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1954/12/03 第20回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第020回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
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1954/12/03 第20回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第020回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

#1
第020回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
昭和二十九年十二月二日
 森三樹二君が委員長に、鍛冶良作君、田嶋好文
 君、松山義雄君、喜多壯一郎君、古井喜實君、
 島上善五郎君及び三輪壽莊君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
昭和二十九年十二月三日(金曜日)
    午後二時十七分開議
 出席委員
   委員長 森 三樹二君
   理事 鍛冶 良作君 理事 田嶋 好文君
   理事 喜多壯一郎君 理事 古井 喜實君
   理事 島上善五郎君 理事 三輪 壽壯君
      青木  正君    押谷 富三君
      尾関 義一君    高橋 英吉君
      綱島 正興君    橋本 龍伍君
      小笠 公韶君    高瀬  傳君
      床次 徳二君    中村 梅吉君
      松永  東君    飛鳥田一雄君
      石村 英雄君    加藤 鐐造君
      竹谷源太郎君    川上 貫一君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        長)      兼子 秀夫君
 委川員外の出席者
        衆議院法制局参
        事
        (第一部長)  三浦 義男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 公職選挙法改正に関する件
    ―――――――――――――
#2
○森委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。最初に公職選挙法改正案小委員会の審議経過について御報告いたします。本小委員会は昨日設置されたのでありますが、会期も短かく、かつその成立がきわめて急がれております。昨日ただちに公職選挙法改正案の起草にかかつたのでありますが、本改正に関しましては、第十五国会以来、選挙法の委員会において慎重審議を尽し、さらに第十九国会においては、閉会中四党の国会対策委員長会議を開催して選挙法の改正について話合いを重ねた次第であります。しこうして昨日に引続き本日も小委員会の審議を継続し、皆様のお手元に配付してある案のごとき成案を得るに至つた次第であります。その内容は配付してある要綱に尽されておるわけでありますが、その内応の詳しい説明は法制局当局に説明いたさせたいと存じます。三浦法制部長より御説明を願います。
#3
○三浦法制局参事 それでは私から順次御説明申し上げます。全体百二十数箇条に関係をいたしておりまするので、一々こまかく申し上げますることはたいへん時間をとりまするので、さしあたり百二十九条以下の選挙運動に関する部分に関連する事項につきまして御説明を申し上げたいと思います。お手元にお渡ししてございます公職選挙法の一部を改正する法律案の十五ページ以下でございます。それから公職選挙法改正案要綱につきましては、五ページ以下に書いてございます。
 まず、立会演説会につきましては事情の許す限り回数を多くすることにいたすのでありますが、法案におきましては、現在もそうでございまするが、立会演説会の回数は特に規定してございませんので、こういう趣旨のことを法案の中に織り込むことにいたしておるのでございます。次には、立会演説会のやり方につきましては、地方によりましては班別編成の方法をとつておるところもありまするが、法律上特にそういう規定をいたしてございませんので、この機会に班別編成の方法も採用できる旨を法律の中に織り込むことにいたしたのであります。それから次は立会演説会であります。公職選挙法でいう厳密な意味の立会演説会ではございませんが、たとえば新聞社主催等の形式によりまする私設の立会い形式の演説会が行われておるのがございますが、こういうものは、公職選挙法による公営の立会演説会がございまするので、それの徹底を期する意味におきまして、そういう私設の立会い形式のものを禁ずることにいたしたのでございます。しかしながら、候補者同士が意思を通じまして、そしてそのもとに第三者がそれらの候補者の意見を聞くために共同の演説会を行いますることを禁止する趣旨ではございませんので、その点を法案の中で明らかにいたしてございます。以上が立会演説会についての改正のおもな条項でございます。
 それから次は個人演説会についてでございます。個人演説会の回数は現行が六十回の制限になつておりまするが、この回数制限につきましてはいろいろ意見もございましたが、この法案では六十回の現行制限を採用することにいたしてございます。それから、個人演説会の会場といたしまして、公営施設の中に公民館を加えまして、そこでも個人演説会がやれるようにいたしてございます。以上が個人演説会の改正のおもな事項でございます。
 次は、無料はがきの問題でございまするが、これは、要綱に書いてございまする通り、現行通り一万枚とすることで、現在の選挙法の規定を特に改めたわけではございませんが、この点に関しましては、この枚数をふやしたならばどうかという意見もございましたので、現行通りとするのであつて、この際はふやさないという趣旨を、ただ要綱で明らかにしただけでございます。従いまして法案では特に改正の措置をとつてございません。
 次はポスターでございます。いわゆる衆議院の選挙におきましては、個人演説会告知用のポスターが現行では千二百枚認められておりまするが、この枚数を五千枚に増加することにいたしてございます。これに伴いまして、他の選挙につきましても関連事項として多少の枚数の増加の措置をとつてございます。現行千二百枚を五千枚に増加いたしまするとともに、この演説会告知用ポスターを、一度使つたものを二度使つたり、あるいは一度掲示した箇所を移しまして他の掲示箇所にさらに掲示したり、それから演説会告知用のポスターを告知用以外の選挙運動用ポスターに転用することはできないことに、この法案では措置してございます。それは千二百枚を五千枚に増加しました結果、その方が妥当であろうということで、そういうことになつておるわけでございます。それから、念のために申し上げておきまするが、衆議院の選挙におきましては、演説会告知用のポスターを五千枚にしておりますかわりに、いわゆる選挙運動用ポスターは、タブロイド型の選挙用ポスターは現行も認めてございませんが、この改正案でもそれは認めないことになつております。次には、告知用ポスターにつきましては、立候補を辞退いたしました場合におきまして、それを返せとかあるいはこれを他に譲渡してはいかぬという制限規定を設けることにいたしてございます。以上がポスターにつきましての大体の改正要綱でございます。
 次は新聞広告の問題であります。新聞に候補者が新聞広告をいたしまする回数は、現在衆議院の選挙におきましては一回でございまするが、これをさらに一回ふやしまして二回にすることにいたしまするし、さらにそのスペースも増加することにいたしてございます。これらのこまかい点につきましては命令に譲ることになつております。次は、それらの新聞広告を掲載いたしました新聞紙を新聞販売業者がある箇所に掲示しようとする場合におきましてこの規定が現行法では欠けておりまするので、その点を整備することにいたしましたのが新聞広告のところに書いてございます(ロ)の問題でございます。
 次は放送でございます。放送につきましては現行通りでありまするが、政見放送の時刻等につきましては、一般有権者ができるだけ候補者の政見等が聴取できるようにするために、何らか適当な措置を講じた方がよくはないかというような御意見がありまして、これは自治庁当局においてその旨をくんでしかるべく放送局その他と連絡をすることになつておるのでありまして、ここに法律上その規定を置く必要はございませんので、規定は置いておくことにはいたしませんでしたが、要綱としてはその旨を特に書き上げておいたわけでございます。
 次は選挙公報であります。現行では選挙公報の字数は千五百字になつておりまするが、この字数を二千字にすることにいたしたのでありまして、五百字を増加することになつております。そのほかにさらに写真を掲載することを法律上の義務として規定いたしたのでございます。現実には写真を掲載するところもあるかのように聞いておりまするが、今後は法律上当然掲載しなければならないことに改められるわけでございます。選挙公報に掲載いたしまする字数が、二千字になります関係上、参議院の全国区選出議員の選挙につきましても、これに伴いまして多少の字数の増加を規定するようにしたわけでございます。
 次に氏名掲示でございます。これは投票所の中と投票所の外に候補者の氏名を掲載することに現行法がなつておりまするが、これらの掲示方法について改善を加えまして、できるだけ一般の目につきやすいように改めるようにいたしますとともに、氏名掲示の順序につきましては、投票所の中と外とでは同じような掲示の順序にすることに改めたわけでございまして、さらにくじで決定する分につきましては、開票所ごとにくじできめるということにしたわけでございます。くじできめます分につきましては、一定の期日以後に着きましたものにつきましては、申込順でなくしてくじできめるということに現行法でなつておるわけであります。その点につきましての規定でございます。
 次は一般の選挙運動に関してでございまするが、その中で第一は選挙事務所の問題でございます。選挙事務所につきましては、一箇所設置いたしまするところにつきましてはさように問題は起らないわけでありまするが、二箇所以上設置します場合におきましては、ほんとうの選挙事務所がどれであるか、それが制限数を越えているかいないかということを明確にいたしまするためには、選挙事務所につきまして一定の標札を掲げさせることか適当であろうということにいたしまして、今回選挙事務所を表示するための標札の制度を設けまして、選挙管理委員会からその交付を受けまして選挙事務所にこれを掲げることにいたしたわけでございます。
 次は飲食物の提供の問題についてでございます。飲食物の提供につきましては、選挙運動に従事する者及び労務者を含めまして一定の人数を限定いたしまして、それだけの範囲内であれば弁当等を提供するようにした方がよかろうということになりまして、さように法的な措置を講じたわけでございます。その内容といたしましては、飲食物の提供のところの(イ)に書いてございますように、選挙運動に従事する者及び労務者に対し弁当料――その額は別途告示をいたしまするが、その弁当料を支給するかわりに、公職の候補者一人につき、当該選挙の選挙期日の公示または告示がありました日から選挙の期日までの期間に応じまして、一日十五人の割合で算出しました員数の三食分に相当する数を越えない範囲内で弁当を支給できるようにすることになつたわけでございます。これをさらに詳しく申し上げますれば、一日十五人の割合でこれに三食分をかけ合せまして、衆議院の選挙におきましては告示から選挙期日まで二十五日の期間がありますから、それを二十五倍いたしましただけの弁当数が出せるということになるわけでございます。さらに、選挙事務所を、箇所でなくして二箇所以上置き得ます場合におきましては、その選挙事務所の数が一箇所を越えますごとに、先ほど申し上げました十五人の人数に六人を加えました人数で計算する、こういうことになつておるのでございます。しかも、この弁当の提供は、いろいろまた弊害も考えられますので、選挙事務所で食事するために提供する場合、またはそれを携行して選挙運動に出かける場合に提供するときに限ることにいたしてございます。次は、飲食物の提供に関連いたしまして、現在では湯茶の提供だけに限定してございますが、実際問題として菓子程度を出すことはあり得ますので、湯茶のみでなくして茶菓の提供を認めることになつたのでございます。茶菓とはどの程度かと言いますと、湯茶及びそれに伴い通常用いられる程度の菓子をいうということになつておりまして、社会通念によつて決定するよりしかたがないと思つております。
 次は自動車、拡声機及び船舶の使用の問題であります。
 選挙運動用自動車は一台に限ることといたしまして、これ以外に候補者が専用して乗つております自動車は従来通り認めることとなつたのであります。なお選挙運動用自動車は、乗用者及び小型貨物車に限ることといたしまして、大型貨物車は天候その他の事情により乗用車及び小型貨物車の運行ができない場合に限つてその使用を認めるというよりに限定してあるわけでございます。まず選挙運動用自動車は一台に限りまして、これはあとでも申し上げまするが、選挙費用の法定額から除外することにいたしてございます。従いまして、今度選挙費用の法定額が従来よりも上ることになつておりますが、この費用の中には含まれないことになります。なお、候補者専用の自動車については従来通り初めから含まれないことになつておりますので、それはその通りやはり含まれないように取扱つてございます。さらに、この選挙運動用自動車は、宣伝用自動車を認めないことになつております。宣伝用自動車とは、その構造上主として宣伝の目的のためにつくられておる自動車をいうことに法律上定義をしてございます。それから、小型自動車と大型自動車との区別でございますが、小型自動車とはどういうものをいうかということは、道路運送車両法の三条に規定してございます。それに基きまして、その施行規則、運輸省令で大きさの制限等を規定してございます。その内容の概要を申し上げますると、小型自動車は長さが四・三〇メートル、約十四尺、幅一・六八メートル、約五尺五寸、高さ二・〇〇メートル、六尺六寸、その他原動機の大きさの制限等がございます。大体大ざつぱに申し上げますと、いわゆるトヨペツトの大きさ以下くらいがその標準になるかと考えられます。それからなお法律と関連いたして申し上げますが、この原案ではこれに対する罰則の措置を講じてはございません。次は、自動車に関連いたしまして、選挙運動用自動車の車上における選挙運動は禁止することになつております。但し停止した車上においてする演説にこの限りでないこととして許されております。停止した車上においてする演説は、街頭演説はもちろん含みますし、そうでなくして、たとえば個人演説会等屋内でなくして、ある建物の構内等で行われます演説は個人演説会として取扱われることになつておりますが、その場合において車上から演説することもやはり但書で除かれるというようにしております。車上の選挙運動でありますから、法的には車上におけるあいさつ行為を直接には禁止するようにはなつておりません。次は、証明書でありますが、これは従来選挙運動の場合に証明書を交付することになつておりましたが、証明書のほかに表示板を掲示することになつておりまして、二重の措置は必要がないと考えられますので、証明書の交付制度を廃止いたしまして、表示板のみを自動車等に掲示することに改められております。次は、選挙運動用自動車及び船舶に乗れる選挙運動に従事する者及び労務者の員数でございますが、これは候補者と合せまして四人に制限するものといたしまして、それらの者は一定の腕章をつけなければならないことにしてございます。但しこの四人の人数の中には運転手、船員はこれを含まないことになつております。従いましていかに大きい自動車を使いましても、乗車制限によりまして、ただガソリンの消費になるだけで無意味だという結果になるかとも考えられます。なおこの四人の制限につきましては、運転手は含まないことになつておりますが、運転手の予備はどうするかという問題があるかと思います。いわゆる運転手の交代要員の問題でございます。お手元に差上げてございます法律の改正案につきましては、その点は何も規定してございませんで、社会通念で決するようにと考えておりましたが、もし必要があれば、運転手のところにさらにある註をつけまして、その交代要員を含め二人に限るというように限定いたしまして、運転手のかわりの者は予備として一人くらいを認める程度に法律上限定した方がいいかどうかという問題があるかと存じますが、この点は法案と関連いたしまして、さらに詳しいことはあとで申し上げます。
 次は、拡声機でございますが、拡声機は現行では二そろいの使用が許されることになつておりまするが、この改正では一そろいに制限することになりました。しかしながら、それでは不便もありますので、個人演説会等におきましては、ただいま申し上げました一そろいのほかに、別個に会場ごとに一そろいの使用を認めてもいいということに法律上規定してございます。その別個の一そろいと申しますのは、その会場に設備をしてあるといなとにかかわらず、よそから持つて行つても一そろいは別に使える、こういうように法的措置を講じてございます。
 次は、文書図画の掲示の問題でございます。自動車、拡声機及び船舶には、一切文書図画の掲示を禁止まることになつております。
 次は、選挙事務所、個人演説会及び街頭演説に用いますポスターにつきましては大きさの制限がこございませんでしたが、この改正案におきましては立礼及び看板に制限がしてございますが、それと同じ規格のものに制限することに改めてございます。
 次は、ポスター掲示の承諾の問題でありますが、ポスターを他人の工作物に掲示したしまする場合におきましては、居住者、管理者及び所有者の承諾を得ることになつておりまするが、この点につきまして順位を法律上明らかにいたしまして、規定を整備したということでありまして、実質的に変化はございません。
 次は、新聞紙及び雑誌の報道及び評論の問題であります。決定以外の新聞紙及び雑誌につきましては、選挙に関する報道及び評論は選挙の当日もできないようにその規制を及ぼすことにしてございます。決定以外の新聞紙及び雑誌と申しまするのは、六箇月以上続けて発行していない新聞とか、あるいは一月三回以上発行していない新聞紙、または一月一回以上発行していない雑誌あるいは第三種郵便の認可をとつてないもの等をいうのでございます。それらの法定以上の新聞紙につき、ましては、選挙の現行規定では、選挙運動の期間中というように法律の規定がなつておりまするので、選挙の前日まで制限が及ぶことになつておりまして、選挙の当日に規制が及ばないきらいがありまするので、その点をさらに明らかにいたしたのでございます。それから、法定所用紙及び雑誌の掲示個所の指定につきましては、都道府県の選挙管理委員会が統一して行えるようにしたのでございまして、これは整備でございます。
 それから、有線電気通信設備の使用制限の問題でございまするが現在放送設備を使用してこの選挙法で規定してあります以外の放送をすることはできないようになつておるわけでございまするが、その中で割註をいたしまして、広告放送設備、共同聴取用放送設備その他の優先電気通信設備を放送設備に含むものといたしまして、これらのものを使用いたしまして放送することを禁止する旨を明らかにいたしたのでございます。
 次は録音盤の使用であります。立会演説会におきましては、その性質上録音盤の使用を禁止することが妥当であろうというわけで、録音盤の使用を禁止いたしましたが、個人演説会及び街頭演説会においてはこれを認めることにしてございます。
 街頭演説でありまするが、御願演説は停止した車上において認めることになつております。現在でも、街頭演説は、車につきましては、そこにとどまつて、駐車してということになつておりまして、そうでなくともその場所にとどまつて標旗を掲げてしなければ街頭演説ができないことになつておりますが、車上の選挙運動の禁止と関連しまして、特にここに念のために明らかにそのことを掲げてございます。それから同時に、街頭演説の場合におきましても証明書は必要ございませんので、これは廃止することにいたしたのであります。
 それから次は、連呼行為の問題でありまするが、連呼行為は一切禁止することに措置してございます。これは今までにない大きい改正だろうと思います。
 立会演説会開催当日の他の演説会等の制限の問題でありますが、これは今までにない大きい改正だろうと思います。
 立会演説会開催当日の他の演説会等の制限の問題でありますが、これは公営の立会演説会が開催されておりまする場合に、その開催時間中及びその前後二時間の間他の演説会は禁止することにしたのでございまして、これは現行の規定の緩和でございまして、現行規定はその当日中他の演説会を禁止してございましたが、その必要がないのでかように緩和したわけであります。
 次は特定の建物及び施設における演説の禁止であります。地方公共団体が所有しまたは管理しておりまする公営住宅においても演説ができるように改正をいたしてございます。これは、現在もそういうところでやらなければほかにやれないというような場合等もございますので、特にここで演説をやることを禁止する必要がないので、それを特に明らかにしたわけであります。
 次は近接して行われる選挙における選挙当日の演説の制限であります。一つの選挙の選挙運動の期間が他の選挙期日にかかる場合において、選挙の当日その投票が終るまでの間、当該投票所から一定の区域内、これは三町としてございますが、その区域内においては選挙運動のための演説会の開催とか街頭演説を禁止することにしたのでございます。これは、ある選挙が二つ重なり合つて行われて、一つの選挙のちようど投票日に当りますような場合におきまして、他の選挙の選挙運動に対して制限の規定でございます。
 次は、再立候補の場合の特例でございますが、一度立候補いたしまして候補者たることをやめました場合におきましては、その再び立候補いたしました者につきまして選挙運動についての多少の特例を設けることにいたしたのでありまして、その特例とは、初めから立つておる人に比べまして、選挙運動の文書、図画その他につきまして多少の制限を加える方が妥当であろう、そうしなければ、一度立つてやめて、また二度立つというようなことによつて、前と同じ程度にいろいろの公営上の特典を受けるということになつては、初めから立候補している人との権衡上その他の点から選挙の公正を害するというよりな意味合いにおきしまして、さようにしたわけでございます。その詳細につきましては、法的に法律上規定することがいろいろこまかくなりますので、政令に譲ることにいたしてございます。
 次は、選挙期日後のあいさつ行為の制限でありまして、これには放送を加えるということにいたしたのでございます。
 次は、出納責任者の問題でありまするが、出納責任者の選任及び職務代行者の就任の届出につきましては、その責任を明確にする意味合いにおきまして発信主義を採用することとしたのであります。そうして郵便で出します場合におきましては、出納責任者の選任等につきましての届出書類を郵便局に託したときをもちまして届出の効力が発生するものとしたのでございます。これは、発信主義をとるがよいか、あるいは到達主義をとるがよいか、いろいろな議論もございますが、結局発信主義をとることにこの改正案ではいたしてございます。それから出納責任者の職務代行者につきましての職務権限は出納責任者と同じであるという旨を法律上特に明確にいたしますように、規定を整備いたしましたのでございます。これは出納責任者の連座制の問題等とも関連いたしまして、さようにすることが適当であろうと考えられるわけであります。それから職務代行者の違反行為に対しましては、出納責任者と同様の罰則を科するようにしてございます。なお、出納責任者の届出前の寄付の受領の禁止規定は、百八十六条に、出納責任者以外の者が寄付を受けた場合につきましての規定がございまするので、それとの関係上重複いたしまするので整理をすることにいたしまして、一方から落としたのでございます。内容的には特に変更はございません。
 次は選挙の公正確保に関する事項でございます。その一つといたしまして、公務員等の地位の利用による事前運動の禁止の問題であります。この問題に関連いたしまして、高級公務員の立候補制限等の問題がたびたび議に上つておりまするが、それらの問題につきましては憲法上の点に照し合せまして疑義がございまするので、この際はそういう措置をとりませんで、それらの人たちが地位を利用して事前運動をやる場合の処罰規定の加重ということに、この改正規定は措置してございます。その内容の(1)といたしましては、国または公共団体の公務員が、その地位を利用して、百二十九条のいわゆる事前運動の禁止の規定に違反いたしまして選挙運動をしたときは、二年以下の禁錮または三万円以下の罰金に処することになつております。これは一般の事前運動の禁止の罰則の倍に引上げてございます、それから、日本専売公社の役員もしくは職員、日本国有鉄道または日本電信電話公社の経営委員会の委員、役員もしくは職員、いわゆる公共企業体等のこれらの人たちにつきまして、それらの人がその地位を利用して百二十九条の規定に違反して選挙運動をいたしましたときも、同様の罰則を科することになつております。
 次は選挙運動費用の問題であります。選挙運動費用の法定額の問題でありまするが、法定制限額を七十万円程度に引上げることにしてございます。お手元に配付してございする印刷物が直してなければさように御訂正をお願いしたいと思います。いずれこれは正誤表をお手元に差上げる予定にしてございます。基準額といたしましては七円となるわけでございます。全国平均大体一人の公定制限額が、衆議院議員の選挙におきましては七十万円程度だと御承知願えればけつこうだと思つております。現行は基準額四円となつていますから、約倍程度に引上げられるという結果になります。但し、この費用の中には、(2)に書いてございまするように、公職の候補者が乗用する船車馬等に要しました支出、及び選挙運動用自動車の費用は、従来通り法定選挙運動費用から除外することといたしたのでありますし、新たに選挙運動用船舶の費用も、決定選挙運動費用に加算しないこととして、あるわけでございます。
 次は、決定制限額を越えて支出いたしました場合には、出納責任者を処罰することになつております。これは新たなる規定でございます。従来は法定制限額を越えて出納責任者が支出しました場合には、当選無効の訴訟を提起することができることになつておりましたが、本改正案におきましては、法定制限額を越えて支出した出納責任者を処罰することといたしますると同時に、さらにこれに関連いたしまして連座を適用することにいたしまして、当選無効の訴訟を提起できるように措置してございます。
 次は、選挙運動に従事する者に対する実費弁償並びに選挙運動のために使用する労務者に対する報酬及び実費弁償の問題であります。これは、現在自治庁の告示をもちましてその基準額を定めておるわけでございましたが、事柄が大事でございますし、この基準額を越えますことは、場合によつては買収と見なされやすいおそれもありますので、法律上明確に規定した方がよかろうというわけで、法律に規定を載せたわけでございます。しかしながら、これは基準でございまするので、これの最終の額は、これに基きまして、それぞれの選挙管理委員会、衆議院の選挙につきましては都道府県の選挙管理委員会がその額を具体的に決定することになつております。
 その内容は、(一)は選挙運動に従事する者一人に対し支給することができる実費弁償の種類及びその額の基準でありまして、鉄道賃、船賃、車賃、宿泊料、弁当料、茶菓料、それらにつきまして、要綱に掲げてございますような程度のことを法律に掲げたわけであります。第二は、選挙運動のために使用する労務者一人に対し支給することができる報酬の基準日額及び超過勤務手当の額の基準でありまして、基本日額、超過勤務手当等につきましてここに基準を掲げてございまするが、この程度のものを法律に規定しておるわけでございます。それから、労務者に対しまして弁当を提供いたしましたときは、その実費に相当する額を右の基本日額から差引くものとしてございます。なおこれにつきましては、運動員に弁当をやりました場合も差引くように法律ではあわせて規定してございます。なお応援弁士に対しまする実費弁償はどうなるかということでございますが、これは応援弁士に対しまして、も実費弁償ができ得るようにすることと、要項に書いてございます通りに、法律の上におきましては特に応援弁士ということの規定をあげてはございませんが、選挙運動に従事する者という中には応援弁士が含まりますので、それに実費弁償の必要があれば、先ほど申しました額の範囲内におきまして出せることは当然と解釈いたしております。次は、労務者に対し宿泊料、鉄道賃等の実費弁償ができるようにすることであります。現行では、労務者等につきましては、報酬だけはやれることになつておりますが、実費弁償の規定が特にないわけであります。労務者を汽車に乗せてどこかに連れて行つたような場合に、実費弁償が出せないきらいがございますので、これらの実費弁償がやれる旨を法律では書いてございます。
 次は寄付の制限の問題であります。(1)は、衆議院議員及び参議院議員の選挙に関しては国または公共企業体と――公共企業体と申しますのは日本国有鉄道、日本専売公社及び日本電信電話公社を申すのでありますが、これらのものと、地方公共団体の議会の議員またはその長とその教育委員会の、委員の選挙に関しましては当該地方公共団体と、請負その他特別の利益を伴う契約の当事者である者は、選挙に関し寄付をしてはならないものとすることというわけでありまして、衆議院の選挙につきまして申し上げますれば、国と請負その他の特別の利益を伴う契約の当事者である者は、衆議院の選挙に関しては寄付をしてはならないことになるわけでございます。これは現行法でもさような規定があるわけでありますが、これに特に公共企業体を加えた点が改正になつておるわけでございます。その他寄付の制限につきましてはいろいろの案がございますが、この共同案と申しますか、お手元に差上げました案におきましては、それらの点は一応触れてございません。次は、候補者及び候補者となろうとする者――現に公職にある者をひつくるめて候補者となろうとする者というわけでありますが、そういう人たちが当該選挙に関し当該選挙区にある者に対し行う寄付を禁止すること、この場合において通常一般の社交の程度を越える寄付は、これを選挙に関し行う寄付とみなす旨の規定を置くこと、但し政党等に対してする寄付はこの限りでないことでございまて、この点は候補者につきましては現行法でもさような規定があるわけでございます。当該公職の候補者は選挙に関して寄付をしてはならない、但しその選挙の関係区域外に対して寄付をする場合とか、自分の所属しておる政党に対して寄付をする場合はよろしいということになつておるわけでございますが、この規定においては、それらの点を明らかにするとともに、さらに新しい問題といたしましては、たとえば現に衆議院議員の職にある方を例にとつて申し上げますれば、そういう人たちが自分の選挙に関しまして選挙区内に寄付をすることは一切禁止されるということになるわけでございます。その寄付は、「この場合において」というところに書いてございますように、通常一般の社交の程度を越える寄付は、これを選挙に関する寄付と法律上みなすことにすることにいたしまして、平常におきましてもそういう寄付は一切できない――できないと申しますか、そういう寄付は選挙に関する禁止された寄付とみなす、こういうことに法的に措置を講じたわけであります。従いまして、いろいろ寄付を要求されました場合におきましては、通常社交の場合であれ何であれ一切できないということで、これに違反すれば処罰される、こういうことにこの法案ではなつております。但書の「政党等に対してする寄附」は、自己が所属する政党等に対してはもちろんでありますが、それ以外の政党に対しても、政党に対する寄付はこの限りでないということにしてございます。それはどういうことかと申しますと、所属する政党についてはもちろん問題ないわけでございますが、所属しない政党に対しましては、実際ほとんど例はないと思いますが、実際問題としてそういうことはあり得るといたしました場合におきましても、それは政治活動の上から申しまして別個の問題であつて、ここで特に制限する必要はないだろうと考えますので、この法案では、他の政党に対します場合におきましても、それはいいということに一応なつております。政治資金規正法と現行法では所属政党だけに禁止してございますが、この改正案ではその点は広げてございます。次は、立候補の前後を問わず、候補者が役員であります会社その他の団体が当該選挙に関し行う寄付で、その候補者の氏名が表示されたりまたはその氏名が類推され得ますような寄付は禁止すること、但し政党等に対してする寄付はこの限りでないことということになつております。これも新しい規定でございます。これは、たとえば衆議院議員のをそこに入れるとか、あるいはその議員の方の名前が暗黙に推測されるような文字を使つて寄付をすることを禁止しようという規定でございます。但書の政党等に対してする寄付の問題は、さきに述べました(3)の場合と同様に考えております。
 次は連座制の問題であります。連座制の問題に関しましては、出納責任者が買収等をいたしました場合におきましては、新たに連座制を適用することになつております、現在では、連座制が適用されますのは、当選人が選挙犯罪を犯しました場合には、連座の問題ではございませんで、当然失格でありますが、当選者本人以外の場合におきましては、選挙運動の総括主宰者が買収を犯しました場合と、それから出納責任者が、選挙運動に関する報告書につきまして、その提出を怠つたり、あるいはそれに虚偽の記載をいたしましたりしたような場合の二つに限定されておるわけでごいます。この法案におきましてはその連座制度を改めまして、次の(2)に書いてございますような連座制を設けたわけでございます。その内容は、選挙運動の総括主宰者が買収犯を犯しました場合、次は出納責任者が買収犯を犯しました場合、次は出納書任者が法定費用超過によりまして刑に処せられました場合、この三つの場合におきましては連座制を適用することに考えてござざいます。但し、これらの場合におきまして、当選人がそれらの買収とか決定費用の超過がおとりによつて起されたものである旨の立証をいたしました場合におきましては、当選失格にならないようにすることに法律上措置をいたしてあるわけでごいます。なお、先ほど申し上げました従来の出納責任者の報告書の提出義務違反等によります連座制をこの新しい改正案におきまして連座制の問題から除外いたしましたのは、それは形式犯として処置することにいたしたのでありまして、もしそれらの出納責任者が法定費用を超過いたしました場合におきましては、新たに今度連座制を適用することになりましたので、その方で始末をしようというわけでござざいます。連座制の問題は重要でごいますので、あとで法律案の個々の規定について御説明を申し上げたいと思います。次は、おとり防止のため、おとり犯につき厳罰の規定を設けることとしたのでありまして、おとり犯につきましては、それによつて免責になる、ならないは別問題として、そういう行為を排除する意味におきまして、そういう事態が起ればそれにつきましては厳罰規定を設けることにいたしてございます。次は、公職の候補者、選挙運動の総括主宰者及び出納責任者の買収犯等の場合の加罰規定を設けること。現在では、公総の候補者、総括主宰者、出納青佳名が買収犯を犯しました場合におきましては、一般の買収犯と同じような罰則規定になつておりますが、今度は連座制の適用とそれに伴います免責規定等との関連上、特に罰則を加重いたしました方が適当であろうと考えまして、さように措置をいたしたのであります。これによりまして、今まで総括主宰者が何君であるかということが実際の選挙上の裁判におきましてははつきりしなかつたのでござざいますが、今度は罰則規定が重くなりますので、罰則の適用条項が違います関係上、裁判所はその適用条項に従いまして総括主宰者であるかいなかを裁判上きめなければならないことになりますので、今まで不明確であつた総括主宰者という概念は判裁上明確化されることと推定いたします。
 次は、選挙権及び被選挙権の停止の問題でございますが、選挙権及び被選挙権を停止されました者は、その停止期間中選挙運動ができないものとなつております。但し、選挙運動ができないだけでごいまして、投票は禁止してございませんので、厳密な意味の公民権停止というわけではございません。
 次は罪の時効の問題でございます。形式犯につきましては六箇月、その他の犯罪につきましては一年と改めたわけでございます。但しおとり罪につきましては一年としてございます。それから、犯人が逃亡いたしましたときは、今申しました時効期間のそれぞれ二倍程度の時効とすることにしてございます。この時効期間は、ある意味におきましては今までより軽くなるような場合もございますが、大体におきましては重くなると考えられます。現在はすべてが時効期間は原則として六箇月になつておりまして、特殊のものだけが一年となつておりましたが、今度は形式犯だけが六箇月、それ以外のものはほとんど一年ということにかわるわけでございます。
 第四は、政党その他の政治団体の選挙における政治活動に関する事項でございまして、一の政治活動の問題について申し上げます。現在衆議院の総選挙の場合におきましての政党等の政治活動の規定が現在の公職選挙法にございまするが、今度は新たに参議院議員の場合、あるいは衆議院議員の再選挙及び補欠選挙の場合、あるいは参議院議員の再選挙または補欠選挙の場合、それからさらに地方選挙の場合にまで及ぼしまして、地方選挙のうち知事及び市長の選挙についても適用することになつております。まず衆議院議員総選挙の場合におきます政党の政治活動の問題でございまするが、その規制の内容は次のようなことでございます。
 第一は、所属候補者の決定の仕方の問題でございまするが、二〇人以上の所属候補者を持つておるものを、ここにいう政党等の政治活動ができることにしてございます。この場合におきまして、二十五人の所属をどういうふうにしてきめるかという問題につきましていろいろ意見の相違もございまするが、この改正案におきましては一応現行公職選挙法におけると同様の方法によることになつております。次は、政談演説会、これは一選挙区につきまして当該、所属議員候補者数に相当する回数となつております。現行は一選挙区に一回となつておりましたが、その範囲を広げまして、所属議員候補者数に相当する回数までできることになつております。実際問題といたしまして、全国にわたりまして総選挙が行われます場合におきまして、政党がどの程度に各選挙区にわたつてその政治活動ができるかということは、法律上の問題とは別個の問題でございます。次は、街頭演説でありまして、これは停止した自動車上ということになつておりまして、現行と同じでございます。それから、自動車の台数でございますが、三台、五台、八台、十台、十二台と、候補者数に応じて制限がしてございます。現行は八台でございましたが、今度は十台、十二台までの制限を新しく加えたのでございます。ポスターは一選挙区につきまして千枚でございまして、現行と同じであります。右のほか左の事項については禁止することとなつておりますが、これは新たな事項でございます。まず第一は連呼行為でございまして、連呼行為は政党の場合も一切禁止すのことにしてございます。次はビラでございます。ビラ類似の文書図画もさようでございますが、ビラを頒布したりすることは一切禁止することにしております。但し政談演説会場でビラを頒布する場合に限つてそれを認めることにしております。それ以外に政党がビラを頒布することは禁止してあるわけでございます。次に、演説会場等に掲示いたします文書図画に、公職の候補者の氏名を表示いたしましたり、またはこれが、類推されるような事項を記載することも禁止してございます。ただ、選挙運動と政党活動とがまぎらわしくなりますので、そのけじめを明らかにするような意味におきまして、さような措置を講じたわけでございます。
 次は、政党等の行う街頭演説においては、候補者はこれに参加し街頭演説をすることができないものとすること。街頭演説につきましては、次の(3)と合せて申し上た方がいいかと存じますので、次を申し上げますが、政談演説会の場合に限り、政策の普及宣伝のほかに、所属候補者の推薦または支持の演説を行うことを認めること、但し、候補者が政談演説を行うことはできるが、選挙運動のための演説は当該選挙区ではできないものとすること、政党の行います街頭演説におきましては、候補者はこれに参加いたしまして街頭演説をすることは一切できないことになつております。但し、街頭演説にあらずして、政談演説会におきましては、候補者はそれに参加いたしまして政談演説を行うことはできることにしてございます。しかしながら、それは政談演説を行う限りにおいてできるわけでありまして、選挙運動のための演説は一切できないということになつております。もちろんそれは当該選挙区に関する限りにおいてであります。次は、ビラには、政策の普及宣伝のほか、公職の候補者の氏名またはこれが類推されるような事項を記載することができないこと。これはビラは政談演説会場で配ることはできますが、その場合におきまして、候補者の氏名とかこれが類推されるような事項を記載することを許しますと、選挙運動用文書図画の脱法行為になりますので、それを禁止したわけであります。次は、ただいま申し上げましたような規制は選挙の当日にも及ぼすようにすること。現行では選挙の前日までとなつておりますので、選挙の当日、投票日もさような制限をするという趣旨でございます。それから次は、政治活動の規制は再選挙及び補欠選挙にも及ぼすこととすること、但し、自動車は候補者の所属する一の政党その他の政治団体につき一台に限ることという趣旨でございます。次は、政治活動の規制は参議院議員の選挙にも及ぼすこととすること、但し、左に掲げるもの以外は、衆議院議員の選挙の場合の政治活動と同様の制限を受けるものとすること。その内容はイ、ロ、ハ、ニ、ホに書いてございますので、その内応について御了承願いたいと思います、次は、衆議院と参議院の選挙が同時に行われます場合におきましては、その政党の行います政治活動は両者平行して行えるという建前をとつております。次は、政治活動の規制は、地方選挙――地方選挙と申しますのは知事及び市長の選挙でありますが、この場合にも及ぼすことにいたしまして、自動車の制限とかポスターの制限等も適用があることになります。その制限の内容はどういう内容であるかと申しますと、大体再選挙及び補欠選挙の規定が準用になるとお考えになればよろしいかと存じます。
 次は政党の機関新聞紙及び雑誌の問題であります。政党等の機関新聞紙及び機関雑誌に関する制限は、参議院議員の選挙の場合にも及ぼすこととすることといたしまして、これは現在適用がありませんので、新たにさようにするわけであります。次は、政党等の機関新聞紙及び機関雑誌の選挙に関する報道及び評論は、一般の新聞紙及び雑誌に関する法定条件に該当するといなとにかかわらず、所定の要件に該当する機関新聞紙及び機関雑誌は、各一に限り認めるようにすることということでございまして、現在新聞紙、雑誌等につきまして、先に私が申し上げましたような六箇月以上とか、一箇月に何回以上の発行とか、あるいは第三種郵便物の認可というような、そういう要件を満たしていようが満たしていまいが、政党の機関新聞紙及び雑誌につきましては特別に取扱いまして、そういう政党の機関紙誌でございますれば、新聞紙一つ、雑誌一つに限つて選挙記事が自由に書ける、こういうことにするわけでございます。
 第五は、選挙制度の基本に関する事項でございまして、選挙区制、議員定数等の問題については、その実施について広く意見を聞いて慎重に考慮する必要があるから、本改正とは別個に、単行法をもつて選挙区制、議員定数等に関する諮問的な委員会を衆議院に設けるように考慮すること。これは五党会談、その以後の四党会談等におきましてこういう意見が提出されましたので、その趣旨のことを書いたわけでございまして、これに伴います法案は、法制局におきまして一応用意はしてございますが、ここに出してございます公職選挙法の改正案とは別個の法案として考えております。
 以上大体申し上げましたのが、お手元に差上げてございます公職選挙法の一部を改正する法律案の内容の要綱でございます。なお、これに関しましての意見の相違点につきましては、要綱の終りの方に書いてございますので、それを御参照願いたいと存じます。
#4
○森委員長 ただいま三浦法制局第一部長より、お手元に配付いたしました要綱の説明がございました、これより質疑をいたしますが――ちよつと速記をやめて……。
  〔速記中止〕
#5
○森委員長 速記を始めてください。
#6
○三浦法制局参事 それでは次に、ただいま申し上げました公職選挙法改正案要綱の中のおもな事項につきまして、法律案と照し合せて御説明を申し上げたいと思います。選挙管理事務の整備に関する事項につきましては、自治庁と衆議院法制局の方といろいろ打合せをいたしましたし、また第十五国会以来の懸案事項でもございますし、さらに四党協定等におきましても一応問題として提起いたしまして、皆さんから御賛同を得た事項でございますので、この際説明を省略させていただきます。
 法案をごらん願います。百四十条の二の規定で、連呼行為の禁止でございますが、「何人も、選挙運動のため、連呼行為をすることができない。但し、演説会場及び街頭演説(演説を含む。)の場所においてする場合は、この限りでない。」ということになつており、まして、連呼行為の禁止規定はかように規定してございます。
 その次の「第百四十一条第一項に次の但書を加える。」という規定でございますが、この但書は拡声機の問題でございます。「但し、拡声機については、個人演説会(第百六十一条に規定する施設及びこれらの施設以外の施設を使用してする演説会(演説を含むをいう。)の開催中、その会場において別に一揃を使用することを妨げるものではない。」という規定でございます。
 十九ページの初めから二行目のところをごらん願います。これは自動車の制限でございますが、百四十一条の三項の規定になるわけでございます。「第一項の自動車は、乗用自動車又は小型貨物自動車」――「及び」を「又は」と御訂正願います。「第一項の出動車は、乗用自動車又は小型貨物自動車(道路運送車両法第三条の規定に基き定められた小型自動車に該当する貨物自動車をいう。以下本項中同じ。)に限るものとする。但し、積雪、泥ねい等の悪路その他やむを得ない事情により乗用自動車及び小型貨物自動車の運行が不可能である場合においては、これらの自動車以外の貨物自動車を使用することができる。」こういうことにしてあるわけでございます。これは私が先ほど申しました大型貨物自動車を使える場合の規定でございます。しかし、この規定につきましては罰則規定を置いておりませんの、で、その強制力の点につきましては多少どうかと思われる点がございますが、罰則を付することにいたしますと、だれかがかような場合の認定権を持つようにしなければならないかと思いますので、認定権を警察に持たせるとか、選挙管理委員会に持たせるということにいたしますと、選挙干渉のようなきらいがあつてもどうかと思いますので、特にさようにいたしたわけでございます。
 さらに、自動車に関連いたしまして、十八ページの中ほどのところをごらん願いますと、「自動車(その構造上宣伝を主たる目的とするものを除く。以下同じ。)」という規定がございます。これは宣伝用自動車を除くという趣旨でございまして、すべての自動車に共通にこの規定はかぶさつて参ります。
 次は、自動車の乗用制限の問題でございまして、百四十一条の二の規定でございます。「前条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に乗車又は乗船する者は、運転手及び船員を除き、自動車一台又は船舶一隻について、四人を超えてはならない。」第二項といたしまして、「前条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に乗車又は乗船する者は、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会(参議院全国選出議員の選挙については中央選挙管理会)の定めるところにより、一定の腕章を着けなければならない。」という規定がございますが、これは四人に乗車制限をいたしまして、自動車の運転手及び船員をその数からは除いてあるわけでございます。しかしながら、運転手という名目のもとに乗せる場合におきましては、四人の制限に入りませんので、極端なことを言えば、運転手の予備として一人乗せようが五人乗せようがこの法律の違反にはならないという結果になるわけでございます。従いまして、この点を特にもう少し制限する必要があるという御意見でありますれば、この際改めてもけつこうだと考えております。
#7
○森委員長 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#8
○森委員長 それでは速記を始めてください。
#9
○三浦法制局参事 ただいま百四十一条の二の自動車等の乗車制限の規定に関連いたしまして御意見がございましたので、それに関連いたしましてかようにこの点を改めたいと思います。百四十一条の二の第一項の「運転手」の下に(その交代要員を含め二人に限る。以下本条中同じ。)とつけ加えていただきます。そして次の第二項を直していただきます。第二項の一行目の「乗車又は乗船する者」の下に(運転手及び船員を除く。)とつけ加えていただきます。かようにいたしますと、運転手の予備員は本来の正運転手のほかに一人ということに限定されることになります。そうして、それらの者は腕章がいらないということに第二項の規定でなります。
 次は車上の選挙運動の禁止であります。百四十一条の三をごらん願います。「何人も、第百四十一条の規定により選挙運動のために使用される自動車の上においては、選挙運動をすることができない。但し、停止した自動車の上において選挙運動のための演説をすることは、この限りでない。」先ほど要綱で説明申し上げました趣旨を法文化してあるわけでございます。
 その次の(34)のところの「第百四十三条第一項第二号及び第三号を次のように改める。」となつて、「二削除」「三削除」となつておりますが、これは文書図画のところの規定でございまして、二号の方は自動車上に文書図画を掲示できるという規定でございます。三号は連呼行為の車にポスター等を掲示できるという規定でございますが、先ほど要綱で説明申し上げました趣旨でいらなくなりましたので、削つたわけでございます。
 それから、立会演説会の班別編成の規定は百五十八条の二というところにその規定を置いてございますので、御了承を顧います。
 それから(48)で『第八項中「千二百枚」を「三千枚」に改め、同条に次の一項を加える。』ということになつております。これは、演説会告知用のポスターを衆議院の選挙に関しまして五千枚にいたしましたので、それに比例いたしまして、ほかの方の告知用ポスターが現在、千二百枚であるのを三千枚に引上げたわけであります。そうして本来の選挙運動用ポスターを二千枚使いますので、それと合せて五千枚ということで衆議院の選挙とつじつまを合せた規定であります。衆議院の選挙に関しましてはその点は、五千枚にしてございます。それは(79)の終りの方でありますが、[衆議院議員の選挙においては、第百六十四条の二第七項に規定するポスターは、公職の候補者一人について、五千枚を交付する。」ことになつております。百六十四条の二第七項は今申しました規定であります。
 それから(48)の方におもどりを願います。そのところに十二項として書いてございますが、これは演説会告知用ポスターの転用禁止の規定であります。
 それから、(49)で「第百六十四条の三に次の一項を加える。」という規定があります。これは「公職の候補者以外の者が二人以上の公職の候補者の合同演説会を開催することは、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。」という規定であります。これは、要綱で説明申し上げましたように、候補者同士相互に意思を通じてやる演説会はよろしゆうございますが、そうでなくして、第三者が立会い形式によつてやる演説会は禁止するという趣旨の規定であります。
 それから(27)をごらん願います。「第百九十七条の二を次のように改める。」という規定がございますが、これは実費弁償及び報酬の額の規定でございます。内容の説明は先ほど申し上げた通りでございます。これと関連いたしまして、飲食物のところで申し上げました規定は(30)をごらん願います。そこには百三十九条に次の但書を加えてございます。その但書の内容は、先ほど要綱で説明しましたように、十五人分に三食をかけ合せましたものに、さらに選挙運動の期間を乗じました数だけの弁当が出せるという規定でございます。内容の説明は省略いたします。
 それから、特定の寄付の禁止の問題でございますが、それは百九十九条、百九十九条の二、それから百九十九条の三、これは先ほど申し上げた通りでございます。
 次は、選挙費用の法定額の基準額の問題でありますが、(80)をごらん願います。『第二百一条の四中「四円」を「七円」に改め、同条に次の一項を加える。』ここは法定願の問題でございまして、あとは参議院の方の地方選出と全国選出の議員の法定基準額の問題でございます。
 それから、二百一条の五以下が政治活動の問題でございます。これは先ほど説明いたしましたので省略いたします。
 次は連座制の問題に移ります。(85)のところに、「第二百十一条を次のように改める。」という規定がございます。これは、連一座制に関連いたしまして、当世無効の訴訟を提起する規定でございます。その内容を申し上げますと、第二百十一条は、「選挙運動を総括主宰した者又は出納責任者が第二百二十一条、第二百二十二条、第二百二十三条又は第二百二十三条の二の罪を犯し刑に処せられたため、第二百五十一条の二第一項の規定により当選人の当選を無効であると認める選挙人又は公職の候補者は、当選人を被告とし、その裁判確定の日から三十日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。」
 二項は、「出納責任竹が第二百四十七条の罪を犯し刑に処せられたため、第二百五十一条の三第一項の規定により当該当選人の当選を無効であると認める選挙人又は公職の候補者は、当選人を被告とし、その裁判確定の日から三十日以内に、高等裁判所に訴訟を提起することができる。」こういう規定でございます。これは二百五十一条と関連いたしますので、二百五十一条を申し上げます。これは当選人の選挙犯罪による当選無効で、ただいま申しました訴訟の問題にはかかわりございません。訴訟なしに、当選人が選挙犯罪にひつかかれば、そのものずばりですぐ当選無効になります。これは現行と同様であります。
 その次一に、二百五十一条の二という、規定がございます。これは今の連座制の問題と関連する規定でございます。その内容は、「選挙運動を総括主宰した者又は出納責任君が第二百二十一条、第二百二十二条、第二百二十三条又は第二百二十三条の二の罪を犯し刑に処せられたときは、当該当選人の当選は、無効とする。但し、左の各号の一に該当する場合は、当該違反行為に関する限りにおいて、この限りでない。」として、一号は「当該違反行為が選挙運動を総括主宰した者又は出納責任者以外の者の誘導又は挑発によりなされ、且つ、その誘導又は挑発が本文の規定に該当することにより当該公職の候補名の当選を失わせる目的をもつて、当該公職の候補者以外の公職の候補者その他その候補者の選挙運動に従事する者と意思を通じてなされたものであるとき。」二号は「選挙運動を総括主宰した者又は出納責任者の当該違反行為が本文の規定に該当することにより当該公職の候補者の当選を失わせる目的をもつて、当該公職の候補者以外の公職の候補者その他その候補者の選挙運動に従事する者と意思を通じてなされたものであるとき。」二項は「出納責任者が第二百四十七条の罪を犯し刑に処せられたときは、当該当選人の当選は、無効とする、前項但書の規定は、この場合に準用する。」これとおとり犯の厳罰規定は直接関連がありませんが、間接には関連がありますので、それも一応読み上げまして、あとでお尋ねがあればお答えしたいと思います。おとり罪につきましての規定の箇所は、(94)のところをごらん願います。ここに一項、二項とございますが、これがおとり罪の規定でございます。
 それから附則を申し上げます。附則はこういうように考えております。この法律の改正案は、一般的には来年の三月一日から施行することになつております。但し、衆議院の選挙に関しましては、それ以前に総選挙の公示がなされました場合においてはそのときからというのが、但書の規定でございます。従つて、衆議院の総選挙に関しましては、早ければ、三月一日前であればその早い時期、いつでもこれが適用される、こういうように考えております。そうして、その中で特に百九十九条とか百九十九条の二、百九十九条の三及び二百三十九条の二というような規定は、先ほど要綱で御説明申し上げました寄付の制限についての問題でございます。それらの規定は、たとえば社交程度を越える寄付は一切選挙に関する寄付とみなすというような規定をさかのぼつて適用いたしますから、今までにした寄付はみな違反になるおそれがありますので、その点を除外する意味から、それらの規定だけは、総選挙の公示があつた日からそういう寄付をした者について適用するということが但書の前段の方であります。「その他の規定は当該総選挙から施行する。」というのは、一般の選挙運動の規定するその他の規定というわけで、つまり事前運動、立候補準備をきめて当該総選挙からということで、公示があろうがなかろうが、従来考えられておる事前立候補準備をひつくるめたときから適用になる、こういう考えであります。
 あとはこれに伴いまする経過規定でございまして、最後の六項に「最高裁判所裁判官国民審査法の一部を次のように改正する。」とございます。従来、総選挙が行われますと、その機会に最高裁判所の裁判官の国民審査が行われます。今回も一人選任された方がございまするので、それが行われることになるわけでございます。その場合に、実質的な改正ではごさいしませんで、ここにあげてございまするように、国民審査の場合の投票用紙の中のはんこでございまするが、それを、従来は都道府具印というのを押しておりましたが、それは選挙管理委員会ができておりまするので、選挙管理委員会の印に振りかえるというような改正でありまして、中身は何もかわりはございません。
 大体附則はそういうことでございます。
#10
○森委員長 以上をもつて三浦法制部長の説明は終りますが、質疑があればこれを許します。
#11
○鍛冶委員 政党の寄付は、政治資金規正法では自分の属する政党に対するとなつているのですが、これはどういう意見で一般にしたのか伺いたい。
#12
○三浦法制局参事 所属政党に寄付をいたしまするのは本来のあれではございまするが、所属政党以外に寄付をするということは、たとえば両方から共同推薦を受けているというような場合には、甲の政党にも寄付し乙の政党にも寄付するということはあり得るわけであります。従いまして、そういう場合に制限規定を所属だけに限つておりますと不便ではないかということが一つと、それから政党に対する寄付というのは、選挙の場合に関してばかりでなく、候補者が自分で選ばれて政党に属するのでありますが、政党は政治活動しかできない、選挙運動はできないのですから、それに寄付したつて別に変ではないのではないか、こういう二点から所属政党に限らなかつたわけでございます。ことに共同推薦の場合において一番問題になろうと思います。
#13
○鍛冶委員 それならば正式に政治資金規正法の方ではどういうふうになつて来るか。
#14
○三浦法制局参事 現行の選挙法はそうなつておりません。現行の選挙法も所属政党だけになつておりますから、その点は現行を改めることになります。
#15
○喜多委員 私は自治庁の方にお尋ねするのですが、非常に広汎な改正ですが、政局の動きから言うと解散があるかもしれぬ。従つて選挙間近にこれを一体下部組織まで徹底し得る自信がありやなしや。むろん当然なければならぬのですが、その辺について自治庁側の心構えを承つておきたい。
#16
○兼子政府委員 お答えいたします。新しい法律が制定されまして選挙をいたしますことは、自治庁といたしましては非常につらいのでありますが、きまりますれば、万難を排して法令の徹底に努めまして、選挙を実施いたさなければならぬと考えております。ただ期日は憲法で許されますだけ十分にとつていたたきたい、かように事務的には考えております。
#17
○高瀬委員 三浦法制部長にお伺いしたいのですが、この改正の中で、政談演説と選挙演説というものは、一体、どういうものを標準にしてこれの区別をつけるのか、その点を伺つておきたいと思います。
#18
○三浦法制局参事 どうもその点に関しましては特に選挙法上明らかになつている規定はございませんが、従来長い間の慣例なり取扱いにおきまして、選挙運動は特定の候補者の当選を得または得しめない目的をもつてする一切の活動と申しますか、そういうことになつているわけであります。従いまして、選挙運動の場合は、特定の候補者というふうに範疇は限られるわけになつている。政治活動という場合には、特定のそういう候補者の場合ももちろんひつくるめますが、それ以外に広く一般的にその政党のいわゆる政見を発表する。そうして、特定の人でなくして、広く所属候補者全体についての政見と申しますか、これらを当選させてくれというようなことでありまして、特定するかしないかという点が大きな相違だろうと思つております。
#19
○高瀬委員 そうしますと、選挙運動、特定の候補老の名前をあげないにしても、政談演説に名前をかりていわゆる特定の候補者を当選せしめ、あるいはせしめないという選挙演説というものが絶えず行われる。それは何ら法に触れないのですか。ぼくならぼくがしよつちゆう選挙区で大がかりな政談演説をやつたらどうなのですか。
#20
○三浦法制局参事 それは、政談演説会でそういう特定の候補者の当落につきまして演説をいたしますることは、現行の解釈では選者法の違反になるわけでございます。と申しますのは、政党の活動であつても選挙法の条項にひつかかればやはりその違反になるわけでございまして、政党、だからそういう行為を工自由に放任されているというわけでもございません。従いまして、今度は政談演説会の項のところに、先ほど要項で説明申し上げましたように特に規定したわけでありまして、候補君が出ていろいろな選挙運動の演説をやり得る場合を一応明らかにしたわけであります。
#21
○橋本(龍)委員 百九十九条の二ですが、私が伺つたところによると、「公職の候補者又は公職候補者となろうとする者(公職にある者を含む。)」という趣旨でありますが、われわれのように選挙によつて公職にある者は、これは公職候補者となろうとする者という解釈になるのだとお話を聞いているのでありますが、これはやはり、そういうことで問題を起すといけないから、そういう趣旨ならば、百九十九条の二の第二項のみなす規定の次に、三項にもう一つみなす規定を置いて、選挙によつて選任された公職にある者は公職の候補者となろうとする者とみなすという規定を置いておかないと、問題を起して困るのじやないかと思うのですが、どうですか。
#22
○三浦法制局参事 公職につきましての定義は選挙法の三条に規定してございまして、選挙によつてなる人たけが一応選挙法にいう公職ということになつております。そういたしまして公職の候補者となろうとする者という言葉は、選挙法の罰則のところでもたくさん使つてございます。この本来の意味は、やはり選挙の公示があります前に候補者となろうとして準備行為をやつている人たちは、公職の候補君となろうとする者に含むだろうと思います。そうして公職の候補者というものは、立候者の届出をしてから後の人が公職の候補君ということになろうと思います。従いまして、それ以前の人たちにつきましては、公職の候補者となろうとする者は、そう長い時期までなろうとする者というようにはちよつと読めないわけでります。従まして、ここの中で括弧書きを入れまして、公職にある者を含むということにいたしまして、たとえばきよう総選挙が行われましても、あすから公職にある者はここにいう選挙に関する寄付をしてはならない、こういうことに規定を働かせようとする意味におきまして、こういう括弧書きを置いたわけであります。
#23
○田嶋委員 部長に聞くのですが、要綱の小の「政党の機関紙誌の特例」の(2)のところに「政党等の」となつておりますが、「等の」の「等は」何をさすのですか。
#24
○三浦法制局参事 これは、要項だものですから、言葉を縮めたのでございまして、法律の中では「政党その他の政治団体」と書いてございます。
#25
○松永(東)委員 この法律の随所に現われている総括主宰者、これはどういう定義を持つておるか。それはつまり全選挙区の総括主宰者を言うのか、あるいは数郡にまたがつておる場合には一郡の総括主宰者を言うのか、そのうちの一村の総括主宰者もやはり総括主宰者だというのか、その定義を聞きたい。そして総括主宰者と認めるやいなやということは何人が認めるのか。先ほどは裁判所が認める、こういうお話ですが、その裁判所の判断にまかせるということはきわめて危険なことで、われわれが今日まで体験をしているところによると、総括主宰者でも何でもない者をさも総括主宰者のごとく認める判決をしておるという例がたくさんある。そうすると、そうしためそつこみたいな人間のために当選した議員が失格するということは、これは重大な点です。その判断についてはどういうふうに御解釈になりますか。それを伺いたいと思います。
#26
○三浦法制局参事 総括主宰者の問題につきましては、改正の際にもいろいろ御意見が出たところでございますが、選挙法の中に総括主宰者の定義をいたしてございませんので、結局解釈によるよりしかたがないということになります。従つて、その解釈によるといたしますれば、それを決定づけるものは結局裁判所でありますので、裁判所できめられた総括主宰者が、いい悪いは別問題といたしまして、一応総括主宰者ということになると考えております。しかしながら、私ども総括主宰者はどういうことに考えておるかというお尋ねがございますれば、総括主宰者につきましては、いろいろ意見があるようでございますが、大体単数説と複数説と両方ございます。単数説、一人であるということについては大部分御賛成だろうと思つております。しかし複数説の場合におきまして、どの程度までが総括主宰者と認められるかという点については問題がございまして、数人ある場合におきましては、その数人が共同で協議をする形になつて選挙運動を推進して行くというような場合においては、数人でありても数人の総括主宰者があり得るということに解釈されておりますが、これもまた当然であろうかと考えております。それ以外におきまして、総括主宰者が意思の連絡なくして各郡、ことに一人ずつでもあり得るか。たとえば全国選出の参議院の場合のごときに至りましては、各県ごとに一人ずつの総括主宰者があり得るかということにつきまして、いろいろ問題でございまして、私個人の見解は複数説があり得ると考えております。しかしながら、その点についてはいろいろの意見もございますので、先ほど要綱で申し上げましたように、総括主宰者に対する罰則の適用条項を、ことに買収に関連してでありますが、一段今までの買収犯より重くいたしたことにによりまして、検察庁が起訴いたします場合においては適用条項が異なりますので、その適用条項に従つて裁判所が裁判するということになれば、従つてそれに伴つて裁判所は総括主宰者が何者であるかということを明確にせざるを得ないことになると考えますので、その意味において、裁判所が総括主宰者を結局において決定することになるだろうと申し上げたわけでございます。しかしこれは、先ほども申し上げましたように、その場合は当選無効の訴訟に関連いたして来るわけでございますので、その問題になつておる当選人が――刑事犯において総括主宰者という認定が下されましても、民事訴訟によるいわゆる当選無効の訴訟におきまして、当選人があれは総括主宰者でないということを訴えますれば、それによつて当選無効にはならないということに今度の規定ではしておるわけです。従つて御懸念の点はないかと存じます。
#27
○松永(東)委員 懸念の点が大ありです。それはどういうのでしようか。裁判所の認定にまかしておく、こういうことでは非常に不安だと思うのです。法律の上に総括主宰者とはかくのごときものをいうのだという一定の定義を示しておくということが必要とはお考えになりませんか。それでないと、裁判所がともすればいろいろな解釈をして、そのためにせつかく当選した人があるいは失効するというような非常な危険があると思うのです。ことに重大問題だと思うので、それは定義をしておく関係があるじやないかと思うのですが……。
#28
○三浦法制局参事 その点につきましてはごもつともな御意見でございまして、ここにおられる鍛冶委員からもそういう意見が出たわけでございます。ところが実際問題となりますと、総括主導者の定義は抽象的には書けますが、なかなかむずかしいものですから、かえつてそれによつて結果は逆なことになり得るおそれもありますので、その点はまた後日に譲ることにいたしたわけでございます。しかし、私が御懸念の点はないじやないかと申し上げましたのは、かような意味でございまして、裁判所の刑事犯における総括主宰者の認定というものとはまつたく別個に、民事によるいわゆる当選無効の訴訟によりまして、当選人が総括主宰者でないということを訴えることができることに今度してございますので、つまり刊事犯におきまして総括主宰者ときめられても、それによつてずばりと本人の当選を無効にするようにはしてございません。この規定では、それとは別個に、刑事犯でいかなる判決が下されようが、もう一度民事訴訟に訴えて、その当選無効の訴訟の過税において、その人が総括主宰者であるかないかの主張を述べ得るようにしてございますので、そこで総括主宰者でないという当選人の主張が通れば、すぐには当選無効にはならないわけでございますから、仰せの懸念の点はないのじやないか、かように考えておるわけであります。
#29
○松永(東)委員 どうしてもわからぬのです。裁判の上で原告、被告が互いに論争することは御自由です。しかし、裁判官がいかに判断するかというその基準がなければ、よりどころがなければ、これもまた解釈は自由だと思うのです。そうなると不安じやないかと思うのです。
#30
○森委員長 ちよつと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#31
○森委員長 速記を始めて。
#32
○綱島委員 百四十一条の三でございますが、小型トラツク、これはいろいろ研究して入ましたけれども、小型トラツクに乗つて三十間ばかり行つちやまた立つて演説する、また三十間ばかり行つて演説するということになれば、これは連呼と一つもかわらない。実質上は連呼行為を承認するということに結果はなる。さらにこの小型トラツクというものでもう一つ非常に困ることは、こんな規定があるようだけれども、これもまぎらわしくて、さてどれが小型トラツクやらちよいと見たつてわからぬようなふうだから、これはなるほど修正はあまりせぬという申合せのようですけれども、特に委員はやはり申合せについても多少の何はできるから、ひとつ特にこの小型トラツクだけはこの際やめて、そうして実質上の連呼行為を招来することは連呼行為を禁止する趣旨に反するから、小型トラツクだけは廃止していたただきたい。大型でも大して違わぬじやないかと私は思うのです。小型と何のために言うのか。何も意味がない。これは乗りたくない者は乗るなというりくつもありますけれども、一人が危険なことをしてどんどんやつて行けば、隣の者もそれをやらんければ票が減るから、みんながやります。大体この規定から行けば小型にみんな乗るという結果になる。そうすると、これは健康上からいつても交通上からいつても体裁上からいつても非常に悪い。また実質上は連呼行為を禁止した趣旨を没却することにこの規定からなつてしまう、こういう点で、特にこの小型だけば除外していただきたい。もちろん健康上都合等で大型を使わなければいかぬ場合はけつこうでこざしますが、あとの規定は別にして、小型自動車だけはひとつ削除することに特に御協議を願いたい。
#33
○島上委員 これは、きのうの小委員会で綱島先生がおいでになつて、大体御了解いただいたかと思つておりましたが、私もあまり議論したくありませんが、船に乗つて島を歩かれる人にはあまり痛感されないでしようけれども、都会地においては乗用車にまつたく限定されてしまつたら、街頭演説ができなくなつてしまう。たとえば、繁華な駅頭などでは、立つて演説をしても人が集まつて来ません。少し高い台がないと――乗用車に台を積んで歩く、これは事実上できないことです。街頭演説を能率的にやるためには、こういうことが必要であつて、これは事実上の連呼行為にはなりません。絶対に飾りだてはしない、走りながら何にも声を出さない。これで演説をして、トラツクの上に乗つてぺこぺこ頭を下げる人があつたら、よほどこれはどうかしていると思います。そのような御心配はないし、この点は、あなたのような御意見もずいぶんありまして、十分検討した結果おちついた結論ですから、ぜびひとつこれで御了承願いたい。
#34
○高瀬委員 ただいま綱島委賞から御発言がありましたが、私は、この小型トラツクたるものは非常に入手も困難だし、それから東京の島上君のような立場にある人は非常にいいでしようが、たとえば壱岐の島や那須野原だとかいうところでは、道路が非常に粗悪で危険なんです。あれをおそらく選挙運動に使うと非常に危険性を伴うと思うのです。だからああいう人数の制限はけつこうでありますが、人が乗らないから大きなトラツクを使つて悪いなどというりくつはない。それで私は、とにかく小型トラツクは非常に選挙運動上危険だ。必ず候補者の二、三人はひつくり返つて危険だ。そうなると非常に問題ですから、あれはやめた方がいいと私は思います。綱島君の説に賛成いたします。
#35
○森委員長 しかし、せつかく各党でも相当議論がありましたのをここまで持つて来たわけですから、何とかひとつ原案通り御承認願いたいのです。
#36
○喜多委員 私は、この点に関しては、四党の委員ないし五党の委員が六月の末からつい一週間前まで講論に議論をし尽して、ある意味においてはわれわれは社会党の諸君に譲歩した形がありますけれども、これによつて実は四党案というものがまとまつて来たのですから、もうここへ来て大きな問題にされずに、ひとつこのまま原案で採決せられんことを望みます。
#37
○森委員長 それではひとつ御了解を願いまして、ほかに御質疑がなければ、質疑はこれにて終了いたします。
 小委員長の報告にかかる公職選挙法の一部を改正する法律案の小委員会成案について討論に入ります。討論は通告により順次これを許します。鍛冶良作君。
#38
○鍛冶委員 このたびの国会では、いわゆる自粛立法の第一として選挙法の改正が取上げられましたので、私もその趣旨に沿つて原案作成に尽力したつもりでございます。従いまして、私の理想から言うと、まだ足らぬのでありまするが、ここで四党協定の上でできましたるこの案に対しては、譲歩するところは譲歩せなければなりませんから、まあこれくらいのところはがまんして通すほかはなかろうというので、原案には賛成いたします。但し、このうちになおぜひとも入れてもらいたい点があります。これは初め四党の申合せによりまして、これはこれで通しておいて、あとはおのおのの党から出すということになりまするから、このあとですぐわれわれの出す追加の案を審議してもらうことを条件として、本原案に賛成いたします。
#39
○森委員長 喜多壮一郎君。
#40
○喜多委員 私は、日本民主党を代表して、本案に賛成の意を表明します。
 いろいろ世評はあるようですが、政治の浄化、政治の自粛というふうな点から見て、かなり大きな改正であると思います。むろん選挙制度の根本に関する事項は、委員会においてずいぶん論議したのでありますが、結局この案には盛られておらぬことはなはだ遺憾であります。しかしながら、連呼行為の廃止、公官制度の拡充、特に連座制の強化ということについては、かつて日本の選挙法の改正の中に見なかつた画期的な第一歩を踏み出したものだと自負してやまないのであります。ただ、その間において、いわゆる連座制の中における違反の加重犯とか、すべてを刑事手続にまかすとかいう点は、いろいろ世評はありますが、しかし日本の現段階における選挙の情勢から見たら、これほど大きな改正はかつてなかつたと思うのであります。この点で今後さらに各般にわたつて改正せられて行つたならば、よりよい選挙制度のもとに、結局よりよい政治が生れるという意味で、本案が成立することを根本から喜ぶものでありますけれども、先ほど自由党を代表する鍛冶委員の賛成の意見の中にも、まだまだ不十分な点があるということでありましたが、私どもは隴を得て蜀を望むという意味で、少くも民主政治の第一歩は正しい選挙からだということでこの改正がされたことを喜ぶと同時に、さらにこれが改正せられて足らざるところを補うことをやはりわれわれも条件として、本案に賛成の意を表します。
#41
○森委員長 島上善五郎君。
#42
○島上委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま審議されました本案に対して賛成の点を表します。
 御承知のように、ことしの六月前国会が閉会されましてから以後、すみやかに臨時国会を開いて自粛三法を制定する。これは当時の五党の申合せでもあり、かつ私どもは国民の強い要望でもあつたと存じます。そうしてこれに基きまして私ども各党小委員は連日審議を続けて参つたのであります。今喜多委員からも言われましたように、かつて見ざる広汎な画期的な改正の結論を四党共同の形で見ましたことは、他の自粛二法がいまだ結論に達しない今日、私どもは選挙法に関する限りはいささか努力のかいがあつた、こう考えております。もちろん四党の共同提案ということになりますれば、それぞれの党の立場から考えると不満な点があることはまことにやむを得ないことだろうと思います。私どもの見地から考えましても不満な点があります。寄付制限――例の疑獄事件等に関連して寄付制限ももつと厳格にすべきであると考えておりますが、これは今回の改正案では何ら見るべきものがない。また、私どもは、法定以外の新聞雑誌の場合でも、選挙の執行とか棄権防止、違反防止という程度の記事は掲載してもよいのではないかと考えておりますが、そこまで行かなかつた点もはなはだ遺憾でありますし、その他選挙区制及び選挙制度の根本問題がまだかなり残されておるという点は遺憾でありますけれども、それは私どもの党においても別個に改正案として出す用意を持つておりますので、この次にさらに当委員会において審議することとしまして、まだ不十分な点があるとしましても、公営の拡大、連座制の強化あるいは費用の軽減というような点において相当の改正を見るに至つたのですから、今言つたような意味で私どもは本案に対して賛成をするものであります。
#43
○森委員長 竹谷源太郎君。
#44
○竹谷委員 私に、日本社会党を代表いたしまして、本案に賛成の意見を述べたいと思います。
 長い間かかつて四党においてできた一応の案でございます。理想と相去ること遠いところのもの多々ありまして、まだ不満の点もございます。特に連座制強化の決定並びに寄付制限に関しましては不十分なものがあるのでありますが、せつかく四党において協議の上でき上つた案でございますので、今後われわれの努力におきましてステツプ・バイ・ステツプに改善するという意味合いからしまして、賛成をいたすものでございます。
#45
○森委員長 以上をもつて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。小委員会の成案を本委員会の成案とし、これを委員会提出法律案とするに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○森委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 なお本成案の字句の整理につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じます。
 なお本会議における委員長報告につきまして御一任を願いたいと思います。
 暫時休憩いたします。
   午後四時三十三分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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