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1954/12/06 第20回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第020回国会 通商産業委員会木材利用に関する小委員会 第1号
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1954/12/06 第20回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第020回国会 通商産業委員会木材利用に関する小委員会 第1号

#1
第020回国会 通商産業委員会木材利用に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和二十九年十二月三日(金曜日)委
員長の指名で次の通り選任された。
      小平 久雄君    土倉 宗明君
      坪川 信三君    中村 幸八君
      村上  勇君    笹本 一雄君
      首藤 新八君    田中 龍夫君
      山手 滿男君    齋木 重一君
      永井勝次郎君    伊藤卯四郎君
      中崎  敏君
同 日
 中崎敏君が委員長の指名で小委員長に選任され
 た。
    ―――――――――――――
    会 議
昭和二十九年十二月六日(月曜日)
   午前十一時五十三分開議
 出席小委員
   小委員長 中崎  敏君
      小平 久雄君    土倉 宗明君
      中村 幸八君    笹本 一雄君
      山手 滿男君    齋木 重一君
      永井勝次郎君    伊藤卯四郎君
 小委員外の出席者
        議     員 南  好雄君
        議     員 加藤 清二君
        総理府事務官
        (経済審議庁調
        整部長)    松尾 金蔵君
        農 林 技 官
        (林野庁林政部
        林産課長)   田中 重五君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 吉岡千代三君
        通商産業事務
        官
        (軽工業局建材
        課長)     前島 敏夫君
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 木材利用の合理化に関する件
    ―――――――――――――
#2
○中崎委員長 これより会議を開きます。
 木材利用合理化について調査を進めます。まず政府当局より本件に関するその後の経過状況等につき説明を聴取いたします。松尾説明員。
#3
○松尾説明員 木材資源の利用合理化につきましては、先般本委員会におきましてその当時までの中間的な経過の御報告をいたしたと思いますが、そのときに御報告いたしましたように、この利用合理化の関係各省の協議会におきまして三つの部会を設けまして、三つの部会それぞれ先般御報告いたしましたような部会としての決定を見ておったのでありますが、その後さらにその三つの部会のほかに木材の生産加工等につきまして若干また問題なり内容の追加をいたしました。今お手元に配付いたしてございます木材資源利用合理化方策という一つのものにとりまとめをいたしたわけでございます。このとりまとめをいたしますために、先般木材資源利用合理化方策連絡協議会の総会を開きまして、この合理化方策の決定をいたしたのでございます。
 内容は大きくわけまして土木建築部門、第二に燃料部門、第三に包装部門、第四に生産加工部門、こういう四つの部門に分類をいたしまして内容を掲げております。この前大体各部会の決定として御報告いたしましたところと内容はほぼ同様でございますが、若干生産加工等につきまして加えたものもございますので、簡単に内容の要点を御説明を申し上げますと、第一の土木建築部門の関係は先ほどの御報告で土木建築部会で決定いたしましたものとほとんどその内容の通りでございます。ここに掲げております第一号から第六号までにつきましては、建築に使いますところの木材を防火、耐火というような見地から木材の節減をはかる方策を掲げております。第七号、第八号におきましては、木材にかわる厚材料についてうたっておるわけでございます。九号、十号におきましては、橋梁の災害復旧、あるいは木材防腐というような見地から項目を掲げております。
 次の第二の燃料部門につきましては、これも先ほどの御報告いたしました燃料部会の決定の内容と同様でございますが、第一号で、都市につきまして、都市ガスを中心にしてこういう内容を掲げてございます。第二号から第四号までは、主として農村方面における燃料の部門における木材節約の見地からの内容を掲げておるわけであります。
 第三項の包装部門におきましては、先般の包装パルプ部会の決定の中の包装に関する項目をここに移したのでございます。第一におきましては、外装用ダンボール及びワイヤーバウンドボックスの普及のための措置を掲げてございますし、第二号におきましては、木製魚函にかわる鋼製魚函の利用を掲げておるわけでございます。
 第四項の生産加工部門は、これは先般御報告いたしましたうちの包装パルプ部会のうちの、パルプの部門をここに移しまして、さらに生産加工の見地から、第一号から第五号までをここに新たに掲げたわけでございます。第一号から第三号までは、現在ありますところの森林資源につきまして、その森林資源のできるだけ積極的な有効利用をはかるため、林道でございますとか、あるいは森林の被害防止のための措置を掲げておるようなわけであります。第四号におきましては、木材の造材、集材あるいは製材というような各段階におきますところの木材の生産加工の利用率の向上をうたっておりまするし、また広葉樹の利用等についてもうたっておるわけでございます。第六号、第七号は、パルプにつきまして、先ほど申しました包装パルプ部会のパルプ部門の関係を掲げておるわけであります。第八号におきましては、現在新産業といわれております木材糖化の問題が、今後の問題として、木材の高度利用の見地から必要であるということでここに掲げておりますし、なお松やにの採取について掲げておるわけでございます。
 最後の第九号におきましてはパルプ廃液の活用を掲げまして、これで大体木材資源の利用合理化につきまして、関係各省で現在やっておりますこと、また今後やるべきことをほとんど全部総ざらい的に掲げて、内容の決定といたしたわけでございます。これで木材利用合理化方策連絡協議会としましてもこの方策を先般正式に決定をいたしたのでありますが、さらにこの方策の実施について、各省がそれぞれの担当部門において実施を進めるわけでございますが、あるいはこの方策の決定についてさらに正式な政府部内の決定をする必要があるであろうということで、現在その方の検討は進めておるような次第でございます。現在までの御報告をいたしました。
#4
○中崎委員長 以上で説明は終りました。永井君。
#5
○永井委員 軽工業局長にお尋ねいたします。木材糖化の問題については、すでに長い期間にわたってそれぞれテーマを分担して試験を進め、これの企業化の段階まで現在まとまって来ておると思うのであります。それで木材糖化については、これを企業化する前に、試験管の試験から工場の現場の企業化の促進のための試験の段階に来ておるのでありまして、予算でいいますと、六、七千万円あればさしあたって企業化への飛石としての試験段階の試験をすることができるようになって、それぞれ予算の要求その他を当局に折衝しておると思うのですが、木材糖化について局長は、どの程度にこれを促進し、これを企業化の段階まで促進して行く考えであるか、これをひとつ伺いたいと思いまする。
#6
○吉岡説明員 ただいま御指摘のように、木材糖化の問題につきましては、新しい化学工業の一つの形態といたしまして、いろいろ技術的に検討いたすべき点が多いわけでございまして、ただいま林総協と協力いたしまして、具体的に試験等の研究を進めておるような次第であります。なお詳細につきましては、建材課長から必要がありますればお答えいたしたいと思います。
#7
○永井委員 局長にお尋ねいたしますが、ただいまのお話のように問題はここまで参っております。この委員会は木材資源利用の合理化というテーマでやっておるのでありまして、この案の内容をずっと見ますと、消費節約というだけの性格で、積極的に木材の利用合理化を推進するんだという性格がほとんど見られておらないように考えるのでありますが、ただいまお話のありました木材糖化の問題は、すでに試験の段階を終って、企業化の段階に来ておるというのでありますから、少くも明年度予算にはこれらの企業化についての最低の予算を要求する用意がなければならないと思うのですが、そのような考えがあるかどうか。またこれが予算の折衝過程においてどういう難点があるのか、これらの点をひとつ打明けて話していただきたいと思います。
 また林産課長より、林野当局として積極的な木材の利用合理化の点においてこの案の中にどういう点をもっと強調すべきであるというふうに考えておるのか、これで満足すべき状態にあるのか、そういう点を伺いたいと思います。
#8
○吉岡説明員 お答えを申し上げます。木材糖化の問題は、ただいま申し上げましたように将来においては有機化学工業の一つの支柱となるというふうにも考えられます。また食糧とか飼料等の関係から申しましても当然取上げるべき問題であるということは、各方面の有識者の一致した見解であるように承知いたしております。来年度の予算措置につきましては、現在通産省といたしましては、来年度の工業化補助金中の重要な一つの項目といたしましてこれを織り込むということで、準備を進めておる状況でございます。
 なお積極的の施策と申しまして、先ほどの資料の最後に書いてございますSPのパルプ廃液からアルコールを生産する措置につきましては、現在御承知のように王子の苫小牧、国策パルプの旭川でありましたか、二工場においてこれを実施いたしておるわけでございますが、この点につきましても、各パルプ関係業界に呼びかけまして積極的にこれを推進しつつある次第でございまして、山陽パルプにおきましてはおそらく近い時期にこれを実施することになるのではないかということを期待しておるような状況でございます。御指摘のように木材利用の合理化の問題は、単に消費節約という意味と同時に、積極的に新しい需要分野、利用面を開拓して行くということも当然必要であるように存じておりますので、今後ともそういう点も十分考慮いたしまして推進に努力いたしたいと考えております。
#9
○田中説明員 木材利用合理化の問題は、戦後の森林資源のはなはだしい枯渇、供給力の減退という面から出発いたしましたために、その消費節約の面が相当強調せられて表面に出て来ることはやむを得なかったと存じます。今御指摘のように、木材そのものの利用の合理化を考えて行くことこそ真の木材利用合理化であるというお考え、私どもといたしましてもまことにその通りと考えているものでございます。単に消費節約、代替資源の活用ということだけでは木材利用の合理化に名をかりた他の産業の育成、振興ということにとどまるのでございまして、ほんとうの木材利用合理化というものは、木材そのものの利用面においてその合理化をはかって、林業の経営におきましてその経済的地位を向上させる、林産物の附加価値をますます高からしめるようなことこそ真の木材利用合理化であろうというふうに私たちは考えております。以上御答弁申し上げます。
#10
○永井委員 大体今までの答弁で明らかになったのでありますが、少くも木材資源利用の合理化であるから、その限界において積極的に施策が打出されるものでなければならぬ。ところが問題がすりかえられて代替品の資源を増強して行くということに重点が置かれたような内容でありますので、この点については不満であります。木材の資源の増強ということが貫かれて、その中から年次計画が立てられて、その過程において資源を増強するための植伐均衡をはかる、こういう立場から一定の期間代替品もありましょうし、消費の節約も出て来ることと思いますが、それはあくまでも一つの飛石であって一貫して貫かれなければならない問題は木材資源の増強であり、その資源の利用合理化である。こういう問題の所在を間違っては、結果するところが非常に違って来る、こう思うので、この方策の推進にあたりましては、この題の示す通りに本材の資源の増強を基本的にはかるんだ、そのためには木材資源の附加価値を増強するための利用の合理化を重点に置くのだ。この問題の出発の初期においては、一定の期間は消費節約をしなければいけない。植伐均衡を得るような限度において代替品も考えて行かなければならぬ。あるいは消費節約も考えて行かなければならぬ、こういうような一つの考え方に立って、私はこの方策が今後作業を進められ、具体化の方向に進まれんことを希望いたす次第であります。
#11
○伊藤(卯)委員 一点だけちょっとお伺いしておきたいと思います。先ほど永井君からもこれを実施して行くにあたって予算的処置の問題について尋ねていたのでありますが、この木材資源利用合理化方策というものは、四部門にわたってかなり広汎に相当具体的にできておりまして、相当よく勉強されてあると実は見るのであります。これが完全に実施されて行きますならば、新たなる一つの方策として国のために相当貢献するもの人なるものがある、こういうふうに思うわけでございます。ついてはこれを実施するためには、これを単なる机上のぺ−パー・プランとして終らせないためには、やはり必要経費というものがなければならぬ。これがどのように権威あるものとして実施されるかどうかということは、かかってその必要経費の予算的処置にもあると思う。その点について先ほど簡単に御答弁があったようでありますけれども、この予算的な処置についてどのように大体お考えになっているのか、あるいはまた予算的処置の上についてどういう難点があるのか、どのくらいこれを実施するために必要経費がいるとお考えになっているのか、その辺について具体的にお尋ねをしておかないと、せっかくつくられたものが実施に移されないというようなことがあってははなはだ残念でありまするから、その点をひとつ重ねて伺っておきたいと思います。
#12
○松尾説明員 ただいま御指摘の点は、どのような方策を一応紙上において立てましても、実施についての効果が上らなければその意味がないことは当然でございます。ただこの方策の中に掲げております各項目は、それぞれ当ってみますとそれぞれの担当各省ですでにある程度従来あるところの予算をもって実施をしておるものもございまするし、あるいは今後新たに予算を要するものもあります。またそれぞれの事業の実施について、その事業の実施をやる各企業等に金融的な措置を講ずることで実務を上げ得る項目もございます。あるいはまたそのような特別な予算措置あるいは金融措置を要せずして、若干の法律の改正でございますとか、あるいは従来の方針をそのまま推進して行くことで実効を上げ得る項目もございます。これらは各部門、各項目によって事情が異なっておるのでございますが、関係各省におきましては、これらの方策を協議決定する際には、十分その実施の効果の上がり得るようなことを頭に描いてこの内容の決定をいたしたはずでございまするし、これが金融措置なり予算措置などは、今後各省のそれぞれ担当部門で必要な具体的措置をとっていただくことになっておるわけでございます。
#13
○伊藤(卯)委員 今あなたのおっしやる点は、具体的にはそういうものがあろうとわれわれも思っておりますが、やはりこれはある意味において一つの新しい今後の計画の事業であるのでありまして、従って各省にそういう一つのものがそれぞれ部門的にあるのだから、そういうところで行わしめて行けばいいということであるならば、私は単なる一つのお手本として出されたに終ってしまうのじゃないかという気もするのであります。やはり役所の中には、あなた方御存じのように、相当それぞれのセクショナリズムがあって、国家全体の見地から見た場合にはなかなかそれの伴わないものが多いのであります。そこでつくられたこの方策を実施するためには、これを実施する中心の強力なる機関として関係各省の間に行わしめて行くというものがなければ、この大きな計画はまったく行われないのじゃないか。ということは、それぞれの事業別に見てもいろいろ利害が相反するものがあります。役所においても今お話するようにそれぞれ異なるものがあります。それをそれぞれにまかしておくというだけならば、やはりいろいろな関係の衝突の上から見て強力に実施されないのじゃないか。やはりこれを国家的見地から強力に実施して行くためには、鉄であるとか、あるいは木材であるとか、れんがであるとか、その他いろいろ利害相反するもの、あるいは役所において相対立するもの、そういうものを国家的見地がら総合統一して行って行くというのが私はこの方策案であると思うのであります。そういう見地に立って一応予算的な措置も考えなければ、これを大きく実施して行くことができないのじゃないか、こういうふうに私は考える。だからその点について具体的に答弁をされることができないというのであれば、答弁はいりませんから、今私が申し上げるようなことを十分お含みの上、せっかくつくられたものを今後の敗戦日本の再建の新たな経済的見地に立って実施できるように私は強く要望しておきたいと思います。
#14
○松尾説明員 ただいま御指摘のございました点は、この方策の実施にあたって非常に重要なポイントであると存じております。この方策をきめます際にも、各項目の相互間で、その実施にあたり、あるいは考え方の上で調整をするような点はもちろん方策の決定にあたって十分調整の上、方策を決定したのでございますが、この協議会といたしましても、この方策を決定すれば、その決定したことだけで協議会の任務が終るのではなくして、このように決定いたしました方策の実施にあたって、さらにこの協議会で問題があるごとに協議会の決定なり調整を進めて行きたいと考えております。また予算等の措置につきましても、ただいま御指摘のございましたように、そのような柱が立っておらなければ、支えがなければ実施がむずかしい項目も多々あるわけでございまして、この点はこの協議会に大蔵省の主計局、あるいは金融等に関係のございます面では銀行局からも参加してもらつておりますし、またこの方策の決定いたしました際には、さらに念のため大蔵省方面にも懇談的にこの問題の説明あるいは懇談をいたしたわけであります。大蔵省といたしましても木材資源利用合理化につきましては、全体的な予算節約あるいは金融の引締め等の状態においても、なお十分必要である点は認識してもらっておると思いまするし、また先ほど申し上げましたように、今後協議会といたしましても各項目の実施につきまして、それぞれ必要あるごとに調整なり推進をやって参りたいと考えておる次第でございます。
#15
○中崎委員長 齋木君。
#16
○齋木委員 合理化方策案に対しましては、ただいま伊藤委員からも言われたごとく、研究されておるように思いますが、実際は木材の過伐、濫伐が国土保全のために重大なる悪影響を来しておることから出発して、この合理化促進方策というものを政府も民間も、国といたしまして考えなければならない段階に到達しておることは御承知であろうと思うのであります。これらを推進し、今後その実現を期する上におきまして、特に私は先般の小委員会におきましても御質問いたしましたが、まくら木――木曾ひのきの濫伐であります。国有鉄道公社が要求したから林野庁は今年も三十万石の払下げを予定しておるというようなことを言明せられております。こういうことも、この要綱案の中においてはまくら木を針葉樹から広葉樹に切りかえるというようなことを言っております。各省てんでんばらばらにひのきの濫伐が行われ、官庁自体がそういうことをくずして行くという結果に終るならば、いかにこれを振りかざして、錠の御旗のごとくに言っても、私は足元からくずれると思うのであります。これらに対しまして、木材利用合理化のための一環といたしまして、この木材使用に対する制限とか、濫伐に対する抑制とかいう方策を考えていらっしやるかどうかを、林野庁並びに関係の方々から御答弁を願いたいと思うのであります。
#17
○田中説明員 林野庁から御答弁申し上げます。ただいま御指摘のございました国鉄当局の方から木曾ひのきのまくら木を三十万石要求しておるという事実につきましては、私ども承知いたしておりませんので、よく調べたいと存じます。それで国鉄の当局といたしましても、この木材利用合理化の協議には参画いたしておると思います。そしてなお木材利用合理化のための措置といたしまして、まくら木をぶな等の濶葉樹資材によるところの防腐まくら木を極力推進するとか、あるいはまたSPコンクリート等に置きかえて行くとか、枯渇を叫ばれております針葉樹のまくら木を濶葉樹に切りかえて行くということは極力推進いたしているように私ども承知をいたしているのでございます。それから次に木曾ひのきの山林が、まくら木の生産のために過伐されておるというふうに拝聴いたしたのでございましたが、木曾ひのきの山林につきましては、先般もたしか申し上げたかと存じますけれども、国有林の中でも青森のひば林あるいは秋田のすぎ林にあわせまして木曾ひのきは日本における有数の美林であるというような関係もございまして、これの経営には特に慎重を期してこの伐採等も進めている次第でございます。そこでこれが多く過伐されているというような経営状態はないように私は考えるのでございます。なお木曾ひのきの伐採につきましては、一般のあらゆる用途を考えながら、その林分として許された範囲内での、と申しますことは、つまり成長量の範囲内において伐採されておるものの中からまくら木等に一部供給されているものがあるというふうに私は承知しておるのでございます。以上御答弁いたします。
#18
○齋木委員 ただいまの御答弁は私は先般のときとはちょっと食い違うように思うのであります。国鉄がひのきのまくら木を注文するので、林野庁としては三十万石本年度において払下げる予定であるということを言明しております。これは国鉄が要求したのか、また林野庁が払下げの計画をしたのかということを問うたら、国鉄の要求によって払下げるのであるということを、速記録を見てくださればわかると思うのですが、言明をされておると私は承知しております。木曾ひのきの三十万石の払下げの計画は現在どういったぐあいになっているのか、明確にお答え願いたいと思います。
#19
○田中説明員 ただいまの御指摘の点につきましては速記録をごらんになっていただくとおわかりかと存じますが、三十万石という数字は、まくら木に払い下げる数字ではなくして、木曾ひのきが年間伐採される数量のことを言っておるのであります。それからこの前の御答弁におきまして林野庁の方から国鉄まくら木用として木曾ひのきを売りつけているというふうな御質問に対しまして、それはそうではなくて、国鉄の方の希望があるので、それに対して売り払っておるというふうに御答弁をした次第でございます。従いまして、先般申し上げました内容とは矛盾はしていないというふうに考えております。
#20
○齋木委員 なかなか御答弁は上手になされますが、私どもはその当時におきましてもそうは考えておらなかったのであります。木曾ひのきの払下げのことは、国鉄が木材業者に注文するのに木曾ひのきを条件として注文をする。それで入札して落札になり、その注文を受けると同時にその業者が林野庁へ手続をとってやるのが大体まくら木の生産業者のしきたりであります。だからこういう総合的な計画を立て、濫伐、過伐をやるという場合におきましても、国鉄が理解をし、国土保全のためのほんとうの大局的見地から申し上げるならば、まくら木の材質に条件をつけずして注文をするということが私どもは一貫した政策実現のために至当じゃないかと思うのであります。片方においては国鉄がこの材料でなければいかぬという注文をどんどんしておいてやれば、いかなる手段をとってでも、業者はそれに向ってその資材購入に対して運動をし、払下げを受けなければならぬということに結果づけられると思うのです。だからそれを考えてもらわなければ私は困ると思う。これはこの合理化の計画案に対する単なる一つの問題でありますけれども、重大な問題だと私は思う。私どもが木材防腐法を通したりすることも、やはり濫伐、過伐を防止して、そして木材の利用度を向上させるというのが木材防腐法の骨子であります。そういう観点からわれわれは考えておるにもかかわらず、木材の使用度の多い国鉄等においてこれを条件として入札をするとかいうようなことが足元をくずす結果になると私は思う。これは代替ができないものならいいですけれども、代替のできる木材もまたあるのであります。だからそういうことを私どもは強く希望をいたしておるので、林野庁としてももっとこれに対して、国鉄との連絡、協調、話合いにおいてそういうことを条件につけないでやるということに努力もしていただかなければならない、こう私は考えておるのであります。だから国鉄ともう少し連絡協調いたしまして、そういう面においてもよほど考えてもらわなければ、いかにこれをやっても実際はくずれることを私は憂慮する観点から申し上げるのであります。従ってその面におきまして、今後円滑に行くような了解または理解の上に立つてこれを生かして行くという心構えを林野庁としても持っていただきたい、こういう念願から申し上げておりますので、どうかそういう面においては万全を期して連絡をしていただきたいということを強く希望いたします。そうしないと、私はこの合理化問題、大きく言えば国土保全のために非常な影響を来すという考えを持っておる次第であります。
#21
○中崎委員長 ただいまの点につきましては発注者側に立つ国鉄側にも今後適当の機会に出てもらつて、希望を強く申し述べておくようにしたいと思います。
 本委員会は前国会の当初以来木材利用合理化に関し調査を行つて参りましたが、一応の結論をつける意味において本件に関する決議案文を決定して、委員会においてこれを決議するよう申し入れたいと存じます。まずその案文を朗読いたします。
  木材使用の合理化推進に関する決議案
  戦時、戦後を通ずる過伐、濫伐のため、我国の森林は極度に荒廃し、風水害は逐年激甚の度を加へて国民の生命財産を脅し、其防遏と復旧のため、毎年多額の国費を費すのみではなく、木材の供給逼迫は、必然の結果として、市場価格の暴騰をもたらし、我国経済の発展、民生の安定上一大障碍となりつつある。
  而るに木材使用の合理化をはかることによって、年間五、〇〇〇万石以上を節約することは不可能ではない。例へば石炭瓦斯普及の如き之のみによって、約二、三〇〇万石の消費を節約し、優に山林の過伐による水害の原因を一掃することが出来る。之に要する経費五〇〇億円のうち政府融資を要するものは僅々百数十億円に過ぎない。
  かかる惨禍に悩まされしかもその抜本そく源的対策が判っているにもかかわらず、これを強力に推進し得ないということは、正に国家の不幸これより甚だしきものはないといわなければならぬ。
  よつて政府は、この際森林資源利用合理化方策連絡協議会の申合せにかかる諸方策を、当面の重要国策として閣議決定すると共に、これを速かに実行するために必要な予算的措置を講ずる等強力に諸般の施策を講ずべきである。
  右決議する。
 以上のように決定するに御異議ありませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○中崎委員長 御異議なしと認め、それではさよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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