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1953/03/02 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第12号
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1953/03/02 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第12号

#1
第019回国会 農林委員会 第12号
昭和二十九年三月二日(火曜日)
   午後一時五十二分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     片柳 眞吉君
   理事
           宮本 邦彦君
           森田 豊壽君
           清澤 俊英君
           戸叶  武君
   委員
           雨森 常夫君
           川口爲之助君
           佐藤清一郎君
           重政 庸徳君
           関根 久藏君
           横川 信夫君
           上林 忠次君
           北 勝太郎君
           河野 謙三君
           河合 義一君
           東   隆君
           鈴木  一君
  政府委員
   自治庁税務部長 奧野 誠亮君
   農林政務次官  平野 三郎君
   農林省蚕糸局長 寺内 祥一君
   食糧庁長官   前谷 重夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   大蔵省主税局税
   制第一課長   白石 正雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○厚生委員会に対する申入れの件
○農林漁業金融公庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付)
○開拓融資保証法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○農産物検査法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○農林政策に関する調査の件
 (糖業に関する件)
 (蚕糸関係の件)
 (農林業関係税制改正に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○理事(森田豊壽君) それでは只今から委員会を開きます。
 先ずお諮りをいたします。前回の委員会におきまして、清掃法案の取扱い方につきまして委員長にお任せを願いましたので、お手許にお配りしました案文のように厚生委員長に申入れることを考えて見たのでありまするが、これにつきまして御協議願いたいと存じます。速記を止めて。
   〔速記中止〕
#3
○理事(森田豊壽君) 速記を始めて。清掃法案に関する申入といたしまして目下貴委員会において御審議中の「清掃法案」について、御承知の通り、我が国の農業は、古くからその慣行上、或いは都市衛生の要請によつて、相当多量の都市屎尿及び塵芥等を利用し、その供給を前提として農業生産及び農家経済の現状を維持している現実にあるに鑑み、本法、特に第十一条及び第十四条の運用に当つては、厚生、農林両当局において十分協議を遂げ、完全な了解の下にこれを実施し、農業上支障を来たすことのないよう、遺憾なく御措置願いたく、右当委員会の総意を以て申入れます。
 これは参議院厚生委員長宛で我が参議院の農林委員会としまして申入れる案文でありますが、今朗読いたしました通り申入れまして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○理事(森田豊壽君) 全員御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#5
○理事(森田豊壽君) 次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案は、去る二月二十二日内閣から閣法第四十四号を以て予備審査のため提出され、即日当委員会に付託せられたものであります。
 先ず提案理由の説明を聞くことにいたします。
#6
○政府委員(平野三郎君) 只今提案せられました農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明いたします。
 農林漁業の生産力を維持増進するために必要な長期且つ低利の資金を融通する機関としての農林漁業金融公庫は、昨年四月一日その業務を開始して以来約一年、その間土地改良事業を中心に、各業種に対し相当の貸付成績を挙げて参りましたが、このほか新たに漁船建造資金の貸付を始め、更に二十八年春の凍霜害及び冷害等の災害に際しても時宜に応じて融資を行なつて参つた次第であります。
 二十九年度における同公庫の貸付計画は、別に予算案に計上いたしました通り、総額二百二十五億円を予定しており、これに見合う資金源といたしましては、一般会計からの出資九十五億円、資金運用部からの借入れ百五億円、既貸付金の回収二十五億円を充てる計画としているのであります。
 このため現行法における一般会計からの出資金二百五億九千三百万円に加え、新たに二十九年度において九十五億円を出資することとなつた次第でありますが、なお、この際農林漁業金融公庫法第四条の規定により、農林漁業資金融通特別会計廃止の際における資産の価額から負債の金額を差引いた金額が同公庫の資本金の一部となつておりますが、その後百五十五億一千四百万円と確定しましたので、これらを合計いたしまして政府の出資金四百五十六億七百万円とすることといたしたのであります。
 今回の資本金増額により農林漁業生産力の増強に必要な長期低利資金の融通機関として重要な任務を持つ同公庫の基礎をより一層堅実にし、将来に亘りその積極的な事業運営に万全を期するため、この法案を提出した次第であります。
 以上がこの法案を提出した理由であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#7
○理事(森田豊壽君) 本法案の審議は後日に譲ることにいたします。
  ―――――――――――――
#8
○理事(森田豊壽君) 次に、開拓融資保証法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法案は、去る二月二十二日内閣から閣法第四十五号を以て予備審査のため提出せられ、即日当委員会に付託せられたものであります。
 先ず提案の理由の説明を聞くことにいたします。
#9
○政府委員(平野三郎君) 開拓融資保証法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 我が国食糧自給態勢確立の一翼を担う全国十五万の開拓者は、日夜その農業経営の確立に努力しているのであります。政府は、これらの開拓者に対し、農機具、家畜等営農の基本資金は開拓者資金融通法を以て直接融通しているのでありますが、その他の肥料、飼料等を購入する短期営農資金融通の方途として、昭和二十八年七月、開拓融資保証法を施行すると共に、保証基金として一億円を中央開拓融資保証協会に対して出資し、営農資金の円滑な導入を図つて来たのであります。
 この融資保証制度に対し、開拓者並びに都道府県は異常な熱意を上示し、又資金需要の増大に伴い、開拓者及び都道府県の出資も漸次増加しつつあることに鑑み、政府は、更に五千万円を二十九年度一般会計から追加出資して、本法律に基く融資額の増額を期する次第であります。
 以上が改正法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを御願いいたします。
#10
○理事(森田豊壽君) 本法案の審査も後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#11
○理事(森田豊壽君) 次に、農産物検査法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案は、去る二月二十三日内閣から閣法第五十号を以て予備審査のため提出せられ、即日当委員会に付託せられたものであります。
 先ず提案理由の説明を聞くことにいたします。
#12
○政府委員(平野三郎君) 農産物検査法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申上げます。
 御承知の通り農産物検査法に基く検査においては、政府に売渡する米穀等一部のものの検査の場合を除いては、所定の検査手数料を徴収することになつており、その手数料は収入印紙を検査請求書に貼付して納付せしめる定めになつているのであります。
 然るに、農産物検査法の施行以来二年有半の経過に鑑みまするに、この方法によるときは受検者に対して不便が多く、且つ、検査手数料収入の確保上にも制度的に多少の欠陥のあることが認められるのであります。なお、現行の農産物検査法においては、検査済品に対して封緘としての措置について何らの規定がないために、検査済品に対する不正行為及び空包装の不正使用が行われるという現象が生じ、公正な取引が若干阻害される事態を見るのであります。
 以上の点に鑑み、農産物検査手数料の納付を容易にし、検査手数料収入の確保を期すると共に、併せてこれらの不正行為を間接的に防止するため農産物検査法に所要の改正を加えることが適当であると考えまして、ここに農産物検査法の一部を改正する法律案を提案いたしました次第であります。
 次に本法案の骨子につきまして御説明申上げます。先ず第一点といたしましては、農産物検査手数料の納付は、新たに農林大臣が発行する特定の農産物検査印紙を以てしなければならないことといたす点であります。第二点は、農林大臣は、農産物検査印紙の売捌人を選定して、その売捌の業務を委託することができるようにし、これに対して省令の定めるところにより売捌手数料を支払うものといたす点であります。第三点といたしましては、以上に伴う関係法令の改正として、農産物検査印紙の売捌に関する規定を設けるため、印紙をもつてする歳入金納付に関する法律に、及び農林省に農産物検査印紙の製造、発行、売り捌きの権限を追加するため農林省設置法にそれぞれ所要の改正を加える点であります。
 以上簡単でありますが、提案理由及び法案の骨子の概要を申上げました。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#13
○理事(森田豊壽君) 本法案の審査も後日に譲ることにいたします。
  ―――――――――――――
#14
○理事(森田豊壽君) 次に、糖業の件を議題といたします。
 この件については、かねて河野委員、江田委員から質問の要求がありますので、河野委員の発言を求めたいと思います。
#15
○河野謙三君 砂糖の問題につきましては、過日農林省が取りあえずの措置として、手持の甜菜糖の払下、又台湾糖の輸入等をやるというようなお考えが発表されまして、一応目先の砂糖価格につきましては或る程度、安定とは行きませんけれども、多少の下落はあつたようでありますけれども、これは砂糖全体の将来の問題としては、現行制度におきましては絶対に砂糖価格の安定は期し得られないと、こういうことは政府もよく御承知のはずであります。我々委員会としても、その点に関しまして過日政府に本月八日を期日として回答を求めておりますが、まだその期日は参りませんけれども、政務次官が今日は珍らしく何か陽気の関係でここへお出でになりましたから、改めて政務次官から、砂糖に関して、行政官としてではなく、政務次官としての砂糖に関する一つ心構えをこの際先ず伺いたいと、かように思います。
#16
○政府委員(平野三郎君) 砂糖の問題につきましては、只今河野委員から御指摘のございましたような方法を農林省としては応急にとりまして、そうして需給の円滑化を図るということに努力をいたしておるわけでございます、実はこの問題につきましては、更に根本的に態勢を固めて、そうして遺憾なきようにしなければならんということで、なお今検討を続けておるわけでございまして、できるだけ近い将来に、何らか明確なるところの政府の方針を明らかにいたしたいと考えておるわけでございまするが、取りあえず、只今申上げましたような方法を以て当面の対策を一応立てて行こう、かように考えておるわけでございます。
#17
○河野謙三君 そのお考えは新聞を見て承知しておるのであつて、そうでなく、もつと議会のことでありますから、基本的な将来の問題について何かお考えがあつたら伺いたい、こういうことなんですが、どうでしよう。例えば最も飛躍して考えれば、砂糖の専売制という問題もあるでしよう、又砂糖の政府一手買取りという考え方もあるでしよう。又外貨割当の分に関してのみ政府が買取つて、これによつていわゆる糖価の需給調整をして行くという点もあるでしよう。こういうような、まあその他いろいろあるでしようが、それらの点につきまして大体どういう方向でお考えになつておるか。我々八日の日には回答をもらえるはずでありますけれども、併し八日と申しましても、あと四、五日のことでございますから、どういうふうな方向を考えておられるか、この点だけでも一つお漏らし頂ければ大変結構であります。
#18
○政府委員(平野三郎君) 実はこの点につきましては、まだ政府部内において協議しておるという段階でありまして、最終の結論が出ておらんわけであります。私個人としてのいろいろ意見もございまするが、何分にも外貨の割当につきまして通産省のほうとの折衝等があるわけでありまして、まあ農林省としては或る程度外貨の割当を急激に減らすというようなことのないようにして適当な措置をとりたい。私個人としては、やはり砂糖というものは専売制とまで行かなくても、やはり政府がこれを一手に買取つて、そうして国内需給については適切な対策を立てて行く、例えば入札のような方法を以てやるようにするというふうにして、これに関連するいろいろな問題の派生をなくするという方向に持つて行くのがいいのではないかというふうに、私個人としては考えておりまして、今いろいろ協議をいたしておる段階でございます。
#19
○河野謙三君 非常にまあ率直な御答弁を頂いて有難うございました。要するに、これだけははつきり政務次官は言えると思うのです。今の制度ではもう砂糖は駄目だ、であるから、もう少し飛躍した制度に切換えなければいかん、その一つの方法として一手買取、入札販売のような制度も個人としては考えておる、こういうふうな御意思のように伺いましたが、そう受取つていいですか。
#20
○政府委員(平野三郎君) 私個人としては全くそういう考えで、どうしても現状のようなことでは、これはもう賽の河原と申しまするか、問題の基本的解決はできませんし、又これに派生するところのいろいろな、最近やかましい汚職の問題なども起る虞れがあるのではないか、どうしてもこれは河野委員の御指摘の通り、飛躍した考え方で将来に亘るところの基本的な根本策をこの際樹立する必要があるのではないか、それには今申上げましたような方法をとる以外にはないのではないかというふうに私は考えております。
#21
○清澤俊英君 関連して……。先ほどいろいろ重要な御発言で、現段階では大体砂糖の統制の価格制限を持てないから次の段階を今構想して考えておる、こういうお話でしたが、この問題は自由党としては非常に重要な問題だと思うのですがね。殊に最近の新聞で見まする専売制或いは原糖の輸入の政府管理、価格統制の用意というような考えをどういう構想でこれを進めておいでになるか。ただ農林省だけで政務次官を中心にしてこそこそと御相談になつているのか、それとも経審等を中心にして御検討になつているのか、その点を一つ先ず明らかにしておいてから、いろいろのお話を承わつたほうが、私どもが受取る上に非常な効果があると思う。ということは、只今までの自由党とし、現吉田内閣としての経済政策としてのお考え方から行けば、こういうようなことはちよつと考えられないと思うのですが、統制等のことは、逆転することは、ただ言い逃れで、農林省のほうじやちよつとこういうことを考えていますというくらいのことであつては、なかなか我々承服できないので、もつとこれくらいの構想でやつているんだ、こういうお話になればそのつもりで非常な熱意を以てお聞きすることができますので、その点を一つはつきりいたして頂きたい。
#22
○政府委員(平野三郎君) 政府部内の関係についてのお尋ねでございまするが、これは勿論農林省において考えておるというのではなくして、政府といたしましては事務的に申上げますると、経済審議庁を中心といたしまして、砂糖のみならず、外貨割当全体の立場から検討を進めておる、そのうちに砂糖も重要な一環として入つておるということでございます。なお又、自由党として統制の方向べ持つて行くことは如何であるかというような点もございましたけれども、これはもう自由党は決して自由放任経済を称えておるわけではないのであつて、必要なものについてはどしどし計画統制方式をとるということでありまして、すでに御審議を願つておりまする肥料の問題にいたしましても、又近く御審議を願わんといたしておりまする生糸の問題等にいたしましても、すべて計画的の方向に進んでおるわけでございまして、あえて砂糖のみを統制するということによつて、自由党としておかしいじやないかということにならないと、かように考えておるわけでございます。
#23
○河野謙三君 まあ今の制度は抜本的に改正して出直すということでありますが、そこで一つ残る問題は、政務次官御存じのように、農林省で、聞くところによると、年間に砂糖は国内消費は百五万トンとか、せいぜい百十万トンだと言われますけれども、現在国内の精糖設備というものは現に二百五十万トンになつておる。立ちどころに三百万トンになることは必至のようであります。こういうふうな過剰設備の問題は一体どういうふうに今後処理されますか、この過剰設備が単に製糖業者の見込違いである、製糖業者の負担であるということで終ればいいけれども、この過剰設備というものは結局コスト高になつて、この過剰設備の負担というものは全部私は一般の砂糖消費者が背負わなければならんと、こういう結果になると思う、過剰設備の善後処理につきましては、どういうふうなことをお考えになつておるか。これは政務次官でなくとも、私は場合によつたら食糧庁長官でもいいと思いますが、どちらかから、この過剰設備の善後処置についてどのようにお考えになつておるか、一つ伺いたい。
#24
○政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、只今の河野委員のお話のように、現在の日本の外貨事情からいたしまして、消費量とそれから砂糖の設備との間にアンバランスがあるということはお話の通りでございます。これにつきましては、砂糖の原料の割当につきましても、従来そういう点を促進すると申しますか、割当方式自体のためにそういう点が促進されるという点がございましたので、いわゆる能力割というものをだんだん減らして参つておるわけでございますが、我々といたしましても、行政面におきましてもそういう面からの過剰設備を今後抑制して参るという点につきましては、その割当等につきましても十分検討いたしたいというふうに考えておるわけでございますが、今後の過剰設備の点につきましては、端的にこれを行ないまするのは設備の許可制というふうな形になろうかと思いますが、これはまあ経済制度全般の問題、他の産業との関係を全般的にどうするかという問題でございますが、砂糖の過剰設備につきましては、金融面等からいたしまして、こういう過剰設備は今後増資されるものを抑制するというふうな方法等について、十分検討いたして参りたいというふうに考えておるわけでございます。
#25
○河野謙三君 この過剰設備を生かす意味で砂糖の輸出というものは多少でも可能性があるのですか。全然砂糖というものは加工貿易として可能性がございませんか。
#26
○政府委員(前谷重夫君) 河野委員の御承知のように、昔は朝鮮等に、或いは関満州に対しまして砂糖の輸出があつたわけでございます。現在の原料を他から仰いでおる我が国の実情といたしまして、大きな加工輸出ということは、これはそう急には期待できないかと思いますが我々といたしまして、だんだんに市場の開拓、これは御承知のような貿易状態でございますと、各国間にいろいろな貿易の交渉がございまするが、そういう面を通じまして加工輸出の面にも考えて行かなければならないというふうには考えておりまするが、市場の面からいたしますと、今大きな加工貿易の市場が直ちにできるということもなかなかむずかしいのじやないかと思います。併し方向としてそういうことも十分努力して行かなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#27
○河野謙三君 加工貿易の将来につきましては全然見込みがなくもない、又それに努力をすると、こういうことでありますが、結局今の御答弁を要約すると、まあ取りあえずは見込みがないということでございますね。そうだとすると、全くこの二百五十万トンなり、三百万トンの設備というものは、これは完全に無用ではなくて、一国の産業から見れば有害な設備であります。この過剰な設備を一体誰がさしたか、私は、いろいろ言われますけれども、農林省自体が過剰設備を作つたと思うのです。それは今日に至るまで現在砂糖工場が拡張しておるこの設備までも、全部ではありませんけれども、一部割当の基準にそれを認めておるというところに私はこの過剰設備が生まれたと思うのです。工場の設備の認可等は、そういうことはやらなくてもよろしい、ただ昭和二十七年なら二十七年の暮、若しくは二十八年の春を以て国内の需要と国内の設備能力と大体ミートしたところ、その日時を以て設備はこれ以上作りましても割当の基準に認めないということにすれば誰も工場は作りませんよ。ところが現在すでに二百五十万トンになつておるにもかかわらず、依然として今月の末を以て設備の実体を認めるというようなことをしておる。でありますから、今製糖会社に行つて御覧なさい。全国の製糖会社で現在只今拡張設備をやつてない所はありませんよ。これは農林省が割当の基準に未だに設備を認めるということにしておるからだ。そこで過日出されたというところの三月までの設備を認めるというこの農林省の通牒ですか、これを撤回なさる御意思はありませんか。撤回して改めて過去に遡つて適当な時期を切つて、それ以後の設備はもう認めない、こういうことにされる御意思はありませんか、その点を伺いたいと思います。
#28
○政府委員(前谷重夫君) 設備の点につきましては、我々も過剰設備にならないようにということで警告は発しておるわけでございますが、御承知のように現在の状態といたしましては、それぞれ自己の採算におきましてその設備の改良と個々の企業の立場においていろいろ計画をいたしておるわけでございまして、これに対しては政府といたしましても全般的に規制をいたしておらない状態でございますので、これを端的に停止せしめる方法ということはないわけでございまするので、只今河野委員のお話のありましたように、本年度におきまして、今後の増設につきましてはこれを一年間ストツプするということで行政面の措置を講じたわけでございますが、御承知のように工場の設立は相当の期間を要しまするので、相当長期に亘りまして従来から進めて参つたわけでございますので、そういう点等も考慮いたしまして措置をいたしました以後におきましての問題として、これを処理いたして参りたいというふうに考えておるわけでございまして、やはり相当の期間それによつて計画をして進めて参つたという、この現実の問題に対しましては、行政面におきましても、その点を考慮いたさなければなりませんので、そういう措置をとつたわけでございますので、その点を一つ御了承頂きたいというふうに考えるわけであります。
#29
○河野謙三君 私は食糧庁長官に向つて今一応ものを言つておるけれども、私が本当にものを言つておるのは食糧庁長官に言つておるのじやない。これは平野さんよく聞いておきなさい。これは自由党にものを言つておる。政務をやつておる政府にものを言つておる。これは決して行政官が今のような過剰設備を是認して今日まで来たわけじやないのですよ。私が承知しておるところでは、例えばこれは世間の噂なんですから責任は持ちませんが、これは告訴なんかされちや困りますけれども、噂ですから申上げますけれども、名古屋精糖という会社には池田さんの関係の人が大変入つておるそうですよ。その名古屋精糖が現在神戸に工場を作つておる。それが何か今月出来上るそうですよ。その出来上るのを待つてその実績を認めてやらなければいがんだろうというようなことで、特に設備の切る時期を本年の三月まで延ばしたというような、これは少し邪推かも知らんけれども、そういう噂さえあるのですよ。これは要するに長官でどうにもならんことであつて、まあ平野さんも政務次官に就任される前のことであつて又平野さんは私の知つておる範囲では砂糖のことには余り御関係がないし、又昔砂糖のどういうことをやつておるか知つておられないでありましよう。おられないでありましようけれども、政務次官になられた以上は、過去に遡つて砂糖の今日までの行政の経過を調べられて、一体行政官が悪かつたのか、それとも背後の政党が悪かつたのか、そこらをお調べになつてそうして根本策を立てて頂かんと困る。伺いますように、輸出はもう殆んど見込みはないのだ、又ないでしよう。バーターで持つて来た高い原料を使つて、そうして国際価格に合せるなんということはこれはもうとんでもないことであつて、できつこない。でありますから、どうしてもこの砂糖につきましては過剰設備の問題を根本的に処理しなければいけません。今製糖会社が折角工事を始めているものであるから、それを認めなければいかんとおつしやいますが、そこが間違いですよ。僅か十か十五の製糖会社がかわいくて国民がかわいくないですか。製糖会社全部合せたつて何人もいやしませんよ。砂糖は八千五百万人の国民が全部舐めるのです。政治の重点が違いますよ。考え方の基本が違いますよ。私はそれは前谷さんの御意思じやないと思う。製糖会社はこういう工事を始めて、これを一遍に認めないというわけには行かんから、だから本年の三月まで猶予期間を置いてやつたのです。これは製糖会社には非常に温情であるけれども、国民には決して温情な政治じやありませんよ。国民に温情なる政治をやつてもらわなければいかん。そういう点について私は政務次官にもうちつと過去についてお調べ願うと同時に、今私が申上げたことについて、設備を三月までと一遍農林省が通知を出したのだから、私が今申上げたような矛盾があつても、そういう通知を出したのだから、これはもう撤回するわけにいかん、どこまでも本年の三月の月末まで、名古屋精糖の設備がすつかりでき上るまで待つてやつて設備を認めてやる、こういうような御方針はこれは確固不動のものなのですか。国民に如何に迷惑をかけても、これだけは農林省は引けないというのですか。引けなければ引けないという理由を私は伺いたいと思う。
#30
○政府委員(平野三郎君) 河野委員の御指摘の通り、私は全く同感に存じております。併しこれは終戦後の日本経済の復興途上において、或る程度自由な立場からこれを進めるということでここまで発展して来たわけでありまして、その間にまあ若干の行過ぎというものも確かにあると存じます。これは砂糖がお話のように非常な過剰設備になつておるということはまあ事実でありまして、その点行過ぎの好個の例でありますが、これは砂糖のみに限らず、日本の終戦後政治、経済全般の傾向である。こういうことでこれをこの際正常な軌道に引戻すということが必要であるというふうに政府は考え、只今御審議を煩わしております本年度の予算につきましても緊縮方針をとつてやつておる。まあこういうことでございます。併しながら先ほど申上げましたように、特に砂糖の問題については、この際抜本的な対策を立てる必要があるということで、今鋭意研究を進めておるような次第でありまして、近い将来に御期待に副うようにいたす所存でございます。只今名古屋精糖のお話がございましたが、これにつきまして私よく承知いたしておりませんけれども、早速取調べをいたしまして、河野委員のお話の通りであると思いますので、必要な措置を断固としてとるようにいたしたいと思います。
#31
○河野謙三君 政務次官誤解があるようですから、もう一度伺いたい。自由経済である限り、過渡的にこういう問題が生れたんだと、こうおつしやるけれども、私は本当の自由経済でこうなつたのだつたら私政府を責めません。砂糖は自由経済じやないんです。根本の粗糖を外貨割当をやつて、原料輸入というものは政府の権力で統制しておるのです。それから製糖会社に売つて、製糖会社が製糖して砂糖の流通過程が自由というだけだ、原料は完全に統制ですよ。終戦後今日まで砂糖が輸入から始まつて消費者の台所に入るまで自由だということはないんです。特に政府が完全に外貨を握つて原料の統制をやつて今日まで来たのでありますから、製糖会社の今申上げる過剰設備等の問題も、政府の考え方ではこんなにならないと思うのです。それを政府がこうしたんです。行政官がしたんじやない。あえて私は申上げます。今言うようないろいろな楽屋裏のことがあつて、そうして過剰設備を承知しながら、一、二の会社に加担をしてそういう設備をふくらませたんです。これはできちやつたことは仕方がないが、このできた二百五十万トンなり、三百万トンの過剰設備を国民の負担においてこれをなし崩さないで、これは製糖会社独自の立場においてなし崩すか、さもなければ国民の負掛以外の製糖会社又は国の負担でこれを償却してやるとかして、何かその方法を承わらなければ、抜本的な制度の改正とおつしやいましたが、その中には当然今の過剰設備の問題も含まれるのです。それについて伺いたい。
#32
○政府委員(前谷重夫君) 只今の河野委員の御発言御尤もでございますが、これはまあ自由経済の下におきましては或る程度企業の浮き沈みと申しますか、まあそういう点におきまして、おのずから競争によりましての合理化が進んで参るわけでございまして、この価格なり、割当をいたしまして、そうしておのずから個々の過剰設備が合同され、又旧設備が新設備に変つて行く、こういう形になるわけでございますが、お説のように、それが糖価に非常に影響を与えて、それによつて国民の家計に影響を与えるということを防止するためには、やはり糖価の地位というものを或る程度の水準に置くということが必要でございまするので、そういう面からいたしまして、輸入を確保し、そうして糖価の位置を安定せしめるということによりましてその点を防止して参りたい。これはおのずから或る時期におきましては、旧設備が新設備に転換して参るということはあり得るわけでございまして、終戦後に作りました設備はだんだん老朽化いたしておりまするので、そういう点でおのずから企業努力によりまして工場の転換が行われるわけでありまして、これはまあほかの産業におきましても、旧設備と新設備との転換ということも需要の状況によつては当然起つて参るというふうに考えておるわけでございますが、御指摘の点につきましては、我々としてもそういう点について、今後更に過剰設備を増設するということのないように十分注意して参りたいというふうに考えております。
#33
○河野謙三君 平野さん、あなたは砂糖に関係ないから、あなたならばできるんです。やはり砂糖に関係が多少でもあると、これはなかなか踏み切りが付かんと思うのです。大いに私はあなたに期待し、特にあなたの勇気に期待する、砂糖は是非根本的に洗つて下さい。我々が洗う前に政府で洗つて下さい。あなたがここで砂糖は過去に遡つて全部洗い出す、これはもう情実を排して洗いますということを言つて頂ければ私に関する限りは砂糖はこれで止めます。あなたやつてくれますか。それと同時に、前谷さんにこの間ちよつと資料を要求して、その中に全国菓子協連とか、いろいろ出しました。私が申上げました菓子協連の性格と、あなたのほうから出ましたデーターと大分食違いがある、例えば四十六府県、全国の各県に跨がつている、私は跨がつていないこ言う、そういう問題について今まで菓子協連に対して、あなたたちが割当てられた製糖会社以外の団体に、これは本当に自他共に許すところの全国団体としてあなたたちは調査の結果責任は持てますか。
#34
○政府委員(平野三郎君) 砂糖のことは全く素人でございますが、河野委員のお話、心から同感の意を表するわけで、御期待に副うようにやる決心でございます。特に最近外貨の割当等についてたくさんの陳情がございます。特に菓子協同組合とか、いろいろの方面からありますけれども、ああいう要望のあることは当然でありますが、あの通りやるということに対して、果して的確にこれが正常に消費者のほうに流れて行くかどうかということについては多分に疑問があるというふうに、私素人ながら考えて、先ほど申上げましたように、どうしてもこれはこの際政府が一手に買取るようにして、入札で処分するというような方向に行くことが一番いいんじやないかということを感ずるに至つたのも、そういう点があるわけでありますが、やはり将来の計画を立てますためには、過去の実績を再び検討するということが必要でありますので、この際早急に今までの砂糖行政の内容を厳密に精査いたしまして、そうして御趣旨に副うように、この際断固たる決心で一大刷新をやるようにいたしたいと存じます。
#35
○河野謙三君 一言、平野さん、その問題ですね。あなたは自由党の党員として党の活動の先頭に立つて党勢拡張をやつておられる。私も御承知のように、あなたと曽つては一緒であつた。今でも党籍は参議院の建前上抜けておるけれども、自由党を愛する自由党のシンパのつもりでおります。そこで私は聞いてもらいたいのだが、非常に嘆かわしいことは噂ですよ。最近のことですが、或る団体に砂糖を割当をとつてやつた、自由党の誰かにその御返礼に四千万円ちやんと届けることになつておる。ところがたまたま砂糖の問題が起きたので、今その金を持つて行くと危いからということで、その金がどこかの金庫の中で眠つておるという話がある。これも嘘だろうと私は信じたい、シンパである限り……。だけれども、そういうことさえも伝わつておるときでありますから、本当にいつ選挙があるか知れんけれども、自由党の党勢拡張のために、あなたが勇気を振つて砂糖の過去に遡つて全部洗い出すということだけでも、これはあなたの手によつて自由党の代議士の十人や十五人は必ず出ますよ。そういう意味合いにおいて、一つこれは愛党の精神から言つても、私は本当にこれは冗談話じやない。愛党の精神から言つても、これだけ砂糖に国民が疑いを持つておる。今の四千万円の問題でさえもまことしやかに出ておる。併しこれは私は噂だと思う、デマだと思うけれども、全然デマだと言い切れない節もあるのですよ。これはあとであなたと控室ででも話しましよう。とにかくそういう問題がありますから、これは一つ是非今のお言葉通り、本当に私は党のためにも、勿論国家のためにもやつてもらいたいと、こう思います。
#36
○政府委員(前谷重夫君) 只今河野委員の団体の問題でございますが、我々は先般資料を差上げましたように全国的な団体として考えたのであります。今県別の人数その他につきまして、どの県がどういうふうに加入しておるか、その人数が幾らあるかということを団体に照会いたしております。
#37
○河野謙三君 今考えておられるというので、責任を持つて全国団体と言い切れない段階ですね。調べておられる、調べるについて、過去においてそういう例えば菓子協連に砂糖をやつた、その砂糖がずつと下まで組合員に流れておるかどうか、これも調べて下さい。途中で皆引つかかつておるように私は聞いておる。組合員全体に、組合員の名において取つたものは組合員個々まで行かなければならん、私はそう行つていないことを断定するくらいの資料を持つておる。併しあなたは御調査の結果、組合の構成を調べると同時に、過去における砂糖の払下げたものはどこまでずつと占めておるかということをついでに調べて、いつかの機会に一つ出して下さい。
#38
○河合義一君 只今河野委員のお話でありましたが、四千万円の件については、政務次官と河野委員とが控室で話合うのだということでございましたが、私は参考のために一つはつきりここで知りたいのですが、控室でなくしてこの席上で一つお願いいたします。もう一つ申上げたいのは、政府が粗糖を輸入しまして、入札を以て各会社にこれを渡すと、そういう場合には力の強い会社が又利益を壟断することになりまして、砂糖の価格が高騰するというような虞れがないのでありましようか。その点はよく考えて頂いて、そういう制度を布かれるという行政の方法をとられるのでしたら、十分御考慮になる必要があると思うのですが、その点は如何でございましようか。
#39
○政府委員(平野三郎君) 今のお話は、将来どうするかということで実は目下検討を進めておるわけで、まだ何ら正式の最終意見に到達したわけではございません。従つてどういうふうになるかという点について、まだここで確答を申上げる段階ではございませんが、お話のように入札という方法でやりまする場合においては、一面力の強いものがこれを独占して買うので価格の高騰を来たすという場合もあるわけでありまして、そういう点もないようにいたさなければなりませんが、然らばと言つて、今四千万円というお話がありましたが、そういうこともやはり今までやつておりましたような方式のために起る弊害もあるわけでございます。そういう点は入札という方法をとれば防ぐことができるわけでございます。従つてまあそういう点を慎重に勘案いたしまして、遺憾のないように処置いたしたいと存じます。
#40
○河野謙三君 今、控室でなくここで話をしてくれということでありましたが、要するに私はそういう噂を聞いておるから、だからここで余り、もう少し私が信憑性を持つたことなら、ここで私は皆さんの前で政務次官に質しますけれども、ここで質すには少し私自身も、全然デマとは考えないけれども、さようかと言つて確信を持つてここで政務次官に言えるほどの資料もまだ整つておらんから、私は控室で政務次官にこういうことを聞いておるが、あなたも調べなさい。私ももつと調べるからということを控室で話をしようということであつて、控室で取引をしようということではございませんから、河合さん一つ御了承願いたいと思います。
#41
○清澤俊英君 只今政務次官は、自由党としての手放しの自由主義でやつておるのではないのだ。自由経済を踏襲しておるのじやないのだ。従つて肥料にしてみても、生糸にしても何らかの統制をしておると考えておる。従つて砂糖も価格の統制、輸入の制約或いは飛躍した専売制というようなものも今いろいろ検討しておる、こういうお話でありましたが、そこでちよつとお伺いしたいことは、先ほどからも問題になつておりますが、すでにドルの割当で粗糖の輸入は制約せられて、それが入つて来てまあ一〇〇%の消費量に達しておらない。而もだんだんその量も手持ドルの関係上減つて来るのじやないか、リンクか何かで辻棲を合して行こうということを、窮屈さを迎えられているのですが、今まででも清算取引というものが自由経済の最後の成果であると私は考えているが、そういうものも許されている。従つてそういう情勢になれば、先ずこういう清算取引なるものは無用の長物であると、こう考えられるが、思惑をやりましたり、買占めをやつたりする道具に使われるので、決して正常なもので下に通ずるものではないが、そういうものが、あなたはここに基本的な統制が行われておりまする際に、そういう清算取引がありますることは、砂糖行政をお取扱いになつておる農林省関係としてはどういうふうにお考えになつているか、果してこれがどうしても必要なのかどうか。必要でないが商工省やその他の力に押されて止むなくやつているが、実際農林行政の上から見ましては、こういうものがないほうがいいとお考えになつておるか、どつちか一つ御意見を伺いたい、こう思うのです。
#42
○政府委員(前谷重夫君) 只今の御指摘の砂糖の取引所の問題であります。これはまあ清澤さん御承知のように、砂糖が戦前におきましての自由取引の場合においては取引所があつたわけでございますが、戦時及び戦後におきまする統制時代におきましては、そういう商品の取引所はないのでございます。二十七年に砂糖の配給統制が解けますと同時に、これは流通機構が自由になりまする場合には、やはりその需給関係を反映いたしましたそこに基準の価格が立てられて、その基準の価格によりまして取引されるということが、これはまあ流通統制のない時代におきましては、これは一つの価格安定の基調になるわけでございまするので、これはまあ当然一つの目安として行われなければならないというふうに考えます。ただこの砂糖の行政が非常に急転回いたしまして、配給統制にまで入るということになりますと、御指摘のように、現在の取引所の清算取引というものが必要かどうか、価値があるかどうかということは、これはまあ再検討をいたさなければならないと思います。
#43
○清澤俊英君 この清算取引が配給統制がとれて、その後の情勢としては必要でないのだと言われるが、粗糖の輸入はまだ存在しておるでしよう。そこに問題があつたわけです。だからこのたびの値上りなどを主にやりました因は、結局すればこの清算取引の相場が上つて来た。最初はまだ気が付かないうちに、政府の動き或いは外貨がどうだとか、こうだとかというような問題を中心にして砂糖が不足して来るというので、上げて来たのは清算取引が中心になつて、その清算取引が弊害になつたと思うが、少しも正常な安定価格を出しておらない。政府が少しまあ今度は骨つぽく出やしないか、手持を投げ出したり、或いは急に砂糖を入れやしないかというような様相が見えますれば、一時これは警戒しろというようなことで、ちよつと今下押ししておるだけの話で、こんなものは皆清算取引の仕事であります。実際今の足らない状況におきましての末端までの響きというものは、そんなに一々砂糖屋の、菓子屋のおやじが輸入を、ドルの割当を基本にして砂糖を買つておるなんということは先ず恐らくはありませんし、わしらどもの女房がそんなことを当にして砂糖を買つておりません。結局すれば、結局砂糖の値段を上げたり下げたり勝手気ままなことを、取引をするのは精算取引だと思う。而も統制を今ここでやらなければいかんというようなお考えが仮にあるとするならば、こういう障害物は停止するお考えが一番先になければならん。一番先にこんなものをとめてしまつて、そうして製糖会社なり、消費者なりと膝を突き合せて、そういう無理なことをしてもらつては困るというようなお話をなすつたほうが話が早いと思う。それでなければ、こういうようなことをやるなと言つたら、さつさと片の付け方が早いと思う。こういうことを問題にしておいて、それでなお幾らでもというようなお話では、これは本当に統制するのかしないのか、話がやかましくなつて来たから今のところちよつとそんなことをやつておるのだというてごまかすというようにしか私らはとれません。本当に統制まで考えておいでなら、こんな無用な長物はすぐおやめになつたほうがいいじやないかと私は考えております。農林省としてはどうお考えになるか、通産省としての話は又別であります。
#44
○政府委員(前谷重夫君) この取引所のことでございますが、只今私が申上げましたのは、普通の配給統制をいたしておりません場合におきましては、一般に価格の目安としての取引所の機能が果されておるというわけでございますが、御指摘のように取引所が過当投機に入りますると非常な思惑的な要素が動きまして、そこに価格の異常なる高騰、暴落ということが起るわけであります。これは取引所の機能を正常に持つて参りますために、その点につきましての取引所の監督はこれは十分いたしておりますし、又証拠金の問題でございますとか、或いはストツプ価格の問題というふうなことで、自主的にもそれぞれ過当投機に陥らないようにやつておるわけでございます。ただ配給統制をするということになりますると、この取引所を如何にするかという問題が課題になるわけでございますが、現在の段階におきまして、今後の砂糖の行政のあり方につきまして目下いろいろ検討をいたしておるわけでございまして、その検討の結果によりまして、当然その砂糖の取引所に対する考え方もおのずからきまつて参る、こういうふうに考えておるわけでございまして、これは御承知のように、綿にいたしましても、その他のものにいたしましても、大量の物の動きにつきましては、やはり取引所が一つの価格の機能を果しておるわけでございまして、大量物につきましては、やはり自由に流通を認めます場合におきましては、こういう機構が必要であろうかと、ただこれが過当投機に入るということについては厳重に注意しなければならない、かように考えております。
#45
○清澤俊英君 くどいようですが、自由に置いて動いておると言われるけれども、入つて来るものは自由になつていないのです、入るほうにはちつとも自由じやない、量に統制があるのです、入つて来るときは……。買うときも統制がある、製糖会社が持つて来られれば……。昔のように誰でも見込みで以て輸入ができるというふうじやない、一つのちやんと統制の枠を以て輸入しておるのだけれども、元は河野さんが言う通り立派な統制になつている、而もそれはあり余つているものが入つて来ているのじやなくて、足らんものが入つて来ている、それが廻つているだけだ、それが何が自由でしようか、私は自由というのがちつともわかりません。自由経済の原則としてそんなことはいいことじやない、そういうものであるということは、少しもあなたの言われる話はわかりません。元はちやんと抑えておいて、そしてそれが自由に動くんだから自由にするんだと言つてもこれは自由になりません。
#46
○政府委員(前谷重夫君) お話のように、輸入につきましては総体の枠があるわけでありますが、それが国内の、御承知のように砂糖の消費というものは全国にまあ跨がつているわけでございまして、これはその卸、或いは製糖会社、或いは小売等の機構を通じて消費者なり需要者に行くわけでありますが、その間におきます取引の価格の基準というものは、これはやはり国内におきまして量が一定いたしておりましても、その面におきます需給の関係というものは又動きがあるわけでございまして、その需給関係というものを反映して来る、そこに相場が立つわけでありまして、その相場を目安に置いてそれぞれの企業が経営されるわけでございますので、必ずしも砂糖の輸入の枠がきまつているということだけで以て全的な統制になつているということは言えないわけであります。国内の流通という面からいたしますと、やはり一つの価格機能というものが取引所にあるわけでございます。そういう意味で申上げたわけでございます。
#47
○東隆君 私はこの機会に、砂糖に非常に関係がある飴、それから澱粉、これは食糧庁の下にあるわけで、而もこれに辛くもなるし、甘くもなるのですが、これの三つについての調和した政策を立てなければ問題にならんと思います。澱粉は御承知のように農林省が大分手持を持つておりますし、それから飴は砂糖の関係で非常に今仕事がむずかしくなつておると思います。戦争中或いは戦後においてはキヤラメルが七割は飴を使つておつて、三割が砂糖、今完全に砂糖が七割で飴が三割、こんなようなことになつている。それで今の状態として、私は当然外貨を節約する意味においても澱粉を有効に使つて甘味料を作り上げる必要がある。それは国内において生産をされるもの、それに変えて行かねばならん、こういうふうに考えますが、それがすつかり壊されてしまつた。そうして澱粉を農林省はこのままで置くならば、正当に買上を続けて行くならば、澱粉で食管会計は破産をするだろうというようなことを言われるわけです。だからこの際私はこの三つを中心にして、幸い食糧庁の管下にある仕事でもございますので、これについてどういうことをお考えになつているのかお聞きをいたしたい。
#48
○政府委員(前谷重夫君) 東委員の只今の澱粉の関係でございますが、澱粉は御承知のように、農産物価格安定法によつて政府が買上げておるわけでありまして、その澱粉の消費が水飴を通じまして砂糖との関連があるわけでございますが、現在の状態から申上げますると、現在政府が二千万貫程度の澱粉を持つておりますが、本年度の市況からいたしますと、本年度産の澱粉を政府が価格を支持いたしておりますが、その価格で以て政府が買上げるという必要がなかろう、と申しますのは、政府の支持価格以上に現在の市価が上廻つておりまして、農業団体による自主調整によつて消化されておるということで、法律的に一つの制度を設けておりましたが、現実の市価はその制度以上に上廻つておる、こういう形になつておるわけであります。その澱粉と砂糖との関係は只今御指摘ありましたように、澱粉の大部分というものは水飴になるわけでありまして、水飴の使われます製品が菓子等でございまして、砂糖との競合があるわけでありますが、これは消費者の購買力なり、嗜好と関連をいたすわけでありまして、やはり澱粉価格と砂糖価格との相関性におきまして、澱粉の消費が伸び、或いは砂糖の消費が伸び、澱粉の面から申上げますと、むしろ砂糖価格が高くなるということが、澱粉価格、澱粉の消費、水飴の消化が多くなる、こういう相反した形になつておるわけでございまして、我々政府の所有の澱粉といたしましては、やはり農産物価格安定法に基きまして買上げた、その精神によつてもともと買上げたものでございますので、その趣旨によつて運用いたしたい、現在の市況と同時に生産者団体の共同販売の計画の進行等を睨合せまして、そうして政府澱粉の消費をいたしたい、かように考えておるわけでございますが、これを砂糖との関連におきますると、やはり製品の価格及びその品質、消費者の嗜好というふうな関係から、非常に画一的に考えることはむずかしいわけでございます。やはり価格関係におきまして、現在相当澱粉が高くなつておる、同時に砂糖が高くなりますると、澱粉の水飴に対する消化、水飴の消費が出て参るという形になつております。その状況を考えまして、政府の澱粉の消費を考えてみたい、かように考えております。
#49
○理事(森田豊壽君) ちよつと皆さんにお諮りいたしますが……、速記をちよつと止めて下さい。
   〔速記中止〕
#50
○理事(森田豊壽君) 速記始めて下さい。
#51
○東隆君 今のお話では、砂糖が高くなれば澱粉も上つて来る、こういうお話ですが、これは時期的なズレ、それから同一の砂糖、市場に出ておる消費者が買う場合における値段、それから農家が手放すときの澱粉の価格ですね、こういうようなものは、これは同一のベースに置くべきものではない、それで少くとも農林省が考えるときに、単に市場面に出ておるところの価格で以て決定をすべきものじやない、見るべきものじやない。そういう形で以て見たのでは、澱粉を製造するほうなんというのは、これは上つたりになつてしまう。増案する面をどんどん殖やして行つて、そして而も価格を或る程度維持して行くという、こういう形をやらんければ、農林省の政策としてはこれは変な政策になつてしまう。それで今のお考えから行くと、私は非常に聞違つた糖業政策が生まれて来ると思う。それでこの点はよくお考えを願つてやつて頂かなければならんと思います。その点はどうですか。砂糖の小売値段が上つているから、従つて飴も高くなつた、従つて澱粉も高くなる、併し農家にとつてはこれは全然違う。現に価格維持政策がとられておりますけれども、あの政策が示した価格よりも安い値段であつたにもかかわらず、その当時は買上げがされておらない。そして澱粉が別な者の手持になつてから次第に上つて行く、こういう形が出ておるのですから、これはあの当時価格維持政策としてああいうものを作り上げたときの考え方とおよそ違つた姿になつておるのですが、それを併せて糖業政策と関連をしてお考えを願わなければならんと思います。
#52
○政府委員(前谷重夫君) お答え申し上げますが、私は砂糖との関連におきまして、澱粉の価格というよりも澱粉の消費量の問題を申上げたわけでございまして、只今の東さんのお話の点は、対農家との関係におきましては、これは私たちといたしましては農産物価格安定法の運用によつて支持して参る。こういうことを考えておるわけでございまして、先般もこの運用につきましては、いろいろご意見がございましたので、当時北海道等につきましても、全販連を通じまして買上と申しますか、全敗連の自主的調整、全販連を通じての買取資金の融通ということによりまして、ほぼ政府がきめました支持価格に行つたんではなかろうか、その後全国団体と共同販売によりまして市価が維持されておるわけでございまして、それに最低価格を割るために政府が買上げなければならない、こういう状態ではなかろうかと思います。農家との関係におきまする農業政策の面というものに、我々といたしまして農産物価格安定法の運用によつてやつて参る、そこでこの澱粉の消費の面からいたしますと、何に行くかというと、水飴が非常に多い、そうすると水飴の消費というものと砂糖との関連があるということを申上げたわけでございまして、水飴の消費は、御承知のように砂糖が五、六十万トン程度、当時におきましては相当消費があつたわけでございますが、だんだんに頭打ちの傾向になつておるということは御承知の通りでございますが、まだ相当の、価格如何によつてはその転換も行われるだろう、こういう意味において消費の面から申上げたわけでございまして、我々といたしましては、対農家との関係におきましては、繰返して申しますが、農産物価格安定法の運用によつてこれを図つて参りたいというふうに考えるわけでございます。
#53
○理事(森田豊壽君) それでは糖業に関する件はこの程度で打切ります。速記止めて下さい。
   〔速記中止〕
#54
○理事(森田豊壽君) 速記始めて下さい。それでは只今より蚕糸関係のことについていろいろ御質疑があるようでありますが、簡単に河野委員から御質問願います。
#55
○河野謙三君 本朝の新聞を見ますと、衆議院のほうで、予算の修正について一応保守三派の妥協案と申しますか、成案を得てあるようですが、その中の農林関係の追加された分につきまして、私は極く簡略に政務次官から御説明を頂ければ非常に結構だと思います。特に蚕糸局長も見えておりますから……僅か五千万円の金でありますけれども、蚕糸の関係の予算が五千万円追加されておりますが、これは一体どこに向く分であるか、私特に改めて伺うのは、或るところに行くと、これは養蚕技術員のほうの増員に充てると言う人もあるし、或るところに行くと、これは桑苗のほうの予算に向けるのだ、或いは又これは養蚕農家の病害防除のほうの予算にするとか、いろいろ五千万円だけをめぐつて皆考えておることが違うように聞いておりますが、一体御本尊さんがお見えになつておるから、一つの例として、蚕糸の五千万円追加されたものは何に使うのか、何のために要求したのか、これを承わりたいと思います。
#56
○理事(森田豊壽君) ちよつと速記止めて。
   午後三時九分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時二十四分速記開始
   〔理事森田豊壽君退席、委員長着席〕
#57
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて。
 続きまして農林関係の税制改正の点を議題といたします。本国会に国税関係の各種法律案及び地方税改正法律案が提出され、これらの法律案は直接間接農林業に至大の関係を持つておるものと思われますので、本日はこれらの法律案につきまして政府当局から説明を聞きまして、当委員会としてとるべき措置について協議を願いたいと存じます。
 先ず国税関係から説明をお願いいたします。
#58
○説明員(白石正雄君) 今回国税関係の改正といたしましては、所得税法、法人税法、相続税法及び租税特別措置法につきまして、それぞれ一部を改正する法律案を目下提案している次第でございまするが、これらにつきまして農林関係に特別に関係が深いと思われるものにつきまして御説明を申上げたいと思います。
 先ず所得税法関係でございますが、今回の改正案の中で山林所得につきましての改正を行おうとしております。山林所得につきましては、御承知のように五分五乗の方式によつて今まで特別の課税の方式がとられておつたわけでございますが、今回これを分離課税にいたしまして、他の所得と区別して課税をするということにしようとしているわけであります。従いまして山林以外の所得を持つておられる納税者のかたにつきましては、累進税率の適用がそれだけ緩和になるわけでありまして、その限りにおきまして軽減になつておるということに考えられるわけであります。
 その次は、変動所得の課税に関しまする問題でございまするが、御承知のように漁業から生ずる所得とか、或いは著作権から生ずる所得というようなものにつきましては、現在変動所得といたしまして非常に複雑な方式で課税を行なつておるわけであります。これはシヤゥプ勧告に基いて改正せられましたものでございまして、理論的には非常に優れておると考えられるわけでございますが、非常に課税方式が複雑でありまして、且つ後年におきまして同じ変動所得があつた場合に、その後年度の所得との間に調整をするということで、課税の関係が後年度まで延びるわけでございますので、そういつた関係で非常に複雑になりますので、これを何とか簡素化したい、こういう考え方から今回これを取上げたわけであります。今回の様式といたしましては、漁業のようないわゆる変動所得というものが全所得の二割以上を占めておるという場合、これは現行法と同じでございますが、そういつた場合におきましては変動所得を前年二カ年の間に生じました変動所得の平均額と比較いたしまして、その平均額を超える部分につきましてその超える部分を五分の一にする。そうして他の所得と合せまして累進税率の適用をいたしまして、そこに出て来ましたところの平均税率、これを以て他の五分の四の分につきましても課税をする。従いまして変動所得の超過額と一応申しますか、前二カ年の平均額を超える分につきましては五分の一のところの税率で全体の課税が行われる。こういうことに相成るわけでございます。そうしてこの様式は大体現行法においてとつておる様式と同じような方式を踏んでおるわけでございますが、後年度において変動所得がありました場合に、更にその後年度において生じた変動所得との間の調整をするということを取止めまして、一回限りで今申しましたような方式で課税をして打切りにする、こういうことたしておるわけであります。従いまして後年度との調整ということは、後年度において変動所得が多く出るとか、或いは少くなるというようなことで、その課税関係は一様ではございませんけれども、大体におきましては調整をしない限りにおいて安くなつた、軽減された、このように一般的には考えてよかろうと考えるわけであります。
 それから今回所得税につきましては、予定申告制度を原則として予定の納税制度に切換えると、こういつた手続の簡素化を図ろうとしているわけでございますが、この場合に特別の農業所得者、つまり総合所得金額の中に農業所得が七割以上を占めており、且つ九月一日以降生ずる農業所得の割合が全体の農業所得の七割以上を占めると、こういつたものにつきましては、現在におきましても申告或いは納税の時期について特例を設けておりますので、これはやはり現行法の趣旨に則りまして、予定納税制度におきましても、やはり第二期において納めて頂くようにするというようにしておるわけでございます。これは趣旨においては現行法と殆んど変らないわけでございます。所得税関係におきましては、大体これらの点が農林関係に特に関係が深い問題かと考えます。
 次に相続税でございますが、相続税関係といたしましては、立木の評価につきまして特例を設けておるわけでございます。立木につきましては所得税と相続税との関係につきまして、従来二重課税という問題が議論されておるわけでございます。御承知のように、被相続人の持つておりました立木を相続人が相続いたしますと、そのときの立木の時価に対しまして相続税が課税になるわけでございますが、相続人が相続いたしました立木を後に売払うわけでございます。売払いますと、売払つたときに譲渡所得税が課税になるわけであります。ところがその譲渡所得税が課税になりますときのその所得の計算といたしましては、被相続人時代に立木が成長した部分につきましても譲渡所得税がかかることになるのでありますので、そういう意味におきまして相続税がかかつた部分について更に所得税がかかると、こういつたことが一応理論的には疑問として提出せられるわけでございますので、これが二重課税ではないかという議論を生じておるわけでございます。そこで今回は、立木を相続いたしました場合におきましては、将来その立木を売払つた場合に、相続人が負担するであろうところの所得税額というものを想定いたしまして、その額だけは相続財産の価格の中から除くと、こういつた方法を一つとりたい。そこで法律の考え方といたしましては、立木の相続税の評価に当りましては、時価の八五%に評価すると、こういうことにいたそうとしているわけであります。つまり一五%だけは将来相続人が負担するであろう所得税であるというように推定しておるわけであります。こういうことによりまして立木の二重課税の問題の疑義を法律的に解決しようとしておるわけでございます。
 それから次は租税特別措置法の関係でございますが、簡単な問題といたしましては、現行法で漁船の保険の関係につきまして、満期保険というのがございましてその満期保険の保険料を払つた場合におきましては、その保険料について償却との関係において特別の軽減措置をとつておるわけでございます。これが只今まで総トン数二十トン未満の漁船だけについて適用になつておりますが、これが満期保険の保険契約のほうの関係で百トンに拡張になつております。になる予定でございましたか……、それでこれにつきましても、税法上も二十トン未満を百トンまで拡張しよう、かようにしておるわけであります。
 それから次は、農地法の関係の買収に関しまする所得税関係で軽減措置をとろうとしております。只今土地改良法だとか、河川法とか、都市計画法、こういつたような法律に基きまして収用が行われるわけでございますが、土地等が収用になりましたときにおきましては、その場合に再評価税の問題と所得税の問題とこの二つが一応生ずるわけでございますが、その収用の場合におきましては、再評価税だけは課税するけれども所得税は課税しない、こういうようなことに只今租税特別措置法でなつておるわけでございます。ところが農地法等につきまして買収が行われた、こういう場合におきましては、只今の措置法の規定が収用ということに相成つておりますので買収は入らないということになつておるわけでございます。併し農地法の規定を検討してみますと、買収という言葉は使われておりまするが、事実上は強制力を持つておるわけでございまして、買収適地というように政府が認定いたしまして、そうして買収を決定してその金を供託したというような場合におきましては所有権が当然に移る、こういうような規定になつておりますので、いわばこの限りにおきましては収用と殆んど変らないというように考えるのであります。そこで今回このようなものにつきましては、現行法の租税特別措置法の規定と同じように所得税は課税しなくて再評価税だけの課税にとどめる、こういう意味の改正をしたい、こういうわけで、今回買収につきましても収用と同じような取扱いをするという意味の改正をしようとしておるわけでございます。
 それから次は農林漁業組合関係の問題でございますが、只今措置法の八条の五で、農業協同組合、農業協同組合連合会、森林組合、森林組合連合会、漁業協合組合、漁業協同組合連合会、こういつたものにつきましては、特別の非課税の規定が置かれておるわけでございますが、これはほかの協同組合、例えば中小企業協同組合とか、或いは消費生活協同組合とか、そのほか法人税法の九条の六に協同組合につきまして特殊の規定が設けられておりますが、これらの協同組合の中から特に農林漁業協同組合関係のものだけが措置法に規定せられておるわけでございまして、ほかの組合との関係がどうなつておるかという点につきまして一応理論的にも疑問があるわけでございます。他面におきまして、中小企業協同組合とか、消費生活協同組合というようなものも同じように租税特別措置法の規定の中に入れて、農林漁業協同組合等と同じような扱いをしてもらいたいというような陳情もございますので、この際農林漁業協同組合についてこのような特別の措置を取扱つておる理由と申しますか、まあその趣旨を法文上明確にすることが適当であろうかと考えられますので、こういう趣旨の改正を行おうとしておるわけでございます。そこで出資組合であるところの、今申しましたような農林漁業協同組合の関係のものにつきましては、只今農林漁業組合再建整備法、農林漁業組合連合会整備促進法、こういうような法律が御承知のようにできておりまして、これによつて特別の整備促進、再建整備を図つておるわけでございますので、こういつた整備促進、再建整備を図つておるところの整備促進、再建整備に関係のある組合につきましては、特別の非課税の取扱いをしておるのであるということを法文上明らかにしよう、こうしておるわけであります。八条の五の第二項では、只今と同じように積立金額がその日におきます出資総額の四分の一に達してないような組合におきましては、農林漁業組合再建整備法或いは農林漁業組合連合会整備促進法の各四条に規定せられておるような条件を満した日までにおきましては非課税の取扱いをする、こういうように規定しようとしておるわけであります。それから又自分がそういつた整備促進とか、再建整備を図つておるだけでなしに、上級の団体、つまり単協から申しますれば、連合会、或いは県単位の連合会から申しますれば全国単位の連合会、こういつたものが整備促進を図つておるという場合におきましては、それの傘下団体になつておるところの連合会或いは単協がそれが終るまでの間はやはり非課税の取扱いをする、こういうふうな規定を第三項で置こうとしておるわけであります。従いまして、こういつた整備促進、再建整備に直接間接の関連がある組合におきましてはすべて非課税取扱いになるわけでございまして現在と課税の実体につきましては殆んど変りがなかろうかと考えるわけでございます。且つ他の組合と違つて特に農業協同組合につきまして、こういつた非課税の取扱いをした趣旨がこれによつて明らかになりまするので、このような改正を適当であろうかと考えて提案しておる次第であります。
 一応農林関係に特に関係の深いと思われますものは以上の点かと考えます。
#59
○清澤俊英君 この頂戴しました改正要綱と今御説明になりました問題とはどういう関係を持つておるか、今日御説明して頂くために要綱をお配りして頂いたのですが、こう見ても少しも今の御説明は載つておりません。折角下さるのなら、いま少し親切なものを頂戴しておきたいと思うのですけれども、大蔵省は大体農林の問題に対しては誠に冷淡過ぎるのだ。これですぐわかりますよ。どういうわけですか、こんなもの持つて来て、今の説明は……。こんなものを持つて来ないほうがいいですよ。ただのものじやありませんよ。
#60
○説明員(白石正雄君) 要綱は、これは一月二十二日でございましたが、閣議決定いたしまして今回の改正の全貌として一応提出いたしておりまするので、全貌のおわかりに容易であろうかと思いまして提出した次第でございますが、その中の特に農林関係に関係の深いと思われるものにつきまして只今御説明を申した次第でございます。要綱の中にも、例えば山林所得につきまして分離課税をするとか、或いは立木の相続財産につきまして特殊の措置をとるとか、こういつたようなことが掲げられておるわけでございまして、大体その点につきまして御説明をしたつもりでございますが、適当にその点を申上げなかつたので或いは説明不足であつたかと存じます。なお措置法関係でそのときまでまだはつきりとしていなかつたような問題、最後に申上げましたような問題は或いはその中から抜けておるかと思いますが、そういつた点も補足いたしまして只今御説明いたしました次第であります。
#61
○委員長(片柳眞吉君) 砂糖消費税も当委員会に関係がありまするし、それから今日の新聞で見ると、繊維品消費税取止めというような記事が出ております。その辺の事情おわかりでしたら一つ……。
#62
○説明員(白石正雄君) 私繊維税のことを実は余りよく承知しておりませんので、只今何も承知しておらないのでございます。
#63
○東隆君 今の協同組合の非課税の問題ですが、これは生協関係は、何かこの前の二十八年度の改正のときに付帯決議が付いておる。そして今回は一つ八条の五に生協関係のものを入れたい、こういうことを論議をされておつたと思うのです。消費生活協同組合ですよ。それで今の改正の要綱を見ると、お話もあつたのですけれども、生活協同組合や中小企業者等の協同組合を非課税にしないために特に改正をしたように考えますが、その辺はどうなんでしよう。
#64
○説明員(白石正雄君) 協同組合につきましては、先ほど申上げましたように、現在法人税法の九条の六に特別の規定があるわけでございますが、措置法におきまして農業関係の協同組合だけが又更に特別の取扱いになつておるわけでございます。従いまして、ほかの協同組合との間におきまして調整を図る必要があろうかと考えられるわけでございますが、農林関係の協同組合につきまして、このような特別の措置法におきまする取扱いをやつておりまする趣旨は、やはり再建整備、整備促進というような特殊の要請に応えて行われておるものと、かように解釈すべきものであろうという趣旨から、今回の改正案を提出した次第でございます。従いまして他の協同組合につきましては、やはり現在の法人税法第九条の六の規定で適用して行くことが適当であろうかと考えておる次第でございます。
#65
○東隆君 今の問題は再建整備法であるとか、その他のものがないものには適用させないようにしようと、こういう考えのようですが、生活協同組合法のごときは、生みつ放しで殆んど政府は今まで助成も何もやつておらんのです。従つてこれこそ非課税にすべきものであつて、大分これはそちらの方面の御反撥があるだろうと思います。税の総枠においてそんなに違わない、そういうことであるとするならば今回の改正は中止をされたほうがいいと、かように考えておりますが、ただその一点にかかつておるわけですね。再建整備法その他のものがないから、平衡をとるためにするのだということによつてほかの協同組合を不当に扱つておるということになりはしませんか。
#66
○説明員(白石正雄君) 余り同じような答弁を繰返すようで恐縮でございますが、ほかの協同組合を不当に取扱つておるというようには、一応私どもお言葉でございますが、考えていないわけでございまして、一応現在の法人税法九条六で取扱つておる課税が適当であろうかと考えておるわけです。それならば農協等について措置法で特殊の非課税規定が更に入つておるということは、これは租税特別措置法でございますから、飽くまでも臨時措置であると考えられると思うわけでございます。従いまして或いは本来から言えば、九条の六で課税すべき法人には違いないわけでございますが、臨時的に何かこれにつきましては非課税にする理由があるものである。そういう意味におきまして農林関係の協同組合になぜ臨時的に特殊の非課税取扱をするかと、こう考えますと、これはやはりこの際再建整備とか、整備促進というような特殊の法律まで出して国がその再建整備について特別の政策を打立てておりますから、こういつた政策の一環として特殊の非課税取扱になつておるという臨時措置である、こういう趣旨を明らかにしようしておるわけであります。従いまして他の組合等につきましては、そういつた臨時措置をとるべき十分の理由がこの際としては発見できないから、やはり九条六の方式に乗つて課税して行く、こういうことに取扱うことが適当であろうかというように存じておるわけでございます。
#67
○東隆君 私は株式会社とそれから協同組合は目的が違うと思うのです。株式会社の場合は利潤を上げるのが目的なんですが、協同組合は利潤を上げることを目的としておりません。従つて剰余金とそれから会社の利潤とはこれはもうおのずから違つて来るわけです。従つてそれに税をかけるという問題はもう根本的に違つておると思う。だからその非課税の原則はそういう意味から出て来ておるのであつて、従つて再建整備だの何だの、そういうようなことを条件としてやるべきことでなくて、協同組合はこうしてやらなければならん。その場合にこの前のときには多分中小企業者等の協同組合はどうも脱税組合のようだ、こういうような考え方を非常に大蔵省がおとりになつて、そうしてそれに似通つたことを消費生活協同組合がやつておるわけであります。生活協同組合はあの中に入れないんだと、こういうことで進められたようです。そしてその場合に生活協同組合を入れなければならんでないかというので付帯条件を付けたはずです。そういうようないきさつがありますから、今回のこの改正によつてどういう問題が出て来るかというと、結局大蔵省は再び営利法人と、それから営利を目的としない法人に同じように税金をかけるという考え方に立つて来て、そして先ほどお話があつたように大蔵省は農林関係について極めて冷淡だと、こういう問題がそこから出て来るんだ、こう思うのですが、その辺は私は本質論から考えて行くべき問題があると思います。再建整備等の、それからそういうような問題でないもつと基本的なものがあると……。
#68
○説明員(白石正雄君) 協同組合は普通の株式会社と違うと仰せられます趣旨には私どももその通りと考えられるわけでございまして、それ故にこそ、現行の法人税法におきましては、普通の法人に対する四二%の課税に対しまして協同組合には特別に三五%の特殊の税率を用いておるわけでございまして、更に事業分量等に応じて分配したものにつきましては、それは損金扱いをするというような規定も設けて特別の扱いをしておるわけでございます。併し協同組合に全然課税しないかという問題になりますと、これはやはりその法人格の公共性と申しますか、それにはやはり幾分の段階があろうかと考えられるわけでございまして、政府が全額出資をしておりまするような特殊の法人或いはその法人の活動について予算的或いはその他の相当厳重な監督が行われておりまするような法人と、又比較的それほどでもない法人というようなものにつきまして、幾分のその自主性の点等、その他におきまして段階があるわけなのでございまして、そういつた意味におきまして、やはり農業協同組合等の協同組合につきましては、普通の営利法人と、それから又政府全額出資の法人というようなものの中間にいわば介在する法人ではなかろうかというように考えられるわけでございまして、そういう意味において中間的な取扱いをやつておるものと考えるわけであります。現に措置法において、改正せられました協同組合の現行法におきましても、全部非課税にするという規定にはなつていないわけでございまして、積立金が資本金の四分の一に達しないというような条件の下において非課税にするということに相成つておるわけでございますので、こういつた点はやはりこの際特に協同組合を助長ずる必要があるといつた趣旨から、積立金が一定限度まで達しないようなものについては非課税にするという取扱いになつておるのではなかろうかというように考えておるわけでございます。
#69
○東隆君 もう一つ。私は協同組合を更に分けると、生産的な協同組合と消費的な協同組合と、こう二つになると思います。その場合に、生産的な協同組合には利潤に似通つたような面があるものが出て来るわけです。消費的な協同組合の場合にはそれがないわけですね。そうすると、どちらのほうに非課税の度合を強くしなければならんかというと、生活協同組合のほうを強くしなけりやならん。理窟から言えば……。ところが今の措置法の改正は、生活協同組合が非課税の恩典に入ることを拒否するような改正になつておるわけですね。それには私はもう少し掘下げて行く必要があるんじやないかと、こう思うのです。
#70
○説明員(白石正雄君) おつしやいまする趣旨はよく了解できるわけでございまして、消費生活協同組合は生産的なものでなしに消費的なものだ、従つて他の生産的なものと区別して特殊の非課税取扱をすべきものではないかと、こういう御意見だと拝承いたしますが、これは一応の筋といたしまして御尤もな御意見だと考えるわけでございます。そういう点については更に別個の見地から又検討すべき問題があるかと考えるわけでございますが、ただ私どもは課税の実情におきまして消費生活協同組合を眺めておりますと、おつしやられるような趣旨のみにとどまらずに、その活動の実態におきましては、丁度中小企業協同組合その他において、いわゆる企業組合と言われるものにつきまして特別の問題がありましたような趣旨の問題も相当あるように考えられますし、且つ又員内取引と員外取引、いわゆる会員内の取引と会員外の取田というような問題も複雑に介在しているようにも考えられまするので、こういつた点を十分検討した上において更に措置すべき問題ではなかろうかというように考えておるわけでございまして、そういう意味で、今回の改正は消費生活協同組合を除外するために行なつたというように端的に指摘せられますと、いささかその改正の趣旨とは違つて来るわけでございまして、むしろ消費生活協同組合を対象に挙げたわけではなくして、およそ協同組合全般に対しまして、特にこの際農業協同組合だけを措置法において特別にした趣旨を明らかにした、かように私どもは考えておる次第でございます。
#71
○宮本邦彦君 今の御説明になつた法案には直接関係ないのでございますが、めつたに見えないから一、二点お伺いいたします。昨年は御存じのように非常に凶作だつたわけです。従つて今年は凶作地帯の課税の問題やいろいろな問題が起つて来るのじやないかと思うのです。田舎で現に税務署あたりと折衝しておる話を聞きまするというと、税務署の御見解と大分食違つている点がもうぼつぼつ出て来ているように思います。それで税務署は昨年の凶作の係数と言いますか、数字と言いますか、そういうものは何を基準にしておやりになるか。税務署の話を聞きますというと、何を基準にしてやつたということは説明しないらしいのですけれども、県の凶作の数字とか、或いは農林省の統計調査事務所の凶作の報告書、調査数字、それから農業共済のほうで取扱つておる数字よりも、もつと遥かに上のものを税務署は基準においておるようなんですが、何か税務署は特別な、どういうふうな基準をお立てになつておいでになるか、それを一遍伺いたいと思います。
#72
○説明員(白石正雄君) これはむしろ国税庁のほうで御答弁することが適当であろうかと思うわけでございますが、私直接タツチしておりませんので、或いは御答弁をなすことが不適当かと思いますが、税務署といたしましては、特別の基準というわけではございませんが、まああらゆる資料を総合いたしまして、最も確実であると思うものによつてやつておるわけでございます。今年の具体的な資料がどの資料に基いてどうやつておるということにつきましては、私只今ちよつと承知しておりませんので、又機会ありますれば国税庁のほうから御答弁いたすことにいたします。
#73
○宮本邦彦君 私の承わるのは、皆さんのほうで税制というようなものの見地から、そういうものができておるかどうかということだけ伺いたいのです。課税をしますときに全然別な考え方でやつておるか、その考え方だけでいいのです。これは全然国税庁のほうで以て、皆さんのほうはタツチしない問題だというならそれでいいのです。
#74
○説明員(白石正雄君) 税の立場からすれば、最も確実であると思うものにつきまして、その収穫量なり或いは必要経費なりを算定するわけでございますが、その具体的な数字或いは具体的によつております資料といつたものは、どれによつているかということにつきましては、只今ちよつと私承知いたしておりませんので、御答弁いたしかねるわけでございます。
#75
○宮本邦彦君 もう一点だけ。これは現在税務署では自家保有米に対して、その減収加算というものをやはり税の対象にしているのですね、五百円というものを……。こういうものは一体税法上どういう考え方でそういう考え方が生れて来るのか、見解だけを承わつておけばいいのです。
#76
○説明員(白石正雄君) 税の立場からすれば、収入金として入りますものはすべてこれを一応収入金として計上いたしまして、それに必要な経費は必要な経費として除くという立場からやつているわけでございます。ただ超過供出の奨励金というような、税法上特別に非課税の取扱いがなされているもののみにつきましては、これは勿論除くわけでございますが、そういう意味におきまして、その名目が何であろうとも、米の対価といたしまして受取るところの金銭につきましては、一応税法上非課税の取扱がない限りにおきましては収入金として計算をする、こういう立場に立つているわけでございます。
#77
○宮本邦彦君 ちよつと……。私の申上げたのは自家保有米というのは、元来自家で消費してしまつて販売しないのが原則の米なのですね。だから自家保有米以外の米で以て、当然売られるであろうところの米に対しては、これは減収加算の五百円もやはり収入金になるのですね。ところが自家保有米は原則としてこれは自分で消費して食つてしまうものなんです。そういうものは税の対象になるものかならないものかということなんです。
#78
○説明員(白石正雄君) 所得を計算いたしまするときに、先ず収穫量を押えるわけでございます。その収穫量を押える場合に自家保有米として自分で消費すべきものが入るかどうかという点が先ず第一の問題になろうかと思います。この場合におきましては、農業関係の所得といたしましては、一応収穫物の全量を収穫といたしまして算定する、こういうことになつているわけでございますから、従いまして収穫量を押えるときには全部が入つて来る。次にその収穫物につきまして、この評価を幾らで押えるか。こういう問題が次の問題として残るわけでございます。この場合におきまして、これは売つたものにつきましては、その売つたもので評価するということが一応原則でございますが、自家保有で売らないものにつきましては、その評価の方法につきまして、やはり問題が起つて来るわけでございます。こういつたものは、只今のところやはり全体を平均して取り混ぜてやつておりますので、そういつた関係で全体の評価の基準によつて評価せられるという関係におきまして、只今御質問のような問題になるかと思うわけでございます。
#79
○宮本邦彦君 もう一点。まあはつきりしないのですが、私の承わつているところはそういうことじやなくて、自家保有米というのは一体食つて消費してしまう米だと、そうすると、これは食つて金銭収入にならないものだということを税務署のほうは、或いは税の上からお認めになるかどうかということだけなんです。
#80
○説明員(白石正雄君) 金銭収入にはならないわけでございますが、併し税の立場からすれば一応課税の対象になる。それは只今申上げたような趣旨で、農作物については収穫があつたものにつきまして、この全体を押えまして、そうして収入金を計算する。こういう立場をとりますから、そういう意味におきまして入り込むことになるわけでございます。
#81
○委員長(片柳眞吉君) それでは国税関係はこの程度にいたしまして、次に地方税関係の説明を願いたいと思います。
#82
○政府委員(奧野誠亮君) 地方税の改正で農業及び林業に関係いたしますのは、主として事業税と固定資産税だろうと思います。お手許に地方税法改正案要綱が配付されておりますので、その箇所を指摘して極く簡単に御説明して行きます。なお御意見等がございましたら、それに従いまして更に説明を附加えさして頂きます。
 四頁の終りから三行目のところに大変抽象的な言葉で書いておるのでありますが、「税率の区分について合理化を図る外、」、これは事業税であります。「非課税の範囲を法人税及び所得税の非課税の範囲と概ね同一にすること、但し、鉱物の掘採事業並びに個人の行う農業及び林業等については現行通り非課税とすること。」ということであります。これは現在事業税につきましては、或る者については課さない、或る者については軽減税率を適用するというふうなことになつているものでありますから、これらの恩典に預からない業界にありましては、幹部の力が足りないからだというふうな非難が行われまして、その結果はむしろ事業税を撤廃してもらえというふうな運動まで起きているのであります。そこで地方制度調査会や税制調査会におきましては、いろいろな非課税規定や税率軽減規定は農業や林業に対する事業税の非課税規定をも含めて整備したらどうかと、こういうふうな答申になつて参つたわけであります。併しながら個人の行う農業や林業は主として自家労力を用いて行う事業だから、そういう見地で今後も課税すべきではない、こういうふうな考え方をとつたわけであります。半面法人の行う農業や林業に対しましては、事業税は課するということにいたしたいと考えているのであります。もう一つは、各種の協同組合に対する事業税の課税でありまして、現行事業税におきましては、積立金が出資総額の四分の一になりますまでは事業税を課さないということにいたしております。ところか法人税の面におきましては、積立金が出資総額の四分の一になるまでは積立金の部分だけは法人税を課さないということになつているわけであります。原則として法人税や所得税に方式を合せて行きたいのでありますけれども、法人税までにするのではなしに、とにかく積立金が出資総額の四分の一になるまでの各種協同組合につきましては、なおその基礎の強化を図つて行く必要がある、そういう意味においては積立金に繰入れられたものについては課さないのみならず、更に翌年度に繰越して行かれようと、公租公課に当てられようと、どんな使い方をされようとこれは課さない、併しながら外部に配当として交付されたものはこれは課税の対象に入れよう、こういう考え方をとつたわけであります。又外部に配当として交付されますものに課税いたしませんと、四分の一になればどんどん外部へ配当として交付して行く、そうなれば折角基礎の強化を考えているにかかわらず、いつまで経つても四分の一の積立金にならないという結果を来たすわけでありますので、両者を勘案いたしまして、今申しましたような措置に切替えようといたしております。
 次は固定資産税の問題でありますが、六頁の終りから六行目のところに固定資産税の「標準税率を百分の一・四(昭和二十九年度分に限り百分の一・五)」、現行は百分の一・六であります、これに引下げて制限税率現行百分の三を存置いたします。土地に対する固定資産税の税率を引下げようとしているわけであります。それから七頁の初めから四行目「左の固定資産に対して課する固定資産税については、その課税標準について、それぞれ特例を設け、負担の軽減を図るものとすること。」、その中の(イ)の中に「発電、変電又は送電施設の用に供する家屋及び償却資産で電気の供給、物資の製造、旅客若しくは貨物の輸送又は鉱物の掘採を業とする者並びに」、これ以下でありますが、「農山漁村電気導入促進法に基く農林漁業団体がそれぞれその用に供するもの」、こういう農林漁業団体が持つておりまする発電施設に対しまする固定資産税の課税は、最初の五年度分は三分の一に引下げ、そのあとの五年度分は三分の二に引下げるというふうなことにいたしたいと考えているのであります。で、終りから三行目に書いてありまするように、但し昭和二十九年度分に限り、六分の一に引下げることにいたしております。
 その次が、八頁の一番終りの行に書いてあるところであります。外航船舶又は国際路線に就航する航空機は三分の一の固定資産税にするわけなんでありますが、この外航船舶の中には遠洋区域に出て参ります二千トン以上の漁船は含ませることにいたしております。それから九頁の初めから五行目でありますが、償却資産の免税点を五万円に引上げる、と言いますのは、例えば農家の持つておりまする機械なんかにつきましても、現在では三万円以上であれば課税がされる、併し五万円以上でなければ課税されないようにすることにしまして、零細なものについていろいろ徴税団体との間に争いの起ることを避けようとしておるわけであります。なお細かいことでありますが、もう一つ、この中に書いておりません事柄で、農業共済組合及び同連合会が所有し、且つ経営いたしまする家畜診療所に対しましては、固定資産税を二十九年度からは課さないことにしよう
 といたしております。
#83
○重政庸徳君 この固定資産税の問題ですが、農山漁村電気導入促進法に基く農林漁業団体に関する固定資産税、これは大蔵省はこういう僻陬の地にある発電所を視察されたことがあるのですか、これは普通の大きい電燈会社等が施設すると、とにかく損をするから施設ができないというような極めて零細な山村、特に開拓地等でこういう施設をするのであります。むしろ今これは下げたんだからいいと言われるか承わからんけれどもが、最初の五年間ぐらいは全部金を借りてやるんだから免除するというような感覚がなければ私はいかんと思うが、どう考えられるか、これは見たことがありますか。
#84
○政府委員(奧野誠亮君) 私は自治庁の税務部長でありますが、農山漁村電気導入促進法に基く発電施設を見たことはございません。ただ他の発電施設等との間に課税上は均衡をとりたい。国の援助につきましては大いにやるべきだろうと思いますし、それから援助として別途にやつて頂けんだろうかと、こういうような考え方を私は税務行政上持つて参つておるわけであります。
#85
○重政庸徳君 恐らく大蔵省の諸君、税務関係の諸君は見たことはないだろうと思う。これはもう少し農林関係のこういう零細庶民に対する感覚を持つてもらわねば困ると私は思う。ほかの営利を目的としておる大きい電気会社と同じウエートで取扱つておる、これが私は根本的に誤まつておると思う。もう一度見て来年度訂正したらどうですか、よく調査して……。
#86
○政府委員(奧野誠亮君) 御意見はよく承わつておきます。
#87
○河野謙三君 協同組合の課税の問題で、これはここであなたと議論しても仕方がないんだが、ただ一応申上げておきますが、これは根本問題に融れなければ駄目だと思うのです。日本の農村というのは、今の資本主義の下において成り立たない日本の農村なんだ、そこで要するに農業協同組合というものが必要となり、そこに政府がいろいろの保護を与えておる。勿論協同組合の経営の実情において役員その他に非常に不まじめな者があつたり、農業協同組合の本質を知らないで、あたかも営利会社を運営するかのような気持でやつておるのがあります。ありますけれども、その問題をとらえて農業協同組合を一般の事業体と同じように課税の対象に考えるということは、これは私は根本的に間違いだと思います。そういう点について根本的な議論、今までもあつたと思うのですが、何かありましたか、又同時にそういうふうな日本の農業の特質と、それから生れて来る日本の農村における農業協同組合、こういうものについての議論があつたら、どういう議論があつたか、又議論がなければあなたの御見解を一つ承わりたいと思います。
#88
○政府委員(奧野誠亮君) 農業協同組合だけじやございませんで、各種協同組合につきましては、地方税の面におきましてもできる限りこれを側面的に規正して行きたいという考え方は出しているつもりであります。併しながら、このような特例を設けておりますることが、又他の業界から非常な批判を受けております。私たち税制を立案いたしまする際に、事ごとにこのような協同組合に対する特例を他の一般業界にも押し及ぼせというふうな意味で随分いじめられるのであります。ただそれじやどういうような特例を設けているかと申しますと、一つは、各種協同組合の事務所と倉庫には固定資産税を課さないことにしております。それから病院、診療所にも固定資産税を課さないことにしております。それから只今申上げました事業税の面につきましては、積立金が四分の一になりますまでは外部に出たもの以外は課さない、所得が外部に出れば課税をするけれども、外部に出ないで何に使おうと不問に付しておる、こういうような考え方をとつておるわけであります。この辺が税の面で考慮を払う最大限度というふうな考え方を持つておるのであります。これ以上更に課税上の特例を認めて行くということは、国民相互間に何か階級的な区分を持つような感じを与える面もありまして、非常に税務行政の円滑なる運営に支障を来たすのではないか、こういうような考えを持つております。
#89
○河野謙三君 私はここで議論しようとは思いませんけれども、ちよつと御答弁がありましたから申上げますけれども、他の業界でいろいろな批判がある、その批判に応えること自体が、他の業界と農業協同組合というものを本質的に同じものに考えておるところに私は間違いがあると思う。全然これは性格の違うものなんで、全然別の社会のものです。他の業界とは全然別の社会にあるものが農業協同組合、私はそう思うのです。日本のような非常に資本主義的に成立たない農業経営の国では、他の事業体と農業協同組合というものをやや混同している傾きがあると思う。私は何も外国に行つたからと言つて博学振りを発揮するわけではないが、欧州に私は視察に行きましたが、あの有名なデンマークでさえも農業協同組合の課税は一切やつておりませんよ。私自身も聞きます。方々で……。売つたり買つたり協同組合がやつているじやないか、商人の売つたり買つたりと同じじやないか、然るに農業協同組合がいろいろな特例を設けて免除してもらつて、そして我々がこれだけ朝から晩まで働いて同じことをやつておる、税金を取るのはひどいじやないか、こういう議論があります。併しこれは全く成り立たない議論だと私は思うのです。その点につきまして、どうも我々でさえも聞きますよ、他の業界からのことは……。私は農業協同組合の陣営でも何でもない、全然協同組合に関係ないけれども、そういう本質論に触れてものを考えるということはやられないですか、農業協同組合の堕落とか、腐敗とかは全然別の問題です。
#90
○政府委員(奧野誠亮君) 農業協同組合の特殊性というものも認識しておるのだから、政府案では或る程度特例規定を置いているのだというふうに御了解願いたいと思います。
#91
○河野謙三君 いや、それは要するに幾らか特例を置いている、私は特例はあることは認めていますよ、認めるけれども、併し本質的に他の業界の事業体と農業協同組合の事業というものは本質的には同じに考えておられるのですか、売つたり買つたりするから、ややつぱり同じじやないか、こういうふうに単純にお考えですか。
#92
○政府委員(奧野誠亮君) 全く同じには考えておりません。ただ非常に基礎が固まつて参りましたならば、農業協同組合でありましても、市町村の経費分担の思想で或る程度の負担をして頂けないだろうか、こういうふうな考え方は根本的に別途に持つております。
#93
○河野謙三君 基礎が固まつて来たとおつしやるが、私は基礎が固まつても本質が違うからいかんと思う。併し基礎が固まつたかどうか、あなたも御承知のように、二年か三年目くらいに必らず赤字補填その他で国家の救済を仰いで、漸くよたよた息をしているのが今の協同組合です。決して基礎は固まつていない。そうして毎年国家から莫大な援助保護を受けて、漸く協同組合は息を繋いでおる、こういう姿なんですね。私はこの際ちよつと意見になりますけれども、参考にこういう意見を持つているやつがいるのだということを私は聞いてもらいたいと思う。私は農業協同組合が黒字になつて、その黒字によつてその村の社会保障的なものは協同組合の一つの仕事として私はやるようにならなければいかんと思う。そこまで国が協同組合を育成しなければいかん、こういう私は一つの理想を持つておる。よく農村に行きますと、会社に勤めている人は病気をするといろいろな補助をもらう、月に一回女の子は生理休暇をもらう、産前、産後にはいろいろ特典をもらう、百姓にはそういうことがない。百姓にも国がそういうふうにしてくれそうなものだ、こういうことを百姓が言います。私は百姓といえども一つの企業であるから、君たちは一つの事業主であるから、そういうような労働者と同じような根性を出しちやいかん、こういうふうに答えている。併し現実にはそういうような社会保障的なものが農村にないことに非常な苦痛がある。これは協同組合が活溌な活動をすることによつて、この分野を協同組合に分担させるというくらいにまで私はならなければ、本当の協同組合ではないと思う。そういうふうな協同組合に高い理想を持たしておけば、そこに協同組合が配当したからとか、或いは幾らか儲かつたから、基礎ができたから、だから税金を少しもらおうじやないかという考えは起らんと思う。これは併しあなたから見れば、夢のようなことだと言われるかもわかりませんけれども、こういうような一つの理想を持つておる人間、而も協同組合の陣営にあらざる人間で、参議院に一河野というばか者がこういうことを言つているということを、あなたは参考に協同組合の課税の問題が出たら、どこかでこれを披露してもらいたい、私はこれをお願いしておきます。
#94
○東隆君 今のと同じ問題ですが、農業協同組合の課税の問題ですが、農業協同組合が黒字になるということは、これは手数料とか、それから何かをたくさん認めれば、これは黒字になるのです。赤字はたくさん取らなければ赤字になる、それが協同組合の本質なんですが、だから黒字というのは、これは何も税の対象になるべき筋合のものじやないわけです。そういう性格のものに多少法人税で以て差等を付けておる、こういうように国税関係からやつて、ところがそれに今度は地方税のすぐ対象にして又課税をやる、こういうところで二重の誤謬をやつて来るわけです。これはどうしても先ほどのように非課税を徹底的にやるべきものなんです、協同組合は……。それを飽くまでやろうとするところに、私は協同組合そのものを間違つて解釈しておるので、私はこれを一つ先ほど河野委員の’言つたように、こういうばか者がおるということを御披露してもらいたいと思う。
#95
○清澤俊英君 私も附け足して申上げたいことは、手数料等も大体利益と見ているのじやないかと思うのだ。協同組合は御承知の通り組合費をかけて持つておるのである。ところが品物の配給を受けたものまで、そういう経費を全部平均の組合費で持つということは無理だから、受けた量によつて組合費を出すよりしようがない、経常費を出すよりしようがない。これはみんな経費であつて、農民の懐ろから出る一つの経費と見れば差支えない、決して利益じやないのです。それが足らないのだから国が補助してくれている。それ以上とつたら無理が行くから国が補助してくれという形をとつているので、税の対象としてのものはなく、すべてが自分の経費で自分で辛うじて動いているというだけのことに税金をかけるというのは、どうもこれは甚だ利益と見られるのはおかしいと思うのです。利益と見るのはどこなんです、大体……。
#96
○政府委員(奧野誠亮君) どうも余り議論を申上げても恐縮なんでありますが、多少誤解があるのじやないかと思いますので、重ねて御説明申さして頂きます。国税の場合には積立をした部分については課税をしないという方針をとつているわけであります。今度私たちが事業税の中に規定しようとしておりますものは、積立しないで翌年度に繰越してもかまわない、或いは役員の中で分配してもよろしい、とにかくどう使われようと、それは恐らく協同組合の将来の基礎の強化に使われているのだろう、ただ外部に流れて行つたものの配当されたものは、これは普通の企業の場合と異ならないのだから、外部に配当として支出された部分だけは課税標準として事業税を課さしてもらおう、こういう考え方であります。若し事業税が嫌なら事業の分量に応じて割戻しをしたらいいじやないか、課税をしたいというのじやなくて、協同組合の基礎の強化を図つて頂きたい。そうじやなくて、出資に応じて配当されるならこの部分は課税さして頂こう、こういう考えを持つておるわけであります。
#97
○森田豊壽君 大分皆さんから私の言わんとするところを言つて下さいましたので、余り言いたくないのでありますが、出資に対する配当をするということが外部に対してやることだと言いますが、組合の精神というものは家の中のことです。組合員というものがあつて組合ができた、組合をこしらえておいて株を募集したものじやない。従つて組合が組合員に配当したということは、これは制限が御承知の通りある。制限というのは、制限規定をこしらえたことについてはいろいろ議論もありましようが、五分以上の配当はできないことになつておる、外部に流そうと思つてもそれ以上は流せないはずであつて、而も五分の配当なるもの、これは出資者のうちですよ、出資者は幾ら多く出資しても株式会社とは違つて御承知の通り平等なんです。一口持つている者も十口持つている者も権利は同じであります。従いまして、そこに対する出資というお互いの利用される上で分配をするというときには、多く出した者に対して制限のある分配を受けておるというに過ぎないのでありまして、この点から行きますれば、この点は外部に流す、殊にほかに寄附したとかいうことはどうかわかりませんが、組合員に又寄附なんていうのはできないことでありまして、一つの家族であります、家族のうちの分配であります。親が子に当てがつただけでありまして、これは同じものだと考えるべきが当然であり、それによつて大家族を組織して、大家族という言葉は悪いかも知れませんが、その区域々々によつて組合法に従いましてやつておるわけでありまするから、結局は同じだと見なければならんと思うのでありまして、それを外部に流したということに考えると、これはちよつと考え方が根本的に違うじやないかと、こう私が考えるのです。出資の問題をお話になりましたから……、出資が外部へ流れたということは決してない、出資者があつて組合があるのでありますから、ほかのもののように断じて転売のできる株式とは違うのであります。その土地に住まない者が、又農業を営まざる者が持つことはできないのであります。先ほどから皆さんが根本的な議論をしておられるゆえんもそこにあると思うのであります。この点をしつかり一つ考えて頂かないというと、出資をしたことは、これは外部に流したという観念とは根本的に違うと思いますが、この点は一つ是正して頂きたいと私は思うのであります。それに対する御意見は如何でしようか。
#98
○政府委員(奧野誠亮君) これは先ほど来多くの方々から御意見がございまして、御意見に対しまして全幅的には私はどうも賛成の立場にないわけであります。併しお話になつておりますこともよくわかるのであります。皆さんたちの多くの方々の御意見は、農業協同組合に課税すること自体が絶対にいけないのだ、悪いことだ、こういう立場に立つておられるようであります。これに対しまして、私たちは農業協同組合等の育成を課税の面においてもできるならば考慮を払つて行かなければならない。併し農業協同組合も市町村の構成分子であり、府県の構成分子なんだ。だから府県を構成し、市町村を構成する一員として可能な範囲において経費分担に応ずべきではないか。又全面的に課税をしないということになりますると、他の多くの面からも課税に対して協力をして来ない。農業協同組合は一文も負担してないのだから、我々に課税をすることは穏当でないのだというふうな意見も出て来ないとも限らんのであります。現に多くのそういう意見が実はあるのであります。だから多くの税金を負担してもらう人たちに納得させ、而も又農業協同組合の育成についても課税面から考慮すべきである。両者の立場をとつて考えて行きますならば、農業協同組合に対する事業税の課税に当りましては、外部に出た以外のものは全部損金として控除して行くというふうなやり方が一つの中間的な方法ではないか、こういうような考えを持つておるわけであります。
#99
○森田豊壽君 配当をしたということ、組合の配当ということは株式の配当と違う、配当したことは外部に出したことになるのですか。
#100
○政府委員(奧野誠亮君) 私が外部と申上げましたのは、法人格を持つた協同組合から言つた場合の外部であります。言葉が適当でございませんければ、出資に応ずる配当金と申上げたほうがいいのではないだろうかというふうに思います。頭から農業協同組合に事業税は課さないのだ、こういうやり方をとるよりは、出資に応じた配当金以外のものは全部損金に見て行くのだ、こうしたほうが農業協同組合に対する負担というものも軽減されますし、而も他の多くの事業を行なつておる人たちに対しましても納得を得られるのではないか、こういうふうな考え方を持つておるわけであります。
#101
○森田豊壽君 今の出資の配当という問題は、今法人が配当をするという話を聞きましたが、配当というものは、私に言わせますというと、これは組合員に配当するわけなんであつて、ほかへやつたという、ほかというのとはちよつと違うと思う。家族であつて家族的なものであるという考え方から行きまして、内輪の者に対して分配された、分配も配当も同じでありましようが、そういう関係にあるわけであつて、外部という言葉を使うのはおかしいと思う。
#102
○鈴木一君 私もそのばか者の一人なんでございまして農業協同組合で働きながら飯を食つて来たばか者の一人なんですが、今の政府委員のかたが、外部々々というふうな、外部との対照上、比較上協同組合に課税はせざるを得ないというふうなお話ですけれども、協同組合の実態そのものは、先ほど河野委員から言いましたように、この資本主義経済の中で成り立たない農家の人たちが、自己防衛のために作つた組織なんです。現在自分が作つたものの値段を自分がきめられないなんというふうな生産者というのはどこにもないと思う。砂糖の問題でも、繊維の問題でも、皆それぞれ作つた連中は、この値段はこれだけだというふうに消費の値段を生産者がきめておるわけです。農民の場合は一万二千円の米価を要求してもなかなかきめられない。而も供出制度というようなものがあつて、出さなければ場合によつては強権を発動される。こういうような、すべてのものが自由というか、資本主義社会で自由に生産者が財売される中において、農民だけはそこまで行つてない。そういつた人たちが集まつて自己防衛のためにやつている協同組合だから、外部とは、ほかのものと比較した場合何らかのここに特別扱いというものがあつて然るべきだと思うのですよ。そういつた面をもう少し大蔵省のかたも考えて頂けば、今の協同組合に対する課税、非課税の問題ははつきりするんじやないかと思いますが、これは議論すればきりがないことで、ばか者はばか者なりに幾らでも議論しますから、もう少し考えてもらいたいと思います。
#103
○委員長(片柳眞吉君) これはどうでしようか、国税、地方税を通ずる問題ですね。農業協同組合の課税としては……。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#104
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。
#105
○清澤俊英君 これについては大体説明を頂戴しましたが、只今頂載しております資料では本当の御説明の部分が欠けておりますので、項目だけでよろしいから、この部分がこう変つたという説明は抜きにしてもいいから、そういう資料を至急整えて配付してもらいたいと思います。
#106
○委員長(片柳眞吉君) それでは、この税制問題はいろいろ御意見が展開されましたが、根本問題に触れる事項がありますので、近い機会に所管大臣に来てもらつて、更に質疑を願うことで如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(片柳眞吉君) ではそういうことにいたしたいと思います。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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