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1954/12/06 第20回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第020回国会 水産委員会 第3号
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1954/12/06 第20回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第020回国会 水産委員会 第3号

#1
第020回国会 水産委員会 第3号
昭和二十九年十二月六日(月曜日)
   午後三時二十七分開議
 出席委員
   委員長 田口長治郎君
   理事 鈴木 善幸君 理事 田渕 光一君
   理事 小高 熹郎君 理事 山中日露史君
      中村  清君    夏堀源三郎君
      濱田 幸雄君    白浜 仁吉君
      赤路 友藏君    中村 英男君
      田中幾三郎君    辻  文雄君
 委員外の出席者
        農 林 技 官
        (水産庁次長) 岡井 正男君
        専  門  員 徳久 三種君
    ―――――――――――――
十二月六日
 委員足鹿覺君及び佐々木更三君辞任につき、そ
 の補欠として武藤運十郎君及び中村英男君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月五日
 漁港修築費予算増額に関する請願(田中龍夫君
 紹介)(第一四八号)
 台風被害漁民救済に関する請願(高橋禎一君紹
 介)(第一四九条)
 母船式さけ、ます漁業独航船の隻数増加に関す
 る請願(鈴木善幸君外一名紹介)(第一五〇
 号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 漁業用燃油に関する件
 小委員長より中間報告聴取
    ―――――――――――――
#2
○田口委員長 これより会議を開きます。
 漁業用燃油に関する件について議事を進めます。この際鈴木善幸君より発言を、求められております。これを許します。
#3
○鈴木(善)委員 石油類に対しましては、現存関税定率法によりまして、それぞれ関税率が定められておるのでありますが、昭和二十六年に現行の関税定率法が改正施行されました当時から、石油の重要性にかんがみまして、引続き昭和三十年三月三十一日まで免税または軽減の措置がとられておるのは、各位御承知の通りであります。しかるに最近政府の事務当局方面におきまして、この石油類にとられておりますところの関税の減免措置を、四月一日から定率法にもどしまして、そうして関税をかけようというような研究がなされておる、こういうことを私ども仄聞をいたしておるわけであります。もしこのような措置が政府によってとられるように相なりますれば、現在漁業経営が非常に困難な事態に逢着しておりまする際に、さらに一層経営難に拍車をかける結果に相なるわけであります。漁業用燃油は石炭等に代替することもほとんどできない、また漁業経営費の三割以上を燃油が占めておる、こういうような事情からいたしまして、この関税の減免措置を撤廃をするということで、漁業者の負担がさらに過重するということは、今後のわが国の漁業経営に深刻な、壊滅的な打撃を与えるものと憂慮いたされるのであります。
 そこで本委員会といたしましては、この際現在とられておりますところの関税の減免措置を、今後も継続すべきであるという決議をあげまして、大蔵大臣、通産大臣、農林大臣、国会におきましては主管委員会であります大蔵委員会及び通産、農林委員会を初め、各政党に対しましても決議の実現方を要請いたしたいと、私はここに動議を提出いたしたいと存ずるのであります。決議の案文を朗読いたしまして、各位の御賛同を得たいと思うのであります。
   漁業用燃油に関する決議案
  わが国水産業は、国策として沿岸から公海漁業に転換しつつある現在、漁船の動力源として他に代替を許さないばかりでなく魚価中三割以上を占める重要基礎物資である燃油について関税を賦課することは、現今の切迫せる消費経済に壊滅的打
撃を与える結果となる。
  よって、政府は、従来通り原油及び重油に対する関税の免除を継続する措置を構ずべきである。
 以上であります。委員各位の御賛成をいただきたいと存じます。
#4
○田中(幾)委員 ただいまの鈴木委員の決議をする前に、水産庁のご意向を確かめておきたいと思います。
 御承知の通り漁業用燃料の市価というものは、非常に暴騰いたしまして漁民が困惑し、その生産に支障を来しておることは御承知の通りであります。水産漁業協同組合法の趣旨によりましても、漁民に対して生産物資を供給するということによって生産を振興しなければならぬということはもちろんであるのであります。しかるにその原油の高い裏面に、石油会社が非常な益を得ておる。これは新聞の発表であるそうでありまして、確実なる調査かどうかはわかりませんけれども、昭和三十七年、八年、九年と、いずれも甚大なる利益を石油会社が獲得いたしておるのでございます。昭和二十九年三月期の分を申しましても、日本石は十億五千四百万円、配当三割をいたしております。昭和石油は七億七百万円で二割の配当だそうであります。丸善石油は四億六千六百万、これも二割の配当、三菱石油は四億六百万円でやはり二割の配当をいたしております。かように石油会社の利益の犠牲となって漁民は高い燃料を買わされておる。そこで私どもは、漁業用燃料を外国から輸入するために外貨の割当を受くべきではないか。はたしてしからば関税の撤廃をしなくても、関税は関税として納めて直接に輸入をさせるという措置を講じましたならば、こういう決議の必要はないのではないかと思うのでありますが、水産庁はいかようお考えになっておられますか。
#5
○岡井説明員 ただいまの示唆に富んだご質問、ごもっともだと思います。私は主務官庁といたしまして漁業者の必要な燃油が最近非常に高くなっておるのは遺憾しごくであります。これらにつきましては、われわれの事務当局といたしまして、通産省に対しまして、いわゆる漁民が必要とする燃油について、系統機関で持てる設備をフルに使える程度を見合いといたしまして、直接需要者に対して外貨の割当を要求するという希望がありましたことについては、全面的にこれを応援して適当な措置をとりたいと考えております。しかしそういうことがかりに実現いたしましても、ただいま鈴木委員から御発表になりました、今まで関税について適当に政府がとって来た方向を三月三十一日の元へもどしてしまうということに相なりましては、よしんば需要者割当をもらいましても、全部の漁業用についての樹当はとてもとれないと予想いたしますので、やはり両々相待つ漁業者の迷惑を少くしてやりたいと考えております。
#6
○田中(幾)委員 そうすると、ただいまの割当のことにつきましては、事務的にもはや折衝を開始してござるのでございましょうか、これから開始しようとするのでございましょうか。
#7
○岡井説明員 実は関係省へ交渉するための貸料を今関係業者と相談の上で私どもで鋭意収集中でございます。
#8
○夏堀委員 ただいまの鈴木委員からの関税に関する動議については賛成いたします。日本の漁業者は世界で一番高い油を使っておるのだ。これは中南米の報告にもたしか書いてあります。中南米の報告書に確かに書いてあります。メキシコの石油総裁と懇談いたしましてた際に、私の計算で大体日本の価格の三分の一じゃなかったか、それほど安い油を使っておるのであります。そして大きな資源を持って、なおその生産資源をとろうとはしないのだ。まことにのんきな連中であります。これがこの悪魔書を提出する一つの原因となったのでありますが、日本の現況において、特に石炭業者の権益と申しましょうか、これを擁護する立場において、いろいろ政策面も織り込んで、油が非常にきゆうくつになっておる。それが外貨を獲得する大きな生産業にも非常な悪影響を及ぼしておる。私はメキシコの石油公社総裁に日本の漁業組合連合会がもし直接貴国よりこの安い油を購入するということを考えた場合に、あなたがこれに対して便宜をはかってくださいますか、こう質問したのであります。これに対して、数量的にはかなり大きな数量でありますが、これくらいのことは喜んでお売りいたしましょう、こういうことであったのであります。そういうような外国のいわゆる日本に対する感情は、できるだけ援助しようじゃないか、また日本の水産からも援助を受けようじゃないか、こういう段階に入っておるのでありまするけれども、実際の実情は、今の日本政府のとっておるいわゆる燃油政策というものはそう簡単に行かない。今次長さんが仰せになりましたけれども、私はそれは容易ではないと考えております。ただ容易ではないから、向うの方では売りたい、こっちは買いたいのだけれども、それを買ってはならぬ、お前たちは高い油を使え、量も少いががまんせよというのでは、これは絶対に納得することはできない。こういう問題は特にもうちっと政治力とし申ましようか、漁民の多数の総点としてこの問題をもっと大きく取上げて、漁業経済の立ち行くような根本の方策を樹立すべきではないだろうか、こう私は考えますから、いずれこの委員会においてもかような構想で御活動なさるととともに、水産庁においても、単に資料を出すとかそういうことではなく、もうちっと大きくこの問題を取上げて、この目的達成に御努力あらんことを私どもお願いする次第であります。
#9
○田口委員長 この際お諮りいたします。先ほどの鈴木君の動議のごとく決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○田口委員長 御異議なしと認めそのように決定いたします。
    ―――――――――――――
#11
○田口委員長 この際漁業法及び水産業協同組合法改正に関する小委員長より中間報告のため群言を求められております。これを許します。
#12
○鈴木(善)委員 本委員会の前に小委戸会を開きまして、水産業協同組合法の一部を改正いたしまして、そうして漁民厚生のための共済制度及び漁業の共済制度をなし得るように協同組合法の一部を改正する問題につきまして審議をいたしたのでありますが、今会期はきわめて短期間でございまして、この重要な問題を審議するには十分な時間がございませんので、これを次の国会に趣きましても継続をして審議するように小委員会として意見の一致を見た次第であります。この共済制度を拡充するための協同組合法の改正は、政府並びに当委員会の考えております漁業法並びに水産業協同組合法の根本的な改正に先立ちまして、できるだけ早くこれを実施する緊要性を認めまするので、次の国会には国政調査の手続を本委員会としてこの問題について承認を求めまして、引続き審議を進めていただきたい、こういうことに決定を見た次第であります。これを御報告申し上げて、委員長においてそのようにおとりはからいをお願いいたしたいと存ずるものであります。
#13
○田口委員長 それではお諮りいたします。ただい今の鈴木小委員長の御報告中、次期国会においても継続して本委員会において調査されたい旨の申出につきましては、そのように取扱うに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○田口委員長 御異議なしと認めます。よって申出の通り取扱うことにいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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