経費の予算への計上と、補助金の交付奨励措置又は指導監督の助成でありまして、政府をして都道府県に対し市町村が水稲健苗育成施設の普及計画を実施する農家の資材購入に対して補助するのに要する経費の全部又は一部を都道府県が市町村に対し補助するための経費並びに都道府県が当該都道府県の普及計画を実施するために必要な経費に対し補助金を交付せしめますと共に、普及計画を実施するために必要な資金の斡旋等、事業施行に必要な諸般の措置を講ぜしめようとするものであります。なお、本法案の有効期限は、一応これを昭和三十五年三月三十一日までといたしております。
 以上が本法律案の内容の大要であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御賛成を得られますよう切望する次第であります。
#33
○委員長(森八三一君) 只今提案理由の説明を承わりました本法律案の審議は、なお予備付託になつておりまする案件が一件ございますので、この提案理由の説明を聴取いたしましたのち審議に入ることにいたします。
#34
○委員長(森八三一君) 次に、昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案を議題にいたします。
 本法律案は、去る十二月二日、衆議院議員福田喜東君外百二十一名によつて衆議院に提出、昨三日予備審査のため当院に送付、当委員会に予備付託となつたものであります。
 先ず提案理由の説明を聞くことにいたします。
#35
○衆議院議員(福田喜東君) 私は福田喜東でございます。只今議題となりました昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案につきまして提案者を代表し、提案の理由を御説明申上げます。
 御承知のごとく、本年度におきまする農作物の作況は、一般的に見ますれば平年作に比較してやや劣る程度でありましたことは、誠に御同慶の至りと存ずるところでありまするが、併し、局地的に見ますれば、春以来の異常気象によりまして北海道並びに東北の一部その他の寒高冷地帯において深刻な冷害の発生を見、或いは南九州等におきまして、数次の台風により、稲作及び雑穀を中心として著しい被害を受け、飯用食糧にも事欠く農家の生じましたことは、誠に遺憾とするところであります。例えば、北海道における農作物の減収は、昨年度の約二倍に達し、農家の窮状は言語に絶するものがあるのであります。政府の報告によりますれば、かかる農家に対して、卸売価格を以て特別売り渡しを行うべく手配中とのことでありまするが、昨年に比して被害の範囲は小なりといえども、その深刻度においては著しく大なるものがある事実に徴しまして、昨年度と本年度との行政上の均衡を保持せしめ、被害農家の食糧不安を解消するために、政府所有米麦及び麦製品を廉価に売り渡し、他の災害対策と相待つて農家を救済し、農業の再生産の確保に寄与すべく、ここに本法案を提出いたしたのであります。
 以下その内容の概要を御説明申上げます。先ず、本法案により米麦の売り渡しを受け得る被害農家とは、米麦又は雑穀を生産する農家であつて風水害、冷害により著しく減収を来たし、ためにその生産する米麦、雑穀を以てしては、その農家の飯用消費量に著しく不足する旨の都道府県知事の認定を受けたものと規定いたしております、次に、政府は都道府県及び市町村を通じて被害農家に米麦を売り渡すこととし、昨年同様、間接的な方法をとることといたしました。而して政府の売渡価格は、被害農家の購入価格がおおむね生産者が政府に売り渡した場合の基本価格程度になるように定めることとしておるのであります。
  以上が本法案の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願い申上げる次第であります。
#36
○委員長(森八三一君) 只今提案理由の説明を聴取いたしました本法律案の審査はあと廻しにいたします。
  ―――――――――――――
#37
○委員長(森八三一君) 続いて先刻提案理由の説明を聴取いたしました水稲健苗育成施設普及促進法案を議題にいたします。御質疑のあるかたは御発言を願います。
#38
○佐藤清一郎君 本促進法案は極めて時宜に適した法律案でありまするが、これに伴う予算案はどの程度になるのでありますか、提案者から御説明をお願いいたします。
#39
○衆議院議員(佐藤洋之助君) 実は本年度は予算を計上してないのでございます。それと申しますことは、御承知のように、健苗育成の問題は過去四年間実施をいたしておりまして三年は補助がございまして実施いたしました。昨年度は災害予算でこの健苗育成の補助をいたしたのであります。本年度は大蔵省の同意を得られません。そこで予算なしに、先ずこの金が約一億ぐらいと見ておるのですが、中金からの融資によつて一応必要な資金を賄おうじやないか、そうして三十年度の予算に計上して行くということの建前で行きたいと考えております。
#40
○佐藤清一郎君 日本の食糧増産の面から見て、これを強力に推すということは極めて時宜に適した事柄であると思うのでありますが、特に私は本年兵庫県に参りまして、河合委員からとの健苗育成の事柄につきまして全く異常な作柄を見せられまして、こういうことはひとり寒高冷地帯ばかりでなく、全国的に速かに栽培法を改正してまでも実施すべきであるというようにも考えておるわけでありまして、是非これは我々は強力に推進したいと思うのでありますが、改良局といたしましてどうして予算案を付けないか、これを一つお伺いしたいと思います。
#41
○説明員(塩見友之助君) この予算は、只今提案者である佐藤さんからお話のありました通りに、二十九年度の施行分につきまして、昨年度は一年繰上げまして、それで災害の対策費で以て前以て予算を配付したわけでございます。それで従来のやり方といたしましては、四月以降になつてから予算が配付される。ところが農家のほうはもう早いところは三月から準備して四月には苗代を作つてしまうと、こういう形で、まあ昔でありますれば、もつと早く予算がき」まる関係からして大体暫定予算というふうなものもないために、県のほうとしては大体予算が確定すると、町村のほうと打合せて早目に実行計画を指導できると、こういうような関係からして非常に安定して動いておつたわけですけれども、最近の財政状態や暫定予算であるとか、削減であるとかいうような関係が起つて参りましたために、府県のほうといたしましては、果して予算案が成立しても削減その他で以てどういうふうな形になるかわからない、或いは暫定でどういうふうな形になるかわからないというので、この普及上町村との打合せが十分できないと、こういうふうな欠点があつたわけであります。そのために昨年の冷害の場合には一年繰上げまして、二十九年の三月ですから二十八年度の予算、会計年度に跨りまするが、それからあと二十九年の四月から施行しますところの保温折衷苗代に対しまして、二十八年度中に予算を府県のほうへ配付してもらわないと指導が徹底しない。それが一番大事な山間地、高冷地に対する指導が行き渡らなかつた原因であるということによつて、昨年度一年繰上げてもらつたわけであります。二十九年度の分はそういう形で実行されておるわけでございますが、我々といたしましては、三十年度分についてもやはり昨年と同様にやつたほうが非常に成績がいいということは、二十九年度における実績から見て明瞭だと、こう考えられておつたわけで、それを年度当初に大蔵省に強く要求したわけでございますが、大蔵省のほうとしては趣旨においても異論があるし、又冷害でもあればというふうな意見等もありまして抑えられた、これは非常に遺憾なことでございますが、そういう経緯になつております。我々といたしましては、やはり前年度に何らかの形で以て府県のほうに、市町村に安心して普及奨励ができるような措置を講ずることが必要であろうかと、こう考えておるわけでございますが、本年度はそういうふうな形で以て一十年度の予算が組まれておらない、こういう恰好になつております。
#42
○佐藤清一郎君 この健苗育成或いは早期栽培というようなことは、在来の農家のいわゆる慣習とか、或いは労働力の按配、或いは跡作の収穫等にも非常な関連がありますから、ことごとく全面的に早期栽培の健苗育成というわけには行くまいと思うのです。併しながら、私は昨年のあの兵庫県における実態を見ましてこれはどうしても全国的にできる限り農家に対しましても啓蒙普及させる必要があると痛感しておるわけでありますが、それにつきましても予算の必要なものは当然これは十分なる予算を計上して行くべきであると考えますが、予算がなくても改良普及員等によりまして、これを実際に試験成績等もデーターができておると思いますから、これを十分に農家に普及いたしましたならば、毎年やつて来る、例外なしに来るあの暴風も相当避け得られるであろうというようにも感ずるわけでありますので、是非一つ改良局におきましては、大蔵省あたりからかれこれ言われると忽ち屁つぴり腰になるのが通例でありますが、強力に推進して頂きたいと考える次第であります。私の希望を申上げておきます。
#43
○衆議院議員(佐藤洋之助君) 只今佐藤委員からのお話誠に御尤もでございます。西南暖地のあれは予算がございますけれども、この組み方が前年度の予算でとつて次年度の実施に当るわけです。今までそういう形式でやつておつたわけでありますが、今まで寒高冷地帯では、どうしても早くこれを実施いたしませんと間に合いませんから、西南暖地とちよつと苗代の作り方が違うわけであります。そこで二十九年度は一十八年度の予算でとつて九年度に廻すという形式をとつたのですが、これは私も実は農林の災害小委員長をいたしておりまして、我々小委で以て六億五千万円の要求をいたした、でかなり小笠原君とも折衝をいたしたのですが、どうも大蔵省と遺憾ながら意見の相違がありまして、もう私どもは小笠原君に対して大いに極論をしたのです。で、こういうふうにもう三カ年やつて昨年は災害を取つたので実績が挙つておるのだ、これを打切るということになれは、やはり一般農家の人もやめてしまうことになるのじやないか、折角ここまで育成して来たのだから、これは仏作つて魂入れずだ、これがいいことはわかつているのだからやるべきじやないかと実はいろいろ各方面から説いたのですが、本年度の災害に容るるところがなかつたのです。僅かの予算でも流さなければならない、僅かの予算でも、一番早く年度末三月に手をつける頃までに予算を流そうじやないかということで、一億でもいいじやないかということで、六億五千万円決議したのが折れたのですが、容るるところがなかつた。こういうふうに実績のある必要なものはやはり委員諸君としてはこれを強力に押進める必要がある、こういう意味で予算の確保がなかつたことは誠に残念でございますが、提案をいたしまして御賛同を、願うわけでございまして、北海道及び岩手、また佐藤さんの栃木県の殊に那須方面の三百メートル以上の高冷地におきましては誠に必要なんです。こういうことを通感しておりますので、今の御意見御尤もでございますから、是非どうぞあなたのほうでも十分当局を鞭撻願つて、共々この目的の達成に御努力を願いたいと考えております。
#44
○江田三郎君 今の佐藤さんのお話の一億というのは、どういう基準ではじかれた数字なんですか。それから一体この法律が通過したときに、第十条によつて「経費の全部又は一部を補助する。」ということになつていますが、ただ全部又は一部を補助するというだけであつて、別にこの法律によつて幾ら出さなければならんという、政府に対する予算の制約というものはないように思うのです。だからこの法律が通つて、仮に一部ということになれば、全くつまみ銭でもいいということにも法律上はなりますか、どうか。そういう点はどうですか。
#45
○衆議院議員(佐藤洋之助君) その細かな問題は一つ事務当局から説明をお聞き願いたいと存じます。
#46
○説明員(塩見友之助君) 只今の二億一千万というのは、これは佐藤さんからお答え願つたのでもわかつているのでありますが、当初災害予算といたしまして、北海道、青森、岩手というふうな冷害のひどかつた府県の分を二億一千万円だけ災害予算として提出したわけでございます。その他の内地各府県の分は、これは補正予算として四億五千万円で、計六億五千万くらいになるわけでございますが、そういうふうな提案であつたわけです。二億一千万円というのは、そういう形で災害との関係において出た予算でございます。我々としましては保温折衷苗代等全体として考えれば、災害予算の一億余りと、それから補正予算で提出しました各府県の四億五千万と、そういうものは性質的に言えば分けられもしまするけれども、本年度中にやつたほうがいいという必要性においては同様のものだと、こう考えておるわけです。それからもう一つの予算の単価の問題は、従来から保温折衷苗代につきましては二十一円五十銭、こういう単価でやつて来ております。これは油紙の値段が幾らか高下いたしまするが、大体それでずつと固定して来ているというような形で、大体の比率からいうと三割ちよつとというくらいなところで以て来ておりますが、そこの点は法律には明定はございませんが、我々のほうとしましては、こういうふうな法案が通りますれば、大蔵省とそういう線で、これが通つたからそれが不安定になる、或いは低められるというふうなことがないように、できるだけ努力したいとは考えております。
#47
○江田三郎君 その農林省のあなた方が今まで努力されているということは、これはもう私たちも十分知つております。ただどういう努力をされましても、それが実を結ばなかつた、先だつても原次長に当委員会へ出席してもらつて、いろいろ私どもが申しましても、大蔵当局としては頑として聞かないということになりますと、法律が通つても全部又は一部ということになると、必ずしも塩見さんのおつしやるように、従来の予算単価が幾らであつたから、それだけは大丈夫ということにならんのじやないかと思うのですが、或いは、その全部又は一部ということを法律通りに解釈して、誠に一部の一部の又一部というようなことに結末がつかんとも限らんし、又今までの大蔵省の態度から行くと、そういう公算のほうが名いのじやないかと思うのですが、若しそういうことになりますというと、折角農家として期待をして、今の佐藤さんのお話のように、これを見返りにして或いは中金等から融資をしたという場合に、あとになつてとんでもないことになつたという虞れが出て来るわけです。その点一体この法律が通るとぎに、農林省として従来の予算単価が一、十一円幾らであるから、それだけは絶対に大丈夫なんだという、法律が通つた暁にはそれだけは大丈夫という確信がございますか。
#48
○説明員(塩見友之助君) 単価の点については、それははつきりとした確信があるというふうにここでは申述べるわけには行かないと思います。
#49
○戸叶武君 予算を確保できないので、それに代つて議員立法としてこういう法律が出されたという趣旨は誠に結構ですが、こういう問題に対しては前に九州災害等においても苦い経験を持つておるのであつて、予算の裏付けのないところの立法の価値というものが問題になつておると思うのです。農林省当局が大蔵省との折衝の過程においていろいろ御苦心されたことはわかるのですが、当然予算に組入れられなければならない問題が、趣旨において大蔵省との間に異論があつたのでそれを受入れられなかつた、相当これは抵抗したとは思われるのですが、そういうふうに大蔵省に叩き伏せられてしまう、そうして今度は自分の無力さを議員立法という形において槌りついて何とかしようというお茶の濁し方というものがいつでも私は政府の責任が非常に曖昧になり、而もこの立法化された議員立法というものの権威がないがしろにされる原因を作つているのじやないかと思うのでありまして、これは実際予算案に対する発案権なり、編成権なり、提出権というものは、英国憲法等においてはやはり行政最高機関としての内閣の持つアブソリユートのものだとまで言われているくらいで、日本でいつでも政府が責任を転嫁し、その責任を転嫁して情として恥じないのに対して、今年は官庁関係で国会のほうに働きみけて議員立法というものを求めて来る。議員としては当然これはなさなければならない処置で、議員立法を作り上げるけれど、その予算の裏付けがないために事実上においてはそれほどの成果を挙げることができない。こういうことをこの数年繰返しているということは我々は反省しなければならないと思います。先ず第一に改良局長にお聞きしたいのは、大蔵省と折衝の過程において、趣旨において異論があつたという点をもう少し明確化して私たちに示してもらいたいと思います。
#50
○説明員(塩見友之助君) 先ほど簡単に申上げましたが、一つは昨年度初めて一年繰上げたというふうな形になつております。それで三十年度の分を二十九年度に繰上げるかどうかというふうな点については、二十九年の冷害の状態とか、その他を見た上で、又実施状態等を見た上できめてもいいではないか、ですから二十九年度分は前年度すでに三十八年度の予備費で出したわけだから、二十九年度予算では二十九年度の分は計上する必要はない。三十年度を二十九年度に計上することにつき一ましては、大蔵省としましては、あれは冷害が特にひどかつたから、それで災害予算として予備費で以て特に前年に繰上げて計上したわけで、連年それをやられるというふうな約束はあれでやつたわけではない、だから若し問題があるならば、そういうふうな災害があつたときに災害予算として計上されるならば、それは二十九年度分を二十八年度にもやつたことであるしするから考えられるけれども、年度当初からそれをやるというふうなことは困るということが一点でございます。それから又趣旨論といたしまして、これは大蔵省の言い分といたしましては、農家の経営費の一部だ、経世費の一部であるものを、それをずつと長期に亘つて政府が助成を続けて行くというふうなことには賛成でき一ない。又非常に末端に参りますれば小額である、だから小額の補助金というものは非常に使途その他について不安定さがあるから、そういう点についても賛成できない、こういうふうな点が大蔵省の申立てますところの重点でございます。特に、前半の経営費の一部について補うというふうなことはやりたくないというのが最も強い理由なんであります。
#51
○戸叶武君 別に議論を吹つかけようというのじやないのですけれども、第一の言い分は、大蔵省の側としては予算編成の技術の面から来ておると思うのです。第二の部門は、経営費の一部といつて極く些少だからそんなことをしたつて意味をなさんというような理窟が、それを改良局で納得したわけじやないけれども、それが通るならこういう議員立法だつて同様だと思うのです。大蔵省自身の予算編成技術にだけ負けてしまつて、事実上において農林当局がこういう施策は必要であるという打出したものに対する信念を通すことができないので、そうしていろいろな弥縫策を講ずるというやり方が日本の農政を私は停滞させておるのじやないかと思うのですが、その辺において、その大蔵省の言い分に農林省は何だか押しまくられて屈服したような印象きりしか与えられないのですが、それはどうですか。
#52
○説明員(塩見友之助君) 我々のほうとしましては大蔵省の言い分は勿論呑んでおりません。議論が対立したままで、それで予算というものは意見が合わないままの形できまつておる。そういう状態でございます。我々といたしましては、保温折衷苗代は勿論、冷害に対しては現在考えられる措置としては最も有効な措置でございますし、これを普及することによつてこれはほんの経費の資材の中の一部でございますから、そのほかに農家としましては労力関係であるとか、資材のその地縄であるとか、或いは支柱であるとか、いろいろなものをやはり負担しておるわけでございまして、本当の資材の中の油紙の一部を補助しておるという形によつて、農家はそれによつて非常にその他の努力を更に重ねまして、それでその結果がこれの或いは何十倍というふうな増産効果になつて現われるものであるからしてこれを奨励的に政府がやる、財政でそういうものを持つということは、国家財政から見たつて担税力が殖えるとか、いろいろな間接な関係からしてこれは当然大蔵省のほうで見て然るべきものではないかというのが私らの議論でございまして、その議論は対立のまま、私らのほうとしては向うの言い分を承服しておりませんが、併し予算になりますと、最後には提案権というものは向うにあるものでございますから、こつちが負けたという形を必ずしもとつてないのですけれども、提案は意見が合わなければ向うの案によつて提案されるという形になつてしまうものですから、結局こつちの言い分は通らないという結果になるわけであります。
#53
○江田三郎君 議事進行。塩見さんをいじめて見たつてしようがないのでして、一遍大蔵省に来てもらつて、こういう法律が通過したら大蔵省はどうするかということを聞いて見なければ仕方がないと思いますがね、そうしないと、これをやつたあとで又塩見さんの説得効を奏せず。予算が付かんということになつたら、一体今度は我々は油紙を買うた諸君に対してどういう申訳をしていいかわからんことになりますから、大蔵省に来てもらつたらどうですか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
#54
○松浦定義君 この間原次長に私この問題ちよつと開いたのです。若し議員立法が出た場合には予算的にはどうするかと育つたら、そう点についてははつきり言わないけれども、従来の行き方からいつたら止むを得んというふうな口吻であつたのですが、恐らく衆議院のときだつて随分この点については大蔵省と話合の上で、そうしてこういう結論を出されたと思うのです。そうしますと、今ここへ呼んで、それじや衆議院のほうでははつきりしたことを書わなかつたけれども、参議院のほうでは付けますというようなことは恐らく私は計わんだろうと思うのです。そこで江田先生の御意見は別として私は私なりに策議院がこうして政府が出さん、私ども参議院としても随分やつたんですが、どうしても出さんということになつた場合に、それを排して衆議院のほうで議員提出をされたということについては非常に敬意を表するのです。やはり議会政治の立場から言えば当り前だと思うのです。併し今の内容を聞きますと、予算は付けないが場合によつたら融資の面で考えようということもあるので、この融資にしても、今年の災害のために一応必要だという二億の融資というものを中金から融資すると、こういうことで、この点についてまあ二十九年度中にこれを措置するというこの附帯条件ですか、こういう点で強くお謳いになつておるのですが、そうしますと、今も江田先生が御心配になつたように、中金はとても、余裕金でもあれば少しでも或いは流すかも知れない。ところが三十年度の予算にこれは全然、先ほど改良局長からのお話のように四億五千というこのものも確保できなかつたということになりますと、この二億に対してでも利子補給どころか何にも私はしないだろうと思うのです。そういうようなことまで見通して、その場合を何とか衆議院のほうでは、衆議院ばかりじやない、これは参議院もありますけれども、国会において責任を持つというようなことができるかどうかということから考えますと、先ほど戸叶委員も御指摘になつたように、まあ衆議院のほうとしてはいろいろ事態がこう緊迫しておるということから、せめてまあ農民が要望しておる点について、一応の見通しとしてはこうだということを示す意味においてのこれは議員立法だということであつて内容は全然ないということに或いはなるんじやないか。ところが参議院のほうはこれは解散も何もありませんし、ずつと続いてやらんならんから、やはり内容については恐らく相当責任を持たんならんと思います。ただ衆議院のほうで予算はないけれども金を貸してもらつてでもやつてやる。その金のことについてはそのときはそのときだというようなことではちよつと困るのですがね。そういう点についてもう少し突込んで、提案者から大蔵省の見解或いは又来年度の予算についての見通し等を私は承わつておく必要があるのじやないかと、こう思うのですが、一つ御意見を承わりたいと思います。
#55
○衆議院議員(佐藤洋之助君) 先ほど戸叶議員と松浦君の御意見誠に御尤もなんですが、我々はそういうことを苦慮して、戸叶さんの言われたように議員立法は実際行われがたい問題で、九州に参りまして、災害の九割補助という問題、あれが二十四億というのが更に実行されていない。大蔵省では包金の四億くらいでごまかしてしまおうというので、全く議員立法は権威がないので、これでは困るというので、これは私も提案者として苦慮して相当論議したのですが、今、松浦さんのお言葉のように、これは我々はどうしても三十年度は三十年度で予算を取る確信をいたしております。一応そうした措置を、皆一樹となつてこの問題を達成しようじやないかというので、おみやげ案とか、そういうことの言われないように腹がまえを持つて実は提案したのですから、これは一つ御養成願いたいと思うのです。
#56
○松浦定義君 私は賛成どころか、まだこれは本当は手ぬるいと思つておるくらいで、実は甚だ申訳ないのですが、今、江田委員のお話になつたように、やはりここまで来れば無論衆議院のこの一案については異議がないのですが、もう少しこちらとして確かめるためには、やはり大蔵省の見解を十分この際この勢いのついているときに一つ聞いておきたいということ、これは私は江田委員の御意見に賛成なんです。
#57
○三橋八次郎君 私健苗の育成ということは非常に必要なことでございますが、この法案を見ますと、積雪寒冷ということに非常にこだわつておるように見えるのでございます。暖かい地方におきましての健苗育成の必要は申すまでもございませんが、災害の回避いう意味において非常に必要なことでございまして、むしろこの四国、九州地方における災害の回避は健苗育成を基調としなければならんことは勿論でございます。従いまして、これをただ冷害を防ぐというような意味でなく、もつと広く適用するという御意思がれるかどうか。
#58
○衆議院議員(佐藤洋之助君) 御尤もでございまして、これは広く適用する考えでございまして、西南暖地にはすでに予算をとつております。それから御承知のように、市町村長の申達によりまして農業委員会の意見を聞いてこれを知事に持つて行く、知事は農林大臣に言つて広くやはりこれを適用したい、こういうふうに考えております。
#59
○三橋八次郎君 ここで「水稲の生育期間における気温若しくは水温が著しく低いために」と書いてありますが、これは重点を苗代期間におくのでございますか、水稲の全生育期間を通してのことでございますか。
#60
○衆議院議員(佐藤洋之助君) 大体苗代期間じやないかと思つております。
#61
○三橋八次郎君 それから更に農林省のほうでは二期作だけを奨励になつておるようでございますが、二期作の第一期の苗代に対して適用は如何でございますか。
#62
○衆議院議員(佐藤洋之助君) 改良局長から……。
#63
○説明員(塩見友之助君) 先ほど佐藤さんからもお話がございまして、兵庫等で行われております西南暖地の栽培、これは苗代だけでなくて、その種子及び病虫害の防除というふうなもの、これが三本建になつて行きませんと成果が挙りませんので、これは西南暖地の予算としまして、これは切られておりません。来年も恐らく大蔵省では認めると私は信じておりますが、そつちのほうで以て保温折衷苗代だけでなくて種子及び病虫害の防除という三本建のものがくつついて補助されるという形になつておりますので、幾らか内容が積雪寒冷地の苗代のほうを一本にやつて行くというふうな形とは違いますので、そつちのほうはそういうふうな形になりますれば、これともうちよつと複雑な形を考えなければならないとこういう形になつております。西南暖地の分は、今のところは予算的には大蔵省としても非常に成績も挙つておりますし、それから普及の期間がまだ短いわけでございますから、先になりますと向うももういいじやないかということになると思いますが、今のところはそういう状態になつておる、こういう状態であります。
#64
○三橋八次郎君 これは甚だ迂遠な質問でございますが、今までの東北地方或いは特に保温折衷荷代の効果のあつた所でこれをやつて増収になつた分と、それから保温折衷苗代をやるための諸経費との差引関係はどうなつておりますか、この差引関係、収支関係ですね。
#65
○説明員(塩見友之助君) 只今正確な資料を持つて来ておりませんが、大体我々のほうで以て調査をしました結果は、地帯によつて非常にズレがありますけれども、非常に大きいところは倍近くも増収したという成果も出ておりますが、平均的にずつと見ますと、大体一割ちよつとというふうな増収を示すようなデーターが出ております。これはなおやり方が逐次うまくなるに従つて、初年度よりは二年度というふうな形で増収効果は出ますので、これは普及奨励の、割合に初めのうちの期間の成績を取りまとめたものでございまして、昨年或いは本年度の成績等についてはまだ十分な調査をしておりません。
#66
○宮本邦彦君 僕はまあ保温折衷苗代やこういうことの補助金に対して、これは私は賛成なんです。ただ細かい問題だが、改良局長に承わつておきたいことがあるのです。というのは、これは油紙の補助金を出すと、こういうことなんでしよう。今日農村へ行つて見ますと、油紙が幾種類も出ておるのです。これは御存じのように全指連か、全購連か知らんけれども、推薦した会社の、推薦か推奨か何かしたのがありますね、これにだけ出すのですか、補助金を……。そうでなしに、同様な種類の保温折衷帯代の材料の油紙が最近幾種類も出ている、値段も幾種類もあるのです。どういうものに補助金を出すというような規定があるのですか。
#67
○説明員(塩見友之助君) それは規定はございません。全指連に限つておるということはやつておりません。各会社でもとにかく認めておりますが、ただ県や何かでもつていろいろな試験成績やその他で紙質の悪いものはやめるように、県のほうで指導する場合はあると思います。そこらのことは規定やその他別にこちらのほうとしては干渉はいたしておりません。
#68
○宮本邦彦君 今承われば二十一円というようなお話ですが、これは今年出した値段でございますね。二十八年度の災害で認められたあの規定が二十一円で出されたということなんでしよう。今年のを聞きますと、良心的に本気でやつている会社なんですが、私どもはもつと安くできますということを言つているのです。私は保温折衷苗代に補助金を出す。そうして半額なら半額出すというような、こういう補助規定を若しこういうふうに縛りつけてしまうと、これは生産者がいつまでたつても値段を下げない、逆を言えば、保温折衷苗代が非常に奨励されたけれども、農民の農業生産品、生産資材、そういつたものの価格がいつまでたつても下らないという一つのつつかえ棒になつていやせんか、だからむしろ補助金を出す場合には、資材に出すか何に出すかということは、私は大いにこれは問題があるのじやないかと思うのです。それがもつと規格のはつきりしたもので、農林省の検査の済んだものとか、何とかいうものに出すというならいいけれども、今のお話のような全購連とか、全指連とかいうものが推薦しているような優秀メーカーのものに出す、そうでないものを買つたものにも出すということでないと粗悪品が出るのです。これは粗悪品を出す大きな何と言いますか、今後考えなければならん一つの大きな問題じやないかというふうな気がしているのです。恐らく農林省のほうではそういう細かいことをおやりになる調査機関もなければ検定機関もないというようなことで、安易に幾らくに対して幾らというような勘定をされておりますけれども、実際農村に行つてみると、そういつた大メーカーでないものも出ている。そうすると、品物を順に安くする、悪くするという一つの自由経済の方向と、もう一つは農民心理として、仮に四十四、五円の油紙を買うということで補助金をもらつて、三十五円のものがあれば三十五円のものを買つてしまうというような方向に農民は動いて行きはせんか、そうして末端の瓢かいものに対して一々領収書とか何とかいうものを、ちよつとどうにもならんのじやないか、そういうような問題を考えますときに、今後の大きな問題としてこの問題に是非何とか考えなければならん問題だと私は思うのです。恐らく油紙ばかりじやありません。今後の農村は米価を上げるなんていうことは私は不可能だ、米価は下げなければいかん、こういうふうに思つているのです。そういつた場合に、農業経営を本当によくして行くためには、良質な農業生産資材を安く農家に買えるような対策を考えて行かなければならん。ところがたまたまこういつたような価格とか、そういうものをちつとも考慮に入れないところの補助政策というものは、単に物だけを対象として行われた場合にどういうことになるかというと、農業生産資材を安くするという方向をちつともとり得ないような方向に持つて行くのじやないか。これは非常に国会あたりでは誰もこの問題は取上げない。法律だとか、補助金を出すということはみんな本気になるけれども、最も大事なこういつた問題に対して案外皆忘れておるのではないか、この間うち、実は農薬の問題について防疫課長からお話を承わろうと思つて質問したのです。答えは出んのです。実際いい加減なふうにして、僕の質問に対して、これはこの委員会のかた皆聞いておられた、いい加減な答弁をして、私の質問に対して、まじめな答弁を一つもしてくれなかつた、私も聞くのをいやになつて、私自身勉強するつもりで聞きませんでした。こういう問題がここには伏在しているのではないか。幾らでも出せばいいんだという意味で、さつき江田さんの質問された率のないところの補助金を出すと、一部といえような文句を使つて、ともかくやれ伴いいんだという、奨励の意味でやればいいという考え方ならば、これはちよつとやはり散漫な考え方ではないか、私はそういう問題を改良局長がお考えになつたことがおありかどうか、私はこの問題は今後も大きな農村の一つの行き方として、農林省として考えてもらわなければならん行き方だと、こういうふうに思うのです。これは特に私農村に参りましてこの保温折衷苗代の紙が幾通りも入つておるということを知りまして局長にお尋ねするわけです。
#69
○説明員(塩見友之助君) 只今のお調ねの点は、非常に大事な問題だと思います。私もこの問題や農薬の問題等につきましても、補助の場合に非常にそういう点は政府としても十分考えなければならん問題だと存じております。保温折衷苗床につきましては、当初は油紙でとにかく温度を上げること、即ち熱線を持つた波長のものを通すということと、もう一つは光の問題等にも関連しておりますので、それが稲にどう影響するかという問題もありますので、どの油紙がいいかということを的確に、油紙自体だけを直接分析して検討するというふうなことは技術的に困難な点もありますが、大体現在のところは国の試験場でも幾らかの試験はやりますが、大体各府県の試験場において、それで、そういうような点で成績を見てもらう、そしてできるだけいいほうのものを使うように奨励して行つてもらうというような形をとつておりまして、検定その他の基準等につきましては、なかなか作るのが、肥料やその他に比べますと困難な状態にございますので、今のところはそういう形で府県の試験場等における成績等を見て、できるだけいいものを、こういうふうに進めてもらつておるような状態でございます。当初は非常にメーカーがたくさんできまして紙質の悪いもの等がありまして、殊に先を通したり、或いは温度を保つのにいい悪いのほかに、非常に風等で破れる紙質の弱いものというのが一番ひどい欠陥を持つておつたわけですけれども、それは逐次淘汰されましてかなり今のところはいいものに集中している、こういう形になつているものと思います。農機具等につきましても、その問題はございます。今のやり方としましては、ずつとアメリカの占領当時の立法がそのまま残つておりますが、そういうような規格を政府のほうできめて、それでそれ以外のものは落すとか、どうとかいう方法はとりにくいような制度になつております。やり方としてはどうしても工業品規格としまして、規格のいいものを、その農民の需要者のほうが喜んで使うという形で自由競争を建前としながら進んで行く、役人がこつちがいい悪いときめてしまうようなやり方をしないように全体の制度ができておりますので、それはよほどうまく運用しないと、おつしやるようないろいろな問題を起すということがあると思います。うまく運用することについてできるだけ努力はいたさなければならんと考えております。
#70
○宮本邦彦君 今のお話の各府県の農事試験場でやられておるその検査規格と言いますか、それは一緒でございますか。実は私は本当言うと、こういう補助金は賛成しないのです。はつきり言うと私反対なんです。これはむしろ普及宣伝費に私は使つたらいいのじやないか。もう一つは、そういつた良質のものを安く出すことのできるような政府機関の研究費とか、或いは研究所とか、そういうものにこういう本当は費用は使つて、そうしてこのものはいいものだ、政府の出したこれだけの規格で以てこういうような検査ができておるんだ、これを使えばこうなるんだといつて普及宣伝の徹底をやるために、こういう予算を組むということは僕は賛成なんだ。そうでなくて、今のような価格というものを無視したような、価格というものをタッチできないような、そうして品質やそういうものを、ともかく今のお話になられたようなメーカーがたくさん作つておる、そのうちいいものは残つて行くんだというような、そういう手放しの状態で以てこういう補助金なんというものは出すべきじやないのじやないか。私ははつきり申上げると、こういう補助金に対しては当初大蔵省の言うような三年なり、四年なり、或る程度のモデルを示すという意味の期間の補助金というものは出すほうがいいのじやないか、それから先はむしろ政府のそういつた、今、局長の言われたような、各農事試験場でやつておる検査規格だとか、或いはそれに対する研究機関だとか、そういうものを設置するというようなことと、もう一つは、普及宣伝を十分にやらして農民に保温折衷苗代の技術の本当にいいということを徹底させることのほうが私は大事じやないか。で、私は本当言うと、最近農村へ行つて見て小額補助金というものが非常にあいまいに使われているというか、そういうような弊害も起つておるというときでありまするので、そういう考え方のほうがいいのじやないか。むしろ補助金を出すというのなら、もつと大まかに、一歩讓つて補助金を出すというのなら、保温折衷苗代をやつたものは幾坪をやつた、そんなら幾らやるという、そういう補助金の出し方ならむしろいいのじやないか。そうしてやはり一面においては農林省は技術のとにかく責任を負つておる省なんだから、その農林省の技術の責任を僕は完遂する方向に農林省自身はもつと力を入れるのが本当じやないか、私は実はそういうふうな気がいたしております。これは何もこの法案に反対するという意味じやございませんけれども、本来はそう行くべきものじやないか。これは意見だけだから、御答弁要りません。
#71
○松浦定義君 議事進行について……。いろいろ今、宮本さんの御意見なんか本当に適切なもので、十分今後研究しなければならん問題だと思うのですが、取りあえずの問題としては、やはり政府は出せないというのですから、どうしてこれに処するかということについての衆議院の原案を我々は承認するかしないかということなんですが、先ほど江田さんの要求の大蔵省関係のお話もあると思いますけれども、ちよつと懇談で、その取扱いについて御配慮願いたいと思います。
#72
○委員長(森八三一君) 速記を止めて。
   〔速記中止]
#73
○委員長(森八三一君) 速記を始めて。すでに十三時という時間でもありますので只今懇談の際にお話合ができましたように、大蔵当局を招致いたしまして、本件につきまする大蔵当局の意思を確かめることにいたしたいと思います。つきましては暫時休憩をし、午後二時から再開をいたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時五十四分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十七分開会
#74
○委員長(森八三一君) 休憩前に引続きまして委員会を再開いたします。
 最初に水稲健苗育成施設普及促進法案を議題にいたします。
#75
○江田三郎君 どうも毎度御苦労さんでございます。この前この問題についていろいろ私どもの考えていることを申上げたのですが、そのときに大蔵省として方針をきめておられるようだが、若しこの臨時国会の間に、議員立法としてこれに対して別な措置をとるようなことがあつたらどうせられるかということの質問に対しましては、まあこれは大いに尊重して行くと、こういう御答弁がありましたが、その点は当然のようなことですが、別に変りはないわけですか。
#76
○政府委員(原純夫君) 法律ができますれば、我々はその法律のもとでいろいろ仕事をするわけでございますから、勿論尊重して参らなければならないと思います。ただ少しお答えに附加えて申したいのは、この種の補助についての我々の考え方というものは、先般の委員会でも申上げました通りで、実行いたします場合においてもやはりそういうニュアンスと申しますか、奨励的補助であるから、我々はもう六年もたつておるから奨励段階は過ぎたという意見でありましたけれども、奨励段階を過ぎないと言われるこの法案でありまするが、それはやはりおのずから奨励の段階というものは事実相当進んで来ておるという事実を考えながら、つまり地域的な何とかいうようなことは、できるだけ本当にないところに行渡らすというような範囲でやるように措置さして頂きたいということになると思います。同時にここで大変指図がましいお願いでありますが、お通しになるにいたしましても、私は五年というのは余りにも長いじやないか、すでに健苗育成につきましては、昭和二十四年度からだつたと思いますが、六年度に亘つてやつて参つております。更に五年を加えると合計十一年、これだけいいという方法を補助しなければいかんというのは、立法者にしても余りじやなかろうかと思いますので、願わくば、こういうことを政府委員がこういうところで申上げてなんでございますが、期間をつめて御決定頂きますように、これはお願いでございます。言い過ぎでございましたら委員長のほうから取消して頂きます。
#77
○江田三郎君 三十五年までというのは、これは一応衆議院のほうでこれを妥当と考えられてやつておるわけで、我々何しろ十分の時間がないものですから、これは三十五年までがいいか、三十二年までがいいか、そういう点は今後又慎重に検討しなきやならんと思います。ただ、今の場合、何しろ短期の国会ですから、そこまでの時間的余裕がないから、一応これはこのままで又あとで検討しなければならんと思うわけです。なお今の奨励的な意味でやつておるのだから、その点のニュアンス、別な言葉で言えば単価ということだろうと思いますが、こういう問題については勿論主計局には主計局のお考えがありましようし、ただ主計局として農林関係のものを、ただ一切の話を主計局で一方的におきめになるということもございますまいし、なお衆議院のほうで附帯決議で、二十九年度中に云々というようなことがございましたが、勿論これは法律ではなしに附帯決議ですが、併しいずれにしても附帯決議といえども国会の意思を尊重なさるということは変りないと思うのでありまして、技術上から非常にいろいろな難点もありますが、要はここに言つていることは、遅れたのでは折角原さんのほうで又親心を出してもらつても、末端へ行つて使い方に因るということがあるので、何とか使う時期が始まるまでに見通しのつくようにというような意味であろうと我々は解釈しておるのでありまして、そういう点につきましては、今のようなお気持でやつて頂けると考えてよろしいのですか。
#78
○政府委員(原純夫君) お話の趣旨は予備金で出せんかということであろう思いますが、これはなかなかむずかしいだろうと思います。何分財源の少い、そして一兆という枠の中で今度の補正予算を組みますために、いわば予備金の御要求がいろいろあつて、その引当てと言いますか、百度をつけましたのが大分足を出してしまいまして、どうにもならんという感じでありますので、又新たに節約をしてということであれば何でございますが、ちよつとなかなか、ノーとはつきりお答えしてしまうのも如何かと思いますが、なかなか簡単でないように思います。同時にこういう際、率直に申上げますれば、後刻是非懇談の機会でよろしいですから、例の施設災害等の特別立法についてもお願い申したいと思うのですが、やはり予算を同時に修正される財政関係の立法をやられる場合に、なお事直に申上げますれば、そういう面を通して各委員会の御要望というものを、財政というものを統一的にみるというような、例えば予算委員会と十分御連絡願つて、何か予算の修正なり、何なりで措置されるということをお考え願うのが、やはりこういう立法についての本来の行き方ではないか、率直に言いますと、各委員会の御要望がずつと出て来て何しますと、相当膨れて参ります。私どもも、それは御覧になればかなりしわい態度だと思われるかも知れませんが、やはり財政が苦しいものですから、その中でやりますとなかなか全部を御満足できないというようなもので、その辺はかなり今後の財政のやり方として、国会と政府の間におけるやり方の問題として非常に大きな問題でありますが、何かやはりそういう点を、だんだんお考え頂かんといかんじやないかというような感じがいたしております。
#79
○江田三郎君 今、後段におつしやつた問題は、私もそうなければならんと考えておるわけですが、一方的に或いは建設委員会とか、農林委員会とかでやるということは乱暴だ、こういうことは十分考えて慎重にやつて行かなければならんと思うわけです。ただ、今問題になつておる分は、今お話のように予備金で措置するということはノーとは言わんが、非常に難色があるということも考えられます。併し折角おやり頂くなら、それに対して飽くまでも御努力願うということと、どうしてもそれが技術的に不可能という場合には、大体一定期間までに目標というものが付けば、末端でそれを目当の奨励普及措置もできるわけでありますから、そういう点について一つ折角のことでございますから、時期に間に合うように御高配を願いたいと思いますが、それはよろしいでしようね。
#80
○政府委員(原純夫君) 実はこの法案は単独のものではなくして、衆議院でいろいろ問題になりまし場合には、爾余の十件ばかりの議員立法、特別立法の一つとして議論された問題であります。我々全体として、これなどは見解の相違ということでありますが、施設災害等は法律としてもよろしくないというような意見を持つてずつと党側との折衝に当つておりました。党側も予算はもうはち切れそうなと言いますか、圧縮に圧縮をして出しておるので、どうにも動かせないということはわかつておるというようなことで、何か話がとにかく本年度はいいから、来年度予算措置をするというようなことで話が進んでおつたようであります。私どもそれならば賛成だと申したのではないのでありますが、今お尋ねの点はかなり本年度中云々ということでありますから、先ほど申しましたノーとまで申すのは如何かと思います。実はノーと申したいのですが、そう言つてしまつては江田委員にも大変失礼だから申さないということで、率直に申しますと、余り本年度に御期待を多く頂くのはむずかしいのではないか、勿論できるだけのことはするという気持でやらなければいかんと思つておりますけれども、余り甘いことを申上げてできなくてもいけませんので、その辺今後一つ研究させて頂きたいと思います。
#81
○江田三郎君 余り言うても藪蛇になつてもいけませんから、大いに考慮してもらうという御意思を十分汲取りまして私はこの程度にしておきます。
#82
○松浦定義君 大体今の江田委員の御質問で尽きておると思いますが、確かにこの問題は、成るほど全体から言うとなかなか面倒だというお考えは私どもも了承するわけでありますが、提案者の理由等を聞いてみますと、やはり昨年でもそうでありましたし、冷害に苦しんでおるようなときに、どうしてもこの種の問題については或る程度の配慮をしてやるべきだという考え方から、これは議員立法になつたと思うのですが、その場合でも必ずしも今年度の予算で全部をどうというようなお考えではないようなことに実は聞いたわけなんです。まあ大体の要求としては六億五千万くらいだけれども、取ちあえずこの災害というようなことから考えて二億一千万くらいは是非今年度にしたいという考え方を持つておる。併しまあその場合でも特別な融資とか、いろいろな面も一応考えられるというようなこともあつたのですが、私どもとしては、やはりできるだけ折角立法するならば、立法の趣意に副うようにというようなことから、わざわざおいで願つて御意見を承わつたわけですが、そういうような意味もありますので、全額はやはり今年度すぐ補正の形でどうというのでなくても、やはりこの立法の趣意に副うような形に何とか一つ考慮してもらいたいというような意味でありますから、今、江田委員のお話の通りで、特にこういう点について是非一つ御考慮をお願いしたい。私はこういうふうに思つておるわけです。お願いいたしたいと思います。
#83
○委員長(森八三一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#84
○委員長(森八三一君) それでは速記を始めて。只今議題になつておりまする水稲健苗育成施設普及促進法案に関しましては、他に御発言もないようでありまするから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#86
○松浦定義君 只今議題になつております水稲健苗育成に関する法律案に対しましては、衆議院のほうの議員提案は、その内容の示すところによりましても、政府がみずから提案せしめなかつたということについは私は非常に遺憾ではありますが、せめて議員提出でも提出されたということについては、この種普及が未だ徹底していない今日におきましては、一応これに対しては賛意を表したいと思うのであります。併しながら、大蔵省等の見解等を聞いてみましても、なかなかこの法案の内容を実施する段階には相当今後努力を要すると思うのでありまして、衆議院のほうでも二項に亘る附帯決議を附けて参つております。参議院におきましては、従来の行きがかりからいたしますと、相当内容を究明いたしまして、その足らざるところを補うというような慎重な審議をして参つておるのでありますが、いろいろな関係から本法案に対しましては衆議院の原案をそのまま承認し、更に附帯決議にいたしましても、審議の過程の中でいろいろ御意見がありましたが、最も簡明率直にいたしまして、私は一項だけの附帯決議を附けたい、かように考えておるのであります。その一応案文を朗読いたしまして御賛成を願いたいと思うのであります。
   水稲健苗育成施設普及促進法案に対する附帯決議
 一、本法の施行に当つて、政府は、衆議院農林委員会における附帯決議を確実に実行すること。
 以上であります。
#87
○委員長(森八三一君) ほかに御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。水稲健苗苛育成施設普及促進法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手]
#89
○委員長(森八三一君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中でございました松浦君提出の附帯決議案について採決いたします。松浦君提出の附帯決議を附することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#90
○委員長(森八三一君) 全会一致であります。よつて附帯決議を附することに決しました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 次に本案を可とされましたかたは順次御署名をお願いいたします。
  多数鷲見意著名
    清澤 俊英  宮本 邦彦
    大矢半次郎  菊田 七平
    戸叶  武  松永 義男
    河合 義一  三橋八次郎
    松浦 定義 江田 三郎
    佐藤清一郎 岸  良一
  ―――――――――――――
#92
○委員長(森八三一君) 引続きまして北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案を議題にいたします。
#93
○江田三郎君 この風倒木の払下の価格というものは、どういう基準で御決定になるわけですか。
#94
○説明員(石谷憲男君) 風倒木の場合でありましても、売払をいたしまする場合の基準価格の決定は、やはりどこまでもそのときの市価というものを元にいたしまして計算をして、それを基準価格として決定する、こういう方法をとるつもりでございます。但しこれを内地に持つて参りまして売払うというようなことは全く新らしい試みでありまして、内地の市場におきまして「えぞまつ」、「とどまつ」、こういつたものが大量に需要されておるということが現にないわけでありますので、内地の場合におきましては、大体これらの樹材種と競合いたしまするものの、価格を一応参考といたしまして、これらとの比較検討において基準価格を決定して参りたい、かように考えておるわけであります。例えて申上げますというと、今回内地に持つて参りまして売払をいたしたいと考えておりますのは、主として「えぞまつ」、「とどまつの中径材でありますが、これらのものの用途の引当は一般建築用材、建具用材或いは包装用材ということになるわけでありまして、内地におきましては「もみ」、「つが」の中偉材以上のものがこれらの用途との競合があるわけであります。内地市場における「もみ」、「つが」等との価格の釣合を考えまして、それらにおける市場の基準価格ということを考えておるというわけであります。
#95
○江田三郎君 この問題について、前に林野庁長官が本委員会に出席されて、私どもいろいろお尋ねいたしたことがあるのですが、その場合払下げないで除去に該当する分がある、将来の出水時のことなり、いろいろな点からして除去しなければならん部分が相当あるような御説明がありましたが、その点はやはり今も変つてもおらんわけですか。
#96
○説明員(石谷憲男君) 五千五百万石に達する大分被害があつたのでありますが、この中には位置的な関係なり、その他搬出上の諸条件等の制約を受けましてどうしても利用の対象にならないという部分のものが一割程度あると考えております。それから一面の風倒でありますので、各谷々で以て風倒のままでころげておるというものがかなりあるわけでありまして、一番惨害をこうむりました層雲峡一帯の附近におきましては、そういうようなものが約十万石くらいあるということであります。従いまして、先ず第一段階の問題といたしましては、これを伐採いたしまして除去する、或る程度引揚げをいたしまして売払の対象になるものもあると思いますが、どうしても対象にならないものも相当程度は出て参る、かように考えております。
#97
○江田三郎君 勿論その除去しなければならんものは、附近の被害町村等の労力によるということになるわけですか。
#98
○説明員(石谷憲男君) これは状況によると思うのでありまるが、非常に除去のために技術的なものを要するような労務は、やはり附近の一般の住民の方々の労力に依存するということはいかんと思うのですが、可能なものは勿論附近の労力に依存する考えであります。
#99
○江田三郎君 私ども今回の救農土木事業については予算的に極めて不十分だ、こう考えておりますので、そういう除去の作業が、やはり被害を受けた町村の遊んでおる労働力を使つてもらうということになると、そこに救農的なものが加わつて来るわけですが、その点はできるだけ除去に当つては被害地の遊休労力を使つて頂くようにお願いしたい。
#100
○説明員(石谷憲男君) 原則といたしましては、どこまでも附近の地元労力を優先的に使うということにいたしておりますので、それを使つて、なお且つ他に労力源を求めなければならんという場合、非常に危険な作業が伴いますような対象地がかなりございますので、それには地元で加工困難な特殊な労務というものは他地域に依存しなければならない、こういうように考えております。
#101
○江田三郎君 それから払下の場合に、製品でなしに立木のものもあると思いますが、これは一体立木で払下げる場合にも結局時価から逆算をして行くことになるのですか、或いはこの会計法上からいつたらどういうことになりますか。帳簿価額を元にしてやればいいということになるのですか、どつちになるのですか。
#102
○説明員(石谷憲男君) やはり立木払下の場合の価格算定の方式も、どこまでも製品からの逆算方式で参つております。従いまして、売払をいたします場合は、売払の対象になりますものを一本ずつを調査いたしまして、それから一体どのような大きさの、而も長さの丸太がどのように生産できるかということを一々計算いたしまして、それが附近の市場に出廻つた場合にどのような価格で取引されるかということから逆算いたしまして立木の価格の算定をいたしております。
#103
○江田三郎君 公式になるとそういうことになるわけですが、先ほど重政委員等から、林野庁は商売人と同じじやないかというような意見も出ておつたわけで、勿論国の財産を処分するのにでたらめは許されませんが、何しろ風倒木である被害が甚大である、そういう点は十分考慮されて、やはり日頃世話にならなければならん住民の反感を買わないような御措置を勿論考えておられると思いますが、重ねてお願いいたしておきます。
#104
○松浦定義君 この風倒木が非常に北海道に多いということは、これはまあ誰も認めるところでありますが、ただその処理について先ほどいろいろ製見がありましたように、被害者というのは恐らく全国的にあるという御意見は私は当然だと思うのですが、例えばこれを私はこの法案の示すままに解釈いたしまして、北海道だけに限ると、こう仮定しても、やはり風倒木のある地帯と被害を受けた町村というものとは必ずしも均衡していない。先ほど業務部長のお話のように、層雲峡あたりでは特に甚大な被害木が出るということから、全道的に見ますと、全然風倒木が自分の町村にないという地帯が私は相当あると思うのです。従つてそういうところの希望は優先的にこの法律で見ますと容れなければならんということになつているのでありまするが、その場合にはどういうふうな処理をされるのか。やはり当然その輸送等については払下者が当然負担するというのか、或いはこういう災害救助法の適用を受けるという町村でありますから、あの災害救助法を受けた場合の措置といたしましては、例えば緊急物資の輸送等については運賃の助成とか、割引とか、そういうのがあるのじやないかと思うのですが、そういうものを含めて無料ということはできませんけれども、何がしかの輸送料についての補助と言いますか、そういう面についての考慮というものは何かお考えになつておりますか、この点如何ですか。
#105
○説明員(石谷憲男君) まあ一般の取扱いといたしましては、大体営林局の管内を単位とたしまして、従来主たる売払をやつて参つたのでありますが、今回の風倒木の処理については北海道一円どつからでも持つて行つて、仮に無被害な町村でありましても、これを供給したい、かように考えております。但しその場合でありましても、一応お申出によりまして近まの条件のいい所を選んで売払をいたすようなふうに具体的な計画を進めて参りたい、かようなふうに考えているわけでありまして、特に売払いますものの運賃等の問題につきましての事柄は、私のほうとしては何ら考えておらんわけであります。
#106
○松浦定義君 全道的に均等して、そういう場合に措置をするということについては当然だと思うのですが、ただ私が今申上げましたように、その場合に折角の被害者でありながら、近まだつたから非常に恩恵を浴した、併しその風倒木というのはもうその附近だけで消化し切れないほどあるわけですから、例えば層雲峡等におきましては、そういうところを、遠い所から運賃のためにそれを受けないで、近くの業者のものを買えば大体それでいいのだということになると、その処理というものは業者に余れば払下げるということになると思うのですが、業者が相当輸送して行つて、利益をとつて、そして被害者に売るというのであるから、結果においては業者はその間利益をとつて輸送するということになれば、そういう点については政府において何とか考えて、やはり少しでも安く被害地の者に払下げるということができないものかどうかと、こう思うのですが、やはりそうしますと、今のような処置ができないということになれば、地元の業者のものを買つたほうがいいのだということになつて処置してしまう。従つてその残つたものについては、やはり要求はあつても、先ほど内地からの要求があつたというような点で、高ければ買わないから、法律はそういうふうに全道的に及ぼしておつても、高ければ買わなければいいというような、筋を追つて出しておるからということと同じように、道内においてもそういうことが出て来ると思うのですが、そういう点について何かお考えになるような、例えばそういう輸送上について、補助はできないとしても、払下の価格の点について、輸送をするから非常に経費がかかるというので、何がしかそこに考慮されるような余地はありませんですか、どうですか。
#107
○説明員(石谷憲男君) 私ども価格算定をいたしまする場合のよりどころは、まあ最寄り市場の市場価格というところに基礎を置きましてそれからの逆算方式でいたすわけでありますので、従いまして、実際供給するものが発生をいたしております地点から最寄り市場までの間に、鉄道輸送なり或いはトラック輸送なりというものがある場合におきましては、全部そういう費用は差引きまして、そうして計算するという方式をとつておりますので、従いまして、できるだけ近まの有利な条件のところを差上げるということになりますというと、まあ一つといたしましては、相当程度に皆さんに御利用を頂けるような売払いができるのじやないか、かように考えます。
#108
○松浦定義君 そうしますと、製品で買う場合にも、まあどこで買つてもそういう意味で少しでも安いものが手に入る、併し立木で買う場合には相当安くなるわけです製品で買うよりは……。そういう場合に、やはり私は近くの者もそういう場合の恩典を受けさすということは悪いことじやないと思うけれども、できるだけそういう面も含めていろいろの事情があると思いますから、同じ災害を受けてもその程度が非常に極端なものと、そうでないものがありますから、極端な場合は、例えば開拓者が全壊したという場合においては、輸送する場合に、一般のものと同じようなことでなくて、何かの形でそういうものは見てやるといつたような配慮も今後の段階においては御考慮願いたい。これは私はまあお願いの程度なんですけれども、一つ希望をいたしておきたいと思います。
#109
○岸良一君 私先ほど中途で話をやめてしまつたのですが、私のお尋ねしたのは、三カ年間に五千五百万石の原木を処分する、而もこれはすでに倒れているのもあるので、大体三年も置いておけば相当虫が食つてしまうとか、いろいろな被害があるわけです。私どものほうの希望としては、三年も経たたいで処分してそうして有効に活用するということが必要じやないかと思うので、実際において今回の法律で示されたような範囲で利用されるものがどのくらいあるか、他はどういうようにお使いになるかということをお尋ねしたわけであります。まあ実際に救済用して使うのが百万石程度だとするとこれはもう非常なたくさんの量が出るのである。その処分を一部。パルプに使用するとしてもあとには莫大な量が残るということになりますれば、この際にその活用する範囲を拡げてでも利用を図る、而もその利用を図るということが、同時に又農業関係に役立つと同じように、他の面にも及ぼし得る能勢を考えるということも必要だと考えます。これについて先ほどもちよつとお話がありましたように、やはり同じところにあつても、中小企業者についてもこれを必要とする面があるだろう、住宅の面は最も必要でありますが、そうでなくても中小企業用の施施設としてもこれを活用するものがあるだろうと思うのですが、そういうのにこれを利用するというようなお考えはないですか、これは一般売払でやつて行こう、こういう考えでやつて行かれるわけですか。
#110
○政府委員(奥原日出男君) この三ヶ年の延納の特約をし得る範囲を法律案で考えておりまするもの以外に、中小企業用のものまで入れるというように拡充をしたらどうかという、こういう点でありますが、我々原案者として考慮をいたしました点は、まあ一つは農林業というものが土地産業として災害の影響、冷害、風害等のそういう影響を直接にその産業の場においてこうむるという点と、それからもう一つは、国有林の運営というものが、その地元の農業者というふうなものと非常に密接なる関連があるのでありまして、地元町村と極めて緊密な連絡をとらなければならんということも、同時にそういうふうな農業者との間の国有林の密接なる関連ということを反映してのことでもあるかと、かように存ずるのでありますが、まあそういう二つの意味におきまして、一応原案においては農林漁業という原始産業に関しまする施設とその復旧用材の範囲において考慮をいたしましたような次第でございます。従いまして中小企業者の範囲にこれを広げるということに対して、これはもう国会の御審議を仰ぐことでありますから、我々とやかく申上げることが非常に潜越な次第でございまするが、そういう範囲に拡げるということにいたしますれば、実は同じような中小規模の産業者に関しますいろいろな問題も出て参りましようし、又その範囲等を固めてきめて参りますのについても、非常にいろいろ広汎且つ多岐なものが出て参るというふうな点も実は考えなければならないじやないかと、かように考える次第であります。
#111
○岸良一君 今のお話を伺いまして勿論国有林の経営も関係町村の厄介になるということは当然であり、又それを或る程度培養して行くぐらいの気持でやつて頂くということが私は適切だと思うのですが、今度の災害による風倒木処置をそれだけの線でやれば、先ほどお話のような数字にとどまつてしまう。それだけで私は済まないじやないか、のみならず、国有林に関係して、そういう国有林のない地帯でもこの恩恵を及ぼすということも、北海道だけで考えられておるわけでありますから、それらの面をいろいろ拡げるということも考えて頂くことが必要じやないかと、かように考えておるわけであります。なお先ほどお話のありました適用範囲を北海道の地元だけでなくて、内地の同じ状態にあるものについてもやるといつたような考え方についても、私先ほど申上げましたような、風倒木の処理を有効に又敏速にやるということの意味から言つても私は適切であろうと思うし、取扱いとしても国有林が単に北海道のみにあるというわけでもないだろう、でありますから、そういうふうな広い見地から言えば、先ほどもお話のありましたような、他の府県の市町村において同じような状態にあるものにも及ぼしてやる。これはどういう払下をするか、或いは製品で持つて行つて処分するという、北海道の風倒木材として特別の払下をするといつたようないろいろ方法はあると思います。方法については専門家の方々がたくさんおるから私申上げることはないと思いますが、何とかそれをやつて頂くことが必要であり、又それが同時に風倒木を有効、敏速に処置するのに必要じやないかと、こう考えるのでありますが、その点もう一度意見を承わりたいと思います。
#112
○政府委員(奥原日出男君) 先ず第一点、農林漁業用施設の範囲以外に拡げまする点につきまして、先ほど申上げたことを更にもう少し表現を掘下げて申上げる結果に相成るかとも存じまするが、我々といたしましては、この延納処分を与えまする範囲に、公用、公共用のものは別にいたしまして、その他のものにつきましては、これは一応自分の住宅或いは畜舎、納屋等の自家消費用のものの範囲においてこれをやるべきではないので、従いまして、単に自分のうちで消費するということでなしに、他に販売するというふうな目的のために生産設備を持つて経営するというふうなものにつきましては、これは例えば製材用の施設でありますとか等々につきましては、多少これは事情が異るのではないか、そういうふうな考え方を持つておりまするのでございます。それからその他の地方の市町村との関連についていろいろお話があるのでございますが、実はこれは重々御承知のことであると存じて申上げなかつたのでありますけれども、実はその他の地方の市町村で同じようなこういう被害を受けておりますものに対しましては、国有林材の処分において、やはり類似のいろんな配慮をいたしておるのであります。即ち物品の無償貸与及び譲与に関する法律という特別法がございまして、これによりまして、その町村の救済及び公用及び公共用施設の応急復旧というものに対する国有林材の提供は、時価によらずしてこれを提供し得るということにも相成つておるのであります。更に又国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する特別なる法律がございまして、これによりまして市町村を相手方として契約をいたしまする際におきましては、必ずしも風倒木というふうな範囲に絞らないで、一年以内の範囲において延納し、更に必要に応じて無担保、無利子の扱いをするということも可能に相成つておるのでありまして、それらの条項につきましては、それぞれの実情に応じてできる限りの便宜の処分に努めておる次第であります。併しただこの法律の立て方が、北海道の風害木を持つて来る、こういう立て方でございまして、そういう立て方の下に、そういうものに対して一二年以内の延納の特約をする。一年が三年になる、こういうところがこの法律の恩典であるのでありまするが、これを広く内地まで拡げて参りました場合に、正直なところ価格の問題等についての趣旨の普及徹底ということは、これはなかなか困難でございますので、実際問題として、内地の各市町村が非常にこれに飛びついて来られる。而も物は北海道から風倒木を運んで来ると、そういうふうな関係で間にはなかなか合わない、羊頭を掲げて狗肉を売るというふうな非難をその申請のあつた町村から受けるというふうなことが当然予測される次第でもあるしいたしまするので、我々といたしまして、一応原案を北海道だけに絞つた次第であるのであります。
#113
○岸良一君 ただ考えますと、北海道にはそういう三年で何か無担保、無利子でやるということを言われるのですが、内地のほうではその恩典に浴さないという点、何だかそこに不合理があるようなんです。今のような運賃がかかるとかというようなことで、手を出し得ないものは自然に手を出さない。それは地元の営林局で売払を受けるほうがいいということになるだろうと思う。実際そういう途があるならこれからとつて、片方は材木が余つて困るというのだから、それから早く処分するということが現在においては必要だ。そのあとで早く植林をしてやるというような考え方に持つて行くということが合理的じやないかと思うので私申上げた次第であります。その点御意見があつたら一つ……。
#114
○政府委員(奥原日出男君) 午前中委員長から、そうすることについて何か弊害はないか、そういう途をあけておいても経済的に採算の合わないものであれば、町村がそういう申出をしないのではないかというお話が実はあつたのでありますが、実はそういう途をあけてあることによつて私は申請は恐らく非常に殺到して参るであろうと、かように考えます。経済的にそれが採算が合う、その地方で買うのよりも北海道から持つて来るほうが有利だというふうな見通しについての理解というふうなものは、これはなかなかこの法律ができましたその当時においては、これは到底わからない将来の見通しの問題でありまするので、そういう多敷の申請を受けておりながら、その御希望を殆んど一部の地方にしか充足できない。まあこういうことを今の段階において予測できるのに、その途をあけて、そして徒らに失望をその町村に与えるということはこれは我々として甚だ心苦しいように存ずるのでありますが、それは役人の取越苦労と言つてお叱りになればそれまでのものではございましようけれども、実はそういうような運用上のいろいろな灘というものが、そういうふうに拡げた場合にどうも目の前に見えるような気がいたすのであります。又物の価格というものは、人気というものが非常に大きな影響を持つものでございまして内地でこういう被害を受けた地方に対して、どのくらいな価格で来るか知らんが、とにかく北海道の風倒木が来るのだそうたというふうな態勢が、非常に内地においての該当の町村に広汎に布かれる、そういうふうなことになれば、これは又さなきだに現在北海道にあれだけの風倒木があるということだけで、内地の木材の市価は相当なる牽制を受けているのが現在の実情でございまして、そのこと自体が更に現在のそういう人気を更に悪くする一つの要素にもなるのではないかと、こういうふうなことも感ずるのでございましてまあそれやこれやで我々といたしまして原案のような立案をいたしました次第であります。
#115
○宮本邦彦君 私ちよつと数字をお尋ねしたいのですが、北海道だけにおける一カ年間の今日の用材所要量は石数でどのくらいになつておりますか、大まかな見当でも結構です。
#116
○説明員(石谷憲男君) これは大体三十年度あたりを中心にいたしましての推定でございますが、針葉樹で素材一千万石でございます。それから広葉樹で素材六百二十数万石という程度でございます。
#117
○宮本邦彦君 今の数字を承わると、大体千七百万石程度が北海道の一カ年間の需要量である。そうしますと、今度の風倒木は先ほどのお話で五〇%の歩留りというふうに考えまして、約二千八百万石近い数量があるわけです。そうしますというと、さつき業務部長が混乱々々というふうにお話になられたのですが、当然私は価格が下るのではないか、下るのが本当じやないかという気が私されるわけでございます。そういつた場合に、むしろ私どもとしては、この際は正常な価格としては木材をもつと下げたほうがいいのじやないかというような気が実はしておるので、先ほどから承わつておれば、御説明では価格支持をやつているのだというようなふうに逆に私どもは聞えるのです。御存じのように、指数から申しますと木材価格はほかの物価に比べて私ども幾らか指数が上つているのじやないかという気がされておる今日だから、おのずから下るというようなふうにむしろ指導すべきじやないかというようなふうに考えられるわけなんです。そういつた面から考えても、先ほど岸委員の言われたように、内地のほうに幾らか持つて来るということはいいのではないかというような気がされますが、その問題は先ほどからお話になつておりますから別に申しあげません。その次に、私北海道だけの問題として考えられるのですが、これは先ほどのお話で運賃諸掛なんかの関係でというようなお話があつたのですが、実際に農家の住宅なんかの台風による被害の大きふつたところは、開拓地なんかが相当やられているということを私ども報告なんかで聞いているのです。これは最もそうありがちなんです。開拓は大体バラックみたいなものが多いし、非常に弱いものが多い。而も森林を伐採した風通しのいいところにあるのが開拓地なんです。而もその開拓地は今も申しましたように森林を伐採してしまつて森林の恩恵がないところが開拓地なんです。そうしますというと、ふだん国有林のお手伝いのできない人たちが開拓地なんです。私は端的に結論を申上げますが、そういうところに風倒木が行つた場合に、道内の価格はどんどん下つて行く、これは当然私は下ると思います。一、二年くらいはどうしても下る傾向にある。そうすると、そういうような国有林の風倒木の近くでないようなところの農村に風倒木が行つた場合に、市価よりも高くなるというようなことはありますか、そういうことがあると私大変なことになるのではないかと思うので、そういう措置は何かして頂けるものだろうかどうかということなんです。
#118
○説明員(石谷憲男君) まあどのような措置を講じましても、とにもかくにも用材並びに薪炭林を合せまして五千五百万石以上のものが風倒しておりましてこれを短期に処理をしなければならんと、こういうふうな状況が厳としてあるわけでございますから、それだけでも北海道地内の需給、更に価格につきましては先行き非常に下ると、こういう見通しでございます。それで丁度台風等の発生いたしまする直前の頃の道内の需給事情をちよつと簡単に申上げてみますると、最近のデフレの影響を受けまして、内地市場におきましては各市場共に横這い乃至下向きというのが太材市場の一般趨勢であつたのでありますが、それにもかかわりませず、北海道におきましては、大体従来から北海道の需給と申しますのは、北海道で需要されるものは殆んど全量が道内で供給されるということで、内地とやや隔絶されたような姿において一つの需給関係を維持しておつたというのが北海道の特徴であります。而もその中の大体八割五分近くまでは国林並びに道有林の供給でございます。そこで仮に有効需要が各地に散発いたしましても、それに対応いたしまして、民有の場合でありますると、すぐさま伐採量が殖えまして需給が均衡するというわけでございますが、北海道の場合でございますと、年度の当初に国有林でも道有林でもいずれも計画的な生産数量というものを明確にいたしまして、その維持を図るということで、需要の情勢というものが大きく変転しない限りは供給力というものをそれに合せて調整するということをいたしておりませんので、どちらかと申しますと、この風倒直前の状況は多少供給が過少であるというようなことで、それに合せまして、内地市場が一般的に低調であるにかかわらず北海道は非常に強い調子で推移しておつた。大体昨年のその頃と同じような状態で一年間ずつと続いておつた。そういうような状況のときに、その風倒があつたわけであります。従いまして、勿論一般の人気は先行きは非常に落ちるであろうというふうに考えられておつた。まああすこにおきましては、一般材のほかにパルプ資材としての需要が非常に大きいものでありますから、従つてパルプ関係のメーカーがどのような価格でそれを買取るかというようなことが市場の価格を支配しておるというようなのが現状であります。それで私どもといたしましては、確かにこれは緊急に処理するということになりますると、過剰供給という現象があの地方だけにおいては起るわけでありまして、従つて当然に下つて参る、むしろ或る程度の線までは自然に下つて来るという状況を誘導して行くことが望ましいではないかというふうに考えておるわけでございますが、まあそういう線から先どこまでもがた落ちするということでありますると、各事業者に対しまする金融措置等の面もそういう点から非常に出れて来るということもございますし、或る一定の線、いわゆる合理的な価格という線は一応達成しなければならんと思いまして、それ以上はその線を維持するというような措置がどうしても必要になつて参る、こういうふうに考えまして、それで結局かれこれ推定いたしまするというと、二百万石程度のものが北海道のそういつた市場を大きく圧迫する数量になる、従つてこれは道内の需給関係から完全に遮断いたしまして、内地の必要な市場にこれを向けるということがよろしいのではないかというふうに考えて、二百万石というものにつきましてこれを輸送し販売する考え方を持つてその予算化に努めておると、こういう現状になつております。
#119
○宮本邦彦君 私のお尋ねしたいことは、延納措置ということがありますね。従つて被災農家とか、或いは組合とかいうようなものは、延納措置に引きずられて皆風倒木をもらおう、もらつたところが実際は市価は下つて来て、市価よりも高くもらわなければならんというようなことがあると……、そういうことはありませんか、そういう場合には何か措置を請じて頂けますかということをお聞きしているのです。
#120
○説明員(石谷憲男君) その心配は確かに絶対ないというふうに申上げるわけには行かないと思いまして従いまして売払時期等の問題につきましては十分研究しなければならん、かように考えておるわけであります。それから一体どの程度まで下がるだろうという問題等の見通しもあるわけでございますが、私どもといだしましては、大きな見当といたしますると、風倒発生直前の一割程度のものは確かに下がるであろうということが言えますが、その程度下がりました以降は、できるだけこれを安定させて行くという考え方でおります。それからその場合にそういうふうな方針で行きますと、現実に下つた場合に一体この措置でもらつた市町村は迷惑をこうむるのじやないかということに対しては、救済措置というものはこの段階では考えておりません。
#121
○宮本邦彦君 それからこれは大事なことなんです。というのは、さつき私申しましたように、開拓地なんかは被害は大きいけれども、その木材は必要である。そういうところは大体風倒木の発生地帯から遠いのですよ。そうすると、道内のそういうところを救済して行かなければ、本当の農村の救済にはならんのじやないか。ところがそういうような限られた払下材を持つて行きますと、運賃諸掛がとてもかかるのじやないか。これは業者が何万石或いは何十万石というものを動かしますときには非常に安く動くのです。折角みすみす安い材が目の前にあるのに、片方は延納措置があるということだけで以て高いものを買うというようなことがあつては、これは私は折角の措置が却つてあだになるのじやないか。ここらはやはり或る程度国有林は御調整になるという措置を講じて頂いたほうがいいのじやないか、そういうことを申上げたかつたのです。これは或いは希望と言いますか、お願い事項になるかも知れません。まあ何か今後お考え頂けるようなことができれば非常に都合がいいのじやないか。恐らく国有林だけでも積極的に道内の価格調整を思い切つておやりになるということは、この際今の時代にはこれはよろしくないことかも知れませんけれども、そういうことでなくても、僅か二百万石くらいの払下材なんですから、これに対しては折角こういう立法をするのならば、そこまでの御面倒を見て頂いたほうが親切ではないかということを申上げたわけです。
#122
○松浦定義君 この払下をする場合に、希望の町村が希望の場所でということはできるだけ要求は容れられると思うのですが、すでに業者が払下をしてやつておるところへでも相当二重、三重に風倒木が出ておる。それらのものを仕分けして希望の町村に非常に便宜がいいからそこへやるといつても、それは前の業者のほうで自分のところに入つてもらつちや困るというような点が相当あると思うのですが、こういう点について、すでに風倒木が業者によつて払下の手続きをとられたというような点について、どういうような進行状況になつておりますか。
#123
○説明員(石谷憲男君) 御承知のように北海道におきましては、従来は私どもが売払をいたしまするところの六割までは立木のままでその地方の事業者に売つておつたということでございます。而もそのようにして売払いましたものの始んど全量が、冬季雪の上で生産をされるという形になつておつたわけでありまして、たまたま風倒が発生いたしましたときの状況が、冬山の生産の準備に着手をいたしておりまして、場所によりましてはすでに生産に入つておるというような状況になつておるのであります。従いまして、もうすでに契約を締結いたしまして売払が完了されておると思うのです。そうして売払木のほかに風倒木がその上に折重なつて倒れて来た、そうしてすでにその一部は売払いましたものを伐採をしまして、その上に又あるというようなことで、この売払を緊急に処理いたしませんと、この冬の期間の仕事というものに非常に大きな影響をこうむつて来るということで、二十九年度の差当りの措置につきましては、もう大体それらのものと、すでに売払いましたものと合せて処理することが適切なものは一応処理を完了しております。但し三十年度につきましては、これは今からの問題でございますので、これはできるだけこういつた措置等によりますところの売払というものとからみまして、場所の点等は十分注意してやつておる、かように考えております。
#124
○松浦定義君 そうしますと、今のようにすでに前年度売払いしておるところへ倒れたために、もう業者に一応の契約ができ元、従つてそれから新らしく一部こういうものができてから町村がいずれ申請をするのか、或いは又すでにそういうものはどこにどのくらいのものはどこの町村が要望があるから下げなければならんということで、そういう混合しないような非常ないいところで残してあるというようなことにはなつていないのですか。
#125
○説明員(石谷憲男君) 二十九年度の問題は只今御説明申上げましたように、もうとにかく早急に処理しなければならんというふうな状態になつたものでありまするからして、二十九年度の事業個所につきましては、一応全部すでに契約が済むように進められております。但しこの法案の措置によりまして、直ちに例えば立木処分等のような方法で仕事を考えなければならんということになりますと、この分につきましては私どもとしては三十年度に予定しておつたものを取上げて考えるということも適当と思いまするし、二十九年度の立木のままの売払じやなくて、直覚生産というような方式でやつておる対象地でありますと、私どもの都合によりまして立木処分に変更するということが考えられますので、そういうような方法によつてやつて参りたいと考えております。
#126
○松浦定義君 そうしますと、これが実施されるようになりますと、一応業者の払下とこれらの払下とが同じところで混合になるようなことは別段ないわけでございますね。
#127
○説明員(石谷憲男君) これはございません。
#128
○松浦定義君 それから被害地に対する延納措置が三カ年ということは、これは非常に結構なことですが、業者に対しては今どういうような延納措置があるのか、少しはあると思つているのですが、去年設定されたと思つているのですが、期間はどれだけになつておるのですか。
#129
○説明員(石谷憲男君) これは一年以内でございまするが、この一年というのをとつておりまするのは、北海道の場合の立木売払でございまして製品の場合は大体三カ月でございます。
#130
○松浦定義君 そうしますと、今度のような厖大な風倒木を急速に処理しなければならんということになりますと、この六〇%からのものが一般業者のほうへ廻るということなんですね。そうしますと、相当協力を求めなければならんということになりますと、おのずから去年ですら一カ年延期を要請して特殊的なものを認めたということになりますと、これが三カ年というものができますと、これに便乗するというとちよつと語弊があるかも知れませんが、そういうようなことで又業者にもそういう特典を与えなければならんというようなことになるのではないかと私どもは予想するのですが、そういいうことは全然ない、或いはそういうことは絶対しない、特にこういう地帯に限るのだというふうに限定せられてのお考えか、その点はどうですか。
#131
○説明員(石谷憲男君) 私どもといたしましては、これは大体現行の一年以内ということで完全な運用ができるものと考えております。但し製品の場合は従来三カ月とありますが、これは半年くらいにいたさなければ運営上いろいろ支障があるのではないか、かように考えております。
#132
○松浦定義君 それからこれはちよつと小さい話ですが、払下を受ける対象のうちに、今度修正になつたので住宅も入つたのですが、先ほどのお話の、これは個人というような立場の住宅だと思うのですが、従つてこれは神社とか仏閣とか、こういうようなものは公共川であるか、どういうのであるか。御承知の通り北海道では相当寺が傷んでいるのです。寺に限つては特に傷んでおるのですが、こういうような町についても公共用としてみなされるのですか、どうですか。それともう一つは、先ほど岸委員もお話になりましたように、中小企業でもやはり相当木材を使つた、木材によつて被害を受けて、木材によつてこれは何とか復旧しなければならんというものがあるのですが、私はその程度の被害ということに対して、農林漁業とか、住宅ということでなしに、木材建築によつて被害を受けたものに対しては、相当これはやはり考慮すべきものではないか、こう思うのですが、この範囲なんかやはり厳然として、今個人住宅その他公共用施設といつたようなものに、或いは農林漁業という範囲はどうしても出ないということですか、どうですか。
#133
○政府委員(奥原日出男君) 只今神社仏閣についてお話があつたのでありますが、それに関しましては、実は正面から神社仏閣を取上げておる条項はないのでございまするが、この被害者という観念の甲には勿論個人も又法人も入つておる次第でございますし、一号の解釈をこの辺まで拡げることによつて救済し得るので、はないかというふうに現在考えております。なおおよそ木材建築で被害を受けた者に対して考えたらどうかというふうなところまで御意見を頂いたのでありますが、勿論我々は国会の御審議において我々の原案を必うずしも絶対正しいということは申上げるゆえんではないのでございますが、やはりそこに一つの特別なる保護を与えらるべき基準線というものが描かれるべきではないか。個人の場合は、これは住宅自身については、これはもう問題はなしに住宅全体について考慮していいのじやないかと思いますけれども、生産施設というふうなことになりますれば、大小いろいろなものもこの中に取上げて考えるというふうなのは少し行き過ぎではないだろうか、まあ一応その生産施設の線を引くといたしますれば、自家消費というふうなものが中核になつておるというような意味におきまして、農林漁業者というようなものの範囲を、何度も申上げました通り原案としては描いた次第でございます。
#134
○松浦定義君 私はただ心配することは、農林委員会が取扱う、而も林野行政の中から出て来る、こういう場合の処置が、或る程度独立採算制的な考え方にとらわれてしまつて、農林委員会で扱うものに限つてこういうことが優先するのだということでは、或いは又地方行政委員会或いは建設委員会、運輸委員会等で、それぞれたくさん持つておるというような点で問題がある点が多々あると思うので、こういう点はやはり相当一つ大幅な考え方で、今法律には認つていなくても、その実情に応じてはやはり成る程度緩和して頂くということが必要になつて来るのではないか、こう思うので、神社仏閣といつたような、どうも小さい考え方でありますけれども、一応聞いたわけなんです。
#135
○清澤俊英君 この伐採というもの、処理ですね、処理は大体あなたのほうの林野関係の原料関係だけの処理で行かれるのか、それとも業者等に払下を相当してやられるのですか。
#136
○説明員(石谷憲男君) 北海道におきましては、大体平年度の生産規模は立木用材千三百万石を売つておつたわけでありますが、その場合に大体六割は立木のままで事業者に売払つております。それから残りの四割、それが私どもの直営で仕事をやつておる、こういうことになつておるわけであります。それでこのたびこれだけの大風害を受けまして、三年間はかなり異常な規模の仕事をやつて参らなければならんのでありまして、この場合は極力直営生産のやり方を殖やして参るという方針の下に三十年度の計画も実はいたしておるわけであります。併しながら、仮にそのようなふうにいたしましても、やはり扱います牧童が非常に多いわけで、比率的には直営生産が殖えて参りますけれども、絶対量から申しますならば、立木のままで事業者に売りますものと直営生産の対象にするものが約半々、そういうことで三十年度並びに三十一年度の仕事を進めて参りたい、かように考えております。
#137
○清澤俊英君 先ほど江田君も言いましたが、その際には当然臨時要員のようなものが必要になつて来るだろうと思いますが、それらの場合に実際の風水害に遭つた被害者を優先的にこれを使つて行くという方針は、一つこれは当然とられることでもあろうし、考えてもらわなければならん、こう思いますが、大体それの動員要員はどれくらいお見込みになつておりますか、本年度補正予算にあなた方が請求せられる場合に考えられましたのは……。
#138
○説明員(石谷憲男君) 先刻も御説明申上げましたように、この風倒木の処理に当りましても極力地元の労務者を優先雇用して参るということにつきましては、さようなことに方針を現地に徹底さしております。それでどうしても地元のほうの労務だけではやり通せないという部分並びに非常に危険を伴う作業がありますので、かなりな熟練を要するという面の問題につきましては、これは主として伐採、伐木その他でありますが、従来とても東北地方から相当程度の労務者が向うに渡りましてやつておつたのでありましてやはりその方面に労務を求めて参らなければならんというものもあると思いますが、でき得る限りのものは、やり得る限りのものは地元のものを優先してやりたい、かように考えております。この仕事のためにどれだけの一体労務が動員されるかということはちよつと計算しておりますから……。
#139
○清澤俊英君 人員ですね、その人員がわかるまでの問にちよつとお伺いしておきますが、大体一般普通労働者を使われる動員要員と、どうしても熟練工を使わなければならないというその要員との関係におきまして、場合によると四対六の措置ができないのではないかと考えられる節が出て来ます。そういう場合でも勿論ないという計算の下に計画は六対四の計画を立てておられるのだから心配はないと思いますが、どうしても熟練工を使わなければならんという場合に、そういう必要の人員はどこから持つて来られる予定になつておりますか。
#140
○説明員(石谷憲男君) これは林野事業全般といたしますと、伐採、運材、こういつたようないわゆる生産事業に従事しておりますものと、それからこれらの仕事をやつて参りますための手段としまして林道の仕事をやつておりますが、まあこういうもの、更に伐採いたしました跡地の造林、こういうふうな大きな仕事もあるわけでございますが、林道或いは造林というふうなものには殆んど全部これは地元の者、ただ伐木搬出の事業でございますが、これは先ほども御説明申上げましたように、殆んど北海道では今まで冬の雪の上を利用して仕事をするというような作業の方式をとつておりまして従いまして、いわば季節的な労務というものを利用いたしましてやる面の仕事がこの事業では相当大きかつた。ところが今回これだけの、八割以上のものを経営事業量の上に附け増しいたしまして生産をするということになりますると、冬の雪の上だけに主として依存しておつたというような仕事の方式ではなかなか仕事が困難である。従いまして相当程度のものが、内地でもやつておりまするように夏山の生産に仕事を振分けて行くというような措置が当然必要になつて参ります。ところが従来まあそういつたような仕事は殆んど現地の人は経験がないわけでございます。それとその夏山生産というものが成る程度までふくらんで参りまするというと、その間におきましていわゆる夏季の農業労働との問のやはり調整という点で現地の労務を使わなきやならん、使いたいという要望がそういう点から或る程度制約を受けて参る。で、私どもといたしましては、大体従来は立木のままで受払います場合には一〇〇%が冬山の生産であります。直営の場合でありましても僅かに一五%程度が夏山で残りの八一五%が冬山である。今回の風倒木の処理につきましては、特に三十年度におき」ましてはその目標を立木処分の場合におきまして三制程度、直覚生産の場合には四割程度夏山でやつて参る、こういうようにいたしませんというと、年間を通じて材のスムースな生産供給が間に合わないというので、そういうような契約をいたしておるのであります。従いまして従来の労務の需給関係がそのようなふうに作業方式も或る程度変更を余儀なくされるということになりまして、かなり違つて参る点があると、かように考えておるわけであります。そういつた場合におきましては、特に伐木、造材、こういつたような相当な技能を要するもので、現地では従来とも調達できなかつた労務だけは内地に依存せざるを得ない。洩るものは挙げて道内の労務を雇用して参りたい、かように考えます。
#141
○清澤俊英君 私の一番お伺いしてみたいと思うことは、そういうような事情から六対四の比率作業は本当にできるのがどう、そういうものがないのだから、今の価格の問題などでどうも市価を考えなければならんとかどうとかいう問題に、非常にそこに業務部長こだわつているのじやないかと、こう思われるので、直営で行かれることになれば、少しくらい損があつても価格のほうは何とかできやせんかと私どもは素人ながら考えているのたが、これが払下げて業者にやらせることになりますと、なかなかそうはうまく行かないだろ、こう見ますので、その比率が特殊技能を有し、殊に夏山になつて搬出等をいたしまする際には特殊な技能者が必要だろうと思いますので、そういう際にまああなたのほうでは集まらないが、業者には手が揃つている、こういうような関係で六対四の計画は立てておられるが、実際は二対八ぐらいの計画になつているのじやないかとこういうようにまあ疑つているのです。
#142
○説明員(石谷憲男君) 只今申上げましたのは、六対四と申しますのは、これは今までの仕事が六対四の比率になつておつたのです。これを三十年度、三十一年度の風倒木の処理を含めましての事業計画の中では五、五にいたしまして、私どもは全体の半分は直営でやるというふうに考えておるわけであります。それで実は労務等の問題につきましていわゆる事業者は相当程度にそれが復興できるにかかわらず、私どものほうでは困難じやないかという御懸念もあると思うのでありますが、そういう点につき」ましては、十分にそういつた点につきましても協調のできる事業者を選びまして払下を当然やつて参らなければならんということも考えております。私どもの見通ししといたしましては、是非この五、五の五を私どもで確保したいと、かように考えております。
#143
○清澤俊英君 それでこの提案説明にありますね、約五千五百万石の風倒木及び損傷木は、国有林町の正常伐採量の約一カ年分というのは、これは全国の量のことを言つておるのですか。
#144
○説明員(石谷憲男君) そうです。
#145
○清澤俊英君 そうしますと、そのうちの三分の一くらいのものということになるのですね。この計画書によりますと、約一千万石を二十九年度に処理しますというと、これは北海道が常にやつております量一年の伐採量の大体平常量になりますか、この一千万石は……。二十九年度計画は……。
#146
○説明員(石谷憲男君) 平常量から出ます。
#147
○清澤俊英君 平常より上ですか。
#148
○説明員(石谷憲男君) はあ。
#149
○清澤俊英君 どれくらい。
#150
○説明員(石谷憲男君) 大体用材だけについて、こういう数字の一応関係になるわけでありますが、北海道でまああれだけの風倒木が出たものでありますので、そこでできるだけ北海道の各営林局におきまして、年度の当初に決定いたしました年間の既定契約があるのでありますが、それを変更いたしまして、それで立木の代採、風倒を受けなかつたものの伐採は極力抑制いたしましてそうして全部風倒木のほうの代採に振向けるという措置を春秋二回に亘りまして相当強力にやつたわけであります。併しいろいろと九月に受けました大風倒の場合におきましては、先ほど申上げましたように、殆んど事業着手の前夜というときにやられたのでありますから、既定計画の変更というものはなかなかできなかつたという事情が伴いまして、三百六十四万石だけの立木の伐採規制はできたのでありますが、それにもかかわりませず、一応純増といたしましては、五百十数方石は北海道の被害で増しております。それでこれだけのものが増いたしましたので、全国的に申しますというと、大体平常生産量四千六百万石でありますが、四千六百万石に対しまして、只今申上げました程度の数量が増加になつております。
#151
○委員長(森八三一君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#152
○委員長(森八三一君) それでは速記を始めて。他に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#153
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#154
○岸良一君 私は本案には賛成するものでありますが、この委員会を通じてたびたび意見を申上げました通り、次のような附帯決議を作つて賛成したいと思います。読み上げます。
   附帯決議(案)
  本法律案に関連して、政府は速かに次の事項を検討し、その結果に基いて適切な措置を講ずべきである。
 一、本法の適用対象となる市町村をひとり北海道の市町村にのみ限定することなく、その他の地帯の市町村にも及ぼすこととすること。
 一、本法第一項第二号の適用対象施設として、農林漁業施設にのみ限定することなく、有要適切な中小企業用施設にも及ぼすこととすること。
#155
○委員長(森八三一君) ほかに御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#156
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。北海道における国有林聾の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   [賛成者挙手〕
#157
○委員長(森八三一君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中にございました岸君提出の附帯決議案について採決いたします。岸君提出通り附帯決議を付することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   [賛成者挙手]
#158
○委員長(森八三一君) 全会一致であります。よつて附帯決議を付すことに決定いたしました。
 なお本会議における委員長の品等報告の内容等、事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか、
   「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 次に、本案を可とされましたかたは例により上順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    清澤 俊英  宮本 邦彦
    大矢半次郎  佐藤清一郎
    菊田 七平  河合 義一
    三橋八次郎  松浦 定義
    江口 三郎  岸  良一
#160
○委員長(森八三一君) 本日はこれを以て散会いたします。
   午後四時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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