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1954/12/07 第20回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第020回国会 決算委員会 第4号
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1954/12/07 第20回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第020回国会 決算委員会 第4号

#1
第020回国会 決算委員会 第4号
昭和二十九年十二月七日(火曜日)
   午後零時二十八分開議
 出席委員
   委員長 田中 彰治君
   理事 村瀬 宣親君 理事 柴田 義男君
   理事 杉村沖治郎君
      徳安 實藏君    片島  港君
      山田 長司君    佐竹 新市君
      吉田 賢一君    黒田 寿男君
 委員外の出席者
        専  門  員 大久保忠文君
        専  門  員 岡林 清英君
    ―――――――――――――
十二月七日
 委員並木芳雄君、和田博雄君及び館俊三君辞任
 につき、その補欠として村瀬宣親君、山田長司
 君及び黒田寿男君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 村瀬宣親君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 証人告発に関する件
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長 これより決算委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任につきお諮りいたします。昨六日理事村瀬宣親君が委員を辞任されましたので、理事の補欠選任をいたしたいと存じます。先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田中委員長 御異議なきものと認めます。よつて村灘宣親君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○田中委員長 前回に引続き政府関係機関の収支のうち、日本開発銀行に関する造船融資の問題を議題として調査をすすめます。
 さきに決定いたしました通り、証人吉田茂君の出頭を求め、その証言を求めることにいたし、所定の手続を行つたのでありますが、本日は重要な公務のため出席できない旨の申出がありました。右につき発言があればこれを許します。
#5
○片島委員 私はこの際動議を提出いたしたいと存じます。
 すなわち委員会は、造船融資の問題に関してこれを国民に明らかにし、血税の収支を明白ならしめるため、昨年末以来鋭意その調査に努力をいたして、ようやくその結論を得んとして吉田茂君を証人に指定し、その証言を求あるため、数回に及んで吉田証人の出頭を要求したのでありましたが、公務多忙とか、病気とかの理由で本日までその出頭を見ないのであります。しかしながら病気療養中これに応じられないとはいえ、官邸内においてはこの政局のさ中、党内の問題について安静のいとまなく、その幹部と会見協議をなし、病気届も出頭回避の一方法として届け出でられたるものとしか考えられない。この事実は連日の紙上報道によつても明らかな次第で、まことに納得いたしがたいことであります。これまつたく国会無視のほか何ものでもないと言わざるを得ません。しかも本日は病気にあらずして、重要公務多忙のためとのことでありますが、この公務が寸時のいとまもないということはあり得ないと考えられ、これら諸事情を勘案いたしますのに、今回の不出頭はいわゆる正当なる理由ありと即断いたしがたいのであります。すなわち臨床尋問さえ拒否された一事を見ても、故意に証人としての出頭を回避する意図であつたことは明白であります。よつて本委員会は、議院における証人の宣誓及び証書等に関する法律の適用によつて、証人吉田茂君を告発すべしとの動議を提出いたします。
 何とぞ満場の諸君の御賛成をお願いいたします。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○田中委員長 ただいま片島港君の御提案の通り、証人吉田茂君を議院証言法により、正当の理由なくして出頭しないものと認め、これを告発するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#7
○田中委員長 起立多数。よつて片島港君の提案の動議の通り決しました。
#8
○柴田委員 その手続等は委員長に一任いたしたいと思います。
#9
○田中委員長 柴田君の申出の通り告発状の作成、提出等の手続は委員長に御一任願いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○田中委員長 御異議ないものと認め、さようとりはからいます。
    ―――――――――――――
#11
○田中委員長 佐竹君。
#12
○佐竹(新)委員 私はここに新たに開発銀行の不正融資に関しまして、本委員会で、ぜひとも調査していただきたいと思いますので提案する次第でございます。その提案の理由を申し述べます。
 わが国の国政は、相次ぐ汚職、疑獄の出発により信威ともに失い、混乱を重ね、国民の批判はこの一点に集中されているのであります。本委員会が、国家財政の融資並びに管理、措置につき、適正なる追究を進め、鮮明を期しつつある開発融資に関連し、ここに新たなる重大疑惑を生じたるものに、磐城セメント株式会社斎藤社長と開銀小林総裁との間に策謀された事実があるのであります。すなわち、ドロマイト・クリンカー製造工場新設融資に対する不正融資、融資を受けたる不二ドロマイト工業株式会社を磐城セメント株式会社に合併した不正行為問題であります。
 昭和二十七年六月二十三日、開銀は融資二億五千万円を、ドロマイト・クリンカー製造工場新設のために融資しました。これは日本産業再建の基調ななす製鉄生産整備上必要とするドロマイト・クリンカー燃成設備と、生産能力及び品質を向上せしめるため、独立専業とする方策に基いたものでありまして、当時の鉄鋼関係融資のわく内から充当したのであります。すなわちわが国製鋼用耐火炉材の国内供給計画として、昭和二十六年十二月十日、不二ドロマイト工業株式会社社長真田義彰は、通産省鉄鋼局長葦沢大義あてに「ドロマイト・クリンカー製造工場新設に関する御願いの件」として設立認定、融資あつせん方を要請した。ドロマイト・クリンカー需要概算は、鋼材年産四百万トン、特殊鋼年産二十万トンに対し最低八万トンを必要としたのであります。
 しかるに旧来の供給者たる磐城セメント栃木工場の能力では、月二千トン以上は不可能であり、かつセメント工場の附帯事業では、品質の向上、価格の低減は不可能である。さらに海外よりの原料輸入の不安定と対照し、ここにドロマイト・クリンカー製造専門工場の建設の緊急不可欠の結論となつたのであります。磐城セメント、川崎製鉄、富士製鉄、日鉄鉱業、新大同製鋼、八幡製鉄、新扶桑金属の各社が発起人となり、資本金一億円の不二ドロマイト工業株式会社を設立したのであります。この計画に対し、通産省は昭和二十七年三月五日、二七鉄第八〇号の認定書を交付し、同年三月十四日、閣議をもつて開銀融資を決定し、同年六月二十三日開銀は二億五千万円を不二ドロマイト工業株式会社に融資したものであります。政府が融資の決定をなしたる基本条件は、製鉄用材の必要と鉄鋼業界の協同要望並びに磐城セメント会社の参加にあつたことは当然であります。不二ドロマイト工業株式会社が、ドロマイト・クリンカーの製造供給において、いかなる成果をあげて期待に沿つているかいなかについては、会社の昭和二十八年四月一日より二十九年三月三十一日に至る第三回営業報告によつて明らかであるが、おおむね順調なることが察せられるのであります。
 しかるに不二ドロマイト工業株式会社がこの実績に基き、さらに開銀からの追加借入れ計画を進め了解成立したのにかかわらず、突如磐城セメント斉藤社長は、開銀総裁に対し、不二ドロマイト工業を磐城セメント会社に合併するとの意図を表明し、ためにこの貸出しを抑制した事実、さらに不二ドロマイト工業設立時の予定たりし倍額増資も阻止し、もつて不二ドロマイト工業を資金的に苦境に追い込み、磐城セメントに吸収合併の余儀なきに至らしめ、創業わずか一年余の不二ドロマイト工業株式会社をして磐城セメントと合併するの決議を行わさせた事実があるのであります。磐城セメント株式会社斉藤社長は、かつて開銀小林総裁を上野池ノ端の梶田屋に招待し、磐城セメントの附帯事業としてのドロマイト・クリンカーに対し、融資方を要望したといわれております。小林総裁は、磐城セメントの附帯専業としてのドロマイト・クリンカーでは融資は不可能であるが、鉄鋼一貫作業の需要に充当するため、ドロマイト・クリンカー製造工場新設の名目であるならば、鉄鋼関係のわく内から融資することは可能であると教唆したといわれております。従つて不二ドロマイト工業株式会社に対する融資は、実は磐城セメントが財政融資を得する方便として仕組まれたものであるとともに、ドロマイト・クリンカーの専業施設を完備したる目的は、この施設をより利益率の高い、磐城セメント生産拡大に肩がわりする意図であつたことが、前述せる斉藤磐城セメント社長が開銀小林総裁と話し合い、不二ドロマイト工業を強硬に合併決議せしめたる事実に徴してきわめて明瞭となつたのであります。財政融資と管理措置上、重なる欠陥として小林開銀総裁の弁明を求める必要があるので、本件を提議するものであります。
 証人として次の八名の喚問をお願いする次第であります。
 一、日本開発銀行 小林総裁
 二、不二ドロマイト工業株式会社 真田社長及び高橋専務
 三、川崎製鉄社長及び常務
 四、通産省鉄鋼局長
 五、磐城セメント株式会社 斎藤社長
 六、日本鉄鋼連盟 渡辺会長
 本開発会社に対する不正融資は、かようないわゆる大きな資本家が小さい会社に国家目的だと称して融資をせしめて、そして大きな会社の株券が多いからその小さい会社を抱き込んで、独占資本へ持つて行かんとするような意図が開発融資の中に枚挙にいとまがないほどあるといわれております。特に磐城セメント株式会社はかようなことをやりまして、今日まで多くの開発の融資を受けて、そうして合併をいたしましては自分の独占資本の中に入れて置くという、まことに斎藤社長の醜悪なるやり方に対して、国家の財政融資をいたしまする、いわゆる国民の血税をそういうような不正なことに使われて独占資本へ持つて行く、こういうような点から本委員会において徹底的に調査をしていただくことをお願いする次第でございます。
#13
○田中委員長 お諮りいたします。佐竹委員のこの提案に対して、本委員会は調査をするに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○田中委員長 御異議なしと認めまして調査をすることにいたします。
 あらためて理事会にかけ、この取扱い、証人の決定その他について決定したいと思いますから、さよう御承知願います。
 本日はこれで散会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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