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1953/04/06 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第11号
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1953/04/06 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第11号

#1
第019回国会 決算委員会決算審査に関する小委員会 第11号
昭和二十九年四月六日(火曜日)
   午後一時三十二分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
四月二日委員飯島連次郎君辞任した。
四月五日決算委員長において飯島連次
郎君を委員に指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     谷口弥三郎君
   委員
           植竹 春彦君
           小沢久太郎君
           飯島連次郎君
           東   隆君
           山田 節男君
           菊田 七平君
           平林 太一君
  政府委員
   運輸大臣官房会
   計課長     辻  章男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       森 荘三郎君
   常任委員会専門
   員       波江野 繁君
  説明員
   農林省農地局建
   設部災害復旧課
   長       大塚 常治君
   運輸省港湾局管
   理課長     安井 正巳君
   建設省河川局防
   災課長     浅村  廉君
   会計検査院事務
   総局検査第三局
   長       小峰 保栄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決
 算(内閣提出)
○昭和二十六年度政府関係機関決算報
 告書(内閣提出)
 (補助金関係批難事項に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(谷口弥三郎君) それでは只今から第十三回決算審査に関する小委員会を開催いたします。
 前回までにおきまして補助金関係批難事項について不当事実発生原因並びにその防止対策及び所管別事項別の審議は一応終了いたしたわけでありますが、本日は本小委員会の結論をまとめますための一つの階段といたしまして、国庫負担法並びに国庫補助法に基き補助金を中心として総括的な御質疑並びに御意見などをお述べ願いたいと存じます。
 なお、前回千五十六号の問題がその後どう解決されたかにつきまして説明が残つておりましたが、それについて先ず専門員から報告を願います。
#3
○専門員(森荘三郎君) この問題につきましては、検査院のほうでは一定の検査の準則があるということであり、又当局におきましては関係各省の間に申合せをしていることがあるので、その基準から言うと、ちよつと容易に譲りがたい点もないではないけれども、併しながら少くとも当該事件に関しては検査院の御指摘の通りに譲りますということでありまして、この問題は幸いにも検査院の御指摘の通りということで解決がついたのでございますから、ちよつとこの段御報告申上げておきます。
 それで結局、前回にも申上げましたが、この多数の案件がありましたところ、昨年の二月頃に政府側の説明書が提出されましたときには、若干の項目について、当局のほうで必ずしも検査院と見解をひとしくしないというような意味にとれる言葉が記されておつたのがありましたが、その後今日まで相当な日数がたちまして、互いに話合いをするという機会がしばしばありましたので、大部分は検査院の言われる通り、但しまだ若干の点に関しては検査院のほうでも当局の言われることを取上げた点もあるということでありまして、要するにもう全部意見の一致を見ておる、意見の対立しておるものはない、こういうような状態になつておりますから御報告申上げておきます。
#4
○委員長(谷口弥三郎君) 只今の報告に対して検査院なり当局なりから、右の通りでよろしうございますか、何かありましたならばどうぞ……。よろしうございますか。
 それではどうぞ皆さんから全般につきまして御質疑又は御意見をどうぞお述べを願いたいと思います……。それでは波江野専門員。
#5
○専門員(波江野繁君) いろいろ委員のかたからの御質疑があると思いますが、或いは参考になるかも知れないと存じまして、一点ちよつと当局の御意見を承わりたいと存じます。
 補助金に関する不当事項の発生を予防する手段としていろいろな段階がありまして、役所のほうの側について申しますと、初めの査定を現地調査その他によつて正確にやる。それから中間検査と言いますか、指導監督を励行して、工事が間違いないようにさせる。最後に工事が竣功しまして、その精算をいたしますとき、いわゆる決算をつけるときに、その内容を間違いないかどうかを確かめて事実と一致した精算をする。これが行われますと、検査院の指摘のような不当事項は殆んどないはずであります。この三つはおのおの関連はありますが、又独立して行わるべきものであると思います。というのは、初めの査定が、これが間違いなかつたといたしましても、工事の出来高不足というのがありまして、これは工事の施行上の問題でありますから、中間検査又はその最後の決算のときの検査と申しますか、これによつてチエツクする以外にはないと思うのであります。初めの査定の問題、中間検査の問題はいろいろの事情が或る程度はわかつておりますが、今私が事情をお聞きしたいというのは、その最後の精算のときの取扱についてであります。この精算をされますときには何らかの検査と申しますか、その工事がどうなつているかその事情を調べる、いわゆる何らかの検査、これを竣功検査と仮に名付けるといたしますと、この竣功検査を行なつてその内容を調査して、そうしてその事実に合つた精算が行われますると、不当事項はないはずでありまして、そこで負担法に関するものにつきましては、この仮に名付けました竣功検査が行われておるかどうか、この事実を承知いたしたいのであります。それは例の成功認定という法律に規定がございます。この成功認定は年度経過後に行われるものでありますから、その年度内の精算をするについての検査とは別個のはずと心得私は承知しておるのでありますが、例えば運輸省の不当事項に対する説明によりますと、成功認定の上措置するとこういう文句になつておりますし、建設省の二十五年度の説明書によりますと、同じように成功認定によつて処理するとこういうような説明になつています。そうしますと、これから見ますと、今のさつき言いました成功認定ということがありますので、私が申しましたいわゆる竣功検査、精算をつけるための竣功検査というのは行われていないのではないか、こういう気がいたすわけであります。数日前建設省のほうの御答弁によりますと、成功認定は何年度かに跨る工事につきましては、最終のときでないと行われないのであるから、その途中の場合においては成功認定はない。そこでその年度の精算をつけるについては中間検査をする。こういうような御説明があつたのでありますが、一応単年度で工事が終る場合を予想しますと、一体この成功認定との関係上、今申しました竣功検査は事実上行われておるかどうか、この事実を承知いたしたいのであります。若し行われておるとするならば、どの程度に行われておるか、それからその竣功検査は主務省が直接なされるのであるか、委任を受けております地方公務員たる支出官がこれをやりますかどうか、若し支出官がやるという場合に、この精算との関係をどう理解してこの処理をなさつておりますかどうか、これらのいわゆる竣功検査というものがどの程度に行われておるか、それについてはどう解釈しておられますか。建設省並びに運輸省のほうの実情と、これに対する御見解を承わることが非常に参考になると存じます。
 なお、ちよつと附加えて申しますが、建設省は二十六年度においては、先ほど申しました成功認定によるというこの表示が説明書によりますと変りまして、内容再調査の上措置する限度、再調査の上、こういうような文句になつておりまして、二十六年度に対するこの説明書によりますと、竣功検査という文字が消えておりますが、これはどういう意味でありますか、今の、先ほどのことと関連いたしまして説明を承わると仕合せと思います。
 次にもう一つは、支出負担行為担当官が若し竣功検査をやる、やつているという場合に、この責任の負担は、いわゆる行政上の責任の負担はどう解釈すべきであるか、この点も一緒に承わりたいと存じます。
 次は、農林のいわゆる補助法に関する点でございますが、これと関連いたしますので、ついでにちよつと申上げますが、先般、実は今申したと同じようなことで、この補助法について私が御意見を承わるきつかけを、ここへ作つたのでありますが、そのとき農林当局の御説明によりますと、この支出負担行為の担当官のいわゆる責任の問題、その他支出の範囲等については、極めて明確を欠いている点があるというような御説明がございましたが、一体その竣功検査をするのかしないのか、これの事実については、何ら具体的に御説明がなかつたのであります。今ここへ何故これを重ねてお尋ねをいたしますかと申しますと、農林関係、今の補助法の関係につきましては、先ほど申した負担法の法律と違いまして、成功認定という規定がないのであります。従つて農林関係においては法律上規定はございませんが、当然この竣功検査があるはずだという前提の下にお尋ねをするわけでありますが、ここで問題になりますのは、いわゆるこの補助法に関連いたしまして、農林省のほうでは各県に対しまして刷新要項というものを出しておられまして、この補助に関する事務の指導をしておられるのでありまして、その刷新要項の中に都道府県は竣功検査を励行すべしというような、こういう関係の、すべしという言葉はおかしいのですが、「竣功検査の励行」という一項目がありまして、各都道府県にこの竣功検査の励行を奨励と申しますか、指導しておられるわけであります。そうしますと、この刷新要項に出ております都道府県が行う竣功検査と、初めからずつと申しました主務省が精算をつけるについて内容を検査する、この竣功検査、これは主務省が直接行われますか、或いは先ほど申した通り支出負担行為担当官が行いますか、これはどちらであるかは先の質問の中に入つておりますが、この地方知事、府県と書いてありますから、これは一応知事となりますが、知事の行う竣功検査と支出負担行為担当官、或いは主務省の行う竣功検査との関係はどう理解すべきでありますか、この前お尋ねいたしました点について補足してこの点を明らかにして頂きたいと存じまして、気付きの点だけ申上げる次第でございます。
#6
○説明員(浅村廉君) 建設省の関係の分をお答え申上げます。災害復旧工事はこの公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の規定に基きまして、工事が施行されました場合には、遅滞なくこの事業費を清算して主務大臣の成功認定を受けなければならないという条文に基きまして、主務大臣が成功認定を行うということになつております。従来我々のとつて参りましたこの解釈は、工事がすつかり出来上つたのちに、出来上つた上で地方公共団体からの連絡によりまして、これを成功認定という形で認定をするというように解釈をいたしておつたわけであります。従いまして会計検査院からいろいろと御指摘を受けましたものが、未だ成功認定ができていない場合には、成功認定の上で必要な処置をいたしますということでお答え申しておつたわけであります。ところがこの成功認定というものが実は非常に遅れております。これは誠に遺憾な点でございますが、私どもたびたびかような席で申上げましたように、非常に陣容的に不足をいたしておりまして、災害がかように毎年相継いで起るような事態でなければ、当然かような行政事務はぴしぴしと処理して行ける筋合のものであり、又できると思うのでありますが、何さまものすごい量の災害が毎年発生いたしまして、災害が発生いたしますと、先ず災害の査定事務に追われてしまいます。この査定が容易ならない事務でありまして、特に実地検査を原則ということにいたしました関係上、ますますこの査定に関する事務量というものが殖えて参りまして、而もそれが査定のしつぱなしで済むものではなくして、査定しましたのちに、直ぐに設計変更というような問題も起りますので、いろいろ事務に追われて一年経つ、次に又災害が起つて来るというようなことで、さようなことが重なりました結果、非常に成功認定が遅れてしまいました。只今昨年中頃から何とか早くこれを軌道に戻そうじやないかということで督励いたしておりましたが、この事務が非常に残つております。只今一番進んだところで昭和二十四年の分が完了したというような程度であります。まだそれまでの、二十四年度までの分が残つているところもございます。従いまして二十五、六年というようなものの成功認定がこれがまだ実はできていない。で、とにかく今年あたりはもうこの事務をどしどし進めて、かような醜態をさらすようなことのないようにしたいというふうに考えているわけでございます。この点はまあ幸い若干陣容も認めて頂きましたので、従来のようなことはないと思います。今年は先ず非常にこの点は事務の進捗を図り得るようにというふうに考えております。併しながら解釈上、工事が済みました上で成功認定ということになつておりますので、災害復旧工事のごとく単年度で完了しない、二、三年長いのは六年も七年もかかつて出来上るというようなのが実情でありますので、成功認定という問題が非常にまあ遅れて来るわけでございます。そこでどうしたらいいかという点は、只今ちよつとお話もございましたように、私どもでは中間検査を励行いたしまして、そうして毎年々々きりをつけて行きたい、これは成功認定というこの制度でやるわけではございませんが、中間検査という制度がちやんとありますので、これは金の面も検査をしまして、そうしておかしい点はよく調べまして、そうしてどしどし処理をして行くということにするのが正しいというふうに考えまして、只今もうすでにその措置を講じて、どんどんできる限り中間検査等を励行いたしております。従いまして成功認定を待つて処理するというような御答弁を申上げることはもうおかしいのでありまして、私どもとしてはとにかく調査の上で、すぐ処理をいたすというふうに申上げております、という意味は中間検査を行いまして、そうして遺憾な事態は、工事が全部済むまで待たなくても、もう結着してしまうというようなことにいたしておるわけであります。これは法規の解釈上さようなことを言うのかどうかというような点は、或いはいろいろこれは理論的に研究いたしますと問題があるかも知れませんけれども、私はさような解釈をいたしましてやらしておるようなわけでございます。
 それから成功認定は主務大臣がやる仕事になつております。仕事は公共団体で行いますが、その結果、公共団体で清算をいたしまして、そうして一定の書類をととのえまして、主務大臣、つまり私どもで申しますれば建設大臣に成功認定の申請をいたして参るわけでございます。それで私どもが参りましてその認定をいたすということになつております。そこでいろいろミステイクでもありますれば、それが故意或いは重大なる過失ということになれば、当然主務大臣の行政上の責任が発生するというふうに私は考えております。
 大体建設省関係はこの程度でございます。
#7
○委員長(谷口弥三郎君) 次は運輸省の安井管理課長。
#8
○説明員(安井正巳君) 国庫負担法の成功認定の仕組につきましては、今建設省のほうからお話のありましたのと、我々のほうも全く同じでありまして、従来は成功認定を待つて一切を精算するという建前でおりました関係上、専門員のかたからお話のありましたように、我々の検査院に対する回答の中にも、そういうふうな表現が使われておつたわけでありますが、我々のほうも建設省のほうからの御説明と同じように、成功認定が早く行われておるということは残念ながら申上げられないような状況でありまして、大体運輸省のほうとしましては、昭和二十五年度分までは大体成功認定を終つておるというような状況で、六、七年について今やつておるわけでありまして、更に全部の竣功を待たずに部分的に竣功したというようなものについては、その部分についてのみの一部成功認定ということも考えられるわけでありまして、そういう面についても、人員なり予算の許す範囲内で、極力最近はいたすように努力をしておるわけであります。
 なお、いろいろ理想的な形を申上げますと、工事の途中において中間検査ということを行えば、それによつて未然に不当事項の発生を防止できるのも当然なことでありますが、それもこの委員会の一番最初に申上げましたように、それぞれいろいろな面の制約がありまして、なかなかいたしかねておつたようなわけであります。それで最近おきましては、特に我々のほうでもこの不当事項の防止を、何とかして実現したいということで、我々のほうのやり方としましては、今申上げましたように、できるだけ中間検査もやりたい。更に部分的に竣功したようなものについては部分的なその一部成功認定もやりたいということで努力をいたしておるわけであります。
 それからなお成功認定を行いますのは、運輸省のほうで行うわけでありまして、都道府県の土木部長が今一応支出負担行為担当官になつておりますが、この方面でやつているとは別に、運輸省のほうでやつております。支出負担行為担当官も、勿論或る程度の事実確認はやつていると思いますが、それは担当官としての立場においてやつているのであつて、飽くまでも成功認定というのは主務大臣がやるべきものであるという考え方で、運輸省のほうでやつているわけであります。
 甚だ簡単でありますが、以上……。
#9
○委員長(谷口弥三郎君) 農林省関係。
#10
○説明員(大塚常治君) 農林省の農地局の災害復旧事業は、建設省と多少違いまして、成功認定という制度がございませんので、毎年補助金を交付いたしました地区については、毎年検査を行なつております。それは原則といたしまして、府県にその事務を委任いたしております。従いまして府県は委任されました面の責任と、それから会計法上の支出負担行為の責任と併せ持つた性格で検査をやつているわけであります。
 それからなお刷新要項において竣工検査を励行すべしというような事項がございましたのは、会計検査院から指摘されました不正不当事項の中に、最も悪質と思われます架空工事というような例がございまして、これは明らかに竣工検査を行なつておれば発見されたものでありますので、こうした地区にはたまたま検査が行われていなかつたのではないかというような気持から、刷新要項に書きましたので、従来やつていなかつたから、特にやれというような意味ではございませんです。
 それからなお特に、これも刷新要項にありますが、特に大きな、金目の大きな地区につきましては、主務省の出先機関である農地事務局か、或いは農地事務局及び本省が竣功検査を行うことがございますが、これも補助金の交付事務を県に委任してございます関係上、これはチエツク的な意味のものであります。併しながら如何にチエツク的な意味のものであるからと言つて、県もやり、主務省もやりというような二重な検査を行うのは事務的にも非能率でありますので、主務省関係がやりました地区につきましては、その結果を県の支出負担行為担当官に連絡いたしまして、県の検査を省くというような事態もございます。
 以上農林省関係の検査の報告であります。
#11
○委員長(谷口弥三郎君) 速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#12
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて下さい。
 どなたか、別に建設省や、農林省とか、ほかに何も今のやつでありませんね。
 検査院のほうから……。
#13
○政府委員(小峰保栄君) 只今の専門員の御疑問に対しまして、各省の説明は竣功認定の点に終始したようでありますが、問題はやはり専門員のおつしやるように、毎年々々補助金を渡しているわけでありますが、その補助金に合うだけの工事をしていないというところに、大きな問題の原因があるわけであります。三年も五年も経つてしまつたあとで、国が成功認定をどんなに喧しくしたつて、あとの祭りでありまして、私どもも毎年の検収ということは、補助金交付に伴つて当然にこれは正確なものをやらなければいかん筋であります。恰好だけは現在のところ一応処理はできているのであります。立派な判を捺しまして、建設省それから運輸省で申しますと、土木部長などがやつております。それから農林省で申しますと、これは成功認定――農林省関係には漁港を除きましてございませんが、毎年の工事の検収ということについては農地部長がやつているわけであります。併しながら私どもが、その立派な書類ができておりますものの内容を検査してみますと、ここにございますように、千何百件かの問題が出て来る。こういう事態になります。やはりこの成功認定制度をどうするか、こうするかというようなことよりも、毎年毎年交付する補助金の裏付けになる検収、検査というものをしつかりやつて頂くということが大きな問題じやないだろうか、私どもはそう考えているわけでありまして、現在のところ形だけは検収をやつておられます。それから資料も書類も、検収の調書というものはついているのが普通でありますが、実を伴つていない。こういうところが問題じやないだろうか。私どもとしても検収監督機構の充実、機能の――機構と申しますよりも、その機能の充実ということを是非一つお願いしたい。これは前に参議院に資料として検査院からお出ししましたものにも、たしか繰返し繰返し書いたはずでありまして、それを現在の支出負担行為制度とマツチさせた上でお考え願いたい。支出負担行為制度という会計上の制度と、工事の制度としての検収というものは、完全に現在遊離してしまつているわけでありまして、金を払うときの検収というものは、一体支出負担行為担当官としての農地部長なり、土木部長の検収なのか、或いは工事の監督の委任を受けた府県知事の下部機関としての農地部長なり、土木部長なりの検収なのか、この点も現在のところ必ずしも、支出負担行為制度ができました現在の状態に適応しているとは言い難い状態なんでありまして、この辺をぴつたりと両方総合的にお考え願つて、これも専門員御指摘のように、金は一年々々やつているわけでありますから、それの裏付けとなる資料に、恰好だけでなくて、実を伴わして頂きたい。こういうことが不正行事をなくす大きな原因じやないだろうか。私どもとしてはそう考えているわけであります。
#14
○委員長(谷口弥三郎君) 当局のほうから何もありませんね。それでは委員のかたがたから何か……。
#15
○山田節男君 これはまあ補助金制度そのものが、我々がこうしていろいろと調べて参りまして、まあ実に今日の、何と申しますか、大きく言えばもう地方行政の政治道徳の頽廃、それの一つの大きな原因になるように思うのですが、併しまあこれは今日の行政組織から言えば、補助金制度、いわゆる国庫から地方の公共団体に補助金を与えることは、これは甚だ私は必要だと思うのですが、今のようにこの会計検査院も言われましたが、現に昨年の七月に会計検査院長が建設大臣に宛てての、今問題になつているこの国庫が負担する工事の査定の問題、それからこの支出負担行為をする者の職責、それから成功認定、これらについての非常に不完全な点を指摘されておられるわけですが、どうしてもこの補助金制度が、今日の制定から言えば、必要なフアクターと言いますか、いわゆるネセサリー・イーヴルというふうに考えれば、どうしてもこれはなくちやいかん。そうすると、どうしても今日の補助金によつて助成される幾多の不正行為を如何にしてこれをチエツクするか、これは具体的に我々としても考えなくちやいけない問題であり、今いろいろそれについて意見が出て来たと思うのですが、小峰局長にお伺いしますがね。例えばイギリスは非常に地方自治制が発達した国で、私どもはそれを専門に調べたわけじやありませんが、例えば向うでは非常に古い補助金制度、例えばグラント・イン・エイドという制度がある。それからサブシテイー、これはイギリスとアメリカ……ヨーロツパのどこの国でもサブシダイズ、国家から普通の公共団体に対して、地方自治体自身の費用の点で賄い得ないもの、或いは事業自体が国家的ですけれども、これは国庫が負担するということは、近代国家としてはこれは一つの通則だろうと思うのですけれども、まあ、あなた欧米に行かれたのだし、この補助金制度、これがイギリスあたり私ども五年おりましたけれども、この補助金の問題で、そういうスキヤンダルが起きたというようなことは一回も私ども聞いたことがないのです。例えば相当スコツトランドあたりで水力電気の開発を一九三〇年頃から始めて、小さい水力発電所を随分作つた。これは国庫で殆んど三分の二ぐらいこれを賄つて、たしか地方の自治体が主体になつてやつているけれども、これは私一度通つただけで、その事業そのものの内容は知りませんが、国から金をもらつてやつているのだということを聞いております。併しこういつたような、建設省あたりで、特に毎年繰返される補助金によるスキヤンダルというものを、未だ曾つて聞いたことがないのですね。だから何か機構的に悪いことができないような、今指摘されているような、実際支出負担行為担当官の職責なんで、それと成功認定、更にそれから最初のこの査定、それからいわゆる支出負担行為をする場合のいわゆる精算的なもの、或いは工事が実際どのくらいまで、その成功認定を与えるためには、工事量なり、工事費を詳細に検討しておるのが、これは役割だろうと思うのですが、実際そういうものを事実採用していないということなんです。会計検査院からも建設大臣に宛てて一つの警告を発している中にも、そういうことが語つてある。ですからこれは会計検査院として、もつと具体的に、この建設省、農林省、或いは運輸省、その他補助金をどうしてももらわざるを得ないというものに対しては、会計検査院がむしろ具体的に、こういうふうにしろという案を示してやるべきじやないか、まあやるべきというか、非常に望ましいように思うのですが、若しあなた、我々の参考になるような点で、アメリカとかイギスリあたりで、この補助金制度の支出はどういう工合にしてやつているか、若し簡単にお示し願えれば、これは参考になると思うのですが、どうですか。
#16
○説明員(小峰保栄君) イギリス、アメリカのお話伺いましたが、イギリスで先ほどお示しがありましたグラント・イン・エイドですか、これなんか非常に歴史が古い。それから会計検査院でも、イギリスの会計検査院は日本と大分違うのでありますが、これは国会の機関であります。国会機関である会計検査院も、これを検査をしているというようなことは、ちよつと何かで見たことございますが、詳しいことは存じませんで、ちよつと控えたいと思います。それからアメリカでありますが、日本ほどどこの国でも国庫補助金の多い国は世界中にないようであります。日本は考えようによつちや非常に大きな補助金で埋つてしまうというようなことも考えられるくらい、種類も多いのでございますし、金額も多い。一般会計の二十七年度の決算で申しますと、平衡交付金を除いても、たしか三割近くじやなかつたかと思いますが、一般会計の財政支出の平衡交付金を入れますと、四割以上になるのでありますが、四割以上のものが何かの形で地方へばらまかれるというような国は、恐らく私は世界中にないと思うのであります。アメリカでは、これが非常に小さいのでありまして、いつぞや或いは申上げたかと思いますが、地方財政の、日本の府県に相当する州の財政で申しますと、日本ではこれが国庫支出金というものを平均して、東京とか、大阪のようなところを入れましても、四割以上についているのであります。府県財政のうち平均四割以上というものが国からもらう金――これはもらうと言うと或いは穏やかでないかも知れませんが、ともかくも国庫の援助を受けている金、アメリカではこれは一四%くらい。最近のは存じませんが、四、五年前のあれで申しますと、一四%ぐらいにしかついておりません。で、いつぞやもお話申上げたかも知れませんが、主として道路の補助金とか、小学校の建物の投資的な補助とか、こういうようなものが大部分でありまして、あとは社会施設関係の補助というようなものが大部分でありまして、日本のようにもうあらゆる面に補助金の綱がめぐらされているというようなことはないのであります。ただ、日本にちよつと似ておりますものは、農産物関係の価格維持というようなものの補助金があるようであります。これにつきましては、会計検査院でも検査が非常にむずかしい関係もありまして、特別の検査課と申しますかを持つておりまして、これのブランチ、出張所が、全国にたしか十何箇所でしたか、二十何箇所でしたかございます。そうして補助金を交付する前に、関係書類を、これは大体相手が非常に小さい事業主体が多いものでございますから、その書類を不審査いたしました上で補助金を交付する、事前検査を会計検査院でやつております。これだけは特殊の取扱いをしているのでありますが、ただ日本でこういう仕事をやろうとしても、これはちよつと今の会計検査院では無理でございますし、結局今の一番問題になるのが、災害復旧とか、土木関係の公共事業関係の補助金が一番問題が多いわけでありますが、こういうものをあらかじめ会計検査院の査定から、事前の検査からして金額を確定するというようなことになると、弊害のほうがむしろ強いのじやないかというようなことで、ちよつと今のアメリカの細かい農業関係の補助金に対する事前検査というようなアイデアを日本に入れるのは、私は無理じやないだろうか、こう考えておるのでありまして、アメリカあたりの制度を見ましても、何分そのベースが日本のように補助が無暗に多い、金額も多いし種類も四百種類ぐらいでございます。こういうような種類の多いところで、外国の例を持つて来てお手本にするということ、そのことが不可能ではないか。何とか日本として適当な方法を考えて行かなければいかんということになるわけでありますが、そして具体的に会計検査院から改善方法を示したらというお話でございますが、昨年これはお手許に行つていると思いますが、農林、建設、運輸、この三省に対しまして、院長名の正式の改善思見、支出負担行為制度に対する、これは純会計的なものでありますが、それ以外の行政の内容に相当関係するというようなことを、詳細に文書でお出ししているわけでありますが、これを全部やつて頂ければ、今の補助金の不正工事というようなものは、殆ど全部なくなつてしまうのではないか。そうむずかしいことを申上げていないつもりでありまして、例えば査定を強化する、こういうような面も建設省では私どもの意見の線にお乗りになつてやつて、昨年のあれだけの大きな二十八年の災害というものに対して、八割からのものを実際やつておられるのでありまして、農林は依然として二割しかやつていない。これが、この間山田委員からもいろいろ強い検査ということで御批判がありましたあの早期の調査というものの上に、結果においてはつきり表われております。農林は非常に各県とも便乗工事が今のところ、或いは二重査定とか水増し設計、これが多いのでありますが、金額的にも驚くべき金額が出ているのでありますが、建設省は意外といいますか、これは非常に結構なことでありますが、農林省に比べるとはるかに金額が少い。同じ標準で殆ど同じ人間が見て廻つたわけでありますが、一人の局長の下でやつたわけでありますが、非常に顕著な差がここに出ているのでありまして、昨年の私どもの年度末にやりました調査というものは殆ど査定の再調査が主眼であつたのでありますが、その結果において、建設と農林では各段の差が出てしまつたという大きな原因は、今の農林が依然として二割見当しか実際はやつていない。建設省は同じような条件で、なるほど工事の数は農林省よりは少いかも知れませんが、ともかくも非常に頑張つて八割からのものをおやりになつた、この結果がはつきり出ているのであります。そしてそういう建設省のほうが大勢の人数を使つているわけでもないのでありまして、五十人見当という人であります。農林省は多分全国にばらばらにおいているところに大きな欠陥があると思うのですが、建設省のように一手に握つていない、本省にまとまつておられないというところにいろいろなあれが出てくると思いますが、ともかくも全部の人数を合せれば、五十人やそこらではきかないはずであります。建設省は集中的にお使いになる、農林省はばらばらにされた思いますが、ともかくも割拠的にお使いになつている。こういうようなところにも大きな差があるのじやないかということも、具体的に申上げるとすれば、そういうようなことであります。昨年の私どものお出ししました院長名の改善意見と別に、事務総長名の照会という形で御返事を早く伺いたいという意味で、そういう形をとつたわけでありますが、いろいろな細かいこともありますしたのですが、結局は査定それから中間検査それから支出負担行為制度との調和、それで本省で全部おやりになろうとしても、これは無理でありまして、やはり地元に近い府県の検収監督機構というものを充実させなければ、何ともしようがない。そういうような点を特に強調しているのでありまして、或いは抽象的と御覧になるかも知れませんが、私どもとしては実は相当具体的に書いたつもりでおります。
 それからもう一つ、これはイギリスなんかのあれとはまるきり違うと思いますが、ともかくもらうほうの心構へ、事業主体のほうで怪しげな書類を作ることに汲々として、できるだけ余分に国庫負担金をもらおう、そうしてあわよくば、あわよくばというよりも殆ど全部が、当然当初予定されている自己負担をしないで、補助金の範囲内で、少々ごまかしてもやつてしまおうというのが、滔々として全国を風擁している、これは甚だ申上げにくいことでありますが、実際はそういうようであります。こういうようなところだということを、一つお考え願いたいのでありまして、この辺イギリスあたりの制度がうまく運用されていることと、非常に違つた結果が出て来ているのじやないだろうか、けれどもこのままで放つておいていい、やかましいことは会計検査院だけに委しておけばいいということでないと思うのであります。各省とも、当然その国費を使う責任をお持ちになつているわけでありまして、できるだけそういうことが起きないようにおやり願いたい。私どもとしてはそういうふうに考えているわけであります。
#17
○山田節男君 この補助金の弊害というのは、要するに日本が明治初年以来、いわゆる何といいますかフユーダル・ガーヴアメント、いわゆる封建的政府といいますか、官僚主義であつて中央集権主義であつた、然も自治体は財政的に非常に貧弱である、それにプラス政治道徳が非常に低いということが、これは非常に日本の抜くべからざる伝統のようになつているのじやないかと思うのでありますが、少くとも新憲法の下において、民主政治が行われ、地方自治体というものも、市長は公選されて、形体だけは民主政治のようになつて来たけれども、併し新憲法の下においての補助金制度というものが悪用されるなら、むしろないほうがいいのじやないかということまで思われるのですが、併し先ほど指摘があつたように、建設省はこの補助金の問題については相当協力している、農林省あたりが非常にだらしがない、こういう講評を受けているわけですが、今問題になつている例えば支出負担行為担当官、これも非常に重要な役目を持つているわけでありますが、農林省並びに建設省ですね、一昨年或いは一昨々年あたり、支出負担行為担当官が職責を全うし得なかつたというようなことのために、例えば建設その他で行政処分的なことをしたケースがあるかどうか、これは建設省、農林省、運輸省だけでもよろしうございますが、そういう事例があるかどうかお伺いしたい。
#18
○説明員(浅村廉君) 只今検査院のほうからお話がございましたように、一応補助金を交付いたしまして工事を実施さしておりますので、とにかく毎年の実績出来高につきましては、県においてこれを検収いたしまして、一つの調書を作つているということになつております。ただこれが県のほうの調査自体が、やはり手不足の関係もございまして、完璧に行つていないというような点、それから私どもの中間検査等が、人不足の点から十分に励行されないというような点、いろいろ重なりまして、批難事項というものが非常に発生しているというような事態になつておつたと思います。そこでこの支出負担行為担当官、県の土木部長を支出負担行為担当官にいたしまして、この補助金の交付の事務を扱わしておるわけでありますが、勿論この支出負担行為担当官が本当にしつかりやつてくれれば、不正事項というものは、こういう批難事項というものは発生しないということが、理論的に言えるわけでありまして、この責任問題でありますが、私どもとしてはこの制度自体いろいろ研究をいたしまして、決してこの制度が悪いというわけではございませんが、非常にこの制度の運用がむずかしいという点もございますし、それから災害の仕事が非常に量が多うございまして、圧倒的に量が多い。これはこんなことを言うと叱られるかも知れませんが、人力を越えるような量がわつと攻めて来るというようなことがございまして、やつと落ちつくと次のが始まるという関係で、どうしてもそういう点に疎漏の面が出て来る。悪いことは確かに悪いと思いますが、これを責任まで追及いたしまして、いろいろな行政上の、身分上の処置をしたという事例は、実は二十五年、二十六年、二十七年等の災害については、私の聞いている範囲ではございません。放つているわけではございませんで、いろいろとこれに対しては注意を発し、いろいろやつておりますが、特にこれをやめさせるとかと言つたような、そういう身分上の処置は私はやつたような事例がないように思つております。ただ、非常にそういうようなお叱りがあります場合には、私どもとしては、むしろくどいぐらいに注意を促しておりまして、公共団体といたしましても、やはり一番、只今もお話がありましたように、相当補助金なりというものが大きなウエイトを占めておりますので、リストに載るようなことをやりますと、次の際に考慮されるのではないかというような危惧の念も当然持ちますし、私どもでいろいろ注意をいたしますと、それは相当に公共団体も深刻にそれに対しては研究をし、又今後このようなことを繰返さないように努力いたしておるあとが見えるのであります。現在までの建設省の状態はさような程度でございます。
#19
○説明員(安井正巳君) 運輸省としましては、先ほど来申上げておりますように、一応今までの建前が成功認定によつて決するということを考えましたことと、もう一つは現在の県の陣容なり能力を見まして、これを只今御希望のありますように、果してやるだけの能力あるかどうかということも問題がありますし、従いまして我々としては、やはり現行法の法制がある以上は、こちらの法制の下に成功認定によつてきまりをつけたいというようなことでやつて来ました関係上、今まで私が聞いておるところでは、そのために特別に謎責を受けたというような事例は聞いておりません。
#20
○説明員(大塚常治君) 農林省の支出負担行為担当官は農地部長でございまして、この責任の問題につきましては、実は二十七年度までの方針といたしましては、こうした不正、不当事項は成るべく少くなるように指導するという面で参つたのでございますが、二十八年度以降からは、それでもなお且つ改めないというような者には、或いは責任をとつて頂くようになるかも知れないという方針で参つております。従いまして、担当官といたしましては、これが直接の原因ではないし、又行政上の処分からということではないのですが、某県の担当官はやめて頂きましたのが一件でございます。なお、担当官の補佐官といたしましての課員等は、著しい不正の発生いたしました、又悪質な不正の発生いたしました地区については、任務替等をやつております。それからなお建設省に比べて農林省が非常に不正、不当事項が多いというようなことでございますが。これは建設省より数が多い。人員に比例して数が多いということも一つの理由でございますが、もう一つは、農林省の補助金を受ける団体が、悪い言葉でありますが、農民等で技術力のないかたの団体が多い。従いましてこの事業の設計というような面がなかなか自分でできないのでありまして、殆んどすべての地区が県の係官が代つて設計をしてやる。それで県のほうの技術力が建設省等に比べまして、そうした方面にとられる努力が多くて一層足りなくなる。二十八年発生災害について、建設省は八割、農林省は二割というような事例がございましたが、未だに八割の自設計ができない県がありますので、仮に農林省の関係の査定官の要員を殖やしまして、査定のほうはできるような態勢にいたしましても、県の技術力がこれに伴わなくて、できないというような面もあろうかと思います。以上であります。
#21
○山田節男君 我々県庁あたりに行つて見まして、支出負担行為の担当官は、出納長とか、或いは建設省関係で言えば土木部長、それから農林関係は農地部長、或いは農地局長、こういつたまあ県の吏員が担当官になつているわけなんですが、我々実際県庁あたりに行つてみて、直感的に感ずることは、これら県の吏員である出納長にしても、或いは土木部長、農地部長あたりは、自分の県のことでありますから、例えば建設関係或いは農林関係にしましても、やはりできるだけ金を取つて又自治体にも負担を成るべく軽減してやろうというような気持になるのは、これは自然と言つちや非常に誤弊がありますが、それが実情なんです。そういつたような地方の公務員で、県庁の県知事の下に属している土木部長とか或いは農地部長、或いは出納長というものを、支出負担行為にするということ自体が、やはり今日の補助金に非常に弊害を生む大きな私は原因じやないかと思うのです。而もお聞きすると、建設省には一件もない、運輸省にもない、農林関係で僅かに一件間接的な圧力というか、でやめたというものしかないというような話でありますが、これはどうですか、例えば建設、農林両省の場合、何とかして補助金の弊害を切ろうということになれば、県に建設関係で、一人や二人の……一人くらいはやはり専任にして支出負担行為を担当するものを置き得るのじやないか。農林省の場合にも、私は金額から言つても、或いは件数から言つても、もう地方では持て余しているというほど数が多いのでありますから、これを補助するという意味から、それから責任の所在を明らかにするという意味からも、むしろ中央本省から各県に一人ずつ出したところで四十四、五名あればいいわけです。それでも私はこれだけの浪費を、若しここで以て半減し得ても、大きな私は国にとつては経済じやないかと思うのです。で、これは建設、農林、運輸等が、現行の支出負担行為担当官というものは、地方公務員だけでやつている。或いは特殊の場合は、本省直属の担当官というものがあるのか。あればどういうような場所でそういうものがあるのか。若しあれば御説明願いたい。
#22
○説明員(浅村廉君) 私、建設省の関係では、国の職員が地方に出向きまして、或いは地方におります国の職員が、支出負担行為担当官になつている例はございませんが、県関係の工事に使われます土木関係の補助金の支出負担行為担当官は、土木部長ということでやつております。只今お話のありましたように、国の職員をそれぞれ県に配置いたしまして、それに支出負担行為をやらしたらという御意見御尤もでありますが、実は私どももさようなことも、事務的にはいろいろ研究もいたしております。いたしておりますが、又これに対してはいろいろ実は別な面から、よほど選考よろしきを得ないと、却つて弊害のほうが大きく出るというようなことも考えなければならんというような反対の見解もございまして、研究はいたしておりますけれども、まだ結論には至つておりません。
#23
○説明員(大塚常治君) 農林省におきましても国の官吏が担当官或いは支出官になつておる例は、補助金、災害復旧関係の補助金についてはございません。それからなお、国の職員を地方に担当官にしてはというような御意見でございますが、仮に担当官一人を国の職員といたしましても、当然これに多数の補佐官が要るわけでございまして、そこまでも国の職員ということは現在の要員ではとても望み得べくもない、こう考えております。
#24
○山田節男君 まあ農林省にしても、運輸省或いは建設省にしても、どの省でもよろしいですが、この支出負担行為の担当官のなした行為について、これが妥当であるかどうかということを検査するというその機関はないのですか。ということは、もう支出負担行為担当官のなしたことの検査は会計検査院だけが今日はやつているのであつて、本省としては支出負担行為の担当官のなしたことに対しては、何ら事前事後の検査ということはやらないのですか。
#25
○政府委員(辻章男君) 運輸省ではございません。
#26
○山田節男君 農林、建設は……。
#27
○説明員(浅村廉君) 私は支出負担行為担当官が行なつたことを、全然文句が言えないというふうにも、まあ実は考えておりませんので、建設大臣が土木行政を運営しております以上、やはり支出負担行為担当官に非常な大きなミスがあることが誰でもわかつておるのに、重大なる過失について知らなかつた、或いは故意でそういうことを知らん顔をするということは、私は許されないと思います。或いは、災害について申しますれば、中間検査等の権限もございますし、それに対してどしどし私はそれはその間違いを正すということは建設大臣の大きな権限で当然できるとは思つておりますが、実はそれが徹底していないために、いろいろ批難事項等が出ておるのでありまして、何とかこれを正しい姿に戻すには、陣容も増し、又その面の努力も大いにしなければならんということになるのじやないかと考えておるのであります。まあ災害について申しますれば、今、人間を相当に頂きましたので、私の考えでは査定官のほうはまあ相当無理はいたしましたが、とにかくやつて来たのですから、査定よりもむしろ中間検査のほうにその殖えた人間を使いまして、そうしてこのようなことを、全部防止するというような、口幅つたいことは私もなかなか申上げかねますが、少くともそういうことを減らすということは、この陣容でやつて行かなければならんということに、只今考えておる次第でございます。
#28
○説明員(大塚常治君) 農林省におきましては、先ほど竣功検査の件のときに、主務省か或いはその出先機関である農地事務局の職員が、金額が大きな地区の検査をするというようなことを申上げますが、これは負担行為担当官を検査するということでなくて、模範的な検査を県の職員と一緒にやつてみるというようなチエツク的な指導的な面でやつておりまして、成るべくそうした方向に、やり方に県としての検査もしてくれというような面で指導をしております。検査するとかいうようなことはございません。
#29
○飯島連次郎君 補助金に関する不正不当は二十六年に比べて二十七年がかなり大幅に増額しておるという事実があるのであります。これは国から出した補助金の総額が二十六年度の千三百五十六億に比べて二十七年の二千二百四十八億ということで、それは二倍にはなつておらないのに比べて、会計検査院から指摘をされて返納又は減額を要した金額が、二十六年度の三億余万円に比べて、二十七年は総計十億六百余万円と、こういうふうに激増しておるということの事実ですね。これは一体何に基いておるのか、小峰局長一つ。
#30
○説明員(小峰保栄君) 二十六、二十七両年度の被害でありますが、実は会計検査院でも数年前までは、全国の何万という中からともかくも何パーセントなりの補助工事の現場を見るというだけの内容を持つていなかつたのであります。御承知のように、二十二年に急に増員いたしまして、それで会計検査のような仕事は増員したからと言つて、すぐによそへ検査に行けるというものでもありませんので、数年の訓練を要するのであります。暦年で申しますと、一昨年二十七、二十八年ぐらいになりましてだんだんこの能力が全体として総合的な能力が高まつて来た、こういうことがはつきりと言えるのであります。農林並びに建設の補助工事の検査というものも、それに伴つて検査院側のほうが充実して来たというのが一番大きな原因ではないだろうか。と申しますのは、二十七年度は二十六年度の検査報告の批難件数なり金額の数倍にもなつておるのであります。これだけ二十六年度に比べて悪い事態が増加した、こうは私は見られないと思うのであります。これは皆そういうふうに観測しております。この補助工事につきまして全般的な検査を思い切つてやつてみよう。建設省があの昨年の大災害を契機として思い切つて実査をしよう、こういうような方針になつて八割方の実査をやつておる。これは大変な努力であろうと思いますが、私どもがともかくも全国を歩いてみようという気持になつたのが、二十五年度の法に特例ができたのが契機となつておるのであります。あのときに原形復旧と原形超過工事というものの区別ができたのでありますが、それまでは原形復旧も原形超過もごたごたにして扱つておつたのでありますが、法律上の区別は、原形は全額国庫負担、超過は三分の二と、こういうような法律上のあれができまして、それでこれは今までのような原形とか原形超過というものをごたごたに扱つておつたら大変なことになる。非常に国の負担も殖えるし、正直なところといい加減なところと非常に差ができる。これは法律の趣旨に順応するためには、ともかく四十六都道府県を一応は歩こうと、こういうことで当時としては建設工事の四十六都道府県を歩いたわけであります。検査院開設以来初めてでありますが、ともかくも一年間に一遍、これは工事の数から行きますと少なかつたのでありますが、四十六の都道府県一曹にお邪魔するということは今までなかつたのでありますが、三年に一遍か、小さいところは四年に一遍しか行つていなかつたのでありますが、ともかくも一遍やつてみようということでやつたわけであります。工事の数は七%か八%しか見られなかつたのでありますが、一応全国ではいちじるしく多数の今の原形復旧と超過の区別ができたわけでありまして、それで暦年で申しますと、二十七年度限り法律が変りまして、余り原形、超過の区別を問題にする必要がなくなつたのでありますが、一回ともかくも全国歩いたものですから、二年目、三年目もそういう方針で、これはやればできるのだということでやつたのであります。それから農林も一遍やりましたが、建設でやつたことを農林でできないことはないじやないか。成るほど元ほどお話になりましたように、工事の数が非常に多い。それから建設に比べまして検査のやり方としては複雑なのであります。事業主体が非常に小さいというようなことも不当不正工事を非常に生む大きな原因であると同時に、私どもの検査としても非常に建設よりはむずかしいのでありますが、そういうことをとにかく全部克服してやつてみようじやないかと、こういうことで二十七年、二十八年やつたわけであります。二十七年は農林で申うますと、いわば初年度でありまして、建設の経験はございましたが、農林につきまして全国一齊にともかくも歩いてみるということは初めての年であります。検査としては二十七年のほうが行届いたということは、これははつきり第二年度のことで申上げられるのでありまして、二十八年度につきましては、これは現在これからやるのでありますが、一月から三月までの間に、この席上でも今日も申上げましたが、査定がいいか悪いか、昨年は大きな災害だつたものですから、査定がちよつといいか悪いかで何億という金が違つて来るのでありまして、これを全額国庫負担とか、七割の国庫負担で便乗工事なんかどんどん従来のようにやられたのでは、これはたまらないのでありますから、そういう面に重点をおいて調査いたしましたので、まだ支出もしてないものが大部分であります。検査報告の件数という点になりますと、批難件数になりますと零になるわけです。一月から三月までは検査報告に上らない。批難できないものを私どもとしては早目に調べたわけでありますが、二十八年度においては恐らく批難件数は減るのじやないか。件数だけで参りますと減るのじやないか。ただ未然に防止したものが非常に多い、こういうことになるのでありまして、金額としてはこれは或いは殖えるかも知れませんが、又現に恐らく総額では殖えると思いますが、批難する件数ということになりますと、非常に減るのじけないだろうか、こう思つておりますので、件数の高ということが必ずしも事態のよし悪しのバロメーターにはなつておらん、こういうことを御了承願いたいのであります。検査能力の充実ということが大きなあれじやないだろうかと私どもとしては観測しておるわけであります。
#31
○飯島連次郎君 それから批難されて来た件数だけから両年を比較して見ると、やはり殆んど補助金に関する面、批難事項の殆んど大多数は災害復旧事業費に関係する問題ですが、それを分類して見ると、やはり過去もそうですし、昭和二十六、七年度とも共通に目立つ点は、農林省で言うと、工事の出来高が不足しておるということ、こういつた範疇に属するものと、工事の設計が過大であつたということ、まあこれが両年度を通じて非常に目立つて件数も多いし、金額も多い、恐らく昭和二十八年度も同様ではないかと大体推断できるわけですが、これらについてやはりそういう点はここにあるのじやないかと思うのです。ですからこういうなかなか改善されずに今日まで来たこの原因が一体どこにあるかということは、過去の委員会で大体焦点が明らかになつたわけですが、これについての改善意見をいろいろさつきも若干質問が交されたようでありますが、これは会計検査院の立場では積極的な改善意見をどういうふうにお考えになつておるか。
#32
○説明員(小峰保栄君) 検査報告に載ります批難工事の大多数というものは、今お示しのように出来高不足、それから出来高不足の程度の悪い、いわゆる疎漏工事として分類してあるものであります。私ども検査に参りますと、先ず工事の設計書と、それから設計通りに果して工事ができているかどうか、これを検査するのであります。と申しますのは、設計通りにできたということで補助金が行つておるわけであります。工事の内容が補助金を交付しましたものの裏付け通りになつているかどうか、これが先ず第一歩であります。そういたしますと、設計通りにできておらん、神奈川県の例をこの委員会で御覧下すつたそうでありますが、あれなどもよい例だと思うのでありますが、コンクリートらしいものが、たしか固まつていなかつたように聞いておりますが、非常にぞんざいな材料を使い、セメントを手抜きしている、こういうことになつているのであります。ところが補助金のほうは満足なしつかりした一・三・六のコンクリートのができたようになつて補助金が行つておるのであります。工事の出来高が設計通りにできておるかどうかということを主眼に検査しております関係で、それに関する批難事項が非常に多いのであります。それ以外のものは、いわば派生的に、一緒にぶら下つて来る、見付けるというような関係に立つのであります。これはどうして私どもとして、そういう点に主眼をおいておるかと言いますと、結局考えようによつては、これは補助金を、いやな言葉でございますが、補助金詐欺であります。百万円の工事をやるから六十五万円の補助金をつけると言つたところが、百万円の設計通りにできていないということになりますと、これは補助金を余計にやり過ぎたことになるわけでありまして、こういうような、言葉はおだやかでございませんが、ともかくも補助金のやり過ぎ、取り過ぎ、こういうことになるのであります。ここに主眼をおかざるを得ないわけであります。一体どういうところにこの欠陥があるかといいますと、工事の形から見ますと、正に請負人の手抜きであります。初めは私どもとしても、請負人が不誠実というところに主眼点があるのかと思つたのでありますが、農林関係で一昨年からどうもそうでない、これは請負人が手抜きをせざるを得ないような事態に追込まれている、と申しますのは、先ほどの例で申しますと、百万円の設計に対して百万円の金を払つていないというような事態が続々とわかつて来たのであります。六十五万円で請負人と内交渉をやつて、百万円という書類を作つているが、六十五万円か七十万円しか金を払つていない、或いは六十万円、五十万円で上げてしまつている。こういうような事態も幾つかわかつておりますが、そうなりますと、請負人としては百万円の設計通りの仕事をしないのは当り前、というとおかしいのですが、手を抜かざるを得ない、こういうような事態がわかつて来たのであります。建設につきましても、これは一年遅れましたが、二十七年度はそういう事態がほうぼうでわかつて来ております。結局地元が、国に補助金の申請のときに出した通りの約束を履行していない。これは小さい事業主体というようなお話がさつき出ましたが、小事業主体が多いというようなところも、その一つの原因になつているわけでありますが、ともかくも正式の公文書に書いた通りのことを地元がやつていない。結局自分で三割五分なり何割かの負担をしなければいかんのに、それをしていない。こういうところに大きな原因があるということも、二、三年かかりましたが、大体わかつて参りました。そうしてそれが傾向として見られるということがはつきりして来たわけであります。そうなりますと、ただ請負人だけを不誠実呼ばわりして責め立てても、これは抜本的な解決にはならんわけです。請負人がそういうことに応ずるという点では誠に遺憾なのでありますが、そういうことに仕向けるような事業主体というものも何とかしてもらわなければ、いいものができないわけで、結局この解決策ということになりますと、今の点に絡んで来るわけでありますが、工事を監督する場合に、設計通りの工事をやるようなことを先ず考えること、それからそういうようなことに地元として仕向けないようにしてもらうこと、この二つが根本になるわけであります。それで結局のところ、地元の心がまえということにつきましては、どうも私どもとしては、とやかくそう申すわけにも行きません。やはり消極的でありますが、工事の実施上の監督なり、或いは地元負担金の斡旋、当局で地元負担金を斡旋する。非常に災害を受けたあとで、三割五分とか二割五分とかいう負担をするということは、これはなかなかむずかしいことでありまして、これの資金の融資の斡旋なり何なりを心掛けるようにしてはどうか、こういうことも改善策として実は申上げておるわけであります。結局工事の実施の監督面の強化と、地元負担金の適時の斡旋、これは時機を失すると何にもならないのでありますが、こういうようなことに私どもとしては解決策を落ちつかせざるを得ない、こういうような関係にあるわけであります。
#33
○飯島連次郎君 次にそれでは所管省に伺いたいのですが、問題を今のところに集中してちよつとお伺いしてみたいと思います。申請するにつきましては、一つ適正な設計に基いて責任のある申請をされるということが、これは先ず出発点における根本だと思う。ところがこれはまあ農林省関係の一つの例ですが、これは他省の場合にも恐らく共通すると考えられる。それは現場に行つて、いろいろ事業主体に聞いて見ると、さつき言うように特に、農林関係は事業主体が小さいために、事業主体みずからに設計の能力がない。そうすると、結局依頼を受けて、県の出先機関である地方事務所の担当の課で設計に当る。従つて直接の設計の事実上の責任というものは、依頼を受けた地方事務所の農地課と、こういうことになる。勿論事業主体と緊密な連繋の下に設計をしておるには違いないけれども、その設計に基いて出て来た、つまり申請の全額というものと、実際でき上つた工事に要した工事の実際の経費というようなものの食違いが、それがこうやつて我々のところに批難をされて来る不正等の事実であり、返還を最悪の場合には要求されるということになるわけでありますが、そこでそういつたつまり過大な設計を要求に基いてした、こういうふうにも見られるけれども、又一面その設計をした側から言えば、十分それはそういつた了解の下にしていくに違いないのだから、これは好意と見なさざるを得ない。一方的の意思でやつているのではなくて、明らかにこれは好意の所産が然らしめておるということだ。そこでそういうことがまあ大多数の実情じやないかというふうに判断されるので、そこで今度はその間に介在する請負師の問題がそこに出て来るわけですが、請負と事業主体というものが、その設計に基いて、いわゆる裏契約と言いますか、例えば百万かかる工事ならまあその七割の七十万くらいで、事実は内々の契約ができている、併し表は飽くまで百万円という設計であり、百万の申請でやつていく。ですからこれがまあ会計検査院あたりに現場でつかまらない限りは百万ということで通つて、そうしてそれに基く、例えば六割五分の補助金というものがおりていけば、実際は地元の負担は殆んどなしに、補助金だけで工事ができ上る、まあこういうことなんです。ですからそこのところを改めない限りは、幾らこういうところで論議をしてみたところで始まらない。それでそれなら初めから責任のある申請をし、そうしてそれに基いて正当な現場の監督なり或いはさつきの中間検査なり、或いは成功認定ということが問題になつて来るわけです。一番の問題は、私はやはりその出発点にあると思う。そこでこれはまあこの間の例でありますが、神奈川県の小鮎村の実情は、いろいろ県の出先の人たちの意見を聞いてみると、事務的に非常に未熟なために、そういつた会計検査院に批難をされるような事態が起つたので、その事務的に未熟というのはどういうことかと思つて些細に追及をしてみると、これは私現場を見て、成るほど事務的に未熟というよりも、まあ驚くべきこれは不整備だと考えるわけでありますが、毎日々々の出没した人夫の帳簿そのものが、実にこれは会計検査院の検査官はおろか、我々が見ても到底正当な帳簿と認められないようなつけ方をしておるわけです。ですから結局最後の結論としては、実際に労力を提供して働いておつたんだけれども、なかなかその労力に対する正当な報酬がもらえないので、それで働くには働いておつたにもかかわらず、補助金というものが過少で打切られてしまつたというような結果に、結果としてはなつている。ですからこれは明らかに県なり出先の地方事務所なりの、やはり事務的な指導が足りなかつたということになるのじやないかと思うのです。これは農林省で言えば、昭和二十八年の四月に、災害復旧事業刷新要項というものを出しておりますから、今の事実は二十六年の事実であるので、その刷新要項という、これが少し時期が遅れておるので、この中に盛られておる事実がそのままは当てはめることは少し無理かと思いますけれども、例えばここの刷新要項の中に、事業主体の備え付帳簿の指示と、こういうことが掲げられております。この事業主体に備え付けて保管せしめる書類については、専ら都道府県の指導に任せ、都道府県はこの指導の徹底を欠いたため、不都合な事態が生ずる一因となつておる。それからなお備え付帳簿の種類だとか、記載方法を統一して、これを指示、実行せしめる、こういうことがあとになつて指示されておるわけでありますが、併しやはり先般のような事例は恐らくこれは神奈川県の一局部の一事例に過ぎないのではなくて、全国、まあこれは私どもはほかのそういう事例を知つておりますが、もう至る所でこういうことが行われておるということが言えるのです。ですから、そういう細かなことと言えば、細かなことですけれども、出役した人夫に関する正当な、つまり記帳なり、日々の事務処理の方法というものをもう少し末端まで、これはやはり指示を徹底履行せしむるということが私は必要じやないかと思う。それが逆に言うと、そういうことが整備されて来れば、今度はさつきの無責任な設計を依頼したり、それから責任の薄い設計が行われるということが、逆に未然に防止されるのじやないかと、こう思う。ここらのところに私は一つの山があると思う。人夫にしても、出た人夫の数なんかも極めてルーズであり、従つてその単価等も調べてみると、受取つた人は百五十円と称しておるけれども、別な帳簿では単価二百六十円なり二百七十円という支払いの記載があるのでありますから、こういうふうな点から考えると、やはり事務的に未熟とこう言つているけれども、これは事務的にもう少しこの点を指導する能力があるかないか、この点を一つ農林省の大塚課長に伺いたい。これは神奈川の一事例でなしに、全国共通だろうと考えられますので、その後現在までどういうふうにこの点が改善されておるか。
#34
○説明員(大塚常治君) 災害復旧事業のスタートにおきまして、その申請が正しいものであらねばならんということは誠に御尤もなことであります。然るに農地災害におきましては、その設計が大体地方の県庁の下部機構である地方組織の地方事務所の係員が実質的にやつておる。これが会計検査院の不正不当の指摘事項である過大設計ということであつたならば、もうすでにそのスタートにおいて農地課の係員と申請者とぐるになつているんではないかというようなお話でございましたが、これは一部そうした地方の勢力といいますか、そういうものに強要されて、そうした事例がないとは私申上げませんが、やはり大部分はないのじやないかと思うのであります。大体農地課の職員は、私どもの何といいますか、金科玉条としておる技術家の憲法というようなハンド・ブツクというようなものがありまして、それに基いて歩がかり等を算出しておりますので、そのでき上つた設計が特に過大な設計であるという事例は原則としては私ないと思つております。併しながら先ほど申しましたように現在の農村の資本の蓄積といいますか、そんな立派な言葉でいわんでも、俗に農村には金がないという面から、大部分の地区が補助金の範囲内で仕事をやつてしまおうというところに、不正等が起きるのでありまして、特に設計が過大であるというような事例は、殊にそれがボス勢力に支配されて、ぐるになつてわざとしたというような例はあまりないと思います。併しながらこれが農地復旧というような事業でありますと、異常に多量に入つた土を遠方に捨てるとか、或いは表土を持つて来るのに遠方の山から持つて来るような計画を立てまして申請するというような事例がございます。この場合は明らかに過大設計でありますが、それも何といいますか、非常に悪質なものであるというよりも、非常に災害を受けた当時の忙しさのために、ろくに調査も十分しないでやつたため、そういう悪意のための過大設計ではないというような事例が多いんだろうと思います。
 それから請負業者と事業主体が裏契約をするということでありましてこの不正不当事項に上つております。地区の大部分は、そのような事実のところであります。これは先ほどもちよつと触れましたが、農村に金がないということが一つの事実でありまして、若しこれに適当な融資措置というようなものが時期を得まして行われるならば、そう如何に農家の人といえども、不正なことばかりをしようというような考えを持つておるわけではないのでありまして、私どもとしてはそうした方面に努力をいたしまして、資金面の斡旋及び補助金の早い示達、こういうことを実務として行いまして、かかる理由による不正不当事項は成るべく少くして行きたい、こう考えております。
 それからなお、事務が未熟なためのエラーということも御指摘の通りたくさんございますが、お言葉を返すようで誠に申訳ございませんが、あの神奈川県の小鮎村の事件は必ずしも事務の未熟ばかりではないというように私どものちの調査でわかつたのでありますが、と申しますのは、あの時期に県のものが調査に参りましたときには、百三十何万円かの請負契約工事であつて、大体それに相当する契約書があつたものですから、人夫の出面等のそうした書類を正確に調べないで帰つて来てしまつたというようなことでありますので、まあそうした細かい出面とか支出簿というようものを検査しないでもよかつたというような事態であろうと思います。併しながらこれも現場とよく照合いたしますれば、百三十五万円の契約書をそのまま鵜呑みにしたことが、やはり技術者の未熟というような面もあろうかと思いますが、それは又別の問題かと思います。併しそれはまあそこの例でありまして、一般に事務的な経理がまずいというようなことは御指摘の通りであります。これは私ども刷新要項にありますように、今後よく指導いたしまして立派なものに依らねばならんと考えておりますが、御承知のようにあの農地課の職員の大部分は技官でありまして、大体設計事務、或いは現場の検査事務、現場の中間検査、工事の検査やに主要任務がありますので、又そうしたことが技官であります関係上、第一義の要務であります関係上、余り事務的な指導面はうまく行かないかと思います。併しうまく行かないといつて、それでいいわけじやないのでありまして、少い人間でも、そうした面までもよく習得いたしてもらいまして、現場も整理して行きたいと、こう考えております。
#35
○飯島連次郎君 そうすると、事務的にもう少し指導を統一徹底をすれば私はかなりいい工事が遂行されて、こういつた不正な問題が未然に防げるのだろうということを考えるのですが、なかなか実際問題としてはそれだけの人的な余力がないというのが現状のようなお答えでありましたが、更に一歩を進めて、そうすると、農林省ではこういつたふうな災害復旧その他補助金に関する工事を処理するために、直接補助から間接補助へという動きが本省自体にあるように、農地局長の発言で承わつているのですが、私は現在の直接補助においてすら、なかなか思うに任せないという各県の情勢は、これを間接補助に立ち所に切替えたら、なお逆に不正不当の発生件数が多くなるのではないかということが懸念されるのですが、この件に関しては、本省ではどういうふうに……。
#36
○説明員(大塚常治君) 先ほどの専門員からお話がありましたように、竣功検査に対する責任体制というようなものが現在のやり方では極めて不明瞭であります関係上、責任体制をはつきりする上におきましては、間接補助に切替えたほうが私は明らかにいいかと考えております。それからなお、直接補助の形態はとつておりますが、その実務は現在におきましては間接補助に余り変りないのが現状でございます。従いましてこれを間接補助に切替えることによつて、特に府県の事務量が多くなつたということは、余り考えられないのであります。そうかといつて、現在の人員で十分であるということはいえないのでありまして、これはまあ別の問題になろうかと考えております。
#37
○飯島連次郎君 そうすると、昭和二十六年度の検査報告で会計検査院から、その点に関しては、補助を受ける側の設計が過大になる傾向の理由として、補助金交付事務に当る国の会計機関に、補助を受ける側の都道府県の吏員を充てることが通例であつて、これが過大に交付された補助金に対する是正の処置が十分にとれない嫌いがある、こういう事由を指摘されておりますが、こういつた事態に関して、私はやはり検査院の批難というものは肯繁を射ていると思うのですが、小峰局長はどうお考えになりますか。
#38
○説明員(小峰保栄君) 現在の府県の立場が問題になるわけでありますが、現在は私ども見て廻りますと、これは四十六全部とは申しません、中には少数でございますが、非常に府県が国費経理ということに対してかたい考え方を持つておられる向きも相当あります、なかなか農林省関係でも、私ども同じような目で出来高の検査をいたしましても、何も出て来ないという県もあるのであります。ここで私どもも実は検査というもの、それからその将来というものに光を見出しているわけなんでありますが、何とかよくする方法があるのだろう、現にあるじやないかというところに光を見ているわけであります。ほかもよくなるはずだ、こういうことでありますが、中には、大多数の県かも知れませんが、ともかくも国のほうへ町村側と事業主体と一緒になつて向つている。できるだけ余分に補助金をとろうという気持がどうも見えるのじやないだろうかという向きも多いようでありまして、これが間接補助ということになりまして、府県の予算を通して府県が国からもらつた金を自分の補助として、いわゆる事業主体に流すということになりますと、大分考え方が変つてくるのじやないだろうか、こういうことも思つているわけでありますが、今までのところでは、どうも府県の向きが町村側と同じ方向に立つて、国のほうを向いているという嫌いは相当にあるようであります。それから設計過大、意識的に過大設計を出すということは少いと思いますが、例えばその場で石が取れるのに何キロも先から石を持つてくるとか、或いはコンクリートの砂なども、その場でとれる或いは従来からあつたものが使える、こういうようなものを、新しく買つたり遠いところから持つて来たりというようなものは相当多いのでありまして、これが一番過大設計で、検査院の批難を受けるものとしては多いのでございます。それから先ほど神奈川県の小鮎村の例でありますが、これは農林省当局からの説明で尽きていると思いますが、決してこれは地元の事業主体の直営工事ではございません。請負に出した工事でありまして、直営の場合には労力提供ということがすぐに工事費に響いてくるわけであります。材料を幾ら買い、労力を幾ら出したということが、工事費の基本になるわけでありまして、こういう場合には、少々資料が不備でも、私たちは認められるものは認めているのであります。随分怪しい資料がございますが認めております。その場合は請負人が、仮に地元から人夫が出るといたしましても、請負人の人夫として金を払うわけであります。これは資料が整備されているかいないかということは、直営の場合ほど問題にならんわけであります。この場合百三十何万円かで請負いに出したということになつておりながら、実は八十何万円しか請負人にやつていなかつた、こういう事実であります。補助金が八十数万円も行かないものがありますが、八十万以上になるわけであります。そういう事態でありまして、典型的な自己負担回避の事例の一つになるわけであります。そうして工事を見ますと、やはり八十万円ぐらいの工事しかやつておらない、井堰が非常に危い井堰で、水が出て来たら又壊れてしまうのじやないかと思う程度のものであつたということは、これは確か現地で御覧下さいましておわかりのことと思いますが、非常にぞんざいな工事ができている、その原因を突きつめて行くと、今の工事に非常な手抜きがある、そこで私どもとしては、請負人は幾らで契約をして、幾ら支払つているかということを突きつめたわけであります。請負人が幾ら人夫に払つたかということは、第二次的な資料ということになるわけであります。直営の場合は、そういう点非常に違うのであります。どうぞ一つこの点御了承願います。
#39
○飯島連次郎君 今の直接補助、間接補助の問題はなかなか大きな問題で、そうしてよほど慎重に検討を加える必要がありますから、私はこれ以上申しませんが、もう一つ第一線の問題で、実はこれも神奈川県を見に行つた岡本村の実例ですけれども、このときに伺つた説明の中で、これも他にも適用される事例が少くないのではないかと思うから伺うのですが、技術的に非常に第一線の技術者が不慣れというか未熟であるために、なかなか工事が思うようにできないという説明をしている。そのときに神奈川県全体で、セメントの使い方について熟練をしている技術者は、神奈川県の地方公務員に限定してのことでしようが、わずかに数名を出ないというのが実情だ、それで本省では、ここにやはり鑑みて、全国的に講習等をされているのだということでありますが、やはりこれはセメントの使用というのが、それほどむずかしいものであるということを、我々素人が正直に受取れば――そういう感じを持つたのですが、これは独り神奈川県に限らず、殆ど全国的にこういう状況でありますか。
#40
○説明員(大塚常治君) セメントの問題は最近、非常にセメントが何といいますか、学問的に進歩いたしまして、いろいろむずかしい研究がなされているのでありますが、そういう問題は抜きにいたしましても、普通現場で使うセメントの使用法も、従来の容積比よりも重量比のほうがいいということになつて来ているのであります。つまり昔は舛でセメント何杯に対して砂が何杯、砂利が何杯というふうに、容積比で現場でやつておつたのでありますが、最近は多目的ダムのように大きなもの等は勿論でございますが、可成り小さな規模のものも、重量比で配合をしたほうがいいというようなことになつているのであります。で、そういうことを最近農林省から地方へ、その理論並びに実際のことについて流しておりまして、そういう意味で、セメントの使用方法を本当に知つている人は、県庁の人にはあまりいないという意味なんでございまして、普通ある程度の工事を、容積比で配合したセメントでやつたから、特に実害があるというようなことは考えられません。併しながら一般にセメントに限らず、すべての第一線の技術要員の技術力が低下しているということは事実でありまして現在第一線に立つている人は三十四、五ぐらいの人が中堅技術者として第一線にいるわけでございますが、その程度の年令のお方が、大体において戦争の悪影響による最も悪い面を受けておりまして、技術力がないということは一般的な事実でございます。
#41
○飯島連次郎君 それから次に建設省の関係で伺いたいと思うのですが、この批難されている件数をずつと拝見すると、さつきの出来高不足と過大設計というもののほかに、これは建設省に特に顕著な事例としては便乗工事、つまり災害復旧に名をかりてたくさん工事を施行する。こういう件数がかなり二十六、二十七両年ともかなり上つて来ておりますが、こういう傾向はその後殖える傾向にまだありますか。それとも減る傾向を辿つておりますか。これを一つ小峰局長のほうからお伺いしたい。
#42
○説明員(小峰保栄君) いわゆる便乗工事でありますが、災害復旧に名をかりて、それに便乗していい工事をやつてしまう。これは建設省が比較的顕著なものが多くて、数が多いのでありますが、実は農林省も相当なものなんであります。ところが農林省のほうが、従来の扱いでありますが、建設省より見ますと、比較的甘いのじやなかろうかという節々も見えるのでありまして、私どもといたしましては、先ほど申上げました出来高不足とか、粗漏というような一種の補助金は余計にとつてしまうようなもの、而も非常に出来の悪いものが作られまして、又災害を受ける虞れのあるもの、こういうようなものに検査の重点を注いでおるわけであります。便乗工事というようなものにつきましては、今度の一―三月の早期の調査では便乗工事というものに相当重点をおきましたが、従来はそういうと甚だあれでございますが、余りにも多過ぎるのであります。それから従来非常に甘くなつておつた関係で、急に会計検査院でやかましく言うのもどうだろうか、こういうようなこと。それからもう一つには、これを会計検査院で批難いたしますと、うつかりしますと全額否認、全額国庫補助金を折角もらつて工事ができてしまつたものに対しまして全額返せ、こういうような事態も起きかねないのでありまして、そういうことになるのはどうだろうか、こういう懸念で、実は便乗工事に対しましては従来あとから検査して歩くという関係で、検査報告に載せるものはよくよくなものだけを載せておるのであります。これは検査のやり方としては、或いはお叱りを受けるかも知れませんが、私どもとしてはどうも全額否認というような結果をうつかりすると惹き起しかねない。町村としては非常な大きな負担になつてしまうわけであります。一旦役所の承認を受けて、これでいいということで工事をやつておつて、会計検査院があとから参りまして、いやどうもこれは法律上原形の程度を著しく超えておる、便乗だ、こういうことで検査報告に載せるということをしかねておるわけでありまして、便乗工事につきましては、建設省関係で幾つか上つておりますが、大した数じやございません。農林省関係でも幾つか上つておりますが、これは二十件内外、毎年そんなものでありまして、二十件をたくさん超える年はないのでありまして、如何にもこれはひどいというものだけを挙げておるのでありまして、この批難件数が比較的少いからと言つて、便乗工事が全国で検査の結果見つかつておらんという意味ではございません。これは相当に数はたくさん出しておりますが、何分にもできたあとのことでおりますので、それよりもむしろ工事に手抜きをされて、又すぐに流されてしまいそうなもの、こういうようなものを手直しをしてもらうとか、金を返してもらう。こういうふうに工事に重点をおいておるわけでありまして、そのために数が少いのであります。従いまして農林省よりも建設省のほうが検査報告に上る数が多いからと言いましても、必ず建設省が悪いということにはならないのでありまして、建設省は比較的、例えば二十七年度から申しますと、山口県の百間橋の例なんかは随分ひどいものでありまして、これなどのように大きな便乗工事を、会計検査院として何ぼ甘くしてもどうもこれを不問に附するわけには行かない。こういうような顕著なものは実は多いのでありまして、それで上つておりますものを御覧下さいますとわかりますが、最もこれは便乗の最たるものというようなのが農林省にも建設省にも非常にはつきりしたものが上つておるのでありまして、農林建設を通じまして、法律を厳重に解釈して原形復旧というようなことで線を引きますと、便乗というものが非常に現われて来る。こういうことが申上げられるのであります。
#43
○飯島連次郎君 補助金の効率的使用ということからすると、さつき小峰局長がちよつと触れられた事後の会計検査院の検査でなしに、仕事に着手する前の検査を施行するということはこれは極めて効果的だと考えますが、併しこれも余り行過ぎがあると仕事、特に災害復旧の場合なんかは、第一線機関を萎縮させるというか、ということにもなりかねないと考えるのですが、これらについて建設省或いはその他の御意見を一応お伺いしたい。
#44
○説明員(浅村廉君) 建設省関係は、只今検査院からお話ございましたように、いわゆる不正な問題は、これはもう全く問題外になりますが、要するに取過ぎという問題、非常に最近研究いたしております。私どもといたしましては、再度災害を防止するという見地から、必要な設計を組んで、必ずしも原形に拘泥しないで復旧工事を行うというのが、これはもう従来からの鉄則でございまして、その方針を踏襲して参つておるわけでございます。ところが最近非常に二十八年の災害等が圧倒的に多かつたために問題が起つて参つたわけでありますが、もう少し最小限度というところをはつきり出して査定したらどうか。少し建設省の査定は取過ぎが多いのじやないか。取過ぎる面があるのじやないか。つまり贅沢な取方をする面があるのじやないかというような施設を、施設と申しますか、これはまあ予算折衝の過程において、大蔵省との間にそんな話も出たのでありますが、そういう問題が議論されるに至つたのであります。私どもとしては、基本法であります公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の意図するところは、再度災害防止と、それから機能の復旧という観点から、復旧事業を推進するというところにあるものであるということを確信いたしておりますので、その線は崩すわけには参りませんが、併しそうかと言つて、余分なものをとるほどのゆとりは今の財政状況下においてないわけでございますので、どの辺に線を引いたらよいかということを只今、勿論我々自身研究もいたしておりますが、各省とも御相談をいたしまして作業を進めておるわけでございます。言い換えれば、いろいろな見方でいろいろな意見が出されまして、そうしてどうもはつきりしないというようなことでは困りますので、一つの物差し、もう少し細かい物差しを作ろうじやないかということで相談をいたしておるわけでございます。検査院のほうで最近事前に見て頂きます点は、むしろ私どもとしては、でき上つてしまつてあとでいろいろ批難事項でぶざまなところをお見せするよりは、最初から御相談をする機会がありますれば、さようなことではつきりして行つたほうがいいのじやないかというふうに考えております。只今別にどうという問題もございませんので、特に大きな工事については、検査院からあらかじめ御意見等も只今承わつておるケースがございます。さような問題は私どもとしてもいろいろ研究をしなければならん点を包蔵いたしておりまするので、むしろかような点で御相談ができて、あとあとはつきりするということはいいのじやないかというふうに、さような事例について考えております。
#45
○説明員(大塚常治君) 今年は異常に災害が大きかつたという関係もありまして、先ず九州地方に起りました災害には行監が先ず入る、それから大蔵省は各省の査定額が極めて大きい、これには相当量の水増しがあるのだろうという考え方から、財務部が緊急監査をやつて、更に最近二十八年の特に大きな県では会計検査院の事前調査があるというようなことで、その中間には勿論農林省自体の査定事務というようなものがありまして、大きな監査、検査、査定というような事務も四回、二十八年災害にはあつたわけであります。それでまあいろいろな方面の人がいろいろなところ覚まして、この面は適切でないとか、この面はもつと少くなるべきだというような御意見を出されますので、実は率直に申上げまして、農民のかたは一体幾らの査定額になるのかということに迷つたという面がございまして、一部混乱を生じたという事態がないでもないと思つております。併しながらこういうことは毎年これを繰返すものではないと私思いますので、特にこの大きな災害の事例から発しまして、各方面からきびしい批判を頂いて、今後私どもはそうした面も加味いたしまして、査定の方針を統一して厳重に査定するならば、今後各方面からも、そう余りお叱りも受けないで済むようになると思います。毎年こうしたことをやられては農民のかたも困ろうかと思いますが、今後はないということならば、勢い今困つた事例も二、三ありますけれども、直ちに新らしい査定額を決定して正しく事業が軌道に乗つて行くと、こう考えております。
#46
○飯島連次郎君 それからこれ又農林省関係に返りますが、知事は市町村工事については、工事の指導監督権を主務大臣から委任されているわけですね。これは知事の監督権を徹底されようと努力はしておられるように見えるのですけれども、なかなか今の機構と人員では、発生する災害の数に比べてどうも徹底の実が上らないのじやないかと思われるわけですが、この点については如何ですか、実情は……。
#47
○説明員(大塚常治君) 誠に御指摘の通りでありまして、災害に従事する要員は別に農林省から府県は地方事務費というものの補助を受けましてその範囲内でやつております関係上、それを主たる財源としてやつております関係上、余り多人数の人を抱えておくわけに参りませんので、御指摘のような要員不足というような問題が起つております。なお、災害につきましては、ほかの事業遅いまして、なかなか年度割計画というようなものが正しく立ちにくいのであります。即ち新らしい災害はいつ起るかわからないという関係もありまして、大きな災害が起きたから、すぐ人を多数任用するということも、その数年あとを考えますと、これらの又大部分の人を解任しなければならない関係上、躊躇する面もありまして、なかなかうまく参りませんのでございます。そこで私ども、まだこれは試案でございますが、全国的にこの災害の激甚な県に対しては、技術員の動員計画を立てて急場の間に合せよう、そうして何といいますか、事務費が足りなくなつたために、数年後には首を切らねばならないというような事態がないようにして行きたいという方針の下に、別な案を考えております。
#48
○飯島連次郎君 各県の機構をみると、本省では災害復旧課というのがありますが、もう大部分の県では農地部の耕地課の中に災害係りとしてあるくらいが大部分のようでありますが、実際の実員というのはどのくらいあるのですか。災害復旧の仕事に従事している地方職員ですね。
#49
○説明員(大塚常治君) 県庁の中の災害係員というものは、我々ははつきり掴めるのでございますが、地方事務所に分散されて、つまり第一線にいる係員というものは、単に災害ばかりでなく、その管轄地域内に起りましたすべての事業、まあ工事関係のすべての事業を担任いたすのが通例でございます。従いまして純粋なる災害の要員というものは余りおりませんので、各県とも本庁には十名内外のものが普通だろうと思います。
 それからなお、地方におきましては、大体二つの形の制度がございまして、一つは地方事務所の中の耕地課とか、或いは農地課という名目でいる係員が十名前後の県が普通でございます。この程度の機構は一郡に一カ所あるのが普通でございます。従いまして県ではそれが十から十二、三ある県が普通のようでございます。その十名は単に災害ばかりではなく、いろいろな改良事業も担任いたしております。もう一つの事例は、地方事務所とは別に耕地出張所、土木出張所と同じような制度でございますが、そうしたような制度を設けて、その管轄内にある災害を担当するような形のものもございますが、これもやはり大体同一でございます。それからなお、県によりましては耕地課が二つに分れておりまして、一課、二課というふうになつておりまして、補助事業を二課で担当し、県営事業以上のものを一課で担当するというような機構のものもございますが、こうした課には勿論災害係員は主として二課に集つているようでございます。全国一つの特例といたしまして、山口県には災害復旧課というのがございます。
#50
○飯島連次郎君 これは建設省に伺いたいのですが、問題になる成功認定に関してでおりますが、市町村工事については、やはり施行法の十二条の規定に従つて、府県の知事が主務大臣の承認を得て成功認定をするということになつておりますが、これは知事の申請があつたときには、必らず、どの程度実際成功認定が行われているわけですか。
#51
○説明員(浅村廉君) 市町村工事に対しましては、主務大臣が直接でなく、都道府県知事が主務大臣の承認を得て成功認定をするという制度になつております。これも成功認定が全般的に遅れております。問題の一環といたしまして、これも非常に遅れております。むしろ府県工事よりも更に遅れているような状況でありまして、まあ主務大臣に承認を申請して参りますれば、私のほうではいろいろこれを調べまして当然承認をするわけでおりますが、非常にこの事務が低調になつております。そこで私どもは、まあ府県工事はなんと申しますか、批難事項の中でも比較的に割合から申しますと少いのでありまして、むしろ従来の批難の対象は町村工事に非常に悪質なものが多かつたというような関係もありますので、成功認定を急ごうということから、最近もう係官を数県に派遣いたしまして、いろいろな事務の指導等を件なつております。国のほうで行います成功認定は、これは国の職員がやるのでわりかた事務等も習熟いたしておりますが、府県の担当のものは非常に再々人も代りますし、なかなかこの事務というのがむずかしいものでありますから、余ほどよく指導しないと、かような事務をとかく疎かにしがちであります。そこで私のほうから係官を派遣いたしまして、今申しましたように相当指導に歩いております。今年度の一つの仕事としては、これはどういう形でやるか、今まだきめておりませんが、事務の指導という二とについて、現地にいろいろ会議を開きまして、係官を集めまして、こういつた面の行政事務の指導を一つ大いにやろうということにいたしております。これはまだスケジユール等はきめておりません。只今実施いたしておりますものをもう少し計画的にいたしまして、一年間において相当の量、相当な実績を挙げるようにいたしたいということで、いろいろ協議中のものであります。さようなことが行われますれば、この事務は急速に進展するのではないかというふうに私どもは考えております。
#52
○東隆君 飯島さんから詳細な何がありましたが、私は少し方面を変えてお聞きしたいと思いますが、この補助金関係の何をずつと続けて参りまして考えたことは、会計検査院を充実して、そうして検査をますます強くやればやるほど、こういう事案がますます殖えて行くのじやないか、それからそうかといつてやめるわけには行かないと、こういう非常に疑問を抱くわけです。それで少し方向を変えて見たときに、建設省と農林省関係で、建設省よりも農林省関係のほうが多い、こういう問題ですね。それでこの問題については、私は建設省関係が主として対象が非常に公共的な色彩を持つたものが、工事その他各方面のことをやるものを対象にしてやつておるわけであります。それから農業関係のものになつて来ますと、非常に農民に直接関連のある面、それで農業を私企業と考えたときに、非常に私企業に直接関係のある面に助成の対象がおかれておると、こういうところに非常に問題があると思うのです。それで例えば市町村のようなものに助成金をやる、そうして仕事をやる、こういうような場合は、私は勿論村民の負担にはなりますけれども、全体の枠のうちからそれに渡される、或いは融資を受けて直接響いて来ない。そんなような関係で、仕事が割合に苦しまないでやつて行けるわけです。ところが農業の場合には、その関係は逆であつて、助成率が低ければ低いほど負担金がますます増して来る。それは直接農民の肩にかかつて来る、こういうようなところで、できるだけ出さないようにしようと、こういうところで農民らしい考え方で以て、いろいろなことを私は計画をするだろうと思う。これが私はいつもこれは補助金詐欺であるとか、或いは補助金の取過ぎであるとか、こういうふうに叱られる原因をなしておると思う。そこで私は農業というものを考えて見たときに、今の農地の所有関係は農地改革をした後における状態と、それから以前の場合における状態とでは、非常に違つておると思う。戦前の地主はこれは助成金をもらつて、そうして自分が或る程度の負担をして、そうして土地改良なり或いは開墾なりなんなりやつても、地価の高騰その他によつてペイすることが十分であつたわけです。だから仕事をやれた。それから間違いのない仕事をやる、こういうことがあり得たと思う。ところが今回の場合はどういうふうになつて来たかというと、土地改良をやつても、それからいろいろな農業関係の施設をやつても、どういうことになるかというと、生産は上るかも知れませんけれども、米なんかは価格がもう決定をされておるのです。それで地主の性格というものがどこに重点がおかれておるかというと、地主は私は国が地主だと思う、こう考えたほうがいいと思う。それで完全な耕作権を農民が持つておるのだから、こういう考え方に立つて来ると、おのずから考え方が違つて来るわけです。そうすると、井堰のような仮に問題を考えてみたときに、私は当然これは全額国家で持つて井堰を修復をしたり何かすることも、施設をすることも、これは地主である国家がやるべきじやないか、こういう考え方が当然出て来ると思う。そういうふうに考えて来ると、負担が非常に多いから、そこでごまかしをやるというような考え方でなくて、国家が直接やるという、全額助成の形で以てやるという形が出て来るわけです。そういうふうにすると、私はもう今まで起きておつたいろいろな問題は相当な部分解決される。それから土地改良のような非常に今度は個々の直接の農家に関係をしておる部面、こういうような部面は、これはどちらかというと、直接農家に響いて来る問題です。従つてこれに対する補助金なんというものは、これは私は場合によつては、今の補助金の形態を融資に全部切替える、こういうようなことも考えられると思います。併し今の融資の場合に金利をとるかとらんかという問題、それから年限を非常に長期なものにする。それは例えば百年という期限を考えると、一%払えばいいのですから、これは農民の経営から十分に出して行けるわけです。そういうような考え方をとるべきではないかと思う。それは補助金を出して、そして只でくれてやるという考え方から見れば、相当な金額を長期に融資をする、こういう形態は、これは計算上成立つて来ると思う。そういう考え方に立たなければ、これはなかなか上下こもごも利をとつてやつておるときですから、私は先ほどこの中に出て来ておるようなことが出て来るのは、私はこれはもう当然のような気がして仕方がない。それで根本的な考え方を私は変えて行く必要があるのではないかと、こういう考え方が一つ出て来るわけであります。それで当然日本の何は……、それから先ほど外国の例なんかのお話もありましたが、私は外国は例えば貿易にしたつて、自由貿易か保護貿易かというような考え方で、そうして幼稚な産業を発展させるためには保護貿易というような形態をとるし、それから日本のようなところでは、農業というものはもう明治以来ずつと助長行政で以てやつて来たわけです。助長行政でなければ立つて行かないわけです。そしてその助長行政は今度は戦争後に大きな変革が起きて、そして変つて来たことは、私が先ほど言つたような考え方になつているわけです。ですから昔のいわゆる例えば農民運動なんかも性格が変つて来て、昔の農民運動だつたら、これは地主対小作人が、これは農民運動だつた。今の農民運動は地主対小作人の運動でなくて、農民の運動というものは、国家にこういうような施策をやつてくれ、こういう農業政策を立ててくれ、こういうところで農民運動というものはありを得ると思う。そういうような考え方で相手はやはり国家であつて、そうして或いは自治体、そういうようなものを相手にしてやるのが、これが本当の新らしい時代における農民運動だろうと思う。だからそういうような考え方からいつても、私はこの補助金だのなんだのという問題というものは、これはおのずから性格が変つて来ると思う。
 それでこの場合に、私は北海道は非常に資本が足りないし、弱いところだし、開発するところだから、府県よりも助成金を少し余計やらなければならん、率を高くしなければならん。こんなようなことはこれは国が恩恵を施しているような考え方になるけれども、そうじやなくて、当然国がやらなければならんところの途じやないか、方法じやないか、こういう考え方が出て来るわけです。私は農業というものは非常に公益的な性格を非常に持つたところのもので、そうして少くとも資本構成から考えて土地資本というものが非常に大きな中味を持つている。而もその土地資本の中心、土地資本を構成しているところのものは誰が持つているかというと、これは国が持つているのだと、こういうふうに考えて来ると、この助成の関係なんかは大分違つて来て、そして補助金の関係なんかは考え方が大分整理されて、そして融資にする部面と、それから補助金にする面と、こんな面がずつと出て来ると思う。私はそういう意味でいろいろ考え方があると思うけれども、私はこんな考え方から見て来ると、大分違つた考え方で国家が農業を助長し、或いはその他公益的な、公共的な施設を如何にして行くか、こういうような問題が私はおのずからはつきりして来るのじやないかと、こう考えるのですが、そいつはできないのだと、それから会計検査院の場合には現行法規の下に照してやつて行くのだと、こういうお話になるだろうと思うのですけれども、併し政策というものはやはり基本的な考え方から立つて、そうしていろいろ政策を持つて来なければなりませんし、そういうような考え方から見て、私は今の百姓を余り悪く解釈をするというよりも、農家のほうに責任をおい被せて行くのじやなくて、この会計検査院の仕事のやはり対象は、中心は各官庁その他が対象になるべきものだろうと、こう考えるわけです。従つて各官庁がどうすれば不正な事項だの何だのが起きないようになるか、こういう点から考えて、法規だの、それからその他のものを考えて行かなければならん、こういうことが私はどうも思われて仕方がないわけです。
 それでこの前の時から、少しずつこれらの返さなければならんようなものには、情状酌量をしなければならんじやないか、こういうようなことを言い出したわけですが、この点は私は先ほど言つたように、現行の法規に照らしているくおやりになつている会計検査院のほうでは、そんなことはできないと、こう一言で言われると思いますけれども、私はそういう点を考えなければならないのじやないか、こう思つたので、それについて、これはおおつぴらに若しできないようでしたら、速記を止めてでも一つお話を伺いたいものだと、こう思つておるわけです。
#53
○説明員(小峰保栄君) 東さんの御持論を伺つたわけでありますが、私どもも実はどうも先ほど冒頭におつしやつたように、検査院の検査能力を殖やして行きますと、今の情勢ではだんだんとこういう同種事項がたくさんに見付かるだけだと考えておるのであります。何とか結論を出す方向に行きたい、こういうことでありますが、先ほども仰せになりましたように、私どもとしては、こうした事態がわかつて参りますと、現行法の運用上、これを現在のままでやめてしまうというわけにも実際参らないのであります。いろいろ御貴重な御意見を伺つたのでありますが、この御意見に対してはいろいろな又見方もあると思います。それから立法論としてはまさにこれは一つの立派な御意見でございます。で、そういう見方は立つと思うのでありますが、どうも今法律がございますことは、国会の議決を得た法律が厳然としてあることは、これはどうも止むを得ないことでありまして、事実私どもとしてはこれの運用ということでやつて行くほかないのでありますが、現在の法律はこれは御承知のように暫定法が農林関係についてはございますが、暫定法だというところがすでにもう永久的なものでない、こういう頭で法律ができておるように聞いております。と申しますのは、先ほどもお示しのあつたような建設関係の公共土木というものは、これは永久法があるわけであります。農林関係の根拠法は、国庫補助の暫定措置に関する法律、こうなつておりまして、これは飽くまで公共施設でない私有財産の補修或いは災害復旧だ、こういうようなところから来ておると聞いておりますが、行く行くはなくなるものだという建前で、実際上なくならんと思いますが、建前としてはこういう法律になつておる。この法律を見ますと、「予算の範囲内で、事業費の一部を補助することができる」ということがはつきりと出ております。これが天罰五分とか、左利とか、こうなつておるわけであります。そういたしますと、どうも国費の使用というものを検査して参りました私どもとしましては、実は検査する者も非常にいやがつておるのでありまして、余り楽しい検査では、これはないのでありまして、非常に強い結果が出て参りますし、農民に直接響くような結果も相当に出て参ります。検査する者は何とか早く解決の曙光を見付けて、他に転換したいという気持は、これは相当に強いのであります。私どもとしては、少し早過ぎるかも知れませんが、昨年から、早過ぎもするし、又熟さないかも知れませんが、昨年からいろいろな解決策というものを当局へ申上げるということに重点をおいておるようなわけであります。最近の早期に調査したということも、先ほど飯島委員からもお話がありましたが、行き過ぎにならないということでやつておるのでありまして、先般検査院の検査の結果、三割天引しろというようなことを言つたというようなことも耳にいたしましたが、そういうことは絶対に会計検査院はやつておりません。ほかに同種のことをやつている官庁も幾つかあるのでありまして、或いはこれと混同されておるのではないかと思つているくらいなのでありますが、成るべく行き過ぎにならないようにということでやつているのでありますが、それでもなお且つ、何十億というようなものは当局がお認めになる金額が出て来るような実情なのであります。それで法律が厳としてある以上は、どうしても私どもとしては手が抜けない。そうして皆が皆決して法律に違反するようなことをやつているわけではないのでありまして、相当程度に法律通りの運用に服しておる向きもあるのであります。現在のところでは非常に不公平な、法律通りにやつて行く、忠実に法律を守つて行くというものが損をしているというような一面も見られるのでありまして、決してこれは全部が全部自己負担を免れようとしておるわけではございません。相当程度は、私ども検査の結果も立派な法律通りの自己負担をしている、こういう向きもあるのでございます。従いまして今のような制度である以上は、どうもやはりこういうものが見付かれば、私どもとしては正常な軌道にのせてもらうという方向に行かざるを得ない。又そういうものがたくさんあれば、これを直すことに努力せざるを得ない、こういうことにまあなるわけでありまして、これを立法論としては、現在の部分的の補助制度を全額国費負担にするというのも、これは立法論としては成立つのであります。
 それからたくさんの現にあの大きな災害には殆んど全額に近い、九割以上というようなものが国庫負担ということになつているのであります。そういうようなことは法律をお作り下されば、私どもとしては勿論その通りの運用という方向に行くわけであります。
 それから最後にお触れになりました農民の責任ということよりも担当官庁の責任、こういうことに重点をおくべきだというお話、御尤もであります。私ども実はそのつもりでやつております。これは直接事業主体というものに結果は響いて行くのでありますが、直接私どもはそれに対してどうこうという態度を成るべくとらない。必ず査定にいたしましても、或いは万が一これを返還する、或いは手直しをする、こういうような事態でも、必ずその責任官庁というものを通して納得付くで、まあこれらも実はなかなかだとは思いますが、一応結果的には納得した上でやつて頂く、こういうことを、態度を変えないで一貫した方針でやつているつもりであります。飽くまでも私どもとしては担当官庁の事務の執行を正しき方向に睨らんで行く、こういう態度でやつておるつもりであります。考えによりますと、例えば先ほどもお話がございましたが、三回も四回も査定を見に来る。そうして一体どれに従つていいかわからん、こういうような苦情も私ども耳にいたしております。どうも担当官庁のことを悪く言うのは甚だあれでございますが、考えによると、誠にこれは担当官庁として責任がなさ過ぎるのじやないか、一旦査定をしまして、それでいいということで、事業主体はやつておるわけでございますが、私どもがあとから参りますと、それでは如何にも工合が悪い、今の法律なり予算の建前からいつて如何にも工合が悪い、こういうことでそれを御注意しますと、成るほどその通りだと言つて、くるつと向きが変りまして、事業主体のほうを向いて減らせと、こういうことをおつしやるわけでございまして、事業主体のほうも非常に御迷惑だろうと思うのでございますが、こういうことのないように、一旦査定をしたらば、国家意思の表示、発表ということが厳として守られるような態勢になつて欲しい。私どももそれをつくづく感じるのであります。会計検査院から御注意すると、直ぐに向きが変つて、向うを向いて会計検査院と同じようなことを向うにおつしやる。変な言葉で言いますと、強制する。そうして事業主体のほうが面喰つてしまつて、何か言えば何回も変つて来るというようなこともおつしやるわけでありますが、そういうことのないように、担当官庁の事務執行を厳重にやつて頂く。少ければ少いで、事業主体は納得されるわけでありますから、それを途中でもういいだろうと思つていると、又減つて来るというようなことで非常に御迷惑をおかけしているのではないかと思うのでありまして、私どもとしては担当官庁が責任を持つて補助金の予算の執行なり法律の運用なり、これをやつて頂きたい、これを切に実は願つておる次第であります。
#54
○東隆君 私は農林省のかたに伺いますが、今の話と別ですが、農林省関係で私は不正その他のいろいろの問題が起るのは、先ほどもお話があつたように設計がまずい、それから申請がまずい、こういうことなんですが、土木技術員が町村、末端のほうにいないことなんです。それで県にいる者がやる。こういう関係ですと、非常にたくさん農業関係の土木に関係をした仕事が多いわけです。それで出て来る申請書その他融資関係の書類にしても、殆んどフリー・ハンドで書いたような設計書、それから殆んど素人が作つた計算、そういうようなものを基礎にして出て来ているものが多い。従つてこれの机上査定も、その結果、なおいろいろな問題が起きて参りましようし、実地踏査してちやんときれいに直せば、これはまだいいのですが、そういうような点なんかで、いろいろ問題が起きて来るので、私は先ず当面農林省の考えなければならんことは、各町村に農業土木の技術員をおく。改良普及技術員でもいいのですが、あの中にでも一つ農業土木技術員を一人完全に配置をする、こういうことを考えることが私は農業関係についていろいろな補助関係の仕事を立派にやつて行く、これがもとだろう。それでこの点は改良普及局のほうとの関連もありますけれども、どうしてもこの関係で以て人件費を取つて、そうして農地部のほうへ人件費を取つてやろう。普及部の下に置いてもいいですけれども、少くとも一人は配置をする、こういうような形で行かなければ、今の法律の下においては、私はなかなか事業そのものがスムースに行かない、こう考えるわけです。それで土木技術員がどれくらい町村に配置されているか、そういうようなことをお考えになれば直ぐおわかりになるだろうと思います。それでそういう点について、どうお考えになつておるか、お聞しておきたいと思います。それからその方面についてどういうふうに今農林省のほうでお考えになつておるか、それも伺いたいと思います。
#55
○説明員(大塚常治君) 私のほうの設計がまずいというのは御指摘の通りでございます。これはまあ人の割合に件数が多いのと、それをやらねばならん期間が短いというような宿命的な問題があろうと思います。従いまして、これに対する対策としましては、先ずいずれかの形で、そうした技術者が殖えることが望ましいのでありまして、北海道におきましては土工組合、こうした性格の技術員が相当多数おりますので、それと又北海道は、誠に失礼な話ですが、殆んど災害がないのでありまして、北海道については特に深く考えたことはないのでございます。これは技術員が要ることは間違いなのでございますが、先ほどこれは検査院からも指摘がありましたように、これを分散さしておくことが却つて損なのじやないかというような気持も持つておる次第であります。と申しますのは、災害が平均的に各県に発生いたしまするものであれば、そうした処置もいいかと思いますが、これはどうも局部的な発生が多いのが普通でありまする関係上、若し私予算等が許されまして、技術員の増員を承認されるような場合は、中央とは限りませんけれども、或る一定のところに成るべく集めておいて、これを派遣する形で激甚なものを救つたほうがより有効的な方法かと考えております。
#56
○東隆君 私は、災害復旧関係を中心にされてのいわゆる技術員関係は、そういう点でお考えになつているようですが、私はそうじやなくて、農業全般ですね、農業全般の土木関係の仕事です。これは極めて範囲が広くなつて来るわけです。土地改良を中心にして、非常に灌漑、排水の問題が全部からまつて来るわけです。必ずしも水田ばかりでなくて、畑のほうにも関係を及ぼして来るわけです。それでこの方面のものは設計をちやんと作つて、そうしてやらなければ、てんで計算をしないでやつたのでは、却つて土地が悪くなつたりするような現象も起すわけです。そんなようなことを中心にしての問題を今言つておつたわけです。災害関係の面は、これはお話のように、北海道ですと支庁区域とかに相当数置けば、これは機動的にいろいろな問題もできると思いますが、それにしても町村にやはり或る程度の農業土木の技術を持つた者を配置しておいて、そうして災害なんか起きた場合には動員をしてやる。こういう態勢をとらなければならない。末端における技術陣の充実ということが、これは私は一番重要なことだろう、こう考えて言つておるわけですが、それで、これは農地部とそれから改良普及局との間に、これはどうしてもお考えにならなければ、この技術員はとれないわけです。それで改良普及局のほうでは、なかなかどうも普通一般農地の者が、農業土木のほうに移らん。こう言つておりますし、それから農地部のほうでは改良普及局の技術員の中の、一般農地の者に農業土木のことをやらせるようにしているのだ。こういうことを言つておるわけです。それから更に農業土木関係の者については講習会ぐらいやる費用だけしかとつておらない。これが今の現状なんで、なかなかできそうにないので、この機会に農業におけるところのいろいろな不正その他の問題が起きて来たりするのは、やはり先ず申請書そのものから立派なものを作つて行かなければならん。それには技術的な基礎を十分において、立派な設計を作つて、その上に申請をしなければいかん。こういう考えに立つたときに、私はどうしてもそういうものが必要だ、こういうことを申しているわけです。
#57
○説明員(大塚常治君) 只今災害のことに対してお答えしまして、誠に申訳けないと思つております。農業土木事業に関しましては御指摘の通りでございます。北海道におきましては、主として暗渠排水と客土事業が一番件数が多いわけでありますが。これにつきましては、年間の努力によりまして相当末端にまでも、設計ができる人が相当殖えて来たというように聞いております。それでも十分ではないと思いますので、今後そうした面にも努力しなければならんかと考えております。ただ先ほどもちよつと土地改良の事業の融資の問題がございましたが、これでも今の問題にちよつと関連がございますのは、普通何と言いますか、軽いと言いますか、簡単なものはそうした技術要員でもでき得ると思いますが、国営事業のようなものはやはり中央において設計しなければならんかと思いまして、又そうした事業は融資では到底できませんので、これは土地改良といえども、全額国費の国営事業としてやるのが適切かと考えております。
#58
○説明員(小峰保栄君) 今の農業関係の土木技術員というものが少いというお話、先ほど来、繰返されておりますが、これはまさに御指摘の通りであります。一般の土木職員と比べまして、農業土木関係の職員は非常に少いのであります。今度のような大災害がございますと、九州の或る県でありますが、一郡で五億、七億という災害復旧の査定を受けた県が相当にありますが、そういうところで、郡に配属されております工事出張所の技術員が一人しかおらん。こういうようなところがざらにあるのでありまして、これが一つの私どもの手で見つかる不正工事の大きな原因になつている。こういうふうに私ども見ているのでございますが、私どもが増員しろというわけにはちよつと現在の機構で申せません。ところが検査の結果によつて、県によりましては、この点が一番の欠陥だということをいち早く記載されまして、すぐ増員をしたという例がございます。御参考に申し上げるのはこの点なんでありますが、それから人員の増加ということも、これは必要でありますが、同時に機動力と申しますか、人を殖やすばかりが能じやないのであります。北海道などでも殊に役立つと思うのでありますが、スクーターとか軽二輪車とか、或いは安い乗用車とか、こういうようなものを配属しますと、自転車でかけ廻るよりは、何倍かに人間が働けるわけであります。自転車で、自分でエネルギーを供給して働くのじや、これはとてもいかんそうであります。スクーターの運転ということで非常に労力なんかは楽になるそうであります。一日、四倍、五倍と働けると聞いております。
#59
○東隆君 オートーバイに殆んどなつております。
#60
○説明員(小峰保栄君) それから中国の或る県の、名前は憚りますが、それほど悪い、私どもの検査の結果から特に悪いという県ではないのでありますが二、三年前に若干の悪い工事ができまして、すぐ県の首脳部がこれじやいかんというので、これは計数をちよつと御参考に申上げますが、県内の工事関係の職員が、これは災害復旧に限りませんが、主として災害復旧であります。百五十五名おつたのであります。それをその年度で欠員が二十二名ほどになりますが、直ちに補充した。それから翌年度に三十名増員した、結局二百名余りにしたのでありますが、これが直ちに検査の上に現われて参りまして、私ども翌年に参りましたところが、殆んど問題がない。県の外れのところで、悪性な問題が二つほど見つかりましたが、それ以外は一生懸命検査しましたが、ちつとも問題になるようなのは出て来なかつたというような実例もあるのでありまして、それから人間を殖やすばかりでなく、今の機動力も、ここでは乗用車五台に軽二輪車四台、スクーター二台をすぐ買つた。これは経費がかかるものでございますから、私どもとしては、ただこういう事実があるとお話するだけで、こういうことをしてほしいということは言えないわけでありますが、それからあとやはりこういう充実のほかに、竣功検査を厳重にやつて行く、ときに破壊検査を併用するというようなことを、県の指令としてはつきりと文書でお出しになつております。或いは講習とか連絡とかを緊密にやつて行くというようなことも具体的に実行されております。で、私ども実は何遍も申上げますが、こういう悪い工事を見つけるばかりが能じやないのでありまして、四十六の中から、やはり二つ、三つずつこういうような府県が出て行くのであります。これが楽しみなのでありまして、全国がこういうふうにしてやつて頂いて行くということで相当程度、まあ相当長くはかかるかも知れませんが、事態をよく認識して下さる。ところが多ければ多いほど早くよくなるんじやなかろうか、こういうことを考える次第であります。今の中国某県の例は最初に具体化、改善策を強力に推進されたという一例でありまして、この技術員の充実ということに主眼をおいているこいうことを御参考に申上げたわけであります。
#61
○委員長(谷口弥三郎君) ほかに御質疑ございませんか。それでは速記をやめて下さい。
   〔速記中止〕
#62
○委員長(谷口弥三郎君) 速記を始めて下さい。
 二十六年度の補助金関係の批難事項についてはこれを以て終結したことにいたします。
 次回の小委員会におきまして、今までの結果を皆さんに一応御報告することにいたしたいと思います。
 本日はこの程度で委員会は散会いたします。
   午後四時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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