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1953/04/15 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第18号
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1953/04/15 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第18号

#1
第019回国会 補助金等の臨時特例等に関する法律案特別委員会 第18号
昭和二十九年四月十五日(木曜日)
   午後一時四十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     松永 義雄君
   理事
           青柳 秀夫君
           上林 忠次君
          小笠原二三男君
           武藤 常介君
   委員
           秋山俊一郎君
           榊原  亨君
           横川 信夫君
           島村 軍次君
           三橋八次郎君
           戸叶  武君
           寺本 広作君
           千田  正君
  政府委員
   農林政務次官  平野 三郎君
   水産庁長官   清井  正君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○補助金等の臨時特例等に関する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(松永義雄君) これより特別委員会を開会いたします。
 補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題に供します。前回に引続き水産関係の審議を行います。政府から清井水産庁長官が出席しておられます。御質疑のかたは御発言願います。
#3
○上林忠次君 前の十五条に関する質問の続きですが、この水産資源保護法による保護水面というのは、どういうような範囲でこれを水産庁としては対象にされておるのか、深さはどのくらいとか、水温はどのくらいとか、たとえ魚貝の繁殖の補助をするにしても何かそこに基準があるのじやないか、どういうような程度を基準にしてこれに当てはめるというようなことになつておりますか、その範囲をお話願いたいと思います。
#4
○政府委員(清井正君) 只今の御質問の点でございますが、前回も申上げましたが、水産資源の保護にはいろいろの措置が考えられるのでありますが、先ず私どもは一番先に取上げました問題は、浅海の保護水面の問題として水産増殖上最も重要なるものの一つとして貝類の増殖に手を着けたいということで只今考えておるのであります。そこでどういうところを指定するのかという御質問でございますが、これは只今考えております私どもの貝類といたしましては、大体「ほたて」貝、「あわび」、「あさり」、「はまぐり」、藻貝というようなものを主として考えておるのであります。そこで大体各府県を見渡しまして、従来「ほたて」の主産地であるとか、或いは「あさり」、「はまぐり」の主産地であるとかいうような貝類の主要生産地が大体専門的にわかつておるのであります。主として浅海でございますから、この近辺で言いますと、千葉県海岸というようなのが非常に主要漁場でありますが、そういうような極く浅い海面、浅海であります。そういうところの最も主要貝類の生産地と思われるところを全国から選びまして、そこに一定の保護水面というものを区画いたすわけでございます。元来がそこに漁業権がございまして、当該地先の漁業組合が大体漁業権に基いてその貝を採取できるような建前になつているのが普通でありますけれども、そこに一定の区画で貝類の生産に適当なところを地先を限りまして、そこを保護水面ということに指定をいたすのであります。そういたしますというと、そこを三定の保護を加えることになりますので、よそから稚貝を買つて参りまして、そこにその稚貝を植え付けまして、そこで稚貝の保護増殖を図る、従いまして限りました区域につきましては相当保護管理をいたさなければならないのであります。放つておきますと、非常にまあこれは人畜の被害もありまするから、貝を植え込みましたところはそこに一定の障壁を造るとか、或いは棒ぐいを立てるとかいうことをいたし、或いは監視人を付けてしようちゆう監視をいたしますとか、或いは農地と同じように耕耘をいたしまして、そこで貝の育ちやすいように、或いは貝の食物である微生物等の発生のしやすいようにというような措置をいろいろ講じまして、そこで要するに稚貝がよく育ち、そうしてそれが成長いたしました場合に県内のほかの海面なり、或いは一定の府県へなりその貝を供給をするというようなふうにいたしまして、そこで貝類の増殖に資しようと、こういうようなことから出発いたしまして保護水面というのができたのであります。ところが御承知のように、本年度初めて二十四カ所指定をいたしたのであります。先般も御指摘にありましたように、予算さえあればもつともつと指定できるのでありますけれども、千二百万という点もありますので、二十四カ所を限りまして指定をいたしました。そこで最も重要なところを指定いたしまして、その地域におきます貝類の増殖を図つて行くというような制度になつておるのであります。
#5
○上林忠次君 まあ自然の状態に置いておきますというと、貝なんというのは産卵期の水温とか、海流の移動というようなことで、相当コロニーというか、集落が動くのではないか。折角いい地域を選定しても、年々によつて動く。大きな農産期が三三年続くとあとはもう一つもなくなるというようなことでは、漁業者は困るというようなことをよく聞くのですが、それが常に相当な繁殖ができるというような状態に向くということについては、農林省ではいろいろ調査もされておりますし、これに対する対策も考えておられると思いますが、そういうような資金はあるのですか。どういうような状態になると貝が少くなる。これに対してはどういうような対策を講じるか。ただ稚貝を分布させるというようなことではなしに、植え付けるというようなことではなしに、もつといい根本的な対策いうものはあるでしようか。
#6
○政府委員(清井正君) 非常に専門的なことになりますと、私のお答えできない範囲もあるのでございますが、御指摘の点につきましては、まあいろいろ貝類の保護増殖につきましては、いろいろの措置を実は講じなければならんということはお話の通りであります。で、普通考えられますのは、私どもは水産増殖施設といたしましては、まず内水面の問題があります。これは河川等の増殖の問題があります。これは別途の問題でありますが、そのほかに浅海面の増殖の問題、これが当然入る問題になるのでございますが、その点につきましては、主として今水産庁のうちで予算措置としてとつております施設といたしまして耕耘の施設をやつておるのであります。これは丁度農地の耕耘と同じようでございます。主として海岸なり、その貝類の棲息適地を耕耘をいたしまして、そこで貝の棲息地域を耕耘することによつて微生物の発生を増加して行く。それで増殖を助けるということは農地の場合と同じ原理でありますが、そういうような方策をとりましてやり出しますとか、或いは客土、農地と同じでありますが、ほかから適切な土を持つて来て客土をいたしますとかというような措置を講じますとか、或いは更に進みますと、これは貝類ではありません。主として藻類に関係いたしますが、或いは投石をいたしまして藻類がつきやすいようにする。或いは魚礁を作りまして魚を住みやすいようにする。そういうことを水産の増殖施設として別途予算措置を講じまして、これは府県なり、各県の組合に予算を交付いたすのであります。これは幸いにいたしまして、本年度二十九年度は二十八年度より相当金額が殖えておるのでありまして、その方面のことは重点としてやつて行かなければならないと思うのであります。で一般的に貝類といたしまして多少の移動はいたしますが、やはり適水適地等があるわけでございますので、そう大してしよつちゆう適地が移動するというものでもないようでありまして、やはり一定の地域、一定の範囲に亘つて貝類が棲息しておるということが一般的に言われておることでありますから、その点を指定して措置を講ずるということによつて只今運用をしておるという、こういうようなわけであります。
#7
○上林忠次君 少し細かい話になつて来ますが、貝類を植え付けるだけじやなしに、もつと根本的に防波堤を、或いは防波堤という大きなものでなくても、沈石をする、そうして海蝕を避けるとか、淡水が入る所はそういうような施設をして、入る淡水をよそへ流すとか、或いは貝の増殖のために必要な貝の餌というようなのが必要なら、これに対しては何か海藻の或る種類とコンネクトする、そうして貝の増殖には、どうしてもその養分になる動物の繁殖に必要な海藻と共に増殖の計画をして行こうということも必要じやないかと思うのでありますが、そういうような点までの研究はないのですか。「はまぐり」なら「はまぐり」と青「のり」がいいとか、或いは「ひじき」を加えたほうがいいとか、水藻とうまく一連の関係を持たして貝の繁殖を図つて行く。ただ水面に貝を播くだけより、もつといい施設があるのじやないか。種子を播くというだけじやなしに、先ほどお話がありましたように、その環境をよくする、そこまで考えて行かないと、いい加減な補助金になつても困ると思うのですが、有効な補助金なら又うんと増してもらわなければならん。日本全体から考えましても、北のほうは「はまぐり」を持つて行くが、南のほうは「はまぐり」より「あさり」のはうが特に繁殖に適するとかいうような地の遜いもあるのであります。ただ漠然と貝の種子を播いているというだけじや、余りに現代の技術としては貧弱じやないかと思うのですが、大分細かい話になりますが。
#8
○政府委員(清井正君) お話の点、確かに単に貝を播くだけということではいろいろ不十分であることはお説の通りであります。先ほども申上げました通り、耕耘であるとか、客土によつてその発生の環境を十分助けて行くということによつて、一方増殖の施設をいたしておるのでありますから、そのほうはその補助金として出て行くわけであります。それから保護水面管理の問題は、只今私の申上げました、耕耘、客土等の予算の施設の問題と、これは恐らく相当関連を持つて行かなければならんのじやないかと思います。その点は御指摘の通りであると思います。そこで学問的なむずかしい問題につきましては、私必要があれば十分正確な検討をいたしましてお答えいたしますが、確かにこれは貝類なり、或いは藻類なり、魚類なりというものの、個々別々の観点からの措置じやなくして、総合的に考えるというような措置によりまして、現在最も問題とされております浅海の増殖の問題を総合的に考えて、いやしくも補助金を出す以上は、無駄に使われるようなことのないように、正確に貝類の増殖ができ、その他藻類、魚類等の増殖に資するというような措置を講じて行かなければならんと思うのであります。これはやはり補助金の使用方法の問題と、保護水面の管理の指定の問題と、相互関連して参る問題でございますので、この点は十分私ども注意をいたして参りたい、こういうふうに考えております。
#9
○上林忠次君 貝類が主な問題になつておるらしいのですけれども、藻類はこの補助金では頭に入れていらつしやらなかつたのですか、藻類の増殖……。
#10
○政府委員(清井正君) 保護水面の管理の問題につきましては差当りは考えていないのであります。というのは、総括的には考えなければならんことは無論でありますけれども、先般御指摘のありました通り、予算等の関係もありましたので、取りあえずは比較的早期に効果を上げ得るような貝類に重点をおいたということになつておるのであります。行く行くは予算の増額を見るということになれば、当然そういうほうにも向けて行かなければならん。只今は海藻につきましては、先ほどちつと申上げました投石であるとか、或いは岩石を爆破する問題或いは岩石の表面を掻爬いたしまして、藻類を着きやすくするというような措置を講じ、海藻類の発生を容易ならしめるということを、別途補助金の処置によつて考えて参りたいのであります。
#11
○上林忠次君 千葉の海岸あたりに参りますと、天草が大きな水産資源になつておりまして、これは又輸出の元にもなつておるということを聞いております。ところが最近天草を取り過ぎて、先ほども申しましたように、相当畑が荒れており、何とか肥料でもやれるなら、そこまで行かないといかんのじやないかというような、極端な話まで私は聞いたのでございますけれども、貝類と共に藻類のことも今考えなきやいかん。これは将来の問題でありますけれども、これも十分考えてもらいたいと思うのであります。まあそんなところで次にお譲ります。
#12
○委員長(松永義雄君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#13
○委員長(松永義雄君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後二時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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