くにさくロゴ
1953/03/25 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 郵政委員会 第8号
姉妹サイト
 
1953/03/25 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 郵政委員会 第8号

#1
第019回国会 郵政委員会 第8号
昭和二十九年三月二十五日(木曜日)
   午前十一時二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長    池田宇右衞門君
   理事
           瀧井治三郎君
   委員
           深水 六郎君
           村上 義一君
           三木 治朗君
           最上 英子君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   郵政政務次官  飯塚 定輔君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○郵政振替貯金法の一部を改正する法
 律案(内閣提出・衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(池田宇右衞門君) 只今より委員会を開会いたします。
 本日は郵便振替貯金法の一部を改正する法律案について御審議を願うわけでありますが、本法案は二十三日の衆議院本会議において可決されまして、本院に送付されたものであります。
 これより御質疑を願います。
#3
○三木治朗君 大臣にちよつとお尋ねいたしますが、政府の今回の国会における方針は、いわゆる緊縮政策、低物価、物価の引下げを目的としておられる。これは当然のことであつて、インフレを防止するのも、又貿易を振興するのも、物価を下げることが先決問題であることは言うまでもないことで、政府もたびたびこれを声明しておられるのだが、政府みずからが率先して米の値を上げ、又鉄道運賃を上げ、大臣の所管であるところの放送料の値上げ、又この郵便振替貯金の値上げというように、政府みずからが率先して低物価政策に反する方針をとつておられるということは、どう考えても納得の行かないことだし、又これは延いてはやはり労働賃金等も引上げをしなければならない。いわゆる物価と賃金のシーソ・ゲームのようなことを又繰返すということにもなるのであつて、国全体から見れば甚だどうもけしからんことになるんじやないかという工合に考えられるので、この振替の値上げなどというものは物価に大してそう響く問題でないという御解釈かも知れないけれども、いわゆるこれは低物価に反する一連の、一環として認めざるを得ないと思うのであります。こういう点について、大臣はまあ郵政、電通、地方行政或いは行革というような工合に政府の重要なポストをたくさんに持つておられる。それらに対する大臣のいわゆる考え方、どういうお考え方でこういう方針をとつておられるのか、その御所見を伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(塚田十一郎君) 御意見は誠に御尤もなのでありまして、私どもの考えをいたします場合にも、やはりスタートはそういう考え方から、何とかこれを値上げをしないということで行く方法がないものだろうか、行けるとすればそれが正当であると、まあこういうふうに考えていろいろ問題を検討したわけであります。で、私の所管の郵政におきましても、この考え方で当初値上げを考えながら、結局やらないで見送りにしてしまつたものが、第三種の料金であるとか速達、書留の料金とかあるわけですが、その中から御指摘のように、一方放送料金の或る程度の値上げを止むを得ないじやないかという結論を出し、又この振替の場合にも結論をこういうふうに出したわけですが、それはこういう感じをしておつたわけです。
 どこまでも物価を上げない、下げるという政府の大原則である。従つてその線に沿うて行くが、但しこれは大原則であるからして、何がしかの例外があるということは、原則には例外があるという考え方からあり得る。そこでその例外というものをどういう工合に認めるかという場合に、当該事案について当然上げられるべきであつたものが、いろいろな事情で手がつけられておらなかつたという事情があるならば、それは調整をするという意味において、上げないという大原則を立てたときに、そのときまでに当然上げるべきであつたのは、調整という意味において止むを得ないから考えてみるという必要があるのじやないかという、併しそのような事情でも、それが非常にこの物価を上げない。下げるという基本の政策に支障を来たすということであれば、これは他の措置を講じてもとめなくちやならない、その両方の面から考えて、調整的に必要があるということ、それから上げても、それに手をつけても、その基本の原則にはそう大きく響かないだろうというような事情が両面に考えられるものについてはこの機会に手をつけるという考え方をしたのです。
 で、放送料金の場合におきましてもそういう感じであり、この場合においてもそういう感じであるわけですが、この場合に私どもが考えますことは、先ほども申上げましたように、他の部分に手をつけなかつたのでこの部分も手をつけないということになれば、これだけどうしても郵便特別会計に赤字になる。赤字になれば一般会計からこれは繰入れてもらう結果になる。一般会計から繰入れる場合には国民の税負担という形で取入れ、国民大衆に負担がかかつて行く。料金を引上げるという場合には利用者に負担をしてもらうという形でかかる。どちらにしても国民に面倒をかけるのは同じであるが、まあこの振替料金という一種の手数量的性質を強く帯びたものの場合には、国民大衆に税負担の形で背負つてもらうというよりも、原価を償うまでの範囲においてならば、やはり利用者に御負担を願うという考え方が考え方としては正しいのではないかというので、この料金を引上げるという考え方をとつたのであります。
 併しこの場合にはやはり一種の事業の原価を構成するものである。殊に中小企業が非常に困難をしておられるということもよくわかつておるので、それではそういう面についてどういう考慮をするかということで、まあそれはそれとして、中小企業全般に対しての何か政府として必要な措置をとるという考え方にしたらいいのではないか、それで私が所管しておる地方自治庁の関係では地方税、殊に個人の事業税というものを相当大幅に減税をしようととう考え方になつて出て来たわけで、そのほか政府としていろいろな面で中小企業対策というものを考えておるが、そういうものと総合勘案して、今これはこの程度に一つ御審議願つたらどうだろうかという考え方になつたわけです。
#5
○委員長(池田宇右衞門君) 他に御質疑はございませんか。他に御質疑もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(池田宇右衞門君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、附帯決議案は討論中に提出する慣例に、なつておりますので、附帯決議案は討論中にお出しを願います。ちよつと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(池田宇右衞門君) 速記をつけて下さい。
#8
○瀧井治三郎君 私は自由党を代表いたしまして、只今議題となつておりますところの本案に賛成をするものであります。
 実は本案につきましては、衆議院におきまして相当強力な反対意見もあるかに聞いておりましたので、心ひそかに私個人といたしましては、意を強くいたしておつたのでありまするが、さて討論採決になりますと、これが多数を以て通過いたしまして、本委員会に付託されました。
 いろいろ申上げたいこともあるのであります。が附帯決議を附しまして本案に賛成したいと思います。附帯決議案を朗読いたします。
 附帯決議(案)
 一、郵便振替貯金業務の利用の現況に鑑め、利用の増加を図り目処理日数の短縮等極力サービスの改善に努めること。
 以上の附帯決議を付しまして本案に賛成するものであります。
#9
○最上英子君 私は只今郵便振替貯金法の一部を改正する法律案に対しましては、各委員よりいろいろの角度から質問されました、先ほど三木委員の発言は私も同感でございますが、大臣から詳しい説明もありましたので納得できましたので、改正案花適当と認め、改進党を代表して本案に賛成いたします。
 なお、附帯条件はいずれも適切な事項と考えられますのでこれを認めます。
#10
○三木治朗君 質疑の中で大臣から詳しい御説明がありましたが、実はまだ納得ができにくいのであります。いずれにいたしましても、政府か先んじていろいろの値上げを行うということは、これは国民大衆のやはり生活を圧迫することであり、而も政府自身が言つておる所期の目的を貫徹するには甚だ面白くない結果を生むのじやないかと思います。そういう意味で私は遺憾ながらこの案に反対いたします。
#11
○委員長(池田宇右衞門君) 他に御意見ございせんか。他に見御意もございませんようですから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(池田宇右衞門君) 御異議ないものと認めます。
 それではこれより採決を行います。郵係振替貯金法の一部を改正する法律案を採決いたします。本案を原案通り可決することに賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#13
○委員長(池田宇右衞門君) 多数と認めます。よつて本案は多数を以つて原案通り可決することに決定いたしました。
 次に討論中にございました滝井委員提出の附帯決議案を採決いたします。滝井委員の附帯決議案に賛成の諸君の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#14
○委員長(池田宇右衞門君) 全会一致でございます。よつて附帯決議を付することに決定いたしました。
 それから本会議における委員長の口頭報告等爾後の手続については委員長に御一任願います。
 なお、報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするので、本案を可とされた方は順次御署名な願います。
  多数意見者署名
    滝井治三郎  深水 六郎
    村上 義一  最上 英子
#15
○委員長(池田宇右衞門君) 他に何か質問ございますか……。
 それでは本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト