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1953/05/07 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第31号
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1953/05/07 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第31号

#1
第019回国会 農林委員会 第31号
昭和二十九年五月七日(金曜日)
   午後一時三十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
五月四日委員松本昇君辞任につき、そ
の補欠として、横川信夫君を議長にお
いて指名した。
五月六日委員吉田萬次君及び小野義夫
君辞任につき、その補欠として、松本
昇君及び宮本邦彦君を議長において指
名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     片柳 眞吉君
   理事
           森田 豊壽君
   委員
           川口爲之助君
           佐藤清一郎君
           重政 庸徳君
           関根 久藏君
           上林 忠次君
           北 勝太郎君
           河野 謙三君
           河合 義一君
           松永 義雄君
           鈴木  一君
           鈴木 強平君
  衆議院議員
           金子與重郎君
           小枝 一雄君
           足鹿  覺君
  政府委員
   農林政務次官  平野 三郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   通商産業省企業
  局産業資金課長  川出 千速君
  参考人
   日本開発銀行審
   査部長     竹俣 高敏君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○理事の補欠選任の件
○農業協同組合法の一部を改正する法
 律案(衆議院送付)
○農業委員会法の一部を改正する法律
 案(衆議院送付)
○農林水産施設災害復旧事業費国庫補
 助の暫定措置に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣送付)
○農林省関係法令の整理に関する法律
 案(内閣送付)
○農民組合法案(衆議院送付)
○臨時硫安需給安定法案(内閣提出、
 衆議院送付)(第十八回国会継続)
○建設委員会に申入れの件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(片柳眞吉君) 只今から農林委員会を開会いたします。
 最初に理事の補欠選挙を行います。理事宮本君が先月二十八日に辞任せられ、理事が一名欠員になつておりますので、その補欠互選を行います。互選は成規の手続を省略し、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認め、委員長より指名いたします。宮本邦彦君にお願いいたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農業協同組合法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
 本法律案は、去る四月二十八日、衆議院議員金子与重郎君ほか十六名によつて衆議院に提出され、五日八日衆議院から予備審査のため当院へ送付、即日予備付託となつたものであります。先ず提案理由の説明を聞きたいと存じます。衆議院議員金子与重郎君。
#5
○衆議院議員(金子與重郎君) 農業協同組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。
 農業協同組合法が制定されましてから今日まで六年有余を経過いたしましたが、この間、農業協同組合は諸種の悪条件と闘いながら、農業生産力の増進と農民の経済的社会的地位の向上を図り、併せて国民経済の発展に寄与するために努力して参つたのであります。
 併しながら、激しい経済的社会的変動と、その間に処する主体的条件の不十分のため、経済不振の状態に陥つた組合も少くなく、そのままに放置しがたい事態に遭遇いたしましたものにつきましては、適宜農業協同組合法の一部改正、農林漁業組合再建整備法、農林漁業組合連合会整備促進法の制定等を行いまして、組合発展のための監督、援助等を行うことができる措置を講じて来たのであります。
 それにもかかわらず、組合の組織、事業及び経営の現況を見まするとき、なお整備強化を必要とする部面は少くありませんので、特に組合の指導体制を確立いたしますと共に、現行の組合制度に若干の修正を加え、今後国民経済の推移に即応して組合の一層の発展を図る必要があると考えるのであります。
 これが、この法律案を提出いたします理由でありますが、以下その主要な内容につきまして、その概略を御説明申上げます。
 第一は、組合の総合指導組織の確立であります。今回新たに、組合の総合指導組織として、農業協同組合中央会を全国及び都道府県の区域に設置することにいたしました。現在組合の指導組織といたしましては、全国及び都道府県の区域に指導農業協同組合連合会等がありまして、主として会員たる組合のために指導教育事業を行なつているのでありますが、その法制上の性格、組織、事業及び財務の状況からみまして、指導機関として十分なものでなく、このため、農業協同組合系統組織の全国的な組織活動に必要な統一性と機動牲を確保し、十分に組合事業の振興と経営の刷新及び安定を図り得るような指導教育を行うことか困難な状況にあるのであります。このような指導機関の弱点を克服し、会員たる組合のみならず、広く全組合に対する指導教育を全国的規模において、統一的且つ効果的に行い、以て組合の健全な発達を図るため、農業協同組合中央会を設置いたすことにした次第であります。都道府県中央会につきましては、会員の加入脱退を自由といたしましたが、統一ある全国的組織を確立するため、全国中央会につきましては、都道府県中央会及びその正会員たる農業協同組合及び同連合会は、これに当然に加入させますと共に、全国中央会は、都道府県中央会に対して指導連絡を行い、又そのために必要がある場合には、必要な指示等をすることができることといたしまして、その全国的統一活動を可能ならしめているのであります。而して、政府はこのような中央会の活動をより活撥且つ効果的にするため、全国中央会及び都道府県中央会の事業に要する経費の一部を、毎年度予算の範囲内において補助することができることといたしたのであります。なお、中央会の設置に関連いたしまして、指導農業協同組合連合会の措置についてでありますが、現にあるものの存続は当分の間これを認めることといたしましたが、今後におきましては、中央会の事業と同種の事業を行おうとする農業協同組合連合会につきましては、これを認めないことができることといたしたのであります。
 第二は、組合に関する規定を整備したことであります。その一は、新たに農業協同組合及び農民の組織する団体が農業協同組合に加入することができることとし、農村の事情に即応して農民及び組合の発展を図ろうといたしたのであります。その二は、組合の事業に関してでありますが、信用事業を行う組合につきましては、新たに定期積金の受入をも行うことができることとするほか、一部特定の利用者につきましては、員外利用の制限を適用しないこととして、農村の実情に即応すると共に、組合の事業分量の拡大を図ろうといたしたのであります。このほか、共済事業を行う連合会につきましては、その事業の性質から他の事業を併せ行うことができないこととすると共に、その事業が健全に行われることを期するため、所定の手続を経て、行政庁の承認を受けなければならないことといたしたのであります。その三は、組織の管理に関してでありますが、その主なものは、役員の責任の明確化であります。従来役員の責任に関する規定が不明確でありましたので、役員の組合に対する忠実義務を明文化し、且つ組合に対する任務を怠つた場合における組合及び第三者に対する連帯損害賠償責任に関する規定を設け、その責任の所在を明僚にしたのであります、又役員を選出する場合には、新たに選任によることができることといたしたのであります。以上の事項のほか、組合の運営等に関する諸規定のうち必要なものについて部分的修正を加え、その合理化と簡略化を図つた次第でありますので、必要な監督規定を整備強化いたしまして、組合の健全化に資しようとしたのであります。その一は、組合の設立及び事業の適正を図り、組合員の利益を保護するため、その設立、解散等の場合における行政庁の認可に関する規定を整備いたしたのであります。その二は、組合が法令等に違反した場合において、行政庁が必要な措置をとるべき旨の命令をしたにもかかわらず、これに従わなかつたときは、行政庁はその組合の業務の停止又は役員の改選を命じ、共済事業を行う組合については、事業の承認を取消すことができることといたしますと共に、組合が事業外事業を行なつたとき特定の場合には、行政庁がその解散を命ずることができることといたしたのであります。
 以上がこの法律案の主要な内容でありまして、すべて組合の現状から真に止むを得ないものでありますので、何とぞ慎重御審議の上速かに御協賛あらんことを切に希望する次第であります。
#6
○委員長(片柳眞吉君) 本法律案の審議は後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農業委員会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本法律案は、去る四月二十八日、衆議院議員小枝一雄君ほか十六名によつて衆議院に提出せられ、五月六日衆議院から予備審査のため当院へ送付、即日当委員会に予備付託となつたものであります。先ず提出理由の説明を聞きたいと存じます。衆議院議員小枝一雄君。
#8
○衆議院議員(小枝一雄君) 只今本委員会に付託になりました農業委員会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。
 農業委員会法が制定せられましてから満三年、市町村農業委員会及び都道府県農業委員会が発足しましてから二年有半になりますが、この間農業委員会は、農地調整、自作農の創設維持、農業綜合計画の樹立推進等、農民の代表機関としてその使命の完遂に努めて参つたのであります。この間の経験に鑑み、更にその後の情勢の推移に即応してその使命を達成いたしますためには、その事務の完遂に最も適した構成をとることが肝要であると考えられるのであります。このような意味におきまして、都道府県農業委員会を法人としての都道府県農業会議とし、これによつて直ちに農業、農民の代表機関として自主的にも活動し得ることを期待し、又農業及び農民のための全国的組織を結成し得る途を開くと共に、末端の農業委員会の構成等につきましても所要の改正を加えるべく、本法律案を提案した次第であります。
 以下本法律案の主要内容について概略御説明申上げます。
 第一は、市町村農業委員会についての改正であります。改正の第一点は、選挙による委員の定数につき、現行の十五人を十人から十五人までの間で市町村条例で定めることといたしますと同時に、選挙方法を簡素化したことであります。第二点は、選任による委員を必置の委員といたしまして、農業協同組合若しくは農業共済組合の推薦した理事又は市町村議会の推薦した学識経験者を五人を限り、市町村長が委員として選任しなければならないことといたしたのであります。又委員の任期を現行の二年から三年に改めることといたしたのであります。
 第二は、都道府県農業会議についての規定の追加であります。現在都道府県にはその附属機関として都道府県農業委員会が置かれていますが、農業及び農民の一般的利益の代表機能を果すには行政機関とは別個の人格を持たせる必要がありますので、これに代り、法人たる都道府県農業会議を設立することにいたしたのであります。都道府県農業会議は、郡市単位の代表者会議において農業委員会の委員及び農業協同組合の理事のうちから互選された者、農業協同組合中央会、農業共済組合連合会及び農業協同組合連合会その他農業団体の代表者並びに学識経験者等を以て構成するものとし、その業務は、従来都道府県農業委員会が所掌していた事務のほか、農業及び農民に関し、意見を公表し、行政庁に建議し、その諮問に答申すること及び農業及び農民に関する啓蒙宣伝、調査研究を行うこと等であります。国が毎年度予算の範囲内において都道府県農業会議に要する一定の経費を負担乃至補助することといたし、なお、法人税、所得税、事業税等各種の税の免除を考え、その健全な発展、公正な活動を期待しておる次第であります。
 第三は、全国農業会議所に関する規定の追加であります。全国農業会議所は、都道府県農業会議、全国農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会その他農業の改良発達を図ることを目的とする法人、学識経験者等を以て構成される社団法人でありまして、農業及び農民に関し、意見を公表し、行政庁に建議し、その諮問に答申し、又啓蒙宣伝及び調査研究並びにこれらの業務についての都道府県農業会議の指導連絡を行うことを主たる目的としているのであります。全国農業会議所は、設立、解散、加入、脱退の自由な法人でありまして、全国を通じて一個とし、これに対しましては免税措置のほかに、国庫補助をなし得ることといたしまして、全農業、全農民の一般的利益の代表団体たるにふさわしい公正にして活撥な運営を期待しておる次第であります。
 以上が本法律案の概略でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同を得られますよう切望する次第であります。
#9
○委員長(片柳眞吉君) 只今の法律案につきましても、内容の審議は後日に譲りたいと思います。
  ―――――――――――――
#10
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題にいたします。
 本法律案は、去る四月二十八日、政府から閣法第百六十七号以をて予備審査のため提出、即日当委員会に予備付託となつたものであります。先ず政府から提案理由の説明を求めたいと存じます。
#11
○政府委員(平野三郎君) 只今議題となりました農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申上げます。
 農林水産業の基本的施設である農地、農業用施設、林業用施設及び漁港施設の災害について、本法は、個々の災害復旧事業を行う者に対して国が直接に補助することといたしておるのであります。併しながら、年々累増する災害の事業量、件数等からいたしまして、そのすべてに対し、国が直接補助金を交付して末端の事務にいたるまで直接の責任を負うことは事実上不可能であり、現に補助指令は国が行なつておるにかかわらず、その支払は都道府県に委任するという複雑な制度をとつておるのでありまして、この権限の不明確な制度が不正、不当事項発生の一大原因ともなつているのであります。よつてこの際制度を改め、事の大小に応じて国と地方とに権限を分配し、大規模のものは直接国が全責任をもつて復旧に当り、小規模のものは都道府県が責任を持ち、国はこれに対する補助と監督に当ることといたしたいと考え、本改正案を提出した次第であります。
 以上提案の理由を御説明申上げました。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことを切にお願いする次第であります。
#12
○委員長(片柳眞吉君) 本法律案の審議は後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#13
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農林省関係法令の整理に関する法律案を議題といたします。
 本法律案は、去る四月三十日、政府から閣法第百七十号を以て予備審査のため提出、即日当委員会に予備付託となつたものであります。先ず提案理由の説明を求めます。
#14
○政府委員(平野三郎君) 農林省関係法会の整理に関する法律案の提案の理由を御説明申上げます。
 政府におきましては、行政事務の簡素化及び行政事務運営の改憲を主眼といたしまして、昨年来臨時行政改革本部において現行法令の整備改廃につき検討を重ねて参つたのでありますが、なお検討を要すべき事項を除きまして、一応の成案を得、これに基きまして各省においてこれが具体的措置を行うことといたしたのであります。農林省におきましても、この方針に即応いたしまして、関係法令につき慎重考究を重ね、取りあえず整理を要すると考えますものにつきまして、立法化の準備を進め、ここに本法律案として提出することといたしたわけであります。
 以下、本法律案の内容につきまして簡単に御説明申上げます。
 本法律案は、全文三カ条から成り立つておりまして、第一条が、今日すでに全く死文化している法令の廃止、第二条が、蚕糸業法の一部改正、第三条が、家畜改良増殖法の一部改正をその内容といたしております。即ち第一条は、明治初期の太政官布告以下農林省関係法令ですでに死文化しているもの八法令につきまして、この際死体収容という意味で形式的にこれを廃止しようとするものでありまして、実質的にに何らの影響もなく、全く法令整理の技術的手続に過ぎないものであります。
 第三条の、蚕糸業法の一部改正は、いわゆる桑園登録制度を廃止しようとするものであります。本制度は、占領行政の一環として成立したものでありますが、今日におきましては、この部面につきまして統計調査部が実施いたします統計調査もございますし、これを廃止しても蚕糸行政上いささかも支障がないわけでありますので、関係条文を削除するわけであります。
 第三条の家畜改良増殖法の一部改正は、家畜人工受精師の毎年の届出義務をやめようとするものでありますが、本制度も、畜産行政の現段階におきましては家畜人工授精師に届出を強制いたしますだけの行政上の必要性が稀薄であると認められますので、この際これを削除することといたしたわけであります。
 以上が、本法律案を提出いたしました理由及び法律案の主要な内容であります。何とぞ慎重御審議の上、速かに御可決あらんことをお願いいたします。
#15
○委員長(片柳眞吉君) 本法律案の審議は後日に譲ります。
  ―――――――――――――
#16
○委員長(片柳眞吉君) 次に、農民組合法案を議題といたします。
 本法律案は、去る四月二十四日、衆議院議員足鹿覺君ほか十二名によつて衆議院に提出せられ、同月二十八日衆議院から予備審査のため提出、即日当委員会に予備付託となつたものであります。先ず提案者から提案理由の説明を求めたいと思います。
#17
○衆議院議員(足鹿覺君) 只今上程せられました農民組合吉法案の提案の理由を御説明いたします。
 日本農村の民主化なくして到底日本の民主化はあり得ないのでありますが、周知のごとく、日本の農業は極めて零細な経営によつて支えられ、個々の経済力も極めて弱く、従つて民主化の基礎的条件としても生活の確保と人民自己を組織化することが絶対に必要であります。社会的にも経済的にも、農民と同様、弱い立場の労働者は資本の不当な圧迫を排して、自己の基本的人権を確立するための自己組織化に関しては労働組合法等によつて保護されていますが、農民に対してもその団体行動の自由、団体交渉権等の確立を内容とする農民組合法の即時制定こそは、単に農民自体の利益からのみでなく、社会全般の健全な民主的発展のために絶対な要請であります。我々はこの要請に応えるべく、この法案を提出した次第であります。
 次に本法案の内容の概略を御説明いたします。先ず第一にこの法律において農民組合とは、みずから農業を営む農民が主体となつて、自主的に生活条件並びに農業経営の維持改善その他農民の経済的、社会的地位の向上を図るための一致共同の運動を確保するため、健全にして民主的な農民組織の設立を育成し、農民の団体権の擁護、及び団体交渉権の保護助長を図らんとするのであります。
 次に、農民組合がその設立の目的にかなう一致共同の運動を遂行するための団体行動は法的に保証されることとし、農民組合の代表者又は農民組合の委任を受けたものの交渉を本法に定められた団体交渉義務者はこれを拒否することはできないものとすると共に、地主又は雇主に、農民が農民組合を結成しようとしたこと、若しくは農民組合の正当な行為をしたことの故を以て小作条件、若しくは労働条件について不利益な取扱いをし、小作契約を解除し、又は農業労働に従事する者を解雇し若しくは不利益を与えてにならないこととしたのであります。
 第三に、農民組合法による農民組合の組織形態は、全国的単一組織又は連合組織その他いずれの組織形態によるも、当該設立農民組合の自由な選択によるものとし、又農民組合として設立されたものの取扱いは、行政庁に証拠を拠出して、規定に適合することを立証し、その証明を受けなければ、この法律の保護を受けられないこととしたのであります。
 第四に、この法律に農民という規定に該当する者は、人種、宗教、性別等にかかわらず、すべて農民組合に加入することができることを原則とし、農民組合の役員は、組合員たる農民でなければならないが、農民以外の者でも総会において承認されたものは役員総数の四分の一以内を限度としてこれを認めることとしたのであります。
 以上この法案の提出の理由並びに内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上速かに可決されることをお願いする次第であります。
#18
○委員長(片柳眞吉君) 本法律案の審議は後日に譲りたいと存じます。
 本会議か開会されましたので暫時休憩いたします。本会議散会後直ちに再開いたします。
   午後二時五分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時四十五分開会
#19
○委員長(片柳眞吉君) それでは休憩前に続きまして委員会を再開いたします。
 先ず臨時硫安需給安定法案を議題といたしまして、本法律案に関連して四月二十七日の農林委員会の決議に基きまして、硫安コストの件について参考人として重ねて日本開発銀行当局の御意見を伺うことにいたします。
 本日の問題の中心は、四月二十七日の委員会の質疑の結果によつて残された問題でありまして、第一は、日本開発銀行において融資に当つて資料として入手せられ、或いは調査せられました各社各工場別硫安コスト並びにこれらコストの当否に関する日本開発銀行としての見解、第二は、硫安コストと硫安価格との逆鞘関係並びにこれに関連して各メーカーの経理及び配当に関する日本開発銀行の見解であつたと存じます。先ず、前回の質疑の線に沿いまして、日本開発銀行当局の御説明を願いたいと存じます。参考人として、本日は日本開発銀行審査部長竹俣高敏君の御出席を願つております。同君におかれましては、御多用中重ねて御出席を頂きまして有難く御礼を申上げる次第でございます。では御説明を願います。
#20
○参考人(竹俣高敏君) 御説明申上げます。前回各肥料メーカーの私どもに出しました資料、これに必ずしも完璧ではございませんけれども、それをうまくまとめまして早速印刷いたしまして本日持つて来るつもりでおりましたのでございますが、実は当初メーカーからもらいますときに、絶対公表せんという約束の下にもらつておりまするので、メーカーに、実はこういう御要求がございますので、出したいと思いますということを早速その翌日念を押したのでございますが、ところがまちまちでございまして、或るメーカーさんは、ほかのメーカーさんが全部承知であるということであれば或いは止むを得ないかというようなところもございましたが、中にはどうも最初の約束と違うというようなことを言われまして、私どもといたしましては、実は当初必ずしもそういうことを予想いたしておりませんものでしたから、ABCでよろしいというような、かなり寛大な御要求でございましたので、恐らくできることと思つておりましたのですが、本日その刷り物のできませんことをお詫び申上げなければならない羽目になつておるわけでございます。それで実はこの前の御説明のときにも申上げましたように、たしか私から開発銀行当局の考え方として、コストとして二方二千数百円というようなことを申上げたわけでございまするが、そのときにお断わりいたしましたのは、私どもが肥料メーカーのまあコストを調べたわけではございませんで、融資のときにいろいろなことをお尋ねいたしましたのは、昨年の夏から秋にかけてでございますということを、恐らく二回くらい繰返して申上げたのですが、なおもつと正確に申上げますと、二十七年四月から二十八年三月までの丁度一カ年間のいわゆる通算の数字を欲しいということを申入れて、或るところは出してくれましたし、或るところは出してくれませんでしたのでございますが、それを基にいたしまして私どもは融資の判定をやつたわけでございます。そこでメーカーに対しまして私どもはそういう約束をいたしておりまするので、いわば信頼関係でそういう数字をもらつておりまするので、若しその気持を無視してここで刷り物にして差上げるというようなことをいたしますると、実は今後私どもが、会社の企業の或る程度の秘密を教えてほしいと申しました場合に、なかなか教えてもらえなくなるということに本質的な危険を感ずるわけでございますけれども、私前回大体申上げられるでございましようといつてしまつたわけで、結局その板挾みになりまして、実は非常に弱つているわけでございますけれども、口頭を以てこういう例があるのだというふうに申上げることでお許し願えれば、そうさせて頂きたい、これはお願いでございます。メーカーが私どもに出しました資料は、不完全なものもございますが、それの提出に関しましては以上のような次第でございます。
 なお、その次の点でございますが、確かに江田さんから御指摘頂きましたように、二万二千幾らということであつてはむしろ逆鞘になつて、配当をしたり何かすることはできないのではないかというような御質問もございましたが、実はこれも只今私が御説明申上げましたように、二十七年の四月から二十八年の三月、即ち二十七年上下通算の数字でございまするが、そのときに各メーカーの売上げました単価を改めて私又見直してみますると、かなり高く売れておりますのでございます。大体二万三千円以上で売れております。一社だけが二万二千九百何十円というところがございましたけれども、いずれも二万三千何百円というところで現実に売れておりまするので、私が推定的に申上げました二万二千幾らということで十分利鞘はあつたというふうに私どもは考えておりまするし、なお、開発銀行当局といたしまして融資をいたしますのに、当然そういう利益ということも考えまするが、仮に利益がなくてとんとんであつたといたしましても、償還は相当確保できるのでございます。と申しますることは、この間におきまするところの償却額が幾らであるか、結局償却願は固定的な資産が漸次流動資産に変るわけでございますから、それを以て返済に引当てられるわけでございまして、私どもは常に利益と申しますときにも、普通は償却前の利益を特に計算いたしておるのはそのゆえでございます。それで、それでは償却額が一体どの程度あるのか、勿論会社によつてまちまちでございますが、最低で六千五百万円、最高のところは六億七千幾らというような償却額を現に実際やつております。従いまして、開発銀行が二十八年度におきまして合理化のために融資いたしました額というものは、御承知のように一億乃至一億六千万円、各社につきましてでございますから、結局二年か三年といつたようなことで、それを引当てれば、仮に利益がない場合でもできるということと、更に担保力ということを当然考えますのでございますが、これも今日御説明を申上げたいと思いまして、ちよつと数字を抜き書きして参りましたが、担保額、これは相当大きくございますが、現にそれをほかの債務の担保に入れておりますので、担保余力という点で申上げたほうがより正確だと思います。ところが担保余力の最も少い会社でも、大体三億見当を私どもとしては見込んでおりまするし、多いところでは九億九千幾ら、十億に近い余力を計算上出しておりますので、担保の点から申しましても、或いは償却を見込んだところの償還力というようなことからいたしましても、開発銀行の融資はかなり堅めにやつたのであるということを申上げてよろしいのではないだろうかと思います。従いまして、配当の点その他に関しましても、当然たこ配であるというようなことは言えないというような数字であろうと私どもは考えておりまするし、又開発銀行自身も、融資に際しましてそのことの注文を必ずしも付けていない次第でございます。重ねて申上げまするけれども、実は私どもはコストだけにピントを合せておりませんで、むしろ融資全体、この間も融資の五つの要素を申上げたわけでございますが、その五つの中の償還力の又一部としてコストということが浮び上つて来るわけでございまして、私どもの考えといたしましては、一応融資に関しましては必要にして十分の審査をいたしたものというふうに考えておるわけでございます。
 これで一応の説明を終らせて頂きたいと思いますが、先ほどお願い申上げましたように、口頭で、およそ出された数字にこういうような数字であつたといつたようなことを申上げることでお許し願えますれば申上げたいと思います。なお、附加えさせて頂きますと、メーカーのお出しになります場合にも、なかなか政策的な数字を持つておいでになられますものでございますから、この会社がと思われるところが、かなり高いコストだといつたようなことを御説明になられたり、或いはそうでない場合に、逆に非常に安目におつしやられるというようなこともございますので、私どもといたしましては、それを十全に、必ずしもその通り鵜呑みにしていいかどうかということには多分の疑問を持つておりますけれども、口頭で申上げるといたしましても、そういう数字に実はなつてしまうわけでございます。なお御質問がございましたら、一々御説明申上げますが、一応の御説明といたしまして以上……。
#21
○河野謙三君 開発銀行のかたには御多忙のところ再々煩わして誠に相済まんと思います。併し一応あなたが私たちこの審議に当る議員の立場というものを理解してもらわなければならない。我々はあなたの立場を理解します。一体今あなたが御説明になつたようなことをあなたが議員の立場になつて聞いて、一体我々は何を得るところがありますか。我々はこの法案については真剣に取組んでおるわけです。この間申上げましたように、何も農民だけの立場でこの問題を考えておるのではないのです。硫安工業の今後の基盤を、この法案を通じて確立しなければいかんということも、当然この法案には大きな、重大な意義があるわけです。そういう意味合において、現在の日本の硫安工業の地位は如何なるところにあるか、それがわからなければ、今後硫安企業を合理化して世界の水準にまで、五カ年なり十カ年の間に引上げると言つても、現状がわからなければ審議できないでしよう。一つその私たちの立場も考えてもらわなければいかん。それから今メーカーの御意思があつて、そういう意味で出した資料でないから、それを出されることは困る。当然でありますよ。私はこの間申上げたように、私企業には私企業の秘密があります。これを預るあなたのほうにもその秘密保持の責任はあります。ありますけれども、私河野謙三個人が開発銀行に行つて資料のことを勉強したいが、こういうものをくれと言うのと違うのですよ。議会ですよ、ここは……。そこでそういう問題があれば、おのずと秘密保持については秘密会というものもありますし、どういう方法でもとれるわけです。曾つてこの議会において市中銀行の貸出内容についてまで議会の権限において聞いたこともある。でありますから、我々もその点は十分理解しておるのであつて、今あなたからメーカーの意思云々ということをおつしやいましたけれども、そういうことによつて我々は、それでは聞くことができないのだ、聞かなくてもいいのだというわけには行かないのです。あなたの御意思によつて、メーカーの御意思によつて、議会においてどのようにでも秘密保持の方法はあります。これはあなたが委員長と相談して下さい。それでも出せませんか、如何なる秘密保持の方法をとつても出せませんか、これを委員長と相談して御回答頂きます。
#22
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと私からも御参考に申上げておきたいと思いますが、今河野委員の言われましたように、御承知と思いますが、秘密会にしますれば一切公表ができない措置もあるし、極く最近でも通産省提出の硫安コストの資料も秘密に亘るものは一切速記録から削除いたしております。又秘密会という方法もあるということも御承知置き願いたいと思います。
 それから、これ又或いは御承知がないかも知れませんので申上げておきたいのですが、国会法の百四条で「各議院から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない。」、こういう規定がございまして、特に日本開発銀行は単なる民間機関ではないと思うのでありまして、官公署その他という範疇には少くとも入るわけです。ですから、これは皆さん方の御意見にもよりまするが、どうしても審査部長として、上からそういうものを出してはいかんということであれば、実は第百四条で正式の資料要求もできるという方法があるわけでありますが、実はそこまで行きたくないということで、ですから今言つた秘密会の方法もございまするし、やはり審議の必要上、どうしても硫安コストをしつかり究めないと真剣な審議ができないという実情ですから、これを一つ御了承願いまして、若し秘密会でありますれば、一般の人はこの部屋から出て頂いて、速記のほうも御希望の点は削除いたす方法もございます。この辺を一つ御了承の上でお述べ願いたいと思います。
#23
○参考人(竹俣高敏君) 一番お願いしたい方法は、できれば国会からメーカーのほうに開発銀行のほうに出しておる資料を出してもよろしいというふうに言わせて頂きますと非常に幸いなのでございますが、そうお願いできませんでしようか。実は私今日折角お招き頂きましたので、或る程度御参考になることを申上げたい、それについては実はメーカーの意思が大体そういうことでありまするので、どうも刷り物にはちよつとできないが、口頭で或る程度申上げて数字を申上げるのでございますから、成る程度はつきりするかと思うのでございますが、若しその場合に、只今委員長の御説明がございましたように、秘密会にでもいたして頂きますれば口頭で、実はこの会社は幾ら幾ら出しておる、これこれの会社はこれこれであるということを申上げられるのじやないかと思うのでございますが、如何でしようか。
#24
○河野謙三君 委員長初め他の委員の方々にもいろいろ御意見があると思いますが、私は開発銀行にこの資料を要求するに当つて、議会の権威においてメーカーに一つ何かおねだりのようなことをして、是非了解してくれということは、私は議会としてはできないと思う。これはどこまでも議会対開発銀行の間で話を進むべきものであつて、そんなことはこれは前例もないし、むしろ議会の権威の上からそういうことはできないと思います。それから、これはその問題とは別に、この際ちよつとお答え願いたいのですが、この前六社のほかに三社あるとおつしやいましたが、今日のこの資料はまだ詳細に見ておりませんが、又見ている暇もありませんが、六社だけ来ております。もつと具体的に言うと、三社というものは私は知つておる、これは通産省にも行つておるし、あなたのほうにも行つておるはずなんですが、日産化学があり、宇部興産があり東海硫安があるはずです、これはどうして出ないか……。もう一つは、来年度の融資についての申込はもうすでに出ておるはずです。これはあなたの手許に行つておりませんか、先ずそういう点を伺いたい。
#25
○参考人(竹俣高敏君) 二十八年度におきまして、開発銀行がお受付け申上げましたのは六社だけでございます。又通産省から御推薦頂きましたのも六社だけでございます。それから第二の御質問の、二十九年度は実際まだ申込をお受けいたしておりません。
#26
○河野謙三君 この資料のよしあしは言いません、まだそういうよしあしを決定的に私が意見を申上げるまでに勉強ができておりませんから、何しろ先ほどもらつたんでありますから……。ただこのほかの三社だけはなぜ出ないのです。それから今私も開発銀行にお尋ねしたように、次年度におけるところの融資の要求について資料はまだどこからも出ておりませんか。
#27
○説明員(川出千速君) 二十八年度につきましては、この前御答弁いたしましたが、六社のほかに三社だけ希望がございまして、参考意見等の書類は、正式な書類ではございませんけれども、もらつているのもございます。但しこれにつきましては、内容の審査に全然入つておりませんものですから、内容について、我々としては軽工業局と一緒に聞いた六社についてこの資料は調査したわけでございます。それから二十九年度につきましては、この前に閣議了解で開発銀行等の融資方針がきまりましたものですから、それに基いて今から聞こうとしておるところでございます。従つて各会社の資料も一部出ておるところもございますけれども、極くそれは全般的なものではないわけでございます。今後いろいろ聞きたいというふうに考えておる次第でございます。事実はまだ聞いていないわけであります。
#28
○河野謙三君 開発銀行なり、通産省が資料をメーカーからとつて、それを検討した結果、あなたの判断というものも我々は知りたいのですが、あなたたちの判断以前にその資料そのものを参考に見せてもらいたい。我々はこれを言つているんです。でありますから、そういう意味合で、まあ出せる出せないの問題がありますが、若し出せるということになつたら、あなたたちの判断は判断として、これは貴重な我我の参考資料になりますから伺いたいのですが、判断以前にどういうものが出ておるかというものをもらわなきやいかん。これを開発銀行に特に要求いたします。それから同時にこれをちよつと見ましても、これは大事なところが一つ抜けていますよ。浪花節の文句じやないけれども、森の石松が抜けている。一つ抜けているんです。なぜかというと、私はこの間も申上げたように、開発銀行の仕事は国策会社として、現在の硫安は二万三千円なら三千円である。併し融資することによつてコストが三千円下ります、五千円下りますという資料がなければ、あなたたち仕事ができないはずです。その資料が全然何にも入つてない、これは……。それじやいけませんよ。そうして作業しているはずがない。現在は硫安は一俵八百五十円だ、八百円だ、七百円だ、併し通産省の斡旋によつて、開発銀行からこれだけの融資を受けるなら、企業はこれだけ合理化されて、硫安はこれだけ安くなるというのが、これが融資する場合の一番のあなたたちの味噌ですよ。勿論銀行でありますから、そのほかのいろいろな貸出についての条件はあるでしよう、その会社が資産内容が悪くちやいかんとか、そのほかいろいろあるでしよう、あるでしようけれども、国策会社としては、少くともこの金を貸すことによつて、どれだけ国家目的であるところの日本の硫安企業は合理化されるか、農民にどれだけ安い肥料が販売できるかということが、これがあなたのほうの審査する場合の第一要件ですよ。それがこれには入つてないじやないですか、なぜそれを落すんです。それを私は伺いたいのです。そういう意味合においていろいろまだ意見もありますけれども、先ず第一に資料が出せるか出せないか、これは委員長なり他の委員と相談して下さい。私の意見は申上げましたから……。
#29
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと…。審査部長から各メーカーに資料を出すことにこちらから了解を求めて欲しいというわけですが、これはやはりこの国会法の規定からしてもちよつと筋が違うと思いまするし、やはり私もこれはそういう措置はちよつととりかねるのではないかと思います。そこでまあ口頭で御説明になつてもこれは速記に実は載るわけでありまして、口頭で御説明できる程度のものはやはり資料として頂戴できることとも思いまするし、で、その辺の事情、これは勿論審査部長お一人のお考えではないので、開発銀行全体と言いますか、首脳部の御意見でいかんということかどうか、その辺のことを一つ先ずお聞きしたいと思うのですが、何かそれに関連して御意見がありますれば……。
#30
○森田豊壽君 河野委員から大体質問されまして、一通りまあ考え方としては、開発銀行の考え方は言い訳と申しましようか、一通りわかつたのですが、この表を今見まして、よく見たわけじやありませんけれども、一見いたしまして、河野委員の言われる通り、私は生産コストが幾らだということが発表されなくては、開発銀行は一体硫安の生産コストは、こういう貸出その他の関係と資産状態を眺めた場合に、勿論江田委員の言われた通り、私は剰余金を以ていたしまして、剰余金から逆算すればどのくらいの利益、どのくらい儲かつているものかということは自然にわかると思うので、その会社会社の経営の優劣によつて違いがあることは申すまでもありませんが、六社なり、九社なり平均いたしまして、どのくらいの程度ということは、何か水準は必ず融資ずる銀行としては標準というものをお作りになつているんじやないか、この会社はその標準から言つてうまく行つてないが、今後こういうところを一つ直してもらつてから貸せるとかいうようなことが、恐らく融資するに当つてはあるんじやないかと思うので、従いまして、結論といたしましては、詳細なことは述べられないというお話でありまするから、無理に言うことは今すぐに望むわけじをありませんが、我々委員会といたしましては、先ほど来河野委員や委員長の言われる通り、これはどうしても出して頂かないというと、ここまで来てこの程度で終るなら、初めからこんなことをしてかけておつた意味を私はなさんと思う。従いまして、これに対しましてはやつぱり国会法のいわゆる百四条によりまする議院といたしましては要求をいたしまして、殊に開発銀行は特別の特殊銀行であるわけで、これはもう当然ここから出して頂かなければならん。ほかに出してもらうところはない。業者にそういうことは無理である。又聞かないと言われればそれまでであると思う、現在では……。あなたのほうでは、一つこれを出して頂く。それにはどうしても、どのくらいの程度まで硫安は安くなる、いわゆる生産の合理化を図ればここらまで行くという見通し、又現在の硫安の価格を以ていたしますれば硫安会社はどのくらいの利益が出ているか、又将来はもつと安くできるかというお見通しがなくちやならんと思う。開発銀行として一体どのくらいになるということにつきまして、従つて金を貸しておいて安全である、又金を貸した効果があるというものを一つ出して頂きたい。どの会社、どの会社と言わなくても結構なんですか、できれば生産コストだけは調べて頂かなければならんといたしまして、それを発表して頂いて、一々会社の優劣を言うようになつて工合悪い場合におきましては、総体的にこのくらいになつているじやないかという一つの見通しを、開発銀行としてはそういうものを、開発銀行としての考えだということで出して頂く、これをお願いしたいですがね。その点は如何でしようか、出せましようか。
#31
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと私から中間に申上げますが、今日配付されました昭和二十八年度開銀融資対象工場の合理化工事概要、これは通産省の配付資料であります。開銀資料は一切提出がありません。そこで先ほど審査部長から、口頭で御説明なら或る程度してもよろしいということでありまするが、それでよろしいかどうか、更に皆さんの御意見として、勿論これは秘密保持の方法は所定の手続によれば、これはもう当然あるわけでありまするし、そういうことを前提として改めて資料を御提出を願つた上で御審議をしたほうがよろしいのではないかというふうに思いますが、如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#33
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて下さい。
 それでは只今の硫安コストの資料につきましては、重ねて日本開発銀行から資料として御提出を願うことにいたしまして、その上で審議をいたしたいと思いますので、その点よろしくお願いします。
#34
○河野謙三君 これは私は開発銀行から出たと思つておつたんですが、通産省から出たそうですがね。ここの何頁かな、五頁に新日本窒素水俣工場の資料の結論として、売値が硫安はNで二〇・八%、十貫で八百八十円、トンにして二万三千四百七十円、こうなつてますね。それは一体どういうことです。今度合理化資金を出すことによつてこういうことになると、こういうことですか。それともう一ついでに伺いますが、二十七頁に、これはどこの会社かな、日本水素小名浜工場、原価引下額としてトン当り二千三百四十七円、一「かます」にして八十八円一銭、原価引下になると、こういうのですが、この場合これは逆算すれば出るんですが、基準は一体幾らです。幾らに対して二十三百四十七円引下るんです。こういう点について一番急所を外しておるのですよ。幾らから二千三百四十七円下るのです。これをちよつと説明して下さい。
#35
○説明員(川出千速君) あとの点から申上げます。日本水素の件でございますが、これは会社の資料をそのままとつたわけでございますが、幾らから幾らに下るというのでなくて、現状とそれから合理化後の工事効果と申しますか、その差額が二千三百四十七円ということで、私どもも現在のコストがどういうふうになつておるのか、その辺は検討しなかつたわけでございます。そしてこの工事効果と申しますのは、現状と完成後というふうに分れておりますが、その現状のところで、現在はトン当り相当高いコークスを使つておるわけですが、合理化後はそのコークスを使わなくなつて低品位の微粉炭を使うものですから、それが原単位として非常に低くなつて来るということでございます。それから先のほうの五頁の御質問でございますが、これに売価はこういう値段で売れるということを仮定した数字でございます。
#36
○河野謙三君 まあ改めて又お尋ねする機会があると思いますけれども、一体あんたのほうで、産業資金の計画を立てる原局である通産省の産業資金課として、今幾らだかわからない、今度こういうことになつて幾らになるんだかわからない、ただ金を貸すことによつてこれだけ差額が出るだろうというようなことで、一体それあんた納得しますか、課長さん。あんた仮にあなたの下の事務官なり、技師のかたがあなたのところで説明して、課長さんはそれで判を押しますか、そういうふざけたことを言つちやいけませんよ、あなた。それに私たちに素直に受取れません。僕らを侮辱しておると思うのだ、そういうことを言つて……。常識じやないですか。今幾ら出て来る、この金をこれだけ貸せば幾ら出て来る。そうして農家に八百五十円なら八百五十円の硫安をこれだけやることによつて八百円になりますとか、そういうことでなければならんじやないか。そういうことに開発銀行の国家資金を使つて初めて国民は納得するんですよ、我々も納得するんですよ。それからその前の売価がこうなりますという場合も、一体売値がこうなる、これじや今の価格より高いじやないですか、八百八十円になるというのは一体何事ですか。今でも硫安は八百八十円していませんよ、メーカーはみんな……。而も金を貸した結果が八百八十円になります。それじやこの会社は、この間の江田委員の質問じやないけれども、九百五十円も九百八十円もしているんですか。これは私は今日御説明を求めませんけれども、もう少し我々を余りばかにしないで、大した人間じやないけれども、これでもやはり国民の代表だ。我我の立場を尊重して下さい。もう少しまじめに答弁して下さい。私はしばしば言うけれども、この頃我々が少し悪いせいでしよう。国会の汚職問題等によつて国民から非常な非難を受けておる、そういう関係かも知れませんが、どうも役所の答弁が慇懃にして無礼ですよ、答弁が。態度だけ慇懃じや駄目ですよ。態度が慇懃であると同時に答弁も慇懃にやつて下さい。この点を私は強く要求しまして、もり少し今の二点だけでもこの次に我々の了解の行くように一つ十分な資料を頂きたいと、こう思います。
#37
○鈴木一君 開発銀行のほうから資料として文書を出してもらうということは私は異議はないのです。と同時に、問題は開発銀行にまで関係と言いますか、ここに来て頂くようになつたそのそもそもの原因というものは、通産省のほうで資料を出すことを拒否したということに私はあると思うのです。この間、これは非公式の席上だからどうかと思いますけれども、平野農林政務次官と話したときに、通産省には各社の、十七社のコストを調べたものがあるのだ、併し肥料行政が農林省と通産省の両方に跨がつておるためにそういうものを出せない。通産省のほうの一方的な考えで出せないというようなことを言つておりましたので、とにかくこれだけの国家資金を使うというような、又肥料業界にとつては画期的な法案でもありますので、改めて通産省のほうでは、会期も延長されたことでもありますし、今からでも十分時間はございますから、肝心なところを、現在のコストはこれだけだ、開銀の融資を受けるとこれだけ下るのだと、肝心なところを、こういつただらだらしたわけのわからないものでなしに、一目瞭然我々が審議できるような資料を通産省は改めて出してもらいたいと思います。これは委員長から一つお願いしたいと思います。
#38
○委員長(片柳眞吉君) 承知しました。
#39
○鈴木一君 とにかくなめ切つていますよ、通産省は……。出さなければ適当に審議しろというふうなことにしか受取れないのです。これだけの重要な法案を出すには十分調べたものと思いますが、平野農林政務次官はあると言つておりますが、若しなければ今からでも調べて出して下さい。
#40
○委員長(片柳眞吉君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#41
○委員長(片柳眞吉君) 速記を始めて。
 肥料関係はこの程度にいたしまして、今日はもう一つ実は早急の問題でありまして、土地区画整理法案が現在建設委員会で審議中でありまして、極く最近の機会に採決の運びになるのでありまするが、この法案につきまして、農林委員会として、農地或いは農地の耕作者保護の観点から二、三の問題があるようでありまして、今研究をしておるわけでありまするが、大体のところを、問題点を申上げますると、まあ市街地の、これは土地区画整理事業でありまするが、この事業計画の認可を申請する場合には、本法案では「施行地区となるべき区域内の宅地について権利を有する者がある場合においては、事業計画についてこれらの者の同意を得なければならない。」、こうありまして、宅地について権利を有する者の同意は求めておりまするが、その間にまま農地がありました場合に、農地について権利を有する者等の同意は要らないことになつておりますので、これはやはり農地に関する権利を有する者についても同意を得ないと困るのではないかという点が第一点であります。これは法案の第八条であります。
 もう一点は第百二十二条でありまして、「都道府県知事は、」「土地区画整理事業の施行、組合の設立又は市町村若しくは市町村長の施行する土地区画整理事業の事業計画について認可しようとする場合においては、当該事業計画において定める設計について建設大臣の認可を受けなければならない。」となつておりまするが、その設計の中に農地が入つておる場合においては、建設大臣単独の認可では困るのではないか、従つて農林大臣に協議をするというようなことをしませんと、市街地の区画整理と農業との調整ができないと思いますので……。その他にも若干問題の点はあるようでありまするが、以上の二点につきまして、大体今言つたようなラインで申入をいたしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと認めます。なお、字句等は一つ法制局と連絡を正いたしまして委員長に御一任願いたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○委員長(片柳眞吉君) 御異議ないと、認めます。
#44
○上林忠次君 農地だけでいいですか、山林は要りませんか。
#45
○委員長(片柳眞吉君) ないことはないと思いますが、市街地の中ですから、先ず農地で大体問題はないと思います。採草放牧地はこれは農地に準じて入れることになつております。それでは一つ早急に申入れをいたしますので、さように決定いたします。
 それでは本日はこれで散会いたします。
   午後四時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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