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1954/12/06 第20回国会 参議院 参議院会議録情報 第020回国会 本会議 第5号
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1954/12/06 第20回国会 参議院

参議院会議録情報 第020回国会 本会議 第5号

#1
第020回国会 本会議 第5号
昭和二十九年十二月六日(月曜日)
   午後零時三十七分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第五号
  昭和二十九年十二月六日
   午前十時開議
 第一 中央更生保護審査会委員の任命に関する件
 第二 検査官の任命に関する件
 第三 公安審査委員会委員の任命に関する件
 第四 社会保険審査会委員の任命に関する件
 第五 日本銀行政策委員会委員の任命に関する件
 第六 文化財保護委員会委員の任命に関する件
 第七 水稲健苗育成施設普及促進法案(衆議院提出)(委員長報告)
 第八 北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
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#2
○議長(河井彌八君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(河井彌八君) これより本日の会議を開きます。日程第一、中央更生保護審査会委員の任命に関する件を議題といたします。
 去る十一月三十日、内閣総理大臣から、犯罪者予防更生法第五条第三項の規定により土田豊君を中央更生保護審査会委員に任命したことについて本院の承認を求めて参りました。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#4
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(河井彌八君) 日程第二、検査官の任命に関する件を議題といたします。
 去る十一月三十日、内閣総理大臣から、会計検査院法第四条第四項の規定にまり山田義見君を検査官に任命したことについて本院の承認を求めて参りました。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#6
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(河井彌八君) 日程第三、公安審査委員会委員の任命に関する件を議題といたします。
 去る十一月三十日、内閣総理大臣から、公安審査委員会設置法第五条第三項の規定により阿部真之助君、挾間茂君、山崎佐君を公安審査委員会委員に任命したことについて本院の承認を求めて参りました。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#8
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#9
○議長(河井彌八君) 日程第四、社会保険審査会委員の任命に関する件を議題といたします。
 去る十一月三十日、内閣総理大臣から、社会保険審査官及び社会保険審査会法第二十二条第三項の規定により簗誠君を社会保険審査会委員に任命したことについて本院の承認を求めて参りました。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#10
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#11
○議長(河井彌八君) 日程第五、日本銀行政策委員会委員の任命に関する件を議題といたします。
 去る十一月三十日、内閣総理大臣から、日本銀行法第十三条の四、第三項の規定により荷見安君を日本銀行政策委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#12
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#13
○議長(河井彌八君) 日程第六、文化財保護委員会委員の任命に関する件を議題といたします。
 去る十一月三十日、内閣総理大臣から、文化財保護法第九条第一項の規定により内田祥三君を文化財保護委員会委員に任命することについて、本院の同意を求めて参りました。本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本件は、全会一致を以て同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#15
○團伊能君 私はこの際、竹島問題に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#16
○阿具根登君 私は、只今の團伊能君の動議に賛成いたします。
#17
○議長(河井彌八君) 團君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。團伊能君。
   〔團伊能君登壇、拍手〕
#19
○團伊能君 私は、最近問題になつております日本領竹島の問題につきまして緊急質問をいたします。
 竹島は、従来日本領であることは歴史に徴しまして疑いないばかりでなく、更に最近、平和会議の条項、第二条におきましても、日本と韓国が分離した際に、韓国に所属する島嶼は明瞭に記載されておりまして、済州島、巨丈島、鬱陵島の三島が韓国に所属し、他の諸島は日本に属することになつているのであります。日本政府から韓国に抗議をいたした抗議文に対する韓国側の回答を読みますと、あたかもこれが鬱陵島の付属島嶼のごとく受取れる感がいたしますが、韓国の歴史においても、すでにこの島を独島、一つの島、独りの島と書きます。独島と称しているばかりでなく、五十六カイリを隔てるこの島が、鬱陵島の付属島嶼でないことは極めて明瞭であります。今日、政府及び国民の一部の竹島に対する誤解、これが渺たる日本海の一小島であり、この問題について種々国際紛争を起すことは、国家として非常に不利であるという考えもありますが、最近の遠洋漁業その他の科学的な漁獲方法により、この島は急に重大性を持つていることは、日本よりも韓国側のほうが、よくこれを了解しているようであります。又、非常に災害の多い日本における気象通報のためにこれを用い、又、世界に二つよりない非常な貴重な海獣「あしか」の集合地でありまして、日本は曾つて「おつとせい」条約に入つておりましたが、この「おつとせい」の保護と同様に海獣保護の文化的責任を持つているものであります。然るにこの竹島は、昨年の春以来韓国側が非常な巧妙な手を打ちまして、或いはここに軍隊を送り、又最近は燈台を作つて、これを米国の国際航路局に登録いたし、又予算を通して、ここに築港する計画をいたしております。殊に最近、韓国では、郵便切手に竹島の図を載せまして、これを頒布し、且つ世界的に竹島の領有を宣伝して、外交における事実をここに作ろうとしていることは、皆様すでに御承知の通りであります。これに対し、日本政府は、ただ文書的な抗議を送るにとどまりまして、今日まで何ら積極的なこの解決をしなかつたことにつきましては、私は非常な遺憾の意を表するものであります。(拍手)
 私はこれにつきまして、先ず副総理にお伺いいたしたいと思いますが、日本政府は、とかくこの問題を、或いは国民の注意を避けるような方法において解決しようといたし、ここに参りました韓国人をいわゆる密入国者としてこれを取扱い、日本の巡視船を送つてこれを収容し、長崎県の南風崎からこれを韓国に送還する、いわゆる密入国者の取扱いをいたしております。併しながら今日、すでに昨年以来数回に亘つて日本の巡視船が参りましたときに、これが銃撃を受け、或いは砲弾を受けまして、巡視船のへくら、おき等の船は、いずれも優秀な鉄船でありますが、二百発の銃弾を受けて、それは鉄板を貫通しておるような損害を受けております。このために竹島に近寄れないで引返しておるのでありまして、今日、これを密入国者として取扱い、警察処分で取扱うことは、もはやその域を遙かに脱しているものであります。
 ここで副総理にお伺いしたいのは、こういう工合に日本の領土が明瞭なる直接侵略を受けながら、政府はこれをどういう工合に取扱おうとしておいでになりますか。防衛庁法によるいわゆる総理大臣の緊急状態に対する防衛出動によつて、この問題を解決することが私は至当と考えます。終戦以来極めて虚脱した日本人は、自国の領土においてさえ非常に無関心であり、あらゆる事件が起りましても、いわゆる没法子としてこれを見過ごして行くという習慣がありますが、すでに今日に至り、竹島の領土侵略をただ成り行きに任せて見過ごすという状態であることは極めて私も遺憾とするものでありますが、ここに副総理から、この問題のはつきりした処理方法を伺いたいと思います。
 次に、大村長官にお伺いしたいと思いますが、若しこの防衛出動を命令して、これに防衛庁の力を以てここから外国兵を退去せしめるというような事態に至りましたとき、果して今日の防衛庁の力が、どれだけの可能性を持つているかということであります。私が察しますのに、米国より貸与を受けましたフリゲート・パトロールのような船は、攻撃的武器を持つていないばかりでなく、非常に吃水が浅く、日本海の風浪にさえ耐えかねるものであると考えますが、こういう船を持つて行つてもこの問題は解決しないと考えます。殊に、若しもこれが抵抗に会つた場合には、韓国においてはすでに百機以上の新鋭なるジエツト戦闘機も持つておりまして、これらの戦闘機の迎撃を受けましたときは、到底これに対抗し得ないものであります。この問題を私は武力的処理をいたすということではありませんが、併し実際上、日本の防衛を出動いたした場合、如何なる日本の力というものであるか、それを明瞭に伺いたいと考えるのであります。
 更に、岡崎外務大臣にお伺いしたいのでありますが、軍艦旗を挙げ正規軍を乗せていない日本の警察船が、若しも外国の艦隊と遭遇いたし、不幸にしてその間に紛争を起し海戦をいたすような場合、果して日本の憲法に照し、日本の船はどういう国際的な地位にあるか。これに、各国の軍艦として認められたものが許されているだけの自由な行動ができますかどうか。この点の日本の艦艇の国際的ステータスについて伺いたいと思います。併しながら私は、ここにこういう質問をいたしまして、これに武力的解決をしろと主張するのではございません。外務省が今日まで非常な平和的な処理をしようと思つてこの問題の解決に当られたということは、私も非常に、了解し、又共鳴するところであります。併し今日までのそれでは平和的処理がどういう方法をとられて来たかということにつきまして、ここに岡崎外務大臣からお伺いいたしたいと思います。
 この夏以来、この竹島問題の解決に当りまして、国際司法裁判に訴え、その裁決によつてこれを解決しようとしたことは、皆様御承知の通りであります。併し今日、濠州との間のいわゆるアラフラ海の漁業問題につきまして、両国合意でこの問題を解決しようとしておりますが、併しこの国際司法裁判は、合意なくしてこれを実行し得ないことは明らかであります。それにもかかわらず、韓国にこの国際司法裁判に訴えることを提案いたし、忽ち韓国の反対によりましてこの合意が拒否された。これは成立しなくなつたのであります。この合意の拒否を受けて以来、外務省は更に国際司法裁判の問題について、どういう工合な方法を進めておいでになりますか、承わりたいと思います。
 更に又、今日印紙に竹島を印刷して公布していることに関し、外務省はこれに対し、新聞紙によりますると、この印紙をつけた郵便物は日本の国内に入れない、これを拒否し、返すというような文句を以て韓国に抗議していられます。が併し、いろいろ万国郵便条約等を引つくり返して見ましても、万国郵便条約のどの条項が、竹島の印紙を貼つた郵便物を送り返す基礎となるか、ここに承わりたいと思います。韓国から発せられる郵便物は、単に韓国人の郵便物ばかりでなく、その中には多数の外国人の文書も入つており、又その中には、日本を通過して外国に参る郵便物もあります。これらを単に竹島の印紙をつけているが故に拒否して行くということが、果して万国郵便条約によつて許されるかどうかが、私は非常な問題であると思います。試みにこの郵便条約を見ますと、五十九条の禁止条項というものがありますが、併しこれはいろいろな郵便物、殊に小包等の中において爆発物その他を取扱つたものの禁止でありまして、これが郵便切手に関して、こういう条項が適用されるものとは考え得ないのであります。又更に政府におかれましては、日本に入つて来る物品の関税の問題といたして、いわゆる関税定率法によつてこれを禁止しようとしております。関税定率法の二十一条には、日本に入つて来る品物で日本の公安を害し又は風俗を害するような文書、図画、或いは彫刻その他のものはこれを禁止することが書いてありますが、併しこれらは到着した品物に関する規定でありまして、郵便切手が公安を害するから、これを禁止するということには当らないと思います。むしろこれは、この郵便切手は、いずれも登録されておるに違いありません、つまり世界的登録をしてあるその根柢に遡つて、その登録の取消を要求することが私適当な方法ではないかと考えます。この点に関し、この郵便切手の処理を私は、どういう工合に政府は処理しようとしておいでになりますか、御説明を承わりたいと思います。
 なお日本は、今日国連の理想に共鳴し、又、国連に参加はいたしておりませんけれども、その義務をも一部果そうということを、平和条約におきまして約束もしているのであります。そこでこの国際連合は、単に加盟国の利益をのみ擁護するものではなく、広く世界の平和を保持しようという大理想に立つておりますものでありますから、国際連合に対してこの問題を提起することは、必ずしも当らないものとは考えません。勿論旧敵国として多少の差別の待遇は受けるかも知れませんが、私どもは、すでにここに国連の理想に参加し、平和的日本として今日に至りましたのでありまして、これらに何らの差別を受ける理由も私はないと思います。そこで国連憲章の第三十五条の第二項におきましては、国連の加盟国でないものも、若しこれを平和的に解決するということを承認するならば、国際連合の安保理事会にこれを訴え、又総会において注意を喚起することができるという条項があります。なぜ外務省は、速かにこの問題を国際連合に提起してそうして解決に当らないか。その点伺いたいと思います。今日の印紙問題のごときは、曾つて外国間におきましては、戦争をも誘発したような重大問題であります。こういう非常に不幸な事件が起つておりますならば、必ずや国際連合も、これを取上げまして、これに一つの解決の途を見出すだろうと考えます。
 併しながら更に手近なことは、日米安全保障条約によりますと、その巻頭に、日本が平和を回復し独立をいたしたるとき、無責任な軍国主義がまだ世界から駆逐されていないから、この無防備の日本を米国軍が駐留して守るということが書いてあります。然らばこの日本の国土の一部が直接侵略を受けている今日、ここに駐留している米国軍は、果してこれにつきまして、どういう立場をとるのでありますか。若しも、私、信ずるところによれば、日本政府においてこれを要求すれば、当然この問題を解決することが、駐留している米国軍の責任であると考えます。この点、どういうわけで日本政府は、米国駐留軍の協力を得てこの問題を解決されないか。この点について明瞭なる御返答を頂きたいと思います。
 時間がありませんから、これを以て私の質問は終りますけれども、今日、日韓間の問題は非常に複雑であります。竹島問題も、この総合的解決の一環として考えるというお説がありますけれども、これが李承晩ラインの問題その他、漁区の問題、請求権の問題、日韓貿易の問題等とは違つて、これは日本の国土の一部が占領されおるという不幸なる事実でありますから、これは日韓会談のほかに立ち、まずこの問題を解決してこそ、日韓会談に対する曙光は得るものだと思います。これらの点につきまして、政府より御答弁をお願いいたします。
 私の緊急質問は、これを以て終ります。(拍手)
   〔国務大臣緒方竹虎君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたします。
 竹島問題は、一昨年の一月、李承晩大統領が李ラインを宣言したときから起つた問題でありまして、その後の経過につきましては、時間の関係上ここで詳しくは申上げませんけれども、これを要しまするに、日本のほうではどこまでも平和的に解決をして参りたいと考えておるのに対しまして、韓国側におきましては実力を以て既成事実を作つて行こうと、そういう誠に言語道断な態度に出ておることは今御指摘になつた通りであります。併しながら、日本と韓国との関係は、これは東亜の大局から見ましてなかなか重大な問題でありまするし、何か両国の関係の将来について誤解もあるのではないかと考える点もありまするので、今すぐに防衛出動等のことをすることは避けまして、なお一層忍耐力を持つて平和的に処理する途を考えて参りたい、さように考えております。(拍手)
   〔国務大臣木村篤太郎君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(木村篤太郎君) 竹島問題について、仮に防衛出動をした場合に、韓国の実勢に対して対処し得るかどうかという御質問でありますが、現在フリゲート十八隻、これらについては相当訓練の度が上つております。併しながら、韓国におきましては、現在相当数のロケツト砲弾を積んだ爆撃機を持つておるのであります。然るに日本におきましては何んら爆撃機及び戦闘機を持つておりません。従いまして、韓国においてこれらの飛行機が出動した場合に、これに日本が対処し得るという手段は持つていないのでありまして、従いまして、防衛出動した場合において十分に日本が対処し得るかどうかということについては、遺憾ながら私は現在のところ確信はないと言うよりほかないのであります。(拍手、「何のために自衛をするのか」と呼ぶ者あり)
   〔国務大臣岡崎勝男君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(岡崎勝男君) 御質問について順次お答えいたします。
 第一は、軍艦の性質の問題でありますが、勿論我々は憲法上自衛権を放棄しておるものでありませんからして、相手国が侵略をして来た場合、自衛権を行使することは勿論できるのでありまして、従つて相手側の軍艦が攻撃した場合でも、政治的問題は別として、法理上から言いますれば、我が艦船が自衛権を行使することはでき得るのであります。で、その場合国際法上の軍艦としては一定の要件を必要といたしております。で、我が国は憲法上交戦権を持つておりませんので、我が艦船はおのずから軍艦とは性質を異にするわけであります。従つてこの相手方の艦船と遭遇した場合に、我が警備船は、一般的な交戦権は持たないことになりまするけれども、自衛権の行使に必要な限りにおきましては、国際法上軍艦に準ずる地位を認められているものと考えております。
 第二には、国際司法裁判所に提起した問題でありまするが、元来竹島は、国際法上の基本原則である領土権に関連する問題でありますので、これを国際司法裁判所に付託して、最も公正にして権威ある国際法廷の裁判を仰ぐことが最上であると思いまして、これを韓国側に提起したわけであります。で、先ほども副総理が申しましたように、本竹島問題につきましては、我がほうとしては平和的解決を図ると、こういう方針でできるだけ穏便に、又合理的な解決をと考えておりましたが、韓国側がこの国際法廷の裁決を仰ぐことを忌避したのでありまして、甚だこれは遺憾であると同時に、韓国側としては恐らく国際法廷の合理的な審判には堪え得ないという考えがあつてのことかと思うのであります。で、更にこれにつきましては、国際連合等いろいろの方法を考慮しているのでありまして、決してこのままで、そのまま放つておくというわけではありません。で、ただ我が国としましては、韓国側との関係は将来も長く続くものでありますので、でき得るならば直接の交渉なり、又はこの郵便切手の問題であるならば、万国郵便条約の関連において、問題は平和的に解決したいという希望をまだ捨てておりませんので、この方面に努力を傾注しているわけでございます。
 それから郵便切手の問題でございますが、これはいわば国際条約の盲点を突いて、非常に巧みに宣伝を試みたということとも言えるのでありますが、勿論これが不合理なことは申すまでもないのであります。で、先ほどもお話のように、政府としましては韓国側に対して厳重なる抗議をいたしますと同時に、万国郵便連合を通じまして、かかる不法な行為を取止めるように韓国側の反省を促したいと考えているのであります。本邦内における切手の取扱い方につきましては、お話のように国際上の先例も一、二あるのでありまして、従いまして、この切手の拒否ということを政府は今直ちに決定したわけではないのでありまして、只今、万国郵便条約とか、国内法規の見地から、関係各省で慎重にこれを検討させつつあるのであります。
 なお最後に、安全保障条約の発動を見たらどうかというお話でございますが、これは厳密な法律の解釈の問題は別といたしまして、政府といたしましては事態の現実的な解決を図るように只今努力最中でありまして、目下のところ米軍の援助を要請しておりませんし、成るべくこういうことはしないで解決をいたしたい、こう考えておりますような次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#23
○湯山勇君 私はこの際、覚醒剤取締に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#24
○寺本広作君 私は、只今の湯山君の動議に賛成いたします。
#25
○議長(河井彌八君) 湯山君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。湯山勇君。
   〔湯山勇君登壇、拍手〕
#27
○湯山勇君 私は日本社会党を代表して、今日民族の危機を招来している覚醒剤の問題について質問をいたします。
 俗にヒロポン禍と呼ばれている覚醒剤の害毒はますます猖獗の度を加え、若しこのままの勢で青少年を蝕み続けて行つたならば、日本民族はやがて肉体も精神も共に腐れ果てて、遂には民族滅亡の途を辿らなければなりません。(「その通り」と呼ぶ者あり)今日覚醒剤中毒者の数は、斎藤警察庁長官の言によれば、百万以上と推定され、警視庁十一月の調査によれば百三十万、全国民の一・五%に及ぶと言われております。而もこれが単に衛生上の問題であるばかりでなく、覚醒剤の存在する所には必ず犯罪が伴なつているのであります。殺人、暴行傷害、強盗等の凶悪犯を初めといたしまして、外貨の不正取引、賭博、売春等が影の形に添うごとくつきまとつているのであります。この恐るべき害毒が、都市或いは基地周辺から、今日では次第に農漁村にまで拡がつて参りまして、警視庁の発表によれば、昭和二十八年度の検挙数は、二十六年度に比べて北海道の二十倍を筆頭といたしまして、東北を除いて、全国すべて二倍以上の数を示しておるのでございます。更にこの害毒は、単に人間だけにとどまらず、最近では、競馬の馬にまで及んでいるということでございます。この暗澹たる事態に対して、警視庁では去る十一月十日、覚醒剤取締対策本部を設けまして、更に全国の警察も総力を挙げてこれが撲滅に当つておりまするけれども、併しなお、これの撲滅の前途は極めて暗い状態にございます。又民間におきましても、青少年問題協議会、或いは婦人団体、青年団、PTA、教育団体、教員組合等が、それぞれの立場で努力はしておりますけれども、その実効は、前途遼遠の状態でございます。悪事は先へ先へと進んで参りまして、原料の輸入が抑えられますと、国内原料による合成を発明いたしております。取締がきつくなれば、これに対する逃避或いは隠匿の方法が巧妙になつて参ります。私は事ここに至らしめた政府の責任について、只今から御質問申上げたいのでございます。
 各省ばらばらの申訳のような対策はあつたかも知れませんけれども、政府全体として総合対策を本議場を通じて国民に示されたことは、第一国会以来ただの一度もございません。又政府が、この対策のために予算措置をしたということも、特にこのためにしたということは、未だ曾つてないのでございます。(「なつておらん」と呼ぶ者あり)更に申上げたいことは、この取締のために政府が提案した法案も、又一件もないということでございます。先に第十国会において、もはや法律によらなければどうすることもできないというので、覚せい剤取締法が成立いたしましたが、これは議員立法によるものであります。又第十九国会におきまして、更に覚せい剤取締法の一部改正、精神衛生法の一部改正を行いまして、取締の強化と拡大を図り、又中毒者の収容、更生を図りましたけれども、この二つの修正も又、政府によるものではなく、議員提案によるものでございます。なぜ一体、政府はこのような状態に放置したか。この責任を私はここで質したいのでございます。前途幾ばくもない政府ということでございますから、今ここでお質ししておかなければ、今日この害毒を日本民族に及ぼしておる責任を質す機会が永久に失われるかも知れないので、特に緒方副総理にお尋ね申上げたいのでございます。副総理は、私が只今申述べました通り、政府の怠慢を卒直に認め、国民に対しその責任を感じておられるかどうか、承りたいのでございます。若しそうでないならば、私の申述べました各項目について、一々明確に御釈明を頂きたいのでございます。次に小原法務大臣と草葉厚生大臣、御一緒にお尋ねいたします。御所管の立場から、それぞれお答えを頂きたいと思います。その第一は、覚醒剤の害毒を根絶する意思を持つておられるかどうか。第二は、根絶の確信を持つておられるかどうか。第三は、確信をお持ちになつておるとすれば、いつまでに撲滅される御予定か。近くの中国では、麻薬を完全に撲滅した事例もありますので、明確にいつまでということをお示し願いたい。第四は、その方法についてでございます。方法を的確に御説明願いたいと思います。
 なお法務大臣だけにお尋ねいたしたいことは、覚醒剤の背後には、不良外人いわゆる第三国人というものが含まれて、不良外人がつきまとつております。警視庁の調査によれば、違反件数で約一九%、密造の件数では、外国人が日本人の二倍の高率を示しております。警視庁の防犯部長はこれに対して、不良外人をどう取締るかについては、今のところ根本対策はないと談話を発表しております。大臣は、これに対してどう対処されるか、お伺いいたしたいと思います。
 厚生大臣だけにお尋ねいたしたいことは、現在の中毒者、常用者に対する救護をどうされるお考えか。又民間で計画されつつある救護更生施設を如何に育成助長するか、こういう点について併せて御答弁願いたいと思います。
 次に、労働大臣にお尋ねいたします。警視庁の資料によれば、本年十月一日から十一月十日までの四十日間に検挙された三千八百八十五名の総数のうち、無職というのが第一位で二千九名ございます。次はバタ屋というのが六百七十名ございまして第二位でございます。その両者の会計は検挙総数の七〇%に達しておる。又厚生省の調査によれば、覚醒剤をやめられない理由、現在やつておる者がやめられない理由として、中毒のためにやめられないのが大多数で一千八十四名、仕事のためにどうしてもやめられない、やめたら仕事に困るというのが二百三十九名の多数に上つております。調査対象の総数は二千数名でございます。その二千数名に対して、仕事のためやめられないというのが二百三十九名に上つておる。歳末、年の瀬を控えまして、中小企業その他過重労働が重なり、夜間勤務が重なつて参ります。その苦しさに堪えかねて、つい身を誤るという季節が今来ているのでございます。現在の労働政策では、労働基準法は空文化されておりますし、低賃金と労働強化を押付けられ、更に失業者は、どんどんできて、参つております。こういう政府の労働政策が、覚醒剤の害毒をますます増大させておる。労働大臣は、覚醒剤中毒者製造の元兇であるというのは言い過ぎであるとしても、少くとも協力者であるということは言えるのではないか。法務大臣、厚生大臣がいくらこれについて努力をされましても、低賃金、労働強化、首切り、人員整理の労働政策が改まらない限り、只今申上げました事実に鑑みまして、この根絶は至難であると考えられますが、労働大臣は、この現実をどう対処されようとしておるか、承わりたいのでございます。(拍手)
 次に文部大臣にお尋ねいたします。警視庁の談話によりますと、学生の中毒者、常用者の数は、検挙数の中では比較的低い率を示しておるけれども、無職という中に相当学生が紛れ込んでおる、従つて大体一〇%内外ということが常識だと言われております。又文部省自身が或る県でお調べになつた資料によれば、覚醒剤を用い始めた動機の四八%は試験勉強のためである。又アルバイト等の深夜業というのが二%、両方合わすと、丁度半分になつております。これに対し文部省は単なる通牒、通達で何とかしようとしておりますけれども、決してそういう方法では、この惨禍を防ぐことはできません。有為な青少年の前途を誤まるものは試験勉強であり、特に入学試験がその最たるものでございます。教育の機会均等と入学試験制度の廃止、当面、これが抜本的な改正が緊急な問題であると思います。いよいよ年度末を迎えまして、受験のシーズンとなつて参りました。このままで行つたならば、又々たくさんの犠牲者を出さなければなりません。これをどうするおつもりか、文部大臣の御所見を伺いたいのでございます。
 最後に、もう一度副総理にお尋ね申上げたいと思います。
 只今まで申上げましたように、戦争の遺物が、今日なおこのように害毒を及ぼしまして、日本民族を危機に陥れておるのは、一に政府の怠慢と国民生活の不健全、社会不安によるものであると思います。吉田総理大臣は今国会の劈頭本議場で、社会保障の万全を期する覚悟であると言明しておりますし、副総理も又、先日我が党小酒井議員の質問に対して、社会保障も拡充強化する、更に自衛力も増強するということを御答弁になつたことは、御記憶に新たなことと思います。緊縮財政を堅持して一兆円予算という枠を更に守つて行く。その限られた枠の中で自衛力も社会保障も強化する、バターも大砲もと、そういう手品のようなことが、吉田内閣でおできになるのであれば、内閣がおやめになる置土産として、後学のために是非お教え願いたい。これを以て、私の質問を終ります。(拍手)
   〔国務大臣緒方竹虎君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(緒方竹虎君) お答えをいたします。
 覚醒剤の濫用による弊害が、国民保健上並びに社会公安上に及ぼしまする悪影響等は実に大きなものがありまして、これが弊害の防止につきましては、政府といたしましても昭和二十六年覚せい剤取締法が制定されまして以後努力して参つたのでありまするが、前国会におけるこの法の改正により、更に一層取締りを強化し、関係行政機関相互に協力せしめ、以来着々とその成果を挙げておるところであります。一方、中毒者の発生を未前に防止するための啓発宣伝につきましても、地方公共団体等の協力を得まして、あらゆる機会にその弊害の恐ろしさにつきまして、啓発運動を実施いたしておることは御承知の通りであります。更に中毒者の医療保護につきましては、精神衛生法の適用により積極的な方途を講じつつある次第であります。併しながらなお御指摘のように、これまでの措置ではまだ十分とは言い得ない現状に鑑みまして、今後所要の予算的措置をも行いまして、取締りの徹底、中毒者の予防、治療に万全を期して参りたいと、さように考えております。
 なお社会保障のことでありまするが、社会保障の充実につきましては、各方面について逐年これが整備に努力をいたしておりまするが、今後一層これが充実を図り、以て民生の安定を期する所存であります。その際に、今お述べになりましたうちに私が自衛隊の増強を社会保障制度と並行さして、いわゆるバターと大砲を並行さして云々ということを申上げたような御質疑でありましたが、私は自衛隊のことは申した覚えがございませんので、御了承願います。(拍手)
   〔国務大臣小原直君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(小原直君) 湯山議員の御質問にお答え申します。
 覚醒剤が戦前においては殆んど使用れておらなかつたのでありまするが、戦後急激にこれが使用が激しくなりまして、その弊害が見るに堪えないものがありました関係上、二十六年に法律が制定せられまして、この覚せい剤取締法によつて取締ることになつたのであります。ところがこの法律施行の結果、検挙せられました数が逐年増加いたしておるのであります。ちよつと数字を申上げますると、二十六年には警察で検挙いたしました総数が一万八千余件、二十七年は二万一千余件、二十八年は更に増加いたしまして三万八千余件に上つたのであります。かような傾向をどうしても、取締つて鎮圧をしなければならんということから、十九国会におきましては、この覚せい剤取締法の刑罰及び犯罪の態様を強化いたしまして、これが取締りをすることになつたのであります。法務省におきましては、本年の五月、六月に亘つて全国の検察官に訓示をいたしまして、この取締りを強化し、刑罰についてもできるだけ重く求刑をするように指示いたしたのであります。又警察におきましても本年の十月全警察に訓示をいたしまして、暴力団の取締りと共に、覚醒剤の違反者の取締りを厳重にするように訓示をい五しました。その結果、検察庁といたしましても、又警察としても、その取締りに全力を注ぎました結果、本年の十月末までに至る検察庁が受付けました違反人員は五万以上に達したのであります。これらは違反者が増加いたしたこともありまするが、只今申上げましたように、取締りを厳重にした結果、検挙者が急激に殖えた点もあるのであります。かようにいたしまして、一面におきましては検挙、刑罰によつて、これが違反を防止すると共に、他面におきましては、厚生省、文部省、労働省その他の関係官庁と連絡をとりまして、事前にこれが違反の起きないように防止の方法を講ずることを考えておるのであります。法務省におきましては、本年の十月全国の地方検察庁の次席検事を招集いたしました際、やはりこのヒロポン取締りの厳重に行われるように訓示をいたしたのであります。これはひとり刑罰だけでは参らんのでありまするから、只今も副総理からお話のありましたように、各関係官庁がよく緊密な連絡をとりまして、全国の婦人団体、青年団体、或いは学校、工場等の管理者、指導者によく連絡をとつて、その方面において、事前にこれが防止を期するよう進めて参つておるのであります。なお、全国の市町村長等にも連絡をとりまして、各市町村においても、それぞれの指導者或いは有力者がヒロポンの弊害を知つて、これを啓蒙して、事前に防止するようにいたしたいということで、それぞれ連絡をとつておるわけであります。かようにいたしまして、今日まで取締りの面においては十分力を尽しておるのでありますが、併し申上げるまでもなく、これは単に検挙、取締りというだけでは、到底効を尽さぬのであります。全国民がこのヒロポン禍の弊害をよく了知いたしまして、おのおのこれを用いないように戒め、みずからもこれを用いないように自粛して行かせる方法を講ずるほかにないと思つておるのであります。只今お尋ねに、これを根絶する意思ありや否やということでありますが、根絶したいがために、只今申し上げたようないろいろな方法をとつておるのであります。やがてこれが効果を奏しましたならば、遠からないうちに相当に効果が挙つて、根絶と行かなくとも、大体これならばまあまあよかろうというところまでは行き得るであろうというふうに考えております。なお、このヒロポンの犯人のうちには、殊に製造、密輸入等には外人、特に朝鮮人が多数混つております。殊に原末の製造者の中には、朝鮮人がたくさんおりまするので、今まで検挙した数は、その六〇%を占めておるのであります。これらについては、このたび取締りを強化いたしました結果、原末を製造する場所、根本が、大体わかりましたので、この方面に特に力を尽して、これが絶滅に当つておるわけであります。
 以上、お答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣草葉隆圓君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(草葉隆圓君) ヒロポンの濫用の害毒を一日も早く根絶することは、私どもの強く念願をいたしておる点であります。実は政府におきましてヒロポンを作つておりまする数量は、二つの会社を指定して、この六月までに僅かに三百四十四グラムにしか過ぎません。これは必要限度の薬用に使つておるのでありまして、現在巷間で用いられておりますのは、全部密造、密輸入、密売と申上げて過言ではないと思います。従つてこれより起つておりまする災害は、誠にいろいろな社会問題を起す現状になつておりまするから、私どもは、これが根絶に十分な方法をとつて参る。できれば、来年度一ばいくらいに根絶する計画の下に進んで参りたいと考えまして、服年度はこれらのために、約七億くらいの費用を投じて、いろいろな考え方を進めて参ることを現在予定をいたしておるのであります。併し、どうしてもこの問題は、ただこれらの施設なり或いは方法だけの問題でなく、国民の協力と強い認識、殊に地域社会の盛り上る力によつてのみ成功し得ると存じております。最近、幸いに国民の中に強い声となりまして、或いは報道機関等におきまする御協力によりまして、だんだんとその認識を深めて参つたのでございまするから、今後一層これらの点につきまして努力をいたして参りたいと存じております。
 殊に、この中毒になりました患者の御指摘の救済、治療の方法でございまするが、これは現在、精神病院に大体千五百人くらいの収容をいたしておる状態でございます。併しこのヒロポン患者の専門の病床をぜひとも必要と存じまして、本年度内に急いで二百五十床を必要な都市に作りたいと存じております。これは最も取り急いで参りたいと存じております。来年度におきましては一般精神病院のほかに、専門のヒロポン中毒者の治療のために約三千床余りを作つて参りたいと存じております。こういう場合、その他民間運動等の場合、或いは施設等を民間でやられる場合におきましても、それぞれこれに政府も助力をし、必要がありますれば補助金等も出す、今回の施設におきましても、そういう考えでいたしておりまするから、民間と政府共々に手をとりまして、この撲滅に最大の努力をいたして参りたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣小坂善太郎君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(小坂善太郎君) 労働者が、事業場内で覚醒剤を使用しておることが発覚いたしまして、そのために解雇されたという事例が、過去において二、三あつたことは聞いておりまするが、これが、労働過重によるものであるということは聞いておりません。併しながら覚醒剤の害悪は、これが労働者の健康、福祉に与える影響は極めて大きいのでありまするから、今後とも、そのようなことがありませんように、よく関係当局と連絡をいたしまして、こういうことの皆無なることを期、したいと考えております。又、覚醒剤の流行というものが恐るべき害毒を流しておるということは、もとより私どもといたしまして憂慮に堪えないところでありまして、只今、関係各大臣からお話がありましたように、全力を挙げてこの絶滅を期したいと考えております。又、ヒロポンは失業問題と直接の関連はないと存じまするが、政府といたしましても物心両面から、こうしたものの絶滅を期するようなことを講ずる一方、失業対策事業につきましても、今次の補正予算におきまして、更にこれが拡大を期しておりますのであります。いずれ新年度の本予算におきましては、更に有効適切なる措置も講ぜられて行くことと考えております。なお、言論は自由でございまするが、何か元兇であるとか、協力者であるという言葉は、私は当らないと思いますから、これは御返却申上げます。(「よく調べて御覧なさい」と呼ぶ者あり、拍手)
   〔国務大臣大達茂雄君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(大達茂雄君) ヒロポンの問題は、誠に痛心すべき問題でありますが、文部省といたしましては大体、指導或いは啓蒙、そういう面におきまして関係各省と緊密に連絡をとつて、この害毒の絶滅を期したい。かように考えて従来ともその方向で努力しておる次第であります。学校におきましても、或いは一般社会教育の面におきましても、さような指導、啓蒙といいますか、そういう点に力を入れますと同時に、一面又、スポーツ、体育、リクリエーシヨン、こういうものの奨励ということも併せて考えておることは御承知の通りであります。文部省の調べによりましても、学生が、先ほどお話になりましたように入学試験の勉強の際に、覚醒剤を使うのが因で中毒を起しておる、或いは常習になつておるというような事例が相当にあるように見られます。これにつきましては、教育委員会その他関係方面に、強くこのことを注意を喚起することに努めておりまして、又保健課長会議等の協議会、会合等のあります場合にも、この点を強く指示して参つております。ただこれに関連して入学試験の問題についてお話がありましたが、入学試験或いは教育の機会均等、或いは余り受験地獄というような点から、これは御承知の通り世間でやかましく論議せられておる問題でありますが、併し実際、これの適正な解決の方途というものは、実は簡単に見付からないのであります。結局困難の元は、収容する学生の数と、希望する学生の数との間に非常に開きがあるということに起因するのでありますから、ただ教育の機会均等でこれをやめるとかいうようなことは、これは解決策にならないのであります。この点につきましては、文部省としては、前々からそれぞれの教育関係の方面におきましても、熱心に論議をし、熱心に検討を続けておるのでありまして、今後とも十分、少しでも適当な方法が考え得られまするように努力して参りたいと思つております。(拍手)
#33
○湯山勇君 副総理の御答弁に関連して、ちよつと再質問したいのでございますが。
#34
○議長(河井彌八君) よろしうございます。登壇を願います。
   〔湯山勇君登壇、拍手〕
#35
○湯山勇君 只今の御答弁に関連して再質問をいたしたいと思います。
 政府の御答弁になつたことは、政府自身の責任を述べないで、徒らに国民の協力とか、或いは国民に責任を持たせるような御発言が多かつたと思います。この点甚だ遺憾であると思います。なお、副総理が御答弁になつた対策は、全部政府自身が立てたものではなく、議員提案によつてできた法律を、如何にも政府がやつたかのごとく御答弁になりましたが、これもこの際、明確にいたしたいと思います。
 なお最後に、副総理は、自衛力も社会保障もと言つたことはないとおつしやいましたが、これは御記憶が誤りであつて、小酒井議員が遺家族援護の問題について質し、これに対して大蔵政務次官が社会保障も自衛力もという答弁をいたしました。そこで小酒井議員は、このことを確認するために再質問の際、副総理はどう考えるかということを質したのでございます。副総理はその際、質問の内容を聞いていなかつたというので、ぼんやりしておりましたが、ここへ参つて、大蔵政務次官の言う通りでございますということを答えておりましたのを、恐らくお忘れになつておつたと思いますので、この点に関しての御答弁を、今おられませんから留保して再質問を終ります。(拍手)
#36
○議長(河井彌八君) 緒方国務大臣の答弁は、他日に留保せられました。
     ―――――・―――――
#37
○戸叶武君 私はこの際、砂糖の暴騰に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#38
○阿具根登君 私は、戸叶君の動議に養成いたします。
#39
○議長(河井彌八君) 戸叶君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。戸叶武君。
   〔戸叶武君登壇、拍手〕
#41
○戸叶武君 私は日本社会党を代表し、砂糖の暴騰に関する緊急質問を行います。
 最近の砂糖の暴騰は、歳末の台所をあずかる主婦たちの家計簿に深刻な影響を与えております。国家の財政政策が一家の経済に及ぼす被害の防衛に関し、先ず小笠原大蔵大臣に質問を行います。小笠原さんは、本国会における演説において、政府は昨秋以来、財政規模の圧縮、金融の引締めを中心とする政策の遂行により、本年二月以降、漸次その効果が現われ、物価の下落において所期の成果を挙げることができたと説明しております。然るに、政府が誇る諸物価の値下に逆行し、砂糖だけが暴騰を続けているのは、如何なる原因によるものであるか。この不可解な経済現象に関し、即ち砂糖の値上りと政府の経済政策との関連について、小笠原大蔵大臣から所見を承わりたい。申すまでもなく砂糖は、米麦等の主食に次ぎ、塩と共に日常生活に欠くべからざる生活必需品であります。私たちは国民生活擁護の立場から、砂糖の値上りに対し無関心たり得ないのであります。
 次いで、食品行政の主管たる農林大臣に対し質問をいたします。
 食糧庁では、砂糖の値上りの原因は、輸入量の削減にあるから、八十万トンの輸入に対し更に十万トンの追加輸入を行うべしと通産省に申入れをなしたとのことでありますが、単に輸入増加を策することによつてのみ、砂糖の値下げを行うことができるかどうか。又その他に如何なる対策を持つか。この際、それを承わりたい。農林大臣は記憶のよい方であるから、よもや忘れまいと思いますが、今春の砂糖の暴騰の際に、参議院農林委員会は、砂糖価格の暴騰は、国内における砂糖需給の逼迫に基くものであるが、その主因は砂糖行政の失敗にあるとの警告を行いました。当時、参議院農林委員会は、各党各派の委員全員一致で二月二十六日に農林大臣、通産大臣、大蔵大臣に向つて、「外貨予算の執行よろしきを得ず、或いは精糖設備の過剰投資を放任する等、消費者の福利をわきまえず、徒らに精糖業者を利得せしむる結果になつた」との、砂糖行政に関し厳重な申入れを行なつたのであります。その後、農林、通産、大蔵の三大臣は、参議院の農林委員会の申入れに対し、如何なる措置を講じて、砂糖の値上りを抑えるため努力をせられたか。又精糖業者の暴利を取締り、一般消費者の利益擁護に当つたか。その後の経過を具体的に且つ詳細に御説明願いたい。
 次に、通産大臣に答弁を求めます。通産省側のほうでは、農林省の輸入増加の要望に対し、来年四月までには、日本に入港する砂糖は百万トンを超え、去年と異ならないから、砂糖の暴騰は輸入量が原因でないとの見解を持つているとのことでありますが、然らば砂糖の値上りの原因は何によるものか。率直な説明を開かせて頂きたい。私は砂糖の値上りの原因は、貿易と関係のある砂糖のリンク制に有力な原因があると信じます。昭和二十八年十月以来、出血輸出に対する補償としての砂糖の輸入権によりメーカーや造船業者に砂糖のクーポンが与えられました。メーカーは、輸出で出血した分を補うために、これをカバーした値で精糖業者に売る。砂糖の一年間の消費量百万トン乃至百二十万トンで済むものを、政府の放漫政策により、その三倍もの精糖設備を持つに至つた精糖業者は、砂糖原料の品不足のため原糖入手に狂奔する。その結果遂に精糖会社の使用原糖価格が高いものとなり、製品高となつて、それを消費者に転嫁するに至り、砂糖の暴騰となつたのであります。通産大臣も御承知の通り、砂糖の原料としての原糖相場は、トン当り八十ドルから九十ドルでありますが、リンクの出血補償額は、トン当り百五十ドル乃至百七十ドルに上り、従つてリンク原糖は、トン当り二百四十ドル乃至二百六十ドルの高値となつております。使用原糖が全量リンク糖というわけではなく、割当の台湾糖、トンCIF百十五ドル等があるから、使用原糖価格は百六十ドルから百七十ドルに落ちつくとしても、これを二十九年度上期の百二十五ドルから百三十ドルに比較すると、三十ドルから四十ドル高くつきます。四十ドル高の原糖を使うと、砂糖相場が斤十円は上るとのことです。現に今春は一斤九十円前後であつたのが、現在は百十六円乃至百十七円と、約三割以上の値上りをしております。通産大臣は賢明なお方でありますが、愛知さんは、砂糖の値上りは貿易振興のためやむを得ないとの考えであるかどうか。私たちは砂糖のリンク制に重大な欠陥と無理があるように感ぜられます。通産大臣は、今後如何にこれを改めるつもりか。その点をお知らせ願いたい。これは又経済外交の推進を強調する岡崎外務大臣からも、ガツト加入が問題になつている際に、やはり外務大臣としての見解も明らかにして頂きたいと思います。
 最後に大蔵、通産、農林三大臣に重ねて質問いたします。東洋経済新報の十二月の臨時増刊に掲載されている資料を参考に供しますと、精糖会社は各社とも他事業に比べると著しい高収益を挙げておるとのことであります。対資本利益率では、フジ製糖の二百三十二割が最高で、次いで日本精糖が九十九割、横浜精糖が三十三割、又配当は、フジの六割を筆頭に、いずれも三、四割以上であります。特に大蔵省、通産省に睨みをきかせている池田勇人氏をバツクとし、今春日本一の精糖会社にのし上つた名古屋精糖は、資本金十二億を擁しながらも、三割五分の配当を行なつております。巷間伝うるところによると、昨年から今年にかけて精糖会社の一年間における儲けが百億を超えるだろうと取沙汰されており、政治権力を握つている方面に不明朗な動きがなされているとすら言われております。政府は昨年から今年にかけての造船疑獄の轍を砂糖疑獄において再び繰返すようなことをしないように警戒しておると思いますが、甘きを慕つて蟻が砂糖につく例もありますから、この国民の疑惑を解く必要があると信じます。吉田内閣は、総辞職か解散か、それとも弁慶の立往生かの瀬戸際に立つております。この政情不安に乗じて砂糖が暴騰し続けるのは、何といつても不思議なできごとであります。政府としても、政府のデフレ政策のお陰で生活に苦しむ人々のために、弱いものいじめをやめて、せめてもこの年の暮に、台所経済でも、ほつとさせてやるだけの義務があります。冷酷な政治から温かい政治へ。そうした意味合において、誰にも納得が行くよう親切な御答弁をお願いいたします。
 これを以て私の質問を終りますが、答弁に不満な際は、再質問を行います。(拍手)
   〔国務大臣保利茂君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(保利茂君) お答えいたします。
 本年の初頭に砂糖が暴騰を来たしまして、全国の家庭の皆様に非常に御心配をかけましたわけであります。爾来私どもとしましては、只今お話の農林委員会の御決議の趣意もございまするし、できるだけ糖価の安定を図りまするように努力をいたして参つておりますが、実際問題といたしましては、昨年の供給力は百五十万トンを超えておる。今年の供給力は百万トンである。外貨の状況からいたしまして、今年の砂糖外貨の割当が八十万トンに抑えざるを得ないというところから、どうしてもこの自由経済の下でございまするし、需要と供給のこのアンバランスから、どうしても砂糖の値段が上りがちになつて参つております。(「自由経済を修正したらいいじやないか」と呼ぶ者あり)そこでお話のように、然らば統制時代のことを振り返つてみますと、供給力が約半分以下でありましたときには、これは余儀なく砂糖の配給をいたして、配給制度をとつておつたわけでありますけれども、今日は大体まあ年間総人口一人当り十一キロ以上の供給を確保いたしておるわけであります。併しそれにしましても旺盛な需要に満足に応え得る数量ではない。外貨を節約しなければならん。どんどん入れることさえできますれば、これは問題はないわけであります。然らば今日の段階で配給統制を考えることがいいかどうかということにつきましては、私は、食べ物の性質からいたしまして、これは食べ物全体を通じて配給統制をできるだけ避けることがいいのじやないか、食べ物はやはり各人の嗜好に応じて自由選択の機会を与えるということが、私は正しい食糧政策ではないかということを根本に持つておるわけであります。従いまして、この今日程度の百万トン前後の供給力を確保し得る段階におきまして配給統制を考えるということはいたさないつもりでおります。ただ今年春の暴騰当時におきましては、取引所等の運営にも随分反省を要するところがあつたように存じますので、砂糖取引所の運営につきましては、特に不当投機的な売買が行われませんように厳重な監督と調査をして、今日におきましては、おおむね実勢相場と取引所の相場というものは相一致して推移をいたして来ております。従いまして、この春以来の砂糖の値段の足取りを見ますると、じわじわじわじわと上つて来ておる。急騰、急落というような投機現象を伴つていないということで、併しながら上つて来ておることは事実でございます。これは供給力の制限がかような事態を起しておる。そこでまあ、できるだけ最需要期を前にして砂糖の値段を抑えて行くというためには、下期の外貨割当、特に台湾の十三万トンを予定いたしておりますうち、十万三千トンにつきまして至急実施をいたすように手配をいたしておるわけでございます。著しき御不安をかけるようなことはなかろうかと存じます。なお結局この砂糖問題の根本は、たびたび御指摘でございまするように、世界的に見ますると、砂糖が過剰になつて価格は安くなつて来ておる。然るに内地におきましては、内地の消費者は高い砂糖を使わなけりやならん。これが一部の人たちにその利潤が偏在していることが、多くの砂糖消費者から言えば割切れないじやないか。私も全く同様に考えております。従いまして、この超過利潤を得ておる者が、いわゆる精糖業者に限られるというような形は、私はこれは非常に好ましくない。無論税金によつて超過利潤が国家に吸収せられておることも事実でありますけれども、それだけでは国民感情から申しても、どうも割切れんじやないか。従いまして、この超過利潤を国家に吸収して行くという方向において善後策を講ずる必要があるということは、私もそのように考えておりまして、具体的には只今研究を事務当局に願つておるわけであります。(「間に合わんぞ、そんなことをしておつたら」と呼ぶ者あり)
   〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕
#43
○国務大臣(愛知揆一君) 只今農林大臣から、非常に詳細に砂糖の問題につきましての我々の考え方を御説明いたしたわけでございます。私も全く同様に考えておるのであります。只今もお話がありました通り、本年度の砂糖の輸入についての外貨の割当をいたしておりまするものは八十万トンでございますから、この点だけを取上げて御覧になれば、需要供給の関係から、供給力がかなり不足であるようにも見られるのであります。併しながら、在庫の持越しと国産の砂糖及び黒糖を合せますると百万トンを若干超えるのでありまして、この程度の砂糖がございますれば、先ず先ず年間を通じて見ますれば需要供給上の大きな不安はないと、私はかく確信いたしております。なぜかと申しますれば、一昨年以前の年間の需要量等を考え合わされますならば、この程度で需給上の不安は、先ず先ずないということが言えるわけであります。併しながら、只今も農林大臣からお話いたしましたごとく、私どももこの砂糖の価格が上昇傾向を示しておる、これを何とかして下落させたいということは、国民生活上最も望ましいことであると存じまするので、最近の高騰に対しましても、只今お話がございました通り、例えば台湾糖の輸入十万三千トンにつきまして手配をする等、適宜の措置を講じておるわけでございます。
 私が特に申上げたいと思いまするのは、社会党のかたがたとは見解が違いまするが、消費者一般の国民のかたがたが砂糖の需給というようなことについて全体的に、もう少し理解をして頂くようになり、又政府側におきましても、もつと十分御説明をいたす努力をいたさなければならんと思いまするが、全体の需給についての不安がないと、この確信をお持ちになりさえすれば、砂糖の例えば買溜め、売惜みというようなことが起らないわけでありまするから、自然に砂糖の価格が安定すると、御安心を頂いて私は大丈夫であるという確信を持つております。
 それから第二段のお尋ねについて次にお答えいたしまするが、率直に申しまして、只今戸叶君の御指摘にもありましたが、従来日本の物価が非常に割高である、その間においても輸出の努力をできるだけしなければならないというところから、一種の必要悪とでも申しますか、必要に迫られて輸出振興に寄与いたしましたものに対して外貨の割当をするということのために砂糖を利用して参りましたことは事実でございます。このために砂糖の輸入の買付の時期がいささか安定を欠いたというところから、砂糖の価格の高騰を来たした一因になつておることは、私も否定できないと思うのであります。御承知のごとく、特に本年の夏以来、砂糖の問題から離れまして、世界的に見ましても補償リンク制度というようなことは、もはややめるべきであると、又、私どもの輸出価格をできるだけ一般に下げるという努力が相当の効果を挙げて来ておりまするから、砂糖をいわゆる輸出に結び付けました補償リンク制に利用するということは、もはや原則的にはやらないことにいたしたのであります。従来からの契約その地の関係で、まだ若干あとを引くものはございまするけれども、(「いつまでやるのだ」と呼ぶ者あり)新たに補償リンク制をするということは全然考えておりません。遅くも、幾ら長く長引きまするものでも、数カ月のうちに原則的にはなくなることになるわけでございます。
 それから最後に今後の措置について、特に糖価が不安定である、或いは一時的な高騰等のために投機的に悪用されるというようなことを防ぐ意味から申しましても、私どもの考え方といたしましては、できるならば特殊物資の輸入基金の特別会計というようなものを作りまして、新たに一つ立法措置を講じて頂きまして、その会計によつて砂糖の輸入を扱わせるというようなことを考えて頂くことができまするならば、(「そんなことはリンクと同じじやないか」と呼ぶ者あり)リンクじやない。(「結果においては同じだ」と呼ぶ者あり)黙つて聞きたまえ。砂糖の適宜の輸入が確保できるのみならず、その使途につきまして、特別会計基金の使途について、厳重なる国会においても審議を願い、監査をし、或いはその使途について適正な輸出振興の別途の措置を講ずるというようなことになれば、どの点から見ましても国民の納得をかち得、又国際的な信用を保持するゆえんにも通ずるということを考えておるのでありまして、この所要なる法案等の準備につきましては、すでに我我としては一つの成案を得ておるような段階でございます。(拍手)
   〔国務大臣岡崎勝男君登壇、拍手〕
#44
○国務大臣(岡崎勝男君) リンク制が、今通産大臣からお話がありましたように、一種の輸出補助のような形になりますると、これは多少問題があるのでありまして、お話のガツトに加入する等の場合に、ガツトの趣旨からいつて多少問題になり得る可能性はあるのであります。併し、今お話がありました通り、輸入リンク制、殊に砂糖につきましてはすでにやめるという方針にきまつておりまするから、この点では十分各国の理解を得ることと考えております。(拍手)
   〔政府委員山本米治君登壇、拍手〕
   〔「大蔵大臣どうした」と呼ぶ者あり〕
#45
○政府委員(山本米治君) 大蔵大臣は、現在参議院予算委員会に出ておりますので、代つて御答弁申上げます。
 第一番目に、大蔵大臣が今回の予算演説におきまして、一般物価引下げの方針を闡明されましたのに対して、砂糖の暴騰はどうだと、こういうお話でございますが、大蔵大臣の言われましたのは物価一般でございます。物価というのは、何百何千という品目の指数でございますので、その物価全般といたしましては、すでに御承知の通り小売等におきましてはまだ大して顕著なる低下は見ておりませんが、卸売物価におきましては、すでに数字に上つていろいろ違いますが、七%とか九%下つておるのでございます。それでありますから個々の商品たる砂糖が若干上つておるということは別の問題でございます。(「若干じやない」と呼ぶ者あり)それにいたしましても砂糖が上るのは、もとより面白くないことでございまして、この砂糖の値上りにつきましてはいろいろ原因がございます。それと、先ほど第二点としてお尋ねのありました精糖会社の収益が非常によろしいという問題と税の問題に関連して一言申述べますと、御承知のごとく砂糖の消費税は、昨年の八月斤当り四円引上げました。今年の四月から又四円五十銭引上げました。この砂糖消費税の引上げが、砂糖価格上騰の原因だということを言われております。無論基本的には、税金はコストの一部でありますし、税金を引上げますれば価格が上るわけでございまするけれども、価格の推移と課税の時期とを関連させて見ますと、この税金を引上げたときに必ずしも上つておらず、むしろ下つておるのでございます。従つてこの砂糖などの値段が上りますことは、むしろ一般の需給関係と申しますか、その中には非常に広い意味で砂糖の外貨割当、今後の輸入見通しがどうなるだろうか、或いは国内における購買力の問題、いろいろございますが、砂糖の消費税を引上げましたことは、直接には砂糖の小売価格等の値上りになつておりませず、一部は只今御指摘の精糖会社の収益の一部に食い込んでおるのじやないか、(「冗談じやないよ」と呼ぶ者あり)若し砂糖の消費税引上げがそのまま値上りになつておるとすれば、精糖会社の収益には関係ないわけでございますが、そこで食い違いがありとすれば、つまり砂糖に対する国民の購買力というものが、無論一定ではございませんが、仮に一定と仮定するならば、砂糖の消費税の引上げは、それだけ消費需要が減ることになるわけでございます。
 それから只今の砂糖会社の収益がいいということは、これは事実でございますが、併し内外の価格差そのままが砂糖会社の収益でないことは御承知の通りでございまして、先ほど通産大臣が申されましたように必要悪と申しますか、これに基きまして、出血輸出に対するリンク制をやつておるわけでございます。このリンク制のために各精糖会社は外国で買うままの値段でない、もつと相当高く原料を入手しておるわけでございまして、今年の四月から九月まで精糖十八社がこれらリンク輸入砂糖の補償金として支出しておる金額は三十五億円に上つております。こういうものを払つております関係上、精糖会社の収益が、一般に言われるほど多いかどうかは別問題でございまして、それにいたしましても、こういうふうに内外の価格差による利益というものを或る業種、或る会社だけが独占するということは無論面白くないのでございますから、何とかこれに対しましても適切な方法、税で以て吸い上げるか、或いは他の方法、先ほど通産大臣が示唆されましたように、或いは特別会計を設けるとか、或いは専売制をするとかいうようなこととも、目下いろいろと考究中でございます。(拍手)
#46
○戸叶武君 再質問を行います。
#47
○議長(河井彌八君) 登壇を求めます。
   〔戸叶武君登壇、拍手〕
#48
○戸叶武君 只今の御答弁に対しては不満でありますから、再質問を行います。
 只今、保利農林大臣、愛知通産大臣及び大蔵大臣の代理のかたからの答弁を聞きますと、その答弁がいずれもばらばらになつておるのであります。保利農林大臣は需要と供給とのアンバランスから値上りが来ておるのだと言い、又大蔵大臣の代理のかたも、それと同じようなことを言つておりますが、愛知さんは、単にそういうことではない、むしろ去年と今年というものが別に違つていないのだから、そういう関係においては需要供給の不安はないということを強調されておる。それでは一体何が値上りの原因か、このことに対して、もう少し農林大臣、通産大臣、大蔵大臣が、吉田内閣が解体前だから、ばらばらになつおるのは当然でありますけれども、少し打合せをしまして統一された御答弁を願わなければ、国民はやはり納得が行かないのではないかと思うのであります。事実上において、台湾からも十万三千トン入つて来るので前と違わないという愛知通産大臣の説明というものは正しいと思うのですが、それにもかかわらず砂糖が値上りを続けておる、大蔵大臣は、それは税の関係ではないとまで代理ながら言つておる。なぜそれではこういう値上りになつておるのか、ここにこの「東洋経済」の指摘するまでもなく、実際経済を知つておるものは、如何に砂糖会社が暴利をむさぼつておるかということは明らかにわかることだと思う。而も約二年に近い砂糖会社の暴利を手を供いて見ておるところに、吉田自由党内閣との繋がりがあるということを、我々ははつきりと見定めなければならないと思うのです。対策を考究中などと言いながら、春におけるところの参議院農林委員会の厳重な申入れを何と心得ておるのか。当時においてすでに早急に対策は打立てられて、砂糖の値上りを押えるところの施策は講ぜられなければならな、にもかかわらず、のんべんだらり、今のような大蔵当局の答弁、又愛知通産大臣の答弁においても、極めて不満であります。保利農林大臣の答弁に至つては、原則としてこの食糧のごとき問題に統制を加えない、これは嗜好上の問題などと言つておりまするが、米や麦は主食であります。それと同時に砂糖は塩に次いで我々人間生活を営む上において欠くべからざる生活必需品であります。こういう我々の生活に必要な問題を政府は等閑に付して、国民大衆に犠牲を強いることに対しては、我々は不満でありますから、各大臣の、もつとしつかりした答弁をお願いします。(拍手)
   〔国務大臣保利茂君登壇、拍手〕
#49
○国務大臣(保利茂君) 今日の砂糖の価格が、決して需給の関係から出ていないというような考えは、通産当局にも大蔵当局にも私はないと思います。併し言われておるところは、大体今日の供給力によつて全国の消費者の御迷惑になるような御心配はないというところを通産大臣は強調せられておるわけです。決して、足らんかも知れんから買溜めをしなければならんとかというようなことのないようにして頂きたい。それは食べ物のことでありますから、どんな食べ物にいたしましても、国民的な理解と協力なしには、私はどんな問題でも成功することはないと思います。従つて今日の大局からいいますと、仮に一人当り十五キロなら十五キロ分が、輸入がどんどんできるならば、私は砂糖問題はないと思います。ただ外貨上どうしても十一キロ程度の供給しかできない。輸入ができないというところに、この問題があるということを申しておるわけでございます。
 なお配給の問題で私、何か申上げましたけれども、無論米麦は、これは万人が万人誰でも欲する、又食べなければならんものでございます。砂糖も成る限度私はそうだと思います。必需品であります。併し必需的消費と贅沢的消費というものの限界というものは、これは人によりて違つて来る、酒の要る方にコーヒーをやつても、酒のほうがいいという方もありましよう。或いは酒は要らんからコ―ヒーのほうがいいという方もありましよう。そういうものを同じ限られた供給力の、百万トンなら百万トンを万人一律に割当をして、そうしてみんなが使いたくもないものを使うというようなやり方は、私は食糧を扱う正しい道ではないということを考えておるわけであります。(拍手)
   〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕
#50
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど、特にお断りいたしましたように、私の考え方は、農林大臣の答弁せられたことと何ら異なることはございませんが、念のためにもう一度申上げます。
 年間を通じて見れば、需給関係にそう大した御心配をかけることはないつもりであるということを申上げたのであります。そして最近の一時的な高騰に対しましても、時期的にも、この需給の調節をいたしたい、更に需給の状況や価格の動向を十分常に見守つて適宜の処置をいたしたい。こう申したのでありまして、例えば最近に台湾糖の引取りを決定したのもその一例であると、こういうふうに申上げたつもりでございます。
#51
○議長(河井彌八君) 山本大蔵政務次官。
#52
○政府委員(山本米治君) 必要ありません。
     ―――――・―――――
#53
○大倉精一君 私はこの際、北海道――本州間の輸送事情に関する緊急質問の動議を提出いたします。
#54
○田畑金光君 私は、只今の動議に賛成いたします。
#55
○議長(河井彌八君) 大倉精一君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発言を許します。大倉精一君。
   〔大倉精一君登壇、拍手〕
#57
○大倉精一君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、去る九月二十六日の第十五号台風により甚大なる被害を受けましたところの北海道――本州間の輸送の現状が年末を控えて楽観を許さない事情にあることに鑑みまして、この際、関係大臣に対しまして若干御質問申上げたいと思うものであります。
 即ち青函運航は北海道の命脈を制するものでありますが、先般の第十五号台風によりまして、一瞬にして客貸船六隻中一隻を、貨物船十隻中四隻を損傷し、青函運航には極めて重大なる支障を来たすことに相成つたのであります。当局は当面の応急策として、曾つて樺太連絡に就航しておりました宗谷丸を就航させておりますが、これは専ら船荷役によりまして一日五百トンが最大限であり、而もこの船はすでに老朽のために、十二月二十五日にはドツクに入ることを予定されておるのであります。更に道南海運によるところの航送も、漸く一日二百五十トン程度の能力であります。更に国鉄の青函運航状況は、一応一日十八運航、六百八十両、一万二百トン程度の計画を立てておりまするが、実績は十二運航乃至十五運航に過ぎず、計画の言三万トンに対しまして七千トンの航送にとどまり、三千トンの不足を重ねておるのであります。即ちこの間欠航が極めて多いのでありまするが、この原因、理由について、私は大いに疑問を持たざるを得ないのであります。
 先ず第一に、台風前におきましては、当局は青函運航は万難を排して確保するという方針の下に、十五メートル乃至二十メートルの風速に対する欠航は殆んどないといつていいのでありましたが、台風後におきましては、僅か十メートル乃至十五メートルの風でさえ欠航しておるような状態であります。これは如何なる理由、根拠によるものか、全く理解に苦しむものであります。或いは当局は、船舶関係の来年度予算獲得の戦術として、故意に運航計画の改善を怠つているという噂さえ耳に入つているのであります。幸いにいたしまして、本年は天候が好かつたために、この程度の欠航にとどまりましたが、十五メートル乃至二十メートルの風は、昨年十一月において十七日間あつたのであります。更に今後冬季間におきましては、殆んど十メートル乃至十五メートル程度の風は吹くものと言わなければなりません。かかる実情の下におきまして、すでに本州――北海道間の輸送は、ますます円滑を欠く結果と相成り、滞貨は逐次累増の一途を辿りつつありまして、私の調査しましたところによれば、十一月二十日現在、上り二十万トン、下り五万一千トンとなつておるのであります。而も今後冬季間における悪天候の下におきましては、ますます欠航が頻繁に続く事態が想定されますし、且つ宗谷丸もすでに十二月二十五日にはドツクに入ることを思えば、北海道――本州間の年末における輸送につきまして、私は大いに憂慮なきを得ないのであります。然るに政府におきましては、かかる事態に対し、殆んど積極的な指導施策が見受けられないことは、誠に遺憾と存ずる次第であります。
 私は運輸大臣にお伺いいたしますが、青函運航は、今後もなお十メートル乃至十五メートルの風速で欠航するものと考えてよいか。とすれば、現在の滞貨の処理並びに北海道――本州間の年末輸送について、大臣は如何なる見通しを持つておられるか、又如何なる対策を考えておられるか、お示しを願いたいのであります。同時にこの際、この輸送の問題につき、将来に対する根本的な対策について御所見を承わつておきたいと存ずるものであります。
 次に、配車の状態を見まするに、上り、即ち北海道から本州向き貨物に対する配車は、申込をしてから一カ月以上もかかり、更に下りの場合におきましても、申込後十王日以上もかかると聞いておるのであります。この原因につきましては、船舶の不足は勿論のことながら、前述のような青函運航の非能率によることは明らかであります。更に国鉄各局間の調整連絡の不十分によることも原因の一つと考えられるのであります。加うるに駐留軍の弾薬輸送というものが優先取扱いを受けておりまして、一日十五両三百トンを輸送しておるのでありますが、更に今後は五万トンの輸送を控えておると聞き及んでおるのであります。これは北海道における民間必需貨物の輸送を著しく圧迫している結果とも相成つていることは、事実として認めざるを得ないのであります。私はこの際、北海道の滞貨を一掃するまでの間、駐留軍の弾薬輸送は一切中止するよう米軍当局と強力に折衝し、専ら民間必需物資に対する全面配車をなすと同時に、国鉄各局間の調整に円滑を欠く点があるとするならば、運輸大臣は適切なる指導をなすべきであると考えるのでありまするが、運輸大臣の御所見を承わつておきたいのであります。
 次に、かくのごとき輸送の逼迫は必然的にも北海道の経済事情を悪化し、道民の生活を著しく圧迫する結果を招来しているのであります。即ち北海道においでは本州向輸送の逼迫のために、特に一般中小企業は甚だしき金詰り状態に追い込まれ、殊に年末を控えまして、極めて憂慮すべき事態を想定ざれるのであります。一方本州よりの輸送逼迫のため、道内におきましては来、肥料等、漸く民間必需物資の不足の現象が高まつて参りました。物価事情の思惑もますます著しくなつて参りまして、道民の生活は逐次圧迫の度を加えつつあります。殊に岩内町のごときは、全町殆んど全滅という悲惨なる災害に見舞われたのでありますが、町民はよく団結をいたしまして、去る十月七日から、約百五十隻の船によつて漸く「すけそう」漁を開始して、復興に立ち上つておるのでありまするが、頼みの綱とするところの「すけそう」輸送に対するところの配車状況は殆んど所要に満たず、折角の再建立上りに暗色を投げかけておる実情にあるのであります。この際運輸大臣は、全滅の廃墟から漸く復興再建に立ち上つた岩内町の唯一の頼みとするところの「すけそう」輸送のために、配車等につきまして格別の考慮をすべきであると考えておるのでありまするが、大臣の所見を承わつておきたいのであります。なお関連いたしまして、岩内町の復興のためには国家財政資金の援助等格別の考慮を必要とすると考えられるのでありまするが、大蔵大臣はこの点如何お考えになつておられるか、承わつておく次第であります。
 次に、大蔵大臣並びに通産大臣にお伺いいたしまするが、前述のような北海道の中小企業の窮状に関しましては、格別の考慮を必要とすると考えられるのでありまするが、殊に年末金融等に対する指導並びに施策について、おのおの所管事項について御所見を承わつておきたいのであります。
 次に、厚生大臣にお伺いいたします。
 かくのごとく道民の著しい生活困窮の累加によりまして、必然的に生活保護法の適用を受ける者が逐次増加し、誠に憂慮すべき状態に立ち至りつつあるものと考えられておりまするが、大臣は如何なる見通しを持つておられるか、又如何なる対策を考えておられるか、お伺い申上げる次第であります。
 以上、年末を控えて極めて重大なる要素を持つて参りましたところの北海道――本州間の輸送事情につきまして、関係各大臣に御質問申上げました。各大臣は具体的に親切なる御答弁を下さることを期待いたしまして、私の質問を終る次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣石井光次郎君登壇、拍手〕
#58
○国務大臣(石井光次郎君) お答えいたします。
 第一番目に、この頃の冬に向いまして、風がだんだん強い日が多くなります。それについて青函の連絡が、例年よりも悪くなつておる。この状態ではますます滞貨が殖えるのではないかという御心配でございます。今年の十一月は例年よりも天候が悪かつたのも事実でございます。又欠航の率も昨年よりは高くなつております。併し事故のありました直後でありますし、やはり大事をとつたという傾向のあることは、これは否めない事実でございますが、だんだんと通常状態に回復しつつありまして、この頃では風速が二十メートルぐらいの場合でも、船長が安全だと認める場合には、出ている実例もございまして、これはだんだんと普通の状態になつて来ると承知いたしております。併しそのために滞貨がたくさんできているのではないかということでございましたが、滞貨は、本年の十二月五日には十八万七千トンありました。それから昨年の十二月の末にはどのくらいあつたかと申しますと、やはり十八万七千トンぐらい。非常に数字を合わせたように、大体この近所で、同じくらいな滞貨の状況でございます。輸送力が落ちているのに、どうしてこんな状態であるかと申しますることは、やはり荷動きが全体として鈍つておるということが言えるのではないかと思うのでございまして、私どもが非常に心配しておりましたこの十一月までにいろいろな、種「じやがいも」の輸送等を完全にやらなければならんという問題で、輸送対策が非常に無理になつておりましたので、実際どうかと思つておりましたが、大体運んでおるという状況にあるわけでございます。併し来年の問題までも私どもは考えなくてはならないのでございます。根本的にどうしたらいいかということにつきましては、今の宗谷丸のお話のようなのは、今日只今、本当の応急策でございますが、差当り、先だつてもここで申しましたように、貨物船二隻の新造を計画いたしておりまして、それらを合わせまして、引揚げ船のほうも急いで修理をやりまして、来年の秋にはできるだけ輸送力を回復するということに努力いたしたいと考えておるのでございます。
 それから駐留軍のお話がございまして、駐留軍関係のいろいろな輸送で、非常にそのために滞貨、又輸送を阻害しておるのではないかということでございましたが、これは全体の物資の輸送量から見まして、十車乃至十五車でございますが、これは大したことではございません。なお優先的に全然、取扱つているということはないのでございます。
 それから岩内のお話がございました。これは「すけそうだら」の輸送に関する問題が、一つ大きな問題があるのでございます。これは災害救助物資等につきましては、一般的に特に留意をいたしまして、早く送るというようなこと等もいたしたいのでありますが、漁獲品につきましてもできるだけ円滑に行くように、国鉄当局も十分承知いたしておるのでございます。併しこの問題は、只今、非常に困難にならんようにという御注意だと思いますが、現実におきまして、これこれに困つておるから是非こういう方法をとれという要請等は、特に同地方から出ておりませんが、その心持を以て岩内の方々の困難しておる状況をお手助けして行くようにいたいしたと思つております。(拍手)
   〔国務大臣愛知揆一君登壇、拍手〕
#59
○国務大臣(愛知揆一君) 北海道の問題につきましては、実はつい最近、同地方の通産局長を招致いたしまして、只今具体的に御指摘がございましたが、岩内町の問題、それから青函連絡の不円滑に伴う具体的な事例等につきまして、現地におきまして適時適切な各方面への御協力をするようにということを特に指図もいたしておるようなわけでございます。先般来申上げておりまするように中小金融、特に年末に差しかかりましての中小金融については全国的な大きな問題でございますが、特に北海道におきましても十分の留意をしなければならんと考えております。従つて政府関係者機関の資金源は、先般も数字を挙げて申しましたように、相当充実いたしておるつもりでございますが、これらの範囲内におきまして、只今申しましたような、見地限りにおきましてケース・バイ・ケースにできるだけの措置がとれるようになつておるはずでございます。
 なお北海道につきましては、炭鉱関係の問題も相当重要でございまするが、これらの点につきましては昨日もお答えいたしましたように、貯炭金融に対しまする金融の問題、或いは失業対策等の問題、これらにつきましてはやはり九州、常磐等に劣らず、北海道におきましても、最も重点的な措置をいたしておるつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣草葉隆圓君登壇、拍手〕
#60
○国務大臣(草葉隆圓君) 生活保護の見通しと対策というのが御質問の中心であつたと存じまするが、生活保護の大体の昨今の状態をつぶさに調べてみますると、そのうちで生活扶助はずつと近年、漸減いたしております。昭和二十七年、大体百九十万台でございました。それがその年の五月頃から百八十万台になりました。昨年の一月頃から百七十万台に減つて参りました。そうして六月頃になりますと百六十万台に減つて参りました。それからずつと参りまして本年に入つておるような次第であります。ただ昨年は台風等の災害がありましたので、八月、九月、十月は約一万乃至一万五千、この時期だけ殖えまして、あと又ずつと下つて参りました。今年も一月から七月までの実数を調べて参りますると、一月が百六十九万四千五百八十一で、それがだんだんと減りまして、七月が百六十四万五千四百八十七という状態で、だんだんと減つて参つております。併し医療なりその他の生業扶助、まあ生業扶助は特別なものでございますが、医療はこれに反しましてだんだん殖えております。これらの点を考えますると、実は昭和二十四年のドツジ・ライン当時を考えますると、あのときの緊縮財政が一般に、殊に生活保護に及ぼしました影響は、大体年度の後半で四・二%程程増加いたしたと存じております。今回も私どもこの影響はむしろ年度以降に現われて来る。大体五%程度は現われて来るのではないか。これが今回補正にも載つておりまするし、且つ又医療が今後なお殖えて来るのではないか、かように考えております。
 御指摘の北海道等におきまする今具体的な事例による状態等を考えて参りましても、その状態で直ちに生活保護が急激に殖えるという状態は、先ず災害或いは天災地変等の場合域外には、そう急激には現われて来ないと思います。併しこれに対しまする対策だけは、さような状態の場合には十分生活保護の執行を直ちになし得る状態はとつて参つておかねばならないと考えております。
   〔政府委員山本米治君登壇、拍手〕
#61
○政府委員(山本米治君) すでに各国務大臣から答弁がございましたので、私はほんの補充的にお答え申上げますが、青函の連絡が悪くなつた、この問題と、金融不円滑はどうかという御質問でございますが、予定した輸送が遅れたことによりましてはい売手側が非常な不便を受けるわけであります。買手のほうは、荷物が到着しなければ、商売上は困りますが、金融といたしましては、すぐ払う必要はないわけでございますが、売手のほうは代金の取立てが遅くなるわけでございます。併しこれは特にこの青函連絡が悪くなつたということに対しまして、どういう金融措置をまとめてとるかという問題でなく、個々の具体問題といたしまして、金融機関にいたしましても、この関係で引つかかつていると言えば、取引先で適当に処理してくれると思つておるわけでございます。
 なおこの問題の一部といたしまして、北海道の中小企業の金融の問題でございますが、これは先般全国的に年末金融対策としていろいろやりましたのでございますが、北海道は特に災害地といたしましていろいろな配慮を加えております。政府関係の中小企業金融公庫とか或いは国民金融公庫、こういうものでいろいろ資金に別枠などを作つておりますことは申すまでもございませんが、そのほかに商工中金にいたしましても相当資金を出す準備をいたしておりますし、なお北海道の相互銀行で三億円、信用金庫で八億円というようにやはり資金を準備しておりますので、無論十分とは参りませんが、相当これで御不便をかけないように行けるのではないかと思つているのでございます。
 なお岩内町の問題について特にお触れになりましたが、この岩内町は誠に悲惨な大火に会つて、我々も衷心同情申上げておるのでございますが、公共事業の関係等におきましても特に注意をして、第一に、町の区画整理、或いは住宅の問題、それから町民のかたがたのためといたしましては漁船の建造、再建等に対しましていろいろ手当をしております。又生業資金についても手当をしておりますが、特に漁船の建造資金につきましては、普通は農中系の信連で金融することになつておりますが、特に岩内町に限りましては、農林漁業金融公庫から資金を特別に出すというふうにもしている次第でございます。(拍手)
     ―――――・―――――
#62
○議長(河井彌八君) 日程第七、水稲健苗育成施設普及促進法案(衆議院提出)
 日程第八、北海道における国有林野の風害末等の売払代金の納付に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長森八三一君。
   〔森八三一君登壇、拍手〕
#64
○森八三一君 只今議題となりました農林関係の二つの法律案について、農林委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。
 先ず衆議院議員佐藤洋之助君ほか二十四名の提出にかかる水稲健苗育成施設普及促進法案について報告をいたします。この法律案は、米の増産を図ることは、我が国経済自立のため、或いは又農家経済安定のため喫緊の要務であり、而して我が国の主要米産地である北海道及び東北地方等は寒高冷地帯に属して冷害をこうむる危険が多く、ために水田の生産力は不安定且つ低位であつて、かかる地域における水稲作の安定と増産を図るためには、健苗の育成が極めて必要であり、健苗育成については温床苗代或いは保温折衷苗代のような育苗方法が考案せられ、これが奨励助成の結果、最近著しい普及を見るに至り、近年の低温寡照の異常天候に際し、米の生産維持、或いは減産防止に顕著な効果を収めたのであります。併しながらこれが普及の状況を仔細に検討するに、かかる施設の実施を真に必要とする地域においては、農家の経済力が一般に低い等のため、その普及は不十分であつて、今後かかる地域に対して重点的、且つ計画的にこれが普及を図ることが刻下の急務であるとの見解の下に、寒高冷地域における水稲健苗育成施設、即ち保温折衷苗代或いは温床苗代の普及を促進し、寒高冷地域における水稲作の安定と増産を図らんとする目的を以て提案せられたものであります。
 而して本法律案の内容の骨子とするところは概略次のようであります。即ち第一は、保温折衷苗代或いは温床苗代等の種苗育成施設の普及を必要とする寒高冷地域及び寒高冷地区の指定でありまして、農林大臣は気候等の関係から水稲作が不安定又は低位である都道府県の区域の全部又は一部を寒高冷地域として指定し、次いでその地域の指定を受けた都道府県の知事は、その地域内の市町村の区域の全部又は一部を寒高冷地区として指定し、かかる措置によつて水稲健苗育成施設の普及を重点的且つ計画的に実施することとしようとするのであります。第二は一水稲健苗育成施設普及計画の策定でありまして、寒高冷地区の指定を受けた市町村長は、農業委員会の意見を聞いて、その市町村の普及計画を定めて、これを都道府県知事に提出し、都道府県知事は市町村の普及計画を参酌して、その都道府県の普及計画を定め、これを農林大臣に提出し、農林大臣は都道府県知事の計画を参酌して国の計画を定め、而してこれらの計画に準拠して施設の普及の促進を図ろうとするのであります。第三は、国の予算的措置及び国の助成でありまして、政府は毎年度国の財政の許す範囲内において、国の普及計画を実施するために必要な経費を予算に計上しなければならないこととし、政府は農家の資材購入費及び都道府県における普及計画の実施に要する経費を補助し、且つ普及計画を実施するために必要な資金を斡旋する等の助成措置を購ずることになつており、更に、本法は昭和二十五年三月三十一日限り失効する限時法となつております。
 なお、衆議院農林委員会におきまして次のような附帯決議が行われているのでありまして、これはあとに述べます当農林委員会の審査に関係がありますので、ここで御紹介いたしておきたいと存じます。即ち、
 本事業の完璧を期するためには、予算措置を明確にすることが肝要である。
 よつて政府は、本法施行に当り、左記方針を体していかんなく措置すべきである。
  記一、普及促進に関する五ケ年計画に基き、毎年度、年次計画達成に必要に苗代面積二千万坪以上につき助成措置を講ずること。二、昭和三十年度の本施設の実施に必要な経費は出来るだけ二十九年度中にこれを措置すること。というのであります。
 委員会におきましては、先ず提案者代表及び政府当局との間に質疑に入り、保温折衷苗代及びこれが資材等の問題、その他諸般の事項についていろいろな質疑がかわされたのでありまして、これが詳細については会議録に譲ることを御了承願いたいのでありますが、なかんずく最も問題になりましたのは、本法律案に対する予算的裏付に関してでありまして、健苗育成施設の効果の顕著であることは周知の事実であつて、これが普及を促進するため本法律案の趣旨は適切であるが、所期する成果を収めるためには、先ず以てこれが実施のため必要な予算的裏付が確立されなければならないとして、特に大蔵当局の出席を求め、その所見が質されましたところ、政府委員大蔵省主計局原次長から「国会において法律が制定されれば、これを尊重して措置しなければならないと思う。併し我々の見解においては、健苗育成施設は広く普及して、すでに奨励の段階を過ぎているものと見られる事実を考えなければならない、今後真に普及を必要とするものを対象とすべきである。かかる見地において、本法案の有効期限を五カ年と規定されているのは長いように思う。又、衆議院農林委員会の附帯決議によるように昭和三十年度の経費を本年度予備費によつて措置することは、否とは言わないが至難であつて、本年度に期待をかけることはむずかしいと考えている」という趣旨の答弁があり、かかる答弁に対して更に、期限の問題等についてはここで十分検討する時間的余裕を持たないが、政府において予算的措置を講ずる場合は、関係各省十分協議の上遺憾なく措置するよう要望せられたのであります。
 かくして質疑を終り討論に入りましたところ、松浦委員から、「本法律案が政府から提案せられなかつたことは遺憾である、健苗育成施設の普及の現状において、更にこれが普及を促進するため努力を要するのであつて、本法律案に賛成である。而して本法実施のための予算的裏付を確定するため、次のような即ち、「本法の施行に当つて、政府は、衆議院農林委員会における附帯決議を確実に実行すること」。という附帯決議を行いたい」旨の発議があり、かくして討論を終り採決に入りましたところ、全会一致を以て衆議院送付案に松浦委員提案による附帯決議を付して可決すべきものと決定いたしました。
 次に、内閣提出にかかる北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案について申上げます。
 本特別措置法案は、北海道において本年五月及び九月の暴風雨によつて生じた国有林野の風害木等を緊急に処理し、併せて災害を受けた北海道の市町村の急速な復旧を図るため、これら災害を受けた市町村に対するそれらの風害木の売払に関して、代金の納付等について特例を設けるため提出されたのでありまして、その内容の骨子とするところは、大要次のようであります。即ち第一は、本法の適用の対象でありまして、それは北海道の市町村で昭和二十九年四月一日以降発生した災害により、その区域内において災害救助法に基いて救助が行われたものに対し、被害を受けた公用又は公共用の施設の復旧、被害者を収容するための公営住宅の建設及び被害者の住宅、農林漁業施設の復旧資材としてその被害者に売渡すため等に必要ないわゆる風倒木及びこれを材料とする製品であります。第二は、売払代金の延納等の特別措置でありまして、それは担保の提供を免除し、利息を附さないで三年以内の延納の特約をすることができることとしております。なお、右の延納の特約は、昭和三十一年四月一日以降はできないこととなつております。第三は、本法施行以前に行われた本法に該当する売払契約の取扱いでありまして、これについて農林大臣は契約の条件を変更して、本法の恩恵に浴せしむることにしてあります。
 委員会におきましては、政府より提案の理由を聞き、質疑に入り、本法の内容及び運用等に関する諸般の事項について審議せられたのでありますが、特に本法の適用範囲を北海道の市町村に限定した理由及びこれを内地における該当市町村に及ぼすことの当否、特約による売払風害木の用途について、農林漁業施設用のみならず、これを中小企業施設用にも拡大することの当否、被害未処理に当つて、被害農家の労力の活用、売渡価格の決定及び全国的木材の需給調整等が問題になり、慎重審議が行われましたが、その詳細は会議録に譲ることを御了承願いたいのであります。
 かくて質疑を終り討論に入りましたところ、岸委員から次のような、即ち
 本法律案に関連して、政府は速かに次の事項を検討し、その結果に基いて適切な措置を講ずべきである。一、本法の適用対象となる市町村を独り北海道の市町村にのみ限定することなくその他の地帯の市町村にも及ぼすこととすること。一、本法第一項第二号の適用対象施設として農林漁業施設にのみ限定することなく有要適切な中小企業用施設にも及ぼすこととすること。
 という附帯決議の動議が提出せられ、他に発言もなく討論を終り、採決に入り、全会一致を以て岸委員提案の附帯決議を付して衆議院送付案通り可決すべきものと決定した次第であります。
 以上、御報告いたします。(拍手)
#65
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#66
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午後三時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時四十五分開議
#67
○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日議員から左の議案を提出した。よつて議長は即日これを地方行政委員会に付託した。
 町村合併促進法の一部を改正する法
 律案(中田吉雄君外十三名発議)本日委員長から左の報告書を提出した。
 昭和二十九年の台風による漁業災害
 の復旧資金の融通に関する特別措置
 法案可決報告書
 日本国有鉄道法の一部を改正する法
 律案可決報告書
 昭和二十九年八月及び九月の風水害
 による被害小企業者に対する資金の
 融通に関する特別措置法案可決報告
 書
 漁船再保険特別会計における特殊保
 険及び給与保険の再保険事業につい
 て生じた損失をうめるための一般会
 計からする繰入金に関する法律案可
 決報告書
 農業共済再保険特別会計の歳入不足
 を補てんするための一般会計からす
 る繰入金に関する法律の一部を改正
 する法律案可決報告書
 交付税及び譲与税配付金特別会計法
 の一部を改正する法律案可決報告
 書
 町村合併促進法の一部を改正する法
 律案可決報告書
 昭和二十九年度一般会計予算補正
 (第1号)可決報告書
 昭和二十九年度特別会計予算補正
 (特第2号)可決報告書
 昭和二十九年度政府関係機関予算補
 正(機第1号)可決報告書
     ―――――・―――――
#68
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、昭和二十九年の台風による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長小林孝平君。
   〔小林孝平君登壇、拍手〕
#70
○小林孝平君 只今議題となりました昭和二十九年の台風による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案につきまして、委員会における審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。
 先ず提案の理由について申上げます。
 本年八月以降、数次に亘つて台風が我が国を襲い、各地に多大の人的、物的損害の発生を見るに至つたのであります。即ち八月十八日、十九日に、主として中国、九州地方を襲つた台風第五号を初めとして、九月上旬、中旬に前後して台風第十二号及び第十三号が中国、九州地方を再び襲い、引続き九月中旬に、主として東海地方を中心として台風第十四号が襲来し、最後に九月二十五日、二十六日にかけて台風第十五号が北海道を中心として全国各地に亘り猛威を振い、本年最大の被害をもたらしておまりす。これら屡次に亘る台風による被害のうち、漁業関係におきましては、漁港、漁船、漁具、養殖施設等につき甚大な被害を受け、そのうち特に被害が著しかつたものは、漁船及び漁具であり、地域としては北海道、殊に台風によつて発生した火災により全滅した岩内町並びに四国及び瀬戸内海沿岸でありますが、これら甚大な被害の状況に鑑み、これら台風によつて著しい被害を受けた漁業者及び水産業協同組合に対し、この際、低利の復旧資金の融通を促進する措置を講ずることが緊急に必要となつたというのが本法律案提出の理由であります。
 次に、この法律案の内零について申上げます。台風によりその所有する漁船、漁具、又は政令で定めるその他の施設が沈没し、滅失し、或いは損壊したため著しい損失を受けた漁業者又は水産業協同組合に対して、農林中央金庫その他の金融機関が漁船、漁具又はその他の施設の復旧資金並びにこれらの施設が復旧されるまでの間における特定の着業資金を融通する場合に、地方公共団体は金融機関に対して五分の利子補給を行うこと、並びに漁船については六割、その他の施設については五割の損失補償を行い、国は地方公共団体に対して、利子補給については二分五厘に相当する額までを補助し、損失補償については漁船に係る資金の三割、その他の施設に係る資金の二割五分にそれぞれ相当する額を加えた額を限度として補助を行うことにいたしております。
 又この法律の対象となる復旧資金は、貸付をする者一人につき一千万円以内であつて、償還期限が一年以上五年以内、利率が年六分五厘以内のもので、昭和三十年六月三十日までに貸付ける資金であります。なお、政府が都道府県に対し補助する対象となる復旧資金の総額は、十五億円を限度といたしております。その他これに関連して、金融機関の債権回収義務、地方公共団体への納付金、並びに地方公共団体から政府への納付金等に関する規定を設けております。
 又一方、附則において、昭和二十年年台風第二号による被害農家及び被害漁家に対する資金の融通に関する特別措置法、並びに昭和二十八年六月及び七月の水害並びに同年八月及び九月の風水害による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する特別措置法の、それぞれの法律の一部を改正し、漁業協同組合その他の金融機関が、これらの法律の被害漁家又は被害漁業者で再び昭和二十九年の台風によつて連続的に被害を受けた者に対し、その者が貸付を受けている経営資金の償還に充てるための資金として、昭和三十年三月三十一日までに貸付ける資金を、これらの法律における経営資金とみなす旨の規定を設け、実質上償還期限を延期する措置を講じております。
 以上が本法律案の内容でありますが、委員会におきましては、政府当局より詳細な説明を聞きました後、質疑応答を重ねて慎重審議をいたしました。質疑応答のうち主なるものを一、二申上げますと、千田委員より、「本法によつて今回の台風による漁業者の損失は全部救済できるか。又毎年台風の襲来を見て、その都度特別措置法を制定しているが、明年度も台風被害が予想されるので、この際政府は根本的に災害対策を樹立し、その復旧に関する基本的な恒久立法を行う意思はないか」との質問に対し、「漁船、漁具、及びその他の施設等については、ほぼ全部救済が可能であり、又本法によるもののほか、農林漁業金融公庫からの融資についても目下検討中である。災害救済の基本的な立法については、その必要性について全く同感であり、研究はしているが、現在は未確定である」との答弁がありました。
 その他詳細につきましては、会議録によつて御覧下さることをお願いいたします。
 質疑を打ち切り、討論に入りましたところ、千田委員より養成意見の開陳がありましたほか、他に発言もなく、かくて討論を終結し採決を行いましたところ、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#71
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#72
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以つて可決せられました。
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#73
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(第十六回国会本院提出第二十回国会衆議院送付)を議題とすることに、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長高木正夫君。
   〔高木正夫君登壇、拍手〕
#75
○高木正夫君 只今上程になりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本法律案は、現行法において、国鉄職員が地方公共団体の議会の議員を兼職できる範囲を町村の議会の議員のみに制限しておりますものを、総裁の承認を得ましたものは特別区を含む市及び町村の議会の議員も兼職できるように、改正しようとするものであります。
 本法律案は、すでに御承知の通り、第十六国会に参議院議員大和与一君ほか六名より、国鉄職員が市会議員まで兼職し得る範囲を拡張する法律案として提案せられたものでありまして、参議院におきましては提出原案につきまして、国鉄職員をして無条件に特別区を含む市及び町村議会の議員を兼職し得るようにすることは、国鉄の職務の性質上妥当を欠くという理由で、総裁の承認を得たものは特別区を含む市及び町村の議会の議員であることができると、昭和二十八年七月三十日修正議決いたしまして、直ちに衆議院に送付したものであります。
 衆議院におきましては、第十六国会及び第十七、第十八並びに第十九国会におきまして、いずれも継続審査を行い、第二十国会に入りまして、参議院送付案の通り可決して、十二月三日本院に送付して来たのであります。
 委員会におきましては、村上委員より、「従来、国鉄職員の鉄道機関密集地域において市民中に占める従業員の割合は、市の膨脹に伴い変化があると思うが、その代表的な大宮市における現状はどうであるか」という質問に対しまして、政府当局より、「大宮市の全人口は十三万五千人で、そのうち国鉄職員及び家族の数は約四万人であり、市会議員の定員三十六名中国鉄職員の議員は人名である」という答弁がありました。
 これで質疑を終り、続いて討論に入りましたところ、村上委員、一松委員、三浦委員、及び三木委員より、いずれも「第十六国会で参議院において修正議決した案がその通り原案となつているので賛成する」旨の意見の開陳がありました。
 以上で討論を終り、直ちに採決に入りましたところ、全会一致を以ちまして、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#76
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#77
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以つて可決せられました。
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#78
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、昭和二十九年八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員長石原幹市郎君。
   〔石原幹市郎君登壇、拍手〕
#80
○石原幹市郎君 只今議題となりました昭和二十九年八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案につきまして、通商産業委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 本年八月及び九月の台風により、商工業関係の中小企業者の被害総額は約百二十億円であり、その事業復旧を助成するため、政府当局といたしましては、中小企業金融公庫や国民金融公庫等を通じて政府資金の特別融通を行いましたが、更にこれに加えて、昨年の風水害に対する措置と同様に、特に一般金融機関よりの被害小企業者に対する融資につき積極的な優遇策を講ずるため、ここに本法案の提出を見た次第であります。
 次に、本法案の要旨を申上げますと、銀行等が被害小企業者に事業復旧資金として二十万円以内の貸付を行なつた場合に、各都道府県がこれに年五分の利子補給を行なつたときは、政府でその利子補給額の半額をその都道府県に支給することになつております。かくして実際の支給は銀行等が受けるわけでありまするが、これにより業者は普通よりも年五分だけ低い利息で資金調達ができ、復旧促進に役立たせようとするものであります。
 なお、本措置の対象となる資金の総額は五億円であり、又予算措置としては差当り今次の補正予算に二百万円を計上いたしております。
 当委員会の審議における質疑の主なるものは、被害小企業者の規模、昨年度の実施状況等であり、特に本年度被害の最も大きかつた北海道等が昨年度の基準によれば脱落する慮れがありますので、地域指定などに関する諸問題につき質疑を重ねましたが、詳細は速記録に譲りたいと思います。
 かくして討論に入りましたところ、本案に対して先ず西川議員より、次のごとき附帯決議案が提出され、養成意見が述べられました。即ち、政府は昨年度の中小企業関係の災害法律の実施状況に鑑み、本年度の法律の実施に当つては、左記の点に特に注意すること。一、災害法律の趣旨及び内容については、末端まで充分に徹底するよう万般の措置を講ずること二、災害法律の適用地域については、昨年度の基準にかかわることなく、商工業関係の被害額を基準として決定すること。
 なお、天田、三輪両議員よりも、貸付を受ける業種は奢侈的なものに流れぬよう厳重に注意することを希望条件として、養成意見が述べられました。次いで採決に入りましたところ、全会一致を以て、本法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。又西川議員より提出された附帯決議案も、全会一致を以て原案通り可決されました。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#81
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#82
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。
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#83
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案、
 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、
 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長西郷吉之助君。
   〔西郷吉之助君登壇、拍手〕
#85
○西郷吉之助君 只今議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案について先ず申上げます。
 最近におきまして、漁船の拿捕抑留等の事故が異常に発生いたしましたために、漁船損害補償法の規定に基く特殊保険の再保険並びに漁船乗組員給与保険法の規定に基く給与保険の再保険に係る事業におきましては、その再保険金の支払財源に不足を生ずるに至りましたので、その補填のために、一般会計からこの会計に繰入金をする措置をしばしば講じて参つたのであります。先般昭和二十八年四月一日より同年十一月三十日までの間におけるこの損失を補填するため、第十八回国会におきましても、漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の成立に伴いまして、一般会計からこの会計の特殊保険勘定に一億七千七百万円、給与保険勘定に七百万円を限り、繰入金をすることができる措置が講ぜられたのであります。
 然るところ、その後におきましても、かかる特殊保険事故及び給与保険事故が依然発生し、特殊保険勘定におきましては本年三月三十一日までに約九千四百万円、給与保険勘定におきましては本年十月十五日までに約千五百万円の損失を生ずるに至つたのであります。本案は、この損失を補填するために、その事故の性質に鑑みまして、前回と同様に一般会計から繰入金をすることができることとし、昭和二十九年度におきまして、一般会計からこの会計の特殊保険勘定に九千四百万円及び給与保険勘定に千五百万円を限り繰入金をしようとするものであります。本案審議の詳細につきましては、速記録に譲ることを御了承願います。
 質疑を終了し討論に入りましたところ、野溝委員より、「この会計の損失補填のため一般会計からしばしば繰入金をしているが、将来かかることのないよう保険制度について十分検討せられたい」旨の希望を付して養成意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通じ可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案について御報告申上げます。
 昭和二十八年度におきましては、風水害、冷害等が異常に発生いたしましたために、農業共済再保険特別会計の農業勘定における再保険金の支払いが増加し、多額の歳入不足が生じたのでありまするが、この損失を補填するために、御承知のごとく、先に第十七回臨時国会において成立をみました農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための財源措置等に関する法律によりまして、差当り昭和二十八年度に一般会計より八十五億円をこの会計に繰入れることとし、更に第十九国会において成立をみました農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律によりまして、昭和二十九年度において一般会計よりこの会計に五十五億円を限り繰入金をすることができる措置を講じて参つたのであります。
 然るところ、その後支払保険金確定の結果、更に十二億円不足することとなりましたので、この補填のために前回同様、一般会計からの繰入金を以て充てることといたし、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正いたしまして、一般会計からこの会計に対する繰入金の限度額五十五億円を六十七億円にしようとするものであります。
 委員会におきまする審議の詳細は、速記録によつて御承知をお願いいたします。
 質疑を終了いたし、討論に入りましたところ、藤野委員より、「将来農業共済保険制度の運営を完璧ならしめるため、災害調査の確実を期し、掛金徴収についても十分検討されることを希望して本案に賛成する」との意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について申上げます。
 本案は、交付税及び譲与税配付金特別会計法第四条の規定を整備すると共に、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰入れる金額につき、昭和二十九年度限りの特例を設けようとするものであります。即ち交付税及び譲与税配付金特別会計法第四条の規定は、一般会計と特別会計との間における繰入れ関係を規定したものでありまするが、その内容を同法自体においても明確に規定しておきますことが、経理区分の明確を期する建前から必要且つ適切であると認められますので、この際同条の規定を整備いたすと共に、別途政府提出の昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案におきまして、昭和二十九年度に限り地方交付税法第六条の規定にかかわらず、所得税及び法人税の収入額のそれぞれ百分の十九・八七四並びに酒税の収入額の百分の二十を以て地方交付税といたし、その収入見込額の合算額を交付税の総額とすることとなつておりますので、昭和二十九年度一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰入れる金額を、所得税及び法人税の収入見込額のそれぞれ百分の十九・八七四並びに酒税収入見込額の百分の二十の合算額とすることとしようというのであります。
 本案の審議に当り政府当局に対し、地方財政、特に警察費の現況及びその赤字の原因、及び対策等について質疑が行われましたが、その詳細はすベて速記録によつて御承知願いたいと存じます。
 質疑を終了いたし、討論に入り、平林委員より、「地方財政に対し特別措置を講ぜられたい」との希望を付して賛成の意見が開陳せられ、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#86
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#87
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて三案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#88
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、町村合併促進法の一部を改正する法律案(中田吉雄君外十三名発議)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長中田吉雄君。
   〔中田吉雄君登壇、拍手〕
#90
○中田吉雄君 只今議題となりました町村合併促進法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 本法案は、党派を超越しての本院地方行政委員の発議によるものでありまして、町村合併の実情に鑑み、町村合併促進上必要と認められる数点について改正を行い今後の町村合併が更に円滑に行われるようにしようとする趣旨に出ずるものであります。
 その内容の第一点は、都道府県会議員の選挙区に関する特例を設けようとするときは、明年四月に行わるべき一般選挙については明年一月末までに設けなくてはならないという時期を限ることとするものであります。第一、一点は、分村問題が円滑な町村合併を阻害している実情に鑑み分村を容易ならしめるために、知事は町村合併促進審議会の意見を聞いて境界変更に関する勧告を行い得るものとし、これについての住民投票については、有効投票の三分の二で足るものとすることであります。第三点は、合併計画上、将来合併を行うべき町村が、合併を見越して、合併後の新町村の一体制の確保と、その建設に支障を及ばすような基本財産、その他の重要な財産の処分、又は営造物の設置、その他の事業の施行を行うことを一時抑制しようとするものであります。第四点は、農地法の特例は、境界変更当時の農地の所有者一代限りでなく、承継の際同一世帯に属するその一般承継人についても適用があることとすることであります。第五点は、促進法施行前の町村合併についての同法の適用規定を整備し、境界変更に関する規定及び国の行う財政援助が町村合併によつて不利益とならないようにする特例を含めるものとすること、及び促進法施行前に町村を編入した人口五万以上十万未満の市が、その後の合併により同法の準用を受けるときには、その施行前の町村の編入についても同法の準用があるものとするのであります。第六点は、町村合併計画の作成については、町村合併促進審議会の意見を聞けば足るものとすることであります。
 本委員会におきましては、十二月六日、伊能芳雄君から提案理由の説明を聞いたのでありますが、その際、小林委員の動議により、本法案については、発議に先だち、懇談会等において十分に協議並びに審議をいたしている関係上、質疑並びに討論を省略して、直ちに採決することとし、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと議決した次第であります。以上、御報告申上げます。(拍手)
#91
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#92
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#93
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、昭和二十九年度一般会計予算補正(第1号)
 昭和二十九年度特別会計予算補正(特第2号)
 昭和二十九年度政府関係機関予算補正(機第1号)
 以上、三案を一括して、議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。予算委員長小林英三君。
#95
○小林英三君 只今議題となりました昭和二十九年度一般会計予算補正(第1号)、昭和二十九年度特別会計予算補正(特第2号)、及び昭和二十九年度政府関係機関予算補正(機第1号)の予算委員会におきまする審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず順序といたしまして、右予算補正の内容を簡単に御説明申上げます。一般会計は今回の補正により、歳出において三百八億円を追加しておりまするが、その財源は三百五億円を歳出の節減等により、不足分三億円を歳入の増加により、それぞれ賄つておるため、補正後の昭和二十九年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも九千九百九十八億円にとどまつております。
 歳出の主なるものを申上げますると、第一は災害復旧事業費でございます。本年五、六月頃の暴風雨、第五号台風及び第十二号乃至第十五号台風による災害の復旧につきまして、災害復旧事業費として六十九億円を計上しております。今年の災害につきましては、今回の補正と、すでに予備費から支出されましたもの並びに今後予備費充当予定額をも含めますると、本年度内に施行せられまする事業費総額は百二十九億円となり、査定額のおおむね二割五分を復旧できるように相成つておるのでございます。又このほか災害地の救農土木事業費といたしまして、予備費の支出並びに一般会計及び国有林野事業特別会計におきまする節約額の振替使用によりまして、今回の補正とは別個に二十二億円を支出することに相成つております。
 第二は、社会保障関係経費でございます。最近の社会情勢の推移に対処するために、生活保護費及び失業対策費につき、それぞれ七十億円及び三十七億円を追加計上したほか、炭鉱周辺地の失業者の就労対策を更に強化するために、新たに緊急就労対策事業費といたしまして九億円を計上いたしておるのでございます。
 第三は、地方財政関係の経費でございます。先ず地方交付税の増四十億円につきましてでありまするが、右は、法人税の自然増収が見込まれること、並びに地方交付税の定率について本年度に限り百分の一九・六六を一九・八七四に改訂することによる増加でございまして、警察制度改正に伴う都道府県警寮費の不足額に充当することになつております。次に、第十九国会におきまする入場税法の成立遅延と税率の引下げに伴う減収額を一般会計から補填するため、地方譲与税譲与金といたしまして三十五億円を追加計上しておるのでございます。
 第四は、その他の経費でございます。即ち義務教育費国庫負担金といたしまして、二十八年度の不足額を補填するために八億円、二十八年度の異常災害による農業共済再保険特別会計の赤字を一般会計から補填するために農業保険費といたしまして十二億円を計上する等、所要の経費につきまして必要最小限度の補正を行なつておるのでございます。
 次に財源につきまして申上げますると、法律案の不成立に伴う繊維消費税の減八十五億円、専売公社納付金の減五十二億円、入場税の一般会計繰入の停止による減十九億円、合せて歳入欠陥は百五十六億円でございまするが、他方法人税の増百五十億円、その他の増九億円を見込み、差引き歳入の増加が三億円であります。これに物件費、施設費等の節約百五十三億円、及び輸入食糧価格調整補給金等の不用百五十二億円とを合せましたところの三百八億円を以て、先に申上げました歳出増加に充てようとするものでございます。
 次に、特別会計につきまして申上げますると、交付税及び譲与税配付金特別会計につきまして、一般会計の補正に伴う交付金及び譲与金受入の追加と入場税収入の減少とによる補正を行なつたのを初めといたしまして、国有林野事業特別会計、失業保険特別会計等七会計につきまして、それぞれ所要の補正を行なつておるのでございます。
 又政府関係機関につきましては、日本専売公社について、たばこ収入の減少等に伴う補正を行なつたほか、日本国有鉄道につきましても所要の補正を行なつております。以上が今回の補正予算の大要でございます。
 さて、本案の審議に当りましては、先ず十二月二日小笠原大蔵大臣より提案理由の説明を聞き、四日衆議院からの送付を待ちまして、五日より本審査に入り、緒方副総理ほか各省大臣に対する一般質疑を行いました。その概要につき申し上げますると、「今回の補正に当り百五十三億円の節約と関連し政府は当初予算につき閣議で約二百億円に上る節約を申合せたのであるが、その結果一部の省では事業量の変更を余儀なくされたと報告されている、このような政府の措置は旧憲法下の実行予算と同様であつて、予算修正を規定した財政法第二十九条第二項を置いた趣旨に反するのではないか」との質疑に対しまして政府は、「先の閣議申合せは予算を変更したものではなくとて、ただ予算執行に当り極力節約すべきことを申合せたのである、これは予算編成後相当物価の低落を見たのみならず、前国会における三派修正の際、節約が可能であるとの院議に副うよう努力したのであり、その実行上にも予算の目的や事業量に変動を来たさしめぬよう注意を払つておる。節約の結果事業量が変つたものや、目的を変えたものにつきましては、今回補正として提案しているのであるから、何ら財政法には触れるものではない」と答弁されたのであります。又今回の補正の最大眼目である二十九年度災害復旧費につきましては、「従来の方針である初年度三割、次年度五割、三年度二割という線を崩し、二割五分としているのは何故であるか」という質疑に対しまして「二十八年度の大災害の復旧率は大体二二%であつて今回はこれよりも若干上廻つておる。又二割五分といつても、直轄事業と補助事業との平均で、事業の着手は緊急度の高いものから重点的にやるように指示しておる」との答弁がございました。地方財政の関係では、「今回の補正で地方交付税交付金として四十億円が追加されておるが、うち三十億円は法人税の自然増収のはね返りである、元来自然増収に伴う部分は清算して次年度の交付金とすることは交付税法の定めるところであるにもかかわらず、本年度の警察費不足に充当したことは財政難の地方団体に更に不利益を及ぼすこと、又本年度に限り交付税の定率を変更するということも、地方財政平衡交付金制度を改めて地方交付税交付金となした趣旨を没却するものではないか」との質疑がございました。これに対しまして政府は、「警察費の算定に誤りがあつて歳出が変つたのであるから、本年度租税収入に自然増収が見込まれる場合には、交付税を増額するのは当然である」との答弁がなされました。なお、「累積する地方財政の赤字の措置をどうするのか、年末資金として地方団体は四百億円以上の融資を要望しているということであるが、どうなつているのか」との質疑に対しまして「二十八年度までの地方赤字については、その原因を究め、地方団体の財政再建への努力を検討した上で、地方財政再建整備法によりその整理を進めたい。年末対策といたしましては四十億円の短期融資を認めることに決定している」との答弁がございました。
 次に、余剰農産物購入に関する対米交渉に関する諸問題についてでございまするが、「この援助は、日本側の防衛態勢の増強を条件とするものではないか。又、日本に与えられる借款の使途は米国の承認を経ねば使用できぬのではいか。学童給食用の一千五百万ドル贈与は、今後何年期待していいのか。余剰農産物の買入れは日本の通常需要の枠内であるか追加であるか」など、多くの質疑に対しまして、対米折衝の衝に当られました愛知通産大臣より、詳細に説明がありました。それによりますると、「今回の対米折衝に際してね、日本の防衛強化について一切話し合つたことはない。一千五百万ドル分の贈与については少くとも三カ年は期待し得ること。購入する余剰農産物は日本の通常需要の枠内であること。借款の細目は決定していないが、来年度予算に響くので年内に目鼻がつくように交渉を進める方針であること。それから借款の使途は、農業開発投資その他につき大綱の了解を得れば、日本側で決定し得るということ」でございます。
 次に、食管会計に関連する問題でありまするが、「今回の補正予算に見られる通り、輸入食糧補給金は不必要となつたばかりか、輸入食糧については食管会計に黒字が出るが、それは消費者価格の引下げに使用するつもりであるか、又は食糧増産に向けるつもりであるか、又、今後の食糧管理の根本方針如何」との質疑がありました。これに対しまして、「食糧管理制度につきましては根本的に検討するつもりであるが、差当りは現在の制度を続けるものとして予算化せざるを得ない。又外麦輸入から得られる利益は、食糧増産に振り向けたいが、消費価格についても併せ考える必要があるので、慎重に研究したい」との答弁がございました。
 次に、予備費に関連いたしまして、「本年度予備費は現在どのくらい残つているか、総選挙の費用は幾らかかるか。その額は予算に計上されているのか」との質疑に対しまして、「本年度の予備費は八十億円計上されており「現在約三十六億円残つているのであるが、併しながら災害復旧費、租税還付加算金等すでに使用を予定されているものも多い。総選挙の費用は現行法では十四、五億円、改正法によるとこれより若干増加するものと思うが、その費用は予算には計上されていない。総選挙が若し行われる場合には、予備費の中から差繰つて支出する」との答弁がございました。
 最後に、六日には吉田内閣総理大臣に対しまして総括質疑を行う予定でありましたところ、病気のため欠席せられ、総理に対する総括質疑は不可能と相成りましたので、小笠原、相馬、鶴見及び木村禧八郎の各委員から、緒方副総理並びに福永官房長官に対し、この問題に関連いたしまして質疑がございました。その他、委員会の質疑応答は極めて広汎に亘つたのでありまするが、その詳細につきましては、速記録によつて御了承願いたいと存じます。
 かくて質疑を終局し、討論に入りましたところ、まず日本社会党第四控室を代表いたしまして三輪委員より反対、自由党を代表いたしまして池田委員より賛成、日本社会党第二控室を代表いたしまして相馬委員より反対、緑風会を代表いたしまして早川委員より養成、無所属クラブを代表いたしまして木村委員より反対、日本民主党を代表いたしまして武藤委員より賛成の旨、それぞれ述べられました。
 よつて討論を終結いたしまして、採決の結果、本委員会に付託せられました予算補正三案はいずれも、多数を以ちまして原案の通り可決すべきものと決定いたした次第でございます。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#96
○議長(河井彌八君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。成瀬幡治君。
   〔成瀬幡治君登壇、拍手〕
#97
○成瀬幡治君 私は日本社会党を代表いたしまして、只今上程されました昭和二十九年度の一般会計補正予算案をはじめとする三案に対しまして、反対をいたします。以下、反対の理由を述べ、我が党の態度を明確にせんとするものであります。
 まず臨時国会開会と予算審議の政府の態度でありますが、本年度五、六月の豪雨、台風、冷害等の災害に対しまして、適切にして且つ敏速なる措置をとるために、野党各派は早期の臨時国会開催を要求し、所定の手続を経たのでございますが、政府はこれを無視し、災害に苦しみ不安におののく国民の声にあえて耳をふさいで来たその怠慢と責任を、まず国民の名において追及しなければなりません。政府が臨時国会開会を嫌つた理由は、十九国会中に指揮権発動という全く前代未聞の暴挙によつてやつとくいとめた、汚職に次ぐ汚職、疑獄に次ぐ疑獄を、追及されてはやりきれないからであります。又吉田総理の外遊を強行したかつたからであります。外遊反対は、国民大多数の声でありました。国民の声に耳を傾けず、身勝手な外遊を強行し、疑獄、汚職のほとぼりのさめるのを待ち、その隠蔽に汲々としたのであります。そのことは自由党吉田内閣のためのことのみでありまして、国民を眼中におかない態度であり、国家国民を忘れた全く不遜の態度というべきであります。今日、国民の間に政党政治に対する批判の声が各所にほうはいと起つておりますが、その原因は挙げて、かかる吉田内閣、自由党の、国民を忘れ、はね上つた党利党略のためのものであり、その責任は挙げて吉田内閣にあると断定すべきであります。
 なお、今次補正予算などの審議に当つて、吉田総理は欠席をされているのでございます。今までも、しばしば都合の悪いときには欠席をされている常習者であり国会軽視の常習犯であります。命旦夕に迫ると申しますか、あと一日限りの吉田総理としては、あとはどうでもいいというのでありますか。又決算委員会への出席がおいやだというのでありますか。尻暗い観音式の態度は、少くも一国の総理大臣としてとるべき態度ではないのであります。政府の補正予算に対する態度は、民意をふみにじり、国会のルールを無視し、誠意と熱意を欠いているのでありまして、誠に遺憾な態度と申すよりほかに言葉がないのであります。(拍手)
 このたびの補正予算案は、当初予算とは切離しては存在いたしません。政府は当初予算案提出に際して、日本経済再建の要件である国際収支の改善と、国内物価の引下げを目途として、いうところの一兆億円予算、緊縮予算を編成したというのでありましたが、吉田内閣は昨年までインフレ放漫政策をとつて来て、昨二十八年十一月の池田・ロバートソン会談を契機といたしまして、掌を返すがごとく緊縮予算に切替えたのであります。このことは泥棒を働いておりた者が、これではいけないというので、巡査になり変つて泥棒を逮捕するというようなもので、全く筋の通らない話でありますが、そのことは別といたしましても、かかる予算を強行するときは、そのあおりを受ける者は中小企業者であり、労働者であり、農民であります。従つて当然その被害を最小限度に防ぐ対策を講ずべきであります。この点を我が党は強く指摘し、政府に反省を要望して来たのでありますが、現在我が党が先に指摘したことく、平和産業は萎縮し、中小企業者は倒産続出の傾向でありり、失業者は激増し、社会不安をかもしている現状であります。補正予算が少くとも国民大衆、即ち勤労階級へのしお寄せ、穴を塞ぐ処置が当然なされなければならないのに、何ら考慮されていない。不十分であります。かかる予算を一言にして言いますならば、国民生活を全く無視し、国民大衆の犠牲において再軍備をいよいよ露骨に強行するところのものであります。これは耐乏予算でなく、大砲予算であります。これが反対の根本的理由であります。
 次に、内容についてでありますが、第一点は、社会保障費関係であります。政府は、失業者は増加した、一日平均十六万三千名の就労人員を、一日平均十七万名にした。即ち七千名の増加であり、所要経費八億五千万円を計上したと言うのでありますが、今日失業者数は一体どれだけであるか。完全失業者数、百万から百五十万、潜在失業者を加えると、数百万といわれているのであります。これで一体失業者はどのくらい救助されるのですか。又、緊急就労対策事業費は、道路関係事業費の看板の塗り替えで、失業者就労の絶対量を増しておらないのであります。全くごまかしであります。失業対策費、生活保護費等は、当初予算において十分組むべきでありますのを、政府はあえて放置し、今日補正の機会を得ながら、なお等閑視しておるのであります。社会不安を一方につのらせつつ、片方では、社会不安であるから、取締りの警察力を強化するというのであります。本末顛倒であります。社会不安は取締や威圧によつてなし得るものでなくて、社会不安を起させないために、社会保障制度を確立すると共に、中小企業者のために年末金融を積極的に行うべきで、抜本的対策を樹立すべきときであります。
 なお、公務員の年末手当についてでありますが、超勤或いは残業の削除によりまして、実質賃金の低下を来たしているのが現状であります。手当というよりも、むしろ生活補給金の性格であります。当然支出すべきであり、そのための補正予算を計上すべきであります。
 第二点は、食糧増産についてでありますが、当初予算において削除されました。今回輸入食糧の価格下落によつて、調整補給金が不用となりました。これは当然食糧増産並びに消費者米価に廻すべき性質のものであります。我が国は人口の四五%を農業人口とし、而も年々多額の食糧を輸入し、ために莫大な外貨を犠牲にしていることは周知の通りであります。少くとも食糧自給度の向上増大は、我が国の最大重要事であります。然るに農地は戦前戦後を通じて、本格的な改良が加えられず、増産はただかけ声のみに終始しているのであります。食糧増産に対する政策こそ喫緊の必要事であるにかかわらず、ただMSA援助による余剰農産物の買付に狂奔している政府の姿は、国内農民を忘れたものであり、吉田内閣の買弁的性格を如実に物語つているのであります。これは当然食糧増産と消費者の米価に廻すべきものであります。食糧増産政策の欠如と、低米価政策、肥料政策の失敗は、農民を悲劇へと追いやるものであります。本予算案は農民に悲劇を演じさせる性格を帯びておるのであります。これが反対の第二の理由であります。
 第三点は、減税政策についてでありますが、政府は当初予算編成に当つて、直接税は例の税法上の減税をし、間接税を増加し、従つて昨年度より本年度は三百四十三億余円の増税になるのであります。而も自然増等は絶対にないとしばしば言明したのであります。然るに今回徴収してみたら、法人税は百五十億増徴というのであります。日本経済の再建は、資本蓄積のための減税と、純消費、即ち、軍事費の削減によつて初めてその目的を達成することができるのであります。緊縮予算は、当然減税と軍事費の削減がなければならないのでありますのに、軍事費は当初予算において百四十五億円を増し、而も過年度未使用分一千余億円を持つているのであります。税は、結局本年度は昨年度と比較いたしまして、約五百億円の増税となるのでありますが、だからこそ日本経済の再建はできないのであります。かかる政策が平和産業の萎縮と、中小企業者の倒産と、失業者を生み出す以外の何ものも果していないことを雄弁に物語つているのでございます。いわゆる看板に偽りありと言わざるを得ないのであります。かかる予算案は、或いは財政政策は、必ず破綻と蹉跌によつてあえなき最期を遂げることは自明の理であると指摘せられなければならないのであります。
 最後に、災害復旧の関係についてでありますが、過去五年間の平均によりますと、毎年建設省所管の公共土木費だけでも七百億円、これに農作物の被害、家財の損害などの一般被害を加えますと、実に年当り二千六百億円を突破するという状態であります。災害防止のできないのは、予算がないからであります。過年度災害復旧を追つかけていて、災害防止の事前工事などは及びもつかないというのが現状であります。災害のあとを復旧が追つかけているのでございます。「国破れて山河あり」の山河が荒廃してしまつているのでございます。今こそ思い切つた抜本的な施策を講じないと、悔を千載に残す段階に来ているのでございます。事態を正視し、鏡に映ずるままの施策こそ最上の施策であります。子孫のために美田を残すべく、我が党の主張のごとく、災害復旧でなく、災害予防へと前進すべきであると思うのでございます。本年度予算のごとく、復旧二五%で、他は翌年廻しでは、防止どころでなくて、復旧も完全にできないのでございます。災害は人災でありまして、拱手傍観の吉田内閣による人災であると断言しても差支えないのであります。
 要するに、買弁的吉田内閣には何もできない。期待も何ら持つことができなくなりました。今や国民大衆は、吉田内閣の即刻退陣を要求し、財界からは、不安と不信から政権交代が叫ばれているのであります。このことは吉田反動内閣の多年に亘る失政と暴政の累積の所産であることを附言いたしまして、私の反対討論を終ります。(拍手)
    ―――――――――――――
#98
○議長(河井彌八君) 苫米地義三君。
   〔苫米地義三君登壇、拍手〕
#99
○苫米地義三君 私は日本民主党を代表いたしまして、本案に賛成をいたすものでございます。併しながら本補正予算の内容につきましては、必ずしも満足するものではございません。即ち本年における災害は、総括的には例年に比較いたしまして軽微であるとは申しながら、局地的には誠に深刻な被害をこうむつておりますので、これが対策費として本案に計上されました金額では、到底満足ができないのでございます。又社会保障費の増額につきましても、今日の厳粛なる社会情勢に照らしまして、この程度を以てしては、何人といえども十分であるとは思わないでありましよう。(「反対しなさい」と呼ぶ者あり)天災は不可抗力な国家災厄でありますが、社会保障費の増額を必要といたしました原因は、現政府のとつて来た自由放任経済のもたらしました結果でありますから、政府はこの点に対しましては、重大なる責任を感ずべきでありましよう。殊に急激に増加しつつある失業者の対策、並びに中小企業の異常なる不況対策等に対しましては、これ又、急速な処置を講ぜねばならん事態にあることは、政府といえども認識しておるはずでございます。而もなお本予算の程度を以てお茶を濁そうとする裏面には、政府が本年度の一兆円予算の面目にとらわれまして、現実に目を覆うようなにおいがいたすのであります。従つて私どもは、本予算の内容には必ずしも満足するものではありませんが、ただこれらの対策は、いずれも急速な措置を必要といたしますのであり、一日も遷延を許さない事情にあるのであります。我が参議院は先に絶対多数の署名を以ちまして、急速に臨時国会を召集すべきことを要求したにかかわらず、政府はこれを無視して、荏苒今日に至つたことは誠に遺憾であります。殊に本予算審議に当りまして、吉田総理大臣は病気と称しまして委員会に一度も出席されなかつたことは、十分な質疑応答を重ねることのできない結果になりまして、これ又、極めて遺憾に存ずる次第であります。
 併しながら災害対策といい社会保障といい、或いは失業対策といい、いずれも極めて急を要する措置でありますから、政府は本予算通過の上は、せめて速かに有効適切なる措置を実施されることを期待いたしまして、本案に賛成するものでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#100
○議長(河井彌八君) 松永義雄君。
   〔松永義雄君登壇、拍手〕
#101
○松永義雄君 私は日本社会党第二控室を代表いたしまして、只今上程せられました政府提案になる補正予算三案に対して、反対の意を表するものであります。
 政府のデフレ政策は、金融の引締と財政の緊縮により、一兆円の枠内において二十九年度の予算を編成して来たのでありますが、今日の情勢を見ますと、金融引締による被害は、農民、中小企業にしわ寄せされ、その倒産の続出を見ているのであります。又労働者の失業という犠牲において、財政の緊縮が進められている現状でございます。ここにおいて補正予算案を見ますと、総額三百八億円で、これに対する歳入の増加額は三億円であり、その差額三百五億円は、歳出の節約及び不用等で賄うことによつて、歳入歳出を共に三億円増加し、本予算と合せて総額九千九百九十八億円として、一兆円予算の枠内にとどめているのであります。政府は一兆円の線を堅持したと言うのでありますが、防衛関係費を中心とする本年度の過年度繰越金額は一千二百七億円に達し、実際の財政規模は一兆一千二百億円となり、一兆円を遥かに越えているのであります。従つて政府が一兆円にこだわるのは、国民を欺瞞するものであると言わなければなりません。更に政府は、本年度の本予算案の審議過程におきまして、政府は、補正予算は絶対に行わないと言明したのでありますが、ここに補正予算案が提出されましたことは、政府の失政を物語るものであつて、災害復旧においては止むを得ない情勢であるとしましても、少くとも地方財政或いは生活保護費に関しては、当初より政府が施策した通りに行われなかつた結果であると見なければなりません。次に、内容について見れば、先ず歳入の面におきましては、政府は外交問題と同じく、予算面においても秘密主義をとつているということであります。即ち政府は財源として、予算節約百五十三億、並びに不用額百五十一億と、法人税の自然増収額百五十億等を挙げていますが、これらの新財源以外の所得税、酒税、砂糖消費税、揮発油税等の増収については、何ら歳出入の実情を国民の前に明らかにしておらない政府与党独自の一方的資料のみを提出しているのであります。これは歳出規模が一兆円の枠を破るのを恐れ、歳出規模から通算して、その辻棲を合せるための小手先細工であると見なければならないのであります。更に一千二百七億に上る過年度繰越金をどうするかということは、インフレ或いはデフレの要因として重要問題でありまして、当然補正予算における財源として審議を受けなければならない性質のものでありますが、かかる重要な財源の措置を明確にしないで、デフレ政策である一兆円を堅持すると言つたところでおよそナンセンスな施策であると言わなければなりません。
 次に、歳出の面につきましては、今回の補正予算は、災害、デフレ救済を中心した予算でありまして、政府は災害関係の支出に六十九億の復旧事業費を計上しているのであります。今年度における災害も相当の被害をこうむり、農村、漁村、都市における復旧費に対する要望は、御承知の通りに強いのであります。これまでの事業額は初年度三割、二年目五割、三年目二割の実施率で予算に計上されて来たのでありますが、今年は政府の一兆円予算堅持のために、二割五分に抑えられているわけであります。誠に政府の態度は不誠実極まるものだと言うことができます。我々は失業対策事業を兼ねて復旧事業総体の最低限度三割を実施することが被害農漁民に対する処置であると考え、更に三十七億円の増加が必要であると思うのであります。
 次に社会保障関係費としまして生活保護費失業対策費の増加が見られるのでありますが、第四四半期における失業の激増は当然予想されるのであります。然るに政府は十七万人分の計上で、既往の経費増に対する措置にのみにとどまつておるのであります。又生活保護法による生活困窮者も又これと同じく五%の増加は見られるのでありまして、政府の積極策ということは全然ないのであります。地方交付税交付金については四十億円が追加されているのでありますが、警察費の不足分は、実態調査の結果五十三億円に達するのであります政府は地方財政の赤字補填ということに関しては不徹底の措置をとつていると言わなければならない。政府によつて地方自治の弱体化が意図されており、知事官選への歩みを続けていると言つても過言ではないのであります。
 私は以上、主なる部分に関する反対の趣旨を述べたのでありますが、更に政府案には、官公庁労務者のベースアツプが計上されていないのであります。現在の国家予算は、汚職収賄等によりずさんな支出が行われているのは、誰しも認めるところでありますが、そのような政府施策の欠陥より来た日本経済の崩壊を救うために、政府は国民に耐乏を強要しているのであります。併し最低生活の限度を下廻る公務員の現状は、もはや耐乏の余地は残していないのであります。全国賃金水準の動向を左右する官公庁職員の生活防衛のための最低限度の保障は、当然政府の責任でなければならないのでありまして我々は、公務員、地方公務員、公共企業体等職員に対する年末手当の〇・二五カ月分の増額、七十八億円の計上を政府に要求するのであります。
 これと同様に、中小企業者に対する緊急融資も必要であります。デフレ政策を推進する政府として、これのしわ寄せをこうむつている中小企業を救済することは、当然の責務であります。然るに政府は予算案において何らの措置をも講じていないのであります。第三四半期の財政の支払超過が、第四四半期には、指定預金の引揚げ、申告納税の形で、引揚げ超過に転ずるという毎年の傾向、或いは越年のために苦しまぎれに発行した繰延べ手形の支払期間が到来するという事実からみても、中小企業の危機は、来年、更には三月には深刻な形で現われて来るのであります。これらに対しては何らの考慮も払われていないのでありまして、一般会計投融資として二十億円を新規に計上する必要があるのであります。
 我々は、政府が単に一兆円予算という名目のために、労働者、農民、中小企業者の生活を犠牲にした予算を計上し、政府の施策の目標が奈辺にあるかを疑わざるを得ないのであります。而もインフレをとめるためのデフレ政策というのは結構なことでありますが、我が国の経済の基調は、財政金融の性格が軍事的であり、非生産的であり、過年度からの歳出繰越額は巨額に上り、而も実質的財政規模は一兆一千二百億円に上るのであります。なお今後アメリカの余剰農産物の見返り円資金の使用は、軍需産業等の不生産的方面に使われる可能性があり、これらのことはデフレ経済の基調をなしているということを物語るものではなく、インフレ的であると言わなければならないのであります。我々は、かかる政府の欺瞞的デフレ政策の名目により、一方的に、労働者、農民、中小企業者の犠牲を強うるがごとき今回の補正予算案に対し、断固反対するものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
 我々は、政府が単に一兆円予算という名目のために、労働者、農民、中小企業者の生活を犠牲にした予算を計上し、政府の施策の目標が奈辺にあるかを疑わざるを得ないのであります。而もインフレをとめるためのデフレ政策というのは結構なことでありますが、我が国の経済の基調は、財政金融の性格が軍事的であり、非生産的であり、過年度からの歳出繰越額は巨額に上り、而も実質的財政規模は一兆一千二百億円に上るのであります。なお今後アメリカの余剰農産物の見返り円資金の使用は、軍需産業等の不生産的方面に使われる可能性があり、これらのことはデフレ経済の基調をなしているということを物語るものではなく、インフレ的であると言わなければならないのであります。我々は、かかる政府の欺瞞的デフレ政策の名目により、一方的に、労働者、農民、中小企業者の犠牲を強うるがごとき今回の補正予算案に対し、断固反対するものであります。(拍手)
#102
○議長(河井彌八君) 木村禧八郎君。
   〔木村禧八郎君登壇、拍手〕
#103
○木村禧八郎君 私は、二つの点から本補正予算案に反対するものであります。
 その第一は、この補正予算の背景をなしているところの政府の基本的な財政経済政策に対する反対であります。
 二十九年度の予算の性格は、言うまでもなく、防衛費を増加させて、民生費を削減して、極めてはつきりとした軍事的性格を持つたところの財政であります。アメリカのMSAによりまして、現在はいわゆるMSAデフレの影響が広汎に現われて、失業は、政府の官庁統計だけでも、八月は七十一万に達し、ドツジ・デフレ政策のときよりも遥かに多くの失業者が巷に溢れています。中小企業に、炭鉱に、実際にこのデフレ政策の影響を末端で、この目で見、この耳で聞くときは、実に惨憺たる状況が現われておるのであります。新聞、雑誌、ラジオなんかに伝えられているよりも、これが二十九年度MSAデフレ政策の影響であります、
 で、今度の補正予算は、このデフレ政策の影響、これに対する予算の補正でありますが、先ほど苫米地議員も言われました通り、今度の補正予算は、災害復旧についても、失業対策についても、生活保護についても、あらゆる面で非常に不満足であると言われております。
 で、このような不満足な補正予算がなぜ現われて来たかと言えば、その根本においては、この二十九年度の予算の性格、即ち軍事的性格、そこから来ているわけでありまして、この二十九年度の予算に現われた政府の財政政策の基本になつている軍事的性格というものを、ここで転換しなければ、今の日本の経済の危機、これは救うことができないわけであります。
 然るに現在国際情勢は、これまでの政府の軍事的な財政経済政策をここで大きく政策転換を行うのに絶好な機会を提供していると思うのであります。言うまでもなく、ジユネーヴ会議以後、世界の情勢は極めて平和的な方向に急激に進んでいるわけでありまして、従つてこの際、日本は、これまでの軍事的な財政経済政策を、ここで大胆に一大転換して、平和的な経済に転換すべき絶好の機会に恵まれているわけなんです。絶好なチャンスだと思うのです。従つて今何を一番補正することが重要だと言えば、その補正の一番重要なことは、これまでの政府の軍事的な財政経済政策をここで根本的に改める、補正する。これこそが一番私は重要な課題だと思うのであります。ところが吉田総理は三千万円の国費を使つて外遊して来て、帰つておみやげとしてもたらしたものは何であるか、結局反共政策です。アメリカにおいて反共の演説をし、イギリスにおいても反共の演説をし、国内に帰つて来ても、自由党が民主党に合同を申入れるときの言葉は、極東における共産側の真の目標は日本を侵略することにあるのだ、日本を略奪することにあるのだと、こういうような結論が吉田外遊の結論なんです。で、こういう頭を以て今後の財政経済政策をやるということは、今世界的に広汎に平和の情勢がかもし出されておるときに、全くこれは逆コースを行くものであり、全く私は吉田首相の時代的感覚のズレに驚かざるを得ないのです。(拍手)今、日本は、ここで折角世界の情勢が平和情勢に向つたときに、軍事的政策を大転換して、平和的な、民主的な……軍事費を思い切つて削減して、そうしてこれを民生安定或いは輸出振興、国内の経済自給度の向上、このほうに向けるべき絶好の私は機会にむしろ恵まれておると思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)そうでなければ、今巷に溢れている失業者も救済できません。中小企業の危機も救えないところが今の吉田総理の外遊後におけるような考え方では、この危機は救えません。この危機を救う途は吉田内閣を早く退陣せしめる、一日も早くこれを退陣せしめる、即ち打倒して、そうしてそののちに新らしく自主的な、そうして平和的な、民主的な政権を一日も早く打立てるということが一番重要な課題だと思うのです。
 第二の反対の論拠は、この補正予算が財政法第二十九条第二項の精神に反しておるということであります。で、この補正予算は、財源として百五十三億円の節約によつて、二十九年度当初予算の節約によつて財源を賄つております。併しながら財政法第二十九条第二項によれば、予算が成立したのちにおいてその予算を変更するときには修正予算を作成して国会に提出することができるとなつております。で、私は百五十三億のこの節約、いわゆるこれまで実行予算と言われておりましたが、実行予算を組むについては、今度の民主財政の財政法第二十九条第二項に基けば、国会の承認なくして百五十三億の実行予算を組むことは、これは財政法の精神に反します。なぜならば、今の新らしい財政法によれば、国会は昔と違つて、予算の増額修正権があるのです。国会が増額した場合に、政府が勝手に実行予算と称して、国会の増額した予算を実行予算として、節約をして実行しなかつたら全く意味がないのです。で、今度の節約は、そういう端緒を開いたものとして、これは私は重大な政治的な問題になると思うのです。法律的には疑義があるかも知れません。或いは違法でないと大蔵当局は言つております。併しながら少くとも政治的に重大な問題である。百五十三億節約したために実際に事業量の変更が起つているのです。もうすでに予算の変更が実質的に行われているのです。国会の承認なくして行われているのです。こういうことが果して財政法第二十九条第二項の精神に違反しないかどうか、これは私は非常に疑義がある。こういうことを簡単に内閣の責任においてのみやらしておくということは、私はこの財政法の精神に反すると思う。
 以上の二つの論拠に基きまして私はこの補正予算案に反対するものであります。(拍手)
#104
○議長(河井彌八君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより三案の採決をいたします。三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#105
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#106
○議長(河井彌八君) 参事に報告いたさせます。
   〔参事朗読〕
 本日衆議院から左の内閣提出案を受領した。よつて議長は即日これを内閣委員会に付託した。
 自衛隊法の一部を改正する法律案
         内閣委員会に付託
 昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案 大蔵委員会に付託本日衆議院から左の議案を提出した。よつて議長は即日これを委員会に付託した。
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
       議院運営委員会に付託
 昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の
 特例に関する法律案
       通商産業委員会に付託本日委員長から左の報告書を提出した。
 自衛隊法の一部を改正する法律案可決報告書
 昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案可決報告書
 昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案可決報告書
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案可決報告書
 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第九号)可決報告書
 昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案可決報告書
     ―――――・―――――
#107
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。議院運営委員長寺尾豊君。
   〔寺尾豊君登壇、拍手〕
#109
○寺尾豊君 只今議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、議院運営委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 現行規定によりますると、期末手当及び勤勉手当を受けるべき期日の直前に衆議院が解散をされたときは、その解散の日に在職をする衆議院の議員等の秘書には期末手当及び勤勉手当を支給することができませんので、本案は六月一日から六月十四日までの間、又は十二月一日から十二月十四日までの間に衆議院が解散をされたときは、その解散の日に在職する秘書に対し右の諸手当を支給できるように改めようとするものであります。
 本委員会は、本案が衆議院から送付されるに及び、これを審査いたしました結果、全会一致を以て可決すべきものと決定をいたしました。
 御報告申上げます。(拍手)
#110
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#111
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて本案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#112
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内調委員長荒木正三郎君。
   〔荒木正三郎君登壇、拍手〕
#114
○荒木正三郎君 只今議題となりました自衛隊法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず、本法律案について、政府が提案の理由として説明するところを申述べます。さきの国会において陸上自衛官二万人の増員が認められ、これを基礎として二管区隊を増置し、北海道及び東北方面の陸上自衛隊の防衛警備力の充実強化を図る計画であつたが、増置する管区隊の具体的配置場所等については、種々研究の結果、去る八月に至り漸く決定することができる運びとなつたのであるが、当時たまたま国会閉会中であつたので、政府は自衛隊法第十三条第二項前段の規定に基き、管区隊増置令を以て二管区隊を増置し、これらの名称並びに管区総監部の名称及び所在地を定めた次第である。然るにこれらの管区隊については、自衛隊法第十三条第二項後段の規定により、政府は次の国会で自衛隊法を改正する措置をとらなければならないことになつておるので、今回本法律案を提出することにいたした次第である。なお、第六管区総監部の現在の所在地である福島県信夫郡荒井村については、宮城県宮城郡多賀城町に建設中の営舎の完成するまでの間とする必要があるので、附則でその趣旨の規定を設くることとした。以上が本法律案の提案の理由であります。
 内閣委員会は、委員会を二回開きまして、本法律案の審査に当つたのでありますが、この審査においては、今期国会において本法律案が審議未了になつた場合、又、本法律案が成立する以前に衆議院が解散になつた場合における管区隊増置令なる政令の効力はどうかという点、自衛隊法第十三条第二項の「特別の事由」の意義如何、その他管区隊総監部の設置の場所の問題、自衛力増強の問題等について、大村長官との間に質疑応答が行われました。本日の委員会においては、質疑も終了いたしましたので、討論の段階に入りましたところ、討論省略の動議が成立し、次いで採決に入りましたところ、多数を以て可決すべきものと議決せられました。
 以上を以て報告を終ります。(拍手)
#115
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#116
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
 議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午後七時二十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後八時三分開議
#117
○議長(河井彌八君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 参事に報告させます。
   〔参事朗読〕
本日委員長から左の報告書を提出した。
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律
 案可決報告書
 昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案可決報告書
 昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案修正議決報告書
 昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案可決報告書
 国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案可決報告書
     ―――――・―――――
#118
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#119
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員会理事西川彌平治君。
   〔西川彌平治君登壇、拍手〕
#120
○西川彌平治君 只今議題となりました昭和二十九年八月及び九月における風水害に伴う中小企業信用保険法の特例に関する法律案につきまして、通商産業委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 御承知の通り中小企業信用保険は、中小企業に対する信用の補強を目的とした制度でありますが、本年八月及び九月の台風による被害中小企業者の復旧を促進するため、本制度の活用が必要となつていますので、ここに衆議院議員大西禎夫君ほか八十八名により、本法案の提出を見ました。
 本法案は、昨年の特別措置と同様に、被害中小企業者が、再建資金を銀行から受けた場合又は信用保証協会の保証を受けた場合に、その貸付金に対する政府の填補率を、一般信用保険に比べて、それぞれ一〇%だけ引上げ、且つ、保険料率を一分だけ下げて、年二分といたしております。又、この場合におきまして、都道府県又は市町村は、保険料の額の二分の一以上を銀行等又は保証協会に補給すると共に、本特例法により赤字を生じたときは、一般会計から中小企業信用保険特別会計に繰入れることにいたしております。
 委員会では、提案者の一人、永井衆議院議員より説明を聞き、同君並びに政府当局に質疑を重ね、極めて慎重に審議いたしました。質疑により判明した二、三の点を申上げますれば、本法案は北海道岩内の大火にも適用されること、本法案によつて本年度は別に予算を必要とせず、保険契約限度の拡張も要しないことであります。
 質疑を終り、討論に入りましたところ、西川委員より、「本案は前に可決した風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案と一体をなすべきものであり、従つて、その際の附帯決議が本法施行の際にも適用されることを期待して賛成する」旨の発言があり、栗山、石川両委員は、「本法案のごときは、元来風水害による特例にあらずして、一般化すべきもの」との意見を付して賛成、又、小松、加藤の両委員からも賛成討論があり、かくして討論を終り、採決いたしましたところ、全会一致を以て本法案は可決すべきものと決定いたしました。
 以上で報告を終ります。(拍手)
#121
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#122
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#123
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案(衆議院提出)
 昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 以上、両案を一括して、議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長森八三一君。
   〔森八三一君登壇、拍手〕
#125
○森八三一君 只今議題となりました農林関係の二つの法律案につきまして、農林委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。
 先ず衆議院提出にかかる昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案について報告をいたします。
 本年災害の被害農家に対してこれが救済のため、昨年の冷害における例に倣つて、政府所有の米麦を廉価、即ち生産者価格を以て且つ無利息、延納によつて売渡しされたいという要望の熾烈なものがありましたことはすでに御承知の通りであります。かような情勢に対処して、政府は先に、昭和二十九年における風水害等による被害農家に対する米麦の売渡要綱を定め、昭和二十九年八月及び九月の台風並びに昭和二十九年の冷害による被害が甚だしく、飯用食糧に著しく不足する者に対して実需者価格、即ちおおむね卸価格によつて政府所有の米麦を売渡し、且つその代金の延納措置を講ずることとし、十二月一日から施行することを決定したのであります。併しながら、本年度の災害は昨年に比べて被害の範囲は小さいのでありますが、その深刻度においては大なるものがある事実に徴して、本年と昨年とその取扱いに差等のあるのは妥当を欠くものであつて本年も昨年と同様な取扱いにすることとしようとするのが、本法律案が提出せられた趣旨となつております。而してその内容の概略は次の通りであります。
 即ち第一は、本年度に米麦の特別売渡を受け得られる被害農家でありましてこれは米麦又は雑穀等の食糧農作物を生産する農家でありまして、政令で定める地域内において生じた昭和二十九年八月及び九月の台風並びに本年の冷害等の災害によつて著しい減収をこうむり、これが生産する食糧がその農家の飯用消費量に著しく不足する旨の都道府県知事の認定を受けたものとなつております。第二は、米麦の売渡方法でありまして、これは政府から都道府県に、都道府県から市町村に、そして市町村から被害農家に売渡すこととし、昨年同様、間接的な手続がとられることになつております。第三は、売渡の価格でありまして、政府の売渡価格は、被害農家の購入価格が、おおむね生産者が政府に売渡した場合の基本価格に見合う程度になるように定めることにしてあります。
 委員会におきましては、本法の措置によつて特別に売渡される米麦の数量、その金額及びこれらに対する予算的措置並びに代金の徴収等の事項に関して質疑が行われたのでありまして、その詳細は会議録によつて御了承を願いたいと存じます。
 かくして質疑を終り、討論に入りましたところ、松浦委員から、衆議院送付案に、「本法成立の上において、これが実施に当つて、本法による米麦の特別売渡が有しくも本法の趣旨を逸脱するが如き事態の発生しないよう遺憾なく措置すること。」という付帯決議を付して養成する旨の発言があり、続いて採決の結果、全会一致を以て松浦委員の動議にかかる付帯決議を付して衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 次に、昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案について農林委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。
 本法律案は、昨年の災害に対してとられた措置に倣つて、本年の台風第五号、第十二号、第十三号、第十四号、若しくは第十五号等の台風或いは冷害によつて損失を受けた農林業者に対し種苗、肥料、飼料、薬剤、薪炭原木等の購入炭がまの構築、その他農業、又は林業経営のため必要な資金の融通を低利且つ円滑にする措置を講じ、これが経営の安定に資する目的を以て提案せられたものでありましてその内容の骨子は大略次のようであります。
 第一は、本法適用の対象となる被害農林業者でありまして農業者につきましては、農業を主な業務とする者であつて、台風及び冷害によつて農作物又は繭が平年作に比べて三割以上の減収をこうむり、その損失額が平年におけるその者の農業による総収入額の一割以上である旨の、又林業者については、林業を主な業務とする者であつて、薪炭、木材、林業用種苗その他の林産物の損失額が平年におけるその者の林業による総収入額の一割以上であるか、又は炭がま等の林業施設が破損して著しい被害をこうむつた旨の市町村長の認定を受けたものということになつております。第二は、資金の条件でありまして、資金の使途は前に述べましたような経費に充てるものでありまして、その貸付は、農業協同組合、森林組合、又は金融機関によつて行われ、貸付の最高限度は、農林業者一戸当り、北海道では十五万円、その他の地方では七万円とし、牛馬を所有する農家には更に三万円を加えることになつております。償還期限は、一般には二年以内として取扱われることになつておりますが、併し開拓者その他特に著しい被害を受けた者に対しては、政令の定めるところによつて五年までとし、金利は一般には年六分五厘で、開拓者その他特に著しい被害を受けた者に対しては、これ又政令の定めるところによつて年五分五厘とすることになつており、而して貸付の期限は、明昭和三十年七月三十一日までとなつております。第三は、国庫の補助でありまして、地方公共団体が融資機関に対して利子補給及び損失補償を行う場合に、国はその経費の一部を都道府県に対して補助することとなつておりましてその補助率は、利子補給については補給額二分の一、又は年二分五厘以内とし、損失補償については補償額の二分の一、又は融資総額の二割以内となつておりまして、結局利子補給については地方公共団体が年五分乃至六分を補給した場合に、国はその二分の一、即ち一年二分五厘乃至三分を補助し、損失補償については地方公共団体が四割まで補償した場合国がその二分の一を補助することになつております。而してかような国の補助の対象となる経営資金の総額は八十五億円限度となつております。第四は、昭和二十八年台風第二号、昭和二十八年六月及び七月の水害並びに八月及び九月の風水害、昭和二十八年の冷害によつて被害を受けた農林業者が、それぞれの災害の融資に関する特別措置法によつてすでに借入れている資金で、本年度償還分に関する措置でありまして、これらの償還分については償還の猶予に代えて、従来と同じ条件で借替を認めることとし、これがため本法律案の附則においてそれぞれの災害の融資に関する特別措置をすることになつております。
 かかる政府の原案に対して衆議院において、「(一)、本法案によつて融資の対象となる経営資金の使途に「土地改良区の賦課金の納入のために必要な資金」をも含ましめることとする。(二)、利率について、昭和二十八年六月及び七月の水害、同年八月及び九月の風水害並びに昭和二十八年の冷害による対象農林業者で、それぞれの特別立法に従つて利率年三分五厘以内の条件で経営資金又は施設復旧資金の貸付を受けた被害農林業者であつて、本年も又台風及び冷害によつて著しい被害を受けた者、及び開拓地における被害農林業者、に貸し付けられる場合は、特に年三分五厘以内に引下げることとし、而してかかる低利の融資に対しては国から年利率五分五厘に相当する利子補給を行う。(三)、国の補助の対象とする経営資金の総額を百億円に増額する」、等の修正を加えて、本院に送付せられたのであります。
 委員会におきましては、台風被害及び冷害の深刻であるに鑑み、事態を憂慮して、すでに閉会中において或いは関係者から事情を聴取し、或いは現地調査を行い、これらの結果に基いて政府に対して適切な対策の確立が要請されて参つたのでありまして本法律案もこれら対策の一環としてこれが審査に慎重が期せられたのでありまして、先ず本年度の災害及び政府におけるこれが対策の当否が究明され、更に本法案における政令事項の内容及びその当否、本法案による資金貸付限度決定の基礎及びその当否、果樹園等の復旧に対しては所要経費の増嵩に従つて融資限度を拡大することの要否、開拓者は概して被害が大きく而も恵まれない環境において、農業災害補償制度の適用も受けていない状況に鑑み、開拓者に対する特別措置、国の補助の対象となる経営資金の総領の算出基礎及びその当否、融資を被害者に均霑させる方策、被害者に対する農林漁業資金の融通、及び被災者がすでに借入れている農林漁業資金の延納措置等、諸般の問題について質疑が行われたのでありまして、これが詳細については、会議録に譲ることを御了承頂きたいと存じます。
 なお、衆議院において修正せられたことに対処して、本法律案が万一所期するように成立が困難であつた場合における政府の心構えが質されましたところ、政府委員から、「万一の場合は政府は今回提案した政府原案のような方針によつて措置したい」旨の答弁がありました。
 かくして討論に入りましたところ、岸委員から、「衆議院送付案を政府原案通りに再修正したい」旨の動議が提出せられ、重政委員から、修正案に賛成、江田、松浦及び菊田委員から、衆議院送付案に賛成の発言があり、なお菊田委員からは「本法成立の上において、これが実施に当つて、本法による融資がいやしくも本法の趣旨を逸脱するがごとき事態の発生しないよう、遺憾なく措置すること」という付帯決議を付したい旨の動議がありました。
 続いて採決の結果、多数を以て、衆議院送付案に、菊田委員の動議にかかる付帯決議を付して可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申上げます。
#126
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。
 先ず昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#127
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#128
○議長(河井彌八君) 次に、昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金の融通に関する特別措置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
   〔「多数々々」「少数々々」と呼ぶ者あり〕
#129
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。(拍手)よつて本案は可決せられました。
   〔「採決に異議あり」「反対」「記名投票」と呼ぶ者あり〕
#130
○議長(河井彌八君) 採決に異議ありとの声がありますから、本院規則第百三十七条によつて、更に記名投票を以て本案の表決を行います。(拍手)本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#131
○議長(河井彌八君) 投票漏れはございませんか……投票漏れないと認めます。
 これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
   〔「異議あり」「負けたことに異議ありと言え」「議長、開票宣告の前に、異議がある」と呼ぶ者あり〕
#132
○議長(河井彌八君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数 百四十二票
 白色票   七十五票
 青色票   六十七票
 よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
   〔参照〕
賛成者(白色票)氏名  七十五名
  平林  剛君  加瀬  完君
  永岡 光治君  三輪 貞治君
  湯山  勇君  大和 与一君
  内村 清次君  秋山 長造君
  阿具根 登君  大倉 精一君
  岡  三郎君  亀田 得治君
  小松 正雄君  永井純一郎君
  近藤 信一君  竹中 勝男君
  清澤 俊英君  成瀬 幡治君
  佐多 忠隆君  江田 三郎君
  小林 孝平君  久保  等君
  堂森 芳夫君  田畑 金光君
  森崎  隆君  高田なほ子君
  矢嶋 三義君  岡田 宗司君
  田中  一君  戸叶  武君
  栗山 良夫君  吉田 法晴君
  藤原 道子君  小笠原二三男君
  菊川 孝夫君  若木 勝藏君
  山田 節男君  天田 勝正君
  松本治一郎君  中田 吉雄君
  三橋八次郎君  千葉  信君
  羽生 三七君  荒木正三郎君
  三木 治朗君  山下 義信君
  東   隆君  紅露 みつ君
  最上 英子君  松永 義雄君
  菊田 七平君  三浦 義男君
  鈴木 強平君  杉原 荒太君
  松浦 定義君  須藤 五郎君
  平林 太一君  加藤シヅエ君
  寺本 広作君  武藤 常介君
  鈴木  一君  石川 清一君
  千田  正君  上條 愛一君
  苫米地義三君  三好 英之君
  木村禧八郎君  相馬 助治君
  村尾 重雄君  棚橋 小虎君
  一松 定吉君  松原 一彦君
  羽仁 五郎君  大山 郁夫君
  堀  眞琴君
    ―――――――――――――
反対者(青色票)氏名  六十七名
  片柳 眞吉君  加賀山之雄君
  飯島連次郎君  石黒 忠篤君
  森 八三一君  宮城タマヨ君
  溝口 三郎君  廣瀬 久忠君
  館  哲二君  高橋 道男君
  島村 軍次君  佐藤 尚武君
  小林 武治君  秋山俊一郎君
  森田 豊壽君  山本 米治君
  伊能 芳雄君  西川彌平治君
  石井  桂君  白井  勇君
  川口爲之助君  吉田 萬次君
  佐藤清一郎君  高橋  衞君
  木村 守江君  谷口弥三郎君
  宮本 邦彦君  長島 銀藏君
  瀧井治三郎君  横川 信夫君
  石川 榮一君  植竹 春彦君
  剱木 亨弘君  大谷 瑩潤君
  愛知 揆一君  中川 幸平君
  左藤 義詮君  寺尾  豊君
  中山 壽彦君  山縣 勝見君
  草葉 隆圓君  重宗 雄三君
  大屋 晋三君  津島 壽一君
  青木 一男君  大野木秀次郎君
  石村 幸作君  岡田 信次君
  大谷 贇雄君  雨森 常夫君
  宮澤 喜一君  横山 フク君
  重政 庸徳君  深水 六郎君
  藤野 繁雄君  加藤 武徳君
  青山 正一君  上原 正吉君
  松平 勇雄君  伊能繁次郎君
  仁田 竹一君  郡  祐一君
  小滝  彬君  平井 太郎君
  川村 松助君  島津 忠彦君
  中川 以良君
     ―――――・―――――
#133
○議長(河井彌八君) この際、日程に追加して、国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案(衆議院提出)
 昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案(衆議院提出)
 以上、両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#134
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事藤野繁雄君。
   〔藤野繁雄君登壇、拍手〕
#135
○藤野繁雄君 只今議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず、国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案について申上げます。
 本案は、衆議院議員伊藤卯四郎君外六十三名の提出にかかり、第十九回国会より継続して審議して参つたものであります。本国会衆議院において、原案を一部修正議決の上、送付せられたものでありまして、産業復興公団が炭鉱労働者の医療施設の用に供されるため建設した施設等で国有のものは、その設置の経緯並びに経営の実情に鑑みまして、現にその貸付を受けている地方公共団体等に対し減額譲渡又は減額貸付けすることができることとし、又譲渡を受けた者がその代金を一時に支払うことが困難であると認められるときは、確実な担保を徴し、且つ利息を付して延納の特約をすることができることとすると共に、地方公共団体等が産業復興公団との契約により支払うべき売払代金又は貸付料にかかる債務のうち、一定部分を免除することとしようとするものであります。
 本案につきましては、提案者より提案の理由及び修正部分についての説明を聴取し、更に提案者及び大蔵省当局に対し質疑を行い、慎重に審議いたしましたが、その詳細は速記録によつて御承知をお願いしたいと存じます。
 質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。
 次に、昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案について申上げます。
 本案は、衆議院議員内藤友明君外二十二名から提出せられたものでありまして、その内容を簡単に申上げますと、現下の食糧事情に鑑みまして、米穀の供出等を促進するため、昭和二十九年産米につき、前年同様、早期供出奨励金及び超過供出奨励金に対する所得税を免除しようとするものであります。
 本案の審議の詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、杉山委員より賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。
 以上、御報告を申上げます。(拍手)
#136
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより両案を採決いたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#137
○議長(河井彌八君) 過半数と認めす。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#138
○議長(河井彌八君) この際、日程追加して、公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提出、衆第九号)国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、
 昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)
 昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案(衆議院提出)
 以上、四案を一括して、議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#139
○議長(河井彌八君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長中田吉雄君。
   〔中田吉雄君登壇、拍手〕
#140
○中田吉雄君 只今議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過の概要並びに結果を御報告いたします。
 本案は衆議院提出にかかるものであります。その提案理由としては、今次の国会自粛立法の一環として選挙界の浄化を図るため、連座制等を強化して、選挙の公正を確保し、選挙運動の適正化、運動費用の合理化、政党等の政治活動の規制等を行うと共に、選挙管理事務に関する規定を整備せんとするものであるのでございます。
 次に法案の内容の概要を申上げます。先ず選挙の公正確保に関するものとして、公務員等がその地位を利用して行う事前運動を禁止し、選挙運動の法定制限額を、衆議院議員については現行約四十万円より七十万円に引上げ、参議院議員については現在政令で定められている基準額を法定し、その額を衆議院議員の場合とほぼ同一割合を以て引上げ、その制限額超過の場合には、出納責任者を処罰し、更に選挙運動に従事する者に対する実費弁償額並びに選挙運動のために使用する労務者に対する報酬及び実費弁償の額を実情に副うごとく引上げ、その基準を法定することとし、寄附の制限に関しては、新たに規定を設けて、立候補の意思のある者は、当該選挙に関し当該選挙区内の者に対しては寄附を禁止し、更に立候補の前後を問わず、候補者が役員である会社、その他の団体が行う寄附で、候補者の名前が表示されたり、類推されたりするものは禁止することにいたしております。
 連座制に関しては、出納責任者の買収犯等にも新たに連座制を選用すると共に、総括主宰者、出納責任者の買収犯等の場合及び出納責任者の法定費用超過支出罪の場合には、従来の免責規定をやめ、新たにおとり罪を創設して、このとおり犯の場合に限り免責を認めると共に、とおり防止のために、おとり犯につき厳罰規定を設けたのであります。なお選挙犯罪により選挙権、被選挙権を停止された者は、その期間中選挙運動ができないこととし、罪の時効については、形式犯については六カ月、その他の犯罪については一年、但しおとり罪については二年間とし、犯人が逃亡した場合は、その時効期間をそれぞれ二倍に延長することにいたしております。
 選挙運動一般に関しましては、先ず選挙事務所法定数厳守のため一定の標札を掲げなければならないものとし、飲食物の提供については選挙運動従事者及び労務者に対する弁当は一定の範囲内においてその提供を認めるが、これは選挙事務所で食事し、又は携行する場合に限るものであります。更に現行法では湯茶の提供に限られているのを茶菓の提供に改めたのであります。自動車、拡声機及び船舶の使用については、選挙運動用自動車は乗車用又は小型トラック一台に限ることとし、大型トラックは積雪、泥濘等の悪路その他止むを得ない事情により乗用自動車車及び小型トラツクの運行不可能の場合でなければこれを認めないこととし、連呼行為は車上、徒歩すべて禁止し、自動車上の選挙運動は停止した車上においてする演説のみを認め、自動車、船舶に乗車、乗船する者は、運転手、船員を除き一台、一隻につき候補者、運動員、労務者合せて四人以内に制限し、拡声機は一揃いに限ることとし、但し個人演説会場においては会場ごとに更に一揃いの使用を認めることといたしております。
 文書図画に関しては、自動車及び船舶への掲示は一切禁止し、選挙事務所、演説会に用いるポスターの規格を制限し、録音盤は立会演説会においてはその使用を禁止し、個人演説会、街頭演説会においてはこれを認めることとし、立会演説会開催当日の他の演説会等の制限を立会演説会の開催前二時間から終了後二時間の間に緩和いたしております。なお個人演説会告知用ポスターは、現在千二百枚を交付されることになつておりますが、今回これを衆議院議員については五千枚、参議院地方選出議員については三千枚に増加すると共に、告知用ポスターはその掲示個所を移動し、他の演説会の告知用に再び使用し、又は一般の選挙運動用に転用できないものといたしました。この場合衆参両院議員の間でポスター枚数が違つておりますのは。参議院議員については、別にいわゆる五号ポスター、即ち一般の選挙運動用のポスター二千枚が認められているためであるとの説明であります。なお政党その他の政治団体の選挙における政治活動の規制及び政党等の機関新聞紙及び機関雑誌に関する制限は、参議院議員の選挙にも及ぼすことにいたしております。
 以上が改正案の主要な点でありますが、その他はおおむね選挙管理事務の整備及び現行法の整備であります。
 地方行政委員会におきましては、本月四日、衆議院議員森三樹二君より提案理由の説明を聞いたのち、数回に亘り衆議院側及び政府委員との間に質疑応答を重ね、慎重熱心なる審査を行いましたが、その詳細については会議録に譲ることをお許し頂きたいと存じます。
 本六日討論に入り、自由党の伊能委員は、「本法案はおおむね妥当と認めるが、ポスターの枚数のごとく、今後衆参両院の間に調整を要する点があるので、これらの点については将来これが是正を考慮することとして本案に賛成」の旨を述べられました。緑風会の小林委員は、「本法案の内容において基本的、実質的な要点に触れるところの少いのを遺憾とする、殊に選挙区制の問題が取上げられなかつたのは不満足であるが、今後選挙界粛正のため、小選挙区制を推進したい意思を持つていることをここに明らかにし、本法案に賛成する」旨を述べられました。社会党第四控室の若木委員は、「本法案の内容をつぶさに検討すると、言論の自由を尊重する上に配慮が十分でない点が見られるのは遺憾であるが、今後の是正を期待して本法案に賛成する」旨述べられました。日本民主党の寺本委員は、「個々の点については不満足な点もあるが、本法案が連座制を強化して国民の期待に応えた点は極めて適当であるから、本法案に賛成する」旨を述べられました。
 かくて討論を終り、採決の結果、本法案は、全会一致を以て衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました。以上、御報告申上げます。
 次に、只今議題になりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果について御報告をいたします。
 本法案は、今次の公職選挙法の一部改正に伴い、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正せんとするものであります。改正の内容を申上げますと、第一点は、衆議院議員及び参議院地方選出議員の候補者の選挙公報の字数、現行千五百字を二千字に増加し、新たに候補者の写真を掲載することとなり、又参議院全国選出議員の候補者の選挙公報の字数、現行五百字を六百字に増加することになりましたのに伴いまして、用紙代、印刷代等を増額し、選挙公報発行費の基準額を改定しようとするものであります。第二点は、公営施設使用の個人演説会場において拡声機の設備があるものについては、その拡声機の使用料を加算する規定を新たに設けようとするものであります。第三点は、衆議院議員の候補者の個人演説会告知用ポスターの枚数、現行千二百枚を五千枚に、参議院地方選出議員の候補者については現行千二百枚を三千枚に枚数が増加されることになりましたのに伴いまして、それぞれポスターの経費の額を改定しようとするものであります。第四点は、交通不便な島で特別に傭船を必要とする場合における経費の加算額の規定を新たに設けようとするものであります。第五点は、国の予算節減の方針に則り、当分の間基準額で算出した額の五%の節減を行うため、特に規定を設けようとするものであります。
 地方行政委員会におきましては、本月四日、政府当局より提案理由の説明を聞いた後、格別の質疑もなく、本六日採決の結果、本法案は全会一致を以て、衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたしました。以上、御報告申上げます。
 次に、只今議題になりました昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案の地方行政委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 本法案は、政府において警察制度の改正に伴う都道府県分警察費所要額の算定につきまして、五十六億円の過小算定があることが明らかになりましたので、警察費の算定替えを行うこととし、補正予算において要措置額四十億を地方交付税の総額に追加することになつたことに対応いたしまして、本年度の地方交付税について地方交付税法に所要の改正を行おうとするものであります。
 その内容の要点は、第一に、所得税及び法人税の収入額の百分の十九・八七四(現行十九・六六)、並びに酒税の収入額の百分の二十を以て本年度の地方交付税とすることであります。第二に、本年度分として交付すべき地方交付税の総額は所得税及び法人税の収入見込額の百分の十九・八七四(現行十九・六六)並びに酒税の収入見込額の百分の二十に相当する額の合算額とすることであります。第三に、すでに決定した本年度の普通交付税の額を変更することによる混乱を防止するため、本年度分の地方交付税について増加して四十億円は特に特別交付税の総額に算入するものとすることであります。
 本委員会におきましては、十二月三日、塚田国務大臣から提案理由の説明を聴取し、本六日、警察費の不足額の内容、交付税の率、法人税の自然増収等を見込んで率を定めた理由等について質疑が行われましたが、詳細は会議録により御承知を願いたいと存じます。
 討論において加瀬委員は社会党第四控室を代表して、交付税の性質、地方財政の窮乏等の見地に立つて反対、伊能委員は、本年度限りの止むを得ない緊急措置として賛成、小林委員は、便宜的に交付税の率を変えるのは不可であるが、止むを得ぬものとして賛成の意見が述べられました。次いで採決の結果、本法案は、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 御報告申上げます。
 次に議題になりました昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案につきまして、地方行政委員会における審議の経過と結果を御報告申上げます。
 本法案は、本年七月の大雨、八月、九月の台風及び八月の冷害により被害を受けた地方公共団体に対し、地方財政法第五条の規定にかかわらず、地方税等の減免により生じた財政収入の不足を補う場合及び風水害等に係る災害救助対策、伝染病予防対策、病害虫駆除対策、農機具対策等の財源とする場合におきましては、起債を財源とすることを認めると共に、この地方債については、資金運用部資金、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金を融資することとし、その利息の定率及び償還方法は政令で定めること等を内容とするものでありまして、衆議院提出に係るものであります。
 本委員会におきましては、本日六日、衆議院議員加藤精三君より提案理由の説明の後、本法案に対する政府の意見について質疑があり、これに対し政府委員から、「昨年の類似の法律より弾力性がある故、止むを得ない。ただ七月の大雨にまで及ぼすのは範囲を拡げ過ぎる。当大蔵当局も本法案は了解している」旨の答弁がありました。
 次いで討論において伊能委員から、七月の大雨を含めることは、他の同種類の特例法との均衡上不適当であるから、これは削除すべきであるとして、修正案が提出されました。次いで採決の結果、伊能委員の修正案は、多数を以て可決され、修正部分を除いた衆議院送付案は、全会一致を以て可決されました。かくて本法案は、多数を以て修正可決すべきものと決定いたした次第でございます。
 以上、御報告申上げます。(拍手)
#141
○議長(河井彌八君) 別に御発言もなければ、これより四案の採決をいたします。
 先ず公職選挙法の一部を改正する法律案
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案
 以上、両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#142
○議長(河井彌八君) 総員起立と認めます。よつて両案は、全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#143
○議長(河井彌八君) 次に、昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案、全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#144
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#145
○議長(河井彌八君) 次に、昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案、全部を問題に供します。委員長の報告は、修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#146
○議長(河井彌八君) 過半数と認めます。よつて本案は、委員会修正通り議決せられました。
 次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は、決定次第公報を以て御通知いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後九時二分散会
     ─────・─────
○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 中央更生保護審査会委員の任命に関する件
 一、日程第二 検査官の任命に関する件
 一、日程第三 公安審査委員会委員の任命に関する件
 一、日程第四 社会保険審査会委員の任命に関する件
 一、日程第五 日本銀行政策委員会委員の任命に関する件
 一、日程第六 文化財保護委員会委員の任命に関する件
 一、日程第七 竹島問題に関する緊急質問
 一、覚せい剤取締に関する緊急質問
 一、佐藤の暴騰に関する緊急質問
 一、北海道、本州間の輸送事情に関する緊急質問
 一、日程第七 水稲健苗育成施設普及促進法案
 一、日程第八 北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案
 一、昭和二十九年の台風による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案
 一、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案
 一、昭和二十九年八月及び九月の風水害による被害小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案
 一、漁船再保険特別会計における特殊保険及び給与保険の再保険事業について生じた損失をうめるための一般会計からする繰入金に関する法律案
 一、農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案
 一、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案
 一、町村合併促進法の一部を改正する法律案
 一、昭和二十九年度一般会計予算補正(第1号)
 一、昭和二十九年度特別会計予算補正(特第2号)
 一、昭和二十九年度政府関係機関よ補正(機第1号)
 一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
 一、自衛隊法の一部を改正する法律案
 一、昭和二十九年八月及び九月の台風並びに同年の冷害による被害農家に対する米麦の売渡の特例に関する法律案
 一、昭和二十九年の台風及び冷害の被害農林業者に対する資金融通に関する特別措置法案
 一、国有の炭鉱医療施設の譲渡及び貸付に関する特例法案
 一、昭和二十九年産米穀についての超過供出奨励金等に対する所得税の臨時特例に関する法律案
 一、公職選挙法の一部を改正する法律案
 一、国会議員等の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案
 一、昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案
 一、昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案

ソース: 国立国会図書館
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