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1954/12/03 第20回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第020回国会 本会議 第4号
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1954/12/03 第20回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第020回国会 本会議 第4号

#1
第020回国会 本会議 第4号
昭和二十九年十二月三日(金曜日)
 議事日程 第四号
    午後一時開議
 第一 北海道における国有林野の風害太木の売払代金の納付に関する特別措置法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案(内閣提出)
 水稲健苗育成施設普及促進法案(佐藤洋之助君外二十四名提出)
 昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第十九回国会本院提出、参議院送付)
 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(第十六回国会参議院提出)
 医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(参議院提出)
 公職選挙法の一部を改正する法律案(公職選挙法改正に関する調査特別委員長提出)
    午後四時五十四分開議
#2
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
 この際一言申し上げます。ただいまタイ国国会議員スピージー・バンブスレス氏が傍聴席に見えておられますから、御紹介いたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 第一 北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案(内閣提出)
 水稲健苗育成施設普及促進法案(佐藤洋之助君外二十四名提出)
 昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案(第十九回国会本院提出、参議院送付)
#3
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、日程第一とともに、佐藤洋之助君外二十四名提出、水稲健苗育成施設普及促進法案、及び第十九回国会本院提出、参議院送付、昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案の両案を追加して、三案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(堤康次郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 日程第一、北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案、水稲健苗育成施設普及促進法案、昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事佐藤洋之助君。
    〔佐藤洋之助君登壇〕
#6
○佐藤洋之助君 ただいま議題と相なりました、内閣提出、北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案、私外二十四名提出、水稲健苗育成施設普及促進法案、並びに参議院送付、衆濃第五十一号、昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、農林委員会におきまする審議の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。
 まず、北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案について申し上げます。
 本年、北海道地域内の国有林野は、五月の旋風並びに台風第十五号により莫大の被害を受け、約五千五百万石に及ぶ風倒木及び損傷木を生じ、全国有林野の正常伐採量の約一箇年分にも相当するという未曽有の大被害でありまして、これら風害木の処理には三箇年を要するというありさまであります。他方また、北海道におきましては、これらの風水害等によりまして、住宅、学校その他の施設に甚大な被害をこうむり、これが復旧もまた容易ならぬものがありまして、厳冬を迎え迅速にこれが対策を講ずる必要があります。よつて、政府は、これら風害太等を緊急かつ有効に処理するとともに、あわせて被害市町村の復旧の促進に資したい目的をもつて本法案を提出されました。
 次に本法案の要旨を申し上げますと、本年四月一日以降発生した災害に対し、災害救助法による救助措置をとつた北海道の市町村に対し、北海道内国有林野の樹木で本年五月及び九月の暴風雨によつて生じた風害木等を、その市町村がその災害によつて被害を受けた公用もしくは公北角施設の復旧またはその災害による被害者を収容するための公営住宅の建設に供するため、あるいは政令で定める農林漁業用施設の復旧資材として被害者に売り渡すために必要な用材に充てるため売払う場合には、その代金の納付について担保の提供を免除し、利息を付ざないで三年以内の延納の特約を結ぶことができることとするものであります。
 本法案は去る一日付託となり、昨二日羽田農林政務次官より提案理由の説明を聴取の後、質疑に移り、各委員から御発言がございましたが、質疑の内容は速記録に譲りたいと存じます。
 質疑終了後、社会党芳賀委員から、被害者の住宅用資材についてもこの法律の適用を受けるようにいたしたいというので、第一項第二号中「政令で定める農林漁業用施設」を「住宅又は政令で定める農林漁業用施設」とする修正案が提出されました。
 よつて、討論を省略、採決に入り、まず修正案について採決いたしましたるところ、全会一致をもつて可決、次いで修正部分を除く政府原案について採決、これまた全会一致をもつて可決、よつて本法案は修正案のごとく修正すべきものと決しました。
 次いで、自由党福田委員より次の附帯決議を付したいとの提案がありました。採決の結果、これまた全会一致をもつて可決いたしました。
 次に附帯決議を朗読いたします。
   北海道における国有林野の風害木等の売払代金の納付に関する特別措置法案に対する付帯決議
  政府は、本法施行にあたり左記の点に留意して運用すること。
     記
  北海道以外における国有林野の風害木等を売り払う場合においても、その売払が本法に規定する場合に該当するときは、担保の提供を免除し、かつ利息を附きないで代金の延納の特約をすること。
 次に、水稲健苗育成施設普及促進法案について申し上げます。
 御承知のごとく、北海道、東北等寒高冷地帯は、一般に水稲生育期間の気温が低く、積雪量も多いため、稲の生育期間が短かい上に、夏季には低温及び冷水灌漑等により授精障害並びに生育遅延による登熟障害を起しやすく、昨年並びに本年の二箇年にわたり激甚なる冷害をこうむつたことによつても明らからであります。従いまして、水田の生産力は不安定かつ低位にあり、ためにその利用率も低く、経済的にもはなはだ立ち遅れております。しこうして、これらの地域の水稲作を安定し、その増産をはかりますには、早まき、早植えによる健苗の育成をはかることがきわめて有効でありますことは、現在実施を見ております温床雷代、保温折衷苗代による健苗育成の結果が明瞭にこれを物語つております。しこらして、現在の普及状況を検討いたしますと、最も実施を必要とする寒高冷地域は、経済力が脆弱なため、その普及度がきわめて不十分なのでありまして、これらの地域の生産力の高揚と農家経営の安定向上のため、これら水稲健苗育成の施設の普及を重点的かつ計画的に行うこととし、これに必要な助成の措置を講じようとするものであります。
 本法案は昨二日付託となり、同日提案者を代表して私より提案理由の説明をいたしました。御承知のごとく、本法案は農林委員全員が提案者となつておりまして、趣旨、内容とも十分に熟知しておりますので、質疑討論を省路いたし、採決に入るに先だち、社会党芳賀委員から附帯決議を付したいとの提案がありました。採決の結果、全会一致をもつて可決、次いで附帯決議も採決の結果、これまた全会一致をもつて可決いたしました。
 次に附帯決議を朗読いたします。
   水稲健苗育成施設普及促進法案に対する附帯決議
   本事業の完璧を期するためには、予算措置を明確にすることが肝要である。
  よつて政府は、本法施行に当り、左記方針を体していかんなく措置すべきである。
      記
 一、普及促進に関する五ケ年計画に基き、毎年度、年次計画達成に必要な苗代面積二千万坪以上につき助成措置を講ずること。
 二、昭和三十年度の本施設の実施に必要な経費は出来るだけ二十九年度中にこれを措置すること。
 右決議する。
 次に、昭和二十九年四月及び五月における凍霜害等の被害農家に対する資金の融通に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御報告をいたします。
 第十九国会におきまして、本年四月及び五月の凍霜害、風雪害及びひよう害によるひがい農家に対し営農資金を融通するために、現行特別措置法の通過成立を見たのでありますが、六月に至りまして、またまた茨城県に激甚なひよう害、岩手、青森等の地域に相当広範囲な凍霜害があり、これら被害農家に対しましても四月及び五月における凍霜害等による被害農家に対すると同様の低利営農資金融通の措置を講ずる目的をもつて本改正案が提出され、本院を可決通過いたしましたことは、各位の御承知の通りでございます。
 本案は参議院において閉会中の継続審査に付されていたのでありますが、昨日に至りまして修正を行つて本院に送付されて参りました。その修正内容は、字句の修正、資金貸付の期限を昭和三十年一月三十一日までに延期すること、昨年本年と二重の被害を受けた農家の既借受営農資金の償還期限を再延長すること、資金の総額四億五千万円を六億五千万円に増額することで嵐ります。
 本案は昨二日農林委員会に付託と相なりましたが、参議院の修正は、もとより被害農家の経営安定のために適切な処置であり、委員各位は以前に非小式ながら修正内容について説明を受け熟知していたことでもございますので、本日委員会におきまして採決の結果、全会一致をもつて可決すべきものと決した次第であります。
 右御報告を終ります。(拍手)
#7
○議長(堤康次郎君) 三案を一括して採決いたします。日程第一の委員長の報告は修正でありまして、その他の二案の委員長の報告は可決であります。三案は委員長報告の通り決するに御里議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案(第十六回国会参議院提出)
#9
○山中貞則君 議事日程追加の緊急勧議を提出いたします。すなわち、第十六回国会参議院提出、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題とかし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#10
○議長(堤康次郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長關内正一君。
    〔關内正一君登壇〕
#12
○關内正一君 ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につき、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本改正案の趣旨を簡単に申し上げますと、現行法では、地方公共団体の議会の議員で国鉄の職員であることができる者の範囲は町村の議会の議員に限られておりますが、これを特別区を含む市及び町村の議会の議員で総裁の承認を得た者に改めようとするものであります。
 本法案は参議院提出にかかり、第十六回国会以来継続審査中でありまして、今国会においては去る十一月三十日本委員会に付託され、本三日これを審査いたしましたが、詳細は会議録によつてごらんを願います。
 かくて、質疑を打切り、討論を省略し、採決の結果、起立総員をもつてこれを可決いたした次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#13
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(参議院提出)
#15
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、参議院提出、医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#16
○議長(堤康次郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長小島徹三君。
    〔小島徹三君登壇〕
#18
○小島徹三君 ただいま議題となりました医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、厚生委員会における審査の経過並びに結果の大要を御報告申し上げます。
 昭和二十六年六月二十日制定公布ざれました医師法、歯科医師法及び薬事法の一部を改正する法律は明年一月一日から施行されることとなつておりますが、医薬分業を支障なく実施するためには、第一に、この法律制定当時実施の前提条件としてあげられた諸条件が整えられているかどうか、第二には、この法律の実施がわが国の現状において国民生活にいかなる影響を及ぼすかについて、この際再検討を要するのであります。しかるに、医薬分業の実施に伴う適正にして合理的な新しい医療費体系の確立及びそれが国民の医療費負担、なかんずく社会保険経済に及ぼす影響等の諸問題は、国会において十分に検討されなければならない基本問題でありますが、これらの点につきましても、国民各界の意見、特に医師、薬剤師両者は必ずしも一致していない状態でありますので、同法の立法精神と現在における諸般の準備状態にかんがみ、さらに円満適正な運営により医療内容の向上を期し国民の利益をはかる意味において、より完璧なる準備と国民の啓蒙に努力するため、法律実施の期日を昭和三十一年四月一日に改めんとするのが、この法律案の提案理由並びにその大要であります。
 厚生委員会におきましては、医薬分業の国民に及ぼす影響の重大さにかんがみまして、閉会中、十月、十一月の両月において十牧回にわたり委員会を開き、草葉厚生大臣並びに関係当局より、医薬分業実施に必要な新医療費体系並びに新医療費体系に基く社会保険診療報酬点数について説明を求め、特に十月七日、八日の両日には、新医療費体系に関する件について人名の参考人より意見を聴取する等、医薬分業実施に関しきわめて慎重なる討議が行われたのであります。
 本法案は参議院提案にかかるものでありますが、本月二日本委員会に付託され、三日提案者有馬参議院議員より提案理由の説明を聴取した後、慎重審査を行い、質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由党を代表して松永委員、日本民主党を代表して佐藤委員、日本社会党を代表して長谷川委員、写本社会党を代表して岡委員、新党同志会を代表して山下委員よりそれぞれ希望を付して賛成、無所属只野委員より反対の意見が述べられたのでありますが、詳細は会議録についてごらんをお願いいたします。
 次いで採決に入りましたところ、多数をもつて本法案は可決すべきものと決した次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#19
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#20
○議長(堤康次郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 公職選挙法の一部を改正する法律案(公職選挙法改正に関する調査特別委員長提出)
#21
○山中貞則君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、公職選挙法改正に関する調査特別委員長提出、公職選挙法の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#22
○議長(堤康次郎君) 山中君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 公職選挙法の一部を改正する法律案を序題といたします。提案者の趣旨弁明を許します。公職選挙法改正に関する調査特別委員、長森三樹二君。
    〔森三樹二君登壇〕
#24
○森三樹二君 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明いたします。
 本案は、今次の国会自粛立法の一環として、選挙界の浄化をはかるため、連座制等を強化して選挙の公正を確保し、選挙運動の適正化、選挙運動費用の合理化、政党等の政治活動の規制等を行うとともに、選挙管理事務に関する規定を整備せんとするものであります。
 すなわち、選挙の公正確保に関するものとして、公務員等がその地位を利用してなす事前運動を禁止し、選挙運動費用の法定制限額を現行約四十万円より七十万円まで引上げ、その制限額を越えて支出した場合には出納責任者を処罰し、さらに選挙運動に従事する者に対する実費弁償額並びに選挙運動のために使用する労務者に対する報酬及び実費弁償の額を実情に沿うがごとく引上げ、その基準を法定することとし、寄付の制限に関しては新たに規定を設けて、立候補の意思のある者は、当該選挙に関し当該選挙区内の者に対しては寄付を禁止し、さらに、立候補の前後を問わず、候補者が役員である会社その他の団体が行う寄付で、候補者の名前が表示されたり類推されたりするものは禁止するごとにいたしたのであります。
 連座制に関しては、出納責任者の買収犯等にも新たに連座制を適用するとともに、総括主宰者、出納責任者の買収犯等の場合及び出納責任者の法定費用超過支出罪の場合には、従来の免責規定をやめて、おとり犯の場合に限り免責規定を置くことといたしました。さらに、おとり犯罪の制度を創設して、おとり犯については処罰することにするとともに、選挙権、被選挙権を停止された者はその期間中選挙運動ができないこととし、また罪の時効については、形式犯については六箇月、その他の犯罪については一年、犯人が逃亡した場合には時効期間を二倍に延長することにいたしたのであります。
 選挙運動一般に関しましては、まず選挙事務所法定数厳守のため、表示する一定の標札を掲げなければならないものとするとともに、飲食物の提供については、選挙運動従事者及び労務者に対する弁当は、候補者一人について、選挙の告示のあつた日から選挙の当日までの期間、一日十五人の割合で、三食分に相当する致を越えない範囲に限つてその提供を認め、これは選挙事務所で食事し、または携行する場合に限るものといたしました。さらに、現行法におきましては湯茶の提供に限られていたものを、茶菓の提供に改めております。
 なお、自動車、拡声機及び船舶の使用につきましては、まず選挙運動用自動車は、乗用車または小型トラック一台に限ることとし、大型トラックは、天候その他の事情により小型トラックの運行ができない場合に限り使用することができることにいたしました。連呼行為は、車上、徒歩すべて禁止し、自動車上の選挙運動は、停車した車上においてする演説のみ許されております。なお、これらの車上に乗る者の員数は、候補者、運動員、労務者合せて四人に制限し、拡声機は一そろいに限ることにいたしました。但し、個人演説会場においては、会場ごとにさらに一そろい使用することができることにいた、しております。
 なお、文書、図画に関しましては、自動車及び船軸への掲示は一切禁止し、選挙事務所、演説会に用いるポスターはその規格を制限し、さらにポスターを他人の工作物に掲示する場合には居住者の承諾を得ることを明確にいたしたのであります。
 さちに、屋外放送を禁止するため、主乏して屋外に向つて放送することを目的とした設備の使用は禁止することにいたしております。録音盤は、立会い演説会においてはその使用を禁止し、個人演説会、街頭演説においてはこれを認めることにいたしました。なお、立会い演説会開催当日の他の演説会は、その前後二時間の間のみ禁止することに緩和いたしました。
 このほか、政党その他の政治団体の選挙における政治活動の範囲を拡大するとともに、この規制を、参議院議員、都道府県知事及び市長の選挙についても及ぼすことといたしました。
 その他はおおむね選挙管理事務の整備及び現行法の整備であります。
 次に本改正案の施行期日でありますが、本改正案の施行は昭和三十年三月一日から行うこととし、但し、衆議院の選挙に関しましては、同日前に総選挙の公示がなされたときは、原則として当該総選挙から施行することといたしたのであります。
 最後に、選挙区制、議員定数等の問題でありますが、この点については今回は結論を得るまでには至らなかつたのでありますが、今後とも広く各界の意見を聞き、慎重に研究調査することといたしました。
 以上が本法実の要旨であります。なお、詳細にわたりましては委員会の速記録を御参照いただきたいと恵うのであります。
 本法案の草案の成立につきましては、今夏以来、自粛立法の申合せ及び国民の輿論にこたえるため、各党の代表が熱心に御討議の上成立したものでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望する次第であります。(拍手)
#25
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
 なお、ただいまの議決の結果、条項及び字句の整理を要するものがありますならば、その点は議長に御一任願いたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
#27
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。
 明四日は定刻より本会議を開きます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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