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1953/05/21 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第40号
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1953/05/21 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 農林委員会 第40号

#1
第019回国会 農林委員会 第40号
昭和二十九年五月二十一日(金曜日)
   午前十一時五十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     片柳 眞吉君
   理事
           宮本 邦彦君
           森田 豊壽君
   委員
           雨森 常夫君
           川口爲之助君
           佐藤清一郎君
           関根 久藏君
           横川 信夫君
           上林 忠次君
           北 勝太郎君
           河野 謙三君
           江田 三郎君
           河合 義一君
           松永 義雄君
  衆議院議員
           綱島 正興君
           金子與重郎君
  政府委員
   農林政務次官  平野 三郎君
   農林省農林経済
   局長      小倉 武一君
   農林省畜産局長 大坪 藤市君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
   常任委員会専門
   員       中田 吉雄君
  説明員
   農林省農林経済
   局肥料課長   林田悠紀夫君
   通商産業省軽工
   業局化学肥料部
   長       柿手 操六君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○臨時硫安需給安定法案(内閣提出、
 衆議院送付)(第十八回国会継続)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(片柳眞吉君) それでは只今より委員会を開会いたします。
 本日は先ず臨時硫安需給安定法案を議題といたします。本日は衆議院の修正箇所を中心として御審議を願いたいと思います。衆議院より綱島正興君が見えておられます。
#3
○河野謙三君 先ず衆議院の修正箇所につきまして、二、三疑問を抱く点がありますので、お伺いいたしますが、第二条の修正されました「重要肥料」とは一体どういうものを指しておられますか。
#4
○衆議院議員(綱島正興君) 重要肥料とは、大体アンモニア系窒素肥料、石灰窒素でございますとか、加里とか、過燐酸等の主として耕作に非常に関係のある肥料を大体含むものと存じておるわけであります。
#5
○河野謙三君 石灰窒素、過燐酸、加里を一応意味しておる、私の常識もそうであつたのでありますが、そのほかに化成肥料は含んでおりませんか。
#6
○衆議院議員(綱島正興君) これは含んでおるものと存じております。
#7
○河野謙三君 含んでおるわけですな。
#8
○衆議院議員(綱島正興君) さようです。
#9
○河野謙三君 そうすると、重要肥料というのは、もう一度申上げますと、石灰窒素、過燐酸、加里、化成肥料というものを含んでおると、これにつきまして、第十一条ですか、将来必要があると認めるときは肥料の審議会の議を経て云々ということが書いてありますが、そうしますと、仮に一つとらえまして、加里肥料というものを将来必要と認めた場合に、審議会の議を経て政令で追加することができると、こうなつておりますが、加里肥料ということになりますと、ここに第十一条には「生産業者に対し」、と、こう書いてありますが、加里肥料は生産業者の手は通らんわけですね。加里肥料は輸入業者若しくは販売業者の手を通じて行くわけであります。でありますから、この二条を受けての十一条というものは、これで私は運用ができないと思いますが、どうでしよう。
#10
○衆議院議員(綱島正興君) お答えいたします。将来の加里肥料等について直接審議会で加えますときは、それぞれ法律の処理もいたすべきであると存じておりますが、只今のところは硫安について主として考えてやつておりますので、勿論重要肥料というものの中には予想した各肥料がございますが、只今の処置といたしましては、原案が臨時硫安措置法でございました関係等もあり、いろいろございまして、このたびはこの程度の修正にいたして行こうというのが大体衆議院の意思でございます。
#11
○河野謙三君 私は、失礼ですけれども、その意味がわからないのですけれどもね。二条で重要肥料と謳つて、重要肥料は過燐酸、加里、石灰窒素、化成肥料を意味しておると、こういうことであるなら、将来過燐酸なり、加里なり化成肥料なり、石灰窒素が必要と認めた場合は、審議会の議を経て政令でやれるようにしてあるとおつしやるのだが、法律そのものは将来に備えてそこに口をあけておかなければいかんと思う。我々はこれを審議する場合に、将来政令でいつでもこの法律によつて動けるようにしておくのがこの法律だと思う。法律そのものを改正しなければならんということは、この法律の審議の場合には私はおかしいと思う。私はすぐにここで過燐酸、加里を追加しろとか、何とかいう問題については、これはあとで議論いたしますけれども、一応衆議院の修正者は、取りあえずは硫安だけは必要だろう、その他のものはもう少し今後の推移を見て政令によつてやるべきだと、こういうのがあなたのほうの御意見のようでありますけれども、それでは将来そういうものが必要が迫つたときに、再びこの法律を直さなければできないですよ。若し、国会開会中ならいいけれども、国会が閉会中にこの必要な時期が来た、審議会を開いた、審議会はすぐ加里肥料を追加しろということに答申したとしても、農林省はやれないじやないですか。これは私は第十一条は生産業者だけではいかんと思うのです。そこに輸入業者または販売業者というものを追加しておかなければ、これは私は法律が非常に不備だと思いますが、それとも衆議院の修正者のほうで一応肥料需給安定法と直したけれども、実態は硫安だけであつて、将来とも過燐酸や加里のことについては考えていないのだ、これなら私はこの原案でいいと思いますが、どうも第二条の重要肥料というものが今仰せられたような肥料を含んでおるとすれば、第十一条はここに輸入業者又は販売業者というものを入れておかなければ、私は実際において政令ではできないと思いますが、その点は如何ですか。
#12
○衆議院議員(綱島正興君) 実はお説の通りでございますが、加里のことについては為替管理等のいろいろな問題がございますし、多少の措置もできるかという予定もございますので、そういう点も考慮してみたいという点もございましたことと、取りあえず取急ぎますものは、特に硫安輸出会社等の権衡状態も考えまして、いろいろなことから、取りあえずこのほうを急いでやろう、そうして全部の肥料がだんだん重要肥料に指定されて参りますと、いろいろ修正しなければならんところが出て参る、その際に修正を必要に応じてするほうが妥当であつて、却つて法律をあらかじめいろいろな修正をし、幅を余り拡げ過ぎておくために、或いは考えたこと以外のことまで出て来る虞れもございますので、過燐酸にいたしましても、この法律このままでは到底行われないと思いますので、御説は御説の通りでございますが、私のほうの思量といたしましては、取りあえずこの程度の法案を通しておくほうがこの際は妥当であると考えて通したわけでございます。
#13
○河野謙三君 いや、あの第二条の重要肥料というものを削つてしまえば、私は十一条もそのままあなたのほうからお廻しになつた修正案通りでいいと思うのです。併し第二条に重要肥料とわざわざ修正されて、その重要肥料の意味するものは加里であり、過燐酸であり、石灰窒素であり、化成肥料であるということであるならば、第二条を受けての十一条がこれでは動けないというのです。勿論法律ですから、只今予測し得ない問題が将来起つて、そうしてそれを修正することは仕方がありませんけれども、これは予測し得ないとか、予測し得るとかいう問題じやないのです。法の体系として二条と十一条との関連が全然ないわけなんです。そういうふうに私は解釈いたしますが、具体的に事実を逐つてみると、例えば今加里が、あなたのほうではまだその時期でないとおつしやるかも知れませんけれども、農村で例えば硫酸加里一つの問題をとらえてみても、現実に千三百円なり、千四百円の硫酸加里を農民が買つているわけです。ところが硫酸加里は元値は一体幾らかというと、農林省や通産省が輸入業者や販売業者にお世辞を使つて、たつぷりと口銭をみて安定帯価格というものを作つている、硫酸加里は九百五十円でしよう。これすらもすでに不当に中間口銭を農林省は見過ぎている。仮に見過ぎておらないでも、九百五十円が妥当だとしても、九百五十円でなければならんという農林省が安定帯価格の指示をしている、それを上廻ること実に四百円、四百五十円という値段で今農家が買つておる、こういう事態が起つているわけです。併し衆議院のほうの御意見では、これは一時的の現象であつて、すぐにこれは農林省が言うところの九百五十円内外に安定するであろう、であるから、ここですぐに硫安と同じように加里というものを品目に謳わなくてもいいのだ、こういう御認識だと思うのですが、百歩を譲つてそういう認識の下にやられたとしても、外貨の非常に窮屈なときに、この秋なり、もつと早くこの夏なりに、これでは加里肥料は置けないという事態はこれは私はやはり一応想像しなければならん、そうなつたときにこの法律の原案では運用が付かないのです。あなたのほうは審議会の議を経て、政令によつて加里でも過燐酸でもいつでも追加ができるというお心持でこれをお出しになつておいででしようけれども、現実にこれは運用が付かないのです。そこで私は十一条と二条の関連が少しもないので、この矛盾は一体どういうわけかということをお尋ねしておるのです。
#14
○衆議院議員(綱島正興君) 先ほどから申上げます通り、勿論この対象としておるもののうちに審議会の議を経て政令で指定されるものということの中には、今申上げたようなものが立法者の意思としては大体予想されておるのでございますけれども、時期的には当分この「肥料」でやつて行けば行けるし、それから問題はそれを全部やるということになりますと、例えば過燐酸のごときものとかいうようなものは、硫安と同じ規定ではこれはやれんのじやないか、それから加里などもこれは制度上の問題でなくて輸人の問題でありますから、御承知のような問題が出て参ります。これらのほうはいま少し運用でやつて行けるという考え方と、いま一つは輸入業者の点よりはむしろ末端の販売機構によつての価格の拡大が非常に大きいように思いますので、それらの点については又別な面から指導措置を考えるほうが妥当じやないかというように考えておりますので、さような立法をいたしたわけであります。
#15
○河野謙三君 我々立法府で厳粛な立法措置をやる場合に、やはり将来に備えて、あらゆる予想し得る問題はこれは法律に盛つて行かなければいかんことは、今更私が言うまでもないと思うのです。然るに私が再々申上げますように、二条と十一条の関連というものはここに断ち切られておるということは、何と申しましてもこれは私は衆議院側の一つのミスじやないかと思うのです。これは私は金子さんにもお伺いしたいのだが、若しミスでないとするならば、あなたたちは政令で必要と認める場合に、審議会を開いて政令でやる場合には同時にこの法律を改正するということを今から予想されておられるのですか。法律を改正しなければできません、これはできないことは事実なんです。法律改正をこれは予想をされておられるのですか。それとも逆に、もつと悪意に解釈すれば、成るほど表題は「硫安」を「肥料」に直して「重要肥料」というものを加えたけれども、あなたたちの精神というものは、加里も過燐酸も化成肥料もそんなものは将来とも考えていないのだ、硫安を肥料に直したけれども、実質的には硫安だけ考えているのであつて、ほかのものは考えていないのだ、こういうことでありますか、どつちかはつきりしてもらいたいと思うのです。
#16
○衆議院議員(金子與重郎君) この第二条の「重要肥料」というものを政令で定めて、全般の重要肥料を一応仮定において法律修正をいたしました。そうしますると、その裏に返つて来る第十一条の問題につきまして、肥料の生産者、いわゆるメーカーのほかに国内生産のないところの、加里肥料は絶対にないとは言えませんけれども、特殊な加里肥料は生産者がありますけれども、大部分の肥料は輸入でありますからして、これは当然生産者というものと並べて輸入業者というものに対する立場を十一条の性質と同じ立場におけ、こういうお話は御尤もだと思うのです。そのまま私はすなおに納得します。それをどうしてそれなら衆議院は入れなかつたか、それを入れないのは、肥料全体に対する管理をするというような大きな表題は掲げておるけれのも、実質的にはする意思がないのじやないか、こういうお小言がありましたけれども、それほどでもないのであります。それほど欺瞞をした修正でもないのでありまして、その点はどうぞ御了解願いたいのです。ただこれを次にありますところの、衆議院として考えておりませんことは、生産者と同じ意味に輸入業者を入れるということに対しては筋が通つておると思います。併しながら、販売業者にまで価格の規制なり何なりを及ぼそうと、一気にそれは衆議院としては考えておらなかつたので……。
#17
○河野謙三君 まあ金子さんから、一つの衆議院のほうの修正について、第十一条に輸入業者を入れなかつたことについてはミスであつたかのように私はあなたから自認されたと、そう受取りましたが、そこで、そのついでに販売業者を入れることについての御意見がありましたが、これは私御意見が出たからついでに申上げますが、硫安の場合はこれは過剰対策です。ところが将来予想される過燐酸なり加里の場合は、特に外貨が非常に今後窮屈になるという前提にものを考えた場合に、これは完全に不足対策です。過剰対策の場合には元の生産業者で抑えれば、これは大体いいんです。ところが不足対策の場合は非常に運用上困難ではありますけれども、できるだけ末のほうへ行つて、末端へ行つて抑えなければ不足対策の効果は挙げ得ないことは自明の理なんです。あなたよく御存じのはずです。現に理窟を言うよりも、硫酸加里が、農林省から説明を聞けばわかりますが、一体向うから幾らで入つているか。輸入業者が高く売つているのじやない。その次の卸売業者、小売業者、協同組合や単協のほうの段階がべらぼうに儲けているのです。こういう現実に言つて農村を悩ましている問題があるわけなんです。でありますから、硫安の場合は生産業者を抑えればいいんだから、過燐酸や加里を将来政令でやる場合には、生産業者、輸入業者の元で抑えればいいということは私は意味がないと思う。片方は過剰対策であり、片方は不足対策である。不足対策の場合は末で抑えなければならん。過剰対策については元で抑えればいいんです。この理窟については、理窟のみならず現実の今の硫酸加里なり、塩酸加里なり、過燐酸なりの流通過程には、私よりも金子さんは両院を通じて末端のことを一番よく知つているのだから、私の申上げたことに同意を願えませんか。
#18
○衆議院議員(金子與重郎君) なぜ衆議院が、販売者に対する価格指定というものをやらないというのでなく、少くとも第二義的に考うべきだと、この際は考うべきでないと、こういう結論に達しました理由は、末端価格まで抑えようといたしますれば、そこに配給の過程におきまして、配給費の非常にかからない地域がありますし、又配給費その他の営業費の相当嵩む地域等もある。そうしますというと、仮に全国オン・レール、共同計算の形にいたしましたといたしましても、その先の小売販売その他において配給統制するまで行きませんと、この価格を生なかに抑えますと、よほど慎重な態度で抑えませんと、その同じ価格でもつと有利なところへ行く、配給上不利なところにおいては商行為が行われないと、こういうような逆の結果を、これは統制時代にも経験したのでありますので、この際、河野委員のお話はわからないではないのですけれども、よほど慎重な態度で行かなければできないもんだろう。従つて先ず第一番に第一段としては、元売り関係を考えるべきだ。然るのちに肥料事情が非常な窮屈をして参りまして、それに対して極端な弊害が出て参りましたような場合がありました場合には、止むを得ず配給統制と相待つて、価格規制も行うべきじやないか、こういう結論でありましたので、販売業者に対しては特に第二義的に考えたわけであります。
#19
○河野謙三君 私も余りものを潔癖に考えて、過去の統制のように農家の庭先価格を肯定するというようなことは、それ自体は理論的には正しいけれども、その統制事務の煩鎖のために、又その間に非常な官僚統制の弊害が出ていかんということは、私はあなたと共によく体験したのでありまして、私はそんなことを言つているのじやない。だけれども、さればといつて、そういうことは非常に煩鎖であるから、販売業者というものは数が殖えるから非常に監督指導がしにくいからと、それだけの理由で、それなら輸入業者で抑えておけばいいということは俄かに同意できない。それは先ほど実例を申上げたように、加里の場合はよくわかつている。横浜なり、神戸に入つた加里が、輸入業者に第一段階に売る場合には決して高くない。輸入業者なんかが儲けても大したことはない。その次の段階、更にその次の段階へ行つて非常に大きく幅がとれておるわけです。でありますから、私は小売業者の段階を抑えようとは思いませんけれども、少くとも販売業者ということで先ず第一段階は卸売業くらい抑えて、それでいけなかつたら、その次の田舎の問屋さんを抑えるとかいう程度のところまで行かなければ、今金子さんの御議論によつて統制の弊というものを余りに虞れて、そうして、だから輸入業者で抑えればいいんだという御議論には私はならんと思うのですが、その点は金子さんどうでしよう。どこまでもあなたは輸入業者でいいと思われますか。
#20
○衆議院議員(金子與重郎君) 最前御答弁申上げました通り、飽くまで輸入業者乃至は生産者という、その最初の商行為のところだけ抑えて全部が満足できると、こういうふうには申上げておりませんので、何せ一切を手放しにした現段階においては、先ず手初めとしてはその元売りをやるべきだ、そうして然る後にその情勢如何によつては、或いはあなたのおつしやるような元売り或いは全国のオン・レールのところを抑えるという考え方もできましようし、なおそれでも肥料が国際情勢その他によつて非常に悪いときには、万止むを得ず一つの、例の統制にまで入るので、価格と相待つてそこまで行かなくちやならんことも或いはあるかも知れません。併しながら、この法律の今日の段階としては一応この線で行こうじやないか、こういうことが衆議院の大多数の考えであつたので、そのまま率直に申上げる次第であります。
#21
○河野謙三君 勿論衆議院の修正でありますから、金子さんの意見そのままじやないので、そこにいろいろな妥協があつて、あなたも良心的に非常に苦しんでおられる点はあると思う。私は今衆議院に伺つているんじやなしに、金子さん個人に伺つておる。あなたは今販売業者とおつしやいました、元売業者とおつしやいましたけれども、それは輸入業者のことを言つているんですか。元売りというのは、輸入業者の次に元売りがあるわけですね。その輸入業者の次の元売りですか、あなたのおつしやるのは……。
#22
○衆議院議員(金子與重郎君) 輸入業者又は生産者をここでは第一段に指しておるわけであります。
#23
○河野謙三君 今あなたが元売りとおつしやつたのは輸入業者のことですか。
#24
○衆議院議員(金子與重郎君) そうです。元から放たれるといういわゆる業態の元売りじやなくて……。
#25
○河野謙三君 それで若しうまく行かなかつたときには次に考える、そこでうまく行かなかつた実例を聞きます。農林省一つ答弁して下さい。あなたのほうは役所の太鼓判を押して加里の安定価格というものを指示していますね。それはなぜあなたのほうの責任でやれないか。今末端で千三百円、千四百円の硫酸加里を買つておることは御存じでしよう。三十円や五十円高いんじやない、四百円も四百五十円もあなたのほうが指示しておる価格よりも高い。而もそれを見ていてどうにも指示できないのはどこに一体原因があるのです。金子さんは、やれるだろう、やれないときには次に考えなければならんというけれども、やれるかやれないか、現に農林省がやれないんだ。あなたはやらないのか、やれないのか、それともサボつているんですか、御説明下さい。
#26
○説明員(林田悠紀夫君) 仰せのところ誠に御尤もでございまするが、大体硫酸加里の一番末端の小売りの価格といたしましては、私らのほうでは千円程度というものを考えておる次第でございます。現在のところは最近非常に高いところが一、二ございまして、共同通信に委託して調査してもらつておるのでございまするが、千三百円或いはそれ以上というふうなものが二カ所くらい出ておる次第でございます。これにつきましては、本年の四―九の外貨におきましても十五万トン入れるということにいたしておりまして、昨年は十三万七千トンくらいは同期の外貨でございましたのですが、それよりも余計入れることにいたしておりまして、相当数量の上では入つておるというふうに考えておるのでございまするが、何分にも外貨が窮屈であるというふうな宣伝が相当行届いておりまして、そういうふうな思惑の点もあつて上つておるのではないかと思うのでございます。そういうふうな点で思惑が外れて参りまして、相当本年の外貨できめておりますように、入荷も順調になつて出て来るということになりましたならば、次第に落着いて来るのじやないかということも考えておるわけでございますが、現在の情勢としましてはそういうふうな情勢になつております。
#27
○河野謙三君 いや、肥料課長さん、私は将来のことを聞いておるのじやない。今まであなたのほうが九百五十円とか、千円とかきめている。こういうものは不当ですよ。きめ方が悪いのですよ。併し一応あなたのほうがきめているものを現実に市況が千三百円とか、千四百円している。これはつい一週間、二週間の問題でない。ずうつとそうですよ、過去一、二カ月。これをどうしてあなたのほうが抑えなかつたか、抑えようとして抑えられなかつたのか、そうだとすればその原因はどこにあるか、それともあなたのほうはただ傍観しておつたのか。金子さんのお話によると、これはあたかも抑えることが可能であるかのような御議論であつたから、それならば農林省はなぜ今までそういう手を打たなかつたか、これを私は伺つておる。将来硫酸加里をどうとか、こうとかという話を私は今聞いておるのじやない。今まであなたのほうがきめた安定帯価格と実際の市況とこんな大きな幅があるのを農林省はどうして抑えなかつたか、抑えられなかつたか、抑えられない事情はどこにあつたか、それを伺つておるのです。
#28
○説明員(林田悠紀夫君) 仰せの点誠に御尤もなのでございますが、実は加里は河野先生御承知のように全購連が六割程度を買入れておりまして、全購連の共同計算の価格というものは相当安いところできまつておるのでございます。従つて全購連は県の経済連に対しましては相当安く売つておるわけでございまして、共同通信の調査を私どものほうでは重視しまして加里の価格というものを考えておるのでございますけれども、併し共同計算の結果の価格というものが必ずしも直ちに共同通信の調査の結果として上つて来ないというふうな点もございまして、あの高い価格のほかに相当安いものもあるのじやないかということも考えておる次第でございます。従いまして、加里全体の価格としては相当安いものもあるのじやないかということも考えられるわけでありまするが、なお遺憾ながら非常に高いものも出ておるわけでございまして、その点につきましては、まあ加里全体がそれだけ高くなつておるのであるかどうかということにつきましては、なお疑問を持つておるような次第でございます。併しそういう点につきましては、まあ高いものはあるのでございますから、非常に遺憾でございまして、併しそれを根本的に安く持つて行くということになりましたならば、将来配給統制までやらなければ、なかなか末端の価格までも統制して行くということは困難じやないかということを考えておる次第であります。
#29
○河野謙三君 農林省の肥料課で、今硫酸加里の例が出ましたが、これは塩化加里でも同じですよ。全国的に調べてみたところが一、二カ所だけだ、そういうことを言うたらとんでもないことですよ。例外なしですよ。これはあなたのほうで各県に肥料の担当官があるはずです。共同通信も結構ですが、そういうもので調べて御覧なさい。例外なしですよ。これは非常に認識が不足しておるから僕は大いに御注意申上げます。それで今あなたがおつしやつたように、全購連はあなたのほうの手の届く範囲で全購連のほうにはこれだけで、輸入業者が取つた加里というものはこれだけの価格で売れということで、大体あなたのほうで監督もできるし、又監督の下に全購連は高く売つておりません。全購連以外の商人系統の中央の問屋さんは、多少のことはやるけれども、そんなべらぼうなことはやつておりません。それから下なんですよ。それから下がいけません。これはあなたは御存じでしよう。全購連を庇うわけじやありませんよ。全購連は高く売つておりません。ところが県連なり、単協に行つてそこで一貫当り百円も二百円も三百円も高く売つちやうのです。こういう現実の問題を考えて、これはものが不足する場合には当然なんです。そこで今衆議院の修正案の中にはこれはない。硫安と同じように過燐酸加里を考えておられる。片つ方は過剰対策で片つ方は不足対策なんだから、これじやいかんじやないか、こういうことを言つておる。金子さんお聞きでしようか。現に加里の問題で現実に農林省はどうもこうもならんのですよ。千円以上には売つちやいかんと言つていながら、どうもこうもならんのですよ。それは誰がやつているか、全購連じやないのです。中央の問屋さんじやないのです。県段階なんです。町村段階なんです。だからもう衆議院で修正されて第二条で重要肥料ときめて、重要になれば加里も過燐酸も、石灰窒素も入つておるのだ、それで十一条で受けて、必要がある場合には云々ということは、これは当然この輸入業者なり販売業者が入つておらなければならん。それをあなたが東京で生つ白い手をして田舎のことを何にも知らないかたなら……、金子さんのように末端のことを知り抜いておつて、そこに穴をあけておるのはおかしいと思う。金子さんもう一遍答弁して下さい。
#30
○衆議院議員(金子與重郎君) 穴をあけておるということを申しますと、作為的になるかと思いますけれども、これは穴をあけておるのじやなくて、ものには順序があつて、只今は全く手放しの形になつており、御承知のように硫安の場合には出血輸出になつておつて、その損害を農民が被る、或いはその他の不足肥料につきましては、商行為のままに任せておるという、こういう状態になつておるが、ここでこの法律のもともと最初におきましては、硫安の出血輸出の問題が元になりまして、そうしてその犠牲を農民に負わせんためにどうすることがいいかということがそもそもこの硫安需給調整の法律の初まりでありまして、ところがこれは河野委員も同感だと思いますが、この法律が長い期間かかつておる間に、社会情勢が変つて参りまして、硫安そのものに対してはそう期待はできないけれども、むしろほかの肥料に対する心配が、ややもするとここのところにあつて楽観できないのじやないか。こういう社会情勢の変化がありまして、こういつた硫安の法案というものを、肥料全体に一応網をかけなくちやならんのじやないだろうかというのがこの修正の意図でありまして、その修正の意図については河野委員もきつと御同感だろうと思うのであります。そこであなたの場合は、販売業者が結局暴利を貧つておる面があるのだ、だからこれを一緒に抑えんことには、元から出るところの生産者なり仮に今加えたといたしまして、輸入業者を入れたとしても、その先なり、その又先の価格というものに対する制約というものがなければ、農民の立場から見た価格の安定というものに対する目的を達しられないのだ、こういうお話でありますけれども、そういう場合に、この販売業者というものに対する価格指定を行うということがこれから抜けておる。併しこれは抜けておるのは、おのずから一つの段階を踏んで行くべきじやないか、こういうようなつもりで、これは何遍申上げても同じでありますが、一応最初にやつてみる。そうしてあとは、仮に全購連のような系統機関のようなものであるならば、或いは一つの指示なり注意なりでやつて行けるだろう。或いは商行為はその指示も注意もできないからして、その弊害ははつきりあなたの場合にはもう出ておるじやないかと言うけれども、まあ私のほうは、この法律を施行して、そうしてそれらのことは審議会の慎重な審議に待つてこれを行いたい、行う必要がある場合にはそうしたい、法律として最初からそこまで持つて行かないでもいいのじやないだろうかと、こういうふうに考えております。
#31
○河野謙三君 いや、私はたびたび言いますけれども、現実に全購連はちやんと適正口銭で売つているのですよ。それから全購連は、これは末端には適正価格で売れということを指示しておるのです。併し先ほどから申上げておるように、実際の市況というものはその通りに動いていないということ、この現実をあなたの前に示しているわけなんです。私が示すよりはあなたのほうが私より先に知つておるはずなんです。この元は、理論的に言うならば不足対策の場合にはすべてかくあるべきなんですよ、これは原則ですよ。過剰対策の場合と不足対策の場合は別ですよ。あなたのほうで、不足対策であるところの過燐酸加里というものを、過剰対策である硫安というものと全く同じ理論に基いてやつておるところに私は間違いがあると思うのです。併しこれは権威ある衆議院のほうに私の意見を押付けるわけに参りません。私は納得しないままにもう一点他の点を伺いますが、次に過燐酸ですね。過燐酸も重要肥料の中に入つておると言いますけれども、過燐酸を必要があつた場合にこれを買取つて全購連に貯蔵させるということは、これはできないのですよ。品物の性質上できないのですよ。二条で過燐酸を予定しておられましても、実際問題として過燐酸の貯蔵はできない。これは一体どういうことですか。過燐酸の貯蔵が可能という前提でお考えになつておられるようですが、あなたは可能とお考えになつておられますか。
#32
○衆議院議員(金子與重郎君) 前段のお話を一言補足しておきますが、販売業者の指定価格を行えるようになぜしなかつたかという問題につきまして、最後にお話がありましたが、これは今でも不足肥料に対して末端価格が相当暴利に近い結果が現われていることは承知しておりますが、併しながら、さればと言つてこれを相当いろいろの角度から見まして、用意周到な形で価格を抑えませんと、丁度戦争の始まりの当時に、一部の重要商品を価格規制をいたしまして、配給統制をやらなんでやつた時代があつたのでありますが、その当時でも一つの物に対して端的にこう価格を抑えますと、結局その過程における商行為は、その品物とほかの品物を抱き合せでなければ商行為は行われないというようないろいろな問題が出て参りますので、それやこれやを考えましたときに、とにもかくにもこれらの問題につきましては、飽くまで第二段の形として、審議会等においてあらゆる角度から研究した後に一つ考えたいと、こういうことであります。それから第二の今の問題でありますが、過燐酸が仮に需給調整の安全弁として何%かの保管をやろう、その保管をやるときになりますと、これは当然消費の立場にあるところの、仮に全購連がこれをやるといたしましても、あの強度の酸性を持つた肥料が半年なり乃至はそれ以上の長期貯蔵には堪えられない。それなれば、それはどうするかということであります。そういたしまするというと、これは僅かな量であれば別でありますが、相当大きな量ということになりますと、これはどうしても原料というものでチヤージするよりほかない、こういうことになるのであります。そうすると、当然そんならこの法律の中に燐鉱石ということをどうして謳わないかと、こういうことなのであります。そこでこの問題は前の問題と同じように、丁度先ほどのお話と同じようなことがここで繰返されるわけでありますが、その必要が迫つたときにはやはり一応過燐酸なり熔成燐肥、若し貯蔵の必要があるならば熔成燐肥のようなものなら貯蔵ができる。こういうようなことで、それで間に合わないという場合には結局政令を……、そこまで施行するときには法律を、非常にその点は今河野さんからいろいろお叱りを受ける問題になりますけれども、そのときに法律改正しても、そういう必要があつたときにしても遅くはない。できると、こういうふうな話が最後の衆議院の最大公約数として出たのであります。率直に申上げまして、審議の過程を申上げますと、燐鉱石を入れるという意見も当初出たこともあるのであります。併しながら、そこまで行かないでもいいだろう。それで燐酸肥料としてもあながち貯蔵のきかない肥料ばかりでない。又貯蔵する量の問題もある。従つてその情勢というものはやはり審議会のほうでいろいろ御研究なすつて、それを過燐酸を指定すると、而も指定して相当量の貯蔵を要するという場合には、年に二回以上は必ず国会も開かれることであるからして、若し法律が必要であればそのときでもいいんじやないかということが結果として出たので、法律の修正としてはこの程度にとどまつたわけであります。
#33
○河野謙三君 この立法の根本精神があなたと私と違うことがわかつたのです。あなたのほうは、一応将来いろいろの事が起つたそのときにどんどん簡単に法律を変えればいいじやないか、こういう仰せのようですが、私のほうは先ほども申上げたように、少くとも権威ある立法をする以上は、あらゆるケースを予想して、そうしてこの法律の中に網羅しておいて、その運用は行政府に任せるということが私は立法者の心構えでなければならん。かようなふうに私は思つておりました。ところがあなたのほうはそうじやなくて、それは河野の言うようなことも考えられるけれども、それはそのときはそのときで法律を直せばいいじやないか。こういうふうに法律修正というものを非常に簡単にお考えになつておる。そこに私は非常に違いがあると思う。でありますから、これはもうお互いに議論しても駄目ですわ。私は今申上げたような趣旨によつて立法は考えなければならん。そこで先ほどの輸入業者なり、販売業者というものを入れて置いて、若しあなたのおつしやるように輸入業者だけを押えて、それで販売業者はやらなくてもいいという意見ならば、それが審議会の意見なり、行政府の意見ならば、それは何も法律に販売業者と書いて置いても、これは両方ちやんと備えて置いても、その運用は審議会の意見というものに任せるならばいいことなんです。立法者としてはそういうケースをいろいろ考えて立法をしなければいかん、こういうふうに私は思つているのです。今の過燐酸の場合についても、あなたはよくおわかりになつているでしよう。過燐酸は貯蔵できない。これは重要肥料で必要があつた場合には審議会の議を経て政令でやるのだ。やるのだけれども、先ほども申したように、実際には過燐酸は貯蔵できないということになると、燐鉱石の貯蔵以外に手はないと思う。そうすると、第六条に主要原料と言いますか、燐鉱石と言いますか、そういう字句を入れて置かなければ、それも少量にして過燐酸を短期間でいいということになれば、何も燐鉱石をやらなくても過燐酸でやればいい、一応将来に備えて主要原料というものを入れて置くのが本当の親切な立法じやないかと私は思うのです。こう思うのです。私もあなたのほうの立法の過程においてのいろいろな御苦心というものはよくわかつているから、私は野暮にこれ以上あなたには申しません。ただ、この機会に申上げて置きたいのは、通産省と農林省の今日御出席になつております局長さんではちよつと無理だと思うが、両大臣によく相談されて、この過燐酸というものを、必ずしも法律に主要原料と入れなくても、これは通産省、農林省で行政措置によつて燐鉱石というものの外貨割当というものを需給団体である全購連なら全購連に任せることができる。だから行政措置によつて両大臣がよく完全に意見が一致しておやりになるということであれば、あえて私はその主要原料を法律に入れなくてもいい。これは今日若しお答えができれば……、行政措置でできますかということは今日は無理だと思いますから、なお両大臣に、月曜日の委員会までにこれは一体両大臣が完全に意見が一致して行政措置でやり得るかどうか、これを一つ御答弁願いたい。参考までに申上げますが、農村資材の中で需給団体に原料の割当をしていないのは肥料だけですよ。農薬にしてもパラチオン剤というものはすでに割当です。全購連に割当を出してやつている。餌にしても大豆、「とうもろこし」、こういうものは需給団体に割当をしている。してやつている。でありますから、そういうことは何も事新らしい行政措置ではありませんが、この燐鉱石に関してのみ農村の需給団体に原料を割当てることを敬遠している。これはいろいろバツクがあると思いますけれども、併し如何に大きなバツクがありましても、我々そういう筋の通らんことをいつまでも黙つて見ているわけには行かない。行政府のほうで両大臣がこれを行政的措置によつてやる、従つて我々のほうの主張の法律の改正をなす必要はないと、こういう意見であるならば、これはその問題は又別に考えますが、これを特に両大臣から御答弁を聞きたい。若しそうまでしなくても、これだけ重要な問題でありますから、もうすでに再々農林、通産両省で御協議があると思いますので、若し答弁ができればこの機会に御答弁を頂きたいと思います。御答弁頂けませんか。
#34
○政府委員(平野三郎君) 只今のお話でございまするが、全購連に肥料を貯蔵させるということは、これは過燐酸の場合は困難でございまするが、すでに硫安にしてもやはり適当な時期に更新する必要があるわけでありまして、過燐酸はそれができれば、困難でありますけれども、やれないことはないわけでありまして、従つて重要肥料の過燐酸を肥料審議会において指定をされるということでありますならば、そういう場合もあり得ると思います。なお又お話の燐鉱石で貯蔵するということも行政措置におきまして不可能ではないわけでありまして、必要がありまする場合におきましては、政府としてそういうことも考慮に入れて善処をいたす考えであります。
#35
○河野謙三君 平野さん、それは善処じやなくて、はつきりと将来やるかやらないか、この法律の改正の問題と非常に関連がありますので、どうしてもこれは片つ方で言明を頂くか、さもなければ法律を直すか、どつちかするより仕方がない。今あなたが硫安でも過燐酸でも多少の程度の違いがあるけれども、両方とも貯蔵については同じだと言われましたが、これはちよつと私に譲つて下さい。私は肥料公団という役所に理事というものに祭り上げられて、私はこれを身を以て体験しておるが、過燐酸の貯蔵はできない、やつても非常に無駄な費用がかかつてどうにもならないのです。硫安ならば半年や八カ月、十カ月は平気です、過燐酸の場合はできない。これは議論じやなくて、私自身が身を以て体験したんだから、これは尊敬する政務次官であるけれども、この問題については、あなたには材木のことは譲りますけれども、肥料のことは私に譲つて下さい。これはどうもそういう議論を聞くわけにはいかない、でありますから、この過燐酸の貯蔵につきましては法律によつて主要原料を入れるか、さもなければ行政措置でやるか、どつちか一つをきめなければならんと思う。これは提案者のほうの金子さんのほうもよく事情がわかると思う。それから次に保管団体の問題はごちやごちやしていますが、あれは私は保管の趣旨というものはよくわかつてないと思うのです。私はこの提案者に伺いたいんですが、私はこの保管というものは、価格調整もさることながら、むしろ需給調整に非常に私は重点があると思う。そういう意味合でこの保管を都市に保管しておつても何も意味がないのです。末端のこの農家の、もつと具体的に言うと単協の倉庫に入れておいて明日の肥しが間に合わない、田植が間に合わないというときに、そこでこのストツクを需給調整にすぐ使えるようにするということに私は非常に重点があると思う。そうでなくて、このストツクというものを価格調整というものに非常に重点をおいておるから、そこで価格調整ならば町に置いても村に置いてもいいじやないか、むしろ町に一カ所に便利なところに余計積んでおけばいいんじやないか、それならば商人でも農協でもどつちでも同じじやないかという議論が出るんですが、一体衆議院ではストツクについてどういう趣旨でお考えですか。私は今申上げたような趣旨に心得ておりますが、あなたのほうはどういう趣旨にお考えになつておりますか。
#36
○衆議院議員(金子與重郎君) この法案にありますところの保管団体の持つ肥料を、どういう理由で保管団体の必要によつて保管する必要があるかということは、衆議院としての考え方は二つでございます。一つの考えは、只今の河野委員のおつしやつたように、肥料というものが常に必要なときに必要な水道のカランをひねることによつて水が出るように行つておればいいんですが、実際はそうはいかん。都合によつては一つの災害がありますれば、すぐその地帯は肥料が不足して来る。例えばこの春凍霜害が出ているが、硫安なら硫安をすぐくれと言つてもそれはない、平生の場合災害がないということを予測しておりますから、そういう余分な肥料がいつも地方に買つてあるはずはない、商人もそれを売るつもりはない、春肥は終えておりますから……。そういうことが一年中全国のどこかで繰返されておる、そういう場合になぜ消費者の団体自体がこれを保管することが適当かと申しますと、一つには河野委員のおつしやつたように、成るべくブロツクを小さくして、そうして消費者の手許に近く置きたいことが一つと、もう一つは、その肥料を商うことによつてマージンを得るという機関でありますというと、その地帯に仮に災害なら災害がありまして、硫安なら硫安が非常に逼迫して参ります。そうしますと、一方自分自身の手持があり、一方に保管したものと二つ持つておつたといたしますと、私が商行為で行くならば、この保管したものをできるだけ放さないほうが、別な自己が持つておるものが値上りいたしますからして、どうしても放したくないという意欲を持つ、利益を得るにはそれよりほかないわけであります。そういうわけでありますが、それが消費する立場にありますものは、一方の値を上げて、もう一方の分だけを下げて来るということになれば、総体的には農民の払う金は、一方のほうが自己の協同組合なら協同組合の持つておるものが上らなくても、一方のものが安く農民に行けば農民は同じ立場になる。懐ろが一緒でありますから、従つて農民の懐ろと全く一致した一つの体系にあるものが保管することが適当だ、結論から申しますと、先ほど河野委員のおつしやつたように、先ずいわゆる消費者に対して生産を妨げないように、即座に間に合わせることが第一、第二には、そういう場合に価格の値上りということが必ずして来るんですが、その値上りの原因を放出によつて取去るこれが第二の原因です。従つてこの法案の別に修正点にもありますが、当初の案といたしましては、保管肥料を放出する場合には、審議会の意見を聞いて農林大臣は保管団体に命令するということになつておつたのでありますが、それじや間に合わない。不時の問題ができたときに審議会を招集してそれから硫安をどうする、こうすると言つておつたのでは、これは間に合わない。従つてこれは農林大臣と保管団体との間において応急の処理をして、然る後に事後報告として審議会に報告すればいいのだ、こういう修正をしたというのもその趣旨にあるわけであります。
#37
○河野謙三君 その点はよくわかりました。なお、この修正でもう一点だけ伺いますが、この審議会の委員ですが、これは私は半ば私の疑問が解消したから余り強くは言いませんけれども、これは丁度政務次官がおいでだから、この肥料の審議会に学識経験者七名として、聞くところによりますと、その中に国会議員を五名含むということを言明されておるそうですが、この言明にまさかに間違いはないでしようね。それはなぜこういう失礼な質問をするかというと、要するに米価審議会の委員も従来通り国会議員が入つたようでありますけれども、これも米価審議会の委員の任期はとつくに切れておるにかかわらず、今日まで米価審議会の委員の中へ国会議員を入れるか入れないかということで非常に紛糾して、そのために何か今日まで任命が遅れたということを聞いておりますが、成るほど米価審議会の委員にも国会議員何名と書いておりませんけれども、不文律に国会議員を入れるということは米価審議会出発以来ちやんときまつておる。ところがこの米価審議会の委員に国会議員何名と書いてないということを楯にとつて、こういう厳然たる過去の事実をあえて無視して国会議員を外そうというような、これは平野政務次官じやない、ほかのほうにそういうふうな強い意見があつたということを聞いておるので、仮にこの肥料の審議会にしても、私はこれは学識経験者でもいい。いいけれども、その辺必ずしも将来とも間違いなくこれは国会議員を含むのだということをあなたが言明されると同時に、責任を持つて下さるかどうかということを私は伺いたい。
#38
○政府委員(平野三郎君) 政府といたしましては、これらの審議会に国会議員にお入り頂くということを敬遠するというような気持は全くございません。むしろ大いに国会議員の方々に御活躍を願うことが望ましいと考えておるのでございまして、米価審議会の委員の任命が遅れたということも決してそういう意味ではなくして、ただ国会法の今改正ということが国会自体において論議の対象になつておるようでありまするが、その中でこうした政府の機関に国の最高機関の議員のかたがたが入られることは如何であるかというような議論があるということは聞いておるのでございまして、政府としてはそういう考えは毛頭ございません。従つて米価審議会の委員の手続きが遅れたことも、そういう意味では全くないのでございます。その証拠には、米価審議会の委員も学識経験者という資格で政府が任命することになつておりまして、従来は六人であつたのでありますが、今回は特に更に一名増員をいたしまして、七人のかたにお願いをするということにいたしたくらいでございまするから、この点は御了承を願いたいと思うのでございます。従いまして、今まで米価審議会の審議の過程におきましても、国会議員の方々の御活躍によりまして、政府としては非常に資するところがあり感謝をいたしておるくらいでありまするので、この肥料審議会におきましても、当然この学識経験者の中には国会議員が含まれるものであるという了解の下に善処をいたす考えでおるわけでございます。
#39
○河野謙三君 衆議院のほうは政府からやはりちやんとそういう固い約束ができておりますか、今この米価審議会のいろいろいきさつを言われましたが、これは平野さんが非常に活躍されて今度のように国会議員を指名するようにしたその努力は聞いておりますけれども、その前のいろいろのごちやごちやについては、私は平野さんのおつしやつたことをそのまま受取れない。もう少し私のほうが詳しく知つておる。そんなことは申すことは野暮でありますが、金子さん、これは衆議院のほうは政府とどういうお約束になつておりますか。
#40
○衆議院議員(金子與重郎君) 率直に申上げますが、これは当初の原案としまして国会議員をはつきり明記いたしたこともあるのでございます。併しながら、この国会議員を入れるという、明記するということになりまするというと、そこにはほかの委員会との関係、いろいろの問題が、議論が沸騰いたしまして、そうして結論として意見がまちまちになつて収拾できないということになりましたので、そこで私は学識経験者二名に対して五名大幅に増員しまして七名にして、そうしてこれに対して私は同じように修正の責任者として、いろいろ衆議院の農林委員会に出て、今河野さんのおつしやるような意味の御質問を受けたのでありますが、その際に二名のものを七人にすると私はいたしましたが、而もこれは前の提案者の案としては、国会議員というのがはつきり謳つてあつた。それをただ国会議員という字を削つて、そうして学識経験者という中へ五人という数字を殖やしたという意味に対しては、政府は私がどういうふうな方法をとれというふうなことでなしに、わかつておるはずだ、だからそれに対してそういう答弁を私はいたしております。そうすると、政府はその御意思は了承しておりますと、こういうことが衆議院での問答でありました。
#41
○河野謙三君 そこはどうももうちよつとはつきりしてもらわなければ困る。そういう何か高等政治でなくして、ここで七名の中には国会議員を五名含んでおるということをあなたからもおつしやつて頂きたい、私は平野政務次官からももう一度一つ御答弁頂きたいと、かように思います。それさえ頂ければ、あと衆議院の修正箇所以外の質疑を私は保留いたしまして、一応衆議院の修正箇所についての質問は、一応これで終ります。もう一度一つはつきり言つて下さい。
#42
○政府委員(平野三郎君) 衆議院で御修正になりまして学識経験者を増加せられましたのでありまするが、この学識経験者の中には、国会議員が当然含まれるものという了解をいたしておるのであります。
#43
○河野謙三君 金子さんもその通りですか。
#44
○衆議院議員(金子與重郎君) そうです。
#45
○委員長(片柳眞吉君) ちよつと私からも伺いたいのですが、修正に関連するので、ちよつと質問をしておきたいのですが、第三条の需給計画で、さつきの河野さんの質問に私は実態的に関連して来ると思うのですが、全肥料になつて来ますると、この需給計画の中には国内消費見込数量、これはまあ当然でありまするが、それにプラスして需給調整用としての保有数量、これは加里であるとか、燐鉱石についても、これは当然適用されて来ると思うのですが、そうなつて来ると、現在の外貨事情もありまするが、併し農林大臣と通産大臣がこの需給計画を、保有数量を加えてこれは当然計画が策定されまするが、その結果当然に需給調整用の数量も含めての外貨の割当もないと、この計画はペーパー・プランになつてしまうわけでありますが、そこまでの強いこれは効果がなければ意義がないのじやないか。外貨事情等で計画に乗つても需給調整用が実際上入つて来ませんと、折角の河野さんの御議論も、実はもう貯備する余力がないという結果になつてしまう。これは極めて重大な点であつて、この需給計画によつて当然これは外貨の割当がなければおかしいと、こう思つたのですが、この点はどうですか。
#46
○衆議院議員(金子與重郎君) この問題は非常に重要なポイントでありますので、私どものほうでも特にこれを検討いたしてみたのでありまするが、幸いにしてと申しますか、いわゆるその外貨割当の主務省というものが、通産大臣というものが主力を持つておりますので、同じ責任を一つのところの省が持つておる関係上、審議会の意見というものも当然それに対する外貨割当の問題に対して意見が述べられて来なければならんと思います。従つてその問題も全然ほかの省でありません関係上、通産大臣である以上は、この国内の需給見込であるとか、乃至はそれに附随するところの保有数量というものは、元を質せば外貨の割当がないことにはどうにも始まりませんので、この外貨の割当の問題は特に謳いませんけれども、前に一遍申上げましたように、通産大臣の計画の中に入つておりますので、一つの効率的というか、むしろ両方のことを承知しておるという両建、両方の問題を、肥料の需給問題とそれから外貨の問題と両方一つの人が兼ねておるから、そこで善処させよう、そういうようなことで話は終つたのであります。
#47
○委員長(片柳眞吉君) もう一点、これはこの間一応の御説明がありましたのですが、実は私参議院の通産委員会からも申入がありますので、重ねてはつきりしておきたいと思うのですが、第十七条で、販売業者の代表三人以内を一名減じまして二名以内にしました理由をもう一遍一つお伺いしたい。
#48
○衆議院議員(金子與重郎君) これは肥料の販売業者というもののうちへ、いつも消費者の人たちは販売業というふうな立場に置かれたのであります。だけれども、これは正確な意味から申しまして、これは消費者なんでありまして、消費者の代表なんでありまして、販売者の代表じやない。こういう見解なんであります。要するに消費団体というものは消費者の代表なんだ。それは従前まではいつでも販売業者の仲間へ加えておる、こういう点から言つて、これは肥料の消費者を代表するものと入れ替えるべきものじやないか、こういう考え方であります。
#49
○委員長(片柳眞吉君) そうすると、実態的には、例えば農業協同組合等が大体それに当ると思うのですが、こういう団体は、原案では販売業者に入つておつたものを消費者代表に実態上振り替えた、実態的には変更はない。
#50
○衆議院議員(金子與重郎君) そういうことなんです。
#51
○委員長(片柳眞吉君) 他に御質問はありませんか……。ではこれで休憩をいたします。
   午後一時休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十三分開会
#52
○理事(宮本邦彦君) 只今から委員会を開きます。
 午前に引続きまして臨時硫安需給安定法案を議題にいたします。
#53
○江田三郎君 これは柿手さんのほうでお答え頂いていいんですけれども、誰から答えられてもいいんですけれども、ただこの政府としてのきまつた見解を答えて頂きたいので、個人の考えなら答弁は要りません。というのは、この修正の十三条の販売価格の最高額をきめる場合の「生産費又は輸入価格を基準とし、農産物価格、肥料の国際価格その他の経済事情を参しやくして定める。」、こういうことになつていますが、これはその基準とするということ、或いは斟酌するということは、具体的にはどういうことなのかという点なんです。そこで先ず順序を追うて聞きますと、生産費又は輸入価格を基準とすということは、生産費又は輸入価格を完全にカバーできる価格と、こういう意味なのか、或いは生産費又は輸入価格よりも下つてもいいということなのか、基準ということは一体何であるかということを一つ。それで前以て言つておきますけれども、これは政府としての正規の見解を聞かしてもらいたいのです。
#54
○説明員(柿手操六君) 政府としての最終的な見解というものは、私まだ最後的にきまつておらないのじやないかというふうに考えております。私説明員でありますし、殊にこの前の十一条、今度の十三条は、先ほど来衆議院のほうの修正をなさつたかたの御説明にございましたが、政府提出の法案を衆議院で修正されたというような経緯もございまして、提案当時の法案につきましては、大体の運用につきまして考えがあるのでありますが、衆議院においてその後政府提案を修正された、この修正案につきましての運用方針ということは、まだ決定をいたしておらないように伺つております。
#55
○江田三郎君 じや修正によつて附加された「輸入価格」或いは「肥料の国際価格」、こういう点は別にして、最初の政府原案以来使われておるところの「基準」と「参しやく」という言葉の具体的な内容から答えられますか。
#56
○説明員(柿手操六君) これはどこまでも生産費というものを基準にいたしまして、いろいろな経済事情を斟酌してきめるという程度のこと以上には、どういう程度の基準の取り方或いは斟酌の仕方ということにつきましての具体的な点につきましては、まだ政府部内においての最終的な具体的取極めはしておらないのであります。こういう点は非常にむずかしい点でありまして、肥料審議会等において十分御議論を願うと思うのでありますが、ただ一応私どものこの法律案を作りますときにきめました生産費を基準とするという、その生産費の取り方につきましては、これはしばしば御説明を申上げましておる通り、現在工場、会社が十四社あるのでありまするが、その中には、必ずしも同じ方法でないのでありまして、原価が違つております。ですからそれのどういうような原価を取るかということが、基準にする生産費の取り方ということが当然問題になつて来るのでありまして、これなんかにつきましては、いろいろ方法はあるのでありますが、一応我々のところで協議しておりますのは、各社の生産費を調べたものを並べてみまして、生産費の安い工場からずつとそれを積重ねまして、国内の消費量に相当する数量及びこの法律の第三条において需給計画を定めることになつていますが、その需給計画において国内の調整保留としてリザーヴしますその数量、その合計量に達するまで下から安いコストのものを積上げまして、それを生産量で加重平均した一つの生産費というものを求めまして、それを基準にして、そうしてその他の経済事情を斟酌してきめるという程度のことにつきましては、私どもの担当のところで大体の考え方を検討しております。
#57
○江田三郎君 私の尋ねているのは、今のあなたのお答えは生産費の説明なんです。私がいうのは生産費を基準にするという、その「基準とし、」というのは、生産費を完全に補償して行くという意味なのか、或いは「基準とし、」というのは生産費から多少上下してもいいということなのか。どちらなのかということなんです。
#58
○説明員(柿手操六君) それは当然に生産費そのものを完全に……、只今申上げましたようなふうにして計算した一つの生産費が出ます。平均生産費が出ますが、絶対にそれを下廻らないようにする、或いはそれより幾ら上げるというようなことは、この法案では考えておらないのでありまして、これを基準にしてその他の経済事情を斟酌してきめるのでありますから、この計算した価格より低い場合は当然想像しておるのであります。
#59
○江田三郎君 そうすると、農産物価格、まあ修正案になりますけれども、そのうちの「肥料の国際価格その他の経済事情を参しやくして」ということは、もつと具体的に言えば、先ず前段で生産費を完全に補償するところの基準というものができて、それに「参しやく」というのは、別な言葉でいえば或いはそれを下廻る、こういう意味なんですか。結果として出て来るものはそういうことになりますか。
#60
○説明員(柿手操六君) 特に生産費というものは何円何銭というものが出ますから、それを一応目安にしまして、ここにあります農産物の価格とか、その他の経済事情を斟酌いたしましてきめるというのでありますから、農産物の価格は通常であればこの算出しました生産費で価格をきめていいという場合でも、こういう事情を斟酌して少し低目にきめるというようなことは、当然斟酌事項でやれるというふうに考えております。
#61
○江田三郎君 もつと一つはつきりお願いしたいと思うんですが、我々の見るところでは現在の、これは見解が違うかも知れませんけれども、農産物価格というのは完全に生産費を補償していない、こう思つておるんでして、それからその次の肥料の国際価格の場合には、若し自由に農民が外国から買うことができれば、現在より安い硫安を使用できるということは、これはもう誰が考えても一致している点なんです。従つてその他の経済事情というのは何を含むか知りませんけれども、少くとも農産物価格の内容、それから肥料の国際価格ということを斟酌する以上は、現状においては、将来どういうことになるか知りませんけれども、少くとも現状においては生産費を基準にしたものよりも若干下廻る結果が生まれて来るんだ、こう私はこれを読んで率直に受取るんですが、そういう受取り方は間違つているんですか。これははつきりしてもらいたいんです。ですから個人の見解なら要りませず、政府としての正式の見解をはつきりお答えを願いたいと思います。
#62
○説明員(柿手操六君) 政府としての見解のお尋ねでございまするが、それにつきましては私お答えをする資格もございませんし、その点につきまして、まだはつきりきまつてはおらないように考えますので、御容赦を願いたいと思います。
#63
○江田三郎君 農林省のほうはどうですか。
#64
○政府委員(小倉武一君) 農産物の価格、それから輸入価格等を斟酌することによつて生産費よりも下廻るような公定価格が規定されることがあるかどうか、こういうことに関連しての御質問でありますが、「生産費を基準とし、」ですから、法文の通りに読めば、それを上下するということはあり得る、これは法文の解釈からも恐らくそういう意味に当然解釈すべきだと思います。ただこれから運用して参ります場合に、この農産物の価格の斟酌の仕方、或いは輸入価格の斟酌の仕方、或いはその他の経済事情の斟酌の仕方如何によります。又それらの事情がどういう状態にあるかということに依存するところが多いと思います。例えば農産物の価格、これが現在の生産費を償わないかどうかということについてもいろいろ議論がございます。又直接生産費を償わないという事情を斟酌するのか、或いは硫安の価格と農産物の価格との従来の価格関係、こういうものから割出したものが農産物の価格を斟酌するということになるのか、いろいろその辺のやり方によつても又変つて参ります。輸入価格ということにいたしましても、成るほど国際価格は現在安うございます。併しながら、この国際価格が安いということをどの程度どういう工合に国内価格に織込むかということになりますると、なかなかむずかしい問題があるのであります。そういうことでございまするので、現在輸入価格が安い、或いは農産物の価格が生産費を償わないということが事実といたしましても、それだからといつて直ぐ硫安の価格がこれによつてきめられて、硫安の価格が生産費を割るということには必ずしもならないのでございまして、それらの諸要素その他のいろいろな事情がございまするので、一概に申兼ねると思います。
#65
○江田三郎君 そんなぼんやりしたことだつたら一体何のことかわけがわからんじやないですか。少くとも政府がこういう法案を立案された以上は、もつと私は具体的な答えができなければならんと思うのです。肥料の国際価格の問題は、これは衆議院の修正だから見解がまだきまらんというならまだ一応は理由が立ちます。併しそれももうきまつた以上は、あなた方としては、それに対してはどうするかという一つの見解が、政府の統一された最終的な見解というものがなければならんと思います。今のような説明の程度だつたら、一体基準とし、参酌しというのは何か雲をつかむような話でわけがわからんことになりますが、もつとはつきり言えないわけですか。将来どういう事情が出るか知りません。少くとも現在において、まあ輸入価格の問題は別としても、現在において農産物価格を参酌するということは一体どういうことなのか、あなた方が原案が提出されたときには、この農産物価格を参酌するというのはどういう具体的内容を持つた言葉なのか、これを一つはつきりおつしやつて頂かなければ困るんです。
#66
○政府委員(小倉武一君) 生産費を基準ということにつきましては、先ほど柿手部長から御説明がございましたように、これはどれまでの工場の生産数字をとるかということについては明瞭でございまするし、又その生産量の平均の仕方についても御説明申上げた通りであります。従つて基準ということにつきましては、やり方、方式といたしましては明瞭でございますが、参酌というのは、これは飽くまで参酌でございますので、その参酌の仕方につきまして、あらかじめがつちりした方式を作るというわけには参りかねると私は存じます。そういう意味においてこの基準と参酌ということが、文字も違いまするがごとくその意味合も違つておるように思うのであります。農産物の価格をそれでは、参酌する場合については、全然方式みたいなことが考えられないか、ただ何と言いますか、価格を決定するもの、或いは肥料審議会で御審議願うならば、審議会の委員の頭の中で考えるかと申しますると、それは必ずしもそうではなくて、審議会等におかれまして参酌の点についても或る種の方式が考えられるということはあろうかと思います。その点について私どもがここで決定的なことを申上げるのは如何かと存じます。と申しますのは、それは価格の決定については当然に審議会で御審議願うのでございまするので、参酌についても、そういう意味合をいろいろ御検討願わなきやならんと思います。ただ御参考に申上げますと、農産物価格、こういうことで現わしている点につきましては、私どもの考えておりましたのは、一定の基準の年度をとつて、硫安の価格と農産物の価格とをとつてみて、その後の価格の両者の趨勢を比べまして、その間の両者の上り下りということと、他方硫安工業の合理化というものの進度というものを考えたもので、一種の方式として参酌のやり方ができやしないか、こういう考え方をいたしております。併しこれはまだ農林省で考えておるだけでございまして、それを審議会の御意向にかかわらずどうこうするというつもりじやございませんが、若し十分に意見を述べさせて頂きますならば、今申上げましたように、或る年度を基準にとりまして、その基準と農産物の価格、硫安の価格が価格決定時においてどう変つて来たか、その後又他方において硫安の合理化がどの程度進捗しておるか、又計画がどうであるかというようなことから農産物の参酌データーといつたようなものができはしないか、かように考えておるのであります。
#67
○江田三郎君 そこでそこまで言われるなら、一体局長として、若しそういうことをやられる場合には、基準はおよそいつ頃が適当だと考えておられますか、基準年次は……。
#68
○政府委員(小倉武一君) これは農産物の米その他につきまして安定価格、公定措置がとられておりまして、そういうものの基準がございまするので、でき得べくんばそういう基準、そういう政策によつてとられておる基準ということがやはり大きな参考になろうかと、かように存じております。
#69
○松永義雄君 関連して一、二だけ……、肥料価格の安定ということは私たち聞きますけれども、農民の利益のために考えられることですか、肥料会社の利益のために考えられることですか、それとも又両立し得るというのですか、肥料会社のためにもなるし、或いは農民のためにもなるというふうにお考えになつておるのですか、肥料価格をきめる場合に……。
#70
○政府委員(小倉武一君) 肥料価格のことについての根本的なお尋ねでございますが、これは勿論一方は売るほうでありますし、一方は買うほうである。而も硫安工業にとつては硫安が何しろ大きな生産物であり、農家にとりましては、肥料特に又硫安が最も大きな現金支出を必要とするものでございまするので、確かに利害が対立しておるという面はございます。従つて両者共完全に納得の行くような妥当な価格というものを人為的に作る。或いは自然に任しておいたところで、自然にできた価格が両者が十分に満足し得る価格かどうかということについては多大の問題があろうかと思います。ただ制度といたしまして、その間の利害を調整しつつ、両者のできるだけの納得の行く価格ということについては、これは我々として公定価格といつたような政策的な価格を作る場合には、十分にそういう方向に向つて努力しなければならんというふうに考えております。
#71
○松永義雄君 もう一点ですけれども、或るときは農民の犠牲によつて価格をきめる、或るときは肥料会社の犠牲によつて価格をきめる、そういうような場合でなければできないということになるのではないでしようか。両方の利益になるというような価格の安定というものはあり得るでしようか。
#72
○政府委員(小倉武一君) 非常にむずかしいお尋ねでございまして、十分御納得の行くように御説明を申上げる自信もないのでございますが、若し自然のままと申しまするか、経済の赴くままに形成される価格が、おのずから正常な正当な価格が長期に亘つてみればできるということを仮定してみました場合に、その価格と今後作られる公定価格とを比べまして、一体公定価格というものは、そういう正常価格にぴつたり合うような価格ができるかどうかということになりますると、これは勿論常にそういう正常なものが実現されたとは考えられないと思います。特に経済は動くのでございまするので、お説のように或る場合には生産業者の利益、或る場合には消費者の利益といつたようなことは当然あり得ると思うのでありますが、これは併しながら経済の赴きが非常に客観的に流れた場合がそうであることは事実でございまするので、そういうことで併し放置をしないで、この法案の恐らく意図するところは、できるだけ両者の納得の行く而も妥当なところの価格で以てきめよう、こういう努力を今表明いたしておりまして……。
#73
○松永義雄君 この法案をちよつと読んでみますと、広汎な自由主義経済の中に需給計画を立て価格を決定する。極く一部、統制という言葉が嫌なら規制という言葉でもいいのですが、そういう規制がある。そうしてその自由主義的から来る弊害というものを全部刈取らないで、一部こうした規制をするということは、結局審議会なんかできめるとか書いてあるのですけれども、その規制の仕方が適当でないというと、結局立場の弱い農民が不利益をこうむりがちになる。そういう情勢ではないでしようか。そういう傾向を持つに至るという点だけ、それで私の質問は終ります。
#74
○政府委員(小倉武一君) 実は統制と申しまするか、調整と申しまするか、こういう措置をとらない場合は、むしろお説のように経済力の強い硫安の生産業者の利益になるような恰好で価格問題が解決されて行くのではないかということを恐れるのでありまして、その点についての心配をできるだけなくしたいというのが、この公定価格制度等に現われておる考え方でございますが、併しそれが本当にできるかどうかということになりますると、これは又御指摘のように、全体と申しまするか、大部分が自由な経済の世の中で、一部だけ統制してやつてそういうことが可能かと申しますると、これが甚だ問題だと思います。ただ全く放任しておくよりは、かようなことで以ても多少の解決になりはしないか、うまく行けば相当の寄与ができはしないかということを考えておるのであります。
#75
○江田三郎君 さつきの続きですけれども、農産物価格の中に占める肥料のウエイトというものを、一定の基準年次をとつて見て行くというようなことだと思うのですけれども、これは基準の年のとり方によつてどういう答えでも出るわけなんです。それから肥料の使用の少い段階、肥料をうんと使う経営の段階、そういうものによつても違いますし、私はこれは非常に扱いによつてはどんなことになるのか非常に危険なものだと思うのですが、この「政令の定めるところ」というのは、一体そういうことまで政令で定めるのか、政令で定めるというのはどういう程度のことを政令で定めるのですか。
#76
○政府委員(小倉武一君) 農産物の価格の参酌という問題につきましては、これは勿論御指摘のような生産費の中で肥料の占める割合というようなことも問題になろうかと思いますが、それよりも農産物価格そのものと、硫安価格そのものとの関係をここでは直接に意味していはしないかと思います。又そういうことで考えたらどうかと思つております。それにいたしましても、又それだからこそ余計この基準年度のとり方によりまして非常に又違つて来る。これは全くその通りでございまして、戦争中をとるか、戦争直後をとるか、或いは肥料統制撤廃前後をとるかというようなことによりましても非常に違つて参るのであります。従いまして、ここで言つておりまするのも、そういうものをどの程度考慮に入れるかということになりますと、大きな問題になりまするので、「参しやく」といつて基準ということよりも比較的軽く考えて文句を表現しているのではないかというように存ずるのであります。それから「政令の定めるところにより、」というふうに書いてございまするのは、これは主として只今考えておりますのは、生産費をとります場合には、生産費と申しましてもいろいろ考えようがございます。そこでこの生産費というのはどういう生産費であるかということをきめるつもりでおるのでございまして、その内容は先ほど柿手肥料部長から申上げたようなことであります。他の参酌の点については、これを以て政令で、その参酌はこういう方式で以て参酌するんだということまでは考えておりません。
#77
○江田三郎君 農産物価格の問題は、今申しましたように年度のとり方によつてどんな答えでも出る非常な動きやすい危険なものですが、この衆議院の修正された人々の意見はわかりませんが、肥料の国際価格を参酌するということは、少くとも我々が常識で素直に受取れば、現在の国際価格の状態からして、これをどの程度に参酌するかは別にしても、参酌するという以上は必ずこれは基準価格を引下げる要素になるとしか思えないのですが、そういう解釈は間違つていますか。
#78
○政府委員(小倉武一君) 基準価格と申しますか、公定価格を作る場合に、この価格を引下げる要素という点に作用すると思います。
#79
○江田三郎君 その意見は通産省も一致しておるかどうか。
#80
○説明員(柿手操六君) 衆議院で御修正になつたのでありますから、その解釈は私申上げにくいのでありますが、これは恐らく現在国際価格は安いんであるから、生産費が仮に何円と出ても、それより少し負ける要素にこういうことを考えるという御趣旨でこれが入つたものと思います。若し一、二年前のように国内の市価よりも輸出価格が高い場合には、恐らくこういう修正はなかつたであろうと、これは私の想像でありますが、想像いたします。
#81
○江田三郎君 今の点については改めて農林、通産両大臣が出席されたときに、なお私は政府としての最終的な考え方をお聞きしたいと思いますが、もう一つ生産費を基準にするという場合の生産費は、先ほど柿手部長のほうから答えがありましたが、その生産費というものは、愛知通産大臣の答えによると、生産原価プラス適正利潤だということでありましたが、その際適正利潤というものはどの程度のものを指すのか、これは参酌でなしに基準というほうへ関係するから非常に大事ですから、適正利潤をどう考えているかということを承わりたい。これは何も衆議院の修正じやありませんから、政府のほうであらかじめちやんとこういうことはきまつてお出しになつておると思いますから、ちよつと逃げ口上はなかろうと思います。
#82
○説明員(柿手操六君) この適正な利潤ということは幾らがよいかということにつきまして、先般来本委員会においてコストの問題について御質問があつた際にお答えしたのでありますが、いろいろな適正利潤ということを算出する場合に各種のことを考えなければならんと思うのでありまして、それは一定不変のものではなくて、そのとき、そのときの情勢によつて必ずしも適正利潤はこれだということはきめにくいものではないかと思うのでありまして、私どもの考えでは、生産原価と、それに適正なる利潤をこの際は幾ら附加すべきものかというようなことにつきましては、そのときどき政府部内においても考えを練る。更に審議会においても御検討願つてきめて参るようにしたらいいじやないか、前以て今適正利潤を例えばコストの何パーセントとか、或いは何円ということをきめることはなかなか困難ではないかというふうに思うのでありまして、現在のところ、両省においてそれを幾らにするということを前以て内定をいたしておるのはないのでございます。
#83
○上林忠次君 どうも途中から入つたのではつきりしないので、これは的を外れておるかも知れませんけれども、最高価格というのは、これは各社別の、メーカー別の最高価格ですか、その点ちよつと……。
#84
○説明員(柿手操六君) これは一本の価格を考えておりまして、各社別にそれぞれの価格というものをきめるつもりはないわけでございます。
#85
○上林忠次君 そうすると、メーカー別に相当、二割とか一割五分とか、或いはそれ以上の差があると思うのですが、各社全部が相当コストの高いところまで引合う程度に最高をきめるのか、普通能率の悪い会社のほうは相当犠牲をこうむれ、ときとしてはもう倒れるも覚悟でやれ、大体半分程度の工場がコストをペイする程度ならいいじやないかというような考え方もあるし、それでは半分の会社は営業停止をするということになつては困るので、何割まで見てやる、それ以上は又出血をやれ、又全体の工場がやつて行けるところまで、やるならどこまで、そういうようなところから最高価格というものはきまるのではないか、各社別にきめるというならまだわかりますが、全体としてきめるなら最高価格は最も能率の悪い工場の何割減のところを最高価格にするとか、そういうことを書かないと、これは最高価格はきまらんのじやないかと思いますが、ちよつとその御意見を聞かして頂きたい。
#86
○説明員(柿手操六君) 只今のお尋ねにつきましては、先ほど江田委員にお答えしたつもりでございますが、「生産費を基準とし、」とある生産費というのは、一本の生産費を考えておるのでありまして、その一本の生産費は今会社が十四社ございますが、これはコストは一様でありませんから、コストの低い会社からずつと積重ねまして、国内の消費量及び調整保留数量を加えました数量までに達する硫安会社のコストを加重平均いたしまして一本の生産費というものを出して、それから出すわけでありますから、お説の通りその中に入ります工場でも、平均でありますから全部一様な利潤は得られない、一様な利益は得られない。いわんやその加重平均に入らない、より高い会社につきましては、その価格ではつらいものが出て来る。程度によりましては合理化の非常に遅れて参りまして、とてもそれでは引合わんというものが或いは将来出て来ないとは限らんというのがこの生産費の考え方でございます。
#87
○江田三郎君 今の柿手さんの答えで行つて各社別に見るというと、加重平均だからして、非常な超過利潤を得るところもあるかも知れず、或いは逆な場合があるかも知らんということになりますが、少くともこの硫安工業全体として見れば、適正利潤を保証されたことになるわけです、全体の計算では……。そうしてそういう意味から言うと、この法案の臨時肥料需給安定法というものは、言葉を換えて言うと、臨時肥料会社経営安定法という内容になつて来るわけだ。それでこれは基準ということなんだから、参酌じやないのですから、これが生産原価を基準にし、適正な利潤を参酌しというのなら又別ですけれども、生産費というものが生産原価プラス適正利潤であり、それを基準にするということになると、この適正利潤というものは幾らかということは、これはもう少しはつきりと答えて頂かなければならんと思う。この際全体としてこの適正利潤というものはどの程度に考えておりますか。若し先ほどの経済局長の言われるように、この法案によつて農民のためにもなり、硫安の製造会社のためにもなるというのならば、一体農業における利潤というものはあるかないかわかりませんけれども、農業の利潤と吊合う利潤をこの際利潤として考えるのかどうか、そういう点についてもつときつぱりとお答え願いたいと思う。
#88
○政府委員(小倉武一君) 通産省からもお答えがあると思いますが、生産費を分けまして、お説のように狭い意味の生産原価と利潤と、こう分けました場合に、その個々の項目の価格なり、利潤で言えば、その利潤率をどう定めるかということは、抽象的にはこれは出て来ないのでございまして、これはそのときのやはり経済状態が当然入つて来る。そういう意味におきまして利潤をどうするかということも、工業一般の利潤率がどうであるか、或いは化学工業の利潤率がどうであるかということが当然に決定の要素になつて来るのでございまして、あらかじめこの利潤率を何割何分というふうにきめておくことは如何かと、かように存ずるのであります。
#89
○説明員(柿手操六君) これは先ほどお答えいたしました通り、利潤というものは、そのときそのときの情勢によつて、必ずしも一定不変というふうにすべきものじやないというふうに私も考えるのでありまして……。
#90
○江田三郎君 力関係か、その時の………。
#91
○説明員(柿手操六君) 従いまして、私どもがこの法律を立案いたしましたときに、あらかじめ幾らにするということにつきまして、政府部内で取りきめておるものはないのでありまして、今後この法律の運用によつて、私どもが又案をきめるときに関係省で協議しまして、そしてそれを更に審議会で審議して頂いて取りきめて行きたい、それ以外には方法はないのではないかと考えております。
#92
○河野謙三君 議事進行。農林省から政務次官が見えていますけれどもね、一体政府はこの法案を重要法案として今国会中に審議を了してもらいたいという御意思があるなら、この機会に通産省はよろしく大臣なり、政務次官が出て来べきです。会期僅かにしてこういうふうなものを政府委員からあいまいな答弁を聞いて審議が進むわけはないのです。でありますから、この法案の審議につきましては、通産大臣若しくは政務次官が御出席になるまで一時審議を中止してもらいたいと思う。
#93
○江田三郎君 私もこれは非常に大事なところですからね、どうも今の柿手さんの答弁ではちよつとこれを聞いてみても意味がないことになりますからね。
#94
○理事(宮本邦彦君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#95
○理事(宮本邦彦君) 速記を始めて。暫時休憩いたします。
   午後三時二十九分休憩
   ―――――・―――――
   〔休憩後開会に至らなかつた。〕
ソース: 国立国会図書館
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