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1953/03/16 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 郵政委員会 第6号
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1953/03/16 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 郵政委員会 第6号

#1
第019回国会 郵政委員会 第6号
昭和二十九年三月十六日(火曜日)
   午後一時四十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長    池田宇右衞門君
   理事
           瀧井治三郎君
   委員
          大野木秀次郎君
           深水 六郎君
           村上 義一君
           永岡 光治君
           三木 治朗君
           最上 英子君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   郵政政務次官  飯塚 定輔君
   郵政省監察局長 齋藤信一郎君
   郵政省簡易保険
   局長      白根 玉喜君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○簡易生命保険法の一部を改正する法
 律案(内閣提出・衆議院送付)
○郵政事業の運営実情に関する調査の
 件
 (振替預金の払込手数料に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(池田宇右衞門君) 只今より郵政委員会を開会いたします。
 本日は簡易生命保険法の一部を改正する法律案について審議を行います。
 先ず郵政大臣より提案理由の説明を願います。なお、質疑はその後においてお願いいたします。念のため申上げますが、今回の法律案は政府より十三万円で提出されましたのを、衆議院によつて十五万円に修正されました。従いまして、審議いたしますものは、衆議院修正を含めたものでございます。
#3
○國務大臣(塚田十一郎君) 只今議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案について提案理由を御説明申上げます。
 簡易保険の保険金最高額は、現在、八万円に制限されているのでありますが、最近の経済事情の推移に鑑み、この金額では、制度本来の機能を十分に発揮することができない実情にあるのであります。
 もともと、簡易保険の保険金最高額は、本事業創始以来、勤労者階級の老後における生活安定、あるいは医療費、葬祭費及び被保険者の死亡後における遺族の生活保障に必要な額を基準として定められて来たものであります。従いまして、今日における医療費、葬祭費、遺族生活費並びに物価指数等に鑑みまして、これを相当程度引き上げなければ、制度本来の使命を果すことができませんので、最近における民営保険の状況等を考慮いたしまして、これを十三万円に引き上げることにいたしたいと存ずるのであります。
 なにとぞ十分御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申上げる次第であります。
#4
○永岡光治君 質問をいたしますが、政府の提案の原案は十三万円でありましたが、これは衆議院で十五万円に増額修正に相成つておりまするが、これが衆議院で修正議決されまして、本院に今送付されて審議をされておるわけでありますが、衆議院における附帯決議の内容といたしまして三項目実はあるわけでありまして、私ども大体これには賛成できるものでありますが、ただ念を押したいと言いますか、非常に不明確零あろという点を先ず明確にしたいと思うのであります。第三項の「国家資金の性格に鑑み、資金運用の範囲を拡大し、各種公益事業施設改善に融資するよう一段の努力を払うこと」こういう一項がございます。これはごの内容としては今郵政省が所管いたしております、この郵便局舎等が非常にいたんでおるし、数も多い割に極めて予算も少い。本年度二十九年度に予定されておる建設予算を見ましても、新局舎としては僅かに羽田飛行場のターミナル、あの中を一局新築する程度しかないげあとは継続事業だということで、他の公共施設に比べて格段の実は相違があるわけであります、その悪い点において。従つてそういう面についても十分これは考慮しなければならないので、この公益事業施設の改善ということには、その局舎を含めておる、こういうように承知いたしておるのでありますが、郵政当局においてはそのように確認し、又そういうように努力をするであろうことを私は期待するものでありまするが、この点について見解を先ず承りたいと思います。
#5
○政府委員(飯塚定輔君) 採決の直前まで大臣がほかの委員会におりました関係上、その委員会の審議の過程において、今永岡委員からの御質問のような質問が衆議院においてもあつたのでございます。ただこの白最後の附帯条件の決議に対しましては、はつきりとそういう問題が書かれてはおりませんけれども、その附帯決議をなす直前において、委員のがたがらの御質問ぶありましたので、そういう意味のものも含まれておるのでございます。
#6
○永岡光治君 それからいま一つお尋ねしたいのでありますが、今度増額になりますと、これはその事務をいよいよ実行する際の問題になろうかと思うのでありますが、実は労働条件とも関係があるようであります。それは現在八万円の場合に、五万円を一つ目標にして、それ以上努力目標というものが定められまして、それについて幾分かのまあ報奨費等が法律によつて規定されたものを支給されておりますが、その面についても、増額になりましても決して無理の行かないように、十分な御配慮をこれは頂かなければならんと思うのでありますが、その点も郵政当局は御異存はなかろうと考えるのでありますが、一応御見解を承つておきたいと思います。
#7
○政府委員(白根玉喜君) 引上の結果、労働条件が過重になるようなことがないように、又この労働の対価についても適切な考え方をして頂きたいというような御趣旨と拝聴いたしたわけであります。引上に御決定をして頂きますると相当募集還境がよくなることは事実でございます。併しながらさればと言つて一気に十五万円に近付けて行くような平均募集金額は獲得できるわけでもないのであります。従いまして募集還境はよくなるとは言いながら、募集目標の設定等について無理な設定はいたさないつもりでございます。なお、報奨の関係についてでございますが、多分、端的に申上げますと、高額保険金の手当のことであると思いますが、これは只今の段階では五万円以上についてつけてございます。それから八万円に対しましても五万円でございまして、十五万円になり或いは政府の案のように十三万円になると、相当保険金額は上りまして、募集しいい還境になるとい存ずるわけでございます。さればと言つてその手当の給付の限度をいきなり数字的に急に引上げるという考えは持つていないのでございます。なにがしか無論引上げなければならんと存じますが、御承知のように、この限度は組合とむ、これは手当でございますので、よく御相談して行かなければならんと存じます。基本線はおつしやるような線を十分注意して行きたいと思つております。
#8
○委員長(池田宇右衞門君) 他に御質疑がございませんか。御質疑がないようでございますから質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(池田宇右衞門君) 御異議ないものと認めます。これより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、附帯決議案は討論中に提出する慣例になつておりますので、討論中に御提出を願います。
#10
○永岡光治君 私は日本社会党を代表いたしまして、衆議院より送付されました本案に賛成をする者でありますが但しこれについては条件があるわけでありまして、政府はもともと十三万円で出したものが十五万円に修正されておりますが、このことにもまだまだ私たちは不満を感ずるのであります。先だつて院議によりましてこの本件についての実情調査に参りました際にも、各地方からの要望及び保険契約者からの要望を見ましても、非常に低い、せめてどういうことがあろうとも二十万円程度には引上げてほしという声が圧倒的でございました。又内容を検討いたしましても、私たちは十分うなずけるものがあり、むしろ制限額の設定そのものにも多少疑問があるのではないかという印象すら受けておるのでありますから、止むなく、実は四月一日の原案でありまして、その準備のために早急に本案が国会通過しなければならんという事情止むを得ざるものがあることを考えまして、これに賛成するものでありますが、どうか、私はその意味においては、是非とも近い将来にもう少しごの金額を最低上げてもらう。それからもう一つは地方を今度廻りまして、その感をますます深くしたのでありますが、先ほど質問の際にも私は申上げましたが、一万四千から有するところの郵便局舎に対するこの局舎整備に関する経費が極めて少いのでありまして、二十九年度は普通局の場合は、僅かに飛行場の中にある郵便局一局しか新設できないというお粗末な次第でありまして、この事業が扱つておる仕事の重大性、従つて国民の例えば貯金、保険、その他の貴重な証拠書類をたくさんお預りしておる重要な仕事をしておるその局舎でありますだけに、十分これは国民の信頼を得るに足るだけの局舎を作らなければなりませんし、かたがた狭隘老朽によつ能率を阻害されておる部面も随分ありまして、労働条件の上からも考慮すべき点がたくさんあるように見受けられましたので、それこれを考えまして、先ほど私の質問に御答弁頂きました政務次官のお答えの中にありましたように、十分局舎の整備の問題についても考慮して行きたいという答弁でありましたので、又衆議院の附帯決議にもそのことが含まれておるということでありますから、私はそういうものを、是非ともこの保険金、契約金の引上げに伴いまして、今回そういう措置を講じてもらいたい、こういうことで要約いたしまして四つの附帯条件をつけたいと思うのであります。
 一、保険制限額は最近の経済事情を勘案すれば、低位に過ぎるので機会をみて更に考慮するごと。
 二、保険料率並びに利益配当分は、少なくとも民間保険程度なみに考慮すること。
 三、国家資金の性格に鑑み、資金運用範囲を拡大し、各般の公益事業施設改善に融資するよう一段の努力を払うこと。
 四、本引上を機として、簡保資金を以て、郵便局舎を整備するよう措置すること。以上四つの附帯決議をつけまして衆議院より送付されました本案に賛成する者であります。
#11
○瀧井治三郎君 私は自由党を代表いたしまして、衆議院より送付されました本案に賛成するものであります。併しながら以上の結果といたしまして、今後増額によつて資本が多く集まるのでありますから、その資金の運用法については、今後枠を拡げて、いま少し中小企業とかその他広範囲に亙つて融資炉でき得るよう、特別の考慮を払つて頂きたいということを要望いたしまして、本案に賛成いたします。
#12
○三木治朗君 私も衆議院より送付された本案に賛成し、なお且つ永岡君からの附帯決議に同意いたしまして賛成いたします。
#13
○委員長(池田宇右衞門君) 他に御意見ございませんか。
#14
○最上英子君 本案に対しましては各党の委員の皆さんから質疑がございましたが、諸物価の値上りもありますし、保険の値上げは当然と思います。この引上げに対しましては賛成いたします。又ごの附帯決議も適当と考えられますので賛成いたします。
#15
○村上義一君 私は緑風会を代表しまして、衆議院で修正されて本院に回付された原案に賛成する者であります。そうして同時にごの衆議院で附帯決議をせられた三号の決議事項は極めて適切な事項だと考えます。この点を強く要望する次第であります。
#16
○委員長(池田宇右衞門君) 他に御意見はございませんか。御意見ございません、ようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(池田宇右衞門君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決をいたします。簡易生命保険法の一部を改正する法律案を衆議院送付案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#18
○委員長(池田宇右衞門君) 全会一致でございます。
 次に、討論中に提出されました永岡委員提出の附帯決議を採決いたします。永岡委員提出の附帯決議に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#19
○委員長(池田宇右衞門君) 少数、よつて附帯決議は否決になりました。併し村上委員その他の委員から要望がありますから、議院の本会議報告にはそれぞれ要望事項といたしたいと思つております。
 なお、本会議における委員長の口頭報告と事後の手続については委員長に御一任願います。
 報告書には多数意見者の署名を附することになつておるので、これより本案を可とされましたかたは御署名を願います。
  多数意見者署名
    瀧井治三郎 大野木秀次郎
    深水 六郎  村上 義一
    永岡 光治  三木 治朗
    最上 英子
#20
○国務大臣(塚田十一郎君) いろいろな内部的な手続が遅れました関係上、非常に御審議のために提出をいたしまする時期が遅れ遅れになつて、非常に恐縮をしておつたわけであります。それにもかかわりませず、本法律案の改正が四月一日から発効しなければならないという事情をお考え頂きまして、それに対する準備期間も要るであろうからということで、早急に御審議御決定を頂きまして、誠に有難く感謝いたすわけであります。なお、附帯決議は委員会としては御決定にはならなかつたのでありますが、衆議院の委員会においての附帯決議の事情もありまして、考え方としては私も至極同感でありますし、なお特にその中から強く御要望になりました保険料率の引下げ、それから利益配当は成るべく余計出すということ、それからして集まつた資金を中小企業などにも考えて欲しい、又特定局の局舎の建設などにも十分廻るように考えて欲しいという、当委員会の委員の方々の御意見は十分に体しまして今後運営をいたして参りたいと存じます。誠に有難うございました。
#21
○瀧井治三郎君 大臣が見えておりますので、一つ伺いたいのですが、近く提案されます振替貯金の払込手数料であります。これが政府の御方針の緊縮政策並びに低物価政策なんかの、この最中に一割」、二割、三割上るのは、まあ常識といたしましてはほかの釣合いもありましようが、この振替貯金の払込手数料は大体七割近く値上げされるように聞いておりますので、余りにも政府の言うておられます緊縮政策或いは低物価政策、実質賃金の値下げというような、あらゆる方面と勘案いたしますと、余りにも矛盾しておるような感じがいたしますので、値上げするとすれば、大体常識で考えられる程度になりはしないものか。大臣が折角見えておりますので、御所見を伺いたいと思います。
#22
○国務大臣(塚田十一郎君) これは御意見は誠に御尤もだと私も思うわけであります。私どもただ全体として、非常に大きく考えておつたのでありますけれども、よく考えてみますと、特殊の業態のかたに非常に余計御利用になつて頂いておるところがあるのじやないかと思うのでありまして、そういう方々の或いは非常に御迷惑になつておるかと思うわけであります。ただ全体としての考え方は、御承知のように、郵政全体として、特別会計はこれは独立採算制で行きたいという考え方、二十九年度の予算の状態を大体見てみますと、まあ郵便料金の値上げは、これは何とか、やらなければやらないでも済むが、どこかで少し何かを上げないと、独立採算ができなくなるという考え方で、今の振替料金の値上げ、郵便料金の値上げ等を検討いたしました結果、一方郵便料金のほうは非常にたくさんの大衆の層に影響がある、振替のほうはその意味から行けば、振替の関係の範囲は非常に少いということと、もう一つ振替料金の場合には、一層手数料的な性格が強いのではないか、そういういろんなものが入れられるといたしますならば、手数料は少くとも、これは扱う側のほうで採算のとれる、それだけを切離しても何とか赤字は出さないという範囲までは御了承願えるのではないかということで、振替貯金に要するいろいろな経費、そういうものをよく検討いたしました結果、まあああいう結果になつたのでありまして、誠に御利用になる方々に対しては恐縮な結果になつておると思うのであります。この点は先般衆議院でも問題になりましたのでありますが、ただ大きく考えますれば、こういうもので中小企業の方々に何がしかの負担増をいたします部分、そういうものをいろいろ考慮して、政府全体の政策としては、中小企業には特にいろいろな面の考慮は他の政策の面でいたしておるということをお答え申上げたのであります。例えば私が所管いたしております地方財政の面では、例の事業税、殊に個人の事業税を約三分一程度切下げたりいたしました。そういつた面で面倒を見られるだけの分は見て差上げて、御辛抱願えるものは御辛抱願う、こういう考え方にいたしておるわけであります。
#23
○委員長(池田宇右衞門君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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