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1953/05/11 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 郵政委員会 第14号
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1953/05/11 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 郵政委員会 第14号

#1
第019回国会 郵政委員会 第14号
昭和二十九年五月十一日(火曜日)
   午後二時三十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長    池田宇右衞門君
   理事
           瀧井治三郎君
           柏木 庫治君
   委員
           深水 六郎君
           村上 義一君
           永岡 光治君
           三木 治朗君
  政府委員
   郵政政務次官  飯塚 定輔君
   郵政省監察局長 齋藤信一郎君
   郵政省貯金局長 小野 吉郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  説明員
   郵政省郵務局次
   長       渡辺 秀一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○軍事郵便貯金等特別処理法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○郵政事業の運営実情に関する調査の
 件
 (公安調査官の郵便物調査事件に関
 する件)
 (郵便貯金の奨励方法に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(池田宇右衞門君) 只今より委員会を開会いたします。
 軍事郵便貯金等特別処理法案を議題といたします。右法案は、昨日衆議院より本院に送付せられ、直ちに本委員会に本付託と相成つた次第ございます。これより本案の質疑を行うことにいたします。
#3
○柏木庫治君 本日載つてないのでありますが、緊急質問をいたしたいのであります。去る三月上田市で起つた公安調査官の郵便物調査事件は、憲法で守られた国民の権利の侵害でありますので、その誤りを犬養法相及び高橋公安調査庁次長が国会で申訳なかつたと遺憾の意を表したのでありますが、これに対しまして、郵政当局が下部機関まで十分通信秘密を厳守するよう通達をいたしたことは、甚だ当を得たことでありまして、議員として満足をいたしておるものであります。ところが、その後、あちらこちらで今度は調査官ではなくて、警官がみずから通信秘密の侵害をやられまして、而も後にそれを指摘されますと、それが最も大事なことであるということさえ十分に知らないようなふうでありまして、親族会議をして全逓の組合にお詫びをしたとかいうような新聞が五月十一日、今日の産業経済新聞に出ておるのでありますが、実際上田市で起つて以来、こういうことがたびたび繰返されておるらしいのでありますが、郵政当局の措置は私は措置よろしきを得たと思うて、これは満足しておるのでありますが、その後の模様をできるだけ、ここで一つ発表して頂いて、又これに対してとるべき第二の手段があると思いますので、この新聞が事実であるかどうか、郵政当局において、その真相を発表して頂きたいと思うのであります。
#4
○委員長(池田宇右衞門君) 只今柏木委員より緊急質問といたしまして、お聞きの通りの問題を質疑いたされました。よつて議題は議題といたしまして、緊急でございますから、この際、政府側から答弁を煩わすことにいたします。
#5
○政府委員(飯塚定輔君) 只今の柏木委員の御質問に対しましては、郵政当局といたしましても、誠にこの問題は我々のほうでは受身の形になる問題でありまして、当局としては、又従事員も非常に不愉快な問題でございます。お話のごとく四月二日には郵政当局としては各郵政局に対して、郵務局長名を以てこの種の問題に対しては絶対に信書の秘密を守らなければならないということを通達しておりますので、当局としては万全を期しておる次第でございますけれども、その後において今朝の新聞等においても出ておりまするがごとき問題の起りましたことは、誠に遺憾に堪えない次第でございます。
 この問題につきましては監察局長からお答え申上げることにいたします。
#6
○政府委員(齋藤信一郎君) 通信の秘密侵害に関する最近の事例についてのお尋ねでございますが、只今お話のございました長野県上田市における公安調査官から尋問を受けたという件以外におきまして、その後判明しました事実といたしましては、高知県の土佐中村という普通局並びにその附近の特定局の三原局という局の局員について、類似の事件が起きております。土佐中村局の件は約三、四カ月前にやはり配達途中の集配手に対しまして、警官が某新聞の配達模様等を尋ねた。これはいろいろ当時のことを聞いてみますと、やはり地方におきましては、警察官並びに集配手等がお互いによく熟知の間柄でありますために、世間話程度の状況においてやつたというような程度のことでございますが、勿論外勤員といたしましては、これに対して、それは郵便法違反になるからそういうことはお話しできないということで断つておるのでありまして、別にこちら側としては手落なく済ましておる事例でございます。なお、同様の事例が只今申しましたやはり高知県の三原局においても起つておりますが、同様に処理をいたしておる次第でございます。
 なお、今日の或る新聞に出ておる記事の内容についてのことでございますが、先ず神奈川県西秦野局の関係におきまして、昨年の九月の二十九日でございましたが、神奈川県の秦野地区警察署の警察官が西秦野局に来訪いたしまして、現在指名手配中の者に似た男が或るところのポストに郵便を投函したので、その郵便を見せて欲しいという申入れがあつたのであります。これに対しまして、局長は郵便法に違反するからということで、詳細を説明してその要求を拒絶いたしましたので、警官も了承して引下つた次第でございます。なおその際、その警察官の話によりますと、自分の同行しておつた刑事二名がそのポストの近くで丁度集配に参りました外勤員に対して、同様のことを聞くかも知れないという話がありましたが、現にすでに外勤の途上でございまして、これに連絡する方法がなかつたのでありますが、帰局をいたしました際に、その事実があつたかどうかを尋ねたところ、やはり要求を受けたそうでありますが、その集配手も、これは郵便法違反であるから、そういうお話はできないということで拒絶をいたしましたので、別に何ら異状はなかつたということで済んでおります。なお、重ねて申しまするけれども、只今の神奈川県の西秦野局に起きました只今申述べた事件は、昨年の九月二十九日の事柄でございましたので、先般の上田の事件の以前に発生した事件が最近になつて判明したということであります。
 それから群馬県の駒形という局でございますが、これは四月の九日にその郵便局の窓口へ私服の男二人が参りました。ところがそれを受付けた局員が商人が来たと思い込んで、集配人の溜りへ案内いたしまして、集配人の溜りへ来たその二人が、居合せた集配人に某新聞の配達先を尋ねたというのでございます。そういうことは局長に尋ねてくれということで、局長のほうへ廻したところが、局長は勿論これに対してはそういうことはお話しする限りではないということで断りましたので、そのまま引下つたということですが、この人たちは私服でありますし、どういう所属の人であるかということは確認できなかつた次第でございます。
 それからもう一つ、群馬県の室田という局に同様の事件が起つたというような報道がございまして、一応調べたのでございますが、なお、詳細のことはわかりませんので、現地の監察官をして実際のことを目下調査中でございます。恐らく同様の案件ではないかと想像いたしておる次第であります。
#7
○柏木庫治君 三田市にあつた事件以来、郵政省の部内に対してとりました御処置は誠に適当であり、而も郵政省内の従事員はよく職責を守つておると思いますので、この点につきましては頗る嬉しく思うものであります。だが、あのことあつて以来、又警官の制服を着た者、或いは今の二人はいずれかわかりませんけれども、こういうことが行われるに対して、郵政当局が公安調査庁なりその他外部に対して、例えばこういうことを犯す事実に対して、そのもとにこれを見ますと、警官が知識が低いように思われる点がはつきり出ておりますので、郵政省内には通達し、従事員がよく職務を守ることによつて秘密は保持されたと思いますけれども、警官なんかからそう言われることは、従事員にいたしましても苦しいことであり、いやなことであり、職務遂行に不愉快を感じまするので、そういうことの起らないよう大本に向つて何かの手を打たれたかどうか。若し手を打つていないとするならば、これは早急に一応の手を打つべきものであると思いますが、この点に対して郵政当局の考え方を承わりたいと思います。
#8
○政府委員(飯塚定輔君) 只今のお説御尤もでございます。もうこの前の問題で新聞等にも相当やかましく出ておりますので、大体はあれで常識的に見て将来起らないものじやないかということを考えておりましたけれども、その後においても、こういう事件が起りますことに鑑みまして、或いは柏木さんからその処置の遅かりしことをお叱りを受けるかも知れませんが、郵政当局としましては、只今のお説のごとくに当局同士において措置をしようと考えておる次第でございます。
#9
○永岡光治君 関連質問……。これはまあ郵政大臣にしても閣僚の一人ですし、法務大臣にしてもこれは閣僚の一人ですから、同じ政府の部内でやはりそういうことが起ることに対して、大臣は厳重なる抗議を申述べておくべきはずだと私は思うし、その辺の事情も承わりたいのでありますが、これは郵政大臣が列席したときに質問をしたいと思つておりますが、こう頻繁に起りますと、そして又これは新聞紙上で明確になつていないし、そうして今監察局長が述べられた事件以外のものも私たち相当知つておるわけです。従つて単にその警察官なり公安調査官自身の判断によつてのみやつているのではないという節がしばしば窺われるのです。そうして聞くところによれば、毎月何か報告を出さなければならんことになつておるらしいということまで聞いておるのです。従つてこれは本会議でこの前緊急質問をいたしましたけれども、厳重なる措置をするという程度であつて、その後具体的な内容も明確になつておりませんから、私は郵政大臣と同時に法務大臣の出席を本委員会に求めまして、この問題を追求して行きたいと思いますので、次の郵政委員会開催の場合に、法務大臣の出席を要求して頂いて、この点を一つ追求して参りたいと思います。
#10
○委員長(池田宇右衞門君) なお私からも渡辺郵務局次長にこの点で一つお尋ねしておきたいことは、頻繁にこういつたことの事件が起きて来ると、集配人もそれから配達人も、非常に警察官に対して危惧の念が起きると同時に、職務遂行上不安が伴う。これに対しては何らかの方法を相当講ずると同時に、今柏木委員、永岡委員、その他の皆さんも、御発言がなくても非常に心配しておられると思いますが、次官からは内輪の処理だと言つたが、これも相当保護してやるというような考えも持たざるを得ないのでございまして、この点はどういう方法をとられておりますか、若しこの機会に、方法について御方針があつたら御答弁を伺いたいと思います。
#11
○説明員(渡辺秀一君) 部内の方法でございまようか。
#12
○委員長(池田宇右衞門君) 部内の集配及び配達人が、かような事件が頻繁にあると警察官を恐がつておる、そういうことについて、そういう不安を取除くと同時に、それらには更に又職務遂行においてよく職責を遂行したということは褒むべきことだが、その点どんな方法を考えておるか。又どういうような通達を出しておるかということを、直接衝に当るあなたからお聞きしたい。
#13
○説明員(渡辺秀一君) 今通牒の寫しを持つて参つておりませんので詳細なことは申上げかねますが、従来からかような事件につきましてはしばしば通牒を出しておるのでございます。そうして特に部内におきましては、いろいろの会合がございますので、そういう際に、例えば業務研究会であるとか、その他の会合の際に、よくこの通信の秘密確保という点につきましては、関係者に注意を促しております。なお、会合ばかりではなく、幹部を通じまして必らず通信の秘密については守らなければならんものであるということをよく注意さしておるのであります。なお、厳重に守つた集配人等についての処遇と言いますか、表彰と申しますか、さようなことについては、まだ実は格別の措置はとつておらんのであります。
#14
○委員長(池田宇右衞門君) この際、両委員から申されましたが、次の委員会に法務大臣それから郵政大臣の出席を求めまして、この問題について委員会といたしましては慎重に質疑を重ねたいと、かように思います。
  ―――――――――――――
#15
○委員長(池田宇右衞門君) それでは本日の議題について質疑のあるかたは、この際御発言を願います。
#16
○永岡光治君 この際、本案を実施する場合に予算の問題についてお尋ねしたのでありますが、なお本日は最終の意見、討論になるかと思うのでありますので、再確認をする意味でお尋ねをしたいのでありますが、約四億と承わりましたが、この予算はどうして、そうして将来はどういうふうにするか、その点をもう一度明確に伺つてみたいと思つております。
#17
○政府委員(小野吉郎君) 今回の措置に所要な資金四億二千万円につきましては、これはまだ金額が推定のものでありまして、はつきりと確定されたものではありません。従いまして一応これは資金の流用によつて賄うことにいたしております。而も軍事貯金関係の資金は、この大部分を占めておりますが、この資金につきましては、臨時軍事費特別会計の清算処理がつきませんと、最終的な処理をなし得ないわけであります。而も現在臨軍会計の整理はその過程にありまして、なお最終処理には相当時日を要するわけであります。そういつた最終処理のつき得る段階におきましては、この資金ははつきりと或いは一般会計負担というようなことに相成るわけでありますが、先ほど申上げましたように、一面には金額自体が確定の数字でないこと、いま一面は臨軍会計自体の全般的な整理がまだその中途にありまして、最終処理をいたし得る段階になつておりません。そういう関係で、はつきりこの所要の資金の負担の場所をどこと確定いたしますことは、やや時日をかさなければならないような現状でございます。従いまして一応この資金は各種資金の流用によつて措置いたしまして、できるだけ早く臨軍会計の整理等とも睨合せまして、最終的に負担をきめなければならないものでございます。
#18
○永岡光治君 最終的に負担をする場合の郵政当局の構想はどういうお考えでございますか。
#19
○政府委員(小野吉郎君) 当面につきましては、郵政省独自では勿論できないわけでありまして、大蔵省といろいろ折衝いたさなければならないのでありますが、前回昭和二十三年に軍事郵便貯金の支払を一部いたしております。それは終戦後の扱いのものにつきまして一人千五百円を限りまして支払うという措置をとつたのでありますが、この所要資金につきましても根本的な最後の結末はついておりません。その際もやはり各種の資金の流用で賄つておりますが、その際の大蔵省との話合並びにそれは閣議決定を経ておりますが将来臨時軍事特別会計等の整理も見合して、その所要資金を一般会計で負担するのだ、こうはつきり謂われております。今回のものによれば資金は何がしかが入つておりますが、前回の未整理の資金と合せて、最終的な負担分を決定しなければならないことに相成つておるわけであります。
#20
○永岡光治君 臨軍特別会計の清算はおよそいつごろ大体できましようか。
#21
○政府委員(小野吉郎君) これはまだはつきり時日を確定しかねるのでありますが、なお一年余を要するであろうと大体推定されます。なお、ついででございますが、この軍事郵便貯金等特別処理と相見合います銀行預金等で在来の取扱いにかかりますものの法案は大体衆議院も終了いたし、参議院の委員会も採決になりまして、今日の参議院本会議にかけられるという連絡が大蔵省からあつたわけであります。それに伴いまして、両者を併せまして現在郵便貯金につきましては或る一定の制限の下に支払いが可能であり、銀行預金は全然支払いが可能になつておりません。これは為替管理法令基きます大蔵省の関係から出しました政令によつて、そういう制限が付せられているのでありますが、その制限は、銀行関係の支払措置が今日参議院本会議を通過いたしますと、郵便貯金に関するものの早急に措置せられるであろう、こういう想定の下に、今週の木曜、金曜の次官会議、閣議に政令の関係条項の削除を予定いたしておりまして、大蔵省ではさようにとり運んでおります。従いまして、この法案が通過いたしますと、その政令の関係条項の削除と相待ちまして、支払いは即時可能になるわけであります。仮に軍事郵便貯金等処理特別法案の処理が、その閣議よりも遅れることになりますと、一応政令の関係条項を削除する了解は閣議で得られましても、実際それを発動いたしますのは、軍事郵便貯金等特別処理法の成立を待たないと、その前に解除されますことになりますと、郵便貯金の今回の額面二十六億円をそのまま支払わなければならないことに相成りますので、その点と相見合せまして、本法案の通過を目途といたしまして、政令の関係条項を調整するというような段階になると思います。
#22
○永岡光治君 念のためお尋ねいたしますが、只今の御説明によりますと、市中銀行その他の銀行における在外の貯金ですが、これも解除になるということになりますと、その負担等の均衡でございますが、私は特に聞きたいのは、この軍事貯金の不利になつておる虞れはないかどうか、ないことを念願しておりますが、その点を念のためでございますけれども、只今のそのような御説明でございましたので、お尋ねする次第でございます。
#23
○政府委員(小野吉郎君) 在外銀行預金の支払いにつきましては、終戦後のものは全部全面的に支払いをストップいたされております。終戦前のものもそうでありますが、外地の預金はすべて終戦前後を問わず支払いをストップされております。他面外地貯金につきましては終戦の年の九月三十日までのものは全額支払済であります。今回問題になりますのは、昭和二十年の十月一日以降に納入されたものであります。又軍事貯金につきましては終戦時であります昭和二十年八月十五日までの預金につきましては、全部支払済でありますが、終戦後のものにつきましては、一人千五百円を限りましてこれはパーで支払をいたしておるのであります。そのような状況でございます。今回銀行のほうの預金も関係法案の成立によりまして支払は可能でありますが、これは全面的に終戦後の預金につきましては、最も換算率の高いものによつて換算を受けるわけであります。郵便貯金につきましては、軍事貯金は千五百円までは一円が一円になります。更に千五百円を超えまして五千円まで、三千五百円の手取りになります部分につきましては、換算率のうんと低いものが適用されるわけでありますので、この面から申しまして、或る種の均衡は取りながらも、郵便貯金が大衆貯金であり、零細貯金である特質を大いに考慮されまして、相当有利に相成つておるような次第であります。
#24
○永岡光治君 それでこれは従来から郵便貯金会計の問題については問題になつておるのでございまして、特に給与問題が起りますと、第一、大臣あたりの口から出ることは、貯金が赤字会計だから十分できないということをしばしば言われます。そういう関係もあつて、本法案の通過によるところの実施に伴うこの財源措置でございますが、当然私は一般会計から補填さるべき問題であり、又郵政当局もそういうお考えのようでありますが、是非そういうふうにして頂きたいと思います。それで私は衆議院ではこの附帯決議をされておりますが、参議院の場合でもやはり念のためにやつておく必要があるだろうと思うのですが、そういう意味で是非この必要があると私は思うのですが、郵政当局はこういう決議がなくともやれるとは思うのでありますが、やつたほうがなおいいじやないかと思うのですが、どうでしようか。
#25
○政府委員(飯塚定輔君) この御懸念は衆議院においても同様な御懸念があつたのでございますけれども、昭和二十三年の五月の十三日の閣議決定にも、将来のこととして一般会計からということが謳われておりますけれども、衆議院においては更にそれを念を押す意味において附帯決議をされたのでありますから、我々としては附帯決議がなくとも、十分に目安がつくものと考えておるのでございます。
#26
○委員長(池田宇右衞門君) 他に御質疑はございませんか。(「ありません」と呼ぶ者あり)
 御質疑ないようですから、本件に関する質疑はこれにて終了したものと認めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(池田宇右衞門君) 御異議ないものと認めます。よつて質疑は終局することに決定いたします。速記をとめて。
   〔速記中止〕
#28
○委員長(池田宇右衞門君) 速記を始めて。
  これより本案の討論を行います。討論においては先ず賛否を明らかにしてから御意見をお述べになるよう願います。なお、附帯決議は慣例により、討論中に提案することになつておりますから、御意見発表の際御提出を願います。
#29
○三木治朗君 私は本法案に対して賛成いたします。但し質疑のうちにもありました通り、これが貯金局の負担となつて、その運営に支障があつてはならないのでありまするから、これに附帯決議を付したいと思います。附帯決議案を朗読致します。
   附帯決議
  本法律実施に伴い支払いに要した
 資金については、将来政府は一般会
 計よりこの全額を補填すべきであ
 る。
 こういう附帯決議を付することを提案いたします。
#30
○委員長(池田宇右衞門君) これにて討論は終局いたしました。
 これより本案の採決を行います。軍事郵便貯金等特別処理法案、内閣提出衆議院送付案全部を問題といたします。本法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#31
○委員長(池田宇右衞門君) 総員挙手と認めます。よつて本法案は全会一致を以て可決すべきものと決定せられました。本法案に賛成されたかたがたは順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    瀧井治三郎  柏木 庫治
    深水 六郎  村上 義一
    永岡光治  三木 治朗
#32
○委員長(池田宇右衞門君) なお、本件に関する爾後の手続き及び本会議における委員長の口頭報告等は慣例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(池田宇右衞門君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 次に討論中に提案されました三木委員の附帯決議案についてお諮りいたします。本件に関しては、三木委員の提案通り、附帯決議を附することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(池田宇右衞門君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#35
○永岡光治君 今貯金の問題が論議されておりますので、一つ郵政当局にお尋ねするわけですが、先般来二回に亘つて新聞に、大蔵省から貯金の奨励を郵政当局がやり過ぎて困るからいけないという横槍が入つたそうでございますから、どうもこれは私たち郵政委員の立場からすれば、腕に落ちない大蔵当局からの横槍のように感ずるのですが、この真相は一体どういうことなんでございましようか。
#36
○政府委員(小野吉郎君) 過般来、いろいろ新聞に出ました記事の内容には、かなり誇張されたものがあり、真相と違う面がございます。決して郵便貯金の奨励を積極的にやつてもらつては困るとか、或いは郵便貯金の成績がよ過ぎて困ると、こういつたようなことは全然、毛頭ないわけであります。問題は郵便貯金の宣伝は活溌にやるべきではありますが、ただ各種の金融機関の活動にそれが非常に支障になるような場合には、その用語等につきまして、そのようなものが仮にあるとすれば、善処をお願いしたいと、こういう趣旨のものでありまして、例えば我々のポスター等に郵便貯金はどこよりも安全だと、こういつたような「どこよりも」といつたような文句が非常に他の金融機関から見ますと、気になるわけでありますが、大蔵省といたしましては、決してそれを改まつてどうこうというような気持はないようでありますが、何分にも預貯金の関係は、予定通りに各種の機関が目標を達成することが望ましいのであります。仮に或る種の機関の宣伝が他の方面に非常に痛手になるようなものがあれば、お互いに気をつけ合おうというような趣旨でありまして、ひとりこの種の問題につきましては在来郵便貯金の面からいたしましても、他の金融機関方面で非常に郵便貯金の不利になるような宣伝ぶり等がありました場合には、我々のほうからやはりその是正かたを申入れておるのであります。大蔵省はこれを虚心坦懐に受けまして、そのような行き過ぎのないように注意をいたしてくれておるわけであります。今回のそれはいろいろ他の金融機関方面から見まして、まあ一、二郵便貯金の宣伝の表現に気になる面もあるようでありまして、そういう方面で多少無用な刺激を他の方面に与えるような虞れがあるとするならば、そういう面において何がしか再考慮を願いたい、こういう趣旨のものでありまして、決して郵便貯金の宣伝を活溌にやつてくれては困る、郵便貯金の側がほかの金融機関のそれよりも成績がよ過ぎては困るという趣旨のものでは毛頭ございません。
#37
○永岡光治君 新聞紙上で私たち受けた感じでありますから、これは新聞が正確にどこまで報道しておるか、勿論私たちも疑問を持ちます。けれども、市中銀行の成績が余り上らない半面、郵便貯金が非常に成績が上つて、それに対する何と申しましようか、やはり不満が大蔵省としてああいう態度に出たのではないかということも想像はできるわけです。そこでこの郵便貯金の増加ですが、これは私たち自身も局員を苛酷な労働条件に追い込めて、これを労働させることには、これは注意してもらわなければ困るということはしばく申上げたのでありますが、今日郵便貯金の増加の趨勢が顕著に出ておるというのは、大体貯金の種類を分けまして、どういうところからどういう程度出ておるのか、種類別に、そうして市中銀行の増加の状況は余りよくわからないのですが、わかつておつたならば、そういうことも、これは今日でなくてもよろしゆうございますが、お知らせ願いたいし、そうしてその原因は一体どういうふうに把握されておるのか、それも併せてお聞かせ願えれば幸いだと思います。
#38
○政府委員(小野吉郎君) 郵便貯金の増強の面につきましては、すでに前年度に例をとつて見ますと、増加目標八百億であつたのでありますが、実際に実績として現われましたものは八百三億の増強を上げておりますので、一〇〇%幾分か、パーセンテージとしては非常に僅かでありますが、一〇〇%は行つておるわけであります。他面銀行預金等の関係で見ますと、昨年中に増加すべく期待しておりました目標に対しまして、ざつと六〇%ぐらいしか行つておりません。従いまして四〇%は予期した通りに伸びなかつたということは言えます。その原因はいろいろ商業の活動の状況、そういつた面に影響がありまして、銀行預金と言い、郵便貯金と言い、それぞれ同じ預貯金とは言われておりますが、階層は全然別種とは申しかねるとは思いますが、まあ大体におきまして、預貯金の対象を異にしておるということは言えるわけであります。銀行方面におきましては、多少純然たる貯蓄に該当するものもありましようが、その大部分は商業的な、営業的な活動に基因する預金でございます。郵便貯金にはこのようなものが非常に少いのでありまして、その辺は昨年度の成績から見ましても、郵便貯金についても、やはり六大都市といつたような大都市では成績が思うように上つておりません。市町村、これは六大都市を除きました市町村、こういつた方面並びに農村方面もかなり成績としては予定以上に上つておるわけでありまして、やはりこの郵便貯金が大衆の貯金であり、零細の貯金であり、而も純然たる意味における貯金であるということが、この成績の面からも言い得るのではないかと思います。とはいえ、銀行預金と郵便貯金との関係を比較いたしてみますと、現在高で比較いたしますと、郵便貯金が今日ざつと三千五百億弱でありますが、銀行預金は総体で二兆七千億に達しております。その点から言いますと、銀行預金に対する郵便貯金の割合は二二%見当になるのでありまして、この銀行預金と郵便貯金とのパーセンテージの比率は、長い目で見ますと、いろいろ変遷があります。日本の経済、金融関係が非常に順調であり、安定しておりました昭和五、六年当時を比較いたしてみますと、その当時は郵便貯金の銀行に対する割合は、一五%から一六%、こういつた比率を占めておつたのであります。その後支那事変を起点といたしまして、戦争中いろいろ郵便貯金の、隣組を通ずる活動等が非常に活溌でありましたので、この比率も漸次郵便貯金は高まつて参りまして、最高、銀行預金に対して三八%ぐらいまで行つたのでありますが、終戦後漸次下降いたしまして、今日ではざつと一三%、その一三%と申しますと、最も日本のあらゆる方面が安定しておつた時代における比率の一六%から見ますと、多少下つておるようにも見えますが、これは銀行預金方面における、今日その当時になかつた特殊な預金もありまして、いわゆる両建預金とか、そういつたようなものもありまして、銀行預金もその当時の預金内容よりはややほかの方面でふくらんだものがあります。そういう関係でまあ一三%といつたような数字が出ますが、内容を正確に当れば、大体落ちつくところに今日の成績は落ちついておるのではないか、大体去年一年間について見ますと、銀行預金は確かに振わなかつたのでありまして、その原因は昨年度における、いわゆるいろんな経済活動の面における取引の不活溌、こういつた面が銀行預金に反映をいたし、郵便貯金としては、そういつた面に期待するところが余り多くありませんので、順調に貯金が行つた、かように考えております。
 なお、補足いたしますと、先ほど大蔵省からの申入れにつきましては、我々の面におきまして、若しそういつた民間をひどく無用に刺激するものがあれば遠慮してほしいということと同時に、郵便貯金以外に民営の金融機関の活動で行き過ぎのものがあり、郵便貯金が、ために非常に不利の条件に陥るものがあれば、それは改めるから遠慮なく申入れてくれ、こういう付け書きも来ておるので、新聞に報道されましたような内容とは、真相は相当変つておるのであります。
#39
○政府委員(飯塚定輔君) 今の大蔵省との貯金の問題で、実は本月の八日に衆議院の郵政委員会において、河野銀行局長に出席して頂きまして、郵政と大蔵との両方の話合いを聞いたのでありますが、この話合いにおきましても、委員からの御質問も極めてなごやかに取り交されて、銀行局長のお話も、今貯金局長が申されましたように、正直に、赤裸々に、お互いに話合つたのでございます。ただ問題は、従来も次官会議等において、或いは当局等において、口頭で只今のような話合いはお互いに交しておりますけれども、このたびだけは、文書を以て通牒を出したような恰好になつたために、一般に刺激をしたというような形になつたのでございます。この点は今貯金局長から申上げたことに尽きるのでございまから、御了承願いたいと思います。
#40
○委員長(池田宇右衞門君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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