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1954/12/06 第20回国会 参議院 参議院会議録情報 第020回国会 建設委員会 第2号
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1954/12/06 第20回国会 参議院

参議院会議録情報 第020回国会 建設委員会 第2号

#1
第020回国会 建設委員会 第2号
昭和二十九年十二月六日(月曜日)
   午後三時十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は次の通り。
   委員長     堀木 鎌三君
   理事
           石井  桂君
           石川 榮一君
   委員
           小沢久太郎君
           鹿島守之助君
           北 勝太郎君
           近藤 信一君
           田中  一君
           市川 房枝君
  国務大臣
   建 設 大 臣 小澤佐重喜君
  政府委員
   建設大臣官房長 石破 二朗君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       菊池 璋三君
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   建設省河川局長 米田 正文君
   建設省道路局長 富樫 凱一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○一級国道四号線中一部路線変更に関
 する請願(第五号)
○大利根、小貝両河川の堤防強化等に
 関する請願(第七号)
○東京、神戸間高速度中央道路建設促
 進に関する請願(第一九号)
○国道二十号線中尻峠のトンネル掘さ
 くに関する請願(第六六号)
○都市水利施設整備事業に関する請願
 (第六九号)
○宮崎県北川村、大分県大飼町間道路
 を国道に編入する等の請願(第九一
 号)
○発電ダム水害の防除等の請願(第九
 三号)
○土木港湾災害復旧費国庫補助に関す
 る請願(第九五号)
○放射四号線駒沢、瀬田間道路工事反
 対に関する請願(第九七号)
○地盤沈下防止対策に関する請願(第
 九八号)
○広島県中津岡川等の砂防工事施行に
 関する請願(第一〇〇号)
○道路整備改善に関する請願(第一五
 二号)
○北海道厚岸湾横断道路有料制度に関
 する請願(第二一五号)
○台風災害に対する特別法制定等に関
 する陳情(第九号)
○建設行政に関する調査の件
 (昭和二十九年度建設省関係予算補
 正に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(堀木鎌三君) 只今から建設委員会を開会いたします。
 先ず請願及び陳情の審査を行います。速記をとめて。
   午後三時十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時四十分速記開始
#3
○委員長(堀木鎌三君) 速記始めて。
 次に、請願第九十七号放射四号線駒沢、瀬田間道路工事反対に関する請願を、議題といたします。
#4
○田中一君 これは道路局長がよく知つている問題なんですが、東京の都市計画審議会で決定した世田谷の玉川電車の瀬田から駒沢に来る三十メートルの放射四号路線というのがございますが、これか丁度三年前に防衛道路として、日米合同委員会で決定された線なんでございます。これを予算一億何千万円、防衛費のうちから出して、東京都にやるようになつておつたところ二ヵ年ともこれを全然放置しておつた。全然手をつけてない。手をつけないのでなくて、調査も何もしない。そういうふうに一応決定されておつても、地元で心当然しないものと思つて考えておつたところが、昨年の六月頃突然に立入り調査を始めて来た。そこで地元の人たちかびつくりして、いろいろ陳情し、東京都のほうの方針も聞きして参つた経緯のものでありますが、予算措置ができないために、昨年は建設省のほうからも中止をするということの声明を出したわけなんであります。ところが、最近になりまして、又東京都はこれを予算措置をとつてやるから、是非やらしてくれというようなことを国のほうに申出て、且つ都長官の名前で、調査のために立入るという立入通告をして参つたわけであります。私からも今後……政府のほうにも請願はしておるのですが、政府としてはこの基本方針、いわゆる三十メートル道路を迫るということを言つているから、予算をつけてやろうじやないかということを言つておるのですが、従来三ヵ年もこれを放置して何にも手をつけないでおつた実情から見ても、殊に相当の、何億という金がかかるはずのもので、こういうものをあそこの交通量も少いところへ造るよりも、別の方面に使つてやつてくれということは、地元の、陳情反対者ばかりでなく、皆んな出ておるのです。一度政府としてはつきりとやらないということを声明しておりながら、地元のほうで全部挙げて着工を希望しておるということを言つたというので、地元民が大変びつくりして、又九百何名というものが署名をしてこの請願の形で現われたのであります。この道路は都市計画、大東京都の計画の一つであつて、この両方は相変らず狭い、十四、五メートルの道路に過ぎないのです。殊に東京都は先般からも引続き、用賀までの部分に対しては、二十メートル道路を造つておる。二十メートル道路を造つて、約一キロくらいのところが現在道幅が狭いというので、できるならはその狭い道幅のところだけ拡幅して工事をやつてくれ、こういうのが請願の趣旨であります。請願の趣旨だけを紹介議員として申上げました。
#5
○委員長(堀木鎌三君) 如何です、これは。
#6
○説明員(富樫凱一君) この放射四号線と申しますのは、只今田中先生からお話のありましたよりに、渋谷から出まして、二子玉川の橋を越えて、座間を通りまして、御殿場から沼津まで繋がる道路でございます。そのうちの東京都の分が放射四号線と呼ばれておりますが、この放射四号線ができましたならば、東京――沼津線……先ほど申上げました東京――沼津線、これは主要地方道路になつておりますが、東京――沼津線がこの上に乗る計画でございます。先ほどお話のありました現在の東京――沼津線は、用賀附近で五百メートルくらい狭い箇所もございまして、又非常に自動車の交通が多いので、現在困惑しておる状態でございます。そこで昭和二十八年度の第五次行政協定施設区域関係事業としまして、この道路の改良が計画されたわけでございますが、この際抜本的に放射四号線を改良しようじやないかということになつたわけでございます。
 そこで行政協定によります安定保障諸費から、一億二千八百万円をつけんわけてありますが、二十八年度は遂に着手に至らなかつたものでございます。この着手できなかつた理由の一つは、この放射四号線ができることによりまして、用地を買収され、或いは物権を移転しなければなりませんか、それらの関係の方々が反対せられまして、地元と意見が合わなかつたものでございますから、それで着手できなかつたわけでございます。で、昨年度の終りは、この金に繰越しができないいうような話もございまして、建設省としては、当時の状態から言えば、この工事は実現がむずかしかろうということを申したのでございますが、その後特別の法律ができまして、二十九年度に繰越されることになつたわけでございます。東京都に渡しました一億二千八百万円は、建設省で引揚げまして、建設省で持つておつたのでございますが、若しこの放射四号線かできないようであれば、ほかにも計画されておるところかありますので、その用意の意味もあつたわけでございます。その後東京都から、是非放射四号線は既定計画で実施したいというような申入れもあり、特に東京都知事から、本工事は必ず完成させるから、是非この金は本年度においてつけてもらいたいという陳情があつたわけでございます。そこで大蔵省とも折衝いたしまして、この一億二千八百万円は、放射四号線を実施するということで、現在話合いがついております。
 なおこのほかに、この行政協定道路は十一メートルの幅で実施することになつておつたのでございますが、これは放射四号線が三十メートルの幅の線で計画せられておりますので、公共事業費も足しまして、三十メートルの道路にしようという現在の計画でございます。この総額は約四億になりますが、二十九年度におきましては、一億二千八百万円のなかに、公共事業費として五千万円、そのほか單独事業費としまして一千万円、まあ六千万円をプラスいたしまして、一億八千八百万円で実施いたしたい計画でございます。先ほど田中先生の申されましたよりに、地元には反対もございますが、我々のほうには、世田谷区議会の議決並びに都の意見としても、是非実施したいという意見が参つておるのでございまして、私どもといたしましては、これらの用意をいたしまして、地元の御了解も得て実施いたしたい考えでございます。
#7
○田中一君 これは地図、地図といつても行かん方々は御存じないかと思いますがね、用賀の丁度約三丁、三丁ぐらいですか、この部分がとても悪いのです。この部分を直すために、玉川電車が持つてる路線ですね、専用線、これを獲得すればその部分だけは道路の貫通するわけなんです。そこでこの初めの放射四号線の計画というものは、玉川電車を確保してそこを通すという計画で、用水堀もあつたのを全部埋めて、そこに二千メーター道路ができておるのです。それを極く一部、一キロばかりの間を玉川電車の沿線を獲得すれば、立派に防衛道路は貫通するわけなんです。二十メーターの道路なんです。仮に三十メーターの放射四号線を造つたところが、この二十メーター道路は当然獲得しなければならないということになるのです。そして若しも私たちが世田谷に住む住民としてあれを利用する道路とするならば、先ず三軒茶屋とか渋谷の駅のガード下とかいうものがならなければ……、一番交通量の少い、殊に玉川電車の向うと言えば、厚木に行くというような道は全然ないです。車一台通るような道しかないのです。一番人家が稠密しているところの場所をあえて防衛費の費用で便乗してやるということは、今の都の財政から言つても、日本の道路計画から言つても、これは一貫性がないというのが僕らの考え方なんです。で、交通量の少い場所を四億の金をつけてやるということよりも、交通量が多くて交通の危険がうんとある三軒茶屋とか或いは三宿とか、池尻とか、ああいう所を先ず私たちは先にやるべきだというような考えを持つておるのです。
 で、道路局長は、まあこれは我々がいない国会で以て、欠席した国会で以て議決した防衛、何というか、安全保障費ですね、一年延期計画になつていますから何とも言えませんけれども、東京都がやると言つているんだからといつても、やると言つてから、三年やらないんです。今やると言つているからやるだろうということは、僕は今までの三年間の東京都の行動から見ても、信じられないと思うんです。恐らくやはり十一メートルなりの資金でその部分だけやつて、あとがそのまま放置するというような危険が多分にあるわけなんです。これは再三再四、道路局長にもお願いしておる通りです。そうして現に一応これをやるとするならば、もう周辺の土地は全部句会議員が買つてしまつておるんです。これは調べればすぐわかるんです。社会党でだけが世川谷区議会で反対しておりします。地主は極く少いんです。みんな大地主なんですよ。その農地は大部分のものは売つてしまつておあるんです。適当な人たちに。そうして初めは現物補償をしてくれる、金よりも現物を、土地を周旋してくれるからやつてもいいという肚であつたところが、全然わきで以て売つてしまつたんです。値段は今、これをやるというので、今は八千円、九千円という呼値をとつておるんです。こういうことになたりますと、とても自分たちはいられないというのが地元の切実な願いなんです。で、つい三月までは道路局長もこれはとてもできない、できないからやめましようと言つていたのが、突然東京都がやると言うからやろうということは、ちよつと僕はどうかと思うんですが、もう少し検討なすつてきめてほしいと思うんですできるならば、私は実地を……。
#8
○石井桂君 ちよつと関連して……。道路局長に質問しますが、この道路は都市計画法基いて都市計画審議会の決定を得た道路ですか。
#9
○説明員(富樫凱一君) さようでございます。
#10
○石井桂君 そうすると、道路の実行をする可否とか、それを事業年度に何年でやる可否とかううようなことは、都市計画審議会の権限に属すると思うんですが、そういうことはないですか。
#11
○説明員(富樫凱一君) この路線を設定されたのは都市計画審議会でございますが、また専業化するところまでは行つておらないようでございます。
#12
○石井桂君 わかりました。
#13
○委員長(堀木鎌三君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#14
○委員長(堀木鎌三君) 速記をつけて。
 本問題については、保留研究とすることに決定しました。
#15
○田中一君 委員会で実地調査するということに一つ、御決定願えませんか。
#16
○委員長(堀木鎌三君) 十分御希望を参酌してやります。
 河川局関係の請願を片付けましよう。
 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(堀木鎌三君) 速記を初めて。
 以上を以て陳情請願は終りました。
  ―――――――――――――
#18
○委員長(堀木鎌三君) それでは建設省所管の補正予算その他につきまして、建設大臣も本日は見えております。御質疑を願います。
 建設大臣、この間政務次官に仕越工事の分と、仕越工事でなくとも特別融資を、融資で以て考えると言つた分で支払いがなかなかできてないそういうもんだいが一つと、それからもう一つは今度の特別失業対策費ですね、それに対してのいろいろ質疑応答があつたのですが、それらの点について特に建設大臣から、今度来られるときには方針を述べてもらいたい、こういうことをお願いはしてあるのです。或いはそれに御答弁になる前に、各委員から御質問があつてもいいし、又それからおつしやつてもいい、こういうことなんですが。
#19
○国務大臣(小澤佐重喜君) 私から一応御要望に応ずることにいたします。
 先ず第一段の仕越工事の問題ですが、これは当委員会におきましても、再三皆さんから促進的の御質問がございましたし、又第一線の責任者であります私どもといたしましても、これは大きな問題でございますので、何とか速かなる解決を要望して参つたのであります。従いまして、この補正予算が閣議に提案されました場合におきましても、最終までこの問題については私らか主張して参りました問題が二つあつたのでありまするが、その、一つは今の二五%に十二するか二〇%にするかという大きな議論と、二十八年災の仕越工事の問題が最終まで議論になりまして、結局二五%の問題は原案の通りに話もついたのであります。
 仕越工事のいわゆる融資の問題につきましては、少くとも大蔵大臣はこの補正予算と重大な関連を持つこの仕越工事については、その大よその額と出し得る大よその時期を明らかに閣議で闡明してもらわばければ、或いは非常に密接な関係のある補正予算を承認することができないという趣旨で、最後まで主張し続けたのであります。ところが、大蔵大臣は自分はこの問題については、前々から検討もしておるし、私の言うことが十分分りますけれども、今この際現在の程度では、時期とか金額というものを話し得る程度にまでまだなつていない、何回も何回もの答弁でありました。そこでその事情等も承わりました。ということは、決して大蔵省はこの仕越工事の金を出さぬという意味じやなくして、この現金をどこから取るかということについて非非常に苦心をしておるのである。でありますから、その元になる金が出て来なければ幾ら出すということはできないので、これは資金運用部の資金を総合的に解決したい。今現在の要求では三百億以上の自治庁からの要求がありますけれども、一つづつ決めてしまえばあとの重要なものに一つも出せぬということになりますので、ちようど貧乏人が借金をして、大晦日が来て、この金をどういうふうに払うのかという気持で自分は考えておるのであるから、どうか今額を言うことだけは許してもらいたい。但し今申したように、誠意を以て解決できるという話でありましたが、それはその点は、額は自分がそういう事情が分つたから、一応了承しますが、その時期だ。時期というものが今年の十二月に現実に労務者なり請負者なりに、現実に金が渡るというような措置を講じ得る時期でなければ、これは非常に大さな問題になるのであるが、少くとも大蔵大臣はその時期の点、即ち本年十二月末までには現場のすべてに支払い得るような時期にまで措置をしてくれるかということを申しましたところが、その点はそういたします。こういうお話を得ましたので、一応この点は閣議で了承して、この予算を通したのであります。その後事務的にも毎月のように、局長なんかは自分が若し大蔵省で、できないということであれば辞表を出すよりほかないという悲壮な決心をしておりますので、毎日ように大蔵省に通つて事務的に進めておりますすし、私も会うたびに大蔵大臣に催促いたしております。そこで一旦大蔵省が決定しましても、決定をしてから十日間ぐらい手続にどうしてもかかるという事務の話でありますので、どんなに遅くとも、十日までにその手続を了するというには、十日までに最続決定をしてもらわんと困るということを、昨日も話しましたし、一昨日も話しまして、何とか十日ぐらいまでに最終決定をしてもらいたいということを催促いたしております。大蔵大臣は勿論十日までにだめだということは言いませんけれどとも、できるだけ努力しますが、今十日までに必らずやるという御返事はできませんが、極力御希望の線に副うて努力しますというのが大蔵大臣の現在でありまして、私から見ましても、大蔵大臣にいい加減に逃げようという、意味で言つておるのではない、真面目に考えておると思うのであります。で、現に大蔵大臣の選挙区の愛知県も非常に大きな金額で困つておるのだからということを、逆に笑いながらこつちから申しておるようなわけで、その点から言つても、大蔵大臣はこれをなおざりにして、言を左右にして時期を延ばそうとか、額をできるだけ少くしようというような考えは持つておらんように、私は見受けおります。そういうような事情で、今後も、明日になりましても、明後日になりましても、熱心にこの問題は催促いたしまして、そうして当初の大蔵大臣の言明は勿論のこと、言明しない額につきましても非常に大きな額に上つております。今までまあ本会議で田中さんから質問がありましたが、田中さんのお話では百億、私のほうでは八十数億というのですが、いずれにいたしましても次々とこれは出て参りますので、或る時期に六十億と思つたのがあとで七十億になつたりしますので、数字の詳細なまだ集計はできておりませんが、とにかく差当り今年内に払わなければどうにもならんという金だけでもまあ出して行きたい、こういうふうに考えております。
 それから第二点の緊急就業対策事業費の問題ですが、実はこの問題については、自分自身としましては、建設省でこうした問題をみずから立案してお話する必要はないのでありまするけれども、いろいろ閣議等で労働大臣からまあこういう金が要るとかいうような話を承つておりまするというと、どうもこの失業救済は勿論しなくちやならんけれども、その失業救済で使つた金というものが全然あとへ残らないという姿は面白くない。で、できることであるならば、この失業救済をやりながら一つの事業が残つて行く、即ち公共事業が少しでも進んで行くという姿が望ましいんではないかと私たちは考えまして、この補正予算の要求のときに省議を開きまして、何とかしてこのいわゆる失業救済を兼ねた事業というものを新規に要求しようではないかというので、省内で各局からいろいろ持ち寄りまして、結局この二十九億円ばかりが新規就業……そのときは名前はこうなつておりませんでしたが、名前はあとで変りましたけれども、緊急就業対策事業費として、二十九億を新規事業に要求いたしたのであります。
 この要求をいたしました額は、抽象的に申し上げますというと、只今も申上げましたように、この失業救済を兼ねた公共事業、勿論一般公共事業でも失業救済というものが或る程度含まれてはおりまするけれども、もう一歩前進いたしまして、失業者を救済し得るような構想の下に失業対策事業、即ち、緊急就業対策事業費というものを要求しようではないかということになりまして、持ち寄つた金が二十九億何がしであつたんであります。二十九億何がしというものの新規要求をいたしまして、そうしてまあ大蔵省と折衝いたしましたところが、大蔵省では、これはこの道路事業費のうちの一〇%を全部返すんであるから、そのうちの一〇%のからそういうものをやつてくれないかという話があつたんであります。併し私のほうとしては、自分のほうの事業そのもので、自分のほうの所管じやないところの失業対策をやるのに、プラス・アルフアがないのに、従来の建設省に割り当てられた金だけで失業対策をやるということは絶対にいけない。少くとも失業対策をやるためにかかる経費或いは事業が、失業者を使つた場合と普通の人間を使つた場合と、その事業が落ちるとか落ちないという議論がありまするけれども、仮に事業が落ちないにいたしましても、例えば失業者を一定の土地から現場まで運ぶトラツク賃とかなんかに使つている金が、一般の労務者を使う場合と違つた費用がかかることは明らかなことであります。そういう観点から、私どもは少くとも余分に、労働省の責任でありまする失業救済をやる、そのやつたがために余分にかかる金だけは、何とか新らしい財源でやつてもらわなければならん。そうしないというと、結局この事業費というものは総体的に縮小される形になるのであるから、その失業を取入れた事業をやる以上は、その余分な部分、無駄な部分だけはプラスをしてもらわなければ事業はできないというので、盛んに交渉しました。交渉しましたが、ぎりぎりの問題は、結局一億ということになつたのであります。
 ところが、一億と言いましても、河川と道路の両方でございまして、今九千六百何がしの金のうちには、六千万円しか新らしい財源は加わつておりません。あとの四千万円というものは、河川のほうの二億の中に四千万円が入つております。合計いたしますると、名前は出ておりませんけれども、河川のほうの二億を加えまするというと、結局同じような費目のものが十一億何がしになつているわけであります。この金額に二億プラスすることになつておるのであります。そうしてその二億プラスされたもののうちの一億というものが新らしい財源で組み立てられているわけであります。
 そこで問題が、一応この金で十一億の事業をやつた場合に、失業対策をやつたがために、一億以上の損をするということになれば、その部分だけでも多少でも事業量が減るという理窟になるのであります。併し私どもはできるだけ事業量を減らさずに、而もこの失業救済をやるという建前でありまするから、新らしい財源、即ち失業救済のための財源というものはやはりプラスされるべきはずだというので、非常に強く国のほうへも要求いたしておりましたが、結論においては、今お話申上げました一億ということになつたんであります。なつたんでありますが、いずれにしても同じ政府でやる仕事でありますから、その場合に失業救済をやるために、一億では足りなくて一億五千万円に仮になりつても、それだけ労働省のほうが経費が多少でも節減される、又国の目的でもありまする失業者が救済されるといううのであれば、これは皆さんも理解をしてくれるんではないかというような意味で、最終段階プラス一億ということで、この案を呑んだような始末でございまして、本来から申上げれば、何も建設省が出しやばつて、建設省でこれをやらなくちやならんという別に大きな大任もございませんが、併しながら同じ政府として考える場合には、できるだけ前段申上げましたような、同じ失業対策に使う金でも、事業を残しながらやるということは、日本復興のためにも然るべき案ではないか、こういう見地からこの案を取上げました次第でございまして、若しこの予算が可決を見まして実施をして、これが成績が若しよいということになりますれば三十年度の予算では、やはり相当にこの事業というものは重視されて予算の最終決定が見出されるんではないかという点を考慮いたしまして、これは単なる事業を完成するというばかりではなく、本当に失業者というものを十分救済するという建前で建設省ではやりたい、こういうふうに考えておるような次第であります。
 まあ大よその輪廓をお話しましたから、なお御質問がございましたら、これにお答えすることにいたします。
#20
○田中一君 今の失対事業というものは常に金をやるんだ、事業量よりも生活費をやるんだというような形で、事実は公共事業をやる場合にもそういう形になつて来ている、内容が、内容というよりも、政治的にそこでどういう形で以てこの失業者を、何というんですか、つかむというんですか、形式は……。
#21
○国務大臣(小澤佐重喜君) この問題につきましては、一応今後やつて行く事務的な方針を省内の省議で決定をいたしまして、そうしてかなり具体的な方法を決定いたしておりますから、詳細なことをきめておりますから、一つ官房長官から……。
#22
○政府委員(石破二朗君) 只今御質問の、失業者を就労させる具体的な方法如何という御質問でありますが、勿論これは職業安定所の紹介によつて雇い入れるということになると思います。
#23
○田中一君 誰が雇うんですか。
#24
○政府委員(石破二朗君) 事業施行の主体が雇うわけでありまして、直轄と補助とに分れておりますが、直轄分につきましては、これは直営でやる場合もありましようし、請負でやる場合もありましようし、従いまして直営でやります場合には国若しくは地方公共団体、請負でやります場合にはそれぞれの請負人が雇い入れるということになると思います。
#25
○田中一君 この資料で緊急失業対策法というのはありますけれども、分けておるのは無技能者、有技能者と二つに分けてあるわけです。私は直轄でやる場合にはこれは一応、一応というよりも、これですら適格者が来るとは考えられないのですね。従つて請負でやる場合に請負人と、それからその失業者と言いますか労務者と言いますか、これがその仕事に適格であるかどうかということはなかなか疑問だと思うのですよ。そうしますとね、労働基準法違反ということはどの現場でも起きると思うのです。起きる虞れがあると思うのです、恐らくね。小廻りと言いますか、その集団に十名なら十名の集団があつて、お前たらはこれをやるんだと言つて与えて、請負人は損しちや困るものですから、何も失業救済のために商売するんじやないのですから、そうすると、十人なら十人の集団とか、五人というものに任してやろうということになるのですね。労働強化が行われるということになる。従つて失業労務者の掴み方というものが一番問題になるろ思うのです。それは従つて、能率に影響するのです。私が今まで見聞きしている点から行けば、失業者を使う場合には、事業量が減ることは問題いない。能率が落ちることは間違いないのです、適格者でないのですからね。集団が専門の仕事をするというのじやないのですから。失業して困つておる者を使うんだということによつて来れば、少くとも専門的な、土工にしても何にしても、そういうものはやつて来ないと思うのですよ、ほかに商売があるんですから。その掴み方をどうするかということ。これはおのおの請負人なら請負人、直営なら直営で使うんだということは、教えられないでも、ちやんとその所管がやつておるのですから、そんなことを聞いておるのじやない。どういう形で掴んでどういう形で仕事をさせるかということなんです。一人々々の能率というものは、土工なら土工という専門の人間素人の失業者と比べてみたら、相当幅があるのです、能率に。それを少くとも八〇なら八〇、九〇なら九〇というそのくらいのパーセントの能率を上げさすということは、失業者の掴み方問題だと思うのです。そういうことをどう考えておるかき伺つておるのです。
#26
○政府委員(石破二朗君) お話の通り、失業者にもいろいろ種類があるわけでございまして、この公共事業に、公共事業の一種でございますが、就労させまして、こちらが普通労働者の労働能率を期待するというのは、全部の失業者にこういうことを期待するのは、勿論無理でございます。実は失業対策、失業者を対象とします政府の事業としてはいろいろあるわけでございまして、労働者所管の失業対策事業というものも勿論あるわけでありまして、今回の補正予算でも若干増額されることになると思いますが、そういうわけでございまして、それらと両方かみ合わせまして、私どもの考えといたしましては、この緊急就労対策事業は公共事業の一種であり、非常に重労働を要するものでありますので、失業者の中でもこれに向く適格者を選んで、先ずこれに就労させる。これに就労の機会の与えられないものにつきましてはは、労働省所管の比較的簡易作業だと思いますが、そういう、一般の失業対策事業に吸収して行こうと、こういうふうに失業者を選り分けましてやつて行く。具体的に申しますと、この緊急就労対策事業をやります個所でございますが、一番いい例で申しますと、炭鉱地帶等の、従来鉱山に勤めておつたようなかた、こういうかたは道路事業にすぐ転用しても、まあ我々はその能率は落ちないものと考えております。又工場方面に働いておつたかたでも、道路事業程度の筋肉労働には耐えられる。この程度の人でありますと、この程度の事業に吸収し得る。また失業者のいろいろ向き向きに応じまして、重労働に耐えるようなものはここに吸収し、比較的体力の弱い方は、一般の失業者対策事業に充てる、こういう両方かみ合わせてやつて行かなければならんと、かように考えております。
#27
○田中一君 私はどう考えても、一億程度、こつちでは六千万、九億に対する六千万の増では、事業量が減るということを認めざるを得ないんですね。九億六千二百万というこの内容というものは、現在あつたものに対する六千万だけここにプラスしたということなんです。河川のほうに四千万あると大臣おつしやいますが、六千万を入れても事業量は低下する、事業量は減るということになると思うんです。これはですから、むしろ、先ほどだいぶ大蔵大臣もやかましく言つたという、六千万を新規要求がなくちやできないというのは、おつしやる通りですよ。併し六千万程度のものでは到底、能率の低下ということもカバーできないと思うんです。そうして訓練もない失業者を入れるということになりますと、下手すると混乱する。三日やつて一日帰るというやつです。この程度のものは小さい請負人、地元の地方の請負人がやるんですね。明日出て来ると思つているのが、そのうち三日やつたら三十人減つちやつた。又集めなければならん。適格者がないということになれば、請負人はその面のロスを見込まなければやりません。実態は、そういうものなんです。失業者とおつしやつても、五十が恐らく三日やつたら半分減つちやうものなんです。又改めて探して来るということになるんですね。そうすると、仕事の期限も遅れる。それから能率が落ちるから、やはり費用もかかり間接費がかかるということになると、どうしてもこれは九億に対する六千万程度の新規要求の金では、失業対策の実が挙がらない。失業対策の実は挙つても、それだけ公共事業そのものの完成というものが非常にマイナスになるということに対して、もう少し、どういうように考えているかということを伺つているので、その点を伺つているんです。ただこうやるだろう、こうやるだろう、なるだろうということじや、駄目ですよ。実態をお調べにならんとこれはいかんと思うんです。従つて地方の堤防工事その他で地元の人間を使う場合と、失業者を使う場合とは、おのずから違うんです。こういう点をどういう工合にどの辺まで調査してやつたか、それを伺いたいと思うんですよ。炭鉱地帯の地上へ這い出している労働者を使うことは、これはいいと思うんです。これだつて完全に行くものじやないんです。完全には行きませんが、これはいいと思うんですね。
#28
○政府委員(石破二朗君) 只今の御質問、いわゆる失業者の実態なり、失業対策事業の実態をよく御承知の上の御質問でありまして、実は私どももその点は非常に虞れております。特に今回は初めての事業でもあり、金額は僅かでありますけれども、施行期間も短く、失業者を救済するという焦眉の急に迫られているのでありまして、お話の通りの心配を我々も十分いたしているわけであります。従いましてお尋ねの、どの程度の準備をしているかというお尋ねでありますが、正直に申しまして、私どももどこでこれだけの事業をやれば必らず期待通りの効果が出る、そういう事業があるという実は確信を、正直に申上げまして、実は持つておりません。で、実は子主としてこの問題を協議するために今月の十三日に全国のの土木部長を集めまして、全体としてこれこれの事業がある、それからこれにはこういう条件がつく、これで、果してお前のほうでやる自信があるかどうかというような点をとつくりと打ち合せまして、遺憾のないようにしたいと思つておりますが、御指摘の通り、これを期待通りの効果を上げるということには、非常な努力が要ると思います。
#29
○田中一君 この九億何千万ですね、これはいつまでに完成するのですか。本年度内ですか。私は、失業対策で以て金を出すというのじやなくて、失業者をなくすということが主眼でなくちやならんと思うのですよ。従つて、これは教育の問題があるのですね、だから、一応この一億なら一億というもののプラス・アルフアというものがあるなら、これは教育費だ。当然これは、これだけはどの現場においても教育費として出す。そうしてまあ機械を扱うなり土木をやるなり、何するにも、仕事を覚えたらそれは少くとも永続して使うというような形で以てやる以外には、所期の目的は達せられないと思うのですよ。失業者に職を与えるということじやなくて、失業者を吸収するということです。恒久的な、一時的な便法じやなくて……。こういう心構えで来るならば、僕は別な成績が上つて来ると思うのです。今のような、ただ失業者に職を与えるというようなことじやなくて、適格者は道路工事専門の土工なら土工ということにして使うのだ、鋪装工を養成するのだという心構えで、その予算ぐらいは別に別の口からとつて、それがプラス・アルフアになるということにならなければ、今の当面の問題じやこれは恐らく、大臣一生懸命なすつても、所期の目的は達せられないと思うのです。そこでまあこれは何といいますか、今までやらんことをやつているのですから、これは結構ですけれども、そういう点は土木部長よりも、地建の人たちにもよく聞いてやらんといかんと思うのです。それから直傭しますとね、直傭というのは入り替り立ち替りやるというのじやないのです。まじめにやる人があつたらずつと使つてもいいでしよう。そうすると組合の問題も起きて来ますから、こういう点もよくお考えにならんと、徒なら混乱があつて、却つてそのために公共事業が阻害されるという虞れもありますから、この点もよく御注意になつたらいいと思います。
#30
○国務大臣(小澤佐重喜君) 今の田中君の御注意ですが、勿論今言われたことも含めて研究しております。それからそれだけを切り離してしまうというと、私のほうの仕事じやないようになつてしまうので、やつぱり事業のほうとくつつけなくちやならないので、今のような措置をとつたのですが、どつちにしても、新らしい仕事ですから、御意見を聞いて、本当に所期の日目的が達せられるようにやりたいと思つております。
 一番大きい問題は、先ほど私も言つたのだし、あなたも指摘されたのですが、仮に一億ぴつたりに行かんでも、あと一億五千万ぐらいは、仮に事業量が減つても、やはりそういう目的のほうがいいのじやないかという気持を私も持つております。ただ交渉がうまく行かなかつたので、二億ぐらいとれば何とか恰好がつきますが、一億じやどうも足らんように思つておりますが、運用の面については、皆さんの意見を聞いて、初めての事業だから、何とか、よかつたというように成るべくやりよいと思つております。
#31
○石井桂君 この際、大臣が御出席になつておりますから、ちよつと私質問をかねて希望を申上げたいと思うのですが、二十九年度の補正予算におきましては、公共事業費をおおむね七〇%を節約しておられる。そうして量は減らさない方針でいらつしやる。この前の建設委員会で官房長の御説明では、量も減さないし又質も落さない、こういうつもりでおるという御方針を述べられたようです。私ども長い間そういう技術に関係している者の目から見れば、そうでなくても非常に苦しい官庁予算なんですね。そこに持つて来て全体量の予算の七〇%が減つて、そうして量も減さないというと、どうしてもしわ寄せは質に来るわけなんです。で、一番困るのは誰かというと、関係する監督とか造る人が一番困る。そういう心配は今なお私はしておるわけなんです。それについて、まあ大臣、いろいろ建設省の幹部を集められての御協議の結果の方針と思いますから、そういうことに対する不安はないかどうか。私どもの所へは非常に減らされて質が悪くなるだろう、こういう訴えが来ておるんですが、そういうあたりの御意見をお聞かせ願つて、そうしてなおそういう質が低下する方面については格段の御配慮を願いたいというのが、私の質問と希望なんでございます。
#32
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは石井さんのおつしやるのは御尤もなんで、従来まで節約、節約というので、うんと削つて来ておるものを、更に七%も削つて、而も事業量が減らんというようなことは、実際問題としては大きな問題で、神様みたいな仕事なんです。併しながら私らの申上げておることは、そういう非常なむずかしいところを何とかしてやろうという努力目標でありまして、こんりんざい一つも減らんということは、実際上言えないんです。併し金を減らしたとき事業量を減らすというのでは、少しも政治でも何でもないんでありまして、私らも全職員が集まつて何とかしてこれをやろうという、その気持の美しさだけを買つてやつて頂いて、又質も悪くならんように十分注意したいと思います。
#33
○田中一君 もう一つ伺いたいと思うんですが、先だつて本会議で質問した問題なんですがね、今の建設省は調べておりますか。各府県の持つておる仕越工事に対する未払金の問題はどういうことになつておりますか。それあつたら一つ、お出し願いたいんですがね。
#34
○国務大臣(小澤佐重喜君) 今私のほうで取りあえず調べたのは、この前あなたに答弁したように八十億幾らなんですが、この表の内容も詳細できておりますから、若し何だつたらお配りしたいと思います。
#35
○田中一君 それは何ですか、府県程度ですか。市町村は取つておりますか。
#36
○国務大臣(小澤佐重喜君) これは府県程度になつております、この表は。併し府県程度も、これを積み重ねたものが八十三億八千万ばかりになつていますが……。
#37
○田中一君 これは河川局長、調べたんですか。
#38
○説明員(米田正文君) そうです。
#39
○田中一君 そうしたなら、それね、市町村まで行つていますか。ちよつと内容を説明して下さい。
#40
○説明員(米田正文君) これは各府県に各府県工事の仕越工事を調べさして、同時に市町村の話もしました。併し市町村の関係はどうもまだ調査ができないというので、ここでは各府県の仕越工事だけを書いてございます。
#41
○田中一君 これは何ですね、まだ全部まとまつたわけではないんですね。これで完成したもんですか。
#42
○説明員(米田正文君) これは完成したものです。ただちよつと説明を補足しますと、各府県からはもつと大きい、百億以上の仕越工事の調書が来ました。そこで一々各府県について係官が査定をしまして、適正なものだけを選び出して調書を作つたものでございます。
#43
○田中一君 これができていれば、大体建設省案としてここにこれだけ、これ全額を大臣が要求しているならいざしらず、全額を要求してこれだけが……大蔵大臣との肚と肚との話合いはこの線に来るんだ、八十三億に来るんだというなら何にも言いまよせん。非常に結構ですから……。そうでないというと、どういう肚構えでいるか。配分計画というものは一応、大臣のほうにあると思うんです。私は八十三億全部年内に払えるとははちよつと想像できないものですから、そこでいわゆる査定をしたくらいな建設資金なら、今度は融資の配分計画というものがどこかにあると思いますが、これを一つ率直に、この委員会で御説明願いたいたいと思います。
#44
○国務大臣(小澤佐重喜君) 配分計画は、例えば八十三億全部出た場合はこの通り配分しますし、五十億の場合にはどうか、三十億の場合にはどうかというような問題があなたのおつしやる点だと思うのでございますが、ところが、相手の大蔵省のほうの額がどこまで来るか、私としても未だ呑み込めませんし、実際から言うと、想像もつかないのです。どうも非常に悪い心配なんですが、我々の想像とはずつと下回つているのじやないかということさえも、ときどき情報で聞くのです。でありますから、そういう状態で、私らといたしましてはここをどう配分するかというよりは、木元であります大蔵省からできるだけ五十億近いものを出してもらいたいというところで、一生懸命やつておるものですから……。
#45
○田中一君 年内ですね。
#46
○国務大臣(小澤佐重喜君) 年内です。従つて今ここで配分といつたところで、実際には行つておりません。事務のほうでどう考えているかわかりませんか、私自身としては白紙で、三十億より四十億、四十億より五十億、少くとも五十億だけは確保したいという気持でいるものですから、又配分については意見がありますれば、いつでも皆さんの御意見等も伺つて、これを堂堂やつてもかまわないと思います。
#47
○田中一君 若し最悪なる場合には、五十億ということになつた場合に、あとの三十三億に対してはこういう方法を条件として大蔵大臣に要求して頂きたいのです。それは、このままうつちやつておきますと、実際に倒れちやうのです。金利で追われているのです。そこで政府の支払混乱防止法を発動して、その金利に見合うものを、国から、当然これは法律にきめている金利なんですから、銀行金利に見合うものる払うようにしまして、非常にこの暮になつて相当金も出るでしようが、恐らく今のような傾向ですと引締めも相当あると思うのです。恐らく昨年のようなことになると、相当日本銀行にはお札が戻つて来ると思うのです。その場合、市中銀行に対する紐付き融資ですね、ということを大臣から強く要求して欲しいのです。これが条件でなければ、八十三億全額出してもらう以外には……。解散になると困りますが、(笑声)だから、結局十日頃までにその肚をきめて……。
#48
○国務大臣(小澤佐重喜君) いや、解散だということになれば、大臣は解散だ。
#49
○田中一君 ですから、折角あなたがやつたことなんだから、あなたの手で始末するのがいいというので、僕は申し上げておるのですから、一つ何とか十日なら十日までに、十日前に成るべく、いつするか知りませんが、この締めくくりをして、若しどうしてもできない場合には、今言う紐付き融資ですね、このくらいまでの親切味をもつてやるように、大蔵大臣に強く要求しておいて下さい。そうしなければ、私本当に申し上げますよ、三重、愛知なんかは本当に何百人、何千人の労働者が、大挙して押しかけて来ますよ、それで国には中小金融公庫ほうに幾ら二十億を融資しようかなんとか、これは権利なんですよ、当然もらうものをもらえないで行つているものに払わないで、そうして脇のほうに政治的に御機嫌を伺うようなことは、悪い政治です。そこまでの決心を、一つ肚をきめてやつて頂きたいと思うのです。ちよつと言明して下さい、本当の肚を。どうですか、期限はありません。二、三日です。
#50
○国務大臣(小澤佐重喜君) あなたのおつしやる通りやります。
#51
○田中一君 うまいことをいつても、この間もそういうことを言つて逃げるけれども、はつきり言いなさい。
#52
○国務大臣(小澤佐重喜君) これ以上はつきり言えませんよ。(笑声)
#53
○田中一君 お前と同じだということじや、社会党と同じになりますよ。
#54
○国務大臣(小澤佐重喜君) この問題は社会党とか自由党とかいう問題じやない。政府が払うべき金を払わずにいるのですから、それはあなたがおつしやる通りの実情というものは把握しているのです、私自身として……。従つてこれに払わないというなら、政府のほうが悪いのでありまして、その政府のほうの悪いものを、自分が第一線の責任者としてうつちやつておれるわけはないのでありしますから、だから、私はなたが考えている以上にこれについては努力するつもりです。現に局長がこれができてなければ辞表を出すと、本当に冗談でなく言つてるくらいに深刻なんでありますから、それを見て、お前辞職するなら勝手だという、態度で私が勤まるわけがないのであります。その点、おつしやられる以上に深刻に考えております。
#55
○近藤信一君 先ほどの質問にもう一遍帰りますが、失業者の救済に対する問題なんですが、大体失業者を六〇%くらい吸収しようと、こういうことになつているようでございますが、問題は私はこういうことを考えられているかどうか、先ほども言われましたように、重労働に耐え得るような物を使つて行こう、こういうことになりますと、給料の問題は従来の失対事業に対する給料と同じ給料で、そういうような失業者を吸収して行くのかどうか、先ず給料の問題はどう考えておられるかという点……。
#56
○政府委員(石破二朗君) 一般の失業者でありませんところの、一般の労働者並の大体給料を払うことになると思います。尤も私どもが期待しております程度の労働力を持たない人を雇うというようなふうになりますれば、それに応じてやはり給料は若干下げなければいけないと思つております。
#57
○近藤信一君 従来のあの失業労働者は、働かない、働かないといつて、いろいろあれがあるのだか、その問題はやはり、根本的な問題は給料に絡んでいると思う。労働者のほうに言わせれば、こんな給料で本当にまじめに働けるか、こういうようなことで、時間通り稼げばいいと、こういうような考え方の失対事業が多かつたのです。今度の問題は性格的に違うので、そういう点は力一ぱい働かせるなら働けるような、そういう給料のものを十分に考えて、そうして実際の土木建築労働者と同じような水準の労働であれば、或いはそのような方針でやられなければ、先ほど田中委員が言つておられたように、仕事に対する熱意が出て来ない、私はそう考えているのです。その点を十分考慮してやつて頂きたい。
#58
○国務大臣(小澤佐重喜君) この問題については、私も素人で、局長やなにかといろいろ教わりながら論議して来たのですが、大体トロツコ一ぱいで幾らというようにきまつてるらしいのですね。そこで失業救済事業では、新らしく吸収された人も、その人が今までの普通の人よりも能力があれば、その人以上に取れる。その代り、能率が落ちればその限度で落ちて来ると、こういう形になつているというのです。ですから、それなら事業量も割合減らないことになるのじやないかというような感じを持つたのですが……。
#59
○小沢久太郎君 この前政務次官が来られたときにお願いしたのは、あの初年度の災害ですね、三、五、二ということで建設省は御努力されているが、それからまあ今年は予算的な関係で二五%だけだつた。我々は成るべくつまり三〇%ぐらいにやつて頂きたい。あとの五%というものはやはり融資とかなんとか、そのときの必要によつて、やはり大蔵省と交渉して出すように努力して頂きたいということを、政務次官にもお願いし、それは大臣とよく相談して御答弁を頂きたいというようなことだつたのですけれども、その点について大臣の一つ、御所見を伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(小澤佐重喜君) そのことを今話そうかと思つておつたのです。が、実は私のほうの党内の事情と関係するものですから、殊更に話せなかつたのです。これは小澤君も御承知のように、党のほうでは建設省で最初出しました三〇%案というものを極力支持したのであります。ところが、どうしても三〇%は出せずに、第二段の関係では二三・五だけを出すというようなことになつて、非常に揉んだんでありますが、結局は二五%まで折れようと、その代り、あとの五%は融資でやれというのが、自由党の決議なんです。その決議には私は参加しておりませんけれども、その主張を十分了承しておりますから、閣議の際にも私はそれを主張いたしまして、大蔵省さんは了承しております。併しこの了承という程度には皆さんに報告する程度の、果して大蔵省は融資するかしないかということについて私も余り自信を得なかつたものですから、一応そうなつていますけれども、ここでおおつぴらに皆さんに発表するまでに自信を持てないという意味で遠慮しておつたのですが、心構えはここでは言明しませんけれども、私はそういう立場で進んで行きたいと思つております。
#61
○小沢久太郎君 この点は一つ大臣、強く押して頂きたいと思うのです。そういうふうに希望をいたして、私の質問を終ります。
#62
○委員長(堀木鎌三君) ほかに御質問ございませんでしようか……。御質問がないようならば、まだ衆議院のほうで議員立法その他の運命がどうなるかわからないのですが、御相談ですが、このまま休憩さして暫く様子を見て頂く、こういうことなんでございますかね。
#63
○田中一君 補正予算の補助率の問題、三、五、二の原則を破つたということは、どこに意図があるのですか。あなたからして破つたのじや、とても話にならないのです。
#64
○国務大臣(小澤佐重喜君) 私が破つたのではない。大蔵省が破つたのです。(笑声)それは三、五、二というものは、政府は従来、去年の補正でも御承知の通り、原案は二、五、三なんです。それを三党修正によつて、三、五、二の原則というものを打ち立てまして、そうしてあとの一というものが、但し予算は動かさずに融資のほうでやろうというのが、昨年の補正に対する考え方なんです。で、政府はその三、五、二ということは昨年の補正のことを国会が要望したものだと考えておるので、それでそういう法律を設けたわけでもないし、又昨年が特別な事情だから予算を組めというような考え方でおるらしいのです、なかんずく大蔵省は。そこで私は昨年度も三〇%ということを要求されたのだから、三〇%組まなければ国会の判定した意思というものに反することになるから、私は三〇%組むべきだという主張をしたのです。併し大蔵省は今申上げたような理由で、二〇%の原案を出したのです。それで党の力を借りたり私ども主張したりして、二五・四七%ということに先ずなつたのでありますが、併しあなたが留守のうちに小澤さんから質問があつて答えましたが、あとの五%の問題については、党の決定といたしましては、融資できるということに党の決議はきまつておるのであります。それから私もその線がわかりましたから、閣議で決定の際も党の決定と同じことを要望いたしまして、大蔵省はこれを了承いたしてはおりまするが、私は大蔵省が、このことを国会で共鳴することになると、私自身も連帯責任になるし、大蔵大臣がそれだけの熱血があつたか、或いは現実にそういうことをやるかどうかということについては、多分の私は疑問があるものですから、私自身は大蔵大臣に今度そう言いますけれども、そのことが外に現われて、お前も連帯して五%のこうだということを虞れまして、先ほど申上げなかつたのですが、何分事情はそういうふうになつておりますから、御了承願います。
#65
○委員長(堀木鎌三君) それじや暫らく休憩さして頂いて、そうお手間はかからないうちに見究めがつくと思いますから、ひとまず休憩をいたします。
   午後五時五分休憩
   〔休憩後開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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