くにさくロゴ
1953/03/16 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第16号
姉妹サイト
 
1953/03/16 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第16号

#1
第019回国会 農林委員会 第16号
昭和二十九年三月十六日(火曜日)
   午後一時五十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     片柳 眞吉君
   理事
           宮本 邦彦君
           森田 豊壽君
           戸叶  武君
   委員
           川口爲之助君
           重政 庸徳君
           横川 信夫君
           上林 忠次君
           北 勝太郎君
           河野 謙三君
           江田 三郎君
           河合 義一君
           松永 義雄君
           松浦 定義君
           鈴木  一君
           鈴木 強平君
  政府委員
   農林政務次官  平野 三郎君
   農林省農林経済
   局長      小倉 武一君
   農林省畜産局長 大坪 藤市君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   通商産業省軽工
   業局化学肥料部
   長       柿手 操六君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○臨時硫安需給安定法案(内閣送付)
 (第十八国会継続)
○農林政策に関する調査の件
 (硫安工業合理化及び硫安輸出調整
 臨時措置に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(片柳眞吉君) 只今から農林委員会を開会いたします。
 本日は先ず臨時硫安需給安定法案を議題といたします。
 本法案は第十六回国会に政府から予備審査のため提出され、当委員会に付託せられたものでありますが、衆議院における審査状況を睨み合せ、且つ又同じく第十六回国会に政府から予備審査のため提出され通商産業委員会に付託せられておりまする硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法案とも関連して今日まで継続審査になつているのでありますが、只今まで審査らしい審査が行われていないのであります。ところが衆議院農林委員会における審査も大分進捗いたしまして、今日ではむしろ当委員会の審査の状況を期待しているというような状態と聞いておりますから、今日から暫らく本法律案の本格的な審査を進めて行きたいと存じます。本法案は提出せられましてから大分日がたつておりますので、改めて農林省当局から本法律案の主な内容並びに衆議院農林委員会における今日までの審査の模様等について説明を煩わし、続いて質疑に入りたいと存じます。
 では、農林省から只今申上げました本法案の主な内容と衆議院の審査の模様とについて説明を願いたいと思います。
#3
○政府委員(小倉武一君) 臨時硫安需給安定法案の衆議院におきます審議の状況等につきましてお話をいたします。
 先ずこの前から相当期間も経過しておりまするので、あらかじめ法律の極く骨子につきまして便宜上重ねて御説明をいたしたいと思います。
 この安定法の内容につきましては、主たる狙いが三つほどに分けて考えることができると思います。先ず第一は、硫安につきまして需給計画を立てる、こういう点であります。これは勿論現在までも行政的な措置としていたしておるのでありまするが、この行政的な措置を法律上の基礎のある措置とする。これにつきましては有識者の方々も加わつて頂く審議会を作りまして、この審議会の議を経て需給計画を作ることにいたしたのであります。この計画には勿論供給のほう、それから需給のほう、それから輸出のほうが入つて参ります。これまで行政的にやつて参りました点と違う点は、新らしく需給調整法の保留数量というものを定めている点であります。これは硫安の供給の側についても計画通り必らず一〇〇%確保できるということではございませんで、供給よりも、まして消費のほう、需要のほうにつきましては年々相当の変動がございます。そこで国内消費の約一割程度を基準といたしまして、量的な調整のための保留、国内に保留しておく。こういう措置を計画の上で定めておるのであります。これによりまして内需優先ということを計画上でもはつきり打出しておるのであります。次は、国内の供給確保につきましてでありまするが、この点は只今の計画並びに保管数量についての措置が国内の供給確保に資することは勿論でありまするが、この保管につきましては適的な団体に保管をいたしまして、ただ単にメーカー在庫としておいておくという今までのとは違いまして、適当な保管団体に所有権を移して保管をさせる。従いまして国内の需給操作に自由に使えるという前提のもとに措置をいたしておるのであります。自由にと申しますと、ちよつと語弊がございまするが、需給の調整のために自由に使えるようなという意味において、所有権をメーカー在庫ということではなく保管団体に移すということであります。従いまして、これの措置につきましても保管団体の自由意思ではなくて、需給という点から農林大臣が指示してこれを放出するというふうにいたしております。
 次は、生産者に対しまする譲渡の指示であります。この点も需給の調整を図るために必要な措置でございまして、メーカーの持つておるものにつきましても、その在庫の状況でありまするとか、或いはメーカーの出荷能力といつたようなことを考えまして国内に放出するように指示することができるというような有権的な規定をここに置いておるのであります。もう一点は、これも同じく国内の需給の確保、需要の確保という点にあるのでありまするが、硫安輸出会社の買取計画、これにつきましては通産大臣の承認がなければなりませんが、その通産大臣の承認を受ける場合には農林大臣の同意を得ることを必要とするという工合にいたしまして、会社の買取りによりまして国内の需給が阻害されるということのないようにいたしておるのであります。これらが国内の需要の確保或いは需給調整の点であります。
 大きな二点といたしましては価格の安定でございますが、この点は公定価格制をとりまして、いわば適正な価格を公けに設定して参る。こういう趣旨であります。価格の設定の仕方でありますが、これは生産費を基準といたしまして、その他の材料を斟酌する。こういう工合にいたしております。この生産費の基準でありまするが、これはすでにもうお話いたしました通り、国内需要量に先ほど申しました保管数量を足した数字を充足できる数量、これを基礎といたしまして、その数量に達するまでの各工場ごとに生産費の安いものから積み上げまして、この全体の総平均をここで言う生産費の基準にして参りたい。かように考えております。
 第三点は、先ほどもちよつと触れましたように審議会を置くということであります。只今申しましたような需給の計画或いは価格の設定、こういう点につきましていろいろ御審議頂く上に、委員の数が九人からなりまする審議会を置きまして、この御審議の上でこの法案並びにもう一つのこの硫安工業の合理化と硫安の輸出の調整に関します法律についてのやはり重要事項について審議をして頂く、かようなことに相成つておるのであります。
 これが大体この法案の極く荒筋の重点事項であります。
 これにつきまして、両院におかれましての農林委員会におかれまして、昨年から御審議願つておるのでありますが、参議院のほうはもう御承知の通りでありますので、衆議院のほうを申上げますと、この法案の大体の趣旨、それから現在の硫安の状況から見まして、こういう狙いの法案がほぼ必要ではないかということにだんだん意見が一致して参つたように見受けられたのであります。ところが最近におきまして、若干この点について新らしい御意見といつたようなものが出て参りました点を申上げますると、幸いにいたしまして、硫安等につきましては価格が安定して参る。而も若干ずつどちらかと言えば低下しながら安定して参つておるのであります。従いまして、そういう状況から言いまするというと、新らしくこの法律をこれから制定して特に公定価格を作るといつたようなことにいたしますると、むしろ硫安の価格を維持する、こういう作用がありはしないかといつたような御議論もございました。まあこういう点が、この法案を提出いたしました事情では、そういう御議論はないのでございますが、最近に至りましてそういう御意見が出て参つたということが大きな違いでございます。
 今それに対しまして、私どもは国際価格と国内価格の開きということが一つの大きな原因となりまして、この法案が提出された、こういう状況、国内価格と国際価格の開きという状況は、これは今日においても若干程度の違いはございますが、根本的には違つておらない。従いまして、一方におきまして硫安の生産費を切下げる、こういうための合理化の措置が必要でありますると共に、他方いわゆる出血輸出による損が国内の消費者に転嫁されることを防止する。こういう意味合からのこの法案の趣旨は、必要性といつたようなものは現在でも変らないのじやないかということをお答えしておるのであります。なお、それから非常に目立つた御意見、或いは御意見と申しますか、御質問と申しまするか、そういう点でありまするが、硫安だけではこの法律の目的を達成しないのではないか、勿論法律の目的は硫安だけのことでございますが、硫安全体、肥料政策といたしましては硫安だけでは足りないのではないか、特に加里肥料の点をいろいろ本委員会でも御議論ございまするが、衆議院におきましても加性肥料の殊に価格を中心といたしましていろいろ御議論ございまして、化成を加える必要がありはしないか、或いは更に他の肥料につきましても、燐酸質肥料或いは加里といつたようなものにつきましても、主だつての特に御意見と申上げては或いは私の申上げ方が悪いのかも知れませんが、そういう重要肥料全体に硫安需給法の考え方を及ぼすことが必要じやないか、こういつた御議論もございます。それからそういう御議論のございましたあとで、肥料の小委員会というのがありまして、小委員会で小委員長の取りまとめられた修正意見があります。この修正意見の主なるものは、只今申上げました化成肥料を入れるということが一つ大きな修正点であります。
 それから審議会の委員の数でございますが、現在の委員は九人となつておりまするのを十三人にする、そうして硫安の生産者、販売業者、消費者或いは学識経験者の数もそれぞれ若干ずつ違つております。生産者を代表するのは二人でありまするのを三人以内とする、販売業者を代表する者三人とございまするのを二人とする。消費者を代表するのは二人でありまするのを三人以内とする、それから学識経験ある者二人とありまするのを五人と、こういうふうにそれぞれ以内でございまするが、さような趣旨が第二点であります。
 それから第三点といたしましては、先ほどちよつと申上げましたが、国内に放出するために、需給の適正化を期するために必要であるならば、生産者に対しまして肥料の国内出荷について指示することができる規定があるということを申上げましたが、出荷についての指示ばかりでなくて、生産の指示、生産すべき数量なり或いはその品質などについて必要な指示もできる、こういう規定を加えたらどうか、こういうことも一項になつております。
 それから第四点といたしまして、審議会の審議事項でございまするが、現在の原案では硫安の需給の調整及び価格の安定ということになつておりまするが、これに輸出会社に関しまする重要業務についても調査審議することができるようにする、ほぼこの四点が小委員長の取りまとめられた修正の案になつております。これについてはまだ公の議論はございません。ただ私ども聞いておる範囲を申上げますると、農林委員の一部のかたがたにおかれては更に大幅な修正の御意見もあるようでありますが、只今私どもの文書の影で承知いたしておりまする点を申上げますると、只今の小委員長の修正案が最新の案であります。これについて一、二懇談会等を開かれたようでありまするが、この取扱方或いは修正の範囲をどうするかということについては、まだはつきりしたものは出ておらないように聞いております。
#4
○委員長(片柳眞吉君) それでは一つ質疑に入りたいと思います。
#5
○鈴木一君 政務次官が見えておりますので、或いは政務次官としては関係したことでないというふうなことがあるかも知れませんが、一、二お尋ねしてみたいと思います。今度の国会の初まりに愛知さんが物価問題について一言触れたのですが、その際大体物価は五%くらい下るだろう、平均しましてですね。そういつたふうな演説があつたのですが、私たちは態度も非常に立派だし、内容も非常にいいし、感心をして聞いた一人でありますけれども、それが硫安に関してどういうふうな関連があるか、物価が下ると申しましても、主要な国民経済、国民生活に直接、間接関係のあるものが下るのでなければ物価が下つたということは言えないと思うのでありますが、硫安のように米価その他あらゆる問題に関係する価格が果して演説通り五%下るだろうか、それに対してどういつた対策があるか、そういうことを、或いはちよつと見当違いかも知れませんけれども、お尋ねしたいと思います。
#6
○政府委員(平野三郎君) 政府といたしましては、お話のように愛知通産大臣から施政方針の際に申上げましたように、物価の若干の引下を目的として努力をいたしておるわけでございまして、肥料につきましてもその一環において安定帯価格を作りたい、こういうことで進んでおるような次第でございます。ただ硫安の価格がどの程度が妥当であり、どういうふうにすべきであるかということにつきましては、実は只今御審議を頂いておりまするこの法案が幸い成立いたしまするならば、政府としてこのコストの調査を行いまして、そうして適当なる価格を定める、こういう方針を持しておるわけでございまするが、未だ成立いたしませんので、政府としてはただ行政指導の面において、これの安定価格実現のために努力をしておるというような今日段階でございます。硫安の最近の価格がどうなつておるかというお尋ねのようでございますが、具体的なことにつきましては事務当局から御説明を申上げます。
#7
○政府委員(小倉武一君) 先般本委員会にお配りしたと思いますが「硫安関係二法案関係参考資料」というのがございます。これの六頁に硫安の卸売価格についての最近までの推移が出ております。これで御覧になつて頂きますように、二十七肥料年度の推移と本肥料年度になりましてからの推移をよく比較して御覧になつて明けると思いますが、若干ずつ価格の低落がございまして、而もこれが時にそう又上ると、こういつたような大きな変動もありませず安定をしておるということと同時に、而も価格は漸次低落を示しておるというふうに言えると思うのであります。
#8
○鈴木一君 この法案が出たときのいきさつは、結局国内価格と国際価格の差が非常に激しかつたということが大きな問題であつたと思います。生産者のほうからは出血の輸出だ、又消費者のほうからは出血輸出の転嫁を生生者にされているというようなことが問題だつたと思つているのですが、この出血輸出というふうなことがいろいろ言われて、そういつた漠然としたものの上に乗つかつてこういうような法案が出て来たと思うのですが、果して出血の輸出であつたかどうかというような根拠を示してもらわない限り、そういつた法案を審議するということも非常に困難じやないかと思うのですが、その出血輸出であるというふうな、そういう前提が正しいかどうかという、その審議の材料を是非与えてもらいたいと思うのです。それがなければ審査のしようもないんじやないかという気がする。果して出血であるのかどうか。又これはまあ一般の通念と言いますか、全体の中に、まあ五十万トン輸出した場合に、生産が二百二十万トンとしますと、二割三分ぐらいになるわけです。そのうちの全部が極端な二十七年度頃の安売りのような価格でやられているわけでもないし、商売の通念から一割か、五%ぐらいのものを或る程度安く売つても大して騒ぐ必要がないじやないか。時に安く売るときもあるし、高く売ることもあるし、全体の中のまあ一割か、五%ぐらいのものを安く売つても、そう出血だ出血だと言つて大騒ぎする必要もないんじやないかという気がするのですが、そういつた点は如何ですか。
#9
○政府委員(平野三郎君) 過般国会におきまして問題になりました出血輸出について、それが果して出血であるかどうかはつきわからない、その根拠を示せというようなお話でございまするが、実は政府としましては、そういう根拠を実は確認をいたしたい、こういう趣旨で本決案を提出いたしておるわけでございます。現在におきましては、肥料のコストがどうなつておるかということは責任のある政府の立場において申上げることはできないわけでありまして、ただ会社側から提示をいたして参りまするところの資料を、まあ参考にして眺めておるというような程度でありまして、どうしても政府がそのコストについての調査権を持つということが必要でありまして、それによつて初めて出血輸出であるかどうかということが明瞭なるわけでありまするので、そういう意味から本法案を出しておるようなわけでございます。従つて過般行われました輸出価格というものが、果して出血であるか、或いはどの程度の出血になるのであるかというようなことは、実ははつきりお答えいたしかねるわけでございます。ただ当時の価格の差が相当なものでございましたし、大体において肥料のコストというものは電気、石炭その他の原材料というものからほぼ推定ができるわけでありまして、そういう点から行けば、明らかに出血輸出の内容を持つておつたというふうに考えておるわけでございます。殊に輸出の関係が各社がばらばらにやつておるというようなために、いろいろ商業上の関係から止むを得ず安売りをするというようなこともあつたわけでありまして、従つて当時におきましては、確かに出血的内容を多分に持つておるというふうに考えておるわけでございます。そのはつきりした幾ら幾らであるかということにつきましては、これは国際価格が常に入札によつて決定されて、その都度、その都度いろいろ違つておりまするような関係上、はつきり申上げかねるような次第でありまして、要するに肥料の真の適正価格を決定いたしまするには、本法案が成立いたしまして、政府の責任においてこれを公定するということに至らなければ明瞭なことは申上げかねるような次第でございます。
#10
○鈴木一君 一応御尤もな御説明とも思いますけれども、開銀のほうからの融資も今まで若干出ているわけでありますが、その他まあいろいろ政府との接触というふうなものが肥料メーカーについては特に深いわけでありますし、法律ができなければ全然調査ができないのだというふうなことは、ちよつと私としては承服できない気がするわけであります。政府のほうで、まあ一応今回駄目になつたようでありますけれども、合理化資金として五カ年に二百億というふうなものを今後融資しなければならないようなことにもなつていますし、もう少し積極的にやる気であれば、そういつたような各メーカーの生産費の調査を、全部が全部、或いは又すべてがすべてでなくても、大体のアウトラインはつかめるのじやないか。そういつたものをつかんで初めてこういつたような法案が、合理化法案とか、需給調整法案というものがその上で初めて出される、そういつたような材料を審議して初めていいか悪いかをきめる、そういうような順序をとるべきではないかと思うのですが、そういう点について如何ですか。
#11
○政府委員(平野三郎君) 政府といたしましては、現在法律がございませんでも、勿論お話のような行政指導の面におきまして最善の努力をいたしてコストの調査を行なつておるわけでございます。すでにお手許にお配りいたしておりますいろいろの資料等の数字につきましても、政府があらゆる角度から努力をして作り上げた数字であるわけでございます。ただ法律に基き会社の内容等の調査をするという権限がございませんので、従つて政府として責任を持つた数字であるとは申上げかねる、こういうことでございまして、政府としては勿論能う限りの努力はいたして今日まで参つておるわけでございます。
#12
○鈴木一君 先ほど委員長からの御挨拶も、今まで継続審議になつていながら、大した審査もできなかつたというふうなお話であつたわけでありますが、実際問題として、今、政務次官のほうからも資料は出しているというようなお話でありますが、併しこの資料を見ておりますと、先ほど私触れたわけでありますが、硫安工業協会から出た資料を通産なり、或いは農林省なり、経済審議庁がそれぞれ適当に敷衍したというだけのことで、その内容もどちらかというと、流通面だけの解説が多くて今、言つたような根本問題には殆んど触れていないというのが実情のようであります。でありますから、法律ができないから調査がでなきいというふうなお考でおつたら、法律ができても徹底的な調査というものはなかなか困難じやないかと思うので、法律があるなしにかかわらず、開銀の融資も行われておるわけでありますし、行政指導もほかの産業よりはもつと深く行われておるわけでありますから、そういうことがせきないということだけでは、今ここで出せないということだけでは済ませない。この両法案を審議する上に絶対必要なデーターであるというふうに私は思うわけであります。その如何ですか。
#13
○政府委員(平野三郎君) 先ほども申上げましたように、硫安のコストにつきましては、その原材料である電気であるとか、石炭であるとかというふうなものから類推をいたしまして、おおむねわかるわけでございまして、従つてそういうものにつきましては能う限りの努力をいたしまして、資料を提出して御審議の御参考に供しておる次第でございます。ただ政府が責任を持つて価格を決定するということについては、やはりこういう法律に基いて政府の責任ある調査を行うということにいたさなければ適当でない、こう考えておるのでございます。
#14
○鈴木一君 まあ議論が堂々廻りみたいな格好ですが、私としては、今の段階でこれを通産省なり、農林省なり、経済審議庁なり、政府のほうから大体この程度の生産費であるというふうなものを出して頂きたいということなんです。それから先ほどの最初の問題に戻るわけでありますが、これは通産大臣、経済審議庁長官としての演説かも知れませんが、五%ぐらい下るだろうというお話でありますが、確かに硫安の原料が非常に高い、電力なり、石炭なり高いということは私もまあ認めるわけでありますが、然らば、それはそれとして、電力料金を硫安のメーカーに関しては、硫安を供給するものに対しては下げるとか、或いは法人税について特別考慮するとか、そういつたようなことも考えておるのかどうか。
#15
○政府委員(平野三郎君) 硫安に対しまする電力の割当につきましては、お話のような趣旨によつて今日まで特恵的の契約をなさしめて、これに努力いたしておるわけでございます。電力の割当順位も硫安を最優先にいたしておるわけでありまして、一般の価格に比較いたしますると、硫安については特に低廉なる価格で電力を供給するという措置をやつておるわけでございます。又現在電力料の値上といつたような問題が出ておりまするけれども、電力の値上そのものにつきましても、しないように政府としては進んでおるわけでございまするが、特にこの硫安に対しまするところの特恵契約について、これを撤廃したいような意向を電力会社が持つておりまするけれども、そういうことはなく、従来通りの特別待渦を続けて参るという方針で政府は進んでおるわけでございます。
#16
○森田豊壽君 この臨時硫安需給安定法については、長い間読んでみたり、話を聞いてみたり、今日の段階では安定法、常に私が言うことでありますが、吹く定める法律を作ることは農民の側といたしましては結構なことでありまして、ただ公定価格的なものを作りまして、基準価格というような先ほど説明がありましたが、硫安の今の時期における基準の価格を作つて、経済の下向きに行く際におきまして、上る場合は別といたしまして、下る場合におきましては、基準価格を作ることがいいか悪いかという問題もこれは考え場なければならんことだと思う。先ず第一番に、需給安定法という、需給という字を少し吟味してみますと、言うまでもなく、需給状態は今日は非常に安くなつて来たということは、農林省当局も、経済局長も再三に亘りましていろいろ話を聞いておるのであります。需給を円滑ならしめる、先ほどの説明で行けば需給計画を第一に樹立するという問題に対しましては、何と言いましても、これは或る一定の需要の数量の何割かを生産者団体に持たしておくという、保留数量と先ほど説明がありましたが、保留数量を確保することにあると思うのです。この法案を出しまして一いよいよ実施することになりまして、然らば先ず第一審に需給を円滑ならしめるために、而も春肥を前に控えました今日におきましては、その保留数量を先ず第一にとることができるかどうか。保留数日というものを先に需要地において確保することができるかどうか。これは全部のものではありませんが一割なら一割、二割なら二割、又災害その他の天災地変等が起きた場合におきましても、輸送の困難な場合、その他の故障を考えた場合におきましては、それは需給安定法でありまするから、需給を安定させる意味におきましては、先ず第一番に保留数量を確保することにあると思う。これを実施するに当りまして、先ず第一番に需給計画、先ほど経済局長が説明されましたが、その需給計画は、何と申しましても保留数量の確保にあると思う。輸出会社のこの法案に対する議論は又別といたしまして、需給が内需優先であり、需給計画を確立するのだということを強調された以上は、それに対するいわゆる保留数量の確保ということはどういうお見込みであるか、この点を一つはつきりここで説明を願いたいと思うのです。この春肥に間に合わないではないか、春肥が過ぎてから安定法とは何事か。安定法とは別にいたしまして、将来の安定法ということは必要でありましよう。併しながら間に合わないでは、農家としましては災害のあとの年である今日の状態におきまして、これは何にも意味をなさんということになるわけでありまするから、その春肥に対しまする需給安定法というこの主眼は、私が申上げまするような保留数量の確保にあるということ、その保留数量は先ず第一番に、農林省はそれを農林省の責任において持たせるか。例えばメーカーのほうと通産省のほうとお話合を願いまして、一番先に一割なり二割、この法律によりますれば一割になりますか、幾らになりますか、その数量をメーカーからとつた、とつたというとおかしいが、買つて、それを当てがつて、即ち所有権は消費者団体に持たせなければいけないのだという説明、御尤もです。そういう説明ばかりでなく、そういう計画があるかどうか、それも事実そういうふうにしてやるか、その明細を御説明願いまして、更にこの問題の内容につきまして逐次質問を申上げたい。それを先にお尋ねいたします。
#17
○政府委員(平野三郎君) 本法案によりまして、内需の一部を需給調整用として適当なる団体に保留せしめるということになつておるのでありまするが、それができるかどうかというお尋ねでございまするが、勿論御承知の通り、今日は輸出をする余力を持つておるわけでありまするから、この法案では大体一割を目途としてということになつておりますが、一割程度のものを保管することは可能でございます。ただこの春肥に対してというお話がございましたけれども、春肥はもう目の前に来ておるわけでございまして、この法案の国会における今日の御審議の状況から見ますれば、到底この春肥に間に合うということは考えられないような次第でございます。従つて幸い本法案が成立いたしまするならば、この最盛期においては困難でございまするけれども、硫安の生産は大体年間平均いたしておりまするから、最盛期を過ぎた時期におきまして、適当にこれを買上げまして、大体におきまして全購連にこれを保留せしめるということを考えておるわけでございまして、勿論計画ははつきりございまするから、本法律案が成立いたしまするならば、御意見のような方法はとれる確信は持つておるわけであります。
#18
○森田豊壽君 今日は次官が御回答下さいましたので、その点は大いに信頼いたしますが、一割では少いと私は思いまするから、この法案に対する考え方としてましては、もう少し消費者が硫安を余計に持つておることが需給価格を検定し得ることである、買いあせりをしないことであるということは言うまでもないのでありまするから、私はこれは硫安を安く定める法律だと称しておるのでありますが、基準価格をきめようという安くする法案でなければ農家のためにはならないと思う。従いまして、そのためには、先ず第一番にそれを十分持たして、十分ということは悪いですが、一割のものが一割五分でも、買いあせりをしないで留保して、需給を明らかにし、仮需要を起させないようにする、そういうことがこの需給関係を円滑ならしめることであります。経済の原則は仮需要を起さない、起さないということは即ち保有量を余計に置くということに私はなると思うのであります。従いまして、これが本案におけるところの一番やまだと思うのであります。これが十分行つておるならば、通産省と農林省の間において両方でよく会議してやつて頂くならば、これが更にはつきりするだろう。これは非常に話がしいいと思うのでありまするが、これが遅くなりますると、非常に不安定になりまして、安定法が不安定法と化する虞れがあるのであります。従いまして、この点は信頼はいたしまするが、なおこの点については十分一つお考を願いたい、なお審議会の問題でありますが、価格の決定に対しましては、いずれ審議会の問題にもなると思います。まあ基準価格をきめる、価格安定ということをこの法文にも謳つてありまするが、次には需給の調整と価格の安定でありますが、これは審議会の人の問題になると思う。審議会というものの人数は九人が十三人という先ほどの説明でありますが、人数の殖えることがいいか悪いか、もう少し掘り下げて研究しなければならんと思う。私はまだ研究しておりませんが、要するに消費者の団体と生産者の団体、というのは、硫安の生産者の団体、消費者の団体、これは数は少くとも消費者のほうが多くならなければならんと思うのでありまして、衆議院等におきましても、これを読んで見まするというと、まあ少くとも少からざることを原則として大分意見が出ておることでありまして、この点は何ですか、ただ人数の問題とか、縄張り争いとかいう時代ではないのでありまして、硫安を安く成るべくきめて行つて、生産力を増強して国民の食糧事情をよくし、日本の経済をよくして行こうということは、これは申すまでもないのでありますが、この問題に対しまして審議会というものを作るということは一面においては非常に公平のように考えるのでありますが、米のほうの関係の審議会もありますし、いろいろなものの審議会が今はやりであります。審議会々々々で、審議会ばかり作つて行くということは必ずしも、責任を回避するのに審議会にかけるということは非常にいいことでありましようが、即この法律を施行するという意味におきましては、農林大臣の考え方によつて保留数量をどんどん放出して行くというようなことも法文に謳つてあるくらいでありますから、この点審議会というものについて範囲をばかに拡げまして、今度は何だか輸出会社の方面のこともいろいろ調査し、研究することができるようなことの権限を審議会に与えるような説明でありましたが、この点に対する考え方が、私は政府の提案した考え方がちつと甘過ぎるのじやないかと思う点があるのでありますが、この審議会に対しては農林当局といたしましては、どのくらい重きを置いておりますか、審議会のこの運用の面で、書いてある通りと言えばそれまででありますが、実際にどのくらいまで重きを置いておりますか、その点を一つ伺いたい。
#19
○政府委員(平野三郎君) 審議会を設けて、これの意見を聞いて、政府がこの措置をきめるということにいたしておりますのは、できるだけ独善に陥ることのないように重要な問題を民主的に解決をして行きたい、こういう趣旨からやつているわけでございまして、従つて政府といたしましては、本法案が成立いたしますならば、諮問機関ではございますけれども、この審議会の意見を十分に尊重いたしまして、そうして措置を誤まりなく進めるようにいたしたいと思つております。
#20
○森田豊壽君 審議会の意見を尊重するとおつしやいますが、私は審議会に学識経験者の中に国会議員の中から出るか出ないかは別といたしまして、これは適当にされることでありましようから、又その説明はありませんから、それは別問題といたしますが、私は国会の意思によつて大いにやるべき問題である、こういう問題に対しては審議会というよりもだ。私は諮問機関程度の審議会を考えているものと思つておつたのでありますが、この意見を十分尊重して、この尊重することは結構なことでありますが、決定とまでは言いませんが、若し決定するようなことがあつたらこれは大事だと思う。これは審議会の運用によりましては、審議会といえども誤まりなしとは言えないのであります。とかく今日の段階ではいろいろの風評も立ちやすいのでありまして、かかる点はよほど気を付けて頂かなければならんと思うのですが、今のお話では意見を尊重するということにばかに力が入つておりましたが、その意見を尊重するということは、その意見を聞いてその通りにやるというような意味にも解釈いたしますが、そういう意味でないか、その点を更に伺いたい。
#21
○政府委員(平野三郎君) 尊重するということはやはり尊重するわけでありまして、その通りにやるということではないと存ずるのでございます。硫安の場合におきましては、この審議会が年間におきまするところの硫安の需給計画を定めるということになつているわけであります。これらは数字的に明らかに出て参ることでありますから、恐らく大体審議会の御意見通りにやれるということになると存じます。又価格の問題につきましても、あらゆる角度から慎重御審議を頂きまして、そうしてきめるわけでありますから、大体この点につきましても審議会の御意見通りにやれるというふうに考えております。ただ緊急の場合等がございまして、審議会を開催して十分御審議を願うという余裕のないような場合もあろうかと存じますが、そういう場合におきましては、政府としての独自の立場において一応やらざるを得んということもあると存ずるわけでございますが、要するに極力審議会の御意見を尊重いたしまして取進めて参りたいと思つているわけであります。
#22
○河野謙三君 いろいろ伺いたいのですが、先ほど鈴木委員からの御質問に対する答えで、原価計算は本法案が通過して、政府の権限において原価計算の権力を持たない限りにおいては出て来ない、こういうことを言われましたが、私もこれは否定するものじやありませんし、そういう公式な立場において出て来る原価計算以外に、今政府自体が原価計算をしておられると思うのです。又かねて予算委員会等において、政府は、特に通産省は硫安の原価計算について公表を約束したことを私は記憶しておりますが、この本法案によらずして政府が持つている原価計算の御発表は願えませんか。
#23
○説明員(柿手操六君) 先ほど来のお話でございますが、今河野さんの御質問に結論的にお答えいたしますと、法令による原価の報告をさしておらない現状におきましては、政府として原価の公表は私は非常に困難だろう。お約束いたされた例があるかどうか存じませんが、私の考えますのは、今のところでは公表はむずかしかろうというふうに考えております。併し先ほど、ちよつと立つた機会でありますから発言を許してもらいたいと思うのでありますが、一体出血輸出がどうかわからない限り、コストがわからん限りわからんじやないかという、一応御尤もなお話でございまするが、実はこの硫安の二つの法案を提案いたした経過は、御存じの通り一昨年の秋に非常に国際相場が急激に下りまして、一昨年の赤頃までは国内の価格よりも輸出した場合には五ドル、十ドル高く売れておつたというような状況が、急激に一昨年の秋から逆に五ドル乃至十ドル、ひどい場合には二十ドル近くも安くでなければ輸出はできませんというような情勢であつたのでありますが、最近は輸出についての状況が大分好転して参りまして、一昨年四十六ドルというようなひどいのがありましたが、大体五十ドルから五十五、六ドル、特に朝鮮復興特需は五十七、八ドルというようなところまでに今回復しているのでありますが、現在の原価は国際別には法律を以て報告を取つておりませんから、格差別何円何銭というお示しは困難でありますけれども、大体平均的に大観して見ますというと、昭和二十五年の四月、朝鮮事変勃発の直前に、物価庁がまだありますときに、肥料の公定価格をきめた最後でありますが、その当時の平均の肥料公団の工場渡し収買価格が七百三十四円であります。それを現在のFOBと申しますか、現在の着オン・レールにいたしますというと、運賃を三十円か、四十円をみますというと、七百六、七十円というところになるのであります。それが三十五年の四月当時の平均であります。それは大体ドルに直しまして五十六、七ドルというところであります。その後二十五年八月に肥料の統制が撤廃され、公定価格もなくなり、配給統制もなくなつたのでありますが、その後における物価の高騰は、電力のごときも六六%、石炭等も一時よりは幾分下りましたけれども、七割乃至八制、労賃その他につきましても、我々公務員のベースも六千三百円ベースであつたところが、今一万何千円というふうに、それぞれ物価の高騰となりまして、増産による操業度の上昇はありましたけれども、とにかく現在のマーケツト・プライス八百四、五十円というものは、大体まあコストから見てえらく離れたものじやないし、大体ドルにしまして六十三・五ドルという見当でありますので、一昨年の秋の出血輸出ということはこれは当然考えられますし、現状におきましても、これは相当な出血になるだろうと思います。今この法案を審議いたしまするために、通産省といたしましては硫安の合理化審議会を開いておるのでありますが、一体どの辺を目標に合理化すべきかということにつきましていろいろな人の意見を聞きました。欧米に出張していろいろ調べて来られたかたがたの御意見も聞いたのでありますが、大体四十五ドルから五十ドル見当にまでコストを下げなければ、将来国際競争には危かろうというような御意見でありますので、ちよつと最近相場が好転しているかのごとくでありますけれども、長くみれば、やはりこれから十ドル乃至十五ドル、五十ドル見当までには少くとも急速に下げなければならんというふうに考えておるのであります。現状ではなお相当な出血が予想されるのであります。
#24
○河野謙三君 柿手さん、あなたの言われることはよくわかるのですが、私はそんなことを育つているんじやないのです。あなたの言われることを要約すれば、肥料の統制時代に物価庁が厳密に原価計算をやつた、その後統制が撤廃になつた、物価庁が最終の公定価格をきめた昭和二十四年の五月でしたね、それからの物価の趨勢その他を考えて硫安の現在の価格を出してみると、今の輸出価格よりも相当上のものである。だからそういう意味合から出血だと私は思う、こういうことなんですよ。そういう説明を聞いているのじやない。あなたのほうでどういう作業をされてもいいから、今の通産省が調べておる原価計算を公表ができないかというのです。公表することが困難なんですか、原価計算そのものが困難なのですか。その困難なのはどつちなんです。それを聞いている。公表することが困難なのか、原価計算そのものを持たないのですか、どつちなのか、それを伺います。
#25
○説明員(柿手操六君) それは私ども生産行政を担当いたしておりまする関係で、先ほども御指摘がありましたが、開発銀行に対する融資その他の推薦をいたします場合に、各社のコストの現状なり、或いは将来こうやつたらこうなるというようなことについての見通し等を立てなければ仕事ができないのでございまするから、無論私どもは仕事上そういうものを持つておりますけれども、法律上有権的に報告を求めて、その報告に基いた材料を持つておりませんので、これは公表するということは困難ではないか、こういうふうに考えております。
#26
○河野謙三君 そうしますと、各社別の原価計算を一応通産省としては持つておる、併しそれを公表する自由を持たない、こういうわけですね、そうですか。
#27
○説明員(柿手操六君) さようでございます。
#28
○河野謙三君 それならば改めて、今までの予算委員会等においても公表を約束されたことは速記録に残つておりますけれども、それは別として、委員長を通じて本委員会から正式に通産省が持つているところの原価計算の提示を強く一つ要求しておきます。これを特に委員長に強くお願いしておきます。
 それからその通産省が一応持つていると言われるが、そうすると、その持つているものを尺度にして、農林省と相談の上で今の硫安なり、過燐酸なりの安定価格というものをきめるのですか。今あなたたちが指導、場合によれば勧奨してきめておられるところの安定帯価格というものは、あなたは公表はできないけれども持つている、その持つているものを尺度にして安定帯価格をきめるのですか。安定帯価格と原価計算との因果関係を一つはつきりしてもらいたい。
#29
○説明員(柿手操六君) 安定帯価格というのは、御存じの通りそういうコスト計算から政府がきめるというものではないのでありまして、これは御存じの通り肥料の輸出は量的には余つたものは計画通りやらしたい、そのほうがほかの経済全般から言つてもいいから……。但し肥料の輸出によつて市価の高騰がないようにしなければならんということから、消費者の大手筋である全購連と、生産者の各メーカーとが話合いいまして、そして春肥なら春肥、秋肥なら秋肥の或る長期の取引価格をきめておるのであります。それを両省に報告して、両省としてはそれに基いて、別に法律案上の承認とかいうことでなしに、この報告によつて非常に不都合があれば措置をいたすのでありますが、大体現状では、春肥の模様をこの前も御説明いたしましたが、この程度であればということで、我々もそれを承認しているというような状況でございます。
#30
○河野謙三君 それは私は少しおかしいと思う。今の価格は統制じやないから、例えば硫安業者なり、過燐酸業者と、それから消費者代表である全購連とお互いに相談して一つの安定帯価格というものをきめる、それを役所に持つて来る、役所は許可事項じやないけれども、その相談には預つているわけですね。そうですね。預つているのでしよう。全然無関係ですか。
#31
○説明員(柿手操六君) 相談に預つていると申しますか、報告を受けているわけであります。
#32
○河野謙三君 報告を受けて余りあなたたちの考えと違う場合には、これを農林省、通産省がそれに対していろいろな意見を発表して行くのでしよう。これは事実でしよう。その場合にあなたたちの意見というのは、どこが基準になつてその意見が出て来るのか。あなたたちから出て来る意見というのは、あなたは公表できないけれども、腹に持つている原価計算というものを、それを基礎において、余り業者との間にきめた安定帯価格というものが高過ぎれば少し高過ぎるじやないか、又これは余りないだろうが、安過ぎればそれほどまでしなくてもいいということが意見になつて出て来るのだろうと思いますが、そうじやないのですか。
#33
○説明員(柿手操六君) 原価計算からいいとか悪いとか、こういうことを申しておらないのでありまして、今までありましたのは、両大臣が一昨年でありましたか、肥料対策委員会の開催というか、いろいろ折衝いたしましたが、それは原価というものでなしに、いろいろな情勢から政治的な折衝をなさつたのでありまして、原価計算による検討じやなかつた、こういうふう
 に考えております。
#34
○河野謙三君 いずれ委員長を通じてあなたのほうから原価計算をもらいますけれども、だから今の安定帯価格とあなたの持つている原価計算と幾らの開きがあるかということは、勿論何円何銭違うということは出て来ますけれども、今ここでこれだけは言えるでしよう。今の安定帝価格にあなたたちが指導してきめられた、これとあなたがお腹に持つておるところの原価計算とは大して開きはありませんか、大体いいところに行つておりますか。
#35
○説明員(柿手操六君) それは非常な開きはないと思います。
#36
○河野謙三君 それはいずれ本法案が通つて、原価計算をした場合に、農民から非常な政府が憤激の対象になるようなそういう開きはないということですか。大体取引過程において常識上許すところの一割であるとか、一割五分程度の開きであつて、取引過程においての常識を越えたような開きはないと、こう言うのですか。
#37
○説明員(柿手操六君) さようであります。
#38
○河野謙三君 そうしますと、百円も二百円も違うということはありませんね。改めてくどいようですが、申しますが、百円も二百円も原価計算をやつてみたところで違うところはありませんね。私はなぜそういうことを聞くかというと、常に通産省と農林省、農林省は原価計算をやつているが、通産省と農林省の間だけでも常に五十円、七十円違うのですよ。僅か一俵で……。この事自体がすでに不思議なんです。でありますから私はそういうことを伺うのです。私は重ねて申しますけれども、本法案によつて原価計算をして、出て来たものが今実施しておる安定帯価格と、常識上出て来る流通過程の口銭以上のものはないと、こういうことをあなたおつしやつたが、若し出て来た場合には一体具体的にどうなりますか。仮に今硫安が八百五十円と原価計算をやつたら七百五十円になつた、本法案によつて公定価格をきめたよりも百円今度は急に値段が下る。これは非常に市場が混乱しますよ。全購連あたり非常に運営上困るわけです。そういうことは起り得ませんか、又起つた場合にはその価格の繋ぎは一体どういうふうな措置をとられますか、これはむしろ私は農林省から伺いたい。
#39
○説明員(柿手操六君) 今の安定帯価格と実際のコストがそんなに開きがあるということは私は考えられない。そういうことが起つた場合にどういうふうにするかということでありますが、そういうことを考えておりませんから、まだ今考えておりませんので、即答いたしかねます。
#40
○鈴木一君 ちよつと関連質問です。柿手さんにお願いするのですが、まあいずれ委員長のほうから原価計算の提出を求められて出すと思うのですが、そのときに各メーカー別にどれだけ生産した場合、どれだけの価格だという各メーカー別の生産数量も必ず附加えてもらいたい。それから価格の問題についてもう一つお尋ねしますが、非常にこれは雑駁な常識的な考え方ですが、硫安の価格の中で、固定費というものと、流動費というようなものの大体のパーセンテージはどのくらいになるものか、このくらいのことは御発表できると思いますが、如何ですか。
#41
○説明員(柿手操六君) 大体現在のこれは御指摘の通り幾ら生産するかという、そういう操業度によつて非常に違つて来るのでありますが、大体二百万トン程度硫安を生産する、これは肥料以外のアンモニア約一割含んでおりますが、それを全部肥料にした場合の操業度で申しますと、大体三五%から四〇%ぐらいが固定費であります。あとは全部流動費であります。
#42
○鈴木一君 三〇%……。
#43
○説明員(柿手操六君) 三五%、これは大分会社の方法によつても違います。
#44
○鈴木一君 大まかでいいです。
#45
○説明員(柿手操六君) 大ざつぱに言えば三、四割という幅を持たせてもらつて……。
#46
○鈴木一君 三、四割は何ですか。
#47
○説明員(柿手操六君) 固定費です。
#48
○鈴木一君 そうすると、大ざつぱですから、これはいろいろな問題があると思いますが、二百万トンで四割ぐらいが固定費だというふうな場合に、そうすると二百二十万トン生産された場合、勿論いろいろその間固定費の変化もあろうと思いますが、大ざつぱに見まして二百万トンというものは流動費だけでできているという計算は出て来るわけですね、その際二百万トンでその四割の固定費でぺーされていますから、そうすると、二十万トン更に増産された場合は同一固定費ですから固定費は変つていない。従つて流動費だけだという計算が出て来ますね。そうすると、二割か三割安く売つたところで何ら出血だという根拠は出て来ないと思うのですが、ですからこれはただメーカーのほうが出血だ出血だといつて騒いで、それに乗せられてこういつた法案を出して来たと、こう思うのですが、これは認めますか。そういつた懸念もあるので、是非一つこの原価計算については正直に、現在あるままで結構ですから出して頂きたいと思う。
#49
○戸叶武君 原価計算を出してからの論議でよろしいのですが、事実上原価計算といつても各社別に私は非常に差額があると思う。で、昭和電工をいつか調べた際においても、追及して行くと、我が社は原価計算を出しても差支えがないかというようなことまでは言つておるが、それはもつと私は生産能力、能率が劣つているところもあるので、そういうところで一番悪いところの率で以て安定帯価格というものを作つているのではないか。それで大工場においては幾らでも儲かるが、一番劣等、劣勢なところの工場を基準にして、そうしてものをきめているのではないかと思う。そういうことも数字が明らかになればはつきりわかりますし、それからそういう状態で以て中小企業の場合においては、いろいろこの大工場へくつついて行けないところもあるでしようが、そうだとするならば、今までの過程において産業の合理化なり、何なりを促進をして、そうして全体のコスト高を引下げて行かなければならないが、今度のこの法案というものはいろいろなことを言つておるが、事実上においてはカルテルの強化策を打出そうというような目論見としか見られない、非常にそういうところに不純なものが出ておるのではないか。而もそういう結論を導くために、一番大切なところのこの原価計算を持つておるけれども、出せないという業者の立場だけを尊重して、消費者の利害、立場というものを一つも擁護しない政府のやり方というものは、極めて不明瞭だと思うが、それに対する御見解は如何ですか。
#50
○説明員(柿手操六君) それは各社の原価の問題になりますと、今統制を撤廃しております現状では、私どもちよつとそこまでむづかしかろうと、こう思うのでありますけれども、先ほど来御説明申上げますように、各社の原価でなしに、全体平均的に考えてみましても、現状では相当このままでは輸出も伸びて来ない、従つて生産が順調に行かない結果、減産なり、そうして国際収支の面からでも非常にむづかしいので、この際輸出についての格別の措置を講じて、そうしてその悪影響をなくすために需給安定法によつて国内の価格を低下、安定させる、需給も支障ないように、十分これに向つて国内の農業に心配させないというような措置を講ずるという手当は、この際必要であろうという意味でこの法案を提案をしたのであります。
#51
○戸叶武君 その平均というのがわからないのですよ。どれだけの差があるのか、そこに非常にごま化しものがあるのです。具体的にやはり原価計算をお示しになつて来れば、各社別のものを見れば我々もわかると思いますが、その平均という形において非常に程度の低いところの工場を引摺りながら、事実上において、非常な能率を挙げている工場が儲けるのに都合のいいような平均率を作つて行かれるのでは、これは実際上日本の産業の合理化も生産コストの引下げというものも事実上なかなかできない、そういうからくりによつてやられると思う。いずれにしても、これは昨年から随分執拗に原価計算の問題をはつきり出して来いといつても出さないのは、いろいろなまあ貿易関係、それから業者に対する影響ということも考慮するのでしようけれども、この生産者の、そういう会社の立場を守るというだけじやなくて、日本の全農民に関連のある問題で、而もこういう法案が出て来るのに、そういう点を明らかにしないで、そのほうは頬被りしてこの法案を通そうなどという考え方は、とにかく法案を通過させる上においては一番愚なやり方で、これはなかなか応じられないと思いますが、先ほどから河野さんが追及しているし、委員長も引受けているようですが、各会社別の明確なものを出さない限りにおいては、我々はこれを審議することは実際できないと思うのですが、それを出さずにでも審議してもらいたいというお気持ですか、その点明確にして下さい。
#52
○説明員(柿手操六君) これは私が通産省を代表してお答えするのには余りに重大なことでございますが、私は先ほど来御説明申上げましたように、個個の会社の原価というものは私どもの執務上推定をいたしておりますのがございますけれども、法令によつて報告をとつたものではありませんし、この際としては出すことはむづかしい、こういうふうに思つているのでございますが、先ほど来の御説明によつて、こういうものを提出しなくても大体現在の日本の硫安工業の現状なり、国際価格の関係から見て、こういう制度を必要とするということについて御納得を預けるものというふうに考えて、ひたすら通過をお願いいたしたいと考えておるわけであります。
#53
○河野謙三君 それから原価計算だが、農林省は農林省なりにやはり一つの原価計算を持つているはずです。これは通産省と別個に出すことを委員長から一つ要求して下さい。同時にこの内容というのは、これは念のために申上げますが、硫安の平均コストとかいうのじやないのですよ、私が言つているのは……。各社別にあなたが参考にとつておられる、参考でいいのですよ、その各社別のやつを、若し名前を出すのがいけないなら、昭和電工という名前を書くのが嫌ならA工場、B工場でもいいのですよ。各社別に出してもらいたい。こういうわけですから、これはいずれも肥料部長の権限ではちよつと即答できないでしようから、委員長から要求しましたときは、そういう内容のものを一つお答え願いたい。
 それで平野さん大分あなた退屈しているようだからお尋ねしますが、私は先ず伺いたいのは、例の外貨の問題が非常に切迫して参りましたね。そこで本委員会においては過日来砂糖の問題をやつておる。これも大体落着くところは今まで通り、百五十万トン、百万トンというのは入れられないだろう、油も新聞を見ますと、これも削るわけにいかんだろう、こういうことになつて来ましたが、肥料のほうの外貨は一体どうなりますか。政府が根本的にきめております重要物資といえども一割乃至二割の外貨は削減する、こういうことを言つておりますが、その中に入つて肥料、特に燐鉱石であるとか、加里とかいうものをやはり削るのですか、これを先ず伺いたい。
#54
○政府委員(平野三郎君) ちよつとその前に、先ほど戸叶委員からお尋ねがございましたが、非常に重大な問題ですから私から申上げまするが、各社別にいろいろコストが違うわけであります。従つて価格の決定に当つては高いところの会社の例をとつて行く虞れがあるのではないか、こういうような点でございまするが、実はなお現在各社別に政府で便宜調べておりますのを出すということで、これは私は出すのに何ら差支えはなかろうと存じます。ただ法律に基いてやつているわけのものでありませんから、政府の責任のある数字ではない、こういうことだけのことでございます。なお今の御趣旨の点でございますが、これは本法案が通過して最高価格を決定いたしまするときに、どの会社の例をとるかということことが非常に問題であると存じます。これにつきましては、これは審議会において御審議の結果御決定になることでございますけれども、政府として考えておりまするところは、やはり二百万トン以上になりますけれども、内需が仮に百六十万トンといたしますならば、それにいわゆる内需用の保留分を加えました分について、古いほうの価格から順々にとつて参りまして、それの加重平均をとるということが適切ではないか。従つて非常にコストの高い分についてはこれは見ないことにするのが妥当である、そういうふうな価格のきめ方が正しいのではないかと考えておりますので、この点私から敷衍して申上げておく次第であります。
 今河野委員からお尋ねの本年の外貨予算におきましての肥料の問題でありまするが、これは只今なお検討いたしておるわけでございまするが、ほぼ基本的な線だけは決定をいたしておるわけでございます。従つて全体的にやや昨年からみまするならば縮減を余儀なくされる状態にございまするが、併しこれは内容については何分にも対外取引上の関係もありまするので、成るべく公表を避けて行きたい、かように思つておるのでございまするが、お話の肥料の中におきまするところの加里並びに燐鉱石につきましては、国内の需要の現状に鑑みまして、これについては例外的に縮減することのないようにいたすという確信を持つておるわけでございます。
#55
○河野謙三君 今あなたが確信を持つていると言われるのを、こういうことを、言うのはどうかと思いますが、これは引受けますか、前年度同様のものを入れるということを引受けますか。
#56
○政府委員(平野三郎君) これは対外取引上の関係がございまして、これは各国ともこれを公表はいたしておりません。又これは日本の国民全体の利益のために、国がその年度に買うべきものを国際的に明らかにするということは国民のためにも適当でないという考えの下に、これは公表はいたさないということに、今そういう方針をとつておるわけでございますが、お話のこの燐鉱石と加里につきましては、原則として本年の分を確保するということについては責任あるお答えを申上げることは差支えないと思います。
#57
○河野謙三君 そうしますと、政府が根本方針として、重要物資といえども外貨は一割乃至二割は削減することは止むを得ない、こういうことを言つておりますが、この重要物資の中で、又例外として肥料は一割、二割の削減はしないと、こういうことを努力もするし、又確信を以てお答えできると、こういうことですね。ところが私が聞いているところでは間違いかも知らんけれども、加里を今いろいろ輸入の折衝をやつているでしよう。ところが四級の加里の外貨を去年の実績よりも減しているのはどういうわけです。政府が交渉の段階において減しているのはどういうわけです。特に私は不思議に思うのは、本法案をここに出しておいて、これは硫安だけになつておりますけれども、政府の原案は……。肥料の安定をするのだ、その一番の味噌は森田さんがさつきお話のように、一定量の保留分を常に持たせるのだという考え方で政府がおられるにかかわらず、むしろ一年を通じて肥料の手当をするなら、外貨予算を上期において少し余計とつておいて、それを保留の形において下期に繰越すということをしなければ安定しないんじやないですか、政務次官の気持はよくわかる、偽らざるあなたの気持であり、熱意であると思う。ところが現実にそう動いていないんじやないですか、それはどうなさるか、加里の私の聞いているのは間違いですか。もつと具体的に言うと、去年十五万トン入つているK20にして……。ところがそれの今折衝は十三万トンでやつているのでしよう、それはどういうわけですか。
#58
○政府委員(小倉武一君) 昨年の当初は十一万九千四百トン、約十二万トンでございます。これに冷害等の事情によりまして一万六千五百トンの需要増加となつております。これに対しまして、只今のところの話合が今お話の十三万トン、こういうことになつておるのであります。
#59
○河野謙三君 まあそういう数字のことはよしましよう。ただ私は衆議院の農林委員会で硫安需給安定法を肥料需給安定法に直して云々ということを政府がひと事のように言つているのは私はおかしいと思う。肥料事情は全く一変していますよ。特に外貨の問題が窮迫して来て、肥料問題はむしろ硫安よりも燐酸であり、加里である、そういう認識はすでにお持ちだと私は思う、違いますか。政府は、如何に政務次官が、馬力のある政務次官が政治力を以て加里と燐鉱石は引受けると言明されましても、一般はまだ信用しない。それほど外貨というものは窮迫している。その前提に立つて加里肥料と燐酸肥料を考えて御覧なさい。一体硫安需給安定法でいいのですか。進んで、政府は一年も前に出したかびのはえた硫安需給安定法を現状に即してなぜもう一遍法案を出し直さないのですか、出し直す意思はございませんか、衆議院の意思のままに任せますか。それも末梢的な字句の修正案ならば別だ。根本的な需給安定法に対する修正というものが議会にあつて論議されておるときに、政府がどうぞ御自由にお直しなさい。まるでそこらの赤線区域の女のようです。それで一体いいのですか。過燐酸なり、加里についての前途一年間の見通しについて私はもう少し御説明を頂きたいと思う。
#60
○政府委員(平野三郎君) 本決案は出血輸出等の関係から国会において非常に問題になりまして、政府として早く何らかの手を打つという非常に矢のような督促を受けまして、しばしば吊上げを受けたわけでありまするが、政府は硫安に関する調査会を設けて検討を続けておつたわけであります。これの検討が遅れておる、遅れておるというので非常な御催促で、漸くまあ成案を得て出したわけでございまするが、これがまあすでに三国会に亘つて綿々として継続御審議を頂いておるわけでございまして、その後相当状況の変化いたして来たことは承知いたしております。併しながら、この法案はそもそも国際輸出の関係におけるところから起つて参つた問題でありまして、現在におきましても硫安が中心でありまするので、どこまでもこの法律としては、特に臨時という名前も付いておるような法案でありまするので、硫安に限定をいたしたいという政府は考えを持つておるわけでございます。ただ肥料につきましては、只今河野委員のお話のように、いろいろな外貨の事情等の問題が起つておりまするし、或いは又肥料につきましても、輸出の問題の起つておることも承知いたしておるわけでありまするから、そういう問題につきましては、これから慎重に検討いたしたい。ただ本年としては、加里並びに燐酸等につきましては必要な輸入量を確保いたしまして、需給の安定を通じてこれの価格の安定を期して行きたい、かように考えておるわけでございます。
#61
○河野謙三君 私はね。あまり政府の顔の潰れないようにと思つていろいろ申上げているんですよ。これは肥料だけではありません。世界の経済事情に常に追従して日本の経済的の変化は起る。肥料においても世界の肥料事情の変化に追従して日本の肥料事情の変化は起る。私は過日或る席で申上げたのですが、一昨年私がFAOへ行つて、世界の肥料の将来についての見通しを私は私なりに調査したのです。大ざつぱに結論を言うと、窒素肥料は非常に急速度に世界的に供給過剰になる。併し肥料資源の問題が中心になつて、燐酸肥料につきましては世界的に肥料事情は非常に窮迫して来る、非常に憂慮に堪えないというのが世界の中心に立つて肥料事情を調査しておるFAOの肥料の係官の数字を示しての説明ですよ。私はそのときにはぴんと来なかつた。ところがそれから一年半経つてみますと、やはり世界の肥料事情の影響というものは我が日本にも来ておる。私のようなちんぴらがちよつとそこら歩いてもよくわかるのですよ。それを肥料専門の、而もここには肥料の中から生れたかと言われるくらいの柿手さんのような肥料の専門家がおつて何故そういう見通しをしないか。見通しを持つておるでしよう。私は演説みたいになりますけれどもだ、何も私は自由党だからと言つて自由経済にとらわれる必要はないと思う。政治は生きものだ。坐標は常にずらせるべきだ。最近のような事情で統制経済に向つて何がおかしい。自由経済の坐標を動かすところに本当の自由の妙味がある。こういう経済になつて、外貨の関係で加里と燐酸の関係が非常に事情が変化して来た。それに対して対処して今から出直しても遅くないじやないか。くどく申上げますが、いいですか。本当のところを私ははつきり聞きたい。燐酸と加里は引受けますか、燐酸と加里はこの一年間引受けますか。それさえここで伺つて置けば何も言わない。それをはつきり申上げて置きます。
#62
○政府委員(平野三郎君) 本決は先ほども申上げましたように、硫安に対しまする臨時の措置で、而も期限も切つた限時法でございまするので、硫安につきましては是非この法案をお通し頂きたいということをお願い申上げてやまない次第でございます。なお他の肥料につきましては、これは別途恒久的に考慮いたしたい。ただ現在のところでは硫安以外には考えておりませんけれども、将来必要がありまするならば、他の肥料についても考慮する考えを持つておりまするが、ただ自由党は自由経済にとらわれてそういうことをやらないというようなことは少しも考えておらないわけでありまして、先般申上げましたように、絶対の自由経済というものもございませんし、絶対の統制経済というものもないわけで、この自由と統制の間を巧みに縫つて行くところに自由自在の自由党の妙味がある、かように思つておる次第でございますから、従つてそういう点は広い気持を持つて必要な措置はどんどんとつて参るというように考えておるわけでございます。なお本年は加里、燐酸につきましては、その必要量を確保し得る確信を持つております。
#63
○河野謙三君 まあそれなら結構です。あなたが責任を持つて下さるならば結構でございますが、ただ現状認識が、政務次官、あんた欠けていると思う。将来考えましようと言つてね、あなたのおいでにならんときに、この委員会でも申上げたのですが、今流通過程で一番混乱しているのは加里ですよ。その次は燐酸ですよ。一番安定しているのが硫安です。その一番安定している硫安のほうへ力こぶを入れておる間に加里のほうにはもう火が付いておる。この現状認識だけは間違いない。現実の問題なんです。それを先に行つて考えると、こういうようなことは、これは私この席で御答弁願わなくてもいい。十分担当の局長なり、課長から私はお聞き願いたいと思う。それともう一つ、燐酸と加里の問題について申上げますが、私は外貨を削られちや困るが、その貴重な外貨を割当てる以上は、それについて得た物資というものは非常に無駄なく能率的に使わなければいかんと思う、加里というものは、今農林省で、技術的に言つてですよ、六十八万トンも七十万トンも一体要るんですか。売れるから輸入しているのですか。化学的に技術的に必要の量が六十五万トンであり、七十万トンであるのか、これを伺いたい。燐酸肥料も同様です。ここまで外貨が窮屈になつて来ると、売れるから輸入するというのでなくて、化学的にですよ、特に肥料のような場合は、農耕上化学的に必要の量を確保するということが私は物の考え方の基準にならなければいかんと思う。この点につきまして経済局長から伺いたいのですが、一体売れるから需給関係から行つて輸入するのじやなくて、技術的に化学的に考えて必要な燐鉱石なり、加里というものは一体幾らですか、これを伺いたい。
#64
○政府委員(小倉武一君) 加里等につきましての国内農業から見た需要量でございますが、御指摘のように、加里につきましては最近の需要量、需要の増加の趨勢から申しまして過多になつておるのではないか、多過ぎることになつておるのではないか、こういうことが専門家の間でも言われておるのであります。私ども直接そういう点からの責任部局ではございませんが、そういう点も十分承知しなければなりませんので、施肥関係の専門家のいろいろ寄合いも催しまして、そういう点について検討を和めております。或いは五十万トン程度以上でありますならば、多過ぎはしないかといつたような議論もございますが、なお現在のところ六十万トン超えるものが、一体他の肥料と比べて多過ぎるかどうかという点について、まだ結論に達しておりません。ただそういうふうな心配があるということは、これは御指摘の通りでございまして、なおそういう点の検討を進めて参りたいと思います。御指摘のように外貨の事情が窮屈でありますから、無駄なものを農家が需要するということを放任して、量さえ確保すれば能が足りるということではございません。十分御指摘の点も加味いたしまして、検討を加えて行きたい、かように考えます。
#65
○河野謙三君 他の委員のかたの質問もあると思いますから、残りの質問は次回に譲りまして、ただ一つだけ……。私も六十万トンという加里はどうしても技術者の立場から出て来ない数字だと思う。こういうことを私は聞いておる。今重ねて経済局長から伺いましたが、そうだとすれば、従来の政府だけの責任じやありませんけれども、農業団体の責任でもありますけれども、施肥指導がよくなかつたということなんです。施肥指導の完璧を期していなかつたということ、そのために貴重な外貨を使つて、若し五十万トンの加里が妥当であるとするならば、二十八年度においては約二十万トンの加里を無駄なものを入れて無駄な外貨を払つたということです。これに対して加里の流通過程において、又施肥指導において何らかの方途を講じなければいけないでしよう。私は先ほど政務次官が外貨は必らず燐鉱石と加里は引受けると言われる。引受けるという量は、内容的にそういうものも検討した上で、絶対必要な量というのは技術的な根拠に基いての必要な量ということに私はあると思うのですが、こういう問題に入つて行きますと、又話が逆戻りして、加里と燐酸は放つてはおけないということになる。併しこれは次回の委員会まで私は質問を留保しますから、十分御検討の上燐酸と加里についても抜本的に御者慮を願つて、何らかの具体策案をお示し願いたい、かように思います。これで私は残念ながら時間がありませんから質問は次回に譲ります。
#66
○江田三郎君 今の河野委員の質問に対して政務次官の回答を聞いておりますと、本法は硫安だけを対象にするのだ、従つて他のものについては考えない、こういうことだつたんですが、そういうことになりますと、衆議院のほうの綱島試案というものに対しては、これは将来どういうことになるかわかりませんが、仮に衆議院のほうであの試案に意見がまとまつても、政府としてはこれは反対だ、こういうことになるわけですか。
#67
○政府委員(平野三郎君) 先ほど小倉政府委員から御説明申上げました衆議院の農林委員会における修正意見というものは、政府としてはただ漏れ承わつておる程度でありまして、何らまだ公式には国会の御意思を伺つたわけではございません。いずれにいたしましても、国会におきまして御修正になりますならば、政府としては、それに忠実に従うという以外のことはないわけでございます。
#68
○江田三郎君 漏れ承わるでも何でもよろしいが、まさかそんなことではなかろうと思います。今の河野委員の質問に対する答えで行くと、化成肥料等を入れるということは政府としては反対だと、こういうふうになつて来ると思うのですが、その他今の点と、その他綱島試案による修正要綱というものについては、まだ見ておらんというのなら見てもらつて、どういうように政府のほうでお考えになつているか、政府の見解をお伺いしたいと思います。
#69
○政府委員(平野三郎君) 政府といたしましては、これは硫安に関しますところの臨時の措置と、こういうことで提案をして御審議を願つておるわけでありますから、どこまでも硫安並びに硫安系の窒素肥料ということに考えておるわけでございます。なお又綱島君の修正の御試案というのも、決して肥料全体に及ぼすといつたようなことではないようで現在のところはあるように聞いております。
#70
○江田三郎君 だから一から六まであるわけで、これは政府のほうから資料として頂いたのですから、政府のほうで十分御承知と思いますが、一から六までについておのおのどういうふうに考えておられるのかということをお聞かせ願いたいと思うわけです。
#71
○政府委員(平野三郎君) これは実は政府としては公式には何ら伺つておりませんけれども、農林委員会でこういうような資料が配付されておりましたので、御参考に参議院のほうにも御提示いたしたいということでございますが、政府としてはこの綱島君の出されました修正要綱というものにつきましては、決して反対というようなことは考えておらんわけでございます。相当政府が提案いたしましてから長時日経ちましたので、状況が変化いたしておりまするし、従つてこれらのうち、当然のことも多々ございます。特に第五の有効期限を一年延長するということは、この法案が相当長引いてしまいましたから、自動的にこれは延ばすということも当然でございまするし、審議会の委員会の数を殖やすということも、これ又先ほどの殖やすほうがいいか悪いかということは見解の問題でございますので、いろいろありますが、こういうふうに殖やすということが不適当であるというふうには考えておりません。又第二の点、第三の点につきましても、大体政府が遠ざかつておるわけではございませんので、政府もこういう考え方は勿論あるわけでございますから、これは別段差支えない。又一の対象肥料の問題でありますが、これはやや不明確と存じまするが、政府といたしましては、肥料全体にこれを及ぼして行くということについては、現在のところこれは適当ではない。そもそもこれは硫安に関する臨時的性質において提出した法案であるから、肥料全体について考慮する場合においては別途根本的に考えるべきである。この法案の作正によつて肥料全体を取扱うというようなことは適当でない。ただ化成肥料という問題につきましては、これは相当理由があると存じます。こういうふうに御修正になりますならば、それも結構であると、かように思つております。
#72
○江田三郎君 化成肥料ならいいけれども、河野君の言うような燐酸なり、加里ならいかんという理由はどこなんですか。はつきりわからないのです。聞いておつて……。
#73
○政府委員(平野三郎君) 只今申上げましたように、この法案を提出する動機がそもそも硫安から起つたことでざざいまして、従つて五年間というような限時法にして臨時的措置法として出しておるようなわけでございますから、肥料全般に亘る根本的な立法については必要があれば別途考慮すべきではないか、この法の修正によつて肥料全体に及ぼすことは適当でないと、こういうふうに考えておるのであります。
#74
○江田三郎君 これは私は意見がありますけれども、質問だけしておきますが、六の附帯決議の問題はどうですか。大体一の点についてはどうもはつきりしないが、三、三、四、五は異存がないが、六の点はどうですか。
#75
○政府委員(平野三郎君) 六の点は、これは修正意見の附帯決議でございますが、この学識経験者のうち、成るべく消費者の者を選ぶようにするということは政府としても全く同感でありまして、全く結構であると存じます。又肥料の販売価格の最高額を定める場合には、参酌すべき経済事情中に、硫安の国際価格を含め考慮する、これ又当然でありまして、法案の中には別に国際価格ということを謳つておりませんが、これは大体法案を作る場合の一つの慣用でございまして、政府は国会の答弁におきまして、しばしば経済事情の中には国際価格というものも含まれておるということを申して来たわけであります。その点も何ら別段附帯決議をお付けにならなくても、政府自体でも硫安の国際価格を参酌するという気持を持つておりますので、何ら問題ではないと思います。
#76
○江田三郎君 先ほど質問が出ておりましたが、安定帯価格をきめる場合には生産費というものを考えておらんというような御答弁がありましたが、これはちよつとおかしい答弁で、恐らく生産費というものから安定帯価格の決定の指導をされておると思うのです。そうじやないですか。若し安定帯価格をきめる場合には、私の理解するところでは、国内の生産費というものからいろいろお考えになつておると思うのですが、そうであるのかないのか。そうしてそういうときに国際価格というものを考慮して、あの価格というものはきめられておるのかどうか、その点はどうですか。
#77
○政府委員(平野三郎君) 現在政府が指導いたしております安定帯価格というものは、これはもう何ら法律の根拠によるのでなくして、ただ行政指導でせられておるわけでありまして、内容が非常に不明確なものであると思うのであります。従つて各社の生産費というものも勿論考慮の一部に入つているわけでございますが、この生産費というものが政府の責任を持つた価格であるというわけには参らないために、先ほどは生産費を基礎にしないということをお答え申上げたかも知れませんが、これはそういう意味で申上げたわけであつて、各般の事情を総合した行政指導のことでありますから、その意味で安定帯価格の指導をやつておる、こういう意味でございますので、御了承を願いたいと思います。
#78
○江田三郎君 それでは国際価格も安定帯価格をきめるためには考慮のうちに入つているということですか。
#79
○政府委員(平野三郎君) 広い意味においては入つていると思います。
#80
○江田三郎君 そうすると、将来仮に国際価格を含めて考慮するということがきめられても、結局出て来る答えは今の安定帯価格とほぼ似たようなものだ、今までも国際価格を含めて考慮しておるということなら……。国際価格と国内価格とが今日相当開きがあつても、それをうんと国際価格のほうに近寄せるのではなくて、これを考慮しても今の安定帯価格と同じようなものになるのだという、こういうことですか。
#81
○政府委員(平野三郎君) 本法案が通りまして、どうなりますかということは、やはり本法が成立いたしまして、それから審議会を作り、いろいろ政府が責任を持つてコストの調査をする、その結果を得たなければ、どうなりますか、只今のところでは将来のことでございますので、はつきりここでどうなるということは申上げられないと思います。
#82
○江田三郎君 具体的な数字がどうきまるかということはわかりませんけれども、今ここに書いてある附帯決議としてわざわざ上がつておる硫安の国際価格を含め考慮するということは、仮にこれが条文の中に修正としてわざわざ入つても、その考慮のされ方というものは、今までの安定帯価格を作るときに考慮したと同じようなウエートしか持たないのか、それとももつと強い比重を持つてこの国際価格にうんと近寄つた価格にまで行かねばならんというようになるのか、その言葉を政府のほうでどう解釈しておられるのかということを聞いておるのです。
#83
○政府委員(平野三郎君) まあ本法律案が成立いたしまして、硫安の価格を定めるという場合におきましては、無論硫安審議会に諮問をいたしまして、その意見を聞いた上で決定するわけでございますが、この法律で明らかになつておりますのは、先ず第一にコストの調査を行う、これは先ほども申上げましたように、各社別によりまして、高いのと低いのとありますから、その低いほうから計算して参りますというと、一応の数字が出るわけであります。これに対しまして、更に農産物の価格でありますとか、或いは国際価格を含めました経済事情というようなものを参酌いたしまして、最も適正且つ合理的に決定をいたしたい、かように思つておるわけであります。
#84
○江田三郎君 私が聞いておることにお答え願いたいのです。私が聞いているのは、今附帯決議の中にある綱島試案の附帯決議にある国際価格を含め考慮するということは政府としても異存がないと、こうあなたはおつしやつておるわけです。そこでその異存がないというのは、この言葉をどの程度のウエートに見ておられるのかということです。今までの安定帯価格をきめるときにも国際価格を考慮して来たと言われますが、今まで国際価格を安定帯価格をきめるときに考慮したその程度のウエートに見られるのか、ここにわざわざ言葉が出て、これを法案の条文に修正してわざわざ出した場合には、もつとこれに強くウエートを置かれるのか、どちらかということを聞いておるのです。それはどうですか。
#85
○政府委員(平野三郎君) 従来の安定帯価格というものは、先ほど申上げましたように、ただ行政指導でやつておるというわけで、その広い意味で国際価格というものも考慮のうちに入れたという程度でございます。この法案が通りましてきめます場合におきましては、要するに消費者の真に納得し得る価格をきめたい、こういう政府の気持でございますので、この点につきましても、勿論相当の考慮を加うべきであると考えております。
#86
○江田三郎君 問題を一つごまかさないで、私の質問していることに答えてもらいたいのです。今までもこの点は考慮したというけれども、わざわざ附帯決議としてこの言葉が出るというのは、恐らくこの試案を作つた綱島君はこれに相当のウエートを置いておられると思うのです。又こういうものが条文の中に入つて来るということになると、これ又重要な価格決定の要素として出て来ると思うのです。そうなつても今まで国際価格は安定帯価格をきめるときに考えておつたのだから、その程度の考え方でいいというだけの受取り方をせられるのかというのです。ほかのことを言わないで、そのことについて端的に答えてもらつたらよいと思います。
#87
○政府委員(平野三郎君) 今までのは法根拠に基いてやつたことじやございませんので、従つてはつきりした基準というものはないわけでございますが、この法案がこういう附帯決議が付いて成立するということになりますれば、特にこの点を重視すべきであるという国会の御意思であるわけでございますから、その意思を尊重いたしまして、十分に考慮を加えるということが必要であると思うのでございます。
#88
○江田三郎君 そうしますと、今までよりもこの国際価格を含めるということに強い関心を払うということになると、今の国内価格と国際価格との現状からみると、少くともこの附帯決議がどういう形で出るか知らんけれども、通つた場合には安定帯価格より下廻る、新らしく出て来る価格は安定帯価格より下廻ると、こう当然押して行けるわけですけれども、そう解釈して間違いないでしようね。
#89
○政府委員(平野三郎君) 国際価格はこれは全く一定したものではございませんので……。
#90
○江田三郎君 今の段階においてですよ。
#91
○政府委員(平野三郎君) いろいろ変動いたしておるわけでございまするから、これは勿論これを参酌するといたしきても、参酌の仕方にはいろいろ段階があると存ずるわけでございます。
#92
○江田三郎君 さつきの答弁と違うじやないか、さつきの答弁の延長をやつて下さい。
#93
○政府委員(平野三郎君) 安定帯価格より安くなるかどうかということは、これはやはり法案が通りまして政府が責任を以て調査した上でないと……(江田三郎君「国際価格ははつきりしておるじやないか、調査もくそもない」と述ぶ)わからないのでございますが、いずれにしましても農民の納得し得る価格を作るということになろうかと存じます。
#94
○江田三郎君 この綱島試案の国際価格という点に関しては、ひとり綱島君だけでなしに多くの人が非常に関心を持つているわけです。それに対して先ほどから私の質問に対してあなたの答えられた点をずつと論法を積み重ねて行きますと、結論としては将来のことはわかりません、現在においては国際価格のほうが低いのだから、国際価格にウエートを従来よりもおくということになれば、安定帯価格の相場よりも下るということは誰が見てもはつきりした結論だと思うのです。その点は論理的にちやんとその結論が出る。その結論をさえも政府のほうで非常にぼやかしたことしかおつしやられない、あなたがおつしやつた論理を途中で自分で曲げられるということになると、ほかのことについても非常に私ども不安を持たなきやならんということになるわけです。若し政府のほうで本当にこの法案が必要であるというお考えなら、私はそういう自分の論理を自分で否定せられるようなことをしないで、もつとはつきりと答えて頂きたいと思います。法案成立の暁に納得をするように、納得をするようにと言つたつて、そこに我々非常に不安があるから、この法案というものが十六国会以来今日まで非常に長引いているわけです。もう一遍お尋ねしますが、今私が言つた点について、国際価格を含むということをわざわざ附議決議の中に入れ、そうしてこういうものが条文の中の修正として出て来た場合には、従来よりもこれをウエートを重く見るというあなたの答えからして、そうして現在の国内価格と国際価格との現状から見て、当然安定帯価格よりも安い数字が出なければならんと、私はあなたの答えからそういう論理的な結論に到達しますけれども、その私の論理が間違つておるかどうか、それはどうです。
#95
○政府委員(平野三郎君) 政府といたしましては硫安の価格をできるだけ安くいたしたい、こういうことから別途御審議を願つておりまする硫安の合理化に関する法案におきましても、極力合理化をいたしてコストの引下をいたしたい、かように考えておるわけでございまして、できる限り安いところで価格を付けたい、それにはやはり国際価格に近付けると申しまするか、硫安も国際市場において負けないようにしたいのだ、こういう気持で進んでおるわけでございまして、そういう意味で極力国際価格に近付けて行きたい、こういう考えを持つておるわけでございまするから、お気持のほどはよくわかるわけでございまするので、その考えの下に進んで行きたいと思つております。どうか御了承を一つお願いいたしたいと思います。
#96
○江田三郎君 決して了承いたしません。そういうごまかしでは了承できませんが、答えがなければ、我々としましてこの法案の審議に不安を持つということだけを申上げておきます。その次に硫安価格が二十六年の二月の高値から、当時のあなたのほうが出された資料によると、九百九十幾らという値段から今の八百四十四円に下つたのはどういう原因があつたのですか。
#97
○説明員(柿手操六君) 硫安の価格は二十六肥料年度の春肥、即ち二十七年の一、二、三、四、こういうときが大体最高でありました。それから漸次下りまして、現在までに約百四、五十円ばかり下つているのでありますが、これは何と申しましても一番大きいのは操業度の上昇が相当の部分を占めていると思います。それから石炭、コークス、電力その他の原材料の操業度上昇によつて当然原単位が下つて来る部分もあります。技術或いは製造設備の復旧改善によつて原単位が下つた分もあります。更には最近殊に顕著でありますが、硫化鉱その他石炭、コークスもそうでありますが、原材料の単価も下る。大体主として操業度の上昇、それから原材料のトン当りの使用日量の減少、原材料の単価の値下りというようなことが主な原因でございます。
#98
○河野謙三君 関連して……。先ほど江田さんの質問に対して農林政務次官から、今度の法案によつて価格を決定する場合の要素として、先ず第一に例えば硫安が国内で二百万トン、その中の国内需要が百六十万トンとおつしやつた、これは数字は違うけれども、百六十万トンであつた場合、その百六十万トンに更に国内保留分を加えたもの、それだけの範囲においての生産費の平均を出して先ず第一にきめる、こういうことと、第二にはその当時の農産物の価格を勘案する、第三には国際価格も勘案する。そうして政府の案をきめて審議会にかけてきめるのだ、こういう考え方を政務次官ははつきりと二度まで言われましたが、これは通産省側におきましても、何らそれに対しての考え方に違いありませんね。これはちよつと私は特に肥料部長から伺つておきたい。違つているとか、違わないとか、それだけで結構です。
#99
○説明員(柿手操六君) これは法律にございます通りでございまして、生産費を基準といたしまして、先ほど農林政務次官から御説明いたしましたように、硫安メーカーの生産費を基準といたしまして、その基準は政務次官の御説明の通りであります。それを基準といたしまして、農産物価格その他の経済事情を参酌してきめるのでありまして、経済事情を参酌する、その経済事情の中はいろいろ事項があろうと思うのでありまして、無論先ほどお話がありましたように、国際価格もいろいろな経済事情を参酌する一つの事項であると考えております。
#100
○河野謙三君 その他の経済事情、その他というのがこれが曲者なんだ、そこで政務次官が国内需要量の生産費の平均と農産物の価格を勘案することと、国際硫安価格を勘案ずる、そうしてきめるんだ、今の法案よりももつと具体的に言われたんだよ、私はそれに賛成なんだ。これはまさか通産省と農林省と意見が違うはずはないんだが、とにかく従来の経過において通産省と農林省と違うから駄目押しの、ちよつと政務次官の御意見と通産省の御意見と一致しているや否やを確認をしておきたいと思うから、それを答えてもらいたい。その他の経済事情と書いてあるのはわかりますよ。これは僕らも字が読める。三つはつきり言われたんだから、この三つはつきり言われたことについては、それをあなたのほうも確認されるかどうかということを聞いておるんだ。
#101
○説明員(柿手操六君) これは先ほどお答えいたしましたようにその他の経済事情の中にどういうような事項を経済事情の中に参酌いたしますか、まだそう具体的なところまで相談をいたしておらないのでありまして、先ほど申しましたような国際価格というようなことは、経済事情の中に当然参酌事項として考えるべきだろうと思います。
#102
○河野謙三君 ちよつと私関連質問だから簡単にお答え願いたい。今具体的に言われた三つについては通産省も同意見ですか、どうですか。簡単なことですよ。イエスか、ノーか、それ以外のことは要らない。国際価格も勘案するんですね、農産物も勘案する、それから国内需要量の生産費の平均、これは間違いありませんか、通産省の御意見をこれを伺えばいいんです。つまらんことは要りませんよ、それだけでいい。それを答えなければいつまでたつても質問しますよ。
#103
○説明員(柿手操六君) 生産費の平均の仕方というのは、だんだん細かくそう突つ込まれますと……。
#104
○河野謙三君 いや、細かくないんだ。
#105
○説明員(柿手操六君) 生産費を基準とするというか、平均の仕方につきましては、国内の需要量プラスこの法律によつて調整保留分として国内に保留いたします数量を加えたものに達するまで、安いものから積み重ねて行つて、その加重平均というものを生産費と見てそれを基準にいたします。あと農産物価格その他の事項を参酌すべき点につきましては、今通産省を代表してどうこうということを私が申上げるのは少し僣越でありますが、今、政務次官のおつしやいましたような事柄は当然だと私は存じておるということを答える以上にはお答えしかねるのでありますが、御了承願いたいと思います。
#106
○河野謙三君 政務次官のおつしやいますような、おつしやいますようなじやない、ようなということは余計なことだ、それは政務次官のおつしやる通りでありますか。あなたの御意見はその通りでありますと了承してよろしいんですね。
#107
○説明員(柿手操六君) これはその通りという……、農産物価格と、それから経済事情の中に国際価格という事項を参酌する、それ以外には参酌しないということでないのでありますれば同意見です。
#108
○河野謙三君 平野政務次官に私から特に尋ねる。政務次官は、さつきあなたがおつしやつた今の三つのことは、これは単に農林省の政務次官としてではなく、本法案提案者としての政府としての御意見と受取つていいんですか。
#109
○政府委員(平野三郎君) それはわかりきつたことのお尋ねでございまして、私は農林省の政務次官としてどうということでなくて、政府全体の責任を代表して出ておるわけでありますから、別に通産省の意見をお確かめになる必要はございませんので、私が申上げました通りであります。ただ誤解のないように申上げておきますことは、その他の経済事情とありますのは、即国際価格ということでなくて、その他の経済事情の中に国際価格というものも含まれておる、こういう意味でございますから、その点は誤解のないようにお願いいたします。
#110
○宮本邦彦君 関連して……。平野政務次官に私は承わりたいのですが、価格の問題というのはむずかしいのですが、米価でも何でも……。米価は一定のパリテイ方式とか、一つの基準があるのですが、その価格の算定に対して何か方式的な試算というようなものをやつたことがおありでございますか。
#111
○政府委員(平野三郎君) これは法律には書いてございませんけれども、この価格のきめ方ということが恐らく本法案の最大の重点であると存じます。従つてこの価格のきめ方ということが非常に大きな問題で、政府部内におきまして本法案を作成いたしまするときにいろいろと研究したわけでございます。その結果まあ各種の案があつたわけでございまするが、そのうちで先ほど申上げましたような方式をとる。即ち国内需要量、これは百七十万トンと申上げますのが正確かも知れません、これに調整保留分を加えましたいわゆる内需を確保すべき分、これについて各社別の低い価格からそれだけのものをとつてその加里平均をとる、こういうことに政府としては実は思想を統一しておるわけでございます。
#112
○宮本邦彦君 今のその試算の参考資料というようなものはもらえますか、もらえませんか。
#113
○政府委員(小倉武一君) それは政令事項に一部入ると存じますので、若し只今まで御配付していなかつたならば、すぐ配付するようにいたします。
#114
○江田三郎君 先ほどの私の質問に対して、九百九十何円というものが八百何十円というところまで下げたのは、いろいろありましたが、主としてこの合理化によるものだ、こういうお答えだつた。その合理化というものは一体肥料会社として、そのためにどれだけの新らしい資金を必要としたのか、又その資金というものはどこから出たのかということは、今お答えできますか。
#115
○説明員(柿手操六君) 百数十円の低下が合理化だけという意味ではないのでございまして、御説明申上げましたように、電力その他の状況に従いまして操業度が上つたということが一つ。それからハイライト、石炭、コークス等の値下りというものと、それからもう一つ、設備の合理化、技術の改善によつて原材料のトン当り使用量が減つたというか、全部が合理化によつたというわけではありません。それからこの間どのくらいの金を設備費に使つたかということでありますが、これは大体年間三十億くらいと思つております。詳しいことは今日資料を持つておりませんが、その程度でありまして、大部分の社は、そのうちの一部を開発銀行からの融資を仰いでおります。二十七年度は十二、三億と思つておりますが、本年度もその程度の融資を目下推進いたしつつある状況でございます。それ以外の、開銀以外の資金の調達につきましては、興銀その他の取引銀行からのものが五割はあります。借入金であります。その他社債及び払込資本の増加というようなことで調達をいたしております。
#116
○江田三郎君 操業度がよくなつたということも、やはり合理化と見ていいのでございまして、あなたのほうから出された資料の中には総合的合理化としてやはり操業度の向上も一緒に入れておられるわけであります。私はそういう意味で合理化と言つているのですが、それに年間三十億ほど資金を新らしく投資をしたということです、その中で自己資金で賄つた部分は大体何%ということになるか。
#117
○説明員(柿手操六君) この一、二年間に設備資金に投下しました総額及びその資金調達の内訳につきましては、只今ここに資料を持つておりませんので記憶いたしておりませんから、取調べまして後刻報告いたしたいと思います。
#118
○江田三郎君 今の操業度の好転その他合理化によつて、二十七年の二月から二カ年間に百五十円も価格が下つたということは、将来も非常に大きく下り得るという可能性を示していると思うのです。そこで私は価格決定に当つては必ずしも現在の生産費に安住させないで、肥料メーカーに大きく合理化の刺戟のあるようなところへ今後の価格が置かれなければならん。そういう意味では結局いつか国際価格と裸で競争しなければならんときが来るし、又そうしてもらわなければ困るわけです、そうでなかつたら、こういう法案を期限を切つて来るというようなことは意味がないことになるのでして、その点から言つても国際価格というものに相当ウエートを置いて考えて行かなきやならんということは、農林次官の言われたこの論理からでなしに、別な論理から出て来ると思うのですが、その点はどうでしようか。
#119
○政府委員(平野三郎君) 全くお話の通りでございまして、政府としては日本の硫安工業を温室の中に置いておくということではいけないと思うのでございます。従つて雨風に十分叩かれて、そしてこれが自力更生をして行くことが必要であるというふうに思つておわけで、そのためには外安を輸入するという意見もあるくらいでありますが、併しながら今日の段階におきましては、あまり極端に荒療治をいたしますれば、結局硫安工業が壊滅してしまうということになつては、これは薬がきき過ぎていけないわけでございまするから、やはりこれを保護しつ育成をして行くということは必要であると考えておるわけでございます。併し保護をし過ぎて温室育ちになつてはいけませんので、やはり十分国際市場において競争に堪え得るような状態にこれを鞭撻しながら育成して行く。こういう趣旨から行くわけでありますが、そういう点からいたしましても、御意見の通り、できるだけ国際価格というものを参酌をして、そうして硫安工業がみずから奮励努力せざるを得ないように価格をきめて行くということが大切であると考えております。
#120
○江田三郎君 政府のほうから出された資料で行きますと、今後の合理化資金が二百二十七億、こういうようにな、つておりますが、この点については、これを自己資金でどのくらい賄い得る、だから持つて行かなければならんものがどの程度だという、その割合はどうお考えになつていますか。
#121
○説明員(柿手操六君) これにつきましても、その後先ほど御説明いたしましたように、通産省内部の硫安工業合理化審議会、これを基にして更に検討いたしておるのでありまして、これが最終の形になるかどうかは存じませんが、先ずこれと大きな差はないだろう、そうしてそのうちの百五、六十億程度のものが国家財政の融資対象の行為として目ぼしいものであるだろう、そういたしまして、その半額程度、七、八十億というものを一応財政投資にして、あとの金は結局自己資本及び借入になるのでありますが、その内訳をどういうふうにいたしますか、まだ全体についての資金調達方法についてまで細部の検討がなされておらないというような状況であります。
#122
○江田三郎君 肝心な点になると、まだ最終的でないとか、何とかといつて逃げてしまわれる、肝心な点について説明がなかつたら、本法案の審議のしようがないということになりますが、もつと的確な確信を持つたお答えはできないのですか。
#123
○説明員(柿手操六君) 総額二百三十億というのを出しておるのでありますが、これが最終的にどのくらいになりますか、まだもう少し検討を加えなければならん分もあります。併し大体のところではそういうような金額であろう。そのうち百六十億程度は財政投資の対象になるような主だつた行為でありまするから、あと八十億というものを出さなければならないのでありますが、それを払込資本と社債と、それから一般の市中借入と、こういうふうに三つになるのであります。それを各社別にどういうふうに最終の形がなりますか、これについてはまだ私どものほうとしても取りまとめておらないという事情でございます。
#124
○江田三郎君 最近財政投資につきましては、造船の例から見ましてもいろいろ問題があるわけで、恐らく硫安工業の場合には曾つてその方面の前歴もあるわけなんですから、なかなかそう簡単にいかんと思うのですが、今おつしやつた百六十億円の面接の財政投資なり、或いは国家的な金融機関からの融資というようなことについては、これは政府としては見込を以て育つておられるのですか、そういうことはこの法案が過つたら実際できることなんですか。
#125
○説明員(柿手操六君) 政府全体として最終的なお答えは困難でありますが、私といたしますれば、この程度のことは可能であろうというふうに考えております。
#126
○江田三郎君 一体今年財政投資、広い意味の国家資本の導入というようなものは幾らですか、二十九年度予算では幾らです。
#127
○説明員(柿手操六君) 二十九年度につきましては、過般全体の枠が六百五十億にきまりました。それから更にこのたびの予算の修正によりまして三十億程度減つたようでありますが、先ず六百二、三十億程度に落着くのじやないかと思います。
#128
○江田三郎君 硫安工業は幾らです。
#129
○説明員(柿手操六君) その内訓につきましては、電力、造船を除きまして大体百十五億ということでありまして、その中には鉄鋼、石炭、硫安、合成繊維、機械等があるのですが、それの配分をどうするかということにつきましては、まだいろいろ議論がございまして、確定をいたしておりません。併し私どもとしては、少くとも今年度も二十億か二十五億は硫安方面にもらいたいということを内部で協議いたしております。
#130
○江田三郎君 これは法案が通ろうと通るまいと、この硫安工業の合理化をやつて国際価格へ近寄らして行かなければならないということは、きまりきつたことなんでありまして、法案が通つたからそういう投資ができる、通らないから投資ができないという問題じやないと思うのです。今年の見込みで行くというと、そういうような国の関係から出て行く投資というものは、今二百二十数億というような所要資金の合理化計画を崩さない程度のものが出ると、こういうことですか。
#131
○説明員(柿手操六君) 少なくとも私といたしましては……。
#132
○江田三郎君 いや、あなたとしてじやなしに、これは政府の立場で答えてもらわんと困るのですが。
#133
○説明員(柿手操六君) これはまあ私がお答えするとすれば、今計画しております……。
#134
○江田三郎君 だから、あなたとしてはというそれをのけてもらつて答えて下さい。
#135
○説明員(柿手操六君) 私、肥料部長といたしましては、是非ともその線で五カ年間に合理化したいという目標の計画の一端として、是非それを推進したいということでやつているのでありまして、これは私目下のところでは、それは大丈夫実行できるというふうに確信をいたしております。
#136
○政府委員(平野三郎君) お話の合理化資金の問題は、この本法案ではなく別途御審議願つておりまする合理化に関する法案のことと存じまするが、これは勿論法律で明らかでございまするように、別に硫安工業に金額を明示して、国が財政投資をせねばならんということではないのであつて、まあそういうことができるということになつていると存ずるのであります。従つて本法安が成立いたしますならば、政府が日本経済全体の総合的の立場から処置をとると、こういうことになるわけで、この本法案成立の如何にかかわらず、お話の通りやるべきことでございますが、この合理化に関する法案が成立するということになりまするならば、そういう点に比重が強くなるということであると存じます。
#137
○江田三郎君 これはちよつと政務次官から答えてもらつただけではいかんのでして、まあ勿論この需給安定法の問題じやありませんけれども、まあ裏腹の問題なんですから、その点今の政務次官の言われたようなことでなしに、あの第四条でみると、「合理化を促進するため必要な資金について、融通のあつ旋その他適切な措置を講ずる」と、こういうことははつきり出ているわけですから、その点やはり委員長のほうで、通産省なり、大蔵省なり一遍呼んで頂いて、もう少しはつきりして預かんと、ただ通産省の部長さんが、私としてはという程度のことでは、ちよつと審議がしにくいと思うのです。その点一つ委員長のほうでもお取計らいを願います。
#138
○委員長(片柳眞吉君) これはあの輸出調整法案の審議の際に、そういうことにして行きたいと思つておりますが、それでよろしうございますか。
#139
○江田三郎君 それじやそのときに、この過去の昭和二十七年の二月以降の広い意味の合理化のための所用資金、その資金調達の方法、これの実績、それから今度の二百二十七億というものの資金計画というものを、もう一遍資料として出して頂きたいと思います。又それを頂いてから質問いたします。
#140
○上林忠次君 価格の問題でありますが、先ほど価格を決定するときは、需要量と、又国内の保有量ということを見込んで、それによつて従つたということ、それで加重平均を出すということでありますが、メーカーの下の値段からとつて行くということになるわけでありましたが、これには輸出のほうは入つていませんか。これは輸出が入りますと大分違つて来る、量が多くなると、相当能率の悪い工場の数量が入つて来るので、これが加里平均されるということになりますので、その点はつきりきめておいてもらいたい。
#141
○政府委員(平野三郎君) バルクライン方式をとるわけでありますから、当然輸出の分は入らないわけであります。
#142
○上林忠次君 先ほどから大分硫安以外の肥料の統制の問題が出ておりますが、私も同感でありまして、農林省が今印砂糖で失敗したように、又燐酸、加里で失敗しているように、こういうような過燐酸肥料或いは加里肥料というようなものは、全部輸入に仰ぐというような、こういうような品物につきましては、特に来年のように外貨の不足するというときにおきましては、どうしても昔の統制に返す、或る程度統制式な配給ということを考える、従つて値段もコントロールして行くということにしなくちやいかんのじやないか。塩が同じような例でありますが、塩がやはり大部分国内需要の自己生産ができずに輸入に仰いでいる。これは幸い専売になつておりますから、価格が安定しているということになりますが、来年の過燐酸或いは加里の状況を想像しますと、今すぐ手を打つてもらわなくちやいかんじやないか。再び砂糖の混乱状態を繰返してもらわないように、今から考えてもらわなければならん。それにはこの肥料需給調整のほうに加里、燐酸を入れる。入れないならばこれに並行して加里、燐酸の統制方式を考えてもらうということを強調したいのでありますが、政府はどういう工合に考えておりますか。
#143
○政府委員(平野三郎君) 先ほども河野委員からのお尋ねにお答え申上げました通り、本法案は硫安に関する臨時措置法でございまして、この法案の修正によつて他の肥料を入れるということは適当でないと考えているわけでございます。ただ他の肥料につきましても問題が生じ、必要がございまするならば、必要な措置をとりたいと考えるわけでございます。
#144
○森田豊壽君 柿手肥料部長に二、三お伺いしたいと思います。臨時硫安需給安定法のほかに、硫安工業の合理化及び硫安輸出調整臨時措置、この法案は前から一通り読んであるのでありますが、硫安工業の合理化、これは先ほど来質問のありましたように、硫安のコストを下げまして、価格を引下げる上におきまして、硫安工業の合理化はこれはもう全幅の賛意を表しなければならん、それがやはり農工商一体の態勢をとる上において非常に必要なことだと考えているわけであります。及び硫安輸出調整臨時措置法案と、こうやつてありますこの下のほうの「及び」のほうですが、このほうが最近におきまして、この輸出法案をめぐりまして、大分メーカーのカルテル的な強化、カルテル強化と申しましようか、そういう問題が非常に活発になつて来たように考えられる。業者が一体的になつて来ることも結構なことでありまするけれども、価格を決定するに当りまして、このカルテルによりまする強化の影響が、臨時硫安需給安定法に及ぼす影響、即ち審議会その他あなた方の材料を出す上におきまして、生産費を計上する上におきまして、その問題に非常に影響すると、こう考えられる点もあるのであります。カルテルは価格を下げざるカルテルということの意味で、非常に強化されるという関係もあると思うのです。業者の一体化することに対して、どうこう申上げることはないのでありますけれども、そういう影響があるのではなかろうかということを非常に心配するわけです、総合的に見ましてね。その点を、まあ柿手化学肥料部長は元から農林省におられた肥料の担当者であり、その事情は万般御存じのことと考えるのでありまするが、通産省へ参りまするというと、とかくそういう点においてやはりそつちのほうの畑へ入るというと、向うへ参りまするというと、そつちのほうへ重きを置くようなことになりまして、批判を誤まることがあつてはいかんと思うのでありまして、老婆心から御注意申上げているわけなんですが、この点十分一つその考え方を重く打つて頂かないというと、人の審議しているところの法案に対して余りくちばしも入れたくないのでありまするが、その考え方を重く持つて頂かないというと、この点は理窟ではいろいろの答弁があるではありましようが、実際においてそういう点が非常に必配されなければならん。要するに硫安工業の合理化は申すまでもなく必要である。併しながら輸出の調整は成るほど臨時という言葉を付けるのでありまするけれども、非常に将来性に対しまして、考え方としましてはいろいろな面に引つかかつて来ると思うのであります。この点に対しまするまあ率直な、今業者はどういうふうに考えているか、又その状態を若しここで話ができましたならば、あなたに最後にお聞きしておきたい。
#145
○説明員(柿手操六君) 非常に御親切な御忠告でありまして、心から有難くお礼を申上げます。それは私も人間でありますから、農林省から通産省へ移りまして生産行政を主としてやるようになりますと、ややともすると消費者のことを忘れる虞れもないではないのでありますから、常にその点を戒心をいたして公正を期しているつもりでありますが、御忠告によりまして、この上とも更に遺憾なきを期したいと存じております。成るほど硫安の輸出会社法は合理化を促進しますのに幾分の時間がかかりますので、その間輸出を放棄しますことは将来に問題を残しますので、合理化をいたしまして、国際競争に太刀打ができるまで臨時的にこういう会社を作りまして、そうしてできるだけ困難な輸出を有利にやつて行く、それから小売価格より安く売らなければならん場合においても、その経理を国内販売と遮断をいたしまして、消費者に対するいろいろな疑惑を解きたいということでございまして、そういうふうにいたしまして、この会社の監督は十分厳重にこの法律によつていたしますと共に、一面ただカルテルを作り放しにしておきますと、国内の消費者に対するいろいろな悪影響もあるのでございます。従いまして先ほど来御論議のありましたいうな、厳重なる国内価格というものをきめまして、同時に数字につきましても、いやしくも国内の消費に事欠かないような万全の策を講ずるということの建前を以ちまして、いわばこの二つの法律は裏表、姉妹篇であります。業界といたしましても、硫安というものの公共性を十分認識いたしまして、この制度によつて硫安工業も無論育成すると同時に、国内の農民に対してもできるだけ安く肥料を供給する、そうして外貨獲得によつて国際経済にも貢献したいというふうに考えておるのであります。合理化の計画も非常に熱意を以て提出されておりまして、先ほど来御指摘ありましたように、国家の財政資金がなかなか予算の縮減によつて窮屈なんでありますけれども、各社の合理化資金の斡旋の希望はとても多くて、それの取捨選択に実は迷つておるというほどの熱意を以て合理化計画はされておる次第でありまして、業界におきましても十分硫安工業の社会性と申しますか、公共性を認識してもらいたいと思います。この制度ができますれば、非常に日本の経済全般にいいだろうというふうに考えております。
#146
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#147
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。
 本日はこれで散会いたします。
   午後四時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト