くにさくロゴ
1953/03/09 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第6号
姉妹サイト
 
1953/03/09 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第6号

#1
第019回国会 電気通信委員会 第6号
昭和二十九年三月九日(火曜日)
   午前十時三十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     左藤 義詮君
   理事
           久保  等君
   委員
           白井  勇君
           津島 壽一君
           石黒 忠篤君
           新谷寅三郎君
           山田 節男君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 塚田十一郎君
  政府委員
   郵政省電波監理
   局長      長谷 慎一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 栄一君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○電波行政に関する調査の件
 (電波行政に関する件)
 (日本放送協会の昭和二十九年度予
 算に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。
 電波行政に関する調査を議題といたします。本日は、塚田郵政大臣は只今閣議中で、閣議が終り次第出席をいたします。長谷電波監理局長及び説明員として周波数課長が出席しております。なお、山田委員のお申出により、学識経験者として電波監理審議会委員の横山英太郎君の出席を要求いたしておきましたが、本日は都合悪く出席いたしかねる旨申出がございましたので、このことを一応御報告申上げます。
 ではこれより質疑を行うことにいたします。
#3
○山田節男君 この周波数の割当政策について実は大臣、それから監理局長、それから電波監理審議会の責任者に逐一質問したいと思つておりましたが、今電波監理局長がお見えになりましたので、先ず電波監理局長に具体的な御質問を申上げて、なお、大臣がお見えになつたならば政策に関しての質問をいたしたいと思います。
 先ず第一に周波数の問題でありますが、第二次世界大戦後、殊に日本が独立国となりまして以来、日本の放送の方面におきましては、公共放送のほかに民間放送が非常な勢を以て発達して来て、テレビジヨンにおきましても公共、民間放送があり、放送方面におきますると同じような傾向が他の方面でも非常に顕著な発達をいたしております。というのは日本航空機の使用の数が増したということ、或いは海上船舶、或いは陸上の固定局におきまするマイクロ・ウエーヴとか、或いは保安庁その他の官庁におきましても、電波の利用が非常に急ピツチを以ちまして増加の傾向にあるのであります。従いましてこの周波数の割当問題ということは、日本の勿論この送受信の技術の基準の進歩と並行して考えなくちやならん問題でありますが、周波数のバンドと言いますか、スペクトラムというものの割当というものは、現在と将来とを見越して政府は最も慎重な態度を以てこれに対する対策を練つておられるだろうと思います。殊に政府の出しておるいろいろな情報を総合しまするというと、この短波以下の周波数の割当については、すでにもうスペースがない、非常に窮屈である、いわば飽和状態に達しておる。この短波以下の周波数の割当を、今後何を以てこれを開拓するか、これはもう政府に与えられた大きな課題であります。そうして一方超短波以上、殊に日本におきましては異例な発達と申しますか、極超短波、即ちマイクロ・ウエーブの使用がここ一年間に非常に多方面にこれが使用が開始されておる。その増加の傾向というものはますます多くなるばかりであつて、殊に民間産業、例えば電源開発の電力会社であるとか、電源開発会社というものがすでにマイクロ・ウエーブを使用をしている。こういうような工合になつて来ますと、中波以上の短波、超短波、極超短波、或いは技術の進歩によりましてはいわゆるEHFと申しますか、極超短波のマイクロ・ウエーブのもつと上のウエーブを使うということは、これは日本としても将来やはりアメリカと一緒に考えなくちやならん。こういうような極めて大事な政策と申しますか、周波数の割当に対する政府が今後とらんとするこの限られたスペクトラム、而もこれは国民の無形的でありますけれども、これは国民共有の財産と見なくちやならん、国民というか、むしろ人類の共有財産、これを国際的な部面に割当てた部面はもとよりこれは条約に制約されますけれども、少くとも短波以上の日本の国内財産として、国民の共有財産として割当てられているものを、これを如何に有効に能率的に使用するか、これは政府として最も慎重に考えなくちやならん問題であると思います。こういう一般的な立場から、要求によりましてここに現在使用している周波数の割当状況というものを数においてここに示しておられますが、大体どういう建前で、これは又波長の種類を大別して短波以下、短波以上という、極く大ざつぱでいいんですから、政府として一体どういう具体的なこれに対する対策を持つているのか、一つ一般的な意味において御説明を願いたいと思います。
#4
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今山田委員からお話がございましたように、この周波数と申しましようか、電波の割当につきましては、慎重に計画を立てまして行わなくてはならないことは全く御説の通りでございまして、私どももその線に沿うて一々努力をいたし仕事をいたしておるわけでございますが、何と申しましても只今も言及をなさいましたように、国際的な関連がございますために、日本の国内事情だけでは自由にできない場合も相当にあるのでございます。特に日本は地理的な位置から申しまして、遺憾ながらまだ国際電気通信連合のメンバーになつていない中共、及びメンバーにはなつておりますけれどもいろいろ実際上の問題で交渉等がスムーズに行かないソ連圏、そういうものがありますために、ほかの国とは違つた意味でのむずかしさが実はあるわけでございます。その点は御承知のことだと存じますけれども、そういう点も最初に申上げまして、今まで考えて来ております周波数の割当のやり方並びに今後についてのことを御参考までに申上げて見たいと思います。
 御案内のように、この電波の割当につきましては、国際条約に基きまして国際会議によつて割当表ができております。この割当表は長波から中波、短波、超短波、極超短波に至るまで詳細に亘つてどの範囲は固定通信に使う、どことどこは放送に使う、或いは移動通信に使う、移動につきましては、特に海上のいわゆる船舶相手の通信と航空関係の通信、そういう工合に極めて細分されて表ができております。ただ全世界を一様にこれはするわけには行かないために、大体世界を三つの地域に分けまして、ヨーロツパ地域、それからアジア地域、それから南北アメリカ地域と、大体三つに分けられまして、それぞれの間では共通な区分を作りまして、その区分によつて各国がそれぞれ国内問題も処理いたしております。日本はアジア地域に入つているわけでございますが、尤も国際的にそういう各国間の地域ごとにきめました割当表の中でも、その国の事情によりまして、国際的に共通な船とか航空とかいうものは、もう殆んど全世界一様な線に沿うておりますけれども、国内のいわゆる局地的な通信に使う国内の固定通信とか、或いは移動通信というようなものは、その国の事情によつてこれを専ら自動車のような移動体との通信に使うことにしてもよろしいし、或いは固定地間の通信にしてもよろしいという工合に分けられております。と申しますのは、国の電気通信関係の施設の発達状況如何によつて、殆んど国内の各都市間の通信は有線でできておる所もあります。非常に文化の程度の遅れておる所は、都市間の間でも殆んど有線の通信はございませんので無線によらざるを得ない、むしろ文化の程度と申しましようか、電気通信施設の十分でない国ほど固定通信に無線を使つておるといつてもいいのではないかと思います。そういう工合に、国の事情によりまして国内の無線の使い方が違いますために、その点につきましては国内限りでできる、国際的にきめられました基準に従つて国内的にきめられる、こういうような形になつておるわけであります。併し特に国際的に混信問題等の非常に起きますところの長波、中波及び中短波、それから短波のところまでは国際的に混信問題が起きますから、これは殆んど国々の、各国がそれぞれの事情で単独にものを進めるということは殆んどできない。従つて国内的に割合に自由な計画を立て得ますのは超短波及び極超短波のように国際的に混信問題を生じない範囲では相当自由の範囲があるわけでございます。従いまして私どもとして問題を整理して考えますというと、国際的に日本の使い得る、使用することのできる電波を一つでも余計獲得するという問題は、短波以下にむしろ問題があるわけであります。そうして短波以上の超短波から極超短波の範囲では、国内的に如何にしたならば最も有効に経済的に合理的に使い得るかという計画を立てる。こういうふうに、大ざつぱに申上げますと二つに区分して考えられるのではないかと思います。
 最初の第一点の短波以下の国際的に日本が電波利用の権利を獲得するという問題でございますが、これは先ほど山田先生もお話ございましたように、殆んど飽和状態になつておることは事実でございます。而もこれは御案内のように国際電気通信連合の国際周波数登録委員会に登録いたしまして、その登録の日附順に優先権を持つておる。従いましてそういう意味でもなかなかこの獲得ということは非常にむずかしうございます。併し日本としましては、特に国際電気通信の今後の発展等を考え、又国の事情を海外に知らせ、親善の度を強める意味から言つて海外放送等を今後も拡充して行かなきやならんのでございますが、その点から考えますと、特に短波の使用を国際的にも更に権利を確保するということが我々の非常に大きな問題でございます。これは実は只今お話のようにすでに飽和状態になつておりますし、而も戦争後新たに独立国のような形になりました、特に東南アジア及びインド、パキスタン等の国々は、ほかの国に伍してこういう国際回線或いは海外放送を行うということで、従来にも増して、以上の要求が全世界的に出て参りました。従いまして実際に使用できる電波のスペクトラムに比しまして、要求度が極めて多いために、一九四八年以来、昭和二十三年でございましようか以来、数回に亘りまして国際会議等がその間の調節を図るために開かれましたけれども、遺憾ながら結論を得ないでおりました。従いまして現在におきましては、先ほど申上げました国際電気通信連合事務局の国際周波数登録委員会においてその間の事務を扱つておるのでございますけれども、今申上げたように協定と申しましようか、妥結点が見出せないでおりますために、結局言葉を換えて申上げますと、実力主義のような形になる。どんどん使つておるほうがやがては実際上の権利を設定するというような形に実はなつておるのであります。この点についてはいろいろ問題があると存じますけれども、実情はそういう形になつておる。従いまして日本としましては、この短波以下の国際的に非常に問題のある電波の使用権の獲得につきましては日夜、幸い電波監理当局に電波監視施設がございますから、日本を中心とした各国の、日本ばかりじやございませんで、各国の電波の利用状況を実際に調査いたしまして、ほんの短時間でも日本が使いたいと思う波長の近所で使つてない空間が見出されましたならば、早速そこに日本が実際的に使用を開始する、そうして諸外国から若しも抗議が来たならばその調節はいたしますけれども、抗議が幸いにして来なかつた場合は、それを日本の波長として登録を間髪を入れずやると、こういうようなことで、私ども俗にこれを穴探しと称しておりますが、空間における電波のちよつとでも隙間があつたところを見出して、使用権を設定して行く。こういうような形をとつておりますが、先ほど申上げましたような事情から、そういう途より今残されていない形になつておりますので、そういう方法をとつております。併し最初に申上げましたように、日本がたまたまと申しましようか、現在の国際情勢下におきまして、中共、ソ連等と極めて接近した地位にございますために、その点の難点が実はあるのでございます。
 次に第二点として申上げました短波以上の超短波、極超短波でございます。これにつきましては、先ほど申上げましたように、国際的に大体の割当の基準はきめられておりまするけれども、細部についてはそれぞれの国で独自の計画を立て得る形になつております。従つて曾つて電波監理委員会時代にいろいろ内外の情勢を調査いたしまして、一応日本としての割当の計画を設定いたしました。その時分にも御報告申上げたように記憶いたしておりますが、その線に沿いまして従来まで行なつておるのでありますが、先ほど御指摘もありましたように、特に最近において超短波並びに極超短波、いわゆるマイクロ・ウエーブというような範囲について各方面での利用が盛んになつて参りましたので、若しも調整を必要とするものがあるならば、先に設定をしました日本としての電波の割当計画を再検討する必要があるかも知れないということで只今調査もいたしております。併し先ほど申上げましたように、根本は国際間に大体のスケールがきめられておりますので、その範囲での、割合に限られた範囲での調整ということになるかと思います。なおその際についての私どもの根本的な考え方は、お話もございましたように、たとえ電波の利用ということであつても、御指摘もありましたように、これは日本の国としての、或いは世界的に見ましてもそうでございますが、日本の国としても無形の財産とでも申しましようか、而も限りあるものでございますので、これを合理的に使用するように計画を立てるべきことは全く御指摘の通りでございまして、私どももそのような考え方で、二重、三重になるような計画は第一避くべきである。而も電波が最も有効に使えるような方法ということから、私どもといたしましては、ほかの場合にも同様でございまするけれども、日本電電公社が施設される電気通信施設を一〇〇%利用する。それがどうしても何らかの理由でできない場合には、その次にそのそれぞれの通信の使用者の重要度に応じてこれを考えて行く。こういうような考え方に基いて従来もいたしておるのでありますが、最近この点はもつと根本的にもう一度考え直して見る必要もあるかというような考え方から、現在日本電電公社その他といろいろ協議もいたしおるのでありますが、と申しますのは、従来電電公社の設けられております公衆通信施設は、一般の電信電話の要求なり要望に副うということが何をおいても焦眉の急でございましたので、従つて或る特定の事業者の専用通信施設を作るというところまではなかなかいろいろの面からいつて手も廻らなかつた点もあつたのであります。従いまして今まで電電公社の施設外にいろいろな事業者が専用通信施設を作つて、その場合には殆んど例外なしに無線を使つて来ておる、こういう実情でございましたけれども、先ほど申上げましたような意味から、今後できるだけ電電公社の施設を使うということで、電波の利用面、そういう面から十分の合理化を図りたい、実はこういうように考えておるのであります。なお、お話にもちよつと出たようでございますが、話がちよつと飛ぶのでございますが、放送関係ですが、この放送関係は現在御承知のようにNHKと民間放送とがございますが、これらの問題につきましては、昨年の春に丁度放送局の免許の期限も切れた時期を利用いたしまして、全国的な電波の使用計画を立てまして、それに基いて割当並びに放送局の許可をいたしておるわけであります。
 今申上げたようなことで、超短波から極超短波の範囲につきましては、相当業者別と申しましようか、或いは施設者の主体別に相当綿密な計画を立ててやつておるのが実情でございます。なお御質問に応じましてお答え申上げます。
#5
○山田節男君 いわゆるアトランテイツク・シティの国際条約に制約された短波以下の周波数の割当は非常に窮屈である。これは政府自体もこれを認めておるわけであります。殊に短波以下の国際的な通信、例えば航空機或いは船舶その他、何と申しましようか、国際共通の問題、或いは人間共通の福利のために使う。併し実際短波以下の周波数のスペクトラムがもう非常にスペースがない、非常に窮屈である。併しそれだからといつて割当ができないというのでは、いわゆる短波以下の無線通信の必要の度は、又必要とされる分野が今後ますます多くなる違いない。そうすればこのスペクトラムというものをもつと何とかこれを開拓しなければならない。今局長は穴探しという言葉を使いましたが、これも一つの方便だと思う。併しこれは極めて窮屈な間隙を縫つて穴を探すのでありますから、これも限度がある。もう一つ我々が考えなければならんことは、何と申しても日本の電子管科学は非常に発達が遅れておる。従つて送信、受信の技術の基準というものは私は何と言つても日本は遅れておる。日本の唯一の或る程度発達した科学技術の状況を見ても、これはアメリカに比べればまだまだそこに非常に大きな逕庭があるのです。ですから、その窮屈な短波以下の国際的な制約を受けておる。が、これはまあ非常に重要なものである。而もその用途は今後いよいよ多岐に亘つてこれを発達せしめなくてはならんということになれば、穴探しという消極的な意味以外に、やはり日本の送信、受信の技術をもう少し発達せしめることが、私は日本のような、先ほど局長も言われたように中共、ソ連、朝鮮というものを控えて極めて特殊な地形を持つておるこの日本の領土において、そういう一つの妨害、混信というものを避けるためには、やはり技術の一つとしてそういつたような電波発射のステーシヨンをどういうふうに配置して行くか、どういう角度にこれを配置すべきか、北京とかウラジオとか、或いは釜山とか、こういつたような非常に強力な電波発射機構があり、又アメリカの駐留軍、或いは国連軍の駐留軍もおのおのこの周波数を使つてやつておるのでありますから、そういつたような電波発射のステーシヨンをどういう配置にするかということが私は根本的に特殊な地形にある日本としてはこれはもつと科学的に検討する必要があるのじやないかと思う。そういうような短波以下の問題の窮屈なスペークトラムに対して、今おつしやつた穴探しというようなことは極めてこれも私は日本の技術が非常に遅れておるからしてむずかしいのじやないか。実際にそこに一つの穴があつても今日の日本の発達しておる限度の技術水準で以てはそれを各国の波長に妨害を加えないでやり得るだけの技術が今日本にあり得るかどうか、こういうまあ実は疑問も起きて来るわけでありますが、そういつたような意味での短波以下の周波数の割当を何とか一つスペースを置く、こういう一つの積極的な努力はなさつておらないのかどうか、又今後なさるそういう計画があるのかどうかですね、この点についてお伺いいたします。
#6
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。確かにお話の通り短波以下の使用状況を改善する意味におきましては、お話のような解決策があるようでございます。まあ国として考えました場合には、先ほど私が穴探しというような、余り適当な言葉ではございませんが、というような言葉で、新たに日本が国際的に使用し得る、国際的にも権利の設定のできる電波を一つでも探そうと、こういう意味からで、そういうことをやつておることを申上げたのでありますが、これを私どもとしてはそういうことによつて一つでも電波を余計に国際的に使用権利を持つたものを探して行くということでございますから、私どもはこの仕事をむしろ積極的な面だと実は考えておるのであります。で、もう一歩、今先生から御指摘がありましたように、日本が国際的に使える権利がすでに設定されておる電波を如何にこれを有効に使うかという面では、お話のように無線の機械設備の改善を図りまして、一つの電波を使いまして従来一つの電話しか話ができなかつたのを、二つの電話ができるようにするとか、三つの電話も通信ができるようにしまして、その電波の利用度を上げて行く、こういうことは全く御指摘の通りでありまして、私どももそういう点につきましては種々施設者等のかたがたとも連絡をいたしまして改善を図つておるのであります。御指摘のように、日本の無線機械の技術というのはまだアメリカやヨーロツパに比しまして全然遜色がないというところまでは遺憾ながら行つておりませんけれども、電波監理の面から申しますというと、戦前よりは遥かによくなつておる。従いまして私どもはそう欧米のものに比べても最近の施設におきましては劣つていないと考えております。併し何と申しましても日本の国の財政に関係いたします面でございますから、現在一万一千ぐらいの無線機が日本にあるのでございますが、これが全部どこの国にも負けない施設に揃つておるというところには到底行き切れない。従いまして特に漁業無線とか、或いは古くから施設されておる無線施設等につきましてはやや問題はございますけれども、最近設けられる無線機におきましては、先生の御心配のような点はだんだんなくなつて来ておる。又、尤もそのことだけで満足はできませんので、私どもといたしましては電波技術審議会とか、その他国際間のいろいろ技術研究の面にも参加いたしまして、改善を期して行きたいと、そういうふうに考えている次第であります。
#7
○山田節男君 まあ、これは又別の機会にもう少しこの短波以下のスペクトラムの改革をどういうふうにするかということは、これは又別の機会にもう少し詳しく、私題目をきめても一つ質問をする機会を得たいと思つております。
 次にこの短波以上のいわゆる日本の国内財産として、国内的にこれを自由に使用し得るという周波数の問題ですが、御承知のようにもう最近、昨年以来テレビジヨンの開設を契機としていわゆるマイクロ・ウエーブ、いわゆる極超短波というものに急にジャンプしちやつて、いわゆる超短波、UHFというものに対する日本は深き経験と技術的な研究なくしてもう中波からいきなりマイクロ・ウエーブに飛躍して、ジヤンプしたということが日本の電波文化の上から果して幸福であるかどうか。それから一方当面あなたが所管される、周波数を最も節約して最も能率的に使うという意味から来ればVHFから極超短波、マイクロ・ウエーブに移行するということは私は非常に政策としてまずいのじやないか。例えばテレビジヨンを日本のような狭いところに、東京にはすでに三カ所免許を与えておる、更に大阪、名古屋、更に他の方面でもテレビジヨン放送の免許の申請を今郵政省へ行なつておるわけです。先ほど申上げたように国内的に自由にこれを使い得る短波以上の周波数というものについて、いきなりマイクロ・ウーブのほうがどんどん発達して行つて、その下にあるUHF、いわゆる超短波に対するものは何ら、何らとは私は申しませんけれども、極めて無視されておる。少くとも今日もうすでに標準放送においても現在我々が知る範囲では相当な周波数が公共放送、民間放送にこれがすでに使わされておる。更に最近我々新聞に報ずるところによると北海道新聞であるとか、或いはこの本土におきまする地方の新聞がニユースの放送のために標準放送の免許の申請を電波監理局に行なつておるということを我々は聞くのであります。そういうように今日の中波でやるラジオ放送、或いはVHFでやるテレビジヨンの放送、こういつたものが今のままにすれば今のように免許を申請すれば、それはもう免許するというような、極めてこれはルーズじやないか。而も一面においてマイクロ・ウエーブの方面にどつとこれが無規制に拡張されて行つた場合のこのスーパー・ハイ・フリークウエンシーですか、いわゆる極超短波の、マイクロ・ウェーブのスペクトラムが自然にもうなくなつて行く。それでUHFのスペクトラムが非常にあいているというような現状なんです。これは例えばアメリカについて見ますると、テレビジヨンにしましてももうあれほどのステーシヨンを設けておつてVHFではもうスペクトラムがない、窮屈である。又窮屈でなくとも業者の良心的な立場からしてその上のUHFにこれを開拓して、現にR・C・Aのテレビジヨンの放送は全国的ネット・ワーク全部UHFに昨年完成しております。そうしてVHFの周波数のスペクトラムをこれによつて成るべくデイスターブしないということが一つの方策なんです。ところが今の電波監理局の周波数の割当についてはそこまで考えていないのじやないか、まあマイクロ・ウエーブの需要があればいきなりマイクロ・ウエーブでやる。而もこれを発電会社から、開発会社から、これは将来は東京のタクシー会社であるとか、或いは大阪のタクシー会社であるとか、タクシー会社はすでに申請しているように私は聞いておる。そういうことになつた場合に一体国策としてのそういう周波数の割当というものに一つの企画性を持つていないのじやないか。とにかく早いものがちだということになる。今日の日本の標準放送を見ましても、これは何としても民間放送がかように無軌道に商業放送を殖やしたということは、これはもう禍いがすでに現われつつある。これはすでにして、これは吉田内閣が緊縮財政を説いたつて、この民間放送がコンマーシヤリズムでやつておるこのこと自体が物価を下げるということをチエツクしているということはこれは大きな経済問題なんです。我々国会議員としても誠に杞憂に感じたことがすでに現実のトラブルとなつて現われて来ているのです。そういう二点から考えて一面から言えば国内で自由にできるこの周波数というものに対する企画性がないのじやないか。VHFからいきなりもうマイクロ・ウエーブに行つちやつてUHFのスペクトラムにタツチしない、多少タツチしているかも知れないけれども、ここはもう空つぽになつておる。こういうようなやり方では私は電波監理局の周波数の割当というものに対して果して企画性があるかどうか、少くとも東京における三つのテレビジヨン放送は、これはもうVHFでやるということはこれは止むを得んかも知れん。併し今後許すべきテレビジヨンの免許についてはこれはUHFを使用しろということぐらいな一つの企画性を私は持つておるべきじやないか。これは電波監理局のみならず電波監理審議会がそういうポリシーを一つ私は立てる必要があるのじやないか。そういうことを今まで電波監理委員会、或いはその諮問機関である電波監理審議会が、そういうことを考えたことでもあるのかないのかということを私は非常にこれは心配するのでありますが、その間の事情を一つはつきり説明してもらいたい。
#8
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。今山田先生のおつしやいましたこと、私どもも御尤もと存じております。お話にありました点が二、三点に亘るように思いますので、その点を分けて申上げたいと思いますが、最初に標準放送の関係でございますが、これは先ほど申上げましたように、約一年ぐらいの調査期間を持ちまして、又各方面のかたがたの御意見を聞きまして、一応日本の国としての民間放送も含めまして、日本の放送が日本において使うことのできる標準放送の周波数を如何にしたならばいいかという割当計画を作りまして、それによつてNHKの放送局並びに民間放送局を具体的にどこの町にどれだけの電力のもので、どの電波を使えば放送局を置けるかというところまでの綿密な計画を立てまして、それによつて許可認可をいたして来ているわけであります。従いまして、新聞関係からいろいろのニユースの放送を特に目的とした申請が出ておりますけれども、これの処置は勿論電波の点につきましては今申上げました割当計画の上で割当が可能であるならばそれは考えられますが、又一方標準放送というようなものは特定の限られた使用者が、限られた目的だけで専用してしまうということに許さるべきかどうかというような点からも慎重に考慮しなければならない、こういう考え方で過般郵政省としてのその問題についての考え方等も公表いたしまして、関係者の注意も促している次第であります。従いまして、民間放送につきましては、確かにいろいろの御批判もあるかとも存じますけれども、一応電波の方面からは一応合理的なと思われるような計画を作りまして、それに従つて、やつているのが現状でございます。
 次に現在の短波から超短波、或いは極超短波からマイクロ・ウエーブに至るまで、どういう計画で、どういう考え方で使つておるかという、こういう御質問でございますが、お手許に過日周波数の割当状況という表を差上げてございますが、それはたまたま二十八年の十月末現在の表を差上げてあるかと存ずるのでありますが、それを御覧願いましても、大体の見当はつくと思うのでございますが、ちよつと数字的に多少違いますが、今年の三月初旬の現仕で申上げますというと、大体短波以下が、日本の国全体として千三百三十三の電波がありますうちに、短波以下のものが三百七十四、それからいわゆる短波と見られますのが三百六十一、それから超短波帯が四百五十三、それから今お話に出ましたUHFに相当するところが八十六、それからマイクロ・ウエーブと考えられるところが五十九、こういうような状況になつております。御承知のようにだんだんこの電波の利用は長い波長のほうから短い波長のほうに技術の進歩により移行いたしております。短波までは、戦前非常に使われておりますけれども、戦後特に超短波でもいわゆるVHF、UHF、SHFとだんだん波長の短いほうに波長が移つて行つておるのであります。今申上げたような現状になつておるのでありますが、只今御指摘のような超短波、いわゆるVHFの範囲は利用面が非常に多うございます。いわゆる移動体との通信もできますし、電電公社のような公衆通信が多重通信用にも使いますし、比較的技術的の点でも容易でありますので、一般に非常に使われておりますが、マイクロ・ウエーブとなりますと、これは御承知のように一つの無線回線でたくさんの通信を行う、こういうところに要点がございますので、どうしても技術上にも施設の上でも非常に厖大なものになり、且つ経費もかかり、技術的にもいろいろ問題の点がございますので、どうしてもマイクロ・ウエーブの開発といものが遅れておるのはどこでも同じでございます。その間にUHFの利用の点が御指摘になりましたけれども、ここではちよつといろいろ技術的にむずかしい点が各国とも共通でございますが、あつたのであります。結局使用する真空管というようなものも、マイクロ・ウエーブになりますというと、全然今までのと考えの変つた真空管を使つておる。VHFまでは大体短波帯と大体似通つた程度の真空管でできるのでありますが、丁度その中間のところではちよつと技術的にもどちらでも不便だというところがありますので、比較的開発が遅れておりますが、現在は先ほども申上げましたように、その範囲でも相当日本において使われております。それから御参考までに申上げさして頂きたいのは、この短波以上の波長の短いところも国際的にいろいろ利用の範囲がきめられております。例えばこれは航空機に使うことにしようとか、いろいろやはりきめられておりますので、その制約のために一般の陸上の移動用には割合に使つていない範囲がその中にあるわけであります。そういう制度のために、或いはUHFのバンドのところが割合に使つていないような形に見えますけれども、実際は数字的にも先ほど申上げましたように、日本においてはすでにその範囲についても相当利用されておる現状であります。
#9
○山田節男君 さつきもう一つ質問したつもりだつたのですが、わかつておりますか。今のUHFに対する技術的な困難性がある、これは先ほど申上げたようにテレビジヨンでR・C・Aの全国のネツト・ワークを全部UHFにした、これもアメリカは技術的に可能で実用化しておるのでありますが、日本はテレビジヨンは不幸にして公共と商業とが同時に発足したという極めて不自然な、これはむしろ言えば電波監理委員会の一番ブランダーだと思うのでありますが、そういうことをでかした上に、この法律を改正しない限りにおいては、申請して妥当と認めるものは全部許可するということになれば、テレビに要する周波数にしても、この狭い日本で今後続々許して行くということになつて来た場合、VHFというものはただテレビジヨンにのみあるのではなくて、今後の電子管科学の発達ということによつて私は最近いろいろと雑誌や本を読んで見ると、真空管によらないトランジエスターというものができたために、これは無線においては全く何と言いますか、非常な革命を起しつつある。そういう趨勢を見るにつけても周波数のスペクトラムを割当するについては、政府としては極力これをセーヴする、節約する、制限するのではなくて、節約する。大体例えば今のように比較的日本でおろそかにされているUHFのスペクトラムというものの施設は多少VHFの送受信機施設より金が要つても、私は政策としたならばUHFの開拓のためにむしろ政府として奨励して、その分野においてはテレビジヨンの今後の免許申請に対してもUHFを使えば免許するというような意識的な政府の周波数の割当を考えるべきじやないかと思う。その点について、電波監理局長の直接の御答弁がないのですが、これは費用の問題でなくて、政策の問題を私は申上げているのです。こういう見地から御所見を聞きたい。
#10
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。御答弁を漏らしまして失礼いたしました。只今御指摘の点でございますが、先ほどUHFのバンドのところでの使用についての私はやや御説明が足らなかつた点がございます。このバンドは実は航空関係ばかりでなしに放送専用に割当てられることが非常に多いのであります。放送と申しましても、それは大体テレビ関係の放送関係にUHFのバンドでは国際的にきめられたところが非常に多うございます。従いましてこの範囲ではほかの用途に使うのが割合に少いのであります。少いような形に国際的な割当ができております。アメリカでは御案内のようにVHFバンドでのテレビ局は全国にたくさんできておりますから、普通のテレビジヨンのバンドでの新らしい放送局は作ることができなくなりましたので、長い間の調査と聴聞会等と経まして、UHFならばテレビジヨン局を作るということで、一昨年でございましたか、凍結を解きまして、UHFの放送局もたくさんできておる。そういうわけで、UHFのバンドのところは、たまたまと申しましようか、放送用のバンドが相当にございます。日本におきましては、まだテレビジヨンを始めたばかりでございます。VHFの放送のもつと低いほうが技術的にも容易でございますし、聴視者のほうの受ける機械の技術的、従つてそれの経費の点も安うございますので、先ずVHFで或る程度までのテレビジヨンの放送局ができました暁において、なお且つ日本においてテレビジヨンの放送局が要るということになれば、只今お話のようにUHFに移つて行くであろうと思うのであります。そういうことのためにややUHFバンドのところは国際割当の関係から相当制限がされておりますために、ほかのバンドと比べますと、形の上では如何にも利用が余り少いように見えますけれども、現実的には相当この点を使つております。
 それからなおこれは蛇足でございますけれども、現在駐留軍が日本におるわけでありまして、駐留軍関係がこのバンドを相当使つておりますために、日本側のほうに割合にほかのバンドと比べると利用してない形になつておりますけれども、VHFバンドの利用を駐留軍が相当使つておりましたのを日本側がこれを使うようにいたしまして、当分の間は日本でUHFの放送も行いませんし、そういう関係からこのUHFバンドのところに駐留軍関係が割合に多く移動した関係もございますので、これはやや先生の御指摘になりましたように、形の上では日本がこのバンドを使つていないように見えますけれども、国内的にはこの辺のところも相当混雑しておるのが現状でございます。
#11
○山田節男君 この短波以上の周波数の割当について、これはまあ大体比率と言いますか、例えば将来の国防関係、防衛関係のもの、これは空軍のような非常に移動性を持つもの、それから固定的なものですね。使用する数から言えば、これはやはり防衛関係が非常に将来大きくなるのじやないか。それから警察関係、治安関係で使用する無線通信、それから船舶、それから官庁にしましても例えば運輸省であるとか、或いは今日公社においては電電公社、或いは国際電電公社、その他官庁におきましてもこの無線通信の短波通信が非常に便利である、迅速であるというようなことからこの需要が殖えるということは、これはもう火を見るよりも明らかなことである。同時に一般の民間におきましても、産業上或いは商業上、やはりこの無線通信というものを利用する度合が非常に多くなるのじやないかと、そうすれば本体政府として国内的に使用し得る周波数のスペクトラムというものを、大まかにでもいいから大体その比重を定めた割当をきめて私はあるのじやないかと思うのですが、これは丁度あのアトランテイツク・シテイの一九四七年の条約を見ても、アメリカのF・C・C、連邦通信委員会の実際を見ましても、中波以上極々超短波に至るまでも周波数のスペクトラムをどういうように使うかという一つの枠を大体きめてある。そうしてその枠内で以ていろいろな操作をして行く。これがいわゆる何と言いますか、電波の統制上最も必要なことである。で、こういう点において私は日本の政府が具体的にどういう実際正確な、もう変更し得ないほどの枠を設けてやつておられるというようなことを聞かないのですが、この点はどうなんですか。
#12
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。短波以下につきましては先ほど申上げましたように、国際的な関連が非常に強いものでございますから、国内だけにいろいろきめることは却つて不利な場合もございますので、その点につきましてははつきりした枠というようなものは作つてございませんけれども、但し通信の目的からしまして重要度というものはおのずから出て参りますから、そういう点からの順位という点を十分に考えて処置をいたしておる次第でございます。短波以上のいわゆる超短波以上の点につきましては、先ほども申上げましたし、又只今お話がございましたように、各施設の使用目的に応じての或る区分というものを作つてやつて行くのが最も合理的でございますので、そういう考え方から実はやつておるのでございます。その点が実は了解を十分にいたしておらなかつたために、お手許に差上げました資料等はそういう形になつておりませんけれども、何でございましたならば、後の機会に今の御要求のような状態のわかる資料を差上げて御了承願いたいと思います。
#13
○山田節男君 これは委員長にお願いしますけれども、やはり国内で使用し得る周波数の割当ですね、この分野をやはり明確にきめたものがあると思うのですが、これは資料として委員会で一つ御請求願いたいと思います。
#14
○委員長(左藤義詮君) ようございますか。
#15
○政府委員(長谷慎一君) はあ。
#16
○山田節男君 私ばかりで何ですが、最後に一つ。大体周波数の割当に対する政府のやつておられる現状はわかつたわけでありますが、御承知のように電波使用の技術が非常な急テンポで発達しておる今日でありますから、今日の電波行政は一年後において必ずしもこれは妥当でないと私は言い得ると思う。もう四年前に本国会で制定された電波法並びに放送法が、今日すでにいろいろな現実の行政上隘路となり、又非常な不適当なことになつておる。これを以て見ても電波行政というのは日に日にこれは進歩して、附帯条件が日々変つて来るということはこれはもう私過言でないと思うのです。
 そこで電波監理局としてはこういう最も重要な国民共有の財産と言いますか、これを現実に免許の形において官庁なり、或いは商業一般の私企業にまでこれを免許の形において与える。これはもう非常に私は重要な、政府としても重要なこれは私は職務でなければならないと思うのです。そういう見地から立ちまして、この電波の割当即ち周波数のスペクトラムの割当の根本政策ということにつきましては、今長谷局長からお聞きしたことだけでは、今後の電波技術の発達ということを我々が顧みますときに、まだまだこれは努力してもらわなければならん。機構におきましても、或いは職能におきましても、又電波監理局と言いますけれども、これはどうしたつてやはり一つのこういう仕事の性質から見て、単なる行政官庁でない。電波監理審議会でありましても、電波技術審議会がありましても、電波監理局というのはこれはもう他の局とは変つた非常な複雑な性格を持つておるというように私は思うのです。そういう見地から秋は、これは行政機構の云々という問題じやありませんけれども、今日の電波監理局の機能を以てして、又電波技術審議会、或いは電波監理審議会、而もそれが郵政省の一内局としてあるということについて、僕は幾多の不便があるのじやないか、国内的にも対外的にもいろいろこれは私は現実の問題として、電波行政ということから、国際的の見地から見ても国内的の見地から見ても、非常に私は不便な点があるのじやないかと思うのですが、こういう点についてこれは私大臣にも聞きますが、局長は直接この電波行政の監理的な立場として忌憚なく、一体どういうような点に現在の行政機構上困る点があるか、又長所があれば長所もお伺いしたいのですが、抽象的にでもよろしうございますからこの点一つお伺いしておきたい。
#17
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今山田委員から周波数の割当問題を中心といたしまして、電波監理の行政のやり方につきましてのいろいろのお話を頂きまして、私ども全くお話の通りと考えておるのでございます。御承知のように、電波関係の技術は、これは日進月歩でございます。又戦争後日本の国内のいろいろ事情から、戦前に比しましては、全く夢想のできないほどに国内の無線の電波の利用が活発になつて参りました。従いまして今日の電波行政が、来年の電波行政に果して適当であるかどうかというお話の点も全く私ども同感でございまして、常にやはり先を見つつ仕事をして行かなければ、電波監理というような仕事はできないのではないかと実は考えておる次第でございます。従いまして私どもの仕事の根本をなします電波法、或いは放送法につきましても、御指摘のようにすでに制定されましてから相当の年数を経ております。この法律が制定されましたのは占領当時でございますし、その他只今申上げましたように、利用面も非常に殖えて来ておりますし、国の内外の情勢も変つておりますので、いろいろな観点から、これはやはりもう一度お考えを、場合によつては再考慮して頂かなければならんことがあるのではないかということから、実は慎重に調査をさして頂いておるのであります。結論を得次第、御審議を願つて、変えるべきところは変え、廃止すべきところは廃止して頂くように処置をさして頂きたいと存じておるのであります。只今いろいろ御親切に御下問下さいました機構問題でございますが、顧みますというと、逓信省或いは逓信院時代の電波局から電波庁となり、更に電波監理委員会として、総理府の中に独立機関として設けられ、一昨年の夏の行政機構改革で、再びと申しましようか、郵政省に戻りまして、現在の内局になつておる。御承知のような経緯を辿つておるのでございますが、日々の私どもの現在の仕事におきましては、只今のところさしたる支障を感じておりませんけれども一つの私どものいろいろな不便と申しましようか、そういう点を端的に申上げさして頂きますというと、郵政省は何と申しましても、事業官庁で特別会計でございます。いわゆる公企労法の適用を受ける職員が大部分でございます。そこに電波監理関係のものは、いわゆる一般会計でございまして、而も仕事の性質上極めて現業的な仕事をする部分が多いのでございます。例えば電波監視とか、或いはいろいろな無線局の検査監督に出かけるものは、全くほかの官庁の、一般官庁の勤務の内容と違いましていわゆる現業的な性格を多分に持つております。そういう仕事の内容から申しますと、電電公社等の仕事と全く同様であります。又勤務の状態から申しますと、郵政省の現業職員と同じような形になつておるのでありますが、職員の給与、その他一般の何は、一般公務員と同様に律せられますために、同じ屋根の下で、場合によつては机を並べて仕事をするものが、給与が違うということのために苦しみは持つております。併しもともと電波関係申しましても、古く辿りますれば、逓信省というところから発展して来ました仕事の一分野でございますので、そう申しては変でございますが、お互いに気持の理解し合つているものでございますから、実際の仕事の面等につきましては、今申上げました給与の面等におきましても、いろいろ好意的な取計らいを郵政当局のほうでも面倒を見てくれておりますので、ほかの省に属するよりは、郵政省に属しておるのが私はよいのではないかと考えております。併し今後電波監理の仕事が量的にも質的にも、更に一層の拡張がせられましたときに、現在の形でよいかどうかということになりますれば、やはりこれは諸般の情勢を考えまして、最もよい形を考えて頂かなければならないのではないかと思つておりますが、今申上げましたように、現在のところでは多少のいろいろの問題は、予算上、機構上の問題からございますけれども、仕事の上ではさしたる支障がなく行われておる実情でございます。
#18
○山田節男君 最後にもう一つ、私ばかりで恐縮ですが、これで最後です。電波監理局として行政の主体である無線の問題でありますが、もう一つ根本的に緊急に考えなくてはならんことは、いわゆる電子管科学、エレクトロニツクスの科学が非常に進歩して来ましてこの間申しましたトランジエスターの問題と同じに、電波の、これは電波科学と言いますか、電波行政についてもこれは私非常に重大な関心を持つておられると思うんです。そこでトランジエスターにしてもまだ幼稚の段階を出でない。殊にエレクトロニツクスの科学というものは、今予算で問題になつておるような原子炉の問題と等しくこれは重要なものである。これが及ぼす面は、単なる無線通信ばかりでなく、いわゆるエレクトロニツクスを利用した防衛上の兵器であるとか、或いは広くは産業上におきましては殆んど人間の頭脳と同じような働きをする単なる計算機でなく、高等数学等も、例えば百人の人間が三日かかつて解決し得るような数字的の問題も、このエレクトロニツクスによれば一瞬にしてこの答えが出る。そこまですでに電子管の科学というものが進歩して来ておる。これを直接電波行政に関連して考えましても、この電子管科学というものが日本に速急に、欧米に追付くほど進歩するかしないかということは、日本の将来の防衛上は勿論のこと、一国の産業上、経済から考えましても、これは重大な私はエレメントだと思う。そこで通産省ということも考えられますけれども、併しこの電子管科学というものは、やつぱり同じく電波監理局というものが直接これは関係がある。で、このエレクトロニツクスの科学を日本が速急に欧米に追付くというこの政策は、これはもう現内閣としてできるだけ速急にこれは着手しなくてはいかんのじやないか。単なる商社がコンマーシヤルの立場でやるということになれば、到底進歩は遅々として我々の利用に応じられないことは火を見るよりも明らかです。そこでこの電子管科学という、エレクトロニツクスの科学の進歩というものに対して電波官庁として郵政大臣なり、或いは内閣当局に対して、例えば今年度の予算においてもこういう問題について政府は重大な関心を持つて、予算にも計上すべきだと、そういうぐらいの私は気持を持たれておるだろうと思うのですが、実際問題として電波監理局は、エレクトロニツクスの科学の進歩に対してどういうふうにしたらいいかという、若し心組でもあれば御参考のためにお聞きしたい。
#19
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今御指摘になりましたように、確かにこの電子工業の発達ということは、日本としましていろいろな意味から今後重点的に考えて行かなければならん一つの大きな課題ではないかと私どもも思つておるのでございます。併し何と申しましても、戦争戦後から日本がこの方面における研究におきましては、他国に比べて相当な遅れをしておつたために、一気に諸外国並みのところまで行くということには、並々ならん努力が要ることは当然でございますが、最近一つの方法として具体的にとられましたのでございますが、いわゆる技術導入という形で相当長足な進歩をしまして外国のレベルまでだんだん追付いて参りました。併しながら今御指摘になりましたように、これは単に外国の技術をまねるだけで終始すべき問題ではないのでございまして、日本みずからがみずからの手でこの方面の研究もやり、この方面の産業の開発を図らなければならんことは全くお話の通りでございます。でこの電子工業関係でございますが、この電子管と申しますか、その働きはこれによつて電波を発生したり、或いは電波を受けるときの道具に使うばかりでなしに、いわゆるリレー、電気の流れを切つたり、これを通したりするようなこと、つまりいわゆる継電器と申しましようか、リレーの働きもするわけであります。そういう観点からのこれの応用によりまして、今山田委員からもお話のありました計算器とか、或いはその他のいろいろな作業をするようになるのでございまして、例えば一般の電気通信におきましても電話交換機は全然今機械的な動作によつて番号のセレクシヨン、選択をいたしておりますけれども、これを電子管、或いは先生御指摘になりましたようなトランジエスターの将来使用によりまして電話交換にどんな革命が来るかも知れないと思うわけでございます。そういう意味におきまして単に電波という面からばかりでなしにこの電子管の研究というものは電気通信、或いはそれから更にいわゆるサイダネテツクスの点からいいましてもこれは大きな研究課題でございます。そういうふうな意味におきまして日本の今日の現在ある研究機関で若しも活用し得るものがあるならばこれを最大限度に活用すると、こういう考え方で行かなければならんと思つておるのでございます。で現在この方面につきまして多少でも現在研究をなされておりますのは御承知の日本電信電話公社の電気通信研究所、それから郵政省の附属機関として電波研究所がございますが、これは主として電波の伝わり方のほうに重点を置いておるものでございますからまだ具体的にこの方面の研究には着手いたしておりませんけれども、かねがねそういうような観点からの調査等はいたしておるのであります。そのほかに日本放送協会におきましても放送技術研究所がございまして相当電子管、まあ特にテレビジヨンの方面から入つて参ります、この方面の研究等には多年力を入れておるわけでございます。又工業技術院のいろいろな電気試験所等においても或る程度この方面の研究もやろうといたしておりますので、これらの三乃至四者のものが官の、官と申しましようか、公共的な機関の研究機関といたしまして総合した力を出せるような形に持つて行きたい、こういうようなことで内々お話合い等いたしております。何せ先生の御指摘のように非常に問題が大きな問題であると同時に、その研究の施設、或いは研究を行いますための費用等も相当の莫大な額になるためにまだ具体的な何はできておりませんが、現在のところでこの方面についての比較的まとまつた研究をやつておるのが電気通信研究所だけだと申上げてもいいかと存じます。
#20
○委員長(左藤義詮君) 郵政大臣は只今予算委員会に出ておりますが、間もなく出席いたすという通知がございます。この際監理局長その他に御質疑のかたございませんか。
#21
○新谷寅三郎君 郵政大臣に伺つてもいいのですが、局長から一つ聞きたいと思いますのは、まあ最近、山田委員或いはこれにお触れになつたかも知れませんが、最近各地の商業放送が非常にたくさん免許されて、もとよりこういう商業放送を電波の許す限り許可して行かれるという方針については、一応尤もな点も私はあると思います。決してこれはむやみに阻止しようと、或いは少くしようという意図はないのですが、ただこれももう少し大きな観点から考えて行く必要があるのではないかと思うのです。というのは、広告をとつて経営して行くわけでありますから、こういう広告の財源が各会社その他にあればこれは勿論成立つて行くわけでしようが、日本の経済全体の規模とか、或いはその程度とかという点から見まするとですね、やはりこの各地に放送局をこしらえて相当の設備資金も出し、そうして広告をとつてその財源によつてそれを賄つて行くという程度にまで、果して行つているのかどうかということを考え直さなければならないのではないかと思うのです。
 そこで私は結論を以て今あなたにお尋ねしておるわけではないのですがね、やはりここには電波の割当の関係もあり、それから日本の経済自立と申しますか、日本の経済の現状から言いまして、やはりおのずからそこに限度があるのではなかろうか。成るほど放送法なり電波法なんかによりますと、これは当時も説明がありましたが、これは法規裁量できめるのだ、自由裁量の余地はないのだということでとにかく規格に合つたものならば許可しなければならないのだという建前で今来ておられる。そうしますと、殆んど一つの県には必ず一つの放送会社があるというようなことで、中には大きな県では二つも三つも放送会社ができて、そうしてお互いにそれをまあいわば経営上は鎬を削つておるというような状況なんです。こういう状態が果して健全な商業放送の発展のために望ましいのかということも私は別な見地から見直して見る必要があるのではないかと思う。ですから単に電波行政をやつておるんで、電波の割当上差支えがないかどうか、それからきめられた規格に合つておるかどうかということだけから見ないで、もう少し高い観点からこの問題を見て行かないと今にアメリカが非常に苦しんだようにいわゆる商業放送の経営会社が国内に氾濫してしまつて、そして電波の使用についても非常に困つた結果になるであろうし、まあ経済界から見ても非常に困つた結果になるというようなところまで日本も追いやられるのじやないかということを心配するわけなんです。これはあなたの今の職務から電波に対してお答えになることはむずかしいかもわかりませんが、そういう一番重大な電波行政を担つておられる、一番関係の深い電波行政を担つておられるのですから、これらの点についてもう少し閣議等でも将来の対策について検討してもらつてですね、これを将来とも困らないように育てて行く必要が今からあるのではないかと考えるのですがあなたの御関係になつている分からでも結構ですが、その点についてのお考えをできるだけ明瞭にお答え願いたいと思います。
#22
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。お話の点一々御尤もでございまして、私どもも先ほど山田委員からもお話がございましたときにもちよつと触れたのでございますが、現在の電波法というものがこれほど日本の国内で無線なり、電波なりの利用についての関心が高まつていなかつた時分に出ているのであります。従いまして放送を初め、各方面において電波の利用がこれほど国民全般に亘つて各方面の関心が高まつて、非常にその意欲の盛んになつて参りましたときには、又おのずから別の観点から法律の条項というものをきめなくちやいかんのではないかと思つているのであります。今御指摘にありましたように、確かに法律上の基準に合つておりまするならば、郵政大臣は免許を与えなければならないということになつている。御指摘のように大臣の自由裁量ということは頭から否定されているのであります。従いまして一応、而もその中でその業務を申請している仕事を維持してやつて行くことのできるだけの財力があるかどうかという判定の条件が一つございますけれども、この判定もなかなか実際上から申しますとむずかしいので、申請書の、一片の申請書に書いておる表面的なことだけでは到底これは判断はできかねます。殊に放送等の場合にはそれから後に仕事を始めるものでございますので、なかなかそういう点の判定ということが非常に困難でございます。従つてこれは別の観点から全般的な、或いは国全体としての観点から適当な規制を加えて行くと、必要な判断を加えて行くというのよりほかにはない。御指摘の通りのことだと思うのであります。一応私どもといたしましては結果約にはいろいろ私どもも考え直さなきやならん点を感ずいているのでありますけれども、昨年の電波の割当計画を作りましたときには、国全体として民間放送としては大体どのくらいまでを考えるのが適当かという点等も頭に置きまして、NHKとの関連を考えつつ一応電波の割当計画を作つたわけです。その電波の割当計画と申しましてもそれには電力というものを一緒に考えます。又どこの県のどこの町というところまで具体的に考えてその計画を立てたのでございますので、その際には一応はつきりした数字的には別問題といたしまして全体的には大体日本の、広告によつて賄われる民間放送の経済的な可能性というものはどの辺まであるだろうというような点も一応考えた、当時といたしましては、つもりでございますけれども、お話のように日本の国内の経済情勢はどんどん変つて参ります。そういう点から申しますというと、結果的には確かに民間放送が相当多分に多過ぎるのじやないか、こういうような御批判もほうぼうから頂いているのであります。従いまして今後その割当計画に従つて免許をいたしますにつきましても、お話のような点は十分考慮して行きたいと考えているのでございますが、何分にも法規的にはそういう形になつておりますために、実際的にはなかなか調節の困難な場合も出て来るのでございますが、郵政大臣とも今御指摘のありましたような考え方につきまして実はいろいろお話合いもいたしており、単に電波があるから無制限に許すということは厳に慎むべきではなかろうかというような考え方でいろいろ研究もいたしている次第でございます。なお標準放送につきましては今も申上げましたように、殆んど割当計画に従つての免許は殆んど全部が出揃つた形でございますので、今後更に殖えて行くというようなことは余りないだろうと私ども思つている次第でございます。
#23
○新谷寅三郎君 少し細かくなりますけれども、大臣が来られませんので、もう一つ関連して伺いますが、今あなたがたの手許で考えられる方法としてはですね、この前の、昨年でしたか、御説明のときに電波法の関係の法規の、法規ですか、或いは内規ですか存じませんが、或る部分を変えて、結局或るステーシヨンができた場合に、そのステーシヨンで放送をする番組ですね、番組の相当大きな部分が独自に編成されてないと、編成されなければ許さないんだというような規定があつたのを、むしろ逆に緩和されたのですね。これは多分その当時の説明のように実行されたかと私は考えるのですが、これは何もNHKだけじやない、或いは民間放送だけじやありません、これは両方の共通の問題だと思うのです。独自に或る土地でNHKの放送局なり、或いは民間の放送会社なりができて、そこで独自の番組を編成してそうして、どうしてもこれは土地柄としては必要なんだということであれば、その部分が多ければ多いほどそれは必要性は客観的には多いだろうということは言えるだろうと思うのです。それをむしろ逆に少くされたので、今度はNHKについて言えば、中央放送局から流して来る放送をただ中継してやつている。民間放送についても他の放送会社で作つた番組を、そのままもらつて来て、そのまま再放送するという部分が非常に多くなつても構わないんだというような方向をとつておられるわけですね。私はだから、これはあなたがたの手許で今考えられる方法だと思うのですが、この点はなぜむしろ逆に今御答弁のようなお気持だとすると、逆にその独自の番組というものの時間をもつと長くされなかつたかということについてまだ今日でも私は疑いを持つているのです。この点は大臣おいでになつたから答弁はあとでもよろしうございますが、今あなたが答弁されたような方向で進まれるとすれば、そういう問題についてもつと真剣にお考えにならないと解決できないんじやないか。これはもう一番公平で、客観的な、妥当性のある一つの基準だと私は考えております。答弁はあとで結構です。
#24
○委員長(左藤義詮君) 大臣は地方行政委員会から短い時間だけでということでこちらへ来られたようでありますので、只今の新谷委員の質問に対する答弁はあとにいたしまして、先ほど山田委員より特に大臣の御要求があつたのでありますが、大臣の時間の許します限りにおいて御質問を願いたいと思います。
#25
○山田節男君 これはちよつと十分、二十分ではできないのです。それで私も時間もありませんから一、二問だけ簡単に質問します。
 これは、過日塚田大臣は大阪のほうへ行かれて飛行場での新聞記者会見で将来の電波割当は、これは相当厳重にやる。こういうことをおつしやつたということを私は新聞で見て、これは非常に私は塚田大臣は問題を認識されて来られたと非常に意を強うしたのですが、この電波割当ということは、これは非常に漠然とした言葉ですが、只今までは実は長谷電波監理局長から一体政府としてこの周波数の割当についてどういう方策を持つているのか、これはどうしようという一つの根本的な態度を持つておるのかということをいろいろ質問をして或る程度までわかつて来たわけなんです。過日のまあ大臣が大阪で新聞記者に語られたことはこれは私は非常に当を得たものだと思うのです。さてこれを具体的に一体どうするのだ、少くとも今日の新聞に関連して言えば周波数の、英語になりますが、スペクトラムというバンドを、これをどういうようにきざんで国策に副うように使うのか、或いは放送法、電波法の趣旨に従つて、あの第一条を生かして使うのにどうしたらいいかというところが、私は大臣としての苦心がおありになることはわかるわけです、各論的にはいろいろ電波管理局長の御意見を聞きましたが、大臣としては現行法の放送法、或いは電波法、これはもうアメリカ式に非常に自由主義的なと言いますか、リベラルな法律です。今新谷君も質問しておられたが、一定の条件を備えておられて、申請したならば、これを開設を許可しなければいかん義務になつているのだ。こういうまあ今電波監理局長の説明があるわけであります。そういうことでは、この例えば周波数の割当にしても、一旦申請して、財的にも、技術的にも一定の条件を備えているならば、大臣はこれを許す義務があるのだ、こういう現行法の下において、あなたがおつしやつたような電波の割当を規制するというようなことは、私は非常にむずかしいのじやないか。併しそこには何か大臣の肚がおありになるのじやないかと思いますが、この点は抽象的でいいから、専門的なことは、私は監理局長以下専門家がおられますからいいとして、大体あなたの心がまえを一つお聞きしたいと思います。
#26
○国務大臣(塚田十一郎君) 実はこういう考え方は、昨年中の国会で山田委員から強く御指摘を受けて、そういうような気持でずつとまあ電波行政を見参つて、ますますそういう感じを強くしましたので、最近そういうように考えがはつきりして参つたわけでありますが、今私が考えております点は、やはり法律からその点も直してかからなければならんのじやないかという、まあ感じを実は持つております。ただ併しどういう工合にそれを持つて行つたらよいか、技術的にもまだ見当はついておりませんけれども、何にしましても、電波行政というものに対する全般的な責任を私が負つておりながら、別個のものがきめたものを、而も相当早い時期にきめたものを、ずつと遅れた時期になつて来て、どうもこれでは具合が悪いと思つても、今の法律では自分の裁量の範囲というものは全く限られております。又問題によつては殆んどないということの責任を持つて、この電波行政というものはやつて行けない。そこで法律に欠陥があるというならば、その部分もまあこれは再検討して見る必要があるのじやないか。そういうようないろいろの部分、問題点を含めて、放送法、電波法の改正というものを考えているわけであります。
#27
○山田節男君 この、今大臣がおつしやるように、現行法を以てすれば、電波法、放送法を以てすれば、規制するところに限度がある。これ又先ほど新谷委員も言つておられたが、例えば標準放送にしても、民間放送がまあ殆んど全国に行渡つてしまつている。それから公共放送のNHKも大体全国に行渡つている。そうすると、最近北海道であるとか、或いは河北新報、或いは大阪のほうの新聞、その新聞社が単なる読者にニュースを伝達するのだという名目の下に、商業放送の申請を盛んにやつている。こういうことが……、
 一つの周波数というものは、先ほども申上げたのですが、これは国民の共有の財産であると思います。そういう私企業にはこれは永久の財産権はない。そのためにこれは免許制になつている。若し三年なら三年、四年なら四年の私はこれを公共の福祉に反して使用した場合に、これは当然免許は取消すべきものなのであります。そこにこの免許制というものの意義が……。周波数というものはつまり国民のいわゆる共有物なんであります。或いはもつと言えば、これは人類の共有物であるわけであります、ですからそこにこの現行法と、それから現在郵政省でやつておる免許のやり方というものが、非常に我々は奇異に感じる。というのは、現行法に非常に規制されるのだから、これは止むを得ないとおつしやるならば、今あなたが大阪でおつしやつたような、電波の割当を規制するという御趣旨が実現できないわけです。ですからこれは忽ち法を改正するか、さもなくんばそういう公共……、これも一つのやはり公共福祉のためになり、大臣においていわゆる行政的責任においてこれを規制するということは、私はできると思うのです。それほどのあなたは覚悟がおありになつて、ああいう言明をされたのかどうか。
#28
○国務大臣(塚田十一郎君) それは御指摘のように、それだけの強い覚悟を以て実はものを考え、又あの機会にも申したことであります、従つて今の法律の下では、そういう工合にはなつておるけれども、一旦許してしまうと、なかなかこれを取消すということは困難になるから、今問題になつているものは、これはもう軽々には許さない方針であるのだということを、事務当局には命じてあるわけであります。まだ今許してあるものを今後どうするかというところまでは十分考え及んでおりませんけれども、併し考え方は山田委員の御指摘になつたように、これはどこまでも公共の福祉というものを頭に置いて、必要な時期があれば、又必要であれば、何らか措置をしなければならない。又そういうふうにできるような権限を、すぐその法律改正の際には頭に置いて頂かなくちやいかんじやないか、こういう感じを持つておるわけであります。
#29
○山田節男君 まあその一例として申上げれば、東京で今度新らしく免許になつた日本放送株式会社、これを入れますと、五十キロワット放送がもうすでにNHKと三つになる。それにNCBという文化放送が入る、一体この人口七百五十万といえども、この限られた地域に商業放送が五十キロワットが二つある。そしてNCBがそこに入る。そしてこれがもう日本放送におきましては、これはオーバー・ナイト放送をやつておる。午前零時半頃から始めるやつもあるのだということです。企画をしておる人にも私は聞いている。というようなことを私は当面企画している者から聞いている。こういうふうになつて来ますと、而も強力な五十キロ放送というものが、公共放送を加えて東京都内に三つもあるというこの事態が、今あなたのおつしやつた、大阪でおつしやつたこととは、現実に申しますと非常に違うのです。でこのことがただそれだけのものならばよろしうございますけれども、商業放送がそういうふうに大変にお互いに競争するということは、これはやはり国民の経済に響き、延いては消費者に響く、或いはもつと大きく言えば、これは吉田内閣の緊縮財政の耐乏予算に、非常にこれは逆コースなんですね。こういうことが現実に莫大な金をかけてやられておるわけです。こういうことも我々は国会議員としてはこれはもう無視し得ない。ですからこれが、こういうことがもうこれは既成の事実だから止むを得んということでは、これは私は今あなたのおつしやるそういう電波の規制ということの政策の徹底にならないと思うのです。それで今日東京は止むを得ないとしても、将来テレビジヨンを含めての地方のいろいろの免許が出て来ると思う。これがテレビジヨンも含めての放送を、あなたはよく大阪でおつしやつたような言明を、放言に終らずしてこれを実行して、あなたがおやりになるという確信がおありになるならいいけれども、この点はどうですかね。あなたは政治的生命にかけても、電波の行政を、将来に禍根を残さんためにがんばる御決意でああいう言明をなさつたのかどうか。もう一遍確信を確認したいと思うのですが……。
#30
○国務大臣(塚田十一郎君) これは具体的にどうするかという点は、繰返して申上げますように、まだ考えはきめておらんのでありますが、併し考え方としては、ああいうような考え方は、自分としては、これは本当に私も日本の電波行政というものは、最近の状態を見ておつて心配になつて参りましたので、これはどうしても何とかしなきやならないと、こういう強い感じを持つておるわけであります。
#31
○山田節男君 それから先ほど相当長時間に亘つて、電波監理局長から講義……、我々にわかりやすく、この周波数の割当ということについての解説を得たわけですけれども、なお私はどうしても腑に落ちないことは、これはまあ政治問題になりますが、この周波数を、短波以下……、これはもう国際的のものであつて日本では割当は如何ともできない。ただ問題は短波以上の、いわゆる周波数の問題は、いわゆるあなたのおつしやる電波の割当という形で考えて見ても、もうこの短波、超短波、極超短波、又極々超短波、こうあるわけでございますね。ところが御承知のように今VHFという、いわゆるこれはテレビジヨンに使い得る程度の周波数、これはもうテレビジヨンの手で或る程度これはもうどんどん使われておるわけです。でいきなりその上にあるUHFと言いますか、超短波です、超短波についてはいろいろ使つているとおつしやるが、まだスペースは随分あるわけです。それを開拓しないで、いきなりもうマイクロ・ウエーブの段階に入つちやうのです。これは電波の行政から、正しいかどうか、健全であるかどうかということです。例えば先ほども質問して、この点についてのお答えもありましたが、例えばテレビジヨンにしても、このVHFでやる場合と、UHF、いわゆる超短波でやる場合、これはアメリカのR・C・Aの実験報告によると、もうUHFのほうでやつたほうが、超短波でやつたほうが、非常に画に対しての、何と言いますか、画の品質がよくなる。例えばX光線のものとか、或いは自動車の発火、その他電車のスパーク、日本に今多い電気妨害、これに禍いされないで、いい放送ができることは技術的にアメリカで証明されておるわけです。そういうものは放つたらかしておいてVHFでどんどんテレビジヨンを今後新らしい申請をする者に許すということになると、さなきだに混雑しておるVHFの周波のスペクトラムというものはますます混雑して来る。放送は全然スペースがなくなつて来るということが考えられる。たとえあつてもこれはセーブしてやらなければならない。予備金と同じで他に使うものはとつておくのが良心的だ。尤もこれはアメリカから今はどんどん輸入すれば直ちにできるようなVHFのテレビジヨンでやつて周波数を割当てる……、アメリカではそれはもつたいないから、或いはスペースもないというのでいろいろ苦心した結果、超短波のテレビジヨン放送をやつている。それによつていろいろやつて見るというと、先に申上げたように電気的雑音というものの妨害がないので非常にいいということになつた。将来許すテレビジヨンに対しては、大阪、名古屋は許したのですが、その他の場合においては周波数の割当ということについては、私は大臣としてそこまで考えるべきではないかと思うのですが、今の電波監理局長の御説明では、どうもそこまで本気になつておられるように思えないのですが、その点はどうですか。あなたの根本的な電波割当からすれば、テレビジヨンもますます今後、今の情勢では殖えるでありましようが、そういう場合周波数の割当についてどういうふうにお考えになるか、その点をお伺いしておきたいと思います。
#32
○国務大臣(塚田十一郎君) なかなかそういう問題は十分まだ検討いたしておらないのでありますが、今お話を伺つておると御尤もなお話が多々ありますので、よく内部部局、中におきまして検討いたしまして誤りなき電波行政を確立したい、こういうふうに感じておるわけであります。
#33
○山田節男君 それから最後に電波監理局長にも、これは希望意見のような質問をしたのですが、いわゆる電子管科学、エレクトロニツクス・サイエンスの科学、これは単なる郵政省管轄の電気通信というものばかりでなしに、一つの基幹的な、今日の原子力の平和的利用という意味で、日本がこれは何としても遅れておる。又これに追付く最も具体的な研究をするには、どうしても国家が補助をしなければいけないと思うのですが、電子管科学の発達は、今度衆議院のほうで予算へ組んだというような原子炉の建設並びに研究という二億六千万円ぐらいの金を計上したように私聞いておりますが、私はそれと同じような重要な問題ではないかと思うのですが、こういう問題については私は希望にもなりますけれども、大臣は一つ十分その気持を内閣に反映するような、電波監理局の当事者に一つこれは十分調査せられて、そうして国として一体これをどうするか、ということは、これは緊急に私は政策をおきめになる必要があるのではないかと思います。この問題は或いは突然でありますから、今日あなたの御意見を聞こうと思つておりませんけれども、併しこれは何としても我々は一日も放置すべからざる問題だと思うのですが、この点について大臣はどういうふうに認識なさつておるか、若し認識なければ御研究の上でどうするかということの一つ具体策を、来年度の補正予算がないとおつしやるけれども、これだけは補正予算に加えてもやるべきではないかと思うのですが、その点について希望をかねて大臣に御質問申上げます。
#34
○国務大臣(塚田十一郎君) 実は原子力の問題で、今度国会修正であの追加の予算が出て参りましたが、この問題をめぐつての国会側のいろいろな論争を伺つておつて、私も同じような問題が私のほうの電子管科学の問題にもあるという感じを持つておりますので、ただあの原子力の問題自体がああいう工合に国会側で唐突に予算だけが出て来て、受入態勢ができていないで非常に混乱を起しておるように質疑を通じて窺われるので、私のほうではそういうことのないように内部部局におきまして十分の計画を立てて準備をして、然るべき予算を要求したいと、こういう感じを持つております。
#35
○久保等君 大臣に一つお伺いいたしますが、この前の二月の末の電通委員会で例のNHKの明年度の予算についての問題でちよつと御質問をいたしたのですが、それに対して極めて近いうちに国会のほうに出されるということになるだろうというようなお話だつたのですが、今日のところまだそういつたところにまで結論が出ていないようにも窺われるのですが、なぜ遅れておるのか。更に又非常に何とか早く緊急に結論を出さなければならないような協会内部の、NHKの協会側と労組側の間における状態も常非に差迫つた最終的な段階に来ておるようなことも聞いておるわけでありますが、こういつたような問題についても、所管大臣として非常に重大な関心を持つておられると思いますし、労使双方の問題の解決についても積極的な考え方を持つておられると思うのですが、こういう問題についても大臣は一体どんなふうに考えられておるのか、そんな点について一応現在の状況について更に大臣としてのこの問題についての心がまえというようなものをお聞きいたしたいと思います。
#36
○国務大臣(塚田十一郎君) この問題も時期がどんどんと遅れて参つて、誠に恐縮をしておるのでありますが、一応郵政省の考え方としましては、成る線を出しまして、そうして各方面、殊に自由党と折衝しておるのでありますが、御承知のように緊縮財政の基本方針と非常に食い違いがあるように感じられるものがあるものでありますから、党側の意見の調整が十分つかないままに延びのびになつておるのであります。併し大体私の見通しでは党側の意見の調整も或る程度できるのではないか。勿論郵政省が考えましたところまで行けるかどうかということにつきましては、若干疑点が出て参つておるのでありますが、或る程度の線で話合いがついて早急に出せるようになるのではないかと、こういうふうに思つておるのであります。この問題も他の問題のように国会で御修正願えるものになつておりますならば、とうに原案は出して、又国会側の意見は審議の段階で容れて頂くというような運びにしたいと思つておつたのでありますが、御承知のようにそれができない形の予算になつておるものでありますから、出す前にやはり聞くべき意見は聞いてまとめませんといかんので、こういう形になつておりますが、もうここ数日うちには結論が得られるのではないか。遅くとも数日うちには結論が得られるのではないか。これは或る程度の料金値上げはやはり止むを得ないという結論になるのではないかと、こういう見通しでございます。
#37
○久保等君 なおちよつと附加えて御質問したいのですが、特にそういつた経営の全般についての内容の検討という点で、いろいろその内容検討せられておることもわかるのですが、特にやはり労働組合そのものの紛争状態の処理というような点についても、何らかの形で相当具体性を以て協会側等に私は所管大臣の立場からも或る程度は指示なり意向なりというものは具体的に示されているのかどうか。ただ単にそれは全般的な今言つた聴取料の値上げという問題の解決に一切をいわば任しておるというものなのか、そういつた労使間の問題は問題として、何らか早急に或る程度の見通しを立てるという意味で指示を与えたような形であなたがたやつておられるのかどうか、その点伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(塚田十一郎君) 具体的に協会の当局側と労使の間の関係に、郵政大臣として意見を申出しておるということはないのでありますが、予算審議の段階におきまして、さつき申上げましたように大体郵政省の考え方というものは出ており、その考え方の中に当面問題になつておるこの放送の給与の問題もおのずから或る線でまあ出ておつて、従つて協会当局としてはそういう線を頭に置きながら、恐らく労組側とも折衝をいたしておるだろうと、こういうような考え方をしておるわけであります。
#39
○久保等君 いずれにしても早急に一つ解決されなければならんと考えられますし、従来からいろいろ御報告を聞いておりまするが、結果的には非常に延びて参つてもおりますししますので、早急に特に私は所管大臣が中心になつて積極的にやはり結論を出されて行かなければ、内閣そのものとしても、或いは又与党そのものの結論と言つてもいろいろまあむずかしい問題があると思うが、一にかかつて大臣のやつぱり御努力にかかつておるのじやないかと思うのですが、早急に一つ結論を出されることを要望しまして私の質問は終りたいと思います。
#40
○国務大臣(塚田十一郎君) 今後とも努力いたしたいと存じます。
#41
○政府委員(長谷慎一君) 先ほど新谷委員からの御質問の点についてお答え申上げたいと思います。御指摘の点は特に放送のように聴取者が或る区域に亘つてたくさんあるというような放送業務等におきましては、御指摘のように確かに電波の使用は貴重なものでございますので、最も合理的に行わなければなりませんので、或る地域で二つ以上の放送局の放送を聞ける場合には、その相互の間に番組が全く同じになるというような時間は或る制限をしておるのであります。ところが従来NHKが全国的に放送の聞けるようにということで、各地に放送局を作つておりましたけれども、その放送局を作りました時分には、大体対象とする放送聴取者の持つておる受信機がいわゆる並四球というような国民型的なものでありまして、そういうもので十分に聞けるようにということで、比較的受信機のほうからの制限のために放送局を相当多数持つておつた地域があつたのであります。その後受信機もだんだんよいほうに変つて参りまして、先般放送局をいろいろ新らしく設置する場合の基準を考える場合には、並四球のものではなしに、それより一段性能のよい高周波一段を基準と考えるべきだという実情でございましたので、現在までは高周波一段付きの受信機のすべてを基準にして考えて来ておるわけであります。尤も最近はスーパ一が非常に多くなりまして、全国的に見ますと四%近くはスーパーになつておる現状でございますので、どんどんそれらの事情も変つておりますけれども、今申上げたような事情からいろいろ放送局の免許をいたします場合の基準は受信機の、対象となる受信機の性能を高周波一段付きというような考え方ですべてを律して来ておつたのでございます。そういう観点から、今申上げました二つ以上の放送局の電波が聞える範囲内での番組についての規制の問題があつたわけでありますけれども、昨年の五月に免許の期限が切れましたときに問題になりましたのは、近畿地方でございますが、京都とか、或いは徳島とか、岡山というところの放送局は従来から十数年、或いは二十年近く放送局はあつて、放送をやつておりました。又その地方のローカルの放送番組も相当組入れて放送をやつておつたのでありますが、たまたま大阪の放送局が電力を大きくいたしましたのと、先ほど申上げました受信機の基準が昔とは変つて参りましたために、今御指摘になりましたような二つ以上の放送局の放送が聞える場合に、その番組の同一となる時間が三分の一以上になつてはいかん、こういるような規定にぶつかつてしまつたのであります。従いまして従来の考え方から言いますというと、関西地区で京都、岡山、徳島というような所は、一斉に放送局を廃止せざるを得ない現状に基準の上から言うとなつたのでありますが、それが果して実際に即するであろうか、地方の要望なりに即するであろうかということからいろいろ陳情要望等もございまして、結局この点は聴聞会にかけまして、果してどうするかということをいろいろ関係者、或いは学識経験者のかたがた等の御意見を伺つた上で、結局或る程度短時間であつても、二時間か三時間であつても、地方の気象通報とか或いは地方の農民なり漁民に対する放送とか、そういうものをやつているのを、単に或る時間の基準の上から見て足りないということだけで、機械的に従来あつた放送局を廃止してしまうということは、非常に一般民に対する影響が多いということが問題になりまして、結局郵政大臣が番組及び受信機の状況等によつて、その地方及び受信者が受ける利益、事業経営の合理性、過去の業績等を参酌し、公益上特に開設の必要があると認める放送局は、今申上げた基準より多少違つてもやれるように変えられたわけであります。
 そういう観点から見まして、確かに新谷委員のお話がございましたように、できるだけ放送局を、電波の利用を合理的にならしめるという意味から言うと、そういうふうに規定を直したことは逆行ではないかというお話、確かにその通りでございますが、今申上げましたようないきさつから、すでに殖えました放送局をこの基準だけで機械的に廃止して行くということについて、その地方の社会に対する影響ということから考えまして、実情に即した処置が郵政大臣として或る程度までできるように変更いたした次第でございます。
 只今申上げましたように、過去の業績等を参酌し、という言葉から考えましても、新らしく放送局を設ける場合には、当然この基準の本文によつて規制されて行くのが当然だと考えておる次第でございます。
#42
○新谷寅三郎君 質問はもうこれでいたしませんが、私は何も昨年私から問題にしましたNHKの京都の放送局とか、大阪の放送局、それを今問題にしているわけじやない。NHKの放送局、それから民間の商業放送局を通じまして、放送局の設置基準と言いますか、そういつたものからいわば放送政策を考えた場合に、先ほど山田委員からもいろいろ言われたように、又私からも多少質問しましたように、そういう方向で今後健全なあり方にだんだんに持つて行かなければならんという段階にあるものなら、商業放送にしましても先ほど申上げたように、他の局から流して来る番組をそのまま再放送するという時間が多ければ多いほど、これは独自性というものはないわけである。そういつたものをどんどん許して行くといつたようなことはこれは余り面白くない。又この問題は今もお話のように、ちよつと何か規則ですか、内規ですかをお変えになれば、設置基準に当てはまるかどうかというので、すぐにあなたがたの手でもやれる問題なんです。私はもつと高いところから御覧なさいと言つたのですが、最小限度電波監理局でやれることはどんなことか考えて見ると、今言つたようなことがすぐに問題になり得るのです。ですからあなたがたの手でやれないことはないのです、或る程度は……。ですから私はそういうふうな性格を以て、それが正しいというので実行しようという御熱意があれば、そういう逆のコースをおとりになる必要はちつともない。NHKの放送局の問題につきましては、NHKの予算を拝見したときに更に意見を申上げますが、政策の問題として考えた場合にも、これは根本的にあなたがたの手でもやれることは早くおやりになつたほうがいいのではないかということを考えましたがために、今質問をしているわけです。これ以上の御答弁は要りませんが、次の機会にNHKの予算でも見ました場合に、これらの点をもう少し政策としてはつきりとされないと、我々としては納得しがたい点が、疑いがここに起つて来るわけですから、十分御検討おき願いたいと思います。
#43
○委員長(左藤義詮君) 本日はこの程度にて散会いたします。
   午後零時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト