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1953/03/26 第19回国会 参議院 参議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第12号
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1953/03/26 第19回国会 参議院

参議院会議録情報 第019回国会 電気通信委員会 第12号

#1
第019回国会 電気通信委員会 第12号
昭和二十九年三月二十六日(金曜日)
   午後三時十七分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     左藤 義詮君
   理事
           久保  等君
   委員
           石原幹市郎君
           津島 壽一君
           石黒 忠篤君
           新谷寅三郎君
           三浦 義男君
  政府委員
   郵政省電波監理
   局長      長谷 慎一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       後藤 隆吉君
   常任委員会専門
   員       柏原 栄一君
  参考人
   日本放送協会会
   長       古垣 鉄郎君
   日本放送協会理
   事       岡部 重信君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○放送法第三十七条第二項の規定に基
 き、国会の承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(左藤義詮君) 只今より委員会を開会いたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたします。
 昨日に引続き質疑を行うことにいたします。
 古垣放送協会長から発言を求められておりますので、古垣参考人。
#3
○参考人(古垣鉄郎君) 本年度の予算の編成に当りまして、難聴地区の解消策のあり方の御質問を新谷委員から昨日頂きましたが、私どもは新谷委員の御趣旨は御尤もと存じます。放送協会といたしましても、放送法の趣旨に従いまして、これらの達成には最善の努力を傾けたい所存でございます。協会は従来ともその面に向つて進んでおりまして、特に改正放送法ができまして以来は、その考えを一段と強化いたしまして、従来よりも一層早急に全国の難聴地区解消に努力して参つたのでございます。二十九年度は新規事業につきまして、一応新設経費等の新らしい増設の増加のための経費と申します点には、国の政策等も十分考慮いたさねばならないといつた見解からして、残念ながらこれを繰延べした次第でございますが、私どもこれを大変残念に思つておりますので、決してこれをやめたわけではございません。従いまして、今後予算の実行に当りましては御趣旨に副い、各運営に十分意を用いまして、経費の能率的、効果的な使用に努めますほか、節約等にも留意いたしまして、難聴地域解消の実を上げるようないろいろの施策を講じて参りたいと存じます。
 又費目につきましても、昨日もいろいろと御意見を承わりましたが、これらのことが推進できますような流用と申しますか、この使途につきまして十分研究して実施に移して参りたいと存じます。
#4
○新谷寅三郎君 古垣会長からの只今の御説明、一応抽象的には、放送法の精神から見て、私の完全という主張をしておりますのに対して、誠意のあるお考えであると思いました。この点は是非そういう方針でやつて頂きたいと考えまするが、もう少しその点は予算に関連いたしますので、直ちに予算をどうする、これを動かしてどうするということは困難かも知れませんが、もう少し具体的に私は質問しておきたいのです。それには只今配付されました県別放送難聴地域改善資料という資料が出ておりますが、これらはいずれも僅かな世帯数を対象にして相当これは経費がかかるだろうと思います。それはよくわかります。丁度山間僻地に一年に何回あるかわからないような郵便物を配達するために、やはり郵政事業でも局を設置したり、集配人を置いたりするのと同様でありますから、相当経費がかかつて不経済であるということはわかるのですが、併し私はこういう地域を大体何年ぐらいの間に解消して行くかというめどをお持ちにならないと、最大限やりますとか、できるだけ誠意を持つてやりますというだけでは、これはなかなか解消して行かない。大体そういう計画をお立てになるということは、NHKの今後作られる予算、つまり二十九年度のみならず、それ以降の予算計画なり事業計画につきまして一つの指針を与えるものだと考えるのです。でありますから、今すぐに年次計画を示して頂きたいと言つてもこれは無理かも知れませんが、只今のような御方針だとすると、恐らく古垣さんは今後大至急に研究をされてこういう難聴地域を解消するための年次計画を具体的にお立てになるだろうと思うのですが、その点についてはどういうふうにお考えでございますか。
#5
○参考人(古垣鉄郎君) 今のお説の通りでございます。早速研究をいたしまして、できるだけ早く実施案を作つて、経営委員会において十分意を尽して実行に移して行きたいと思つております。
#6
○新谷寅三郎君 それで、それに関連しまして、昨日も申上げましたが、これは私は或いは古垣会長とは意見が違うかと思うのですが、昨日も申上げたように、ローカル放送ですね、地域別の放送、これと難聴地域の解消とを並べて考えました場合には、これは当然やはり難聴地域の解消を優先的にお考えになるのが、協会の本来の使命だろうと私は考えるのですが、二十九年度の予算においては、大臣からの説明によりますと、大蔵省では政府事業でも新規事業は一切いけないというような方針から、新らしい局の建設というものは見合せるというような意見があつて、結局新らしい局は作らないことになつたということでありまして、なぜそんなにたやすく私は妥協されたのか、非常に遺憾に思うのですが、経過を聞くとそういうことでありますから、それに従つて二十九年度において難聴地域を解消するための局の設置ということは一時見合せたということも、事情としては万止むを得ないかと思うのですが、併しその代り、私から言えば、その代りに今度は地域別放送に重点をおいて、今後これをうんと拡充をして行くかのごとき印象を与える言葉が書いてあるのです。私はこの点は古垣会長とは意見が違うかも知れませんが、私は昨日申上げまし、ように、これだけ十数億かかるような建設が残つておる。而も日本の中波の周波数の割当状況は、必ずしも今円滑には行つていない。十分とは言えない状態である。ですから各地元の陳情を聞いておれば、恐らく各府県にローカル放送というものをやらせなければならん建前に追込められるのです。併しこれは周波数も十分であり、NHKの経費も十分である場合に考えられるべきことでありまして、今のような状態でそれにも大いに力を入れて内容の充実を図つて行くんだということは、協会の本来の使命から見ると、私は少し贅沢になつて安易な考えを持つておられることを心配するものであります。只今の状態ではまだそういうローカル放送をやります局が割合に数が少いでしようけれども、今にそれを大方針にしてあなたがやつて行かれますと、全国に何十というものが更に増設されまして、それの維持費、運営費というものが大変なことになると思うのです。殊にそういつた所は第一放送、第二放送がすでに聞えておる所が大部分でありますから、新らしい受信者の開拓にはちつとも、ちつともと言つていいぐらい役に立たない。収入の増加はない。サービスを殖やすというだけです。ですから経理上から見ますると、又ここでそのために受信料の増額でもしないことには今度は維持して行けないという結果になることは、私はもう火を見るよりも明らかだと思うのです。私は決してそれを今方針として否定するわけではありませんが、そこまで行き得れば非常に結構なことだと思いますけれども、現在の日本放送協会の状況から行きますと、そこに重点を指向して今後進まれるということについては、この際は多大の疑問を持たざるを得ない。又多大の憂慮を持たざるを得ないと考えますので、どこまでも日本放送協会の本来の使命に向つて第一放送、第二放送というものについて最大限の努力を払われまして、その内容を充実して行く、又飽くまで難聴地域の解消をして行くというのが、放送法に言われておる協会の本来の使命であると考えますので、しつこいようですが、この点につきまして、予算書や事業計画書には書いてありますが、この点について予算の使用上十分な考慮をされて、今私の申上げたようなことに賛成でありますれば、使用計画書の上でこの趣旨を十分に現わして、予算の使い方を十分その点について変更その他考慮して行く、来年度以降におきましても、陳情があつたからどんどんローカル放送局を作ろうなどというような安易な考えをお持ちにならないで、しつかりとして協会の仕事を充実さして行くというようにおやりになる御意思かどうか、これを私念のために伺つておきたい。
#7
○参考人(古垣鉄郎君) 大変有益な御意見を頂きまして、新谷委員のおつしやることには非常に共鳴するところがございます。それから新らしく教えられるところもございます。もともと私どもは難聴地区を解消して日本全国にあまねく聞えるようにしたいということを大眼目として参つて来ておるのでございまして、これまでも決して安易な考えで陳情団に動かされてするというのでなくて、慎重考慮して参りましたが、今後は今の御意見に一層耳を傾けて、そうして一層今おつしやつたようにあまねく日本全国に聞かせるということに努力いたします。
 それから只今の御意見の中に、いろいろ貴重な示唆がございましたので、そういうことを一層十分考えながら、実施の面でもやつて行きたいと思つております。
#8
○新谷寅三郎君 それで、私は監督官庁ではないかも知れませんが、主管の役所として郵政省の御見解を伺いたいのですが、先ほど私が古垣会長に申しましたように、これは郵政省としては、難聴地域を一日も早く解消して行くということについて異存のあるはずはないと思います。それについてはよろしうございますけれども、この地域別の放送につきまして、郵政省もこの意見書で見ますと、日本放送協会の考えておられる計画はおおむね妥当であるというような結論を付けておられるので、私は非常に心配なのでありますが、郵政大臣は、そのことをもう少し早く知つておれば、こういう予算を組まなかつたのだがというようなことも委員会で漏らしておられます。恐らく来年度、来々年度は、郵政大臣としてはもう少し違つた考え方で予算の編成を主張されると思うのですが、郵政大臣だけでなしに、事務当局は、そういうふうな放送法の規定があるにかかわらず、私から言えば、非常に安易な考えで指導されることは非常に困る。いやしくも節減される経費があるのならば、これは節減をして、そうして全力を難聴地域の解消のために当分は尽くして行かなければならないと同時に、番組の内容をよくして行くということは、これは勿論であります。目標はもうきまつているわけであります。この点についてこういう意見書をお出しになつた当面の責任者である主管局長からも、郵政省としての意見を伺つておきたい。
#9
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。放送協会の使命の上から鑑みまして、難聴区域の救済を何をおいても考えなければならんことは全く御指摘の通りでございます。その点につきましては私どもも、先般も申上げましたように、この問題の一日も早い解決を見るように、協会当局において実行計画を立てて実施されることを望んで来ているわけでありますが、先般も申上げましたように、昨年の電波の割当をいたしました場合には、一応難聴区域を救済するために、必要と思われる放送局の設置計画というものをお出し願つて、それを考慮に入れてお願いをいたしました。併し昨日も申上げましたように、その後いろいろ事情が変つて来ておりますので、今後は更に変つた事情というものを、フアクターを考慮に入れて考えなければならん、今まで放送局が一カ所しか聞えなかつた所が、もうすでに二カ所、三カ所聞え得るという事態も起つて来ている所もあるのではなかろうか。そういう場合に、場合によつては放送局の整理ということも大きな観点から考えなければいかんのではないか。従いまして今後この難聴区域に対する置局計画を、局を設置する計画を作成いたします場合にも、そういう点を十分調査してやつて頂かなければならん。協会のほうからお出しになつている資料を見まするというと、県別放送を聞くのには確かにたくさんの局が要り用でございますけれども、どこの放送局も聞えない、いわゆるこり資料におきまして一般難聴地域として示されておりますのは、そのうちの全部ではないのであります。従いまして、そういう点から考えましても、又先ほど御指摘のように、使い得る電波の面を考えましても、到底今後何十というような局を新たに設けるというようなことは殆んど不可能に近いことではないか。そういう点からも、合理的な計画を一日も早く協会当局として設定をして頂いて、その線に沿いまして、郵政省としましても、それらの局が一日も早く実現をして行くように省としての努力をして行きたいと、こういうふうに思います。
 なお二十九年度の予算といたしまして、只今御審議を願つている件の中におきましては、郵政大臣からも申上げましたようなことで、今回新規の局を設けるところは一応見送りにしたのでございますけれども、一応建設勘定として五億五千万円程度のものは既設設備の改修、補修をする、こういうことでだんだんサービスの内容が低下して来ております。なお設備の面で改善をする、こういうところに主力を置きまして、新らしいものを設けるのは来年度以降とするということについての考え方に、一応郵政省としても御尤もだと思つたのでございます。
 それから地方のローカル番組の時間数を増すということにつきましては、確かにいろいろご意見もあると存じますが、新たに放送局を二重、三重に置くということではなしに、現在ありますところの放送局の番組の編成に当りまして、それを現実に聞いておられる聴取者の要望に副うようにして行くということは、又一方新らしい局を作つて行くことと共に、考えなければならんことでございますので、今回値上げをするということに……、一方勿論従業員のベース・アップとか、或いは協会の資産維持とか、そういう点もございましようけれども、値上げをしたこのことが、何らかの形で聴取者にも現実に返つて来る、こういう面が幾らかその中に盛り込まれておるということの一つとして、番組の内容の改善と、それから地方におきましては、その地方の番組の時間が増すという形で、料金の値上げが聴取者に返つて行く、こういう点も協会としては考えられての処置だと存じまして、郵政省としても一応納得をし、妥当と見たわけでございます。
#10
○新谷寅三郎君 もう簡単に済ませますのですが、今のような説明をされると、又私から申上げなければならん。例えば放送受信料の引上げをするについて、その幾分を聴取者のほうにサービスで以て返すような意味でもローカル番組の時間延長というものを考えられたものと認めるなんというようなことを言われますと、一体そういうローカル放送をやつておりますのは、極めて限られた所でしよう。これは全国の聴取者に若しそういうふうな経費を使われるなら、これは極めて公平にやはり全国的におやりにならないといけないものだろうと思うのです。私はまあ形は違いますが、このローカル放送というものを、あなた方はそういう名前を以て呼んでおらんが、私はこれは第三放送と言つてもいいものだろうと思うのです。地域別で違いますが、第三放送です。そういつたものは私はこの際は極力切り詰めて、今ここに出ておりますように、京都とか、徳島、高松、岡山のごときは、一〇〇%第一、第二の放送が入るということが書いてございます。こういう所は第一、第二の放送を聞かせれば、ほかの地域よりもより多くのこの地域だけはサービスをしなければならんということはあり得ないのです。それを京都、徳島、高松、岡山等には一〇〇%聞えるにかかわらず、やはりそこに第三の放送、地域別放送というものを更に附加えてやらなければならんということをどうして説明されますか。全国的ならば別でございますよ。併しこの地域だけそうしなければならん……。そこで私が申上げているのは、これは沿革があつて、前々から、ここに放送局がないと聞えない地域がたくさんあつた。で、今更その局を廃局にするのも如何かと思われる。又地元のほうも非常にやかましいので、それを暫らく残してやつて行こうということになると、今度はその設備も、人もあるものだから、地域別放送を今度は大いにやろうということになるのです。だからその方針の立て方なんですね。で、私の申上げているのは、方針として私の申上げたようなことを郵政省も是認されるならば、近い将来に今お話のように難聴地域を解消するために或いは周波数も必要なんだ、或いは放送室というようなものも必要になつて来た、人員も必要だということであれば、こういう重なり合つたような所は、成るべく機会を見て廃局にしてでも、そういう所に廻すようにしたらどうか、私は具体的に言いませんでしたが、そういう意味も込めまして、どちらが大事かと言えば、難聴地域の解消が第一なんだ、そういう経営方針をおとりになる必要があるのじやないかということを申上げておるわけなんです。それで長谷君の大体前半は、私は御答弁としては了承いたしますが、併し後半のこの地域別放送に関する御答弁、私にはまあ言訳だとしかとれませんが、そういう御答弁をされますと、更に私は又具体的に申上げなければならんことがたくさん出て来ると……。私の言つたことがおわかりなら、もう一遍御答弁を願います。
#11
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。一応この地域別放送として、協会で計画されておりますのは、全国で四十七局から地域別放送を平均三時間組んでおるわけであります。それからその地方のいわゆる豆局と申しましようか、中継局は、そのローカル番組も中継いたしております。そういう状態で、ございまして第一放送、第二放送の実施されている所では、全聴取者にそのローカル番組が行くわけでございますので、一部にだけになるわけではございません。尤も只今御指摘になりましたように、別途提出申上げておりますところの放送協会の、放送局でそのサービス区域が著しくダブつておるというような問題は、又別な問題ではなかろうかと私ども考えておるのであります。これにつきましては、先ほども申上げましたように、難聴地域の救済のために必要が起つて来る場合には、これは当然考慮すべき一つの問題だと思つております。従いましてそういう時期には、これらの重複している局の減力、或いはそれの廃止等のことは当然考えなければならんことになるのではなかろうかと思つておるのであります。
#12
○新谷寅三郎君 どうもだんだん細かくなりますが、大体了承してもいいんですが、第一、第二の入つておる所はローカル放送も入つておると言われますが、例えば私は奈良県ですが、奈良とか和歌山なんかはローカル放送というものはどういうものですか。第一、第二の中に入つているローカル放送を言つておられるのですか。それ以外に京都は京都で別に京都の放送局があつて、三時間か何か知りませんが、別に京都のローカル放送をおやりになるのでしよう。和歌山県や奈良県は、大阪に同じように、京都と同じように続いておりますが、ここには局がない。ローカル番組の組みようがないじやないですか。だから地域別放送をやろうというならば、全国的に計画を持つて、どこの地域にでも、どこの聴取者に対しても、ローカル放送が必要だと思うのであれば、置局計画を進めて行かなければならん筋合いじやないですか。第一、第二が聞えている所は、ローカル放送が皆行つているとおつしやるけれども、そういう御認識じや困ると思う。
#13
○政府委員(長谷慎一君) 私から最初にお答え申上げます。数字的に、全般的な点から御説明申上げたので、只今の御質問の点とは多少食い違つている点がございます。と申しますのは、只今御引用になりました大阪地域においては、この資料にもございますように、大阪の放送と、その近所の放送局と完全にダブツているものでございますから、その地域に関する限りは、確かに第一、第二放送のほかに地域放送というものがある形になつております。併しなからその以外の、全般的に見ますると、これほど放送区域のダブツていない所では、第一、第二だけで、そのうちの第一のほうに大体地方に関するプログラムは入れておるのでございます。そういう点で私申上げましたので、多少お尋ねに対して食い違つておりましたが、その点申上げます。
#14
○新谷寅三郎君 それならばそれはいいんです。それは私も知つております。知つておりますが、初めに申上げたように、だからどれくらいの経費が節減できるか私わかりません。計算してみなければわかりませんが、こういうことをやつておられて、そうして経費の節減の余地が私はあると思うのです。そういう余地があるにかかわらず、難聴地域のほうに対しては、二十九年度は零だというふうにおつしやるから、どうしても私は辻褄が合わんじやないかということを最初から申上げておるのです。まあここに挙げてあるものだけ見ましても、六局か七局程度のものがこれは完全に一〇〇%重なり合つているというふうな局もあるわけです。而もなおローカル放送をやつているでしよう。こういつたのを考えて、私は非常にもつと……税金のようにして集めておる受信料なんだから、これの使い方について、一億になるか、二億になるか知りませんが、万全の構えを以て極力節約をして協会の使命達成に邁進して頂きたいということを繰返して申上げておきます。私の申上げたことは長谷君にもおわかりになつたと思いますから、あとは意見になりますからもう申しませんが、協会のほうにも、この趣旨を十分に徹底させて頂いて、そうしてまあ地域放送の中には、さような点もあることは私も知つているのです。ですから地域放送というものを全部やめなさいということを私は決して申しません。むしろ第一、第二の或る放送の時間を割いてでも、それだけ要望があるならば、そこで地域別のローカル番組を少しずつ入れて行くというようなことは非常に望ましいと思います。思いますが、そのために又新らしい局まで作つて、そこでローカル放送をやらせるというような方向に向われることについては、私どもは反対せざるを得ないという結論だけ申上げておきます。
#15
○津島壽一君 今の新谷委員の御質問を拝聴して、非常に私はまあ同調するのですが、それで実行問題としては、今議題になつておるこの予算の、ラジオの建設費支出五億五千万円、この案によると、既存の設備の改修とか、研究所の拡張であるとか、そういつた費目で五億五千万円出ているわけですが、費目としては、端的に建設費勘定、建設費という費目で五億五千万円あるのですが、使いようによつては、これを経営委員会でお諮りになるならば、ほかの項目に使うわけじやありませんから、この予算の総則的な拘束には何ら関係なく、或る程度今年度から只今のような計画を立てて、そして先ずそれを実行的な予算というか、それは可能なことであると思うのです。であるから、できるだけそういつた方針が仮にいいとすれば、又当然いいと思うのですが、二十九年度の予算の中でうまくこの実行予算を作られて、そうして将来の見通しある計画を立てたものの着手を成るべく早い機会に実現するように、実行上の工夫ができないものであろうか。その資金をとおつしやれば、まだこれから五億五千万円使える金があるのですから、そういつたような計画も早くお立てになつて、この予算の中でうまく按配して行くというのが一番実効的ではないかというふうに思うのですがね、これは不可能なことでございましようか。それをちよつとお伺いしたいのです。
#16
○参考人(岡部重信君) 今仰せのようなことにつきましては、実行上或る程度可能ではなかろうかというお話でございますが、私どももおつしやる通り考えている次第でございます。
#17
○津島壽一君 これで私は終ります。
#18
○石黒忠篤君 私はよく事情を存じませんが、郵政大臣の意見書等によつて拝見しましても、経営委員会が協会自体の機関として国民からの被信託者の立場にあつて、その全権を、全責任を以て掌握している所であるということになつておるのでありますが、協会の会長初め当局の方々及び主管省の大臣及び事務当局において難聴地域の解消ということについて、放送法の趣旨としてどうしても重きを置いてやるべきことであるというお考えであるならば、この人方に対して十分の理解を得て、今津島委員の御発案のような工合に、二十九年度予算を極力お使いになるということはできないものでありましようか、如何でありましようか。この経営委員会がいろいろなことをきめるのに非常に大きな力を持つているということになるというと、会長だの主務官庁では、議会で以て経費の承認を要望される関係上言われても、ここに出ておられない経営委員あたりが一応きめたことだからといつたようなことで以てやられて行つたらば、これはできないことだと、こう思うのでありますが、そこいら如何でございましようか。どういう人が委員になつておられるのだか、私は知りませんが……。
#19
○参考人(古垣鉄郎君) ちよつとお答え申上げます。経営委員会は全国八地区から選ばれました経営委員、つまり八名と協会の会長と九名を以て構成されております。そして仰せの通りの協会の経営運営の最高の機関として重大問題を議決いたしておるのでございますが、私もその経営委員会に参加する一員となつておりますし、又会長が放送協会を代表するということも放送法に書いてございます。さような意味におきまして、私が申上げることは、経営委員会を含む放送協会の代表として申上げた次第でございます。
#20
○石黒忠篤君 そうだといたしますと、私は今協会のほうからの御答弁にありましたように、或る程度はできようかと思うというお話に非常に望みを嘱しまして、できるだけそれをやつて頂きたいということを希望したいと思うのであります。難聴地域として挙げられておるのを、今日の御配付のものを拝見しましたが、私は長い間日本の殆んど至る所を歩いておりますので、承知をしておりますが、まさにこういう所は聞えそうもない所だと思う。もつと聞えそうのない所もこのほかにもあるように思います。そういう所が一番国民の中において文化から取残された所でありまして、そういう所におる人に今日の文明の利器の恵沢を及ぼすということは、これは国民全体に対する考え方の上において一番考えなければならんところだと思うのであります。経費の多少かかりますことはありましても、同じ国民の中において文明の恵沢に浴することの極めて薄い人たちに、せめてこういうことでも及ぼしてやるように御努力下さることを私は切に希望いたしておきます。
#21
○三浦義男君 この今度の新らしい事業計画として技術研究所の拡充ということが言われておるわけなんで、これも増額をされておるようでありますが、実は私過般の予算委員会で日本の科学技術に対する研究が非常に遅いんだと、まあいろいろなものにつきまして、原子力の問題とか或いは工学の問題とか、電子工学の問題について触れたのでありますが、特に電子工学の問題については、これからの技術の進歩は電子工学によらなければならないのだということを非常に強調したわけなんです。で、その席でも実は放送協会が電子工学については相当なことをやつているのだと、等々のことを申したのです。で、多少NHKの提灯を持つたような恰好になつて電子工学の研究を大いにやつてもらいたいとこう思つたのでありますが、たまたまここにこの問題が取上げられているのを非常に嬉しく感じたが、併し、では今度の直上げの大きな要素にこれが取上げられておるのに、たつた殖えているのが六千三百万というような額なんです。総計で一億五千万になつたということが非常に大きく取上げられております。私は過般上りました時にちよつと受像機の研究なんかについて御説明を聞いたのでありますが、国としましてその電子工学の問題というのは非常に大切な問題であるが、さて然らばそれがどこで大いに取上げられてやつておるかと申しますと、電気試験所で多少やつている、NHKで多少やつているというようなところが現在としては大きな場所なんです。で、私はもうこういうふうに金が非常に詰つておるというのですが、技術研究につきまして、特に電子工学の研究がNHKで取上げられているのだから、この問題についてもつともつと突込んだお考えをして頂きたい。私はこのくらいの六千三百万程度の増額では困るのだということを実は言いたいのです。今取上げられておりますその研究項目は甚だ小さいようでありますが、どういうことをやつておられますか、極く概略で結構ですからお教えを願いたい。
#22
○参考人(岡部重信君) 研究につきまして、基礎的研究と申しますか、それと実用的研究というような分け方も一応成立つかと存しますか、基礎的研究の方面につきましては、マイクロ電波の長距離及び特殊伝播特性の研究をいたし、それから音響関係といたしましては、周波数幅及び振幅のゆがみ及び音を美しくする基礎的研究、それから只今お尋ねの電子管につきましては何と申しますか、物質構造学といいますかによる電子管材料、蓄電器材料の研究、それから磁気関係としまして、テレビジヨンの録画方式の研究、それから実用研究といたしましては、イメーシオルンコン管の国産化、カラー・テレビの、特にトリカラチユーブでございますが、国産化の研究、トランジスターを利用した簡易低廉な受信機の研究、無線中継置局の実際的研究、遠距離の同一周波放送の研究、それからブースター局の実験、そういうようなものを主としてやるわけでございます。その他一般の録音のテープが御承知のように相当輸入しなければならない、それを国産化しなければならないというような問題とか、細かく申上げると音響関係、無線研究関係、電子管研究、或いはテレビジヨン関係というようなことにつきまして、一つには受信機のほうにつきましては大体世界水準に近いものができておりますが、テレビジヨンにつきましては相当劣る点もございますし、それからまだ国産化に至らないものもございます。そこで経費につきましては、只今御指摘のような僅かな経費ではございますが、参考までにちよつと総体の経費を申上げますと、昨年が大体二億九千九百万円ですから、約三億円でございまして、二十九年度においては三億六千六百万円の予算でこれらの研究を進めて行きたい、かように考えておるわけでございます。これが概略でございます。
 それからちよつと昨日委員長から恩給法による不具廃疾者の数等につきましてお尋ねがございました。私この点説明させて頂きたいと思いますが、御承知の通り恩給法による不具廃疾者につきましては、特別項症から第六項症までで、恩給局の十二月の調査によりますと四万四千六百二十五という数がございます。それでなお時間があれば申上げたいのですが、第七項症というのが、昨年でしたか、法律改正で以て落ちて、それで又今年従来七項症の恩給を受けている者は、その人たちは又第七項症の恩給を又受けることになるというようなふうに一応私ども聞いたわけでございますが、その方々がまかに二万九百八十五ばかりおられまして、総計いたしますと六万五千六百十という数でございます。それで昨日も申上げたかと思いますが、そのうちいわゆる受信機を設置されている方々がどのくらいあるかということの調査につきましては、まだ実は全然新たに起きた問題でございますので、その数字を今ここに申上げることのできないのは甚だ残念なんでございます。
#23
○委員長(左藤義詮君) それで衆議院の附帯決議を御尊重になるために、予算のほうにどういうふうに影響して来るか。それはどういう方法で補填なさるおつもりであるか。無論只今のように該当者のうちどのくらいが受信機を持つているかということはございましようが、極端に言えば、この附帯決議が付いたために、予算の内容が若干変らなければならないわけですから、それに対するどういうような補填の方途を考えていらつしやいますか。
#24
○参考人(岡部重信君) 実はこの予算におきましては、生活保護法による生活扶助を受ける者、これが五十四万の世帯に対して約十万と踏んで、初年度から免除にして、いわゆる収入に見ずに算出しているわけでありまして、この恩給による不具廃疾というのは半額免除というふうに附帯決議ではなされておりますが、半額免除で結局どのくらいの金になるかということが今算出ができたわけでございますが、過日経営委員会でも早速この問題を取上げまして、これは他の関連も又考えなければならんかも知れませんが、これを増収でもございますれば又方法があると思いますが、何らかの方法で一つ聴取者でも殖やしてこれを実行して行くべきじやなかろうかというような考えで、只今すぐ財源をどうという検討の結論には達しておりませんが、或いは若干時期のズレもございますかも知れませんが、これを当委員会においても又お話がございまするようなこともおありかと思いますが、できるだけ実現するように、財源を何とか考えて行きたい、かように考えているわけでございます。
#25
○三浦義男君 一億五千万と申しましたらラジオ関係だけなんですが、このテレビとか、それからいろいろなものを合せますと幾らで、ございましたかね。
#26
○参考人(岡部重信君) 御案内の通り、この研究所の総計費として考えますと、先はど御指摘がございました建設費のほうにもございますし、それから職員の給与をみるという関係で二十九年度三億六千六百四十八万円でございます。
#27
○三浦義男君 そこでもう一つお伺いしたいのですが、この間の公聴会のときに、この技術研究についての一般放送にも使わしてもらいたいというような話があつて、又この前の委員会のときにもこの問題について御質問がありましたが、これは民間放送のほうから今お話になりましたような、こういういろいろの項目につきましてこれはどうだ、これはどうだという具体的に御相談があるものですか。又そういうことがあつたことがございますか。
#28
○参考人(岡部重信君) 具体的な例ですと、今私全部覚えておりませんが、例えばスタジオの設計などにつきまして、あれが音響的にいろいろ研究を要する問題がございますし、私どものほうで、スタジオ音響というようなものはどこにも研究している所はございませんので、そういうものには一々設計もいたし、又残響の測定というようなこともいたしております。
#29
○三浦義男君 そうしますと今のようなスタジオの設計とかいうようなものが主であつて、今数々お話になりましたが、こういうものについてのそう突込んだ御相談はないと、こう解釈してよろしいのでございますか。
#30
○参考人(古垣鉄郎君) ちよつと補足して御説明申上げます。技術審議会というものが常置されておりまして、NHKには。その審議会の委員は皆外部のその道の関係者、経験者でございます。そして直接公式に民間放送のほうから御連絡があるということはそれほどでもございませんが、こういう方たちはメーカー、学界、経験者、旧経験者というような人たちが集まつておるところで、こういう研究題目の選定もいたしておりますから、従いまして直接、間接に民間放送の人の集約的な希望の題目は拾い上げられておると考えております。
#31
○三浦義男君 給与の問題がここで又大きく取上げられておるようですが、私欠席した際にこの話が出たかどうかわかりませんので、若し出ましたらばあとで速記録を拝見いたしますが、この職員の給与のベースが、参考書によりますと非常に低くなつておることは事実なようです。これは昔は非常に高かつたんだが、ほかのものがどんどん上つて取残された恰好になつて来て、今一万六千円にも足らないベースをとつておるようですが、今度この予算に盛られてありますのは大体どれぐらいのベースを考えておられるのですか。
#32
○参考人(岡部重信君) 御指摘の通り、只今一万五千八百四十七円でございますが、このべースを一六%アップして一万八千三百八十二円でございますか、これが予算の編成の基礎になつております。なお手当を五%増す、これは過日もお話がありましたでしようが、協会の職員に特殊技能者が多いというような点も考え併せまして五%上げる、それを入れますと一万九千三百円ほどに相成つております。
#33
○三浦義男君 この問題につきましては、過般の参考人からもお話を聞いたのですが、まあ大体東京においてはそれぐらいのベースになつておると思うので、結構なことだと思います。ただ、今までの過程で労組とのお話合いがどの程度に進んでおりますか、これはどうせ交渉の過程にあるでありましようから、突込んだことはお話はできないと思いますけれども、労組が大体どれぐらいのものを望んでおるのでありますか。わかりましたら教えて頂きたいと思います。
#34
○参考人(岡部重信君) 労組のほうは二万二千円を要求しておるわけでございます。それで、今お話の通り、団体交渉において私どもも誠意を尽して交渉に当つて行きたいと、かように考えておりますが、予算はまだ成立いたしておりませんので、それの団体交渉はまだ行なつておらない次第でございます。
#35
○石原幹市郎君 昨日の続きなんでありまするが、昨日もいろいろ承わりましたけれども、どうもまだ心から納得するというところまで行けないのでありまして、つまり昨日も申しましたように、三年間も放擲しておいて、而も昨年は絶好の値上げをするチャンスもあつたにかかわらずそれも見送つて、本年は、二十九年度は、この一年間といえども辛抱することができない。何としてもこれをやらなければならんのだと、而も最初考えられました案は七十五円案を考えておられたようでありまするが、いろいろ説明をずつと聞き、又考えてみますると、給与の改訂であるとか、或いは減価償却、こういう面に絞つて行けば六十円ぐらいでも私は十分やれるんじやないか。七十五円と言えば五割の値上げでありまするが、こういうことを考えられたということは、政府が二十九年度においてとろうとしておる政策というのを全く無視して、政策に協力する考え方が全然ないというふうにも考えられる。それから又先ほどからいろいろ、昨日からの論議を聞いておりますると、ローカル放送の充実、或いは難聴地域の解消、いろいろな問題がありまするが、殊にローカル放送の問題については、いろいろ聞きまするというと、現在の放送局でも廃止していいものすらあるという議論もいろいろあるようです。ところがそれの充実に対して一億二千万円近いものも考えておられると、こういうようなことで、どうも心から納得するというところまで行かないのでありまして、実は我々も電通委員になつておる者は会派の者にやはりいろいろ説明しまして、全員が納得するような説明を承わつておきませんと、我々の立場も苦しいのであります。改めて古垣会長からどうしてもこの予算は止むを得ないんだというキー・ポイントを、信念をまあ一つ承わつておきたいと思います。
#36
○参考人(古垣鉄郎君) なお詳細に岡部理事から説明をお聞き取り願いたいと思いますが、七十五円案以来、私は先ほど石原委員のおつしやいますようなことを考えながら、再検討に再検討を加えて六十七円にいたしたのでございます。経過的に我々が理想とし、良心的にやりたいということを計画しますと七十五円になるのでございまして、勿論国の緊縮方針を十分考慮しなければならないという考慮から、現在のこの六十七円ということになつたので、なおこのローカル放送につきましても、私どもは決して安易な考えでダブつてしているのではございません。全国の聴取者からはもつとこのローカル放送を殖やして欲しいという希望は非常にたくさん、単にそれが片寄つた或る一部の人というのではなくて、教育文化関係の団体とか尊敬に値いするいろいろの団体、或いは個別の聴取者から頂いておりまして、只今でもローカル放送を決して無駄にいたしておるわけではございません。それから六十七円というのはぎりぎりでございまして、これをこの受信料を以て賄わなければ、いろいろの面で放送協会の法律によつて与えられた使命を達成し、国民に最小限度の満足を得て頂けないというような考慮の案なのでございます。
#37
○参考人(岡部重信君) 昨日の石原さんからの御要求の資料は早急でしたので不足の点もあるかと思いますが、この資料に基きまして若干説明さして頂きますと、便宜上どういうところで殖えるかというので取りまとめてみたわけでございます。
 一番上の欄が二十八年度の予算でございまして、次の(B)欄が只今御審議を頂いている予算でございます、そうしますと現在の料金のまま据置いて、来年度どういうふうになるかということにつきまして、先ず収入の面におきまして、二十九年度の初頭の受信者の数と、それから二十九年度の受信者の増加というものをこの予算の通りであると仮定しますと、C欄にございます最後の数字の五億四千二百万円ほどの増収があるわけでございます。勿論この平常の、まあ戦前と申しますか、その頃の時代におきましては、この業務量の増というものが大体自然増収に充てられていたというのが普通の状況でございます。それが御承知の通り予算の編成期から編成期までにおいていろいろの値上りがありました。そういう関係で、仮に増収分をどういうふうに考えるかと言いますと、これはいろいろ考え方があると思いますが、業務量の増、いわゆる受信契約者などの増加というものは当然殖えるわけでございまして、それが四億七千八百、それから借金のやはり利息は払わなければならん、併し借入金はこのまま残すというようにしますと、そこで減価償却がこの計上額の大体五八%程度という結果に相成るかと存じます。それではそれに対しどういう支障があるか。これもいろいろ見方はあると思いますが、一応御参考までに申上げますと、電話料金は御承知の通り昨年の値上げが市外が一八%、市内が四七%の値上げでございましたが、この必要経費の措置ができない。結局場合によれば全国中継放送というものが維持が不可能と申しますか、切断されるというふうに申上げますか、そういうような立場に相成ると存じます。
 それから三番目の加入事務の郵政に委託して集金をお願いしている分は、これは御承知の郵政省と協会との契約でございますが、この履行は不能に陥る。それから次に、一般資材費事務経費、これは建築材料、補修資材及び真空管、そういうようなものの経費をここに一括したわけでございますが、これらの措置がなければ老朽の局舎なり、スタジオなり、技術設備なり、現業機器の維持、修理というものが繰延べざるを得なくなると同時に、現在すでに老朽化している諸設備に対しましても経営的な維持、補修すらできない。そのため或いは荒廃のままということにもなりましようし、機械によつては事故を頻発するという最悪の状態というものが予想されるのではないか。次に、出演者謝金、作品委嘱料等の改訂を行えないということになりますと、現在協会の謝金が、個人差はありますが、他に比べると二分の一乃至四分の一程度の少額でございますので、放送出演者に対して正当な報酬を払つているとは言えない状態とも言えると思います。そうしますと優秀な出演者の出演意欲を或いは失い、いい番組の編成が困難となるわけでございます。この際謝金の改訂を行いまして、少くとも最小限度は、先般お話申上げたような水準に近付けて行きたい。そうしなければ優秀な出演者が或いは拒否する、或いは優秀な出演者の出演回数が激減するというようなことになり、従いまして番組の内容の低下を来たすということは必然ではなかろうか。
 減価償却につきましてはもう昨日も申上げましたので、次に、この表によりますと支払利息という返還金の支払利息等もこれは払えなくなつて来るという現象、それから次の返還期到来の借入金の返還とか、それから債券の発行、債券の償却、退職手当金というような必要経費が全く不足となつてしまう。それから予備金につきましては企業の性格から見て当然予備金の増額を行うことができませんと、昨年のような不測の災害に対する措置が困難になり、更に言葉は変かも知れませんが、事業の弾力性というものも失われてしまう。
 次に国際放送その他でございますが、ちよつと順序が狂いまして失礼いたしました。政府の命令による国際放送の二方向の充実、これは今でも少いのが、その充実というものができなくなる。それから無線工学の進歩発達に適応する研究というもの非常に貧弱なものになつてしまう。受信者の維持開発といいますか、解消を防ぐために必要な雑音障害防止、受信機の修理相談の実施が不可能になる。かような次第に相成るのでなないかと私は存ずる次第なんであります。
#38
○石原幹市郎君 大体説明はわかるのでありますが、二十八年度の決算見込といいますか、二十八年度は大体どんなことになりそうですが。結論だけでよろしい。今まで頂いた資料の中にありますか。
#39
○参考人(岡部重信君) ちよつと概略申上げます。資料の中にはまだございません。御承知の協会の収支につきましては赤字を出してはいけないということは当然なことでありまして、それで昨年この編成期に一応どういうような形になるかということを見ましてそのとき算出いたしましたが、そのとき算出いたしますと、予算の不足が六億八千万出る見込を持つたのでございます。それでこれに対してそれではどう処置しなければならないか、又処置したか、又現に決算は済んでおりませんので、この六億八千万に対しまして受信料などの増収がどのくらいあるかと言いますと、大体一億四千六百万ほどある。それから諸般の会議なり或いは審議会なりいろいろの節約をするということで一億六千万を考えたのでございます。そうして支出の繰延を一億七千六百万、それでなお残るのが二億くらいの金でございます。これに対しては当時といたしまして、予算総則でどう処置するかということについて、まだ実は今年度の決算というものはできておりませんので、赤字は出すことはできない、併し予算総則にも則らなければならんということで、或いは収支剰余金という問題、或いは減価償却というもので賄う、或いは借入金の仮還について、又乗り替えるというような措置で行かざるを得ないのじやないかというような見通しに従つて、当時おりまして、只今その数字につきましては、決算が中途でございますので、何とか赤字は出さずにやつて行きたい、さように考えておる次第であります。
#40
○石原幹市郎君 只今承わりますと、二十八年度普通にずつとやつて行けば、五億乃至五、六億程度の赤字が出そうだというお話でありまするが、これは何か二十八年度の予算を編成する当時に考えられなかつたような不測の事態でも起きて、こういうふうなことになつたのでありまするか。まあこのくらいの赤字が出るよりになつた原因は、当初から予測されておつたよりなことばかりから出て来たのかどうか、そこらの事情を……。
#41
○参考人(岡部重信君) これは予算編成のときに、若干予備金の足りなかつたこともわかつておりました。それから退職手当の足りないこともわかつておりました。その他若干ございますが、併しその他主なる原因といたしましては、先ほど申上げた電話料金、それからこれが秋からでございましたか、九月頃でございましたか、値上り、それから郵政のベース・アップに伴う郵政委託の経費、それから一般資材の値上り、というようなものが主な原因なのでございます。
#42
○石原幹市郎君 この放送協会のいろいろな財産というようなものは、若しも放送協会が解散されるというか、なくなつたような場合は、どこへ帰属するもんなんでありますか。放送法にでも何か規定がありますか。
#43
○政府委員(長谷慎一君) 放送法の規定によりますと、放送協会が解散いたしました場合には、その財産は国に所属することに定められております。
#44
○石原幹市郎君 放送協会が解散した場合には、その財産は国のものになるということであれば、これは広く考えてみれば、国としても非常に関心を持つておらなければならない財産でありますから、その財産に対する補修というか、減価償却ですね、これが今日まで非常に杜撰というか、内輪で以て、而も只今のお話によつても、二十八年度の決算の辻褄を合わせるためには、やはり減価償却のようなところまで食い込んで行かなければならんと、こういうようなことになるということはどうも別に当局をえらく責めるという意味ではありませんけれども、この点はどうも誠に遺憾なような感じがするのでありまするが、その点どういうふうに考えておられますか。協会と郵政省と両方から意見を伺いたい。
#45
○政府委員(長谷慎一君) 最初に郵政省からお答え申上げます。その点につきましては、御指摘の通り、現在になつて考えますと、その点の考え方につきまして、遺憾な点があつたものと認めざるを得ないのであります。併し二十八年度の予算を編成いたしましたときにおきましては、このような状態になると申しますか、二十八年度の決算の見込におきまして、これほど赤字と申しましようか、不足を来たすというところまでは考えられなかつたものでございますが、たしか二十八年度の減価償却を七五%と押えておりましたけれども、別途建設等によりまして、借入金等によりまして設備を拡張する一方、まあ後年度におきましてこの減価償却の足りないところは補填して行こう、こういう考え方でおりましたのでございますが、この二十九年度の予算を編成する時期になりまして、協会当局のいろいろ実際に即した予算の編成の事情をお聞きいたしまして、政府当局としましても、これは時期としては、もつと早く考えるべきであつたということを、実は痛感いたしておるのでございます。その点は非常に遺憾に存じておる次第であります。
#46
○参考人(岡部重信君) 私ども確かに二十八年度の予算を組むときに、若干の減価償却を七五%ですか、予備金五千万円というようなことで、その点については、最初から問題にしましたのですが、その協会の収入が御承知の通り受信料だけでございますが、どうしても受信料の収入の額というものは最終決定のものでございます。それで先ほど申上げましたように、この赤字の出る要因というものが、すべて年度の中途に起つた問題でありまして、その点今にして思えば、個々のことは予想できなかつたのでございますが、誠に遺憾な次第だと存ずるわけでございます。
#47
○委員長(左藤義詮君) ちよつと私から……。只今石原委員から昨年度予算について非常に遺憾の意を表されたのでありますが、最初から償却とか予備金の足りなかつたことは止むを得ないといたしまして、はつきりと電話料金或いは郵政のベースアップによる委託費の引上げということは九月からはつきり出たのでありますが、そのときに何らかの補正を考慮するというようなことは全然お考えにならなかつたかどうか。漫然としてこうして六億以上の赤字の出る二十八年度を見て何とか二十九年度にしてもらう、たまたま二十九年度という悪い時期に際会して問題になつたのですが、電話料金と郵政のベース・アップによる委託費の引上げというものははつきり数字が出るのですが、年度末でなくても、はつきり見通しがわかると思うのですが、これに対しては何ら考慮されなかつたかどうか。
#48
○参考人(岡部重信君) 当時といたしましては、補正予算と申しますか、追加予算と申しますか、そういう点も一応考えたのでございますが、何しろ一つは時期的の問題もございますし、それと刹那々々に解決して行くということも或いは方法かも知れませんが、辛抱できるだけは辛抱しようという考えから、さような措置をとらなかつた次第でございまして、その点御指摘の点誠に今にして思えば遺憾と、かように存ずる次第でございます。
#49
○委員長(左藤義詮君) どうも放送協会の予算は国会がこうして拝見をするという制度だから、もう少し政府各省の予算等の関係もよくお考えになつて、そういうことをはつきりしておかないと、将来いろいろな問題が起つて来ると思うのです。今日、今予算委員会を通つたようですが、富裕府県の義務教育費はいろいろ問題がございましたが、やはり二十八年度内に解決しなければならんというので、政府も提出してこれを解決しているわけでありますが、放送協会全体の上から見ますと、非常に大きな六億以上の欠陥の出て来るものを、まあ辛抱してみようとか何とかなるだろうというようなことでは将来非常に我々が予算を審議するという上にも、そういう態度では非常に困ると思うのでありまして、予算というものは、やはり予算総則に従つてこれを的確に実施して行く。どうしてもそれがいろいろな諸般の変化が起つた場合には、やはりこれに対する措置を速かに政府に対し、国会に対して要求するというようなことの私は心構えでおられないと我々がここに予算を審議することまでが私は無意味になつて来ると思う。その点はもう一遍私ははつきり今後に対する御所信を伺つておきたい。
#50
○参考人(岡部重信君) 誠に御尤な御意見でございまして、今後十分慎重にいたしまして、かようなことのないように気を付けて行きたいと存ずる次第であります。
#51
○石原幹市郎君 最後にもう一点。それでは私はこういうふうに了解していいのですか、ということを確かめておきたいと思います。つまり現行の料金のままで若し仮にやるとすれば、電話料も正規のものが払えない、委託費のほうも払えない、とにかく放送事業を今のままで継続して行くことが困難な事態に陥ると、それから又一面放送局のいろいろな協会の資材、財産、設備等に将来非常な影響を受けて、それを正規に戻すには非常な巨額な費用を要すような事態に追込まれる、こういうふうに考えておいていいでしようか。
#52
○参考人(古垣鉄郎君) 誠にその通りでございます。
#53
○久保等君 二、三お伺いいたしたいと思いますのですが、この加入事務について、郵政への委託費の増がここに新らしくベース・アップに伴う当然の増加となつて計上せられておるのですが、これはどの程度、何%程度ベース・アップに対する手数料といいますか、そういつた形で出されておるのか、その事情についてちよつと御説明願いたいと思います。余り細かい数字的なことは結構なんですが、要するに何かベース・アップが行われると、当然こういつた委託費が増加するということであれば、何らか当然スライドする割合といいますか、比率といいますか、そういうものがあるのじやないかと思いますが、そういつた内容について極めて簡単で結構ですから……。別に金額の細かい数字をどうこう御答弁頂かなくても結構ですから……。
#54
○参考人(岡部重信君) 郵政でお願いしておりますのは、申込を受付けて頂くこと、それから勧誘してもらうこと、それから申込の変更とか、解約とか、或いは収納の関係でございますが、収納関係で申しますと、従来一軒当り十一円五十銭が十五円三十銭、それから窓口の契約事務が十六円から二十二円、そういうふうな上り方だと思います。
#55
○久保等君 予算のほうに一応数字で現わされておる金額というものは、特に収約事務といいますか、集金等をした場合の一軒に対するやはり手数料といいますか、そういつたものも含まれておるのですか。
#56
○参考人(岡部重信君) さようでございます。
#57
○久保等君 細かい問題で恐縮ですが、集金等におきまして、何か一軒当り八円というようなことを聞いたことがあるのですが、これは何でしよう、間違いですか。現在十一円五十銭が、全国多少地域によつて差があるかも知れないし、十一円五十銭、画一的な形でこれが出されておるのか、お伺いしたいと思います。
#58
○参考人(岡部重信君) 二十八年度におきましては十一円五十銭でございます。
#59
○久保等君 それではその点は一応了承いたしまして、次にもう一点お伺いしたいと思いますが、今度の予算総則の第七条の第二項、要するに弾力条項の一種だと思うのですが、これは先般の大臣の御説明では、何か今年新らしくここに書かれた条文であるようなお話も承わつたのですが、その通りなんでしようか。
#60
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます、第七条の第二項は、お話の通り二十九年度の予算総則として初めて入つた条項でございます。
#61
○久保等君 その点について大臣の抽象的な御答弁によると、いわゆる公社並みにするというような考え方で、新らしくこれを追加したのだということでありまするが、もう少し具体的に特にこの条項を入れた理由、特にこれがなかつたことによつて現実いろいろ具体的に支障があつたということから、このことが附加えられたと思うのですが、その点について若干その御趣旨を明確に一つお答え願いたいと思います。
#62
○参考人(岡部重信君) 従来この予備金的なものですと、この七条の一項でこれが実施できたわけでありますが、今度入れましたのは、かくかくの場合においては職員の企業努力を買つてそうしてそれをベース・アップというようなことには相成らないと存じますが、特別の給与を支給するということをいたしまして、職員の勤務意欲を増したいという、かような考えで挿入したわけでございます。
#63
○久保等君 特にここに謳われておりますのは、いわゆる職員の能率向上、或いは又経費の節減といつたような場合を考えて書かれてあるわけですが、そうなりますると、当然先ほど言われておつたような業務量、具体的に言えば、受信者が当初の目標以上に殖えたというような場合における増収というような場合も一応考えられると思うのですが、今日特にそういつた業務量の増加、わけても受信者の増加という面で、勿論いろいろ各般の事情が相重なつて増収というようなことは考えられるのですが、ただ併し主として、やはり直接この放送事業に従事しておる従業員の努力というようなことによつてもたらされる場合が非常に多いと思うのですが、この目標以上に受信者が殖えるといつたような場合において、その従業員の努力によつてもたらされる比率といいますか、貢献率、そういつたようなものがどの程度の、一応の大よそのめど程度で結構ですけれども、比率になつておるか。今までの実積あたりから或る程度の私はめどが立つじやないかと思うのですが、六割或いは七割といつたような、何%程度になるか、一応お答えを願いたいと思います。
#64
○参考人(岡部重信君) 只今のところで、この新らしい申込がどういう取扱者によつてなされたかと申しますと、主なところは職員の取扱が四四%、郵政のほうで取扱つて頂いているのが一四%、ラジオ業者が一二・五%というふうになつておるような次第でございます。
#65
○久保等君 それから監理局長にちよつと念のためにお伺いしたいと思うのですが、職員の能率向上という、この第二項の中に、今言つた受信者が目標以上に増加したというような場合、それから或いは事業改善によつて節約が行われたという場合出て参りまする収入というものは、やはりこの第二項の中に明確に入るというふうに理解してもよろしいのかどうか。そのあたりをちよつとお伺いいたしたいと思います。
#66
○政府委員(長谷慎一君) この協会から提出されておりす予算総則の条文の上からの私どもの解釈では、最初から予定をされておる受信者の増加とか、或いは合理化による節約とか、そういうことを超えて職員の努力によりまして出たもの、これがこの条項に相当するのではなかろうかと、そういうふうに存ずるわけであります。なお公社の、電電公社とか国鉄にも同じような弾力条項というものがございますが、やはり放送協会の業務の内容、収入の何と申しましようか、源資と申しますか、そういうものも違いますので、果して同じようなふうに行けるかどうかというところには、一応いろいろの研究課題があるんじやないかと思いますが、一応協会当局の方々の御判断によりまして、やはりこの弾力条項の活用ということも大いに期待せられるのではなかろうか。そういう意味において、この条文を附加えることについても、郵政省としては妥当と見たわけであります。
#67
○久保等君 まあ只今の点で、私の質問いたしたのも、当然当初から予想せられる業務量の増というような問題でなくして、当初の目標以上という意味で御質問申上げておるのですから、私の先ほどの御質問と、只今の監理局長の御答弁とは一致するというふうに理解したいと思うのですが、それから更にちよつと角度を変えて一つ御質問したいのですが、それは今度の六十七円の聴取料の値上げという問題ですが、こういつた点について考慮もなされたかどうか。私は一つ監理局長からもお答えを願い、放送協会のほうからもお答え願いたいと思うのですが、六十七円という金額に実はなつているのですが、いろいろ承われば紆余曲折もあつたようですが、今日小額貨幣といいますか、紙幣が非常に数が少くなつて、日常の私は取扱上の手続からいつて、六十七円という形で聴取料を決定するとなると、非常に扱い上煩瑣である。それから又特に農村、或いは又一般聴取者の、何千万というような非常に厖大な聴取者から聴取料をまあ集める場合に、非常に煩瑣じやないか。言い換えれば百円ならあるけれども、六十七円というような細かい金はない。折角遠くの山間等で、集金には行つたが、細かい金がないので、実はこれは徴収できないというような問題は、極めて小さいような問題であるけれども、現実の問題とすれば非常に私は煩瑣な問題が起きて来るのじやないかというように考えるわけです。而も先ほど来いろいろ各委員の諸君から御質問があつて、今度の聴取料の値上げの金額の決定に当つては、まあいろいろな要素が考慮せられたというのですが、併しまだまだ先ほど言われた難聴地域の解決の問題、或いは技術研究等の問題についても、殆んど値上げに匹敵するようなめぼしいような余り対策が立てられておらない、言い換えれば従来の、前年度の範囲を踏襲したと言つてもいいような程度の計画しか実は出されておらないというような状況の中にあつて、この六十七円というように決定せられる、いささか技巧を凝らし過ぎたように思われます。六十七円が、而も今私の申上げたようなことは、非常に毎月々々六十七円と、恐らく三カ月一遍に二百円ぼつきり出すというような人は、私は総体から言えばむしろ少いのじやないか。その月その月でやはり納められる徴収者が非常に多いのじやないかというようなことを考えた場合に、一カ月六十七円というようなこういう金額をきめることは、一般に、例えば郵便料の値上げをやる場合にも、そういつた問題は手続上、扱い上の問題として、非常に考慮を要する問題であるのですが、まあこういつた聴取料の値上げの問題についても、相当そういつた場合についても、私どもは相当従来の経験に徴して考えられておらなかつたかと思う。従来は五十円ということですから、そういう点については何といいますか、半端がないということで、手続上は簡易であつたと思うのです。今度六十七円とせられることについてどういうふうに考えておられるか、取扱い上の問題について。それから従来の何といいますか、聴取料が実際にどの程度、まあ百パーセントはなかなか収納されておらないと思うのですがそいう上に加えて、更にこういう問題か附加されるということになると、私は従来以上に収納の面で更に不都合を生じて来るのじやないかと思うのですが、そういう点について、一体郵政当局なり放送協会はどういうふうにお考えになられたか。その点についてお伺いしたいと思うのです。
#68
○参考人(岡部重信君) 確かに御指摘の通り、この六十七円というその十円以下の金額につきまして、相当手数のかかるということは否めない事実であると存じます。従来一カ月五十円、それで三カ月集金を実施いたしまして、或いは前取りというような観念も言われましたのですが、この三カ月ですと、例えて申しますと、四、五、六というようなのを頂戴するわけですが、四月に行くところもあり、又五月に行くところもあるというようなので、殆んど全部三カ月百五十円頂戴しておりまして、余りその一月というのは起らなかつたわけでございます。今度総則でも御承知の通り、やはり三カ月二百円ということもございますから、この三カ月二百円ということによつて収納の経費を減じ、又、併し何といつても六十七円という単位は出る場合がございます。今それらについてもどうして経費の膨脹を避けて行くかという実行の面において鋭意研究しておるわけでございまして、この件について、御指摘のような点は確かにございますが、何か合理的な考え方に到達して収納経費を増さないようにしたいと、かような線で考えておるのでございます。
 なお、先ほど失礼いたしましたが、郵政の委託の収納の関係で、昨年度十一円五十銭と申上げたそうでして、十一円十銭の誤りでございましたから、御了承をお願いしたいと思います。
#69
○政府委員(長谷慎一君) お答え申上げます。只今放送協会当局からの御答弁で御了解になつたと思うのでありますが、確かに御指摘のような一カ月分で集金いたします場合には端数がついて非常に不便が伴うと思います。今まで協会は三月ごとに集金をいたしております。三月ごとで三月分として払う場合には二百円ということになつておりますので、その場合には却つてそういう煩瑣なものはなくなる、仮に七十六円といたしまして二百十円ということよりも二百円でという数字になつているわけであります。なお放送協会の現在の収納率は九九%を越している。非常に収納率がよい状態、三カ月集金でさようでございますが、今回この値上げの予算を御承認願いました後においても、やはり三月ごとの集金をいたす計画になつているようでございますので、その面におきましては恐らく大きな影響は出て来ないのではなかろうかと、まあこういうふうに私ども見ておるわけでございます。
#70
○久保等君 時間がないですから最後に一つだけなにしますが、只今の問題は、私はまあ収納事務の問題で、放送協会の部外者の方面ではその手数料が非常に低いというふうなことでこの徴収事務について余り喜んでおらない、率直に申上げて……。特にこれはまあ大都会の場合は別ですが、田舎の山間僻地における集金事務というようなことについてば、まあどちらかと言えば非常に毛ぎらいをしているというようなことも私耳にいたしているのであります。従つて従来より非常に集金がやりにくいといつたようなことになつて参りますと、そうでなくてもそういうような状況下にありますだけに、非常に危惧される面もあるわけです。まあそういう点でこの問題を御質問をいたしたのですが、いささか今のような御答弁程度では私は現状の把握について多少甘いのじやないかというまあ印象がいたすわけです。で、やはり三カ月にまとめてもらえば二百円になるのだから非常に端が出なくてまあいいのじやないかと言われまするが、やはりそう徴収する側のほうの気持にはなかなか受信者のほうは、いろいろ都合上私はそうはうまく行かないのじやないか。従来ですと仮に一カ月であろうと三カ月であろうと、四カ月であろうと五カ月であろうと、五十円単位ですから、そういつた問題はなかつたと思うのですが、今度の場合は六十七円というような非常に何か細かい計算の上に組立てられた六十七円になつているのですが、実は先ほど来申上げているように、大局的に見れば余り姑息な形に結果的になつているという点が、事務的な面から考えても余り私は妥当でないというように考えられるわけです。こういつたような点については十分やはり考えて参る必要があるのじやないかというように考えるわけです。まあその点、只今の御答弁については、私はそういう意味で非常に現状の把握の仕方が甘いのではないかという考えを持つているわけです。まあ私の質問は本日のところ、以上を以て終ります。
#71
○委員長(左藤義詮君) 時期も切迫しおりますので、明日午前十時から委員会を開き質疑を続行したいと思います。午後は一時から参考人としてNHKの春日ラジオ局長と、NHKのユーモア劇場の三木鶏郎、実名は繁田裕司君ですが、おいでを願つて意見を聞くことにいたします。
 本日はこれにて、散会いたします。
   午後五時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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