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1947/11/19 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第23号
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1947/11/19 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第23号

#1
第001回国会 予算委員会 第23号
昭和二十二年十一月十九日(水曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 鈴木茂三郎君
   理事 稻村 順三君 理事 川島 金次君
   理事 小島 徹三君 理事 苫米地英俊君
   理事 庄司 一郎君 理事 川野 芳滿君
   理事 東井三代次君
      加藤シヅエ君    河合 義一君
      黒田 寿男君    島田 晋作君
      竹谷源太郎君    中崎  敏君
      中原 健次君    西村 榮一君
      安平 鹿一君    押川 定秋君
      川崎 秀二君    古賀喜太郎君
      五坪 茂雄君    鈴木 明良君
      寺島隆太郎君   長野重右ヱ門君
      山崎 岩男君    青木 孝義君
      淺利 三朗君    磯崎 貞序君
      小峯 柳多君    西村 久之君
      船田 享二君    野坂 參三君
 出席國務大臣
        内閣總理大臣  片山  哲君
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
        國 務 大 臣 和田 博雄君
 出席政府政員
        總理廳事務官  渡邊年之助君
        經濟安定本部
        財政金融局長  佐多 忠隆君
        大藏政務次官  小坂善太郎君
        大藏事務官   福田 赳夫君
        大藏事務官   前尾繁三郎君
        專賣局長官   野田 卯一君
        農林政務次官  井上 良次君
 委員外の出席者
        專門調査員   芹澤 彪衞君
        專門調査員   小竹 豊治君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第七號)
 昭和二十二年度一般會計豫算補正(第八號)
 昭和二十二年度特別會計豫算補正(特第三號)
    ―――――――――――――
#2
○鈴木委員長 それでは會議を開きます。
 これから十七日、十八日の兩日にわたつて行われました各分科會の審査の經過竝びに結果につきまして、主査の方々から御報告を願いたいと存じます。まず第一分科の主査古賀嘉太郎君。
#3
○古賀委員 豫算第一分科會における審議の經過竝びに結果につきまして、簡單に御報告を申し上げます。
 本分科會に付託されました議案は、ただいま上程されておりまする各案中、皇室費及び國會、裁判所、會計檢査院、内閣、内務省、大藏省、司法省、以上の各省の所管に關する豫算でありまして、本分科會は一昨十七日の午前及ど午後、昨十八日午後の兩日にわたつて開會いたしましたが、まず政府より所管の豫算の説明を聽取いたしまして質疑にはいつた次第であります。何ぶん諸般の事情によりまして、分科の審査期間がきわめて短時日でありましたことは、まことに遺憾に思つておる次第であります。それにもかかわらず委員諸君と政府委員との間には、熱心かつ眞摯なる質疑應答が行われたのであります。まず委員會において問題になりましたおもな點をごく簡單に御報告申し上げます。
 第一に、補正第八號における各省の既定經費の一割節減は行政整理の意味を含むものであるかという御資問であつたのであります。また現業はどうかという質疑も一緒に行われましたのであります。これに對しまして政府よりは、定員と實人員とは現在差があるが、これ以上人員を増さね方針であり、一割節減は金額的のものであつて、人員の一割という意味ではない。現業に關しては目下研究中であるという答辯でありました。
 次に復金債券の市中消化の問題について、復金債券の日本銀行引受けはインフレの一因になつてはいないかという質問に對しまして、政府は復金自體の貸出しに對しましては極力これを抑制しておる。そうして保證貸出しを行うておる。復金債券に對しましては市中の消化を促進するように努力しておる旨の答辯がありました。またインフレ促進の可能性ある大藏證券の發行については、税收が完全に行われさえすれば、そのインフレの心配はないという答辯があつたのであります。
 さらにただいま問題となつております中勞委の裁定案に對する見透しいかんという質疑に對しましては、政府當局より、中勞委の裁定には從うが、財源がをい。現在のところ豫備金二十億雜件七億くらいで財源については主税局中心に案を練つてゐるとの答辯がありました。
 さらに進んで終戰處理費につきましては、物價の値上りと新規要求との内譯、新規計畫の性質等、またこれが物動面について相當つつこんだ質疑が行われたのであります。
 以上のほか、營團における價格差益金の積立金處分、問題、國民所得算定の基準及びやみ所得に對する課税の問題タバコの値上の問題に關連して、その賣れ行き、特配タバコ等について熱心なる論議が續けられまして、昨日午後質疑を終了し、討論に入らんといたしましたところ、川島君より採決を留保して、總會において議決されんことを望むとの動議が提出せられまして、この動議は異議なく決定した次第であります。詳細は速記録によつて御了承願うことといたしまして、以上簡單に御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○鈴木委員長 次は第二分科。船田享二君。
#5
○船田委員 第二分科會の所管は外務、文部、厚生、勞働の四省所管の追加豫算案であります。
 第二分科會におきましては、十一月十七日の午前と十八日の午後と二囘にわたつて會議を開き、外務、文部、厚生、勞働各省所管の一般會計並びに特別會計豫算を審議いたしました。いずれもまず政府側の説明があり、後質疑を行いましたが、そのうちおもなものは次の通りであります。
 外務省所管の豫算につきましては、第一に講和條約の問題でありましたが、これについては、その時期は未だ推側し得ないし、また日本國民竝びに政府としては國内態勢を整備し、國際信義の囘復に努めるのが刻下の急務であるとの政府側の答辯でありました。
 第二に、外務省の機能の收縮に應じての、その機構と人員の整理の問題でありましたが、これは終戰後機構は大幅に整理され、人員は八四%程度縮減されている。ただし講和條約後に備えての訓練、調査には怠りないとのことでありました。
 その他にソ連地區よりの邦人引揚状況、終戰連絡事務局の内閣への移管の問題につき質疑應答、竝びに委員よりの希望意見の開陳がありましたが、報告は省略いたします。
 第二に、文部省所管豫算につきましては、まず第一に、六・三制實施のための經費の問題でありますが、これについては政府側より、今囘の豫算決定までの經過の報告があり、公共事業費の縮減と、豫期せざる水害復舊費との競合により、當初の閣議決定十四億圓に對して、今囘の豫算には七億圓しか計上できなかつたか、殘餘の額は豫備費の支出、あるいは新たな追加豫算によつて必ず年度内に出すつもりであり、決して地方公共團體に損失を與えぬ覺悟であるとの確答がありました。また資材については今囘の七億圓は、完全に資材の裏づけがあるとの答辯がありました。
 第二に、貧困家庭への學費補助、育英事業等についてでありましたが、これについてはなお一層研究し、盡力するつもりであるとの答辯でありました。その他學術研究費、科學教育の問題、教育の素質の問題、教科書、ノート等の問題、社會科課目の問題等につき、質問竝びに答辯がありました。
 第三に、厚生省所管豫算につきましては、まず人口問題についてでありますが、これに關して、産兒制限は未だ政府より指導すべき時機ではないとの答辯がありました。次に復員引揚に關しての問題でありましたが、未復員軍人、軍屬の給與の引上げ内地上陸後の旅費その他の支給、引揚者のための在外資産の處理、更生母子寮の授産事業等について質疑應答、希望意見の開陳がありました。第三に醫療、醫藥品關係の問題がありましたが、醫療の國營に關しては、現在ただちにこれを行う必要はない但し結核療養等特殊のものは、若干考慮する必要があるとの答辯がありました。また醫藥品の價格については、公定藥品は戰前の六十五倍程度であり、必要な病人に配給するためには、二重價格制も考慮したいとの答辯がありました。
 最後に勞働省所豫算に關しましては、まず今回の中勞委の調停案についての問題がありましたが、政府の答辯は、官業の從業員に、同一事業に從事している民問の勞働者と同一待遇を與えるために、給與の特別委員會を設置するという點は同意であるが、過去の生活の赤字のための生活補給金支給、またその數字が二・八箇月分であるという點については、愼重に考慮する必要があるとのことでありました。次に失業當、失業保險については、失業者數算定の基礎、支給額等について論議され、國力の現状としてはこの程度の保險しか行い得ず、結局失業の救濟よりも、失業の防止が必要であるとの答辯がありました。その他勞働關係の委員會の發足等にあたつては、局に當る者の人選を愼重にして、勞働者保護を十分ならしめるよにとの希望意見が開陳されました。
 以上が各省所管豫算についての質疑のおもなものでありますが、最後に動議により討論は委員總會に持越すことに決定されました。以上簡單ながら御報告いたします。
    ―――――――――――――
#6
○鈴木委員長 次は第三分科の順序でありますが、便宜第四分科の方から御報告を願いたいと思います。主査川野芳滿君。
#7
○川野委員 それでは私から第四分科會に付議されました運輸省及び遞信省所管の豫算補正の審議の經過並びに結果について御報告いたします。
 まず運輸省所管につきましては、運輸大臣より、遞信省所管につきましては遞信大臣より、それぞれ提案理由の説明があり、引續き質疑に入り、熱心なる質疑應答がありました。運輸省所管の質疑の内容については、次の通りであります。
 運輸の増強、及び本年度冬期に於ける政府の對策につきましては、政府側より現在漸次改善されており、陸路に偏している輸送を船舶の利用による改善をも考慮しているが、資材難その他の惡條件が多いので、現在建設中の工事は續けるが新規工事は繰りのばしたい。なお將來の構想として、内地電化計畫を立案申である。また本年度冬季は昨年度のようにならぬよう、石炭を確保するよう努力し、夏の貯炭を調整して使用するが石炭の生産が惡化した場合、長距離の旅客列車は、制限するかもしれないとの答辯がありました。また獨立採算制及び運賃値上については經營の合理化をはかり、勞働組合協力のもとに、配置轉換をし、新規採用は最小限に止めて經費の節減をはかり、現在七箇年計畫を立案中で、今囘の一般會計よりの繰入五十億圓の償還計畫も來年度豫算に明示できると思うとの答辯がありました。また運賃値上については、獨立採算制と物價體系の一環として調整するものであり、この條件が整えられれば來年度を待たず施行する場合があるかもしれない、との答辯がありました。また歳出における食糧増産に必要なる經費三千萬圓については、變態的なものであるが、戰後より引續き經營をし、重勞務または夜勤者の夜食に使用してゐるので續行いたしたいとの答辯がありました。
 次に遞信省所管の豫算、補正にかかる質疑は次の通りであります。獨立採算制及び通信料金値上の問題については、經費節減に努の、新規採用を避け、物件費の節約、歳入の増強に努め、現在立案中の七年の年次計畫には、本補正豫算における一般會計繰入二十五億の償還計畫を立てる積りである。なお料金値上については、遅くも來年度までには、改正する豫定であるとの答辯がありました。また電話の増設については獨立採算の建前から見ても、國民の利益から努力を傾けており、申込數に對しては短期間に施設の計畫を立案中である旨の答辯でありました。また現在省内勞組の一部で惡質のサボタージユによる損害は賠償するかとの質疑に對し、爭議中の損害はもちろん賠償しないが、個々具體的な場合は、裁判所の決定によらねばならぬ場合があるとの答辯がありました。その他は速記録を參照していただきたいと存じます。
 質疑は以上の通りでありますが、苫米地英俊君の動議により、討論採決は委員總會に留保することに決しました。
 以上報告いたします。
#8
○鈴木委員長 第三分科が殘つておりますが、主査がまだ御出席になつておらぬようでございますから、ちよつと休憩いたします。
    午前十一時十三分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午前十一時二十五分開議
#9
○鈴木委員長 それでは再開いたします。
 休憩前に引續いて分科會の主査の御報告を願います。第三分科副主査長野重右ヱ門君。
#10
○長野(重)委員 それでは私から本分科會に付議されました農林省及び商工省所管にかかる豫算補正の審議の經過を御報告いたします。
 農林省所管につきましては農林次官より、商工省所管につきましては商工政務次官より、それぞれ提案理由の説明がありました。農林省所管の質疑應答は次の通りであります。
 第一に主要食糧につきましては、米價の變更に關する質問に對し、政府側から將來パリテイー計算の基礎物資の價格改訂が行われる場合には、米價も變更する旨の答えがありました。次に輸入食糧の代金支拂について質問がありましたが、これの決濟方法は確定していない。但し今後の輸入については、貿易囘轉資金のわく外で決濟されるように懇請するつもりであるとの答えがありました。なお主食配給について、全國平均十七日の遲配は、十月の食糧年度末をもつて打切り、代替品で埋合わせる旨の説明がありました。また供出完了後の甘藷を自由販賣にしてはいかんとの問に對しましては、目下のところ考慮していないとの答辯もありました。次に農業生産調整費について、もし關係法律が成立しなかつたら、この經費は他に使用するかとの質問に對しましては、政府としては右法律が成立しない場合のことは考えていないとの答えでありました。地元農民に植林をやらせたらいかんとの質問に對しましては、難點は種苗の育成にあるので、やはり國費で實施しなければならないとの説明でありました。次に木炭價格を地方ブロツク別に調整したらいかんとの質問に對しましては、將來價格改訂を行う場合があつたらその際考慮するとの答えでありました。最後に、農業協同組合法が成立した場合、その經費はどうするのかその質問に對しましては、次に補正豫算で追加したいとの説明があり、委員側からさらに追加豫算等を出すことは重大な問題であるから、愼重に檢討するようとの注意がありました。
 次に商工省關係の追加豫算の質疑につきましてその大要を述べますと、熱管理その他科學技術の研究普及について、豫算が少いではないかとの質問に對しましては、政府側からそれぞれ具體的な施策に關する説明がありました。次に繊維製品の配給量を、寒冷地については増加すべきではないかとの質問に對しましては、配給絶對量が少いので、温暖地方の配給を減らしてまで寒冷地にふり向ける餘地はない旨の答辯がありました。なお肥料ついては、電力の不足が生産力低下を招來しているので、それを補うため過燐酸石灰の増産に努めている。また硫化鑛の生産輸送の状況、アンガウル島燐鑛石開發の状況等の説明がありました。次に石炭關係につきましては、政府側から五箇年計畫の説明があり、また石炭非常増産對策と國管問題に關する質問につきましては、増産對策の方は、いわば作業方式に關するものであり、國管は組織法に當るもので、兩々相まつて初めて成果をあげ得るものであるとの答辯がありました。また石炭國管に關する經費は、明年度豫算に計上するとの答えでありました。なお亞炭増産に關する質問につきましては、石炭同樣の施策を行いつつあること、またその利用方法についても種々研究を行う豫定であるとの説明がありました。中小工業對策に關する質疑に對しましては、商工省としては商業、工業は別々に對策を講じつつあり、特に金融對策についても研究中であるとの答がありました。
 以上をもつて質疑を終り、討論採決は豫算委員會に留保することになりました。以上をもつて第二分科會の審議に關する經過報告を終ります。
#11
○五坪委員 今の御説明を拜聽いたしましたが、その中にアンガウル島の燐鑛石の問題について、政府側の説明があつたということであります。それはどういう意味の説明でありますか。六、七十萬トンの滯貨があるということでありますが、硫化鑛が十分生産されぬために、過燐酸石灰その他の肥料も十分な成績が上つていない。特にアンがウル島の燐鑛石を、燐鑛粉として使用する場合、これは非常に大きな問題になつているが、そんな問題について政府側の御答辯の中に、話合いがなかつたかどうか、ちよつとお尋ねいたしたいと思います。
#12
○長野(重)委員 ただいの五坪さんの御質問にお答えいたしますが、その問題につきましては、いろいろと詳細に話合いがありまして、たとえば現在どれくらい生産ができておるか。あるいは一箇月内地へどれくらいの輸送をいたしておるか。今後またどれくらいの生産と輸送ができるかということでありましたが、結論といたしましては、日本の肥料の現況に鑑みまして、なるべく生産の増大をはかり、かつまた速やかに輸送をいたしたいということに盡きておるようであります。なおこれらの詳細につきまましては、十分記憶いたしておりませんので、いずれ速記録をもつて御覽願いたいことをお願いいたしたいと思います。以上お答えいたします。
#13
○五坪委員 もう一つ、燐鑛粉の問題は大きな問題だと思うのですが、過燐酸石灰にする場合には硫酸が必要だが、燐鑛粉にする場合はそれを粉にして、きわめて微粒にすればそれでいいわけですから、非常に大きな問題だと思います。本問題について何かお話がなかつたかどうか、お伺いしたいのであります。
#14
○長野(重)委員 その點につきましては、詳細に承知いたしておりません。あまり詳しい掘りこんだ話はなかつたと記憶をいたしておりますが、後ほど政府委員にお尋ね願えれば結構かと思います。
#15
○鈴木委員長 ほかに主査の報告に對して、別に御質疑ありませんか。
    〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
#16
○鈴木委員長 それでは各分科會の報告は、これをもつて終了いたします。
 これで一旦休憩いたしまして、午後一時から開會いたします。これは時間の都合上、正一時から開會することにいたしたいと思います。午後一時からは各理事とも御相談の上で、委員長において特に最後の質問をお許しすることにいたしたいと存じます。稻村順三君、長野重右ヱ門君、苫米地英俊君、船田享二君、東井三代治君、野坂參三君、もう一人、まだ氏名の通告が來ておりませんが、あともう一人、大體稻村君、長野君、苫米地君二十分、船田君十五分、東井君、野坂君十分というふうな、多少時間の制限をいたしてございますが、これは最終の質問でございますから、一問一答というような形でなくて、質問を取りまとめて御質疑を願いたいと思います。政府からは總理大臣竝びに大藏大臣、安本長官の御出席を願うような順序になつております。
 それではこれで一旦休憩いたします。
    午前十一時三十五分休憩
     ━━━━◇━━━━━
    午後一時四十二分開議
#17
○鈴木委員長 それでは午前に引續いて開會いたします。
 間もなく總理大臣と安本總務長官が御出席になります。これから各黨の最終の代表質問に移ります。通告順によつて發言をお許しいたします。稻村順造君。
#18
○稻村委員 私はまず大藏大臣に對して、これまでの豫算委員會、あるいは分科會にいろいろ質問がなされましたけれども、それに對するだめを押すという意味におきまして二、三の質問をしてみたいと思つております。
 まず第一に大藏大臣は金融機關の補償金の百億圓を取止めにしたのは、企業整備が遲れたからだと言つております。それからもう一つには終戰處理費がとにかくあの程度に止まつたというのは、六千戸の建築を三千戸に節約してもらつたために、そこでこういうふうな節約ができたというふうなお話があつたようであります。この際私が大藏大臣に對して特にだめを押しておきたいことは、それならば企業整備が必要であるところの二十三年度の豫算に、この百億圓が盛られるのである。そうすれば今百億圓が健全財政という建前からいたしまして收支が償いましても、この百億圓がこの次に盛られるということになれば、これがまた繰越しになりまして、やはり二十三年度豫算に非常な大きな穴があくということが想像されることであります。終戰處理費にいたしましても、六千戸に節約してもらつたのははなはだ結構でありますけれども、あと當然、この二十二年度に建設さるべきものが半分にわけられて、あとの三千戸は、これは二十三年度の方に繰延べになつたというようなことがありますと、これが收支のバランスは、結局今合わせただけであつて、後にはもつともつと財政上の不安が持越されておるというにすぎないのでありますが、こうなりますと二十三年度豫算、あるいはまた次に問題が出ますと、先ほど農林委員會においても問題になつたのでありまして、これは追加豫算にさらに組んでもらうつもりだという返答もありましたのですが、そうすれば、この追加豫算というものは、われわれこの前の公聽會の大内教授の言葉を借りて言えば、きわめて厖大なものになるおそれがある何百億というような厖大な追加豫算を、本年度中に要求するところの意思をおもちなのかどうか、この點をまず第一にお尋ねいたしたいと思うのであります。
 第二に私はお尋ねしたいのは、最近官公廳職員の待遇改善に絡みまして、中勞委の裁定ができまして、ここに非常に問題となつているのは、これに對する財源をどうするかという大きな問題であろうと思うのであります。この財源に關しまして公聽會では、全財連の書記長品川君の發言によりますと、價格差益金が百億圓しか計上していないのはこれは實に少な過ぎる。少くともわれわれの手においてこれをもし收納するということになりますれば、三百億圓の價格差益金の收納は確實であるというような意見を發表しております。この點その道の現場において相當熟練した技能をもつている人の意見として、傾聽に値するものと思うのでありますけれども、そうすればこの差益金が、今日物價廳にその收納の權限があるのでありまするが、これを財務局に一括して移管すれば、やはりここに二百億近くの財源が浮くのではないかというふうに感ぜられるのであります。殊にほとんど地方に手足のない、しかも話を聽いてみますと、公定價格のいろいろな上げ下げ、その他について、これは事實の有無は別といたしまして、とかくの批評さえあるところの、この物價廳が、しかも無力な物價廳が、こういうふうな價格差益金の收納の全責任をもつているということは、私は結局この百億圓の金をとることさえむずかしいのではないかというふうに考えられているのでありますが、この點に關し、後で安本長官にもお尋ねいたしますけれども、大藏大臣としてはどういうふうなお考えをもつているか、その點をお尋ねしたい。かように考えております。
 それからもう一つ私たちは官公廳職員の給與の財源に關しましてお尋ねしたいことは、今度大藏大臣の説明によりますと、扶養家族の控除額を引上げたのに對しまして、これは七月からの分は返濟するというようなことを申しておりましたが、これが返濟されるということになりますと、十一月末日までには大體一人當り一箇月に二百五十圓くらいは返すことになるのではないかと考えております。そうしますと、ここに千八百圓ベースを動かさないようにいたしましても、約一人千二百五十圓というものを現金で返すことになり、これが生活の問題として考えられるのではないかと考えられるのであります。さらに越冬資金といたしましても、やはり同じように越冬資金をこれに加えますと、中勞委の裁定というような、あの一人當り五千圓というように、全部を賄うことができないにいたしましても、相當の部分をここで補うことができ、しかも千八百圓ベースを崩さぬでできるのではないかというような感じがしておるのであります。この點に關してもし安本長官がおいでになつたら安本長官にお尋ねしたいと思いますけれども、大藏大臣の御意見をお伺いしたいと、かように考えております。
 それから第三にわれわれが公聽會から得た知識でありますが、朝日新聞の土屋清君の説明によりますと、今日やみにまわつておつてわれわれの手にはやみでなければほとんどはいらない、いわゆる正式ルートに乘つてはなかなかはいらないというような物は、われわれとして今日專賣をすることが最も適當であるというような意見もありました。そうしたならばどうせわれわれの手にやみでなければはいらないような日用品、こういう物を專賣事業として新たに創設する意思はないかどうか、もしこれによつて專賣益金を得るならば、私がちよつと計算したところによつても、甘味料が十億圓くらい、マツチこれは小箱一人一個といたしましても、これはその差益金が一圓とつたといたしまして九億圓、石鹸、これが月一人一個ぐらいといたしまして十圓に賣つたといたしましても九十億、茶が二千萬貫、それを二千萬戸に一家族大體一箇月百匁くらいずつこれを配給いたしましたとしても、これが七十二億、みそ醤油がまず同じように現在の配給量を確保するとしても二十億圓、總計二百億圓くらいの專賣益金においての收入を見ることができるのではないかと考えておりますが、この點に關する御意見はどうであるか。これが第三點です。
 第四にお尋ねしたいことは、所得税の調査事務機構を強化する必要があるのではないかということであります。徴税機構が弱い結果、源泉課税であるところの勤勞所得税のみが豫定通りに納まりまして、やみ屋はほとんど脱税しておるばかりでなく、大所得者はほとんど滯納している有樣である。これは大體われわれの想像し得るところでありますが、これに關して税務官吏はどうかと言えば、今定員に非常に滿たないで二級官の七七%というものが定員に不足しておる。そういうもの、それから今度は三級官といたしましては四〇%以上も不足しておるというのでありますけれども、これをただちに配置轉換を行いまして、たとえば二級官の足りないところ、三級官の足りないところを、他の官廳で冗員とか何とかいつておるのでありますから、これらの者から轉勤をさせることにして、この補充をただちにして、この徴税のための所得調査事務を強化する必要があるのではないかと考えます。
 第五に徴税機構と調査事務の強化の問題であります。徴税機構を強化して十分な能率を上げしめるために、この前からの大藏大臣の説明によりますと、今度一級官吏なみの待遇を財務官吏にも與えると言つておりましたが、これを具體的に、たとえば今までの三級官を二級官にするとか、あるいはまたある程度雇の人間を本官にするとかして、その衝に當つている官吏の位階、職階を上げるような點について、この人たちに非常な希望をもたせるという立場から、これを強化をしていく意思があるか、この點について一應お尋ねしたいと思つております。
 第六に復金の問題であります。復金の金は相當に方々にすでに放出されておるにもかかわらず、その割に實績があがつていない。殊に復金の人の話によりますと、石炭の生産にだけ、一月以降百億の金が融通されておる。しかも石炭自身どれだけ設備が行われたかということに關しては、相當疑問があるように思うのであります。殊に今度も四十億という多額の費途を豫算の上で組んでおる。この費途その他に關して會社自身を復金が相當監査する權限を與える必要があると同時に、復金に對する監査もまた民主的な國民の監査によつてせしめるという機構を、相當強化にする氣持はないかどうか、これだけの六點について御答辯を煩わしたいと考えております。
#19
○栗栖國務大臣 お答えいたします。今回の追加豫算において補償打切等による政府の金融機関に對する補償百億圓を一旦削除したことであります。これはただいまもお話のように、企業再建整備、金融機關再建整備の進捗が遲れておりますので、本年内にこれを實行するまでに至らないと見たので削除したのでありまして、これは企業再建整備、金融機關の再建整備はなるべく速やかに處理いたしまして、新しい日本の産業、金融機構の再建を實現せねばいかぬと思います。おそらく二十三年においてこれを計上することに相なろうと思うのであります。その場合にこの豫算が膨れはしないかということでありますが、これはこの本豫算におきましては一般歳入をもつて五十二億を賄いまして、大體四十八億を公債で賄うことになつておつたのであります。この二十三年度の豫算編成につきましては、ただいま政府といたしましては各方面にわたつて十分な檢討を加え、そうして編成をしようと思つておるのでございまして、この百億もおそらく計上することになろうと思いますけれども、これがためにただちに二十三年度の豫算が非常に大きくなるとは考えておらぬのであります。これは二十二年度までは終戰直後のいろいろそういう方面に重點をおいた豫算にならざるを得なかつたのでありますが、二十三年度は講和會議も控えておることであります。經濟再建あるいは産業の建直し、こういう方面にも重點をおいていたしたいと思うのであります。そういうものともにらみ合わせまして、この百億を有效に計上し、有效に使用しようと思つておる次第でございます。
 それから終戰處理費の二十三年度の見透しの問題でありますが、これは實はこの講和條約も二十三年度においてはおそらく成立すると思うのでありまして、終戰處理費の用途はだんだん減少してくると思うのであります。そのほかに賠償物の撤去費というようなものは殖えてくると思うが、そう殖えていくというような傾向はもたぬものと思うのであります。なお二十三年度の豫算編成にあたりましては、この見透し等も十分つけまして、編成をしたい。かように考えておる次第であります。
 それから物價その他の點から、さらに本年度内においても、数百億の厖大な追加豫算を出すことにならないかというお尋ねがあつたのでありますが、ただいまのところでは、やはりこの物價水準、賃金水準を維持するに極力努めることでございます。追加豫算については、小口の追加豫算は、あるいる法務廳であるとか、あるいは内務省の解體に伴うとか、その他の點で相當のものがあるかもしらぬと思うのでありますが、大口の數百億にまたがるという追加豫算は、極力抑えて出さないというような考えをもつて努力しておる次第であります。
 それから中勞委の裁定に伴いまして、價格差益金が相當大きな數字に上るというようなお話があつたのであります。大體政府といたしましては、過般の公價の引上によりまして、價格差益は百三十億と見ておるのであります。そのうちの三分の二が政府で收納することになりますので、九十七億とみたのであります。九十七億でありますが、二十二年度内に政府が收め得るものは、大體六十六億であります。このくらいに見て計上いたした次第でありまして、この程度であろうと思つておるのであります。
 それから今囘所得税法に改正を加えまして、勤勞所得者、少額所得者に對する負擔を輕減するという意味において、家族控除等を引上げるということになつたのでありますが、これによりますと、大體過去の分が六百圓というくらいになると思うのであります。すでに本委員會でも御説明申し上げましたように、今後は大體月百三十九圓ばかりの輕減になると思うのであります。そしてこの分は次の支拂の場合に、多分相殺して授受を簡便にして、決濟をすることに相なろうと思うのであります。
 次にやみの品物で、なかなか配給その他では手に入れることのできないものが相當ある。そういうようなものについては、むしろ專賣をしたらどうかというお話であります。これは一つの參考として有力な御意見と思いますが、ただいまはそういう專賣でありますれば、財政專賣でもなし、一種の公益專費だと、かように考えたのでありますが、政府といたしましては、まだ十分そういうような方針を固めているということには至つておらぬのであります。御意見としてひとつ承り置きたいと思つております。
 それから徴税の問題でありますが、まず第一に人員が少い。それを補充するために、配置轉換を各省にまたがつてやつて、これを早急に行つたらどうかという御意見でありますが、これはまことにわれわれとしても同感であります。現に外務省については配置轉換によつて補充しようという準備をいたしておるのであります。さらにもつと各省にも連絡をとつて、早急に配置轉換によつて人員を補充したい。かように考えておる次第であります。そうして所得の把捉調査を強化するという點はまつたく同感であるのであります。それからまた徴税の措置を強化するという意味において、税務官吏の優遇等を考えておるか、職階なども引上げて、希望をもたして大いにやらすことはどうかという御意見であります。これもまつたく同感でありまして、税務官吏の優遇についてはさようなものもいたしたいと思うのであります。われわれといたしましては、有能なものであるならば、年とか何とかいうものにあまり拘泥しないで、十分に適材を適所に置くという拔擢等をもいたしたい。かように考えておる次第でございます。
 それから復金の問題でありますが、復金の效果がなおあがつておらぬのじやないかというような御質問であります。復金につきましては、こういうような經濟危機が迫つてきておりますので、緊要なる産業資金の供給を、復金に依存する程度が非常に強くなつておるのであります。そういうような趣意におきまして、今囘も四十億の政府出資を認め、本豫算の六十億と合せて百億を認めるというようなことにいたしておるのであります。今復金は大體二百八十億ぐらいの資金の調達の途が殘つておるのであります。そのうちの百億はこういうような政府出資でやりたい。あとの殘りは債券發行及び補償等によつてやらしたい、かように考えておるのであります。そういう場合にそういう資金を有效に供給する場合におきましても、一旦供給しても、それが適正に使用されておるかどうか、こういう監査をする。これは復金でもその機構を設けまして、もつぱら監査に當らしたのであります。元來わが金融機關におきましては、戰前においては資金の融通をすれば、そのあとの監査ということは相當大藏省において、日銀その他の金融機關においても熱心にやつたものでありますが、戰時中人手が足らぬとかその他によつてこれが缺けておるのであります。そこで復金についてはただいま特に部局も設けて監査をやらしております。なおそれを強化して、その實をあげるということにしたいという御意見はもつともでございまして、復金についてもさようにいたしたいと思う次第であります。さらに復金の運營でございますが、これについては本會議において、あるいは本委員會においてもすでに申し上げたところであります。何分にも在來の金融機關と違う一種の特殊金融機關でありまして、運營についてはなお考究を要するところが多々あると思うのであります。殊にこれを民主的に、また必要な資金は簡易迅速に、必ず的確に供給するという點においても、いろいろ考究すべきものがあるのであります。委員會の運營、監事會その他の運營等についても十分考えたいと思います。殊にこれを民主的に運營していくという方面にも全力を盡し、廣く知識を集めてこの效果を十分期したいと思つておる次第であります。
#20
○鈴木委員長 多少稻村君の御質疑の趣旨に違つたような點もあるかと存じます。重ねて御質疑がしたいようなことがあるかもしれませんが、これは理事會の申合せによりまして御辛抱願いたいと思います。それでは總理大臣に簡單に願います。
#21
○稻村委員 總理大臣に御尋ねしたいことは、今も大藏大臣から御返答がありましたが、公聽會で大内教授も、この分でいくと一千億を超える第二次追加豫算は必至と考えられるというふうな發言をしておりました。大藏大臣はできるだけ大きい追加豫算は避けるという御返事がありましたが、しかしながら今日の情勢から考えて、政府がちよつとでも氣を緩めると、必ずこういう事態はくるだろうということを私たちも考えるのであります。この點に關してあらためてだめを押すようですが、總理大臣の御答辯を煩わしたいと考えます。
 第二には補正第七號豫算を決議した際に、今後タバコ等の値上げをする場合には、議會の愼重な審議を經る必要があるというふうにだめを押したにかかわらず、議會にこれが諮られずに、十一月一日からタバコの値上げをした。その後委員長からも注文があり、いろいろ各委員からも質問があつたのに對して、確固たる御返事がなかつたわけでありますが、今後國民生活に密接な關係のある郵税あるいは鐵道運賃というものについて、先ほど述べられたように、まだ財政法が實施せられていないから舊法によるというような意味でやられると、豫算審議の上に非常な差支えを生ずるとも限らないので、この點に關する御答辯を煩わしたいと考えます。
 それから安本長官にお尋ねしたいことは、千八百圓ベースはくぎづけではない。生産力と比例して増減するものと解せられるというな御答辯を安本長官はしておられる。しかし私は官公吏の給與についても同じようなことが言えると思う。もし能率が増進した場合には、給與を引上げても物價體係を崩すものではないというふうに考えてよろしいかどうか。私たちから言うならばむしろ健全財源があるのかないかということに、おそらく官公職員の給與問題がかかつていると思う。從つて徴税機構を強化し、自然増收というものが行われ、それから今度は官公吏の待遇をある程度改善することによりその能率が増進する。このような場合においては、千八百圓ベースは引上げる可能性ができてくるのではないかというふうに考えますが、これについて安本長官の御見解を承つておきたいと考えます。
 それからもう一つ、これは大藏大臣に對して質問したことでありますが、七月以降の勤勞所得税の過拂いに對しては、これは次に差引くと言つておられますが、これは實を言うと差引くよりも、現金拂いをすれば、この點だけでも官公吏の生活を非常に緩和することになります。中勞委の裁定によるあの全部というわけにはいかないにしても、相當部分は緩和することができるのではないか。しかも千八百圓ベースを崩さないでいけるのではないかと考えるが、どうであるか。
 それから越年資金の問題でありますが、これも先ほど大藏大臣に質問した通り、徴税機構をある程度改正することにより、たとえば全財連の品川君の言つたように、價格差益金というものをむしろ手足のない物價廳に委ねておくよりも、財務局に委ねた方が益金を上げることができるという御意見でしたが、こういうものがもし確固たる財源となるならば、越年資金というものをある程度考慮しても、そんなに惡性インフレーシヨンを高進するというような心配をしなくてもよいのではないか。財源はちやんとあるのではないかというふうに考えておるのであります。これに對する安本長官の御意見を伺いたい。
#22
○片山國務大臣 第一の御質問は補正追加の問題でありますが、大藏大臣が答辯いたしました通りできるだけ萬やむを得ざるものに局限いたしまして、御趣旨に副いたいと思つております。厖大なるものはもちろん避けるつもりであります。
 第二の財政法第三條に關する問題は、まつたく私どもの意思といたしましても、タバコあるいは運賃の値上げ等は、政府の一存でやる方法を避けて、國會に協議をいたしたいと考えておるのであります。但し現在の緊急状態に鑑みまして、いろいろな事情からさような方法にまいらない。特殊な状態に鑑みて處置しなければならない點もあることを、御了承願いたいと存ずるのであります。今後はこの問題について愼重を期したいと思いますが、その取扱いがいろいろ複雜でありますから、この取扱いの技術的問題に關しては、大藏大臣からお答えいたすことにいたしたいと思います。
#23
○和田國務大臣 價格差益金の増收について、物價廳から財政局に移せという問題でありますが、價格差益金は結局全部向うへ納めることにいたしておるのでありまして、ただこれがどの程度に上るかということについて、いろいろ今まで御議論があつたのでありますが、今度私が認めましたのは六十億で、相當の程度であります。これにあまり多額のものをこれ以上認めるということも、なかなかむずかしいのじやないかと思います。しかし六十億というのは今度一應認めたのでありますが、それ以上どれくらいあるかといつたら、人によつて意見が違うわけであります。われわれは初め四十億程度じやないかと思つたわけでありまして、そのはつきりしたところは今申し上げられませんが、六十億というのはぎりぎりのところまでいつておるのじやないかと思います。千八百圓ベースについては、お話のように價格改訂をやるときに、今度の平均賃金としてこれを採用し、從つてこの方面においては能率が上り増産ができまして、ゆとりのある者が千八百圓の實質賃金を超えることは、賃金のストツプではありませんから、政府としては當然そうなつてもよろしいということは認めておつたのでありますが、官公廳は單に能率が上つたというだけではいきませんで、そこに財源がありませんと、やはり國家の赤字において賃金ベースを上げていくということになりますので、官公廳の場合においては民間の場合と違つて、物を生産しておらないから、その邊が違つてくるのじやないかと思います。ただお話のように官公廳の給與制度そのものが合理的なものであるかどうかということについては、われわれとしては今の給與制度そのものが、非常に合理的であるというようにも考えませんので、これは給與制度の改善ということを、民間の方の給與の實態とにらみ合わせて行うことも、物價體系そのものを堅持していくという建前において、相當そこに大きな財源がありまするならば、その範圍内においては、當然これは考えらるべきものではないかとわれわれは考えております。
#24
○栗栖國務大臣 本月の初めにタバコの値上をいたしたのでございますが、これは實は追加豫算の提出等が非常に遲れまして、一日タバコの値上が遲れれば、二億圓というような相違があるのでございまして、まことにやむを得ない次第で、不本意でございましたけれども行つたような次第でございます。しかしながら追加豫算等も十一月にはかけるということで御贊成を願うような次第でございましたから、特に十一月分だけのものをあげたのでございまして、これはまことに不本意でありましたが、やむを得ない財政上の事由によつたのでございますから、ひとつ惡しからず御了承願いたいと思う次第でございます。政府といたしましては、まだ施行されておりませんが、財政法第三條の趣旨及び補正第一號のときの趣意などを、決して忘却するというような趣意ではなかつたのでありますから、御了承願いたいと思うのであります。なお財政法第三條につきましても、關係筋その他との交渉が種々時間をとり、また種々の線で統一ができなかつた點もあつて、はなはだ遲れましたけれども、これも昨今ようやくきまりまして、そうしてこれは全面的に施行する。しかしながら昨今のこの緊急の事態がある場合におきましては、やむを得ない必要から、政府の料金その他は政令でするという法律を提出いたしたのでございますが、これもその運營等につきましては、國會を無視するというようなことは毛頭考えないのでございます。そのときの御審議の際に十分御意見を伺いまして、運營についてはこの財政法第三條の趣意というものに副わないような考えはいたさない、かように思つているような次第でございます。
 なお一言申し上げますが、過去における家族扶養控除その他の負擔輕減をしたので、六百圓ばかり差引くということも申しましたが、これは結局收入の中から差引きましても、それだけ收入が殖えてはいるのでございますので、手取はそれだけ多くなるということでございます。ただこれをわずかの時間の間に一度拂いもどしまして、さらにまたすべてをとるということになりますと、たいへん多數の事に關係をいたしますし、かえつて人手その他もかかり、迅速にもいかないというような點で、今度新たに收受する税と差引いてその際に餘分に手もとにはやはり六百圓が歸つてくる、こういうような仕組をいたそうと考えておる次第でございます。
#25
○鈴木委員長 次は五坪茂雄君。
#26
○五坪委員 私は民主黨を代表して最後のお尋ねをいたしたいと思います。
 まず總理大臣に一、二お尋ねいたします。これは何囘か質問が繰返されていたのでありますけれども、しかし考えれば考えるほど疑問が起るので、この際ひとつはつきりとお答えを願つておきたいと考えるのであります。言うまでもなく今囘の追加豫算は厖大なものでありますが、また次に追加豫算も出るのではないかと考えられます。その厖大な豫算があるいは時の面において、または物資資材の面において、はたしてきわめて適正に消化されるかどうかという問題なんです。どうも私の考えるところによりますと、おそらく無理がかかるのではないか、また終戰處理費をマル公ですべておやりになるわけなのですが、政府の手持品をマル公で拂下げなさるならば、これはうまくいくでありましようけれども、必ずしも資材全部がそうとはまいりますまい。そういう場合にはたして計畫通りにいくかどうか。これも多大のむりがかかる。むりがかかるということはどういうことかというと、インフレを助長するということになるのだと私は思うのであります。ところで先般生計白書とも言われるようなものをお出しになりましたが、これはインフレを抑え、また國民に安心を與える一つの方法としては相當力強いものであつたかと思いますけれども、この際もうインフレに向うということは、國民皆そういうふうに考えて不安がつておる。それを、いや不安がる必要はないのだ。インフレはこういう力強い方法によつてこれを抑えていくのだという、具體的な何か方法をおもちになつておるかどうか。その點をひとつ明らかにしていただかぬと、御承知のごとく勞働攻勢がどんどん激しくなつておるようでありまするし、また實際において、これ以上インフレになつたら、國民生活はやつていけない。耐えられない。だからその點をはつきり、こういうふうにしてインフレを抑制して經濟再建をやつていくのだということを、あらためてひとつ御答辯願いたい、かように考えます。
 次にお尋ねいたしたいことは、先般來マル公の値上をおやりになりましたが、それはいろいろな關係もありましよう。だから値上になつたのでありましようけれども、私は一遍に三倍なり三倍半の値上をするということより、逐次上げていくことによつて、その間時をかせぐということが非常に重大な問題じやないかと思うのに、それを急激にマル公を引上げてしまつた。たとえば木材なんかはやみ價格よりずつと高いマル公にいつてしまつて、あとからやみ價格がマル公に追いつくのだというようなことになついるのです。また今囘タバコの問題もお話しになりましたし、それから酒が自由價格五百五十圓ということであります。政府のお考えは一應ごもつともに考えられますけれども、その半面を考えますと、はたしてその五百五十圓の酒が賣れるかどうかとううことなんです。八百圓とか、千圓とか、一級酒のやみ價格がしているということですが、それは限られた數量だからそういうむりな値段になるのです。ところがこれが五百五十圓で自由に買えるということになると、はたして民衆がそれを買うて飲むかどうか。おそらく私はそれは密造を助長することになるのではないかというふうに考えるのです。その政策がまわりまわつてそういうことを助長するというようなことになると、一國の政治として私は重大問題だと思いますがゆえに、こういうことについて總理大臣の所感を、はつきりと伺つておきたい、かように考えるのであります。
 第三は、先般來國民運動をやるとか何とかいうことを聞いておりましたけれども、いろいろな部面に國民運動が必要であります。殊に私が今質問しておりまするインフレ抑制という問題については、非常に必要だと思うのでありますが、どうもそれが活發に行われていない。さらに食糧問題その他インフレ抑制の問題からも、消費節約ということを今日ほどやかましく言わなければならぬ時代はないと思うのでありますけれども、一向消費節約の運動がやられていない。そういうことは一向お考えになつていないのか。私、視野が狹くて、そういうことを知らぬのでありますが、とにかく視野の狹い私にもはつきりわかるように、もつと強力にそういう運動を展開してもらいたいと思うのでありますけれども、一向それができていない。インフレはこういうふうに抑制するのだ、こうなつては國家がこういうふうになるのだということを、國民一人々々にはつきり知らせる運動、それからどんどん消費節約をしなければならぬという運動、殊に食糧問題、戰時中はさつま芋の葉とか、くきとか、つるとかいうものを、ことごとく買つていつて食つたものですけれども、今日はそんなものを食う者は、農村ではおそらく一人もおりはしません。都會の人たちも、以前は農村へどんどん買いに來たのですが、今日では一人もおりません。そうして一方では食糧難とか、やかましく言つておるのですが、これは政府として國民教化と力が足りんからだと思いますが、そういう點についてひとつ總理大臣の考えを承つておかなければならぬ、かように考えるのであります。
 次に大藏大臣にお尋ねいたします。それは先ほど社會黨の稻村氏からの質問の中にありましたように、農家とか、中小商工業者を對象としての徴税は、まことに微に入り細にわたつてうまくいつておると思う。これは税金を出す方の者が感心しておるくらいに税金をうまくとつておると思うが、もつと大きくとらなければならぬ方に手ぬかりがないか、これは今私時間がないので詳細なことは申しませんが、それだけ申し上げればはつきりおわかりのことと思います。そういう點一層ひとつ考慮をお拂いになる必要がたしかにある、かように考えておるのであります。また一方そうかと思うと入場料など相當引上げておいでになりますが、これなども今日何の樂しみもない者がたまに映畫で見るというような際に、莫大な税金を拂つてでなければ見られぬということは、これは社會民衆の文化を向上する上においても、あるいは民衆娯樂という上から考えても、こういう點もひとつ、それは財政難の場合であるからやむを得ぬかもしれませんけれども、御考慮の餘地があるのではないか、かように考えるのであります。
 次にこれも大藏大臣にお尋ねするのですが、北陸を中心として全國にわたる單作地帶、これは今非常に困つておるのです。これは農林關係の方はみな御承知だから農林關係の方に質問する必要はないのですが、米をとつてそれをマル公で供出してしまえばあとに何も收入の途がないのです。副業をしようとしたつて材料がないのです。たとえばさつまいもをつくれば澱粉をつくるとか、あめをつくるとか、しようちゆうをつくるとかいろいろあります。そうすればそのかすができるからぶたを飼うとかにわとりを飼うとか、それからそれへと副業ができるのです。蔬菜や果樹をやりましても、農閑期にそれに加工してやるとすれば、それを賣出すということもできるのですが、稻作一方の單作地帶ではそれができない。たとえば具體的に申しますと石川縣の石川郡あたりでは、一段と耕作するに七人手間要ります。苗代から田植して收穫するまで七人手間要る。能登の方にまいりますと、同じ一段を處理するのに二十八人手間要る。そうして供出する米は同じ値段です。七人手間使つて八俵とつて供出するのも、二十八人手間使つて八俵とつて供出するのも同じ値段、こういうことになるのです。だから單作地方の農家はまことに堪えられぬと思う。こんなことがもうあと一年も續けば全滅だと思う。何とか單作地帶の耕地を、二作三作作付することのできるように、耕地整理、土地改良をやつてもらわなければならぬと考える。今囘の追加豫算には出ていないようですから、二十三年の豫算には、ぜひともこれに關する經費を相當額、わずかな涙ほどの金でなしに、やることのできる相當額をひとつ見積つていただきたい。
 それから今度追加豫算が出るか、どうか存じませんけれども、もしお出しになるならば、例の六・三制の七億圓と殘りの金は、ぜひとも一緒に盛つていただきたい。これを盛るか、盛らぬかということも重ねてお尋ねををいたしておきます。
 それからもう一つ大藏大臣に、先ほど徴税の問題について申しましたが、徴税する方待遇の問題です。これは時間がないのに喋々言うまでもないことですが、新聞によりますと税務官吏のいろいろな問題が出ておるようであります。實際聽いてみますと、任官して三十二年經つたのだけれども、今日二千五百圓の手取しかないのだということです。それからもう一つまつたく未知の人ですが、千葉縣のある税務署に勤めている人から歎願書が、私のような者にまいりました。それは自分は引揚げをしてきて、今税務署に家内と二人で一緒に勤めている。そして二人の手取合わせて千六百圓だが、これではどうしてもいかぬ。何とか助力してくれという手紙なんです。大藏大臣は御承知でありましようが、そういう問題はたくさんあるんで、これは實に人道問題だと思うので、何とか待遇を改善してやつて、徴税をうまくやらせるということなんです。そういう點をひとつお考えを願いたい。同時に御意見を承りたいと考えます。
 次に安本長官にひとつお尋ねいたしたい。肥料の問題ですが、來年度は窒素肥料にして段當五貫五百匁ぐらい配當をするというような御計畫のようですが、今日は七%ぐらいしか生産が上つていないと思う。はたしてそういうことでお約束の通りに配給ができるかどうか、これは農家にとつて眞劍な問題です。毎年うそをつかれているんですから、また來年も配給ができぬということになると、おそらく農家は來年度は承知しないと思う。その點をしつかり御考慮の上、お約束を果していただくようにやつていただきたい。同時に神戸にはせつかくの燐鑛石が六七十萬トン滯貨になつているそうですが、硫酸が足りないから過燐酸石灰が十分にできない。それは硫酸アンモニヤや石灰窒素に比較しては、過燐酸石灰は相當生産されている。それは結構ですが、さらに滯貨しているあの燐鑛石を、何か燐鑛粉末といつたような形で、肥料化する方法はないものかどうか、それを御研究になつているかどうかということをお尋ねしたい。さらにもう一つは農機具の問題です。これも配給する配給すると前の農林大臣は言つておられたが、みなうその皮です。現に私の縣で籾摺用のゴム・ローラーが一萬九千箇配給されることになつているが、實際は一萬箇しか來ていない。私の方は御承知のように早場米であるし、早場米は九月中に供出すれば五百圓の奬勵金が貰えるから、農家は何とか早く調製して供出しようと、一生懸命になつているが、肝腎のゴム・ローラーが來ないからどうすることもできない。今日もまだ現物は一萬箇しか來ていない。もう籾摺はほとんど終つてしまつている。こういうような状態です。こんなことは籾摺ローラーだけでなしに、いろいろの農具にみなそういうことがあるから、政府のおつしやることを農民が信用しないということになる。實際に信用しないということになつたら、これはたいへんですから、その點をひとつ、私は既往のことを責めるわけではありませんので、來年度はどうか農機具も肥料も、お約束通りに配給することにしていただきたい。それができるかどうか、はつきりここでうそでない言明をしていただきたい。かように思うのであります。
#27
○片山國務大臣 インフレ問題でありますが、五坪君の言われました通り、最も力をその點に集中しなければならないのであります。政府といたしましては先ほどお話の經濟實相報告書を發表いたしまして、こういう經濟診斷をしたのであります。それに對する應急對策としては、カンフル注射的效果をもつ急を要する八大經濟政策をもつて、この實相を健全化するための對策とする。これは一にインフレを防止するために應急對策として立てたのであります。次いで物價體制を確立いたしまして、かつまた資金のベースを定めましてやみを撲滅して、そうしてこのインフレを防止しなければならない。生産發展のためには、ぜひとも國民の協力を求めなければならない。そういうような意味でこれまでやつてまいりました。政府の施策は一にこの恐るべきインフレを防止しなければならないので、政府は全力を傾倒してこれにあたるのである。國民の十分なる理解と支援を求める、こういう方法で今日までやつてきたのであります。いろいろの點において難關のあるときでありますから、思う通りの對策が效果を現わすわけにはいかなかつたのでありますけれども、政府として努力いたしましたことは、一にこの點に集中せられておつたことを御了承願いたいと存ずるのであります。つきましてはこの物價の改訂であります。すなわちマル公の改訂もあまりに急激であり、段を飛び過ぎておるというお話でありますが、實は本年昭和二十二年度の初め、一月か二月ごろにこの物價の改訂をなすべきが當然であつたのではなかろうかと、われわれは思うのであります。しかし私どもが時局を擔當いたしましたときは非常に遲れておつたのでありまして、急いでこれをやらなくてはならないということを考えまして、この問題を急速に取上げたのでありまして、當時におきましては、あるいは相當段を飛び過ぎているというような感がありましたけれども、しかしこの遲かつたマル公の改訂に手をつけて、そうして新物價體制を確立するのはこの方法をとることが最も適當である。最もよい方法であると考えまして、相當思い切つた對策を立てたのであります。もしこれをやらないでそのままだらだらと今日まで時代に押されるように過してまいりましたならば、いわゆる賃金を物價の惡循環がぐるぐるまわりまして、今五坪君の言われましたように、インフレは恐るべき勢をもつて進行したであろうと思うのであります。極力それを防止する對策としてやつたのでありまして、それらに附屬いたします各種の經濟對策も、みなその線に沿うておるのでありますから、この點十分に御了承を賜わりたいと存じます。こういう問題を中心といたしまして、祖國再建のために經濟緊急對策を立てて、この難關を突破しなければならぬという意味で、國民に協力を求める國民運助を提唱いたしておるのであります。國民運動ははなはだ上らぬじやないか、取立てて言うべきことがないじやないかというようなお話でありましたが、なかなかこれはむつかしい問題でありまして、大體私どもの考えといたしましては、政府で豫算を出して、この豫算で國民運動をやつてもらいたい、こういうようないわゆる天降り的と申しますか、お役所的な國民運動は價値はない。それはやらない方がよい。國民の中から自發的に、おのずからの勢をもつて發生する國民運動を要望するということを、國民運動を起しまするときに説明いたした次第でありまして、國民全體の意識水準が向上いたしまして、何とかしてこの危機を乘切つていかなければならない。このインフレを防止するために、やみを撲滅してこの物價體制を守つて、乏しきをわけ合つていかなければならないということを考えて、國民運動を提唱いたした次第でありまして、一に國民のみずからの自發的な運動に、非常な期待をかけておるのであります。これは國民に責任を轉嫁いたしまして、政府はなすべきことをなさないという意味では決してないのであります。十分努力して最大の働きをするのであるが、相呼應して國民の運動を願いたい。こういう意味で、兩々相まつていかないことには、この危機は克服できない。かように考えている次第であります。
 なお精神運動なり國民運動のことでありますが、これを切り離して考えないで、政治的民主化の運動と、經濟的民主化徹底の運動を起して産業の發展をはかり、物資を豐富にし、物價を引下げる運動が、國民全體の中に行き渡るという運動を、政府としては非常に期待いたしているのであります。政府として努力いたしております點は、國民全體がそれぞれの分に應じ、乏しきを分け合つて、國家再建の費用を擔當して、文化國家を建設するように努力していただきたい、こういう意味の精神運動を、經濟運動や民主化運動の中に深く織りこんで、その中にはいつている精神運動、こういうふうに提唱いたしているような次第であります。從つて勤勞大衆にも耐乏生活を求めております。これが今御指摘の消費節約、無駄を排除して乏しき中にも祖國再建のために運動をしてもらいたいという意味でありまして、實はこの運動は地味でありますけれども、經濟復興運動や、農村復興運動の中に取上げられ、あるいは勞働組合の中にも取上げられて、著實に、相當堅實に展開されているのでありまして、この組織運動の中に現われております。耐乏生活運動には、私ども非常に感謝いたしているような次第であります。どうか、こういうふうに各方面に浸透する精神運動として、政府は非常に努力しておつたという點について御了承を仰ぎたいと存ずる次第であります。
#28
○和田國務大臣 五坪さんの御質問にお答えいたします。肥料の點でございますが、肥料は今の日本の工業としては最も重點的に扱つておりまして石炭、電力、鐵鋼というような基礎産業と同じように、政府としては非常に重點的な産業として取扱つておりまして、配炭の場合におきましても、十分な、重點を置いてやつております。それでこの肥料については、もちろん最近の電力の關係で、多少の動きはありますが、大體計畫通り行つたのじやないかと思います。來年は大體私どもの方としましては、硫安においては二十三年度の一月から十二月までを見込んで九十二萬トン、過燐酸百萬トン、石灰二十四萬トンくらいを豫定して計畫いたしております。そこで、肥料は來年度におきましても、やはり重點産業として、配炭その他についても十分考え、これの生産を確保していくという建前でやつていくつもりであります。從いまして肥料の點については、硫安とか過燐酸については、あまり私は心配ないと思うのでありますが、ただカリが多少心配であります。御承知のようにカリは、すべてドイツからもつてきておつたわけでありまして、ことしは連合軍の好意によつて相當來たのでありまするが、今のところちよつとカリの積出地がソ連地區の方が多いものですから、船が來ないのです。それで今のところカリは見透しがつきませんが、一、七の肥料の割當は、近く閣議で御決定を經るつもりでおります。多少カリの點については心配でありますが、ほかの點については、われわれの方は心配なく食糧増産の上からいつても、ことし同樣全力を注いでやつていくつもりであります。もちろん經濟のことでありますから、將來の一年間について、いろいろの變動がそこに起つてきますことは豫定しなければなりませんが、政府としては硫安、過燐酸については、これは計畫量を確保するように全力を注ぐということを、今のところ申し上げたいと思います。
 それから農機具でありますが、これはお話のように、まつたく微々たるものであります。この點は私もすでに心配いたしておるわけでありまするが、ただ今度の二十二年産米の供出その他につきまして、政府が農村に對して出すところの報奬物資等につきましても、農機具の面においては、これは第四、四半期においても、割當の鋼材を少し殖やしました。御承知のように農機具の問題は、一にかかつて鋼材の生産にあるのでありまして、ことしは最初われわれ七十五萬トンという鋼材の計畫を立てておつたのであります。もちろん七十五萬トン生産しますのには、強粘結炭が支那からまいらないと、その通り行かないのでありますが、それらのものが今までうまく行きませんので、今實績見込五十五萬トン程度を見込んでおります。しかし農機具の問題は、農村にとつては非常に重要な問題であることはお話の通りでごごいますので、この乏しい中から、ほかを多少割いても、農機具向けの供給を少しでも豐にしていこうと考えて、政府としてはやつておる次第であります。來年度につきましては、もちろんことしと同じように、主として普通鋼、鋼材なりその他が、どれだけ生産されるかということにかかつてくるわけでありまして、これは日本の今の實情から行くと、鋼材生産については、その生産のために必要ないろいろの條件がありまするので、これらの條件を勘案しながら、われわれの方といたしましては、やはり農機具の面はもう少し殖やしていくというような考え方で、實は今後の施策をやつていこうと考えております。しかしこれは御承知のように全體の鋼材生産が戰前に比べて二〇%しかない時期でございますので、戰前に十萬トンも使つておつた農機具に對して、とうていそれを十分に賄うだけに行かないことは、これは現状を十分知つていただくよりほかないのですが、政府の方針としては、その點については乏しい中からも、できるだけそういつた農家の生産に必要なものの資材は割當てていく、こういう考えで進んでおりますから、そういうふうに御了承いただきます。
#29
○栗栖國務大臣 大藏大臣に對する御質問の第一點は、徴税について、農家あるいは商工業者に對しての方法は相當行きわたつておるけれども、インフレ利得者、やみ利得者に對する方法はもつと考慮を拂う要はないか、こういう問題であつたと思うのであります。これは申し上げるまでもなく、すでにインフレ利得者に對しては、今囘所得税の税率をも引上げまして、その徴税の徹底を期そうといたしたのであります。税の把握、取立てその他につきましても、この税務機構の強化と第三者通報の活用、たとえてみますと新たに家を建てた、その家の資金はどこから出ておるか、だんだん調べてみると、どうもやみ利得らしいといつたような場合にも、すぐその事實をとらえて、そうして課税いたしたいと思うのであります。また申告その他につきましても、内輪に申告しておるというような場合には、さらに調査を嚴密にして税を取立てる。かような方法を見出すことに努めております。それと同時に他方納税運動をも起し、國民に對して納税の必要なる趣旨を十分徹底させるなど兩方面からあらゆる考慮と努力を拂つて、目的を達したいと思つておる次第であります。
 なおその際に入場税のお尋ねがございましたが、入場税は國民の娯樂の關係もありますけれども、今囘の追加豫算のような、財政上緊急の要がありますので、やむを得ず引上げを考えたのでありますが、しかしながら税率等につきましては、種々國民の娯樂その他の關係をも考慮して、これを最初考えたよりも低目にして、一倍半というふうにした次第であります。
 なお北陸その他の單作地帶について、土地改良、耕地整理等の必要があるが、二十三年度の豫算については考慮してもらえるかどうかというお尋ねであります。單作地帶の農家が、他に比較していろいろ不利な點のあることは、政府としても十分認めております。そこで二十三年度の豫算を盛りますについては、そういう地帶の土地改良その他の費用については、他の費用あるいは財源等をも見合せをいたしまして、でき得る限りの考慮をいたしたいと考えております。
 なを六・三制の追加豫算はどうかというお尋ねでありますが、すでに六・三制については、國民及び政府も實行を期しておるのであります。これは資材、財源等と見合わして、ただいま考慮中でございます。
 なお税務官吏の優遇についての、御もつともなお尋ねがありましたが、政府もまつたく同感でございまして、この點については、さしあたりはでこぼこ調整、その他取立て、あるいは危險手當等の支拂、あるいは先ほどもお尋ねがございました職階の引上げというようなことについても、十分考慮をいたしておるのでありまして、なお根本問題としては、公務員法その他の關係においても、税務官吏の現下における特殊の重要性を考えて、十分にその中に織りこみたいと思つております。
#30
○鈴木委員長 政府の御答辯は大體終つたようであります。次に青木孝義君。
#31
○青木(孝)委員 今囘の政府提出追加豫算に對して承認を與えます前に、要約して二つの點について御質問を申し上げたいと思います。かつこれに對して政府の深甚なる御注意を喚起いたしたいと考えます。
 一つは本年度の政府及び政府機關の資金の總合計畫について、インフレ抑制の對策に關してでありますが、前者については大藏大臣の御答辯を、後者については安本長官の御答辯をいただきたいと思います。
 まず總合資金計畫について御質問申し上げます、遮般の政府發表の資金總合豫定表によりますと、本年度の財政資金需要總額の殘高は、千百十二億六千萬圓という厖大な額になつておるのであります。特別會計の五百五十一億五千萬圓、地方財政の歳入不足百一億八百萬圓、これに復金資金の四百六十億圓を加えるとこれだけの額になるのでありますが、現状においては地方債の消化力もなく、復金債券の市中消化はほとんどない状態であります。この本年度財政資金需要總額の殘高千百十五億圓というものは、ほとんど通貨の増加になつて現われるだけであります。しかもこれは特別會計の赤字がこれ以上の増大を示さないということと、一般會計の收支均衡を前提としてのことでありまして、これについては後に申し上げますように特別會計の赤字がこの先これ以上増大しないという保證はないのでありまして、むしろ私は、不幸にして承りませんでしたが、先ほど大藏大臣からさらに追加豫算を提出したいというような御意向が漏らされておると承つたのでありますが、當然可能性があるということであります。また一般會計にしましても、なるほど計數的には當局の努力の結果としまして、つじつまは合つております。しかしこれは非常に無埋につじつまを合わされた、いわば見せかけのものでありまして、實質的な均衡とはどう見ても申し難いのであります。この點につきましては、すでに私は本會議におきまして述べておりまするし、また去る公聽會において、大内教授などが鋭く指摘されたところでありまするから、ここでは特に申し上げませんが、ただ次の點だけは強く指摘しておきたい。
 まず第一に、本追加豫算はつじつまを合わせるために、もつぱら當局の努力が注がれました結果、わが國民經濟の安定的循環確保の上に、ほとんど積極的な意味をもつていない。言いかえますれば、本追加豫算の生産的意義はきわめて稀薄であるということであります。たとえば貿易資金や復金資金のような、生産的意義をもつた費目は非常に壓縮されておる。客觀的事態の進行は、早晩何らかの形でこれが是正を要求するに至りますことは、明らかに豫見し得られるのであります。と同時にまたかかる生産的意義の稀薄な本追加豫算は、當然インフレ激成の直接的な動因となり、本年度の本追加豫算の名目的な、見せかけ的な均衡を破壞する原因とならざるを得ないのであります。
 第二に指摘したいことは、きわめて不合理な算定基礎の上に立つた千八百圓ベースの維持の問題であります。この維持が政府の希望や努力のいかんにかかわらず、不可能であることはすでに明らかであります。たとえ形式的には政府の面目上これを維持し得たといたしましても、流通秩序の確立も單なる空念佛に終つており、勞働者生計の大きな部分が、やみへの支出となつておる以上は、何らかの形において實質的な改訂は、早晩不可避ではないかというふうに考えます。以上二つの指摘いたしました點から言つて、第二次追加豫算の計上は避けられないと私は確信をいたします。殊に本追加豫算の壓倒的部分が、物價騰貴に起因するものであることを考え、しかも物價は絶えず上昇カーヴを描いておる。かつそれがますます鋭くなつておる現實を見ますならば、たれしも容易にうなずけるところであろうかと存じます。政府はこれに對していかなる見透しをもつておられるか、またこの對策に對していかなる所信をもつておられるか、お伺いしたいと存じます。
 なお同僚議員の希望もあり、災害對策費、水害、旱害、冷害、これらの對策費を第二次追加豫算として御要求になるお考えがあるかどうか、この點を御説明願いたい。
 もう一つは實はこれは總理大臣にお伺いしたかつたのでありますが、御退席になりましたから、これは大藏大臣にお伺いをいたします。これは國鐵の特別會計に屬すると存じますが、國鐵歳出豫算の特三であります。食糧増産に要する經費三千萬圓というのが見積つてあるようであります。この點はすでに運輸大臣にも質問はされたはずでありますが、この食糧増産に對する經費の三千萬圓は、二十三年度の豫算におきましては削除していただきたい、こういう要求であります。これについての大藏大臣の御所見をも承つておきたいと思います。
 それから次にたびたびのことでありますが、インフレーシヨン對策の問題につきまして政府の御所見をお伺いいたします。現下のインフレが、われわれ國民經濟の生産力の大きさというものに相應しない、政府の財政の厖大な支出に原因しておることは、今さら指摘するまでもないところであります。しかし日銀券の發行高は、この年末に二千億圓の大臺を超えることが必至と言われるに至つておるのであります。最近の通貨増發の大部分は、財政上の原因によつておることは、昨日の朝日新聞紙上にも發表されておる通りであります。すなわち今年四月から十月に至りまする七箇月間の日銀券の増加高は、五百十九億圓でありますが、その八二%の四百二十七億圓は、實に對政府取引であつて、民間取引によるものは、わずかに一八%、すなわち九十二億圓に過ぎないのであります。この對政府取引による通貨増發の主たる原因は、租税收入の不成績からくる歳出入の時間的のずれでありまして、第二・四半期までの税收状態は、本豫算、追加豫算を合した全租税額の二〇%、二割に過ぎないという未曾有の不成績でありました。從つてその殘りの千億に近いものが、あとの六箇月間に徴收されなければならぬということであります。しかし徴税機構が不備である上に、捕捉可能の範圍での國民租税能力は、すでに限界點に近づいておる。その上に政府のいわゆる健全金融の建前から、金融は、極度に逼迫して、殊に中小企業はこの面から窒息状態に陷つております。このような状態でありまして、この下半期中に一千億に上る租税がスムースに徴收されるとは考えられないのであります。とすれば、このずれだけは大藏證券の發行となり、通貨はそれだけ増發されることになる。また、まして第二次追加豫算が計上されることになりますれば、どうなるかということは推して知るべきであると存じます。さらに地方債及び復金債券の市中消化不能に伴います通貨増發がこれに加わる。四月以降十月までの復金債券の日銀引受による通貨増發高は、二百三十七億の多額に上つております。しかし本年度の復金の資金需要額は、囘收分と政府出資とを差引いて四百六十億圓であつて、從つてなおその約半額の二百五十億が、この下半期中に通貨の増發となつて現われるのではないかと考えます。しかしこれは復金が赤字金融を行わないという建前の上に立つてのことであります。この建前が崩れることになると、復金資金を原因とする通貨の増發はさらに多くなる公算はかなり大であると思います。周知のように、七月の炭價の改正で、一時炭鑛の經理は好轉いたしました。しかし間もなく第二次製品の價格高騰のはね返りを受けまして、物件費が騰貴し、また勞務者の賃金引上による人件費の増加、この關係との挾撃を受けまして、再びトンあたり三百圓ないし五百圓の赤字が生じて、企業採算は惡化してきたのであります。これが増産に及ぼす影響は、言うまでもなくマイナスでありまして、赤字融資の原則をはずすか、炭價の再調整を行わなければ、計畫目標だけの採炭は不可能という事情に追いこまれておる。そのいずれの場合にも物價高騰に拍車をかけるということは、疑問の餘地がないのであります。このように考えてまいりますれば、年度末の日銀發行高三千億圓説も、必ずしも過大ではないという結論に到達するのではなかろうか。政府は從來インフレーシヨン克服に對して、何ら積極的に、的確有效な對策を打つていない。これは政府の重大な失態と言わなければならぬのであります。政府は事態の根本をつくことを忘れて、いたずらに現象を追いまはして意味もない、しかも拙劣な實驗的統制を行つては失敗しておる。迷惑をかうむつておりますのは、ひとり國民だけであります。一大看板であるやみの撲滅も、流通秩序の確立も、内容のない空疎なお題目に終つておるのであります。資本の蓄積をねらつた公式的な方法である賃金ベースの決定と、物價の畫期的な改訂も、かえつて企業の金詰りを生じておる。企業經營をいよいよ困難に陷れることによつて、生産の停滯をもたらしたにすぎなかつたのでありまして、またインフレを一層促進せしめることによつて、國民大衆の生活に、一段の困窮を加重せしむるに至つた。大衆の生活はいよいよ困難を加重せられておこるにすぎないというのが今日の状態であると考えます。政府はこの點は御承認をなさざるを得ないところであろうと考えます。政府はまた彈力性のない健全金融を固執することによつて、生産の復興を阻害しておる。もちろん健全金融は結構なことでありまして、殊にインフレ下においてはそれが正しい政策であることは、だれしも異論のないところであります。しかしその結果金融の彈力性が失われて、生産の停滯を招來するようなことがありましては、目的と手段とを混同するものであります。ひとり健全金融のみが健全であつて、その結果順當な生産循環の囘復が妨げられるということであつては、意味がないと考えます。また政府は金融機關偏重のあまり、産業面を輕視するきらいが多分にあるように考えられますが、この點政府の御所信はいかがでありますか。
 それから一方において生産は停滯し、他方において通貨はますます増大する。これはますますインフレーシヨンを激成せしむる結果になります。インフレーシヨンの進行はますます生産を停滯せしめ、通貨を増發せしむる。かように生産と通貨、インフレというものは相互に關連するし、關連し合いつつこの關係が一度發足いたしますれば、それは無限に擴大的に再生産される必然的傾向をもつておることは、すでに御承知のところでありまして、インフレーシヨンはこのたびの追加豫算――名目的には健全でありますけれども、實質的には未曾有の不均衡豫算と言つて決して過言でないということから、均衡豫算をもつてむしろ轉囘時期として、その速度をようやく増大してくるというふうに考えてまいりますれば、結局この追加豫算の均衡にのみ中心をおいたということが、インフレーシヨンを破局に追いこむのではないかという杞憂さえ湧いてくるのであります。對策は急を要します。生産と、通貨と、價格との間の相互に擴大していく連鎖を切斷することであります。そうしてこの連鎖を切斷する根本的な要締は、わが國の現状においては行政の整理、それから企業の整備でなければならないと考えます。しかしこの根本的原因を芟除するためには、政府の絶大な勇氣と、強力なる政治力とが必要であります。この根本的な原因を芟除することなくしては、いたずらに現象を追いまわし、姑息な手段を無定見に實行することでは、事態を遂には拾收し得ない段階にまで追いこむという危險が近づいておるということを、強く申し述べたいのであります。この未曾有のわが國民經濟のほとんど耐え得ないほどの巨額な豫算に加えまするに、第二次追加豫算の必至を明らかに豫定せられ、今日におきましては行政の整理と企業の整備とは、もはやいたずらに遷延せしむることを許さない。政府は單なる掛聲でなく、速やかにその實行に著手すべきであると思うのであります。この點に關する政府の所見を質しますると同時に、深甚なる注意を喚起いたしたいのであります。
#32
○栗栖國務大臣 青木委員の御質問は、當大藏大臣及び安本長官の兩方にわたりますので、大藏大臣に關するものについてお答えいたしたいと思うのであります。今囘の追加豫算は均衡をとることに主力をおいて、豫算面を見ると、生産的面が非常に壓迫されておる、貿易資金、復金資金等についてもそれがはつきりわかる、こういうような點が第一に上つておつたのでありますが、私はこの追加豫算は均衡を得さするということだけでなしに、現下の諸事情を考えます限りにおいて、實質的にも均衡を得させ、インフレーシヨンの激成の原因である日銀券の發行を食止めることに全力を盡したのであります。特別會計に七十五億も立替えをするとか、あるいは復金資金、貿易資金、預金部資金等、八十五億の資金を一般歳入から賄おうというような趣旨がそうであります。これが赤字になつておるのでありまして、このままで置きますと、それは日銀券の増發に頼らざるを得ないのであります。しかし日銀券の増發が、すなわち通貨の増發、すなわちインフレーシヨン激成でありますので、一般歳入からこれを賄うようにいたしたのであります。こういう赤字を出さないで濟むならば問題でありませんけれども、赤が出ることは現實であり、それを何ら一般歳入から賄わぬということにいたしますならば、それはすなわち日銀借入れということによつて賄わざるを得ないことになるのであります。すなわち大きな資金が増發される次第であります。こういう點を十分考えまして、一般歳入でこれを賄おうと努力をいたした次第であります。それから生産的意義が少いというお話もありましたが、これは今回は追加預算でありまして、前内閣におきましてこの本豫算が組まれたのでありまして、これの追加であります。もちろん今囘の追加豫算をいたしますにつきましては、本豫算を通じて全面的に再檢討をいたして、この追加豫算を計上した次第でありますが、終戰以來この占領下にある實情その他におきまして、財政上の需要が非常に大きいその間に處して、生産的意義を認め、しかも生産方面におきましては、企業再建整備その他を行いつつあるのと見合わしてこれをやるというような點から考えまして、能う限りの生産的意義をも含ますという點に努力した次第であります。貿易資金は赤字を補うのでありますが、これ以上の貿易が進行し、囘轉基金その他によつて、資材その他がどんどんはいるようになりますれば、これは借入金その他によつて賄うようになつておるのでありまして、この借入金は財政の範圍を出て賄えるのでありまして、この邊は十分考慮もいたしたのであります。復金資金につきましては、ただいま二百八十億の餘力があるのでありますが、これは世間ではよく間違いますけれども、これだけを貸付資金と見るのは間違いでありまして、そのほかに囘收の資金があるのであります。その囘收の資金を加えて新たな貸出資金、こういうようになるのでありまして、政府としてはこれをもつて十分と考えておるのであります。そういうような關係でありまして、こういう面からこのインフレ激成ということは、つとめて避けたいと考えて努力をいたしておるような次第であります。
 さらに千八百圓のベースその他によつて、第二次の大幅な追加豫算がどうしても必要だというお考えでありますが、政府といたしましては、先ほどもお答えをいたしましたように、あるいは法務廳とか、内務省の解體その他についてのごく小口の豫算というものは、これを考慮いたしておるのでありますが、大口の豫算ということは、つとめてこれを避けるということに全力を盡しておる次第でございまして、私はさらに數百億の追加豫算を盛るというようなことは考えておらぬような次第であります。
 それから災害對策、水害、旱害その他について、追加豫算を出すつもりがあるかというのであります。これは本追加豫算におきましては五十二億の金額を盛つたのであります。これは災害費のみに限りませんので、不足をいたしておると考えるのであります。こういう點について旱害、水害等の追加豫算は、資材財源等とも十分見合わせまして考慮もいたしたい、かように考えておる次第であります。
 次に國鐵の追加豫算について、食糧増産豫算三千萬圓を二十三年度は削除して欲しい、こういう御趣旨でございましたが、これは御質問の趣旨がよく私に徹底しないような次第で、二十三年度についてはまだこういうところまで考えておらぬような次第でございます。編成方針を今立てて、議論をしておるのでございまして、そこまでは詳しく話が進んでおらぬということをお答えいたしたいと思うのでございます。
 それから通貨増發の點でありますが、あるいは三千億をも突破するであろうというような見方もあるかと思いますけれども、政府はこれにつきましては、極力追加豫算及びその實行、さらに金融等についてこの抑止に全力を盡しておるのであります。今お話のように税の取立てが十分ではあるまい。ゆえに藏券が出てこれが日銀の引受けによつて賄われる、あるいはこのゆえに通貨増發の大きな原因になる、こういうお説でありますが、お説のように運びますならばそういうことに相なるのであります。それを避けるために、政府といたしましては税の取立て等に、先ほど來申し上げましたように十分の努力をいたしまして實をあげる、こういうことにいたして藏券の増發を防ぐということに全力を盡しておるのであります。税はこの日本の税制のあり方、あるいは會計年度のあり方、殊に今度の追加豫算の編成というような經路から考えまして、下期に重點が置かれまして、上期には重點があまり置かれないというよにな關係であるのでありますが、しかしこの四月から九月まででは、二百六十三億ばかりの税を取立てておるのでありまして、さらにこの第三・四半期で二百億、それから二百六十億、それからこの第三・四半期では六百五十億ばかりというものも取立て、完全に藏券の増發を防ぎたいと考えているのであります。なおこの百億だけは三月に取立てましても、ずれで四月にはいるということもありますけれども、こういうような計畫を立てまして、極力この實效を期するということにいたしておる次第であります。なお、そういうような關係上、資金が中小工業その他にはまわらないで非常に困つておる、こういうようなお話なのであります。これは現在の金融情勢を申しますと、企業再建整備とか、集中排除等によりまして、市中銀行その他の金融權關が、貸出の對象としておりますものが動搖いたしておるのでありまして、それがために非常にこの資金が日銀へ囘收されまして、出ない。それがためにもつぱら復興金融金庫が全面的に資金の供給をしておる、こういうような現状があるのであります。しかしこれは本委員會においてもすでに申し上げましたように、こういう形態を改めまして、市中銀行の復興金融の引受け、あるいは復興金融金庫の保證のもとに金融機關が貸出をするというような方法をとりまして、極力これを矯めておる次第であります。殊に年末にも迫つてまいりますので、その邉はこの繰作を十分にいたしましまして、間違いのないようにいたしたいと思うのであります。中小工業への金融ということになりますと、これは一種の特異な點もあるのでありまして、市中銀行その他が十分に働けないという點もあると思うのであります。政府といたしましては復金の資金を商工組合中央金庫というものにまわしまして、そうして貸出を十分にやらしたい。商工組合中央金庫は中小金融については專門の經歴をもつておるのでありますけれども、しかしながら資金が足りないので、その資金へこの復興金融金庫の資金をまわす。そうして必要に應じては單に商工組合中央金庫が組合を對象として貸出をするに止まらず、個人を對象としても、中小工業者に對しては融通を疏通いたしたい。かように考えておるわけであります。
 それから地方債、復金債の引受が日銀に非常に多いということでありますが、この點につきましても、今は資金調整の一形態として起債協議會があるのでありまして、復金債、殊に地方債は、消化ということを十分目あてにして、市場消化のできるものを發行するということにいたしておるのであります。殊に六・三制その他につきましては、預金部資金等をもちまして、中央資金の地方還流と併せ兼ねてこれを引受けさすということもいたしたい。なお復金債につきましては、すでに申し上げましたように、金融機關の貯蓄増、純増、というものの大體半分を財政資金に振り向ける。財政資金としては國債及び復金債の共同引受というようなこともいたしまして、今日まで日銀引受に依存が多かつたということも、十分矯めて、日銀の資金がこれがために市場に増發されるというようなことを、十分矯めたいと思つておる次第であります。
 それから赤字金融は原則として行わない。しかしながら今の製品の單價その他から見ると、單價を引上げるか、あるいは赤字金融をしなければできないじやないかというお話があるのであります。これは企業の内部について十分精査をいたしますと、單に單價のみならず、經營の合理化という點を促進する必要が多分にあるのでありまして、その促進をすることによつて、この採算がとれるというものも相當あるのであります。そこで經營の合理化のために資金が必要だというものは、いわゆる金融資金の形においても融通はいたすのであります。漫然と單價が高いから、それは赤字金融をするとかというようなことは考えておりません、しかしながらここは十分金融機關にしても、あるいは大藏省としても經營の健全化、合理化ということを指導いたしまして、その範圍において資金も融通し、なお經營を健全にし、單價等の引下等も努力いたしておるような次第であります。
 それからなお健全金融は彈力性がないというようなお話がありましたが、これは私も金融につきましては長年の經驗をもつておるのでありまして、殊に時期的、その他については十分考えておる次第であります。ただ出しました資金が、正當なる生産の面に向わないで、それが他の消費とか、好ましからざる方面に向うことが非常に危險であります。またこれがインフレーシヨンの因にもなるのでありますから、そういう點は十分注意いたしましす、大藏省におきましても、日銀においても、さらに各種の金融機關におきましても、貸出をすると同時に、監査制度というものを十分活用させまして、その點十分實績のあがるようにいたし、その監査の結果必要なる資金というものは供給をし、好ましからざる方への資金は抑えるということが、すなわち健全金融でありまして、その邉は理論だけにとらわれず、實際について十分活用いたし、そのために彈力性を失わすというようなことはいたさないつもであります。
#33
○和田國務大臣 大藏大臣がほとんどお答えくだすつたので、私の答えは簡單に、申し上げたいと思います。例のインフレの對策として今の日本のインフレの段階においては、やはり企業の整備であるとか、あるいは行政整理といつたようなものが必要ではないかという御意見でありますが、私も今の日本の經濟のインフレーシヨンの段階が、非常に重要な段階であるということは十分認識いたしておるのでありまして、殊に生産の囘復というものが、前年度に比べれば二十二年度はよほど囘復いたしておるのであります。殊に價格體系がごちやごちやになつておりましたときに比べて、やはり價格の體系というものが一應できて、そこに安定性というものができてくれば、それはやはり生産にはよく響くのでありまして、價格の面に何にも手を觸れずにおいて、生産囘復だけをやつていこうとしても、これはなかなかできがたいと思うのであります。しかし日本の生産の囘復は、御承知のように今年の九月をとつて見ても、精々四二・三%という程度でございます。それは農業をも含めて總括的にいたしましても、やはりまだそういう低い段階にあることは認めざるを得ないのであります。そこで生産の囘復のテンポと、通貨面から來るインフレーシヨンというものの促進とを、やはりうまく調和させて、生産囘復のテシポを早めて、ときを稼いでいつて、安定する經濟へもつていくというのが、日本の今のとるべき對策であろうと思うのであります。そのためにインフレーシヨンという、非常に全面的な現象に對しては、あらゆる面から手を打つていかなければ、これ一つやれば效果があるのだというように限定すべきものではないというように、われわれとしては考えておる次第であります。そこにお話のようにこの企業の合理化なり、行政整理の問題も、殊に貿易も再開され、國際經濟との關連ができた今となりましては、まだ爲替の率がきまりませんが、それもそう遠くはないというときにおきましては、どうしてもこの面に手を加えることが、私は必要であろうと考えます。それらの點につきましては、今度の追加豫算そのものについては、そういう根本的な、生産的な面を取入れることは、大藏大臣がお話になつたように困難なことでありますので、二十三年度のほんとうの豫算を組みますときには、やはりそういつた面も考えて、生産の囘復から長期の生産計畫の見透しということも關連さして、そういつた問題は取扱つていく、かようにわれわれとして考えておる次第であります。
#34
○苫米地(英)委員 大藏大臣がおわかりにならないと申しますから、私からちよつと御説明申し上げたいと思います。特別會計の第三號、補正豫算の鐵道の歳入第八に、食糧増産に必要な經費三千萬圓が計上してあるのであります。これは先般運輸大臣にも質問いたしたのでありますが、實情は鐵道省がいろいろな厖大なる農地をもつておる。開拓も試みておる。そうしてその勞務員は鐵道員として、あらゆる鐵道員と同樣の給與をいたしておる。そうしてその中には本職の農家をも雇つておる。その收穫されたものは、供出されるでもなく、運輸省内部の人々のみに分配されておるのであります。この三千萬の經費はどこにかかるかと聽いたところが、くわとかすきとかいうような設備にかかるのだ。三千萬圓設備にかかるならば、厖大なる農業をやつておるのであろう、こう想像いたされるのであります。これを質問しましたところが、運輸大臣はいやその中には人件費もはいつておる。こういうようなお話だつたのであります。運輸大臣の御説明によれば、重勞働に從事しておるところの鐵道員は、配給食糧では足りないから、これを補給するためにこの農場が必要だ、しかし再檢討は必要であろうと考えておる。こういう御答辯であつたのであります。しかしこの配給の食糧では足りない。火夫に辯當をもたしてやらなければならない。夜食を給しなければならないというような御説明には、承服することはできないのであります。食糧の不足は國民全體の問題である。農家はあらゆる努力をして供出をいたし、またこれを強制されておる。このとき國費をもつて、一般國民に負擔させて農場を經營して、その收穫したものを供出もせずに、全部鐵道員だけに分配していくことは、私どもには何としても理解できないのであります。公正の觀念がこれを許さないのであります。であるからしてこれをほんとうならば、この豫算を差引いてしまう。これがほんとうだと思うのです。この追加豫算からとつてしまう。現在の段階におきましては、歳入を計るよりも、歳出の面において節約することが、健全なる財政を維持する上にきわめて必要である。しかるに歳出の方面において、こういう合理的にあらざるものを計上しておる。これは大藏當局がどうしてこれをお通しになつたか、それすら私は疑問にいたしておるのであります。でありますが、おそらくこの三千萬圓の經費は、すでに大方消費してしまつたものと考えられますので、今年度これを削除することはいたさないといたしましても、將來に向つてはこれを全面的に削除していただきたいというのが、私どもの考え方であります。これでおわかりになつたと思いますが、御答辯願います。
#35
○栗栖國務大臣 御質問の趣旨はよくわかりました。先ほど來申し上げましたように、まだ具體的な編成にはいつておりませんから、御説を十分承りまして再檢討を加えることに、二十三年度の豫算にはいたしたいと思つております。
#36
○苫米地(英)委員 再檢討で再びこれを復活するというようなことがあつてはいけない。それならばこの際に削つてしまう、こういうのです。將來に向つてはこういうことをやらないというお約束があれば、本年度のこの追加豫算にあるものはいたし方ないから認める。しかしながら再檢討をして、あるいはこれを復活させるというならば、この豫算を削つてしまう、こういう考えでありますが、いかがでありますか。
#37
○栗栖國務大臣 一時の逃げ口上を申すわけでございませんので、この御趣旨はよく體しまして再檢討を加えることにいたしたい、こう思つております。
#38
○苫米地(英)委員 それではこの際削つてしまつてもよろしゆうございますか。
#39
○鈴木委員長 苫米地君、大藏大臣のただいまの御答辯で、あなたの御趣旨は大體大藏大臣も了承されておると解釋されるのでありますが……。
#40
○苫米地(英)委員 委員長がそう解釋されれば、結構であります。
#41
○鈴木委員長 次は船田享二君。
#42
○船田委員 時間が迫りましたので、前の質問者諸君と重複を避けまして、比較的大きい三、四の點について、質問申し上げたいと思います。ただいまちよつと問題になりましたが、この間の本會議において齋藤國務大臣が、かなり近い將來において行政整理に著手するというお話があつたのであります。これはすでに本年度中に著手するつもりでありますかどうか。またもしそうでありますとするならば、この行政整理による節約額をお考えになつておられるかどうか。その見透しについてお尋ねをしたいと思います。
 それから第二に金融機關補償金百億圓の節約に關しまして、これが削除ではなくて、單なる繰延であるということは、大藏大臣の御辯明によつて了承いたしたのでありますが、この趣旨が地方にはなお徹底しておらないきらないがあるのではないかと思います。むしろこれを利用すると申しますか、惡用すると申しますかいたしまして、たとえばある地方におきましては、この補償金がまつたく出なくなつたのだ。從つて間もなく解散されるべき農業會などは、まつたく無一物になるのであつて、これに貯金を續けて行つたり、新たに貯金をすることは非常に危險だから、市中銀行の方へ貯金をせよというような宣傳が行われておるというようなことも、われわれ報告にも接しておるのでありまして、この節約の趣旨を、十分に誤解のないように徹底させる必要があるのではないか、こういうふうに思うのでありますが、御當局はどういう處置をとりつつあり、またこれからおとりになるのでありましようか、この點についてちよつとお答えを願いたいと存じます。
 それから三番目には農業協同組合法がいよいよ成立いたしまして、それとともに農業會の解散も近く行われることになつたのでありますが、このことは農村にとつて畫期的な重大な事件でありまして、殊に農業協同組合をいかに結成し、また運營していくかということは、大きな問題であります。言うまでもなく農業協同組合は、農民の自主的につくるべきものとしておるのでありまして、これに對しまして政府側から指圖がましく指導を行うことは、もちろん不適當なのでありますが、そういう趣旨、つまり農業協同組合の規定の精神とか、趣旨とかいうものを、よく農民に徹底せしめるということは特に必要ではないか、こういうふうに考えておるのでありまするが、この法律の機構に關連する豫算面の措置が、あまりに輕視されておるのではないかというように思われるのでありまして、殊に同じ農地關係問題といたしましては、臨時農業生産調整法案がまだ國會に審議中であるにかかわらず、これに關連する相當額の豫算が計上されておることと比べますると、その點相當におかしなものと考えられるのであります。こういう點につきまして、つまり農業協同組合法の施行に伴う豫算について、どういう關連の措置を講ずるつもりでありますか、お伺いいたしたいと思います。
 それから最後に今の臨時農業生産調整法案はなお審議中であり、成立するか否かまだ明らかでないのでありますが、しかしこの法案が通過するか否かにかかわらず、農業生産調整そのものは、現在の状態においては必要ではないかと考えられるのでありまして、從つてこの法案に關連いたしまして計上された豫算というものは、この法案の通過と否とにかかわらず必要なものというように考えるのでありますが、この法案とこの法案に關連する豫算との二つの間の關係について、當局はどういうおつもりをもつておられるのか、豫算についての問題としては、ほかの法案にも同じような問題があるのでありますが、ただここでは單にこの臨時農業生産調整法についてだけ、當局のお考え方をお尋ねいたしたいと存ずるのであります。以上四點について簡單な御説明を願いたいと思います。
#43
○栗栖國務大臣 御質問に對してお答えいたします。第一の點は行政整理は今年度やるかどうかというお尋ねであります。これはすでに實員と定員との間について、一割經費を削減をするというような點においては、本追加豫算に盛つておるのであります。根本的の問題につきましては、行政機構の改革というものに關連をもちます。行政機構の改革といたしましては、司法省、内務省等が緒についておるだけでありまして、諸般の事情を見合わせまして、二十三年度及びそれ以降において、これを考慮いたしたいと考えておる次第であります。
 それから百億圓の補償打切りに伴つて、地方においては危惧の觀念をもつている。殊に農業會等においては趣旨が徹底しないために、はなはだしい動搖をしないかという點であります。この趣旨が徹底しないために、あるいはいろいろ障害があり、あるいは質問もあるので、そういう點に考えまして、本會議及び委員會においても、その趣旨をはつきり申し上げたのであります。なお地方においても心配のないようにし、それを徹底するように通知等もいたしているのであります。なお地方銀行その他については、開業の際にこの説明を十分述べて危惧を起さぬようにいたしている次第であります。
 それから農業協同組合の設立、農業會の解散、こういうことは農村における大きなエポツク・メーキングの變化をもたらすということは、ごもつともでありまして、それがためには組合を健全なものとして指導し、育成していくということはまことに御同感であります。そこで本追加豫算におきましても、その教育指導宣傳費といたしまして、五百萬圓を計上しているような次第であります。
 なお最後に臨時農業生産調整法が通過しない場合にも、なおこの費用は使うかどうかというお話でありますが、この法律は政府は通過するということを前提として提案しているような次第でありまして、この通過については全力をあげ、また各位の御協力と御協贊を願いたいと思つている次第でありまして、通過せざる場合については、ただいまのところ考慮をいたしておらぬような次第でございます。
#44
○東井委員 大分いろいろ質疑が重ねられて、私のお尋ねしたいと思つておりました點など、いろいろダブつてまいりましたので、ごく簡單に大藏大臣に對しましてお尋ね申し上げたいと思います。
 先月の財政演説で、今次の補正で均衡豫算の編成に成功したために、直接通貨の増發で赤字を補う必要はないから、通貨増發と物價騰貴とは、直接には財政面から生じないと豫想されるという意味の御發言があつたのであります。事實本追加豫算は外觀的には健全財政の形は堅持されておるのでありますが、しかし内容的にこれを見ました場合に、これがはたしてほんとうの健全財政であるかどうかということ、この點に關しましては本委員會におきましても、また本日もいろいろ論議が盡されたのでありますので、これを繰返す必要はないと思うのでありますが、私はただ一、二疑問として殘されました點につきまして、お答えを願いたいと思うのであります。その要點は、政府のインフレ打止めに對する全面的な政策、これにつきましては總理大臣及び安本長官も御答辯になりましたので、私はお尋ねいたしません。
 次に日銀券の發行増加によりまして、本年四月以降の實情を見ますと、わが國のインフレは大體において四月以降半年くらいは安定状態が持續されておつたのでありますが、十月にはいりましてから日銀券の發行高が急激に増加した。これにつきましてはわが國のインフレが新しい發展段階にはいつた、こういうふうに私どもは觀測いたしておるのであります。これは公定價格改訂の結果が現實的な現象となつて現われたというふうに想像するのであります。さらにまた物價の上昇率が通貨の増加率を上廻つてきておるというこの事實、特に最近その徴候が顯著に見えるのでありますが、これははなはだインフレの末期的な段階ではないかという想像もされるのであります。そこでわが國民經濟のかかる現實的な段階を考えながら、この追加豫算を見ますときに、このインフレの破局ということを克服するにつきましては、まず第一にいろいろの政策が考えられなければならないのであります。私はこのインフレは本豫算の追加によりましてどうしても避け得られないと考えますが、その原因はこれも他の委員諸君からるる述べられたのでありまして、くどくどしくは申し上げませんが、酒、タバコの値上げ、及びタバコ配給量の削減、さらに物品税の増税ということで、實質物價というものがかなり騰貴をするということは必然のことであろうと思うのであります。第二には國庫支出の速度が、國庫收入よりも早いと見なければならぬ。このために起る時間的なずれによつて借入金が相當の額に上つてくる。その間に通貨増發というものはどうしても免れない。第三には増税が非常に高度になつてきたために、地方財源の窮迫、枯渇というものが想像されるのであります。また復金の出資金の削減というようなこともあつて、金融依存の程度が増加して、ここでもまた通貨増發の危險性を非常にはらんでおると思うのであります。さらに本追加豫算のおもな内容を見ますと、終戰處理費、待遇改善費、公共事業費というような、いわゆる消費的な經費が六〇%以上を占めておるということになるのでありますが、これを常識をもつて見ましても、インフレの進行の重大な要素となるであろうと考えるのであります。
 以上の諸點から考えまして、本追加豫算がわが國民經濟を脅やかす、しかもインフレーシヨンの高進に對して徹底的な要因をなすものであると私は考えるのでありますが、この點に關しまして大藏大臣が先ほどから復金のことに對していろいろとお答えになつておりましたこと、私はその御答辯によつて大體は了承するのでありますが、通貨が際限なく増加していく。その限りにおいてはいかなる手を打ちましてもインフレーシヨンというものは斷じて克服はできない。そこで一面におきましては通貨の増發を抑え、他面においては資金を愼重な考慮のもとに必要産業に配分していくということ、これが刻下のインフレーシヨンの安定のために唯一の手段であると大藏大臣は申されている。私もさように考えるのであります。そこで私は大藏大臣にお尋ね申し上げたいのであります。すなわち政府はこの通貨増發ということに對して非常な努力を重ねておられる。大藏大臣も、健全財政、健全金融ということは車の兩輪のごときものであると言つておられるのでありますが、この大藏大臣の言われる健全金融について具體的な御見解、御方針をもう一度御宣明願いたいと思うのであります。
 さらにこれに關連いたしまして、復金に關して一點お伺いしておきたいのであります。復金債券が九月末現在でわずかに一割二分が市中消化、殘額の全部が日銀の背負いこみとなつている。こういう實情はまことに輕視できないのでありますが、さらに復金の融資につきましては、先ほど他の委員からの御質問もありましたが、巷間とかく批判の俎上に上つているということにつきまして、大藏大臣におかれてもこれは十分御認識のことと思うのであります。いずれにいたしましても融資が嚴正に行われるということ、それから産業資金が日本銀行券の増發にのみ頼らずに供給されるということが、最も肝要なことであると私は考えますので、この點につきましてさらに大藏大臣の御答辯を願つておきたいと思うのであります。
 それから本年度内におきましてさらに大口の追加豫算をするか、しないかということにつきまして、私は災害復舊費というものが本格的に取上げられるということ、それから貿易資金の不足ということ、また供出に伴う奬勵金というようなこと。さらにインフレの高進というようなこと、こういういろいろな材料を考えますと、それは避け得られないのじやないかと私は考えるのであります。しかしこの點については、大口の追加豫算はしないように努力し、極力これを抑える方針であるという御説明がありましたので、この點はさらにお尋ねいたしません。
 さらに最後にもう一點、私は希望的な意見を附して大臣の御所見を伺つておきたいのは、本追加豫算ははなはだ科學性が乏しいということであります。そのことにつきまして私は二點指摘することができると思う。その第一は、豫算の國民經濟に對する影響、これがまたその及ぼした影響がさらに豫算の實施に及ぼしてくる影響、こういう作用、反作用の二點から考えられなければならぬと思うのであります。そこでこの豫算の健全性を科學的に審議する場合は、この豫算がどうして實行されるか、また實行されたときには國民經濟にどういう影響を與え、さらにこれがまたはね返つてきて、豫算のその後の實施にどういう影響を及ぼすかということを考えていかなければならぬと思うのであります。この點につきまして特に今度の追加豫算におきましては、當初豫算の十一月以降の未使用部分と合して、今後六箇月間に實行されるのでありますが、その合計額を把握して、これが國民經濟に對してどういう作用と反作用を起すかということを考えていかなければならぬと思うのであります。しかるにかかわりませず、政府はこういう参考資料をわれわれの手もとにあまり出していただけない。これではわれわれはどうも審議に對して十分の考慮をすることに、非常に不自由を感ずるのであります。これはいろいろの理由があろう、また政治的な理由も考えられるのでありますが、しかしながら今後の豫算審議にあたりましては、十分の資料をお出し願いたいということを切にこれは希望を申し上げるのであります。
 第二に、この追加豫算がどうも豫算とともに國民經濟の總合的循環過程から考えられ、また編成されたものでないというように私は考えるのであります。いわゆる傳統的な腰だめ主義、事務能力によつてこの豫算が編成されたものであるというように私どもは感ぜられてならないのであります。せんだつても他の委員から國民總所得の問題につきましていろいろ質問があつたのでありますが、その國民の總所得についても十分なる御答辯がないというようなこと、この一例をもつて見ましても、はなはだこれは本豫算が科學性に乏しいという證左になるんじやないかと思うのであります。ですから、國民經濟の現状から見まして、これ以上は事實できない、これ以上は租税を徴收できないというような限度があろうと私は思う。そういう限度につきまして、政府はどういうように實證的に、科學的に判斷されておられるかどうかというようなこと、そういう點に私ははなはだ疑問をもつのであります。この科學的な説明の資料がなくては、どいしてもわれわれ豫算の審議にあたりましては不便を感じ、十分でないと思うのであります。こういう點につきまして政府の今後の御考慮を煩わしたいと思うのであります。この點につきましても大藏大臣の御所見なり、また今後の御決意を承れればはなはださいわいと存ずるのであります。
 最後に私は、ちようど井上農林次官がお見えになつておりますから、總理大臣にお尋ねいたしたいと思つたのでありますが、總理大臣お見えになりませんから、井上農林次官にお尋ね申し上げておきたいことがあります。これはせんだつてお尋ねしてだめを押すようで、はなはだ失禮だと思うのでありますが、次官が先般奈良縣を中心とした近畿地方に旱害視察に出張されたということ、これにつきまして平野農林大臣もともに行かれた。その節に旱害對策にあたつて種々言明なり、またいろいろの御意見を吐かれたのであります。この言明なり、確約されたことが豫算に現われてこないということ、さらに具體化してこないということにつきまして、私は先日總理大臣の政治的な責任というものについて、いろいろ考慮を煩わし、またそれをお尋ねしたのでありますが、總理大臣におきましては、事實を調査した上でできるだけ善處をしたい、こういう約束をされたのであります。多分井上次官につきましても總理大臣のいろいろの御相談もあつとた思うのでありますが、政治が國民の信頼性を失つた場合の、非常な恐ろしさというものを私は考えますがゆえに、その後次官なり、平野前大臣が確約されたそのことについて、具體的な考慮が拂われたかどうか。この前にお尋ねしたときには、せつかく努力中だというお話でありましたが、さらに時間が經ちましたので、その後どういう結論に達しておりますか、もう一遍だめを押してはなはだ失禮でございますが、お尋ね申し上げたいと思うのであります。
#45
○栗栖國務大臣 お答えいたします。第一の點は、この健全財政、しかしこれが通貨増發を導くのではないかというような御趣意の御質問の一つとして、十月にはいつて日銀券の發行が非常に大きくなつた。これはインフレーシヨンが破局の度をさらに一段高めたものではないか、こういう趣意のお尋ねであつたと思うのであります。この日銀券の増發の状況は、一般的にお話の通り、四月以來はその月末の現在高、その月の中の増發高とのパーセンテージが、四%ないし五%餘というような状況を持續してきたのであります。それに十月に特に上つたのはどういうわけかと言いますと、これは政府といたしましては、公價の改訂がここに現われたと思うのであります。政府は七月以來公價の改訂をいたしました。これが資金面その他に現われますのは、製品その他の關係で、まず三箇月の時間を要するのであります。その時間的ずれのために、公價を改訂した結果大幅にこういうように上つた、こう見るべきであるのでありまして、この十一月、十二月は年末にも向いますけれども、これは一時的の現象でありまして一般的にさらに惡性へと一歩進んだ、こう斷ずることはできないのではないか、かように考えている次第であります。それから通貨増發の面において、日銀券の増發、すなわち資金の需要が貯蓄の純増よりも上まわるということは不健全じやないかというお話であります。これは本會議でも私御説明申し上げた通り、お説の通りでありますが、この點は極力貯蓄の増強運動をいたしまして、この八月、九月と目ざましい實績をあげているのでありますが、純増の度はなおいま少し引上げないといけないと思いますので、この十二月、一月にかけては、さらに徹底した貯蓄運動を、納税運動とともにいたしまして、この上まわる度を切り捨ててしまいたい、かように考えているような次第であります。
 それからたとえば物價の改訂とか、歳入と歳出のずれとか、地方財源の枯渇とか、金融上の資金の需要増、そういうものからインフレがどうしても激化する、こういうお話でありますが、通貨の増發は極力防ぐようにいたしておりますのは先ほど申した通りでありますが、しかし通貨の増發を極力防ぎましても、やはり生産増強という面において、大きな囘轉を示さぬと、根本的なインフレーシヨンの脱却はできないのであります。今ときを泳いでいるような次第も、先ほど安本長官の申したようにあるのでありますが、しかし企業再建整備その他によつて、殊に貿易再開というような方面において、貿易向けの製品の工業、そういうものを振興させ、生産を増強させたいと思つているのであります。なお囘轉基金の運營その他にもよりまして、綿花その他の資材を極力輸入するようにいたしまして、そうして生産を起す呼び水として増産に向けていく、こういうことを考えておる次第であります。二十三年度の豫算にはそういう點も事情の許す限り強く盛りたいと考えておるのであります。そういうことをいたしまして、一連の總合的な政策のもとにこれをよくしたいと考えておるのであります。しかし財政金融の面では、不用なる通貨の増發を極力防ぐという面については、先ほどからいろいろ御答辯したような次第であります。なお健全金融のあり方ということについてお尋ねでありましたが、これはまず金融に振り向ける資金の調達をいかにするかということについて、一つの健全性を確立しなければならなぬと思うのであります。日本銀行の資金に頼るというようなイージー・ゴーイングでしますのは、これはいけないと思うのであります。そこで資金につきましては貯蓄増強、それからなお貸出先の監査を嚴重にしまして、餘つた資金があるならばすぐ囘收さす。そうして好ましからざる方面に資金を流用することを十分に抑えまして、囘收資金と、預金部資金の純増とをもつて、これを賄うという大綱を立つて、それを實行しておるような次第であります。それと同時に貸出でありますが、これもまた好ましからざる方面及び不急の方面に貸出をするということは、これはきわめて愼むべきことであります。そこで重點的な基礎産業、緊要なる産業、その他どうしても必要なる資金というものの方に振り向けるように、資金準則その他を強化いたしまして、いたしておるような次第であります。なおしかしこの原則を實際に運營するにあたりましては、金融事業というものは生きたものでありますので、十分實際的の活用その他のことを考慮に入れまして、運營の圓滑を期するということも考えておる次第であります。
 それから追加豫算その他國民經濟についての考えであります。これもすでに本會議においても、本委員會においても申しましたように、財政の需要ということと、國民經濟の壓迫その他を極力ミニマムにするというようなことについても、相當注意を拂つておるのであります。何分にも財政需要というものが大きいのと、一方においては國民生活が相當耐乏の生活であつて、遍迫をしておるという點において、若干無理も願わなければならぬというような點もありますが、これは二十三年度、またその後において、日本の經濟の立直りに應じて、十分國民經濟の發展にも力を注ぎまして、この豫算の編成ということもいたしたいと思うのであります。なおこの追加豫算につきましては、單に國民經濟のみならず、國際經濟への關係も十分考慮したのでありまして、このインフレーシヨンを止める。そうして財政の健全性、金融の健全性等を確立しまして、それによりまして日本の通貨、日本の國際的の信用を確保するという點は相當考えたのであります。國際的の信用を確保するということは、まわりまわりますと、資材その他の輸入を懇請する基ともなるのでありまして、十分そういう方面をも兼ね合わせたつもりであります。なお二十三年度の豫算については、そういうような點はもつと強力に表わしたいと考えておる次第であります。
 それから豫算編成が腰だめ式、事務的であるということであります。これは豫算の方法としては、日本の豫算はなかなかわかりにくいのであります。ただいまだんだん改善されて、わかり易くなつておりますけれども、なお今後においても改善すべき點が多々あると思うのであります。そういうような點は十分來年度の豫算その他についても、だんだん改善を加えまして、御趣意に副いたいと思うのであります。
 資料の不足ということでありますが、これも何分にも紙量が少い點とか、あるいは統計書の不備もあり、それを入手するにも困難があるという事情で、まことに十分でなかつた點もあると思います。しかしこれは二十三年度豫算その他についても十分考えて、御趣意に副うようにいたしたいと考える次第であります。
#46
○井上政府委員 東井さんから御質問の旱害應急施設費の問題でございますが、この旱害對策につきましては御存じの通り、水害のごとく一擧に耕地を壞滅し、人家を襲うような被害でございます場合は、世間も騒ぎ、かつ應急對策についてもきわめて迅速果敢に行われるのでありますけれども、旱害は非常に長時日を要して、じりじりきた結果が、まつたく收穫皆無というような悲慘な状態になりますために、世間もあまり旱害については、えてして問題にしない。しかし實際は非常にひどいという實情にありますので、實地をそれぞれ手分けいたして調査いたしました結果、これが應急施設費については、政府としてもできるだけの手當を加えなければならぬということで、最初經濟安定本部の方の公共事業費の方から、何とかしてもらいたいということをいろいろ交渉いたしておきました。その當時は大體事務當局の意見としまして、私どもがちようど奈良、近畿をまわりました當時は、少くとも當該縣から要求しておりますものの七、八割くらいは何とかならぬかという、一つの希望ある意見が述べられておりました。だから私はその意見を地元に反映をさせたのであります。ところがその後約一月ほど經ちましてから、實を申しますと、旱害施設というものは個人の田に井戸を掘り、ポンプを据えつけて、自己の灌漑をやるのであるから、公共的施設ではない、こういうような解釋がつけられまして、公共事業施設の方からこの經費を捻出するということが、非常に困難な實情になつた。こういうことが明らかになつてまいりましたので、これはたいへんだ。今ごろになつてそういうことを申されたのでは、すでに供米が始まろうとしておるときでありますので、こういうことで、農民が大きな期待と信頼をもたれておるときに、そういうことになつてはたいへんでありますので、そこで今度は關係當局であります大藏省の方に直接お話を申し上げまして、ぜひとも旱害應急施設費は、水害と同じ――それ以上にひどい被害地もあるのですから、ぜひこれに對する特別の手當を加えてやつてもらいたいということを、あらゆる機會に説明をいたしたのであります。それで大藏當局もその實情をよく御認識を願いまして、すでに第一囘分として現在御審議中の追加豫算に五千萬圓を組んでいただいておるのであります。しかしこれだけではまつたく何ともできませんので、さらにその次に豫備金の方から相當その不足分を出してもらいますように、いろいろ交渉を進めております。先日の閣議でも一應その話が出て、およその金額も大體わかつたのでありますけれども、しかしそれではなお十分ではございませんので、今後豫備金の中からも何とか大藏省のこの上の御協力を願いまして、少くとも供出割當にあまり支障を來さないで、また來年の再生産に十分農民が協力できる仕組において、應急對策費を出していただくように、最後の交渉をお願いしておるわけでありまして、この旱害對策費につきましては、單に農林省がそういう強い要求をお願いしておるだけではなしに、閣議の中においても、きわめて關係各大臣から同情的にいろいろ強い御援助の言葉がありまして、農林省としても非常に喜んでおる次第であります。近く大藏省の方においても、この問題については最後的な御決定をしていただきまして解決することになるかと考えております。今しばらくお待ちを願いたいと思います。
#47
○鈴木委員長 次は野坂參三君であります。野坂君。
#48
○野坂委員 時間がありませんので、總理大臣にできるだけ簡單にお伺いしようと思います。また問題をはつきりするために、一つ一つ區切つてから御答辯願いたい。まずお伺いしたいのは……。
#49
○鈴木委員長 野坂君、一つ一つでなくまとめて御質問願いたい。
#50
○野坂委員 ところがまとめてやると、ぼんやりした囘答だけしかいつも受けられない。
#51
○鈴木委員長 野坂君の御質問は非常によくはつきりわかりますからどうぞ。
#52
○野坂委員 それではまず私は片山總理が、總理であると同時に、社會黨の首領である。その意味においてまた今度の内閣の總理におなりになつた。國民が社會黨を今度の選擧で第一黨にしたのも、もし社會黨が政權につくならば、今までの幣原、吉田内閣とは違つた政策、すなわち社會黨が公約されたような政策をおやりになるだろう。こういうことを期待して社會黨を第一黨にしたのだろう、こういうふうに私たちは皆考えております。そうだろうと思いますが、さて今ちようど四月の選擧の前にお出しになつた社會黨の政策を見ますと、これは社會新聞という新聞に、選擧の直前の三月二十八日附の新聞に、社會黨の公約された政策、あるいはその他の政策がずつと一面に載つております。私はここではただ經濟問題についての政策についてだけお聽きしたいと思います。これを見ますと、實に結構な政策がずつと竝んでおります。特に今日の危機を切り拔けるためにどういうふうな政策をとらなければならないか、この基本精神は、すなわち社會主義的な政策でなければならない。これが基本政策であり、この點はわれわれが去年の議會、今年の春の國會において、當時は片山社會黨黨首が、黨を代表して質問演説なさつたときに、社會主義的な政策、これがすなわち今日の危機を切拔けるものであるということを、特に強調されておる。御存じのように當時芦田民主黨總裁も、この議會の質問演説において、社會主義か資本主義かということについて討論されたはずでした。この意味で私はこの綱領政策をずつと見まして、たとえば今の危機を切拔けるためには、どうしてもまず第一に戰時公債の利拂いを一年間停止する。こういうような政策をあげてあります。それからさらに新圓大口所得者に對して重税を課するということもここでうたつてある。さらにまた第二次財産税を課する。こういう意味も書いてあります。そのほか被戰災者税とかいろいろなものがあります。また補助金とか補給金というものを廢止するというふうなこともここにうたつてあります。また重要な問題としては、今言つたような個個の經濟的な政策と竝行して、社會黨としては金融機關、特に日本銀行を國營にする、こういうこともこれが全經濟政策の中心政策として出ております。また重要産業においてもこれを國營にするということも、第二のまず金融機關の國營ということが第一の車の輪とすれば、重要産業の國營というものは第二の車の輪になつておる。こういうような政策を、ともかくも選擧のときに御發表になつたと思います。まずお聽きしたいのは、全面のこの政策について實はお聽きしたいのですが、時間がありませんからきようは質問しないことにしまして、簡單な問題の戰時公債の利子の一年間利拂い停止、この問題についてだけまずお聽きしたい。これについては社會黨はこういうふうにうたつております。しばしば大藏大臣が言われましたように、もしこれをやればたとえば預金部とか、その他金融機關が受ける損失、これはすなわち大衆に迷惑をかける。だからこういうことはできないということを、大藏大臣はこの間の豫算總會でお答えになつたと思います。しかし社會黨の方ではこれに對してちやんと政策をもつております。これに對しては大衆預金保護を眼目として適宜の處置を講ずる。すなわち大衆預金が迷惑のかからないように特別な措置を講ずれば、こういうことをやつても構わない。こういう政策なのです。もちろんこの戰時公債の利子だけを見れば大したことはありません。三十數億になると思います。しかしこの三十數億だけでも、今問題になつておる六・三制のあれだけでも、大體これは賄つていけるはずです。あるいは今問題になつている官公廳の給與にしても、大體百億近いということになれば、その三分の一でもここから賄い得ると思います。しかもこの公債の利子の八割は大體金融機關である。これは個人々々の小さい所得者ではなくて、大多數が大きな銀行、金融機關に持つていく、しかも、社會黨としては大衆に迷惑のかからないような方法をとり得ると言つている。これについては、私は片山總理に、今なぜこれをおやりにならないのか、おやりになるならばいつどういうふうにしてこの公約を果そうとされているのか、これを第一にお聽きしたい。
 それから新圓所得者に重税を課すということも、御存じのようにこれは社會黨の一枚看板であつた。ここにおられる鈴木委員長もあの議會の壇上で、社會黨を代表して叫ばれた。しかも最近鈴木委員長などは、一箇月前のある學校の講演の中でも、その當時は新圓が約一千五百億ありました。この三分の一は何とか取り得る。こういうことを學校の講演では叫ばれている。これはおそらく社會黨の政務調査會の案ではないか、こういう新圓大口所得者に對して、社會黨で公約されている。これをいかにして取ろうとされているのか、現實に政務調査會長は五百億取れるということを言われている。これをいかにして取ろうとされるのか、されないとするならば將來どういうふうにされるか。それからそのほかまだありますけれども、私は個々の問題についてはお伺いしません。
 第三としては、日本銀行その他の金融機關の國營ということがあります。實際今日のインフレを打開するためには、私はやはり社會黨の今主張されているような、こういう拔本的な方策をとらざるを得ないと思う。すでに今までの自由黨、當時の進歩黨幣原、吉田内閣、この政策は、大體において破綻していることはわれわれすつかり經驗で皆知つている。今社會黨及び民主黨の連立内閣ができましたが、ここでもやはり目の前にインフレは高進している。これもやはり政策が失敗していることを明らかに證明している。そうすれば、どこへいくかと言えば、片山總理が社會黨の黨首として壇上で述べられたような社會主義政策を、この際斷行する以外に今日の危機を切拔ける途がない。そうすれば今日金融機關の國營問題が出ておりますが、これを一體斷行する意圖があるかどうか、及び重要産業の國營の問題、これについて片山總理は、公約されたところをいかに實現されようとしているか、これがお聽きしたい。こう私がお聽きしますと、おそらく片山總理の方では、今まで議會でしばしば御答辯になりましたように、今は危機である、非常時であるからこういうことはできない。また今度の内閣の性格が民主黨、國民協同黨との連立内閣である。しかも政策協定をやつている。だからこういう社會黨の政策はできない、こう言われますが、しかしそこに私はお聽きしたいところがある。片山總理は危機を打開するため、社會主義政策でなければならないと斷言されている。ところが、今政權につかれて今日になつてみると、そうではなくて、今非常時であるから、社會主義的な政策はやれない。こういうふうに言われる。そうすると前の言葉と今の言葉のこの矛盾をどういうふうに御説明になるか。それとも社會主義政策を全部お捨てになつたのか。もしお捨てにならないとすれば、最後にお聽きしたいのは、この社會主義的な政策は、いかなる條件ができればこれを實行されようとされるのであるか。これだけお聽きしたいと思います。
#53
○片山國務大臣 野坂君から御質問になりました點につきまして、大體申し上げようとするその前提をもついでにお述べになりましたので、さらに私はそのお述べになりましたことを敷衍してお答えいたしたいと思います。
 それは第一番目には現在の經濟状態は危機である、身體にたとえれば非常に弱つている身體である。強い藥ではとうてい耐えられないほど疲弊している。この健康状態を恢復するための應急措置をとらなくてはならないということを、今まで申し上げておるのであります。
 第二は、社會黨單獨でない。連立内閣であるので友黨の意見をも十分に用いて、三黨協力でやつていかなければならない内閣の性格である。こういうことを今野坂君が御指摘になりました通り、今まで私述べておつたのであります。これをさらに敷衍してお答えをいたしますが、私どもは決して選擧で公約いたしました政策を捨てておるのではありません。何とかこれをやりたいと考えておりますが、今申しましたような經濟的な現状と、連立内閣の状態に鑑みまして、一時にこれを行うということはとうてい不可能であります。漸次可能な面より行つていきたい。小出しにしてこれを行つていきたい。順序を追うて、ときを追うて行つていかなければならない状態になつておる。こう考えております。今お示しになりました戰時公債の利子の問題、あるいは新圓の大口所得者に對する課税の問題、あるいは銀行國營に關する問題でありますが、それを、かりの話でありますが、三つ竝べて今即時行うということになりますと、わが國のこの疲弊せる産業を建直すことができないことになるのであります。やはりインフレを防止して、産業を建直していかなければならないための應急對策ということが必要になつてくるのであります。應急對策を一面においてとりつつ、一面においては積極的な政策を行い得る建前をとりまして、それとにらみ合わして進んでいかなければならない。かように考えているのであります。社會黨の考えは、公約いたしました政策を行いたい意思をもつておりますが、順序を立てて、可能なる部面より漸次これを行つていく、こういう建前でありますから、その手段方法においては、あるいは後れるものもあります。今すぐ行えないものもありますが、これは情勢とにらみ合わしていかなければならないのでありますから、その點は十分に效果をあげ得る方法をとつていきたいと思うのであります。ただイデオロギー的にそれを實現することをもつて能事足れりというように考えないで、十分に效果があがつて、國民生活の向上、あるいは國家經濟の隆盛、産業の立直りができるような方法と、にらみ合わしていきたいと考えておるのであります。
 そういう意味で、今日まで約半歳にわたりまして、主力をどこにおいてきたかと申しますれば、いくたの御質問がありました通り、インフレ防止ということが先決問題でなければならない。産業の發展と健全財政というような面について、私どもも十分に考え、そして國家經濟を一應整理して、そうしてこれから漸次可能なる場面より、選擧當時公約いたしました政策を、逐次行つていきたいと考えておるのであります。
 しからば、次には何を行うか。まつ先には何を行うか。こういうような御質問があるであろうと思いますが、それは豫算編成にあたりまして、あるいは來年度の國會に臨むにあたりまして、十分に檢討して、そして具體的な對策を立てていきたいと思つております。來年度の豫算編成にあたりましては、積極的な、建設的な政策、社會黨の考えております政策を、可能なる部面より、效果をあげ得ることを十分に考慮いたしまして、實際にこれを現わしたい、こういうふうに考えておる次第であります。
 すなわち、要約して申しますならば、決して公約は捨てていないのである。しかし現状においては、まだやり得ない状態にあるから、小出しをして、順を追つて、最も適當と考える處置をとつて進行したいというふうに考えておる次第であります。
#54
○野坂委員 もう一言、二、點についてだけお聽きしたい。
#55
○鈴木委員長 野坂君、時間はないわけですが……。
#56
○野坂委員 しかしせつかく總理大臣がお見えになつて、社會黨の政策の根本の態度をお示しになつたのですから、今の御答辯の二點だけについてお聽きしたい。
#57
○鈴木委員長 では特に許しますから、ごく簡單に願います。
#58
○野坂委員 ちよつとお聽きしたいのは、まず第一は、順序を追つてやるというふうに申されましたが、これは當然だと思います。それで片山内閣ができて約五箇月になりますが、この間に社會黨の政策はいかなる順序で、何が今まで行われたか。これについて具體的な御説明をお聽きしたい。
 それからもう一言、これは繰返すようになりますが、ぜひお聽きしたいのは、第二は産業の再建ということを申されました。もちろんわれわれもこれに賛成です。これに全力をあげていかなければならないことははつきりしていますが、しかしここに問題があるので、片山總理が今まで主張されたところのこの再建は社會主義でなければできない、資本主義ではできないということが、片山總理の社會主義者としての信念であつたと思います。そうしますと、この點において産業再建のためには、社會主義というものは必ず固持しなければならないものであるかどうか。社會主義でなくても、今日の日本においても再建ができるかどうか、この信念について一點だけお聽きしたいと思います。
#59
○片山國務大臣 今までは政治的な民主化問題という問題が非常にたくさん出てきましたので、その問題に相當力を入れたのであります。これは新憲法の精神を實際政治の上に現わしていくために、どうしてもやらなければならない問題でありまして、これがためには警察制度の改革、自治制度の問題、法務廳の問題、公務員の問題、幾多御審議を願つておりまするような問題が、次から次と出てまいりまして、政治的、社會的民主化問題に相當力を入れまして、社會黨の考えておりまする政治上、社會上の問題については、效果をあげ得たと考えておる次第であります。なお社會問題方面につきましては、たとえば暴力團狩りの問題でありますとか、あるいはやみ撲滅に對しましての政府の施策でありますとか、それからこれに伴うところのむだを省いて、お互い耐乏生活をしてもらわなければ、この祖國再建はできないのであるということも、一連の關係における將來のわれわれの考えておることを、實際政治の上に現わす前提でもあり、地ならし工作でもあつたと考えておりまして、そう今日唱えて明日それが實現されるわけにもいきませず、準備を要するし、前提工作も必要であります。前提工作の意味において相當效果をあげ得ておると考えておるのであります。
 なお社會主義政策というものの觀念でありまするが、私の考えでは白と黒というふうに、はつきりと一線を畫してきめられる問題もありまするが、經濟上の問題、産業上の問題、また社會上の問題につきましては、ほんとうに色彩がわかれるほど明確な一線を畫することのできない問題が、多々あると思うのであります。私どもは逐次段を追うて、部分的にも社會主議の理論、あるいは實際問題を織りこんで、これを政策の上に現わしていきたいと、かように考えておりまするから、掌を返したように、はつきりとそれが色彩を明らかにして出ることは、今日そこまで考えていく必要がないと思つておるのであります。またそういうことをやる必要の場合もあります。そういうような意味から申しまして、内容的にも、部分的政策の織りこみ、こういうことが今日適當なるやり方であると思つて、私の考えといたしましては、それを織りこみつつ漸進主義をとつておるような次第であります。
#60
○鈴木委員長 以上をもつて通告順による質疑を終了いたしました。
 この際もう私から政府に御質問するような問題はほとんどございませんが、しかし豫算委員會の進行中に、國民の各方面から、委員長宛てに非常にたくさんな陳情書もしくは陳情を受取つております。それらのうちもつともと思われる問題につきましては、一應委員長といたしまして、政府の所見を質しておく必要を感じますので、その點だけについてこの際御質問をいたしたいと思います。
 一つは税務官吏の待遇の問題でありまして、これは皆さんのところへもたくさんきておると思いますが、私も直接または書類によつていろいろな陳情を受取つております。聞くところによりますると、日本銀行あたりでは、勤勞所得税を拂いに税務署へもつてまいりますると、税務署で勤勞所得税は拂う必要がないということで受取らぬで、非常に困つておる。こういうことも聞いております。ある省においては、いわゆる源泉課税で給料から引く勤勞所得税を引かないで、そのまま拂つておるというような役所もあるように聞いておりますが、こういうように徴税のいろいろな事務なり、事態が惡くなつてまいりましたことは、何と申しましても税務官吏に對する待遇、あるいは人員の不足等に基因しておると考えますので、今日までいろいろな方面から、これは税務官吏の待遇をよくしろという意味において、あらゆる質問が當局に集中されたと、こう私は考えておりますが、これに對しまして二、三日前の委員會において、政府としては税務官吏に對してはこれだけの待遇をするのだという、こまかい数字の御説明がありましたが、私どもまだそれだけで十分であるとは考えないのであります。委員會においてこういうようにいろいろと、税務官吏の待遇に關してよくしようという考えから、いろいろな御質問があつたのでありますが、政府は先般御説明になつたような、税務官吏に對する待遇またはその處置、それで十分この追加豫算による歳入を、責任をもつて徴税し得ると考えられるかどうか、責任をもたれるかどうか、委員會としてはできるだけ税務官吏の待遇について政府の考慮を促したのでありまして、政府は先般これだけのことをするという答辯がございましたけれども、それで私どもは政府にお任せをして、政府は責任をもつて對處されるかどうかということについて御答辯を得たいと思います。
 第二は、これは寒い地方における石炭購入の官公吏に對する手當でございます。これは二、三日以前の委員會において政府から第九次の補正豫算として近く御提案になるということでありましたから、この點の陳情はすでに達成されたものと考えまして、これは質問をする必要がありませんが、このほか六・三制の殘額の七億の財源、それから先ほどここで質問應答のございました旱害に對する問題、災害復舊費の追加の問題、こういう問題は、當面政府において考慮されております官公吏に對する生活補給金の財源の問題などと關連いたしまして、私は適當の時期に第十次の追加豫算を提出されるものと確信しておりますが、しかしこれについては關係方面と政府とのいろいろな話合いもございましようから、今日ここでその問題について突詰めた答辯を得ることはむつかしいかと存じます。ただこれは委員會のいろいろな質疑應答の經過を顧みて、これらの問題については政府は、第十次追加豫算を提出される腹をもつておられるものと、こう私は認識いたしまして、これに對する御答辯は今日むりと存じますから、御答辯できなければ、これはなくてもよろしゆうございます。
 第三點は入場税の問題であります。これは來年度二十三年度の豫算編成の大きな歳入豫算の眼目は、大衆課税を中心とするやみ利得の捕捉である。そういう方向に向けたところの上に歳入豫算を立てられるということは、二十三年度すなわち來年度豫算の大きな眼目であると、こう私は考えておりますから、入場税の問題はその一つと存じておりますが、その入場税の問題について、やはりいろいろと陳情を受けております。一つの解決案といたしましては、その税金の總額はそのままにいたしまして、その中でたとえばいろいろな映畫館などについて、東京のような中心地の映畫館、あるいは農村等の映畫館というものに順位をつけまして、そうして東京のようなところは、もつと税率を引上げる、地方は下げるというようないろいろなことをして、そういたしまして、大衆課税になることを防ぐというような、一つの解決案も考えられたのであります。いずれにいたしましても入場税の問題につきのしては、昭和二十三年度の豫算編成にあたつて十分考慮されるかどうか。國民の意思を尊重されて、十分考慮されるかという點をお伺いいたしたいのであります。
 次は飲食店の問題でありますが、これはおそらく私だけでなく、皆さんがいろいろと陳情を受けておられることと存じます。これは安本長官にお尋ねしたかつたのでございまするが、便宜總理大臣にお願いします。これは十二月が期限であるように聞いておりますので、十二月以後どうするかということについて、いろいろな陳情を私ども受けておるのでありますが、私一個の見解としては、食糧事情が許しますならば、民衆食堂とでも申しますか、民衆的な、割合に程度の一般的な飲食店というようなものは、一定の時期に一定の條件の上にお許しになることができれば、非常に幸だと存じております。しかし高級の料理店というふうなものは、國際的に必要なものは別といたしまして、一般的に高級な料理店というものを、今後の日本の食糧事情において許すということは、ほとんど不可能ではないか。こうも考えておるのでありますが、そういたしますならば、非常に家屋不足のときでございますから。高級料理店は國家において接收をされて、ただいま家屋のなくて困つておる人たちのために、開放されるような處置をとられるようなお考えはないかどうか。私は片山内閣としてはせめてこういうことくらいは、斷固としてやつていくというような氣魄をもつてお進みにならなければ、前途の困難を乘切ることはなかなかむつかしい。非常に困難があるとも心配いたしておりますので、こういう點についてひとつ片山内閣の斷固としたところ、高級料理店が開く見込のないものであるならば、そういう御措置をおとりになることができないものかどうかという點であります。
 大體私が受取つておりますいろいろな陳情のうち、このほか生活補給金、いわゆる千八百圓ベースの問題がたくさんございますが、それらはすでに先ほどお尋ねしたうちにはいつておりますので、差控えておきます。以上が各方面から私の受取つておる陳情に對する政府の御所見を質す問題でありますが、なお一應關連して委員長としてお伺いいたしておきたいことは、昭和二十三年度に對する政府の豫算の問題であります。私どもはこの追加豫算を見るに、何ら國會の意思を追加豫算の編成の上に盛ることができない。またできてきたところの追加豫算に對しては、當然修正しなければならぬ問題がありながらも、やむを得ない、時日がないためにどうすることもできないというような事態である。私は今後こういうことの起らぬように、政府においても絶對にひとつ責任をもつて、豫算の編成に當つてもらいたい。こう考えたのであります。そこで來年度豫算は、財政法によりますると、十二月一ばいに出すことを定例とする。こういうような規定があるのでありますが、政府においてはいつごろ二十三年度豫算を國會に御提出になる見込みであるかということをお伺いいたしたいのであります。それは豫算委員會としては、ただいま申しましたようにいろいろな事情で、豫算の審議の期間が短くございますので、二十三年度の豫算に對しては、なるべく分科會を中心といたしまして、十分こまかく審議もし、また必要によつては大膽率直に修正を加えていきたい。こういかなければならぬと考えておりますが、それにしても今日のようなこういうやむを得ない情勢のもとにおきましては、できるだけ編成の過程において、國會の意思を豫算編成の上に表現をいたしたい。そういうことが一つの便宜だと存じておりますので、いわゆる事前審査というものの範圍を擴げまして、二十三年度の豫算編成にあたりましては、その過程において政府の編成の方針、具體的な進み方などについての御説明を求め、また國會における意思を十分に反映せしめるために、豫算委員會としての意見も申し上げていきたい。こういう運び方をしてはどうかと考えておりますので、いつごろ豫算を御提出になるかということを、この際承つておきたいのであります。
 インフレーシヨンの問題について、私としてお尋ねしたいことがございますが、もう時間もございませんから、委員長としての職務上、政府に質さなければならぬ以上の點だけについて、政府の御所見を質しておきたいと存じます。
#61
○栗栖國務大臣 委員長のお尋ねに對してお答えをいたしたいと思います。第一の點は税務官吏の優遇その他の點は承つたけれども、なお官廳によつては源泉的に取立てるものを取立てないものがあるし、税務官吏としても十分税の取立てができない點もあるかどうかというお尋ねであります。この點については政府として十分惡い結果にならぬように、非常に憂慮しておる點でございまして、それがためにさしあたりの問題として税務官吏の優遇、その徴税に要する費用等も十分計上し、なおかつ國民運動として、國民に廣く納税の必要というようなことを徹底さし、その協力をまつて、兩方面からぜひ取立てたいと思つておる次第でございます。この點については政府として全力をあげてこの豫算の實行、税の取立ての實行ということを期しておる次第であります。極力これは盡したいと思うのであります。なお税務官吏に對してはさしあたりの點として、でこぼこ調整その他における優遇を考慮いたしましたけれども、なお今後における徴税の必要、重大性ということを十分考えまして、これに相應する税務官吏の根本的な優遇、特殊的性質を十分考慮して、根本的に優遇をするということも考えたいと思う次第であります。
 それから官公吏の一時賜金の支拂い、それにかねて六・三制、旱害、水害、その他災害對策費というものの追加豫算の計上であります。これは先ほど來も申し上げましたように、委員長のお説と私も同感でありまして、これは可能財源、資材等も十分見合わして、能う限りの追加豫算をも盛りたいと考えておる次第であります。
 なお入場税につきましては、國民の大衆に課する點、國民のレヘシメントというような意味において、二十三年度においてはこれの調整その他を考慮する用意があるかないかということであります。これについては入場税を高くするというようなことは、極力避けたいと考えておるのみならず、必要なる調整等は、世論等の點をも考えまして、二十三年度の豫算においてはやはり能う限りの實現を期したい、こう思つておる次第であります。
 それから本年度のこの追加豫算については、その筋その他との關係、交渉等にたいへんひまどりまして、提出等も遲れまして、まことに心苦しく感じておる次第でございますが、二十三年度の豫算については、單なる事務的の考えということでなしに、片山内閣としての初めての本豫算を組むという點をも十分考慮し、さらに民主的な内閣ということも十分考慮いたしまして、國會とも密接なる連絡のもとにひとつ編成をいたしたい。かように思う次第でございます。しかし來年度の本豫算の國會に提出する時期でございますが、かように追加豫算は非常に延びましたし、なお堅急状態その他異常な状態が續いておりますので、政府としても非常に急いではおりますけれども、まことに不本意ではございますが、本年中に提案することはむずかしかろうと思うのでございます。しかし政府といたしましては、極力努力をいたしまして、そうして國會と密接なる連絡のもとに、なるべく速やかに提出いたしたいと考え、十分の努力もいたしたいと思う次第でございますから、ひとつ御了承を願いたいと思います。
#62
○片山國務大臣 委員長から御質問になりました料理屋飲食店の問題でありますが、委員長のお述べになりました御趣旨につきましては贊成であります。できるだけ大衆の便益をはかりたいということは、この内閣におきましても重要に考慮いたしておるのであります。ただ技術的に、どういう範圍でどの程度で大衆食堂として許すべきであるかという點については、いろいろ檢討しなければならないと存じますので、その方法等についてはなおよく研究いたしたいと存じます。なおまた、高級料理店の家屋を、罹災者その他困つておる方々に開放しなければならないという御意見につきまして、私どもといたしましては、總括的に考えまして、あるいは公共用の建物であるとか、あるいは大邸宅であるとか、そういう不用というか、遊閑というか、そういう建物についてもいろいろとこれを活用する問題を考えておるのであります。實際問題といたしましては、料理店はやめたけれども、親類とかいろいろの友人關係の人たちが住居しておるとか、いろいろ實際問題にあたりましてはむずかしい問題がありますので、これもまた技術的に、實際面において檢討すべき問題が多々あると思うのであります。できるだけの委員長の述べられました御趣旨に副いまして、檢討いたしまして、これを實際化すべく努力いたしたいと考えております。
#63
○鈴木委員長 お諮りいたします。本日はこれをもつて散會いたしますが、今日散會後引續いて理事會を開いていろいろお打合をいたしたいと存じます。昨日の理事會のお話合いによりまして、明日一日休みまして、明後二十一日午前十時に、ここに議題となつております昭和二十二年度一般會計補正(第七號)、特別會計補正(第三號)、一般會計補正(第八號)に關する議題につきまして、討論採決を行うという運びにいたしたいと存じます。御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○鈴木委員長 それではさように決定いたします。
 議事進行について庄司君の發言を許します。
#65
○庄司委員 議事進行について、ちよつと大藏大臣にお伺いいたします。間もなく補正第九號が提案されるような噂を聞いておりますが、それは、われわれが豫算を審議し、その能率をあげる上において、心構えとしてぜひ必要であると思うのであります。それは大體何日に御提案になる豫定であるか。それから、それには、ただいま委員長からの御話もあられた六・三制關係の殘餘の七億圓、及び水害對策費が目下使ひ果して、二億何千萬圓程度しかないということを聞いておりますが、そういうものは盛るのであるか盛らぬのであるか。ぜひとも、われわれの審議が眞の民主的の線において詳細なる檢討を進める意味において、お差支えがなければ、この次の補正豫算がいつ提案されるか、われわれの審議の能率をあげるために伺つておきたいと思うのであります。片山總理も御臨席でありますからぜひ望んでおきたい。今囘のこのただいまの追加豫算は、御提案以來比較的時間の割當を多く私ども自由黨なんかも頂戴しましたけれども、總括の質問なんかたつた五時間であります。本日各黨の代表の二十分を加えて五時間二十分、これは片山さん御承知の通り、あの東條の言論統制抑壓の時代でさえもあり得なかつた。これは決して政府の惡意によつて出發したのではなく、先ほど來大藏大臣のお述べになつておりますところはよく了承いたしますが、今後はこういうことがあつてはならぬというような意味において、今囘さらにまた追加補正される案がいつ御提出になるか、その中に今申し上げたような水害對策、及び六・三制の關係の豫算等を包含されるものであるや否やということだけを伺つておきます。
#66
○前尾政府委員 北海道におきまする寒冷地手當その他雜件約七億三千萬圓でありますが、これに關する豫算案はただいま準備中でございまして、この土曜日に提出いたしたいと努力しております。それから、その中にはただいまおつしやられるところの六・三制の豫算と、それから水害對策、旱害對策は盛つておりません。これらにつきましては、さらに財源を檢討いたしまして、それからその他の各種の追加豫算等もありますので、それらと總合的に檢討した上、なるべく早く第一囘國會に提案いたしたい、かように考えております。
#67
○鈴木委員長 それではこれをもつて散會いたします。
   午後五時十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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