くにさくロゴ
1953/03/12 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第7号
姉妹サイト
 
1953/03/12 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第7号

#1
第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第7号
昭和二十九年三月十二日(金曜日)
   午後一時三十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     谷口弥三郎君
   委員
           植竹 春彦君
           飯島連次郎君
           岡  三郎君
           東   隆君
           山田 節男君
           菊田 七平君
           平林 太一君
  政府委員
   文部大臣官房会
   計課長     内藤誉三郎君
   文部省管理局長 近藤 直人君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   会計検査院事務
   総局検査第二局
   長       上村 照昌君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
 (補助金関係批難事項に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(谷口弥三郎君) 只今から第九回小委員会を開催いたします。
 本日は文部省所管補助金関係事項四百六十一号から四百六十四号までと、文部省関係の補助金につき、その不当事実発生原因と防止対策について検討を進めたいと思います。これらにつきまして、先ず専門員から問題の所在点について説明を願います。
#3
○専門員(森荘三郎君) 直接に議題となつておりまするものは、二十六年度の決算検査報告四百六十一号乃至四百六十四号でございますが、これらの内容は当該年度内に完成することを条件として補助金を交付するものであるのに、年度を越えた四月に至り、まだ事業主体である地方公共団体が年度内に工事に着手さえしていなかつたものに全額の補助金を交付したと言つてこの四件が上げられているのであります。これにつきまして当局からの説明書のほうには、すべてこれらの地方において、地方の財政の逼迫ということが主な原因であつたが、補助金をやらないとすれば、ますますその仕事が遅くなるので、補助金をやつてそれで以て地方の事業の促進をさせようというような含みもあつて、このようなことになつたのだが、規則から言えば、誠に適当でなかつたということが弁明されているのであります。
 附加えて申上げますが、その中の四百六十一号の群馬県のものにつきましては、説明書のほうに多少は基礎工事をやつておつたというふうに説明してございますが、その後当局においてよく調査をして見た結果、これはやはり誤りであつた。若干整地を実施した程度のことであつたことが明らかになりましたので、全く検査院の御指摘の通りでありまするから、この説明書はどうぞ御訂正をお願いいたしたいということが申出られてございます。それで二十六年度だけを見ますると、今申しましたようなわけで、もう事柄はわかり切つたことのようでありまするが、文部省関係につきましては、昨年の夏いろいろな法律が新らたに制定されましたので、今後はその法律に従つて運用されて行くことになりまするので、それらの点を併せて御審議を願いますれば、今までどういうわけでどこに欠点があつたか、又今後の運用についてどんなところを気をつけなければならないかということもよくわかるだろうと思いまするので、それで別紙にガリ版刷で赤鉛筆で3という番号を打つておきましたが、それを中心にいたしまして、前後の事情を御説明申上げたいと思うのでございます。
 先ず補助金関係の、文部省関係の法令を見ますると、第一に公立学校施設費国庫負担法というのが、昨年の八月にできまして、これに対する施行令が同じく十二月にできて、それから危険校舎、大変古くなつてもう風でも吹けば倒れそうなというような危険校舎改築促進臨時措置法というのが同じときにできております。又昨年の六月乃至九月には風水害などがひどかつたものでありまするから、それに対する特別措置法が同じときにできているのでございます。こういうふうのものが現在あるということを申上げておきます。
 その次に公立学校の整備又は災害の復旧整備と申しまするのは六・三制なぞの施行を急ぐものでありまするから、校舎が足りない。それを建てなければならない。なおほかに、災害の復旧という問題もあります。それらに関しては従来は地方財政法の第十条などに、これらの費用については国と地方公共団体とがその費用を分担すべきものだというような規定がありまするので、ただそれの規定に基いて文部省の予算に相当な金額が計上されており、それに従つて補助金といいますか、負担金といいますか、それが支出されておつたのでありまするが、別段法律の根拠があつて、手続などが厳格に定められておつたというわけではなかつたのであります。わかりやすく申せば、もう普通の従来のあり来たりの事務を常識判断で適当に処理をされておつたと、こう申しても悪くないかと思われるのでございます。ところがようやく二十八年の八月に前述の諸法律が制定されて、その施行令も次第に定められて、それをば四月一日に遡つて適用されたのであります。一番根本になりまする公立学校施設費国庫負担法のごときは、その施行令は二十八年十二月になつて公布されているのでありまするが、それをその年の四月一日に遡つて適用するというようなわけなのであります。その内容を見ますると、大体において公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、これはもうすでに御審議になりました建設省若しくは運輸省などの災害復旧に関する法律、あれを母法といたしまして、それに準じて多少の訂正を加え、実情に即するように多少の訂正を加えて制定されているわけなのであります。これらの法律につきましては、その必要と思われる個所を別にガリ版刷にいたしまして数日前にお手許へ差出しておきましたから、それを御参照願いたいと存じます。
 さて、昭和二十六年度の検査報告に掲げられておりまする不当事項の四件は、只今申上げましたような次第なのでございまするが、そうすれば、止むを得ない事情があれば、繰越手続をとりさえすればよいじやないかということにもなるわけであります。この繰越手続につきましては、古くはなかなか繰越は許されないというような厳重な制限があつたようでありますけれども、二十七年度からは、この文部省のこれらの補助金に関して、明許繰越という方法が予算の上にとられたのでありまするが、繰越の手続の上からいえば、極めて楽になつたわけであります。許されるやら許されないやらわからないという心配はなく、当然許されるということに今なつたわけであります。併し当然許されるとは言うものの、いろいろな手続がありまするので、例えば前年度に受けておいたその補助金は、一旦国庫へ返して、それを次の年度になつて又改めて受取るといつたような、手続上の問題も相変らず残るんだということであります。そんな場合に、財政の困難な地方公共団体におきまして、或いはその金がほかの必要な事業に流用されておる、現金で国庫へ一応返さなければならないというときに、何か困るようなことでもありはしないかという点はないわけじやございません。明許繰越になつたから楽にはなりましたが、全然どんなことをしてもよいというようなわけではないということを申上げておきます。
 それから只今の直接の議案は二十六年度の四件でありまするが、先ほどから申上げましたようなわけで、過去においてどうであつたか、今後この新らしい方法がどう動いて行くかという点などをみますと、幸い二十七年度の検査報告がすでに付託されておりまするので、それをも併せて御覧下さいますれば、問題の所在をとらえるのに御便宜だろうと思いますので、ついでに申上げますが、二十七年度の検査報告の百四十二ページ以下に掲げられておりますが、不当事項は二十六件ございまして番号は五百七号から五百三十二号であります。それには二種類ありまして、一つは被害を過大に取扱つて補助金を受けて、その金で以て新築又は改築したものというものが上つております。それから次には補助対象工事の実費が補助基本額に達しないもの、ちよつとその文字を読んだだけでは少し頭へぴんと来ませんが、要するに実際に費した金額が少くて、当初の設計に大きい金額を書いておいたので補助金がたくさんやり過ぎになつておると、こういうふうに見ましても必ずしも悪くはないのかと思われます。若し私の今申上げましたことが、そう簡単に解釈されてはいけないという点でもございますれば、どうぞ当局なり検査院のほうからあとで御訂正を願いたいと思います。とにかく、二十六年度に批難されておりまするものとは性質が全然違つておるのであります。検査報告に記されておる文字を見ましても、これらの原因は、事業主体の作為によるもの、或いは文部省の指示が不明確であつた、と言いまするのは、当時の文部省の指示によりますると、建物の破損の程度を幾つかに分けまして、全壊、大破、中破などというような工合に建物の損壊の程度を分けて、この程度のものにはどの程度の補助をやるというようなふうになつたものであります。大破と言いましても、中破と言いましても、その区別をどこへ線を引くかというようなことについて、見方によつて何とかこじつけの理窟のつく点もありましようし、又その点を文部省のほうから各地方へはつきりと指示されていなかつたというきらいもないではない。なお現地調査の不十分であつた、又その後になつての是正監督などが不十分であつたというようなことが、二十七年度の検査報告に記されているのであります。
 それで新たに昨年制定されました公立学校施設費国庫負担法その他のものを見ますると、これは八月に制定された、法律の制定それ自体が年度の中頃であります。いわんやその旅行令がなければ実は法律は動いて行かないわけでありまするが、それが十二月になつて制定されて、それをその年度の初め、四月一日に遡つて適用するというようなことになつておつたのでありまするので、二十八年度はこの法律の適用があつたと言つてもよし、なかつたと言つてもよいというような事情でありまして、本当に正式にこの法律が適用されるのは二十九年度以後のことと思われるのであります。そうすれば、従来これらの法律の制定前にはどんな工合の手続きで行われていたかということを一つ明かにいたしたいと思うのでありまするが、それにつきましては別紙に赤鉛筆で二と書きましたそれがございまするので、それを御参照願いたいと思いまするが、それには真中のところに、この法律制定後、今後はどういうふうになるかということを記され、下の段にはこの法律制定前に事実上行なつておられたその取扱いがどうであるかということが比較対照されているのでございます。
 それは暫く別の問題といたしまして、然らば今後この新らしい法律がどんな工合に動いて行くであろうかという点を申上げたいと思います。この法律は、大体において公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法、即ち建設省なり運輸省なりの災害復旧におけると同じようになつておりまするが特に注意すべき点を挙げますると、先ず第一に、事業主体はどこまでも府県若しくは町村が事業主体なのでありまするが、建設省などの場合を見ますると、府県の責任者としては知事がその責任者になる。町村の責任者は町村長であります。この場合には、教育委員会というものが御承知のようにできております。その事務は、いわば知事なり町村長に当りまするものの立場を教育委員会が占めておると、こういうことになつているのであります。昭和二十三年から、このガリ版刷りに二十六年と書きましたのは書き誤りであります。昭和二十三年から都道府県、五大都市には教育委員会が設けられた。それから二十七年頃から市町村に教育委員会が設けられて、教育行政に関する権限はこの委員会のほうへ任された。従つて、知事なり町村長には教育行政に関する権限がないということになつたわけであります。そこのところが著るしい特色なのであります。
 次に補助金をもらいたいというならば、町村の教育委員会では計画書即ち補助申請書を作成して、それを提出するということになるわけでありまするが、町村でさえもそのような面倒な設計書などを作ることが可なり技術的に、建築その他の技術の方面からみて困難であろうと思われまするが、いわんや、小さい町村の教育委員会にそれだけの技師がいるであろうかどうであろうか、その点が先ず第一に問題となるのではないかと思います。府県の教育委員会のほうにつきましても、これが知事の職責でありますれば、県庁にいろいろな技術者がおられまするけれども、そこから離れての府県の教育委員会となりますると、どの程度の職員がおられるか、詳しくは存じませんけれども、いずれにしても規模の小さいもの、殊に技術上の点においては能力が十分にあるかどうか、それから次に町村の教育委員会から提出しまする計画書即ち補助申請書、それは府県の教育委員会を経由することになつております。府県の教育委員会はその内容を審査をされ、且つ必要な意見を付して、これを文部大臣に送付するということになつております。ここに審査をし、必要なる意見を附してということが出ておりまするが、これが文部省の場合の法律上明記されているところでありまして、建設省、運輸省などの場合にはそれが必ずしも明らかになつておらない。一つの異なつた点、見方によりましては事情を明らかにしたよい規定であるというふうにも考えられるのでありまするが、ただここに問題は、先ほども申しました通り、府県の教育委員会という比較的小さい事務組織しか持つておりませんところにおいては、十分にそれを審査する技術的能力があるかどうか、若し能力が不十分であるとしたら、もうトンネルに過ぎないということになつてしまいます。
 次に主務省におきましては、申請書に基いて工事費を査定されるわけでありまするが、一々実地調査を行うということは、全国に亙つては恐らくできません。机上査定ということになつてしまうわけで、これが不当事実発生の一つの大きい原因であることは、他の役所の場合と同様であろうと思います。その欠点を補うために先に申上げました通り、町村の教育委員会から提出する書類は府県の教育委員会がよく審査をしてくれいというわけでありまするが、それ又果して十分にできるかどうかという心配があるということを先に申上げたわけであります。若し文部省において実地調査を完全に行おうとするなら、相当な人員、経費を増加しなければならないと思われまするが、今日の行政組織において、殊に又人減らしのほうに向つておりまする今日の情勢において、それはどうなるであろうかというような問題があります。若しも経費や人員の関係で実地調査ができない。若しくは非常に困難だとするならば、町村の工事については府県の教育委員会にこれを依頼するよりほかはなかろう。府県工事はこれはもう仕方がありませんから、主務省において直接実地調査をなさるべきであります。こういう場合に、本省としても、若しくは又府県の委員会にしましても、経費、人員の点がどんなものであろうか。
 それから次に町村の工事につきましては、この法律なり施行令を見ますると、実地の検査その他いろいろ工事施行中における監督権を府県の教育委員会に委任されておりまするが、先ほどから申しまする通り、この府県の委員会はこれをなすに十分な経費、人員或いは技術的の能力を持つているかどうか。但し府県の工事でありますれば、これらの監督を主務省が直接行われるべきものでありまするが、主務省においても十分な経費、人員、技術的能力という点において欠けるところがないかどうかというような問題。
 次に法律の第七条を見ますると、災害復旧事業などを施行したときにはその事業費を精算せよとありまするが、この精算ということ、事業費を精算するについては単に申出によつて金を渡せばよいというだけじやなくて、竣工検査を行なつて間違いがないということを見定めた上で精算ということができるはずだと思うのであります。ところがこの場合に行われる竣工検査は支出負担行為担当官の職責でありまするが、文部省においては、これは各府県の教育委員会に委任はまだしていない。本省の局長がこの担当官になつているということであります。建設省などの場合には、各府県の土木部長とかいうような人に向つて委任がしてあるようであります。本省だけで全国すべての竣工検査ができないであろうということは言うまでもないことと思いまするが、然らばこの事務は町村工事については府県の教育委員会に委任するよりほかに途があるまいと思われますし、又恐らく委任されるつもりであろうということは、その次の項目に成功認定ということを書きましたが、その規定からも推察されると思いまするが、この点は果してどうなさるおつもりなのか。なお、ここに他の役所の場合にも常に問題とされる一つの重大な点で、又会計検査院のほうから言えば、特にやかましく言つておられまする問題は、会計法上の責任はこの竣工検査によつて、ここで以て確定して責任を負うべき人はその責任を負わなければならないというふうに、ここで線を引くのであるということを、はつきりとさせておく必要があるであろうと思われるのでありまするが、若しこれが誤解をしていないといたしますれば、検査院は只今私が申上げたような方針で、又そういう精神でおられるように思いまするが、当局のほうでは果してそういうふうに見ておられるかどうか、悪くすれば、その次に掲げまする成功認定を、そののちにおいて行なつたその上で、初めて責任があるとかないとかいうことが確定するのだというような工合に建設省あたりでは見ておられまするが、そこにこの補助法の規定と、それから会計法の規定との食違いが起つておるということを検査院がやかましくて言つておられる点があるのでございます。
 その次に、町村工事につきましては、前に申しました精算を行なつた上で成功認定を受けるわけでありまするが、その成功認定を本省でするについて、検査を行うというその事務を府県の教育委員会に委任しておられまするが、これ又先ほどから申しまする通り、県知事に委任でもしてやらせておりまするならば、まあさすがに府県だけありまして、相当な技術者もおられようと思いまするが、府県教育委員会に委任するというのでありますれば、果してそれだけの技術上の能力、経費、人員を備えておるかどうか。府県の工事についてみますれば、この成功認定は当然主務省で行われるわけでありまするが、主務省においても、文部省としてはこういうような建築工事について、果して十分な経費、人員を持つておられるかどうか。これが建設省とかいうような面ならば、こんな問題は全然ないことと思いまするけれども、文部省という大きなものですからどうかと……。まあ、それが一つ十分に備わつておれば結構でありますが、一応伺つてみたいと思うのであります。
 ここで先ほど申しました成功認定とは何ぞやということについて一つ注意をしたいと思うのでありまするが、これは工事を施行した年度経過後、遅滞なくこれを申請せよということになつておりまするが、これは前に記しました会計法上の責任をここで確定するという意味ではなく、その責任の確定は竣工検査、即ち精算をするときに、その精算の任に当つた者が責任を負うべきものである。それが済んでからあとの、年度も経過したあとで、内部監査という言葉を使つていいかどうか知りませんが、たとえて言えば内部監査のような性質のもので、念には念を入れて検査をするというような性質のものでなければならないと思われるのでありまするが、果して当局はそういうふうに見ておられますか、どうですか。なお、それについての参考となることを申上げますと、建設省の場合におきましては、工事はもう済んでしまつた、精算も済んでおる、而もそれから三年も五年もうつちやり放しになつておりまして、そうしてなお成功認定を行つていないというようなものが現在相当たくさんある、こういうようなことが実情でありまするが、その点をよく考えてみれば、会計職員の責任をどこではつきりさせるか、建設省の例につきましては、この前にも何かの機会で申上げたかと思いまするが、とかく技術者は経理事務の如きあと始末、俗な言葉で申しますれば、お尻拭のようなことは面倒くさい、仕事のほうが大事だ、一つでも早く仕事をして、災害を少しでも少くしようというように、工事第一主義のほうへ走られるものですから、自然経理事務がおろそかになつていたのでありますが、それの余弊が今日に及んでおるのではなかろうかと思われるのでありますので、文部省のごとく今後改めてこの方向へ進んで行かれる場合においては、出発の当初からその点をはつきりしておいてもらいたいと思うのでございます。
 最後に一言附け加えて申上げたいと思いますることは、府県職員はいわば地方公務員でありますが、一例を上げれば、その府県の土木部長であるとか、建設省の工事について申せば、府県の土木部長が支出負担行為担当官に国から任命されまして、国の事務を委託されております。それと同様に只今の場合では教育委員会の、このガリ版刷には事務局長と書きましたが、これは書き違いでありまして、教育長であります。教育委員会の教育長などに対して、国家の事務が委任されるとしましても、国家公務員法の条文から見ますると、不都合な行為があつた場合には、直接これを処罰することができないらしいのであります。地方公務員法を見ますると、やはりこれ又どうもどうなつておりますかはつきりいたしません。そうだとすると、地方の公務員に対して国家事務を委任したという場合に、昔でありますれば、各府県の県庁の職員は、主なところの人々はみんな内務省の官吏でありまして、国家公務員、国家の官吏が府県の事務をも扱うというような関係に立つておつたものでありますから、命令系統もはつきりしており、従つて又責任もはつきりと追及することができた。ところが今日のような状態では、どうもその間に少し割切れないようなものが残つておるようにも思われるのでありまするが、実際その事務にお当りになつております当局の方々並びに検査院の方々から、その辺の事情を御説明願えれば非常に結構かと思います。
 ただ気付きましたことを御参考までに申上げたわけであります。
 最後に一つ附け加えさして頂きたいのでありまするが、昨年どんな法律が制定されたかというので、そこへ名前を並べておきました。その3という番号のところに危険校舎改築促進臨時措置法というのがあります。これは学校の建物が古くなつて、壊れそうになつているが、地方財政が許さないので、そのままになつているというものであります。それが従来はこういうものに補助金を出すことができなかつたのでありまするが、昨年こういつた法律ができましたものでありまするから、それで従来はちよつと大風でも吹いて校舎が倒れたというような場合に、大風が吹いたことが原因なのか、もともと壊れかかつておつた学校が倒れたのか、それらの点が不明瞭であつて、従つて補助金をやりすぎたというような問題が起つておりました。これが今度の法律によりまして、とにかく補助金がもらえるということになつたものでありますから、この点で従来の弊害、即ち災害の復旧というところへ便乗して、危険校合の改築の補助金をもらうというような点は、そういう弊害はなくなつたということが当局からの回答の最後のところに現われておりますから、一寸これを附加えて申上げておきます。
#4
○委員長(谷口弥三郎君) それでは只今問題になつておりまする部分、特に専門員からの問題点を一緒にいたしまして、先ず会計検査院上村第二局長。
#5
○説明員(上村照昌君) 文部省の補助金の件でございますが、先ず二十六年度について申上げますと、年度違いのと言いますか、補助金を繰越措置をする、或いは場合によれば不用額にしなければならないのに、補助金をそのままお出しになつた、こういう事態でございます。こういう事態につきましては、数年来検査報告に掲げて報告しておるのでありますが、基本的な考え方といたしましては、補助金は適時に適当な金を流すことが最もよかろうかと思うのでございます。そういう意味におきまして、二十六年度に指摘したような事態は面白くない、こういうような考え方で報告しておるのでございます。この点につきましては、二十六年度まではいわゆる繰越明許の制度が予算上とられておらなかつたのでありますが、二十七年度からは、文部省のいわゆる六・三制の補助、災害復旧関係の補助、こういうものにつきましては、予算上繰越明許の措置がとられましたので、二十七年度以降におきましては、無理をして金を出さなくても、制度上繰越しができるような方法が講ぜられております。なお、二十六年度まで文部省関係の補助について掲げましたのは、同じような結局補助金の交付の時期が悪かつたという事態をとり上げておるのでありますが、その後実態関係を相当調査しなければならんということで、二十七年度に提起してありますような事態を調査し、報告したわけであります。で、二十六年度のような問題については、比較的問題は今後の問題としては軽く考えていいのではないかというふうに只今申上げましたような理由で考えております。
 それから二十七年度に掲げましたのは、公立文教施設の災害に対する補助金に関する事項であります。二十七年度の災害関係の補助金は、約二十億ぐらいに上つておるかと思うのであります。検査いたしましたのは金額にいたしまして一〇%を少し上廻つておる程度になつております。その検査の結果掲げましたのが二十六件ということになつております。で、専門員からのお話がありましたが、二十七年度までは法律に基く補助でありませんで、予算的に措置せられた補助でございます。そうして文部省でお出しになつた方法は、大体災害がありますと、災害の事態に応じまして全壊、半壊、大破或いは中破というふうに分けられまして、大破以上のものについて補助をする。こういう建前をおとりになつておつたわけでありまして、この区分が必ずしも明確でなかつたという点もございますが、私のほうで見ました結果、災害があつたあと、建物ができたあとに検査をしておるような関係もございまして、当時の災害が如何なる状況であつたかということが必ずしも十分に調査し得ない場合があるわけであります。それでここに掲げました事態を御説明いたしますと、二重類ございます。それは実際あつた被害より過大な報告を事業主体のほうからいたしまして補助金を受けた、こういう事態でございます。これは先ほど申上げましたように、現場に行きまして被害の状況がどうであつたかということは必ずしも的確につかめない状況ではありますが、例えば半壊或いは全壊だということで報告を出されておるものにつきまして、実はその建物が一年有余使われておるというような事態になつておるのであります。で、これはいろいろの見方もあろうかと思いますが、そういう事態から見ました場合には、これは全壊或いは半壊というふうに認めることは無理ではないかというふうに考えておるわけであります。それで文部省の補助は、補助の実施の方面を見てみますと、補助の申請につきましては、被害事実その他が間違つておるというふうに考えるのでありますが、補助を指令された事実そのものにつきましては、補助の内容或いはそれ以上のものを、只今申上げました事項については学校の建築をやつておられる、こういうふうな事態になつております。併し国家の予算を大体いずれの方向に使うということがきまつております以上は、それに即応したような使い方をして行かなければ、そこの村或いは町なりの学校が仮に整備しましても、国全体の立場から見まして、均衡が果してとれるかとれんか、こういうふうな点を考えておるわけであります。
 それからもう一種類の事態は、補助金を流されます場合に、例えば百万円の工事費に対して五十万円の補助を出す、こういうふうな事態であるのに、実際は百万円ほど工事がかかつていなかつた。半分或いは半分以下というような事態もあるわけであります。こういう事態が起つたのはどこが原因かと申上げますと、いわゆる大破以上について補助すると、こういうことになつておるわけでありますが、これが果して大破であるか中破であるかということは、非常に認定が困難な関係がありまして、恐らくこういう事態が出て来るのではないかと思うのであります。それで二十七年度に掲げましたものは、結局被害を過大にやつて補助金を受けたものということと、工事費が少なかつた、こういう事態でありますが、これに対する対策と言いますか、どういうふうにしたらよいかという点でありますが、結局被害事実を過大に報告するという事態に対しましては、現地の事態を十分把握して、事実に即応したような認定をして行くというよりほかに仕方がなかろうかと思います。で、この点については文部省で全体を御覧になつておるというのでも勿論ないと思います。それから都道府県の教育委員会でも全部或いは御覧になつていない面もあろうかと思うのであります。それからこういう事実が、二十七年度までを都道府県の教育委員会で実際上は見てやつておられたわけでありますが、今度法制上新たな法律ができまして教育委員会でやる、都道府県の教育委員会でやり得る、やれるということになつたわけでありますが、先ほどからお話がありますように、教育委員会でどの程度見て、どの程度的確にできるかという点になりますと、正確なことは申上げかねますが、相当奮発して頂かなければ、十分に見て行くということが人員或いは技術の面から困難な点があるのではないかと思います。この点につきまして十分の考慮をしてやつて行く必要があるのじやないか、かように考えております。
 それからこれに関連しまして交付に至りますまでの段階、それから交付後の精算の問題でありますが、この点につきましても清算の事務を都道府県の教育委員会に行わし得るような方法が新らしい法律ではとられております。で、これにつきましては事実上教育委員会に行わせるということでありまして、現在のとろは会計法上支出負担行為の担当官が文部省に置いてありまして、支出官は都道府県の出納長、こういうことになつておるわけでありますが、その間の結び付きが、実際の仕事をやる人と会計法上の責任をもつ人と結付きをどういうふうにして行くかということでありますが、これは私らのほうの考え方といたしましては、やはり実務をやり、そうしてよく実際を担当しておるものができ得る限りその責任をとるというふうな方法になるのが望ましいのではないか、こういうふうに考えております。
 それからなお今の被害を過大に報告したという中には、この事案を見てみますと、六十年を経過したような学校もあります。こういうものにつきましては森専門員からおつしやいましたように、危険校舎については法律に適合するものについては、今度新たに補助し得るということになりましたので、そういうふうな便乗工事が救われて来る、こういうふうに考えております。
 それから今の被害の区分の問題でありますが、これは新たに制定せられました法律によりますと、大破ということに限定してありませんで、災害を受けたものについては補助し得るということになつておりますので、これは事態に即応した適当な工事金額に対して補助されるということになりますれば、こういう事態もなかろうかと思います。ただいずれにしましても、事実関係が、危険校舎にしましても、災害を受けた程度にいたしましても、誰がどこで如何なる責任を以て十分把握し得るか、それからその後の出しましたあとの精算段階においても責任を以て誰がどういうふうにやつて行くかということが重大な問題だと思うのであります。で、法律は二十八年に制定しまして、この実際の運用はまだ必らずしも緒についていないかと思います。それで私のほうといたしましては、なお文部省とも絶えず連絡はいたしておりますが、実際の運用方面を文部省でどういうふうにおやりになるか、或いは制度的に今の会計職員の責任とか、そういうふうな面をどういうふうにお考えになるかという点を十分お伺いした上で、今後成るべく間違いのない方向にもつて行きたい、こういうふうな考えをもつております。
#6
○委員長(谷口弥三郎君) それでは文部当局からこれに対しまして御説明をお願いいたします。
#7
○政府委員(内藤誉三郎君) 二十六年度につきましては、この工事が非常に遅延いたしました主なる理由は四件とも大部分が敷地がなかなかきまらない。これは学校建築をする場合に一番大きな問題になるのですが、町村内で敷地をどこにするかということは大きな問題になりますので、なかなかきめかねる。そのほかに家屋が移転するとか、或いは土地の買収とか、更にこの補助金に見合うべき起債の決定が遅れるとか、こういうような次第で私どものほうの指令が十月の六日に出ておりますので、この指令の遅かつた点もありますが、今申上げたような諸般の理由からこの工事が遅れてしまいました。その結果、只今会計検査院の御指摘の通り、年度の区分を乱したということは甚だ遺憾に存じますが、この点につきましては、只今会計検査院のほうから御報告がございましたように、繰越明許の制度がとられましたので、今後はこういうことのないようにできるだけ努めたいと考えております。
 それから次に二十七年度の補助金でございますが、第一点の過大評価の、被害孝過大に見積つた、こういう御指摘でありますが、この点は私どもも遺憾に思つておりますが、実はこの当時は施設負担法が出ておりませんで、全壊、半壊、大破という認定の問題が多少あいまいな点もございますので、そこに一つは原因したのじやなかろうか、いま一つは大体災害を受ける校舎は大部分が老朽でございますので、当時は老朽校舎の補助舎もございませんので、災害に多少便乗したような嫌いもなきにしもあらずと思うのであります。こういうような点から災害が過大に見積られたのではなかろうか、ただ御指摘になつておりますところの、一年乃至二年はその建物を使つておつたから、これは半壊ではないというふうに御指摘になつていらつしやいますが、私どものほうの考え方としては、全壊というのは全部倒れた、半壊は根本的に改築修理を要する、根本的改築修理はすぐやらなくても、多少の補修をして一年、場合によつたら二年くらいもつ場合があると思いますが、いずれにしても、これは根本的な改築をしなければならん、そこで御指摘になつている分は、大部分は一年乃至二年後には新築をしているわけです。年度のずれは勿論ございますけれども、この点については全壊、半壊、大破という区分そのものに問題があつたのではなかろうか。そこで昨年の出ました法律によつては、原形復旧ということにいたしておりますので、今後かような事態の起きないように十分に監督をするつもりでおります。
 そこで先ほど専門員のほうからもお述べになりましたように、公立学校施説費国庫負担法によつて従来権限が明確になつていなかつたところを明らかにいたしまして、補助金の申請については道府県で十分に監査をする、或いは事業の監督を行う、或いは成功認定を行う、こういうようないろいろな手段を講じまして、十分今後かような事態の起きないように、文部省としても最善の努力をするつもりでおります。
 それから次に補助対象工事が補助基本額に達しない、いわゆる過剰補助になつた分でありますが、これはいろいろな理由があるようでございまして、特に一番大きな問題は、その一部の工事だけをやつて、これも繰越明許をしておけばいいのですが、そういう措置をとらないで翌年度で残りの分をする、これは財政上の理由もあるかと思うのですが、この御指摘になつたうち、北海道を除いては全部一応年度は遅れておりますが、措置をしているのであります。ですから一部工事をいたしまして、その残りの工事を次年度以降においてやつている、この点は繰越明許の措置をとらないでやつたことは甚だ遺憾で居りますが、この点が徹底していなかつたかと思うのであります。もう一つ北海道の分につきましては、二十八年度中には残りの工事を完成するということで一応議決はしているようであります。
 それから次に専門員の森先生から御指摘になりました負担法の運用の問題でありますが、いろいろと御注意を頂いておりますが、経費の点につきましての人員、技術的能力、その他につきまして、まだ法律が御指摘のように十分な実施の段階に至つておりません。ようやく政令がきまつた程度の段階でございますので、本格的に動きますのは明年度、二十九年度以降になるかと思うのですが、御指摘のような点は十分注意いたしまして遺憾のないようにいたしたい、かように考えております。
#8
○委員長(谷口弥三郎君) それでは委員の方々から何か御質問その他ございますか。
#9
○山田節男君 会計検査院の第二局長にちよつとお伺いするのですが、この二十七年度の一般会計からの補助金ですね、この二十六件まあ指摘されておるのですが、二十八年度の殊に昨年の六月、七月の例の風水害、台風十三号を入れての国会でいろいろな特別措置法を作つたのですが、この中でたしか文部省関係の特別措置法があつたのですが、どうですか、今二十八年度の少くとも風水害による補助金の会計検査ですね、やつておられますか。
#10
○説明員(上村照昌君) 二十八年度の分もやつてはおりますが、旅費その他の関係で実は只今お話のいわゆる特別立法の適用のある土地などですが、その場所については現在まだ実施しておりません。
#11
○山田節男君 そうすると、まあ二十七年度はこの災害復旧に対する補助金の経理当を得ないもの二十六件あるわけですが、現在では特別措置法による政令に定めた都道府県は会計検査院はまだ調べておらないというのですが、現在調べておる範囲で二十八年度の災害復旧工事に対する補助金の不当な経理として、まあ何といいますか、不当に思われるような今日までの概数でもわかればちよつと御報告願いたいのです。
#12
○説明員(上村照昌君) 二十八年度につきましては一月以降やつておるわけでありますが、その結果大体申上げますと、二十七年度に経理したのは災害関係でございます。そのほかに文部省関係には御承知のように災害関係でないいわゆる公立文教施設整備補助というのが六・三制の関係の分がございますが、これが二十八年度で予算額にしまして約六十億ぐらい残つておると思いますが、この分を実は二十七年度の見方が必ずしも十分でなかつたということで、このほうを差当り見ておる状況でありますが、これについて申上げますと、六・三制の整備につきましては大体児童一人当りについて〇・七坪、極く最近は一・何坪というふうに変つて来たと思うのですが、そういう〇・七坪に達しない場合に、整備するというものに対して補助金が出るわけでありますが、それが果してどういうふうになつているかという事態を見て来ておるわけであります。それによりますと、結局〇・七坪ということをはじきます場合に、現実の校舎がどうであるか、それから児童数が、これは一定のときにとるということになつておりますが、どういうふうになつているかというようなことが基本になるわけでありますが、見た結果では多少違つておるものがあるというふうに見て来ております。ただこれも先ほどもちよつと申上げましたが、補助金関係の建物は、これは大体できておるというような関係になつております。
#13
○山田節男君 もう一つ。文部省の管理局長にお尋ねするのですが、今のに関連しているこの補助金、これは主として工事に関係しているのですが、この補助金は大抵文部省から毎年一般会計から補助金を与えている団体ですね、例えば学徒援護会ですか、それとかいろんなのがありますね、これが大体幾つあるか。それからこの補助金の総括したこれらがどのくらいあるか、これちよつとおわかりになればお伺いしたいのですが。
 なお、検査院では文部省の補助金を与えている団体に対する会計検査ですね、ここに挙つておりませんが、批難事項はないにしても、会計検査院としたならば、そういう文部省から補助金を与えている団体を二十六年、七年において検査したものがあるのかどうか、この点等を併せてお伺いします。
#14
○政府委員(内藤誉三郎君) 一番大きな団体は御承知の通り日本育英会でございます。これは日本育英会法に基く特殊法人でございます。これが三十八億五千万、大体三十九億でございます。それからその次に大きな団体は私学振興会これは私学振興法に基いた特殊法人でございますが、これは政府の出資金で賄われておりますが、その出資金は本年度は十五億でございましたが、二十九年度は五億に減額されております。それに返還金の三億がございますので、八億で運営されるということでございます。それからそのほかに私学共済組合法に基く特殊法人として私学共済組合、これが約準備金と事業費の補助を合せて大体三千万円程度、そのほかは非常に小さい団体でございますが、学生の援護をいたしております学徒援護会、これは民法法人でございます。これに三千四百万円ほど補助いたしております。それから日本給食会、これは給食物資の斡旋等をする団体でございますが、四百万円、給食の物資の斡旋ということで、国の或る意味では代行機関を務めている。そのほかに日英協会、日仏協会、こういうものが大体百五十万くらい乃至二百万程度でございます。
 それからそのほかには日本学術振興会、これが約四百万程度でございます。大体主なものは以上でございます。
#15
○説明員(上村照昌君) 文部省所管から補助の出ているものについては文部省から御説明がありましたのであれでありますが、検査をしている状況を一言申上げておきます。私学振興会とそれから育英会は、これは検査をやつております。それからそのほかのものにつきましては検査指定をいたしておりません。一応文部省の或る書類によつて検査している、場合によつては、実際上……。学徒援護会ですが、そういうものにつきましては、実際行つて実情を調べるというようなことはやつております。
#16
○東隆君 私は少しお伺いをしたいのですが、学校関係、文部省関係の一般の補助金関係は、私は当然教育委員会その他が中に入つてやるのが大変いいと思うのですけれども、営繕に関係をした部面ですね、建設方面のようなもの、そういうような面に関係することになると、勿論文部省の直轄の学校、その工学だの、設計だののほうから、そちらのほうからやられるということになれば私はいいと思いまするけれども、併し実際にそれが工事に移される、こういうようなことになると、私は文部省はもうすでにそつちの方面についての監督をしたり、それから指導をしたりする資格が私はなくなつておるんじやないかと思うのですが、そこで問題は建設省や或いはその他営繕の方面に携わる関係の省との文部省がどういうような関係をつけておられるか、その点伺いたいのですが。
#17
○政府委員(内藤誉三郎君) この学校営繕の問題につきましては、昔からまあいろいろ歴史もございまして、特に今学校建築の特殊性という点から、病院、研究所、大学、その他非常に普通の建築とも違いますので、従来文部省で所管しておりました。で、文部省にも学校にもそれぞれ関係の技師がおりまして、設計、監督、一切をしておるのでありまして、別に関係の各省といたしましては、まあ大蔵省で予算をきめる、その施行については文部省が責任を持つて行なつておるのであります。
#18
○東隆君 私は営繕関係だの何だので、特に国立或いは公立、そういうようなものの中心のものは、もう少し建設省関係を動員すそような考え方をとるべきでないかと思いますが、どうですか、この点は。
#19
○政府委員(内藤誉三郎君) この点は府県の分につきましては、府県の工事、いわゆる公立文教につきましては、府県の教育委員会が設計指導等には参画しますが、実際の工事は知事のほうの所管で工事の請負はやつておるのであります。この点は問題はないと思うのですが、ただ国の国立学校につきましては、非常に手数が面倒になりまして、建設省に頼んでもそれだけのスタッフが揃いませんし、学校建築の特殊性で、長年学校営繕をやつておりますのが文部省にもおりますし、又大学にも施設課長以下施設のスタッフがおりますので、そういう技官がおりますから、文部省としては今のところ今の程度の工事量ならば御厄介になるほどのこともない。勿論私のほうで能力としてはまあ四、五十億くらいの予算なら消化できる能力を持つておるわけであります。それでむしろ向うのほうも大変たくさん工事がおありでございますので、建設省の直轄の工事もございます。なかなかこちらから依頼しても十分なことができかねる点もございますので、今のところ国立文教の予算は二十億足らずでございますから、二十億足らずの工事でしたら建設省にお願いしなくても、十分に消化ができる、かように考えております。
#20
○東隆君 災害復旧の関係ですね、それから危険校舎の改築、こういうようなものを中心にして便乗工事、その他がまああつたとこういう意味で出ておりますが、私はこの災害関係の問題を考えたときに、予算が提出をされて、議決を見るのが非常にいつも遅れておるわけです。年度当初の予算でありませんから、そんなような関係で、これを復旧する場合に普通の会計年度で以てやりますと、ひつかかつてしまいますから、その関係の問題で私は出ておると思う。特に二十七年度に出て来ておる十勝沖の震災関係のものなんかは、これはもう二月でしたか、三月の四日でしたか、その頃に起きた何で、もうできるはずがないわけなんです。殊に冬期間で凍つておつて、そうして災害がどれくらい広いかという調査もろくろくできない、予算の編成もしなければならん、こういうような問題で、非常に無理なことをやつておるのであります。それで、それは北のほうへ行くとますます酷くなるのですが、私は府県の場合でも、積雪寒冷の地帯はもとよりのことですが、気候のいい所でも、十月、十一月の候に補正予算がきまる、そんなようなことでありますと、三月三十一日までに出来上るのが、これが却つて不思議なくらい、そこに非常に無理な点があると思います。それで明許の制度ができておりますけれども、その明許が非常に手続がむずかしくて、それからやりずらいということと、それから主務省のほうではできるだけ予算を年度内に使つてしまわんければ、あとの又予算を獲得するときに大変不便だと、そんなようなことがあつて、非常に無理なことをやつておるところがあるわけです。そういう面が私はやはり文部省関係のこの学校建築の場合にも出ておると思うのですが、そういうようなところがございませんか。
#21
○政府委員(内藤誉三郎君) 文部省といたしましては、できるだけ実情を調べまして、繰越明許の必要がある場合に繰越明許をずつとやつております。ただ地方でその繰越明許の制度自体についてまだ認識がない、徹底していない点が多少あるのではなかろうかと思います。お話のように年度が遅れて参りますと建築ができませんから、そういう手続さえとつて頂きさえすればいいのですが、いろいろな関係で特に遠方でございますと、その手続を怠り勝ちになる。今後そういうことがないように私ども指導して参りたいと思います。
#22
○東隆君 私は特に寒い地帯の予算が、十月の候或いは十一月の候なんかになりますと、先ず第一番目に土台からコンクリートでもつてやるというのは当然できないわけです。それでそれはもう当然翌年度に繰越されて、そしてやらんけりやならん、併し年度当初からでも速かにかからんければならん、こんなような関係で明許の形式をとつてもいいのですが、却つて事故繰越のような形でもつて、もつと簡単にやるような方法を、非常に遅く補正予算が組まれるような場合には考えておかなければならん。しよつ中事務的な方面においても問題を起し、それから非常に無理な仕事である、予算をむちやくちやな使い方をする、こんなようなことが出て来ると、こう思うのです。そういう点で文部省関係も私は相当お考えになる必要があるとこう考えておるわけですが、実は北海道の土木関係その他の仕事でもつて、これは今の予算が配市されるのが六月くらいから後です。そうすると普通のものでも十月一ぱいくらいでもつて仕事を終らなければならん。それから雪が降つてしまつて、そして三月の三十一日までにはこれはできない。そうすると、雪がとけてから仕事をやると、こういうことになると、これはもう両年度に跨がるわけです。こういうようなことがはつきりしておるのですね。そういうことがはつきりしておる事態がこれはたくさんある。今の会計年度そのものを中心にして仕事を見ると、建築関係なんかにそういうのが非常に多いわけです。それでそれをどういうふうに調節をして行つたらいいかと、こういうわけでいろいろ考えておるわけですが、差詰め建設農林その他のものを考えておつたわけですが、皆さんのほうで、積雪寒冷地帯その他についても、持にそういう点が重要だと、こういうことになれば、今考えておるものにですね、そちらのほうを加えて立案を一つやつてみたい、こう思つておるのですが、如何ですか。
#23
○政府委員(内藤誉三郎君) それは非常に私どもにとつて幸いだと思うのです。特に国立学校ですと、一部分は継続事業のような形でやつておるものもありますが、公立の場合の補助については、何ともいたしかたがございませんので、これは公共事業一般の問題と関連すると思いますが、特にそういうような御配慮が頂けますならば、私どもとしては非常に幸いなんです。
#24
○岡三郎君 昭和二十七年の補助金の問題については明許繰越ができるようになつて、問題の処理が非常にやりやすくなつたと書いてあるのですか、先ほど質問が出たように、いろいろと災害その他、非常に緊迫した問題の中で、補助金を具体的にどう出して行くかという問題は、非常にこれむずかしいと思うのですよ。で、我々も文部省等へ行つて、陳情団が非常に来ておるのも具体的に見ておる。あの中で公正に実態に即して真に緊急なものから、これがやられておるかどうかということについては、非常に関心を持つておるわけであります。だからその点について昭和二十七年のまあ具体的な事例がここに出ておりますが、これは先ほどの御説明によるというと、約一〇%程度の中から、こういう問題が起つて来ておる。とすると、二十八年度になれば、ますますこれは増加の一途を辿つておるのではないかというふうに考えられるのです。それについてどういうふうな申請が出て、そうしてどの程度それが許可されておるか、これは管理局のほうに具体的な資料がうんとあると思います。その中で都道府県別に大体どの程度補助金というものがなされているのか、そういう資料はもらえますか。
#25
○政府委員(近藤直人君) 二十七年度分につきまして、今お話のございました都道県の申請に対しまして、文部省が補助を付けたものについて、金額を付けまして各都道府県別に調べまして差上げたいと思います。
#26
○岡三郎君 まあそれは漠然と出て来た計数では意味がないと思うのですが、具体的にAの県とBの県とまあ同じようなケースの補助金の申請があつた。こういつたものを処置して行く場合に、いろいろな関連性の中で御判断が行われると思うのです。そういつたときに、具体的にその補助を受けたところの村なりその他が補助金を余らしてほかのほうへ使つて、全然同じようなケースの中で受けられないところのものが、まあそれなりというふうな、非常に受けるところと受けないところと明暗二筋途が非常に大きいと思うのだ、具体的に言つて。今まで老朽校舎等を見ても、どれだけ実態を把握しておるのかという問題について、実際にぶち当るときがあるのです。具体的にその点についてここにあるように、現地調査をどの程度災害復旧なり老朽校舎なりについて行なつておるのか、それを一つ具体的に御説明願いたいと思います。
#27
○政府委員(近藤直人君) お答えいたします。災害の学校につきましては、従来は大体一〇%程度の実態調査をいたしまして判定をいたします。それから昭和二十八年度につきましては、それを率を引上げまして、三〇%程度実態調査を実施してございます。それから危険校舎でございますが、これは都道府県の報告によりまして、只今予算の補助金の配分を考えております。この分につきましてはまだ文部省といたしまして実態の調査には参つておりません。
#28
○岡三郎君 まあこれはほかのほうの省においてもそうなんですが、書類審査で、陳情の書類なり或いは口頭説明なりで、いろいろとそれに代議士諸公も食つ付いて陳情すると、現実に現場を調査しなくてやるというところで、随分不当工事なり架空工事というものがほかの省にはあるわけです。で、文部省自体においても、この学校ということになるというと、やはり微妙な問題がありまして、書類審査でこれがどんどんどんどんと片付けられて行く傾向が多いとするならば、これは多分政治力の入る余地が私は出て来ると思う。その点についてどこに一線を引くかということになれば、どうしても良心に基いた判断を下すということになるならば、現実に現場を見ないと、やはり補助金というものの決断が私は鈍ると思います。その点について会計検査院のほうにちよつとお伺いしたいのですが、実質的に現地調査ですね、こういつた問題について文部省がとつて来ている方針について、ここに十分ではないのじやないかというふうな一応の二十七年度に対する表が載つておりますが、これについてお気付きの点があつたならばお聞きしたいと思うのですが。
#29
○説明員(上村照昌君) 現地調査をする場合に、文部省自体のおやりになる場合と、都道府県の教育委員会がやる場合があるだろうと思うのですが、都道府県の教育委員会においても、人数が必ずしも十分だというふうには考えませんが、その場合に、只今お話のように各都道府県での教育委員会で現地調査をしたものと、これはABCとあるわけでございます。その場合にどこでそのABCの歩調をとつて行くかということが相当問題になろうかと思うのですが、そういうものについて、少くとも本省のほうで比較検討されて、どの程度を補助の対象のレベルに乗せるかということを少くともおやりにならないと均衡の面では不都合な点が出るのじやないか。こういうふうに考えております。
#30
○政府委員(内藤誉三郎君) 私のほうで今会計検査院からお話がありましたように災害の場合には、一応都道府県から災害見積りをとつております。そして更に文部省から出掛けまして現地調査をいたしますが、この場合に全部はとても参りませんので、只今管理局長から申上げましたようにサンプル調査をして、大体被害の率というものを査定するわけであります。これと同時に、大蔵省は地方財務局を使いまして、財務局の現地調査をいたしまして、そこで文部省の現地調査の結果と大蔵省の財務局から上つた現地調査の結果とを参考にいたしまして査定をし、予算をきめるわけでございますから、この点につきましては、或る程度まあ公正に行つてるわけなんですが、ただどうも災害があつた当時の認定の問題になりますと、非常に日柄をおきますと、すぐ直後の場合と若干すれがありますと、いろいろとそこに多少錯覚が入る余地があるわけであります。なかなかそういう点でむずかしいのでございますが、災害につきましては、できるだけ私どものほうも各府県公正にやりたい。ですから或る県が水増しがありましたら、その場合は七割で査定するとか、或る県は報告額の九割で行くとか、必ずしも各県とも同じような比率で査定しておるわけではないのであります。
#31
○岡三郎君 特に災害等の問題については、事業主体から出て来る被害の報告書というものが過大になる傾向が強いと思います。今後とも更にそういう傾向が増すのではないかと思います。そういつた点について一〇%から三〇%程度の実地調査を行うというふうになつたことについては非常に結構だと思うのですが、現実の問題としてやはり相当高額な補助金を出しているのが現実なわけです。そういうことになると、やはり現地調査を十分せられて、まあ人員等の関連もあるけれども、その関連については都道府県のやはり所要機関と十分連絡をとつて、これが厳格に行われて来るところに、いい校舎ができると思うのですよ。逆に言うと、そういう点でここにあるように事業主体の問題ですね。事業主体の問題について、まあ町村の工事なら町村の工事というものは、都道府県に全部任してしまうと、こういうふうな方針なんですか、今後とも……。
#32
○政府委員(内藤誉三郎君) 事業主体は、市町村立の学校であれば市町村がやります。それから県立の学校であれば県が事業主体になるのであります。或る場合には市町村については都道府県の教育委員会が十分監査して、そうして文部省に報告するわけなんであります。都道府県の場合は、文部省が直接審査した上でやるわけであります。
#33
○岡三郎君 そうするというと、結局都道府県の調査というものが不十分であつたとも言えるわけなんですね、今までについては……。この点はどうなんですか。
#34
○政府委員(内藤誉三郎君) それは都道府と文部省のこれは連帯責任だと思うのでございます。
#35
○岡三郎君 結局この和歌山の災害についても、会計検査院の報告によれば、農林関係では非常に不当に過大な見積りを出して国費をごまかそうと、こういうふうな証拠が歴然としていることが事前検査でわかつて事なきを得たということがあるわけです。事学校のことについてですから、それぞれ良心的に処置されて行くと思うけれども、併し一応建築やその他資材を購入して来るものは、どうしてもこういつたようなものについては、粗悪なものとか、或いは手を抜くとか、そういう工事があとのいろいろな被害で発見される場合もあるわけなんです。そういう点について、具体的に例えば問題が起るような県があれば、集中的に総括的にやるということはできないとしても、中間検査なりでき上り工事というものを厳密に調査して行く。それから先ほど言つたように老朽校舎なら老朽校舎というものについて集中的に、AとBの二県というものを、報告で来たら集中的に調査して下さい。万遍なくやるということはできないと思うが……。そういうふうにして出て来た答えに鑑みて、まじめに報告をして来ているような所は先に手をつける、いわゆる信賞必罰方式ですね。そういつたような方式がとられて行けば、私は比較的政治力というものによつて勘案される傾向の度合が、失礼だけれども、少くなつて来るのではないか。先ほど検査院のほうから言われたように、ABCとつけて、各府県の均衡をとるといつても、Aの基準とBの基準というものが県によつてまちまちということがどうしても出て来ると思う。そういう点についても、やはり重点的にやられて、そうして比較的まじめな県が立ち遅れがないように、全体の均衡をとるような形でやつて頂きたい。これは一、二耳に聞くわけですよ。どうしてこれが漏れて、あれが入つたのか、それにはそれぞれの所要の理由があると思うんですがね。あると思うんだけれども、やはり働きかけが足りなかつたんじやないかというふうなことを聞くので、そういう要素を少しせばめて行つてもらいたいというように、これは失礼になるかもわからんけれども、そういうふうな老婆心からお伺いしたわけです。大体私の質問は……。今の点について若しも文部省からお答えがあつたらお聞きしておきますけれども、なかつたならばよろしい。
#36
○政府委員(内藤誉三郎君) 岡委員のおつしやつたように、できるだけそういうように努めたいと思います。
#37
○委員長(谷口弥三郎君) ほかに御質問もなければ、文部省関係は一応これを以て終りたいと思います。
 本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト