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1954/12/06 第20回国会 参議院 参議院会議録情報 第020回国会 農林委員会 第5号
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1954/12/06 第20回国会 参議院

参議院会議録情報 第020回国会 農林委員会 第5号

#1
第020回国会 農林委員会 第5号
昭和二十九年十二月六日(月曜日)
   午後五時三十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員三橋八次郎君辞任につき、そ
の補欠として、亀田得治君を議長にお
いて指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     森 八三一君
   理事
           重政 庸徳君
           宮本 邦彦君
           江田 三郎君
           戸叶  武君
   委員
           大矢半次郎君
           佐藤清一郎君
           飯島連次郎君
           岸  良一君
           溝口 三郎君
           河合 義一君
           清澤 俊英君
           亀田 得治君
           松永 義雄君
           菊田 七平君
           鈴木 強平君
           松浦 定義君
   衆議院議員   福田 喜東君
  政府委員
   農林省農林経済
   局長      小倉 武一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安樂城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   食糧庁長官   前谷 重夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十九年八月及び九月の台風並
 びに同年の冷害による被害農家に対
 する米麦の売渡の特例に関する法律
 案(衆議院提出)
○請願及び陳情に関する件
○昭和二十九年の台風及び冷害の被害
 農林業者に対する資金の融通に関す
 る特別措置法案(内閣提出、衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(森八三一君) 只今から委員会を開きます。
 最初に昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案を議題にいたします。
 本法律案は、一昨四日衆議院においてかねて予備審査のため提出せられておつたものが修正議決せられ本院に送付、即日当委員会に本付託となつたものであります。衆議院における修正箇所は「七月の大雨」を削ることであります。
 本法律案につきましては一昨四日提案理由の説明を開いてありますので、本日は直ちに審議に入ることにいたし、御質疑の向きは質疑をお願いいたします。
#3
○江田三郎君 この法案に基きまして売渡される米麦の量というものはおよそどのくらいになりますか。
#4
○説明員(前谷重夫君) この量につきましては、具体的には各府県と打合せなければなりませんが、大体私たちの見込みといたしましては二十万石から三十万石の間でなかろうか、かように考えております。
#5
○江田三郎君 これで最初政府のほうでは実需者価格ということを言つておられたのですが、この法案で行きますと、生産者が政府に売渡した場合の基本価格程度、こうなつておりますが、具体的に実需者価格と本法案が言つていることとはどの程度の値段の開きがございますか。従つてそれに伴う差額というものに或いは食管会計で処理されるのか、どこで処理されるのか、どういう工合にお考えか。
#6
○説明員(前谷重夫君) お答え申上げます。大体実需者価格につきましては一万八十六円程度が実需者価格に相成るわけでございますので、九千百二十円との差額、約千円近くのものが財政負担になるわけでございます。従いまして、最高三十万石といたしますると、約三億の負担、こういうことに相成るわけでございます。これの処置につきましては、法案が成立いたしますと、別途に財政当局と協議いたしまして処置いたしたいと考えております。
#7
○江田三郎君 それは財政当局と話合ということですが、実際問題としては食管会計のほうでこれを賄つて行くということになると思うのですが、この三億程度のものを賄うということは大きな差支えがございませんか。
#8
○説明員(前谷重夫君) 前年度の状態を申上げますと、前年度におきましては一般会計からの繰入があつたわけでございます。従いまして、食管会計の内容を更に具体的に検討し、必要あれば一般会計に明年度におきまして繰入れを協議いたしたいと考えております。
#9
○松浦定義君 大体本法についてのあれは、只今江田委員が指摘なさつた程度の内容で私ども意見はないのですが、昨年も同様、こういう処置が講じられた。従つて今年こういう処置を受けなければならない農家では、昨年の代金の支払いがどうしても不可能だというような形も出て来るだろうと思います。こういう点については政府はどういうふうにお考えになつておりますか、その点を承わつておきたいと思います。
#10
○説明員(前谷重夫君) 昨年度におきまする安売の場合におきましては、代金を現物と同時に徴収いたしておりますから、支払という問題は起らないと思います。ただ松浦委員のお話は、延納をいたしました場合におきまして、その延納の措置かどうなつておるか、かような御質問かと思いますが、これにつきましては大体本年の十一月までの期間でございますので、目下回収に努めておりますが、これを現在の法律の建前からいたしますると、期間を再延長するということは困難でございます。ただ具体的な実情をよく精査いたしまして、返済が遅延いたした場合には、建前といたしまして違約金をとることになつております。併し昨年災害を受け、本年も又災害を受けたという特殊な事情にある気の毒な農家につきましては、違約金の免除等の措置が考えられるわけでございますが、これは具体的に更に府県当局と打合せいたしまして、現在におきましては或る部分まだ延納の形になつておりますが、その回収の見込み等を併せて考慮いたしますと同時に、具体的な農家の実態に即しまして、場合によつては違約金の免除等の措置もとりたい、かように考えております。
#11
○松浦定義君 その場合の利子等についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
#12
○説明員(前谷重夫君) いわゆる違約金と申しますのは、利子に相当するものの三倍ということになつておりますので、その違約金を免除するということでございますから、延滞利息はとらない、こういう形に相成つております。
#13
○江田三郎君 議事の進行について……。大体これはもう質疑はないと思うのでして、この法案のほうは衆議院でも全会一致で通つておることですから、こちらの本会議も始まつておるようですから、自由党お見えにならんですが、一つこの辺で討論に移つて頂きたいと思います。
#14
○委員長(森八三一君) 他に御質疑がございませんければ、只今議題となつておりまする昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案につきましては、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記止めて下さい。
   〔速記中止〕
#16
○委員長(森八三一君) 速記を始めて下さい
 それではこれから検討に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。
#17
○松浦定義君 本法案の採決に当りまして、私は先の質疑の中にも申上げましたように、本年のこの被害農家に対しましては、どうしても昨年同様処置をして頂きたい、こういう意見を申上げておつたのでありますが、幸いに衆議院のほうといたしまして修正が参りましたので、私は衆議院の修正に対しましては全面的に賛成をいたすものであります。更にその際特にいろいろ討議の中にもありましたように、本法案の成立後におきまして、いろいろの事態が末端に起きていますことに鑑みまして本院としては是非附帯決議をいたしたいと、かように考えまするので、只今からその案文を朗読いたしますから、是非御賛成を願いたいと思うのであります。
   昭和二十九年八月及び九月の台   風並びに同年の冷害による被害   農家に対する米麦の売渡の特例   に関する法律案に対する附帯決   議案
 本法成立の上において、これが実施に当つて、本法による米麦の特別売渡がいやしくも本法の趣旨を逸脱するがごとき事態の発生しないよう遺憾なく措置すること。以上であります。
#18
○委員長(森八三一君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#20
○委員長(森八三一君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中にございました松浦君提出の附帯決議案について採決いたします。松浦君提出通り附帯決議を附することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#21
○委員長(森八三一君) 全会一致でございます。よつて附帯決議を附することに決定しました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続は慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 次に、本案を可とされましたかたは順次御署名を願います。
   多数意見者署名
     宮本 邦彦  佐藤清一郎
     重政 庸徳  大矢半次郎
     鈴木 強平  菊田 七平
     溝口 三郎  松永 義雄
     河合 義一  岸  良一
     飯島連次郎  松浦 定義
     亀田 得治  江田 三郎
     戸叶  武
  ―――――――――――――
#23
○委員長(森八三一君) 次に、議題に追加して、請願及び陳情を議題にいたします。
 本国会中、昨五日当委員会に、第二十回国会公報第七号掲載の通り、請願三十一件及び陳情一件が付託せられましたので、只今から懇談によつて順次御審議を願うことにいたします。
   午後六時二分懇談会に移る
   ―――――・―――――
   午後六時三分懇談会を終る
#24
○委員長(森八三一君) 只今の懇談の結果によつて右の請願及び陳情はいずれも採択の上内閣に送付すべきものと決定を願つた次第でございます。
  ―――――――――――――
#25
○委員長(森八三一君) 引続いて昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案を議題にいたします。
 本法律案は、かねて予備付託となつておりましたが、只今衆議院において修正議決せられ本院に送付、直ちに当委員会に本付託となりました。衆議院における修正箇所は別紙お配りしておきました通りであります。又衆議院農林委員会において別紙お配りしておきましたような附帯決議が行われております。本法律案につきましては予備審査は一応終つておりますが、これから本審査に入ることとし御質疑の向は質疑をお願いいたします。
 ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(森八三一君) 速記始めて下さい。
 只今、議題になり、質疑をお願いいたしておりまする本法につきましては、懇談を願うことが適当と思いますので、この際懇談に移りたいと思います。
 六時三十分まで休憩いたします。
   午後六時九分休憩
   ―――――・―――――
   午後六時四十九分開会
#27
○委員長(森八三一君) 休憩前に引続きまして委員会を開会いたします。
 休憩前に付議しておりました昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案につきまして質疑のかたは御発言を頂きます。
 この際私から政府当局にお伺いをいたしますが、本法律案の審査は、御承知のように各方面から検討をせられまして、いろいろな意見が出ておるのであります。そういうような委員会を通じて述べられておりまする諸般の情勢に鑑みまして、或いは本法につきましては、衆議院の当院に送付して参りました案と政府提出の案とにつきまして、いろいろな形が現われて来るかと思いますが、いずれにいたしましても被害農家の困難な情勢を考えますると、この趣旨のことは速やかに実施されまして、難儀をいたしておりまする諸君の営農がつつがなく進んで参りまするように措置しなければならんと思います。つきましては、本法をめぐつて論議の結果、或いは本法の性質というような問題について時間的に内容を完備するというような意味から、急速に成立を見るということが困難なような場合も或いは起きるのではないかというような懸念もないわけではございません。そういうような場合におきまして、政府当局といたしましては、只今申上げましたような被災農家諸君の困難を処置いたしまするために、行政的な立場において当然善処せらるることと存じまするが、その心がまえについてこの際お伺いをいたしておきたいと思います。
#28
○政府委員(小倉武一君) 只今委員長からお尋ねのような場合があるといたしますれば、私どもといたしましては、政府提案の原案に副うたところで行政上の措置を講じて参りたいと、かように存じております。
#29
○委員長(森八三一君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたら、修正案文及びその修正理由を討論中にお述べを頂きます。
#31
○岸良一君 衆議院送付の修正案につきましては、以下の情勢をいろいろ考慮せられて修正をされたことと思うのでありますが、何分にもいろいろの事情を総合してみますると、今の修正案のままで行くことはいろいろな困難があると思われまするし、只今農林当局のお話だと、若し送付の原案が崩れたとしても処置はつくというようなお考えを持つておられるようでありますので、私はこの衆議院送付の原案に対して修正案を出したいと思いますので、一応朗読をいたしたいと思います。
   昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案に対する修正案
  昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案の一部を次のように修正する。
  第二条第二項各号列記以外の部分中「(土地改良区の賦課金の納入のために必要な資金を含む。)」を削り、同項第三号を次のように改める。
  三 利率が政令の定めるところにより六分五厘以内のものであること。
  第四条第一項中「百億円」を「八十五億円」に改める。
  第四条第二項中「第二条第二項第三号の規定により利率が年三分五厘以内に定められている資金に係るものにあつては当該利子補給額から当該利子補給の対象となつた貸付金の総額につき年二分五厘の割合で計算した額を控除した額又は当該利子補給の対象となつた貸付金の総額につき年五分五厘の割合で計算した額のどちらか低い額の範囲内、利率が年六分五厘以内に定められている資金に係るものにあつては」を削り、「年二分五厘」の下に「(政令で定める場合は年三分)」を加え、「前条第一項第五号」を「同項第五号」に改める。
  附則第三項中「昭和二十八年六月及び七月の水害並びに同年八月及び九月の風水害による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法」の下に「(昭和二十八年法律第二百三十四号)」を加える。
  附則第四項中「昭和二十八年における冷害による被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法」の下に「(昭和二十八年法律第二百七十四号)」を加える。
 こういうような修正をするということは、結局大体原案に戻して、そうしてスムースにこれの成立を図り、又それに対して政府において適当な措置を講ずるべきである。こういうことを考えてこういう修正案を提出するのであります。
#32
○重政庸徳君 今の岸委員の修正案に賛成いたします。
#33
○江田三郎君 岸委員の修正案に反対して、衆議院送付案に賛成いたします。
#34
○松浦定義君 私も同様、衆議院送付案に賛成し、岸委員の修正案に反対するものであります。その理由の主なる点を申上げますると、昨年度の実施に当りましても、同様この種の立法がされまして、特に衆議院の修正案では、本年の重なる災害によつてこの救済策を講じたのでありまして、この内容は私どもがどうしても実現いたしたいと、こういう意味で、只今申上げましたように衆議院送付案に賛成し、岸委員の修正案には反対をいたすものであります。
#35
○菊田七平君 私は只今の岸委員の修正案に反対し、衆議院修正案に賛成するものであります。それに附加えまして一つの条件を付けたいと思います。昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案に対する附帯決議でございます。
  本決成立の上において、これが実施に当つて、本法による融資がいやしくも本法の趣旨を逸脱するがごとき事態の発生しないよう、遺憾なく措置すること。
 以上の決議を付けて賛成するものでございます。
#36
○委員長(森八三一君) 他に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案について採決いたします。先ず討論中にありました岸委員の修正案を議題にいたしまして、岸委員提出の修正案に賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#38
○委員長(森八三一君) 少数でございます。よつて岸委員提出の修正案は否決されました。
 次に、原案全部を採決いたします。原案に賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#39
○委員長(森八三一君) 多数でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、討論中にございました菊田君提出の附帯決議案について採決いたします。菊田君提出通り附帯決議を付することに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#40
○委員長(森八三一君) 多数であります。よつて附帯決議を付することに決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続きは慣例によりまして委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(森八三一君) 御異議ないと認めます。
 次に、本案を可とされたかたは順次御署名を願います。
   多数意見者署名
    亀田 得治  清澤 俊英
    菊田 七平  戸叶  武
    河合 義一  江田 三郎
#42
○委員長(森八三一君) 御署名漏れはございませんか……、ないと認めます。
 明日は、残余の予備審査の問題並びに草に関する問題の御審議を願うことといたしまして、午前十時から開会いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後七時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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