くにさくロゴ
1953/02/23 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第3号
姉妹サイト
 
1953/02/23 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第3号

#1
第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第3号
昭和二十九年二月二十三日(火曜日)
   午後一時三十六分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月十九日決算委員長において宮田重
文君を委員に指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員
           長谷山行毅君
           松平 勇雄君
           宮澤 喜一君
           宮田 重文君
           奥 むめお君
           岡  三郎君
           山田 節男君
           菊田 七平君
  政府委員
   運輸大臣官房会
   計課長     辻  章男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   運輸省港湾局管
   理課長     安井 正己君
   建設省河川局防
   災課長     浅村  廉君
   会計検査院事務
   総局検査第三局
   長       小峰 保栄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
 (補助金関係批難事項に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長代理(菊田七平君) それでは只今より決算審査に関する小委員会を開会いたします。
 本日は前日に引続き、国庫負担法に基く補助金につき、不当事実の発生原因及び防止対策に関して運輸省当局の説明を聴取いたしたいと思います。
 本日の出席に運輸省港湾局管理課長の安井正已さん、それから政府委員として会計課長の辻章男さん、建設省、農林省関係で水産庁の漁港課長林真治さん、以上のかたが来ておりますからお答え願いたいと思います。
 先ず運輸省へ先般、昨年ですが、検査院の事務総長から運輸省の事務次官宛で、災害復旧の補助に関して意見の開陳があつたが、それに対して運輸省側の忌憚のない意見、並びにそれ以外においても気付いておられる点もあろうと思いますが、以上の点について詳細に述べて欲しいと思います。
#3
○説明員(安井正己君) 検査院から頂きました取扱事務の改善方について我我のほうから回答を差上げておるわけでありますが、我々の結局言わんとするところは、その中に書いてあるわけですが、それの極く概略について申上げますと、最初の不正事項の発生原因として、机上査定のものが多いということにつきましては全く同感でありまして、我々のほうとしましても、離島であるとか、成るべくそういつたような特別の場合でない限り、できるだけまあ机上査定をやめて実地の査定をしたいという考え方をしておるわけであります。それで二十八年におきましては、大体約七〇%程度実地査定をやつておるわけであります。次に止むなく机上査定をやる場合においても、現行以上にもつと具体的に正確な資料によつてやるべき点につきましても、我々のほうとしましても、やはりその点については今後施設の原形につきましては、関係の個所なり、或いは現況、責任者の証言、そういつたようないろいろのことを総合判定しまして、できるだけ齟齬のないようにいたしたい。ただそういつたような資料が非常に乏しい場合、或いは滅失いたしておりますような場合には、非常にまあ事務が齟齬を来たすという結果になるわけでありまして、できるだけ具体的な正確な資料を把握するということには努めたいと考えておるわけであります。
 それから更に我々のほうの港湾施設の中には、その大部分が海の中にありまして、破壊した状況なども往々にして非常に確認することが困難なこともあるわけであります。そういうものについて、検査院からもときどき指摘を受けるわけでありますが、そういう点につきましても、できるだけ被害の全体的なものとか、或いは局部的なものとか、そういつたようなものを写真によつて判断し、更に海中のものについては非常に写真の撮影の困難なものもありまして、この点については現在のところ目下どういうふうにしてやるかということについて努力をしておるわけであります。
 その次に、検査院のほうからの御意見で、一定額以下の工事については地元の府県に事務を委任してはどうだというような点があるわけでありますが、この点につきましては、現在の自治制度等の根本の問題もありますし、更に国の事務を地方公共団体のほうに委任をするということにつきましては、現在でも相当の国の事務が委任をされている状況でありまして、よく検討して見ないと正確な結論は出ないのじやないかと考えておるわけであります。
 その次には、便乗工事についてでありますが、便乗工事については検査院側の御意見としては、結局改修の場合に比較して災害復旧のほうが率もいい。従つてこういうものが往々出る。従つてこういう改良的性質のものは改良の予算を殖やしてやつたらどうか。こういうような御意見でありますが、その点につきましては、港湾の施設というものは、一般の土木の工作物とは少し異なつておりまして、被害を受けた施設そのものを、現行の法律国庫負担法に基いて復旧した場合において、大体復旧の本来の目的を達するばかりでなく、同時に将来の災害防除の目的にも沿い得るようなものがあるのでありまして、現在そういうものについては、そういうことによつて効果を上げておるわけであります。従つて施設の性質がそういうふうになつております関係上、現行法の示す必要が、最小限度の方法というものについては、相当慎重に検討いたしておるわけであります。
 改修でもつてやれという点につきましては、災害査定と改修工事と合せてやります場合には、改修と復旧との範囲が不明確になる虞れもありますし、更に災害復旧費の濫費をも招くということ等の弊害も一応考えられますし、更に改修予算については、そう予算が膨張するということも現状では考えられませんので、我々としましてはそういつた種類のものは、現在やつておりますように防災工事とか、局部改良とか、災害土木助成費等でもつて、別に施工することにしまして、災害工事と接続する場合には、できる限り合併施工をする、こういつたふうな方法でやつて行きたいと考えておるのであります。
 次に、町村等が事業主体となつている工事につきまして、いろいろ不当な事故が出て来るわけでありますが、一定額以上のものを府県に対する委託工事でやらしてはどうか、或いは現在の直接やつている補助の仕方を前の制度に返して府県予算を経由するように改めてはどうかというような点でありますが、この点につきましては、現在市町村工事で取上げている、市町村が管理している公共物は大体非常に部落共有的な見解などがありまして、そういうものは後進的な市町村に多いわけです。又一般改修の場合と異なりまして、災害というものは、いわゆる不慮の支出になるわけであります。あらかじめこれを予算化しておくということも非常に困難が予想されるのではないかと思うわけでございます。そういつたようなことからいろいろ御指摘のような不当な事故が出て来るわけでありますが、それを防ぐために、県にこれを委託するという点につきましては、県自体のほうのこれを消化する能力あるかどうかということが問題になつて来るわけでありまして、現状では府県の工事そのものでも相当忙がしいのではないかというように我々は考えているわけであります。今後こういうことをやるとすれば、何らかの方法を講じなければならないのではないかと考える次第であります。それから前のような制度にして直接補助をしているものを府県経由の間接補助にするという点につきましては、これ又地方制度そのものにも関係して来る根本問題になりますし、十分に我々としては検討いたしたいと考える次第であります。
 復旧工事中に再度災害を受けたものの措置についてでありますが、この点について工事請負人の提出した資料のままに代金額が決定されるのが少くない現状であるというふうに御指摘されておりますが、復旧工事中に再度災害を受けた場合の査定に当つては、現場監督員の工事日誌なり、或いは請負人の資料とか、できるだけいろんな資料に基きまして調査して、できるだけ出来高を認定しまして、その出来高に対してすでに支出済みである金額と、現在支払いの義務の発生しているものを合算して、出来高金額を算定し、これに請負の比率を乗じて打切り清算額のようなものを確認して決定いたしている次第でありまして、検査院の御指摘のように、そういうことのないように極力慎重を期して行きたいと考えている次第であります。
 その次の工事の監督及び研修の不備という点でありますが、この点につきましては、結局現場の第一線の現地機関である土木の出張所の人員の問題に帰着するわけでありまして、災害が殖えるに従つてだんだん現場の事務量も殖ええておりまするし、更にいろいろ例えば本来の業務以外に種々の検査なんかを受けるために、そういう方面にもまあ或る程度時間も割かれると言つたようないろいろの事情から、現在のところ相当努力はしておるけれども、不備な点があるということは一応まあ認めざるを得ないのじやないかと思います。従つてこういうような点につきましても、よくどういう点に原因があるかということを調べましてそれぞれ善処したいと思つております。
 それから工事の成功認定が遅れておるという点につきましても、大体我々のほうも或る程度遅れておるということは認めざるを得ないのでありまして、現状を申上げますと、昭和二十五年度までに実施した事業については、一応現地の検査を終りまして、現在は各担当官の下で事務を処理する段階にありますので、機会あるごとに、その担当官の事務の促進を督励いたしておるような事情であります。今後はできるだけ特別に精算を促進するための具体的な方法を考えて、成るべく早く成功認定をするように努力いたしたいと考えております。
 一応検査院から我々のほうに御質問のありました点に対する我々の解答いたしました意見の概略を申上げます。
#4
○委員長代理(菊田七平君) 只今の運輸省側の意見に対しまして検査院側から見た意見を述べて頂きたいと思いますが、局長さんの個人的意見でも見解でも結構でございますが……。
#5
○説明員(小峰保栄君) 只今運輸省の当局から会計検査院の照会に対する解答ということを中心にいろいろお話があつたのであります。二十六年度は運輸省はこの検査報告にのりました不正工事は五十八件であります。五万円以上のものが五十八件。それから二十七年は、今のは工事数で申上げたわけでありますが、工事数で申しますと百二十三件。金額で多過ぎたこいう補助金が四千九百九十六万円、こういうふうに殖えておるわけであります。でケースとしては二十六年度にありましたものは二十七年度でも殆んど全部同じようなものがのつておるわけでありますが、それ以外に農林省でたくさん出ておりました。二十六年度に出ましたように、事業主体が自己負担をしないで、法律上当然しなければいけない自己負担をしないで補助金の範囲内で工事をやつてしまつた。或いは当然出すべき額だけ出していなかつた。出し不足があつた。こういうような案件が二十七年度に新らしく出て来たのであります。今までもあつたと思うのでありますが、今まで検査上、それが明らかになつていなかつたのでありますが、それが今年の百三十二工事のうち四十八工事というものが今のような大きな率を占めるわけであります。新らしいケースが二十七年度に見付かつて来たという、こういうことが言えるわけであります。それで検査報告にいろいろ書いてございまするが、この御説明にありました点につきましての私ども検査をやつておるものの考え方、見方というものを御参考までに申上げておくほうがいいのじやないかと思います。
 先ず査定でありますが、運輸省は建設省農林省と違いまして実施査定の率は従来から多いのであります。これは何と言いましても、片方が何万という工事を数えるわけでありまして、運輸省は工事の数がお話にならんくらい少いのでありまして、数千、検査報告に出ておりますが、大した数じやありません。二十六年度で言いますと、千九百八十台であります。ほかの省に比べますと一県分にも当らないという程度の数でありまして、実査の率が多いのは当然なんでありますが、会計検査院の実地検査の率もほかの省に比べまして大体多いのであります。大体半分近くは現地を拝見できるということに現在なつております。ほかは御承知のように、前にも御説明いたしましたように六%しかみなかつたとか、一一%しかみなかつたというような程度しかできないのでありますが、運輸省の分につきましては件数で言いますと半分くらいのものが現地を拝見できる、こういうことになつておるわけであります。運輸省でおやりになられた実地査定も非常に多いのでありますが、これは併しながら数が多いということと、よく現地についてお調べになつたかどうかということは、これは又別問題のように考えるのであります。と申しますのは、先ほどお話がありましたように、工事の内容が水中に没した部分が非常に多いのでありまして、満潮のときに行きますとなかなかわかりにくい。私ども検査に行きますときに、これでよくだまされることになるのであります。満潮のときなんかに行きまして、水面に没して泥が幾らか入つたといようなものには、なかなか査定ができないのであります。査定の上にも、そういう欠陥がつきまとつているように私は思うのであります。実地を査定しても、そこを船で歩いてしまう、こういう問題は皆ではありませんが、中にはそういうことがあるということも耳にしております。これは工事の性質上、やむを得ないかと思いますが、そういうような点で実査をなさつたところが、必ずしも妥当な設計になつているとは限らないということが、これは運輸省関係の水中工事としての特異性に基くものだとは思いますが、そういうことがどうも言えるようであります。これは陸上工事と違つた一つの特徴と申しますか、そういうふうになつているようであります。
 それから先ほどの検査院が改良的な予算或いは防災的な予算を殖やしたらいいじやないかというような照会でありますが、これは但書が実はついているのであります。私どもの照会も無条件で殖やせということは決して言つていないのであります。現在の実情は前から申しておりますように、災害復旧に如何にも便乗が多い。検査報告で批難いたしましたのはよくよくのものなんであります。何分にも我々が検査いたしますときには工事ができてしまつている。これは運輸省に相当に事例があるのでありまして、工事ができてしまつたあとで参りまして、法律を盾にとつて、これは便乗だ、あれも便乗だということで文句を言う。一応は照会なんか出しますが、会計検査をして正式批難いたしますと、これは全部否認という結果にとかくなりやすいのであります。せつかく工事ができて、補助金も一応政府がこれだけのものはやつてよろしいということで、補助金を渡して工事ができて、そのあとで検査院が行つてこれは便乗だ、法律違反だ、こういつたようなことになつて全額否認というようなことがばたばた出て参りますと、これは村によつてはそれこそ破産してしまう、返せないというような村も実情としては多いのでありまして、とかく私どもこの検査報告に載せるのに躊躇するのでありまして、検査報告に載せるのは便乗に関する限り、件数はたくさん載つておりませんが、よくよくのものだ、こういうふうに御覧願つてもいいのでありまして、運輸省についても数は必ずしも多くありませんが、便乗として検査報告に掲げておりますのは、必ずしも毎年多くないのであります。これはよくよくのものでありまして、それ以外に厳格に法律を運用して行けば便乗だ、若し会計検査院が先に、工事の着手前、補助金を交付する前に、これを見つけていたら、便乗だといつてお取消を願つたほうがいいのじやないだろうかというような事例が非常に多いのであります。それで便乗の数が検査報告にたくさん出ないからといつてこれは少いというふうにお考え頂いては、これは実はちよつと事実と違つて来るのであります。そういうような関係でありますが、結局これは災害復旧というものにもぐらしてしまいますと、改良部分をもぐらして出しますと非常に通りがいい、災害復旧の予算が非常に豊富なんでありますが、先ほど出ましたように部分改良とか防災とかいうような予算は非常に少いのであります。これは正面切つて改良或いは防災ということで申請を出しましても、なかなか承諾してもらえないというのが実情であります。これは運輸省に限らず、どこの省でもそうであります。それで災害があるのを待つている。ちよつとした災害があると、一緒にそれにもぐらしてしまつて出す、机上査定もあるというわけで、そのまま通つてしまうというような事態が多いのであります。ところがこれは誠に変なんでありまして、災害復旧は御承知のように国庫負担率が非常に高いのであります。防災工事だとか河川改良とかは国庫負担率が災害より遙かに低い、半分くらい、ものによつては四割とか何とかというものもあります。災害復旧ということで出してしまいますと、港湾につきましては、従来から高率国庫負担の適用がありますから、事業主体が小さいところですと、八割九分とか九割五分だとかいうような国庫負担率の適用があるわけであります。こういうような高い率が適用されて而もその中に幾分なりとも改良的な要素がもぐつておるということになるならば、誠にこれはおかしいのでありまして、むしろ予算を災害復旧費からそちらへ組み替えて、河川なり防災なりの予算に組み替えて、そうして正当な改良工事なり或いは防災工事なりで取扱うのが適当じやないか、こういうのを条件付で実は申上げておるのであります。無条件で国の予算が殖えるようなことを申上げておるのではないのでありまして、災害復旧費から仮に千万円組み替えますと、災害復旧だと千万円の工事なり、或いは千五百万円くらいの工事しかできませんが、防災なり改良ということになりますと、これは二千万円くらいの工事ができるのでありまして、国庫負担率の減る関係で、そういうことになるのでありますが、そういうことになすつたほうがいいじやないかという、こういうことを照会したわけであります。私どもといたしましては、無条件で予算が殖えるというようなことを決してお薦めしておるわけではないわけであります。
 それから町村等の小事業主体の工事について府県の委託を心掛けてはどうかということも照会いたしたのでありますが、これはほかのものは、港湾関係については聞いておりませんが、土木の仕事道路とか河川というものにつきまして、府県で委託を受けて非常ないい成績を挙げておるということは、この席上でたしか、前回でしたか前々回で申上げましたが、港湾工事もやはり河川とか道路と同じように府県の土木部がやつて監督する、それで土木部の陣容如何というお話が先ほでありましたけれども、これは誠に同感でありまして、委託を受けるということになりますと、土木部の陣容ということがものを言うのであります。大部分の府県はなかなか府県営でさえせいいつぱい、先ほどお話がありましたが、府県が直接やる工事さえせいいつぱいのところへ、末端、下部団体のやる工事まで、とても委託ができないということが言える県もあると思うのでありますが、併し国会がそうおきめになつてしまつたわけでありますし、駄目なんでありますが、現にどこかの県が、土木部で町村工事の委託を受けて好成績を挙げておるところもあるのでありますが、そうしてその県はそう大して大きな県ではありませんが、相当、而も港湾工事が多い県でありますが。そういうことをやつておる。ですから土木プロパーの仕事が受けられるならば、港湾についても委託が受けられるのではないか、こういうことも考えられるわけでありまして、一概に府県の能力がそれを受けるのに不十分だと、こうきめてかかるのはどうかと思うのでありまして、成るべくそういう方向にお向けになるようなことが望ましいのじやないだろうか、こう私どもとしては考えておるわけであります。それで先ほども話がありましたが、第一線の土木出張所の職員が手不足というようなことを仰せになつておりますが、これはそうどこでもあり余つておるところはないのでありますが、只今も申上げましたように、大体港湾工事は府県の土木部の河港課が―港湾課というものを特に持つておるのは少いのでありますけれども、河港課でやつておるわけであります。名前の通り川と港を扱つておる課が川のほかに港の工事をやりまして、建設省関係の工事と運輸省関係の工事と両方やつておるところが一番多いのであります。こういうところで、まあ土木と同じ程度にはやつておるわけではありますが、どうも港湾というと、そういうと甚だあれですが、とかく突つ掛けものとでも申しますか、河とか、そういうようなほうに力を注ぎ勝ちというような傾向は、これはなきにしもあらずということは申上げられると思います。
 それから成功認定が非常に遅いということは、これは建設省あたりに比べますとまだ大分ましでありまして、二十五年度にともかく手を付けられておるのであります。建設省はこの前も話がありましたが、二十一年とか二十二年とか言つておるような状態でありますから、その点については別に申上げることはありません。
#6
○委員長代理(菊田七平君) 以上の点に対して御質疑をどうぞ。
#7
○山田節男君 これは今港湾局管理課長、それから会計検査院の第三局長、両方の立場からいろいろ御意見を聞いたのですが、二十六年度が然り、二十七年度の会計検査院の決算の検査報告を見ても、やはりこの補助金に関する不当事実と言いますか、減つていない、で先ほど管理課長がいろいろ言つておられましたが、昨年ですね、二十八年度の六月七月に非常な風水害が西日本、近畿、その他の地方にもあつたのでありますが、昨年のように非常な、殊に港湾に関して災害がひどかつた、従つて支出する額も相当多いし、たしかこの風水害に対する、台風十三号を含めてですが、たしか運輸省関係の特別措置法もあつたように思うのですが、運輸省としてはこういう二十六年度、二十七年度のような、つまり常時の状態、普通の状態についても然り、昨年のような非常な場合にはどういつたようなこれに対する、かような不当事項を防止するような方法をとられたか、何か具体的の例があればそれをお聞きしたい、昨年度のやつを。
#8
○説明員(安井正己君) お答申上げます。それぞれ各府県の実務担当者を数回に亘つて省に呼びまして、十分打合せをしております。
#9
○山田節男君 もつと具体的に説明を求めておるのであつて、それじや回答にならない、抽象的なことじや……。今みたような災害復旧に関する不当事項が非常に多い。只今会計検査院に指摘されておるああいうことは、地方に港湾局のようなものを、或る県は土木部でやるところもあるだろうし、もう少し具体的にこれこれのことがあるのだから、昨年のような異状な風水害があつた場合に、これに対する復旧工事とか改良工事が相当あるだろう。そういうものに対してただ従来のままでやつておつたのか。それじや具体的の回答にならない。用をなさない。それをはつきりしてもらいたい。
#10
○説明員(安井正己君) 検査院から御指摘を受けておりますような不当事項というものは、それぞれ発生した原因があるわけでありまして、我々のほうとしましては、成るべく査定については実地の査定をやるようにいたしております。更にそういうものの設計とか目論見書なるものにつきましても、十分審査をいたしております。更に昨年から引続いて一部成功認定のほうに力を入れまして、そういう方法で不当事項の発生を成るべく防止するように努めております。
#11
○山田節男君 安井説明員に対する質問はこの程度で、いずれあとの機会で伺いたいと思いますが、もう一つお聞きしたいことは、大体昨年の六月七月、それから九月ですか、台風十三号、これで二十八年度で運輸省の港湾関係の災害復旧は、この年度末までで、どのくらい使う予算になつておりますか。
#12
○説明員(安井正己君) 予算の額で申上げますと、二十八年の発生災につきましては五億九千万円程度、それから過年災につきましては二十二億六千万円程度となつております。
#13
○山田節男君 二十億ですか、二十四億ですか。
#14
○説明員(安井正己君) 二十二億です。
#15
○山田節男君 この五億九千万円というのは国庫負担の補助の補助金の額ですか。
#16
○説明員(安井正己君) 大体負担法の三、五、二の比率で参りますと、只今の金額では一割二、三分程度に当るのであります。
#17
○山田節男君 もう一つ、これは二十八年度に関する問題ですが、昨年の八月、九月に亘つて、参議院で六月、七月の水害並びに台風十三号の対策特別委員会がありましたが、そのときに、静岡県下でこの特別措置法によつて、まあ救済と言いますか、救済するというようなことを見越して、法律がないのに工事をした。そして我々の参議院の委員会でよく調べて見ると、我々はまだそれに関する措置法は作つていないのに、運輸省ではその措置法に便乗して、岸壁か何か、私設の鉄道の末端か何かのように記憶しておるのですが、若し安井管理課長記憶があれば。昨年の夏です。八月頃だつたか、参議院の特別委員会で非常に問題になつた。それを憶えておりませんか。
#18
○説明員(安井正己君) 記憶がありません。
#19
○山田節男君 それを一つ調べておいて下さい。たしか壷井官房長が来て、委員会のときに非常に困つちやつて、そういうことを見越して工事をしているというのはけしからんということで問題になつたことがある。何か私設の鉄道の……。
#20
○説明員(安井正己君) 鉄道だと港湾にも臨港鉄道がございますが、それ以外にも鉄道もありますから、帰つてよくどちらのほうか調べてみます。
#21
○山田節男君 それを一つよく調べてみて下さい。
#22
○説明員(安井正己君) 調べておきます。
#23
○山田節男君 運輸省の港湾局の、何と言いますか、支局といいますか、各県にあるのが全国にどのくらいあつて、そうしてこういつたような工事に対する地方の港湾局長はどの程度な権限を持つているのですか。
#24
○説明員(安井正己君) 港湾工事を大きく分けますと、改修と災害復旧というふうに分けられるのでありますが、建設局のほうで主として担当しておりますのは改修でありまして、ただ災害については直轄災害だけを扱つております。で、建設局は全国に四つございます。それから北海道は別に北海道開発局の中に港湾部というものがありまして、そこで地方の港湾建設局と同じような業務を行なつております。それから直轄の工事をやつております港は三十八カ所工事事務所があります。
#25
○山田節男君 さつき検査院のほうで指摘があつたように、府県の土木部に委託したのは非常にうまく行つているというように私はお聞きしたように記憶するのですが、港湾局の或る所管内で、関係府県の府県知事にこれを委託する、いわゆる委託工事というものは、何かその標準があるのですか、金額において、或いは量において。
#26
○説明員(安井正己君) 国が府県なり地方公共団体の工事委託を受ける場合については、我々のほうでやります関係上承知いたしておりますが、市町村の工事を府県が委託を受けた場合は、それぞれの府県でどういうふうにやつているか、只今のところ詳細に存じておりません。
#27
○山田節男君 僕のお聞きしているのは直轄工事で、その直轄工事でやるべきものを府県に委託するという、いわゆる直轄工事を県に委託するというものはないのでしようか。
#28
○説明員(安井正己君) ございません。直轄工事は国みずからやるわけでありまして、むしろ府県の工事を国のほうで委託を受けてやるという事例はありますが、国のほうの事業を府県のほうに委託に出すという事例はございません。
#29
○岡三郎君 只今会計検査院のほうから指摘された事項の中で、その年度のいろいろな特徴点もあるとしても、非常に事件の件数が増加して来ておる。この点について、先ほど山田委員のほうからこれに対処する方策ですね。こういつたことを質問されたときに、招致して話をした、そのような程度で実績が挙るものかと我々のほうは考えるわけです。本当にこういつた事件を防止して行くという考え方があるならば、もう少し真剣に何らか対策を講じて然るべきものと思う。そういう点について、先ほど言つたような、関係者を招致して話をしたというふうな程度なんですか。
#30
○説明員(安井正己君) 先ほどあとから又追加いたしまして、もつと具体的な御説明を申上げましたように、現在ではできるだけ査定に原因するようなものにつきましては、実地査定をやるように努めております。更に成功度については一部成功認定を極力推進いたしておる次第であります。それによつて不当事項の発出することを防ぎたい、こういうふうに考えております。
#31
○岡三郎君 今の方式で行けば、不当事項は或る程度抑えられるというふうにお答えになつたのですが、工事をする場合に、机上査定が一番工合が悪い、併し、問題はそのほかここに書いてあるように、中間査定とか、随時工事の進行に当つて、まあこれを最終的にどうするかというまでには幾段階にも分けられておると思うのだが、やはり関係当局の人員との関係があると思います。そういう点で、中間査定というものをどの程度やつておられるのか。中間検査というのですかね。
#32
○説明員(安井正己君) 御指摘の中間検査につきましては、実情を申上げますと、今までやりたいと思つておりましたが、余りいろいろの事情でできないような状況にあつたわけでありまして、今後はやはり中間検査をするということは、或る程度途中において不正の事項の発生防止に役立つという点を考えまして、成るべくその方面をやりたい、こういうふうに考えております。
#33
○岡三郎君 この歳入歳出決算検査報告に関し国会に対する説明書の中で、それぞれの事項について遺憾であつた、こういうことが書いてある。私をして言わしむれば、この遺憾ということは残念であつたというふうにとられても仕方ないのです。残念だ、見付かつてくやしかつたというふうにとられる。一つ一つが見付からなかつたら猫ばばをきめる。見付かつて残念だつたというふうに―一つ一つそういうふうにみんな書いてある。二十七年度の決算をみたつて見付かつてくやしかつたというような表現ばかり使つて書いてある。これでは本当のいわゆるこういうふうな不当事項、つまり国費の濫費、不正使用というものに対するあなたがたの監督の度合というものに対する責任が出ていない。にじみ出ていない。本当にこういうふうな点について、真剣に不当事項防止と当つたかということについてのお答も、誠に私は稀薄だと思う。そういう点について、人員が少かつたのなら人員の要求なり、或いはそれに伴う予算の要求なりというものは、それは国費全体から言つて制限を受けるとしても、そういう点についてやられたのかどうか。
#34
○説明員(安井正己君) 人員の要求は時節がら新規増員はなかなか認められがたいということで、いたしたことはありませんが、先般行われました行政整理に伴う人員の減少の場合には、特別の事情を説明しまして整理員数を或る程度少くしてもらいました。
#35
○岡三郎君 特にこの災害復旧工事その他の問題についても、それは年度によつて非常に差異はあるとしても、やはり事件件数というものは拡大する一方になつていると思う。こういう点について、誠に遺憾であつた、申訳がないと言つても、この実績から見て行くと、あなたは一昨年か、二十六年度のときに港湾課長でなかつたかもわからない、併し我々がそれを見たときに、余りポストを変え過ぎるのかどうか知らないけれども、年度を通じ、又次年度に亘つてのこの国庫支出に対するところの責任度合というものが少しも窺えない。これは農林省関係においても特に然り。食糧庁関係なんかはでたらめと言つてもいいくらい紊乱している。こういう点について、今国会でいろいろ問題が起つておりまするけれども、先ほど検査院から指摘された通りに、これはよくよくのことである、あらかじめ現地で検査したならば、もつともつと数が多くなるであろうというふうに言われておるということを、我々は聞き逃すわけにはいかない。そういうふうな点について、検査院のほうはあとから追つかけて、やはり人員の関係なり、予算の関係でやつているのですが、あなたがたのほうで率直に是正して、そうしてそれによつて実績を挙げて、検査院に対して遺憾であつたと言うならばいいと思う。お詑びを申上げるならいいと思う。まるで口の先だけで誠にすみませんと言いながら、文書表現を見るというと、見付かつてくやしいというみたいなんですよ。見付からないのが多くあればそれでよかつたというふうな状態にしか思われないような節が随分ある。私は二十六、二十七年度の決算報告を見て、そういうふうな点が随分思い当る。だからそういう点について、ここで私は一つ一つ申上げませんが、二十八年度の完了認定に際し返納させる云々と、そういうことがいくつもありますね。こういうのを僕は今まで累年やつて来たと思うのだが、そういうことは全部終つておりますか。八百四十四号にしても、八百四十三号にしても。どの程度今まで国庫に返さしておる。
#36
○説明員(安井正己君) 国庫に還付を命ぜられました金額の還付につきましては、一応翌年度においてこれを支出する場合に差引いて支出するようにしておりまして、実質的には国庫に還付したのと同じような格好にしております。
#37
○岡三郎君 差引いて次回の補助金を交付しておる。二十六年度においてはどのくらいの額に上りますか。今直ぐわからなければよろしい。
#38
○説明員(安井正己君) 昭和二十五年度におきましては、三百九十五万七千円であります。それから二十六年度におきましては六百三十一万七千円。
#39
○岡三郎君 二十七年度は。
#40
○説明員(安井正己君) 二十七年度は今ここに集計できたものを持合しておりません。
#41
○岡三郎君 まあ今二つの数字が出て来て大体倍とは行かんけれども、累増しておるということが大体わかるのだが、これは額は比較的少額だけれども、だんだんと大きくなつておるということが推察できると思うのだが、こういう点について、行政上、先ほど言つたように、都道府県の土木部に任せるとか何とか、不正を防止する方式というものを一つ、次回までにでもよろしうございますから、あなたの方で真剣に立案して、そうして出してもらいたいと思う。参議院のほうは、衆議院のほうと違つて、こういうものを継続しても、これから私たちは二年でも三年でも監視役をしようという気持でいるわけです。決算委員というものはみんな地味で誰もやらないけれども、我我のほうとしては、あなたがたが不注意でやつたことについて、これをここで咎めようとは思わない。ただ事故が累増しているという傾向に対して、どこかで終止符を打たなければ、これはやはり積り積つて、由々しき問題に私はなると思う。あなたは又職が変つて、別のかたがそこにおられる、今あなたをここでどうこう言つても、その上司を、あなたのほうの上役のかたを、ここに招致して問い質さなければならん問題が多くあると思うのだが、問題は事故の防止策をどうするか、そういうふうに今重大なる国政の危機に私はあると思う。これはその中の眇たる一点にしか過ぎんと思うけれどもね。あらゆる日本の政府の会計そのものが、やはり同じ弊を毎年繰返しておる。それが官僚制度ということになるならば、それは国民に対して、我々は、我々自体にもこういうものが是正できんというような力の弱さであつたならば、責任をとらなければならんと思つておる。そういう点であなたがたをきめつけるわけではなくて、こういう問題に対して、運輸省としては、特に災害補助関係、そういつたものが非常に多いので、まあそのほかの部面から比べれば、比較的小さいかもわからないけれども、その部面に対して責任を以て、こういうふうな方式でやれば、事件の防止を相当期待できるのだということは、私は確かにあると思う。又それがないようだつたら、これは無駄に月給を貰つているということになるので、そういう点で、あなたがたの良識を信頼して、そういう不当事故防止に対する確信を持つた一つの意見と言いますか、運輸省としての対策を一つ出して貰いたいと思うのだ。私のほうでこれだけ希望しておきます。
#42
○説明員(安井正己君) 御指摘の点につきましては、我々も部内において非常に憂慮いたしておるわけでありまして、先般来から関係官を以て特別にこういう制度の改善についての、何と言いますか、グループのようなものを作りまして、目下どういうふうに改善すべきであるかということを検討中であります。成るべく早く案を立てまして提出いたしたいと思います。
#43
○岡三郎君 今の報告書と言いますか、一つの対策案というものをできるだけ早く、あなたがたも仕事があると思うので、非常に時間的に御苦労になるという点もあると思いますが、我々としてもこれは責任があるのです。一つできるだけ速かに御提出願いたいと思います。
 それからもう一点は、やはり人と人との問題があると思う。機構が改善されても、人と人との関係というものが、こういうふうな事件発生に重要なポイントをなしているという点が多いわけです。そういう点で綱紀粛正なり、いろいろな観点から今叫ばれておるわけですが、やはりそういつたような部内の統率の点においても欠くるところがあつては、私はやはり機構改革のみにおいては是正できない部面が多いのではないかと思います。これは運輸省全体の問題になるし、日本の政治機構の全体の問題になると思うけれども、そういつた点について極力御留意になつて貰いたいと思う。これは一つの話ですが、農林省なら農林省へ行つてみるというと、午後五時になるというと、外線がものすごく頻繁になるわけです。これは私のほうで調査したのです。つまりよそから御座敷が一ぱいかかつて来るわけです。そのお座敷はどこに関係があるかと言えば、みんな仕事に関係がある。それで、対策として農林省では五時以後の外線はお断りというふうにやつて、いろいろと対策を立てておるけれども、業務が業務でなかなかできないらしいことが多いようなことを聞きましたが、非常にむずかしい問題であるとしても、これに対するやはり方式を立てて行かなければならん。その結果として現行のサラリーマンが少いならば、やはり月給が少いなら、少いということを堂々と要求して行くくらいの態度がなければ、私は日本は改革できんので、そういうふうな観点で一つ具体的に事故防止のために、機構を是正する点があつたら是正すべき点を、対人関係にある綱紀の粛正という二点に亘つて御留意をして頂いて、更に今後における運輸省の決算検査報告が、実績が上ることを私は期待して、ここでやめます。
#44
○山田節男君 この二十六年度の歳入歳出の決算についての会計検査院の報告書があるわけですが、これに対して運輸省はこれに対しての又国会に対する説明をしているわけですが、今問題になつている、例えば港湾の工事、これは災害復旧或いは改修工事、こういう場合についての国庫補助金が非常に経理の不当なものが多い。この点は先ほども運輸省としても会計検査院の指摘に対してこれは認めているわけなんです。そうしてこの二十六年度の運輸省の報告説明書を見ると、この出来高が不足な経費に相当する国庫負担金は、竣工精算検査に際してこれは返納させるということを国会に対してはつきりと確約をしているわけです。二十六年度に一体この総額において、会計検査院が調べたのはこの一部に過ぎないわけです。二十六年度においては地方公共団体が施行する港湾災害復旧に対して国庫負金担を交付したもの、全国で一千七百五十ある。その中で九百五十八カ処を会計検査院が調べたようになつているのでありますが、一体全体においてどのくらい出来高不足によつて国庫負担金を、その不足の分だけ返せと、港湾局として言うべき総額が幾らあるのか。それで今日まで返納さした金額は総体において幾らくらいあるか、これ説明できますか。
#45
○説明員(安井正己君) 只今の点につきましては、できるだけ成功認定をやらなければ、そういうことの精算ができないわけであります。そういうものを途中で発見するには、地盤検査とか、いろいろなことをやらなければならないわけでありまして、我々のほうとしましては、そういうことをやりたいけれども、今の状況では思うようにやれないような事情にあります。従つて私のほうで、今そういうものが幾つあるかという御質問を受けましても、ちよつと現状ではお答えいたしかねるような状況でありまして、検査院から指示されまして還付を命ぜられた金額につきましては、先ほど申上げましたように、昭和二十五年度では三百九十五万七千円、二十六年度では六百三十一万七千円になります。
#46
○山田節男君 これは国会に対して、運輸省はこの竣工精算検定をやつて、その不足分を返納させるということを、はつきり国会に報告しておいて、そうして今聞くと、全体の総額は幾らくらいあるかよくわからん。それから、今ここに会計検査院のほうで指摘された二十六年度の国庫補助金の不当経理として挙げられたものが五十八件ある。この金額の総計が一千二百万円余あるわけですが、その半分の六百万そこそこくらいしかまだ返納さしてない。二十七年度はどうなのですか。
#47
○説明員(安井正己君) 二十七年度は只今資料を持ち合わしておりません。
#48
○山田節男君 あなたは管理課長だから、そのほうの専門のほうでないかも知れないけれども、大体の件数と金額がわかりませんか。
#49
○説明員(安井正己君) 調べればわかるそうでありますから、あとで……。
#50
○山田節男君 先ほどの説明によると、会計検査院が二十六年度の決算で指摘した一千七百五十件のうちで、その約半数、五五%くらいのものを調べても、これだけの不当な支出がしてあるわけですが、而もその半分くらいしかまだ返納さしてない。これは国会に対して運輸省が弁明し、確約したことを実行していない。なぜそれは返納さしていないのか。その原因がわしはわかるだろうと思うのです。
 それから今言つたのは、国会に約束した通り、全体のそういう補助金の不当経理というものは、これは会計検査院から指摘されるまでもない。詳細にこれは調べるべきものだ。なぜそれができないのか。その理由を一つ伺いたい。
#51
○説明員(安井正己君) 指摘されました還付金を還付するほか、なお工事そのものの手直しをさせまして、これの国庫への還付金に代えたものもございます。
#52
○山田節男君 私の今の第一の質問と、第二の質問、もう少し具体的に……。
#53
○説明員(安井正己君) 会計検査院から指摘されました場合も、私のほうとしては、それを国庫に還付さす場合と、それから工事そのものの手直しをさせるような場合とありまして、前者の場合にはそれを以て一応国庫還付に代え、後者の場合にだけ国庫還付を命ずるわけであります。
#54
○山田節男君 そうすると、今のあなたの御答弁によると、出来高不足によるいわゆる国庫負担金の、国庫補助金の不当経理というものは、少くとも会計検査院がその約半分調査して、検査して挙げたうちの五十八件、それ以外には運輸省の港湾局としてはこういう出来高不足によるいわゆる国庫負担金を不当にこれを使つているという事実はほかにないのですか。全体の数を聞いているのです。あなたのほうで調べたなら……。
#55
○説明員(安井正己君) 出来高不足のような問題は、最終的には成功認定のときにわかるわけでありますが、それまでには、最近においてはできるだけそういうものを発見すべく一部成功認定のようなことをやつているのです。現在、最近になつてそれを始めたばかりでありましてれ従つてその結果は今のところまだまとまつておりません。
#56
○山田節男君 そうすると、あれですか。港湾局としては会計検査院で指摘されたような出来高不足経費、これを国庫負担金で結局不当にこれを支出しているということを、運輸省は実際に今それを港湾局として、運輸省として検査しているということは、これは事実ですか。その意味がわからなかつたので……、要するに今あなたとして成功認定がまだできないから、出来高不足のものがあるかどうかということはよくわからんということのようですが、すでにもう二十六年ということになれば、これは大きな工事になれば、継続事業のようなものになると思う、大体二年経てば。成功認定を受ける、従つて精算検定を受けるのは相当あるのじやないかと思う。そうすると、検査院から指摘されたような事項について、全国的に、あなたのほうで、これは職場別に調査して置かなければならん。調査していると言うのですから、そうすれば、大体あなたのほうでそういうことを調べてみて、一体何件あるか。大体先ほど申したように会計検査院で全体千七百五十件の中で、その約半数のものを調べて九百八十五カ所調べて、そのうちから五十八件というものをここに摘出しておるわけです。そうすると今あなたのほうで五十八件のうち六百万円何がしかの還付金はさしておるということを言われるが、これより以外にあるに違いない。検査院で調べたのは実際の事業場の約六割足らずしか調べていない。今あなたのほうで出来高不足の不当経理ということを調べるということになると、もつと件数が多くなりはせんかと思う。そういう点をやつておるのか、やつておるとすれば、その件数は一体どのくらいあるのか。
#57
○説明員(安井正己君) 今成功認定をやつておりますから、そういうものが出て来ておると思います。それが今幾らになるかという計数の集計がまだできておりません。
#58
○山田節男君 それはいつ頃になるか、大体二十六年度のがわかるのは。
#59
○説明員(安井正己君) 三月頃になればわかると思います。
#60
○山田節男君 この二十六年度の検査で会計検査院すらがすでにこの約六割というものを調べて、そうして五十八件というものを国会に報告しておる。本局である運輸省の港湾局が、この二十九年の三月頃になつたらわかるでしようというような、そういうような漫々的なことでは、結局碌なことはしていないということになる。欧米諸国ではそんなことはありませんよ。そんなことをしていたら時効にかかつてしまう。ですから、これは一港湾局にばかり限つたことではないが、そういうようなスロー・モーシヨンー二十六年度の決算を今やつておるというのも、これは非常なスロー・モーシヨンですが、現在の政府がそんなことでは全くどうも何と言うか、けしからんと言うか、これは仕事になつていないわけだ、結局それは人件費がないからできないということになるのですか。結論はどうなんだ。あなたは管理課長として。
#61
○説明員(安井正己君) 結局我々のほうで現在やつておりますのは、ほかの省に比較いたしますと件数は少いのであります。それでも現在過年災及び二十八年災合せますと全部で七千個所くらいあるわけです。それを本当は全部見て廻れば、そういつたような不正事故の発生を中間において発見し、未然にそれを防ぎ、不正なものについてはそれぞれ適当な措置を命ずることができるわけでありますが、何分にも人員及予算の関係等がありまして、現在我々のほうでやつておりますのは二十六年と二十七年を一括して今現に実施しておる最中であります。従つてそれがまとまるのは三月頃になる、こういうことを申上げたわけであります。
#62
○山田節男君 その全国七千個所にわたる事業場に対して運輸省の本局の港湾局、或いは地方の港湾局でも、そういう現場の指導監督に当る、専門に監督検査に当る人員は何名くらいおるかということ、総体で。
#63
○説明員(安井正己君) 主としてそれに従事しておりますのは十一名です。中央においては十一名です。それから建設局の職員は、本来はこれに従事する人ではないのでありますが、必要に応じては応援を求めておることもありますが、従つて専念これに当つておるものは中央において十一名。
#64
○山田節男君 中央の十一名だけで港湾局にはそういう係りがいないのですか、監督検査に当るものは……。
#65
○説明員(安井正己君) 府県及び市町村の災害については関係がございません。
#66
○山田節男君 これは小峰第三局長にお伺いしますが、二十六年度において港湾関係の九百五十八カ所調べられておるということなんですが、これについて何人くらいお使になつておられますか、検査に。
#67
○説明員(小峰保栄君) 今詳細な数を申上げますが、私どものほうは実は十数名にならんのじやないかと思います。運輸省全部一つの課でやつておりまして、補助工事専門にやるということになつていないのであります。運輸検査課の数が全員がたしか二十五人くらいだと思います。それでこれは事務官のほかには雇というようなものも入つておりますが、これで海上保安庁も検査しておりますし、運輸省の、先ほどお話がありましたような直轄工事、こういうようなものまで全部検査に従事しております。補助に何名充てているかということはちよつと人員の計算に相当仮定が入つて来やしないかと思いますが、大体半分にならないのじやないだろうか、こう申上げられると思います。
#68
○山田節男君 運輸省全体で二十五名ですか。
#69
○説明員(小峰保栄君) 延べの検査日抜の調べがございます。延べ五百七十五人ということになります。仮に十人といたしますと平均五十七日ということになると思います。これも二十人という大勢の数にならんことだけは申上げられると思います。
#70
○委員長代理(菊田七平君) 検査院にお聞きしますが、災害復旧国庫負担法と、会計法規との間に十分な関連がなく法律が制定されているので、会計監理の権利義務は明確を欠く点があり、それが不当行為の発生の一大原因となつていると言われるが、その実情を詳細に一つお聞きしたいと思います。
#71
○説明員(小峰保栄君) 只今のお話でございますが、これは国庫負担法、災害復旧の国庫負担法と、それから国庫補助の臨時措置と二本建てになつております。それで運輸省の港湾、それかに建設省の道路河川、それから農林省の漁港、これが今の国庫負担法の適用を受けるわけであります。農林省の農業土木とか耕地災害復旧、こういうものが国庫補助に関する臨時措置法というものの適用を受けるわけでありますが、只今お話のございましたのは国庫負担法の関係、こういうことになるわけであります。と申しますのは国庫補助のものには成功認定というものはないのであります。国庫負担法のほうだけ成功認定の制度があるわけであります。最終の結末というものは、今の国庫負担法によります成功認定、しばしばお話が出ておりますこれが運輸省が今頃二十五年の直接現地調査が終つた、二十六、七年度をおやりになつておる、こういうように非常に最後の締め括りがつくのが遅いのであります。建設省はもつと古いものをやつておるように聞いておつたのでありますが、今頃、二十三年度とか、二十五年度とかいうことをやつておる。会計検査院も随分古いものを扱うのであります。ちよつと時代離れしたことを扱つております。而も私ども検査のとき見つけましたら、翌年度検査報告に載せるわけであります。それは説明書をお読み願いますと、成功認定のときに善処するというのが通り一遍の書き方なのであります。甚だ遺憾であつたが、成功認定のときにそれを適当に減らすなら減らす、こうおつしやるのでありますが、どうも三年も四年も先に金を減らすということを説明書でおつしやつております。会計法規の上では御承知のように支出負担行為制度或いは支出の制度、こういうようなものがあるわけであります。これは一年々々片ずけなければいけないのであります。会計年度は御承知のように独立という建前になつておりますから、一年々々この会計上の整理はやつて行かなければいけない。そして金を払う、或いは支出負担行為上、これは国の会計行為でありますが、今の法律で、支出負担行為担当官は、県の補助の場合には県の吏員、土木部長なり、大体土木部長が支出担当官になりまして、県の出納長が支出官、こういうことになるわけであります。この人たちの会計行為は一年々々片ずけなければいけないわけであります。そうしませんと、決算が纏まりませんから、毎年片ずける。そして検収ということが伴うわけであります。工事をした、金を払う、支出負担行為をする場合、当然とそれの前提になる債務負担なり、工事ができ上つたという検収行為が伴う、書類の上では検収調書というものが立派にできております。検収者の判こがちやんと捺してある。こういうような書類が作つてあります。それによつて、一年々々金の払いをして行くわけであります。支払のほうでは、会計行為の補助金支出の面は、一年々々片ずいて行く、ところがその内容を調べてみますと、いろいろな設計通りできたというようなふうに書類ができておるのに、私ども行つてみると、さつぱりできておらん。手が抜け放題抜いておるという、こんなわけで検査報告に載るわけでありますが、そういうものにつきまして、会計上の処理につきましては、今申上げましたような一年々々片ずく、それから金を仮に過払だということになりまして、返還させるということにりますと、直ちに会計上の行為としては返還させることができるのであります。今の補助行政上の国庫負担法に成功認定というものがございまして、それで現在運輸省でも建設省でも国会にお出しする説明書で、成功認定の際、善処すると、こういうことで逃げておるというと甚だおかしいのでありますが、何年も先に延ばしておられる、こういうことが言えるのであります。それで私どものほうとしては、成功認定なんか待つておりますと、その間に又災害で流されてしまうという事例もあるのでありまして分らなくなる、先ほど政府の説明から、成功認定のときに、如何にもしつかりと検査をなさるような御説明だつたのでありますが、成功認定のときには整理をするというので、現場を一々御覧になるということはないようであります。で、例えば出来高不足、設計通りの出来高ができていなかつたというような次第を成功認定のときに発見されたということは、私実は寡分にして聞いておらんのであります。これは会計検査院が見つけなかつたから、そのまま全額成功認定の対象になるというのが今までの……、運輸省も先ほど来、いろいろおやりになつておるようでありますが、いろいろおやりになつておるから、これからは出るかも知れませんが、今までのところは私余り聞いておりません。例外的には非常な顕著な事実で成功認定のときに控除されるということはあると思います。設計通りの出来高ができていたかどうかというような細かいところまでお入りになつて調べたというようなことは、実は伺つておりません。併し私どものほうとしては、補助行政上の法律上の行為である成功認定の、会計制度上の今の支出なり、支出負担行為の制度、こういうものとの調和ということも大分いろいろ考えた挙句、実は早く検査報告に載せておるのでありますが、これは今の補助行政上の国庫負担法による成功認定までに直せるのだ、こういう立場に立ちまして、そうして成功認定のときに金を返えさせればいいじやないか、こういうような考え方になりますと、検査報告には実は載せられないのであります。それまでは未確定の支出、会計検査院が見付けまして会計検査院が若し見付けなかつたら、運輸省なり、建設省が見付けるかも知れない。いわば未必の故意、未必の条件が入つて来るわけであります。会計検査院としては、決定的な批難ということが実はむずかしくなるわけであります。併し、それは余りに期間が長いじやないかと言つて会計上一年々々区切るのが建前なんだから、むしろ一年々々検査報告に載せて早く国会に報告する、そうして当局のほうで整理も早くしてもらう、こういうような考え方でやつているわけでありまして、国庫負担法という補助行政上の基本法と会計法上の制度に矛盾というものも若干あるわけでありまして、建設省あたりの話を伺いますと、会計検査院に指摘された事項は、成功認定を繰上げるのでありまして、その事件だけにつきまして早くその部分だけひつこ抜いて成功認定を早くする、こういうような方向に行くということも聞いておるのでありまして、成功認定は何も三年も四年も先にやらなければならんというものでもないし、終つたらすぐにやつたほうがいいのでありまして、会計検査院で取り上げましたような問題については、早く成功認定を繰上げてやる、こういうようにしたいというようなことを建設省でも言つておられるのを聞いております。成功認定というものは、誠に時代に合わんと申しますか、妙なものでありますが、これは会計法上の行為ということよりも、むしろ行政法上の行為ということになるのでありまして、これがあるために却つていろいろな確定的なピリオドを打つのが遅れる、こういうようなことがあるというのは、実はあるように思うのであります。
#72
○委員長代理(菊田七平君) 運輸省に伺いますが、右の点に関しまして、当局の見解、それから法令の不備を速かに改正する必要等について御意見を聞きたいと思います。
#73
○説明員(安井正己君) 只今の点は運輸省だけでなくて、建設省、農林省の両方にも共通する問題であります。我々としましては、現在の国庫負担法というものがどういう趣旨で、立法精神がどういうものであるかということは、よくわからないのでありますが、現行法を一応よく読んでみますと、どうも或る程度現在の法規には継続事業的な臭いがあるのではないかというような点も、まあ若干なきにしもあらずなんであります。従つて、それが果してそういうふうな解釈ができるかどうかという点も、これは疑問があるわけでありまして、仮に継続事業費的なものが入るとすれば、その事業の最終段階においてやればいい、こういうことになるわけでありまして、只今検査院の御指摘のありましたような点については、会計法なり国庫負担法の間で何かちぐはぐになつているのじやないかというような点は同感なんでありますが、これをどうやるかということについてはまだはつきりした意見は持ち合せておりません。
#74
○委員長代理(菊田七平君) 御意見がありましたら御発言を願います。
#75
○山田節男君 会計検査院の小峰局長にお伺いいたしますが、私はあなたの読まれたアメリカの会計検査制度というのはまだ拝見しておりませんが、アメリカでは建設事業でも運輸事業でも相当多いわけでありますが、こういつたようなだらしのない不当な国民に損害を与えるようなケースを防止する意味で、何か我々に参考になるような、今会計検査院のほうではでき得ない何か特別な特異なものがありますか。
#76
○説明員(小峰保栄君) 地方団体が補助金に依存しているという程度は、日本が世界中で恐らく例がないほど高率だろうと思うのであります。何でもかんでも国の補助に頼る、こういうような国は私は恐らく世界中にないじやないか。と申しますのは、現在地方財政費というものが、平衡交付金でありますが、これが国庫の支出の中で、たしか二十七年度ではトツプに出ておると思います。第一位であります。それ以外に公共事業費の補助とか、産業経済費関係の補助というようなものは非常に多いのであります。国庫支出一兆円、一兆円といつておりますが、恐らくあの一兆円を分析してみませんが、決算で二十七、八年度を見ますと、三分の一以上は、一般会計歳出の三分の一以上は補助金であろうと思います。二十六年度あたりは二五、六%ぐらいになつております。こういうような国は世界中で私はないと思うのであります。アメリカのお話が出ましたが、アメリカは大体州の平均をいたしますと、これは四、五年前のあれでありますが、地方財政の中で、州財政のトータルの中で、連邦政府からの補助金というのは一四%になつております。日本ではこれが四三%になつておるのであります。日本の府県というのは、二十六年度あたりの決算を全国の府県の集計をいたしまして、そのうち国からもらつた金が幾ら、県税が幾らというのを調べますと、税金が三割四分ぐらい、二十六年度の実績であります。それから国庫からのいろいろな名前で交付金と補助金とか、負担金とか、いろいろな名前で参りますが、その額も国から出ました広い意味の国庫補助金は四三%になつております。これは二十八年度の府県の決算がわかりますと、もつとこれは差が出て来るのではないか、そうして今の県税が三四%、国庫補助が四三%、この数字の中には、東京とか大阪のように平衡交付金なんか一文ももらわないというようなところも入つておるのであります。こういう非常に富裕な府県を除きますと、税金が二割、二〇%、それから国庫補助金が六〇%、こういうようなふうな数字さえ実は出て来るのであります。非常に国庫依存度が高い。アメリカでは今申上げたように、今の日本の平均四三%に相当するものが一四、五%であります。その一四、五%の中を見ますと、一番大きいのがたしか社会保障関係の経費であります。社会保障関係、失業とか、或いは不具者の扶助とか、そういうようなものが一番多い、その次が大体有名な自動車道路、ハイウエーの補助金であります。その次が大体小学校の義務教育の固定設備の補助、義務教育の先生の給料とか、そういうような消費的な経費に対する補助は一文もありません。たしか一文もなかつたはずです。大部分が州負担です。連邦政府、国から補助するのは今の固定設備、投下資本的なものに対する補助、この三つで、社会保障的なもの、道路に対する、自動車道路に対する補助、それから今の学校の固定施設に対する補助、そういうようなものが今の一四%の大部分を占めておる。そうしてこれの経理というものは、私はよく存じませんが、まあアメリカのように、納税と税金の行方というようなことは非常に神経過敏なくらいやかましい国でありますから、こういうものは率としては小さい、比較的日本に比べて小さうございますが、決して疎かにしていないわけであります。
 それから会計検査院ですが、これは特定の主として農業関係の補給金でありますが、こういうようなものに対しての検査は非常に厳重でありますが、それ以外の補助というものに対しては余り厳重な検査はやつていないように聞いております。勿論問題も起きないだろうと思います。特にこの土木関係の補助は、今の自動車道路の補助金が大部分であります。あれは御承知のように東西の両洋の連絡、東側と西側の連絡というものが主たるものであります。州としてはあんな立派な自動車道路は要らない、自分で作れと言つてもどうしても作れない。どうしても誘い水のようなものを出しませんと、州では作つて頂けない。こういうような関係で、僅かばかりの補助金を出しておるようであります。日本のように、六割五分、或いは物によつては九割、全額国庫負担、こんなものはアメリカには例はございませんが、世界中に恐らくないじやないか。日本独自でこういうようなものの処理、経理的な措置というようなものは、日本人だけでこれは考えないと、ほかのお手本を持つて来ることはできないのじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。
#77
○山田節男君 英国の場合は、この国の予算を見ますと、公共土木事業、公共事業と言いますか、公共土木事業、パブリツク・ワークという予算の項目が相当な金額を占めておるわけです。それからこれは日本にはそういうものがないかも知れませんが、やはり公共土木事業費というものが連邦の政府の予算の中にはあるだろうと思います。そういつたような非常に国庫の多額な金を使うという、各国もこれはやつておるのですから、こういう公共土木事業に対する金というもの、所管省の検査、それから会計検査院の検査というものは、これは欧米諸国ではもつと日本より厳重であろうし、率から言えば、今あなたがおつしやつたように、日本に比べれば非常に低いのであります。しかしとにかくアメリカでは連邦政府から州の政府に国家の補助金を出す。これはヨーロツパ諸国もそうだろうと思うのですが、殊に公共土木事業、建設事業、これは住宅ということも含まれるかも知れませんが、とにかくそういうものに対する特別の何と言いますか、現場の、距離から言えば遠い所でもやつておる、近いところでもやつておる。交通不便なところでもやつておる。いろいろ職場の性質があるわけですが、こういうものに対して、例えば人件費それから交通費、こういつたようなものは少くともこういう会計検査的なもの、或いは各省においてもこういつたような工事現場の検査監督となれば、相当交通費なんかを多額に使うのじやないかと思うのですが、これはアメリカ、或いはヨーロッパのどの国でもそうでしようが、こういう各省、或いは会計検査院というものの検査をするというものの権利を与えておる者に対しては、相当な交通費なり、人件費、人件費と言つても例えば給料の点相当普通よりかむしろ優遇して、収賄だとかというようなことにも誘惑を受けないというような、そういうような、何と言いますか、私は制度があるのじやないかと思うのですが、そういうことはどうですか、ありませんか。
#78
○説明員(小峰保栄君) 先ほど私申上げましたのは、日本の県に相当する州に対する連邦政府の補助というものを申上げたのでありますが、連邦政府が直接にやつておる公共土木事業というものは非常に多いのであります。有名なのがテネシー・ヴアレー・オーソリテイ・T・V・Aというものがありまして、アメリカなんかは特に公共企業体を設立いたしましてやつております。それからミシシツピー河の災害防除というものは、これは相当大規模にやつておりますが、これは陸軍が主体になつてやつております。工兵隊であります。それから住宅の話が出ましたが、住宅もたしかこれはコーポレーシヨン、公共企業体を作りましてやつていたと承知しております。そういうふうに大体国の直轄事業というようなのはいろいろな形態でやるようでありますが、これは相当大規模にやつておるようであります。主として今のあれでは公共企業体的なものでやるのが多いようでございますが、公共企業体に対する検査というものは、これはアメリカでは別扱いしております。一般の官庁というものと別扱いでありまして、アメリカの国の会計経理というものは民間と余り違わないのでありまして、日本ではこれは別の発達をしまして、例えば民間では複式簿記をやつておる。貸借対照表を使つておる。が、官庁の経理は御承知のように大福帳の進化した単式簿記でありますが、ずつとやつております。全然別の発達を遂げちやつたわけですが、殊にアメリカにおいてはその間の差がないようであります。そして公共企業体に対する検査というものは、大体向うではまあしつかりした制度がある。公認会計士というものを中心に……、会計検査院でそういう人を雇いまして、局長も公認会計士の資格者が当つております。そういう人が公共企業体の検査をやつておる。民間企業と同じような原則によつて同じことをやる公認会計士が当つておる。こういうふうなやり方です。それから官庁で直接やつておりますものに対する実地調査……。それから今の公認会計士職員は非常に待遇がいいのであります。一般の純粋の官庁検査に当つているものよりも遙かに待遇はいいのであります。局長あたりはこれはいろいろありまするが、実際に検査に当る人というのは高給者だけしかおらんのであります。人数が非常に少いのでありますが、ぞろつと高給者を揃えている。これはほかの国へ行きますと、課長とか課長補佐になるような人が大部分、こういうようなことになつております。
 それから先ほど現場の調査や検査に出るものに対する特別の扱い、こういうようなお話でございましたが、これもアメリカでは別扱いにいたしております。大体この書面検査というものと実地調査というものは截然と分けまして、書面検査をやるものは実地調査には出ない。実地調査をやるものは書面検査をやらないで専門にそれをやる。実地調査ばかりやつている。事務所に参りますと、実地調査だけをやつている部というと非常に小さい事務室しか持つていないのであります。十人、人がおりますと机が五つぐらいしかない。あとロツカーだけは十人分ありますが、のべつロツカーが空いている。のべつ地方に行つている。こういうのは高給者だけ。余り低いものは勿論やらない。クラスの高いものばかりであります。人数は少いが、少数精鋭ということでやつている。それから旅費などもアメリカとしては珍らしいのですが、定額で前払い、大体一月幾らということを定額できめまして、これをあらかじめ渡しているというようなことをやつております。日本のようにあとで清算するということはやりませんで、定額できめて旅費を前渡し、あとで一応形式的には清算しますが、こういう面で割合に自由な行動ができます。割合いと地位の高い人を集めているということと、従つて給与がいい、それと今の旅費の前払いというものを定額で渡しておきますから、自由に飛廻れる、こういうことになります。
 書面検査と実地調査とは截然と分けておる。法律上の効果も違います。書面検査によつてつかまえた違反事項、法律違反というものが中心になりますが、弁償の対象にならない。実地調査で見つけたのは弁償の対象になると思います、違法事項は……。そうでない不適当な事項というものは国会に対して冗費節約の報告書というものを毎回出しております。冗費とか無駄使いの節約ということに相当なる重点を置いております。全然書面検査を中心とする一般検査とは違つた方向に行つているわけであります。
 日本は御承知のように、これが分業と申しますか、こういうことを分けることが昔から非常にむずかしいのでありまして書面検査の補充的な意味で実地検査を昔からやつているわけであります。それが実際はいろいろな問題を見つけるのは書面検査よりも補充的であるはずの、本来従であるはずの実地検査のほうか実際見つける。それか実際の状況であります。日本をアメリカのあれで律するのはちよつとむずかしいと思うのであります。アメリカなんかでは今申上げました通り、分業というようなことをやつているようであります。
#79
○委員長代理(菊田七平君) 建設省が来ておりますから、建設省に対して、只今の点に対する当局の見解と、法規改正のことについて御意見をお聞きしたいと思います。運輸省はまだ終つたわけじやありませんが、建設省がおりますから。
#80
○説明員(浅村廉君) 建設省の災害復旧は公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法という法律に基いて実施いたしておるものであります。いろいろこれにつきましては、前回事務の扱い方を、相当詳細に私の知つている限りを申上げたわけでございますが、この法規に対して何か改正等の必要があるのではないかという御質問に対しまして、若干私の考えておる点をお答え申上げたいと思います。
 実はこの災害復旧の法規は、相当に沿革がございまして、従来から数次に亘つて改正を受けて参つたものでございます。いろいろな時代を経て、いろいろな利害得失が、その長所短所が発揮されておつたわけでありますが、現在の形でまあ実施しております場合に、実施しますについて、只今お話が出て参りました成功認定という制度が非常に一つの隘路のような形として浮び上つておるわけであります。この制度は何も最近に起つたわけじやなく、以前からこの法規にあつたわけでございますが、実は私どもも只今仕事をやつておりまして、この成功認定というものに非常に苦しんでおるわけであります。これは率直に申上げまして非常に苦しんでおります。と申しますのは、私どもの扱いますものは件数にいたしますと非常に大きな件数でございまして、ざつと申上げますと、いわゆる二十七年以前の過年度災害と称されておりますものが約十万件ございます。現在残つておりますものがなお十万件数もございます。それから二十八年に発生いたしました災害はやはり七、八万になると思いますが、相当件数がございます。これは過年度災害というものがあるということ自体が、非常にこれは問題だと思います。災害というものを早く復旧して効果を発揮しなければ、非常に意味が薄くなるのでありまして、恐らく法規ができましたときは、現在のごとくで、五六年かかつてなお残事業があるといつたようなことは夢想もしておられなかつたろうと思うのでありますが、実情は財政等の問題もございまして、誠に遺憾な状態になつておるわけであります。仮に普通の事業のように簡単にこれが参りまして、理想通り一年、翌年の出水期までには、とにかく完了するという短年度の復旧工事ということが、理想的に実現しますならば、成功認定といつたようなものも何ら不思議もなく実施されるものであり、又これは当然実施しなければ会計法上のいろいろな点とも結付かなくなるのでありますが、数年に亘つて復旧事業が実施されるというような困難な実情でございますので、むしろ成功認定という制度と、それからいわゆる予算が短年度予算で、毎年度、毎年度一応はつきりして参らなければならんという点とがちよつと食い違つて来ているのじやないかというふうに思われるのであります。のみならず非常に法規が再三変りまして、例えば二十五年度に実施しました災害復旧事業は、二十五年の災害であろうと、二十四年の災害であろうと、二十三年の災害であろうと、全部全額国庫負担というような制度が一時ございました。それからその後には原形復旧は三分の二であるが、原形を越えて超過の分は二分の一の、つまり普通の改良事業と同率の比率で金を負担する、一つの復旧事業の率を、いわゆる厳密な意味の復旧と、それから改良的な復旧と二つに分けまして率を変えたという時期もあります。それから現在のような超過工事というものも機能復旧の意味で一応災害復旧という範囲に入れることができ、又率もすべてが災害復旧の率、いわゆる標準税収入との比較をとりましたスライド制の法律が、すべてに適用になるといつたような現行法、かようにいろいろ分かれておりますので、成功認定と簡単に申しましても、古いものをとにかく認定するということは技術的に非常にむずかしい、そういうことが一つは事務が遅れている原因になつているのではないかと思います。建設省で残つておりますのは、もう恥しいことでありますが、相当古く二十五年頃から残つております。これについて私はこのままにしておいていいとは決して思つておりませんので、何か制度にこれは無理があるのではないかということは、私自身として非常に感じておるわけであります。現に会計検査院で御指摘を受けまして、或る段階において工事を御覧願つて批難事項が出るということは、すでにその際に一つの認定があつたということと同じことではないか。なお成功認定を待つて善処するというようなことはたびたびお叱りを受けますが、誠におかしな言い方ではないかということも私自身も感じておるわけであります。ただ現在の法の建前から申しますと、どうも法に最も忠実に措置するならば、やはり成功認定というものをやつて、そしてその際に返すものは返す、手直しをさせるものははつきり何するというように、成功認定によつて事を解決しなければならないような制度になつておりますので、どうしてもそういうふうなお答えをいたし、又そういうことにしなければならないようなことに表て向きはなつておるわけであります。ただ成功認定を急いでいるということは事実であります。非常に急いでやる気構えでありますが、御承知のように非常に手不足でありますので、災害の査定自体にすら非常に難渋を来している現在では、この問題も非常に苦しい破目に陥つているわけであります。幸いまあ前回もちよつと申上げましたが、定員のほうで非常に御同情を頂きまして、約八名来年度予算から増加になりましたので、この人間を一つ検査の関係に相当充当いたしまして、従来一たび災害が起れば、一つの課を挙げて、これをからにしてまで出かけるといつたような恰好の悪いことをやめて、検査的なこういうふうな跡始末、中間検査とか、成功認定というような仕事には落ちついて従事する人間を作つておいて、そうして効果を上げて参りたいというふうに考えております。制度としましてこの成功認定をどう改めるか、現存しておくか、或いは今後ほかの法律のように、こういう制度はおかないで、会計法等をもう少しぴつたり合つたものにして行くかどうかということは、いろいろ研究はしております。これは相当に研究を今進めておりますが、私一存ではちよつとどうするということはお答えいたし兼ねるわけでございます。ただもう一つ申上げておきますのは、検査院で御指摘を受けまして、そうして還付を命ずべきであるというような件は、例えば二十五年等のものにつきましては、本当は成功認定が済まなければ還せない建前でありますけれども、明らかにもう還付を命じなければならんというようなものは、現に還付命令を出しまして還付させたものもたくさんございます。これは件数等についてはちよつと今資料を持つておりませんが、さようなことが或いは違法とまで行かなくても、少し法規から行くとどうかと思われる節もありますけれども、やはり解釈上明らかなものを成功認定が遅れているからと言つて放つておくことはできないというように考えて、さようなこともやらしているわけでございます。まあその他制度的意見としてはいろいろ内部にも出ておりますが、これは建設省だけで処理もいたしかねまして、やはり農林省、運輸省一緒にこの法律を運用いたしておりますので、各省ともいろいろ御相談をいたしまして、だんだんと結論を得て参りたいというふうに考えております。
#81
○説明員(小峰保栄君) ちよつと補足説明をさせて頂きます。先はど山田委員から検査院の運輸の課の検査人員はどうか、こういうお話でございます。延べ日数だけ申上げましたが、実員がわかりましたのでちよつと御参考に申上げます。運輸検査課では課長以下十二名、これは先ほど申しましたように海上保安庁なんかもやつておりますし、それから港湾建設局直轄事業も検査いたしておりますので、若干の入れ繰りはありますが、主として補助に当りましたものは十二名であります。それから御参考に他の局のほうもわかりましたから申上げますが、建設はこれは補助専門の課がございまして、これは全員が補助の検査に当つているのでございますが、課長以下事務官が二十五名であります。それから農林でありますが、これは直轄工事とかほかにいろいろな補助以外のものを含んでおりますので、正確な数はあれですが、大体二十八名という数でやつております。運輸が十二名、建設が二十五名、農林が二十八名、これは実際に実施検査に出る人間の数でございます。
#82
○山田節男君 今の建設省の防災課長の話に関連してですが、ソ連それから中共、こういつたような共産主義国家は相当建設事業を大仕掛にやり、而も事業所の数が相当数あるのではないか、少なくともソ連とか、或いは中共の建設事業、まあ公共土木事業、こういうようなものは日本の現行制度に比べてどういうような違いがあるか、それから非常に能率のあるやり方をしているのじやないかという、我々がまあ外部から見ての想像なんですが、そういう点、特に建設省としてこの公共土木事業、この建設、そしてこの経理という面に対して何か研究されたことがありますか。
#83
○説明員(浅村廉君) 実は私余り外国のことをそう細かく詳しく研究したことはございませんので、内部にはいろいろそういうことを研究しておる者もございますけれども、ちよつと今ここで何とも申上げかねるわけでございます。まあ自分の所管いたしております仕事を中心に平素いろいろ考えまして、何かもう少し科学的に、もう少し能率的にやる方法はないものだろうかということは、当面自分自身の所管しておる問題について、いつも考えておるのでありますが、只今私がいろいろ自分で考えて、ぐるぐる廻りをした結果、やはり例えば査定につきましては実地に査定をするとかいうようなことにしなければ、やはり日本的な土木工事のあり方というものをいろいろ考えますと、それより止むを得ないのじやないか、つまり非常に科学的に机上の査定でも行なつて、もつとはつきりした能率の上る行き方というようなものは、やはりなかなか考えられないのではないか、少し無理をしましても人員を増し、或いは予算等をいろいろ大蔵省等にも考えてもらいまして、そして査定の面であれば実地に実際査定をする、それから検査等も実施について十分に検査を行うという以外には、やはり現在査定に関しては方法がないのではないかというふうなことも考えてみたりしておるのでございます。
#84
○山田節男君 これはまあ共産主義諸国の建設上に関しての調査研究がないということでありますが、これでまあ質問はこれ以上できないわけですが、極く抽象的に言つて、日本は吉田政府かこれは五カ年間に亘つてやつておるんですが、これは私は決して政治的な問題で言うのじやないが、今の吉田政府のやつておるような自由主義経済、これは個人主義、資本主義というような政治イデオロギーで今日まで成立しておるわけです。で、それに今日のような造船の汚職だとか或いは保全経済会の問題だとか、国会議員自体がすでにもう利権屋というような代名詞になるようなことになつて、これはやはり一つの、何と言つても吉田政府の政治的イデオロギー、自由主義経済、それから個人主義、それから極めて十九世紀的な原始的な資本主義というものを、今日ここにやつておるところに、いわゆる道義の頽廃があると思う。で、こういつたような建設事業というものは、そういつたような資本主義制度の下ではできない。例えば住宅問題の解決にしても、土地の問題、資材の問題、これはもうできつこないんです、自由主義経済では……。殊に日本のような貧弱な財政ではできつこない。イギリスは労働党の政府が一九四五年以来丸五年間とつてあれだけの住宅建設で非常な成果を挙げておる。それから共産主義諸国家には、ソ連、中共、これは我々の見る限りにおいても、殊に最近は中共における建設事業の偉大な成果というものは、これは我々は何としても否定することはできない。我々の想像に絶する莫大な労力と、莫大な資材とを使つて、莫大な国家資金を注ぎ込んでやつておるわけです。政治イデオロギーというものが、やはり建設省において実際にやつておられる中においては、一つのやはりジレンマに陥ることがあるのじやないかと思うんですね。別に何もあなたの政治イデオロギーの調査をしておるわけではないのだが、実際こうして事務をやつておられて、今のようなやり方で本当に良心的な、一文の金も効果的に使うということが、これはできないのじやないか、諸君たちは非常な善良な公務員であるけれども、国会を初め所管大臣、次官、局長、部長、課長というものは、今日の思想から言えば、道徳観念から行けば、思い切つて建設の計画を立てたりすることはできないのじやないか。で、これは私率直に、これは一課長であるあなたにそんなことを聞いて、思想テストをやるわけではないが、現在のような制度で良心的にやろうと思つてもできない。迅速に効果的に、公平に能率的にやろうと思つてもできないというような、そういうジレンマは、あなたばかりではない、これは建設省ばかりじやないんですが、殊に建設省の諸君がそういうようなジレンマを感ずるようなことはないですか。私は一つの、建設省の、そういう今あなたの扱つておる仕事に対して少くとも今日のような制度においてマンネリズムに陥り、一つの精神的に言えばジレンマに陥る。こういうようなことは、これは私は何も速記に残してどうのこうのというわけではありませんが、浅村君或いは他の良心的な同僚がそういうような気持はないですか、率直に言つてですね。何もこれは私は吉田政府を攻撃するとか、そういうけちな考えではなしに極く抽象的に言つてですね。
#85
○説明員(浅村廉君) 御質問の趣旨に副うかどうかわかりませんが、私どもとしましては、別にジレンマとかいう問題は考えたことはございません。とにかく法規に最も忠実に仕事をやるべきであるというふうにいつも考えてやつております。まあ災害復旧等についてまだまだそうむずかしいことでなくて、実際に事務的に考えまして、もう少ししつかり締めて行つて改良さるべき面が相当あるんじやないか、こういうふうに考えて、そういう意味で非常に平素心配をしたり研究をしたりしておるわけであります。これ以上のことは別に私も平素考えたこともございませんので、悪しからず御了承願いたいと思います。
#86
○山田節男君 私はあなたの思想テストをしているんではないけれども、我々が知つておる範囲でも、例えば代議士或いは県会議員、市町村議員というものが、この建設事業、土木事業というものを、非常に彼らの、例えば選挙の投票を集める、或いは利権のために使う、これは私らが知つておる範囲でも相当の数に上る。これはことごとく我々の知つておるのは建設省関係のものがそこに活用されているわけですね。こういう事態を見ると、これが日本の実情で、中央政治の堕落しておる現状です。そのために一体どれくらいの浪費があるか、まあこの検査院で列挙されておる各省の検査報告を見ても、これを一々拾い上げれば相当なその裏には政治的な、何というか、日本の今日の政治道徳の頽廃しておる例がたくさんあると思う。そういうようなものが今日の、殊にあなたの所管しておる建設省の所管工事、而も国から補助金をもらつておるこういうようなものに、これは私は相当あるんじやないかと思う。若しそういうことがなけれど、少くともこれだけの金の浪費がなければ、今のような予算を執行する限りインチキもなくなつて来る、ということになれば、これは私は全体から言えば、非常に金が節約されるというように私は感ずるんです。あなたたちは多年公務員をやつておつて、そういうことに神経が麻痺してしまつて、不感症になつてしまつて、そういうことに対してこれは当り前のことだと、こういうふうに考えておるんじやないかと思う。今あなたの答弁は非常に慎重に、非常に注意深くしておられるが、これは速記がついておるから無理もないと思うが、殊に諸君のような若い男は正義の感に燃えていなくてはならんわけで、マンネリズムも知らない。ジレンマも知らん。又良心的に見て何ともありませんというようなことでは、今日の建設省の少くとも中堅的な課長ぐらいになつて将来延びる人が、何らこれに対して感じないというのでは淋しい。これはあなたの立場として、国会の批判なり、そういうような議員の批判になるから明確な解答をされないのは当然だと思う。とにかく私は、これは意見になりますが、そういう点を見て、政治イデオロギーとして、我々は共産主義をとらないけれども、私も中共の一部を見て来たわけですが、とにかく建設事業が非常に活撥である。政治が潔白である。国民全体が非常に社会奉仕、国家奉仕という希望に燃えておるというところに、あの貧弱な資材を持ち、貧弱な技術を持つておりながら、人間の力というものを極度に利用して、あれほど偉大な建設事業をやつているわけです。極めてきれいな、極めて偉大な建設事業をどんどんやつているわけです。隣ではそういうことをやつている。日本ではこういうスキヤンダルだらけだ。こういうようなことでは、私はこれはもう日本が数年を出でずして中共と非常な差ができて来るのではないかということをひそかに憂えておる。これは少くとも各省の課長級ぐらいの中堅の者は、大いに中共或いはソ連等の建設事業に関する詳細な研究をされて、これは国会を教育するのもいいし、又建設省関係のものに対して少くとも一つの頭の入替えというか、慣習をやり直すということに努力すべきものではないかと思う。これは次官なり大臣に又時を見て聞いて見たいと思いますが、希望として検査院から、毎回々々こういつたようなだらしないことをされて、ただここへ来てお詑びをするというようなことでは、少くとも公務員として良心的に考えれば、これはできるべきことではない。この点は一つ建設事業に関しては、そういうような新らしい政治イデオロギーで非常な偉大な建設事業をしておるところの国々に対して十分研究されて、建設省だけではない。これは国会に対しても何かの資料を一つ出してもらう。これはあなたのほうから上司のほうへ、機会があつたら一つそういうことを意見を述べて実現して頂きたい。
#87
○奥むめお君 先ほど会計検査院のほうから、建設省では検査院から指摘された事項に対しては成功認定を早くするというようなお話がありましたけれども、いつ頃からそういうことをお始めになつて、その結果はどうでございますか。
#88
○説明員(浅村廉君) 検査院の小峰局長がおつしやいましたように、検査院のほうから御指摘のありましたものについては、こちらの予定の成功認定を行なつて、その上で措置するというようなことでは、非常に時間がかかりますので、いろいろ計画等をやりくりしまして、御指摘のあつたものはとにかく早くけりをつけたいということで、制度に成功認定というのがあります以上は、頭から無視することはできないというわけで、成功認定の仕事を早めて、そうして不当な事項は是正をするということをやつております。これはいつからやつたというはつきりしたことはございませんが、最近のように非常に批難事項が多うございますので、すでにさようなことは実施いたしておるわけです。
#89
○奥むめお君 あなたのほうはずい分批難事項が多いのですが、全体的に見ますと、それはすべてに亘つてする予定を立てて進めていらつしやるの。
#90
○説明員(浅村廉君) 成功認定というのは、仕事が全部済みませんと、成功認定ができないのでございます。例えば一つの復旧工事が現在は五年かかつてやつとできるというようなものがたくさんあるので、そういうものは本当を言えば、五年経たなければ成功認定ができないというわけですが、その間にいろいろお調べになつて不当なことがあるということになれば、できる場合にはその間の中間検査で以て、そのようなものも処理をするということも現在実施いたしております。
#91
○奥むめお君 それが批難されたらすぐその問題に跳び出して行つてするという非常に応急的というか、一つ一つに全部に行き亘るようにしていらつしやるのかどうか。
#92
○説明員(浅村廉君) 会計検査院からいろいろ指摘を受けまして、それでこちらに御連絡を頂くわけです。そうしますと、私どもでは実際に現地に査定に歩いている人間がおりますから、誰が査定したのかということを調べまして、その人間の意見を聞いたり、或いは検査院にお伺いして、どういうふうな状況であつたかということをなおお伺いして、要するに両方でいろいろ意見を交換するわけです。それで私のほうの言い分が正しいと認めて頂ければ、その際に或る程度それではそういう意見もあるから認めてやろうというようなこともたまにはあるわけです。併し検査院が見ておいでになるものは、先ずくその通りでありまして、私どもでは、そういうことについては、御相談が済み次第、結局現地にも出掛けまして、そうして一々それについてでき得る限り処置をつけておるわけです。ただなかなか時間がかかりますものですから、検査院で御指摘になりましてすぐ一月あとにけりがつくというわけにはちよつと行かないので、遅れておることはちよつと申訳ないと思いますが、私どもとしてはできる限りのスピードで処理を進めております。なお、検査院で御指摘願うのを待つてばかりおれませんので、私どもとしては、別に建設省に監察官というのがありまして、これはやはり災害復旧工事を最近は専門に見て歩いております。それで監察官のほうからむしろ自分の手でもつて、建設省がこれはおかしいじやないかというものを拾い出しまして、そういうことを改めさせたこともたくさんございます。そんなようなことにいたしまして、だんだんいい形のものに持つて行こうというふうに努力をしておるわけです。
#93
○奥むめお君 小峰局長に伺いますが、その監察官というようなものは各省に常置されておるものでございますか。
#94
○説明員(小峰保栄君) 監察官制度は、これは御承知と思いますが、実は省によつては終戦前から置いてあるところもございますが、実は余り活躍をしていなかつた。行政整理なんかございますと真先に槍玉に上る、こういうものだつたのでございます。殆んど有名無実というのが多かつたのでございます。それさえないところが多かつたのでございますが、終戦後不当経理というようなものが目立つて参りまして、それで会計検査院も強化されたわけでありますが、同時に内部監察制度もやらなければいけないというような声が大分高くなつて参りまして、それで建設省の現在の監察官は、補助について相当に活躍しておるわけです。これはこの間もちよつと申上げましたが、直轄工事の経理は非常に乱れまして、私どもも一生懸命直す方向に進んだのでありますが、内部でもこれではいかんというので、それを契機として監察官制度ができたわけです。その後いい按配に直轄経理の紊乱は非常にきれいになりまして、現在ではその面に重点をおいて監察する必要はなくなつたのであります。補助が御覧の通りの状態で、相当に成果を挙げておいでになりますし、私も検査に参りますときに、監察官がすでに見つけておつて直していれば、私ども改めて文句を言う必要はない、こういうことになるわけです。ほかの省では国税庁が成果を挙げおります。査察とかいろいろな名前がありますが、結局内部監察であるわけです。それから郵政省がいいと言われておりまして、郵政省の流れを汲む電通省も、従つていいわけです。ほかは余り、制度としておいてあるところはございますが……。それから農林省では林野庁が相当に成果を挙げておられます。あとは内部監察制度というのをおいてあるところはございますが、そうきわだつた成果を挙げているところは、今の申上げた以外では少いのではないか。私どもといたしましては、内部監察を強化して頂きますと、私どものほうも御覧の通り、補助は一〇%とかそこらしか見られないわけで、総合検査はそう細かく行き亘らないので、内部監察というものをしつかりやつて頂きますと、私どものほうの外部監察の効果も自然と上つて行くということになるわけで、私個人といたしましては、これは会計検査院のまとまつた意見とは申上げかねるかも知れませんが、私個人としては、是非内部監察制度を強化して頂きたい。そうすれば、従つて私どものほうの検査の成果も上つて行く、こういうように考えている次第であります。
#95
○奥むめお君 私どもそういうようなことを今更問題にすることではないので、事業の監督官庁として、その省が始めから終りまで厳重な監督と指導をするのが建前であると思うのです。ですから先ほど山田委員もおつしやいましたけれども、例えば工事の机上査定で間違いが起つて、そして批難されるようになつた、こういうものの中には、不作為の間違いというものもあろうかと思いますけれども、大体この会計検査院報告の批難事項に目を通して見ますと、大部分は見つからんように、悪いことをしようとしてした作為で、この批難事項は私は占められていると思うのです。ですから、こういうようなことは、その責任は事業をやつております人、その省で、しよつ中監督指導を怠たらなかつたならば、防がれるものが十分私はあると思うのでございます。昭和二十九年度の会計検査院の予算を見ましても、私から見まして、基準年度に比較して百三十四倍にしかなつていないのですね。会計検査院の予算がですね。そうすると、国全体の予算というものは、もう七百倍にも九百倍にも、一兆円ということにもなつている。そうしますと、これは私、いろいろ自分で検討してみて、やはりこれは内部検査といいますか、自己批判、監督指導というものが十分に行われるように、これは指導しなければ、会計検査院が指摘しなければそれを問題に取上げないというようなことが、いつまでも続くということは、やはり非常に政治の不明朗さをもたらすものですから、そういう点で、会計検査院にも、私どもは十分しつかりやつてもらわなくちや困ると言いたいけれども、併し本当に各省で、そういう責任を十分とつて行くということが、一番必要なことだと思うのですね。殊にこの頃のように、世の中の議論がもうそれに終始しているくらいになつておりますようなときには、決算委員が一番自分の責任を感じているわけなんですね。運輸省と言わず、建設省と言わず、そういう意味で検査官が足りないなんていうことじやなしに、外からの誘惑もあるだろうし、中からの間違いもあるだろうし、そういう不正の発生の余地のないように、十分な計画というものを、私は是非この際に、特にこの際に私は御一緒に研究して行きたいという気持を非常に持つているわけです。ですから運輸省のかたにも、建設省のかたにも、そういう点で、この小委員会で忌憚なく御意見を、御経験も話してもらつて、そうして善後策を立てて、又あなたがたに実行してもらいたいということを、私、切望してやまないのでございます。
#96
○委員長代理(菊田七平君) それでは今日はこの程度で散会いたします。
   午後三時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト