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1954/12/06 第20回国会 参議院 参議院会議録情報 第020回国会 地方行政委員会 第3号
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1954/12/06 第20回国会 参議院

参議院会議録情報 第020回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第020回国会 地方行政委員会 第3号
昭和二十九年十二月六日(月曜日)
   午後一時五十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員松澤兼人君辞任につき、その
補欠として村尾重雄君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     中田 吉雄君
   理事
           伊能 芳雄君
           館  哲二君
   委員
           伊能繁次郎君
           古池 信三君
           松岡 平市君
           長谷山行毅君
           片柳 眞吉君
           小林 武治君
           加瀬  完君
           若木 勝藏君
           村尾 重雄君
           寺本 広作君
           須藤 五郎君
  衆議院議員
   公職選挙法改正
   に関する調査特
   別委員長    森 三樹二君
           鍛冶 良作君
           加藤 精三君
  政府委員
   自治政務次官  石村 幸作君
   自治庁行政部長 小林與三次君
   自治庁選挙部長 兼子 秀夫君
   自治庁財政部長 後藤  博君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一郎君
   常任委員会専門
   員       伊藤  清君
  衆議院法制局側
   参     事
   (第一部長)  三浦 義男君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○町村合併促進法の一部を改正する法
 律案(中田吉雄君外十三名発議)
○公職選挙法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○国会議員の選挙等の執行経費の基準
 に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和二十九年度の地方交付税の総額
 等の特例に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○昭和二十九年七月の大雨、同年八
 月、及び九月の台風並びに同年八月
 の冷害により被害を受けた地方公共
 団体の起債の特例に関する法律案
 (衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中田吉雄君) 只今より委員会を開会いたします。
 ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(中田吉雄君) 速記を始めて。
 それでは懇談に入ります。
   午後一時五十九分懇談会に移
   る。
   ―――――・―――――
   午後三時七分懇談会を終る
#4
○委員長(中田吉雄君) 懇談会を終ります。
 それでは町村合併促進法の一部を改正する法律案を議題に供します。提案理由の説明を求めます。
#5
○伊能芳雄君 只今上程せられました町村合併促進法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申上げます。
 昨年当委員会におきまして、党派を超越した全員の共同提案により成立を見ました町村合併促進法は、施行後一年余の時日を経過いたしたのでありますが、この間における町村合併の進捗は見るベきものがあり、本年十一月一日現在において町村合併による町村数の減少は、二千二百余を数え、今後もいろいろと問題はありますが、全体として合併は着々と進む機運にあるのであります。これはひとえに町村合併促進法が世論の求めるところに合致し、且つ適切な内容をもつて制定せられたが故にほかならないものと思われるのであります。
 当委員会といたしましては、単に同法の制定にあずかつたのみならず、その後の町村合併の実施の実情について常に検討を重ね、数次に亘つて必要な改正を加え、町村合併の円滑な実施について努力を続けて参りました。併しながら、今回の町村合併の事業は、明治二十一、二年の大合併以来の画期的なものでありますだけに、その事情は誠に複雑多岐を極め、町村合併の進捗に伴い、立法当初は勿論のこと、その後の改正の際におきましても、予期し得ないような困難な問題が数多く生じて参り、それらのうちには立法的解決を要するものも少からずあるのでありまして、これらの点について常に機を失せずして適切な措置を構ずることが、この大事業を完遂する上に絶対必要でありますことを痛感する次第であります。
 殊に明年四月の地方選挙を控えて、それまでに町村合併の全体計画の八〇%の目標を達成しようといたしており、現在町村合併の最も重要な段階にあるのでありまして、合併の促進上有効な措置は緊急に講ずる必要があると存じております。かかる意味におきまして、緊急止むを得ない最小限度の改正を行わんとするものであります。以下本法案の内容につきまして、その概略を六項目に分けて申上げます。
 先ず第一は、市町村の一部の境界変更、いわゆる分村に関する手続をより合理的にしようということであります。町村合併の実施に当り、往々にしていわゆる分村に関する一部の地域住民の要望と関係町村議会との間に意見の食い違いが見られ、且つ、これをめぐつて紛争の事例が少くない実情に鑑みまして、この際地方の具体的実情と関係住民の福祉とに鑑み、必要と認められる境界変更に関する手続を容易にして、町村合併が円滑に行われるようにしようというのであります。即ち、境界変更については、現行法では住民投票において有権者の五分の四の賛成を必要とするのでありますが、これを引き下げ、有効投票の三分の二で足るものといたしますと共に、境界変更について都道府県知事も町村合併促進審議会の意見を聞いて勧告した場合においては、従前の住民の連署の手続を要しないものとし、且つ、このような特例を合併後だけではなく合併の途中においても認めようとするものであります。
 第二には、合併が予算されている町村が合併前においてその事務運営を誠実適正に行い、いやしくも促進法の趣旨に反する不当な事務処理により、累を新町村に及ぼし、その一体性の確保と健全な建設に支障のないようにしようというのであります。これがために、合併前に、合併を見越して不当に基本財産等を処分し、又は確定的財源なくして新たに営造物の設置その他の事業を施行し、負債を新町村に持ち込む結果となるような虞れのある処分として政令で定めるものを行おうとするときは、都道府県知事の承認を要するものとし、なお、かかる不当な財産処分や事業の実施がなされたときは、知事においてこれを取り消し又は中止を命ずべきものとし、以て円満な町村合併の促進と健実な新町村の建設を確保しようとするものであります。
 第三には、町村合併に伴う町村の区域の変動によります小作地又は小作採草放牧地の所有関係につきましての農地法の特例に関する現在の第二十条の規定を整備いたしまして、取りあえずいわゆる在存地主としての取扱いを境界変更当時の所有者に限らず、その一般承継人に承継の際同一世帯にある者にも及ぶ旨を明確にしようとするものであります。
 第四には、都道府県の議会の議員の改選を明春四月に控えまして、選挙の直前に至つてもその選挙区が未確定のままに放置され、これがため町村合併に支障を来たすようなことのないようにするために、選挙区に関する特例条例を設けようとするときは、次の一般選挙については、明年二月末日までに設けなければならないとしたいのであります。
 第五には、促進法施行前に合併した町村に対する促進法の適用に関する現行の規定を整備して、市町村の一部の境界変更に関する特例や、国の行う財故援助が町村合併によつて不利益とならないように措置される特例の規定も、促進法施行前五カ年以内に合併した町村に及ぶこととし、町村の規模の適正化のために進んで合併した町村に対して不均衡の取扱いとならないようにしようということであります。又促進法施行前五カ年以内に、町村を編入した人口五万以上十万未満の市が、その後の合併により促進法の準用を受けることとなりますときに、従前の町村の編入処分に関しても、町村合併とみなして促進法の準用があるものとし、同じく不均衡を是正し、将来の合併を促進したいのであります。
 第六は、都道府県知事の町村合併に関する勧告の手続についてでありまして、現在は地方自治法の定めるところにより、都道府県及び関係町村の議会の議決その他の手続を必要とし極めて複雑でありまして、実情に即しないので、これらのものに代えて、町村合併促進審議会の意見を聞けば足るものとし、町村合併計画の作成手続を合理化することが適当と存ぜられます。
 以上が本法案の内容の概略であります。実のところこれらのほかにもなお町村合併の推進上措置を講じたい点もあるのでありますが、今国会の性格にも鑑み、緊急止むを得ないもの以外は来るべき次の機会に譲り、最高潮に達そうとしています町村合併を促進するために必要最小限と認められるものばかりをとり上げたのでありますから、何とぞ御審議の上速かに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
#6
○委員長(中田吉雄君) 御質問ありませんか。
#7
○小林武治君 本案につきましては、当委員会としてはしばしば協議懇談を重ねた結果でありまするので、この際本案についての質問討論等は省略いたして、直ちに採決に入ることの動議を提出いたします。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(中田吉雄君) 小林君の御発言に御異議がないものと認めます。
 それでは質疑討論は省略いたしまして、直ちに町村合併促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 町村合併促進法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#9
○委員長(中田吉雄君) 全会一致であります。よつて町村合併促進法の一部を改正する法律案は、原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の討論の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承知を願うことに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(中田吉雄君) 御異議はないものと認めます。
 次に、本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書について多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可とせられますか方は順次御署名願います。
  多数意見者署名
   伊能 芳雄  館  哲二
   伊能繁次郎  古池 信三
   松岡 平市  長谷山行毅
   片柳 眞吉  小林 武治
   加瀬  完  村尾 重雄
   寺本 広作
#11
○委員長(中田吉雄君) 御署名漏れはございませんか……御署名漏れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#12
○委員長(中田吉雄君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#13
○委員長(中田吉雄君) それでは速記をつけて下さい。
 公職選挙法の一部を改正する法律案(衆第九号)を議題に供します。それでは質問して下さい。
#14
○松岡平市君 私はこの回付された法案については、たくさんの疑義を持つておるし、又これについては相当論議を加えたいという点もあるし、なお又法律の各条についてこの機会にはつきりするために提案者に質疑を加えたいと思うのでありますが、いろいろな事情を鑑みまして、それらのものを一切とりやめます。そして私は速かにこの法案が本委員会において採決せられることを希望だけいたします。同時にこの選挙法については、特に私は曾つてここで長い間論議されておつた緑風会案と称するものについて、十分な検討を我々はお互いに加えて来ておつたわけであります。この趣旨を新らしく回付された法案で必ずしも取上げておらん重要な部分がたくさんあるわけであります。近い将来において、この選挙法は改めて十分この委員会で検討するということを特に私は希望として申述べて、質疑等を省略したいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#15
○若木勝藏君 今のは動議ですか。希望でしよう。それでは今松岡さんの希望もありましたけれども、この間折角我々質疑しようと思つたら、委員長のほうからもう少し待つてくれというふうな工合で、それで質疑を残しておりますから、いま暫く内容について私は質疑をしたいという希望を持つております。
#16
○寺本広作君 ほかの方から質問がなければ、私から一つだけお伺いいたします。今度の改正案で私設の立会形式の演説会を禁止する建前の下に、候補者共同主催以外には第三者が候補者のために行う演説会を認めないことになつております。こういうふうな修正をされた御趣旨は、公営立会演説会との重複のために特定の候補者が欠席をすると、その場合に欠席者を攻撃するというような弊害があるからこういうふうな改正をしたいというように御説明を承わりましたが、併しながらこれは従来婦人会、青年会などの主催の立会演説会は相当頻繁に行われておりますし、又何らの弊害もない場合も相当多いと思う。それで有効に行われておるのを特に一部に弊害があるからと言つて、全面的に禁止されるのはどうかと思いますが、この点について立案者の方の重ねての御意見が承われれば幸いだと思います。
#17
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 只今のお尋ねの点は御尤もだと存じまして、これを審議いたします場合にもお説のような意見もございましたが、結局公営の立会演説公が行われておつて、今度はその回数をできるだけ多くするようにという規定も設けましたので、それらの点から申しまして、それ以外の私設の立会形式の演説会に出るということは、いわゆる全般的な問題としては候補者にとつて相当過重にもなるし、又いろいろ無理も出て来る。それと先ほど御指摘になりましたような弊害の面等もありまするので、公営の立会演説会の拡充ということによつてカバーをして行つて、弊害のある私設形式のものはこの際やめたほうがいいじやないか、こういうことに結論がなりましたわけであります。併しながら、そうなりましたからと申しましても、今度の改正でもございまするように、候補者同士が相互に意思を通じ合いまして、共同の演説会というものを行うことはできまするので、それを新聞社或いは青年会等が後援するなり形式的に主催したような形にいたしましてやることは、今度の改正案で別に否認しているわけじやございません。たい一方的に、主催者側が相手方お互い同士に話合いをつけて、同意しないのだ一方的に甲の候補者、乙の候補者それぞれに通知を出して、来なかつた場合には相当不参だというようなことによつて処理して行くような方式は弊害があるから、それはやめたほうかよかろう、こういうことでございます。
#18
○寺本広作君 只今の御説明でございますが、なお重ねてお伺いしたいと思いますのは、立会演説会の回数が相当殖えるからというお話でございますが、この点は今度の改正案では百五十三条で「事情の許す限り、その回数を多くするように努めなければならない。」ということで、訓示規定に過ぎないものになつております。又必要があれば候補者共同主催でやればいいじやないかというお話でございますが、この点は候補者の中に一人演説の不得手のものがおるということになれば成立たんわけであります。の訓示規定が非常にきいて、お話の通りこういう私設の立合演説会をやつても候補者が出る余裕がないほど百五十三条の修正案がきいて来れば、問題はないと思う。あとの候補者の共同主催の途があるから私設の立会演説はやめたほうがよかろうという点は、公営の場合でも立会演説を逃げる候補者も相当あることでありますから、共同主催というものは実際はやろうとしてもなかなかやりにくかろう、やろうとすれば候補者の過半数の共同主催くらいでないとこの規定は生きて来ないと思いますが、如何でございますか。
#19
○衆議院法制参事(三浦義男君) 今の候補者の共同主催の演説会は、法律的に申しますれば二人以上意思が疏通して行うということの決定さえ行われれば結構でございまして、そこから立候補いたしておりまする全体の候補者の過半数とか、或はすべてが参加しなくてもよいことに法の建前はなつております。
 それから先ほどお話の立会演説会の回数の問題は、今度の改正案でももとより回数を法律的にはつきり規定したわけではございませんで、努力目標的な規定を置きましたに過ぎません点は、確かにさようでございます。
#20
○寺本広作君 今の御説明で私納得いたしました。
 なおもう一点だけお伺いしておきたいと思います。これは私ども党内の衆議院側の委員との連絡によれば、非公式に事情はわかつておりますが、なお後日のために公けの席で明らかにしておく必要があろうと思いますのでお尋ねするわけでありますが、選挙運動の公営の項でポスターの枚数の問題でありますが、従来衆議院の選挙並びに参議院の地方区では、おのおのポスターの数は千二百枚と、そのほかに参議院では演説会告知用でないポスターが二千枚あつたわけであります。従来の制度は、衆議院の選挙と参議院の地方区の選挙は、全県一致の場合は別でありますが、そうでない大部分の地方区においては、参議院のほうが衆議院のほうより選挙区も広いし、又選挙人も多いということでポスターの数は、演説会の告知用では衆参共に同数、そのほかに参議院は告知用以外のポスターが認められておつたと思うのでありますが、今度の改正では、衆議院は五千枚、参議院は三千枚というふうになつておりますが、これについての事情を承わりたい。
#21
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 演説会の告知用ポスターにつきましては、選挙法の百六十四条の二の八項のところで、「候補者一人について、三千枚を交付する。」こういうことになつておりまして、二百一条の三の二項で、衆議院の選挙におきましては、その告知用ポスターを五千枚交付すると、こういうことになつておるわけでございます。従いまして、それだけを見ますと、如何にも参議院の地方選出議員との町の権衡の問題が起つて来るように考えられますが、実は只今もお話がありましたように、参議院選挙につきましては、それ以外にいわゆる選挙運動用ポスターを認めておるわけであります。ところが衆議院議員の選挙につきましては、選挙運動用ポスターは認めていないのでございます。同じポスターにつきましても、両方においてさような取扱いの相違があるわけであります。これはこの前の選挙法の改正の際に、告知用ポスターを千二百枚といたしましたときに、これは参議院の地方選出の方も含めましてそういうふうに考えておつたと思いますが、その場合に参議院におきましては特に御修正になりまして、参議院はそれ以外に更に選挙運動用ポスターは従来通りに認めるのだというようなことに御決定になりましたので、今度改正案を立案いたしまする際には、そのときの御意思を尊重いたしまして、やはり個人演説会告知用ポスターと選挙運動用ポスターは併存するほうが参議院の御意思であろうというように私考えまして、衆議院につきましては告知用ポスター五千枚限りでありまするが、参議院はさように分けましたわけであります。従いまして、参議院の地方選出につきましては、三千枚の告知用ポスターのほかに、選挙運動用ポスターが百四十四条の第一項第一号の規定によりまして二千枚交付されることになりまするから、合せて最低五千枚ということになるわけでございます。なおそれ以外に、参議院の地方選出は衆議院の選挙区よりも広い場合がありまするので、その場合におきましては、衆議院の選挙区が一つを超えますごとに千枚ずつ増して行くと、選挙運動用ポスターについてさような規定になつておりまするので、そのほうがおのずから融通性があつて、一県一区の地方選出の場合でなくして、一県の中に衆議院の選挙区が幾つか含まれておる場合におきましては、なお五千枚以上に余計のポスターが交付されるということになつて、実情に即するのではないかと考えまして、さようにいたしてございます。
#22
○須藤五郎君 ちよつと関連して……、そうすると、今の話ですと、大阪は選挙区が五区あるのですが、この五千枚のほかにもう五千枚追加できるということになりますか。
#23
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 五区でございますと、今の三千枚は別問題といたしまして、五区のうちの一区につきまして二千枚もらいますから、それで五千枚になりまして、あとの四区について、一区ごとに千枚でございますから四千枚、従いまして九千枚、こういうことになります。
#24
○寺本広作君 その千枚は演説会告知用のポスターですか、それとも一般用のポスターですか。
#25
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 今度は個人演説会告知用ポスターは厳重に制限いたしまして、枚数を殖やしました代りに、告知用だけに限るということになりました。これで一度貼りつけて他にもう一度使つたり、或いは告知用以外の選挙運動用に使つたりすることはできないように規定を置いてございます。それは今度の改正案の百六十四条の二の十一項でございます。ところが先ほど申しました従来からあります選挙運動用ポスターの二千枚は、選挙区に応じて更に殖えて行く。その選挙運動用ポスターは告知用に限らず一般の選挙運動用に自由に使えますから、融通自在と、こういうことになつております。
#26
○若木勝藏君 先の寺本さんの御質問に関連するのでありますが、立会演説会の事情の許す限り回数を多くするというようなこと、これは法文には明瞭には現われないわけですね。およそどのくらいの目途というふうなことになるのですか。事情の許す限りというのはどういうようなお話ですか。その点を。
#27
○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点は一応法文の中には、百五十三条に新らしく四項を加えまして、「立会演説会の開催については、事情の許す限り、その回数を多くするように努めなければならない。」という規定は一応置いてございます。併しながらこれをどの程度に殖やすかという問題につきましては、それぞれ地方の事情もございますし、又管理委員会の選挙執行のいろいろの観点から考えまして、この趣旨に沿うてできるだけ多くやるということにしてもらうということになつておるわけでございます。最初は少くとも一日三回以上は立会演説会を開くようにしなければならないというような案も考えられたのでございまするが、あまりに法的に縛りますると、実行不可能な場合におきまして支障を来たす場合もございまするので、それらはおのずから実情に即して運営してもらうということになつております。実際現在どのくらいに開かれておりまするか、又この結果どの程度にこれを殖やす見込があるかということは、自治庁当局から説明をして頂くと結構だと思います。
#28
○政府委員(兼子秀夫君) 立会演説会の従来の実績につきましては、三十回を若干上廻つておる程度でございます。ただ石川県の第二区の選挙区の場合におきましては、回数が非常に多くて、一回の演説時間が非常に短い。こういうふうな実情があるようです。でありますから、選挙区の距離等の事情によりまして非常に回数に制限を受ける。我々といたしましては、できるだけこの規定に基きまして、回数を多くするように計画をいたしたいと考えております。ただ選挙が重なつたりいたしますと、そうしますと公営の施設等に無理が起つて来ますので、個々の選挙区の事情、そのような事情によつて選挙管理委員会が回数をできるだけ多くやつて行くようにいたしたいと思つております。
#29
○若木勝藏君 そうしますと、この回数というのは、今のお話からも考えられるのですが、一回における一人の演説者の時間に私は関係して来ると思うのです。そうすると、その回数はやつぱり一回に三十分くらいの演説をやらせるというふうな面から割出しますか、或いは回数のほうを基準にして時間を生み出して行く、こういうふうなどちらのほうの考え方で自治庁は従来やられているのですか。
#30
○政府委員(兼子秀夫君) その点につきましては、各府県の選挙管理委員会、それから立候補者等の御相談によつて従来きめておるようであります。只今申上げました例で行きますと、一人の演説時間が十五分というようなところもあるようでございますが、あまり演説時間が短いのは立会演説会の趣旨から申しましてどうかというふうに考えておりますが、個々の現場の処理にまかせておる次第であります。
#31
○若木勝藏君 三浦法制部長さんにお聞きしたいのですが、さつきの寺本さんの御質問に対する御答弁で、立会演説会のところで御質問があつたようですが、私どうもその点がはつきりしないので伺いたいと思うのです。私設立会の形式の演説会を禁止する建前の下に、候補者が共同主催以外に第三者が候補者のために合同して行う演説会を認めないこと、そこで新聞社とか或いは青年会というふうなものは、この候補者が共同主催以外の第三者になるわけですか、その点なんです。
#32
○衆議院法制局参事(三浦義男君) それはさように考えております。そういうことになります。
#33
○若木勝藏君 そうしますと、先ほどのお話で何か新聞社、それから青年会のお話がありましたが、候補者が共同主催して、そしてそれに青年会とか或いは新聞社がタツチするということに、後援という形になりますが、そういう場合は、これは候補者の共同主催とみなして差支えない、こういうことになりますか。
#34
○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点はさように考えております。
#35
○若木勝藏君 それではその点ははつきりいたしました。
 そこで鍛冶さんにちよつとお伺いしたいのですが、第三者が候補者のために合同して行う演説会を認めないこと。こういうような演説会を認めなくなつたところのいろいろ御議論なり御趣旨なりがあつたと思いますが、その点をお伺いします。
#36
○衆議院議員(鍛冶良作君) これは一昨日も私申上げたと思いますが、候補者に関係なく第三者で主催するとしますと、殊に、今の改正しますと、立会演説を多くやることになると、なお更ですが、片方で公営の立会演説会がある、それに構わずこちらでやりますから、出られる人もありますが、どうしても出られぬ人もあります。そして出られぬ人は必ず悪口を言われる、そういうことから候補者に関係なくやることはやめよう、こういうことから考えました。もつと悪いのになりますと、或る一部の人が出られる時間だけやつて、片方が出られぬことを知つていながらやる場合もなきにしもあらずです。そういうこともあると思います。候補者自身が、君と僕でやろうかというのはよろしい、向うからこつちに強要してやろうということは一切やめよう、こういう考え方です。
#37
○若木勝藏君 それは併し根本的には、選挙の機会に、いわゆる言論の自由であるとか、或いは政策の浸透であるとかいう基本的な考え方から行くと、そういうまずいことがあるので、基本の立場は、それによつて制限してしまうというふうに、私はそう考えるのですが、そういう点はどうしてもそういう制限を加えなければ、弊害のほうに流れるというお考えですか。
#38
○衆議院議員(鍛冶良作君) 今申上げましたように、我々実際に困つたことがたびたびあつたものですから、それでそういうことを考えたわけでございます。その代り差支えのない人だけ相談してやろうというなら、これは一向構わんわけです。
#39
○若木勝藏君 この無料葉書ですね、これは一万枚に現行通りなつたわけですが、これはこの前の改正のその前におきましては、確か三万枚であつたのです、従来は。それをこの前に金がかかるとか何とかいうことでなるべく金をかけないようにするという建前から、これを一万枚に減らしたように思うのです。そういうことをやるというと、結局表面に出るこういう金は節約されるかもしれんけれども、併しそのために裏の一つの腐敗した政治が行われるのじやないかということで、大分私はそれを問題にしたのでありますが、どうでしようか、公営をまああなたのお話の通り主体にして行くということになれば、やはり一万枚を三万枚にするという、これは増加するのが本当じやないでしようかね。その点についての御意見を伺いたいと思います。
#40
○衆議院議員(鍛冶良作君) これは随分議論がありまして三万枚説、全廃説、二万枚説等があつて、これは行つたり来たり、行つたり来たりしておるうちに、とにかく現行通りにしようと、しようがないというところに落着いたわけであります。議論はあなたの今おつしやつたような考え方で議論が出ました。それからもう一つは、相当有権者に行き亘るように葉書を出すならばいいが、どんなに少なくても三十万人ぐらいの選挙区を持つていながら一万枚ぐらいの葉書を出したつてしようがないじやないか、だからいつそのことやめようじやないか、こういう議論等が出ましたが、やはりそれくらいのものがなければいかんだろうということでそこに落着いた、そういう次第でございます。
#41
○若木勝藏君 これはこの前の改正のときに相当問題になつたのですが、山間僻地の方面にこういうふうなことを知らせて徹底させるということは、これは無料葉書以外にないだろう、こういうことからこれは減らすということは、どうも公明選挙に却つて反する場合が出て来るんじやないか、そういうことで相当私は今回議論があつたんじやないかと思つて伺つたわけであります。まあ我々から見ればどうも残念なように思うのであります。
#42
○須藤五郎君 関連して。今度のこれを見ていると、鍛冶さんのように名前が売れて古顔の人には問題ないと思うのです。ところが新顔の人が出る場合に連呼制を禁止する、ポスターの数は少いということで、衆議院はともかく参議院の地方区の人々などは非常な困難を来たすと思うのですね。ですから衆議院が一地方選挙区に五千枚もポスターを使うなら、大阪は五区あるのですが、大阪だつたら二万五千枚のポスターを使つても衆議院と同じであるとと、そういう結果になると思うのです。連呼制を禁止するなら連呼制を禁止するでいいが、その代り徹底させるためにはポスターの数を殖やすという方針が私は正しいと思つておるのですが、そうじやないのですね。それを鍛冶さんなんか自分が顔が売れているからそれでいいというような安易な気持で、非常に新しい候補者が出て来るのに不利益な条項をわざと作つているような感じがするのですが、その点はどうですか。
#43
○衆議院議員(鍛冶良作君) そんな考えはございませんが、それは同様その議論があつたことは事実でございます。これは減らしませんよ、今度は大変殖えたのですよ。それというのもやはり私はそう殖やさんでもいいだろう、第一こういうことなんです。氏名掲示のためのポスターというものはそれをやらなければならないという議論もありました。公営でやります氏名掲示、私はあれをもつと徹底したいいものにすればこのポスターは要らんのじやないか、こういう考え方を持つております。そこでそうすれば、その代りあまり思うようにならんかもしらんが、私は一定の企画を以て氏名掲示をやるように原案を作つてみたが、これを自治庁のほうではどうもそうやられても予算が出なかつたりするとできないことになるから、それで不徹底ながらできるだけ改正するということで、予算の許す限り立派なものにして行こう、こういうふうになれば、ポスターは要らんということになつたのですが、今あなたのおつしやるように何時からどこそこで演説会をやりますというのは、これも連呼ですから、これをやめようと言つた以上はもつと演説会告知のポスターを殖やさなければならないと、こういうことで五千枚になつたのですが、これは最初の原案からみると大変な殖え方だつたのですが、もとは一千二百であつたのですが、それを五千枚にした、こういう実情でございます。
#44
○須藤五郎君 この前の選挙の経験から言いますと、実際告知が非常に足りないと思うのですが、選挙会場の近所に行つても殆んどポスターが見つからないで、非常に少いために徹底しないということで、結局要するに選挙が国民に徹底しない、政見が国民に徹底しない状態で、そうして選挙を行えば、これは顔のきいたボスが有利だということは明らかなんですが、どうもそういう感じがして仕方がないのですね。ですから私たちの主張としては、やはりポスターをもつと殖やすべきだ、それで衆議院が一選挙区で五千枚であるならば、参議院の選挙区はやはり衆議院の選挙区五千枚という標準で、四選挙区の場合は二万枚、五選挙区の参議院の選挙区は二万五千枚というようにポスターの数でも殖さなかつたならば、どうも徹底しないように私は思うんですね。
 それからもう一つこの選挙用のポスターに写真を入れることは従来通りいいのですか。この前の私は選挙のときは写真が入つたのです。
#45
○衆議院法制局参事(三浦義男君) それは選挙運動用ポスターのほうはかまいません。個人演説会告知用のほうはそれはできない。
#46
○須藤五郎君 それから、そこで私はここに選挙候補者の写真の問題がちよつと出ていますのですが、写真は選挙用ポスターにはいいということになると、その選挙用ポスターの写真に対する企画なり何もないのですか。きめられていないのですか。
#47
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 写真につきましては、法律の上では大きさをきめませんで、命令に譲りまして、自治庁のほうできめて参る、こううい建前をとりましたのでありますが、大体大きさは……。
#48
○須藤五郎君 選挙用ポスターの写真ですよ。
#49
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 私が今申上げておりましたのは、選挙公報に今度新らしく載つかることになりました写真の大きさの問題を申しておりましたのでありますが、選挙運動用ポスターにつきましては写真の大きさ等の制限はございませんから、これは個人の候補者の自由意思によつて適当にできるのでございます。
#50
○須藤五郎君 これは本人に限るのですか。附随したものが写真へ入つておつてもいいのですか、どうですか。その規定はあるのですか。
#51
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 現在選挙運動用ポスターの記載事項につきましては特別の制限規定は何もございません。ただ掲示責任者が住所氏名を書くということになつておりますので、それは選挙運動に関する限りにおいては差支えないことだと考えております。
#52
○須藤五郎君 これはおかしい質問ですがね、その人がまあ六十歳の人が候補者に立つ、併しその写真は四十歳頃の写真であるということも可能であれば、禿頭の候補者がかつらを付けて写真をとつても可能であるが、そういう場合もあるのです。そういうことに対する規定は何もないのですか。
#53
○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点については別に制限規定はございませんから、適当に何とお載せになつてもいいと私は解釈いたしております。
#54
○須藤五郎君 そうすると、そこで今禿頭の候補者が立候補した場合に、その人が三十歳ぐらいの青年時代の写真をそれに出すとか、かつらを付けた写真を出すということになる。それが果して本人の写真なりや否やというところに私は問題が起つて来ると思います。禿頭の人が立候補するのに立派に毛の生えた人が立候補しているというのは、どうもこれは本人ではないのじやないかという気がするのですが、それに対する考え方はどうですか。
#55
○衆議院法制局参事(三浦義男君) それはまあ曾つて本人であつた人の写真であれば、私はまあ差支えないのじやないかと考えております。何も写真は今現在の姿そのままを載つけなければならないということはないのでございまして、やはり経歴等もいろいろ載つけることも差支えございませんで、その意味から言えば小学校時代からの経歴があり得るわけです。ですから写真も同様に小学校時代からの写真もあり得る、かように私は考えております。
#56
○須藤五郎君 そこで私は本人の写真ということに疑念が生じるるわけです。立候補しているのは本人で、本人というのは立候補している本人です。立候補していなかつた曾つての本人の写真が出て、それを本人だと主張するところに私は少しおかしい問題があると思う。私はなぜこういうことを言うかというと、私はこの前立候補しましたとき、私の姉が来まして、何であんな人相の悪い写真を載せたか、もう少しきれいな男前の写真を載せたら票が殖えるだろうにと私に姉が言つたことがある。というのは、しろうとがとつた写真なので、私のような色男をとても恐い顔にとつた写真を選挙用ポスターに使つたのですが、そうすると、私の姉があれでは票が減るよと注意に来たことがあるのです。そうすると、恐らく候補者が自分の顔でもない、禿頭でもない写真を載せるかもしれんですよ、選挙用のために。それが果して本人の写真であるかどうかというところに私は非常な疑いを持つわけなんです。それに対して何もないのですか。
#57
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 現在のところそれについては何も制限の規定はございません。ただ御承知の通り、新聞等につきましては虚偽の事項を記載したり、又しました場合についての制限規定はございますけれども、ポスターの記載事項についての制限は一切現在の規定では何もないと、こういうわけです。
#58
○須藤五郎君 そこでもう一つ私はいい知恵を授けるような質問になるかもわからないが、それじや私が或るきれいな女優さんと並んで写真をとる、そして私は二人の、女優さんと並んだ写真を選挙用ポスターに載せる、それは制限はございませんか。
#59
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 要するに、選挙運動の法定額の範囲内であれば、それが選挙運動に関する事項であれば、その範囲内において何でも自由だと、こう申上げるより仕方がないと思います。
#60
○古池信三君 ちよつと三浦部長にお尋ねしたいのですが、先ほどのポスターに関する御説明を承わつておりますと、衆議院のほうは五千枚で、参議院の地方区は三千枚だけれども、参議院のほうにはそのほかに選挙運動用が二千枚認められておるから合計五千枚になるので、衆議院に比べて不均衡はないと、こういうような御説明だつたと聞いたのですが、そうですか。
#61
○衆議院法制局参事(三浦義男君) さようでございます。
#62
○古池信三君 そうしますと、現在の公職選挙法の百四十四条には衆議院議員と参議院地方選出議員と同じように書いてあるのですけれども、二千枚と、それはどうなんですか。改正になるのですか。
#63
○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点は衆議院の選挙の特例といたしまして現在もその規定はございまするが、二百一条の二だつたと思いまするが、そこで選挙運動用ポスターの規定を衆議院につきまして適用しないことになつております。従いまして、結果は私が申上げたようになつておるわけであります。
#64
○古池信三君 了解いたしました。
#65
○伊能芳雄君 もう一回今のことで、現在衆参議員両方とも千二百枚ですね。告知用ポスターは現在同じ千二百枚ですね。そしてそのほかに参議院議員については一般用があるということなんで、現在告知用については同じ千二百枚なんです。今度は差を設けた、それはどういう理由でしようか。
#66
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 現在は衆議院、参議院につきまして告知用ポスターだけを問題にいたしますれば、千二百枚で、参議院のほうはそれ以外に更に二千枚の一般選挙運動用ポスターが使えるから参議院の地方選出議員は三千二百枚、ところが衆議院はそれに比べて千二百枚しか使えないというので、現在では衆議院が非常に少いわけです。今度の改正によりましては、それを枚数的には大体同じ段階において考えて行く、こういうことでございます。
#67
○若木勝藏君 今の話がこんがらがつておるが、どちらも区域が、衆議院の一区が参議院の一区になつた場合にそうなる。ところが何かさつきのお話では、参議院の区域が五区に亘るときには更に四千枚殖える、こういう話ですね。一般告知用は、選挙運動用は、そうなつておりますね。
#68
○衆議院法制局参事(三浦義男君) そうでございます。
#69
○加瀬完君 森委員長が見えませんので、法制局並びに自治庁のほうにお伺いをいたしますが、この今度修正されました選挙運動用自動車が一台に限るとし、これ以外に候補者専用の自動車は従来通り認めるという項目があるのですが、今までの百四十一条の主として選挙運動のために使用される自動車という項目がありますね。これは候補者専用の自動車というものも、当然候補者というのは選挙の候補者でありますから、その選挙の候補者が使う自動車は当然選挙運動のために使用される自動車というふうに解釈されるものだと思われる。然るにもかかわりませず、候補者専用の自動車が選挙運動用自動車ではないという建前で一台使つていいということはどういう法的根拠によつてでございましようか。
#70
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 現在自動車につきましては百四十一条に、主として選挙運動のために使用される自動車は衆議院の選挙では一台、こういうことになつております。従いまして、それは自動車自体が主として選挙運動のために使われるという客観的な事実に基いたそういう形態のものは一台ということでございます。従いまして、それに候補者が乗りましようが、選挙運動員が乗りましようが、乗る人の制限は別にないわけであります。ところがその規定とは別に、これは別に一台の自動車を認めたという趣旨ではございませんが、現行の選挙法では百九十七条に、選挙運動の左に掲げるものは選挙運動の費用でないものとみなすという規定がございまして、その中の第四号に、候補者が乗用する船車馬等のために要した費用は選挙運動の費用でないものとみなす、こういうことになつております関係上、候補者自身が選挙運動用自動車以外の別の車に乗りました場合におきましては、それは費用に加算されない、こういうことになるわけであります。その加算されない事はそれが一時的に或いは一時間、二時間ちよつと借り上げて、乗る場合もありましよう。又或る場合は甲から乙地に行く場合に使う場合もありましよう。又或る場合はそれを長く借り上げまして、長期間使うという場合もあり得ると考えます。そういたしますると、長期間それを借り上げて使つた場合におきましては、それもやはり候補者自身が乗る場合であれば費用に入らないということになるわけでありまするので、そういう場合におきましては、いわゆる候補者の専用する車が一台認められたような結果になる、こういうことでありまして、初めから一台それが選挙運動用として専用自動車があるということを申上げておるわけではございません。併しながら、そういうことでございまするので、選挙運動用自動車は一台に制限されておりまするので、それが主として選挙運動用として使われるものになる、そういうようなものになればそれはどうかという問題は起るかもしれません。従いまして只今私が申上げました車は候補者だけが乗るので、選挙運動員がそれに乗れば当然選挙運動のための自動車ということになるだろうと思います。ただ、たまたま候補者が甲の演説会に行くために、ほかに車がないから運動員なりそこにいた労務者がそれに便乗して行くということであるならば、それはおのずから別個の問題だと、かように考えておるわけであります。
#71
○加瀬完君 その解釈がですね、昨日御説明を頂いた点だけからすれば、これ以外に候補者専用の自動車は従来通り認める、こういうまあ説明の結論はそうなのです。そうすると、従来通り候補者専用の自動車を認めるといいますけれども、従来候補者専用の自動車というものが、選挙運動用自動車のほかに認められておつたかどうかという問題なんです。で、今の御説明のように臨時に特別に車を借りて次の演説会場に行かなければならん、次の立会会場へ行かなければならないといつて臨時に借りるならばいいのですけれども、初めからもう選挙運動用の自動車はこれ、そこからこれは候補者自身が使う自動車、而も選挙に使う自動車というものをきめて乗つておつても、その自動車がやはり認められるかということになりますと、それを認めるという法規はどこにも出て来ないと思うのです。百九十何条ですか、それにもそういう内容ではないと思う。今の御趣旨から推しても……。併し昨日の御説明から伺いますると、まるでその自動車も結局候補者が選挙中心に使う専用車も一台認めるということになりますけれども、そういう御解釈か、こういう点を聞きたい。
#72
○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点につきましては、私は只今申上げましたように初めから候補者専用の自動車が別に一台あるという意味ではなくして、結果において候補者専用の自動車が一台使えるようなことになるとこういうことでございます。
#73
○加瀬完君 同じことじやないですか。
#74
○衆議院法制局参事(三浦義男君) それは立論と申しまするか、理論的な根拠において違うのでございまして、結果においては同じになるかもしれません。
#75
○加瀬完君 理論的に結局選挙運動用自動車という枠の中に、選挙に直接候補者の使うという自動車を認めないということであれば話はわかる。併しながら認めないという建前でやつておつて、毎日々々臨時にこれを借りたのだということで、結局選挙専用自動車と同じように使つても、結論的にはそれを認めるということであるならば、これは初めから選挙運動用自動車は二台を許したということと同じことになるのじやありませんか。そういうあいまいな内容の規定というものは、私は非常に選挙違反か何かの問題が出るときに、一方ではこれは選挙違反になるといつて、確実に一台しか使わない人と、使つても結論としては言い逃れができるという内容を持たせるような法規というものであるならば、その法規というものは非常にこの解釈をはつきりさせておかなければ、あとで争いの元になるのじやないか、そこで一体法制局の考えはどつちかということをはつきり伺いたい。一台だけしか許さないのかどうか、結局結論的には二台を許すのか、どちらですか。
#76
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 自動車の問題につきましては、今度の改正法で特に新らしく取上げた問題ではございませんので、ずつと前の選挙法時代からそのようになつておるわけでございまして、自動車は選挙運動用として使われるのが一台と、それから候補者の乗用するものは選挙費用の中に入れないと、こういうことにずつと前から規定がなつておるわけでございまして、今改めてその問題が起つたわけではございません。要するに解釈上選挙運動用自動車の一台のほかにそういう候補者の乗るようなものが認められるかどうかという場合においては、解釈上そういうように解される、こういうことを申上げておるわけで、この選挙法の規定の上で選挙運動用自動車が二台と書いてあるわけではございません。
#77
○加瀬完君 この現行の選挙法ができたときには、今言ような自動車を厳しく取締つたのです。その後もうこの自動車というものの取締りが非常にゆるくなつてしまつた。それでこういう解釈を新らしくするということになりますると、結局もう一台の自動車を使つてもいいということを許す結果になる。そういう誤解を生ずるような条文じやないかということを伺つているのです。
#78
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 選挙法の関係ではたびたび申上げますように、百四十一条に主として選挙運動用に使われる自動車は一台と、こういうことに衆議院の選挙には限定してございまして、それ以外にどこにも選挙運動用自動車を更に又一台使えるという規定はございません。従いまして選挙法の建前では、規定の上で選挙運動用自動車として認られておるものは一台である。併しながら選挙費用の関係から除外されておる規定がありますので、それを今解釈すれば、結局別に一台使えるようなことになる。これは例えば自分で持つておる車もありましようが、或いは一カ月ハイヤーみたいな形式で借り上げた場合も同様な結果になるわけでございまして、それは百九十七条の法定選挙費用から除外するところの規定の解釈の問題でございます。
#79
○加瀬完君 この百九十七条の法定選挙費用から除外すべきものとして、今おつしやるような車を使うことを除外例の車と認めていいかどうかという問題であろうと思うのです。それで百四十一条は明らかに主として選挙運動のために使用される自動車と規定しておる。そうすると、今問題になつておるように候補者が選挙運動のために専用車として使つておるものは、選挙運動のために主として使用される自動車という枠の中に当然入るベきものだと思う。百九十七条の法定選挙費用の外に出しているものは、これは臨時に汽車に乗る代りに急ぎのため車を借りた、或いは船で行くべきであるけれども、これは時間の関係で乗用車にしたといつたような場合のことであつて、初めから選挙運動に使う目的で選挙運動者が個々に一台、それを一緒に行動する候補者専用の自動車一台を法定選挙費用外で認めているのだから、これは主として選挙運動に使う自動車じやないという解釈を得るかどうかということなんです。私が言つたような具体例で、そういう車を初めから主として選挙運動に使つている自動車を百九十七条の除外例の車として認めるかどうか。
#80
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 百九十七条のところに書いてございまする自動車につきましても、これは本来選挙運動に関します費用であるけれども、選挙運動の費用から除くということでございます。従いまして百九十七条にいろいろ列記しておりますものは、本来すべて選挙運動に関する費用であるわけであります。ところがそれは特別に選挙運動の費用から除外するわけでありまするから、やはりその使われております車は、厳密な意味においてはおつしやる通り選挙運動に関する車という性質を帯びておるかもしれないけれども、併しながらそれは費用から除くというのでありますから、結局においてその車は費用に入らなければ、ずつと続いて使えば一台使つた結果になるということは止むを得ないのじやないでしようか。
#81
○加瀬完君 そこで百四十一条と百九十七条の除外例とどつちに主として選挙運動のために使用する自動車という内容の重点を置くかという問題になると思うのです。私の解釈によれば、百四十一条の枠の中には入らない自動車というものが百九十七条の除外例にならなければならないと思う。百四十一条の内容として使われておる自動車を百九十七条の除外例として解釈することは私は間違つておると思う。その点どうですか。
#82
○衆議院法制局参事(三浦義男君) その点はたしかに御意見だろうと思つております。そういう御意見も勿論解釈もつき得るかとも考えますが、そうでなくして両方対等の規定でございまするので、一方においては一台に制限し、又一方においては選挙運動用自動車を表から銘打つて一台許されたというわけではありませんけれども、結果において一台使えるようになる、こういう解釈も成り立ち得ると考えております。
#83
○伊能芳雄君 今の加瀬委員のこういう問題は、この要綱が悪いので、要綱にこんなことが書いてなければいいのであつて、大体要綱があるからこれにとらわれる。だから百四十一条の問題でこれは考えればいいのである。百九十七条の問題はこの今度の改正には少しも触れていないのに、こんなことを要綱に謳つたから問題になるので、この要綱がなければこんな問題は起らない。今後の改正には関係がない。この百九十七条の問題はこの改正には関係がない。どこまでも百四十一条の問題として考えればいい。百九十七条の解釈の問題はこの改正と関係がないから、これをやつていると、この改正の問題と離れて、今度やる問題で、ここで解釈問題にこの委員会がなつてしまうのではないかというふうと思うのですが。
#84
○加瀬完君 それならばわかるのです。そういうふうなお話ならいいが、併し一昨日の説明では、如何にも百四十一条の枠外に一台の自動車が使えるかのごとき説明がなされておつたわけです。そうしてそれは百九十七条の除外例の車が百四十一条の枠の中に入つて来るような説明でありましたので、それはおかしいじやないかと、こういうことを言われた。一昨日従来通り認めると言われたのであります。従来通りそんなものは認めておらない。従来通り認めておらないものを従来通り認めるという新解釈をしたので、私は一体法制局としてそういう解釈は成り立ち得るかということを聞いておるのです。
#85
○衆議院議員(鍛冶良作君) これは実際を申しますと、あなたの申されるように、いずれもあとやらないということで最初認めないというふうに書いたのです。ところがだんだん議論が出まして、そういうことをいつても、それでは候補者であろうが誰であろうが、ぱつと要るときに自動車が使われないということになつたら大変だ、それは臨時に雇つて使つてもいいのだ、併しそれは臨時を使つたのだから費用に入れるのだ、こういう説明をしておつた。そうしたら一遍々々タクシーに乗つたというそんなことを入れるのはおかしいではないかというので、一昨日申上げましたように、候補者の宿賃やそういう小遣いは費用の中に入れんのだろう、それはそうだ、それなら自動車でも一遍乗つたからといつても実際わからないから、そんなことはやめようじやないかということで、制限しないということになつた、それをただここに書いたのです。だから前の通りだということです。それから必ず専用車を使えということに法律の精神ではありません。ただいつのときにタクシーを使うか、一日使うのも十日間借りて使うというのも同じことだということで、頭から必ず雇つて一台使えという精神ではないのであつて、あなたのお説の通りであります。
#86
○加瀬完君 その御説明だから私はおかしい。おかしいというのは失礼ですが、質問しておる。ということは、法制局からたびたび説明されたように、結果から見れば百九十七条の除外例として一台ずつと借切つても同じことだというのは、二台使つてもいいのだというふうになると思う。ということは、百九十七条の解釈から成り立つたかということ、これを先ほどから法制局に伺つておる。一体改めて伺いますが、初めから主として選挙運動に使うために候補者が一台別な自動車を借り切つて使うこと、これも百四十一条の主として選挙運動用に使う自動車という枠の中に入れるのか入れないのか、どつちなんですか。もつと結論を言えば、二台使つていいのか、どうなんですか。
#87
○衆議院法制局参事(三浦義男君) どうも現行法で規定してありまする規定の制限事項と、それからそれとの解釈の問題との両方一緒に交錯したような問題だろうと思いますが、主として選挙運動用に使われる自動車は一台に限定されております。それから候補者が選挙に関しまして乗りまする自動車の費用は選挙費用に入れないということもはつきりいたしております。その候補者が乗用しまする場合に選挙費用に入れない自動車は、選挙に関する自動車であるからこそ選挙法で費用に入れるか入れないかが問題になるのでありますから、それは全然選挙に関係しない自動車だというわけにはいかないと考えます。従いまして、その場合の車が主として選挙運動に使われるか、たまたま選挙運動に使われるかどうかはその事情によることでありまして、要するに選挙に関して使われる車は費用に入れない、結局においてそれは一台は選挙に関する事であつても使えるという結果になるということでございます。
#88
○須藤五郎君 一昨日の鍛冶さんの説明の中にこういうことがあつた。乗用車を持つている候補者は恐らく小型トラツクのばたつこに乗つて町を歩かない、そのばたつこが先頭を走つて、そうして候補者があとからくつついて行く、そういうことも可能なんで、そういう結果はわかる。その際の選挙用の車というのは実際的にはどちらになるのですか。選挙運動用の車はどつちになるのですか。うしろからくつついて行く乗用車が選挙用の車か、前を走つているばたつこが選挙用か。
#89
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 大体私は選挙用の自動車というものはかように考えております。それは自動車自体が選挙用に使われる性質を持つているものが選挙運動用の自動車だと考えます。と申しますることは、候補者が乗ろうが選挙運動員が乗ろうが、誰でも自由に選挙のために使える車が選挙運動用自動車、ただ候補者が乗る車は一般の運動員は乗れないのであります。その意味においては、厳密な意味においては選挙運動用自動車とは考えられないのであります。一般の選挙用であれば候補者も乗れれば運動員も乗れる。ところがもう一つの車は候補者だけしか乗れない。そこに大きな性質上の相違があるわけでありますから、そういう意味から申しますれば、先に走つている車が選挙運動用、うしろは選挙がかつた自動車ということになるかもしれません。
#90
○須藤五郎君 併し選挙は誰がするかというと、選挙の主体は候補者です。その主体たる候補者の乗つている車が選挙運動用自動車でないということはないと思います。やはり僕は二台で並んでいる車については、うしろからついて行く乗用車が選挙用の車だ、理屈はともかく、見た場合に常識上誰でもそういうふうに解釈すると思うのです。候補者が選挙の主体であるから、その御本人の乗つている車が選挙用でないということは成り立たないと思います。
#91
○衆議院法制局参事(三浦義男君) それはお話はよくわかりますが、やはりこういう場合もあり得ると思います。例えば候補者が甲の演説会場から乙の演説会場に行くために、そこにハイヤーなり或いは流しタクシーを拾つて行く、こういうことも考えられるわけでありまして、こういう場合におきましては、その車自体が特に選挙運動用自動車だと言うわけには行かないじやないかと思つております。それがたまたま自分の乗つておつた車でも、そういう形態において使われた場合においては、それはやはりタクシーを拾つてやつたのと同じような性質の車と見ざるを得ないのじやないか。ただそれが非常に長い期間選挙運動専用に朝から晩まで使われて、二十五日の選挙運動の期間中のべつまくなしに、そういうものに候補者が乗つてやるのに使われるところに問題があるのじやないかと私は考えております。
#92
○衆議院議員(森三樹二君) これは只今委員側から御質問がございましたように、実際私どもといたしましても、選挙に使う自動車は一体一台なのか二台なのかということを、歩いておりましても廊下で各議員諸君から質問を受けるのでありますが、そうしますと、私は選挙運動用自動車はあくまでも一台ですと答えると、併しそのほかに専用自加車を使つてもいいということになると、実際上は二台になるのじやないかという質問を受けまして、全く答弁に窮しているのであります。結局私は選挙法の建前といたしましては、今回は選挙運動用自動車に乗るメンバーは候補者と運動員と労務者と四人でございます。運転手は補助と正運転手を入れまして二名までよろしいということになりますと、運転手以外の者は飽くまでも四人でありまして、而もその四人の者が腕章を付けて、そうしてその自動車で以て運動するということが建前になつております。従いまして、この法の百九十七条の三号の場合は私は臨時雇い、即ち自分が所用のために遅れた、選挙運動用自動車に乗るべきであるが自分が遅れた、あとから走つて行つて、追つかけて行つてそして街頭演説の場所へ行つてその選挙運動用自動車に乗つてそれから運動をして歩くというために、例えば臨時に使うということが、あくまでもこの最初の立法の趣旨ではないかと思うのです。そうでなければ結局さつき須藤さんがおつしやつたように二つの自動車が歩いて行く、而もそのうしろのほうには立派な自家用車とかその他の立派な車に候補者が乗つておる。先ほども。説の通り選挙運動はあくまでも候補者がその主体でございます。従いましてどちらが選挙運動用の自動車だというような疑問も私は起きるのは当然だと思うのです。従いまして、まあ昨日も今日も三浦法制部長からいろいろ御説明がありますが、私はこの点は何とかこの要綱の先ほど伊能さんもおつしやつたが、候補者専用の自動車は従来通り認めるということ自体書いたのが又一つの疑問を起した理由にもなつておるのでありますが、何とかここを調節いたしまして、今法律を改正すると言いましても困難な状況だと思うのでありまして、できればこの要綱の点を消すと同時に、あくまでもこの臨時止むを得ざる場合にのみ候補者は選挙運動用自動車以外のものに乗つてもいいのだ、あくまでも選挙運動は候補者がその法定の許された選挙運動用自動車に四人のつまり腕章を付けた人々と一緒に乗るのが建前であつて、自分が別の自動車に乗つて歩くということ自体は費用節減のために、選挙費用を増大させないという費用節減の趣旨から言つても私は何とか一つこれは禁止すベきじやないか。結局折角法律を作りましても、そこに大きな疑問を持つて説明ができない。而も間違いを起こし、費用が増額するというようなことは選挙の公平なこれは措置じやないとかようにも考えておるのであります。従いまして、今法律をここで明確に規定してお願いするということも時間の関係上無理かと思いますが、何とかこの要綱の候補者の専用自動車は従来通りこれを認めるということを削除し、なお且つこの選挙運動用自動車のほかには、まあ止むを得ない場合とか、臨時に自動車に乗ることができるとか、何とか私は委員会の速記録等によつて衆議院或いは参議院のこの委員会において、明確に一つ解釈の統一をお願いできれば非常に結構ではないか、かように私は考えております。
#93
○若木勝藏君 今のに関連して。この選挙運動用自動車というものに対しては、と今問題になつている候補者専用の自動車、この間の区別をはつきりするために何か選挙運動用自動車に標識か或いは証明書とかいうものがあるのではないですか。
#94
○衆議院法制局参事(三浦義男君) はあございます。
#95
○若木勝藏君 そうすると、この問題はどうして起つて来たかということになりますと、前の選挙あたりについて何もこういうものは法文に載つておらないのだから、それを使つたのがいけないとかいいとかいうことが問題になつたので、ここではつきりしようと、こういうことになるのじやないですか。そこで問題はこのあとのほうの候補者専用の自動車というのは、これは連絡自動車でしよう。候補者が例えば前の選挙用自動車のところに連絡に行くところの自動車である、そういうことをはつきりすれば二台並べて行くということがないと思う。連絡してしまえばそれで帰つてしまう、こういうことになる。片つ方は、選挙用自動車に標識がちやんとある。これははつきりするのじやないか、どうですか。法制局のかた。
#96
○衆議院法制局参事(三浦義男君) それは今お話のございましたように連絡用にも勿論使われる場合多々あると思いますが、それ以外の場合におきましても連絡用でないと申しまするか、例えば個人演説会場に行くために使われるとか、或いはその他選挙運動のポスターを貼るために使うとか、いろいろな場合があり得るだろうと思いますので、単に連絡用ということですべてを包括できるかどうかはちよつと疑問だと思いますが、要するにそういう意味においての選挙運動にもまあ候補者が乗れば使える、こういうことになるのだろうと思つております。ただ先ほど来いろいろ御意見がございまするように、主として選挙運動のために使われる自動車は一台に法律上限定されておりますることは当然でありまするので、結局今の費用から除外されております自動車につきましてもその趣旨を汲んで、そのように解釈するほうか解釈としては妥当だということの御意見も確かに御尤もだと思つております。
#97
○若木勝藏君 そういうふうなことは、今、法律を今更改正するとか何とかいうことは時間的な問題もありますので、面倒な問題があると思いますので、そこで施行令とか施行規則とかいうものでその点をはつきりさせるということはできませんか、どんなものでしよう、法的に。
#98
○衆議院法制局参事(三浦義男君) これはまあ施行上の単なる手続的なことでございますれば、仰せのようにそれでも結構かと思つておりますけれども、それが実質的な影響を持つような事項であるといたしますればやはり法律事項として規定したほうがいいじやないかと思つております。先ほど来の問題はたびたび私が申上げまするように、選挙法では百四十一条で、主として選挙運動のために使われる自動車は一台と書いてありまして、それ以外に選挙運動用の自動車が使えるという規定は、はつきりした規定はありません。ただ選挙費用から除外している自動車に候補者が乗りました場合に、選挙費用から除外している規定があつて、それの解釈をめぐる問題で、そうしてそれは従来この規定は何も今度に始つたわけではございせんので、大分前からある規定でございますので、それがだんだんそのときどきのいろいろの取扱い、或いは解釈によつて解釈の仕方は変つて来ていると思いますが、先ほど申しましたような意味の解釈も必ずしもできないわけではないので、まあ実際問題としてそういうように結果において一台使つておられるようなことになる例も今までにもあるようでございまするので、ただそれを私は解釈上申上げておつたわけであります。それがいいか悪いの問題は又別個な問題だと思います。
#99
○加瀬完君 その解釈上の問題ですがね。百四十一条の主として選挙運動のために使用する自動車という枠の中に、選挙期間中候補者が専用車としての常時使用するものをも含めるか含めないかという見方によつてきまると思う。で二十五日なら二十五日、或いは一カ月なら一カ月という選挙の運動期間を限つて借り上げて選挙選動のために候補者が専用するというものは、主として選挙運動に使う自動車というふうに見られないか、見られるということであれば、もう百四十一条はぴつたりするわけです。どつちなんですか。それが見られないというのなら一台の自動車を許しておくということと同じじやないですか。
#100
○政府委員(兼子秀夫君) 主として運動用という言葉の解釈の問題でありますが、継続的、計画的に使用する場合は主として運動用に使うという解釈をとつております、それが借り上げの場合でもそうであります。
#101
○委員長(中田吉雄君) ちよつと天候その他の事情により、大型貨物車を使つてもいいことになつておるのですが、私は鳥取県の選挙をやつてみて、小型ではスピードが出ないので大型をよく使つたのですが、その他の事情に名を借りて最初からしまいまで使つた場合には法的に問われますかどうですか。その他の事情にそれは入りますかどうなんですか。
#102
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 規定の文句のほうでは、百四十一条の新しい三項でございますが、「但し、積雪泥ねい等の悪路その他やむを得ない事情により乗用自動車及び小型貨物自動車の運行が不可能である場合においては、これらの自動車以外の貨物自動車を使用することができる。」と規定はなつておりますので、それを使わなければならないような止むを得ない事情というものは、本来の乗用自動車、小型自動車の運行が不可能である、言葉を換えて申上げますれば、客観的にそれが使えないと認められたるような事情にある場合と、こういうことになるたろうと考えております。果してそれではどの場合が客観的に使えないような事情にあるかどうかということは、具体的な問題によつてきめるより仕方がございませんが、ただ自分の頭だけ、で考えて使えないからという事情だけでは十分でないということになつておるわけでございます。
#103
○委員長(中田吉雄君) そういうふうにやつた際に法的に問い得るかどうか、そういう拡張解釈をやつて、ずつと最初から使つても法的に問われるかどうかということです。
#104
○衆議院法制局参事(三浦義男君) この点につきましては、実は罰則規定を置いていないわけでございます。従いまして、これにつきましては最後の法的な強制力はまあないと言うより仕方ございませんが、いろいろな経過からできるだけ乗用車を使おう、或いは又小型貨物車を使おうというような趣旨からこういうような規定が置かれることになつたわけでございまして、本当に強行するならば、そういう罰則規定が必要かと考えております。併しながら、この規定の趣旨は私が只今申上げましたような意味にとつて、個人だけの候補者或いはその運動員だけのただ止むを得ない自己的な判断だけではいけないんだと、もう少し客観的な、それが不可能だと認められる事情がなければいけないと、こういうことに規定はなつております。
#105
○須藤五郎君 これは非常にむずかしいところだと思いますが、誰が認定するのか、それが第一問題です。本人の認定……、そうすると、小型に乗るのと大型に乗るのとでは非常に体力的に違う。小型に乗つたら山坂に行つた場合非常に体が参つてしまう、体がえらいからといつて大型に乗る。いけないと誰が言うのか、誰がいけないと言い得るのです。その場合どうするのですか、健康上困るというような場合は……。
#106
○衆議院法制局参事(三浦義男君) これはほかのほうのところの規定で先ほどちよつと私申上げたかと思いますが、要するに自動車に乗車できますものは四人だけ運転手、助手は別問題でございますが、候補者を引括めて四人しか乗れないわけでございますので、大型を使いまして四人の方が止むを得ないような場合は、それに乗るということは、まあ実際の場合から申せばよくよくの場合ではなかろうかと想像するわけでございます。これの場合の認定の問題でございまするが、それは特にこの法律の上におきまして明らかに認定権、或いはどこかに許可権があるようなことにはいたさなかつたのでございまして、それは例えばこれを警察に認定させるとか、或いは管理委員会に認定させるというようなことになりますと、選挙の執行上いろいろ障害を来す、却つて干渉のきらいがあるというようなことにもなりますので、特にそういう方式は避けたわけでございます。
#107
○加瀬完君 森委員長に伺いたいのでありますが、昨日鍛冶さんから立法の前後に亘つて詳細に御説明を伺つたのでありますが、都道府県選挙管理委員会連合会から公職選挙法改正意見というものが提出されているはずだと思います。その中で、改正趣旨の浸透を見ないうちに選挙が行われますと、不知による行為がありますし、或いは又執行事務が非常に滞る、こういう点も考慮してもらいたいという点。それから国会議員の選挙法規を改正する場合は地方選挙の法規を安易に漫然と改正するような考え方があるので、この点も留意して頂きたいという点。それから選挙運動の基本方針として言論による選挙運動は自由の原則を守りたいという、こういうような申出があつたはずでございますが、これらの点は審議の過程においてどういうふうなお取扱いを頂いたのでございましようか。承わりたいと思います。
#108
○衆議院議員(森三樹二君) 只今の御質問でございますが、選挙法が改正になりますと、勿論これは国民に周知徹底をしなければなりません。特に選挙法は多種多様に亘つておりまして、一般の人々にこの徹底を図るということは非常に困難でございます。而もいつも選挙法の改正が選挙の間近に行われるような関係もありますので、今回その点は非常に各委員諸君におかれましても憂慮いたしておりまして、苦しもこの法案が通過いたしました暁におきましては、できる限り詳細なパンフレツト或いは又その他の方法によりまして、改正点を明確に周知徹底せしめる、その方法の点につきましては、自治庁の側におきましても全国の選挙管理委員会、或いは都道府県選挙管理委員会等にこの改正した趣旨を十二分に普及徹底をして頂きたいということを委員会におきましても伝えてございますし、なお私どもは各政党間におきましても、非常にこの改正されましたことにつきまして御質問もありますので、その各政党間におきましても、おのおのこの選挙法の改正の要点を印刷或いは。パンフレツト等にいたしまして、一般の人々に周知徹底を図りたい、かように考えております。なお選挙法の改正に当りましては、地方選挙の関係につきましても御要望がございますが、勿論私どもはあらゆる選挙におきまして、統一した解釈、そうして又地方選挙に対するところの考え方も持つておりましたのでありますが、今回の改正に当りましては、衆議院、参議院の選挙を主にして考慮いたしましたために、地方選挙等につきましては未だ成案を得なかつたのでございますが、今後におきまして十二分にそれらの点を慎重審議をいたしたい、かように存じております。
#109
○加瀬完君 その言論による選挙運動は自由の原則を守りたいという内容といたしまして、街頭演説のために使用する標旗は一候補者につき三本とか、或いは選挙運動のための自動車は一々警察の許可を受けなくてもいい或いは済ませる、或いは又国、地方公共団体、国有鉄道又は電信電話公社の所有し若しくは管理する橋梁、電柱には、管理者の承諾を要しないで選挙用ポスターの掲示ができるようにする、或いは都道府県議会議員選挙の立会演説を義務制にするといつたような問題がやはり併せて要望されておりますけれども、こういう点は何かお話合いの中でどんなような御論義がなされたのでございましようか。
#110
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 只今御提示になりました都道府県の選挙管理委員会の意見書というものは、衆議院のほうでは二、三日前に頂きまして、一昨日くらいの委員会に皆さんにお配りしたようなわけでございまして、みな委員の方が十分に中を御承知になつておるかどうか私存じません。ただそれとは別問題といたしまして、たびたび都道府県の選挙管理委員会等から毎年いろいろ選挙の委員長宛に陳情書が来て、やはり改正事項の要望等がございまするので、今まで大がい申出て来られましたことにつきましては、大部分支障がない限りこの改正法の中に、或いは今までの改正法の中に織込んで来ておるはずでございます。それから只今お話になりましたような点は、私個人としてはいろいろ意見がございますけれども、まあ委員会として十二分にそれを特に議題にして今度の改正の際に取上げたというわけではございませんので、御了承をお願いいたしたいと思います。
#111
○加瀬完君 問題は、言論自由の原則といいましようか、こういう内容がどういうふうに委員会において論議されたかということを伺いたいのであります。といいますのは、今度の改正案の要綱をみますると、個人演説会それから街頭演説会一体個人演説会というものは何を指すのか、街頭演説会というのは何を指すのか、こういう概念といいましようか、こういうものが甚だ問題によりましては混迷の元を作つておるのじやないか、或いは政談演説と言い選挙演説と言つております。政談演説というものはどこまでの幅を言うのか、選挙演説というのはどこから選挙演説と言つているのか、こういう点が言論自由の原則を非常に阻むことになるのじやないか。今言つたような内容が要綱の中に盛り込まれておるんですから、そこで併せて言論自由の原則の建前から、それらの内容がどういうふうに論議されたかということを伺いたいのであります。これは法制局で結構でございます。
#112
○衆議院法制局参事(三浦義男君) お話の点は誠に御尤もな問題でございまして、選挙法自体は、選挙のいわゆる自由、それから選挙の公正確保ということを眼目といたしておりまして、そのどちらをどういうふうにとるか、或いはその両者をどういうふうに調和するかということが従来の選挙法改正の主眼点でございます。選挙の自由ということに重きをおきますれば、言論を手放しにいたしまして、個人演説会或いは立会演説会とか、街頭演説についても制限を一切やめて、自由にすることも一つの方法だろうと考えられまするが、又同時にそれは他面候補者の平等と申しまするか、又別の意味においての選挙の平等という見地から申しますると、場合によつては却つて不平等になるという結果になることも考えられるわけでございます。だから総額の費用の範囲内において、あと選挙運動は一切自由でいいということも一つの考え方であろうし、又選挙費用は選挙費用で全体の枠をきめておきながら、その中で大きい問題につきまして言論の問題、或いは文書図画の問題、こういうようなものにつきまして或る程度の枠をはめるかどうかということは、そのときどきの社会の情勢によつてきまつて行くことだろうと考えております。今度の選挙法の改正におきましては、例えば連呼行為を廃止いたしましたのは、いわゆる言論の自由を侵蝕し、連呼行為がいわゆる候補者の政見の発表という本来の趣旨からいつて、必ずしもそれにそぐわないのではないかということから、連呼行為は廃止されたわけでございます。併しながら連呼行為が又持つておりました或る意味においての、例えば演説会がどこであるという、そういう告知的な意味は又大事なことでありますので、今度の選挙法でも、選挙運動のための連呼行為をすることはできないが、演説会場とか、街頭演説のその場所で連呼することは差支えないというようなことを、百四十条の二に明らかに規定を置いたようなわけでございまして、それらは今のようなことの調整を図つたわけでございます。それから先ほどの立会演説会の回数をできるだけ多くするということは、やはり言論尊重の一つの現れではないかと考えております。
#113
○村尾重雄君 関連してちよつとお伺いしたいのですが、今自動車の連呼の問題のお話がありましたが、これは先ほどここで議論になり、結論が出ておるのかもしれませんが、例えば停止した自動車の上において選挙運動のために演説することはその限りでない、その停止なんですが、例えば人のよく流れる、多数の人が集まる所に時間的に停止するということには制限はないわけですか。
#114
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 場所的な制限はございません。ただ車をとどめるということであれば十分であると考えております。
#115
○村尾重雄君 時間的な意見ですね。
#116
○衆議院法制局参事(三浦義男君) はあ。
#117
○村尾重雄君 そこでもう一つお伺いしたいのですが、演説会及び街頭演説の百四十条の二の「場所においてする場合は、この限りでない。」という所には連呼行為もでき得るというまあ解釈を持つのですが、その連呼行為を、例えば同乗四人と制限すれば、長くやれないという解釈も成立つのですが、録音ということもあり得るならば、録音はどういう……四人以上同乗できないということであるが、拡声機も乗せられるわけで、録音による演説なりそれから連呼ということは、繰返して行い得ることが一定の場所に停止してやれるのですか。その点の御解釈はどうですか。
#118
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 先ず録音盤のことから申上げますれば、録音は個人演説会、街頭演説においては、今度は明らかに許す旨の規定が置かれております。それから連呼の問題につきましては、連呼を原則的に禁止されておりますが、私が先ほど申上げましたように、演説会場と、それから街頭演説、演説を含めました街頭演説でありますが、その場所で連呼をする場合は差支えないということになつております。個人演説会場でやる場合は、演説会場の勿論中でやる演説、演壇等その背後からやるわけでございましようが、街頭演説の場合におきましては、街頭でやるわけでございまして、連呼をそこを歩き廻つてやることを許してあるわけではございませんので、街頭演説をするその場所で、例えば只今からどこどこ個人演説会がありますとか、それから次には街頭演説はどこどこでやりますとか、こういうことをやることは差支えないという意味の但書でございます。
#119
○村尾重雄君 そこでもう一つ追いかぶせてお聞したいのですが、例えば参議院の選挙区のように、選挙区域の広い所はそう問題でないと思うのです。衆議院の選挙区域内一定の場所に一日停止して置くということは、他の候補者にとつては非常にこれは迷惑な問題になると思うのです。そういうことは四人が交代しながらやればやれないことはない、それは又録音を使つてもやれることなんだ、がにそれは構わないという解釈なんですね。
#120
○衆議院法制局参事(三浦義男君) 四人の問題は、車に乗れまする乗車制限の意味での四人であつて、車に乗れるのが四人ということでございまして、それ以外に街頭演説の場合は、現行法で十五人まで街頭演説の場合は運動員、労務者を引つ括めまして街頭演説ができるということになつております。そうしてそれだけの腕章を与えることになつておりますので、車で街頭演説の場所まで行きまして、そこで向うと待ち合せるなり何なりいたしまして、街頭演説をやる場合の十五人はいいということでございます。
#121
○委員長(中田吉雄君) ちよつと……御質問もあると思いますが、休憩いたします。
   午後四時五十九分休憩
   ―――――・―――――
   午後六時三十九分開会
#122
○委員長(中田吉雄君) 休憩前に引続きまして委員会を再開いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題にしているのですが、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案も一括しまして議題にします。
 御発言ありませんか。……別に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(中田吉雄君) 御異議はないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたら討論中にお述べ願います。
#124
○伊能芳雄君 衆議院の各派が非常に長い間研究して上つて来た成果で、而も全員一致で通つて来た法案でありますので、私どもも時局柄非常にこれを尊重しまして、この場合原案通り賛成いたしたいと思いますが、ただ、ここに衆議院各派の間には調整がとれておりますが、衆議院と参議院との関係における調整という点が多少考慮が払われていないやのうらみがある。これはポスターの枚数の点でありますが、これらを今ここで触れますというと、又非常に時間等の関係もありますので、今後において適当の機会に修正、改正すべき改正案を出すことを添えて賛成の意を表します。
#125
○小林武治君 緑風会を代表して本案につきましては賛成をいたすものでありますが、それにつきまして、二、三我々の希望を申述べておきたいと思います。
 今回の改正は、私どもから見れば極めて不満足だとこう言わざるを得ないのでありまして、改正そのものにつきましては選挙運動法方等、形式的なものが多くて、選挙の粛正というふうなことについての実質的の規定が極めて乏しいということを遺憾とするものであります。又選挙運動方法につきましても、選挙用自動車に文書図画の掲示を禁止するというようなことは、選挙運動の公明と申しますか、その趣旨に反するものとして、我々はこの点遺憾に存ずるのでありまして、次の機会におきまして、これらの点については我我としては修正いたしたい、こういうことを申添えておきます。
 なお選挙運動或いは選挙粛正のために、我々としては実質的の規定の改廃ということを希望しておるものでありまするが、今回の連座規定を幾分強化したということは諒とすべきものでありまするが、なお幾多の疑問を残すおとり犯罪というようなものを作つたということにつきまして、我々はなお今後の検討を待たねばならん、かように考えておるものであります。又公務員の選挙の事前運動というものについては、刑罰を加重することに相成つておりまするが、これらにつきましては、従前も公務員法に規定がありながらその実効が極めて不十分である、かような観点からいたしまして、我々としましては、今後の問題としまして、例えば現職知事の二選或いは三選の問題、或いは一定の公務員の立候補を制限する、こういうことにつきましても、今後の改正の点として何らかの結論を出したい、かように考えておるのであります。なお、わけても選挙区制の問題でありまするが、この選挙区制につきましては、選挙の公明或いは選挙費用の縮減、その他のために必要な制度、即ち選挙界を粛正する、或いは政界粛正のための私は近通である、かように考えておるのでありまするが、今回の改正案については選挙区制等についても何ら触れていないのを誠に遺憾とするものでありまして、私どもは真の選挙界の粛正のためには、小選挙区制を採用することが特に緊要である、かように考えておるものであります。これらの点につきましても、今後の問題として我々は推進いたしたいとかように考えております。いずれにいたしましても、今回の修正、改正は応急の措置でありますので、時期的の関係もあり、不満足ながらもこれに一応賛意を表し、今後の実質的な問題については後日の議題にいたしたい、かように考えております。以上を以ちまして賛成の意見といたします。
#126
○若木勝藏君 私は日本社会党を代表しまして、本法案に対し賛成の意見を申上げます。
 本法案は国会自粛に関する立法の一環として、選挙界の浄化を図るために、選挙の公正、選挙運動の適正化、選挙運動費用の合理化、政党等の政治活動の規制等を行うことを目途としているとは、提案理由で明らかにされているところでありますが、その内容を検討してみますると、現行法が選挙運動費の縮減に名を借りて、選挙運動に必要以上の制限を加えて、選挙の自由を束縛している行き過ぎや、不備欠陥を是正しておる点は、連座制の強化、或いは寄付の制限、公務員の事前運動禁止、選挙権、非選挙権を停止された者に対する選挙運動の禁止、又選挙運動の公営拡充、こういう点において見るべきものがありまして、おおむね賛意を表するところがあるのでありますが、併し候補者が選挙民におのが政策を浸透させる上に重要な役割を持つところの選挙運動用自動車が一台、拡声機が一揃い、これは個人演説会用一揃いありまするけれども、原則としては拡声機が一揃い、街頭演説用標旗一本、選挙演説用自動車乗員の極度の制限、及び文書、図面の掲示禁止等、一般選挙運動に未だ多くの制限を持つておること、更に政党その他の団体の選挙における政治活動に対する制限が現行法と変らない制限を受けておること、新聞雑誌の選挙に関する報道及び評論の自由が緩和しておらないことなど、いわゆる自由、公明な選挙ということが未だ多くを期待しがたいものがあるのであります。併し現行法より我々の意図するところに近付いたところが幾分あるとして私は賛成するものであります。以上であります。
#127
○寺本広作君 私は日本民主党を代表して、この修正案に賛成の意を表するものであります。
 この法案が衆議院から回付されて審議僅かに二回、審議を十分尽し得なかつたことは甚だ遺憾であります。法案の中身は言論戦の制限になると思われるようなところもございますし、又運動の制限に関する事項については自動車の大型、小型の違いの問題であるとか、停車中の車上からは、その停車の台数には制限がないとか、技術上いろいろ議論がある点はたくさんあります。そういう点を十分審議して、直すべきところは直す必要があろうかと考えるのでありますが、もはや今日の政治情勢からいえばその余裕もないのであります。そういう欠点があると思われますにもかかわらず、この法案が長く国民から要望されておりました自粛立法の一つとして、連座罰の強化をとり入れておるこの一点であらゆる小さい欠点は補つて余りがある、かように考えますので、私はこの法案に賛成をいたします。
#128
○委員長(中田吉雄君) ほかに御発言ありませんか……他に御意見もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#129
○委員長(中田吉雄君) 御異議がないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。公職選挙法の一部を改正する法律案、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、以上二案を一括して採決いたします。両法案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(中田吉雄君) 全員一致でございます。よつて公職選挙法の一部を改正する法律案、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、以上両案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつていますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(中田吉雄君) 御異議がないと認めます。
 なお、本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき多数意見者の署名を附することになつていますから、両法案を可とせられる方は順次御署名願います。
  多数意見者署名
    伊能 芳雄  館  哲二
    伊能繁次郎  古池 信三
    長谷山行毅  片柳 眞吉
    小林 武治  加瀬  完
    若木 勝藏  村尾 重雄
    寺本 広作
#132
○委員長(中田吉雄君) 御署名漏れはございませんか……署名漏れはないものと認めます。
  ―――――――――――――
#133
○委員長(中田吉雄君) 次に、昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案を議題といたします。御質問はございませんか。
#134
○加瀬完君 この五十六億が過少算定であるという御説明でありますが、要措置額は四十億だ、こうなつておるのでありますが、五十六億と四十億とこの間の関係、それから、これは主として警察費でありましようけれども、もう一つは地方団体が非常に赤字で苦しんでおることはこれは周知の事実であります。そこで解消しなきやならない赤字分の不足額と言いますか、これは今度の算定の中には入れてないのかどうか、この二点をお聞きしたい。
#135
○政府委員(後藤博君) 第一点の五十六億と四十億の問題でありますが、これは実態調査の結果は、約百四億の差が財政計画とそれから現実の地方団体の予算との間にございます。この百四億の差は、これから増加すべき経費三十七、八億も含んで百四億と相なります。そのうち今度措置しましたのは五十六億だけでありまして、交付団体分の交付税に該当しますものが四十億、こういうことになつております。つまり財政需要額は五十六億の増加をいたしました。そのうち財源措置を要するものが四十億、こういうことになるわけであります。
 第二点の赤字分の不足でありますが、過去の赤字分の不足は一応今度の補正の関係の外にいたしております。警察の経費の不足分とそれから補正予算に伴う経費の財政需要の増加分と、災害関係、この三つの点に大体補正を絞りまして、その三点だけを今度の財政計画の補正にいたした次第であります。
#136
○加瀬完君 そうすると、昨年度までの平衡交付金の制度であれば、当然政府のほうから賄つてもらえる分は、交付税交付金になつたために補填されるべきものが特別な枠に限定されて、交付税のために平衡交付金よりも地方は却つて中央から補填してもらう分は減退した、一面こういう結果がもたらされておると思いますが、この点はどうですか。
#137
○政府委員(後藤博君) 別に財政計画をお手許に差上げてあると思いますが、それによりまして御説明をしたらいいと思いますけれども、交付税は四十億でありますが、その他災害関係でありますと、起債で大体措置いたします。それから一般財源を要するものは、税の増収その他節約による財源の振替え等によりまして、大体全部賄うことができることになつております。従つて交付税制度になりましても、やはり財源措置は全部したと、こういうことになるわけであります。
#138
○加瀬完君 併し警察分その他全部含み、将来の見込も入れると百四億という不足額が想定されるわけですね。そうなつて参りますと、ぎりぎり四十億だけしか補填されないということは、当然年度一ぱいになつて出て来る分というものは今日において補填されないわけでありますから、将来交付税の率は本年度中は変るとは思われない。結局今年の交付税によつてそれだけやはり赤字が残るということにはなりませんか。
#139
○政府委員(後藤博君) 百四億のうち五十六億だけ措置されるので、まだ赤字が出るではないかというお話だろうと思います。これは百四億のうち交付団体と不交付団体と分けて参りますと、四十億足しますと、警察費の財政措置とそれから予算との差が大体二十二、三億ぐらいになります。大部分がこの不交付団体分で非常に開いておるということになります。警察行政費その他細かく見てみますと、実際の現実の交付団体の予算との差額は非常に僅少ではないか、かように私は考えております。財源振替え、その他まだ年度の半ばでありますので、私は警察費の財源措置からの赤字はそう予想されないのではないか、今のところ四十億足せば警察費から来る赤字というものはそうないということが言えると思います。百四億の内容を見ておりますと、各府県で人件費、物件費等の単価が非常に違つておりますので、その単価の非常に高いところの県、つまり富裕な県はそういうことをやつておるわけであります。そういうところは財政的の余裕も多少ありますけれども、ぎりぎりでやつておるところは貧乏なところでありますから、そういうところは相当交付税が参るのではないか、こういうふりに私は考えておりまして、警察の財源措置からの赤字は私はそう出ないのではないかと思います。多少のものであれば財源の振替えで以て賄えるのではないかと考えております。
#140
○加瀬完君 私の伺いますのは、警察だけではありませんで、警察費の分は今度の措置で一応賄えるとしても、赤字の分或いは交付税を増してもらわなければならん分というものは警察費だけに止まらないだろう。結論を言うならば、交付税の交付率というものはあのままで一体合理的であるかどうかということをお答え頂けばいいのです。
#141
○政府委員(後藤博君) 将来の問題は、平年度の問題と本年度の問題とございます。一応本年度の措置として交付税の率も勿輪変えますが、本年度の措置だけを一応考え、平年度の問題は来年度の予算の時に考える。こういうふうに切つて話を付けたわけであります。従つて三十年度の交付税の率をきめますときに、警察の分のうち経常的なものはやはりそちらのほうに含めて交付税の率の問題を、率の引上げを前から大蔵省にお願いしておるわけであります。従つて一応二十九年度の措置として私どもは交付税の率の改正、それからその措置をやつております。
#142
○加瀬完君 結局交付税の交付率の問題が相当先国会でも問題になつたわけでありますが、大体一年に満ちませんが、本日まで交付税の配分を進めて参つて、あの交付税の交付率というものが本年度であつてもあのままで、今までの平衡交付金と同じような効果を挙げておるかどうか、こういう点ではどうですか。税率が初め御説明になつたように確実に……。
#143
○政府委員(後藤博君) 交付税の建前が交付金時代と変りまして一定の率になつたのであります。その初年度は逆算いたしまして酒税の二〇%、法人税、所得税の一九・六六%になつたわけであります。その際この警察費の財政需要額の査定が低くかつた、従つてそれを是正するという建前で次つて交付税の要求をしたわけであります。その以外の分につきましては、やはり交付税の本旨に従つて、交付税措置をするというのは、本年度の措置をするというのはおかしいじやないか、こういうことで一応除外して、警察費の、つまり交付税の率をきめるときに起つた問題としての処理だけを二十九年度にしたわけであります。但し先ほど申上げましたようにこの率をきめましたが、このうちで経常的な経費で将来残るものにつきましては、やはり将来の問題として将来の平年度の交付税の率を変えてもらうという建前で私ども交渉いたしたわけであります。かように考えておるわけであります。
#144
○若木勝藏君 私はどうも腑におちないところがあるんです。それは当初の計画は、四月の一日現在では、これは所得税とか或いは法人税、酒税の百分の二十で以てそれで千二百十六億の交付税、これをきめたものなんです。そうしたところが何がこの間の委員会か何かで、警察費の誤算か何かでここで四十億足りなくなつた、今度は、その四十億の処理というものを、これを百五十億のこの自然増収を対象にしてこれを求めて行く、こういう計算になるんじやないか。そうしますと、交付税というものは収入見込額に対してやるもので、自然増収になつたものを対象にするわけじやない。そうなつて来ると、自然増収があつたときには当然それが地方団体で以てそれだけ儲けになるわけです。不足した場合には損することになるけれども。だからそれは今度それを対象にすベきものでない。自然増収のものに対する地方団体の利得分は決算後においてやらなければならん、そうでしよう。ところがそれをこの年度内において百五十億を対象にしてやるということは不当ではないか、交付団体に非常な損害を与えるものでないか、こういうふうに思いますが、如何ですか。
#145
○政府委員(後藤博君) おつしやいますことは、恐らく後年度に自然増収として出る分を早食いするという形で以て財政措置をしたのはおかしいじやないか、こういうことじやないかと思います。私どもとしては千二百十六億に四十億を足したもので、元の法人事業税の六千百六十億、これは三税の全体ですが、そのうち法人税、所得税の総額四千七百五十億を割りますと二〇・五%くらいになりますか、それが本来の姿じやないかということで大蔵省と折衝したのでありますが、この辺の問題の考え方につきましては、なお理論上むずかしい問題があつて、政府部内でもきまつておりません。それで我々としましても、いろいろな関係で当初に率をなすことができなければ、決算で自然増収がありました際にやはり二〇・五%の率を以て決算をすべきじやないか、そのときに繰入れてもらつてもかまわない、そういう主張を最後まで貫いておるのでありますが、そういう点につきましては、なお政府部内ではつきりした将来のことでありますので結論がまだ付いておりません。もう一つ法人税の自然増収がありますと、自然に交付税の現在の制度では交付税が殖えて行くのであります。これは当然に認めなきやなりません、ただ百五十億を足した以前の状態を基礎にするか、以後の状態を基礎にするかによつて見解が異なるわけであります。その点で率が違つて参ります。従つてまだ未解決の問題が決算の場合に残しておるわけなのであります。
#146
○若木勝藏君 それを而も警察費の四十億を満たすためにそれを持つて行くということは、なお更に私は疑問が、問題があると思うのです。ほかのほうは増さないでおいて、警察費の四十億だけこれに持つて行く、これが一つ。それからとにかく決算ののちにおいて、例えば百五十億に対して今度それを対象にした分はどうなるのか、決算のときにもうそれは先に渡してしまつたから要らんということになるですか。
#147
○政府委員(後藤博君) 第一点の警察費のみを今度持つて米ましたというのは、先ほど申上げましたように、今年の交付税をきめる一番基になるところの財政需要額の算定が違つておつたのだから、当然にその警察費を出してもらいたい、警察費以外の問題は、その後に起つたところの問題でありますから、これは交付税の本旨に従つて交付税以外の方法で措置をする、こういう考え方に立つたわけであります。
#148
○委員長(中田吉雄君) ちよつと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#149
○委員長(中田吉雄君) 速記を始めて。
 別に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○委員長(中田吉雄君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたら、討論中にお述べを願います。
#151
○加瀬完君 日本社会党を代表いたして、反対の個条を申上げます。
 この前の交付税の説明のときに、地方財政の自主性及び安定性を高めるという御説明があつたわけであります。これは平衡交付金の長所と旧地方配付税の長所とを取合せたものだ、こういう内容の御説明が付け加えられたわけであります。してみると、平衡交付金の長所は、基準財政需要額の不足分を国で補填するということでありますし、旧地方配付税の長所は独立財源ということであります。従つて独立財源という意味もあるし、而も地方財源の不足分は基準財政需要額を十二分に国で補填するという二つの目的が達せられていなければ交付税の目的は達せられないことになるはずでありますが、今度の特例に関する法律案を見ましても、その目的というものが甚だ損われておる、そういう意味で反対であります。
 反対の第二は、入場税法案、地方税法案の修正によりまして、地方財政に生ずる欠陥に対する措置については何にも考慮しない、交付税の率の引上げだけで、国家財政に欠陥を生ずるという主張を政府はして来たわけであります。併しながらこの主張が間違つていたというふうに私は認めざるを得ないと思います。少くとも認めると否とにかかわらないで、事実は非常に杜撰であつたと言わざるを得ない。このようなものをしない基本態度というもので交付税というものを今後行なつて行くということは非常に危険である、こういう意味で反対をいたします。
 反対の第三は、一定率を固定し、毎年変更を行わないとするのが地方交付税の基本理念であるはずでありますが、このたびのごとく年度の途中で地方財政の収支がバランスをとれなくなると、そのたびごとに率を変えるということは、その理念に背く、このことは交付税そのものが初めの目的に適合していないのか、少くとも税率そのものが根本的にこの目的に適当でないということが言われるのじやないか。そこでこの税率を根本的に変えないで、簡単に便宜的にそのときどきに合せて税率を変えるということは私どもは反対であります。
 反対の第四は、只今質問もいたしたのでございますが、警察費といつたような特殊の枠だけをここに取上げて、この過少算定の解決だけを図りましても、問題はそれでは解決をしない。問題はもつと周知の事実であるところの自治体の赤字というものをこの際解消されるような算定方法というものがとられなければだめではないか、そういう意味合いにおいてあまりにも算定の方式が便宜的である。
 反対の第五は、この前はなぜ伊能委員から二〇%にするのと一九・六六%にするのとでどれだけ違いがあるかと言われましたら、それは十六億の違いがあるという御説明をされて、今度は増加分を見込んで〇、二四一%に四十億という計算をしておる。併しながらそれは交付税率を変えて算定するのではなくして、一応の金額というものを出して逆算しておるという方法をとつておる、それでは最終の金額を打出してその金額に合せて交付税率を算定するということでは、自然増の分を増加率の中に算入されてしまうことになりますので、地方自治体側から見れば甚だ不合理でありまして、地方財政における自然増が全然見られないことになる。こういうことで算定方式がやはり便宜的である。
 以上の点から私は反対をいたします。
#152
○伊能芳雄君 この法案は本年だけの措置であり、緊急且つ必要最小限度のものと認めまして、賛成いたします。
#153
○委員長(中田吉雄君) ほかにございませんか。
#154
○小林武治君 私もかような暫定的な、又極めて安定すべき交付税率というものを便宜的に直すということは、将来に悪例を残すものと思いますが、この際のこととして止むを得ず賛成しておきます。
#155
○委員長(中田吉雄君) 他に御発言ございませんか……他に御発言もないようでありますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#156
○委員長(中田吉雄君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案について採決をいたします。本法案を衆議院送付案通り可決することに賛成の諸君は御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#157
○委員長(中田吉雄君) 多数でございます。よつて昭和二十九年度の地方交付税の総額等の特例に関する法律案は衆議院送付の通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつてあらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#158
○委員長(中田吉雄君) 御異議ないものと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書について多数意見者の署名を附することになつておりますから、本法案を可とされる方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    伊能 芳雄  館  哲二
    伊能繁次郎  古池 信三
    片柳 眞吉  小林 武治
    寺本 広作
#159
○委員長(中田吉雄君) 署名漏れございませんか……署名漏れはないものと認めます
  ―――――――――――――
#160
○委員長(中田吉雄君) 次に、昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案を議題に供します。提案者より提案理由の説明を求めます。
#161
○衆議院議員(加藤精三君) 提案者を代表いたしまして、提案の趣旨を御説明申上げます。
 昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案について、その内容の概要を御説明申上げます。
 本年七月の豪雨、八月及び九月に内地及び北海道を襲いました台風は、各地に甚大な被害を与えたのでありましたが、八月、東北、北海道地区の冷害による農作物の損害もまた極めて基大でありまして、そのため、本議会にその諸対策を盛つた補正予算が提出されておりますことは、御承知の通りであります。
 ところで、地方財政の実状は、いよいよ窮乏の一途を辿つておりますが、昨年以来相次ぐ災害によりまして、地方公共団体の歳入はますます困難を極めておるのであります。そこで、災害によりまして当然生じて参りまするところの地方税、使用料、手数料その他の徴収金の歳入欠陥が生じて参ります一方、各種の災害対策はどうしても急施を要しますので、昨年度の災害に準じ、これらの歳入の欠陥の補填と災害対策に要する費用を起債をもつて賄うことができることとし、それは政府資金をもつて調達することができることといたしたいのであります。
 これを要しまするに、災害の規模、損害の程度、地方財政窮乏の実状よりして、昨年の起債の特例法に準ずる法律を制定することが極めて必要と存じ、ここに提案いたした次第であります。
 何とぞ各位の御賛成を賜わるようお願いいたす次第であります。
#162
○委員長(中田吉雄君) 御質問ございませんか。
#163
○館哲二君 政務次官から政府の御意見を伺いたいと思います。
#164
○政府委員(石村幸作君) 館委員の質問にお答えいたしますが、この法律案はその内容を見まするに、昨年こういうものに類似な法律が制定されておりましたが、昨年のに比較いたしますと、元利補給のようなものも落ちております。この点この法律の性質から見て少し不満でありますけれども、この程度で止むを得ないと、こう考えております。又もう一つ、範囲が少し拡大し過ぎてはいないかと考えられる点もありますが、つまり七月の大雨等で、この程度で少し広過ぎはしないかと、こういうふうに考えております。
#165
○寺本広作君 只今の御答弁は、館先生の御質問には答えられなかつたように思うのですがね。館先生の質問の趣旨は、政府部内で意見の調整ができておるかどうかを聞かれたので、これについては特に起債の引受けの条件などが入つておりますから、そこらについて、政府部内の意見が調整できているかどうかをそれでは私からお聞きいたします。
#166
○政府委員(石村幸作君) 館委員の御質問に私のお答えが落ちていたというような御注意がありましたが、この政府部内での意思統一ができているかという、こういうような御質問だそうでありますが、これは議員立法でありまして、まだ的確にはそういうことはできておりません。併し聞き及ぶところによりますと、この発議者と大蔵省等においていろいろの打合せがあつたそうであります。
#167
○委員長(中田吉雄君) ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#168
○委員長(中田吉雄君) 速記をつけて下さい。
#169
○寺本広作君 起債の総領がどのくらいになるのかということと、その起債額に対してここで予定されておる財源から引受けができるかどうか、その二点だけ。
#170
○政府委員(石村幸作君) 今の数字の点でありますが、これは調査がはつきりまだ調べがついておりませんので、的確な数字は出ておりませんが、この立案者及び自由党におきましても、大蔵省当局といろいろ折衝した結果、これは大蔵省においても了解の下にここに提案されたことであります。そこで昨年の利子補給、元利補給、こういうふうなものを取りはずしたものも、そこから出ておる次第でありまして、これは実行できると信じております。
#171
○委員長(中田吉雄君) 別に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○委員長(中田吉雄君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正意見がございましたら、討論中にお述べを願います。
#173
○伊能芳雄君 この法律案の大体の趣旨は誠に適切であると考えまして、賛成いたしますが、この法律案中第一条第一項の七月の大雨ということを入れますことは、他のこの種の特例に関する法律との均衡上適当でないと思いますので、修正削除を適当だと思いますので、修正案を付して修正の動議を提出いたします。
   昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案に対する修正案
  昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案の一部を次のように修正する。
   題名中「七月の大雨、同年」を削る。
  第一条第一項中「七月の大雨若しくは同年」を削る。以上の通りであります。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(中田吉雄君) ほかに……。
 それでは討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(中田吉雄君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案について採決をいたします。先ず討論中にありました伊能君の修正案を問題に供します。伊能君提出の修正案に賛成の方の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(中田吉雄君) 多数でございます。よつて、伊能君提出の修正案は可決されました。
 次に只今採決されました伊能君の修正にかかる部分を除いた衆議院提出にかかる本法案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の御挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#177
○委員長(中田吉雄君) 全員一致と認めます。よつて昭和二十九年七月の大雨、同年八月及び九月の台風並びに同年八月の冷害により被害を受けた地方公共団体の起債の特例に関する法律案は、多数を以て修正議決されました。
 なお、本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条によつて、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつていますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして御承認を願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(中田吉雄君) 御異議がないと認めます。
 それから本院規則第七十二条によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつていますから、本法案を可とせられる方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    伊能 芳雄  館  哲二
    伊能繁次郎  古池 信三
    長谷山行毅  片柳 眞吉
    小林 武治  加瀬  完
    若木 勝藏  村尾 重雄
#179
○委員長(中田吉雄君) 御署名漏れはございませんか……御署名漏れはないと認めます。
  ―――――――――――――
#180
○委員長(中田吉雄君) 公職選挙法の一部を改正する法律案(第十九国会継続、参第五号)、(参第十二号)、及び(閣法第七号)の三件につきましては、第二十国会中解散がない場合は閉会中継続審査をいたしたいと存じますが、御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#181
○委員長(中田吉雄君) 御異議がなければさように決定いたします。
 つきましては、継続審査要求に関する手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(中田吉雄君) それではさよう決定いたします。
 それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後七時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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