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1953/04/26 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第28号
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1953/04/26 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第28号

#1
第019回国会 農林委員会 第28号
昭和二十九年四月二十六日(月曜日)
   午後四時四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     片柳 眞吉君
   理事      清澤 俊英君
   委員
           佐藤清一郎君
           関根 久藏君
           横川 信夫君
           上林 忠次君
           北 勝太郎君
           河野 謙三君
           河合 義一君
           江田 三郎君
  政府委員
   農林省蚕糸局長 寺内 祥一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農林政策に関する調査の件
 (購繭資金に関する件)
○参考人の出頭に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(片柳眞吉君) それでは農林委員会を開会いたします。
 最初に、農林政策に関する調査として本年度の聴繭資金の件を議題にいたします。本年春繭の出荷を目前に控えて、購繭資金の確保を図ることは当面の重要問題と考えられますので、本日は先ず農林当局から春繭の購繭資金について、従来の経過、今後の見通し或いは具体的にとるべき措置等について説明を願いたいと存じます。その上で今後の審議のやり方を御相談願いたいと思います。
#3
○政府委員(寺内祥一君) 購繭資金の問題につきましては、先日の本委員会におきましてお話いたしましたところは、農林省といたしましては、前年通りやつてもらいたいということを日銀の政策委員及び事務当局に申入をいたしたのであります。その政策委員会におきまして正式の議題ではなかつたそうでありまするが、この購繭資金の問題がフリー・トーキングの形で議論せられたのでありまして、その結果は新聞にも出ておりました通り、購繭資金貸出のうちスタンプ手形を適用する問題につきまして、昨年度は八五%をスタンプ手形に認めたのであるけれども、今年は六〇%にしてはどうかという問題と、スタンプ手形の期間につきまして、従来七カ月でありましたものを五カ月にしてはどうかという、こういう二つの問題がフリー・トーキングで議題になつたそうであります。まだ結論は得なかつたのだそうでありますが、そういう新聞記事を見て、私といたしましても早速政策委員について真偽を確めましたところ、そういう議論が確かに出た、但し結論には至つていないということでありました。そこで私はなぜそういう話が出たかということを一応聞いてみたのでありますが、先ず第一に八五%を六一%にするという問題でありまするが、それはいういう経過てあつたそうであります。日銀総裁も新聞でたびたび声明せられました通り、大体スタンプ手形というものは輸出振興のために認めている制度であるから、輸出向の生糸に対してだけ限るのが正当ではないか、こういう御議論でありましたが、一々輸出生糸に限つてスタンプ手形を認めるという議論がありまして、それを検討せいということを事務当局にも話されたそうでありますが、これは我々が考えましても、今年の繭からどの程度に生糸が輸出されるかということは先のことでありますから見当が付きませんし、それならば昨年の輸出実績で輸出したものについてだけスタンプ手形を認めるということにいたしましても、昨年は輸出の特に不振の年でありますので、その実績通りに限られてしまいますと、これから輸出しようとするものにも支障がございまするし、先ず第一購繭資金というものは輸出のための資金であると同時に、やはりこれは農産物の買入資金でございまして、季節的な資金でございますから、これを極端にそういう輸出にだけというふうに限られますると、そのしわ寄せば農家に来るのでありまして、我々といたしましても、輸出振興のための制度であるという本来の制度自体の精神は十分尊重するけれども、やはり購繭資金は又別の意味において農村金融という重大な使命を持つておるからして、輸出実績にだけ限るということは困るということをいろいろ申上げたわけであります。その結果それでは輸出実績を持つている者だけスタンプ手形を出すとか、或いはその実績に応じて出すということはやめにしても、とにかく輸出振興という意味をどこかで出したいというので、実はこのフリー・トーキングのありました政策委員会におきまして、昨年の生糸全体の輸出量が生糸の生産量に対して僅かに四〇%しか出ておらないのであります。これは御承知の通り、昨年度生糸の生産額が二十五万俵ぐらいでありまして、そのうち生糸を輸出いたしたものが六万三千俵でありまするが、絹織物として出たものが約三万俵ちよつと欠けるくらいの数字でございますので、生糸及び絹織物として輸出したものは、合計いたしまよすと、丁度生糸生産額の約四〇%程度になるわけでございます。そこで購繭資金のうち四〇%をスタンプ手形に認めようという議論があつたようであります。併しこれは昨年の非常に輸出の不振なときのパーセンテージである、今年は相当安定性は伸びるのであるといういろいろの議論の結果、六〇%という線が出たということである。それから又昨年の購繭資金の出方を見ますと、これを大体の数を申上げますと、購繭資金全体として四百四十億ばかり出ております。そのうちスタンプ手形になりましたものが二百五十億でございます。パーセントにいたしますと五五%であります。一昨年のこのスタンプ手形の成績を見ましても、約六〇%でございますので、六〇%にすれば実際問題として、昨年、一昨年よりも不利にならないのではないかというようなことで、大体六〇%という線が出たということでございます。
 それからスタンプ手形の期限を五カ月に限るということは、これは昨年は、制度的には七カ月を認めておつたのでありますけれども、日銀の調査によりますると、スタンプ手形を実際適用をしたものを平均して見ると、四カ月にしかなつておらない。従つてこれを五カ月に短縮するのだ、こういう議論だそうであります。これに対しまして、我々のほうといたしましては、輸出実績によつてスタンプ手形を認めるということをやめて、その代りパーセントで行くという線を向うで呑んでもらいましたので、先ほどから申上げました通り、大体六〇%にいたしますると、昨年、一昨年の実績を大体認めておるのでございますから、この点につきましては、なお一応再考を煩しておりまするが、まあ大体最後の線としては止むを得ないと思つておりますけれども、期間の点につきましては、これは成るほど日銀で調べましたのは四カ月というふうになつておりますので、これは繭の在庫の期間だけの問題でありまして、繭から糸になつてすぐ売れるということは殆んどないのでありまして、糸になりましてからの在庫期間というものはまだ一カ月なりニカ月ございますから、これらを勘案いたしまして、五カ月では無理だから六カ月程度にしてもらいたい。それから日銀で申しましたのは、スタンプ手形の期限を短縮すると同時に、糸になりました部分につきましては輸出前貸手形を活用したい。これが大体三カ月あるそうでありますから、これを五カ月と三カ月で八カ月になるのじやないかという議論でございますから、これは輸出前貸手形を利用することは、製糸業者で面接輸出をやつておる部面はこれでいいかも知れませんが、これは大部分の中小製糸につきましては輸出は輸出商のほうでやるのでありまして、前貸手形は輸出商なら貸されますけれども、輸出を全然直営しておらない製糸業者には適用がありませんから、五カ月では困る。どうしても最短六カ月にしてくれというような交渉を只今いたしておるわけであります。
 それからなおこれに関連いたしまして、そういう六〇%にスタンプ手形が短縮されますると、先ほどから申しましたように実績は確保できると思いますけれども、なおこれによつて購繭資金の不足を来たすようなことがあつては困りますので、農林省の直接監督下にありまする中金系統の資金をできるだけ消費組合、乾繭組合その他のものについて適用するように、只今実はこれは極秘のうちに研究いたしております。これはなぜかというと、そつちのほうができるということになりますと、銀行が貸出を渋る慮れがありますので、これは最後の線として実は研究はいたしております。そういうような措置をとりまして、購繭資金に支障のないような措置をとつて行きたい、こう考えておる次第であります。
#4
○関根久藏君 そうしますと、只今のお話で大体昨年の二百五十億ですか、その実績はスタンプ手形として確保できる、その見通しは付いたわけですか。
#5
○政府委員(寺内祥一君) 今年は御承知の通り、金融引締めの政策をやり、デフレ政策をやるような気構えでございますので、購繭資金自体につきましても、昨年ほど潤沢に出るかどうかということは只今のところちよつと申上げられないのでありますが、大体昨年、一昨年、どちらかというと、割合に地方銀行に余裕がありましたので、購繭資金が割合に潤沢に出ております。今年も地方銀行にとりますと、殊に養蚕県等におきましては、購繭資金は最も重要な資金でありまするから、これは地方銀行におきましても、そう無茶な引締めはやらないと思いますけれども、又一方におきましては、御承知の通り、糸の価段がああいうような上つたり下つたりいたしまして、製糸の採算が不利になつておりますから、具体的にどこの銀行がどの製糸へどう貸すというようなことについては多少窮屈になるかも知れませんけれども、まあスタンプ手形それ自体につきましては昨年と同じような、何と申しますか、効き目を現わすような措置に持つて行きたいと、こう考えております。
#6
○関根久藏君 地方銀行が昨年よりか何分か窮屈だというお話ですが、今年は非常に地方銀行のほうが製糸業を警戒し、又資金関係で窮屈な状態を今から大変現わしておる、このほうがむしろ大変だろうと思う。それとこの農林中金関係の資金も、御承知のように営農資金関係等は皆系統内の金から出ておるのであります。ここらも必然的にそういう面からも窮屈にならざるを得ない、両々相待つて中金なり、或いは市中銀行なりの分は、昨年から比べて昨年以上に窮屈にならざるを得ないような状態にあるのでありますが、今のお話を聞くというと、そのほうはなかなか機微な点があるというお話なんですが、農林省としての中金や或いは市中銀行等に交渉した或いは経過か、若しくは想像でき得られる状態をもう一度一つ御説明願いたいと思います。
#7
○政府委員(寺内祥一君) 中金の分につきましては、只今経済局の金融課とも連絡をとりまして研究中でございまして、これは大体目鼻が付くと思いますが、一般市中銀行、特に地方銀行の問題につきましては、これは各県のほうがありますので、これを一々交渉はいたしませんが、これはまとめて日本銀行のほうと交渉いたしておりまして、スタンプ手形につきましては、先ほど申しましたような、多少の昨年度とは違つた政策になりまするけれども、購繭資金そのものを引締めるというつもりはないと、こう申しておるわけであります。
#8
○関根久藏君 とにかく農林当局は、本年は一つ腹を据えて強力にその点を押しまくるように御処置を願いたい。いずれにいたしましても、日銀の関係があり、中金に関係がある問題てすから、これは委員長にお願いしたいと思うのでありますが、両当局の御出席を頂いてお話を願いたいと思います。
#9
○委員長(片柳眞吉君) これは農林中金と日銀ですか。
#10
○関根久藏君 日銀です。
#11
○委員長(片柳眞吉君) 今関根委員から御要求がありました購繭資金の件につきまして、日本銀行及び農林中央金庫当局から参考意見を聞きたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認め、さよ決定いたします。
 次に、その日時及び人選等は委員に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。
#14
○河野謙三君 私蚕糸局長にこの際伺いたいと思うのですが、この購繭資金が若し不定いたしますと、結局これは繭の価格に非常な影響があると思います。そこで我々この購繭資金を考える場合には、製糸業者を対象にして考えるのじやなくて、これはあなたは十分その点は御理解があると思うが、養蚕農家に及ぼす影響という点から考えますと、必ずしもこの購繭資金というものは従来のように製糸業者等に資金を廻すのではなくて、一応農業団体に資金の斡旋をして、農業団体と農家の間の決済はスムースに行くようにして、そうして農業団体と製糸業者の関係において、或る場合には相手方が非常に健全であるならば、農業団体がこれを製糸業者に貸付ける、こういうような資金の流し方を必ずしもそれ一本でなくともいいんですが、従来のような形でなくて、資金の流し方を逆に農家のほうに資金を流しておいて、そうして製糸業者との間を第二段として考えるということも考えられないのですか、どうも私は購繭資金につきましては、必ずしも私は従来の日銀が言うことが私は妥当を欠いてないと思う。必要以上に製糸業者の保護ということに幾らか行き過ぎが、保護という点に行き過ぎているんじやないか、こういうようにも考えますので、どこまでもこの購繭資金の狙う目標は養蚕農家である、それによつて購繭資金の枯渇によつて繭の値段が下らないようにしてやる、こういう点から点えますと、少し方法が別にあるんじやないかと思うのですが、そういう点について御研究になつたことがございますか。
#15
○政府委員(寺内祥一君) 只今の河野先生のお話誠に御尤もと思いますので、只今申上げたように、協同組合系統の資金を活用することを考えておるのでございます。ただここで申上げますことが、若しもそのほうが余り出ますと、市中銀行がそれではそつちの資金を借りればいいじやないかというので、自分のはうのこういう金繰りの窮屈な時代には逃げてしまりという虞れがありますのと、それからもう一つは、そういう市中銀行が今まで出しておりましたのは、製糸業者に出しますると、製糸業者の買つた繭か担保になる、まあ繭が生糸になつた場合そこまで担保力があるわけでありますが、市中銀行が協同組合に貸すということになりますと、これはもう担保その他の関係でうまく行きませんので、やはり協同組合系統の資金だけに頼らざるを得ないというような点がございますので、これは御承知の通り農家の方面のための資金でございますけれども、できるだけ余計これを活用したほうがいいので、製糸業者へ貸すという恰好にはなつておりまするが、これが農村金融であるという点に重点をおきまして、我々もこの資金の確保に努力いたしておるわけでございます。
#16
○河野謙三君 私はこの二本建にする、而も二本建の農業団体のほうに資金を流すことに重点をおくと、そうして農業団体がまあ中金から金を借りる、そうして農家のほうの決済を済ませる、この農業団体が製糸業者に売る場合に担保物件はあるんだから、担保物件を取つて製糸業者に逆に金融してやる、農業団体からと言いますか、中金からと言いますか、私は中金に日銀が資金の裏付をして、そのほうに重点を置いて、農業団体と農家の間の決済については事欠かないようしてやる、そうしてもう一〇〇%農業団体が糸を、繭を受入れするのに十分に金を先ず準備をする。そうしてその上において製糸業者との間の問題を考える、そうしてくどいようでありますけれども、製糸業者に資金がない場合には、製糸業者にその糸を担保にして中金のほうから金を貸してやる、団体のほうから金を貸してやるということにして行つたらいいのじやないか。従来の市中銀行から製糸業者、農家という形でなくて、逆なコースを私はもつと重点を置いて考えたらいいのじやないか、そういたしませんと、どうも従来の購繭資金というものは製糸業者のための資金であつて、養蚕農家のための国家がいろいろ斡旋をするところの資金ということに私は理由が非常に薄弱なんです。そういう点を申上げておきます。
#17
○清澤俊英君 今のこの資金の問題ですが、過去にあつたのですが、銀行が価格を何か制圧するのですか、大体余り繭を高く買過ぎるから金を貸せられないというようなことで、大体まあ一時仮払いをする恰好で、二割乃至甚だしいときは三割ぐらいを協定価格から減らして貸付けておるのですな、それに対して決済をする際に、これは誰が出すべきものか、私は買つた製糸会社が出すべきものだと思います。契約した当事者が利子を支払うべきものだと思いますが、利子を支払つたということは、一遍も聞いていないのです。只今の局長のお話によれば、一年の買上が四百五十億、その三割だとするとどれくらいになりますか、約百億近いものになると思いますが、非常に高額なそこに利子が、誰が儲けるのか知らないが、数カ月その利子をごまかされて農民は知らんでおる。そうするから非常に大きな数字になる。一人の農民から見ればそれは僅かな利子にしかならないでしようが、こういうことが現に行われておる。こういうことがもつと今の資金繰りについて河野さんの言われるような方法に相当考慮が払われなかつたならば、しわ寄せが全部農民の上に、繭価の上に押して来るのじやないか。それが而も押して来方が銀行屋さん等の者が中心で、実際の養蚕家の現在の心理状態というものを全然無視して、若しそういうものが再び起きたとしましたならば、非常に値下りやそういう無理が出て来たとしましたならば、これは折角芽生えておる養蚕業を、農民の養蚕をやろうという気持を冷却させてしまつて、元通りにしてしまいはしないかと思う、従来のものには……。こういう点については局長はどういうふうに考えておられるか。
#18
○政府委員(寺内祥一君) 只今のお話の通り、昨年も一昨年も銀行自体が金を貸すときに、糸の値段をとやかく言うと、いろいろまあ非難がございましたので、私のほうといたしましても、日銀と交渉いたしまして、そういうことのないように申入をいたしたのでありますが、併し繭糸価格安定というものがありまして、禁止価格なり最高価格がきまつておりますので、日銀のほうといたしましても、その範囲内で資金の計画と申しますか、そういうものを立てておりますので、それがつい地方の末端に行つて誤解を受けたものでなかろうかと、こういう考えをいたしておりましたが、今後とも注意いたしたいと思いますし、それから先ほどの利子の問題につきましては、ちよつと私了解いたしかねるのでありますが、あとの、最後の河野先生のおつしやいましたことについては勿論研究いたしておりますが、これにつきましては、組合の資金を使いますにつきましては、員外貸付というような非難の起らないような研究を、只今経済局とも相談して研究いたしておりますが、御趣旨のようにできれば運びたいと考えるのであります。そういう法律関係がございますので微妙だと申しましたのはそういう点であります。
#19
○清澤俊英君 それは最近繭価協定の問題が活撥に、養蚕振興法ですか、何か出されるようなことで問題が出て参りましたのです。養蚕農民自身が乾繭販売をやりたい、そうでなければ我々の対抗ができないじやないかというようなことを逐次みずから知るようになつて来たのです。それだけ下手な手を打てば反撥が激しい、こういうことは非常に重要性を持たんか、こういう建前ですから一つ十分の注意をして頂いて、不当な値下りのないように一つお願いしたい。それからその次にまあ統制の最高価格を割つて二十七万円から八万以近くまで参りました生糸の値段が、僅かの間に急転直下、最近では二十一万円ぐらいのところまで来たというように新聞で見ておりますが、この最大の理由はどこにあるか、大体輸出等の手持品のリンク等によつて、大体予定通りのものが出ておるというような話も聞いておりますが、結局値下りは春繭の出廻りを前にしての思惑的値下りではないかと、こういうような点が考えられますので、一つ御説明をお願いしたいと思う。
#20
○政府委員(寺内祥一君) 只今お話のありました、糸価が一時は二十六万も七万もしたのに、最近になつて大分下つたというお話でありましたが、それは誠にその通りでございまして、この二、三日は大分回復して参りましたが、一番下りましたときには、先物が二十三万を割りまして二十二万台になりましたし、現物相場も二十四万を割りまして二十三万台になつて参りましたが、この第一番の原因につきましては、元来昨年の十一月、十二月にかけまして二十六万、七万という相場が出ましたことは、これは例の生糸の課税問題が出まして、これに対する仮需要でそういう相場が出たということが一つと、従いまして、原糸課税がなくなりましたので、そういう思惑で買をやつたものの投げである、その反動であるという点が一つと、それからもう一つは、やはり先ほども申上げました金融引締が機業者のほうへ相当影響いたして参りまして、先月から今月初めにかけましては内需が殆んど出ておりません。それともう一つは、リンク制が一時ああいうふうにストツプをいたしましたこと、それからアメリカに多少リンク制に対する誤解がありまして、輸出が伸びなかつたのでありますが、その後説明をいたしまして、向うも了解をいたしまして、リンク制が軌道に乗つて参りました。そうなりましたので、この二、三日又現物は二十四万、一昨日あたりはたしか二十四万五千円くらいだつたと思いますが、本日も二十四万台を維持しておると思いますが、先物も二十三万台に大分回覆いたして参りました。従いまして、この値下りは製糸業者の思惑と申しますか、春繭を叩くために無理に下げておるというようなことはないものと思つております。
#21
○関根久藏君 先ほど河野先生からのお話のあつた購繭資金を中金を経由して出すべしと、私もこれは大賛成なんです。ところが従前から日銀のほうが、購繭資金のほうはもう絶対に中金のほうへは出さん。製糸にしても或いは乾繭組合にしても、まあやつと中金にお願いして、中金のいわゆる自己資金の中から細々と借ておる。その点が非常にどういうわけか、金融政策の上で日銀のほうは絶対に中金系統には購繭資金は出してやらないと、そういうことになりますから、結局市中銀行のほうにも又いろいろな問題を起して、非常に養蚕家が不利にならざるを得ないような状態になつておるのですが、私のほうの県などは実はこういうことをやつておるのであります。信連から養蚕組合の連合会に資金を出しておる。養蚕組合の連合会では、これは販売仮渡金として、製糸から繭を担保にして、丁度市中銀行が金を出すような工合にやつておるのです。もう数年それを続けておるのですが、成績は極めていいのですが、さてそれでは信連からそういう資金が要るからといつて中金に話すと、中金はさような資金は絶対に出さん。ところが市中銀行のほうがそういう制度に反対をするのは、協同組合のほうから繭代金が出て来て、それが直接農家のほうに渡る、結局その金はツーツーで今度は協同組合の系統のほうに全部入つて行く、銀行はそれが極めて嫌なのだ、恐ろしいのだ、だからそういうことになるから購繭資金を出せん、購繭資金を出してやつても、製糸に出してやる、それが養蚕のほうに行く、養蚕のほうに行つたのは信連から中金のほうに返つて来ると、こういう屁理窟を唱えておるのです。まあ何とかして日銀から或る種の部分が中央金庫の系統のほうを通過して行けるようになれば、これは極めて農業団体としてもいいし、又農家の利益も非常なものであろうと思うのです。それらの点についても、一つ蚕糸局長は大きな力をまとめて、何とかさような新らしい途のできるように極力御心配を願いたいと思いす。それから、先ほどもいろいろお話が出たのでありますが、又々今年各地に霜害が発生しておるのでありますが、これらに対しまする農林省としての対策はどんなふうにお考えになつていますか、お伺いしたい。
#22
○政府委員(寺内祥一君) 只今の購繭貸金の組合系統金融の活用につきましては、先ほどからたびたび申上げましたように、十分研究いたしておりまして、只今のような過表の実例その他も目下調査いたしておりますから、できる限りその方法でやりたいと思いますけれども、これは先ほどもたびたび申します通り、これだけでやるということを言いますと、折角今まで出ております片方の資金をとめられると、これは全部今の組合金融の系統の資金では賄い切れないというような、ちよつと微妙な点もございますので、お説の線に沿つて研究いたしておりますということを申上げておきたいと思います。
 それから次に、今年の霜害の問題でございまするが、これは四月の二十一日に相当大きな霜害が、主として関東地方、それから九州地方にございまして私のほうには各県からそれぞれ電話連絡がありまして、話を聞いておるのでありますが、まだ詳細はわかつておりませんが、まあ群馬県の方々が今日午前中陳情においでになりましたが、やはり赤城山麓を中心にいたしまして約被害が八千町歩ばかり、収穫皆無換算面積にいたしまして三千町歩ばかりの被害があつたという報告でございましたし、これはむしろ南九州のほうの宮崎、鹿児島に被害があつたということを聞いておりますので、ああいう暖いところにあつたということでは、殆んど全国的ではないかと思いまして、今調査いたしております。ただ私の心配いたしますのは、今年は割合に暖冬でありましたので、桑の伸びが早いので、そこへ霜害が参りましたので、相当被害を受けたのではないかと心配いたしておりますが、まだ詳細は来ておりませんが、極力早く調査いたしまして、その被害の状況如何によりまして、それぞれ昨年、一昨年の例にならつて対策を立てて行きたいと思つて、只今、調査中であります。
#23
○河野謙三君 従来の購繭資金で組合金融によるものと、それから市中銀行を通じてやるものとどういう比率になつておりますか、大体わかりませんか。
#24
○政府委員(寺内祥一君) これはたしか資料ができておると思いまするから提出いたします。私ちよつと今うろ覚えで、不正確な数字を申上げると何でございますから、資料がありますから、早速お届けいたします。
#25
○河野謙三君 今経済局のほうで検討中というお話だが、私は員外貸付という事例が府県にあるのだが、あるどころか、引つかかつて中金がばたばたしておるような、相当乱暴な員外貸付をやつておる。例えば麦の貸付資金等は中金が非常に積極的にやつておりますね。これは政府の方針でもある。組合が麦を買つて、それを必ずしも系統機関に出さないで、単位農協がこれを商人に売つておりますね。こういう例がたくさんあるわけです。でありまするから、これは麦の資金等を考えましても、これは全然同じ性質のものがないわけではないのです。むしろ非常にそういうような扱い方をしておるほうが多いのです。でありますから、これはどこも私は員外貸付等についていろいろ違法の点が云々というようなお話がありましたが、私はどういう点か、そういうことを言つておるのはちよつと了解に苦しむのでして、いずれにいたしましても、これはあとで資料を頂けばわかりますが、今までのように組合金融が極く一部であつて、賄繭資金の大部分が金融機関を通してやるのだ、市中銀行を通してやるのだ、これは何と申されても農家に対する購繭資金じやなくて、とこまでも製糸業者に対する資金の供給であるというふうに私は言わざるを得ない。そこに製糸業者がこの金融をめぐつての非常な成る場合には不当な利益、この購繭資金を悪用しておるという事例があるのじやないか。そこを又従来の実績に徴して日銀等から突かれているのじやないか、こう思うのであります。この批判は私は或る程度受けなければいかん、その批判に答える途は、重点を組合金融によつて賄う、そうして足らざるものを市中銀行によつて一部補うということに置き替えなければ筋が通らんと思うので、御検討は急いで頂いて、私は場合によつてはそれは違法の個所もあつて、これが止むを得ないというものなら、違法な点を国会において修正等は積極的にやつて当然のことだと思う。そういう意味合で至急結論を得られまして本委員会に御報告を頂きたい、こう思います。
#26
○委員長(片柳眞吉君) 他に御質問はございませんか……。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めてください。本日はこれにて散会いたします。
ソース: 国立国会図書館
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