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1953/02/19 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第9号
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1953/02/19 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第9号

#1
第019回国会 農林委員会 第9号
昭和二十九年二月十九日(金曜日)
   午後一時五十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     片柳 眞吉君
   理事      宮本 邦彦君
   委員
           雨森 常夫君
           川口爲之助君
           佐藤清一郎君
           重政 庸徳君
           関根 久藏君
           横川 信夫君
           上林 忠次君
           北 勝太郎君
           河野 謙三君
           江田 三郎君
           清澤 俊英君
           松浦 定義君
           鈴木  一君
  政府委員
   農林省農林経済
   局長      小倉 武一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   大蔵省主計局主
   計官      柏木 雄介君
   農林省農林経済
   局肥料課長   林田悠紀夫君
   農林省農地局災
   害復旧課長   大塚 常治君
   通商産業省軽工
   業局化学肥料部
   長       柿手 操六君
   会計検査院事務
   総局検査第三局
   長       小峰 保栄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○参考人の出頭に関する件
○農林政策に関する調査の件
 (最近の肥料問題に関する件)
 (農林省関係公共事業費に関する
件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(片柳眞吉君) 只今から委員会を開きます。
 最初に参考人の件につきましてお諮りをいたします。農業災害補償制度に関する小委員会におきまして、来たる二月二十五日、農業共済基金常務理事安田誠三君を参考人として意見を聞きたい旨の申出が松浦小委員長より参つておりますが、同君を参考人として意見を聞くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(片柳眞吉君) 本日は、最初に肥料問題につきまして御審議を願いたいと思います。先ず本年春肥の需給及び価格関係、更に最近伝えられておりまする韓国向け硫安及び石灰窒素の輸出並びにこれが国内における肥料の需給及び価格に及ぼす影響等に関する見通し等につきまして、政府当局から説明を聞きまして、それから質疑に入ることといたします。先ず政府当局から説明を願います。
#5
○政府委員(小倉武一君) 只今委員長からお話の点につきまして御説明をいたします。お手許に配付いたしました硫安関係二法案関係参考資料というのがございます。これを参照しながら御説明いたします。
 先ず硫安系肥料につきましての需給推算の問題でございますが、第一頁によつて御覧願いますると、供給といたしましては年間三百三十六万八千トンでございまして、これはその後生産も非常に順調でございまするし、なお四月以降におきまする増産も見込みまして、最近こういう供給量を踏んでおります。内需につきましては、これまでお話しました百七十万トンという数字を一応踏襲いたしております。輸出につきましては、これまできまりましたのが、三十万七千トンでございまして、最近の事情を申述べまするというと、供給につきましては当初の計画に比しまして、十二月におきましては多少下廻つたのでございまするけれども、一月の生産が常に伸びまして若干増産になつております。内需につきましては、この月別の仕分けが別段大した根拠は実はございませんので、過去三カ年の数量の出荷状況を見まして、これを平均をしたのであります。最近どちらかと申しますると、この内需の数字にも見えまするように、十二月から三月の頃までに出荷量が非常に多くなりまして、春肥の最盛期の四月、五月はむしろ出荷量といたしましては少いことになつておりまして、メーカーのほうから需要者のほうに出荷する時期といたしましては、相当繰上つたような傾向になつておるのがこの数字にも見えております。実績と比較いたしまして、この十二月までに実績を示しておるわけでありまするが、そういう三カ年平均に比べまして、十二月末では三万トン余り内需が当初の推定よりは多くなつております。ところが一月になりますると若干下廻つているといつたようなことでありますが、そうこれまでの数字と大きな開きはなくて推移しているということが大局としては言うことができるのではないかと思つております。現在の状況から、春肥の最盛期を迎えてどういうふうな輸出の推移と睨んで今後のことを考えるかということが只今私どもの検討をいたしておりましたところでございまして、先ほどお尋ねの輸出の問題も実はこの点にかかつているのであります。輸出につきましては、この表に載つております既定のほかに、先ほどお話しのように韓国向けの入札の状況もお話をしなければなりませんが、詳細は又後ほどお話をすることにいたしまするが、聞いておりまする点を申上げますると、韓国向けの硫安といたしましては約十二万トンが落札したようであります。なおそのほかに中共の輸出問題がございまするし、それから仏印の輸出向けが若干ございます。こういうものを四月以降殆んど六月までに輸出できはしないかというふうに考えております。そうした場合に、国内の調整用の数量との関係でございまするが、この月末在庫という欄を御覧頂きますと、この四、五、六ということで輸出が今後追加されるということにいたしまして、月末在庫をどの程度必要と考えるかということになるのでありまして、私どもといたしましては、現在のところほぼ十万トン近くのものを操作できるものとして留保して行きたいというふうに考えておりまして、余力は輸出に向けたい、かような考え方をいたしております。そこで六月までの輸出を見まして、なおその後、その後と申しまするか、現在の段階もそうでありまするが、二月が過ぎ三月を迎えるということになりますれば、なお春肥の動向についてもとより確実な見通しができると思いまするので、そこで輸出力如何ということをきめませずに、なお午後の推移を見て行きたいと思います。なお七月の問題につきましては、これはもう最盛期も過ぎる頃でございますので、別に考えたらどうかというふうに考えます。
 次は石炭窒素でございますが、供給のほうは一月が特に生産が減少いたしておりますが、その点を除きまして順調に進んで参つております。一月に生産が二万五千トンというふうになりましたのは、最後の月末在庫で御覧願いまするように、十一万八千トンの過剰な在庫になつておつたような関係上、若干生産の調整をしたからだろうと思うのでありますが、先ほどの韓国向けの入札のときに、石灰窒素六万トンを落札いたしておるようでございまするので、この在庫の状況から見まして、六万トンの輸出は行けるのではないかというふうに思つております。価格はあとで申上げますので、需給の問題としては問題がないように存じます。
 過燐酸につきましては、第三頁でございまするが、供給のほうは過燐酸及び化成を入れて百八十万七千トン、熔性燐肥その他を入れまして、合せまして二百十万四千トンということになつております。内需につきましては、燐酸質肥料全体といたしまして百七十七万トンというふうに見ております。当初百六十三万トンというふうに見ておつたのでありまするが、昨年の暮までの実情に鑑みまして、内需を殖やし、それから又月末在庫というものも若干数量確保するという意味におきまして供給を殖やしまして、内需のほうも訂正をいたしておるのであります。輸出のほうはここに御覧のような、月に一万トン程度のものが出ましたし、今後出るだろうということで計画を組んでおります。
 次は、加里の需給の問題でありますが、年間といたしましては六十九万トンの供給を計画いたしております。これに対して需要を六十二万九千トンというふうに見ておるわけであります。当初四十万トンというふうに考えておつたのでありまするが、昨年の冷害等のことがございましてから、需要が特段に伸びて参つたので、この表で御覧のようなふうに供給を増すというような措置を講じておるのであります。
 それから価格の問題でありますが、第六頁にございまして、二十五肥料年度から最近までの価格の推移がここに卸売価格につきまして書いてございまするので、御覧おきを願いたいと思います。最近のことを申しますると、二月八日までの調査では八百四十四円というふうになつております。なおこの安定帯価格というものでございますが、これは去年の秋に一種の制高価格、上を制するといつたような意味で八百五十五円というのをメーカーの売値ということにいたしておつたのでありまするが、春肥につきましては、それをできるだけ下げたいということで、又当委員会でもいろいろ御議論がありましたのでありますが、春肥の売値価格の標準的な水準としては八百四十三円というふうに話ができておりまして、その線に沿つて十二―一というのを八百三十三円というふうに下げております。燐酸についても、一応建値ができているようでありますけれども、なお実際の取引価格について、現在全購連とメーカーの間に話合が進められておるのであります。
 それから石灰窒素でございますが、これも同じような価格の表をあげてございます。先ほど話したような需給の状況でございまするので、価格は一時と比べまして非常に下つております。なお春肥につきましての価格の建値といつたものも、一応発表されたものがございまするが、三月以降の価格につきましては、メーカーのほうも再検討いたしておりまするし、全購連のほうも再検討するという建前で現在話合が進んでおるのであります。
 過燐酸でございますが、これも同じような表でございます。特段御説明を要しないと思いますが、安定帯価格というようなものとの関連を申上げますると、昨年の秋はメーカーの出し値が四百七十三円、それに比べまして春肥の最高基準は、平均的なものでございますが四百七十八円、昨年が四百七十三円でありまして、春肥が四百七十八円ということになつております。この過燐酸はほぼ基準のような価格で動いているようであります。
 次は塩化加里の価格でございますが、これは全部輸入に仰いでいるという関係で、輸入の品物が国内に到着する時期等の関係からいたしまして、動きが比較的激しいのであります。なお又輸入の価格、それから最終の価格の間には硫安或いは過燐酸等と比べまして値幅が相当ゆとりがあるように見受けられまして、そこに若干問題があるように思います。需給が逼迫しているといつたようなことがときどき現出したものでありまするので、私どもといたしましては、輸入の確保ということを重点においてやつて参つておるのでありまするけれども、今日最終価格を他の肥料並みにするというふうな段階までには至つていないのであります。
 大体春肥におきまするところの需給価格の問題につきましては以上の通りであります。
#6
○説明員(柿手操六君) 今の春肥の需給関係につきましての御説明は、いま小倉局長から政府のほうの関係の概略を御説明いたしましたから、特にお話することはございませんが、窒素肥料につきましては、電力事情がよろしいために計画を上廻り、更に肥料の合理化計画も漸次真剣に取上げられて来ましたために、相当原単位も低下するという傾向であります。生産のほうはおおむね順調であります。ただ燐酸肥料につきましては、昨年の異常な気候から加里は非常に需要が増大いたしておりますが、燐酸もやはり加里ほどではありませんけれども急激な、大体今までは燐酸は過燐酸にして百五、六十万ということで、ずつと横這いの傾向でありましたが、これ又一割程度の需要が増加する傾向にありましたので、外貨の問題も相当ありましたが、去年の暮、急遽今年度下期の燐鉱石の外貨の枠を十万トン程度拡げまして、そうしてこれによつてその需要に応ずるように今手配をいたしております。これも順調に入つて来ると存じます。現に燐鉱石のストツクも相当ございますから、この春肥の急激な需要、一割程度の需要増加に対しては応じて行かれる見通しであります。燐酸肥料につきましては、その他電力の問題も大してありませんし、燐酸肥料につきましても差当り問題なく経過するものと考えております。本年春肥の窒素、燐酸の供給につきましては、そう心配なく経過するものと、こういうふうに考えております。
#7
○委員長(片柳眞吉君) それでは説明は一応以上で終りますが、御質問がありますれば御発言を願います。
#8
○河野謙三君 どなたも御発言がないようですから、私ちよつと……。今政府の見た春肥の需給関係について御説明を頂きましたが、前提として私は前から申しますが、政府の需給計画ぐらい過去の実績において当てにならんものはないので、この間いつか衆議院のほうで天気予報と何とかいう例が出ましたが、私は天気予報と肥料の需給見込ぐらいこれは当てにならんものはないと思う。併し一応御苦心の結果出されましたから、ちよつとこの数字に従つて伺いますが、先ずこの硫安ですが、硫安の供給見込の中に、今懸念されておりますこの春の労働攻勢と申しますか、そういうふうなものが非常に心配されておりますが、こういうものはないと信じますというのじやなくて、あつた場合にどうだということもこれは考えなければならん、そういうフアクターは入つておりますか。
#9
○説明員(柿手操六君) ここの供給のほうの一月までは実績でありますが、二月以降の推定には労働攻勢と申しますか、労働攻勢によるいわゆる操業のトラブルから減産するだろうということは、これは実は見込んでおりません。然らばそういうことがあつたときには、需給関係、今年の需要に支障があるのではないかという問題でありますが、これは先ほど小倉局長から御説明いたしましたように、万一の場合に備えるために調整としては或る数量を考えまして、そうして輸出を認めて行くという方針をとつておるのであります。まあ今後の推移によつて、万一不測な事態が起りましても需要に差支えないように処して参りたい、こういうふうに考えております。
#10
○河野謙三君 そういう事態に備えての数字はこれには入つていない、要するに供給量からマイナスしていない、併し在庫数量に少し余裕を持つて、そういうような事態が起つた場合にはそれに善処したい、こういう御答弁だと思います。そういう事態が起つた場合に善処するための数量というものは、この在庫数量の中にどのくらい見込んでおられますか。
#11
○説明員(柿手操六君) これは先ほども小倉局長からお話いたしましたように、これだけあれば如何なる事態が起つてもどうということは理論的には出て参りませんけれども、大体調整用として十万トン程度のものを考えて輸出その他に処して行きたいというふうに考えておるのであります。この点につきましては、農林省の御説明と私は同じ意見であります。
#12
○河野謙三君 その点について、農林省から御説明願いたいのだが、十万トン程度というのは、これはそういう不時の場合に備えての数字以外に、先ほど十万トン前後のものとかいう御答弁がありましたが、十万トンの中にはその不時の突発事故が起つた場合のことも考慮して十万トンというものは考えておりますか、それを御説明頂けませんか。
#13
○政府委員(小倉武一君) これはそういう不時の予測し得ないような事故、そういうものを勿論入れて考えておるのでありまして、勿論そういういわば事故的以外のものもございまするけれども、そういうものも、若しそういうことが起るとすれば、考えておるのであります。
#14
○河野謙三君 事故が起つた場合のことまで考慮したら十万トンじや足らんでしよう。それとも通産省のほうで、そういう事故はもうこの春に限つてない、こういう確信があられるのですか。私は逆にその懸念が非常にあるという情報を得ておる。それは私の情報よりは、この問題に関しては柿手さんの情報が正確だと思うのです。そういう危険はありませんか、私はあると聞いております。非常にある、可能性が非常に多いと聞いておる。若し可能性が多いなら、当然一定の数量をそれに見込んでおかないといけませんよ。その危険はありや否やの見通しです。
#15
○説明員(柿手操六君) これは私としてはあるともないとも断言はしかねるのでございます。その点の知識はありませんので、河野さんは政治家であられるんだから、私よりむしろ……。私はただ一肥料部長でございまして、そういう労働問題等についての平素心がけがないのであります。私は絶対ないということも無論断言できませんし、今の硫安工業の、今までもありましたが、労使共に一昨年から出血輸出をして非常にいろいろ議論をかもし、御迷惑をかけておるのでありまして、一面硫安工業の合理化をして、そうして農村に対しても安い肥料を供給し、輸出を目指して外貨も獲得するという責務の重大なことを、硫安工業労使共に肝に銘じて精進いたしておるのであります。私は絶対にないと断言をするほどの確信もございませんが、硫安工業としても真剣なる合理化の努力をいたしておると思う次第でありまして、万々さようなことはないと信ずるのであります。
#16
○河野謙三君 お互いにないことは念願しておるけれども、絶対にないとは言い切れない、そこに問題がある。それならそのように私は供給量の中に或る程度のものをそれに備えてマイナスしておかなければいかんじやないか、今そういうことも考えておると言うが、この数字にはそういうものは入つておりませんよ。それはそれとして需要量のほうですが、先ほどの経済局長の御説明だと、昨年の暮までに三万トンくらい増加しておると、然るに手許に頂きました表によりますと、本年これからの見込みにつきましては、ただ算術計算で過去三年の平均をとつただけで、需要増加の傾向というものは現に去年の十二月まで出ているにかかわらず、この春に見込んでないというのは、どういう確信があつてこういうことをやられるのですか、これを伺いたいと思います。
#17
○政府委員(小倉武一君) 先ほど申しましたように、百七十万トンというもともとの数字が三肥料年度の平均、それに若干の農業生産事情を考慮したというようなことでやつておりまして、大筋は三カ年平均でございます。月別にそれをどう配分するかというようなことにつきましても、いろいろむずかしい点がございまして、容易にこれはきめるわけには勿論参りません。併しながら一応の推算といたしまして、これもやはり過去三カ年の平均的なものを考えるのが一番妥当であろうということで、それが絶対的に正しいといつたようなことでは勿論ございませんが、一応基準といたしましてそういう数字で配分いたしておるのであります。そういう過去の平均的なものと比べまして、十二月までの実績を見ますると、先ほど申しましたような三万トン程度のものが殖えておると、こういうことでございます。これがそのまま需要増となつて出るものか、或いはここで示しておりまするように、春肥の間にその分だけは減つて来るということで現われるかということが実は問題でございまして、三万トンだけプラスになるということで考えることも勿論できます。そういう見方もございまするが、殖えるというふうな見方をここでしなければならんということでも必ずしもございませんし、又百七十万トンというふうになつて、百七十三万トンであるという根拠も別段ないように存じまするので、結局はこの百七十万トンがもうすでに二月になつております段階におきまして、どの程度の殖え方をするだろうというその関連をみました場合の見方はどうかと、こういうことになりまするので、先ほどお尋ねのような安全性を見込んで、この百七十というのが、場合によりましては、今後の推移如何によりましては、百八十近くのものになりましても、支障がないように考えれば、それで内需の確保に支障がなかろうと、こういうつもりで計画をいたしたらばというふうに考えております。
#18
○河野謙三君 どうも小倉さん、それはあなたの良心に基いて出した数字とは私は思えない、というのは、この次の頁なり、その次の頁に出ておる加里なり過燐酸の場合には、最近までの需要の増加というものを見込んで、需要の増加の実績を見てこれを基準にして、これから迎える春肥について、加里、過燐酸の需要の増加というものは過去の趨勢をそのまま引延して春の需要量にあなたは見ているじやありませんか、ところが加里なり過燐酸はそういうふうに見るけれども、窒素肥料だけは全然別の見方、去年まで三万トン殖えたのは仮需要だと、だから今年の一月から四月までの硫安に関しては、どこまでも過去三カ年の実績でいいんだと、こういうことは、これは過燐酸なり加里の見方と硫安の見方と全然別な見方をしているのはどういうわけですか。これは確固たる根拠があると思いますが、それをちよつと御説明頂きたいと、こう思います。
#19
○政府委員(小倉武一君) これはお尋ねの加里乃至過燐酸につきましては、需要が計画以上に伸びて参つておりますような実績がございまするし、それから価格の状況などの動きも当然見るべきでありましようし、なお私どもといたしましては、県などの需要見込というふうなものも参照いたしまして、実際問題と計画とを合せたほうがむしろ適当だろうということで出したのであります。硫安につきましては同じような考え方が必ずしもできませんので、この百七十万トンでなくて、百七十三万トン、五万トンになるだろうというふうな、別段理論上と申しますか、計数上の基礎はなくても、そういう見方をすべきであるということが私どもの報告なり、或いは価格の動き方などにつきましても出て参りますならば、勿論当然すべきであろうと思いますが、必ずしもそうではございませんし、又もう一つの違いは過燐酸乃至加里につきましては、在庫につきましてさほどの見通しは実は持つておりません。年間の需要が例えば十万トンなり五万トン殖えた場合に対処できるような、実は月末在庫といつたようなものはそうないのでございますので、勿論この需要量を殖やさないで在庫量を殖やして行けば結局同じことになるのでありますけれども、硫安のほうにつきましては、調整保留といつたような考えも一方法案には現われておりますので、むしろ月末在庫のほうにそういう部分を考えたほうがよくはないか、こういうことで加里、過燐酸と硫安との計画の立て方が変つておるのであります。そこに特別の意図というものはございません。
#20
○河野謙三君 私のみならず、ほかの委員のかたも今の経済局長の答弁は納得が行かないと思う。何か硫安の需給推算については供給量をできるだけ殖やして、需要量をできるだけ抑えて、そうして在庫数量をできるだけ余計出して、今までいろいろ先附の手形の出してある輸出の案件をできるだけ多く片附けて行きたい。こういうところから、私はこれは作為的になされておると断定いたします。でありますから、これはよく一つ御検討をして頂きたいと思う。私は冒頭に言いましたようにこの需給推算なんというのはあなたのほうが出すのはナンセンスだ。供給量は一応出ておる。大体大きな狂いがなく、特に渇水期を経過した今後の供給量というのは大体出ますよ。併し需要量というのは出ないのです。これはどうして出ないかというと、農林省の行政機関によつて大きく狂うのです。例えばここで農林大臣なり、総理大臣が、春の肥料については価格は絶対に保証する。こういうことであれば仮需要は一つも起らない。農家は必要なものをその前日に買います。そうすることによつて需要量は減る。併しそれに対して断言ができないのみならず、輸出の面で常に脅かすというふうなことであれば、これからいよいよ麦肥の最盛期を控えて加里需要というのは起きたらどうしますか。私はいつも言いますけれども、農家が若しか硫安を一俵納屋にしまつても、二十数万トンになるじやないですか。二十数万トンという狂いが、僅か1俵の肥料を農家が仮需要すると大きな狂いが出る。こんなあなたのほうの需給推算なんぞナンセンスですよ。そこで仮需要を如何にして抑えるか。仮需要を如何にして起さないようにするかということは、これは行政府の責任なんです。でありますから、こういう数字は別問題として、極めて簡単に、通産、農林両省は今年の春肥について価格の点、若しくは量の問題、双方について施肥に事欠かないように、必らず責任を持ちますかということを言明して頂ければ、それが百六十万トンの肥料で或いは落着くでしよう。百五十万トンの肥料で落着くかも知れない。これを一つ言明して頂けば、私はこのナンセンスな数字の検討なんてやつているほど私は暇人じやない。でありますから、これを一つ言明して下さい。
#21
○説明員(柿手操六君) 春肥の供給につきましては、先ほど御説明いたしましたような事情でありまして、ここにお示しいたしました数量は、これは責任を以て確保いたしたい。いたす確信を持つております。価格につきましては、先ほど一般説明で小倉局長から御説明申上げましたように、全購連と各メーカーとの間におきまして、春肥の取引価格を話合つて大体きめておるようであります。私のほうも、農林省もそれぞれその事情を了承いたしておりますが、硫安で申しますというと、春肥平均八百四十三円の線を上廻らないようにすることにつきましては、私ども責任を持つて指導いたして参りたいと存じます。燐酸肥料につきましては、平均四百七十八円の線であつたと思いますが、その線を絶対に上廻らないようにいたしまして指導をいたして参りたい。石灰窒素につきましては、これはこの機会にちよつと御説明をさせて頂きますが、大体窒素肥料といたしましては、硫安系の肥料よりも石灰窒素のようなアルカリ性の肥料のほうが日本の土壤に適合するという点から、耕土培養法等の趣旨から極力これを使用することを奨励をいたしているのであります。この一両年来、少くとも五十万トンの肥料を目標に生産を督励いたし、電力の割当もいたして参つたのでありますが、いろいろな情勢から、そこまで需要が、奨励しているにもかかわらず、附いて来なかつたというような事情がやや明らかになりましたので、その点に鑑みまして、六万トンの数量を韓国復興特需に入札をいたしまして、国内の価格よりも安く輸出を取極めているのでありますが、これは現在の価格、全購連と話しております価格は、大体メーカーのところで五百円、卸売のところで五百十五円程度を話合つているようでありますが、実際の価格は必らずしもそこまで行つていないのでありますが、その目標価格を輸出によつて上廻るということのないように、これも私ども指導をして参りたいというふうに考えております。
#22
○河野謙三君 私は意地悪いお尋ねをするようですが、今の価格を維持して行くことに努力いたしますとか、維持できると思いますとか、思いますという言葉でなしに、必ず責任を持つて、適正価格で市場を安定させるように責任を持ちますということの御答弁を頂きたい。それは非常にむずかしい。あなたにすれば嫌な答弁です。併しそういうことをすることによつて、全国の農家が安心して、先ほど申しますように、肥料の仮需要が起らなくなる。お二人でそういう言明を、責任を持ちますと……、思いますじやないですよ。持ちますということを言明されることによつて、農家は安心をして仮需要が起らん。仮需要が起らなければ、そこに在庫の数量が殖えて来る。延いては国外への輸出の余力が出て来る、こういうことになるわけであります。でありますから、そういう意味で、私は意地悪くでなくて、必ず責任を持ちます、農家の皆さん御安心下さい、こういうことを、ラジオで放送するつもりで今日ここで答弁して下さい。一つお願いします。
#23
○説明員(柿手操六君) 私はここで生産の供給についても十分確信があると申上げました。価格についても、只今申上げましたような線を上廻らないように行政指導をやつて参りたいということをここで言明をいたすのでありますから、無論責任を持つという表現ではありませんけれども、そういうことを申上げた以上は、責任を持つてこれに努力いたしたいと考えております。
#24
○河野謙三君 それでは表現は違いますけれども、私が責任を持ちますという答弁をして下さいという問に対して、同意された答弁をされたものと私が解釈してよろしうございましようね。
#25
○説明員(柿手操六君) それはどうぞ……。
#26
○河野謙三君 そこで大事な問題ですが、それじや一体適正なる価格とは何かということですが、私はあとで少しく御質問申上げようと思うが、現在の市場価格は全部私は適正価格とは思つておりません。特に加里のごときは不適正極まる価格であります。この価格を以て維持されるということは困る。でありますから、私の言う適正なる価格というのは、現行の市場価格を適正という前提ではありませんから、それは誤解のないように一つして頂きたい、かように存じます。それからこの過燐酸ですが、昨年の十二月末までにどのくらい殖えていますか。
#27
○政府委員(小倉武一君) 殖えておるとおつしやる意味が……。
#28
○河野謙三君 あなたの当初の需給推算の見込に対して、実際の需要量はどのくらい殖えておりますかというのです。
#29
○政府委員(小倉武一君) 先ほどの資料の五頁を御覧になつて頂きますとあるのでありますが、燐酸質肥料の欄がございますが、それに二十七肥料年度需要の実績、二十八肥料年度需要の実績と分けてございます。二十七年度は実績でございまして、二十八年は計画の部分でございますが、当初の計画は、この二十七年度を百六十五万というベースで考えておつたのであります。従いまして十二月末までの点となりますというと、この二十七肥料年度の実績と比べて頂ければ、ほぼ近い数字ではないかと存じます。
#30
○河野謙三君 これは先ほどの話にちよつと戻りますけれども、それだのにかかわらず、硫安だけ三万トンも殖えているのに、硫安の春肥の需要見込をなぜ多く見込まなかつたのかというところに私は問題があるのです。併しこれは話が重複しますからやめます。ほかの委員のかたからも御質問があると思いますから、最後に加里の話を伺いたいのですが、如何にも現在の加里の消費者価格が輸入価格との間に幅があり過ぎるのですが、よくわかりませんが、一つ加里肥料の輸入から農家の手に渡るまでの流通過程の機構を御説明願うと同時に、その各段階別に、例えば輸入業者が幾ら手数料をとるのか、それから卸業者が幾らとるのか、小売業者が幾らとるのか、そうして塩化加里の場合に、最後に農家に九百円で行くのだ、この一つ加里の取引機構の御説明をお願いすると同時に、この各段階の現行の手数料についてわかるように説明して下さい。なおついでに加里等輸入肥料、肥料に限らず、輸入されるものには船賃であるとか、その他最近はやりのリベートというものがよく附きものでございますが、そういうものが若しあつたら、それはどこの段階にどういうリベートがあるか、これも一つ御説明願いたい。
#31
○政府委員(小倉武一君) 加里の輸入から消費までの点でございますが、輸入商が輸入いたしましたものにつきまして、いろいろ輸入の諸掛りがかかります。これに輸入の手数料といつたようなものが加わりまして元卸しの原価になるわけでございますが、これに運賃その他マージンを加えまして元卸しの価格になると思います。これが元卸しに行きまして、元卸しのマージンが加わつて卸しの着駅オン・レールの価格になります。これに更に小売のマージンなどが加わりまして小売価格ということになるのであります。御指摘のように硫安等と比べまして、加里の中間マージンが多過ぎると申しては語弊がございますが、これは確かに多過ぎる。比較的に言えば多過ぎることになつておるように見受けられます。この一つの原因は、その点についてはお尋ねはなかつたのですけれども、何と申しましても、昨年の急激な需要増が一つの大きな理由じやないかと思いますけれども、それはともかくといたしまして、値幅から申しますると、元卸しのマージンと運賃、これが「かます」当りにいたしまして、五十五円から六、七十円かかるのじやないかと思います。卸しのマージンは、硫安等の例でございまするが、十五円見ることで十分じやなないかというふうに思います。実際の価格を見まするというと、例えば着駅オン・レールの価格にいたしまして八百十円程度でよくはないかと見られるのが、八百二、三十円になつている。或いは小売価格にいたしましても、この程度でよくはないかと思われる値幅よりも若干上廻つているということになつているようであります。尤もこれは比べる時期を同じ時期にとることがいいかどうか、いろいろむずかしい問題がございまして、正確にどの程度ということは算出はしがたいのでございますけれども、御指摘のように他の肥料と比べまして、そこに若干値幅が多いということは事実のように思います。
#32
○河野謙三君 私は具体的に一つ御説明願いたいのだが、例えばドイツか、フランスか知らんけれども、向うの加里会社がCIFなり、FOBで一袋幾らで日本の貿易商社に売つて、その貿易商社が買つたものを今度は卸商に幾らで売つて、卸商が小売商に幾らで売つて、そして最終が九百円になる。最終の九百円というのは事実なんだから、今あなたの御説明で行くと元がわからない。一体外国の加里会社は一袋幾らで日本の商社に売るのですか、それを一つ御説明願いたい。それからついでにお尋ねしますが、私が承知しているのは、僅か六十万トンや七十万トンの加里の輸入に対して、輸入商社二十六社とか、二十七社とか聞いておりましたけれども、昨日の砂糖の話じやないが、甘いものに「あり」がたかるように、六十万トンや七十万トンの加里の輸入に、二十六社も七社もの輸入業者になぜ扱わせなければならないのか。こういうものに対して政府は何ら干渉しないのですか、又指導しないのですか、これも私は伺いたいと思います。
#33
○政府委員(小倉武一君) CアンドFの価格から小売価格までの数字的な問題につきまして、一応推算したものがございまするので、よろしければ申上げます。
#34
○河野謙三君 農林省や大蔵省が、加里の輸入については加里の輸入の枠と同時に、輸入の商談がまとまつた場合には、今度の船の分は幾らということは当然報告を受けているでしよう、又聞いているでしよう。推算ということは私はおかしいと思うのだが、又報告の責任を持たしていないにしても、これは当然あなたのほうから、担当者から積極的に、ワン・ロツトごとにその価格については事情がわかつているはずです。これを伺いたいと、こういうのです。
#35
○政府委員(小倉武一君) 勿論輸入価格ははつきりしているわけでありますから、それはいいのでありますが、その後の諸掛りをどういうふうにするかということになりますと、幾段階か経て価格が形成されるのでございまして、やはりそこは推算ということになりますので、そういう意味で申上げたのであります。他意はございません。
#36
○河野謙三君 ですから諸掛り等が我々のほうで自分でわからなければ、又専門家に高いか安いか調べさせます。わからないものはのけて輸入価格幾ら、全購連なら全購連が幾らで買つている、全購連が幾らで県連に売つている、単協に幾らで売つているということを一つ……。全購連に限つたことではございません、商人の系統でも何でもいいですから、それを一つ段階別に価格をお示し願いたい。九百円という小売価格ではないと思う。が現実にはそういう価格で売られている。大事な外貨を割当して加里を輸入するだけが能じやありません。輸入したものを合理的な価格で農家に届けるというのが政府の責任です。ただ数量を入れさえすればいいのだ、大蔵省と交渉して今度は六十万トンに殖やした、七十万トンに殖やした、それもあなたたちの御努力には大いに敬意を表しますけれども、同時に尻が抜けてはいけません。その価格については、やはり政府が責任を持つというくらいの態度でなくてはならない。血の一滴と言われる大事な外貨を割当した以上は、その責任を積極的に持たなければいかん。そういう意味合で伺つている。
#37
○政府委員(小倉武一君) 数字の点については、ちよつと肥料課長のほうから申述べさせます。
#38
○説明員(林田悠紀夫君) 先ず塩化加里でございますが、五〇%の塩化加里をとつて見ますると、CアンドFの価格は先ほど申しましたようにはつきりしているわけであります。
#39
○河野謙三君 幾らですか。
#40
○説明員(林田悠紀夫君) 六十八ドル四十五セントであります。
#41
○河野謙三君 わかるように一袋当りの円貨に直して言つて下さい。
#42
○説明員(林田悠紀夫君) これをトンに直しますと二万四千七百三十円九十九銭、有り姿に換算しますと、一万二千三百六十五円五十銭です。
#43
○河野謙三君 いや、ちよつとそこに試算ができておると思いますが、わかりやすく、私は農家が今九百円で買つておるならば、一袋単位幾らということがわかつたら……。
#44
○説明員(林田悠紀夫君) あとで一袋単位に直しますから……。それに輸入諸がかりがかかるわけでございます。輸入諸がかりにつきましては、我々のほうではCIFの価格ははつきりしておるわけでございますが、その輸入諸がかりが幾ら要つたということは、これは推算以外に出て来ないわけであります。一応推算をしてみますると、七百四円ぐらいのものになるのであります。で、そのほかに沿岸の荷役料とか、或いは包装費、それから輸入手数料というものがかかりまして、倉庫置場渡しの価格を推算してみますと、一万五千六百六十七円ぐらいになるのであります。これを「かます」当りに直しますと、五百八十八円ぐらいになるのであります。これに元卸のマージンと、それから全国への運賃というものが加わるわけであります。これをまあどういうふうにみるかということになりますが、運賃は大体四十五円ぐらいになる、こういうふうに考えられるのですが、元卸のマージンをどうみるか、そういうふうなことになつて参ります。このマージンの見方によつて異なりますけれども、その上はマージンの見方によつて異なりますから、大体まあそういうふうなところで倉庫の置場渡しは五百八十八円ぐらい、こういうことになります。これに元卸のマージン、それから運賃、それから卸のマージン、それに小売のマージン、こういうふうなものが加わつて最後に小売価格が出て来るということになるわけであります。それで二月一日の共同通信の調査に基きますると、大体卸の価格は七百五十円ぐらいになつております。
#45
○河野謙三君 そうでしよう。今おつしやるように五百八十八円、これについてもまあ少し問題がありますが、仮に五百八十八円の御価格を是認して、それに卸の口銭なり、国内の運賃、更に小売の口銭等を見ましても、どういうふうに計算してみても、七百円以上はちよつと私は不当だと思う。それが九百円とは一体どういうことなんです。これは現実にあなたのほうでも御調査があるでしようが、それはまあ場所によつて八百六十円も七十円もあるでしようけれども、逆に九百二十円、三十円もある。これはどういうことなんです、これを一体なぜ政府は放置しておくのです。それとも何か止むを得ない事情があるのでしようか。これを私は伺いたい。
#46
○政府委員(小倉武一君) これは加里の需給の面から出て来る問題だけでは勿論ございませんでしようけれども、本年のやはり加里の市場の異常の増大ということが根本的な理由じやないかと思うのでありまして、供給の確保ということを通じまして、価格の安定に資するという以外にはちよつと方法がないのじやないか。勿論これは今後の措置といたしまして、新たな政策を立てるといたしますれば、或いは考え方があるかと思いまするけれども、私どもの持つておる行政措置といたしまして卸或いは小売につきまして特別の価格の安定策を直接に講ずるというのは、今のところなかなか困難ではないかというふうに思つております。
#47
○河野謙三君 去年の六月や七月や八月の頃の一時まあ政府の見込み違いと言いますか、加里肥料が非常に逼迫した時代の一時的の現象なら、私は需給関係ということも納得しますよ。併し伺いますが、現在は加里は五百八十円の卸売価格が九百円で農家の手に渡つておる。それほど加里は需給関係は乱れているのですか、需給関係は逼迫しているのですか。加里の需給の現状は、先ほど手許にもらいましたものによりますと、ちつとも逼迫してない。これはどういうことです。
#48
○政府委員(小倉武一君) この現在の小売価格等と比べまして、小売価格から逆算いたしまして考えられる価格、或いは輸入価格からみて考えられる小売価格というものとの間には相当の幅があることは、これは事実でありますが、先ほど申上げました数字の五百九十円というところの数字は、輸入いたしまして倉庫に入つたときの価格でございまして、これに元卸、卸のマージン、それから運賃、小売でございますれば小売のマージン、或いは運搬費といつたようなものが入つて参りますので、直接に五百九十円というものと小売価格というものとは比較にならんのでございますけれども、幅があることは、これは事実でございまするので、その点につきましての措置につきましては、私どもといたしましては、何と申しても価格の強調を示すというのは、如上の問題が先ず最初に考えられますので、先ほどのようなことで今日まで推移して参つたのであります。
#49
○河野謙三君 くどいようですけれども、需給関係は私は今現状においては逼迫してないと思うのです。然るにこういうふうな不当な小売価格が市場価格となつていることについては他に私は原因があると思う。私はそれはもう率直にお認めにならざるを得ないと思う。成るほどこの五百八十八円、これは卸売価格、それにそのものにいろいろ手数料、運賃を加えましても百五十円プラスするだけでしよう。仮に卸売価格を六百円として大ざつぱに百五十円プラスしても七百五十円じやないですか。然るに九百円とは一体何だという。それをどうしてそのままで放つておかれるか、私は需給関係じやないと思う。あなたの御説明によつて需給関係からそういうものは出て来ない。逼迫の現象は出て来ない。これはほかに原因がある。あなたのほうでその原因は追及されていると思う。これに対して追及ができたならば、どういう具体策を以て善処されるか、そういうことと、なお時間を節約する意味で結論を申しますると、先ほど春肥については適正な価格で安定させる責任を持つ、こうおつしやつた。その場合の加里肥料の適正な価格というのは一体どこを指しておられるか、これを私は伺いたいと思う。今の九百円や八百六十円じやないと思う。加里肥料の春の価格はどこを適正な価格と押えて安定する責任を持つか、これを伺いたい。柿手さんはどこかへ行つちやつたが、柿手さんと共にあなたは責任を持つたのだから、これを御答弁願いたい。
#50
○政府委員(小倉武一君) 加里の需給の問題でございまするが、最近までの価格が輸入価格に比しまして大幅なマージン、幅があるのではないかというお話は、やはりまあ最近、これは時期によりまするけれども、需給が逼迫しておつたということの大きな現われではないかというふうに私どもは見ております。勿論いろいろの中間機構の問題等といつたようなこともございましようと思いまするが、何と申しましても、需給の問題が大きな問題ではないかというふうに思います。それから加里の春肥価格の安定の問題でございまするが、この点につきましては、国内産とは違いまするし、私どもの一存で以て、勿論見解をお述べいたしますことも如何かとは存じますけれども、硫安、過燐酸、かような同じようなやり方と申しまするか、というふうになかなか参らない性質のものでございまするので、ここで例えば春肥の最高と申しまするか、或いは平均価格幾らというふうに抑えることはなかなかむずかしいように存じます。
#51
○河野謙三君 私は今の経済局長の答弁は非常に不満ですね。硫安や過燐酸と性質が違うという。硫安や過燐酸こそあなたのほうで原価計算もできていない。原価計算ができないから値段は抑えにくいと、こう言つておられる。そういうものでさえも政府は圧力をかけて安定帯価格をきめておきながら、加里の場合はちやんとドイツやフランスから幾らで買つたということはわかつているじやないか。出発点がわかつている。これで積み上げて行けばいい。これに対してどうしてあなたのほうは、こんな簡単なものに対しての安定帯価格というものが出せないのか。出発点のない、土台のぐらぐらしている硫安や過燐酸さえも、あえて大きな農政の一環として安定帯価格を作つている。然るに加里はわかつている。土台がちやんとわかつている。それを積み上げて行けばいいものである。こんなものは高等学校の卒業生だつて原価計算はできる。もつと極端に言えば小学校の生徒だつて原価計算ができる。これをどうして私は小倉さんともある立派な人が……、硫安や過燐酸の場合と違う、逆に、私は加里はできますけれども、硫安や過燐酸はできませんというならば私は受取ります。併し何か経済局長少し違やしませんか、あなたのお話は……。加里については、価格はどこが適正であるかということを一つおつしやつて頂きたいと思う。
#52
○政府委員(小倉武一君) むずかしいと申上げましたのは、輸入価格が明瞭でございまするし、その事後の諸掛りと言つたようなものが製造工業でございません。いわば普通のあり来たりのものが多うございまして、勿論原価計算といつたようなことから申しますれば非常に簡単なことでありまするけれども、そういうことでございませんで、例えば輸入価格という点につきまして、成るべくそれをセーブさせる。相手が何しろ独占企業体でございまするから、なかなかむずかしい点もございまするが、そこで我々が或る程度輸入価格を安くするという努力は常々これまでもやつて来たことでございまするが、事後の取引の問題になりますると、問題はむしろそこにもあるように思いまするので、その点につきましての価格ということになりますると、なかなかむずかしいではないかということを先ほど申上げたのであります。
#53
○河野謙三君 私は申します。今ドイツの加里会社の副社長とかという人が日本に来ております。私は実は昨日その人に、あなたが帰る前に会わせてもらいたいということで面会を申込んで、明日の晩飛行機で立つものですから、飛行機で立つ前、明日の午後零時半に私はその人に会見を申込んでいます。それで明日会うことになつています。それは今までいろいろ申上げたように、加里肥料の取引について非常に私は不明瞭であるから、直接その責任者に会つて、私は日本の農民を代表するような意味で訴えようと思つている。今申上げました取引におきましても、二十数社のインポーターのおもちやにされるような加里肥料は困る。同時に加里の原価につきましても、私一昨年御承知のようにアルサスに行つて加里の山の中にもぐつた。尤も加里というものは元はただみたいなものであるということを見て来たのです。こういうことを基礎にして、私は明日、当然これは私一個人の話でありまするから、直ちにそれは具体化するとは思いませんが、日本の農民の気持だけは私は伝えるつもりでおります。今おつしやることはどうしてもわからない、取引は何も一船ごとに取引きするのではない。相当長期に亙つて取引しているはずである。従つて元値がきまつて、それで積み上げたもので、私はどうして適正な安定帯価格というものをあなたのほうでは指示しないか。大体外貨の割当をするときには政府は恩にきせてかき廻し、割当したあとはどうですか、尻が抜けている。昨日の砂糖の問題で然り、燐鉱石の問題で然り、加里の問題で然り、輸入物資についての外貨の割当の段階だけは大騒ぎする。物が入つて来たあとのことは少しも責任も持たない。柿手さんは今お留守でしたが、加里の価格については一体幾らが適正の価格であるか。あなたが責任を持たれるという春肥の加里の適正価格は幾らであるか。元値だけはわかつた、卸しの値段が八百八十八円か八百九十円かということがわかつた。一応それを是認して、私の計算では大ざつぱに、それに国内の運賃や卸しや小売の口銭を入れても百五十円プラスすれば間違いないだろう。そうすれば七百五十円にもならない。然るにそれが九百円だということは不適正じやないか。だから適正な価格は、私の計算するように、小売価格は七百五十円が適正であるか、七百三十円が適正であるか、七百八十円が適正であるか。ここらのところを硫安や加里と同じように、政府は春肥の価格についても指導してもらいたいということですが、柿手さんの御観察では加里肥料は幾らが適正かと思いますか。
#54
○説明員(柿手操六君) 通産省軽工業局化学肥料部長たる私といたしましては、加里肥料は幾らが妥当な価格であろうかということを申上げる権限もちよつとない。従つて責任もないように思うのであります。と申上げますのは、私の所管は、化学肥料の生産行政、主として加里、硫安、石灰窒素、過燐酸等の生産行政であります。加里の輸入及び配給に関することは私の所管でないのであります。これは私長年肥料のことをやらせて頂いていますから、個人的な、この辺だろうということを感じないこともないのでありますけれども、これは私の所管外であります。御了承頂きます。
#55
○河野謙三君 形式的の責任者でないことは知つておりますけれども、何せ世間で言う肥料の神様でありますし、幅の広い柿手さんのことでありますから、一応私に加里の適正価格についての御教授くらいは頂けるのじやないかと思つたのですが、併し立場上又越権のそしりを同僚から受けてはいかんということもあるでしようから、私はまあ非公式に一つあとで伺いたいと思います。もう一度くどいようですが、私は最後に伺いますが、経済局長は加里の需給関係、需給関係とときどき言いますが、私はこれだけははつきりしてもらいたいと思うのだ。去年の六月、七月の頃に加里肥料が最も需給逼迫した頃、その頃でも化成肥料を作るところの会社には加里の原料が切れたということは私は聞いていない。若し供給不足であるならば、先ず化成肥料の原料に使うところの、それらの会社に加里肥料が切れた、何もなくなつたといつて、いよいよ農家のほうにも加里が間に合わなくなつたというなら、これは順序として受取れます。併し切れるのはいつでも農家のほうであつて、化成肥料の工場には加里肥料が切れたというためしがない。この事実はお認めになると思う、今後も加里肥料の需給関係がバランスが乱れることがあるかも知れません。その場合に一体そういうふうな問題が再び繰返されないような適正な処置はとつておられますか。それとも今私が申上げた前提が、いや、加里肥料が農家にないときには化成肥料の工場にもなかつたのだ、私の言うことが間違いであつたのだというのなら、それは反駁してもらつて結構です、これを一つ伺いたい。
#56
○政府委員(小倉武一君) 筋としてはお説のような事情があつたかと思います。しばしば御指摘になりまするように、化成肥料は比較的割高でございますので、多少高く買つても引合うというようなことが、恐らくそういう根本理由であろうと思いますが、そういうことのために化成に代りまして単肥としての加里が使われにくいというような場合、或いは更に先ほどお話のありましたような加里の価格の安定といつたようなことにつきまして、勿論今後も、これまでも努めたのでありまするけれども、更に輸入、元卸のところにおきまして外貨の割当等に際しまして、できるだけの行政上の指導と申しますか、注文を付けまして、単肥の供給確保或いは価格の安定ということに今後も努力したい、かように存じます。
#57
○河野謙三君 大蔵省のかたや何か見えたそうですから、私はこれで質問を打切りますが、今の問題はこれは御答弁は求めませんが、十分考えてもらいたいと思う。よくお互いが食糧の配給時代に経験したことなんです。我々は魚屋に行つても魚がない。我々の魚の配給はとまつた。ところが料理屋に行くと幾らでも魚が食えた。肉屋に行くと肉がない。我々の肉の配給がとまつた。ところが料理屋へ行けば幾らでも厚いビフテキが食える。こういうことがありましたね、お互いに記憶がある。それと同じことが今の加里肥料ですよ。農家が行つても加里肥料が買えないのだけれども、化成肥料の工場には加里の原料がたくさん出ているというのは、今の私が申上げた例と全くこれは同じものだ。そういうことはいい政治ではありません。いい肥料行政ではありません。これについて御心配なさつておることはわかるけれども、もつと積極果敢に肥料行政の検討をやらなければならんと思う。そういうことについて通産省や農林省の意見が違うのはおかしいのだ。私は真剣に申上げる。お互いに配給時代のことを考えて下さい。そういうことで一体よろしいかどうか、我々は配給の問題だが、農家の今の肥料に対する心境というものは、我々が肉屋へ行つて肉が買えなかつたけれども料理屋へ行つたらビフテキが食える。これと同じ心境が今の農家の加里に対する心境です。こういうものに如何に縄張り争いがひどいからと言つたつて、通産省と農林省の意見が違うのは以てのほかだ。もう少し大所高所から農村の問題を考えて、我々は何も農林省の出先機関でも何でもない。御承知のように私は農林省のほうには恨まれることを言うのですが、私は率直に申上げる。我々は農林省の出先でもなければ、ひいきでもない。ひいきするなら相撲か何かひいきしますよ。ですから私はこれは通産省だけに言うのではない、農林省も通産省も虚心坦懐に、狙いは一本にして、そうして肥料の価格を安定させる、農家が安心して肥料の手当ができるように私は十分の御善処を願いたい。特に加里肥料につきまして非常なもろもろな不明朗な問題がありますから、これを是正して頂くことをお願いして、私はあとの関係がありますから質問を打切ります。
#58
○委員長(片柳眞吉君) 肥料の問題はまだたくさん問題があろうかと思いますが、法案の審議と関運して又御審議を願うことにいたします。
  ―――――――――――――
#59
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農林省関係の公共事業の件を議題といたします。
 先般の委員会におきまして、農林大臣に対する質問の際に、農林省関係の公共事業に対する国庫補助金等の経理に当を得ないものが多く、これが二十九年度農林関係予算削減の原因となつているのではないかということで問題になりまして、その辺の事情を明らかにするため、会計検査院及び大蔵省当局からの説明が求められておりますので、本日は会計検査院の小峰第三局長、大蔵省主計局の柏木主査計官が見えておりますので、この検査院と大蔵省当局から、今の線に沿いました説明を願いたいと存じます。先ず会計検査院のほうから説明を願います。
#60
○説明員(小峰保栄君) 農林関係の公共事業費のうち、国庫補助事業につきまして、私ども数年来この検査をやつておりますが、その経過を御報告したいと思います。
 昭和二十六年度から農林省関係の国庫補助事業を、私どもとしては本格的な検査、と申しますと、えらい口幅つたいのですが、全国の農林関係の補助事業の現場というのは何万という数で、数えるほど多いのでありますが、このうちの五、六%しか実際上検査できないのでありますが、先ず大体代表的なものを検査いたしまして、傾向としての補助工事というものの実態はややつかめたのではないだろうか、こう思つております。二十六年度までは断片的にはいろいろ補助の不当経理と申しますか、不正工事と申しますか、そういうようなものもぼつぼつつかんでおりましたが、全国的に統一的な方針で検査を始めましたのは二十六年度、歴年で申しますと二十七年からということになります。それで二十六年度の検査につきましてはすでに、二十七年度もそうでありますが、検査報告の形で国会に御提出いたしまして、決算委員会で現在慎重な、特に小委員会をお設けになりまして慎重な審議を継続しておられるわけであります。
 二十六年度は、検査時期は二十七年でありますが、二十七年は全国的に四十六都道府県というものを、数は少うございますが、ともかくも一応検査して歩いたということになるわけでありますが、その結果、それまでにいろいろ噂には聞き、断片的にはわかつておりましたが、実態というものはなかなかつかめなかつた補助工事というものの片鱗が窺えたわけであります。検査報告に載せまして国会に御報告した悪い工事というのが二百七十三件、金額にいたしまして、補助金が過大に支払われていると思われましたものが一億三千三百万円、こういう集計が出たわけであります。更に二十七年度、昨年検査いたしましたわけでありますが、これにつきましては前年の二百七十二件、これは一件十万円以上で申上げております。もう少し小さいものまで検査いたしましたが、十万円以上で一応申上げておきます。二十七年度は前年の二百七十二件に対しまして実に千七百五十七件というものが私どもの検査の結果わかつたのであります。それから補助金の過大に支払われているという金額、これが六億八千七百万円ということが検査報告に載つております。金額的には実はあまり大きくないという御印象をお受けかも知れませんが、会計検査院の検査結果の報告というものは非常に実は堅過ぎるくらい堅く金額なんかも弾きますので、相当にこれは小さく結果的にはなるのであります。で、引続き二十八年度分につきまして、現在私どもは検査をやつているわけでありますが、二十八年度は御承知のように未曾有の大災害がございまして、普通ですと、大体二十八年度の検査は二十九年の四月以降に始めるというのが今までのやり方であります。併しながら、どうも過去二カ年間の結果によりますと、工事ができてしまつて補助金を交附して、あとから検査に参りましても、もうあとの祭り、文句を言うだけでよくならないということで、こういうようなわけで使われましたので、現在では少し早目でありますが、まだ工事に着手しない、査定を受けたばかりというようなところも、すでに現在全力を挙げて実は検査をやつているわけであります。すでに農林関係につきましては、一番大きな災害を受けた県、一県でありますが、検査を終りまして、若し御質問があれば、その結果についても御報告できる段階になつております。これは私ども実は相当に災害の復旧費の査定額が多いもので、見当を付けて行つたのでありますが、私どもが予想した以上のまあ水増しと申しますか、災害便乗と申しますか、そういうようなものがたくさんに発見されまして、私どもとしても驚いているようなわけであります。
 以上大体昭和二十六年度から始めました全国的の検査というものの概況を御報告したわけでありますが、先ほど申しました検査結果として、二十六年度が十万円以上が二百七十数件、二十七年度が千七百件余り、こういう数が出た。これは一体どんなものがあるかということ、こういうことは誰しも疑問に思うのでありますが、ケースは千件も千七百件も出ましたが、結局はどうも人間の考えることでありまして、不正と申しますか、不当と申しますか、これの態様は大してそう複雑なものはないのであります。大体七種類か、八種類にこれは分類いたしますとできるものであります。一番大ざつぱに分けますと、先ずその査定が十分に行われなかつたために招いた不正工事ということが先ず第一類に挙げられるわけであります。第二類に分けられますものは、施工において欠陥があつたもの、言換えますと、施工の監督がよくなかつた。或いは施工をいたします事業主体なり、請負人なりのやり方がまずかつた。この査定上の欠陥に基くものと、施工上の欠陥に基くもの、大ざつぱに分けますと、この二つの分類に分けられるのであります。それで査定の悪いものの具体的な例を申上げますと、先ず第一に架空工事、これは一番質が悪いのでありますが、これは申上けるまでもなく全然災害を受けておらない、従つて災害復旧工事もやつていない、そういうものに対して国庫補助金が行つているというのが、ここ数年間農林、建設を通じまして毎年幾つか私どものほうにわかつております。それから二重査定と申しますか、農林省と建設省と両方から補助金をもらつてしまつた。それが私どもが検査に行くまでそのままになつていて、補助金の二重取りになつている。こういうようなものの数は、勿論そういうのが、たくさんあつちや困ります。そう多くはございませんが、こういう事例もあります。それからこれは世の中に非常に多いと言われるものでありますが、いわゆる便乗行為、災害を受けた場合に、それに便乗して改良的な工事をやる。ちよつと災害を受けたのに非常に大規模な復旧工事をやつて、従来とは似ても似つかない立派なものを作つてしまう、こういうようなものがあるわけであります。
 大体査定の不備によるものは、今まで申上げたものが主たるものでありまして、それから施工の不備によるものというのは、一番遺憾なのは、いわゆる粗漏工事と申します、私どもは粗漏工事と名前を付けておりますが、検査に参りますと、昨年補助金をもらつて工事が完了しているのに壊れてしまう、その後、水が出ましてもう壊れてしまう、こういうようなものも全国に相当ございます。それから数が非常に多いのは設計通りの仕事をやつていない。いわゆる出来高不足と申しておりますが、設計通りの出来高がない。これは実は一番数が多いのであります。それからこの実施設計と申しますか、査定のときには一応設計を作つて、農林省にお出しするわけでありますが、それに基いて災害復旧工事費というものはきまるわけでありますが、この査定は非常に急ぐ関係で、相当大ざつぱな設計をやるというのが実情でありますが、実際に工事をやるときには、これを元にいたしまして、現地について細かい設計をやり直して、そうして実情に合つた設計を立て直すということになつておるのでありますが、実際には実施設計は表紙だけは実施設計になつておりますが、内容は査定設計のまま、それで非常に大ざつぱな設計でやつているというものが、相当にこれは農林省でも建設省でも多いのであります。こういうふうに大体実施設計が悪い。それからできが悪いというようなものに、この施工上の欠陥に基くものは分けられるのでありますが、更に二十六年度の検査、二十七年の後半に私どもが具体的に事例をつかんだのでありますが、地元の事業主体が、これは御承知のように災害復旧工事でも何でも、国庫補助事業というものは何割かの地元負担というものが伴うのであります。災害復旧で申上げますと、従来の原則的な国庫補助というものは六割五分かと思います。三割五分というものは現金なり、労力なり、何らかの形で事業主体に負担してもらわなければならんのであります。そういうふうな法律上の建前になつておるわけであります。この三割五分なり、或いはものによつてはもう少し多いものもありますが、これの正当な自己負担を忌避する傾向が非常に多いのであります。これは噂には随分いろいろなことで聞いておつたのでありますが、二十七年の後半に至りまして、私どもの検査で具体的なそういう面を見つける検査報告をとつてみたのであります。そうすると、ぞろぞろ全国から出て来た。昨年、二十七年度は先ほど申上げましたように千七百五十七件というものは十万円以上の検査で見つかつておりますが、そのうち実に千五百十五というものは、この正当な自己負担をしていないという案件なのでありまして、中には国庫六割五分の範囲内でやれるんならやつてしまつて、余りを持つている。六割五分以下で工事をやつてしまつて金を余らしちやつて自己負担をしないどころではなくて、国庫負担の頭をはねてしまつた。こういう事案も相当数見つかつて来たのであります。そこで私どもとしては、こういうようないろいろ悪い事態を千五百も千七百も見つけましても、一応ただ検査報告の形で御報告するだけでは、一体これはいつまでたつてもよくならないのではなかろうか、こういうことで、昨年の初めの二十六年度の検査結果によりまして、先ほど申上げましたように二百も三百も見つかりましたが、分類しますと結局七つか八つのものと同じことであります。七種類か八種類になりますので、それぞれの原因、それからこれに対して対処するにはどうしたらいいかというようなことも考えて、いろいろやつておりましたところに丁度昨年のあの六月、七月頃の大水害、又このまま放つておきまして、会計検査院があとで見つけて歩くのではこれは何にもならん、こういうような考え方から、前年度の検査結果に基きまして、八種類なり九種類のそれぞれの事案につきまして原因を調べ、対策を書きまして、各省、これは農林省も入つております。農林省なり、それぞれの省に照会の形で会計検査院の意見を表明して改善を図つておるわけであります。参議院も一度どういうふうにしたらいいか、今の小委員会の御決定によりまして、会計検査院の意見を求められましたので、一々の分類につきまして原因、対策というものを書きまして、実は詳細に資料として御提出してあるわけであります。結局のところ、先ほど最初に申上げましたように、査定の悪いものは査定をよくして行くよりほか仕方がないわけであります。それから施工の悪いために起きたようなものは施工上の監督というような面を強化するよりほか手がないわけであります。査定につきましては、昨年の大水害に対しまして建設省関係などでは相当に査定事務の強化ということをおやりになつておるようであります。で、査定で一番問題が多いのは、いわゆる机上査定、机の上で査定をしてしまつて現場を見ない、本来ならば、これは必らず現場を見てからでなければ災害復旧費は幾らということがきまらないわけであります。事業の主体の出しました文書だけで査定をおやりになる、いわゆる机上査定であります。これが非常に全国に多いのであります。いわゆる問題を起します案件は主として机上査定であります。農林省の実際で申上げますと、今まで大体箇所数にいたしまして二割見当しか実際に現場を御覧になつていないのであります。八割ぐらいは書面だけを御覧になつて、県庁なり或いは東京に書面をおとりになつて、それで工事金額をきめてしまうというのが現実の姿なのでありまして、ここに査定上の結果に基く不当工事というものが発生するわけであります。先ほど申上げました架空工事だとか、二重査定なんというのは、これはあとから見ますと誠にどうも不思議なものでありますが、こういうものが全国にあとを断たない。それから便乗工事、こういうものがあとを断たないというのは、やはりこれは査定の結果が不十分、こういうことになるわけであります。それから地元が正当な自己負担をしなかつたり、工事の手抜きをする。こういうようなことは、やはりこれは施工上の監督なり、何なりの機能が十分でない、こういうことに基因するわけであります。これは主として府県というものの監督機構が問題になるわけでありますが、こういう面の充実ということも是非心要なんじやないか。こう考えておるわけであります。
 非常に簡単でありますが、大体お話をこれで終わりますが、一つ一つの事実につきまして、細かい御質問がありましたら又お答えいたします。
#61
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと大蔵省からも一応説明を聞いて御一緒に一つ……。
#62
○説明員(柏木雄介君) 只今検査院のほうから、農林関係の補助事業に不当不正が多かつたというお話がありましたが、二十九年度の予算においてこれがどういうふうに反映したかということでございますが、まあ検査院のほうからお話がありましたように、災害復旧工事にまあ一番問題が多かつた。私どものほうも実は前々からいろいろ問題があるということを聞いておりましたし、昨年の六、七月の災害以来、まあいろいろ問題がある事を承知いたしておりましたので、二十九年度の予算の編成の前に、昨年の十二月初旬、中旬にかけて、全国約一万件の、これは農林省だけでございませんが、公共事業、食糧増産関係の災害復旧事業費につきまして、約一万件の抜取りのまあ監査をいたしました結果、検査院からお話がありましたと大体同様なことがわかりまして、それに基きまして二十九年度査定に当りましては、各省の査定額に対して、更に相当程度の査定を加えて予算を編成した次第でございます。検査院のほうからお話がありましたように、一番問題の多いのはやはり机上査定という問題と、第二は便乗工事と申しますか、改良工事、災害の際に特に改良を大いにやるというような傾向が多分に見られる。それから机上の査定の中では二重査定、架空工事というような問題が随所に発見されまして、その結果大体申しますと、各省査定額に対して大体三割の査定をいたしまして、二十九年度の予算を編成した次第でございます。で、我々のほうとしましても、勿論各省の査定のやり方が悪かつたということだけにおいて批判するだけでございませんで、是非この際再査定をお願いしたい。まあこれだけの問題になつておりますから、各省方面において十分反省されて再査定をお願いしたい。その意味から、農林省のほうはたしか近々再査定に出かけると思います。建設省のほうも恐らく新年度早々各地に参つて再査定に行かれると思いますが、その結果によつて実情はもつとはつきりする、そういうことを期待しております。
#63
○委員長(片柳眞吉君) なお農林省の農地局の災害復旧課長も見えております。もう大体説明はこれで……。
#64
○清澤俊英君 問題になりましたがね、こうやつて不正の工事をやつて出て来る原因としては、そういうふうにして浮かした金で大体旅費か、饗応に使つているということが問題になつて、あなたのほうから御報告を願つたのですが、こういう不正が行われたことまではわかつているが、その不正によつて浮いた金は大体どういうふうに使われておるかということはわかりませんですか。
#65
○説明員(小峰保栄君) 不正工事によつて浮いた金がどういうふうに使われているか、こういう御質問でありますが、先ほどちよつと饗応とか云々ということをお話しになりましたが、補助の金を右から左に饗応とか或いは運動費とか、そういうようなものに使つているというケースは非常に少ないのであります。これは絶無じやございません、私どもの検査の結果、飲んだり食つたりに使つてしまつたという例もございますが、そういう運動費とか、そういうようなものに事業主体、まあ町村なり、何なりの一般の経費から出しているのが普通のようであります。補助金は決してそういう面に直接に使われているというようなケースは少ないようでありまして、事業主体はこの補助工事だけをやつているのじやございません。いろいろな一般の、町村なんかをお考え下さればすぐわかりますが、町村にしろ、農業協同組合にしろ、いろいろな仕事をやつておりまして、一般財政を持つているわけであります。そちらから或いは運動費なり何なりを、交際費、例えば東京へ陳情に来るというような旅費なんかも或いは出ているのじやないかと思いますが、これは私どもとしては検査対象になつておりません。私どもとしては、もつぱら補助工事の範囲内で検査しているわけであります。補助金自体がそういう面に直ちに流用されるというようなことは、ちよつと考えられないことであります。と申しますのは、大体工事が終つてしまつてから、あとで補助金が行くのでありまして、そういうようなものの必要な金というものは、前に要るわけでありますから、それが右から左と補助金が使われるということはちよつと考えられない、こういうわけであります。
#66
○河野謙三君 それは何に使つているのですか。
#67
○説明員(小峰保栄君) これは使わなくてもいいわけであります。例えば具体的に申しますと、百万円の工事に対しまして六十万円補助金が行くわけであります。そうしますと、六十万円の補助しかやらないというのですが、百万円の書類は作つてあります。もう少し突つ込んで行きますと、実際に金を払つたのは六十万円、私どもが検査に参りまして、最初に見せられるのは、この百万円という書類であります。人間の作るものでありまして、検査に行く者はもう随分目が肥えておりますから、すぐにこういうものは見つけてしまうというので、すぐに六十万円なり七十万円やつたということは、これからいろいろなものが支払われていますから、すぐわかります。こういうことであります。
#68
○清澤俊英君 これは僕らのほうに、二つ三つ直接水増し工事のあとで問題が起きているのですが、どこにも中央から来られる人を饗応するための経費の出場がない、こういうものがある。これは刑事事件になつて現われているのですから、嘘偽わりはない。その原因としては、そういうようなものがあるのじやないかと思うのです。先般この問題が中心になつて、ここで問題になりましたのは、たまたま戸叶君から、栃木県で県内の職員の出張旅費等を経常的に二十二年から出している、そんなことはありませんという大臣の答弁から、こういう問題が出たのです。何かここでできれば、これはみな浮かびか何かできて持つて行くのじやなく、やはりそこには何か行政上の欠陥が、こういうものを馴合で使えるという何か気分がありはしないか、こういうことが考えられるので、そういうものは見つかりませんか。そういう点は、これほど大掛りなものが堂々と行われているのですから、何かそういう点がありはしないかと思われるのです。
#69
○鈴木一君 関連して……。私も去年の夏、会計検査院から人が来て、ぎゆうぎゆう言わされて困つているから、余りひど過ぎるから何とかならんかということも事実聞いたこともあります。その人たちの言う言い分としましては、今町村財政なり県財政が逼迫しているために、そういうような工事もあえてせざるを得ないというようなあれだというように聞いているのですが、私ども実態を見ておりませんからわかりませんが、そういつたような大きな理由というふうなものがあつて、こういう不正工事をやらせるのじやないかというふうな気もするのですが、そういう点の監査はどうですか。
#70
○説明員(小峰保栄君) 補助金が出張旅費とか、そういうようなものに使われているじやないか、こういう御質問が第一点でありますが、これは県に対しましては工事費の大体百分の二と思いましたが、工事雑費というものが別に補助金がございます。これでまあ監督なり何なりをやるわけであります。それから市町村に対しましては、これは先ほど申上げましたように、大体標準で言いますと三割五分自己負担をしなければいかんわけであります。これは百万円としますと六十五万円の補助が行きまして、三十五万円は一般財政なり何なりから、税金なり、或いは分担金なりで出してもらうわけでありますが、それを出さない、こういうことになるわけであります。そして或いはそれが今の出張旅費なり、いろいろな陳情なり何なりの経費に廻つたということになるかも知れませんが、これは工事とは面接には関係がないわけであります。ところが、勿論金のことでありますから、どこから出ましてもこれは同じになりますが、今の関係の補助金がそのまま直接に行つてしまうというような事態は検査の結果でも非常に少いのであります。これは勿論先ほど申上げましたように絶無じやありませんし、そういうものがありますと、私どもとして、これは工事費じやないというほかないわけでありますが、そういうものは非常に少いのでありまして、これは町村なり組合なりの一般経費から使われているというのが実情のようであります。それから町村財政なり、地方財政の逼迫がこういうことを招いた、こういう悪い事態を招いたじやないか、こういう御質問のように承知いたしましたが、これは確かにあるだろうと思います。どうも国を相手の場合には平気で嘘の書類を作つたり何かということが行われているわけであります。これはまあ個人間の附合いなんかと違つて、非常にどうも意外なくらい相手が国だと騙されるわけでありますが、それも廻りはやはり地方の財政が苦しい、勿論そればかりではないかも知れませんが、これが一つの大きな原因になつているということは確かだろうと思います。先ほど申上げましたように、標準型で行きますと、大体三割五分は地方が負担しなければいけません。それで大きな災害を受けたような場合には高率補助にはなりますが、一割でも二割でも金を出すとか、或いは労力を出すというようなこともなかなかむずかしいことでありまして、金にいたしますと金額が相当かさみますから、こういうものの負担が非常に苦しいというようなことは確かにあるんだろうと思います。ただ現在の法律の建前といたしまして、そういうものは一応地元に負担して頂くと、こういうことになつておりますので、私どもとしては先ず財政上の苦しさとか、そういうことはちよつといろいろそれを取上げて一々検討もできかねますので、一様に取扱つているわけであります。
#71
○佐藤清一郎君 今日まで過年度の補助金で、農林省や建設省で補助金をやらねばならん金額が相当あると思いますが、どのくらいの各年度別になつておりますか、ちよつとお伺いしたい。
#72
○説明員(大塚常治君) 私ども二十七年以前の発生を過年度災と申しておりますが、その総額は二十九年度の年度初めにおきまして二百四十六億、こう考えております。
#73
○佐藤清一郎君 それは工事完了した、当然やらねばならん補助金ですか。
#74
○説明員(大塚常治君) 完了か否かは未定でございますが、発生いたすと同時に査定をいたしまして、これだけのものはおあげするという約束をいたしました額の残り分であります。
#75
○佐藤清一郎君 累計ですね。
#76
○説明員(大塚常治君) そうでございます。
#77
○佐藤清一郎君 私は会計検査院の監査や何かをとやかく申すわけではありませんが、実際に施工者として査定を受け、補助を受けることになつて、そうしていよいよ工事を完了しても、なお只今言明されるような莫大な補助金が流れておらない。そこで施工者はどういうことをしておるかというと、結局農業協同組合なり、或いはその他中金なりから金を借りて、莫大な利子を支払つてやつておるような実情であります。従つて当然地元において、施工者において負担をせなければならんものが三割五分なら三割五分であつても、それ以上の莫大な額、受益者に負担がかかつて来るわけであります。そういうようなところから、実際はこれを会計検査院で不正を是正するというばかりでなく、本当に親心でやるならば、私は監督は厳重にすることは当然でありますが、一面においては速かにこの処理をすることが本当に適正なる事業を運営せしむる唯一の途だと考えるのであります。昨年の会計検査院の各所における検査の方法というものは全く罪人扱いにしておる。もう孫子の時代までこんなことはさせない。公共的な考え方で我々はやつておるにもかかわらず、かような監査をするならば、もう全く我々は名誉も何もないから、もうやらないというような悲愴なことを言つておる町村長も随分あつたのであります。決して私は不正をあばいてはならんというわけではありませんが、かような工事をやらせるその根本原因というものは、取りも直さず金がない、これは町村においてないというよりは、むしろ政府が補助をすると言つておりながら補助金を流さない。いつまでも放つておく従つて内輪の事業しかやれないということに原因があるのではないかと私は考える。この点について所見を承わりたい。
#78
○説明員(小峰保栄君) 先ほど農林省から御説明がありました金額は、いわゆる過年度災の金額でありまして、これは例えば二十六年なら二十六年に災害を受けてまだ手を付けていないという金額であります。御質問になりましたのはいわゆる施越工事というので、工事をすでにやつてしまつた、ところが補助金が来ないので、いわば国に貸しになつた。こういうものであります。
#79
○佐藤清一郎君 いや、私の言うのは、現にもう工事が完了しておつても、二年も三年も補助金が来ないのがたくさんある。
#80
○説明員(小峰保栄君) それは私が只今申しまする施越工事であります。これが全国に非常に多いのでありますが、金額は先ほど農林省から説明があつた金額と違いまして、ずつと少いのであります。これは折角約束をされて、地元では補助金が来るのを待ちかねて、又災害を受けますから工事をやるわけでありまして、これは成るべく早く予算を付けて補助金を早く流して工事をやるというのが望ましいのであります。ところが現在の予算ではできかねておるので、これが地元に非常に御迷惑をかけておることは確かであります。それで農林中金なり、何なりから金を借りて、その利払いだけでもなかなか大変だというようなことも随分伺つております。これは先ほども私が申上げましたいわば不正工事と言いますか、嫌な表現でありますが、その種のものとこれはいわば関係がないのでありまして、施越が多いから、多い所でその後の災害復旧について不正工事があるということは言えないのでありまして、これは全然別個の問題であります。それで国が地元に災害復旧補助を出すとお約束しておいて出さないという点は、いろいろな関係はあるにしても、ともかくも地元に対しては非常な迷惑をかけておることはこれは確かでありますが、それと、今の会計検査院が国会に御報告しておりますいわゆる不当工事ということとは、これは全然別な問題でありまして、それが前の施越しがあつて、国に貸しがあるから、あとの工事は、例えば先ほども申上げましたように、百万円の工事を六十五万円でやつてしまつて、百万円という書類を作つて百万円に相当する国庫補助をおとりになる、こういうような事態とはこれは全然農林関係のないことでありまして、会計検査院の検査態度というようなものについても御批判的な御意見がありましたが、私どもとしましては、十分にそういうことのないように心掛けておるつもりでありますが、今後とも御意見のあるところはよく伝えまして、そういうことのないようにしたいと、こう思つてはおりますが、とかく検査院の検査の結果、いろいろな問題を見つかつたところからは、あとでいろいろなそういう批評も随分私どもも聞くのでありまして、検査院に余りやかましく言われないようなことをしていたところは、そういうことがまあないようでありますが、どうぞその辺もお汲取り願いまして、検査院が決して、何にも問題のないところでやかましく言つている気ずかいはないのでございますから、そういう問題のないように一つこれはお願いしたい、こう考えておるわけであります。
#81
○松浦定義君 今会計検査院のほうの御説明を伺いますと、非常に我々としても遺憾な点が多いようでありますが、先ず私はこの不正行為の原因が、先ほど大別して査定の不備と施工上の欠陥であると、こういうふうに御指摘になつたようでありますが、その欠陥のうち査定の不備の原因に机上査定が八割を占めておる、こういうお話があつたのですが、この机上査定の責任はどこにあるのであるか、その点を一つお伺いしたいのであります。
#82
○説明員(小峰保栄君) 机上査定の責任というお話でありますが、これは御承知のように、農林省では査定は全国に幾つかございます農地事務局でやつております。この農地事務局が査定をするわけでありますが、これは人員の関係とか、そういう関係だと思いますが、実査が大体三割以下というのが多いようであります。昨年の大災害の時にも二割には行つていないようであります。金額で申しますと、これは大きなところをやりますから、もう少し上りますが、箇所数で行きますと、今の二割見当と、こういうことになつているのでありまして、農地事務局がもう少し陣容が整備されれば、そういうこともないかと、こう思うのであります。
#83
○松浦定義君 それでは大蔵省にお伺いいたしますが、今会計検査院のほうのお話を聞きますと、予算とか、いろいろの関係から、当然もうこの程度は机上査定止むを得んというお話に相成つておる。私どもが今お話を聞いただけで机上査定が大きな原因を及ぼしているということは、これは誰が聞いても納得できると思うのですが、それでもなお大蔵省は今年度総工費の中から大体三割を削つた、これで目的が果せれば結構ですが、昨年でありますか、私どもは地方におりましてこういう問題をいろいろ聞きますと、とにかく出張旅費を削られたから、これはできないのだと、何もかにも出張旅費にしわ寄せしてしまつている。それから非常に私ども遺憾なことは、二十七年度の予算編成のときに、この出張旅費を削つたのは改進党である、改進党がこれに対して削つたと言つて、実は政府のこうした不正或いは又こうした不備の点を全部改進党へしわ寄せされておる、非常に私は遺憾なんであります。これは全くその通りだというふうに私どもは印象付けられてしまつて非常に遺憾でありますが、それでもなお大蔵省としてどのようにされようが、最後は政府が責任を負うのですから、これはいいと思いますが、大蔵省は今のような問題を、今年度これを是正しようとしても恐らく八割は机上査定に終つてしまう。机上査定ではどのような人がやろうとしても、こういう結果になざるを得ないと思うのですが、今年度なおそういう事態があつて、而も前に大きな見地からこの査定を始めたというにかかわらず、そうした面については何にもその予算の上からは善処されなかつたという点については、何か別にこうした面をお考えになるような節があつたかどうか、この点を一つお伺いいたしたいと思います。
#84
○説明員(柏木雄介君) 御承知のように旅費の予算を殖やすということは、いろいろやかましいものがあるのですから、あれですけれども、査定旅費につきましては、本年度数字は忘れましたが、相当額殖やしましたし、来年度査定を二割の机上査定では困るので、もつと能率が上るようにという意味で、査定旅費も若干殖やしております。私のほうからみますと、一つの大きな問題はやはり査定しなければならない件数が非常に多いということであると思います。つまり昨年のように非常に災害が多い年でありますと、一年に十万件も査定せんならん。ところがそうなりますと、而も短時日に査定すると、勢い或る程度の机上査定も止むを得ないのではないか。従つてまあ県の責任というか、国が責任を負う面と、県が責任を負う面と、もう少し災害復旧についての責任の限界を上げるというようなことを一つ考えて、国が補助金を出すときに責任を持てる件数に持つて行くということも一つ考える必要があると思うのです。只今検査院のほうから査定上の問題と実施上の問題というお話がございましたが、私どものほうでは更に制度としていろいろ問題があるのではないか、今の制度のまま動かして行けばいろいろな、まあ監督と言つても人間のやることですから限度がある、それは必ずしも十分行かない、査定と言つても今申上げましたように十万件を、而も短時日のうちに査定するということが一体可能かどうか、そういう面で制度上の問題も或いは考える必要があるのではないか。二十九年度の予算につきましては、そういう要素は織り込んでおりませんけれども、今後の問題として十分な研究に値するのではないかというふうに考えております。
#85
○松浦定義君 多少今年度そうした予算を殖やしたという話ですが、会計検査院の今年画期的な調査をやろうというのは、御承知の通りの、昨年の大災害によつて大きな事業が行われるということから著手されたんでありまして、今年度は止むを得んが、明年度だつたら考えるということでは、恐らく来年度のこうした説明にも、やはりその欠陥の第一点には査定の不備が私は出て来ると思うのです。今のお話ですと、来年は会計検査院のほうからは少くとも、ほかの問題はいざ知らず、査定上の不備の欠陥というものは問題にならないというふうにまで努力を私はされるのでなければ、これはいかんと思うのですが、まあこういう点は十分に御考慮願いたいと、かように考えております。それからもう一つ、この工事が補助額の中で行われる、例えば六割五分で行われるとしましても、恐らく私はその六割五分を未だ割るような原因になつておるんじやないかと思うのです。そうしますと、大体半割りでこの工事が行われるというような事態になるかも知れないような事態に追い込まれるようなことになるんじやないかと思う。具体的に申し上げますと、例えば一つの事業をやる場合に、私はこういうことを申上げるのはどうかと思うのですが、私どもはそういう点にいろいろの、例えば選挙の公約とか、いろいろのことで、或る議員がそういうことを確約したり、或いは又そういう実施をやつたりというような実例がないわけじやないと思うのです。従つて一億も予算をとるから、先ず一割はこれをぴんはねをして、そうしてこれを個人或いは政党に献金的な処置をとらしめるというのが当然かのようにされておる、そういうことがありますから、これはやはり施工者としては事業をやりたいために、止むを得ずこれを行う、そういうことについても私は何か一つ、長い間でありますし、大きな問題でありますから、会計検査院としても、何かそこにそうした面についての不備が指摘されておるんじやないか、若しそういうことが全然今ないんだとはつきり申されるならば、私はやはり会計検査院のこの調査たりとも的確なものでないと、まあこういうふうに申上げざるを得ないと思うのですが、そういう欠陥は現在においてありますかどうか、一つこの点を、おわかりになりましたら、お知らせ願いたいと思います。
#86
○説明員(小峰保栄君) 補助金の限度でやるどころか、補助金を割つてしまつておる、こういう事態も確かにたくさんございます。具体的に計数で申上げますと、二十七年度に会計検査院の調べで申上げますと、正当な自己負担をしていないというものが、一件、二十万円以上で整理してございますが、九百五十件ほどございます。検査報告に載つております。九百五十件、相当なものでありますが、併し的確に会計検査院で事実をつかみまして、補助金を余らしておる、これに少し余らしておるところもありますし、たくさん余らしておるところもありますが、とにかく補助金までを下へ請負に出しておるというものは、こういうものは百四十件わかつております。九百五十件のうち百四十件であります。これは相当固く計算いたしまして今のようなものが出ておるのでありまして、これは相当大きく構えて推定資料を入れますしと、この百四十件というものは遙かに多くなるのじやないかと、こう思つておりますが、間違いのないところで今申上げた数字が申上げられるわけであります。それから原因でありますが、これは過日も決算委員会の小委員会で、何か補助をよくするきめ手があるだろうかと、こういうような御質問も実は受けたのでありますが、ここを直せばすぐよくなるというきめ手は実はいろいろ考えましたがないのであります。いろいろな面から制度も、先ほど大蔵省からもお話がありましたが、制度の面でもこれは改善を要する面が相当にあるようであります。それから機構なり何なりの面でも改善を要する面が多々あるようであります。これは別に資料として決算委員会のほうにもお出ししてございますが、まあ全体を通じるものはやはり受けるほうの心構えと申しますか、国が相手の場合には少々ごまかしても余計もらつたほうがいい。自分が法律上課せられた負担をしたくない、こういうような点が全体を共通するのじやないかと思うのであります。監督機構が如何に貧弱でも、査定機構が如何に微力であつても、そういう心構えが事業者自体になければ、決して架空工事だとか、建設省と農林省と両方に出すとか、こういうような事態は起きないのでありまして、全体を貫くものはやはり今のような心構えなり、或いはそれを推進するものとしては、先ほど御質問がありましたように地方が非常に財政が逼迫しておる。こういうような点に帰するのではないかと思うのでありますが、この現在千件以上もある不正工事というものを何とか早くこれはなくしたいのでありますが、きめ手として、どこか一つぱつと抑えるなり、直すなりすれば、直るというほど実は事態が簡単ではないのでありまして、いろいろ細かいことは、どういう場合にはどういう対策があるか、こういう御質問がありますればお答えいたしますが、私どもとしても具体的な事実を裏付けするいろいろな調査もしております。それから各省への御注意も差上げてあると思いますが、一々御説明できると思います。
#87
○松浦定義君 いろいろ御研究になつておると思いますが、これは資料としてお願いできたら、そのほうが却つて適切だと思うのですが、今私が申上げましたことを、或る程度まあ調査と言いますか、私どもは本当に再確認する意味において、現在の例えば国会議員が土建業者に関係しておる、従つてそのものが年間やつておる公共事業に対する事業の内容とか金額、そうしたようなものを一つ一覧表として御提出願うようなことができませんかどうか。
#88
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと会計検査院としては今無理だというようなことのようですがね。
#89
○松浦定義君 そうしますと、そういうことを我々農林委員会が、こうした御説明によつて一つの参考にしたいというにはどこなら出してもらえますか。
#90
○委員長(片柳眞吉君) これはやつぱり私の見解では所管省でしような。農林省とか、建設省とかいう直接工事を監督しておる官庁ではないかと思いますがね。
#91
○松浦定義君 それでは農林省関係の仕事をやつているものだけでも結構ですから、農林省のほうから一つまあ出してもらいたい、こういうように考えます。
#92
○説明員(大塚常治君) 農林省が実際やつておることになつておりますが、御承知のように件数の多い、一件々々のことにつきましては、実際問題としては府県知事にその補助金の支払事務を委任してございますので、農林省としましては、一件々々を出すことはとてもできないと、こう考えております。
#93
○松浦定義君 私はその一件々々というような細かいことまでは必要はないと思うのですが、大体会計検査院が抜検査的にやられまして、これは非常にこういうような種類のものに対しては今後いろいろ研究を要するといつたような部門別なものに対して、若しそうした関係のものがあつた場合において御報告できる程度のもので結構だと思うのです。
#94
○説明員(大塚常治君) 会計検査院から不正不当事項を指摘されました件数につきましては、一々その処置を地元県と連絡いたしまして、会計検査院の了解を得まして適当な措置をとつております。その措置は大体補助金を返還を命ずる場合、或いは先ほど申上げましたように、災害工事には非常に施越事業がございますので、今後お上げするとお約束した事業から減額措置を講じたもの、それから更に地元の了解を得まして、地元のほうが手直し工事をやつて完全なものにするという意志表示のあつたものにつきましては、そうした工事を更に今後やらせまして出来高不足その他をカバーするように措置しております。
#95
○松浦定義君 大分資料の提出はいろいろの支障があるようですから、私はあえてそれを、出ないものを無理に出せということは、やはり委員会の性格上からいつてもどうかと思いますから、いいですが今お話を聞きますと、指摘されたものについては、いろいろ補助金の返還とか、いろいろな処置を講じておるというお話ですが、そうすると、時たま対象に上つたものだけがそういつた結果になつて、対象に上らなかつたものは依然としてそれ以上な大きな不正をやつておるかも知れない。そういうようなことで、皆さん方のほうで各省ごとの問題等が提出できないというならば、やはり全部に対して私はどんなに経費をかけても全部明らかにすべきだと思うのです。若しそれが明らかにできないというならば、私の要求するところの特定のものだけでも結構ですから、私どもはそれを以て大体努力をしておるということを確認したいがために申上げておるのであつて、そういうふうにできたものだけというのであれば、それを以て全部であるというように我々に了承せよというような御意見であるならば、これに対して私は同調できないのです。そういう意味合から若しそうであるならば、全体として大蔵省はもつともつとそういう面に対して、現在いろいろな問題が出ておるようなことを、少くとも来年度においてはさせないというような考え方に立つてやられるべきであつて、例えば予算の面でそのくらいのことを考えて、工事の面において非常に大きな出費を余儀なくするというようなことでは、私は理論的にはどうも了承できない。こう思うので、こういう点についてどういうふうにお考えになりますか。
#96
○説明員(大塚常治君) 会計課長から指摘を受けました件数につきましては、今私が申上げました措置をとつておりまして、これは御報告できます。それからその他のものにつきましては、これも先ほど申上げましたように、県が一件々々の補助金の交付事務をやつておりますが、その際にもまあ会計検査院ほど精度の高いものではございませんが、県の段階におきまして、工事の出来方検査竝びに会計検査をいたしました上で、若し不正、不当のものがありましたら、その額を減ずる設計変更をして減ずる処置或いは適当な追加工事等を命じまして、工事の目的並びに金銭上の不当のないような措置を各県とつております。
#97
○松浦定義君 最後に一点だけ……。ほかの省のことを申上げてもどうかと思いますから、農林省関係だけお伺いいたします。私は最近いろいろこう見ておりますと、終戦後の開拓者がまあ各府県いろいろな形で組織を作つておるのですが、特に北海道等は非常に多い関係から、まあ政府の責任で北海道へどんどん行けというので押込めてしまつたというので、北海道におられる開拓者は非常に苦労されておる。苦労されておるから、いろいろの面で又むずかしい点もあると思うのですが、この開拓行政に対していろいろ批判が出ておるときに、開拓者がやつております工事に、今会計検査院から指摘されておるようなものがあるかないか、あるとするならば、どのくらいのものが指摘されておるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
#98
○説明員(小峰保栄君) 開拓工事につきましては、災害復旧とか、土地改良というようなものと同様の会計検査院の検査で批難されるというものは余りございません。会計検査院の批難したものは大部分が災害復旧であります。一部土地改良或いは高潮対策、こういうようなものが入つているわけであります。
#99
○雨森常夫君 主として大蔵省当局の点を伺いたいと思います。先ほど伺いますというと、二十八年度災害については大蔵省において三割の査定をして、そして農林及び建設両省に再査定をやらせる。こういうお話のように聞えたんです。三割を査定されたというのは、過去の経験から考えて不正であるとか、或いは不当な工事があるから、そのときについて大体三割ぐらい査定する、こういう考え方のようでございますけれども、私が考えるのは、先ほどからお話が出ておりますように、抜打検査でやつている以上は、お考えのように三割査定したものに不正、不当なやつが全部入つて、残つた七割が全部正当なものだとは限らんと思う。抜打検査でやつた以上、やつぱり残つた枠の中に不正、不当なものが相当出ている。これは飽くまでも全部現地査定をして参らなければわからない。こういうふうに考えているのでありますが、どういう見解で三割ということを考えられたのか、これは非常に有効であるかどうかということを一点。それからもう一つは、先ほど松浦委員からちよつと御質問がありました責任がどこにあるかという点、これに関連しての質問でありますが、聞くところによりますというと、二、三年前から建設省或いは農林省の出先機関が査定をいたしておるのについて、その査定に大蔵省の財務部が入つて、合同調査をやつておられる。だからいわばこれはどういう名目になつているかわかりませんけれども、責任の所在と言つて追及して行けば、農林省或いは建設省になるのでありましようけれども、大蔵省がとにかく一緒に査定をされた。そうしてこれでよろしいというので各所管省から予算要求が出ておると思うのであります。これを大蔵省は認められないで、又三割再査定をするということになりますと、災害を受けた地元民だけが非常に迷惑をする。一回災害を受けて、もう半歳も経つたのに、自分のほうはやつてもらえるやら、もらえないのやら、補助してもらえるのやら、もらえないのやら非常に不安に感じておる。非常に被害を受けるのは地元農民、こういうふうに考えられるのですが、この二点についてお伺いしたいと思います。
#100
○説明員(柏木雄介君) 先ほど御説明した中にやや不正確な点がございましたので申上げますと、災害の査定の責任はやり所管大臣が持つております。私が先ほど各省査定額を三割査定したというのは、ちよつと言葉が足りませんでございまして、各省が御査定になつた金額について、いろいろ問題があるから再査定をお願いする。再査定すればその結果は大体三割ぐらい減るだろうというので、再査定の結果が三割減るか、或いは御指摘のようにもつと減るか、或いはその三割がもつと少なくて済むか、これは再査定の結果を待たなければ決定いたしません。その点を一つ御了承願いたいと思います。それから第二点の財務局財務部が査定に立会つておるから、大蔵省も責任の一端を負つていいじやないかというお話でありますが、形式的には先ほど申上げましたように、各省大臣が査定の責任を持つております。法律上財務局財務部にはこれに立会うということは書いてないのでございますが事実上成るべく多くの機会には立会うように指導しております。従つて財務局財務部において査定に立会つた、その立会うときに十分意見を言つていないとすれば、それは遺憾なことだというふうに考えておりますが、今後再査定に行かれるときには、大蔵省のほうからも立会わせて頂きまして、十分な再査定が行われるようにいたしたいと存じております。査定が完了しないために地元のほうで非常に迷惑するとか、不安だというお話でございますが、そういうこともあろうかと思いますので、この再査定は成るべく早い機会に実施いたしたいと思つております。大蔵省の監査が昨年十二月に行われましてから、ずつとどういうところに問題があるかやつております。只今再査定をする場合の心がまえと申しますか、どういう基準で再査定をするかということを十分練つた上で再査定を実施いたしたいと思つております。
#101
○雨森常夫君 ちよつと聞きとれなかつたのですが、今度の再査定にも当然財務部から一緒に調査に出られるわけですね。
#102
○説明員(柏木雄介君) そうです。
#103
○河野謙三君 簡単にお尋ねします。先ず私は会計検査院に非常に敬意を表したいと思う。御承知のように、目下の情勢は検査とか、検察とかいうのが世の中の寵児であり、花形である。あなた方が奮発しなければ世の中がよくならない。ですからいろいろあなたのほうに圧迫があるだろうし、妨害もあるだろうが、敢然としてやつてもらいたい。その点を特にお願いしておきます。それは地方の自治体の財政の窮乏であるとか、案件が多過ぎるから調査ができないとか、従つて机上プランになるとかいろいろありますが、それは別の政治問題です。それですから、あなた方はどこまでも敢然としてやつてもらいたいと思います。折角御調査になりました貴重な資料について、大蔵省とあなたのほうはどういう関係を持つておられますか、行政上あなたのほうが御調査願いましたこれらの案件について、大蔵省は行政上どういうふうに活用されておりますか、これをお伺いしたいと思います。
#104
○説明員(柏木雄介君) 検査の対象になりました具体的な案件につきましては、検査院と各省の間でやつておられると思います。それから検査の結果によつて判明いたしました次第を予算上どう反映するか、これは予算の編成の場合の参考に十分いたしたい。そういうふうに考えております。
#105
○河野謙三君 そういたしますと、二十九年度の、例えば農林予算なら農林予算というもののあなたのほうの査定につきましては、予算編成当時までにわかりました会計検査院の報告というのは、十分考慮に入れて査定をされているわけですね。
#106
○説明員(柏木雄介君) 十分にと申すとあれでございますけれども、たしかこれは予算の編成までには二十七年の検査報告は私のほうには入つておりませんでした。
#107
○説明員(小峰保栄君) 只今の御質問でありますが、これは日本では、従来実は別々の官庁でございました。大蔵省と会計検査院は余りお互いの間の連絡というのはなかつたのであります。併しそれでは結局何にもならないのでありまして、先ほどお褒めを頂きましたが、私ども幾ら一生懸命あれいたしましても、これがあとで又同じようなことになるのでは何にもならないのでありますが、それで現在では大蔵省とは最高幹部が定例の会議を実は持つております。これは非常に肩の凝らない会議でございますが、相談的にいろいろ意見の交換をするということを始終やつております。それから問題の災害復旧を主とする国庫補助、農林関係の補助というものが非常に悪い、端的に申しますと、これは悪いのでございますけれども、建設などに比べますと、どうも如何にも件数などが多い、私ども同じ標準で検査しておりますが、そういう結論を得ているわけでございまして、これをただこのままでおくのもどうだろうかというので、これは検査報告ができますのは、印刷ができますのは一月でありますが、私ども原稿ができますのは十二月の二十日頃にはできておりますので、原稿のままで全部大蔵省に差上げたはずであります。主計局の決算のほうの係りを通じまして全部これを差上げまして、そしてそれを予算に反映して頂く、丁度二十九年度の査定の前でございます。で、是非一つして頂きたいと思つておりましたところへ、丁度大蔵省からも、同じお考えとみえまして、これをくれと、こういうあれがございまして、完全なものを一部差上げて御利用願つておるはずであります。
#108
○河野謙三君 そこで伺いたいのですが、折角貴重な資料が出ましたものを活用する面ですが、一言私言いますけれども、議会も私は悪いと思う。今まで議会の決算委員なんというものは大体お互いになりたがらない。決算委員というのは私は一番大事だと思う。ところが保全経済会だとか、造船の汚職だとかいうことになると決算委員会が騒ぎ出す。そういうことは決算委員会の本来の使命でなくて、むしろ今あなたの御説明になつたようなことを、これはすぐにとつて以て明年度の予算に反映させにやいかん。そういう意味合で私は決算委員というのは大事だと思う。これは議会の問題でありますが、行政府におきましても、今は印刷は一月になるけれども、取りあえず原稿は十二月に渡したと、こう言うけれども、大蔵省は十二月でも私は遅いと思う、もらうほうから言えば……。これは何か多少の人件費その他の予算のやり繰りをして、あなたのほうで以て毎年毎年の大蔵省の予算編成上の十分に資料になるようにもつと早く届ける方法はないのですか。これはどうしても今の状態では十二月末までに原稿がやつと間に合うくらいのところがせいぜいなんですかこれを私伺いたいのです。
#109
○説明員(小峰保栄君) 決算はたしか決算委員会のかただけでなくて、議員のかたには検査報告がたしか行つていると思います。
#110
○河野謙三君 それは来ております。
#111
○説明員(小峰保栄君) それから大蔵省との関係でありますが、私ども全国を実は手分けして検査しておりまして、まとまるのは、やはり決算ができますのは十一月末なんであります。これはきれいに印刷したものじやございません。原稿ができるのが十一月末であります。それで、それを待ちました上で決算の確認ということで最後にまとめるわけであります。個々のケースにつきましては、これは今からでも実は或る一つの県なり何なりという単位ではわかるのでありまして、これは農林省には、所管省には照会をすぐお出ししているわけであります。こういうものにつきまして、こういうものを個個に活用いたしまして大蔵省と連絡をとるということは、もつと早く、十一月、十二月を待たんでも、やろうと思えばこれはできるわけであります。今までのところどうも余り照会というようなものを、ほかの省にいきなりお見せするのもどうか、所管省のほうの御意見を伺つた上でと、こういうような態度をとつております関係で、すぐに大蔵省に写しを送付するというようなことは、特別のものはいたしておりますが、是非送付しなきやいかんというものもございますので、大蔵省に写しを送付するということはやつておりますが、全体として見ますと、必ずしも今おつしやつたような域には達していなのでありまして、これは併しながら考えようで、いろいろちよつとしたところを改善すればできることであります。私どもとしては、今年は殊に災害復旧について、先ほど申上げましたように、早期検査をやつております。是非この方法をとりたいと、こう思つておる次第であります。
#112
○河野謙三君 それはまとめて、そういう立派なものにする前に、毎月々々検査の結果が出たら、毎月々々大蔵省のほうへ、又はその関係の農林省のほうへその都度移して行くということは、これは積極的にやられたほうがいいと思うのですが、これは私の意見でありますが、そこで今日大蔵省から来て頂いたのは、今度の農林予算につきまして、私は農林予算をいわゆる削減したという解釈をしてないのです。農林予算の食糧増産費というものは十分尊重して、前年度若しくは前年度以上を踏襲したという、私は農林大臣なり大蔵大臣の答弁をそのまま受取る側なんです。ただ、今の会計検査院の報告にもありますように、一部検査いたしましても非常に不正、不当のものがあるから、そういう無駄なものはやめたと、どこまでも大蔵省は農林省の査定において食糧増産の重要性を認めてこれを削る意思はなかつたのだ、ただ不正不当のものがあつたから、そういうふうなものに使われる虞れのあるものはこの際削減したのだ、こういうふうに私は解釈しておる。これはまあ大蔵大臣と、あなたのほうの親玉と意見は同じなんです。その予算の査定においてそういう経過ですか、それともそうでなくて不正不当もあつたという原因によつて削つたのもあつたけれども、一兆以内の枠で抑えられたから、止むを得ず、食糧増産費は必要と認めたけれども、削つたという部分もあるということですか、これを私伺いたいと思う。
#113
○説明員(柏木雄介君) 一兆予算の関係は勿論あると言わざるを得ないと思います。ただそのときに私のほうとしては、金をうまく使うというか、最も効率的に使う。そのためには経費を重点的、効率的ということを主眼にして査定をしておる。食糧増産対策費の中においても総枠の問題とは別になつておる。いろいろその辺工夫をいたしておるのであります。
#114
○河野謙三君 それじや、一つの例は農薬の補助金を削りましたね。私は末端の農薬の補助金の分け方の実情を知つておる。非常にでたらめです。だから私はあれは削るのは当り前だ、大蔵省があのくらい削るのは当り前だという側なんです。はつきり申上げます。あなたのほうはそういう意味でなくて、一兆の枠で抑えられたから農薬を止むを得ず削つたと、こういうことですか。
#115
○説明員(柏木雄介君) 農薬の予算の削減につきましては、只今もお話がありましたように、予算の使い方につきましても相当問題があるということも考慮しまして、それから又農家の負担というか、そういうことも考慮しまして、併せ考えて削減いたした次第であります。
#116
○河野謙三君 そうしますと、農林大臣の答弁とあなたの見解と大分違う。私は農林大臣には、農林省が今まで予算の執行について監督不行届で醜態を暴露したから、その結果こういうような大鉄槌を喰つたのだ、ちやんと今までの予算を正しく使つておるならば、筋の通つた食糧増産対策費について大蔵省は手を入れるはずがない、こういうことを私は農林大臣に言つた。農林大臣はこれに対して、いや、そういう意味で削つたのではないのだ、どこまでも予算が削られたのは終止一貫一兆の枠において制限したのだ、そういう理由によつて予算が削られたのだと言うのです。私はそういうことはないと思う。若しそういうことで大蔵省が削つたのなら私はけしからんと思う。私は大蔵省が削つたのは当然削るべき点において削つたのだと思う。さつき冒頭に申上げましたように、無駄なもの、インチキなものに予算を組むなんというばかなことはない。私はそういう側に立つておるのですが、そこであなたは農林大臣と説明が違うのです、その点は改めて念を押す必要はありませんが、これは改めて農林大臣が来てからもう一遍伺います。それからこの機会にもう一つ伺いますが、補助金の使途ですが、各補助金は、これは農林省に限りませんが、必ず補助金をめぐつて団体があるのです。例えば農林省で言うならば、森林協会だとか、林道協会だとか、治山治水協会だとか、土地改良協会だとか、こういうような団体がありますね、これは全部無駄とは言いません。こういうような団体に補助金から一部割かれておる。こういうものはあなたのほうは肯定されるのですか。又肯定されるにしても、おのずとそういうものに持つて行く補助金というものは限度が私はあると思うのですが、これについての予算を編成されておるあなたのほうの側の御見解を私は伺いたい。
#117
○説明員(柏木雄介君) 補助金をめぐつて団体があるというお話でございますが、いろいろの団体があるように聞いております。それらの団体が補助金の交付に関して一部ぴんはねしておるというようなことも若干聞いておりますが、具体的にこれという事実をつかんでおるわけではございません。従つて予算の編成に当つて、こういう点を考慮して補助金をどうしようということは目下のところ何もいたしておりません。
#118
○河野謙三君 私は予算のことはよくわからんのですけれども、例えば農林省の土地改良なら土地改良の予算をあななのほうに要求に行きますね。その場合には補助金の問題をめぐつて、いろいろ内容的にはやはり当然補助金をめぐつての団体の予算も私は入つておるのじやないかと思うのですが、実は私はそういう団体があるやに聞いておりますというような程度の生やさしい問題ではない。農林省関係の団体でも実に五十や六十じやありませんよ。そういうものは私は全部補助金を食つておるとは言いませんよ。大かた補助金を食つておる、こういうものに対して大蔵省は予算査定の場合にどういう見解をとつておられるか。
#119
○説明員(柏木雄介君) こういう団体の中にも、たしか直接国から補助金が出ておるものもございます。そういういわゆる団体補助の類は成るべくこの際削減するということで随分落したものもございます。従つて補助金のぴんはねをやつておる団体があるという事実がはつきりすれば、そういうものは当然補助金を査定する際に考慮して然るべきだと思います。ただ昨年予算を編成する際に、そういう事実を私は具体的に別に知つておるわけではございませんから、特にそういう点を考慮して予算の査定はやつておりません。
#120
○河野謙三君 今の問題は私自身も今農林省にその予算について資料を要求しておりますが、あなたのほうも同様に要求されて御調査なさつたらいいと思いますが、同時に会計検査院では今不正の使途ということを言われましたが、あなたのほうの補助金の不正の使途の中には、そういうあつてもなくてもいいような団体に対しての補助金も出ておる、あなたのほうでは、それは不正不当と言われておりますが、妥当な補助金の支出と見られておりますか、伺いたい。
#121
○説明員(小峰保栄君) 今の補助事業をめぐる団体の賦課金、こういうような話でございますが、耕地関係などでは耕地協会というのが、これはもう河野さんはよく御承知と思いますがございます。これは委託設計料ということで、たしか三%かそこらを取つておる県があると思いますが、全部ではございません。これは事実御承知のように農業関係の事業は農業協同組合とか、小さな団体が非常に多いのでございます。個人が集まつて受益者協同組合というのがございますが、こういうようなところでは耕地の設計ということは実際できないわけでございます。耕地協会なり何なりに委託をいたしまして、農林省に出す書類、これはなかなかむずかしいのでありますが、そういうものを作るというようなことはやつておりますが、ただ先ほどどなたかのお話の中にあつたように、ぴんはねというようなものはちよつと私どもとしては聞いておりません。若しそういうものがあれば、これは勿論補助の対象から控除すべきだというふうに私どもとしては取扱うわけであります。
#122
○河野謙三君 私は全部無駄だと言うのではありません。それは内容を持つた、それぞれ存在の理由のある協会なり団体もありますよ。それにしても補助金からそういうものの維持費を持つて行く以上は金額において限度がある。それから全然あつてもなくてもいいようなものも随分多いのです。そういうものについて私はもう少しく、あなたのほうは大分何でも詳しいのでありますけれども、そういう団体の性格を調べて、こんなものはなくてもいいじやないかというような、団体そのものの存在価値についても私は幅を広く会計検査院が検査される必要があると思う。例えば今のは農林省のあれだけですけれども、私は最近非常に憤慨しているのは、社会保障費、社会保障費とやかましく言う社会保障費、貧乏人を救うための社会保障費をぴんはねしているような団体さえもこれは出ているでしよう。又少し性格は違うけれども、厚生省に、私は最近驚いたのは、地方の農村に簡易水道の補助金が出ている。簡易水道の補助金が出始めたら、各県単位に簡易水道協会というようなものを厚生省関係の役人が入つて、この簡易水道の補助金を頭をはねるというようなことを又やつておる。補助金と団体というものは附きものなんですよ。こういうものについて私は会計検査院でももつと関心を深めてもらわなければいかんし、大蔵省が、あれほどやかましい恐ろしい大蔵省なんだから、恐ろしついでにそういうところまで少し私は目を届けてもらいたいと思う。全く迷惑千万だ。予算を組んでもその補助金がそこらの人の救済事業に使われておるというような、議会を、我々を非常に迷惑させるような陳情団体に使われておるというようなことが多いのです。こういうところにまで私は目を届けてもらいたい、こういうことをお願いしておきます。先ほど国から直接出ている補助金もありますと、こう言いますけれども、それは極く僅かです。それが先ほど五十や六十と言つておるのは、その中で十か十五、極く僅かです。その点について十分御研究を願いたいと思います。
#123
○宮本邦彦君 私はさつき小峰局長から御説明になつた原因というか、理由というか、これは二つだ、査定が不十分、それから施工の指導監督が十分に行渡らない、これが大きな理由だということを言われておるのです。私はこれは当然な話だと思う。そんなことを今になつて言われるというのはどうかしているのじやないか。私は一昨年の決算委員会でこのことを申上げてあるはずです。それで私会計検査院に承わりたいのですがね。県には災害復旧の事務指導費とか、何とかいうものが行つております。それが又地方に流れております。それが又末端の事業所に流れております。これを会計検査院は、この災害復旧の工事と関連して御検査になつたか、それを承わりたい。
#124
○説明員(小峰保栄君) 一昨年の委員会で宮本さんからもお話があつたように承知しておりますが、私どもとしては当時先ず第一年度の検査であつたわけであります。十分に御意見のあるところも伺いまして、昨年あたりから結論を私どもとして得て来たわけであります。そう遅いとは、実はなかなか具体的に全国の事実をつかむということはそう簡単に参りませんので、二十六年度のこの検査の報告は実は初めてであります。二十七年度の検査報告はこれは昨年末にできたものであります。それでその結論に従つて私どもとして申上げたわけでありまして、大体相当急ぎましても、このくらいはやつぱりかかつてしまうわけでありまして、どうぞ一つその辺は御了承願いたいと思います。それから事務費の問題でありますが、これは先ほどもちよつと申上げましたように、工事費の百分の二というものが行つております。大部分がこれは県で使うわけであります。県内の地方事務所なり、何なりへも或る程度これは流れるわけでありますが、私どもとしては勿論これは工事費と一緒に検査はしておるわけでありますが、特に検査報告に掲げるというような性質の問題は今までは見つけておらないのであります。
#125
○宮本邦彦君 私はこの前の決算委員会でも申上げた。この県の災害復旧の事務費が県に行つて、県で以て多い県、少い県、まあ平均半分くらいから使われております。そのうちで現実に災害復旧の事務指導費に使われておる金額というものは少い、はつきり申上げると……。これは県に流れますと、大体総務部の主管になつてしまつて、県の一般行政に使われているのです。それでその末端の地方事務所には三分の一くらいしか実は行つておりません、これは私の調べたところ。それで災害復旧の、この前の言葉をもう一度繰返して申上げますと、私は取手の支所へ行つて調べました。三百六十何カ所の災害復旧箇所の仕事をたつた二人の担当官が担当しているのです。これがどうしてできますか。而もその災害復旧の指導費というものは府県の地方事務所あたりにおいて一般行政費に使われているということなんです。一等この不正の原因であると言われるところの机上査定だとか、工事の施工監督指導というような面に欠陥があるとせられておるその費用が、そういうふうに使われておる。その実態を会計検査院は隈なく御検査になつたかどうかということを私は聞いているのです。
#126
○説明員(小峰保栄君) 耕地関係の事業の県における第一線というのが非常に貧弱だということは、先ほど取手の例をお挙げになりましたが、実は各県とも同様であります。殊に地方事務所、耕地課の出張所を持つていない県が殊にひどいのでございまして、県によつては相当数の県は耕地課の出張所、土木部の出張所というものはこれは歴史が古いのでありまして、土木出張所が県内に相当たくさんございますが、耕地課の出張所を持つている県は最近まで非常に少かつたのでありますが、だんだんこういうふうに会計検査院からいろんな問題が見つかりますし、而もどうも補助経理が悪いということを県当局も認識されて来ておりますから、それで耕地課の出張所を作るという傾向が今全国に相当現われております。それで耕地課の出張所を作りましても、決して県からの百分の二という事務費補助は殖えないわけでありまして、そういうところは末端まで事業費が相当効果的に使われているという、こういうことが言われるのでありますが、これからはだんだん耕地課の出張所というものが殖えつつありますので、或いは更に補助金を率を百分の二じや困るという声も実は出ているようなあれでございまして、だんだんそういう面はよくなりまして、監督機構というものが認識されて行くんじやないかと、こう思つている次第であります。
#127
○宮本邦彦君 もう一つ会計検査院にお尋ねしたいのですが、これは一昨年は四百何十件、昨年は千五百何十件、こういうふうにお殖やしになつたことは、これは特にそういうような農林省関係の災害復旧或いは土地改良なんかの補助事業を目当てとしておやりになつた、末端だけをおやりになつた検査の御方針であつたか、或いは総合的な、今申上げたような監督指導一切の事務費の使途や、そういうものと関連されて特にこれを狙つておやりになつた件数であろうかということをもう一回……。
#128
○説明員(小峰保栄君) 二十七年度の検査の結果非常に件数が殖えた、こういう点でありますが、これも私どもの実は予想外だつたのであります。これは決して末端だけを狙つて、この問題の多うそうなところだけを叩き出した、こういうものじやございませんで、前年度に実は後半の検査でびつくりいたしまして、いろいろ噂には聞いていたが、あれほど多いということは私どもも驚いたのであります。府県の当局者もこの事実をお示しすると皆さんびつくりする。漸くこういうような事実がはつきりして来たわけであります。それで前年度に引続きまして同じ方針でやつたのでありまして、これは勿論補助費の総合検査ということもありましたが、総合的な検査と、こういうふうに私どもは考えております。何年も何年もこういうことをやつて、ただぼろを出しているばかりが能ではございませんので、現在ではこれは早くいい方向に、こういうものが出ない方向に何とかしたい。こういうことに逐次重点をかけて行く必要があるんじやないか、こう考えているわけであります。
#129
○宮本邦彦君 柏木さんにお尋ねしたいのですが、私は柏木さんの何とかせんならん、そうして新らしい何か方法を考えにやならんということには私ども非常に感銘いたしました。それはまあ私も同感です。さつき申しましたように、ただ私として申上げたいと思うことは、先ほどお言葉の中に、こういうような状況だから対象を引上げにやならん、そうして予算を同じ使うならもつと効率的な事業というようなふうに、こうお話になつたのですが、内容は災害復旧の一カ所の、まあ具体的に申上げれば一カ所の災害復旧額、そういうようなものを引上げて、今まで十万円であつたのを今度は百万円にする。或いは五十万円にするというようなことをもされておられるのかどうか、それを承わりたい。
#130
○説明員(柏木雄介君) 災害復旧以外の公共事業等におきましては、二十九年度から補助額百万円を超えなければ補助しないというか、このくらいの単位に補助金をまとめて持つて行く、そういうことによつて補助の対象を減らして監督しいいようにし、効率を上げて行くというふうに考えておりますが、災害復旧のほうは実はまだ研究ができておりません。現在の十万円、十五万円の線がいいか、これを上げることがいいか、或いはこれは結局中央と地方でどの割合でまあ災害復旧の負担をするかということに関連するので、実は補助率だけできまらないんで、もつと大きく考えなければならない問題でありますが、私見としましては、十万円、十五万円ということは、たしか昭和二十五年か二十四年頃きまつた数字かと思いますが、その頃から物価も相当上つていますので、その方面からだけ言つても若干上つていいのじやないか。ただそれを上げる場合に、どの程度上げるかということは、その全体の仕組をもつと考えないと結論が出ない。今急にどうしろという考えは出て来ないと思います。
#131
○宮本邦彦君 この災害復旧の一カ所何万円という規定は、これは私ども国会できめたばかりなんです。で私どもは本当を言うと、災害復旧を迅速に行なつて、そうして日本の食糧増産或いは農村の経済に役立たせようということで、そういうことをやられたのです。私どもそういう意味で以て賛成をした。ところがこのほかの原因で、私はこれは全く会計検査院からの御説明によれば、この大きな原因は私は行政上の責任じやないかと思う。行政上の責任を農村に転嫁して、そうして災害復旧事業を少なくする、そういうことが一体いいのかどうかという問題は、もう一度私は本当を言うと考えなければならん問題だと思うのです。この点について簡単に、まあさつき下の標準を上げるというようなお考えがあつたのですが、私はこれは重大な問題じやないか、完全にこれは行政上の責任じやないか、私はそう思うのですが、行政上の責任かどうか、ちよつと行政上は全く責任がないと言われるか、行政上の責任が多いのかどうか、その点について御所見を一つ承わりたい。
#132
○説明員(柏木雄介君) 或いは私の言葉のあれが不足したのかも知れませんが、十万円、つまり小さい災害について国が全然責任を持たないというのは、全然補助しないという意味じやなくて、もう少しまとめてやるという方向に考えることができるのじやなかろうか。同じ補助金を出すにしても、十万円に出すといたしますれば、全国で五万も十万も件数がある。その一本一本について適当かどうか査定もし、監査もするとなれば、それだけでも非常に費用がかかる。それだけのことをするよりは、例えばそれらのものは県の責任においてやる。その県の尻を又国が或る程度補助するというような方法もあるのじやないか。その辺の行政上というか、中央と地方の財政の調整ということが考えられるのじやないか。今の方法だと非常にとにかく査定に金がかかるし、検査院が御指摘のようにいろいろ問題が出てきて却つてお互いにまずいのじやないか。もう少しすつきりした制度が考えられるのじやないかということです。
#133
○宮本邦彦君 私は昔はもつとこんな不正事実というか、事件というか、こういつた事項はずつと少かつたのです、はつきり申上げて……。そうして末端の技術者は工事の施行監督というものに全く専心しておりました。今日は末端の技術者はどうかというと、いや行政監察だ、いや県の何の監察だ、今度は大蔵省から何か来る、今度は会計検査院から来る、こういうようなことで、恐らく末端の人たちの事業量は工事の施行監督というようなこと以外の事業量が、これは何層倍というほど殖えているのじやないか。そこへ持つて来て末端のそういつた肝心な仕事をやつておいでになる、丁度小峰さんの言われたこの施工監督指導というようなことをやる人たちはどうでもいい、本当を言うと来なくてもいいのだ、そんなもの一人も来なくていいのだ。これは私ははつきり言うけれども、大体行政監察だとかいうのは実際無駄なものです。あの人たちが来るたびに御馳走しなければならん。悪くいうと昼飯くらいでも出さなければいけない。そんな余計のサービスをしながら実際の監督指導の手をいつも取られておるのです。これは柏木さん行つて御覧なさい。それは県営所長でも、国営の所長でも、私ども若い頃所長や何かをやつておつたときには、所長というのは設計を主としてやる。工事の計画を主としてやつたものです。今日の県営なり国営なりの事業所長は何をやつておるか、設計や計画をやつておる所長はありませんよ。みんな雑務に追われておる。そういつた行政機構そのものに私は責任があるのではないか。これは何かというと事務が複雑したということ、同時にその事務が複雑したならば、それに対応するだけの工事を施行する肝心な組織にちつとも変化がない。むしろ行政整理のたびにいつも本庁の職員の影響を受けて、本庁が一〇%なら必ずその行政整理は末端へ流されるのです。そんなことをしておつて、そういう根本の問題を忘れておつて、工事のこういつた不正事項を取上げて、そうして折角の農村の唯一の事業であるこういつた事業に対して、事業を削減する原因を、原因はここにあるのだというような責任を持たせるということは、これは考えなければならんことだと私は思うのです。だから私どもは不正があつたら不正はぴしぴしやつて頂くのがいい。できるならば私は会計検査院の人数をうんと増して、一切の行政監察や検査などは全部やめちやつて会計検査院だけがオンリーでやるのがいい思う。そうしてぴしぴし検査をやり、同時に私は本当に工事を担当する人たちの機構を考えるということを、長い間の経験と今日の姿から私は必要だということを認めているのですが、柏木さん一つどういうお考えか、私の今申上げた意見に対して……。
#134
○説明員(柏木雄介君) まあ、いろいろおつしやいましてちよつと何から言つていいかわかりませんが、行政整理の話でございますが、現場のほうを成るべく整理しないということは、少くとも行政整理を立案するときにおいては十分考慮しておると思います。ただ実際の実行におきまして、とかく中央というか、そのしわ寄せが行くということは聞いておりますが、現実立案の目標としては飽くまでも現場の工事量がきまつておる以上、現場の定員というものは或る程度要る、そう手を加えるべきじやないと考えております。それから機構或いは事務が複雑過ぎるというお話でございますが、これはおつしやる通りだと思います。我々としましても、この機構事務の複雑さを成るべく排除するように持つて行きたいと、少くとも主計局においては、ずつとこれを目指してやつておるわけなんですけれども、必ずしも御承知のようにうまく行つておりません。これは今後においても成るべくそういう方向に持つて行きたいというふうに考えております。
#135
○宮本邦彦君 この人員不足という問題は、これは小峰さんも御存じの通り、この前私決算委員会で言つたときに、建設省の河川局長も、あの災害が起つたので建設省は倍の技術陣容がなければできませんということをはつきり言つておるのです、決算委員会で……。そういう実情なのです、私はだからこの不正は柏木さんの考えられるような、全く別な方法でやらなければ、新らしい方式を考えなければ、これはここで以て如何に会計検査院が不正事件がたくさんあると言われたところで直らないということははつきりしておる。で、この点については大蔵省は何か農林省と、どういう方法で今後やつて行くというような御相談をなさつておりますか、或いは御相談を今後して早急に立案する御用意があるかどうか。
#136
○説明員(柏木雄介君) 災害復旧制度につきましては、昨年のあの大災害の経験からして、実は昨年の十一月、十二月にかけて省内というか、局内で非常に研究いたしまして、まあとにかく二十九年災でございますが、それからできれば思い切つた改革をしたいということでやつておりましたが、何しろ災害復旧制度という問題は、御承知のように非常に長い歴史を持つた制度でございまして、長い古い制度なりにいろいろいいところもあるし、やつているうちにいろいろ欠陥も出て来ておる。それを根本的に白紙に戻して考え直すか、或いは又手直し程度にやつて行つて、行く行くはもつといい制度に持つて行くか、いろいろ検討したのでございますが、たしか二、三週間前から、各省にも我々のほうの考えを一部お話しまして御意見を聞き、それによつて更に又検討して行く。この制度について、できれば二十九年災から少しでも改革を加えたいと思つておりますが、ともかくいろいろ複雑な制度でございまして、どういうふうにやつて行くことが一番いいか、今至急検討しておるところでございます。
#137
○宮本邦彦君 今日はこれはこの問題とはちよつと違いますけれども、柏木さんお見えだから一つここではつきり承わつておきたいのですが、昭和二十八年度の代行開拓の指令が全国にまだ末指令なんです。さつき申しましたように昭和二十八年度の地区なんです。逆に申上げれば、この地区がまだ開拓が未指令だということは、丁度開拓が一カ年間遅れたということなんです。これは私どもも日本農政という立場から見て、日本の予算がきまつているのに執行が一年丸々遅れていいものかどうか。これはこの問題については詳しく私は追及しません、私内容をよく知つておりますから……。で、これは大蔵省と農林省とのお話がいろいろな問題でこんがらかつたということも聞いておりますが、私はこの点については大蔵省がよくないと思う。これは政令で以てきまつておるので、予算が成立したというときには、その政令を変更しない限りは、日本の農民はその年度の予算はその政令によつて施行されるものだと皆思つております。だから政令を変える以前のものまで、今度政令を変えたいから指令をしないのだというようなことで一カ年間空費してしまうということは、これは重大な問題じやないかと思います。まあその問題はそういつた重大性を持つているということを一つ頭にお置きになつて頂いて、早急にこの間御措置願えるということだつたから、その御措置がどういうふうにきまつたか、大蔵省としての意見がまとまつたか。もう一つは、この二十八年度の工事費が、これからの工事費なのだから、これからやつて一十八年度に工事が完了するなんということは全く考えられない。そういつた場合にどういう御措置をおとりになるか、その二点について一つお答え願いたいと思います。
#138
○説明員(柏木雄介君) 只今御質問の代行開拓の予算でございますが、実は今お話ありました問題のほかに、地区数の問題がございまして、これは細かい話で恐縮なんですが、大蔵省が内示した数字と農林省が要求した数字との間に相当な隔たりがあつた。五十町歩がいいか、百町歩がいいかという問題よりは、実はこの地区数の問題のほうがやかましい問題でございまして、両方の問題につきまして、今週ずつとまあやつておりまして、もうすぐにも結論が出るものというふうに思つております。この点まあ両省の話合がまとまるまでの間予算の執行が遅れたということについては非常に遺憾に思つておりますが、こうまで問題がこじれるとは思つていなかつたのであります。この点非常に遺憾に思つております。それから、これからまあ工事を施行して、年度内に間に合わん場合にどうするかというお話でございますが、この経費につきましては、いわゆる繰越明許と申しますか、財政法に基きまして繰越が認められておりますから、農林省のほうからこの予算の繰越の申請が参りました際には、大蔵省としましては無条件に承認いたしたいと考えております。
#139
○委員長(片柳眞吉君) 本日はこれで散会いたします。
   午後五時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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