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1954/12/04 第20回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第020回国会 水産委員会 第2号
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1954/12/04 第20回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第020回国会 水産委員会 第2号

#1
第020回国会 水産委員会 第2号
昭和二十九年十二月四日(土曜日)
   午前十一時九分開議
 出席委員
   委員長 田口長治郎君
   理事 鈴木 善幸君 理事 田渕 光一君
   理事 小高 熹郎君 理事 中村庸一郎君
   理事 山中日露史君
      中村  清君    夏堀源三郎君
      濱田 幸雄君    白浜 仁吉君
      松田 鐵藏君    赤路 友藏君
      田中幾三郎君
 委員外の出席者
        農 林 技 官
        (水産庁次長) 岡井 正男君
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        長)      増田  盛君
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        協同組合課長) 中里 久夫君
        専  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
十二月二日
 委員濱地文平君辞任につき、その補欠として武
 知勇記君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員武知勇記君辞任につき、その補欠として志
 賀健次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
 委員井手以誠君、中村英男君、田中幾三郎君及
 び辻文雄君辞任につき、その補欠として足鹿覺
 君、佐々木更三君、吉川兼光君及び大西正道君
 が議長の指名で委員に選任された。
同月四月
 委員椎熊三郎君、大西正道君及び吉川兼光君辞
 任につき、その補欠として遠藤三郎君、辻文雄
 君及び田中幾三郎君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員及び小委員長選任
 昭和二十九年の台風による漁業災害の復旧資金
 の融通に関する特別措置法案(内閣提出第七
 号)
 派遣委員よりの調査報告聴取の件
    ―――――――――――――
#2
○田口委員長 これより会議を開きます。
 この際小委員会設置の件についてお諮りいたします。本件につきましては、先刻の理事会におきまして理事諸君との御協議を願ったのでありますが、理事会におきましては一、漁業法及び水産業協同組合法改正に関する小委員会、二、漁業災害に関する小委員会、三、公海漁業に関する小委員会、以上三つの小委員会を設置することに申合せをいたしたのでありますが、その理事会の申合せ通りそれぞれ、小委員会を設置するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田口委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
 引続き各小委員会の構成についてお諮りいたします。ただいま設置することに決定いたしました各小委員会の委員の員数並びに章委員及び小委員長の選任については、先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○田口委員長 異議なしと認めそのように決定いたします。それでは小委員及び小委員長は追って公報をもって御指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○田口委員長 前会に引続き、昭和二十九年の台風による漁業災害の復旧資金の融通に関する特別措置法案を議題として審議を進めます。質疑があればこれを許します。――松田鐵蔵君。
#6
○松田(鐵)委員 先般の委員会に、かつてない北海道の災害及び宮崎県の災害についてのこの法律案が提出されたのでありますが、第二条の第三項のうち「漁具又は第一項の施設の復旧に必要な資金(これらの施設が復旧されるまでの間の農林大臣の定める用途に必要な資金で農林大臣の定める被害漁夫者等に貸し付けられるものを含む。)であって、」云々とありますけれども、こうした着業資金に対する政府の思いやりが、この法律案に現われておるのであります。特に岩内の問題は未曾有な問題であって、昨年から三回にわたってこういう惨害を受けておる。ここででき得ることであったならば、政府は漁船をもつくつてまで貸してやるだけの考え方を持たなければならないじゃないか。こうした着業資金の融資を受けたために、漁民は生産意欲に燃えて、十一月の一日に船を間に合せて全船出漁したというようになっておる。こうした生産意欲に燃えておる漁民、しかも災害を三回も四回もこうむっておる漁民、全国においてもかかる例がないとも言われないのであって、こうしたときにおいて、ただ着業資金のみでいいか悪いかということを長官に質問したのであります。こうした問題は、要はいま少し金利の問題または利率の問題に対して考慮する必要があるではないかという質問をしたのに対して、本日は庁内でもってよくお打合せの上御答弁を願うことになっておったのでありますが、この点はどのようになっておりますか。お聞かせ願いたいと思います。
#7
○増田説明員 ただいまのお尋ねつきまして、まず岩内町の問題でございますが、ただいまお話の通りのまれに見る大被害でございまして、水産庁といたしましてもできるだけの復旧に対する御援助をしなければいかぬということでいろいろ努力したのでございます。結局ただいま御指摘のありました通り、出漁資金に関しましては特別の考慮を払うことになったわけでございまして、利率あるいは補償限度という問題がさらに残されたわけでございますが、まず補償の限度に関しまして、これを引上げなければいかぬという御要求もあったのであります。われわれは、この特定の地域に対しまして補償限度を引上げる措置は成功を見ませんでしたが、むしろこれは北海道庁として御努力願うことといたしまして、ただこの問題に関しましては従来の立法と異にいたしまして、こういう出漁資金に関しましても、その他の施設資金あるいは漁船、漁業資金とプールできるというふうな折衝をいたしまして、この点で解決に成功いたしておりますので、実質的には補償の問題は解決して知るのではないか、かように考えております。なお利子の点に関しましては、はなはだわれわれの力が及ばずして、やはり一般の利子補給率にとどまっておるのでございます。しかしこの点全体といたしましてこういう被害の激甚な地帯に対しましては、できるだけその他の方法をもって融資の実際のわくを拡大いたすような努力をいたしまして、解決に努力いたしたいと思うわけでございます。
 なお、ただいま申し上げました岩内は特に被害程度のはなはだしいことは周知の通りでございますが、その他の地帯におきましてもやはり岩内と同様の措置をとる必要があり、しかも岩内と同様な出漁資金を必要とする地帯がありましたならば、これに対しても十分考慮いたしたいと考えておる次第でございます。
#8
○松田(鐵)委員 水産庁の今までとって来られた努力に対しては感謝するものであります。今回の法律案は、要するに臨時国会でありまして、これを長く論議しておる時間もないのでやむを得ないことと存じまするが、将来日本全国の間に、いつこのような災害がないとも限らぬのであります。こういう点に対しては今回の状態をもよく参考にされて、災害に対してはもう一段の努力をお願いしたいと存ずるのであります。
 次に、何と言いましても融資の問題は全国漁民として一番要望しておるのであります。長官の御答弁だと、この法律案に出ておる金額は十五億にすぎない。しかし公庫のわくを数億増額いたしまして、水産の災害に対して向けたいという御答弁があったのであります。自由党の対策委員会においては、返って来る金が二十億である、それから投融資の削減したものが十億である。こういうことであって、それを農林省に全面的に出さなければならないという結論を出しておったのであります。この間長官の御答弁でそれは満足しておるのでありまするが、大体この内容においては三十億を見込んでおるということを拝聞しておりますが、それではちょっと足りない。長官の数億という数字、すなわち水産に対してそのうち一億より入っていないということでありますが、どうしても北海道のみで四億二千万円というものが必要だ、こういうように北海道庁からデータが出ておるのでありまして、この点に対して特段の御配属をお願いしたい。努力していただきたい、それだけでけっこうでございますから、その点御答弁の必要はありません。どうか御努力をお願いしたい、こういうことで私の質問を打切ります。
#9
○田口委員長 他に御質疑もないようでありますので、本案に対する質疑はこれにて終局いたします。
 本案につきましては別に討論の通告もありませんから、これを省略し、ただちに採決いたしたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○田口委員長 異議なしと認めます。
 それではただいまより採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を願います。
  〔総員起立〕
#11
○田口委員長 起立総員。よって本案は全会一致をもって原案の通り可決いたしました。
 引続きお諮りいたします。本案に対する委員会報告書の作成につきましては、先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○田口委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
    ―――――――――――――
#13
○田口委員長 次に、先般の閉会中に漁業法及び水産業協同組合法改正についての漁業の実情調査並びに内水面漁業の実態調査のため現地に委員を派遣し、つぶさにその実情を調査いたしましたが、この機会に今後の調査の参考に資するため、派遣委員よりその報告を聴取することといたします。中村清君。
#14
○中村(清)委員 今般閉会中の国政調査事項といたしまして、さきに許可になっております漁業法及び水産業協同組合法改正について中国及び四国地方の現地調査をするため、社会党から赤路委員、自由党からは私の二人、それに喜田調査員でもって、七月十九日から同月二十七日まで九日間、兵庫県、岡山県、香川県、愛媛県及び広島県の五県にわたって、これが実を情調合いたして参りましたので、その御報告をいたしたいと思います。
 まず本調査の結果について御報告するにあたり、今回調査に参りました各県当局はもちろん、県及び市町村議会を初め関係漁業協同組合等の方々から御協力と御便宜とを賜わりましたことに対し、この席をかりて深甚の謝意を表する次第であります。
 さて、今回は、さきに申し上げました通り水産業の基本法である漁業法及び水産業協同組合法、両法の改正についての調査でありますが、各県においては過去五箇年の漁業制度改革実施状況にかんがみ、これが問題点については各自各様の要望なり意見が熱心に述べられたのであります。この一点については精細に御報告申し上ぐるべきでありますが、各位のお手元に配付いたしましたプリントにそのおもなる点をまとめましたので、これにより報告にかえさしていただきたいと存じます。つきましては、委員長においてこれが会議録への掲載についてはしかるべくお手配くださいますようお願い申し上げます。
 なおことに今回の調査は七月十九日出発いたした関係から、八月十二日の第三回海区漁業調査委員会の改選期を目前に控えておりましたので、勢い調整委員会に対する意見が強く反映されておることは想像されることかと存じます。
 また瀬戸内海は一府十県にわたり、沿岸の漁業関係市町村だけでも五百近くもあり、その人口は七百八十万人にも達している状態にあり、加うるに企業的漁業はほとんどなく、大部分が零細なる個人経営体であり、年間における漁民一人当りの平均漁獲高について見ても、全国平均九貫に対し二百貫程度にすぎないものであり、漁場も限られている関係上、利害関係きわめて錯雑であり、勢い漁業調整の問題が多いのはある程度やむを得ないことかとも存じますが、今後は漁業転換策についてなお一層考慮する必要があろうかと存じます。また今般の調査により強く感じたことの一つは、本年度初めて実施いたしました増殖のための築磯は、瀬戸内海における増殖のためには最も適切なものであり、漁民各位も非常に希望していただけに努力もいたしておりますから、十分の成果が期待できるのではなかろうかと存じます。今後ともこの施策が継続して実施されることにより、より多くの成果が得られることを確信いたして参った次第であります。
 次に、今回の調査とは直接関係はないことではありますが、当面の瀬戸内海における漁業調整の重要課題の一つとして、小型底びき網漁業の減船整理の問題について言いたしたいと存じます。本問題はかつて国会においても第七回国会以来第十回国会にわたって論議され検討された問題であり、委員各位は十分御承知のことと存じますが、その経過について簡単に申し上げますと、昭和二十七年において小型機船底びき網漁業整理特別措置法が制定され、本法によって昭和二十六年の十五トン以上の船舶の整理も含めて五箇年間に全国の小型底びき網漁船約九千隻を整理して昭和三十一年四月一日には二万七千八百三十隻に減船し、水産資源の枯渇を防止し、沿岸漁場における秩序を確立せんとするものであります。すなわち昭和二十六年度二百三十三隻、同二十七年度二千百二十七隻、同二十八年度千十五隻及び本年度千四百十三隻と減船整理をいたして参り、約五十隻の整理が本年度まででなされることになり、この整理も最終段階に参り、あと昭和三十年度一年を残すのみとなっている次第であります。
 そこで問題は、瀬戸内海における科学的なる資源調査が不可能に近いこと、あるいは委員会においてもしばしば政府に対し強く要求いたしておりました失業対策等の措置が十分の成果をあげていないこと、その他社会的経済的事情の変化等もあって、現実の問題として現地においては種々困難な実情があるようであります。もちろんこれらの困難が伴うからとして減船整理を本年度の計画分も含めて中断するにおいては法の精神に沿うとも思われないばかりでなく、いち早く国の施策に協力し先に整理されたものとの間において、いわゆる正直者がばかを見るという結果とも受けられる危険も多分にあり、厳に戒むべきことであろうかと存じます。
 なお瀬戸内海においては昭和二十六年において小型機船底びき網漁業処理要綱が水産庁において立案され、瀬戸内海連合海区漁業調整委員会に諾問し、当水産委員会の承認も得て決定いたしているのでありますが、本要綱によれば、瀬戸内海における小型底びきの馬力は十馬力以下に限定する、紀伊水道においては特殊事情を勘案し、二十馬力以下に限定する等となっており。もし本年度の減船整理を実施することによりこの要綱の最高限度以内のすなわち十馬力以下の小型船にすべてがなるのであるならば、来年度の整理は従つて十馬力以下の小型漁船の中から整理をすることになりますから、この十馬力以下の線が一応確保され、それ以下のものに整理が及ぶこのときこそ慎重に本問題について検討すべきときであろうかと存じます。いたずらにそれ以前において瀬戸内海においては十五馬力あるいは十三馬力を最高限度とするがごとき措置がとられるとするならば、ただ瀬戸内海だけの問題に限られず、有明海あるいは伊勢湾、噴火湾等全体に影響することも考えられ、とうてい法の実施は不可能となる事態を惹紀するやもはかり知れない重大問題であろうかと存ずる次第であります。
 次に下関市の吉見にあります農林省の水産講習所について一言いたします。国政調査は広島において、一応終了いたしたのでありますが、その後引続き下関に参り、水産講習所を調査いたした次第であります。同校は元釜山水産専門学校内地引揚げ学生の教育のため設置されたものでありますが、東京にありました水産講習所が東京水産大学として文部省の所管となった現在においては、水産庁の付属機関として唯一の水産学校として引続き設置されている次第であります。
 現在同校は旧専門学校制度時代以上の修業年限並びに教育内容を有するにかかわらず、卒業生に対しその当時あった教員資格が現在は得られない等の不利があるばかりでなく、一歩同校に足を踏み入れた者ならばだれしも感ずることであろうかと存じますが、有為の水産人を教育する機関として、まずあの校舎において、設備の点において、十分と言うにはあまりにもほど遠い感じであります。それだけに同校の教育に当られる方々の努力は並々ならぬものがあろうかと存じますが、同校の将来について、まず予算上において農林省当局は真剣に考慮すべきであろうかと存じます。この点一言申し添えまして、御報告を終る次第であります。
#15
○田口委員長 鈴木 善幸君。
#16
○鈴木(善)委員 私どもも漁業法並びに協同組合法の改正の参考にいたしますために、日本海地区をモデル・ケースに選定をいたしまして調査をいたしたのでありますが、自由党からは田口水産委員長と私、改進党から白浜君、社会党左派から山中君、淡谷君、この五人で現地を詳しく調査をし、関係漁民の諸君といろいろ意見の交換をいたしたのであります。その調査の地区は新潟県、これは佐渡におきまして主として調査いたしたのであります。次に山形、秋田、青森の四県下にわたりまして調査をいたしたのでありますが、その間におきましていろいろ現地の漁民諸君から出ました意見は非常に広汎にわたつておりますが、おもな点は、一つは漁業者の資格の問題であります。その意見を総合いたしますと、漁業者の資格はこれを厳格にいたしまして、専業者をもつて漁業者としての資格を限定し、そして漁業権の行使等について専業者を優先的に認めるようにしてほしいという声が強かつたのであります。
 なお協同組合法の中で問題になりましたのは、現存漁業組合の漁業自営が認められておるのでありますが、自党にあたりまして、いろいろなやかましい制限規定がたくさんございまして、事業をすることについて非常に制約になっておるので、これを緩和して漁業組合が活発に自営のできるようにしてほしいという声が非常に、圧倒的でございました。
 なお漁業法の点につきましては、漁業権を全部漁業協同組合に与えてくれ、そうしてこれを賃貸することもあわせて認めてほしいという要望が各地とも強かったのであります。この問題は現在の漁業権の性格そのものに触れる根本的な問題でありまして、今後慎重にこれを研究する必要があると考えてきたのであります。
 なお漁業調整委員会につきましては、もう少し調整委員会の権限を強化して、そうして第一線の漁業調整を適切に処理できるような機関にしてほしいということも強い要望の一つでございます。
 なお漁業法と協同組合法を改正する場合には、同時に審議をしてもらいたい。そうして漁業法と協同組合法を結びつけて、現在の細分化され、弱体化しておる漁業協同組合を統合整備するような措置を講じてもらいたいという意見が強かったのであります。
 その他いろいろこまかな点もございますが、主要な点はそのような点であったのであります。
 日本海は資源におきましても、また漁業規模におきましても、太平洋岸に比較しまして非常に零細でございますが、ただ日本海の未開発資源、特に最上推等の資源の調査開発を促進して、そうして漁業資源の開発を進めたい、こういう強い要望が日本海全体について、あったのであります。
 内水面の関係につきましてもいろいろご意見があったのでありますが、孵化放流事業に対する国庫助成を強化してもらいたい。また現在の漁業行政が海面第一主義であって、内水面が非常に忘れられておるということから、内水面に対するあらゆる施策を今後強化してもらいたいという声も非常に強かったのであります。また十和田湖におきましては、農林省から命ぜられておりますところの孵化放流の責任者が非常に過重であるというような声もあつたのでありますが、これも十和田湖の今後の漁業資源の保存のために、国がもう少し助成をしてひめますの資源の保存について適切な措置を講ずる必要があると認めて参つたのであります。
 以上簡単でありますが、御報告にかえる次第であります。
#17
○田口委員長 次会の開会日は広報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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