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1954/12/03 第20回国会 参議院 参議院会議録情報 第020回国会 大蔵委員会 第2号
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1954/12/03 第20回国会 参議院

参議院会議録情報 第020回国会 大蔵委員会 第2号

#1
第020回国会 大蔵委員会 第2号
昭和二十九年十二月三日(金曜日)
   午前十一時十六分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
           藤野 繁雄君
           土田國太郎君
           小酒井義男君
           東   隆君
   委員
           青柳 秀夫君
           井上 清一君
           入交 太藏君
           木内 四郎君
           杉山 昌作君
           豊田 雅孝君
           前田 久吉君
           野溝  勝君
           平林  剛君
           森下 政一君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      小熊 孝次君
   農林事務官
   (農林経済局農
  業保険課勤務)  島  英夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○交付税及び譲与税配付金特別会計法
 の一部を改正する法律案(内閣送
 付、予備審査)
○農業共済再保険特別会計の歳入不足
 を補てんするための一般会計からす
 る繰入金に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今より委員会を開会いたします。
 昨日政府提案三件につきまして政府当局から説明を聞きましたが、そのうち交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案につきましては、資料が皆さん方のお手許に行つておりませんでしたので、本日改めて資料が出て参りましたから、その資料について補足説明を加えて頂きまして、そのあとで御質疑をお願いいたしたいと思います。
#3
○説明員(小熊孝次君) お手許にございます交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案参考資料につきまして御説明いたしたいと思います。初めのほうに条文の対照表がございますが、これは一応後廻しにいたしまして、一番最後に付いております数字につきまして御説明いたしたいと思います。
 二十九年度から交付税制度になりまして、その交付税といたしまして千二百十六億というものが予算に計上されたわけでありますが、その説明が1に書いてある数字でございます。それで当初予算におきましては、国税額の所得税が二千八百七十六億三千二百万円、法人税が千八百七十六億一千七百万円、これにつきましては昭和二十九年度に限りまして一九・六六の割合を交付税にすると、こういうことになつておりましたわけであります。で、それが九百三十四億三千四百万円になるわけでございます。それから酒税につきましては、国税額が千四百七億七千七百万円、こういうことでありまして、その二〇%が交付率でございまして、二百八十一億五千五百万円、こういうことになるわけであります。それで、この三税に対して交付率をかけたものを合算いたしますと千二百十五億八千九百万円になりますので、これをまるくいたしまして千二百十六億、こういうことになつているわけであります。それで、このたび都道府県警察費の算定替えに伴うところの追加として四十億というものを財政計画に織込む、こういうことになりまして、その結果におきしまして、その四十億というものをどういうふうにして算定したかというのが、その2の補正後の計算になるわけでございます。それで、所得税は当初の国税額につきましては当初と同じで二千八百七十六億三千二百万円、法人につきましてはこれは百五十億の自然増収を見込みまして二千二十六億千七百万円、こういうことになつたわけであります。それでこれに現行の率通りに一九・六六をかけますと、結局約二〇%でございますから、法人税の増収分百五十億に対しまして、約三十億の増加が当然見込まれるわけでございますが、それでは先ほど申しましたところの警察費の増加経費四十億というものに対しまして十億不足になりますので、国税額の所得税法人税額の欄のところを当初の九百三十四億に四十億プラスいたしました九日七十四億というものとの差額即ち四十億を出しますためには一九・八七四、こういうことにしなければならない、こういう結果になるわけであります。申し遅れましたが、酒税につきましては当初予算と全く同じでございますので、この法人税のところにおきまして、法人税と所得税のところにおきまして、一九・六六を一九・八七四にいたし、それによりまして、トータルといたしましては、計のところに書いてありますように、国税額といたしましては六千三百十億二千六百万円、そうして交付税額といたしましては、千二百五十五億八千九百万円、これをまるくいたしまして、千二百五十六億、差引き四十億の増加、こういう恰好になるわけでございます。で、数字といたしましては、そういうふうに警察費の増加、それを、所得税、法人税というものに対しまするところの割合の増加、交付率の増加ということで賄うわけでありますが、一応数字的には、四十億の増加をした場合におきましては、所得税、法人税の国税額に対する比率としてはじき出しますと、一九・八七四になる。こういう結果になるわけであります。
 それから更に前のほうに戻りまして、条文の対照のところを御覧頂きますが、これは今度の特別会計法の改正に関係いたしますところの参考資料でございますが、特別会計法の現在の規定は、第四条に書いてありますように、「地方交付税法第六条第二項に規定する交付税の総額に相当する金額は、予算で定めるところにより、毎会計年度、一般会計からこの会計に繰り入れるものとする。」というふうになつておるわけでございます。それを今度下に書いてありますように、第四条で、「政府は、毎会計年度、予算で定めるところにより、当該年度における所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の二十二に相当する金額の合算額に当該年度の前年度以前の年度における地方交付税法による地方交付税に相当する金額で、まだこの会計に繰り入れていない額を加算し、又は当該合算額から当該前年度以前の年度において当該地方交付税に相当する金額をこえてこの会計に繰り入れた額を控除した額に相当する金額を、一般会計からこの会計に繰り入れるものとする。」というふうに、その具体的な繰り入れの率等につきましてはつきり規定いたしたわけであります。なお、この附則におきまして昭和二十九年度に限りましては、先ほど数字で御説明いたしましたように、二十九年度限りの特例といたしまして、本文の百分の二十二というものを読み替えなければなりませんので、「昭和二十九年度に限り、改正後の交付税及び譲与税配付金特別会計法第四条中「所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の二十二」とあるのは、「所得税及び法人税の収入見込額のそれぞれ百分の十九・八七四並びに酒税の収入見込額の百分の二十」と読み替えるものとする。」このように改める経過規定を附則に設けたわけであります。
 それで、なぜこういうような改正が必要になつたかという問題につきましては、その次にございますところの地方交付税法の比較対照表を御覧になつて頂きたいのでありますが、地方交付税法の第六条の二項におきましては、「毎年度分として交付すべき交付税の総額は、当該年度における所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の二十二に相当する額の合算額に当該年度の前年度以前の年度における交付税で、まだ交付していない額を加算し、又は当該前年度以前の年度において交付すべきであつた額をこえて交付した額を当該合算額から減額した額とする。」そうして更に附則におきまして、二十九年度におきましては百分の二十二というのは、所得税、法人税につきましては百分の十九・六六、それから酒税の収入額につきまして百分の二十、こういうふうに読み替えておるわけでございますが、ところが先ほど申しましたような経過を辿りまして、十九・六六でなしに十九・八七四と変えるに当りまして、下に掲げておりますところの地方交付税の総額等の特例に関する法律というものが別途今国会におきまして提出されておるわけであります。それでこの第一条におきまして、「昭和二十九年度に限り、地方交付税法第六条第一項の規定にかかわらず、所得税及び法人税の収入額のそれぞれ百分の十九・八七四並びに酒税の収入額の百分の二十をもつて地方交付税とする。」それから「昭和二十九年度に限り、当該年度分として交付すべき交付税の総額は、法第六条第二項の規定にかかわらず、当該年度における所得税及び法人税の収入見込額のそれぞれ百分の十九・八七四並びに酒税の収入見込額の百分の二十に相当する額の合算額とする。」こういう現在ありますところの地方交付税法に対する特例法という形で出ておるわけであります。而もこの第二項におきましては、原則的な法律でありますところの交付税法の「第六条第二項の規定にかかわらず」、こういうふうに書いてあるわけであります。そういたしますと、現在の会計法といたしましては、第四条にも書いてありますように、地方交付税第六条第二項だけを引用いたしまして、それを繰入れると書いてあるわけでありますので、いずれにいたしましても特別会計法のほうを改正いたさなければならない。国の内部の繰入れ関係といたしましては、繰入れられない。折角百分の十九・八七四と改めましても十九・六六しか繰入れられない。こういうことになるわけであります。従いましてこの際におきまして、昭和二十九年度におきましては、最初のほうの会計法の附則に書いてありますように、十九・八七四を繰入れるんだということを明らかにすると同時に、本文のほうもこれは交付税法と同じように、第六条第二項に相当するような規定を明らかにして入れる、こういう改正をいたしました。交付税法の第六条の第二項のほうは、これは交付という言葉を使ております。これはおのずから地方公共団体に対しまする関係でございますので交付という言葉を使ておりますが、会計法の立場といたしましては、国の内部におきまして如何ほど繰入れるか、こういう問題でございますので、そういう点も明らかにする、こういうような意味合いによりまして、第四条では百分の二十二に相当する金額を繰入れるんだ。更にその増減関係につきましても、前年度以前の年度における地方交付税法による地方交付税に相当する金額で、まだこの会計に繰入れてない額を加算する、或いは当該合算額から当該前年度以前の年度において当該地方交付税に相当する金額を超えてこの会計に繰入れた額を控除する。そういうふうな表現で表わすのが適当であると思いまして、そうしてこのような改正をいたしたわけであります。一応御説明申上げます。
#4
○委員長(西郷吉之助君) それでは只今の説明に対しまして、この法案につきまして御質疑をお願いいたします。
 特にこの法案に御質問がなければ、他の政府提出の二件がございますが、これも関係者が来ておりますから、御質疑を願いたいと思います。
#5
○井上清一君 この第四条の改正の後段の点なんですが、これは、つまり「又は当該合算額から当該前年度以前の年度において当該地方交付税に相当する金額をこえてこの会計に繰り入れた額を控除した額に」、こうありますが、そうすると、例えば所得税なり、酒税なり、或いは又法人税なりというもののまあ見積りが非常に多くて、そうして或る年度において非常に多額に交付税を出した。ところが実際は低かつた。そのために来年度は減らすということになつて来ますと、これは地方としては或る年度の交付税というものは非常に減る場合がある。ですから、地方財政の見地からいえば、これは殖えたときはいいけれども、減たときに減るというのは私は酷じやないか、こう思うのです。ですから後段については私はちよつと考えなければならん点があるのじやないか、こう思うのです。で、大蔵省としてはどういうふうな御意見をお持ちになつているかお伺いしたいのです。
#6
○説明員(小熊孝次君) 只今の御質問は御尤もな点がございますが、昭和二十九年度から地方交付税法ができました趣旨と申しますものは、国の所得税なり法人税なり酒税につきまして一定の割合をきめまして、これは交付税なんだということをはきりしまして、そうしてその範囲内において地方財政も賄て行つてもらいたい、こういうことで、従来の平衡交付金制度でございますと、原則は地方財政の需要、それから収入というものを入れまして、それの差額を見る、こういう制度でございましたが、本年度からそういうふうな原則に立ち帰りましたので、趣旨といたしましては、場合によりましては、所得税、法人税或いは酒税というものが非常に殖えたというような場合におきましては、当然、現在はそういうことは考えられないかも知れませんが、地方団体としては必ずしも今直ちに金が要らないというような場合におきましても、その一定率の財源は確保されておる。その代り国税のほうが収入が少くなるということになりますと、それに応じて又交付税の額も少くなる。こういうような一応の根本原則を立てたものでございますから、地方交付税の基本実体法でありますところの交付税法自体におきまして、すでにここにございますように、まあこれは交付という表現でございますが、一応見込みで交付しておきまして、決算額が出まして、自然増収が出ましたら、その分も差上げます。その代り収入が間違いまして少くなりましたならば、その分は翌年度交付すべきもので調整いたしますと、こういう基本原則を考えておりますので、これはそういう制度をとつた以上は止むを得ないのじやないか。このように考えておる次第であります。
#7
○井上清一君 そうすると、大蔵省の徴税の見積り如何によつて地方財政というものが相当影響を受けるわけですね。非常に大蔵省が間違つて、徴税の見込みが違つておつたら、つまり年度をずれて影響を受けることになりはせんか。ですから、こういう点で、私はもう少し交付税法、地方交付税法と、それからこの会計法と両方について、もつと研究しなきやならん点があるのじやないか。こういう感じがするのですが……で、従来のそういうふうな例というのはございますか。
#8
○説明員(小熊孝次君) 従来これに相当するような制度といたしましては、地方配付税法というものが、ございましたと思います。私も十分存じておらないのでありますが、たしかこれは前々年度の決算額というものを基準にいたしまして、それに対しまして一定の率で交付すると、こういうことになつておつたと思います。ただその当時でありますと、まあその前々年度でございますから、必ずしも物価の動きとかそういうものに即応しないで交付されるというようなことになりますので、そういうような点から申しますと、現在の地方交付税法のほうが、当該年度で一応見込みを立てていると、その年度の経済事情なり何なりに相応するような交付の仕方ができる。併し、あとの辻褄は、一応その基礎をきめたのであるから、決算的に処理をするというのは、どうもこういう制度をとる以上は止むを得ないのじやないかというような気がいたす次第であります。
#9
○井上清一君 まあ税が伸びて行くときは私はいいと思いますけれども、だんだん税が少くなつて来るようなときに、何かこう地方財政の面で私はいろいろな影響が出て来るのじやないかというふうに思います。そういう点で、これは一つ、まあこれは一応きまつているのですから、あれですが、御研究をお願いしたいと、こう思います。
#10
○委員長(西郷吉之助君) この法案につきまして他に御質疑はございませんか……これに御質疑がなければ、他の農業共済再保険特別会計、これにつきまして御質疑をお願いしたいと思います。
#11
○藤野繁雄君 この昭和二十八年度農業勘定収支調、この資料の裏のほうの第三行目ですね。昭和二十七年度収入未済金収入というので五千八百四十一万五千円繰入れてありますが、二十七年度の収入すべきものは更に残つているのかどうか。
#12
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。二十七年度収入未済金収入が五千八百四十一万五千円、こうなつておりますが、これは二十七年度収入未済額の全額でございます。で、二十六年度分につきましてはもうすでにすべて決済されておりまして収入済みでございまして、ございません。それは保険金を払います際におきまして相殺的に処理いたしますので、まあ二十七年度に残つたものがこの二十八年度において五千八百四十一万五千円全額収入済みになつておる、こういうことになつておる次第でございます。
#13
○藤野繁雄君 そうしますというと、次いで二十八年度の収入状況は幾らですか。
#14
○説明員(小熊孝次君) 二十八年度におきましては未収というものは全然ございません。
#15
○藤野繁雄君 二十八年度はないというのですか。
#16
○説明員(小熊孝次君) 二十八年度の分につきましては、これはすでに全部収入済みでございます。二十七年度の分だけここに残つておるのが、若干おかしいわけでございますが、これは手続関係が遅れる等の理由によりまして持越された。それが二十八年度におきまして全部これだけ収納済になつておる。こういう次第でございます。
#17
○藤野繁雄君 そうすると、保険金というものは二十七年度までは、過去の分は全部完納だ、こう承知してよろしゆうございますか。
#18
○説明員(小熊孝次君) そのように了解願つて結構でございます。
#19
○藤野繁雄君 それからその次の積立金より受入というので五億数千万円あるのでありますが、これは積立金はこれで全部繰入れてしまつたことになりますか。
#20
○説明員(小熊孝次君) 二十七年度におきまして若干黒字が出ましたので、これが積立金として整理されておつたわけでございますが、これを二十八年度の災害関係によりまして、全部財源として使えるということになりまして、現在もう一つも残つておりません。
#21
○藤野繁雄君 これは最近の状況を存じませんから、或いは私の質問が間違つているかわかりませんが、農業共済組合というものは各市町村にできることになつているが、過去においては未設置の町村もあつたような気がしますが、現在ありませんか。
#22
○説明員(小熊孝次君) もう殆んど設置されてないところはないのでございますが、ほんの僅かでございますが、数カ町村だけ設置されてないところがあるようであります。
#23
○藤野繁雄君 その設置されないところの町村が若しありとしたならば、それは政府のほうでは必要がないと認められているのであるか、或いは市町村のほうで設置しないのであるか、その点お伺いいたしたいと思います。
#24
○説明員(小熊孝次君) まあ極めて少い例でございますが、未設置の町村があるわけでございますが、その理由といたしましては、その数カ町村につきましてどういう理由で設置されてないか。これは勿論農作物の共済というような見地から申しますと、それが共済する対象が非常に僅少であるというような場合は、これは考え得るわけでございますが、それ以外の理由で設置されてないものもあるかも知れません。その点につきましては後刻調査の上御報告申上げたいと思います。
#25
○藤野繁雄君 私が、或るとき調査した結果によるというと、或る程度の農業をやつているところの町村であつても設立がないような傾向がある。それでそういうふうな所が若し異常発生をしたということになれば、勿論自分の所が共済組合を作つていないのであるから、共済金をもらわないのが当り前であると考えられるが、併しそういうふうなときに異常発生が出る、いろいろの点で困るというようなときになれば、何とか対策を講ぜなくちやいけないということになりやしないかと思つておりますが、そういうふうな実例はございませんか。
#26
○説明員(小熊孝次君) 直接政府に対しまして、そういう点につきましての陳情等には、過去において未だ受けてないのでありますが、併しながらまあそういう際を契機といたしまして組合を設置するというような例は、過去には或る程度あつたように聞いております。
#27
○藤野繁雄君 それから、今度の繰入の問題についても、一般会計からの繰入についても、異常発生が非常に多かつたから繰入れなくちやならないということになつて来る。そうすると異常発生の認定をどうやるかということになつて来ますが、現在の異常発生の認定の方法はこれでいいと思うのであるか、或いは改める必要があると思うのであるか。若し改める必要がないと思つたら、まあ現在のもので完全であると思つておられるか。この異常発生如何によつては又供出関係にも関係がありますし、供出関係を調べてみるというと、農林統計事務所の調査と、都道府県の調査と、それから食糧事務所の調査とは違つておるような関係になる。この異常発生の査定というものをどうやつて決定して、そうして金額を定められるか。こういうようなところはこの繰入れに非常にデリケートな関係があると思うから、この点一つ少しく詳細に御説明願いたい。
#28
○説明員(島英夫君) 只今御質疑になつたのですが、私のほうの農業保険課長はちよつと衆議院のほうに廻つております。丁度時間が一緒になつておりますので、私が代つて参つたのでございますが、よろしくお願いいたします。私、技術のほうを担当しておりますので、詳しくは存じませんが、現在のところは、政府が行なつておりますところの損害、評価の認定方式というのは県単位に先ず認定をいたされるのであります。県単位にいたすと申しますのは、こちらの私のほうの農業共済組合の関係が評価いたしますのは、一筆ごとに評価を始めるわけであります。それが郡単位に或いは県単位にというふうに重なつてトータルされる。そのトータルされたものについて政府が最終責任を負うのでございますが、そのときに県のトータルについて査定を行う。その査定というのは、別段予算の枠と関係があるわけじやございません。どこまでも技術的に認定しなければならん問題でございますが、その認定の基準が技術的に現在のところは確立されておるという段階ではございません。それで、従いましてその認定の基準となつておる方法論に多少問題があるのではないかということを我々は考えておるわけでございます。具体的にどうしておるかと申しますと、先ず現在のところでは、作報事務所の資料を唯一の客観性のあるものとしてそれを利用いたしております。併しこの作報の資料はどこまでも収量のほうの調査が基礎になつております。私のほうとしては収量のほうではなくて、被害の額、とれなかつたほうのものが共済の対象になるわけでございますから、そのままでは利用ができないのでありまして、その作報の調査いたしました収量調査を逆算をいたしまして、その被害高というものを、つまり減収量というものを出して、その金額に見積るときに又いろいろな方法があるわけであります。例えば作報のほうでございますと、三割以下というような、非常に被害の小さいところのものは問題がないので全部入つておりますが、私のほうは三割以下の被害につきましては共済金の支払をいたしません関係上、これをとつて除かなければなりません。それから又作報の資料を使いますときに、それを修正するものといたしまして、面積の調整を図らなければなりません。向うの作報のほうの調査の面積と、私のほうの引受けておるところの面積等にもこれは当然の差があるわけであります。例えばその組合員の資格にいたしましても、一反歩未満の耕作者につきましてはこれを除外いたしております。作報のほうは除外いたしてございません。そういうような関係から面積においても不釣合いのところがございますから、それはやはり調整をいたしまして、一つの基準尺度として、認定の尺度として持つて来なければなりません。そういうような関係で、そのままでは、作報の調査を一応客観的な資料として使用しておると申しましても、そのまま使用ができませんし、それからもう一つは、そのときに大きく問題になりますのは、今の作報のほうは収量調査でございますけれども、私のほうは被害調査でございますから、どれだけ減つたという場合に、何からどれだけ減つた、その何からというものがあるわけでございます。例えば一筆の耕地をとりますと、その耕地については、平年においてはこれくらい取れるであろう、そのこれくらい取れるであろうというような平年収穫量というものを、どのような方法できめるかということが、この損害評価の認定のときにむずかしい問題になつて来ます。下からだんだん積み上げて来ますところの農業団体の行いました損害調査が、必ずしも、不適正だとか、或いは水増しだとかというふうに考える向きもあるようでございますが、そうではなくてやはり何からどれだけ減つたかという元の、基準収量と申しておりますが、その基準収量のきめ方が非常にむずかしいところがあります。現在のところは、県単位でやつておりますが、御承知のように、今のところ農業災害補償制度についての御審議を願つておりまして、この点の改正を只今行なつておりますが、協議がだんだん進みまして、現在のところ本会議のほうが四回ほど、それから幹事会というのを五回ほど開いております。その結論はまだ出ておりませんけれども、中間的な意見として出ておりますところを申しますと、現在はその県単位で認定をして行くという考え方を一応どこまでも下から積み重ねて行くものとマツチするように、上から「さし」を当てる、その「さし」の、県段階で当てる「さし」を、郡段階程度までに下に下げて行きたい、こういうことが議論になつておるようでございます。それがために、やはり作報の調査の方法におきましても、従来のような収量調査だけではなくて、被害調査、減収量調査というものについても一つの方法論を確立して行かなければならんというような話が出ておるわけでございますが、いずれそのうちに制度の審議会のほうで何らかの結論を出して頂けるものと、待つておるわけでございます。大体そういうようになつております。
#29
○藤野繁雄君 そうすると、供出割当における場合の反当収量と、あなた方のところの被害調査の場合の反当収量とに一致点が見出されておりますか。一方のほうで、被害調査の場合には反当収量はこれだけだ、供出の場合には反当収量がこれだけだというような齟齬の点がありはしませんですかな。
#30
○説明員(島英夫君) 只今のお話は、私のほうで行いました収量調査と、それから供出のときの割当になるときの収量とが一致していないかどうか。むしろこれは、恐らく実際に一番最初に、私のほうの農業共済組合の損害評価委員が調査いたしたときの収量調査と、それから割当のところでは、村の中に入つて行くと、配分の方法が必ずしも、一番最初の出たデータを使つて比較してみますと一致してない場合が或いはあるのではないか、こういうふうに考えます。それが今度組合を離れまして、県の連合会へ保険金を請求する基礎として出て来ますときには、やはりこれは何らかの形でこれは村のところで一致させるという傾向があるのではないか。それがために、実際の収量調査と、つまり県単位で積み重ねました収量との不一致を来たすというようなことが起きて来るというようなことが、まあ今のところ懸念されております。
#31
○藤野繁雄君 この問題は大分研究中のようだから、一つ研究をお願いするということにいたしまして、農業共済制度調査研究委託費というようなのがありますが、これは一体誰にどんな方法で委託しておつて、現在どういうふうな結果になつておりますか。今度の予算説明書の二百四十六ページに書いてあります。
#32
○説明員(島英夫君) 只今のところ資料を持つておりませんので或いは間違うかもわかりませんが、よくあとで調査いたします。二百万円の中味は幾つかに分れており、一つは蚕繭の共済がございますが、これについての調査を行なつております。それの趣旨は、蚕繭というのは家内作業でございますので、大体、町村に入ると、その被害が個別的に農家毎に非常に違つた災害の状況に出くわすということは非常に少いわけであります。そこで、共済の場合は損害評価は非常な難点になるから、その損害評価を適正に導くために、個々の農家についての損害評価というような面倒なことは省きまして、すべてを集団的に取扱つて、損害評価の場合も、或る村で全体としてどれだけ減つたかというようなものを調査いたしまして、それを一つの損害評価の基準の尺度にしてみたいというのが調査の一つの基準になつております。調査は各連合会のうちで、ブロツクに連合会を限りまして、共済組合連合会がその調査に当つて、そのとりまとめは私どものほうの農業保険課で行なつておりますが、今のところ集団引受と言つても、その集団という単位をどういう形でとらえるかということは調査の結果からはつきり出ておりません。ただ損害評価という形からも、まあそういう形が若しとれれば非常に好都合ではないかという見解が、一応中間的な結論として出ております。ただ集団引受をするといたしましても、団体としての経済に対するものを補償するのではなくて、やはり個々の農家の経済に対しての共済金の支払ということになりますから、そこのところが、団体引受、集団的な取扱といつても、結局は農家ごとの債権債務の関係を取扱う関係上非常にむずかしい問題がありまして、未だ割り切れておりませんから、継続して今のところ調査をしております。それが一つでございます。
 それから家畜のほうの共済関係で委託をしております。これは大家畜で牛馬は別といたしまして、中家畜といたしまして緬羊などを取扱つておりますけれども、この緬羊というのが非常に逆選択と申しますか、そういうことになつておりまして、農作物のほうでありますと全部が加入するわけでございますが、緬羊などでございますと、家畜のほうでは選択的に入つて来る。そうすると、その選択的に或る村で百頭おる緬羊のうちに十頭のものが加入したとしますと、そのときに十頭のうちの一頭が病気になつた場合或いは死亡した場合は問題はないのでありますが、その十頭以外の加入していない緬羊が病気或いは死亡するといつた場合でも共済金を支払つてしまうというような、一つの何といいますか、道徳的な危険を侵す場合があるのであります。そういうようなことがあつて、非常にどの緬羊が共済に加入しているかという識別が非常にむずかしいわけでございます。そういうような識別の困難性、そういうような逆選択というようなことをなくすためにはどうしたらいいかということをやつております。これはやりは緬羊組合というのが各村にございまして、その緬羊組合において集団的に取扱つてもらう、そして識別の方法もはつきり打出して行つたらどうか、どういう方法があるかというようなことを調査してはどうか、そういうことをすることによつて加入の促進も図れますから、農家の負担も従つて低くなつて来るという狙いが実現するわけであります。そういうような調査を一応やつてみようということで今年度で二カ年続けてやつておりますが、これも今のところ結論は出ていない。引続いてこれもやつておりまして、今年は緬羊組合の中の十組合程度のものを選択して、そこで実験的に集団的に引受けてみるということで、この調査を通じてやろうということで計画して、実施中でございます。結論は出ておりません。それから今申しました日本畜産会というのがございます。そこが委託先になつておりまして、実際調査するには、日本畜産会の傘下にありますところの緬羊組合というのがその衝に当つております。
 それからもう一つは、非常にむずかしい問題で、私よく存じませんけれども、今の損害評価の問題がございましたが、損害評価は、水稲なら水稲という農作物の損害を認定するということは、これはどうしても必要なことでございます。で、A点とB点との均衡を図るという意味におきましても、技術的に確立された基準の尺度、損害評価をするための基準の尺度というものを作らにやならんということで、これをずつと、この制度が始まりましてから以来ずつと、風水害というように災害別に、水にどの程度に漬つて、どのくらいの時間、漬つていた場合には、収穫の上にどういうような影響を及ぼすかということを、日本農業研究所というのがございますが、そこに委託いたしましてそういうものを作つております。これは農作物の損害評価の基準尺度の調査研究と、こういうような名目でやつております。前年度は非常に冷害が発生いたしましたので、その冷害の結果が減収に対してどのように影響をもたらすかというようなことを調査いたしております。
 大体、そういうような事項について二百万円の委託というものが行われたわけであります。
#33
○委員長(西郷吉之助君) 他に御質疑ございませんか。ございませんければ、本日はこの程度にいたしまして、明日土曜日は委員会を休みまして、来週月曜日午前十時から開会いたしまして質疑を継続して参ります。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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